説明

撮像装置、撮像方法及びプログラム

【課題】外部環境が変化しても撮像を適正に行う。
【解決手段】撮像装置100であって、当該装置本体の外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する第1判定部6aと、特定の環境下にあると判定された場合に、撮像部1により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する被写体検出部7aと、検出された特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する中央制御部12とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、撮像方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、防水性能を具備し、水中で撮像可能なデジタルカメラが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
この特許文献1、2のデジタルカメラにあっては、撮像環境が陸上か水中かに応じて、各種の撮像条件を設定し直すことで撮像環境に適した撮像条件での撮像の実現を図っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−328224号公報
【特許文献2】特開2003−233115号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1、2にあっては、撮像条件として、例えば、シャッタースピード、絞り値、ストロボ発光量、ホワイトバランス等を自動的に設定しているものの、撮像の操作自体は水中でも陸上でも同様となっている。このため、水中では水圧や水流が生じることによって、陸上に比べて装置本体を操作し難いといった問題がある。
また、雪山でスキーやスノーボードといったウインタースポーツを行う場合に、手袋を装着していると、同様に装置本体を操作し難い。
【0005】
そこで、本発明の課題は、外部環境が変化しても撮像を適正に行うことができる撮像装置、撮像方法及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の撮像装置は、
撮像手段を備える撮像装置であって、当該装置本体の外部環境に関する情報を特定する環境特定手段と、この環境特定手段により特定された前記外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する第1判定手段と、この第1判定手段により前記特定の環境下にあると判定された場合に、前記撮像手段により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する被写体検出手段と、この被写体検出手段により検出された前記特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する第1制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記特定の環境は、複数規定され、前記被写体検出手段は、前記複数の特定の環境の各々に応じて前記特定の被写体の識別条件を異ならせていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の撮像装置において、
前記環境特定手段は、前記外部環境に関する情報として、当該装置本体に対する圧力の情報、当該装置本体の外部の温度の情報、当該装置本体の外部の明るさの情報、当該装置本体の外部の音の情報、及び、当該装置本体に生じる動きの情報のうち、少なくとも何れか一の情報を特定することを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記第1判定手段は、前記外部環境に関する情報としての当該装置本体に対する圧力の情報に基づいて、当該装置本体が前記特定の環境としての水中に存するか否かを判定することを特徴としている。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記第1判定手段は、前記外部環境に関する情報としての当該装置本体の外部の温度の情報に基づいて、当該装置本体が前記特定の環境としての低温下にあるか否かを判定することを特徴としている。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記第1判定手段は、前記外部環境に関する情報としての当該装置本体の外部の音の情報に基づいて、当該装置本体が前記特定の環境としての静かな状態にて発音が生じた状態にあるか否かを判定することを特徴としている。
【0012】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記第1判定手段により前記特定の環境下にあると判定された後、当該特定の環境下にて所定の変化が生じたか否かを判定する第2判定手段を更に備え、前記被写体検出手段は、前記第2判定手段により前記所定の変化が生じたと判定された場合に、前記特定の被写体の検出を再度行うことを特徴としている。
【0013】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の撮像装置において、
前記第2判定手段は、前記特定の環境としての明るい環境下にて、前記環境特定手段により特定された前記外部環境に関する情報としての当該装置本体の外部の明るさの情報に基づいて、前記明るい状態から前記所定の変化として明るさが暗く変化したか否かを判定することを特徴としている。
【0014】
請求項9に記載の発明は、請求項7に記載の撮像装置において、
前記第2判定手段は、前記特定の環境としての前記装置本体に生じる動きが少ない状態にて、前記環境特定手段により特定された前記外部環境に関する情報としての当該装置本体に生じる動きの情報に基づいて、前記動きが少ない状態から前記所定の変化として前記装置本体に生じる動きが大きく変化したか否かを判定することを特徴としている。
【0015】
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9の何れか一項に記載の撮像装置において、
前記第1制御手段によって、前記被写体追跡処理及び前記自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理が実行された後、前記撮像手段により撮像された前記特定の被写体を含む画像を記録手段に記録させる第2制御手段を更に備えることを特徴としている。
【0016】
請求項11に記載の発明の撮像方法は、
撮像手段を備える撮像装置を用いた撮像方法であって、当該装置本体の外部環境に関する情報を特定する処理と、特定された前記外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する処理と、前記特定の環境下にあると判定された場合に、前記撮像手段により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する処理と、検出された前記特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する処理と、を行うことを特徴としている。
【0017】
請求項12に記載の発明のプログラムは、
