説明

摩擦攪拌接合方法及び摩擦攪拌接合製品

【課題】接合部位の外観が優れるようにする摩擦攪拌接合方法及びその方法による製品を提供する。
【解決手段】摩擦面を有する接合工具10を提供するステップと、第一表面層61及び前記第一表面層に対して傾斜された第一接合部を有する第一部品60を提供するステップと、第二表面層71及び前記第一接合部に対接される第二接合部を有する第二部品70を提供するステップと、前記第一表面層と前記第二表面層とが傾斜又は直交するように前記第一部品と前記第二部品とを対接させるステップと、前記接合工具の摩擦面11を前記第一部品の第一表面層に圧接し、且つ前記接合工具で前記第一表面層を摩擦攪拌して熱量を産生し、前記熱量は前記第一部品の第一接合部及び前記第二部品の第二接合部に伝達されて前記第一接合部及び前記第二接合部を塑性状態にして、前記第一部品及び前記第二部品が接合されるステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
摩擦攪拌接合方法とは、板材を対接させて接合する場合、回転する攪拌工具で接合部位の材料を攪拌して接合することである。前記摩擦攪拌接合方法は、その簡単性及び優れた生産性によって徐々にその適用範囲が拡大している。前記摩擦攪拌接合方法において、攪拌工具の耐久性に対して要求が高いので、アルミニウム(Al)合金の接合に多く用いられる。しかし、接合面が製品の外表面である場合、接合加工によって製品の外表面に攪拌痕跡又はバリ(Burr)が残るので、切削加工又は研磨加工を行って接合ワークの表面層を除去しなければならない。
【0002】
前記表面層を除去して平滑な接合面を得たとしても、撹拌過程中で撹拌部分に比較的大きい塑性流動が重複するので、撹拌された部位の金属組織が母材と大きく異なることになる。これによって、後続のアルミニウム合金に多用されるアルマイト処理を行う場合、加工面に痕跡が残る。前記痕跡は、機械加工によって除去されるが、アルマイト処理によっては除去されない。即ち、通常のアルマイト処理に化学エッチング効果が付加されるので、前記アルマイト処理によって金属組織の変化が現れてしまう。即ち摩擦攪拌による塑性流動性によって攪拌される部分の材料の金属組織は機械的に改変されて、攪拌される部分の材料の金属組織は母材と大きく異なる。従って、前記摩擦攪拌接合されたワークに対してアルマイト処理を行うと、攪拌された部分の表面に生じる微細な凹凸によって、接合部を視認できる。
【0003】
さらに、接合部材を炉内に放置し、再結晶温度以上の温度まで加熱して、接合部分の金属組織の局部的な差異を除去する焼鈍などの熱処理を加えても、熱処理条件が適切でなければ、再結晶の時、攪拌部位に存在する差異が現われ、全域にわたり金属組織を均一化することができない。
【0004】
上述したように、金属組織が相異の接合部分にアルマイト処理を行うと、その金属組織の差異が接合部材の表面から表現される。即ち、同じ成分の金属でも製造方法(圧延、押し出し、鍛造、鋳造、焼結)が異なれば、金属組織は異なるため、接合方法と関係無しに、接合部材に対してアルマイト処理を実施すれば、接合部位を境界とする差異が表現される。さらに摩擦攪拌によって接合された接合部材の接合部位の金属組織が母材と大きく異なるので、接合部材に対してアルマイト処理を実施すれば、接合部位は母材に対して差異が大きい。
【0005】
上述したように、アルマイト処理を実施する場合、母材の製造方法及びその金属組織を考慮しなければならなく、接合部位を完全に視認できない接合は、理論的にも実現し難い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、接合部位の外観が優れるようにする摩擦攪拌接合方法及び摩擦攪拌接合製品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記問題を解決するために、本発明に係る摩擦攪拌接合方法は、摩擦面を有する接合工具を提供するステップと、第一表面層及び前記第一表面層に対して傾斜された第一接合部を有する第一部品を提供するステップと、第二表面層及び前記第一接合部に対接される第二接合部を有する第二部品を提供するステップと、前記第一表面層と前記第二表面層とが傾斜又は直交するように前記第一部品と前記第二部品とを対接させるステップと、前記接合工具の摩擦面を前記第一部品の第一表面層に圧接し、且つ前記接合工具で前記第一表面層を摩擦攪拌して熱量を産生し、前記熱量は前記第一部品の第一接合部及び前記第二部品の第二接合部に伝達されて前記第一接合部及び前記第二接合部を塑性状態にして、前記第一部品及び前記第二部品が接合されるステップと、を備える。
