説明

撥性をもったフルオロケミカル組成物

本発明は、繊維基材を処理してそれらの基材を永続的に撥水性および撥油性にし、かつ、永続的に耐乾燥汚れ性にするための組成物であって、1)トリ−もしくはより多価イソシアネートをフルオロケミカル一官能性化合物および場合により非フッ素化脂肪族一官能性化合物と反応させることによって形成されたフルオロケミカルウレタンと、2)フルオロケミカル高分子界面活性剤とを含む組成物を提供する。本発明はまた、場合によりアクリル酸およびメタクリル酸ポリマーおよび共重合体、スルホン化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ならびにスチレン−無水マレイン酸ポリマーおよび共重合体のような1種もしくはそれ以上の汚染防止剤化合物と一緒の前述組成物の繊維基材への塗布であって、組成物の前記塗布が親水性の耐汚染性化合物の基材への塗布と同時にかその後にかのどちらかに行われる塗布を含む、繊維基材を処理してそれらの基材を永続的に撥水性および撥油性にし、かつ、永続的に耐乾燥汚れ性にする方法をも提供する。本方法に従って処理された繊維基材および前述組成物で処理された繊維基材もまた開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持続性のある撥水性および撥油性ならびに耐乾燥汚れ性をそれに与えるためのフルオロケミカル組成物での繊維状材料、特にカーペットの処理に関する。
【背景技術】
【0002】
本来の美的魅力を保持する(例えば、それらに水系および油系の汚染をはねつけさせるおよび汚れに抵抗させる)ことを可能にするフルオロ脂肪族基含有ポリマーおよびオリゴマーでの様々な繊維基材、特にカーペット、編織布、皮革および紙の処理は、当該技術では長年にわたって公知であった。例えば、「24−カーク−オスマー化学技術事典(KIRK−OTHMER ENCYCLOPEDIA OF CHEMICAL TECHNOLOGY)」、448−65ページ(第3版、1979年)における、メイスン ハイエク(Mason Hayek)著、「防水加工および撥水/撥油性(Waterproofing and Water/Oil Repellency)」は、繊維基材向けの耐汚染性および耐汚れ性技術の総括を提供している。
【0003】
カーペットを処理するのに有用であることが知られているフルオロケミカルには、米国特許第4,264,484号明細書(Patel)に開示されているようなエステルオリゴマー、米国特許第3,896,251号明細書(Landucci)に開示されているようなカルボジイミドオリゴマー、米国特許第4,540,497号明細書(Chang)に開示されているようなグアニジンオリゴマー、米国特許第4,606,737号明細書(Stem)に開示されているようなアロファネートオリゴマー、米国特許第5,025,052号明細書(Craterら)に開示されているようなオキサゾリジノンオリゴマー、および米国特許第3,916,053号明細書(Shermanら)に開示されているようなアクリルポリマーが含まれる。
【0004】
フルオロケミカルウレタン、ウレア、およびビウレットオリゴマーは、しばしば、それらの耐久性のある耐汚れ性のためにカーペット向けの選り抜きの処理剤になってきた。例えば、米国特許第3,398,182号明細書(Guenthnerら)は、摩耗による除去に抵抗する疎油性および疎水性塗膜を製造するのにフルオロ脂肪族ウレタンの使用を開示している。
【0005】
米国特許第5,350,795号明細書(Smithら)は、熱処理なしに撥油性および撥水性を与えるべく紡織繊維および布を処理するための実質的に有機溶媒なしの水性溶液または分散系であって、(a)フッ素化アクリレートモノマー、ポリオキシアルキレングリコールアクリレートまたはメタクリレートとポリオキシアルキレングリコールジアクリレートまたはジメタクリレートとの反応生成物を含むフルオロケミカルアクリレート共重合体と、(b)脂肪族または芳香族トリ−またはより多価イソシアネート、フッ素化アルコール、アミンまたはメルカプタン、およびポリ(オキシアルキレン)ジオールまたはジチオールよりなる、40,000を超える重量平均分子量を有する、ペンダント・パーフルオロアルキル基を有するポリアルコキシル化ポリウレタンとを含む水性溶液または分散系を開示している。
【0006】
米国特許第5,410,073号明細書(Kirchner)、同第5,411,766号明細書(Kirchner)および同第5,414,111号明細書(Kirchner)は、それぞれ、(a)分子につき少なくとも3個のイソシアネート基を含有する少なくとも1つのポリイソシアネートまたはポリイソシアネートの混合物を(b)分子につき(i)1個もしくはそれ以上のツェレビチノフ(Zerewitinoff)水素原子を有するたった一つの官能基と(ii)そのそれぞれが少なくとも2個のフッ素原子を含有する少なくとも2個の炭素原子とを含有する少なくとも1種のフルオロケミカル化合物であって、その量がイソシアネート基の95%〜40%と反応するのに十分であるフルオロケミカル化合物と反応させ、(c)次に(a)および(b)の反応生成物を、残存するイソシアネート基の約5%〜約50%と反応するための量の水と反応させることによって製造されたポリフルオロ窒素含有有機化合物を記載しており、かかる化合物は、報告されているところによれば、繊維および布に塗布された時に、耐久力のある撥水性、撥油性、および撥汚れ性および/または汚れ除去特性を繊維基材に与える。米国特許第5,414,111号明細書は、任意の反応性成分として一官能性の非フッ素化有機化合物の使用を具体的に教示している。
【0007】
米国特許第4,504,401号明細書(Matsuoら)は、一般式(Rf−X−A−CONH)aW(NHCO−A’−Z)3-a(式中、Rfは1〜20個の炭素原子を有するポリフルオロアルキル基であり、Xは−R−、−CON(R1)−Q−または−SO2N(R1)−Q−(ここで、Rは二価アルキレン基であり、R1は水素原子または低級アルキル基であり、Qは二価有機基である)であり、AおよびA’のそれぞれは−O−、−S−、または−N(Z’)−(ここで、Z’は水素原子または一価有機基である)であり、Zは一価有機基であり、Wは三価有機基であり、そしてaは1、2または3の整数である)によって表される防汚染加工剤を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者らは、長期間耐久性、一様な撥油性および撥水性ならびに耐汚れ性および耐汚染性を成功裡に与えることができるフッ素を含有するものを含む、貯蔵安定性化学組成物を求める要求を認識していた。これらの化学組成物は、水および有機溶媒に可溶性であるかまたは分散性であるべきであり、好ましくは硬化のために高温を必要としない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
要するに、その1つの面において、本発明は、繊維基材を処理してそれらの基材を永続的に撥水性および撥油性にし、かつ、永続的に耐乾燥汚れ性にするための組成物であって、1)(a)トリ−もしくはより多価ポリイソシアネートを、利用可能なイソシアネート基の少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%と反応するのに十分な量の反応性のフルオロケミカル一官能性化合物(好ましくはC3〜C6フルオロケミカル一官能性化合物)と反応させることによって形成されたフルオロケミカルウレタンと、2)フルオロアルキル(メタ)アクリレート/ポリオキシアルキレンアクリレート共重合体とを含む組成物を提供する。場合により、脂肪族一官能性化合物が生成化合物中に存在するイソシアネート基の20%以下と反応するための量で存在してもよい。場合により、あらゆる残存するイソシアネート基がブロックされたイソシアネート基であってもよい。
【0010】