撮像手段を備える撮像装置のコンピュータを、当該装置本体の外部環境に関する情報を特定する環境特定手段、この環境特定手段により特定された前記外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する第1判定手段、この第1判定手段により前記特定の環境下にあると判定された場合に、前記撮像手段により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する被写体検出手段、この被写体検出手段により検出された前記特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する第1制御手段、として機能させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、当該撮像装置本体の外部環境が変化しても、特定の被写体を含む画像の撮像を適正に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明を適用した一実施形態の撮像装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1の撮像装置によるメイン処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2のメイン処理における被写体追跡処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
図1は、本発明を適用した一実施形態の撮像装置100の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態の撮像装置100は、当該装置本体の外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあると判定された場合に、撮像部1により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する。そして、撮像装置100は、検出された特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理を実行する。
具体的には、図1に示すように、撮像装置100は、撮像部1と、撮像制御部2と、画像データ生成部3と、メモリ4と、外部環境特定部5と、外部環境判定部6と、画像処理部7と、記録媒体制御部8と、表示制御部9と、表示部10と、操作入力部11と、中央制御部12とを備えている。
なお、撮像装置100は、「水中」での撮像を行うことができるように防水性能を具備しているが、防水性能を具備するか否かは適宜任意に変更可能である。
【0021】
撮像部1は、撮像手段として、被写体を撮像して画像フレームを生成する。具体的には、撮像部1は、レンズ部1aと、電子撮像部1bとを備えている。
レンズ部1aは、ズームレンズやフォーカスレンズ等の複数のレンズから構成されている。
電子撮像部1bは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサから構成され、レンズ部1aの各種レンズを通過した光学像を二次元の画像信号に変換する。
なお、図示は省略するが、撮像部1は、レンズ部1aを通過する光の量を調整する絞りを備えていても良い。
【0022】
撮像制御部2は、撮像部1による被写体の撮像を制御する。即ち、撮像制御部2は、図示は省略するが、タイミング発生器、ドライバなどを備えている。そして、撮像制御部2は、タイミング発生器、ドライバにより電子撮像部1bを走査駆動して、所定周期毎に光学像を電子撮像部1bにより二次元の画像信号に変換させ、当該電子撮像部1bの撮像領域から1画面分ずつ画像フレームを読み出して画像データ生成部3に出力させる。
【0023】
また、撮像制御部2は、フォーカスレンズを光軸方向に移動させてレンズ部1aの合焦位置を調整するAF(自動合焦処理)を行うAF処理部2aを具備している。
AF処理部2aは、図示は省略するが、フォーカスモータ等の駆動源と、中央制御部12からの制御信号に従って駆動源を駆動させるドライバ等を具備している。そして、AF処理部2aは、画像処理部7の被写体検出部7a(後述)により検出されて被写体追跡部7b(後述)により追跡される特定の被写体を合焦対象とする。その後、AF処理部2aは、合焦対象の特定の被写体の追跡枠をAFエリアとし、AFエリア内の画像(特定の被写体)にフォーカス(ピント)を合わせるようにドライバにより駆動源を駆動させてフォーカスレンズを光軸方向に移動させることにより、レンズ部1aの合焦位置を調整する(自動合焦処理)。
なお、AF処理部2aは、レンズ部1aに代えて、電子撮像部1bを光軸方向に移動させてレンズ部1aの合焦位置を調整するようにしても良い。
このように、AF処理部2a及び中央制御部12は、被写体検出部7aにより検出された特定の被写体を合焦対象として焦点調整するAF(自動合焦処理)を行う。
【0024】
なお、被写体検出部7aにより特定の被写体が検出されていない「非検出状態」や、撮像装置100本体の周囲の明るさが所定の照度よりも小さい「暗い状態」や、撮像装置100本体に生じる加速度や角速度が所定の大きさ以上の「動きの大きい状態」では、AF処理部2aは、設定されているAFモードに応じたAFエリア(例えば、画角の略中央部)を設定して、レンズ部1aの合焦位置を調整する。
【0025】
また、撮像制御部2は、AE(自動露出処理)、AWB(自動ホワイトバランス)等の被写体を撮像する際の条件の調整制御を行う。
【0026】
画像データ生成部3は、電子撮像部1bから転送された画像フレームのアナログ値の信号に対してRGBの各色成分毎に適宜ゲイン調整した後に、サンプルホールド回路(図示略)でサンプルホールドしてA/D変換器(図示略)でデジタルデータに変換し、カラープロセス回路(図示略)で画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行った後、デジタル値の輝度信号Y及び色差信号Cb,Cr(YUVデータ)を生成する。
カラープロセス回路から出力される輝度信号Y及び色差信号Cb,Crは、図示しないDMAコントローラを介して、バッファメモリとして使用されるメモリ4にDMA転送される。
【0027】
メモリ4は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等により構成され、画像処理部7や中央制御部12等によって処理されるデータ等を一時記憶する。
【0028】
外部環境特定部5は、撮像装置100本体の外部環境に関する情報を検出して特定する。
ここで、撮像装置100本体の外部環境とは、撮像部1により画像を撮像したり、記録媒体Mなどに記録されている画像を再生して表示部10に表示する際に撮像装置100本体がおかれる環境のことである。
そして、外部環境特定部5は、外部環境に関する情報として、当該装置本体に対する圧力の情報、当該装置本体の外部の温度の情報、当該装置本体の外部の明るさの情報、当該装置本体の外部の音の情報、及び、当該装置本体に生じる動きの情報のうち、少なくとも何れか一の情報を検出する。
