説明

携帯電話保持部品

【課題】携帯電話の使い勝手の向上やコストの低減化を図り、携帯電話の通信状態を良好に保持する。
【解決手段】本発明は、携帯電話20をハンズフリーで通話可能なように保持するための携帯電話保持部品10であって、頭上部に装着されるヘッドバンド11と、ヘッドバンド11の下端部に設けられて携帯電話20を着脱可能に保持する保持部材19と、を備え、保持部材19は、携帯電話20の姿勢を上下及び前後に変更自在に保持可能なように構成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話をハンズフリーで通話可能なように保持するための携帯電話保持部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話をハンズフリーで通話する場合、イヤホンマイクやヘッドセットを携帯電話のイヤホンジャックに接続したり、或いは、無線により携帯電話と接続したりして行っている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−224449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したイヤホンマイク等を携帯電話に接続して通話する従来の方法では、耳にヘッドセット等を取り付け、携帯電話との間をコードで繋いだままでいなければならず、コードの取り扱いが煩雑となったり、コードが通話中の作業の邪魔になったりするおそれがあり、使い勝手が悪いといった問題があった。また、従来のこの方法では、携帯電話のイヤホンジャックがイヤホンマイクの差し込み口と充電用コネクタの差し込み口を兼用している機種の場合には、充電しながら通話をすることができないため、さらに使い勝手が悪くなるといった問題があった。
【0005】
一方、上記した無線により携帯電話と接続して通話する従来の方法では、設備コストが高くつくといった問題や、通話中の音声が途切れたりして通信状態を良好に保持するのが難しいといった問題などがあった。
【0006】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、携帯電話の使い勝手の向上やコストの低減化を図り、携帯電話の通信状態を良好に保持することのできる携帯電話保持部品を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した目的を達成するため、本発明は、携帯電話をハンズフリーで通話可能なように保持するための携帯電話保持部品であって、頭上部に装着されるヘッドバンドと、該ヘッドバンドの下端部に設けられて携帯電話を着脱可能に保持する保持部材と、を備え、該保持部材は、前記携帯電話の姿勢を上下及び前後に変更自在に保持可能なように構成されていることを特徴とする。
【0008】
そして、本発明に係る携帯電話保持部品において、前記保持部材は、前記ヘッドバンドの一方の下端部に設けられる耳当て部に対して上下にスライド自在且つ前後に傾倒自在に設けられ、前記携帯電話の背面部に当接可能な背面保持部と、前記携帯電話の両側面部を挟持可能なように互いに対向する側面保持部と、を備え、前記側面保持部は前記携帯電話の幅に合わせてスライドするように構成されていてもよい。
【0009】
また、本発明に係る携帯電話保持部品において、前記保持部材は、前記ヘッドバンドの一方の下端に設けられる耳当て部に面ファスナーを介して着脱可能に設けられ、前記携帯電話の背面部に当接可能な背面保持部と、前記携帯電話の両側面部を挟持可能なように互いに対向する側面保持部と、を備え、前記側面保持部は前記携帯電話の幅に合わせてスライドするように構成されていてもよい。
【0010】
さらに、本発明に係る携帯電話保持部品において、前記側面保持部のうちのいずれか一方の側面保持部と前記背面保持部との間にバネが介装され、前記一方の側面保持部は前記背面保持部に対して傾倒可能に設けられていてもよい。
【0011】
さらに、本発明に係る携帯電話保持部品において、前記側面保持部のうちのいずれか一方の側面保持部は、前記背面保持部の端部に枢設され、該背面保持部に対して傾倒可能に設けられていてもよい。
【0012】
さらに、本発明に係る携帯電話保持部品において、前記ヘッドバンドの他方の下端部には、側頭部に当接可能な側頭保持部が設けられ、該側頭保持部は、下端部が耳介の付け根部分上部に当接可能なように形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る携帯電話保持部材よれば、携帯電話の使い勝手の向上やコストの低減化を図り、携帯電話の通信状態を良好に保持することができる等、種々の優れた効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品の使用時の状態を示す背面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品のヘッドバンドを示す裏面図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品の耳当て部を示す右側面図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品の側頭保持部を示す左側面図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品の未使用時の状態を示す背面図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品の保持部材の変形例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品の保持部材の別の変形例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品の保持部材のさらに別の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品について詳細に説明する。