説明

撮像装置、撮像方法およびプログラム

【課題】高フレームレートの映像データの管理を容易にし、通常のフレームレートで撮影した映像データしか再生できない機器における高精細なスロー映像の再生を可能にし、それらを実現するための処理にかかる時間を短縮する。
【解決手段】撮像装置100は、映像データを記録媒体104のクラスタサイズの整数倍に分割して記録媒体104および105にファイルとして記録する映像記録部103と、記録媒体105に記録された映像ファイルを記録媒体104にコピーする映像コピー部106と、記録媒体104のファイル管理情報の論理的な順序を変更して複数の映像ファイルを一つのファイルに結合する映像結合部107とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像を撮影し、その映像データをファイルとして記録媒体に記録する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像を撮影し、その映像データを記録する記録媒体として、テープに替わり半導体メモリや光ディスク、HDDなどが用いられるようになってきている。これらの記録媒体は記録しているデータをファイルとして扱うため、映像データをファイルとして扱うことが一般的になっている。
【0003】
また、カメラレコーダなどの撮像装置においては、通常のフレームレート(例えば30フレーム毎秒)よりも高いフレームレートでの撮影が可能な機器が増えている。高いフレームレートで撮影した映像を通常のフレームレートで再生することによって、高精細なスロー映像が得ることができる。
【0004】
このような高フレームレートでの撮影を行うカメラ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1記載のカメラ装置は、通常よりも高いフレームレートで映像を撮影し、撮影した映像データを通常のフレームレートに相当するフレームとそれ以外のフレームに分け、前者を一つの記録媒体に記録し、後者を他の記録媒体に記録する。
【0006】
このようにすることで、高フレームレートの映像データの記録を可能にしている。また、通常のフレームレートで撮影した映像データしか再生できない機器での再生も可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−104584号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のカメラ装置では、高フレームレートの映像データが複数の記録媒体に分割されて記録されるため、映像データの管理が困難であるという課題がある。また、通常のフレームレートで撮影した映像データしか再生できない機器では、高精細なスロー映像を再生できないという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る撮像装置は、被写体像を撮像し、映像信号を出力する撮像部と、前記撮像部の出力を圧縮・符号化するエンコーダと、前記エンコーダの出力する映像信号を記録媒体のクラスタサイズの整数倍に分割し、分割した映像信号を複数の記録媒体に映像ファイルとして記録する映像記録部と、前記映像ファイルのファイル管理情報の論理的な順序を変更して、複数の記録媒体に記録された前記映像ファイルを一つのファイルに結合する映像結合部と、を備える
【発明の効果】
【0010】
本発明の撮像装置は、高フレームレートの映像データを一つの記録媒体に記録するため、映像データの管理が容易になり、通常のフレームレートで撮影した映像データしか再生できない機器でも高精細なスロー映像の再生が可能になる。また、ファイル管理情報の論理的な順序を変更することでファイルを結合するため、複数の記録媒体に記録した映像ファイルを結合する処理にかかる時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施の形態1における撮像装置の内部構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1における記録媒体のディレクトリ構成例を示す図
【図3】実施の形態1における記録媒体に記録される映像データおよび映像ファイルの構成例を示す図
【図4】実施の形態1における記録媒体のファイル管理情報例を示す図
【図5】実施の形態1における撮像装置の映像撮影時の動作を示すフローチャート
【図6】実施の形態1における撮像装置の映像コピー時および映像結合時の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態における撮像装置を、図面を参照しながら説明する。