具体的には、外部環境特定部5は、例えば、圧力検出センサ(図示略)を具備し、この圧力検出センサからの出力信号に基づいて、当該装置本体に対する大気圧や水圧等に係る圧力情報を特定する。また、外部環境特定部5は、例えば、温度検出センサ(図示略)を具備し、この温度検出センサからの出力信号に基づいて、当該装置本体の周囲の気温等に係る温度情報を特定する。また、外部環境特定部5は、例えば、照度検出センサ(図示略)を具備し、この照度検出センサからの出力信号に基づいて、当該装置本体の周囲の明るさ(暗さ)等に係る明るさ情報を特定する。また、外部環境特定部5は、例えば、音検出センサ(図示略)を具備し、この音検出センサからの出力信号に基づいて、当該装置本体の周囲にて発せられた音の音量等に係る発音情報を特定する。また、外部環境特定部5は、例えば、加速度検出センサや角速度検出センサなどの動き検出センサ(図示略)を具備し、この動き検出センサからの出力信号に基づいて、当該装置本体に生じる動きの大きさ等の動き情報を特定する。
【0029】
なお、上記の圧力検出センサ、温度検出センサ、照度検出センサ、音検出センサ、動き検出センサは、例えば、当該装置本体内に搭載されても良いし、所定の通信ケーブルにより外部接続されたものであっても良い。また、外部環境に関する情報として例示したものは一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
このように、外部環境特定部5は、撮像装置100本体の外部環境に関する情報を特定する環境特定手段を構成している。
【0030】
外部環境判定部6は、第1判定部6aと、第2判定部6bとを具備している。
【0031】
第1判定部6aは、撮像装置100本体が特定の環境下にあるか否かを判定する。
即ち、第1判定部6aは、外部環境特定部5により特定された各種の外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する。ここで、特定の環境は、複数規定されており、例えば、「水中」、「低温下」、「静かな状態にて発音が生じた状態」などが挙げられる。
具体的には、第1判定部6aは、外部環境特定部5により特定された圧力情報に基づいて、撮像装置100本体に対する圧力が海面での大気圧(1気圧)よりも大きくなっているか否かを判定する。そして、当該判定結果に応じて、第1判定部6aは、撮像装置100本体が特定の環境としての「水中」に存するか否か(即ち、「陸上」に存しないか否か)を判定する。なお、撮像装置100本体が「水中」に存するか否かの判定にあっては、外部環境特定部5の水分検出センサ(図示略)により検出された水分に関する情報を利用するようにしても良い。
また、第1判定部6aは、外部環境特定部5により特定された温度情報に基づいて、撮像装置100本体の周囲の気温が所定の温度(例えば、摂氏0「ゼロ」度)以下となっているか否かを判定する。そして、当該判定結果に応じて、第1判定部6aは、撮像装置100本体が特定の環境としての「低温下」におかれているか否か(即ち、「常温下」や「高温下」におかれていないか否か)を判定する。
また、第1判定部6aは、外部環境特定部5により特定された発音情報に基づいて、撮像装置100本体が所定の音圧レベル以下の静かな状態(例えば、無音状態など)におかれている状態にて、装置本体の周囲にて発せられた音(例えば、「音声」や「物音」など)の音圧レベルが所定の閾値以上となったか否かを判定する。そして、当該判定結果に応じて、第1判定部6aは、撮像装置100本体が特定の環境としての「静かな状態にて発音が生じた状態」にあるか否かを判定する。
【0032】
また、同様に、第1判定部6aは、外部環境特定部5により特定された明るさ情報に基づいて、撮像装置100本体の周囲の明るさが所定の照度以上となっているか否かを判定する。そして、当該判定結果に応じて、第1判定部6aは、撮像装置100本体が特定の環境としての「明るい環境下」におかれているか否か(即ち、「暗い環境下」におかれていないか否か)を判定する。
また、第1判定部6aは、外部環境特定部5により特定された動き情報に基づいて、撮像装置100本体に生じる加速度や角速度が所定の大きさ以下となっているか否かを判定する。そして、当該判定結果に応じて、第1判定部6aは、撮像装置100本体が特定の環境としての「動きが少ない状態」におかれているか否か(即ち、「動きが大きい状態」におかれていないか否か)を判定する。
【0033】
なお、第1判定部6aにより判定される特定の環境として例示したものは一例であってこれらに限られるものではなく、当該撮像装置100の使用環境として想定される環境であれば適宜任意に変更可能である。
ここで、第1判定部6aは、外部環境特定部5により特定された外部環境に関する情報に基づいて、撮像装置100本体が特定の環境下にあるか否かを判定する第1判定手段を構成している。
【0034】
第2判定部6bは、特定の環境下にて所定の変化が生じたか否かを判定する。
即ち、第2判定部6bは、撮像装置100本体が特定の環境下にある状態で、外部環境や撮像状態に所定の変化が生じたか否かを判定する。
具体的には、第2判定部6bは、撮像装置100本体が所定の照度以上の「明るい環境下」におかれている状態で、外部環境特定部5により特定された外部環境に関する情報としての明るさ情報に基づいて、装置本体の周囲の明るさが所定の照度よりも暗い状態に変化したか否かを判定する。そして、当該判定結果に応じて、第2判定部6bは、撮像装置100本体の周囲が明るい状態から所定の変化として明るさが暗く変化したか否かを判定する。
また、第2判定部6bは、撮像装置100本体に生じる加速度や角速度が所定の大きさ以下の「動きが少ない状態」にて、外部環境特定部5により特定された外部環境に関する情報としての動き情報に基づいて、装置本体に生じる加速度や角速度が所定の大きさよりも大きくなったか否かを判定する。そして、当該判定結果に応じて、第2判定部6bは、撮像装置100本体に生じる動きが少ない状態から所定の変化として装置本体に生じる動きが大きく変化したか否かを判定する。
【0035】
なお、第2判定部6bにより判定される特定の環境下にて生じる所定の変化として例示したものは一例であってこれらに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
ここで、第2判定部6bは、第1判定部6aにより特定の環境下にあると判定された後、当該特定の環境下にて所定の変化が生じたか否かを判定する第2判定手段を構成している。
【0036】
画像処理部7は、メモリ4から画像データを取得して、当該画像データに対する所定の画像処理を行う。具体的には、画像処理部7は、被写体検出部7aと、被写体追跡部7bとを具備している。
【0037】
被写体検出部7aは、撮像部1により撮像された画像から特定の被写体を検出する。
即ち、被写体検出部7aは、撮像部1により撮像された画像の画像データをメモリ4から取得して、当該画像から被写体追跡処理の追跡対象や自動合焦処理の合焦対象となる特定の被写体を検出する。具体的には、被写体検出部7aは、例えば、顔検出処理、エッジ検出処理、特徴抽出処理等の各種画像処理によって特定の被写体の候補となる画像領域(候補領域)を抽出し、抽出された候補領域の中で所定の識別条件を満たすものを特定の被写体として検出する。
ここで、所定の識別条件としては、例えば、「ヒトの顔」や「魚(動物)」などの形状を基準とするものや、画角全体の画像に対する割合(例えば、半分以上であるか)などの大きさを基準とするものや、明度や彩度が高く鮮やかな(派手な)色合いであるか否かや肌色であるか否かなどの色調を基準とするものや、静止物体であるか動体であるかなどの動き(静動)を基準とするもの等が挙げられる。
