説明

摺動体および摺動方法ならびに摺動体を有する機械装置

【課題】液体を介して摺動する摺動部材を有し、この摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にダイヤモンドライクカーボン(以下、DLC)膜が形成されている摺動体において、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗が生じ難い摺動体、および、かかる摺動体を有する機械装置ならびに摺動方法を提供する。
【解決手段】(1) 前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子が前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有されていることを特徴とする摺動体、(2) 前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子を前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有させることを特徴とする摺動方法、(3) 前記摺動体または摺動方法においてDLC膜ダイヤモンドライクカーボン膜の硬度が10GPa 以上であるもの等。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は摺動体および摺動方法ならびに摺動体を有する機械装置に関する技術分野に属するものであり、詳細には、液体を介して摺動する摺動部材を有する摺動体、かかる摺動体を有する機械装置(例えば、水圧ポンプ、水圧シリンダー、切換バルブ等)、および、液体を介して摺動する摺動部材の摺動方法に関する技術分野に属するものである。
【背景技術】
【0002】
特開平10−184692号公報(特許文献1)には、回転側部材と該回転側部材に対向摺接する固定側部材とを具備し、水を潤滑液とする水潤滑シールまたは水潤滑軸受が開示されており、その一方の部材の摺動面にTiN 膜を形成し、他方の部材の摺動面にダイヤモンドライクカーボン(以下、DLCともいう)膜または窒化クロム(CrN )膜を形成するか、他方の部材の少なくとも摺動面を炭素繊維含有ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)または炭素繊維含有四弗化エチレン樹脂(PTFE)により形成することにより、高い焼付き面圧ならびに低摩擦係数が得られることが記載されている。
【0003】
実用新案登録第3085999号公報(特許文献2)には、湿潤環境において使用される部材にDLCを被覆することが開示されている。
【特許文献1】特開平10−184692号公報
【特許文献2】実用新案登録第3085999号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜は、近年自己潤滑性を示す皮膜として各種の摺動部材に用いられており、水を作動媒体あるいは潤滑媒体として作動する機械装置類の摺動膜としても使用される。
【0005】
DLC膜は、炭素(場合によってはH)からなる皮膜であり、不活性であるが、DLC膜の摺動の相手の摺動部材(以下、DLC膜摺動相手材ともいう)が炭素と反応して化合物を形成するような元素(Fe、Ti等)を含有する場合、摺動によって生じる発熱や圧力によりDLC膜とDLC膜摺動相手材との反応が促進され、このため、水中といえども摩耗が促進される場合がある。
【0006】
前記特許文献1記載の技術のようにDLC膜摺動相手材にTiN 膜等の不活性な物質を被覆すれば、上記の問題は解決するが、DLC膜摺動相手材の形状(特に内面形状)によっては必ずしも上記のような被覆をすることが可能であるとは限らず、また、上記のような被覆をすることはコスト的にも不利である。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、液体を介して摺動する摺動部材を有し、この摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が形成されている摺動体であって、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗が生じ難い摺動体、および、かかる摺動体を有する機械装置を提供すると共に、摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC膜が形成されている摺動部材を液体を介して摺動させるに際し、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗が生じ難くなる摺動方法を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。本発明によれば上記目的を達成することができる。
【0009】
このようにして完成され上記目的を達成することができた本発明は、摺動体および摺動方法ならびに摺動体を有する機械装置に係わり、請求項1〜5記載の摺動体(第1〜5発明に係る摺動体)、請求項6〜10記載の摺動方法(第6〜10発明に係る摺動方法)、請求項11〜12記載の機械装置(第11〜12発明に係る機械装置)であり、それは次のような構成としたものである。