もう1つの面では、本発明は、前述の組成物と場合によりアクリル酸およびメタクリル酸ポリマーおよび共重合体、スルホン化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ならびにスチレン−無水マレイン酸ポリマーおよび共重合体のような1種もしくはそれ以上の耐汚染性化合物(汚染防止剤としても知られている)との繊維基材への塗布を含む、繊維基材を処理してそれらの基材を永続的に撥水性および撥油性にし、かつ、永続的に耐乾燥汚れ性にする方法であって、組成物の前記塗布がフルオロケミカル処理組成物の基材への塗布と同時にかその前にかのどちらかで行われる方法を提供する。
【0011】
さらに別の面では、本発明は、耐久力のある動的および静的撥性、汚染除去、ならびに撥汚れ性のような外観−保持特性をそれらの基材に与えるこれらの組成物で処理された繊維基材を提供する。
【0012】
特に断りのない限り、本明細書および特許請求の範囲で用いられる次の用語は、下に与えられる意味を有する。
【0013】
「アルキル」は、1〜約12個の炭素原子を有する飽和の一価の炭化水素基、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、ペンチルなどを意味する。
【0014】
「アルキレン」は、1〜約12個の炭素原子を有する飽和の二価の炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレン、ヘキシレンなどを意味する。
【0015】
「硬化化学組成物」は、おおよそ周囲温度(15〜35℃)または高温でおおよそ24時間以下、乾燥まで化学組成物が乾燥されるまたは溶媒が化学組成物から蒸発したことを意味する。
【0016】
「繊維基材」は、織布、編布、不織布、カーペット、および他の編織布のような合成繊維よりなる材料、ならびに木綿、紙、および皮革のような天然繊維よりなる材料を意味する。
【0017】
「フルオロケミカル一官能性化合物」は、イソシアネート基と反応することができる、1個の反応性官能基と、フルオロアルキルまたはフルオロヘテロアルキル基とを有する化合物、例えば、C49SO2N(CH3)CH2CH2OH、C49SO2N(CH3)CH2CH2NH2、C25O(C24O)3CF2SO2N(H)C24SHなどを意味する。
【0018】
「ヘテロアルキル」は、少なくとも1個の炭素によって互いに分離されている、1個もしくはそれ以上のヘテロ原子(すなわち、酸素、硫黄、および/または窒素)がアルキル鎖中に存在してもよいことを除いて、それぞれアルキルまたはアルキレンについて上に与えられた意味を本質的に有し、例えば、CH3CH2OCH2CH2−、CH3CH2OCH2CH2OCH(CH3)CH2−、C49CH2CH2SCH2CH2−、−CH2OCH2CH2−などである。
【0019】
「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨード、好ましくはフルオロおよびクロロを意味する。
【0020】
「長鎖一官能性化合物」は、1個のイソシアネート反応性官能基と、飽和、不飽和、または芳香族であってもよい、かつ、場合により1個もしくはそれ以上の塩素、臭素、トリフルオロメチル、またはフェニル基で置換されていてもよい12〜72個の炭素とを有する、長鎖炭化水素基とを有する化合物、例えば、CH3(CH210CH2OH、CH3(CH214CH2NH2などを意味する。
【0021】
「オキシアルキレン」は、1〜約12個の炭素原子と末端酸素原子とを有する飽和の二価炭化水素基、例えば、メチレンオキシ、エチレンオキシ、プロピレンオキシ、2−メチルプロピレンオキシ、ペンチレンオキシ、ヘキシレンオキシなどを意味する。
【0022】
「パーフルオロアルキル」は、アルキル基の水素原子のすべてまたは本質的にすべてがフッ素原子によって置換され、炭素原子の数が3〜約6であることを除いて「アルキル」について上に与えられた意味を本質的に有し、例えばパーフルオロプロピル、パーフルオロブチル、パーフルオロヘキシルなどである。
【0023】
「パーフルオロヘテロアルキル」は、1個もしくはそれ以上の非隣接−CF2−基が鎖中の酸素、硫黄または窒素によって置換されていることを除いて、「パーフルオロアルキル」について上に与えられた意味を本質的に有する。
【0024】
「過フッ素化基」は、炭素に結合した水素のすべてまたは本質的にすべてがフッ素原子で置換されている有機基、例えばパーフルオロアルキル、パーフルオロヘテロアルキルなどを意味する。
【0025】
「多官能性イソシアネート化合物」は、多価の脂肪族もしくは脂環式有機基に結合した、3個もしくはそれ以上のイソシアネート(−NCO)、またはブロックされたイソシアネート基を含有する化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレットおよびイソシアヌレートなどを意味する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明のフルオロケミカル処理剤は、1)(a)トリ−もしくはより多価イソシアネート、(b)該イソシアネート(すなわち、−NCO)基の少なくとも50%と反応するのに十分な化学量論量の反応性フルオロケミカル一官能性化合物、および(c)場合により残存するイソシアネート基の部分と反応するのに十分な化学量論量の脂肪族一官能性化合物の反応から形成されたフルオロケミカルウレタンと、2)フルオロアルキル(メタ)アクリレート/ポリオキシアルキレンアクリレート共重合体とを含む。
【0027】
これらの上に記載された反応体は、有機溶媒に可溶性であるかまたは水に容易に乳化性である、熱安定性の水性エマルジョンを与えるかもしれない、かつ、様々な方法による基材上への塗布に好適であるフルオロケミカルウレタン化合物の混合物を提供する。
【0028】
本発明のフルオロケミカル処理剤は、アクリル酸およびメタクリル酸ポリマーおよび共重合体、スルホン化フェノールホルムアルデヒド樹脂、ならびにスチレン−無水マレイン酸ポリマーおよび共重合体のような1種もしくはそれ以上の親水性の耐汚染性化合物(時折、「汚染防止剤」と一般に言われる)でも処理される基材上へ塗布される時に格別の有用性を見出す。基材、特にそのように処理されるカーペットは、汚れに対する優れた抵抗性ならびに水および油系汚染に対する優れた撥性を示す。
【0029】
典型的には、本発明に従った処理組成物は、約20〜約99.5重量パーセントの上に記載されたフルオロケミカルウレタン化合物、0.5〜約80重量パーセントの前記フルオロケミカル高分子界面活性剤からのエマルジョン、分散系または溶液である。組成物中に存在する場合、汚染防止剤は、フルオロケミカルウレタンとフルオロケミカル高分子界面活性剤とを組み合わせた重量の6倍以下を占めてもよい。他の好適な溶媒もまた同様な有用性のエマルジョンを生み出すのに使用されてもよいが、経済的要因はほとんどの状況で水性エマルジョンの選択を強いるであろう。処理組成物は、必要に応じてさらに希釈されてもよい。
【0030】
処理組成物は、典型的には、繊維または布の重量を基準にして(繊維上固形分またはS.O.F.として知られる)、0.05〜10重量パーセント固形分、好ましくは0.1〜3重量パーセント固形分のレベルでカーペットに塗布される。非イオン、陰イオン、陽イオンまたは両性界面活性剤もまた、塗布用の組成物のための分散剤として使用されてもよい。
【0031】
本発明のフルオロケミカルウレタン化合物は、(a)トリ−もしくはより多価イソシアネートを反応性フルオロケミカル一官能性化合物と、および(b)場合により限定量の脂肪族一官能性化合物と反応させることによって形成されてもよい。反応は、例えば、少量のジブチル錫ジラウレート触媒を用いるメチルイソブチルケトン(MIBK)のような好適な溶媒中での縮合によるような周知の技術に従って実施されてもよい。かかるやり方で形成されたウレタン化合物は、水に乳化されても、または有機溶媒に溶解されてもよく、場合によりエマルジョンを安定化するために使用されてもよい1種もしくはそれ以上の好適な界面活性剤と組み合わされてもよい。
【0032】
少なくとも3個のイソシアネート官能基を有する任意の脂肪族イソシアネートがフルオロケミカルポリマーの製造に使用されてもよい。このクラスの有用な化合物の中に式
【0033】
【化1】