また、被写体検出部7aは、外部環境判定部6の第1判定部6aにより判定された複数の特定の環境の各々に応じて、所定の識別条件を異ならせて当該特定の被写体を検出する。例えば、第1判定部6aにより撮像装置100本体が「水中」に存すると判定された場合には、被写体検出部7aは、形状として「ヒトの顔」よりも「魚」を優先させたり、色調として肌色であるか否かよりも派手な色合いであるか否かを優先させるように所定の識別条件を設定して、特定の被写体として「魚」を検出する。また、例えば、第1判定部6aにより撮像装置100本体が「水中」に存しないと判定された(即ち、「陸上」に存する)場合には、被写体検出部7aは、形状として「魚」よりも「ヒトの顔」を優先させたり、色調として派手な色合いであるか否かよりも肌色であるか否かを優先させるように所定の識別条件を設定して、特定の被写体として「ヒトの顔」を検出する。
【0038】
なお、候補領域の中で所定の識別条件を満たすものが複数検出された場合には、被写体検出部7aは、例えば、撮像距離が最も近いものや、大きさの最も大きいものや、画角内の最も中央寄りに位置しているものや、色合いが最も派手なものなどを優先して特定の被写体として検出するようにしても良い。また、被写体検出部7aは、予め複数の所定の識別条件に優先順位を設定しておき、当該優先順位を考慮して特定の被写体を検出しても良い。
【0039】
なお、顔検出処理やエッジ検出処理や特徴抽出処理は、公知の技術であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
このように、被写体検出部7aは、第1判定部6aにより特定の環境下にあると判定された場合に、撮像部1により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する被写体検出手段を構成している。
【0040】
また、被写体検出部7aは、外部環境判定部6の第2判定部6bにより特定の環境下にて所定の変化が生じたと判定された場合に、特定の被写体の検出を再度行う。即ち、撮像装置100本体が特定の環境下にある状態で、外部環境や撮像状態に所定の変化が生じた場合には、被写体追跡処理の追跡対象や自動合焦処理の合焦対象となる特定の被写体を見失う虞があることから、被写体検出部7aは、メモリ4から撮像部1により撮像された画像の画像データを新たに取得して、当該画像から所定の識別条件を満たす特定の被写体を検出する。
なお、特定の被写体の具体的な検出方法は、上記したものと同様であり、その詳細な説明は省略する。
【0041】
被写体追跡部7bは、被写体検出部7aにより検出された特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理を行う。
即ち、被写体追跡部7bは、撮像部1により撮像された一の画像フレームから被写体検出部7aにより検出された特定の被写体を追跡対象として設定し、当該追跡対象の特定の被写体を隣合う画像フレーム間で動体解析により追跡する。
【0042】
ここで、動体解析の一例について詳細に説明する。
被写体追跡部7bは、被写体検出部7aによる被写体検出処理によって一の画像フレームから特定の被写体が検出されると、当該特定の被写体と重なるように追跡枠(例えば、矩形枠等)を設定する。また、被写体追跡部7bは、追跡枠の各角部の座標を取得し、取得された座標を追跡用座標としてメモリ4に記憶する。
そして、被写体追跡部7bは、追跡枠内の特定の被写体の輝度情報や色情報等の画像情報をテンプレートとして、次の画像フレームにて追跡枠の角部の座標(追跡用座標)近傍の所定の動体探索範囲内を所定方向に走査してマッチングを行い、最も近似性の高い部分を特定の被写体とする。その後、被写体追跡部7bは、最も近似性が高いと判定された特定の被写体と重なるように追跡枠を設定した後、設定された追跡枠の各角部の座標を取得して当該座標によりメモリ4の追跡用座標を更新する。さらに、被写体追跡部7bは、追跡枠内の特定の被写体の輝度情報や色情報等の画像情報をテンプレートとして更新する。
上記の処理を、被写体追跡部7bは、撮像部1により順次撮像される複数の画像フレームの各々に対して逐次実行することにより、マッチングに用いるテンプレートが更新されていく。そのため特定の被写体が経時的に変化しても当該特定の被写体を動体として追跡することができる。
【0043】
なお、上記した動体解析の方法は一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。また、被写体追跡処理として動体解析を適用したものを例示したが、これに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0044】
記録媒体制御部8は、記録媒体Mが着脱自在に構成され、装着された記録媒体Mからのデータの読み出しや記録媒体Mに対するデータの書き込みを制御する。
即ち、記録媒体制御部8は、画像処理部7の符号化部(図示略)により所定の圧縮形式(例えば、JPEG形式等)で符号化された記録用の画像データを記録媒体Mに記録させる。具体的には、被写体追跡部7bによる被写体追跡処理及びAF処理部2aによる自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理が実行された後、ユーザによる操作入力部11のシャッタボタンの所定操作の有無に関わらず、記録媒体制御部(第2制御手段)8は、撮像部1により撮像された特定の被写体を含む画像の画像データを記録媒体(記録手段)Mに記録させる。
【0045】
なお、記録媒体Mは、例えば、不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)等により構成されるが、一例であってこれに限られるものではなく、適宜任意に変更可能である。
【0046】
表示制御部9は、メモリ4に一時的に記憶されている表示用の画像データを読み出して表示部10に表示させる制御を行う。
具体的には、表示制御部9は、VRAM(Video Random Access Memory)、VRAMコントローラ、デジタルビデオエンコーダなどを備えている。そして、デジタルビデオエンコーダは、中央制御部12の制御下にてメモリ4から読み出されてVRAM(図示略)に記憶されている輝度信号Y及び色差信号Cb,Crを、VRAMコントローラを介してVRAMから定期的に読み出して、これらのデータを元にビデオ信号を発生して表示部10に出力する。
【0047】
表示部10は、例えば、液晶表示パネルであり、表示制御部9からのビデオ信号に基づいて電子撮像部1bにより撮像された画像などを表示画面に表示する。具体的には、表示部10は、静止画撮像モードや動画撮像モードにて、撮像部1及び撮像制御部2による被写体の撮像により生成された複数の画像フレームを所定のフレームレートで逐次更新しながらライブビュー画像を表示する。また、表示部10は、静止画として記録される画像(レックビュー画像)を表示したり、動画として記録中の画像を表示する。
【0048】
操作入力部11は、当該撮像装置100の所定操作を行うためのものである。具体的には、操作入力部11は、被写体の撮影指示に係るシャッタボタン、撮像モードや機能等の選択指示に係る選択決定ボタン、ズーム量の調整指示に係るズームボタン等を備え(いずれも図示略)、これらのボタンの操作に応じて所定の操作信号を中央制御部12に出力する。
【0049】
