説明

撥水定着方法

【課題】撥水剤がガラスから剥がれにくく、水効果が長持ちする方法を提供する。
【解決手段】ガラスに表面処理を施し、その上から撥水剤を塗布する。具体的方法としてはガラス表面の塗装、シート状の下地材貼り付けなどがあり、簡易な方法として塗装処理がある。ガラス表面を塗装し、その塗装の上から撥水剤を塗布することで塗装の表面に撥水剤が入り込む形になる。塗装はガラスに強く接着することができると共にその塗装表面は撥水剤が固定されやすく、結果的に塗装の膜を介して撥水剤がガラス表面に定着されることになり撥水効果が長期間保持される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本考案は、撥水剤などのガラス又はそれに凖ずる物に対する定着性を高め、長期的に撥水効果を持続させるための考案である。
【背景技術】
【0002】
窓ガラスやミラーに雨滴や雪などを付着させないために撥水剤があるが、ガラスの表面は硬くて滑らかで滑りやすく、ガラス表面自体が物質を定着させない性質を持っいる。また撥水剤自体もガラスに張り付く力が弱いためガラス表面に撥水剤等を長期間にわたって定着させることは物理的に困難である。つまり従来のガラスに何の表面処理もせずに撥水剤だけをガラス表面に直接塗布する方法では短期間でガラスから撥水剤がはがれ落ちてしまい撥水効果を持続できないのが現状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
撥水剤のガラスやミラー等に対する定着性を高め、撥水効果を長期間持続させることを目的とする。
【0004】
本考案は、この従来の撥水剤をガラスに直接塗布する方法が有していた「撥水剤がはがれ落ちやすい」という問題を解決する物であり、ガラスやミラーなどに塗布する撥水剤を長期間にわたってガラスやミラー表面に定着させ、ガラスやミラーからの視界を雨滴や雪などに左右されずに常に良好に確保することが出来る。そのことは結果的に交通安全に寄与するものである。
【問題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本考案はガラス表面が持つ「硬くて滑りやすく、撥水剤が定着しづらい」という性質を補うためにガラスの表面を「撥水剤の定着性がよく剥がれづらくなる」という表面処理を施す。
【0006】
課題解決手段としてはガラス表面の塗装、シート状の下地材貼り付けなどがあるが簡易な方法として塗装処理を提供する。しかし本考案はこれらの方法に限定されるものではない。一案としてガラス表面を塗装し、その塗装の上から撥水剤を塗布することで塗装の表面に撥水剤が入り込む形になる。塗装はガラスに強く接着することができると共にその塗装表面は撥水剤が固定されやすく、結果的に塗装の膜を介して撥水剤がガラス表面に定着されることになる。つまり撥水効果が長期間保持されることになるのである。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本考案は、ガラスに対して粘着性が低くはがれ落ちやすい性質の撥水剤を、従来の素ガラスに撥水剤を直接塗布する方法と比べると、はるかに長期間にわたってガラス表面上に撥水剤を定着させることが出来る。そのことはミラーや窓ガラスからの視界を良好な状態に安定的に確保し、特に自動車に関しては交通安全につながる事になる。
【0008】
また、この考案は雨滴や雪だけではなくホコリや汚れにも適用できるため乗り物全般だけでなく標識、信号機、固定カメラ、装飾品、建物の外壁、屋内・屋外展示品などの汚れやすいもの全般に対して活用することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本考案の形態を実験に基づいた写真で説明する。
【0010】
なお、実験の効果確認対象には雨滴が一番適しているが、雨滴では写真での効果確認がしづらいため水分を含んだベタ雪を選んだ。
【0011】
写真1においては降雪前の自動車の側面窓ガラスの状態である。窓ガラス「B」の記号「イ」の部分には表面処理が施してあるが、窓ガラスBの記号「イ」以外の部分については素ガラスのままの状態で、窓ガラス「B」全面に撥水剤を塗布してある。他の窓ガラス「A」、「C」については何の表面処理もしていない素ガラスのままである。
【0012】
写真2においては撥水剤を塗布して3日後に降雪した後の窓ガラスの状態である。撥水剤を塗布していない窓ガラス「A」,「C」には大量の雪が付着しているが、それに比べ撥水剤を塗布した窓ガラス「B」は表面処理の有る無しにかかわらず窓ガラス全面が雪の付着がない状態である。これは撥水剤を塗布してからの経過期間が短いために撥水剤がまだ剥離せずに、窓ガラス「B」全面が撥水効果を発揮して着雪を防いでいることを示す。
【0013】
写真3においては、写真1の状態で一ヶ月ほど経過した降雪後の窓ガラスである。窓ガラス[B]の表面処理をしていない(記号「イ」の部分以外)、素ガラスの部分に塗布した撥水材はほとんど剥がれ落ちており、何の表面処理もしていない他の窓ガラス「A」、「C」と同様に雪が大量に付着した状態である。
【0014】
しかし、表面処理された窓ガラス「B」の記号「イ」の部分だけは依然として着雪を防いでいる状態が続いる。このことは時間が経過しても表面処理を施した上に塗布した撥水剤は剥がれづらいことを示すものである。
【符号の説明】
イ 中央席窓ガラス「B」表面処理部分
A 助手席窓ガラス
B 中央席窓ガラス
C 後部席窓ガラス
【図1】

【図2】

【図3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスに撥水剤等を定着させるための表面処理を施す。

【公開番号】特開2011−20913(P2011−20913A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−182855(P2009−182855)
【出願日】平成21年7月14日(2009.7.14)
【出願人】(598035783)有限会社オフイス・イケダ (1)
【Fターム(参考)】