【0013】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1における撮像装置100の内部構成を示すブロック図である。
【0014】
撮像装置100は、撮像部101、エンコーダ102、映像記録部103、記録媒体104、記録媒体105、映像コピー部106、および映像結合部107を備える。
【0015】
撮像部101は、例えば撮像素子としてCCD(Charge Coupled Devices)を備え、光信号をデジタルの電気信号に変換することにより、映像データを生成する。通常のフレームレートに加え、通常よりも高いフレームレートの映像データを生成することができる。なお、撮像素子はCCDに限らず、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであっても良い。
【0016】
エンコーダ102は、撮像部101から映像データを取得し、ビデオ規格であるDVCPROフォーマットやDVフォーマットなどに従って、映像データを圧縮する。圧縮フォーマットは、H.264やMPEG2であっても良い。圧縮した映像データのビットレートは固定でも可変でも良い。また、圧縮方式はフレーム内圧縮でもフレーム間圧縮でも良い。
【0017】
映像記録部103は、エンコーダ102から圧縮された映像データを取得し、記録媒体104のクラスタサイズの整数倍に映像データを分割して、記録媒体104および記録媒体105にファイルとして記録する。
【0018】
記録媒体104および記録媒体105は、半導体メモリや光ディスク、HDDなどである。記録媒体104および記録媒体105はリムーバブルな記録媒体であってもよいし、撮像装置100に内蔵されていてもよい。本実施の形態では記録媒体が2つ存在するとしているが、それ以上の記録媒体が存在してもよい。なお、本実施の形態では、記録媒体104および記録媒体105のファイルシステムがFAT32であるとして説明する。
【0019】
映像コピー部106は、撮影終了後に、記録媒体105に記録された映像ファイルを記録媒体104にコピーする。コピーが完了したら記録媒体105の映像ファイルを削除してもよい。
【0020】
映像結合部107は、記録媒体104のファイル管理情報の論理的な順序を変更することによって、記録媒体104に記録されている複数の映像ファイルを一つのファイルに結合する。
【0021】
図2は記録媒体104のディレクトリ構成例を示す図である。
【0022】
図2(a)は、映像コピー部106が記録媒体105から記録媒体104へ映像ファイルをコピーした後の状態を示している。コピーした映像ファイルのファイル名は「video2.dat」、映像撮影時に映像記録部103によって記録された映像ファイルのファイル名は「video1.dat」で、それぞれルートディレクトリの直下に記録されている。
【0023】
図2(b)は、映像結合部107が記録媒体104に記録されている複数の映像ファイルを一つのファイルに結合した後の状態を示している。映像ファイルのファイル名は「video.mxf」で、ルートディレクトリの直下に記録されている。
【0024】
図3は、エンコーダ102が出力する映像データの分割および結合時の構造を示す図である。
【0025】
図3(a)は、エンコーダ102が圧縮した映像データの例を示している。説明のため、映像データは記録媒体104のクラスタサイズ単位に分割して図示している。分割した各映像データには、「V1」から「V10」までの名前を付けて説明する。映像データ「V10」は映像データの終端であるため、クラスタサイズ未満のサイズになっている。
【0026】
図3(b)は、映像ファイル「video1.dat」および「video2.dat」の例を示している。
【0027】
この例では、映像記録部103は、クラスタサイズの3倍の映像データ毎に、クラスタサイズの2倍の映像データと、クラスタサイズの1倍の映像データとに分割して、前者を映像ファイル「video1.dat」に、後者を映像ファイル「video2.dat」に記録する。そのため、映像ファイル「video1.dat」には映像データが「V1、V2、V4、V5、V7、V8、V10」の順で記録され、映像ファイル「video2.dat」には映像データが「V3、V6、V9」の順で記録される。
【0028】
図3(c)は、映像ファイル「video.mxf」の例を示している。
【0029】
