説明

携帯電話機

【課題】携帯電話機のディスプレイが発光することが迷惑となる場所において、ユーザによる簡便な操作により、ディスプレイの一部分のみを部分的に発光させることができる携帯電話機を提供する。
【解決手段】携帯電話機1の領域特定部121は、ユーザがタッチパネル103に接触した位置に基づき境界を決定し、さらに、加速度センサ101による検出値に基づき、境界を境に、LCD111内の傾き下方の領域を、部分発光させる指定領域に特定する。そして、バックライトユニット112は、指定領域に対応する照明装置のみを点灯し、指定領域以外の領域に対応する照明装置を消灯することにより、LCD111の一部分のみを発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機に関し、特に、ディスプレイの表示を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機のディスプレイを発光させるバックライトは、一定時間ユーザの操作が無ければ、消灯することにより省電力化を図っている。バックライトが消灯している状態で、携帯電話機がユーザの操作を受け付けると、再びバックライトが点灯する。
また、特許文献1には、コンピュータのディスプレイを部分的に発光させることにより、省電力化を図る技術が開示されている。この技術では、ユーザが入力した文字数に応じてディスプレイの一部を発光させたり、ユーザがタッチパネルを押圧した位置のみを発光させたりする。
【特許文献1】特開平11−184442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、映画館などの暗い場所で、ユーザが携帯電話機のディスプレイの表示内容を確認する必要が生じた場合に、ディスプレイが突然発光すると周囲に迷惑が掛かる。そこで、このような場所では、ディスプレイの一部分のみを発光させたいという要望がある。
しかし、特許文献1に記載されている技術を携帯電話機に用いたとしても、暗い場所で、ユーザが、文字入力により発光位置を指定することは困難であるし、また、タッチパネルの押圧位置によっては、ディスプレイの光が周囲に洩れ、迷惑となる可能性もある。したがって、上記の技術を用いても、周囲に迷惑が掛からないような発光位置をユーザが指定することは困難である。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑みなされたものであって、ユーザの簡便な操作により、周囲に迷惑がかからないように、ディスプレイの一部分のみを部分的に発光させることができる携帯電話機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の携帯電話機は、ディスプレイと、前記ディスプレイの傾きを検出する傾き検出手段と、前記傾き検出手段の検出結果に基づき、所定の方法により決定される境界を境に、前記ディスプレイ内の傾き下方の領域である第1領域を特定する領域特定手段と、特定された前記第1領域の明るさを、前記第1領域以外の領域である第2領域の明るさより明るくする制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
上記の構成を備えることにより、本発明の携帯電話機は、映画館などの暗い場所で、消灯しているディスプレイが点灯する場合であっても、傾き下方の領域を部分的に明るく発光するので、ユーザが携帯電話機の画面内容を確認するときに、周囲に迷惑が掛かることを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
ここでは、本発明に係る実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
1.第1の実施形態
先ず、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機1について説明する。
<構成>
図1は、携帯電話機1の構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯電話機1は、加速度センサ101、表示部102、タッチパネル103、制御部104、記憶部105、通信部106、アンテナ107、音声制御部108、スピーカ109及びマイク110を備える。さらに、表示部102は、LCD(Liquid Crystal Display)111及びバックライトユニット112を備え、制御部104は、領域特定部121及び発光制御部122を備える。
【0008】
本実施形態に係る携帯電話機1は、LCD111を部分的に発光させる指定領域発光機能を備えている。また、携帯電話機1は、入力デバイスとしてのキーボードを備えておらず、ユーザは、タッチパネル103にタッチすることにより、携帯電話機1に対して、指示を入力する。
以下では、携帯電話機1の各構成要素について説明する。
【0009】
(1)加速度センサ101
ここでは、図2を用いて、加速度センサ101の機能について説明する。加速度センサ101は、携帯電話機1にかかる重力の下記xy軸の各軸成分の大きさに比例した各電圧値を出力するIC(Integrated Circuit)である。
図2(a)に示すように、携帯電話機1のスピーカ109側を上端201とし、マイク110側を下端202とした場合に、図の向きにx軸及びy軸を取る。加速度センサ101は、重力のx軸成分の大きさに比例した電圧値と、y軸成分の大きさに比例した電圧値とを検出し、検出した電圧値を、制御部104の領域特定部121へ出力する。
【0010】
携帯電話機1は、ディスプレイ面が水平の状態では、重力のx軸成分及びy軸成分は、共に0であるから、加速度センサ101から出力されるx軸成分及びy軸成分の電圧値は、共に0である。
図2(b)に示すように、携帯電話機1を、ディスプレイ面が水平の状態からx軸を回転軸として、図の向き(上端201を上向き、下端202を下向き)に角度θだけ傾けると、重力のy軸成分が発生する。図2(c)は、角度θに対応した電圧値の変化の概要を示す図である。
【0011】