【0010】
即ち、請求項1記載の摺動体は、液体を介して摺動する摺動部材を有する摺動体において、前記摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にダイヤモンドライクカーボン膜が形成されており、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子が前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有されていることを特徴とする摺動体である〔第1発明〕。
【0011】
請求項2記載の摺動体は、前記セラミックスが酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス、ホウ化物系セラミックスの1種以上である請求項1記載の摺動体である〔第2発明〕。
【0012】
請求項3記載の摺動体は、前記酸化物系セラミックスがAl2O3 、SiO2、ZrO2の1種以上、前記窒化物系セラミックスがSi3N4 、TiN の1種以上、前記ホウ化物系セラミックスがTiB2である請求項2記載の摺動体である〔第3発明〕。
【0013】
請求項4記載の摺動体は、前記ダイヤモンドライクカーボン膜の硬度が10GPa 以上である請求項1〜3のいずれかに記載の摺動体である〔第4発明〕。
【0014】
請求項5記載の摺動体は、前記摺動部材の中の他方の摺動部材の摺動面がFeを50at%以上含有する材料よりなる請求項1〜4のいずれかに記載の摺動体である〔第5発明〕。
【0015】
請求項6記載の摺動方法は、液体を介して摺動する摺動部材であって該摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にダイヤモンドライクカーボン膜が形成されている摺動部材を摺動させるに際し、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子を前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有させることを特徴とする摺動方法である〔第6発明〕。
【0016】
請求項7記載の摺動方法は、前記セラミックスが酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス、ホウ化物系セラミックスの1種以上である請求項6記載の摺動方法である〔第7発明〕。
【0017】
請求項8記載の摺動方法は、前記酸化物系セラミックスがAl2O3 、SiO2、ZrO2の1種以上、前記窒化物系セラミックスがSi3N4 、TiN の1種以上、前記ホウ化物系セラミックスがTiB2である請求項7記載の摺動方法である〔第8発明〕。
【0018】
請求項9記載の摺動方法は、前記ダイヤモンドライクカーボン膜の硬度が10GPa 以上である請求項6〜8のいずれかに記載の摺動方法である〔第9発明〕。
【0019】
請求項10記載の摺動方法は、前記摺動部材の中の他方の摺動部材の摺動面がFeを50at%以上含有する材料よりなる請求項6〜9のいずれかに記載の摺動方法である〔第10発明〕。
【0020】
請求項11記載の機械装置は、請求項1〜5のいずれかに記載の摺動体を有することを特徴とする機械装置である〔第11発明〕。
【0021】
請求項12記載の機械装置は、前記機械装置が水圧ポンプ、水圧シリンダー、切換バルブの1種である請求項11記載の機械装置である〔第12発明〕。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る摺動体は、液体を介して摺動する摺動部材を有し、この摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が形成されている摺動体であって、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗が生じ難く、従って、機械装置等の摺動体として好適に用いることができ、その耐久性の向上がはかれる。
【0023】
本発明に係る摺動方法によれば、摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC膜が形成されている摺動部材を液体を介して摺動させるに際し、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗を生じ難くすることができる。
【0024】
本発明に係る摺動体を有する機械装置によれば、摺動部材の摩耗が生じ難くて耐久性の向上がはかれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明者らは、前述の目的を達成すべく、鋭意検討した結果、液体を介して摺動する摺動部材を有し、この摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が形成されている摺動体において、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子を前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有させると、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗が生じ難くなると共に摩擦係数が低くなることを見出した。