映像ファイル「video.mxf」のファイルフォーマットは、MXF(Material eXchange Format)である。ファイルの先頭にはヘッダが配置されており、ヘッダのサイズはクラスタサイズの整数倍である。この例ではヘッダのサイズはクラスタサイズと等しいサイズである。ヘッダの後に続く映像データは図3(a)と同じ順に並んでいる。ファイルの末尾にはフッタが配置されている。フッタのサイズはクラスタサイズの整数倍である必要は無い。
【0030】
図4は記録媒体104のファイル管理情報例を示す図である。
【0031】
図4は、ファイル管理情報として、ルートディレクトリのディレクトリエントリとFATを示している。また、本実施の形態の説明に必要なディレクトリエントリの情報のみを示しているため、実際のディレクトリエントリには図4で示していない情報も含まれる。
【0032】
FATのクラスタ番号の括弧内には、説明のためにそのクラスタに記録されているデータを示している。「なし」はそのクラスタが未使用クラスタであることを示している。
【0033】
図4(a)は、図2(a)で示したディレクトリ構成で、図3(b)で示したファイルを記録している場合のファイル管理情報を示している。
【0034】
ディレクトリエントリには、映像ファイル「video1.dat」および「video2.dat」のファイル名とそのファイルの先頭クラスタ番号が記録されている。
【0035】
FATには、映像ファイルが図3(b)に示した構成になるように次のクラスタ番号が記録されている。すなわち、映像ファイル「video1.dat」に対応するクラスタチェーン「101→102→103→104→105→106→107」と、映像ファイル「video2.dat」に対応するクラスタチェーン「201→202→203」が構築されている。ファイルの終端クラスタの次のクラスタ番号には、ファイルの終端であることを示す「0FFFFFFFh」が記録されている。未使用クラスタの次のクラスタ番号には「0」が記録されている。
【0036】
図4(b)は、図2(b)で示したディレクトリ構成で、図3(c)で示したファイルを記録している場合のファイル管理情報を示している。
【0037】
ディレクトリエントリには、映像ファイル「video.mxf」のファイル名とそのファイルの先頭クラスタ番号が記録されている。
【0038】
FATには、映像ファイル「video.mxf」が図3(c)に示した構成になるように次のクラスタ番号が記録されている。すなわち、映像ファイルのヘッダを先頭として映像ファイルのフッタを終端とするクラスタチェーン「301→101→102→201→103→104→202→105→106→203→107」が構築されている。
【0039】
図5は、本実施の形態における撮像装置100の映像撮影時の動作を示すフローチャートである。
【0040】
ユーザーは、撮像装置100の図示しない撮影開始ボタンを操作することにより、通常よりも高いフレームレートでの撮影を開始させる。
【0041】
映像記録部103は、記録媒体104から記録媒体104の最大記録ビットレートr1を取得する(ステップS100)。次に、映像記録部103は、通常よりも高いフレームレートで生成された映像データのビットレートrがr1より大きいか判定する(ステップS101)。ステップS101でrがr1より大きくないと判定された場合は(ステップS101のN)、映像記録部103は、エンコーダから取得した映像データを記録媒体104に記録する(ステップS102)。
【0042】
次に撮像装置100は、ユーザーによって撮影終了が指示されたか否かを判定する(ステップS103)。撮影終了が指示されていないと判定すると(ステップS103のN)、撮像装置100はステップS102からの処理を繰り返し実行する。撮影終了が指示されたと判定すると(ステップS103のY)、撮像装置100は処理を終了する。この場合は、撮像装置100は撮影終了後に映像のコピーおよび結合の処理を行わない。
【0043】
ステップS101でrがr1より大きいと判定された場合は(ステップS101のY)、映像記録部103は記録媒体105から記録媒体105の最大記録ビットレートr2を取得する(ステップS104)。次に、映像記録部103は、rがr1+r2より大きいか判定する(ステップS105)。ステップS105でrがr1+r2より大きいと判定された場合は(ステップS105のY)、撮像装置100は映像データを記録できないため処理を終了する。
【0044】