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品10は、頭上部に装着されるヘッドバンド11と、ヘッドバンド11の下端部に設けられる耳当て部12と、ヘッドバンド11の他方の下端部に設けられて側頭部に当接可能な側頭保持部13と、を備えている。
【0017】
ヘッドバンド11は、図2に示すように、帯板状で弾性を有するABS樹脂製であり、その頭頂部分14は他の部分より前後方向に幅広の形状を有しており、頭頂部分14の裏面側には、滑り止めのため、多数の小突起部15が形成されている。
【0018】
耳当て部12は、図3に示すように、ABS樹脂製でヘッドバンド11と一体成形され、ヘッドバンド11の下端部分より前後方向に幅広の形状を有している。耳当て部12には、上下方向に細長い長孔16が形成されており、ダイヤル状の固定具17のネジ部18がこの長孔16に挿通されて上下にスライド可能となっている。なお、この長孔16を設ける代わりに、或いは、長孔16に加えて、ヘッドバンド11に対して耳当て部12自体をスライド可能なように設けてもよい。
【0019】
耳当て部12の内側には、保持部材19が設けられており、保持部材19は、固定具17のネジ部18に締結されることにより、所望な上下及び前後傾倒位置に固定されるようになっている。
【0020】
保持部材19は、図1に示されているように、携帯電話20の背面部21に当接可能な背面保持部22と、携帯電話20の両側面部23,24を挟持可能なように互いに対向する側面保持部25,26と、を備えて構成されている。側面保持部25,26は携帯電話20の幅に合わせてスライド可能に構成されており、背面保持部22と側面保持部25,26の内面にはそれぞれEVA樹脂製のクッション材27が貼付されている。
【0021】
側頭保持部13は、図4に示されているように、ABC樹脂製でヘッドバンド11に対して上下にスライド自在に形成されており、その下端部28が耳介の付け根部分上部に当接可能なように前後方向に延出すると共に僅かに上方に湾曲した形状を成している。また、側頭保持部13の内面にはEVA樹脂製のクッション材29(図1参照)が貼付されている。
【0022】
次に、このような構成を備えた本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部品10の使用方法について説明する。
【0023】
先ず、保持部材19の側面保持部25,26を携帯電話20の幅に合わせてスライドさせ、側面保持部25,26によって携帯電話20を挟持させる。また、固定具17を緩めて保持部材19を長孔16に沿って上下にスライドさせると共にネジ部18を支点に前後に傾倒させ、携帯電話20を所望な保持姿勢にセットした上で、固定具17を締め付け固定する。この時、背面保持部22と側面保持部25,26の内面にはそれぞれクッション材27が貼付されているため、携帯電話20は損傷を受けることなく保持部材19に確実に保持される。
【0024】
次いで、このように携帯電話20が保持部材19にセットされた状態で、ヘッドバンド11を頭部に装着し、ヘッドバンド11に対して側頭保持部13を所望な長さにスライドさせて側頭保持部13の下端部28を耳介の付け根部分上部に当接させると、携帯電話20が所望な通話位置にセットされる。これにより、携帯電話20でのハンズフリー通話を行うことができる。この時、側頭保持部13の下端部が耳介の付け根部分上部に当接することにより、携帯電話保持部品10はより安定性良く頭部に装着される。
【0025】
そして、ハンズフリー通話終了後、携帯電話20を使用しない場合には、ヘッドバンド11を頭部から取り外すと、ヘッドバンド11の弾性によって、携帯電話保持部品10は、図5に示すように、自然にコンパクトに閉じた状態になる。そのため、この状態で携帯電話保持部品10を首に掛けることにより、携帯電話20の次の使用に備えたり、或いは、最小の収納スペースでこの携帯電話保持部品10を収納したりすることができる。
【0026】
このように本発明の実施の形態に係る携帯電話保持部材10によれば、携帯電話20の種類(例えば、ストレート式、折り畳み式、スライド式、スマートフォン等)に拘わらず、携帯電話20の幅に合わせて側面保持部25,26をスライドさせることにより、保持部材19により市販の携帯電話20を上下及び前後の所望な位置で確実に保持しながら、ハンズフリーで通話を行うことができるため、通話中でも両手を使用して作業をすることができ、作業性を高めることができる。また、携帯電話20にイヤホン用のコードを繋いだりする必要がなく、コードの取り扱いが煩雑となったり、コードが通話中の作業の邪魔になったりするおそれがなく、また、携帯電話20を充電しながら通話をすることもできるため、携帯電話20の使い勝手の向上を図ることができる。さらに、無線により携帯電話20と接続して通話する従来の方法のように、設備コストが高くついたり、或いは、通話中の音声が途切れたりして携帯電話20の通信状態が良好に保持できなかったりすることもない。
