説明

撮像装置、その制御方法及びプログラム

【課題】無駄なロギング処理を行わないようにして、消費電力を抑えられるようにする。
【解決手段】デジタルカメラ100は、GPS受信部113でGPS情報を受信し、その受信したGPS情報に基づいて位置情報を算出して、記録媒体に記録するロギング処理が可能であり、このロギング処理を所定時間毎に起動してロギング処理を繰り返すロガーモードを実行可能となっている。このロガーモードにおいて、システム制御回路50は、記録媒体の状態や電池残量等、GPS受信部113の異常以外の要因で位置情報を記録できない場合や、デジタルカメラ100の外部接続により位置情報が変わらないと判定した場合に、無駄なロギング処理を行なわないようにすることで消費電力を抑える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GPS(Global Positioning System)等の測位デバイスを制御可能な撮像装置、その制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS機能を持たせ、位置情報を取得可能としたデジタルカメラ等の撮像装置が実用化されている。例えば特許文献1には、GPSデバイスにおける無駄な電力消費を防止するために撮影頻度を監視して単位時間あたりの使用頻度を算出し、使用頻度が予め定めた閾値未満である場合、GPSデバイスに対する間欠的な電力供給を実行する撮像装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−158887号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の撮像装置では、撮影頻度のみで電力供給を制御しているため、撮像装置の状態によっては無駄に電力を消費してしまうことがある。例えばGPSデバイスにより測位した位置情報をメモリカード等の記録媒体に記録する場合に、測位が確実に行われていても、記録媒体への記録が確実に行わなければ、測位が無駄になってしまう。このように位置情報を記録媒体に記録できない状態にあるときにも、GPSデバイスが測位し続けると、電力だけを消費してしまう。また、バッテリー残量が少なくなった場合に、GPSデバイスが測位し続けて電力を消費すると、ユーザが撮影したいときにバッテリー残量が少なくなってしまうこともある。
【0005】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものであり、無駄なロギング処理を行わないようにして、消費電力を抑えられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の撮像装置は、GPS情報を受信するGPS受信部と、前記GPS受信部で受信したGPS情報に基づいて位置情報を算出する測位手段と、前記測位手段により算出した位置情報を記録媒体に記録する記録手段と、前記GPS受信部による受信、前記測位手段による位置情報の算出、及び前記記録手段による位置情報の記録を行うロギング処理を所定時間毎に繰り返すロガーモードを実行するとともに、前記ロガーモード時において所定の条件下ではロギング処理を行わないようにする制御手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、GPS情報を受信し、その受信したGPS情報に基づいて位置情報を算出して、記録媒体に記録するロギング処理を繰り返すロガーモード時において、無駄なロギング処理を行なわないようにすることで消費電力を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラのハードウェア構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に対応するデジタルカメラの外観構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るデジタルカメラのロガーモード時の処理を示すフローチャートである。
【図4】図3のロギング判定処理を示すフローチャートである。
【図5】図4のメディア書き込み判定処理を示すフローチャートである。
【図6】図4の外部接続判定処理を示すフローチャートである。
【図7】図3の位置情報の記録処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
<撮像装置の構成>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置であるデジタルカメラのハードウェア構成を示す図である。デジタルカメラ100は、撮影レンズを含む光学系10を介して被写体像を撮影するように構成されている。光学系10は、撮影画角を変更可能なズームレンズとして構成されうる。これにより光学的なズーム機能、いわゆる光学ズームが提供される。デジタルカメラ100は、更に、撮像素子14によって撮像される画像を電子的に切り取る(トリミング)ことによる電子的なズーム機能、いわゆる電子ズームを有するように構成されうる。なお、デジタルカメラ100は、光学ズーム及び電子ズームのいずれか一方の機能のみを有するように構成される場合もある。また、光学系10は交換可能であってもよく、この場合、デジタルカメラ100の本体側から光学系10に対して電気信号を送ることにより、光学系10内の駆動機構が変倍用のレンズを駆動してズーム機能を提供してもよい。或いは、デジタルカメラ100の本体側に光学系10内の変倍用のレンズを機械的に駆動する駆動機構を設けてもよい。