図2(c)に示すように、角度θがプラスの場合(上端201を上向き、下端202を下向きに傾けた場合)、電圧値はマイナスの値となる。一方、角度θがマイナスの場合(下端202を上向き、上端201を下向きに傾けた場合)、電圧値はプラスの値となる。従って、制御部104は、加速度センサ101から出力されるy軸方向の電圧値を用いて、携帯電話機1のy軸方向の傾き方向(上端201及び下端202の何れが下方に向いているか)を知ることができる。
【0012】
同様に、携帯電話機1を、水平の状態からy軸を回転軸として傾けた場合、図2(a)に示すように、携帯電話機1の左端203及び右端204を定義すると、制御部104は、加速度センサ101から出力されるx軸方向の電圧値を用いて、携帯電話機1のx軸方向の傾きの方向(左端203及び右端204の何れが下方に向いているか)を知ることができる。
【0013】
なお、以下では、加速度センサ101から出力される電圧値を、「傾き情報」と呼称する。また、図2(b)において、角度θがプラスの場合には下端202側を、角度θがマイナスの場合には上端201側を、「傾き下方」と呼称する。また、携帯電話機1がx軸方向に傾いている場合には、傾き角度がプラスの場合には、左端203側を、傾き角度がマイナスの場合には、右端204側を「傾き下方」と呼称する。
【0014】
(2)表示部102
表示部102は、先に述べたように、LCD111及びバックライトユニット112を備える。
LCD111は、90×120画素で、制御部104により生成された各種の画面情報を表示する。
【0015】
バックライトユニット112は、LCD111の背面に備えられた複数個の照明装置を含む。具体的には、バックライトユニット112は、図3に示すように、横6列及び縦8列のマトリックス状の48個の照明装置を備えている。各照明装置は、発光強度を多段階に切り替えることが可能であり、発光制御部122から受け取る発光強度に従って点灯する。
【0016】
各照明装置は、具体的には、CCFL(Cold Cathode Fluorescent Lamp)管、LED(Light Emitting Diode)などを用いて実現することができる。
なお、図3に示したx軸及びy軸上の数値は、各照明装置が点灯することにより発光するLCD111内の領域をドット(画素数)で表している。
【0017】
例えば、照明装置113が点灯すれば、LCD111内における、x軸方向の0〜15ドット、y軸方向の0〜15ドットの領域が発光する。また、x軸方向の0〜90ドット及びy軸方向の0〜60ドットから成る領域に対応する24個の照明装置を、所定の発光強度で点灯させ、それ以外の領域に対応する24個の照明装置を消灯させることにより、LCD111の半分の領域のみを発光させることができる。
【0018】
(3)タッチパネル103
タッチパネル103は、LCD111の上部全体を覆うように備えられた入力デバイスであって、ユーザのタッチ操作を受け付けると、タッチされた座標を示す接触位置情報を、制御部104へ出力する。
ここで、本実施形態では、指定領域発光機能により部分的に発光させるLCD111内の領域をユーザが指定するために、ユーザは、タッチパネル103の複数の位置を接触することを想定している。
【0019】
例えば、図4(a)に示すように、ユーザは、携帯電話機1を左手で把持しながら、LCD111に右手をかざすような形で、右手をタッチパネル103に接触させる。この場合、タッチパネル103は、同時接触された複数の座標を示す接触位置情報を、制御部104の領域特定部121へ出力する。
なお、タッチパネル103は、既存の技術で実現可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0020】
(4)制御部104
制御部104は、CPU(Central Processing Unit)及びRAM(Random Access Memory)などから構成される。
制御部104は、記憶部105に記憶されているコンピュータプログラムを実行することにより、携帯電話機1の各構成要素を制御し、各種の処理を実現する。
【0021】
制御部104は、各種の画面情報を生成し、生成した画面情報を、表示部102へ出力する。画面情報の具体例は、メニュー画面、着信画面、受信メール画面、各種のアプリケーション画面等である。
以下では、本発明における制御部104の特徴的な処理について説明する。
制御部104は、指定領域発光機能のオン及びオフの何れかを示すフラグを記憶している。例えば、フラグの値が「1」のとき、指定領域発光機能はオンであり、「0」のとき、指定領域発光機能はオフであるとする。先に述べたように、指定領域発光機能は、LCD111を部分的に発光させる機能であり、ユーザ操作により、オン及びオフを切り替えることができる。
【0022】
なお、指定領域発光機能がオンの状態で、携帯電話機1の電源がオフされている状態から、電源がオンに切り替わるときは、バックライトユニット112の各照明装置は、全て消灯することとする。これは、映画館などの暗い場所で、携帯電話機1の電源がオンに切り替わったときに、ユーザの意図に反して、LCD111の全体が発光することを回避するためである。
【0023】
領域特定部121及び発光制御部122は 指定領域発光機能がオンの場合に、以下の処理を行う。
領域特定部121は、タッチパネル103から取得する接触位置情報と、加速度センサ101から取得する傾き情報とから、部分的に発光させるLCD111内の領域である指定領域を特定する。
【0024】
ここで、ユーザは、図4(a)に示したように、タッチパネル103に手を接触させるので、制御部104がタッチパネル103から取得する接触位置情報は、直線を示しておらず、ユーザの手の幅に相当する複数の座標を含む。そこで、領域特定部121は、先ず、接触位置情報を基に、接触ラインを決定する。例えば、図4(a)に示すように、ユーザが水平ライン(x軸方向)に略平行に手を接触させた場合、領域特定部121は、複数のx座標について、各x座標に対応する複数のy座標から、y座標の平均値を算出することにより、接触ラインを決定する。ユーザが垂直ライン(y軸方向)に略平行に手を接触させた場合にも、同様の方法により接触ラインを決定する。