【0034】
(式中、xは1以上の整数、好ましくは1〜3、最も好ましくは1であり、Rhは二価の非環式直鎖または分枝アルキレン基であり、例えば、ヘキサメチレン、エチレン、またはブチレンであってもよい)
の脂肪族トリイソシアネート官能性ビウレットがある。さらに、式
【0035】
【化2】

【0036】
(式中、Rhは先に記載されたようなものである)
のイソシアヌレート三量体も有用である。
【0037】
好適な多官能性イソシアネート化合物の代表例には、本明細書で定義されるような多官能性イソシアネート化合物のイソシアネート官能性誘導体が挙げられる。誘導体の例には、ウレア、ビウレット、アロファネート、イソシアネート化合物の二量体および三量体(ウレトジオンおよびイソシアヌレートのような)、ならびにそれらの混合物よりなる群から選択されたものが挙げられるが、それらに限定されない。脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、または芳香族ポリイソシアネートのような任意の好適な有機ポリイソシアネートが、単独でか2種もしくはそれ以上の混合物でかのいずれかで使用されてもよい。脂肪族多官能性イソシアネート化合物は一般に芳香族化合物よりも良好な光安定性を与える。
【0038】
有用な脂環式の多官能性イソシアネート化合物の例には、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI、ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーション(Bayer Corporation、Pittsburgh,PA)から入手可能な、デスモデュール(Desmodur)TMWとして商業的に入手可能)、4,4’−イソプロピル−ビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロブタン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート(CHDI)、1,4−シクロヘキサンビス(メチレンイソシアネート)(BDI)、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、およびそれらの混合物よりなる群から選択されたものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0039】
有用な脂肪族の多官能性イソシアネート化合物の例には、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HDI)、1,12−ドデカンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、2,4,4−トリメチル−ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、2−メチル−1,5−ペンタメチレンジイソシアネート、二量体ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレア、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート(HDI)のビウレット(ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーションからデスモデュールTMN−100およびN−3200として入手可能)、HDIのイソシアヌレート(ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーションからデスモデュールTMN−3300およびデスモデュールTMN−3600として入手可能)、HDIのイソシアヌレートとHDIのウレトジオンとのブレンド(ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーションからデスモデュールTMN−3400として入手可能)、ならびのそれらの混合物よりなる群から選択されたものが挙げられるが、それらに限定されない。
【0040】
好適な商業的に入手可能な多官能性イソシアネートは、それぞれがペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル・コーポレーションから入手可能な、デスモデュールTMN−3200、デスモデュールTMN−3300、デスモデュールTMN−3400、デスモデュールTMN−3600、デスモデュールTMH(HDI)およびデスモデュールTMN−100によって例示される。
【0041】
他の有用なトリイソシアネートは、3モルのジイソシアネートを1モルのトリオールと反応させることによって得られるものである。例えば、トルエンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,4,4−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、またはm−テトラメチルキシレンジイソシアネートは1,1,1−トリス(ヒドロキシメチル)プロパンと反応してトリイソシアネートを形成することができる。m−テトラメチルキシレンジイソシアネートとの反応からの生成物は、サイセイン(CYTHANE)3160(コネチカット州スタムフォードのアメリカン・サイアナミッド(American Cyanamid,Stamford,Conn.))として商業的に入手可能である。
【0042】
それらの広範な商業的入手可能性のために、ヘキサメチレンジイソシアネートのホモ重合から誘導されたポリイソシアネート官能性ビウレットおよびイソシアヌレートが、本発明に従った使用にとって好ましい。かかる化合物は、例えば、デスモデュール商品名で販売されており、それらの製品はマイルズ社(Miles Corp.)から入手可能である。
【0043】
フルオロケミカル一官能性化合物および脂肪族一官能性化合物との反応後に残存するイソシアネート基は、場合によりブロックされたイソシアネート基であるかもしれない。用語「ブロックされたイソシアネート」とは、そのイソシアネート基がブロッキング剤と反応した(ポリ)イソシアネートを意味する。イソシアネート・ブロッキング剤は、イソシアネート基との反応時に、イソシアネートと室温で通常反応する化合物と室温では反応しない基をもたらす化合物であるが、その基は高温ではイソシアネート反応性化合物と反応する。一般に、高温では、ブロッキング基はブロックされた(ポリ)イソシアネート化合物から放出され、それによってイソシアネート反応性基と次に反応することができるイソシアネート基を再生する。ブロッキング剤およびそれらの機構は、「有機コーティング剤の進歩(Progress in Organic Coatings)」、36(1999)、14−172ページにダグラス ウィックス(Douglas Wicks)およびゼノ ダブリュ.ウィックス ジュニア(Zeno W.Wicks Jr.)による「ブロックされたイソシアネートIII:パートA、機構および化学(Blocked isocyanates III:Part.A,Mechanisms and chemistry)」に詳細に記載された。
【0044】
ブロックされたイソシアネートは一般にブロックされたジ−またはトリイソシアネートまたはそれらの混合物であり、イソシアネート基と反応することができる少なくとも1つの官能基を有するブロッキング剤とイソシアネートを反応させることによって得ることができる。好ましいブロックされたイソシアネートは、好ましくは高温でのブロッキング剤の脱ブロック化によって、150℃未満の温度でイソシアネート反応性基と反応することができるブロックされたポリイソシアネートである。好ましいブロッキング剤にはフェノール類のようなアリールアルコール、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムのようなラクタム、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、2−ブタノンオキシムまたはジエチルグリオキシムのようなオキシムが含まれる。さらなる好適なブロッキング剤には亜硫酸水素塩およびトリアゾールが含まれる。
【0045】
フルオロケミカルウレタン組成物を形成するのに有用な代表的フルオロケミカル一官能性化合物は、式
fQ’Z
(式中、Rfは、3〜約12個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子を有する、より好ましくは約3〜約5個の炭素原子を有するパーフルオロアルキルまたはパーフルオロヘテロアルキル基を表し、Rfは直鎖、分枝鎖、もしくは環式のフッ素化アルキレン基またはそれらと直鎖、分枝鎖もしくは環式のアルキレン基との組合せを含有し、Rfは、好ましくは重合性オレフィン不飽和なしであり、場合により酸素、二価もしくは六価の硫黄、または窒素のようなカテナリー・ヘテロ原子を含有し、完全にフッ素化された基が好ましいが、1個以下のどちらか一方の原子が2個の炭素原子ごとに存在するという条件で水素または塩素原子が置換基として存在してもよく、Rf基の末端部分は、完全にフッ素化されており、好ましくは少なくとも7個のフッ素原子を含有し、例えば、CF3CF2CF2−、(CF32CF−、−CF2SF5などである。好ましくは、Rfは約40%〜約80重量%フッ素、より好ましくは約50%〜約78重量%フッ素を含有し、過フッ素化脂肪族基(すなわち、式Cn2n+1−のパーフルオロアルキル基)がRfの最も好ましい実施形態であり、
Q’は有機連結基であり、かつ、
Zはポリイソシアネートのイソシアネート基と反応することができる官能基である。有用なZ基には−NH2、−SH、−OH、−NCO、NR1H(ここで、R1は先に定義されたようなものである)が含まれるが、それらに限定されない)
によって表されてもよい。
【0046】
フルオロ脂肪族基Rfは、Q’と示される連結基によってZ基に連結されている。連結基Q’は共有結合、ヘテロ原子、例えば、OもしくはS、または有機部分であり得る。連結基Q’は好ましくは、1〜約20個の炭素原子を含有する、場合により酸素、窒素もしくは硫黄含有基またはそれらの組合せを含有する、そして好ましくは官能基、例えば、重合性オレフィン二重結合、チオール、クミル水素のような容易に引き抜かれる水素原子、およびフリーラジカル・オリゴマー化を実質的に妨害することが当業者に知られているような他の官能基なしの有機部分である。連結基Q’に好適な構造物の例には、直鎖、分枝鎖、もしくは環式のアルキレン、アリーレン、アラアルキレン、オキシ、オキソ、チオ、スルホニル、スルフィニル、イミノ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、およびスルホンアミドアルキレンのようなそれらの組合せが挙げられる。
【0047】
好ましい連結基Q’は、製造の容易さおよび商業的入手可能性により選択することができる。下表は好適な有機Q’基の部分的な代表的リストである。このリストの目的のためには、各kは独立して0〜約20の整数であり、R1’は水素、フェニル、または1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、R2’は1〜約20個の炭素原子のアルキルである。各構造は全方向性であり、すなわち−(CH2kC(O)O−は−O(O)C(CH2k−と同等である。
【0048】
【表1】

【0049】
好ましくは、Q’は−SO2N(R1)R2−(ここで、R1は水素またはC1〜C4アルキル基のような低級アルキル基であり、R2はアルキレン基またはヘテロアルキレン基、好ましくはC1〜C4アルキレン基である)である。代表的な好ましいフルオロケミカル一官能性化合物には、次のようなものが含まれる。
【0050】
【表2】