【0010】
光学系10を通る被写体からの光線(光学的な画角内から入射する光線)は、絞り機能を備えるシャッター12の開口を通して撮像素子14の撮像面に被写体の光学像を形成する。撮像素子14は、例えばCCDセンサ又はCMOSセンサからなり、この光学像を電気的なアナログ画像信号に変換して出力する。A/D変換器16は、撮像素子14から提供されるアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換する。撮像素子14及びA/D変換器16は、タイミング発生部18から提供されるクロック信号や制御信号によって制御される。タイミング発生部18は、メモリ制御部22及びシステム制御部50により制御される。
【0011】
システム制御部50は、デジタルカメラ100全体を制御する。画像処理部20は、A/D変換器16から提供される画像データ(デジタル画像信号)又はメモリ制御部22から提供される画像データに対して画素補間処理や色変換処理等の画像処理を行う。また、画像処理部20は、撮像素子14で撮像された画像データに基づいて、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光による自動調光)処理のためのデータを演算する。演算結果はシステム制御部50に提供する。
【0012】
システム制御部50は、この演算結果に基づいて露光制御部40、測距制御部(AF制御部)42を制御し、自動露出やオートフォーカス機能を実現する。更に、画像処理部20は、撮像素子14で撮像された画像データに基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も実行する。なお、撮像装置の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0013】
メモリ制御部22は、A/D変換器16、タイミング発生部18、画像処理部20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長部32を制御する。A/D変換器16から出力される画像データは、画像処理部20及びメモリ制御部22を介して、又は、画像処理部20を介することなくメモリ制御部22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0014】
画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器26によって表示用のアナログ画像信号に変換されて画像表示部28に提供され、これにより画像表示部28に撮像画像が表示される。画像表示部28に撮像画像を連続的に表示することによって、電子ファインダ機能が実現される。画像表示部28は、システム制御部50からの表示制御指令によって任意に表示をON/OFFされる。表示をOFFにして使用することにより、デジタルカメラ100の電力消費を大幅に低減することができる。画像表示部28は、液晶パネル、或いは有機ELパネル等で構成され、後述する接触検知部75とともに、タッチパネルを構成することができる。
【0015】
メモリ30は、撮影(記録媒体に記録する画像として撮像)した静止画像データや動画像データを格納するために使用される。メモリ30の容量やアクセス速度(書き込み速度、読み出し速度)は任意に決定されうるが、複数枚の静止画像を連続して撮影する連射撮影やパノラマ撮影を可能にするためには、それに応じた容量やアクセス速度を与える必要がある。メモリ30は、システム制御部50の作業領域としても使用される。
【0016】
圧縮・伸長部32は、例えば適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮・伸長する。メモリ30に格納された画像データを読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えた画像データをメモリ30に書き込むように構成される。
【0017】
露光制御部40は、システム制御部50から提供される情報に基づいて、絞り機能を備えるシャッター12を制御する。露光制御部40は、フラッシュ(発光装置)48と連携したフラッシュ調光機能も有する。フラッシュ48は、フラッシュ調光機能及びAF補助光の投光機能を有する。測距制御部42は、システム制御部50から提供される情報に基づいて、光学系10のフォーカシング用レンズを制御する。ズーム制御部44は、光学系10のズーミングを制御する。バリア制御部46は、光学系10を保護するバリア102の動作を制御する。
【0018】