【0025】
その後、領域特定部121は、バックライトユニット112が備える複数の照明装置それぞれが発光させることができるLCD111内の領域を分割する複数のライン(図3に示すように、水平ラインは、y=15、30、45、60、75ドットの5本、垂直ラインは、x=15、30、45、60、75、90、105ドットの7本)の内から、決定した接触ラインに最も近い水平ライン又は垂直ラインを選択し、選択した水平ライン又は垂直ラインを、指定領域とそれ以外の領域とを分割する境界として決定する。
【0026】
決定した境界が水平ラインである場合、領域特定部121は、y軸方向の傾き情報を用いて、境界を境に、傾き下方の領域を、指定領域として特定する。一方、決定した境界が垂直ラインである場合、領域特定部121は、x軸方向の傾き情報を用いて、境界を境に、傾き下方の領域を、指定領域として特定する。
領域特定部121は、特定した指定領域を示す情報を、発光制御部122へ出力する。
【0027】
発光制御部122は、領域特定部121から指定領域を示す情報を受け取ると、記憶部105から、発光強度情報131を読み出す。そして、発光制御部122は、指定領域に対応する照明装置に対して、発光強度情報131が示す値を出力し、指定領域以外の照明装置に対して、発光強度0を出力する。
先に述べたように、バックライトユニット112の各照明装置は、発光制御部122から受け付けた発光強度で点灯するので、図4(b)に示すように、ユーザがLCD111に手をかざしている状態で、傾きが下方の領域のみを発光させることができる。
【0028】
(5)記憶部105
記憶部105は、ROM(Read Only Memory)及びRAMから構成される。記憶部105は、携帯電話機1の制御に必要なコンピュータプログラムや、ユーザが入力したデータ、アドレス帳、受信メール、送信メールなど、様々なデータを記憶している。
【0029】
また、記憶部105は、図1に示すように発光強度情報131を記憶している。発光強度情報131は、指定領域に対応する照明装置を発光させるときの制御値である。一例として、記憶部105は、発光強度情報131として、輝度値「300」を記憶している。
(6)通信部106及びアンテナ107
通信部106は、アンテナ107を介して受信した受信信号を、受話受信信号及び受信データ信号に復調し、復調した受信受話信号を、音声制御部108へ出力し、復調した受信データ信号を、制御部104へ出力する。
【0030】
また、通信部106は、音声制御部108でA/D変換された送話音声信号及び制御部104から受け取った送信データ信号を復調し、アンテナ107から出力する。
(7)音声制御部108、スピーカ109及びマイク110
音声制御部108は、通信部106から受け取った受話受信信号をD/A変換し、スピーカ109に出力する。
【0031】
また、音声制御部108は、マイク110から受け取った送話音声信号を、A/D変換し、生成した信号を、通信部106へ出力する。
<動作>
ここでは、図5に示すフローチャートを用いて、携帯電話機1の指定領域発光処理の動作について説明する。なお、図5に示す処理は、LCD111の全体が発光していない状態から、ユーザがタッチパネル103に接触することにより開始される。
【0032】
制御部104は、内部に保持するフラグの値から、指定領域発光機能がオンであるか、オフであるかを判断する。指定領域発光機能がオフの場合(ステップS101でNO)、制御部104は、タッチパネル103の接触位置に対応する通常の処理を行う(ステップS102)。
指定領域発光機能がオンの場合(ステップS101でYES)、領域特定部121は、タッチパネル103から接触位置情報を取得し(ステップS103)、取得した接触位置情報を基に、指定領域とそれ以外の領域との境界を決定する(ステップS104)。続いて、領域特定部121は、加速度センサ101から、境界に直交する向きの傾き情報を取得する(ステップS105)。
【0033】
領域特定部121は、ステップS104で決定した境界を境に、傾き下方の領域を、指定領域として特定する(ステップS106)。その後、領域特定部121は、指定領域を示す情報を発光制御部122へ出力する。
発光制御部122は、領域特定部121から指定領域を示す情報を受け取ると、記憶部105から、発光強度情報131を取得する(ステップS107)。そして、発光制御部122は、バックライトユニット112の各照明装置に対して、発光強度を出力する。このとき、指定領域に対応する照明装置に対しては、発光強度情報131が示す値を出力し、指定領域以外の領域に対応する照明装置に対しては、0を出力する。
【0034】
バックライトユニット112の各照明装置は、発光制御部122から発光強度を受け取ると、受け取った発光強度で点灯することにより、LCD111内の指定領域のみを発光させる(ステップS108)。
タッチパネル103への接触が継続している場合(ステップS109でYES)、バックライトユニット112は、ステップS108の処理を継続する。タッチパネル103への接触が終了すると(ステップS109でNO)、携帯電話機1は、指定領域発光処理を終了する。
【0035】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザは、携帯電話機を傾けながらタッチパネル103に手を接触させるという簡便な操作により、部分的に発光させる領域を指定することができる。
ここで、ユーザがディスプレイを見ながら携帯電話機を把持している通常の使用状態を鑑みると、傾き下方の領域はユーザの手前側に位置しており、傾き下方の領域の発光は、上方の領域の発光に比べて、周囲への影響が少ないと考えられる。したがって、映画館などの暗い場所でも、ユーザは携帯電話機の画面内容を確認するときに、周囲に迷惑が掛かるのを防止することができる。
【0036】
2.第2の実施形態
次に、本発明の第2の実施形態に係る携帯電話機について説明する。
<構成>