中央制御部12は、撮像装置100の各部を制御するものである。具体的には、中央制御部12は、図示は省略するが、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、撮像装置100用の各種処理プログラム(図示略)に従って各種の制御動作を行う。
【0050】
また、中央制御部12は、被写体検出部7aにより検出された特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理を被写体追跡部7bに実行させる。また、中央制御部12は、被写体検出部7aにより検出された特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理をAF処理部2aに実行させる。
なお、中央制御部12は、必ずしも被写体追跡部7bによる被写体追跡処理及びAF処理部2aによる自動合焦処理の両方の処理の実行を制御する必要はなく、何れか一方の処理の実行を制御しても良い。
ここで、中央制御部12は、被写体検出部7aにより検出された特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する第1制御手段を構成している。
【0051】
次に、撮像装置100によるメイン処理について図2及び図3を参照して説明する。
図2は、メイン処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
メイン処理は、ユーザによる操作入力部11の選択決定ボタンの所定操作に基づいて、メニュー画面に表示された複数の動作モードの中から静止画像や動画像の撮像モードが選択指示された場合に実行される処理である。
【0052】
図2に示すように、先ず、中央制御部12は、メモリ4に記憶されている各種フラグやカウント(後述)などを初期化(イニシャライズ)し(ステップS1)、その後、外部環境特定部5は、撮像装置100本体の外部環境に関する情報を取得する(ステップS2)。具体的には、外部環境特定部5は、例えば、圧力検出センサ、温度検出センサ、照度検出センサ、音検出センサ及び動き検出センサからの出力信号に基づいて、当該装置本体に対する大気圧や水圧等に係る圧力情報、当該装置本体の周囲の気温等に係る温度情報、当該装置本体の周囲の明るさ(暗さ)等に係る明るさ情報、当該装置本体の周囲にて発せられた音の音量等に係る発音情報及び当該装置本体に生じる動きの大きさ等の動き情報などを特定して取得する。
【0053】
次に、外部環境判定部6の第1判定部6aは、外部環境特定部5により取得された明るさ情報に基づいて、撮像装置100本体の周囲の明るさが所定の照度よりも暗くなっているか否かに応じて、撮像装置100本体が「暗い状態」におかれているか否かを判定する(ステップS3)。
ここで、撮像装置100本体が「暗い状態」におかれていると判定されると(ステップS3;YES)、中央制御部12は、撮像装置100本体の外部環境が「静かな状態」となっている期間の特定用のカウントをクリアすると共に、外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグに「0」をセットする(ステップS4)。続けて、中央制御部12は、被写体追跡処理にて特定の被写体を追跡対象としている「被写体ロック状態」を解除する(ステップS5)。これにより、撮像制御部2のAF処理部2aは、設定されているAFモードに応じたAFエリア(例えば、画角の略中央部など)を設定して、レンズ部1aの合焦位置を調整する。
なお、「被写体ロック状態」の解除後、ユーザによる操作入力部11のシャッタボタンの所定操作の有無に関わらず、記録媒体制御部8は、撮像部1により撮像された画像の画像データを記録媒体Mに記録させるようにしても良い。また、このとき、記録媒体制御部8は、画像データを一枚、或いは、連続して撮像された複数枚分を記録媒体Mに記録させる。
【0054】
その後、中央制御部12は、図2及び図3のメイン処理にて詳細に説明される以外の各種処理(その他の処理)を実行した後(ステップS6)、処理をステップS2に移行して、上記と同様に、外部環境特定部5は、撮像装置100本体の外部環境に関する情報を取得する(ステップS2)。
【0055】
一方、ステップS3にて、撮像装置100本体が「暗い状態」におかれていないと判定されると(ステップS3;NO)、即ち、撮像装置100本体の周囲の明るさが所定の照度以上の「明るい状態」であることから、第1判定部6aは、外部環境特定部5により取得された動き情報に基づいて、撮像装置100本体に生じる加速度や角速度が所定の大きさよりも大きくなっているか否かに応じて、撮像装置100本体が「動きが大きい状態」におかれているか否かを判定する(ステップS7)。
ここで、撮像装置100本体が「動きが大きい状態」におかれていると判定されると(ステップS7;YES)、中央制御部12は、処理をステップS4に移行して、上記と同様に、撮像装置100本体の外部環境が「静かな状態」となっている期間の特定用のカウントをクリアすると共に、外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグに「0」をセットした後(ステップS4)、それ以降の処理を実行する。
【0056】
なお、ステップS5における「被写体ロック状態」の解除後、ユーザによる操作入力部11のシャッタボタンの所定操作の有無に関わらず、記録媒体制御部8は、撮像部1により撮像された画像の画像データを記録媒体Mに記録させるようにしても良い。また、このとき、記録媒体制御部8は、画像データを一枚、或いは、連続して撮像された複数枚分を記録媒体Mに記録させる。
【0057】
一方、ステップS7にて、撮像装置100本体が「動きが大きい状態」におかれていないと判定されると(ステップS7;NO)、即ち、撮像装置100本体に生じる加速度や角速度が所定の大きさ以下の「動きが小さい状態」であることから、第1判定部6aは、外部環境特定部5により取得された圧力情報に基づいて、撮像装置100本体に対する圧力が海面での大気圧(1気圧)よりも大きくなっているか否かに応じて、撮像装置100本体が「圧力が高い状態(水中)」におかれているか否かを判定する(ステップS8)。
ここで、撮像装置100本体が「圧力が高い状態(水中)」におかれていると判定されると(ステップS8;YES)、中央制御部12は、撮像装置100本体の外部環境が「静かな状態」となっている期間の特定用のカウントをクリアすると共に、外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグに「0」をセットする(ステップS9)。続けて、中央制御部12は、画像処理部7の被写体検出部7aによる被写体の識別条件を「水中」用とした被写体追跡処理(水中用)の実行を制御する(ステップS10;図3参照)。
【0058】
ここで、図3を参照して、ステップS10における被写体追跡処理(水中用)について詳細に説明する。
図3は、被写体追跡処理に係る動作の一例を示すフローチャートである。
なお、被写体追跡処理(水中用)及び後述する被写体追跡処理(陸上用)は、メイン処理のサブルーチンとして実行される処理であり、メイン処理内で所定のタイミングで繰り返し実行される。
【0059】
図3に示すように、先ず、中央制御部12は、被写体追跡処理にて特定の被写体を追跡対象としている「被写体ロック状態」であるか否かを判定する(ステップS31)。
