説明

撮像システム

【課題】歪み補正の為の距離計測や画像処理を行う必要がない撮像システムを提供する。
【解決手段】撮像システム1は、互いに固定された撮像部10および放射線検出部20を備える他、励起光源31,照明光源32,ダイクロイックミラー33および光ファイバ34をも備え、また、撮像部10による撮像により得られた画像データを入力して当該画像を表示する表示部40をも備える。撮像部10は、対象物9からの光を入力して結像するレンズ系と、このレンズ系による像を撮像する撮像素子18とを含み、この撮像素子18による撮像により得られた画像データを出力する。放射線検出部29は、撮像部10により得られた画像中の中心位置を含む対象物9の領域からの放射線のうちレンズ系への光入力方向と同じ方向に進む放射線を検出し、その放射線検出量に応じた信号を出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
センチネルリンパ節(SN)生検を実施することにより、従来では乳がん手術に際して対象者全員に行われていた腋窩(腋の下)リンパ節郭清(全摘)術を省略することができ、不必要な腋窩リンパ節郭清術による合併症(リンパ浮腫等)を軽減することができる。このことから、SN生検は、近年では世界的に実施されており、その有効性が実証されつつある。
【0003】
SNを同定する手法としては、RI(ラジオアイソトープ)法、色素法、および、これら2つの技術を併用する併用法が主流である。各手法は利点および欠点を有する。一般的に、色素単独法によるSN同定率は80%台であり、RI単独法によるSN同定率は90%であるのに対し、併用法によるSN同定率は95%であって、単独法と比べて併用法では優れた結果が報告されている。
【0004】
また、RI法では同定されず色素法で同定された例(すなわち、RIおよび色素を併用しても、RIは取り込まれず、色素のみ取り込まれるリンパ節の存在)や、その逆の例も報告されており、RI法および色素法を併用することで、何れか一方にしか反応しないリンパ節も検出することができる。
【0005】
以上のように単独法では生じる見落としが併用法では回避され得ることから、sentinelnode navigation surgery(SNNS)研究会で推奨するガイドラインでは併用法が薦められている。
【0006】
特許文献1には、併用法によるSN生検に用いることを意図した撮像システムが開示されている。この特許文献1に開示された撮像システムは、撮像部および放射線検出部を備えており、対象物中の色素からの光の像を撮像部により撮像することで色素法による検査をすることができ、該対象物中のRIからの放射線(ガンマ線)を放射線検出部により検出することでRI法による検査をすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−107932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された撮像システムでは、撮像部による撮像により得られる対象物の画像と、放射線検出部により放射線検出される対象物の領域とは、互いに歪んだものとなる。また、対象物までの距離によって、その歪みの程度は異なる。したがって、特許文献1に開示された撮像システムは、対象物までの距離を計測する距離計測部を備える必要があり、また、この距離に基づいて歪み補正の為の画像処理を行う画像処理部を備える必要がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、歪み補正の為の距離計測や画像処理を行う必要がない撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の撮像システムは、(1) 対象物からの光を入力して結像するレンズ系と、このレンズ系による像を撮像する撮像素子とを含み、この撮像素子による撮像により得られた画像データを出力する撮像部と、(2) 撮像部により得られた画像中の中心位置を含む対象物の領域からの放射線のうちレンズ系への光入力方向と同じ方向に進む放射線を検出し、その放射線検出量に応じた信号を出力する放射線検出部と、(3) 撮像部から出力された画像データを入力して、撮像部により得られた画像を表示する表示部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明では、対象物からの光は撮像部のレンズ系に入力されて結像され撮像素子により撮像されて、この撮像素子による撮像により得られた画像データが出力される。この画像データは表示部に入力されて、撮像部により得られた画像が表示部により表示される。また、撮像部により得られた画像中の中心位置を含む対象物の領域からの放射線のうちレンズ系への光入力方向と同じ方向に進む放射線は放射線検出部により検出され、その放射線検出量に応じた信号が放射線検出部から出力される。したがって、この撮像システムでは、撮像部による撮像により得られる対象物の画像と、放射線検出部により放射線検出される対象物の領域との間に、歪みが生じることがないので、歪み補正の為の距離計測や画像処理を行う必要がなく、小型・安価に構成され得る。