第2の実施形態に係る携帯電話機は、図1に示した携帯電話機1と同様の構成を備える。そこで、以下では、第2の実施形態に係る携帯電話機について、図1の符号を用いながら、第1の実施形態とは異なる部分を中心に説明する。
【0037】
第1の実施形態では、図4に示すように、ユーザは、タッチパネル103の複数の位置を接触することを想定していたが、本実施形態では、ユーザは、図6(a)に示すように、タッチパネル103に指を接触させながら、指を移動させてラインを引き、発光させる領域を指定することを想定している。
タッチパネル103は、接触移動の軌跡を示す接触ライン情報を、制御部104の領域特定部121へ出力する。
【0038】
接触ライン情報は、ユーザが指で接触した位置の複数の座標を含むので、領域特定部121は、第1の実施形態と同様に、接触ライン情報を基に、座標の平均値をとることにより、接触ラインを決定する。
その後、領域特定部121は、第1の実施形態と同様に、指定領域とそれ以外の領域とを分割する水平ライン又は垂直ラインの境界を決定し、決定した境界と、加速度センサ101から取得する傾き情報とから、指定領域を特定する。
【0039】
発光制御部122は、第1の実施形態と同様に、領域特定部121から指定領域を示す情報を受け取ると、記憶部105から、発光強度情報131を読み出す。ここで、本実施形態の発光制御部122は、タイマー機能を有しており、発光強度情報131を読み出した後、予め記憶している所定時間Ts(例えば、所定時間Tsは5秒程度である。)を経過した後に、バックライトユニット112の各照明装置に対して、発光強度を出力する。
【0040】
バックライトユニット112の各照明装置は、発光制御部122から受け取った発光強度で点灯するので、図6(b)に示すように、ユーザが指を接触移動させた位置を境界として、LCD111内の、傾き下方の領域のみを発光させることができる。
このように、本実施形態では、ユーザがタッチパネル103に接触してから、LCD111が発光されるまでに所定時間を要する。これにより、ユーザは、タッチパネル103上を指で接触移動させた後、LCD111の発光が周囲に迷惑となるのを防止するために、第1の実施形態のように、LCD111上に手をかざすなどの動作をすることができる。
【0041】
<動作>
ここでは、図7に示すフローチャートを用いて、第2の実施形態に係る携帯電話機の指定領域発光処理の動作について説明する。なお、図7に示す処理は、LCD111の全体が発光していない状態から、ユーザがタッチパネル103に接触するにより開始される。
制御部104は、内部に保持するフラグの値から、指定領域発光機能がオンであるか、オフであるかを判断する。指定領域発光機能がオフの場合(ステップS201でNO)、制御部104は、タッチパネル103の接触位置に対応する通常の処理を行う(ステップS202)。
【0042】
指定領域発光機能がオンの場合(ステップS201でYES)、制御部104の領域特定部121は、タッチパネル103から接触ライン情報を取得し(ステップS203)、取得した接触ライン情報を基に、指定領域とそれ以外の領域との境界を決定する(ステップS204)。続いて、領域特定部121は、加速度センサ101から、境界に直交する向きの傾き情報を取得する(ステップS205)。
【0043】
領域特定部121は、ステップS204で決定した境界を境に、傾き下方の領域を、指定領域として特定する(ステップS206)。その後、領域特定部121は、指定領域を示す情報を発光制御部122へ出力する。
発光制御部122は、領域特定部121から指定領域を示す情報を受け取ると、記憶部105から、発光強度情報131を取得する(ステップS207)。
【0044】
その後、発光制御部122は、タイマー機能によるカウントを開始する(ステップS208)。タイマーによるカウント値Tが、所定時間Ts以下の場合(ステップS209でNO)、発光制御部122は、カウントを継続する。タイマーによるカウント値Tが、所定時間Tsを超過すると(ステップS209でYES)、発光制御部122は、バックライトユニット112の各照明装置に対して、発光強度を出力する。このとき、指定領域に対応する照明装置に対しては、発光強度情報131が示す値を出力し、指定領域以外の領域に対応する照明装置に対しては、0を出力する。
【0045】
バックライトユニット112の各照明装置は、発光制御部122から発光強度を受け取ると、受け取った発光強度で点灯することにより、LCD111内の指定領域のみを発光させる(ステップS210)。
ユーザが、タッチパネル103上に手をかざしているなど、タッチパネル103への接触がある場合(ステップS211でYES)、バックライトユニット112は、ステップS210の処理を継続する。タッチパネル103への接触がなければ(ステップS211でNO)、携帯電話機は、指定領域発光処理を終了する。
【0046】
なお、本実施形態では、ステップS211でタッチパネル103への接触があり、尚且つ、接触が継続している場合には、ステップS210の指定領域発光処理を継続するとしてもよいし、タッチパネル103への接触が継続しているかを判断せずに、タイマーによって時間を計測し、計測時間が所定時間内であれば、指定領域発光処理を継続し、計測時間が所定時間を経過すれば、指定領域発光処理を終了するとしてもよい。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、ユーザは、携帯電話機を傾けながらタッチパネル103上に指で線を描くという簡便な操作により、部分的に発光させる領域を指定することができる。
そして、領域を指定した後に、LCD111が発光するまでの間に、ユーザは、タッチパネル上に手をかざすことができるので、映画館などの暗い場所でも、ユーザは携帯電話機の画面内容を確認するときに、周囲に迷惑が掛かるのを防止することができる。
【0048】
3.第3の実施形態
続いて、本発明の第3の実施形態に係る携帯電話機2について説明する。
<構成>