ここで、「被写体ロック状態」でないと判定されると(ステップS31;NO)、画像処理部7の被写体検出部7aは、撮像部1により撮像されてメモリ4に記憶されている画像の画像データを取得した後、当該画像内で撮像装置100本体の外部環境「水中」に応じた所定の識別条件で特定の被写体「魚」を探索する被写体検出処理を行う(ステップS32)。具体的には、被写体検出部7aは、例えば、形状として「ヒトの顔」よりも「魚」を優先させたり、色調として肌色であるか否かよりも派手な色合いであるか否かを優先させるように所定の識別条件を設定した後、メモリ4から取得した画像内で特定の被写体「魚」を探索する。
【0060】
次に、被写体検出部7aは、被写体検出処理にて特定の被写体「魚」を検出したか否かを判定する(ステップS33)。ここで、特定の被写体「魚」を検出したと判定されると(ステップS33;YES)、被写体追跡部7bは、被写体検出部7aにより検出された特定の被写体「魚」を追跡対象として設定(被写体ロック)する(ステップS34)。
続けて、撮像制御部2のAF処理部2aは、被写体追跡部7bにより追跡対象として設定されている特定の被写体「魚」を合焦対象として設定する。そして、AF処理部2aは、合焦対象の特定の被写体の追跡枠をAFエリアとし、ドライバにより駆動源を駆動させてフォーカスレンズを光軸方向に移動させてAFエリア内の画像にフォーカスを合わせる自動合焦処理を行う(ステップS35)。
これにより、被写体追跡処理を終了する。
【0061】
一方、ステップS33にて、特定の被写体「魚」を検出していないと判定されると(ステップS33;NO)、中央制御部12は、ステップS34、S35をスキップして、当該被写体追跡処理を終了させる。
【0062】
また、ステップS31にて、「被写体ロック状態」であると判定されると(ステップS31;YES)、中央制御部12は、被写体追跡部7bにより追跡中の特定の被写体「魚」が消失したか否かを判定する(ステップS36)。具体的には、中央制御部12は、被写体追跡部7bによる特定の被写体の追跡結果に基づいて、メモリ4に記憶されている追跡用座標が画角内から外れたか否かや、追跡用座標により規定される追跡枠の大きさが所定の大きさよりも小さくなったか否かに応じて追跡中の特定の被写体が消失したか否かを判定する。
ここで、追跡対象である特定の被写体「魚」が消失したと判定されると(ステップS36;YES)、中央制御部12は、被写体追跡処理にて特定の被写体「魚」を追跡対象としている「被写体ロック状態」を解除する(ステップS37)。これにより、撮像制御部2のAF処理部2aは、設定されているAFモードに応じたAFエリア(例えば、画角の略中央部など)を設定して、レンズ部1aの合焦位置を調整する。
その後、中央制御部12は、処理をステップS32に移行して、上記と同様に、被写体検出部7aは、撮像部1により撮像されてメモリ4に記憶されている画像の画像データを取得した後、当該画像内で撮像装置100本体の外部環境「水中」に応じた所定の識別条件で特定の被写体「魚」を探索する被写体検出処理を行う(ステップS32)。
【0063】
一方、ステップS36にて、追跡対象である特定の被写体「魚」が消失していないと判定されると(ステップS36;NO)、特定の被写体「魚」を追跡中であることから、中央制御部12は、処理をステップS35に移行して、上記と同様に、AF処理部2aは、被写体追跡部7bにより追跡対象として設定されている特定の被写体「魚」を合焦対象として設定する。そして、AF処理部2aは、合焦対象の特定の被写体「魚」の追跡枠をAFエリアとし、フォーカスレンズを光軸方向に移動させてAFエリア内の画像にフォーカスを合わせる自動合焦処理を行う(ステップS35)。
その後、被写体追跡処理を終了する。
【0064】
なお、ステップS35の自動合焦処理の後、ユーザによる操作入力部11のシャッタボタンの所定操作の有無に関わらず、記録媒体制御部8は、撮像部1により撮像された特定の被写体を含む画像の画像データを記録媒体Mに記録させるようにしても良い。また、このとき、記録媒体制御部8は、特定の被写体を含む画像の画像データを一枚、或いは、連続して撮像された複数枚分を記録媒体Mに記録させる。
【0065】
図2に示すように、被写体追跡処理(水中用)の終了後、中央制御部12は、処理をステップS6に移行して、その他の各種処理を実行する(ステップS6)。
【0066】
一方、ステップS8にて、撮像装置100本体が「圧力が高い状態(水中)」におかれていないと判定されると(ステップS8;NO)、撮像装置100本体が「圧力があまり高くない状態(例えば、平地や高地といった陸上)」におかれている状態であることから、第1判定部6aは、外部環境特定部5により取得された温度情報に基づいて、撮像装置100本体の周囲の気温が所定の温度(例えば、摂氏0「ゼロ」度)以下となっているか否かに応じて、撮像装置100本体が「低温下(低温状態)」におかれているか否かを判定する(ステップS11)。
ここで、撮像装置100本体が「低温状態」におかれていると判定されると(ステップS11;YES)、中央制御部12は、撮像装置100本体の外部環境が「静かな状態」となっている期間の特定用のカウントをクリアすると共に、外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグに「0」をセットする(ステップS12)。続けて、中央制御部12は、被写体検出部7aによる被写体の識別条件を「陸上」用とした被写体追跡処理(陸上用)の実行を制御する(ステップS13;図3参照)。
【0067】
ここで、図3を参照して、ステップS13における被写体追跡処理(陸上用)について詳細に説明する。
なお、被写体追跡処理(陸上用)は、追跡対象や自動合焦処理の合焦対象となる特定の被写体の識別条件を異ならせた以外の点で被写体追跡処理(水中用)と略同様となっている。
【0068】
図3に示すように、先ず、中央制御部12は、被写体追跡処理にて特定の被写体を追跡対象としている「被写体ロック状態」であるか否かを判定する(ステップS31)。
ここで、「被写体ロック状態」でないと判定されると(ステップS31;NO)、画像処理部7の被写体検出部7aは、撮像部1により撮像されてメモリ4に記憶されている画像の画像データを取得した後、当該画像内で撮像装置100本体の外部環境「陸上」に応じた所定の識別条件で特定の被写体「ヒトの顔」を探索する被写体検出処理を行う(ステップS32)。具体的には、被写体検出部7aは、例えば、形状として「魚」よりも「ヒトの顔」を優先させたり、色調として派手な色合いであるか否かよりも肌色であるか否かを優先させるように所定の識別条件を設定した後、メモリ4から取得した画像内で特定の被写体「ヒトの顔」を探索する。
【0069】
次に、被写体検出部7aは、被写体検出処理にて特定の被写体「ヒトの顔」を検出したか否かを判定する(ステップS33)。ここで、特定の被写体「ヒトの顔」を検出したと判定されると(ステップS33;YES)、被写体追跡部7bは、被写体検出部7aにより検出された特定の被写体「ヒトの顔」を追跡対象として設定(被写体ロック)する(ステップS34)。
続けて、撮像制御部2のAF処理部2aは、被写体追跡部7bにより追跡対象として設定されている特定の被写体「ヒトの顔」を合焦対象として設定する。そして、AF処理部2aは、合焦対象の特定の被写体の追跡枠をAFエリアとし、ドライバにより駆動源を駆動させてフォーカスレンズを光軸方向に移動させてAFエリア内の画像にフォーカスを合わせる自動合焦処理を行う(ステップS35)。