【0026】
上記液体中に含有させたセラミックスの粒子は、摺動界面〔DLC膜が形成されている摺動体の摺動面(すなわちDLC膜表面)とDLC膜摺動相手材の摺動面との間〕に導入され、選択的にDLC膜よりも低硬度なDLC膜摺動相手材の表面に付着する。このように一旦セラミックスの粒子がDLC膜摺動相手材の表面に付着すると、摺動はDLC膜vs(対)DLC膜摺動相手材ではなく、DLC膜vsセラミックとなり、摺動面におけるDLC膜とDLC膜摺動相手材の直接接触が抑制されるため、DLC膜摺動相手材がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、結果として摺動部材(DLC膜摺動相手材およびDLC膜側摺動部材)の摩耗量が低減し、また、摩擦係数が低くなる。
【0027】
本発明は、かかる知見に基づき完成されたものである。このようにして完成された本発明に係る摺動体は、液体を介して摺動する摺動部材を有する摺動体において、前記摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜が形成されており、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子が前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有されていることを特徴とする摺動体である〔第1発明〕。本発明に係る摺動体は、液体を介して摺動する摺動部材を有し、この摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC膜が形成されている摺動体であって、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗が生じ難く、また、摩擦係数が低く、従って、機械装置等の摺動体として好適に用いることができ、その耐久性の向上および摺動の円滑性の向上がはかれる。
【0028】
前記液体中に含有されているセラミックスの粒子の平均粒径が0.5 〜20μmであることとしているのは、このセラミックス粒子の平均粒径が0.5 μm未満の場合、セラミック粒子は摺動界面の凹凸の間に付着し、DLC膜とDLC膜摺動相手材の直接接触を抑制する効果が低く、このため摺動部材の摩耗量および摩擦係数を充分に低減することができず、一方、セラミックス粒子の平均粒径が20μm超の場合、セラミックス粒子が摺動界面へと導入されがたく、結果としてDLC膜摺動相手材の表面(摺動面)に付着せず、このため摺動部材の摩耗量および摩擦係数を充分に低減することができなくなるからである。これに対し、セラミックスの粒子の平均粒径が0.5 〜20μmの場合、摺動部材の摩耗量および摩擦係数を充分に低減することができる。なお、かかる摺動部材の摩耗量および摩擦係数をより高水準に低減するためには、セラミックスの粒子の平均粒径が2〜10μmであることが望ましい。
【0029】
前記液体中に含有されているセラミックスの粒子の量(割合)が前記液体1cm3 当たり5〜200 μg(5〜200 μg/cm3 )であることとしているのは、このセラミックス粒子の量を5μg/cm3 未満とした場合、DLC膜摺動相手材の表面(摺動面)へのセラミックス粒子の付着がほとんど認められず、このため摺動部材の摩耗量および摩擦係数を充分に低減することができず、一方、セラミックス粒子の量:200 μg/cm3 超では、摩耗量が増加し、摩擦係数も増加するからである。これに対し、セラミックス粒子の量:5〜200 μg/cm3 の場合、摺動部材の摩耗量および摩擦係数を充分に低減することができる。なお、かかる摺動部材の摩耗量および摩擦係数をより高水準に低減するためには、セラミックス粒子の量を10〜100 μg/cm3 とすることが望ましい。
【0030】
本発明に係る摺動体において、摺動部材は液体を介して摺動する。即ち、摺動部材は液体を作動媒体あるいは潤滑媒体(潤滑剤)として摺動する。この液体としては、その種類は特には限定されず、種々の液体を用いることができるが、本発明の効果が特に発揮されるのは潤滑効果が低い水あるいはアルコールなどの液体であり、特に水の場合に顕著な摩耗抑制の効果を発揮する。
【0031】
前記液体中に含有させるセラミックスの粒子としては、不活性であり、DLCとの反応性が低いものであれば、その種類は特には限定されず、種々のものを用いることができ、例えば、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス、ホウ化物系セラミックスの粒子の1種以上を用いることができる〔第2発明〕。
【0032】
前記酸化物系セラミックス粒子としては、例えば Al2O3、SiO2、ZrO2粒子の1種以上を用いることができ、前記窒化物系セラミックス粒子としては、例えば Si3N4、TiN 粒子の1種以上を用いることができ、前記ホウ化物系セラミックスの粒子としては、例えばTiB2粒子を用いることができる〔第3発明〕。この中でも、特に優れた効果を発揮するのは、 Al2O3、SiO2、ZrO2粒子の1種以上や、 Si3N4粒子であり、これらの使用が好ましい。