【0012】
本発明の撮像システムでは、撮像部は、レンズ系の結像倍率を調整する結像倍率調整手段を含むのが好適である。また、放射線検出部は、対象物における放射線検出領域の大きさを調整する検出領域調整手段を含むのが好適である。さらに、本発明の撮像システムは、結像倍率調整手段による結像倍率の調整と検出領域調整手段による放射線検出領域の大きさの調整とを互いに連動させる手段を有するのが好適である。この場合には、対象物における光発生位置および放射線発生位置を迅速に特定することができる。
【0013】
本発明の撮像システムでは、表示部は、撮像部により得られた画像を表示するとともに、放射線検出部による対象物における放射線検出領域を該画像中に表示するのが好適である。この場合には、対象物における光発生位置と放射線発生位置との関係を容易に把握することができる。
【0014】
本発明の撮像システムでは、放射線検出部は、放射線検出量に応じた信号を音信号として出力するのが好適である。この場合には、表示部により表示された画像を見なくても、対象物における放射線発生位置を容易に把握することができる。
【0015】
本発明の撮像システムは、対象物に含まれる蛍光物質を励起する励起光を対象物に対して照射する励起光照射部を更に備えるのが好適であり、撮像部は、励起光照射部により励起光が照射されることにより対象物で発生した蛍光の像を撮像するのが好適である。この場合には、この撮像システムは、RI法と蛍光法とを併用するSN生検にも用いられ得る。
【0016】
本発明の撮像システムでは、放射線検出部はレンズ系および撮像素子を透過した放射線を検出してもよい。また、レンズ系の途中にミラーが設けられ、撮像素子はミラーで反射した光の像を撮像し、放射線検出部はミラーを透過した放射線を検出してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の撮像システムは、歪み補正の為の距離計測や画像処理を行う必要がなく、小型・安価に構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1実施形態の撮像システム1の構成図である。
【図2】第1実施形態の撮像システム1の表示部40における表示の一例を示す図である。
【図3】第1実施形態の撮像システム1の表示部40における表示の他の一例を示す図である。
【図4】第1実施形態の撮像システム1の使用方法の一例を説明する図である。
【図5】第1実施形態の撮像システム1の使用方法の一例を説明する図である。
【図6】第2実施形態の撮像システム2の構成図である。
【図7】第3実施形態の撮像システム3の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0020】
図1は、第1実施形態の撮像システム1の構成図である。この図に示される第1実施形態の撮像システム1は、互いに固定された撮像部10および放射線検出部20を備える他、励起光源31,照明光源32,ダイクロイックミラー33および光ファイバ34をも備え、また、撮像部10による撮像により得られた画像データを入力して当該画像を表示する表示部40(図1では不図示)をも備える。撮像システム1は、対象物9で発生した蛍光の像を撮像部10により撮像するとともに、対象物9で発生した放射線(γ線)を放射線検出部20により検出することができる。
【0021】
対象物9には、蛍光色素として例えば波長845nmの蛍光を発生するインドシアニングリーン(ICG)が投与され、また、RIとして例えば99mTc-サルファコロイドまたは99mTc-スズコロイドが投与される。励起光源31は、対象物9に投与された蛍光色素を励起し得る波長の励起光を出力するものであり、例えば、波長750nm〜800nmの光を出力するハロゲンランプが好適に用いられる。照明光源32は、例えば845nm以上の波長の照明光を出力する発光ダイオードやレーザダイオードである。
【0022】
ダイクロイックミラー33は、励起光源31から出力された励起光を透過させて、その透過させて励起光を光ファイバ34の入射端に入力させる。また、ダイクロイックミラー33は、照明光源32から出力された照明光を反射させて、その反射させた照明光を光ファイバ34の入射端に入力させる。光ファイバ34は、入射端に入力された励起光または照明光を導光し、その光を撮像部10の対物レンズ11の周囲の複数の箇所から対象物9へ出力させる。励起光源31および光ファイバ34は、対象物9に含まれる蛍光物質を励起する励起光を対象物9に対して照射する励起光照射部を構成している。
【0023】