ステップS105でrがr1+r2より大きくないと判定された場合は(ステップS105のN)、映像記録部103は、記録媒体104から記録媒体104のクラスタサイズxを取得する(ステップS106)。
【0045】
次に映像記録部103は、映像データを分割するサイズを求める(ステップS107)。分割するサイズは記録媒体104のクラスタサイズの整数倍になるようにする。本実施の形態では、映像記録部103は、まずr1とr−r1の比a、b(ともに整数)を求める。映像記録部103は、それらに記録媒体104のクラスタサイズxを掛けた値a×x、b×xを分割するサイズとする。すなわち、映像記録部103は、(a+b)×xのサイズ毎に、a×xのサイズと、b×xのサイズに映像データを分割することになる。例えば、r1が100Mbps、rが150Mbps、xが32KBである場合は、aが2、bが1となり、分割するサイズは64KB、32KBになる。
【0046】
なお、記録媒体が3つ以上存在する場合、映像記録部103は、それぞれの記録媒体の最大記録ビットレートを取得し、その合算値をrと比較し、合算値がr以下の場合に、上記と同様な方法により、分割するサイズを決定し、各記録媒体に分割した映像データを記録する。
【0047】
なお、分割するサイズを求める方法は上記方法に限定されるわけではなく、分割するサイズが記録媒体104のクラスタサイズの整数倍になっており、また分割したデータを記録媒体104および105に記録する際に、記録媒体104および105の最大記録ビットレートを超えないようになっていれば、どのように分割してもよい。
【0048】
次に映像記録部103は、エンコーダ102から取得した映像データを分割し、記録媒体104および105に記録する(ステップS108)。映像記録部103は、分割するサイズに満たない端数の映像データも記録媒体104または105に記録する。映像記録部103は、次の映像データを分割する際には、端数の映像データのサイズを考慮して分割する。
【0049】
次に撮像装置100は、ユーザーによって撮影終了が指示されたか否かを判定する(ステップS109)。撮影終了が指示されていないと判定すると(ステップS109のN)、撮像装置100はステップS108からの処理を繰り返し実行する。撮影終了が指示されたと判定すると(ステップS109のY)、撮像装置100は処理を終了する。
【0050】
このように動作することによって、撮像装置100は、図3(b)に示した映像ファイル「video1.dat」を記録媒体104に記録し、映像ファイル「video2.dat」を記録媒体105に記録することができる。
【0051】
図6は、本実施の形態における撮像装置100の映像コピー時および映像結合時の動作を示すフローチャートである。映像のコピーおよび結合の処理は、撮影終了後に撮像装置100によって自動的に開始されたり、ユーザーの指示によって開始されたりする。
【0052】
映像コピー部106は、記録媒体105に記録された映像ファイル「video2.dat」を記録媒体104にコピーする(ステップS200)。
【0053】
この段階で、記録媒体104には映像ファイルが図4(a)に示したような状態で記録されているものとする。具体的には、映像ファイル「video1.dat」がクラスタ番号101〜107に、映像ファイル「video2.dat」がクラスタ番号201〜203に記録されているものとする。
【0054】
次に映像結合部107は、記録媒体104からファイル管理情報とクラスタサイズxを取得する(ステップS201)。取得するファイル管理情報は、図4(a)に示したルートディレクトリのディレクトリエントリとFATである。
【0055】
次に映像結合部107は、映像記録部103から映像データを分割するサイズを取得する(ステップS202)。映像ファイル「video1.dat」の分割サイズをy、映像ファイル「video2.dat」の分割サイズをzとする。そして映像結合部107は、映像ファイル「video1.dat」の分割クラスタ数pをy/xで、映像ファイル「video2.dat」の分割クラスタ数qをz/xで求める(ステップS203)。本実施の形態では、pは2、qは1になる。
【0056】
次に映像結合部107は、映像ファイル「video.mxf」のヘッダがクラスタサイズの整数倍になるように生成する。そしてFATの次のクラスタ番号が0であるクラスタ(未使用クラスタ)を検索して、ヘッダを記録するクラスタ番号(図4の例では301)を決定する。そして映像結合部107は、記録媒体104にヘッダを記録する(ステップS204)。
【0057】