【0033】
本発明に係る摺動体において、DLC膜の硬度が10GPa 以上であることが望ましい〔第4発明〕。それは、セラミックス粒子として Al2O3、SiO2、ZrO2粒子のような比較的硬質なものを用いた場合、DLC膜の硬度が10GPa 未満であると、DLC膜のアブレシブ摩耗が生じる可能性があるが、DLC膜の硬度が10GPa 以上であると、かかるDLC膜のアブレシブ摩耗の発生を抑制することができるからである。かかるDLC膜のアブレシブ摩耗の発生をより確実に抑制するためには、DLC膜の硬度が15GPa 以上であることが望ましい。
【0034】
本発明に係る摺動体においては、前述のように、セラミックス粒子がDLC膜摺動相手材の表面に付着して、DLC膜とDLC膜摺動相手材の直接接触が抑制されるため、摺動部材(DLC膜摺動相手材およびDLC膜側摺動部材)の摩耗量が低減し、また、摩擦係数が低くなる。かかるDLC膜摺動相手材表面へのセラミックス粒子の付着によるDLC膜の摩耗抑制の効果は、DLC膜摺動相手材がDLCと反応を生じやすい材料すなわちDLCと反応して炭化物を形成する元素を含有する材料よりなる場合に得られるが、特にFeを50at%以上含有する材料よりなる場合や、DLC膜摺動相手材の摺動面がFeを50at%以上含有する材料よりなる場合に、上記の効果を発揮する〔第5発明〕。Feを50at%以上含有する材料ではFeとDLCのと反応を生じやすいが、Fe含有量が50at%未満の材料ではFeとDLCの反応があまり進行しない。上記のFeを50at%以上含有する材料としては、例えば、SUS304、SUS630、SUS316等のステンレス系の材料の他、SUS310、SUS430、SKD61 、SKD11 、SUJ2等がある。
【0035】
DLC膜摺動相手材やDLC膜摺動相手材の摺動面が、Al材のようにDLCと反応し難くて炭化物を形成しがたい材料であってDLC膜よりも低硬度の材料よりなる場合、DLC膜摺動相手材表面へのセラミックス粒子の付着により、DLC膜摺動相手材の摩耗が抑制される。
【0036】
本発明に係る摺動体は、摺動部材の摩耗が生じ難いので、機械装置等の摺動体として好適に用いることができ、その耐久性の向上がはかれる。本発明に係る摺動体を有する機械装置は、摺動部材の摩耗が生じ難くて耐久性に優れている〔第11発明〕。
【0037】
本発明に係る摺動体において、摺動部材は液体を作動媒体あるいは潤滑媒体として摺動する。この液体としては種々のものを用いることができるが、前述のように、本発明の効果が特に発揮されるのは潤滑効果が低い水あるいはアルコールなどの液体であり、特に水の場合に顕著な摩耗抑制の効果を発揮する。従って、本発明に係る摺動体は、水を作動媒体あるいは潤滑媒体とする機械装置に特に好適に用いることができ、その耐久性の向上がはかれる。かかる機械装置としては、水圧ポンプ、水圧シリンダー、切換バルブの1種を挙げることができる〔第12発明〕。
【0038】
本発明に係る摺動方法は、液体を介して摺動する摺動部材であって該摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が形成されている摺動部材を摺動させるに際し、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子を前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有させることを特徴とする摺動方法である〔第6発明〕。前述の知見からわかるように、本発明に係る摺動方法によれば、摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC膜が形成されている摺動部材を液体を介して摺動させるに際し、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗を生じ難くすることができると共に、摩擦係数を低くすることができる。
【0039】
即ち、摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC膜が形成されている摺動部材を液体を介して摺動させるに際し、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子を前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有させると、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗が生じ難くなると共に摩擦係数が低くなる。前記液体中に含有させたセラミックスの粒子は、摺動界面に導入され、選択的にDLC膜よりも低硬度なDLC膜摺動相手材の表面に付着する。このように一旦セラミックスの粒子がDLC膜摺動相手材の表面に付着すると、摺動はDLC膜vs(対)DLC膜摺動相手材ではなく、DLC膜vsセラミックとなり、摺動面におけるDLC膜とDLC膜摺動相手材の直接接触が抑制されるため、DLC膜摺動相手材がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、結果として摺動部材(DLC膜摺動相手材およびDLC膜側摺動部材)の摩耗量が低減し、また、摩擦係数が低くなる。