【0051】
意外にも、C3〜C6フルオロアルキル基を有する、本発明のフルオロケミカルウレタン化合物は、高級フルオロアルキル基によって提供されるものに匹敵する撥性および/または耐汚れ性を提供することが分かった。これまで、少なくとも8個の炭素原子を有するパーフルオロアルキル基が十分な性能にとって必要であり、低級パーフルオロアルキル基の性能は炭素数を減らすと共に劣化すると考えられてきた。さらに、−SO2N(R1)−R2−連結基(本明細書で定義されるような)を有するそれらのフルオロケミカル一官能性化合物だけは減少した炭素原子でも十分な性能を維持するが、他の連結基、例えば、−Cn2n−のものの性能は予期されるように劣化することが分かった。
【0052】
フルオロケミカル組成物は、例えば、撥油性および/または撥水性組成物において、ならびに界面活性組成物においてをはじめとする、様々な用途において広範囲な使用を達成してきた。幾つかの公知のフルオロケミカル組成物は、環境において見出される生物学的、熱的、酸化的、加水分解的および光分解的な条件に曝された時にパーフルオロオクチル含有化合物へ究極的には分解する。ある種のパーフルオロオクチル(C817−)含有化合物は生体中に生物蓄積する傾向があるかもしれないと報告され、この傾向は、幾つかのフルオロケミカル組成物に関する潜在的懸念として言及されてきた。例えば、米国特許第5,688,884号明細書(Bakerら)を参照されたい。結果として、生物系からより効果的に除去しながら、所望の機能性、例えば、撥水性および撥油性、界面活性などを提供する上で有効なフッ素含有組成物を求める要望が存在する。
【0053】
本組成物の性能は、低級パーフルオロアルキル基がパーフルオロオクチル基のようなより長鎖のパーフルオロアルキル基ほど著しく有効ではないという教示を考えると驚くべきである。例えば、パーフルオロカルボン酸およびパーフルオロスルホン酸から誘導された界面活性剤は鎖長の関数として性能の点でかなりの相違を示すことが実証されてきた。例えば、「有機フッ素化学薬品およびそれらの工業的用途(Organofluorine Chemicals and their Industrial Applicatios)」、アール.イー.バンクス(R.E.Banks)編、エリス・ホーウッド社(Ellis Horwood Ltd.)(1979年)、56ページ;ジェイ.オー.ヘンドリックス(J.O.Hendrichs)、Ind.Eng.Chem.,45(1953)、103ページ;エム.ケー.バーネット(M.K.Bernett)およびダブリュ.エイ.ジスマン(W.A.Zisman)、J.Phys.Chem.,63(1959)、1912ページを参照されたい。
【0054】
さらに、空気/液体界面に存在するフッ素化カルボン酸またはスルホン酸の単分子層をベースとするフッ素化ポリマー塗膜の低い表面エネルギーおよび得られた高い接触角データを説明するために様々なモデルが考案されてきた。データは、フルオロアルキル基の7個の最外部炭素原子(C715−)が完全にフッ素化されて初めて、表面上の様々な液体の接触角(その結果、表面エネルギー)が過フッ素化酸単分子層のそれらに近づいたことを示唆する(エヌ.オー.ブレイス(N.O.Brace)、J.Org.Chem.,27(1962)、4491ページおよびダブリュ.エイ.ジスマン(W.A.Zisman)、Advan.Chem.,1964、22ページを参照されたい)。従って、フルオロアルキル基を含有するフッ素化塗膜(例えば、フルオロアルキル(メタ)アクリレートを重合させることによって製造された塗膜)の性能はパーフルオロカルボン酸およびパーフルオロスルホン酸誘導体の公知の性能から予測することができ、フルオロポリマー塗膜の表面エネルギーはフルオロポリマー塗膜のフルオロアルキル基の鎖長に関係するであろうと予期される。
【0055】
驚くべきことに、3〜6個の炭素原子のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキルスルホンアミド部分を含む組成物は、パーフルオロオクチル基を有するもののような、より長鎖のフルオロアルキル同族体を含むテキスタイル処理剤に匹敵する表面エネルギーおよび接触角性能を示すことが分かった。
【0056】
本処理組成物は追加の利点を提供する。第1に、本発明の処理組成物において有用なより短いフルオロアルキル基を含有する前駆体化合物は、同じ重量ベースで有効な低い表面エネルギー塗膜としてのそれらの効能を維持しながら、より高い収率のため、重量につきより低いコストで製造されるかもしれない。例えば、フッ化ヘプタフルオロブチリル前駆体は、電気化学的フッ素化法(「有機フッ素化合物の製造、特性、および工業的用途(Preparation,Properties,and Industrial Applications of Organofluorine Compounds)」、アール.イー.バンクス編、エリス・ホーウッド社(1982年)、26ページ)でフッ化パーフルオロオクタノイル前駆体(31%)と比べて60%の収率で製造されるかもしれない。さらに、短鎖カルボン酸(推定される中間分解生成物)は、より長鎖の同族体よりも毒性が少なく、かつ、生物蓄積性が少ない。
【0057】
場合により本発明のフルオロケミカルウレタン組成物の形成でフルオロケミカル一官能性化合物と組み合わされてもよい脂肪族一官能性化合物が、処理剤のフルオロケミカル特性によって得られる性能の付随する低下を受けることなく処理組成物の総コストを低減するために使用されてもよい。使用される場合、脂肪族一官能性化合物は、あらゆる残存するイソシアネート基とも反応するのに十分な量で加えられてもよい。一般に、脂肪族一官能性化合物は、利用可能なイソシアネート基の33%よりも多い量で加えられず、好ましくは20%未満の量で加えられる。有用な脂肪族一官能性化合物には、1〜72個の炭素原子を含有する直鎖、分枝鎖、または環式の脂肪族一官能性化合物が含まれる。かかる脂肪族一官能性化合物は好ましくは重合性オレフィン不飽和なしであり、場合により酸素、二価もしくは六価の硫黄、または窒素のようなカテナリー・ヘテロ原子を含有することができる。
【0058】
有用な非フッ素化一官能性化合物には、式R’’’−Z(式中、R’’’は脂肪族アルキルまたはヘテロアルキル基であり、Zはイソシアネート反応性官能基である)のものが含まれる。有用なZ基には、−NH2、−SH、−OH、−NCO、−NR1H(ここで、R1は水素またはC1〜C4アルキル基のような低級アルキル基である)が含まれるが、それらに限定されない。
【0059】
本発明の化学組成物の他の好ましい実施形態には、12〜72個の炭素を有する長鎖脂肪族一官能性化合物から誘導されるそれらの組成物が含まれる。長鎖炭化水素基は不満足な撥油性を与えることが典型的には知られてきたが、12〜72個の炭素を有する末端長鎖炭化水素基を含む本発明の化学組成物は良好な汚染除去性を与える。本発明の化学組成物での使用に好適な長鎖脂肪族一官能性化合物には、飽和、不飽和、または芳香族であってもよい12〜約72個の炭素原子を有する少なくとも1種の、本質的に分枝のない脂肪族アルコールが含まれる。これらの長鎖炭化水素モノアルコールは、場合により、例えば、1個もしくはそれ以上の塩素、臭素、トリフルオロメチル、またはフェニル基のような基で置換されることができる。代表的な長鎖炭化水素モノアルコールには、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−テトラデカノール、1−ヘキサデカノール、1−オクタデカノールなど、およびそれらの混合物が含まれる。好ましい長鎖炭化水素モノアルコールは12〜50個の炭素原子を有し、12〜50個の炭素原子がより好ましく、水溶解性および性能のためには18〜40個の炭素原子が最も好ましい。
【0060】
フルオロケミカル処理剤とフッ素のない増量化合物とのブレンドもまた本発明においてテキスタイル処理剤として有用である。システムの任意の成分に過ぎないこれらの増量化合物は、塗布された処理剤に特徴的なフルオロケミカルによって得られる性能を制限することなく処理の総費用を低減するために添加されてもよい。処理増量剤として有用なフッ素なしの化合物の中に、シロキサン、アクリレートおよび置換アクリレートポリマーおよび共重合体、N−メチロールアクリルアミド含有アクリレートポリマー、ウレタン、ブロックされたイソシアネート含有ポリマーおよびオリゴマー、ウレアまたはメラミンとホルムアルデヒドとの縮合物または予備縮合物、グリオキサール樹脂、脂肪酸とメラミンまたはウレア誘導体との縮合物、脂肪酸とポリアミドとの縮合物およびそれらのエピクロロヒドリン付加体、ワックス、ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、アルキルケテンダイマー、エステル、ならびにアミドがある。これらのフッ素なしの増量化合物のブレンドもまた有用であると考えられる。処理剤中の増量化合物の相対量は本発明にとって決定的に重要ではない。しかしながら、フルオロケミカル処理剤の全体的組成物は、全体的システム中に存在する固形分の量を基準にして、少なくとも3重量パーセント、好ましくは少なくとも約5重量パーセントの炭素に結合したフッ素を含有するべきである。
【0061】
ウレタン化合物は、次の段階的な合成に従って製造することができる。当業者が理解するであろうように、工程の順番は非限定的であり、所望の化学組成物を製造するために修正することができる。合成において、多官能性イソシアネート化合物およびフルオロケミカル一官能性化合物は、好ましくは溶媒に乾燥状態下で一緒に溶解され、次に、生じた溶液を、触媒の存在下に0.5〜2時間、好ましくは1時間撹拌しながら、おおよそ40〜80℃、好ましくはおおよそ60〜70℃に加熱する。反応条件(例えば、反応温度および/または使用される多官能性イソシアネート)に依存して、多官能性イソシアネート/フルオロケミカル一官能性化合物混合物の約0.5重量パーセント以下の触媒レベルが用いられてもよいが、典型的には約0.00005〜約0.5重量パーセントが必要とされ、0.02〜0.1重量パーセントが好ましい。
【0062】
好適な触媒には、第三級アミンおよび錫化合物が含まれるが、それらに限定されない。有用な錫化合物の例には、第一錫オクトアート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジ−2−エチルヘキサノエート、およびジブチル錫オキシドのような錫IIおよび錫IV塩が挙げられる。有用な第三級アミン化合物の例には、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、トリプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル、エチルモルホリン、および2,2’−ジモルホリノジエチルエーテルのようなモルホリン化合物、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO、アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州ミルウォーキー(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,Wis.)、ならびに1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ−7−セン(DBU、アルドリッチ・ケミカル社、ウィスコンシン州ミルウォーキー)が挙げられる。錫化合物が好ましい。
【0063】
得られたイソシアネート官能性ウレタン化合物は、次に、1種もしくはそれ以上の上に記載された脂肪族一官能性化合物とさらに反応する。一官能性化合物は、上の反応混合物に加えられ、あらゆる残存する利用可能な−NCO基と十分に反応する。上の温度、乾燥状態、および混合が0.5〜2時間、好ましくは1時間続けられる。末端フッ素含有および場合により非フッ素化脂肪族基は、それによってウレタン化合物に結合する。
【0064】
各フルオロケミカルウレタン化合物は、少なくとも1種の多官能性イソシアネート化合物と少なくとも1種のフルオロケミカル一官能性化合物との反応から誘導されるまたは誘導できるウレタン基を含む。フルオロケミカルウレタン化合物は、(i)1種もしくはそれ以上のパーフルオロアルキル基、または1種もしくはそれ以上のパーフルオロヘテロアルキル基、および(ii)場合により1種もしくはそれ以上の非フッ素化脂肪族基で終端される。反応生成物は化合物の混合物を与え、その混合物のある百分率は記載されたような化合物を含むであろうが、異なる置換パターンと置換の程度とを有するウレタン化合物をさらに含ンでもよいことは理解されるであろう。このように、組成物は、式
(Rf*nA(NHCO−Z’R’’’)m-n
(式中、Rf*はRf−Q’−Z’であり、Z’はZの残基であり、Aは、価数mを有する、前記脂肪族イソシアネートの残基であり、R’’’は、脂肪族一官能性化合物に由来する脂肪族基であり、n(平均)は少なくとも1.5、好ましくは少なくとも2である)
の化合物を含んでもよい。
【0065】
本発明で有用なフルオロケミカルアクリレートポリマーは、式
【0066】
【化3】

【0067】
の重合されたフルオロケミカルアクリレートモノマー単位を含む。好ましくは、高分子界面活性剤は、フルオロケミカル・モノマー単位とポリ(オキシアルキレン)アクリレートモノマー単位との共重合単位を含み、ランダムに配置された式
【0068】
【化4】