次に映像結合部107は、ヘッダのFATを更新する(ステップS205)。具体的には、映像結合部107はヘッダのクラスタ番号「301」の次のクラスタ番号を、映像ファイル「video1.dat」の先頭クラスタ番号「101」に変更する。
【0058】
次に映像結合部107は、変数mに映像ファイル「video1.dat」の先頭クラスタ番号「101」を、変数nに映像ファイル「video2.dat」の先頭クラスタ番号「201」を設定する(ステップS206)。
【0059】
次に映像結合部107は、クラスタ番号mのクラスタのp−1個先のクラスタが存在するか判定する(ステップS207)。p−1個先のクラスタとは、クラスタチェーンをp−1回進んだ先のクラスタという意味である。ステップS207でp−1個先のクラスタ存在すると判定された場合は(ステップS207のY)、映像結合部107はp−1個先のクラスタの次のクラスタ番号を変数mに設定する(ステップS208)。
【0060】
次に映像結合部107は、変数nがファイルの終端であることを示す「0FFFFFFFh」と等しいか判定する(ステップS209)。ステップS209で変数nが「0FFFFFFFh」と等しくないと判定された場合は(ステップS209のN)、映像結合部107はFATを更新する(ステップS210)。具体的には、映像結合部107はクラスタ番号mのクラスタの次のクラスタ番号を変数nに変更する。
【0061】
次に映像結合部107は、クラスタ番号nのクラスタのq−1個先のクラスタが存在するか判定する(ステップS211)。ステップS211でq−1個先のクラスタ存在すると判定された場合は(ステップS211のY)、映像結合部107はq−1個先のクラスタの次のクラスタ番号を変数nに設定する(ステップS212)。
【0062】
次に映像結合部107は、変数mがファイルの終端であることを示す「0FFFFFFFh」と等しいか判定する(ステップS213)。ステップS213で変数mが「0FFFFFFFh」と等しくないと判定された場合は(ステップS213のN)、映像結合部107はFATを更新する(ステップS214)。具体的には、映像結合部107はクラスタ番号nのクラスタの次のクラスタ番号を変数mに変更する。そして映像結合部107はステップS207からの処理を繰り返し実行する。
【0063】
ステップS207でp−1個先のクラスタが存在しないと判定された場合と(ステップS207のN)、ステップS209で変数nが「0FFFFFFFh」と等しいと判定された場合は(ステップS209のY)、映像結合部107は映像ファイル「video.mxf」のフッタを生成し、クラスタ番号mのクラスタの映像データ終端にフッタを記録する(ステップS215)。フッタがクラスタに収まらない場合は、映像結合部107は未使用クラスタを検索してそのクラスタへまたがるように記録する。そして映像結合部107はステップS217(後述)に進む。
【0064】
ステップS211でq−1個先のクラスタが存在しないと判定された場合と(ステップS211のN)、ステップS213で変数mが「0FFFFFFFh」と等しいと判定された場合は(ステップS213のY)、映像結合部107は映像ファイル「video.mxf」のフッタを生成し、クラスタ番号nのクラスタの映像データ終端にフッタを記録する(ステップS216)。フッタがクラスタに収まらない場合は、映像結合部107は未使用クラスタを検索してそのクラスタへまたがるように記録する。そして映像結合部107はステップS217(後述)に進む。
【0065】
ステップS217で、映像結合部107はディレクトリエントリを更新する。具体的には、映像結合部107はファイル名が「video.mxf」で、先頭クラスタ番号がヘッダのクラスタ番号「301」であるエントリを、ルートディレクトリのディレクトリエントリに追加する。また、映像結合部107は、ファイル名が「video1.dat」であるエントリと、「video2.dat」であるエントリを、ルートディレクトリのディレクトリエントリから削除する。
【0066】
そして映像結合部107は、変更したファイル管理情報を記録媒体104へ記録する(ステップS218)。
【0067】
このように動作することによって、撮像装置100は、図3(b)に示した映像ファイル「video1.dat」と「video2.dat」を図3(c)に示した映像ファイル「video.mxf」に変換することができる。
【0068】