【0008】
また、本発明に係る摩擦攪拌接合製品は、互いに接合されて接合線を形成する第一部品及び第二部品を備える。前記第一部品と第二部品との接合後の組織と、前記第一部品と第二部品との接合前の組織とが実質的に一致し、前記接合線が前記摩擦攪拌接合製品の辺縁と重畳される。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る摩擦攪拌接合方法において、接合工具で第一部品及び第二部品の表面層だけを摩擦攪拌して熱量を産生し、且つ前記熱量を前記第一部品及び前記第二部品の接合部に伝達して前記第一部品及び前記第二部品を接合する。ここで、前記第一部品の表面層の材料だけに塑性流動が発生し、前記第一部品及び前記第二部品の接合部の材料には流動が発生しない。従って、前記第一接合部及び前記第二接合部の材料には組織の変化が極めて少ない。また、接合後の第一部品と第二部品とによる接合線は、摩擦撹拌接合製品の辺角線と重畳されるので、外観から視認し難くて、前記摩擦撹拌接合製品は優れた外観を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係る摩擦攪拌接合方法に採用される接合工具の斜視図である。
【図2】図1に示す接合工具の摩擦面の構造図である。
【図3】図1に示す接合工具の摩擦面の他の構造図である。
【図4】本発明の第一実施例に係る第一部品及び第二部品を示す図である。
【図5】図1に示す接合工具で図4の第一部品及び第二部品を接合する過程を示す図である。
【図6】図5に示す第一部品と第二部品とが接合した構造図である。
【図7】本発明の第二実施例に係る第一部品及び第二部品を示す図である。
【図8】図1に示す接合工具で図7の第一部品及び第二部品を接合する過程を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて、本発明に係る摩擦攪拌接合方法及び摩擦攪拌接合製品について詳細に説明する。
【0012】
図1、図4及び図5を参照すると、本発明の第一実施例に係る摩擦攪拌接合方法は、接合工具10を採用して第一部品60及び第二部品70に対して摩擦攪拌をして、前記第一部品60と前記第二部品70とを接合する。
【0013】
図1乃至図3を参照すると、前記接合工具10は、実質的に柱状体であり、その一端面は略平面状の摩擦面11である。前記摩擦面11には、前記接合工具10の内部へ凹入された複数の凹部13が形成されている。前記凹部13の形状は、螺旋状又は前記接合工具10の軸中心を共通の起点として放射状に配列される複数の円弧である。作業時の前記接合工具10の回転方向は、前記凹部13の中心から周縁へ延伸する方向(例えば、図2及び図3の矢印の方向)と同じである。
【0014】
図1、図4、図5及び図6を参照すると、前記第一部品60は、第一表面層61と、前記第一表面層61に隣接され且つ前記第一表面層61に対して傾斜された平面である第一接合部63と、を備える。
【0015】
前記第二部品70は、第二表面層71と、前記第二表面層71に隣接され且つ前記第二表面層71に対して傾斜された平面である第二接合部73と、を備える。
【0016】
前記第一部品60と前記第二部品70とを接合する過程で、補助的部材200をさらに設置する。前記補助的部材200は、端面201と、前記端面に隣接する第三表面層203と、を備える。
【0017】
前記第一部品60と前記第二部品70とを接合する時、先ず、前記第一部品60の第一接合部63と前記第二部品70の第二接合部73とを対接させてから、前記第一部品60及び前記第二部品70を固定させる。前記第一部品60の第一表面層61と前記第二部品70の第二表面層71とが成す角度θの範囲は、0度<θ<180度である。本実施例において、前記第一部品60の第一表面層61と前記第二部品70の第二表面層71とが成す角度θは、90度である。即ち、前記第一部品60と前記第二部品70は直交する。前記第一部品60の第一表面層61の接合辺縁と前記第二部品70の第二表面層71の接合辺縁とに接合線69が形成されている。次に、前記補助的部材200の第三表面層203と前記第一部品60の第一表面層61とが同じ平面に置かれるように、前記補助的部材200の端面201を前記第二部品70の第二表面層71に当接させる。