【0069】
(式中、R1fは、3〜約12個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子を有する、より好ましくは約3〜約5個の炭素原子を有するフルオロアルキル基であり、R3はHまたはC1〜C4アルキル基であり、R4は2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、Qは有機連結基であり、xは少なくとも5、一般に10〜75の整数であり、100ほどに高くあり得る)
の繰り返し単位を有する。該共重合体は、国際公開第01/30873号パンフレットに記載されたように製造されてもよい。
【0070】
上の高分子界面活性剤は、水溶解性または分散性を改善するための水可溶化基を有するアクリルエステルまたはアクリルアミドの共重合モノマー単位をさらに含んでもよい。水可溶化極性基は、陰イオン、非イオン、陽イオンまたは両性であってもよい。好ましい陰イオン基には、スルホネート(例えば、−SO3M)、スルフェート(例えば、−OSO3M)、およびカルボキシレート(例えば、−C(=O)OM)が含まれるが、それらに限定されない。Mは水素、アルカリもしくはアルカリ土類金属陽イオンのような金属陽イオン(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウムもしくはマグネシウムなど)、または、例えば、アンモニウムもしくは第三級アミン(例えば、(HOCH2CH22+HCH3)のような窒素ベースの陽イオンである。スルホネート極性基は、ポリアクリレートおよびポリアクリルアミドを含むオリゴマーまたはポリマーとして使用される。水可溶化極性基を提供するために、先に記載されたモノマーと共重合されてもよいモノマーは、式
【0071】
【化5】

【0072】
(式中、R3は上に定義された通りであり、
n’は1〜10の整数であり、かつ、
Mは水素、金属陽イオン、またはプロトン化アミンである。)
のポリアクリルアミドスルホネートである。
【0073】
好ましい陰イオン基は、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸(AMPS)またはそのカリウム塩である。
【0074】
代表的な有用な陽イオン水可溶化基には、例えば、アンモニウムまたは第四級アンモニウム塩が含まれる。陽イオン水可溶化基を提供する好ましいモノマーには、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチルなどが含まれる。
【0075】
本明細書でR1fと示されるフルオロ脂肪族基は、疎油性および疎水性の両方である安定な、不活性な、非極性の、好ましくは飽和の一価部分である。フッ素化ポリマーは、好ましくは3〜約25個のR1f基を含み、オリゴマーの総重量を基準にして重量で約5パーセント〜約30パーセント、より好ましくは約8パーセント〜約20パーセントのフッ素を好ましくは含み、フッ素の所在場所は本質的にR1f基中である。R1fは少なくとも約3〜約12個の炭素原子、好ましくは3〜8個の炭素原子、より好ましくは約3〜約5個の炭素原子を好ましくは含有する。R1fは直鎖、分枝鎖、もしくは環式のフッ素化アルキル基またはそれらの組合せ、またはそれらと直鎖、分枝鎖、もしくは環式アルキル基との組合せを含有することができる。R1fは、好ましくは重合性オレフィン不飽和なしであり、場合により酸素、二価もしくは六価の硫黄、または窒素のようなカテナリー・ヘテロ原子を含有することができる。各R1fは約40%〜約78重量%のフッ素、より好ましくは約50%〜約78重量%のフッ素を含有することが好ましい。R1f基の末端部分は完全にフッ素化された末端基を含有する。この末端基は、例えば、CF3CF2CF2−、(CF32CF−、−CF2SF5など、好ましくは少なくとも7個のフッ素原子を含有する。過フッ素化脂肪族基、すなわち、式Cn2n+1のものがR1fの最も好ましい実施形態である。
【0076】
フルオロ脂肪族基R1fは、Qと示される連結基によってエステル基に連結している。連結基Qは共有結合、ヘテロ原子、例えば、OもしくはS、または有機部分であり得る。連結基Qは好ましくは1〜約20個の炭素原子を含有する有機部分であり、場合により酸素、窒素、もしくは硫黄含有基またはそれらの組合せを含有し、好ましくは官能基、例えば、重合性オレフィン二重結合、チオール、クミル水素のような容易に引き抜かれる水素原子、および実質的にフリーラジカル・オリゴマー化を妨害することが当業者に知られているような他の官能基なしである。連結基Qに好適な構造の例には、直鎖、分枝鎖、または環式のアルキレン、アリーレン、アラアルキレン、オキシ、オキソ、チオ、スルホニル、スルフィニル、イミノ、スルホンアミド、カルボキサミド、カルボニルオキシ、ウレタニレン、ウレイレン、およびスルホンアミドアルキレンのようなそれらの組合せが挙げられる。好ましい連結基Qは、製造の容易さおよび商業的入手可能性により選択することができる。下表は好適な有機Q基の部分的な代表的リストである。このリストの目的のためには、各kは独立して0〜約20の整数であり、R1’は水素、フェニル、または1〜約4個の炭素原子のアルキルであり、R2’は1〜約20個の炭素原子のアルキルである。各構造は全方向性であり、すなわち−(CH2kC(O)O−は−O(O)C(CH2k−と同等である。
【0077】
【表3】