メモリ52は、システム制御部50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するROM等のメモリである。メモリ52には撮像処理を行うプログラム、画像処理を行うプログラム、作成した画像ファイルデータを記録媒体に記録するプログラム、画像ファイルデータを記録媒体から読み出すプログラムが格納される。また、後述する図3〜図7のフローチャートで示す各種プログラムと、上記プログラムのマルチタスク構成を実現し実行するOS等の各種プログラム等も記録されている。各プログラムにはメッセージキューが作成され、メッセージキューにメッセージがFIFO(First In First Out)的に積まれ、各プログラム間でメッセージのやり取りを行うことで各プログラムが連携して制御され、上記各機能の制御が行われる。
【0019】
表示部(例えばLCD、LED)54、音源(例えばスピーカ)は、それぞれ一又は複数の素子で構成される。これらは、システム制御部50におけるプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等により動作状態やメッセージ等を出力するように構成され、デジタルカメラ100の適所に配置される。表示部54を構成する一部の表示素子は、光学ファインダ104内に配置される。表示部54に表示される情報のうち、LCD等に表示される情報としては、例えばシングルショット/連写撮影表示、セルフタイマー表示、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示、シャッタースピード表示がある。また、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及び210の着脱状態表示がある。更には、通信I/F動作表示、日付け・時刻表示、撮影モード/情報コード読み取りモード表示がある。また、表示部54に表示される情報のうち、光学ファインダ104内に表示される情報としては、例えば合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示等がある。
【0020】
不揮発性メモリ56は、例えばEEPROM等の電気的に消去・記録可能が可能なメモリである。画像データや外部機器からのオブジェクトデータは、不揮発性メモリ56に格納されてもよい。
【0021】
ズーム操作部60は、撮影画角(ズーム倍率或いは撮影倍率)を変更するためにユーザによって操作される操作部であり、例えばスライド式の操作部材又はレバー式の操作部材とその動作を検知するスイッチ又はセンサとによって構成される。また、再生モード中に、ズーム操作部60の操作によって再生画像の拡大/縮小表示を行うようにすることができる。
【0022】
第1シャッタースイッチ(SW1)62は、シャッターボタン260(図2を参照)の操作途中(半押し)でONとなる。この場合、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の開始をシステム制御部50に指示する。第2シャッタースイッチ(SW2)64は、シャッターボタン(図2のシャッターボタン260)の操作完了(全押し)でONとなる。この場合、撮像素子14から画像信号を読み出してA/D変換器16でデジタル画像データに変換した後に、これを画像処理部20で処理して、メモリ制御部22を介してメモリ30に書き込む処理の開始をシステム制御部50に指示する。また、メモリ30から画像データを読み出して圧縮・伸長部32で圧縮し、その圧縮された画像データを記録媒体200又は210に書き込む処理を含む一連の処理(撮影)の開始をシステム制御部50に指示する。
【0023】
画像表示ON/OFFスイッチ66は、画像表示部28のON/OFFを設定するためのスイッチである。この機能を用いると、光学ファインダ104を用いて撮影を行う際に、TFT LCD等からなる画像表示部28への電流供給を遮断することにより、省電力を図ることが可能となる。クイックレビューON/OFFスイッチ68は、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するためのスイッチである。
【0024】
操作部70は、電源をON/OFFしたり、撮影条件を設定或いは変更したり、撮影条件を確認したり、デジタルカメラ100の状態を確認したり、撮影済みの画像を確認したりする際に操作される。操作部70は、図2に示すボタン又はスイッチ251〜262を含む。
【0025】
傾き検知部71は、デジタルカメラ100の所定方向に対する傾き角度を検知し、検知した角度をシステム制御部50に通知する。傾き検知部71は、例えば加速度センサと、加速度センサからの出力を解析して傾きを算出する角度解析回路とにより構成される。傾き検知部71では、デジタルカメラ100がONにされている間及びデジタルカメラ100が省電力状態である間、デジタルカメラ100の傾き角度を判定し続け、その傾きの判定結果をシステム制御部50に通知する。
【0026】
接触検知部75は、少なくとも1箇所以上の接触検知部を有し、接触検知部が接触されていると判定されると、その接触されている箇所をシステム制御部50に通知する。例えばこの接触検知部75を画像表示部28の上に設置し、接触されている箇所に応じて様々な異なった処理を実行することでタッチパネルを実現することができる。なお、接触検知部75は、必ずしも画像表示部28上に設置されていなくてもよく、デジタルカメラ100の筐体上の操作しやすい箇所に配置することができる。
【0027】