【0040】
本発明に係る摺動方法は、前述のように、摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC膜が形成されている摺動部材を液体を介して摺動させるに際し、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子を前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有させるようにしている。従って、本発明に係る摺動方法によれば、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗を生じ難くすることができると共に、摩擦係数を低くすることができる。
【0041】
前記液体中に含有させるセラミックスの粒子の平均粒径が0.5 〜20μmであることとしている理由は、本発明に係る摺動体においてセラミックスの粒子の平均粒径が0.5 〜20μmであることとしている理由と同様である。なお、本発明に係る摺動体の場合と同様、摺動部材の摩耗量および摩擦係数をより高水準に低減するためには、セラミックスの粒子の平均粒径が2〜10μmであることが望ましい。
【0042】
前記液体中に含有させるセラミックスの粒子の量(割合)が5〜200 μg/cm3 であることとしている理由は、本発明に係る摺動体においてセラミックスの粒子の量(割合)が5〜200 μg/cm3 であることとしている理由と同様である。なお、本発明に係る摺動体の場合と同様、摺動部材の摩耗量および摩擦係数をより高水準に低減するためには、セラミックス粒子の量を10〜100 μg/cm3 とすることが望ましい。
【0043】
本発明に係る摺動方法において、摺動部材は液体を介して摺動させる。この液体としては、本発明に係る摺動体の場合と同様、種々の液体を用いることができるが、本発明の効果が特に発揮されるのは潤滑効果が低い水あるいはアルコールなどの液体であり、特に水の場合に顕著な摩耗抑制の効果を発揮する。
【0044】
前記液体中に含有させるセラミックスの粒子としては、不活性であり、DLCとの反応性が低いものであれば、その種類は特には限定されず、種々のものを用いることができ、例えば、酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス、ホウ化物系セラミックスの粒子の1種以上を用いることができる〔第7発明〕。
【0045】
前記酸化物系セラミックス粒子としては、例えば Al2O3、SiO2、ZrO2粒子の1種以上を用いることができ、前記窒化物系セラミックス粒子としては、例えば Si3N4、TiN 粒子の1種以上を用いることができ、前記ホウ化物系セラミックスの粒子としては、例えばTiB2粒子を用いることができる〔第8発明〕。この中でも、特に優れた効果を発揮するのは、 Al2O3、SiO2、ZrO2粒子の1種以上や、 Si3N4粒子であり、これらの使用が好ましい。
【0046】
本発明に係る摺動方法において、DLC膜の硬度が10GPa 以上であることが望ましい〔第9発明〕。この理由は、本発明に係る摺動体の場合と同様である。更に、DLC膜の硬度が15GPa 以上であることが望ましい。
【0047】
本発明に係る摺動方法においては、セラミックス粒子がDLC膜摺動相手材表面に付着してDLC膜とDLC膜摺動相手材の直接接触が抑制されるため、摺動部材(DLC膜摺動相手材およびDLC膜側摺動部材)の摩耗量が低減し、また、摩擦係数が低くなる。かかるDLC膜摺動相手材表面へのセラミックス粒子の付着によるDLC膜の摩耗抑制の効果は、DLC膜摺動相手材がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合に得られるが、特にFeを50at%以上含有する材料よりなる場合や、DLC膜摺動相手材の摺動面がFeを50at%以上含有する材料よりなる場合に、上記の効果を発揮する〔第10発明〕。
【実施例】
【0048】
本発明の実施例および比較例を以下説明する。なお、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0049】
2元の蒸発源を有するアンバランスト型マグネトロンスパッタリング装置を用いて基材の表面に下地層および中間層を介してDLC膜を形成して、DLC膜形成材を得た。
【0050】
このとき、基材としては、硬度測定用のDLC膜形成材の作製(成膜)の場合には超硬合金基板(鏡面研磨)を用い、摺動試験用のDLC膜形成材の作製(成膜)の場合にはSUS630ステンレス鋼(熱処理:H900、硬度:Hv400)よりなる摺動試験用試験片(ディスク)を用いた。スパッタリング装置には4元の蒸発源が備わっており、Cr、Wおよび2元のCを成膜に使用した。
【0051】
基材をエタノールにて超音波洗浄した後、スパッタリング装置内に導入し、1×10-3Pa以下の真空に排気後、約300℃まで基材を加熱して、脱ガスを実施した。その後、基材温度を200℃前後の一定に保ちながらArイオンによるクリーニングを行った。