【0078】
1fを連結するために、Qは好ましくはアルキレンもしくはスルホンアミド、またはスルホンアミドアルキレンである。
【0079】
(OR4xにおいて、R4は、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−および−CH(CH3)CH(CH3)−のような2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、前記ポリ(オキシアルキレン)中のオキシアルキレン単位は、ポリ(オキシプロピレン)中のように同じものであるか、またはランダムに分配されたオキシエチレンおよびオキシプロピレン単位の直鎖もしくは分枝鎖中のように、またはオキシエチレン単位のブロックとオキシプロピレン単位のブロックとの直鎖または分枝鎖中のように混合物として存在する。ポリ(オキシアルキレン)鎖は、1つもしくはそれ以上のカテナリー連結によって割り込まれるか、またはそれらを含むことができるが、かかる連結は活性水素原子を含有する反応性官能基なしであることが好ましく、かかる連結がポリ(オキシアルキレン)鎖の溶解性付与特性を実質的に変えないことを条件とする。[用語「活性水素原子」は、本出願で用いるところでは、アメリカ化学会誌(J.Am.Chem.Soc.)、49(1927)、3181ページに記載されているように、グリニャール試薬と反応する水素原子(アミド水素原子以外の)を意味する。]前記カテナリー連結が3もしくはそれ以上の価数を有する場合、それらはオキシアルキレン単位の分枝鎖を得るための手段を提供する。オリゴマー中のポリ(オキシアルキレン)基は、同じものであるかまたは異なることができ、それらはペンダントであり得る。ポリ(オキシアルキレン)基の分子量は、前記所望の溶解性を得るために、約500〜5000以上、例えば、100,000以上、より好ましくは2000〜4000であることもまた好ましい。
【0080】
Xは酸素、硫黄または好ましくは1〜約20個の炭素原子を含有する、および場合により酸素、窒素、もしくは硫黄含有基またはそれらの組合せを含有する、好ましくは官能基なしの有機部分である連結基である。
【0081】
これらのうちで特に好ましいものは、1つのポリオキシプロピレンを含有し、ポリオキシプロピレンブロックに結合したポリオキシエチレンの少なくとも1つの他のブロックを有するものである。ポリオキシエチレンまたはポリオキシプロピレンの追加ブロックが分子中に存在することができる。約500〜約15,000の範囲の平均分子量を有するこれらの材料は、バスフ・コーポレーション(BASF Corporation)によって製造されるプルロニック(PLURONIC)TMとして一般に入手可能であり、他の化学薬品供給業者から様々な他の商標で入手可能である。さらに、プルロニックTMR(逆プルロニック構造)と呼ばれるポリマーもまた本発明で有用である。
【0082】
特に有用なポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン・ブロックポリマーは、ポリオキシプロピレン単位のセンターブロックとセンターブロックの両側にポリオキシエチレン単位のブロックとを含むものである。これらの共重合体は、下に示される式
(EO)n−(PO)m−(EO)n
(式中、mは約21〜約54の整数であり、nは約7〜約128の整数である)
を有する。追加の有用なブロック共重合体はポリオキシエチレン単位のセンターブロックとセンターブロックの両側にポリオキシプロピレン単位のブロックとを有するブロックポリマーである。共重合体は、下に示される式
(PO)n−(EO)m−(PO)n
(式中、mは約14〜約164の整数であり、nは約9〜約22の整数である)
を有する。
【0083】
本発明の共重合体で有用な、ノナフルオロブタンスルホンアミド・セグメントを含有する別の好ましいポリアルキレンオキシ部分は、約200〜10,000の分子量を有するポリエチレングリコールから誘導されるものである。好適な商業的に入手可能なポリエチレングリコールは、商品名カーボワックス(CARBOWAX)TMでユニオン・カーバイド(Union Carbide)から入手可能である。
【0084】
アクリレート共重合体は、例えば、フルオロ脂肪族基含有アクリレート(フロオロアルキルアクリレート)とポリ(オキシアルキレン)モノアクリレートもしくはジアクリレートまたはそれらの混合物とのフリーラジカル開始共重合によって製造することができる。ポリアクリレートポリマーの分子量は、開始剤の濃度および活性、モノマーの濃度、および温度を調節することによって、ならびにチオール、例えばn−オクチルメルカプタンのような連鎖移動剤によって制御することができる。上の製造において記載されたような、フルオロ脂肪族アクリレートは当該技術では公知である(例えば、米国特許第2,803,615号明細書、同第2,642,416号明細書、同第2,826,564号明細書、同第3,102,103号明細書、同第3,282,905号明細書、および同第3,304,278号明細書を参照されたい)。上の製造において使用されるポリ(オキシアルキレン)アクリレート、およびかかる目的のために有用な他のアクリレートは、商標プルロニック、カーボワックス、ネックス(NECKS)、およびトリトン(TRITON)で販売されているもののような、商業的に入手可能なヒドロキシおよびアルコキシポリ(オキシアルキレン)材料から、かかるヒドロキシ材料を公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、塩化アクリロイル、またはアクリル酸無水物と反応させることによって製造することができる。
【0085】
例えば、相当するポリ(オキシアルキレン)含有末端エチレン系不飽和コモノマーと共重合させることによる、本発明のポリマーの製造に好適な他のフルオロ脂肪族基含有末端エチレン系不飽和モノマーは、当該技術では公知である(例えば、米国特許第2,592,069号明細書、同第2,995,542号明細書、同第3,078,245号明細書、同第3,081,274号明細書、同第3,291,843号明細書、および同第3,325,163号明細書、ならびに米国特許第3,574,791号明細書に開示されたフルオロ脂肪族基含有構造単位を提供するのに好適なエチレン系不飽和材料を参照されたい)。フルオロケミカルアクリレートポリマーはまた場合により、アルキルアクリレート、塩化ビニリデン、およびN−メチロールアクリルアミドのような他のモノマーから誘導された単位を含有してもよい。
【0086】
本発明で有用なフルオロケミカルアクリレートポリマーは、例えば、米国特許第3,787,351号明細書(Olson)、同第4,795,793号明細書(Amimotoら)、同第5,350,795号明細書(Smithら)および2000年10月27日に出願された出願人の同時係属出願米国特許出願第09/698,987号明細書に開示されている。
【0087】
好ましくは、フルオロケミカルアクリレートポリマーは、固形分含量を基準にして、約0.5〜80重量パーセントの量で存在する。好ましくは、フルオロケミカルウレタンは、固形分含量を基準にして、約20〜99.5重量パーセントの量で存在する。組成物中に存在する場合、汚染防止剤は、フルオロケミカルウレタンとフルオロケミカル高分子界面活性剤とを組み合わせた重量の6倍以下を占める。一般に、処理組成物は少なくとも約65%の水を含有する。
【0088】
本発明のフルオロケミカル組成物は、場合により1種もしくはそれ以上の非フッ素化添加物とブレンドされてもよい。これらの非フッ素化添加物には、好適なフルオロケミカル剤と共にカーペットに塗布された時に耐汚れ性効果を与えることが当該技術で知られている非フッ素化化合物の任意のものが含まれる。かかる化合物には、例えば、コハク酸エステルの水溶性スルホネート、特にスルホコハク酸ジオクチルナトリウム(DOSS)、分枝および直鎖アルコールエトキシレート、アルキル化アルキニルジオール、ポリエトキシル化シロキサン、ならびにアルキル、アルキルエーテルおよびアルキルアリールスルフェート、スルホネートおよびそれらの相当する酸のような炭化水素界面活性剤が含まれる。特に有用な炭化水素界面活性剤は、ヘキサジフェニルオキシドジスルホン酸ジナトリウムである。
【0089】
本発明で有用な非フッ素化添加物にはまた、アクリル酸およびメタクリル酸ポリマーおよび共重合体、スルホン化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ならびにスチレン−無水マレイン酸ポリマーのような親水性の耐汚染性化合物が含まれる。これらの化合物のブレンドもまた有用であると考えられる。本発明での使用に好適な追加の非フッ素化化合物には、米国特許第5,098,774号明細書(Chang)によって記載されたそれらのスルホン化ノボラック樹脂組成物、および米国特許第5,316,850号明細書(Sargentら)によって記載されたそれらの化合物が含まれる。組成物中に存在する場合、汚染防止剤は、フルオロケミカルウレタンとフルオロケミカル高分子界面活性剤とを組み合わせた重量の6倍以下を占めてもよい。
【0090】
本発明のフルオロケミカル処理組成物との組合せに好適な商業的に入手可能な非フッ素化添加物には、次のもの:ローム・アンド・ハース社(Rohm & Haas Corp.)から入手可能なエアゾール(Aerosol)TMOT界面活性剤(Surfactant)、エアー・プロダクツ社(Air Products,Inc.)から入手可能なサーフィノール(Surfynol)TM界面活性剤440、ICIアメリカズ社(ICI Americas Corp.)から入手可能なシントラポール(Synthrapol)TMKB界面活性剤、ユニオン・カーバイド社から入手可能なシルウェット(Silwet)TM界面活性剤L−77、ウィットコ社(Witco Corp.)から入手可能なウィットコTM界面活性剤1298およびローン・プーラン社(Rhone−Poulenc,Inc.)から入手可能なシポネート(Siponate)TM界面活性剤DS−10、ならびにダウ・ケミカル(Dow Chemical)から入手可能なダウファックス(Dowfax)8390が含まれる。
【0091】
フルオロケミカル処理剤は、好ましくは、フルオロケミカル剤と一緒に基材に塗布された時に耐汚染特性を与えることが当該技術で知られている1種もしくはそれ以上の非フッ素化化合物と一緒に基材に塗布される。これらの耐汚染性化合物は、本発明のフルオロケミカル処理剤の塗布の前処理を構成してもよい、すなわち、それらはフルオロケミカル処理剤の塗布前に塗布することができる、あるいはまた、フルオロケミカル処理剤と同時に、すなわち、同じ処理工程で塗布されてもよい。当該技術で一般に「汚染防止剤」として知られている、これらの化合物には、アクリル酸およびメタクリル酸ポリマーおよび共重合体、スルホン化フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、アルファ−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、ならびにスチレン−無水マレイン酸ポリマーおよび共重合体のような親水性の耐汚染性化合物が含まれる。かかる化合物のブレンドもまた有用であると考えられる。
【0092】
好ましい汚染防止剤には、未洗上げカーペット向けの耐汚れ性処理剤中の成分として、加水分解されたスチレン/無水マレイン酸共重合体のアンモニウム塩のような、ポリカルボン酸塩が含まれる。ポリカルボン酸塩は、好ましくは、耐汚れ性、撥水性、および撥油性をカーペット繊維に与えるためのフルオロケミカルウレタンおよびフルオロケミカル高分子界面活性剤と組み合わせて使用される。
【0093】
これらの混合物はより高いpHで(すなわち、先述の例については約5〜約11の範囲内のpHで)塗布された時により良好な撥性を与えることが発見された。
【0094】
一般に、本発明で有用なポリカルボン酸塩には、モルにつき少なくとも400グラム、好ましくはモルにつき少なくとも1000グラムの分子量を有し、かつ、酸当量につきポリマーのグラムとして測定されて、当量につき300グラム以下、好ましくは当量につき150グラム以下の当量を有するそれらのポリカルボン酸のアンモニウムおよびアルカリ金属塩が含まれる。ポリカルボン酸塩は、室温で測定されるところでは非粘着性の固体であるべきである。
【0095】
有用なポリカルボン酸には、アクリル酸含有ポリマー、すなわち、ポリアクリル酸、アクリル酸と、アクリル酸と共重合できる1種もしくはそれ以上の他のモノマーとの共重合体、およびポリアクリル酸と1種もしくはそれ以上のアクリル酸含有共重合体とのブレンドが含まれる。これらは、エチレン系不飽和モノマーを重合させるための周知の技術を用いて製造することができる。好ましくは、ポリカルボン酸は、メタクリル酸含有ポリマー、例えば、ポリメタクリル酸、メタクリル酸と、メタクリル酸と共重合できる1種もしくはそれ以上の他のモノマーとの共重合体、およびポリメタクリル酸と1種もしくはそれ以上のメタクリル酸共重合体とのブレンドである。