【0018】
次に、前記接合工具10の摩擦面11を前記第一部品60の第一表面層61と前記補助的部材200の第三表面層203とに圧接(即ち、前記接合線69の上に圧接)させてから、前記接合工具10を前記接合線69の延伸方向を沿って回転及び移動させて、前記第一部品60の第一表面層61及び前記補助的部材200の第三表面層203を摩擦攪拌させる。前記摩擦攪拌によって産生される熱量は、摩擦攪拌されない前記第一接合部63及び前記第二接合部73に伝達されて前記第一接合部63及び前記第二接合部73を塑性状態になるようにする。これによって、前記第一部品60及び前記第二部品70は無間隙に接合されて摩擦攪拌接合製品300を構成する。また、前記接合工具10で前記第二部品70の第二表面層71に対して摩擦攪拌することもできる。最後に、前記補助的部材200を前記第一部品60及び前記第二部品70によって構成された摩擦攪拌接合製品300から分離させる。
【0019】
前記接合工具10の回転方向は、前記凹部13の摩擦面11の中心から周縁へ延伸する方向と同じである。前記接合工具10を、前記摩擦面11が前記第一部品60の第一表面層61及び前記補助的部材200の第三表面層203にやや挿入された状態で高速回転させるとともに低速移動させて、前記第一部品60及び前記第二部品70に対して摩擦攪拌接合を行う。前記接合工具10の回転速度S、移動速度V及び前記接合工具10の先端が前記第一部品60の第一表面層61に挿入される深さHは、前記第一部品60及び前記第二部品70の接合部位の厚さ及び材料、前記接合工具10のサイズ及び材料等によって決定される。即ち、前記第一部品60及び前記第二部品70の部分的な材料だけが塑性流動状態になるとともに、十分の熱量を産生して攪拌されない部分に伝達して、前記第一部品60の第一接合部63と前記第二部品70の第二接合部73とを接合できさえすれば良い。本実施例において、前記接合工具10の回転速度Sは7000回/分であり、移動速度Vは500mm/分であり、前記第一表面層61の摩擦攪拌される厚さH(接合工具10の挿入深さ)は0.15mmである。
【0020】
前記摩擦攪拌接合方法において、前記第一部品60と前記第二部品70とを対接させる時、前記第一表面層61と前記第二表面層71とが一定の角度を成すので、前記第一部品60と前記第二部品70との接合後の接合線69は、前記摩擦攪拌接合製品300の辺角線(前記第一表面層61の辺縁線と前記第二表面層71の辺縁線とが成す箇所)と重畳される。従って、前記接合線は、前記摩擦撹拌接合製品300の外観から視認し難い。そして、前記補助的部材200は摩擦面積を増加させるので、摩擦による熱量も増加され、且つ前記熱量が前記第一部品60の第一接合部63及び前記第二部品70の第二接合部73に伝達されることによって、前記第一部品60と前記第二部品70とはより十分に接合される。従って、前記第一部品60に対する後続の除去の厚さが小さくなるので、前記接合強度を保障することができる。また、前記補助的部材200が前記第二部品70の第二表面層71に当接されるので、対接される前記第一部品60及び前記第二部品70の位置決め及び平衡作用はより優れる。また、前記補助的部材200を省略することもできる。
【0021】
前記摩擦攪拌接合方法は、摩擦攪拌接合製品300に対する後処理加工をさらに含む。例えば、前記第一部品60と前記第二部品70とを接合した後、前記第一部品60の第一表面層61及び前記第二部品70の第二表面層71の組織が変化した部分を除去して、組織が変化しない部分又は組織変化が極めて小さい部分を露出させる。これによって、陽極酸化などのような後続の処理を実施しても、接合された製品300は優れた外観を有する。即ち、摩擦攪拌接合製品300の外観において、色差などのような欠陥を低減するか、又は欠陥を避けることができる。
【0022】
図1、図7及び図8を参照すると、本発明の第二実施例に係る摩擦攪拌接合方法は、接合工具10を採用して第一部品80及び第二部品90に対して摩擦攪拌して、前記第一部品80と前記第二部品90とを接合する。本実施例の接合工具10は、第一実施例の接合工具10と同じである。