撮像部10は、対物レンズ11、リレーレンズ12〜14、接眼レンズ15、結像レンズ16、光フィルタ17および撮像素子18を含み、これらが順に配置されている。対物レンズ11、リレーレンズ12〜14、接眼レンズ15および結像レンズ16からなるレンズ系は、対象物9からの蛍光を入力して撮像素子16の撮像面上に結像する。撮像部10は、レンズ系の結像倍率を調整する結像倍率調整手段を含むのが好適である。光フィルタ17は、蛍光を撮像素子16へ透過させ、励起光を遮断する。撮像素子16は、レンズ系により結像され光フィルタ17を透過した蛍光の像を撮像する。撮像素子16は例えばCCDやCMOSセンサを含む。撮像部10は、撮像素子16による撮像により得られた画像データを表示部40へ出力する。
【0024】
放射線検出部20は、可変コリメータ21、γコリメータ22およびγカウンタ23を含む。γコリメータ22は、特定方向に進む放射線を選択的にγカウンタ23へ入射させる。γカウンタ23は、例えば、シンチレータと光電子増倍管との組み合わせを含むのが好適であり、或いは、シリコンフォトダイオードやアバランシェフォトダイオード等の半導体受光素子を含むのが好適である。可変コリメータ21は、開口面積が可変のものであり、対象物9における放射線検出領域の大きさを調整する検出領域調整手段として作用する。
【0025】
γコリメータ22およびγカウンタ23を含む放射線検出部20は、撮像部10により得られた画像中の中心位置を含む対象物9の領域からの放射線のうち、γコリメータ22の作用により撮像部10のレンズ系への光入力方向と同じ方向に進んでレンズ系および撮像素子18を透過した放射線を検出し、その放射線検出量に応じた信号を出力することができる。放射線検出部20は、放射線検出量に応じた信号を音信号(音の大小、音の高低、音のパルス周期)として出力するのが好適である。
【0026】
図2および図3それぞれは、第1実施形態の撮像システム1の表示部40における表示の一例を示す図である。表示部40は、撮像部10により得られた対象物9の画像Aを表示するとともに、放射線検出部20による対象物9における放射線検出領域Bを該画像中に表示することができる。
【0027】
図2に示される表示部40における表示例では、同図(a)に対し同図(b)において、撮像部10のレンズ系の結像倍率が一定であって対象物9の画像Aの大きさが一定であるのに対して、可変コリメータ21の作用により放射線検出部20による対象物9における放射線検出領域Bが小さくなっている。このように、撮像部10における結像倍率調整手段による結像倍率の調整と、放射線検出部20における検出領域調整手段による放射線検出領域の大きさの調整とは、各々独立に行われてもよい。以下では、このような動作を「非連動モード」という。
【0028】
図3に示される表示部40における表示例では、同図(a)に対し同図(b)において、撮像部10のレンズ系の結像倍率が大きく対象物9の画像Aが拡大されているのに応じて、可変コリメータ21の作用により放射線検出部20による対象物9における放射線検出領域Bが小さくなっている。ただし、表示部40の表示の上では放射線検出領域Bの大きさは一定である。このように、撮像部10における結像倍率調整手段による結像倍率の調整と、放射線検出部20における検出領域調整手段による放射線検出領域の大きさの調整とを、互いに連動させる手段を有するのが好適である。以下では、このような動作を「連動モード」という。
【0029】
図4および図5は、第1実施形態の撮像システム1の使用方法の一例を説明する図である。先ず、連動モードに設定された撮像システム1により、ICGおよびRIが投与された対象物9に対して励起光が照射され、撮像部10により撮像されて表示部40により表示された画像および放射線検出部20からの音信号に基づいて、対象物9の画像A中の特定部位Cの大凡の位置が探索される(図4(a)→(b))。そして、対象物9の画像A中の特定部位Cの大凡の位置が探索された後、連動モードに設定された撮像システム1により、撮像部10の結像倍率が大きい値に変更されて、表示部40における対象物9の画像Aの表示が拡大される(図4(b)→(c)→(d))。連動モードに設定されているので、表示部40における対象物9の画像Aの表示が拡大されても、表示部40の表示の上では放射線検出領域Bの大きさは一定である。なお、特定部位Cは、対象物9中の摘出されるべき部位である。
【0030】
表示部40における対象物9の画像Aの表示が適当な大きさに拡大された後、撮像システム1は非連動モードに切り換えられる。非連動モードに設定された撮像システム1により、表示部40における対象物9の画像Aの表示が変更されることなく、放射線検出部20による放射線検出領域が次第に小さく設定される。これに伴い、表示部40の表示の上で放射線検出領域Bは次第に小さくなる(図4(d)→図5(a)→(b)→(c))。そして、放射線検出部20から出力される音信号に基づいて、対象物9中の特定部位Cの詳細位置が同定されて(図5(c)→(d))、この特定部位Cが摘出される。
【0031】