以上のように、本実施の形態における撮像装置100は、高フレームレートの映像データを一つの記録媒体に記録するため、映像データの管理が容易になり、通常のフレームレートで撮影した映像データしか再生できない機器でも高精細なスロー映像の再生が可能になる。また、撮像装置100は、ファイル管理情報の論理的な順序を変更することでファイルを結合するため、複数の記録媒体に記録した映像ファイルを結合する処理にかかる時間を短縮することができる。
(他の実施の形態)
以上、本実施の形態に係る撮像装置について説明したが、次に他の実施の形態について説明する。
【0069】
上記実施の形態では、映像データを記録媒体に記録しているが、映像の撮影と同時に音声を集音して音声データを生成し、映像データに音声データを多重化したデータを記録媒体に記録してもよい。
【0070】
また、上記実施の形態では、ファイルフォーマットをMXFとしたが、他のファイルフォーマットでもよい。そのファイルフォーマットのファイルにヘッダもしくはフッタが無い場合は、撮像装置100でヘッダもしくはフッタに関する処理を行う必要は無い。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本実施の形態に係るの撮像装置は、高フレームレートの映像データを一つの記録媒体に記録するため、映像データの管理が容易になり、通常のフレームレートで撮影した映像データしか再生できない機器でも高精細なスロー映像の再生が可能になる。また、ファイル管理情報の論理的な順序を変更することでファイルを結合するため、複数の記録媒体に記録した映像ファイルを結合する処理にかかる時間を短縮することができるという作用効果を奏し、例えば、カメラレコーダなどに適用することができる。
【符号の説明】
【0072】
100 撮像装置
101 撮像部
102 エンコーダ
103 映像記録部
104 記録媒体
105 記録媒体
106 映像コピー部
107 映像結合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像し、映像信号を出力する撮像部と、
前記撮像部の出力を圧縮・符号化するエンコーダと、
前記エンコーダの出力する映像信号を記録媒体のクラスタサイズの整数倍に分割し、分割した映像信号を複数の記録媒体に映像ファイルとして記録する映像記録部と、
前記映像ファイルのファイル管理情報の論理的な順序を変更して、複数の記録媒体に記録された前記映像ファイルを一つのファイルに結合する映像結合部と、
を備える撮像装置。
【請求項2】
前記映像記録部は、
前記エンコーダの出力する映像信号のビットレートが記録媒体の最大記録ビットレートを超える場合に、複数の記録媒体に分割して前記映像信号を記録する
請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記映像結合部は、
前記複数の映像ファイルを一つのファイルに結合する際にヘッダおよびフッタを付与する
請求項1または2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記エンコーダは、
前記撮像部の出力とともに集音される音声信号を多重化する
請求項1から3の何れかに記載の撮像装置。
【請求項5】
被写体像を撮像し、映像信号を出力する撮像ステップと、
前記撮像ステップの出力を圧縮・符号化するエンコードステップと、
前記エンコードステップの出力する映像信号を記録媒体のクラスタサイズの整数倍に分割し、分割した映像信号を複数の記録媒体に映像ファイルとして記録する映像記録ステップと、
前記映像ファイルのファイル管理情報の論理的な順序を変更して、複数の記録媒体に記録された前記映像ファイルを一つのファイルに結合する映像結合ステップと、
を含む撮像方法。
【請求項6】
被写体像を撮像し、映像信号を出力する撮像ステップと、
前記撮像ステップの出力を圧縮・符号化するエンコードステップと、
前記エンコードステップの出力する映像信号を記録媒体のクラスタサイズの整数倍に分割し、分割した映像信号を複数の記録媒体に映像ファイルとして記録する映像記録ステップと、
前記映像ファイルのファイル管理情報の論理的な順序を変更して、複数の記録媒体に記録された前記映像ファイルを一つのファイルに結合する映像結合ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−259264(P2011−259264A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−132666(P2010−132666)
【出願日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】