電源制御部80は、例えば電源検出部、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ部等を含み、電源の有無、電源の種類、電池残量の検出を行う。また、該検出結果とシステム制御部50からの指令に従ってDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間に各ブロックに供給する。電源86はコネクタ84を備え、デジタルカメラ100の本体のコネクタ82に接続される。電源86は、例えばアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池や、NiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等である。
【0028】
記録媒体200、210は、コネクタ206、216によってデジタルカメラ100の本体のコネクタ92、96に接続される。記録媒体200、210は、例えば半導体メモリ又はハードディスク等の記録部202、212と、インターフェース204、214とを含み、デジタルカメラ100の本体側のインターフェース90、94を介してデジタルカメラ100内のバスに接続される。記録媒体着脱検知部98は、コネクタ92、96に記録媒体200、210が接続されているか否かを検知する。本実施形態では記録媒体200が撮像装置に接続されているものとして説明する。なお、本実施形態では、記録媒体を取り付けるインターフェース及びコネクタを2系統有するものとして説明されているが、これらは1系統でもよいし、3系統以上でもよい。複数系統のインターフェース及びコネクタを備える場合は、それらは互いに異なる仕様を有していてもよい。インターフェース及びコネクタとしては、例えばPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを採用しうる。インターフェース90及び94、並びにコネクタ92及び96としてPCMCIAカードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード等の規格に準拠したものを採用することができる。例えばLANカードやモデムカード、USBカード、IEEE1394カード、P1284カード、SCSIカード、PHS等の通信カード、等の各種通信カードを接続することができる。これにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を相互に転送することができる。
【0029】
光学ファインダ104は、画像表示部28による電子ファインダ機能を使用することなしに撮影を行うことを可能にする。光学ファインダ104内には、表示部54の一部を構成する表示素子、例えば合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示を行うための表示素子が配置される。
【0030】
通信部110は、USB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、RS232C、HDMI、無線通信、等の各種通信機能を提供する。通信部110には、デジタルカメラ100を他の機器と接続するためのコネクタ(無線通信機能を提供する際にはアンテナ)112が接続される。
【0031】
GPS受信部113は、位置情報を算出するためのGPS情報をGPS衛星から受信する。デジタルカメラ100は、GPS受信部113でGPS情報を受信し、その受信したGPS情報に基づいて位置情報を算出して、記録媒体に記録するロギング処理が可能であり、この機能をロガー機能とよぶ。デジタルカメラ100は、このロガー機能を所定時間毎に起動してロギング処理を繰り返し、位置情報を順次記録媒体に記憶していくモードに移行可能である。このモードはロガーモードと呼ばれ、ロガーモードでは定期的に得られた複数の位置情報が記録媒体に順次記録されていくことになる。
【0032】
図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100の外観構成を示す図である。なお、本図においては、説明のために不要な構成部分は省略する。電源ボタン251は、デジタルカメラ100を起動及び停止させる、或いは、デジタルカメラ100の主電源をON/OFFするボタンである。
【0033】
メニューボタン252は、各種の撮像条件の設定のため、及び、デジタルカメラ100の状態を表示させるためのメニューを表示するためのボタンである。メニューは、選択可能な及び/又は値を変更可能な複数の項目を含んで構成される。ここで設定可能なモード或いは項目には、撮影モード(例えば、露出の決定に関しては、プログラムモード、絞り優先モード、シャッタースピード優先モード等)、パノラマ撮影モード、情報コード読み取りモードがある。また、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、パーソナルコンピュータ接続モード、露出補正、フラッシュ設定がある。更には、単写/連写の切り替え、セルフタイマー設定、記録画質設定、日時設定、記録された画像のプロテクト等がある。メニューボタン252が押下されると、システム制御部50は、画像表示部28にメニューを表示させる。メニューは、撮像中の画像の上に合成して表示されてもよいし、単独で表示(例えば、所定の背景色の上に表示)されてもよい。メニューが表示されている状態で再度メニューボタン252が押下されると、システム制御部50は、画像表示部28へのメニューの表示を終了する。