以上のように、本実施形態の撮像システム1は、撮像部10により得られた画像中の中心位置を含む対象物9の領域からの放射線のうち、γコリメータ22の作用により撮像部10のレンズ系への光入力方向と同じ方向に進んでレンズ系および撮像素子18を透過した放射線を検出し、その放射線検出量に応じた信号を出力することができる。したがって、この撮像システム1では、撮像部10による撮像により得られる対象物9の画像と、放射線検出部20により放射線検出される対象物9の領域との間に、歪みが生じることがないので、歪み補正の為の距離計測や画像処理を行う必要がなく、小型・安価に構成され得る。
【0032】
本実施形態の撮像システム1は、撮像部10がレンズ系の結像倍率を調整する結像倍率調整手段を含み、また、放射線検出部20が対象物9における放射線検出領域の大きさを調整する検出領域調整手段(可変コリメータ21)を含み、結像倍率調整手段による結像倍率の調整と検出領域調整手段による放射線検出領域の大きさの調整とを互いに連動させることができるので、対象物9における蛍光発生位置および放射線発生位置を迅速に特定することができる。
【0033】
本実施形態の撮像システム1では、表示部40が、撮像部10により得られた画像を表示するとともに、放射線検出部20による対象物9における放射線検出領域を該画像中に表示することができるので、対象物9における蛍光発生位置と放射線発生位置との関係を容易に把握することができる。
【0034】
本実施形態の撮像システム1は、放射線検出部20が放射線検出量に応じた信号を音信号として出力することができるので、表示部40により表示された画像を見なくても、対象物9における放射線発生位置を容易に把握することができる。
【0035】
また、本実施形態の撮像システム1は、RI法と色素法とを併用するSN生検に用いられ得るだけでなく、対象物9に含まれる蛍光物質を励起する励起光を対象物9に対して照射する励起光照射部を備えることにより、RI法と蛍光法とを併用するSN生検にも用いられ得る。色素法と比べて蛍光法は、SN同定率が高く、また、生体深部の情報を得ることができる。したがって、本実施形態の撮像システム1は、RI法と蛍光法とを併用するSN生検を実施することで、更に良好なSN同定率を達成することができる。
【0036】
次に、第2実施形態の撮像システム2について説明する。図6は、第2実施形態の撮像システム2の構成図である。この図に示される第2実施形態の撮像システム2は、互いに固定された撮像部10Aおよび放射線検出部20を備える他、励起光源31,照明光源32,ダイクロイックミラー33,光ファイバ34および表示部40をも備える。なお、図6では、励起光源31,照明光源32,ダイクロイックミラー33,光ファイバ34および表示部40は図示されていない。図1に示された第1実施形態の撮像システム1の構成と比較すると、図6に示される第2実施形態の撮像システム2は、撮像部10に替えて撮像部10Aを備える点で相違する。
【0037】
撮像部10Aは、対物レンズ11、リレーレンズ12、ミラーM1、ミラーM2、リレーレンズ14、接眼レンズ15、結像レンズ16、光フィルタ17および撮像素子18を含み、これらが順に配置されている。対物レンズ11、リレーレンズ12、リレーレンズ14、接眼レンズ15および結像レンズ16からなるレンズ系は、対象物9からの蛍光を入力して撮像素子16の撮像面上に結像する。ミラーM1およびミラーM2は、レンズ系の途中に設けられている。撮像素子18は、ミラーM1,M2で順次に反射した光の像を撮像する。
【0038】
放射線検出部20は、ミラーM1を透過した放射線を検出する。すなわち、放射線検出部20は、撮像部10により得られた画像中の中心位置を含む対象物9の領域からの放射線のうち、γコリメータ22の作用により撮像部10のレンズ系への光入力方向と同じ方向に進んでレンズ11,12およびミラーM1を透過した放射線を検出し、その放射線検出量に応じた信号を出力することができる。
【0039】
この第2実施形態の撮像システム2は、第1実施形態の撮像システム1と同様の動作をし、同様の効果を奏することができる。
【0040】
次に、第3実施形態の撮像システム3について説明する。図7は、第3実施形態の撮像システム3の構成図である。この図に示される第3実施形態の撮像システム3は、互いに固定された撮像部10Bおよび放射線検出部20を備える他、励起光源31,照明光源32,ダイクロイックミラー33,光ファイバ34および表示部40をも備える。なお、図7では、励起光源31,照明光源32,ダイクロイックミラー33,光ファイバ34および表示部40は図示されていない。図1に示された第1実施形態の撮像システム1の構成と比較すると、図7に示される第3実施形態の撮像システム3は、撮像部10に替えて撮像部10Bを備える点で相違する。
【0041】