【0052】
このイオンクリーニングの後、基材表面にCr/Cr−C/DLCあるいはCr/W/W−C/DLCの層構成の皮膜を形成して、DLC膜形成材を得た。なお、Cr/Cr−C/DLCの層構成の皮膜は、基材上に下地層としてCr層を形成し、その上に中間層としてCr−C(Cr炭化物)層を形成し、その上にDLC層を形成したものである。Cr/W/W−C/DLCの層構成の皮膜は、基材上に下地層としてCr層を形成し、その上に第1中間層としてW層、その上に第2中間層としてW−C(W炭化物)層を形成し、その上にDLC層を形成したものである。
【0053】
ここで、中間層の厚みは合計で0.2μm程度であり、DLC部(DLC層)の厚みは1〜2μmである。DLC層形成時の成膜条件は、ターゲットへの投入電力を2.5kWとし、ガスにはAr+CH4 の混合ガス(CH4 濃度:10vol %)を0.6Paの全圧下で用いた。基板バイアスは0〜150Vで変化させてDLC膜の硬度を制御した。
【0054】
このような皮膜形成により得られたDLC膜形成材について、皮膜の硬度の測定および摺動試験を行った。
【0055】
このとき、皮膜の硬度の測定はマイクロビッカース硬度計を用いて行った。摺動試験はボールオンディスク摺動試験により行った。このボールオンディスク摺動試験は、ディスク:DLC膜形成材、ボール:3/8インチ径のSUS630ステンレス鋼(熱処理:H900、硬度:Hv400)、潤滑液:蒸留水(液量約80cm3 )とし、この潤滑液(蒸留水)中にセラミックスの粒子を投入し、しゅう動速度:0.5m/s、垂直荷重:2Nの条件で、しゅう動距離:1000mとして、摺動させることにより行った。そして、しゅう動距離:1000mの時点で摩擦係数を測定し、1000m摺動後にボール及びディスクの摩耗量を測定してボール及びディスクの比摩耗量を求めた。
【0056】
ここで、ボールの比摩耗量は、ボールの摩耗体積(摩耗した部分の体積)をしゅう動距離と垂直荷重の積で除した値とした。ディスクの比摩耗量は、ディスクの摩耗体積をしゅう動距離と垂直荷重の積で除した値とした。上記ボールの摩耗体積は、ボールの摩耗部分の半径または直径より算出した。上記ディスクの摩耗体積は、しゅう動トラックの溝(摩耗痕)の断面積を4箇所で測定し、トラックの円周を乗じて求めた。
【0057】
かかるボールの摩耗体積およびディスクの摩耗体積の求め方について、図を用いて、より具体的に説明する。図1に摺動試験後のボールの一例を模式図で示す。この図は斜視図である。図2に摺動試験後のディスクの一例を模式図で示す。図2の(a)は上面図であり、図2の(b)は図2の(a)に示す溝(摩耗痕)部を断面からみた図である。この図1において、rはボールの直径、dはボールの摩耗部分の直径を示すものである。この図1に示すボールの場合、ボールの摩耗体積は、このrおよびdより算出する。上記図2の(b)において、Aは溝(摩耗痕)の断面積を示すものである。上記図2に示すディスクの場合、ディスクの摩耗体積は、このようなAを4箇所で測定し、その平均値にトラックの円周(溝部の中央部の円周)長さを乗じて求める。
【0058】
なお、上記ディスクのDLC膜形成材は、本発明に係る摺動体、摺動方法での一方の摺動部材(摺動面にDLC膜が形成されている摺動部材)の例に相当する材料の試験片に相当し、上記ボールのSUS630ステンレス鋼は、本発明に係る摺動体、摺動方法での他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)の例に相当する材料の試験片に相当する。上記潤滑液の蒸留水は、本発明に係る摺動体、摺動方法での液体を介して摺動する摺動部材の液体の例に相当する。上記セラミックスの粒子の中、平均粒径0.5 〜20μmを満たすものは、本発明に係る摺動体、摺動方法において用いられる(液体中に含有させる)セラミックスの粒子の例に相当する。
【0059】
上記試験の結果を表1〜2に示す。なお、表1〜2のDLC比摩耗量やボール比摩耗量の欄において単位の(×10-7mm3N-1m-1 )は、(×10-7mm3N-1 m-1)のことである。DLC比摩耗量は、ディスクのDLC膜形成材の比摩耗量のことである。
【0060】
表1からわかるように、No.3A の場合、潤滑液(蒸留水)中にセラミックス粒子を投入していない。これに対し、No.4A 〜9Aの場合は、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径2μmのセラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり10μgの割合で含有させており、この場合はNo.3A の場合に比較し、ディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)およびボールの比摩耗量が小さく、また、摩擦係数が小さい。
【0061】