【0096】
本発明で有用なポリカルボン酸ポリマーはまた、エチレン系不飽和モノマーを重合させるための当該技術で周知の方法を用いて製造することができる。かかるモノマーには、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、モノ−およびポリカルボン酸の無水物;カルボン酸および無水物の置換および非置換エステルおよびアミド;ニトリル;ビニルモノマー;ビニリデンモノマー;モノオレフィンおよびポリオレフィンのモノマー;ならびに複素環モノマーが含まれる。具体的な代表的モノマーには、イタコン酸、シトラコン酸、アコニット酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、桂皮酸、オレイン酸、パルミチン酸、ならびにこれらの酸の置換または非置換アルキルおよびシクロアルキルエステルであって、アルキルまたはシクロアルキル基がメチル、エチル、ブチル、2−エチルヘキシル、オクタデシル、2−スルホエチル、アセトキシエチル、シアノエチル、ヒドロキシエチル、β−カルボキシエチルおよびヒドロキシプロピル基のような1〜18個の炭素原子を有するエステルが含まれる。アクリルアミド、メタクリルアミド、メチロールアクリルアミド、1,1−ジメチルスルホエチルアクリルアミド、アクリロニトリル、およびメタクリロニトリルのような、前記酸のアミドもまた含まれる。様々な置換および非置換芳香族および脂肪族ビニルモノマー、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、クロロスチレン、スルホスチレン、ビニルアルコール、N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルスルフィド、ビニルトルエン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、エチレン、イソブチレン、および塩化ビニリデンもまた使用されてもよい。硫酸化ヒマシ油、硫酸化マッコウ鯨油、硫酸化大豆油、および硫酸化脱水ヒマシ油のような様々な硫酸化天然油もまた有用である。特に有用なモノマーには、単独でまたは組み合わせてのどちらかで、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、イタコン酸、スチレン、スルホスチレンナトリウム、および硫酸化ヒマシ油が含まれる。
【0097】
メタクリル酸含有ポリマーにおいて、メタクリル酸は好ましくはポリマーの約30〜100重量パーセント、より好ましくは約60〜90重量パーセントを提供する。ポリマー中のメタクリル酸の最適割合は、使用されるコモノマー、共重合体の分子量、および材料が塗布されるpHに依存する。アクリル酸エチルのような水不溶性コモノマーがメタクリル酸と共重合される場合、それらは。メタクリル酸含有ポリマーの約40重量パーセント以下を占めてもよい。アクリル酸またはアクリル酸スルホエチルのような水可溶性コモノマーがメタクリル酸と共重合される場合、水可溶性コモノマーは好ましくはメタクリル酸含有ポリマーの30重量パーセント以下を占め、好ましくはメタクリル酸含有ポリマーはまた約50重量パーセント以下の水不溶性モノマーをも含む。
【0098】
本発明のポリカルボン酸塩を製造するのに有用な、商業的に入手可能なアクリルポリマーには、カルボポーラエ(Carbopolae)(ビー.エフ.グッドリッチ(B.F.Goodrich)から入手可能な)ならびにローム・アンド・ハース・カンパニーから入手可能な、ロイコタン(Leukotan)970、ロイコタン1027、ロイコタン1028、およびロイコタンQR1083のようなロイコタン群の物質が含まれる。
【0099】
本発明のポリカルボン酸塩を製造するのに有用なメタクリル酸含有ポリマーはまた、米国特許第4,937,123号明細書(Changら)、米国特許第5,074,883号明細書(Wang)および米国特許第5,212,272号明細書(Sargentら)にも記載されている。
【0100】
有用なポリカルボン酸にはまた、無水マレイン酸と少なくとも1種もしくはそれ以上のエチレン系不飽和モノマーとの加水分解されたポリマーも含まれる。不飽和モノマーはアルファ−オレフィンモノマーまたは芳香族モノマーであってもよいが、後者が好ましい。アルキルビニルエーテルをはじめとする様々な直鎖および分枝鎖アルファ−オレフィンが使用されてもよい。特に有用なアルファーオレフィンは、イソブチレンレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、および1−ドデセンのような、4〜12個の炭素原子を含有する1−アルケンであり、イソブチレンおよび1−オクテンが好ましく、1−オクテンが最も好ましい。特に有用な一アルキルビニルエーテルはメチルビニルエーテルである。アルファ−オレフィンの一部は、1種もしくはそれ以上の他のモノマー、例えば、50重量%以下のアルキル(C1〜4)アクリレート、アルキル(C1〜4)メタクリレート、ビニルスルフィド、N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、アクリルアミド、ならびに同じものの混合物で置き換えることができる。
【0101】
様々なエチレン系不飽和芳香族モノマーが、加水分解されたポリマーを製造するために使用されてもよい。エチレン系不飽和芳香族モノマーの具体例には、スチレン、α−メチルスチレン、4−メチルスチレン、スチルベン、4−アセトキシスチルベン(無水マレイン酸と4−ヒドロキシスチルベンとからの加水分解されたポリマーを製造するのに使用される)、オイゲノール、イソオイゲノール、4−アリルフェノール、サフロール、これらの物質の混合物などのようなフリーラジカル重合可能な物質が挙げられる。スチレンが最も好ましい。これらの物質の幾つかの有用性は、重合開始剤の量を増やすことによってまたはフェノール性ヒドロキシ基をアシル化もしくはエーテル化することによって改善されるかもしれない。
【0102】
加水分解されたポリマーにおいて、エチレン系不飽和モノマーに由来する単位対無水マレイン酸に由来する単位の比は、不飽和モノマーがアルファーオレフィンである場合には約0.4:1〜1.3:1であり、不飽和芳香族モノマーを用いる場合には約1:1〜2:1である。いかなる場合にも、約1:1の比が最も好ましい。
【0103】
本発明での使用に好適な加水分解されたポリマーは、エチレン系不飽和無水マレイン酸ポリマーを加水分解することによって製造されてもよい。アンモニア、アミン、アルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、および水酸化リチウムのような)が好適な加水分解剤である。加水分解は、モル量よりも多いまたはそれ未満のアルカリ金属水酸化物の存在下に達成することができる。加水分解されるポリカルボン酸共重合体はまた、酸エステルであってもよい、すなわち、カルボン酸基の一部が例えばエタノール、n−プロパノールまたはエチレングリコールモノブチルエーテルのようなアルコールでエステル化されていてもよい。加水分解されたポリカルボン酸はまた、例えば、n−ブチルアミン、またはアニリンでアミド化されてアミド酸塩を作ってもよい。
【0104】
本発明のポリカルボン酸塩を製造するために有用な、商業的に入手可能な無水マレイン酸含有共重合体には、スチレン/無水マレイン酸共重合体(例えば、エルフ・アトケム(Elf Atochm)から入手可能なSMAシリーズ)およびメチルビニルエーテル/無水マレイン酸共重合体(例えば、ISP社(ISP Corp.)から入手可能なガントレッツ(Gantrez)TM)が含まれる。本発明のポリカルボン酸塩含有組成物を製造するのに有用な、少なくとも1種もしくはそれ以上のアルファ−オレフィンモノマーと無水マレイン酸との加水分解されたポリマーはまた、米国特許第5,460,887号明細書(ペッチホルド(Pechhold))にも記載されている。本発明の組成物で有用な、少なくとも1種もしくはそれ以上のエチレン系不飽和芳香族モノマーと無水マレイン酸との加水分解されたポリマーはまた、米国特許第5,001,004号明細書(Fitzgeraldら)にも記載されている。
【0105】
本発明での使用に好適な追加の非フッ素化耐汚染性化合物には、米国特許第5,098,774号明細書(Chang)および同第5,316,850号明細書(Sargentら)によって記載されたそれらのスルホン化ノボラック樹脂組成物が含まれる。耐汚染性組成物は典型的には繊維の重量を基準にして親水性の耐汚染性化合物の0.15〜3重量パーセントのレベルで基材へ塗布される。特に有用な一汚染防止剤は、3M社から入手可能なFX−657TMである。
【0106】
本発明に従って処理することができる繊維基材は、最終衣服、張り椅子、および設置カーペットだけでなく、木綿、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド、アクリル、アセテートまたはそれらのブレンドから製造された最終製品へと製造される布をはじめとする、紡織繊維(またはフィラメント)および布である。繊維またはフィラメントはそれ自体または集合した形で、例えば糸、トウ、ウェブもしくは粗糸、または織布もしくは編布のような布で、本発明の組成物で処理することができる。
【0107】
本発明の処理組成物は、繊維基材の処理での使用に好適な処理組成物を形成するために様々な溶媒に溶解されてもよい。好適な溶媒には、水、アルコール、エステル、グリコールエーテル、アミド、ケトン、炭化水素、クロロ炭化水素、クロロカーボン、およびそれらの混合物が含まれる。組成物が塗布されつつある基材に依存して、水はいかなる環境への懸念も提起しないし、かつ、安全で非毒性として受け入れられているので、水が好ましい溶媒である。好ましくは、処理組成物は、フルオロケミカルウレタンとフルオロケミカル高分子界面活性剤との水性エマルジョンを含む。
【0108】
繊維基材を処理するのに好適な完全な組成物は、フルオロケミカル高分子界面活性剤をフルオロケミカルウレタン化合物の水性エマルジョンならびに場合により汚染防止剤、非フッ素化添加物および任意の炭化水素界面活性剤と組み合わせることによって調製されてもよい。処理エマルジョンの形成は、特定の選ばれた処理に適合する、炭化水素界面活性剤のような、1種もしくはそれ以上の界面活性剤の使用を必要とするかもしれない。水は全処理組成物の少なくとも約65重量%、好ましくは少なくとも約75重量%であるべきである。本発明の完全な水性組成物内のフルオロケミカル処理剤の濃度は、当該技術で公知であるように、処理パラメーター、例えばローラー速度、乾燥能力を選べるのであれば、最終基材上の処理剤の所望の濃度をもたらすべく独立して選ばれてもよい。
【0109】
フルオロケミカルウレタン化合物とフルオロケミカル高分子界面活性剤とを含有する処理組成物は、任意の最先端の塗布方法を用いて繊維基材に塗布されてもよい。典型的には、組成物は、乾燥したまたはあらかじめ湿らせた基材上へ直接におよびむらなく噴霧することによって、基材を組成物中へ浸漬(例えば、パジング)することによって、または基材上への組成物の泡塗布(フォーム・アプリケーション)、もしくは噴霧塗布によって塗布されてもよい。処理剤はまた周囲条件下で基材上へ硬化するにまかせられてもよいが、処理剤は通常、処理された基材を200°F〜300°Fに保持されたオーブン中で乾燥することによって熱硬化されてもよい。
【0110】
水性処理溶液は、カーペット工場で通常用いられるような大規模の商業用吹付室の性能を再現するようにデザインされたコンベア・ベルト付きの実験室サイズ吹付室を用いて、約15重量%ウェットピックアップまで噴霧によってカーペットに塗布されてもよい。次に湿った噴霧カーペットは、強制空気オーブン中で乾くまで(典型的には10〜20分間)120℃で乾燥される。塗布率(%SOF単位での)は、コンベア・ベルト速度を変えることによって制御される。あるいはまた、処理組成物は、クスターズ(Kusters)KFAまたはフルイコン(Fluicon)塗布機でのように、当該技術で公知であるような泡塗布機によって塗布されてもよい。
【0111】
次の実施例は本発明のより良い理解を助けるために提供される。これらの実施例は、本発明のすべての実施形態の包括的な編集と解釈されるべきではなく、かつ、その範囲を限定すると不当に解釈されるべきではない。
【実施例】
【0112】
【表4】