これにより、被写体追跡処理を終了する。
【0070】
一方、ステップS33にて、特定の被写体「ヒトの顔」を検出していないと判定されると(ステップS33;NO)、中央制御部12は、ステップS34、S35をスキップして、当該被写体追跡処理を終了させる。
【0071】
また、ステップS31にて、「被写体ロック状態」であると判定されると(ステップS31;YES)、中央制御部12は、被写体追跡部7bにより追跡中の特定の被写体「ヒトの顔」が消失したか否かを判定する(ステップS36)。具体的には、中央制御部12は、被写体追跡部7bによる特定の被写体の追跡結果に基づいて、メモリ4に記憶されている追跡用座標が画角内から外れたか否かや、追跡用座標により規定される追跡枠の大きさが所定の大きさよりも小さくなったか否かに応じて追跡中の特定の被写体が消失したか否かを判定する。
ここで、追跡対象である特定の被写体「ヒトの顔」が消失したと判定されると(ステップS36;YES)、中央制御部12は、被写体追跡処理にて特定の被写体「ヒトの顔」を追跡対象としている「被写体ロック状態」を解除する(ステップS37)。これにより、撮像制御部2のAF処理部2aは、設定されているAFモードに応じたAFエリア(例えば、画角の略中央部など)を設定して、レンズ部1aの合焦位置を調整する。
その後、中央制御部12は、処理をステップS32に移行して、上記と同様に、被写体検出部7aは、撮像部1により撮像されてメモリ4に記憶されている画像の画像データを取得した後、当該画像内で撮像装置100本体の外部環境「陸上」に応じた所定の識別条件で特定の被写体「ヒトの顔」を探索する被写体検出処理を行う(ステップS32)。
【0072】
一方、ステップS36にて、追跡対象である特定の被写体「ヒトの顔」が消失していないと判定されると(ステップS36;NO)、特定の被写体「ヒトの顔」を追跡中であることから、中央制御部12は、処理をステップS35に移行して、上記と同様に、AF処理部2aは、被写体追跡部7bにより追跡対象として設定されている特定の被写体「ヒトの顔」を合焦対象として設定する。そして、AF処理部2aは、合焦対象の特定の被写体「ヒトの顔」の追跡枠をAFエリアとし、フォーカスレンズを光軸方向に移動させてAFエリア内の画像にフォーカスを合わせる自動合焦処理を行う(ステップS35)。
その後、被写体追跡処理を終了する。
【0073】
なお、ステップS35の自動合焦処理の後、ユーザによる操作入力部11のシャッタボタンの所定操作の有無に関わらず、記録媒体制御部8は、撮像部1により撮像された特定の被写体を含む画像の画像データを記録媒体Mに記録させるようにしても良い。また、このとき、記録媒体制御部8は、特定の被写体を含む画像の画像データを一枚、或いは、連続して撮像された複数枚分を記録媒体Mに記録させる。
【0074】
図2に示すように、被写体追跡処理(陸上用)の終了後、中央制御部12は、処理をステップS6に移行して、その他の各種処理を実行する(ステップS6)。
【0075】
一方、ステップS11にて、撮像装置100本体が「低温状態」におかれていないと判定されると(ステップS11;NO)、第1判定部6aは、外部環境特定部5により取得された発音情報に基づいて、撮像装置100本体の周囲にて発せられた音(例えば、「音声」や「物音」など)の音圧レベルが所定の閾値よりも小さいか否かに応じて、装置本体が所定の音圧レベル以下の「静かな状態」におかれているか否かを判定する(ステップS14)。
ここで、撮像装置100本体が「静かな状態」におかれていないと判定されると(ステップS14;NO)、撮像装置100本体の周囲が「騒がしい状態」であることから、中央制御部12は、撮像装置100本体の外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0076】
ステップS15にて、外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグが「1」でないと判定されると(ステップS15;NO)、中央制御部12は、撮像装置100本体の外部環境が「静かな状態」となっている期間の特定用のカウントをクリアする(ステップS16)。
その後、中央制御部12は、被写体追跡処理にて特定の被写体を追跡対象としている「被写体ロック状態」を解除する(ステップS17)。これにより、撮像制御部2のAF処理部2aは、設定されているAFモードに応じたAFエリア(例えば、画角の略中央部など)を設定して、レンズ部1aの合焦位置を調整する。
なお、「被写体ロック状態」の解除後、ユーザによる操作入力部11のシャッタボタンの所定操作の有無に関わらず、記録媒体制御部8は、撮像部1により撮像された画像の画像データを記録媒体Mに記録させるようにしても良い。また、このとき、記録媒体制御部8は、画像データを一枚、或いは、連続して撮像された複数枚分を記録媒体Mに記録させる。
その後、中央制御部12は、処理をステップS6に移行して、その他の各種処理を実行する(ステップS6)。
【0077】
一方、ステップS14にて、撮像装置100本体が「静かな状態」におかれていると判定されると(ステップS14;YES)、中央制御部12は、撮像装置100本体の外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS18)。
ここで、外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグが「1」でないと判定されると(ステップS18;NO)、中央制御部12は、撮像装置100本体の外部環境が「静かな状態」となっている期間の特定用のカウントをインクリメント(カウントUP)した後(ステップS19)、当該カウントが所定時間(例えば、10分など)を超えたか否かを判定する(ステップS20)。
なお、ステップS19におけるカウントUPは、所定期間が経過する毎に行うようにしても良い。
【0078】
ステップS20にて、外部環境が「静かな状態」となっている期間の特定用のカウントが所定時間を超えていないと判定されると(ステップS20;NO)、中央制御部12は、処理をステップS17に移行して、上記と同様に、被写体追跡処理にて特定の被写体を追跡対象としている「被写体ロック状態」を解除する(ステップS17)。これにより、撮像制御部2のAF処理部2aは、設定されているAFモードに応じたAFエリア(例えば、画角の略中央部など)を設定して、レンズ部1aの合焦位置を調整する。
その後、中央制御部12は、処理をステップS6に移行して、その他の各種処理を実行する(ステップS6)。
【0079】
一方、ステップS20にて、外部環境が「静かな状態」となっている期間の特定用のカウントが所定時間を超えたと判定されると(ステップS20;YES)、中央制御部12は、撮像装置100本体の外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグに「1」をセットした後(ステップS21)、処理をステップS6に移行して、その他の各種処理を実行する(ステップS6)。
その後、ステップS18における、撮像装置100本体の外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグが「1」であるか否かの判定にて、当該フラグが「1」であると判定されると(ステップS18;YES)、中央制御部12は、処理をステップS6に移行して、その他の各種処理を実行する(ステップS6)。