【0034】
画像表示部28には接触検知部75が配置され、ユーザの指が表面に触れた場合に接触を検知する。画像表示部28が四辺からなる矩形形状を有する場合、接触検知部75も画像表示部28の形状と関連付けて配置され、一般にはユーザの指による接触を検知する。
【0035】
本実施形態における上下左右の方向定義は以下のように行うものとする。まず、デジタルカメラ100の画像表示部28がユーザの側を向いた図2に示す状態で、画像表示部28に向かって右側方向を「右」、向かって左側方向を「左」と呼ぶ。また、画像表示部28に向かって上側方向を「上」、向かって下側を「下」と呼ぶ。
【0036】
決定ボタン253は、モード或いは項目を決定或いは選択する際に押下される。システム制御部50は、決定ボタン253が押下されると、そのときに選択されているモード或いは項目を設定する。表示ボタン254は、撮像した画像についての撮影情報の表示/非表示を選択したり、画像表示部28を電子ファインダとして機能させるか否かを切り替えたりするために使用される。
【0037】
方向選択キーを構成する左ボタン255、右ボタン256、上ボタン257、下ボタン258は、カーソル又はハイライト部等のような、複数の選択肢の中で選択されている選択肢(例えば項目、画像)を変更するために使用される。或いは、選択されている選択肢を特定する指標の位置を変更するためや、数値(例えば補正値や日時等を示す数値等)を増減させるため等に使用される。また、再生モードでの画像再生時においては、左ボタン255と右ボタン256は画像送りボタンとして使用される。すなわち、左ボタン255の押下で表示している画像を一つ前の画像へ切り換え、右ボタン256の押下で表示している画像を一つ次の画像へと切り換えることができる。ここで、左ボタン255、右ボタン256、上ボタン257、下ボタン258によって、複数の項目の中から1つの項目のみを選択する他、2つ以上の項目を選択することができるようにユーザインターフェースが構成されることが好ましい。例えばシステム制御部50は、決定ボタン253が押下された状態で左ボタン255、右ボタン256、上ボタン257、下ボタン258が操作された場合に、その操作によって指定された2以上の項目が選択されたものと認識するように構成される。
【0038】
シャッターボタン260は、前述のように、例えば半押し状態でAF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の開始がシステム制御部50に指示される。また、全押し状態で、撮影がシステム制御部50に指示される。録画/再生切り替えスイッチ261は、録画モードを再生モードに、及び、再生モードを録画モードに切り替えるために使用される。
【0039】
ジャンプキー262は、方向選択キーと同様の働きをし、カーソル又はハイライト部等のような、複数の選択肢の中で選択されている選択肢(例えば項目、画像)を変更するために使用される。或いは、選択されている選択肢を特定する指標の位置を変更するために使用されてもよい。ジャンプキーによるカーソル移動は、方向選択キーによるそれに比べ早く、もしくは大きく設定してもよい。なお、前述のような操作系に代えて、ダイアルスイッチを採用してもよいし、他の操作系を採用することもできる。
【0040】
<撮像装置の動作>
次に、図3〜図7を参照して、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100が実行する処理、具体的には記録媒体の状態、外部接続の状態、電池残量を把握し、GPS受信部113への電力供給を制御する一連の動作を説明する。当該フローチャートに対応する処理は、メモリ52に記憶された対応する処理プログラムをシステム制御部50が実行することで実現される。
【0041】
図3は、デジタルカメラ100のロガーモード時の処理を示すフローチャートである。ステップS301で、システム制御部50は、ユーザが操作部70を操作することによりロガー機能がONされたか否かを判定する。ステップS301においてロガー機能がOFFと判定された場合、ステップS308に進み、ロギング処理及びロガーモードを終了する。ステップS301においてロガー機能がONと判定された場合、ステップS302に進む。
【0042】
ステップS302では、ロギング判定処理を行う。このロギング判定処理について、図4を参照して説明する。図4は、デジタルカメラ100がロギング可能か否かを判定するフローチャートである。ステップS401で、システム制御部50は、メディア書き込み判定処理を行う。このメディア書き込み判定について、図5を参照して説明する。図5は、記録媒体200にデータが書き込み可能か否かを判定するフローチャートである。ステップS501で、システム制御部50は、記録媒体着脱検知部98を介して、位置情報を記録する記録媒体200又は210(以下では説明を簡単にするための記録媒体200と呼ぶ)が接続されているか否かを判定する。ステップS501において記録媒体200が接続されていないと判定された場合、ステップS505に進み、書き込みNGとして処理を終了する。ステップS501において記録媒体200が接続されていると判定された場合、ステップS502に進む。