【0023】
前記第一部品80は、第一表面層81と、前記第一表面層81に対して傾斜された平面である第一接合部83と、前記第一表面81と前記第一接合部83とを連結する側面85と、を備える。
【0024】
前記第二部品90は、第二表面層91と、前記第二表面層91に隣接され且つ前記第二表面層91に対して傾斜された平面である第二接合部93と、を備える。
【0025】
前記第一部品80と前記第二部品90とを接合する時、先ず、前記第一部品80の第一接合部83と前記第二部品90の第二接合部93とを対接させてから、前記第一部品80及び前記第二部品90を固定させる。前記第一部品80の側面85と前記第二部品90の第二表面層91とは、同じ平面に置かれ、前記第一部品80の第一表面層81と前記第二部品90の第二表面層91とは任意の角度を成す。本実施例において、前記第一部品80の第一表面層81と前記第二部品90の第二表面層91とが成す角度θは、90度である。即ち、前記第一部品80と前記第二部品90とは直交する。前記第一接合部83と前記第二接合部93は、前記側面85と前記第二表面層91との間で接合線89を形成する。
【0026】
次に、前記接合工具10を、前記第一部品80の側面85に近接する前記第一部品80の第一表面層81に圧接させてから、前記接合工具10を前記接合線89の延伸方向に沿って回転及び移動させて、前記第一部品80の第一表面層81を摩擦攪拌する。前記摩擦攪拌によって産生される熱量は、摩擦攪拌されない前記第一接合部83及び前記第二接合部93に伝達されて前記第一接合部83及び前記第二接合部93は塑性状態になる。これによって、前記第一部品80及び前記第二部品90は無間隙に接合されて摩擦攪拌接合製品を構成する。
【0027】
前記接合工具10の回転方向は、前記凹部13の摩擦面11の中心から周縁へ延伸する方向と同じである。前記接合工具10を、前記摩擦面11が前記第一部品80の第一表面層81にやや挿入された状態で高速回転させるとともに低速移動させて、前記第一部品80及び前記第二部品90に対して摩擦攪拌接合を行う。前記接合工具10の回転速度S、移動速度V及び前記接合工具10の先端が前記第一部品80の第一表面層81に挿入される深さHは、前記第一部品80及び前記第二部品90の接合部位の厚さ及び材料、前記接合工具10のサイズ及び材料等によって決定される。即ち、前記第一部品80の部分的な材料だけが塑性流動状態になるとともに、十分の熱量を産生して攪拌されない部分に伝達して、前記第一部品80の第一接合部83と前記第二部品90の第二接合部93とを接合できさえすれば良い。
【0028】
また、前記第一部品80と前記第二部品90とを接合した後、摩擦攪拌によって組織が変化した部分を除去することができる。
【0029】
本発明における第一部品60、80及び第二部品70、90の材料は、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、銅合金、ゴムなどのような低熔点の材料である。前記第一部品60、80及び前記第二部品70、90の形状は限定されない。第一接合部63、83及び第二接合部73、93は、面、線又は点とすることができる。
【0030】
本発明に係る摩擦攪拌接合方法は、主に接合強度の要求が高くない外観製品の接合に用いられる。従って、第一表面層61、81だけに対して摩擦攪拌接合する方式は、一般的に外観製品の強度要求を満足させる。また、より高い接合強度を得るために、製品内部の接合部63、73、83、93に装着溝を設置し、且つ前記装着溝に半田材(Solder)のような低熔点の溶接部材を装着させることができる。前記溶接部材の熔点は、前記第一部品60、80及び第二部品70、90の熔点より低い。また、熱量の伝達において、摩擦攪拌部位から遠く離れている接合部に伝達される熱量が比較的小さいので、溶接部材を収納する装着溝を前記摩擦撹拌部位から遠く離れている接合部63、73、83、93に設置して、接合強度をより優れるようにする。
【0031】
本発明に係る摩擦攪拌接合方法においては、接合される製品のサイズが比較的小さいので、接合に用いられる接合工具10のサイズも比較的小さい。そして、製品に対して部分的な連続加工を行い、必要とされる加工動力及び加工圧力が比較的小さいので、加工設備は、構造が簡単で、比較的廉価である。
【0032】