図8は、携帯電話機2の構成を示すブロック図である。同図に示すように、携帯電話機2は、加速度センサ101、表示部102、キーボード103a、制御部104、記憶部105、通信部106、アンテナ107、音声制御部108、スピーカ109及びマイク110を備える。さらに、表示部102は、LCD111及びバックライトユニット112を備え、制御部104は、領域特定部121a及び発光制御部122を備える。ここで、携帯電話機1と同様の機能を有する構成要素については、図1と同一の符号を付している。
【0049】
本実施形態に係る携帯電話機2は、携帯電話機1と同様に、LCD111を部分的に発光させる指定領域発光機能を備えている。また、携帯電話機1は、タッチパネル103を備えているに対し、携帯電話機2は、タッチパネルを備えておらず、図10に示すように、キーボード103aを備えた折り畳み式の携帯電話機である。
以下では、第3の実施形態に係る携帯電話機2について、第1及び第2の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0050】
携帯電話機2は、折り畳み式の形態を有しているので、加速度センサ101は、表示部102の傾きを検出するために、キーボード103aが具備された筐体側ではなく、表示部102が具備された筐体側に具備されているものとする。
キーボード103aは、テンキー、オンフックキー、オフフックキー、方向キー、決定キー、メールキーなどの複数のキーを含む。ユーザは、キーボード103aのキーを押下することにより、携帯電話機2に対して、指示を入力する。
【0051】
キーボード103aは、ユーザによるキーの押下を受け付けると、受け付けた内容を、制御部104へ出力する。本実施形態では、ユーザは、指定領域発光機能により発光させる領域を指定するために、テンキーを用いる。
記憶部105は、図9に示すプリセットテーブル132を記憶している。プリセットテーブル132は、キーとx座標及びy座標とを対応付けたテーブルである。x座標及びy座標は、対応するキーが押下されたときに、指定領域とそれ以外の領域とを分割する境界となるライン情報を示しており、図3に示したように、バックライトユニット112が備える複数の照明装置それぞれが発光させることができるLCD111内の領域に対応している。
【0052】
例えば、キー「6」が押下された場合、x=90ドットの垂直ライン、又は、y=60ドットの水平ラインが境界となる。x座標のライン情報及びy座標のライン情報のいずれを境界として用いるかは、表示部102の傾きにより決定される。
制御部104の領域特定部121aは、指定領域発光機能がオンのとき、ユーザにより押下されたキーを示す情報をキーボード103aから受け付けると、加速度センサ101から取得するx軸方向の傾き情報とy軸方向の傾き情報とを比較して、傾き情報の大きさ(絶対値)が大きな方向を、傾きが大きな方向として決定する。
【0053】
ここで、ユーザが、表示部102を見ながら携帯電話機2を把持している通常の使用状態に鑑み、表示部102の傾きは、x軸方向及びy軸方向共に、水平からの角度が0度からプラス90度までの範囲であると考えてよい。したがって、領域特定部121aは、単に、x軸方向の傾き情報の大きさとy軸方向の傾き情報の大きさとを比較することにより、傾きの大きな方向を決定する。
【0054】
領域特定部121aは、y軸方向の傾きが大きいと判断した場合、プリセットテーブル132から、押下されたキーに対応するy座標の値をライン情報として読み出す。そして、y軸方向の傾き情報を用いて、ライン情報を境界として、傾き下方の領域を、指定領域として特定する。
一方、領域特定部121aは、x軸方向の傾きが大きいと判断した場合、プリセットテーブル132から、押下されたキーに対応するx座標の値をライン情報として読み出す。そして、x軸方向の傾き情報を用いて、ライン情報を境界として、傾き下方の領域を指定領域として特定する。
【0055】
本実施形態では、図10(a)に示すように、ユーザが、キーを押下することにより、押下されたキーに予め対応つけられているライン情報を境界として、図10(b)に示すように、LCD111の傾き下方の領域のみを部分的に発光させることができる。
<動作>
ここでは、図11に示すフローチャートを用いて、第3の実施形態に係る携帯電話機2の指定領域発光処理の動作について説明する。なお、図11に示す処理は、LCD111の全体が発光していない状態から、ユーザがキーを押下することにより開始される。
【0056】
制御部104は、内部に保持するフラグの値から、指定領域発光機能がオンであるか、オフであるかを判断する。指定領域発光機能がオフの場合(ステップS301でNO)、制御部104は、押下されたキーに対応する通常の処理を行う(ステップS302)。
指定領域発光機能がオンの場合(ステップS301でYES)、領域特定部121aは、加速度センサ101から、x軸方向の傾き情報及びy軸方向の傾き情報を取得する(ステップS303)。
【0057】
領域特定部121aは、x軸方向の傾き情報の大きさと、y軸方向の傾き情報との大きさとを比較し、傾きの大きな方向を決定する。そして、領域特定部121aは、傾きの大きな方向に対応し、且つ、押下されたキーに対応するライン情報を、プリセットテーブル132から取得する(ステップS304)。
領域特定部121aは、ステップS304で取得したライン情報を境界として、傾き下方の領域を、指定領域として特定する(ステップS305)。その後、領域特定部121aは、指定領域を示す情報を発光制御部122へ出力する。
【0058】
発光制御部122は、領域特定部121aから指定領域を示す情報を受け取ると、記憶部105から、発光強度情報131を取得する(ステップS306)。
その後、発光制御部122は、バックライトユニット112の各照明装置に対して、発光強度を出力する。このとき、指定領域に対応する照明装置に対しては、発光強度情報131が示す値を出力し、指定領域以外の領域に対応する照明装置に対しては、0を出力する。
【0059】
バックライトユニット112の各照明装置は、発光制御部122から発光強度を受け取ると、受け取った発光強度で点灯することにより、LCD111内の指定領域のみを発光させる(ステップS307)。