撮像部10Bは、対物レンズ11、リレーレンズ12、ミラーM1、リレーレンズ14、接眼レンズ15、結像レンズ16、光フィルタ17および撮像素子18を含み、これらが順に配置されている。対物レンズ11、リレーレンズ12、リレーレンズ14、接眼レンズ15および結像レンズ16からなるレンズ系は、対象物9からの蛍光を入力して撮像素子16の撮像面上に結像する。ミラーM1は、レンズ系の途中に設けられている。撮像素子18は、ミラーM1で反射した光の像を撮像する。
【0042】
放射線検出部20は、ミラーM1を透過した放射線を検出する。すなわち、放射線検出部20は、撮像部10により得られた画像中の中心位置を含む対象物9の領域からの放射線のうち、γコリメータ22の作用により撮像部10のレンズ系への光入力方向と同じ方向に進んでレンズ11,12およびミラーM1を透過した放射線を検出し、その放射線検出量に応じた信号を出力することができる。
【0043】
この第3実施形態の撮像システム3も、第1実施形態の撮像システム1と同様の動作をし、同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0044】
1〜3…撮像システム、9…対象物、10,10A,10B…撮像部、11…対物レンズ、12〜14…リレーレンズ、15…接眼レンズ、16…結像レンズ、17…光フィルタ、18…撮像素子、20…放射線検出部、21…可変コリメータ、22…γコリメータ、23…γカウンタ、31…励起光源、32…照明光源、33…ダイクロイックミラー、34…光ファイバ、40…表示部。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物からの光を入力して結像するレンズ系と、このレンズ系による像を撮像する撮像素子とを含み、この撮像素子による撮像により得られた画像データを出力する撮像部と、
前記撮像部により得られた画像中の中心位置を含む前記対象物の領域からの放射線のうち前記レンズ系への光入力方向と同じ方向に進む放射線を検出し、その放射線検出量に応じた信号を出力する放射線検出部と、
前記撮像部から出力された画像データを入力して、前記撮像部により得られた画像を表示する表示部と、
を備えることを特徴とする撮像システム。
【請求項2】
前記撮像部が、前記レンズ系の結像倍率を調整する結像倍率調整手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項3】
前記放射線検出部が、前記対象物における放射線検出領域の大きさを調整する検出領域調整手段を含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項4】
前記撮像部が、前記レンズ系の結像倍率を調整する結像倍率調整手段を含み、
前記放射線検出部が、前記対象物における放射線検出領域の大きさを調整する検出領域調整手段を含み、
前記結像倍率調整手段による結像倍率の調整と前記検出領域調整手段による放射線検出領域の大きさの調整とを互いに連動させる手段を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項5】
前記表示部が、前記撮像部により得られた画像を表示するとともに、前記放射線検出部による前記対象物における放射線検出領域を該画像中に表示する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項6】
前記放射線検出部が、放射線検出量に応じた信号を音信号として出力する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項7】
前記対象物に含まれる蛍光物質を励起する励起光を前記対象物に対して照射する励起光照射部を更に備え、
前記撮像部が、前記励起光照射部により励起光が照射されることにより前記対象物で発生した蛍光の像を撮像する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項8】
前記放射線検出部が、前記レンズ系および前記撮像素子を透過した放射線を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。
【請求項9】
前記レンズ系の途中にミラーが設けられ、
前記撮像素子が、前記ミラーで反射した光の像を撮像し、
前記放射線検出部が、前記ミラーを透過した放射線を検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像システム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−52869(P2012−52869A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−194577(P2010−194577)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(507107486)ユニバーシティ・オブ・ワシントン (7)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】