No.1B の場合、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径0.3 μmのセラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり10μgの割合で含有させており、この場合のディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)、ボールの比摩耗量および摩擦係数はNo.3A の場合と同等である。No.7B 〜8Bの場合、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径29μmまたは150 μmのセラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり10μgの割合で含有させており、この場合のディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)、ボールの比摩耗量および摩擦係数はNo.3A の場合と同等である。
【0062】
No.2B 〜6Bの場合、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径が0.5 〜20μmの範囲内にある(平均粒径0.5 〜20μmを満たす)セラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり10μgの割合で含有させており、この場合はNo.3A の場合に比較し、また、No.1B やNo.7B 〜8Bの場合に比較し、ディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)およびボールの比摩耗量が小さく、また、摩擦係数が小さい。
【0063】
No.1C の場合、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径4μmのセラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり1μgの割合で含有させており、この場合のディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)、ボールの比摩耗量および摩擦係数はNo.3A の場合と同等である。 No.7C〜8Cの場合、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径4μmのセラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり250 μgまたは500 μgの割合で含有させており、この場合のディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)、ボールの比摩耗量および摩擦係数はNo.3A の場合と同等である。
【0064】
No.2C 〜6Cの場合、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径4μmのセラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり5〜200 μgの範囲内の割合(5〜200 μg/cm3 を満たす割合)で含有させており、この場合はNo.3A の場合に比較し、また、No.1C やNo.7C 〜8Cの場合に比較し、ディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)およびボールの比摩耗量が小さく、また、摩擦係数が小さい。
【0065】
表2からわかるように、No.1D 〜6Dの場合、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径4μmのセラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり7μgで含有させているが、DLC膜形成材でのDLC膜の硬度を変化させている。DLC膜の硬度が5GPa や7GPa の場合に比較し、DLC膜の硬度が12GPa 、15GPa 、20GPa 、25GPa の場合、ディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)およびボールの比摩耗量が小さい。特にDLC比摩耗量は、DLC膜の硬度が高いほど、小さい。
【0066】
No.1E 〜6Eの場合、ボールの材料としてSUS630ステンレス鋼に代えてSUS304ステンレス鋼または Ti-6Al-4V(チタン合金)あるいはA5052(アルミ合金)を用いている。そして、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径4μmのセラミックスの粒子を投入した場合と投入しない場合について摺動試験を行ったものである。ボールとして上記のいずれの材料を用いた場合も、上記セラミックスの粒子を投入した場合は、投入しない場合に比較してディスクのDLC膜形成材の比摩耗量(DLC比摩耗量)およびボールの比摩耗量が小さく、また、摩擦係数が小さい。
【0067】
なお、表1のNo.2A の場合、潤滑液(蒸留水)中に平均粒径4μmのセラミックスの粒子を投入して前記蒸留水1cm3 当たり10μgの割合で含有させているが、ディスクの材料としてDLC膜形成材に代えてSUS630ステンレス鋼(熱処理:H900、硬度:Hv400)を用いており、この場合のディスク(SUS630ステンレス鋼)の比摩耗量およびボールの比摩耗量は極めて大きく、また、摩擦係数が極めて大きい。