【0043】
ステップS502で、システム制御部50は、記録媒体200がライトプロテクトされているか否か、すなわち記録媒体200への書き込みが規制されているか否かを判定する。ステップS502において記録媒体200がライトプロテクトされていると判定された場合、ステップS505に進み、書き込みNGとして処理を終了する。ステップS502において記録媒体200がライトプロテクトされていないと判定された場合、ステップS503に進む。
【0044】
ステップS503で、システム制御部50は、記録媒体200に、位置情報の書き込みに必要な空き容量があるか否かを判定する。ステップS503において記録媒体200に空き容量がないと判定された場合、ステップS505に進み、書き込みNGとして処理を終了する。ステップS503において記録媒体200に空き容量があると判定された場合、ステップS504に進み、書き込みOKとして処理を終了する。以上が、メディア書き込み判定処理である。このメディア書き込み判定処理では、ロギング処理で算出した位置情報を記録媒体200に書き込むことをできるか否かを判定している。
【0045】
図4に説明を戻して、ステップS402で、システム制御部50は、ステップS401のメディア書き込み判定処理の結果に基づいて、書き込みOKか否かを判定する。ステップS402において書き込みNGと判定された場合、ステップS408に進み、ロギングNGと判定して処理を終了する。ステップS402において書き込みOKと判定された場合、ステップS403に進む。記録媒体200が書き込みNGと判定された場合にロギングNGとしたのは次の理由による。すなわち、たとえ正常にGPS情報が受信でき、ロギング処理が行われたとしても、算出した位置情報を記録媒体200に記録できなければ、ロギング処理自体が無駄になってしまう。そこで、記録媒体200が書き込みNGと判定したことに応じて、ロギングNGと判定し、ロギング処理も終了することとした。
【0046】
次にステップS403で、システム制御部50は、記録媒体200が無線機能付きメディアであるか否かを判定する。無線機能付きメディアとは、記録媒体の中に無線通信を行うためのチップやアンテナを内蔵し、記録媒体それ自体に無線通信機能を持たせたメディアをいう。本実施形態における無線機能付きメディアは、画像データを記録するための記録部も有する。そして、デジタルカメラにより無線機能付きメディアに画像データが書き込まれると、無線機能付きメディアが自動的に書き込まれた画像データを送信するものとする。無線機能付きメディアであるか否かは、記録媒体200が接続された際に記録媒体の属性情報を読み取ることで判定可能である。ステップS403において無線機能付きメディアであると判定された場合、ステップS408に進み、ロギングNGとして処理を終了する。ロギングNGとする理由としては、無線機能付きメディアとGPS受信部113との電波干渉が挙げられる。すなわち、無線機能付きメディアが発信する電波がGPS衛星から受信する電波と干渉し、位置情報の算出に十分な情報をGPS衛星から受信できない可能性があり、この場合は、ロギング処理自体が無駄になってしまうため、ロギングNGと判定することとした。ステップS403において無線機能付きメディアでないと判定された場合、ステップS404に進む。
【0047】
ステップS404で、システム制御部50は、外部接続判定処理を行う。この外部接続判定処理について、図6を参照して説明する。図6は、通信部110において外部接続中か否かを判定するフローチャートである。ステップS601で、システム制御部50は、USB接続されているか否かを判定する。ステップS601においてUSB接続されていると判定された場合、ステップS604に進み、外部接続中と判定して処理を終了する。ステップS601においてUSB接続されていないと判定された場合、ステップS602に進む。
【0048】
ステップS602で、システム制御部50は、HDMI接続されているか否かを判定する。ステップS602においてHDMI接続されていると判定された場合、ステップS604に進み、外部接続中として処理を終了する。ステップS602においてHDMI接続されていないと判定された場合、ステップS603に進み、外部接続なしとして処理を終了する。以上が、外部接続判定処理である。
【0049】
図4に説明を戻して、ステップS405で、システム制御部50は、ステップS404の外部接続判定処理の結果に基づいて、外部接続中か否かを判定する。ステップS405において外部接続中と判定された場合、ステップS408に進み、ロギングNGとして処理を終了する。ステップS405において外部接続されていないと判定された場合、ステップS406に進む。外部接続されているためにロギングNGと判定するのは、デジタルカメラ100が外部の何らかの装置に接続されており、ほとんど位置情報が変化しないと考えられるからである。今回判断の対象としたのはUSBとHDMIという有線の接続であってケーブル長が短いものを例としたが、例えば短距離無線で外部装置と接続しているか否かを判断してもよい。通信距離は通信方式によって異なるため、予め外部接続判定の対象となる通信方式を保持しておいてもよい。