【0027】
なお、上記した実施の形態では、保持部材19が固定部17によって耳当て部12に固定される場合について説明したが、本発明はこの場合に限定されるものではなく、例えば、耳当て部12の内面に面ファスナー(図示省略)を介して保持部材19が着脱可能に設けられるように構成してもよい。この場合、耳当て部12に対する保持部材19の着脱作業をより容易に行うことができると共に、保持部材19に保持された携帯電話20の姿勢を上下及び前後に一層簡単に変更することができるようになる。
【0028】
さらに、保持部材19の構造についても、上記した実施の形態において説明した構造に限定されるものではなく、各種変更が可能である。すなわち、例えば、図6や図7に示すように、側面保持部25,26のうちのいずれか一方の側面保持部25と背面保持部22との間にバネ30,31を介装し、一方の側面保持部25が背面保持部22に対して傾倒可能なように構成し、携帯電話20を上下方向又は横方向から装着させるようにしたり、或いは、図8に示すように、側面保持部25,26のうちのいずれか一方の側面保持部25を背面保持部22の端部に枢設し、背面保持部22に対して傾倒可能なように構成し、携帯電話20を正面方向(図8の実線矢印方向)から装着させるようにしたりすることもできる。これらの場合、保持部材19に携帯電話20を保持させる作業をより簡単に行うことができるようになる。
【0029】
なお、上記した本発明の実施の形態の説明は、本発明に係る携帯電話保持部品の好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。さらに、上記した本発明の実施の形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能であり、上記した本発明の実施の形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0030】
10 携帯電話保持部品
11 ヘッドバンド
12 耳当て部
13 側頭保持部
19 保持部材
20 携帯電話
22 背面保持部
25 側面保持部
26 側面保持部
30 バネ
31 バネ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話をハンズフリーで通話可能なように保持するための携帯電話保持部品であって、
頭上部に装着されるヘッドバンドと、
該ヘッドバンドの下端部に設けられて携帯電話を着脱可能に保持する保持部材と、
を備え、該保持部材は、前記携帯電話の姿勢を上下及び前後に変更自在に保持可能なように構成されていることを特徴とする携帯電話保持部品。
【請求項2】
前記保持部材は、前記ヘッドバンドの一方の下端部に設けられる耳当て部に対して上下にスライド自在且つ前後に傾倒自在に設けられ、前記携帯電話の背面部に当接可能な背面保持部と、前記携帯電話の両側面部を挟持可能なように互いに対向する側面保持部と、を備え、前記側面保持部は前記携帯電話の幅に合わせてスライドするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話保持部品。
【請求項3】
前記保持部材は、前記ヘッドバンドの一方の下端に設けられる耳当て部に面ファスナーを介して着脱可能に設けられ、前記携帯電話の背面部に当接可能な背面保持部と、前記携帯電話の両側面部を挟持可能なように互いに対向する側面保持部と、を備え、前記側面保持部は前記携帯電話の幅に合わせてスライドするように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の携帯電話保持部品。
【請求項4】
前記側面保持部のうちのいずれか一方の側面保持部と前記背面保持部との間にバネが介装され、前記一方の側面保持部は前記背面保持部に対して傾倒可能に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯電話保持部品。
【請求項5】
前記側面保持部のうちのいずれか一方の側面保持部は、前記背面保持部の端部に枢設され、該背面保持部に対して傾倒可能に設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の携帯電話保持部品。
【請求項6】
前記ヘッドバンドの他方の下端部には、側頭部に当接可能な側頭保持部が設けられ、該側頭保持部は、下端部が耳介の付け根部分上部に当接可能なように形成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1の請求項に記載の携帯電話保持部品。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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