【0068】
表1のNo.1A の場合、潤滑液(蒸留水)中へのディスクの材料としてDLC膜形成材に代えてSUS630ステンレス鋼(熱処理:H900、硬度:Hv400)を用いており、しかも潤滑液(蒸留水)中にセラミックス粒子を投入していない(それ以外のものも投入していない)。この場合のディスク(SUS630ステンレス鋼)の比摩耗量およびボールの比摩耗量は極めて大きく、また、摩擦係数が極めて大きい。
【0069】
【表1】

【0070】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る摺動体は、液体を介して摺動する摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC膜が形成されており、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる場合であっても、摺動部材の摩耗が生じ難く、従って、水圧ポンプ、水圧シリンダー、切換バルブ等の機械装置の摺動体として好適に用いることができ、その耐久性の向上がはかれて有用である。本発明に係る摺動方法は、液体を介して摺動する摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にDLC膜が形成されており、他方の摺動部材(DLC膜摺動相手材)がDLCと反応を生じやすい材料よりなる摺動体であっても、摺動部材の摩耗を生じ難くすることができ、従って、摺動体の耐久性の向上がはかれて有用である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】摺動試験後のボールの一例を示す模式図である。
【図2】摺動試験後のディスクの一例を示す模式図であって、図2の(a)は上面図であり、図2の(b)は図2の(a)に示す溝を断面からみた図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を介して摺動する摺動部材を有する摺動体において、前記摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にダイヤモンドライクカーボン膜が形成されており、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子が前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有されていることを特徴とする摺動体。
【請求項2】
前記セラミックスが酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス、ホウ化物系セラミックスの1種以上である請求項1記載の摺動体。
【請求項3】
前記酸化物系セラミックスがAl2O3 、SiO2、ZrO2の1種以上、前記窒化物系セラミックスがSi3N4 、TiN の1種以上、前記ホウ化物系セラミックスがTiB2である請求項2記載の摺動体。
【請求項4】
前記ダイヤモンドライクカーボン膜の硬度が10GPa 以上である請求項1〜3のいずれかに記載の摺動体。
【請求項5】
前記摺動部材の中の他方の摺動部材の摺動面がFeを50at%以上含有する材料よりなる請求項1〜4のいずれかに記載の摺動体。
【請求項6】
液体を介して摺動する摺動部材であって該摺動部材の中の一方の摺動部材の摺動面にダイヤモンドライクカーボン膜が形成されている摺動部材を摺動させるに際し、前記液体中に平均粒径0.5 〜20μmのセラミックスの粒子を前記液体1cm3 当たり5〜200 μgの割合で含有させることを特徴とする摺動方法。
【請求項7】
前記セラミックスが酸化物系セラミックス、窒化物系セラミックス、炭化物系セラミックス、ホウ化物系セラミックスの1種以上である請求項6記載の摺動方法。
【請求項8】
前記酸化物系セラミックスがAl2O3 、SiO2、ZrO2の1種以上、前記窒化物系セラミックスがSi3N4 、TiN の1種以上、前記ホウ化物系セラミックスがTiB2である請求項7記載の摺動方法。
【請求項9】
前記ダイヤモンドライクカーボン膜の硬度が10GPa 以上である請求項6〜8のいずれかに記載の摺動方法。
【請求項10】
前記摺動部材の中の他方の摺動部材の摺動面がFeを50at%以上含有する材料よりなる請求項6〜9のいずれかに記載の摺動方法。
【請求項11】
請求項1〜5のいずれかに記載の摺動体を有することを特徴とする機械装置。
【請求項12】
前記機械装置が水圧ポンプ、水圧シリンダー、切換バルブの1種である請求項11記載の機械装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−100839(P2007−100839A)
【公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−291478(P2005−291478)
【出願日】平成17年10月4日(2005.10.4)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】