【0050】
次にステップS406で、システム制御部50は、電源制御部80を介してロギング処理を行った場合に次の撮影時に撮影できるだけの電池残量があるか否かを判定する。ステップS406において次の撮影時に撮影できるだけの電池残量がないと判定された場合、次の起動での撮影を優先するため、ステップS408に進み、ロギングNGとして処理を終了する。ステップS406において次の撮影時に撮影できるだけの電池残量があると判定された場合、ステップS407に進み、ロギングOKとして処理を終了する。以上が、ロギング判定処理である。このロギング判定処理により、例えGPS受信部113自体が正常に動作していたとしても、他の要因によって正しくロガー機能が機能しないと判断された場合にはロギングNGと判定することができる。
【0051】
図3に説明を戻して、ステップS303において、システム制御部50は、ステップS302のロギング判定処理による結果がロギングOKか否かを判定する。ステップS303においてロギングOKと判定された場合、ステップS304に進む。ステップS304においてロギングNGと判定された場合、ステップS308に進み、ロギング処理及びロガーモードを終了する。ここではロガーモード自体を終了するため、この後、再度ロギング処理を行うために自動的に起動することもない。
【0052】
ステップS304で、システム制御部50は、位置情報の記録処理を行う。この位置情報の記録処理について、図7を参照して説明する。図7は、GPS受信部113でGPS受信を行い、位置情報を算出して、記録媒体200に記録するフローチャートを示す。ステップS701で、システム制御部50は、GPS受信部113による測位、すなわちGPS情報の受信を開始する。ステップS702で、システム制御部50は、受信状態に基づいて、位置情報を算出可能なGPS情報がGPSから受信できているか否かを判定する。ステップS702において受信できていないと判定された場合、ステップS706に進み、ロギングを終了する。ステップS702において受信できていると判定された場合、ステップS703に進む。
【0053】
ステップS703で、システム制御部50は、GPS受信部113で受信したGPSに基づいて位置情報を算出する。ステップS704では、正常に位置情報が算出できたか否かを判定する。ステップS704において正常に算出されなかったと判定した場合、ステップS706に進み、処理を終了する。ステップS704において正常に算出されたと判定した場合、ステップS705に進む。ステップS705で、システム制御部50は、算出した位置情報を記録媒体200に記録し、その後ステップS706に進み、処理を終了する。以上が、位置情報の記録処理の説明である。
【0054】
図3に説明を戻して、ステップS305で、システム制御部50は、記録媒体200のインターフェース204からの応答に基づいて、記録媒体200に位置情報を記録できたか否かを判定する。ステップS305において正常に書き込みできなかったと判定された場合、ステップS308に進み、ロギング処理及びロガーモードを終了する。ステップS305において正常に書き込みできたと判定された場合、ステップS306に進む。
【0055】
ステップS306で、システム制御部50は、電源制御部80を介して所定時間後にロガー機能を起動する電池残量があるかを判定する。ステップS306において所定時間後にロガー機能を起動する電池残量がないと判定された場合、ステップS308に進み、ロギング処理及びロガーモードを終了する。ステップS306においてロガー機能を起動する電池残量があると判定された場合、ステップS307に進み、所定時間後に再びロギング処理を開始するよう、タイマーをセットする。その後、ステップS309に進み、ロギング処理を終了する。つまり、同じロギング処理の終了でも、ステップS309では所定時間後にロギング処理を再度行うことになり、ステップS308ではロギング処理を再度行うことはしない。
【0056】
以上のように、記録媒体の状態や電池残量等、GPS受信部113の異常以外の要因で位置情報を記録できない場合は、無駄なロギング処理を行なわないようにすることで消費電力を抑えることができる。また、デジタルカメラ100の外部接続により位置情報が変わらないと判定した場合に、無駄なロギング処理を行なわないようにすることで消費電力を抑えることができる。
【0057】
なお、記録媒体の状態、外部接続の状態、電池残量等によりステップS308においてロガーモードを終了した後、その要因が解消されデジタルカメラ100がロギング可能な状態になった場合に、ロガーモードを再開させるようにしてもよい。また、図4のステップS403において、無線機能付きメディアと判定された場合、メディアの無線機能をOFFにすることで、ロギング処理を可能にしてもよい。
【0058】
(その他の実施形態)
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。すなわち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