キーの押下が継続している場合(ステップS308でYES)、バックライトユニット112は、ステップS307の処理を継続する。キーの押下が終了すると(ステップS308でNO)、携帯電話機2は、指定領域発光処理を終了する。
【0060】
なお、キーの押下の終了とは、例えば所定時間ユーザの入力が無いと判断された場合に、終了したと判断することとしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、タッチパネルを備えていない携帯電話機であっても、図9に示すようなプリセットテーブル132を保持しているので、ユーザは、携帯電話機を傾けながらキーを押下するという簡便な操作により、部分的に発光する領域を指定することができる。
【0061】
4.その他の変形例
なお、本発明を上記の実施形態に基づき説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されないのは勿論であり、例えば、上記の実施形態に変更を加え、以下のように実施する場合も本発明に含まれる。
(1)第1〜第3の実施形態では、ディスプレイの傾きを検出するために加速度センサ101を用いたが、本発明で用いる加速度センサは、上述した仕様に限定されないのは勿論である。また、本発明は、加速度センサでなく、ディスプレイが水平面から傾いていること、及び、傾き下方の方向を検出することができる他のセンサを用いて実現してもよい。
【0062】
(2)第1〜第3の実施形態の指定領域発光機能は、LCD111を発光させる機構として、LCD111の背面に位置するバックライトユニット112を用いたが、バックライトに限定されず、LCD111を部分的に発光させることができる構成であれば、サイドライト、フロントライト等、バックライト以外の周辺光で実現してもよい。
また、第1〜第3の実施形態のバックライトユニット112は、マトリックス状に配された48個の照明装置を備え、照明装置毎に発光強度を設定できる構成であったが、バックライトユニット112が備える照明装置の数や位置は、これに限定されない。照明装置の数や位置に応じて、領域特定部121及び121aが選択可能な境界の数及び位置は異なるので、領域特定部121及び121aは、ユーザが入力した情報に基づいて、照明装置の数や位置に応じた選択可能な複数の境界の候補から、1の境界を選択するように構成すればよい。
【0063】
また、指定領域発光機能を複数個の照明装置により実現するのではなく、LCD111側にてドット(画素)毎の輝度値を制御することができるデジタルディスプレイを用いて実現してもよい。
(3)第1〜第3の実施形態では、指定領域とそれ以外の領域との境界は、LCD111の水平ライン又は垂直ラインを用いたが、本発明はこれに限定されず、例えば、LCD111を斜めに分割する直線を境界としてもよい。
【0064】
さらには、先に述べたように、デジタルディスプレイを用いてドット毎に輝度値を制御する場合、第1及び第2の実施形態では、ユーザがタッチパネルに接触した位置に応じた曲線を境界としてもよい。この構成によれば、より、ユーザが指定する境界に近い位置から、傾き下方領域を発光させることができる。
何れの場合であっても、領域特定部121及び121aは、x軸方向及びy軸方向の傾き情報から、傾き下方の領域を特定することができる。
【0065】
(4)第1〜第3の実施形態では、バックライトユニット112の輝度を変えることにより、指定領域とそれ以外の領域との明るさを変える構成であったが、これに限定されず、LCD111において、指定領域とそれ以外の領域とで、画素毎の明るさ(明度及び彩度)を変えることにより、指定領域とそれ以外の領域との明るさを変えるように構成してもよい。更には、バックライトの輝度及び画素毎の明るさの両方を変えることにより、指定領域と他の領域との明るさを変えるように制御してもよい。
【0066】
(5)第1〜第3の実施形態では、指定領域以外の領域のバックライトの発光強度(輝度)を0として、LCD111を発光させない構成としたが、本発明はこれに限定されない。指定領域以外の発光強度を、指定領域の発光強度より低く設定し、発光させる場合も本発明に含まれる。この場合、記憶部105は、発光強度情報131として、指定領域の輝度値に加え、指定領域以外の領域の輝度値も予め記憶しておく構成としてもよい。
【0067】
例えば、映画館などのように周囲の照明が非常に暗い場所では、指定領域以外の上方の領域の輝度を0にすることが望ましいが、上方の領域の輝度を必ずしも0とする必要がない場所では、上述したように、指定領域よりも低い輝度で発光させることにより、ユーザは、指定領域以外の領域に表示される画面も確認することができる。
(6)第1〜第3の実施形態では、表示部102はLCD111及びバックライトユニット112から構成されていたが、本発明の表示部102は、これに限定されない。例えば、表示部102として、有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイを用いてもよい。この場合は、照明装置による発光強度の制御ではなく、ドット(画素)毎に輝度値を制御して、ディスプレイを部分発光することができる。
【0068】
(7)第1〜第3の実施形態において、制御部104は、指定領域を特定した後に、指定領域に表示する画面を生成する画面生成部を備える構成としてもよい。
携帯電話機1及び携帯電話機2の通常の使用状態では、LCD111の全体が発光しており、図12(a)に示すように、LCD111の全体に画面141が表示される。ここで、指定領域発光機能により、LCD111の一部分のみが発光すると、図4(b)に示すように、ユーザは画面の下半分を見ることができるものの、画面の上半分については見ることができない。
【0069】
例えば、受信メール画面などは、受信日時、送信者、メールの件名等、重要な情報が画面の上半分に記載されている場合が多い。指定領域発光機能により、このような重要な情報を確認することができないのであれば、ユーザにとって利便性が悪い。