【0113】
試験方法
撥水性試験
この試験方法を用いて処理したカーペット試料を撥水性について評価した。評価すべきカーペット試料をDI水とイソプロピルアルコール(IPA)とのブレンドによる浸透に挑戦させた。各ブレンドに、下表に示すような評価指数(ダイン/cm)を付与した。撥水性試験を実施する際に、処理したカーペット試料を平らな水平の表面上に置き、糸に最大撚り目を与える方向にカーペット立ち毛に手ブラシをかけた。水、または水/IPA混合物の5小滴を、カーペット試料上少なくとも1インチ(2.5cm)離れたポイントに穏やかに置いた。45°角度で10秒間観察した後に、5滴のうち4滴が球形または半球形として目に見えた場合、カーペットは試験に合格したとみなした。報告される撥水性評価指数は、処理した試料が記載した試験に合格した水、または水/IPA混合物の最高数に一致する。
【0114】
【表5】

【0115】
撥油性試験
次の手順を用いてカーペット試料を撥油性について評価した。この試験では、カーペット試料を、異なる表面張力の油または油混合物による浸透に挑戦させた。油および油混合物に、下表に記載される評価指数を示した。撥油性試験は、観察時間が10秒の代わりに30秒であったことを除いて、上に記載した撥水性試験と同じやり方で実施した。報告される撥油性は、処理したカーペット試料が試験に合格した最高の油、または油混合物に一致する。
【0116】
【表6】

【0117】
カーペット試料
ナイロン−6およびナイロン−6,6カーペット試料は、ジョージア州ダルトンのショー・インダストリーズ(Shaw Industries,Dalton,GA)から入手し、ポリプロピレン・カーペット試料は、ジョージア州ダルトンのモホーク(Mohawk)から入手した。
【0118】
MeFBSE/N3300/SAウレタン、FCUR−1の製造
電磁撹拌機を備え付けた、かつ、冷却器を取り付けた500mL丸底フラスコに、MeFBSE(58.0グラム)、メチルイソブチルケトン(100.0グラム)、SA(6.0グラム)およびN3300(36.0グラム)を装入した。溶解したらすぐに、混合物を還流に加熱し、DBTDL(0.02グラム)を加え、加熱を1時間続けた。溶液を冷却し、MeFBSE/N3300/SAウレタン、FCUR−1をもたらした。激しく撹拌し、添加中65℃〜73℃の温度を保持しながら、DI水(400グラム)中のウィトコネートTMDS−10(5グラム)溶液を500mLフラスコ中の該溶液にゆっくりと加えた。添加が完了したらすぐに、溶液を、コール−パーマー(Cole−Parmer)超音波ホモゲナイザー(モデルCPX600、イリノイ州ヴァーノンヒルズ(Vernon Hills,IL)のコール−パーマーから入手可能な)で5分間超音波にかけた。ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を除去した。
【0119】
汚染防止剤の塗布(ナイロン試料)
処理組成物を含有するトレー中に、カーペット試料を、カーペット繊維側を下にして入れた。処理組成物は、所望のパーセントのカーペット上固形分(%SOC)を与えるのに十分な汚染防止性材料を含有し、DI水中に該材料および場合により所望の量の塩を溶解または分散させ、10%水性オートアシッドA−80を用いてpHをおおよそ2(特に明記しない限り)の値に調節することによって調製した。トレー中の水性処理溶液の重量は、カーペット試料の重量のおおよそ3.5〜4.0倍であった。処理溶液の全容量を分配して350〜400%のパーセント・ウェットピックアップを与えるために、カーペット試料を手で操作した。次にカーペットをスチームに曝し、リンスし、抽出し、室温近くに放冷した。
【0120】
噴霧塗布
水性処理組成物をカーペット繊維上へ噴霧することによって塗布して指定レベルを達成した。ナイロン・カーペットは、汚染防止剤塗布からの湿り気がある間に噴霧した。未洗上げポリプロピレン・カーペット試料は、乾いたまま噴霧した。次に試料を250°F(121℃)でナイロン・カーペット試料については25分間、ポリプロピレン・カーペット試料については17分間オーブン乾燥した。
【0121】
実施例1
FCUR−1をDI水に9.4g/Lのレベルで加えた。次にFCS−1を2.5g/Lのレベルで次の分散系に加えた。分散系を、上の噴霧塗布で記載したように汚染防止したカーペットに塗布した。
【0122】
第1表は、実施例1〜8および比較例C1〜C4について添加剤および添加剤レベルを記載したものである。様々なカーペット試料についての撥油性および撥水性試験の結果を記載する。
【0123】
【表7】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)a.3個もしくはそれ以上のイソシアネート基を有する脂肪族ポリイソシアネートおよび
b.式Rf−Q’−Zのフルオロケミカル一官能性化合物
(式中、Rfはパーフルオロアルキルまたはパーフルオロヘテロアルキル基であり、
Q’は有機連結基であり、そして、
Zはイソシアネート反応性官能基である)の反応生成物であり、前記フルオロケミカルが利用可能なイソシアネート基の少なくとも約50%と反応するのに十分な量で存在する反応性成物を含むフルオロケミカルウレタンと、
2)フルオロアルキル(メタ)アクリレート/ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート共重合体と
を含むフルオロケミカル処理組成物。
【請求項2】
前記Z基が−NH2、−SH、−OH、−NCO、−NR1Hから選択され、かつ、前記Rf基が3〜5個の炭素原子を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記フルオロケミカル一官能性化合物が
【表1】

よりなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記フルオロケミカルウレタンが脂肪族一官能性化合物のさらなる反応生成物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記脂肪族一官能性化合物が式R’’’−Zであり、式中、R’’’は脂肪族基であり、かつ、Zはイソシアネート反応性官能基である、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記脂肪族一官能性化合物が12〜約72個の炭素原子を有する分枝のない脂肪族アルコールを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
式:(Rf*nA(NHCO−Z’R’’’)m-n
(式中、Rf*はRf−Q’−Z’であり、
Z’はZの残基であり、
Aは、価数mを有する、前記脂肪族イソシアネートの残基であり、
R’’’は脂肪族基であり、かつ、
n(平均)は少なくとも1.5である)のフルオロケミカルウレタンを含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
式中、Rfが3〜約5個の炭素原子を有するフルオロアルキル基であり、
Q’が−SO2N(R1)R2−であり、
1が−Hまたは−CH3であり、
2が1〜3個の炭素原子を有するアルキレン基であり、かつ、
Zが−OHである、請求項1に記載の組成物。
【請求項9】
脂肪族一官能性化合物の量が残存する利用可能なイソシアネート基と反応するのに十分な量にある、請求項4に記載の組成物。
【請求項10】
前記脂肪族一官能性化合物が利用可能なイソシアネート基の33%以下と反応するのに十分な量で存在する、請求項4に記載の組成物。
【請求項11】
脂肪族一官能性化合物の量が利用可能なイソシアネート基の15%以下と反応するのに十分な量にある、請求項4に記載の組成物。
【請求項12】
フルオロケミカル一官能性化合物の量が利用可能なイソシアネート基の75%以上と反応するのに十分な量にある、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
fがパーフルオロアルキル基である、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
親水性の耐汚染性化合物をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項15】
前記アクリレート共重合体がフルオロアルキルアクリレートモノマー単位と式
【化1】

(式中、R1fはフルオロアルキル基であり、R3はHまたはC1〜C4アルキル基であり、R4は2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基であり、Qは有機連結基であり、かつ、xは少なくとも5の整数である)のポリ(オキシアルキレン)アクリレートモノマー単位との共重合単位を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記R1f基が3〜5個の炭素原子を有する、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
水可溶化基を有するアクリルエステルまたはアクリルアミドの共重合モノマー単位をさらに含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項18】
前記モノマー単位が式
【化2】

(式中、R3はHまたはC1〜C4アルキル基であり、
n’は1〜10の整数であり、かつ、
Mは水素、金属陽イオン、または第三級アミンである)のものである、請求項11に記載の組成物。
【請求項19】
溶媒をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
少なくとも65重量%の水を含む、請求項16に記載の組成物。
【請求項21】
約20〜約99.5重量パーセントの上記フルオロケミカルウレタン化合物と、0.5〜80重量パーセントの前記フルオロケミカル高分子界面活性剤とを含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項22】
炭化水素界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
ポリカルボン酸汚染防止剤をさらに含み、かつ、前記処理組成物のpHが5〜11である、請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
(a)請求項1に記載の処理組成物を塗布する工程と、
(b)処理組成物を硬化させる工程と
を含む汚染除去特性を繊維基材に与えるための方法。
【請求項25】
前記処理組成物が繊維に対して0.05%〜3%の固形分を提供するのに十分な量で塗布される、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
少なくとも1種の溶媒と請求項1に記載の組成物とから導かれた硬化コーティングを有する繊維基材を含む物品。

【公表番号】特表2006−509110(P2006−509110A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−586416(P2003−586416)
【出願日】平成15年2月18日(2003.2.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/004933
【国際公開番号】WO2003/089712
【国際公開日】平成15年10月30日(2003.10.30)
【出願人】(599056437)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (1,802)
【Fターム(参考)】