上述した実施形態ではデジタルカメラを例に説明したが、本発明はいわゆるカメラ付き携帯電話等にも適用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPS情報を受信するGPS受信部と、
前記GPS受信部で受信したGPS情報に基づいて位置情報を算出する測位手段と、
前記測位手段により算出した位置情報を記録媒体に記録する記録手段と、
前記GPS受信部による受信、前記測位手段による位置情報の算出、及び前記記録手段による位置情報の記録を行うロギング処理を所定時間毎に繰り返すロガーモードを実行するとともに、前記ロガーモード時において所定の条件下ではロギング処理を行わないようにする制御手段とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、位置情報を記録する記録媒体が位置情報を記録できる状態にあるか否かを判定し、前記記録媒体が位置情報を記録できない状態にあると判定された場合、ロギング処理を行わないようにすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記記録媒体が接続されているか否か、前記記録媒体への書き込みが規制されているか否か、及び前記記録媒体に位置情報の書き込みに必要な空き容量があるか否かのうち少なくともいずれかを判定することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、位置情報を記録する記録媒体が電波を発する記録媒体であるか否かを判定し、前記記録媒体が電波を発する記録媒体である判定された場合、ロギング処理を行わないようにすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、当該撮像装置が外部接続されているか否かを判定し、当該撮像装置が外部接続されていると判定された場合、ロギング処理を行わないようにすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、ロギング処理を行った場合に次の撮影時に撮影できるだけの電池残量があるか否かを判定し、次の撮影時に撮影できるだけの電池残量がないと判定された場合、ロギング処理を行わないようにすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記ロガーモード時においてロギング処理を行った後、次にロギング処理を行うだけの電池残量があるか否かを判定し、次にロギング処理を行うだけの電池残量がないと判定された場合、次のロギング処理を行わないようにすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記所定の条件下でロギング処理を行わないようにしたときに、前記ロガーモードも終了することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記所定の条件下で前記ロガーモードを終了した後、その要因がなくなったと判定された場合、前記ロガーモードを再開することを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記制御手段は、位置情報を記録する記録媒体が電波を発する記録媒体であるか否かを判定し、前記記録媒体が電波を発する記録媒体である判定された場合、電波を発信しない設定に変更することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項11】
GPS情報を受信するGPS受信部と、
前記GPS受信部で受信したGPS情報に基づいて位置情報を算出する測位手段と、
前記測位手段により算出した位置情報を記録媒体に記録する記録手段とを備えた撮像装置の制御方法であって、
前記GPS受信部による受信、前記測位手段による位置情報の算出、及び前記記録手段による位置情報の記録を行うロギング処理を所定時間毎に繰り返すロガーモードを実行するとともに、前記ロガーモード時において所定の条件下ではロギング処理を行わないようにすることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項12】
GPS情報を受信するGPS受信部と、
前記GPS受信部で受信したGPS情報に基づいて位置情報を算出する測位手段と、
前記測位手段により算出した位置情報を記録媒体に記録する記録手段とを備えた撮像装置を制御するためのプログラムであって、
前記GPS受信部による受信、前記測位手段による位置情報の算出、及び前記記録手段による位置情報の記録を行うロギング処理を所定時間毎に繰り返すロガーモードを実行するとともに、前記ロガーモード時において所定の条件下ではロギング処理を行わないようにする処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−165094(P2012−165094A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22503(P2011−22503)
【出願日】平成23年2月4日(2011.2.4)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】