そこで、制御部104は、指定領域発光機能がオンである場合には、図12(b)のように、特定された指定領域のみに画面が出力されるように、指定領域の大きさに合わせた画面を生成する画面生成部を備えるように構成してもよい。
【0070】
図12(b)では、LCD111の領域142には画面は出力されず、指定領域のみに画面143が出力される。これにより、指定領域発光機能によって画面が切れて、ユーザが必要な情報を確認できないという事態を防止することができる。
(8)第1〜第3の実施形態において、指定領域発光機能により傾き下方の領域を部分発光している状態のとき、ユーザが携帯電話機の傾き方向を変えた場合、制御部104は、以下のような制御をしてもよい。
【0071】
例えば、図4(b)のように、ユーザが携帯電話機1をy軸方向に傾けて把持しており、水平ラインを境界として、LCD111が部分発光している状態から、ユーザが、図6(a)のように、携帯電話機1を横向きにして、x軸方向に傾けた場合、領域特定部121及び121aは、改めて垂直ラインの境界を決定し、その後、発光制御部122及びバックライトユニット112により、垂直ラインを境界とした傾き下方の領域を部分発光するように制御してもよい。
【0072】
この場合、領域特定部121及び121aは、傾きが変わる前の水平ラインの境界の位置に基づき、垂直ラインの境界の位置を決定してもよい。例えば、第3の実施形態のように、記憶部105が、水平ライン及び垂直ラインのライン情報を対応付けたテーブルを保持しており、領域特定部121及び121aは、テーブルから、水平ラインに対応する垂直ラインのライン情報を取得してもよい。また、記憶部105がテーブルを保持していなくとも、領域特定部121及び121aは、傾きが変わる前の指定領域のLCD111全体に対する割合に応じて、同一の割合となるように、垂直ラインの境界を算出してもよい。
【0073】
また、指定領域発光機能により傾き下方の領域を部分発光している状態のとき、ユーザが携帯電話機の傾き方向を変えた場合、発光制御部122は、指定領域に対応する照明装置に、発光強度0を出力することにより、部分発光を解除するように制御してもよい。
この構成によると、周囲に迷惑が掛からないように傾き下方の指定領域を発光しているにもかかわらず、ユーザが携帯電話機の方向を変えたために、ディスプレイの光が周囲に漏れ、周囲の迷惑になるのを防止することができる。
【0074】
(9)第1〜第3の実施形態において、指定領域発光機能がオンの場合、領域特定部121及び121aは、加速度センサ101が検出する傾き情報のみから、指定領域を特定してもよい。
この場合、記憶部105は、予め、x軸方向及びy軸方向の傾き角度(傾き情報)に対応したライン情報を示すテーブルを保持しておき、領域特定部121及び121aは、加速度センサ101から取得した傾き情報に対応するライン情報をテーブルから取得し、取得したライン情報を境界として、傾き下方の領域のみを発光させるように構成してもよい。また、記憶部105が、傾き角度に対応した前記テーブルを保持していなくとも、単に、傾き下方の半分の領域のみを発光させるように構成してもよい。
【0075】
この構成によると、ユーザは、タッチパネルにタッチすることなく、また、キー操作をすることなく、携帯電話機を傾けるだけで、LCD111を部分的に発光させることができる。
(10)第3の実施形態において、携帯電話機2は、キー押下が継続していなくても、所定の時間、指定領域発光処理を継続するように構成してもよい。この構成によると、ユーザは、キーを押下した後、キーから指を離して、第1の実施形態と同様に、LCD111上に手をかざすなどの動作をすることができる。
【0076】
(11)第1〜第3実施形態において、発光制御部122は、指定領域以外の領域に対応する照明装置に対して、発光強度「0」を出力する構成を有するが、全ての照明装置の発光強度が、既に「0」であり、LCD111の全体が消灯状態である場合には、指定領域に対応する照明装置に対して、発光強度「300」を出力すれば、指定領域以外の領域に対応する照明装置に対して、発光強度「0」を出力することは必須ではない。
【0077】
(12)第1〜第3の実施形態において、携帯電話機1及び携帯電話機2は、フォトセンサ等、周囲の明るさを検出することができる受光部を備え、受光部が検出した周囲の明るさに基づいて、指定領域発光機能のオン及びオフを切り替えるように構成してもよい。
例えば、周囲が十分に明るくディスプレイの発光が周囲に迷惑とならない場所では、指定領域発光機能をオフにし、周囲が暗くディスプレイの発光が周囲に迷惑となる場所では、指定領域発光機能をオンにする。
【0078】
この構成によれば、ユーザが指定領域発光機能のオン及びオフを切り替える必要がなくなるので、ユーザが指定領域発光機能をオンに切り替えるのを忘れた為に、暗い場所で、ユーザに意図に反してディスプレイの全体が発光し、周囲に迷惑が掛かるというような事態を防止することができる。
(13)第2の実施形態では、図7のフローチャートに示したように、ステップS210で指定領域発光処理が行われた後に、ステップS211でタッチパネルへの接触があるか否かを判断しているが、本発明はこれに限定されない。
【0079】
例えば、第2の実施形態において、ステップS210とステップS211の順序を逆にして、ステップS209で所定時間が経過したら、タッチパネルへの接触があるか否かを判断し、接触があると判断された場合に、指定領域発光処理を行うとしてもよい。
更に、第2の実施形態において、ステップS209の処理(所定時間が経過したか否かの判断)を行わず、タッチパネルへの接触があるか否かを判断し、接触があると判断された場合に、指定領域発光処理を行うとしてもよい。
【0080】
(14)第1及び第2の実施形態において、指定領域発光処理が行われているときに、発光していない領域(傾き上方の領域)が、ユーザにより接触された場合には、表示部の全体を発光するように構成してもよい。
(15)第1及び第2の実施形態では、タッチパネルへの接触が継続している場合に、指定領域発光処理を継続し、第3の実施形態では、キーの押下が継続している場合に、指定領域発光処理を継続する構成を有していたが、本発明はこれに限定されない。