また、本発明に係る摩擦攪拌接合方法に用いられる接合工具10を汎用の機械加工センター(図示せず)に応用する。即ち、前記第一部品60、80及び前記第二部品70、90に対して予め処理を行う時、専門設備を必要とせず汎用性に優れ、前記第一部品60、80と前記第二部品70、90とを摩擦攪拌接合してから、同じ機械加工センターで後処理を行うので、生産効率が高くなる。
【0033】
また、本発明に係る摩擦撹拌接合方法において、平面である摩擦面11を有する接合工具10を採用し、前記接合工具10が製品の表面に対して加工するので、結合部位が曲面又は曲線でもその接合加工を良好に完成することができる。
【0034】
以上、本発明の好適な実施例について詳細に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、いうまでもない。
【符号の説明】
【0035】
10 接合工具
11 摩擦面
13 凹部
60 第一部品
61 第一表面層
63 第一接合部
69 接合線
70 第二部品
71 第二表面層
73 第二接合部
80 第一部品
81 第一表面層
83 第一接合部
85 側面
89 接合線
90 第二部品
91 第二表面層
93 第二接合部
200 補助的部材
201 端面
203 第三表面層
300 摩擦攪拌接合製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩擦面を有する接合工具を提供するステップと、
第一表面層及び前記第一表面層に対して傾斜された第一接合部を有する第一部品を提供するステップと、
第二表面層及び前記第一接合部に対接される第二接合部を有する第二部品を提供するステップと、
前記第一表面層と前記第二表面層とが傾斜又は直交するように前記第一部品と前記第二部品とを対接させるステップと、
前記接合工具の摩擦面を前記第一部品の第一表面層に圧接し、且つ前記接合工具で前記第一表面層を摩擦攪拌して熱量を産生し、前記熱量は前記第一部品の第一接合部及び前記第二部品の第二接合部に伝達されて前記第一接合部及び前記第二接合部を塑性状態にして、前記第一部品及び前記第二部品が接合されるステップと、
を備えることを特徴とする摩擦攪拌接合方法。
【請求項2】
前記摩擦攪拌接合方法は、端面及び前記端面に隣接する第三表面層を有する補助的部材を提供するステップをさらに備え、
前記補助的部材の第三表面層及び前記第一部品の第一表面層が同じ平面に置かれるように、前記補助的部材の端面を前記第二部品の第二表面層に当接させてから、前記接合工具で前記補助的部材の第三表面層と前記第一部品の第一表面層とを同時に摩擦攪拌することを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法。
【請求項3】
前記摩擦攪拌接合方法は、前記第一表面層から遠く離れている前記第一接合部の一端に装着溝を設置し、前記装着溝に熔点が前記第一部品の熔点より低い溶接部材を装着するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法。
【請求項4】
前記摩擦攪拌接合方法は、前記第一部品と前記第二部品とを接合した後、前記補助的部材を前記第一部品及び前記第二部品から分離させるステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の摩擦攪拌接合方法。
【請求項5】
互いに接合されて接合線を形成する第一部品及び第二部品を備える摩擦攪拌接合製品であって、
前記第一部品と第二部品との接合後の組織と、前記第一部品と第二部品との接合前の組織とが実質的に一致し、前記接合線が前記摩擦攪拌接合製品の辺縁と重畳されることを特徴とする摩擦攪拌接合製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−115845(P2011−115845A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−89375(P2010−89375)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(305052584)ファインテック株式会社 (6)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】