【0081】
例えば、第1〜第3の実施形態において、指定領域発光機能の継続は、通常のタイマー処理により実現してもよい。具体的には、携帯電話機1及び携帯電話機2はタイマーを備え、タイマーにより時間を計測し、計測時間が所定時間を経過したら指定領域発光処理を終了し、表示部の全体を消灯するように構成してもよい。
この構成によると、ユーザがタッチパネルに手を接触し続けたり、キーを押下し続けることなく、指定領域発光機能を継続させることができるので、ユーザは、発光している指定領域に表示されている画面を見ながら、タッチパネルを操作したり、キー操作をすることができる。
【0082】
(16)第1〜第3の実施形態及び上記変形例をそれぞれ組み合わせた場合も本発明に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、携帯電話機を製造する産業、携帯電話機を販売する産業、携帯電話機に係るサービスを提供する産業において、部分的に発光するLCDの領域を、ユーザ自身が簡便な方法で指定することができる技術として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施形態に係る携帯電話機1の構成を示すブロック図である。
【図2】加速度センサ101の機能を説明するための図である。
【図3】バックライトユニット112が備える複数個の照明装置について説明するための図である。
【図4】第1の実施形態において、LCD111を部分発光させるときのユーザ操作を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態に係る指定領域発光処理の動作を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態において、LCD111を部分発光させるときのユーザ操作を説明するための図である。
【図7】第2の実施形態に係る指定領域発光処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】第3の実施形態に係る携帯電話機2の構成を示すブロック図である。
【図9】記憶部105に格納されているプリセットテーブル132のデータ構成を示す図である。
【図10】第3の実施形態において、LCD111を部分発光させるときのユーザ操作を説明するための図である。
【図11】第3の実施形態に係る指定領域発光処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】部分発光している指定領域のみに画面を表示する変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0085】
1 携帯電話機
2 携帯電話機
101 加速度センサ
102 表示部
103 タッチパネル
103a キーボード
104 制御部
105 記憶部
106 通信部
107 アンテナ
108 音声制御部
109 スピーカ
110 マイク
111 LCD
112 バックライトユニット
121 領域特定部
121a 領域特定部
122 発光制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイの傾きを検出する傾き検出手段と、
前記傾き検出手段の検出結果に基づき、所定の方法により決定される境界を境に、前記ディスプレイ内の傾き下方の領域である第1領域を特定する領域特定手段と、
特定された前記第1領域の明るさを、前記第1領域以外の領域である第2領域の明るさより明るくする制御手段と
を備えることを特徴とする携帯電話機。
【請求項2】
前記携帯電話機は、
前記ディスプレイ上に位置するタッチパネルを備え、
前記領域特定手段は、前記タッチパネルが接触された複数の位置に基づいて、前記境界を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項3】
前記携帯電話機は、
前記ディスプレイ上に位置するタッチパネルを備え、
前記領域特定手段は、前記タッチパネルが接触された点の軌跡に基づいて、前記境界を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1領域が特定された後に所定時間が経過したときは、前記第1領域の明るさを前記第2領域の明るさより明るくする
ことを特徴とする請求項3に記載の携帯電話機。
【請求項5】
前記携帯電話機は、
複数のキーを有するキーボードを備え、
前記領域特定手段は、各キーと前記ディスプレイ内の位置とを対応付けたテーブルを保持しており、何れかのキーが押下されると、押下されたキーに対応する位置を前記テーブルから取得し、取得された位置に基づき、前記境界を決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項6】
前記制御手段は、前記ディスプレイの複数個の光源それぞれの明るさを制御することにより、前記第1領域の明るさを、前記第2領域の明るさより明るくする
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。
【請求項7】
前記制御手段は、前記第2領域の明るさをゼロにすると共に、前記第1領域にのみ、ユーザに提示する画面を出力する
ことを特徴とする請求項6に記載の携帯電話機。
【請求項8】
前記傾き検出手段は、前記ディスプレイの幅方向及び高さ方向それぞれの傾き角度を検出し、
前記領域特定手段は、幅方向及び高さ方向のうち、水平に対する傾きの大きい方向を選択し、選択された方向において、傾き下方の領域である前記第1領域を特定する
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−130159(P2010−130159A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−300818(P2008−300818)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】