つまり、撮像装置100本体の外部環境が「静かな状態」となっている間は、被写体追跡部7bによる被写体追跡処理は実行されずに、その時点のレンズ部1aの合焦位置が保持される。
【0080】
そして、撮像装置100本体の外部環境が所定期間「静かな状態」となった後、ステップS14にて、第1判定部6aは、外部環境特定部5により特定された発音情報に基づいて、撮像装置100本体の周囲にて発せられた音(例えば、「音声」や「物音」など)の音圧レベルが所定の閾値よりも小さいか否かに応じて、装置本体が所定の音圧レベル以下の「静かな状態」におかれているか否かを判定する(ステップS14)。即ち、第1判定部6aは、撮像装置100本体が所定の音圧レベル以下の静かな状態(例えば、無音状態など)におかれている状態にて、撮像装置100本体の周囲にて発せられた音(例えば、「音声」や「物音」など)の音圧レベルが所定の閾値以上となったか否かに応じて、撮像装置100本体が「静かな状態にて発音が生じた状態」にあるか否かを判定する。
ここで、撮像装置100本体が所定の音圧レベル以下の「静かな状態」におかれていない、即ち、撮像装置100本体が「静かな状態にて発音が生じた状態」にあると判定されると(ステップS14;YES)、中央制御部12は、処理をステップS15に移行して、上記と同様に、撮像装置100本体の外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグが「1」であるか否かを判定する(ステップS15)。
【0081】
ステップS15にて、外部環境が所定時間「静かな状態」となったか否かの判定用のフラグが「1」であると判定されると(ステップS15;YES)、中央制御部12は、処理をステップS13に移行して、上記と同様に、被写体検出部7aによる被写体の識別条件を「陸上」用とした被写体追跡処理(陸上用)の実行を制御する(ステップS13;図3参照)。
なお、ここでの被写体追跡処理(陸上用)は、上記したものと略同様であり、その詳細な説明は省略する。
従って、撮像装置100本体の外部環境が所定時間「静かな状態」となった後、撮像装置100本体の外部環境にて発音(例えば、物音など)が生じて、「静かな状態にて発音が生じた状態」に移行すると、被写体追跡部7bによる被写体追跡処理が実行される。
【0082】
以上のように、本実施形態の撮像装置100によれば、例えば、当該装置本体に対する圧力の情報、当該装置本体の外部の温度の情報、当該装置本体の外部の明るさの情報、当該装置本体の外部の音の情報、及び、当該装置本体に生じる動きの情報といった当該装置本体の外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下(例えば、「水中」など)にあるか否かを判定して、当該判定の結果、特定の環境下にあると判定された場合に、撮像部1により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を適正に検出することができる。具体的には、特定の環境が複数規定されており、これら複数の特定の環境の各々に応じて特定の被写体の識別条件を異ならせて当該特定の被写体を検出するので、撮像装置100本体の外部環境が変化しても、外部環境が特定の環境である場合には、特定の環境に応じた特定の被写体の識別条件を設定して、当該特定の被写体の検出を適正に行うことができる。
そして、撮像装置100は、特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理を実行するので、動体としての特定の被写体を画角内で常に追跡したり、特定の被写体にフォーカスを合わせることができることとなって、従来の主として画質に係る条件を調整する装置に比べて特定の被写体を含む画像を撮像する際のユーザの負担を軽減することができる。これにより、当該撮像装置100本体の外部環境が変化しても、特定の被写体を含む画像の撮像を適正に行うことができる。
【0083】
また、撮像装置100本体に対する圧力の情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境としての「水中」に存するか否かを判定したり、撮像装置100本体の外部の温度の情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境としての「低温下」にあるか否かを判定したり、撮像装置100本体の外部の音の情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境としての「静かな状態にて発音が生じた状態」にあるか否かを判定するので、「水中」や「低温下」や「静かな状態にて発音が生じた状態」といった当該装置本体の外部環境(特定の環境)の特定を適正に行うことができ、撮像装置100本体の外部環境が特定の環境下にある場合に、被写体追跡処理や自動合焦処理の処理対象となる特定の被写体を適正に検出することができる。
特に、撮像装置100本体の外部環境が特定の環境となった場合に、当該特定の環境に応じた特定の被写体の識別条件を設定する。例えば、当該装置本体が「水中」にある場合には、形状として「ヒトの顔」よりも「魚」を優先させたり、色調として肌色であるか否かよりも派手な色合いであるか否かを優先させるように所定の識別条件を設定して、特定の被写体として「魚」を検出する。一方、当該装置本体が「水中」に存しない、即ち、「陸上」に存する場合には、形状として「魚」よりも「ヒトの顔」を優先させたり、色調として派手な色合いであるか否かよりも肌色であるか否かを優先させるように所定の識別条件を設定して、特定の被写体として「ヒトの顔」を検出する。
このように、外部環境に応じて特定の被写体の識別条件を設定することにより、撮像装置100本体が「陸上」に比べて操作し難い「水中」にある場合や、「常温下」に比べて操作し難い「低温下」にある場合などに、被写体追跡処理や自動合焦処理の処理対象となる特定の被写体の検出の容易化を図ることができる。また、撮像装置100本体が「静かな状態」におかれた後、音声や物音といった発音が生じた「静かな状態にて発音が生じた状態」を特定の環境として判定することで、例えば、室内への侵入者の監視や、野生動物の観察といった用途に当該撮像装置100を適用することも可能となる。従って、撮像装置100本体の外部環境に応じて撮像対象となる所望の特定の被写体の検出を適正に行うことができ、当該撮像装置100の利便性の向上を図ることができる。
【0084】
また、撮像装置100本体が特定の環境下にあると判定された後、当該特定の環境下にて所定の変化が生じた場合には、撮像部1により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体の検出を再度行う。具体的には、撮像装置100本体が明るい環境下におかれている場合に、当該装置本体の外部の明るさの情報に基づいて、明るい状態から所定の変化として明るさが暗く変化した場合や、撮像装置100本体に生じる動きが少ない状態にて、当該装置本体に生じる動きの情報に基づいて、動きが少ない状態から所定の変化として装置本体に生じる動きが大きく変化した場合に、再度特定の被写体を検出する処理を行う。これにより、被写体追跡処理や自動合焦処理の処理対象となる特定の被写体を見失い難くすることができ、特定の被写体を含む画像を撮像する際のユーザの負担を軽減することができる。
【0085】
さらに、被写体追跡処理や自動合焦処理が実行された後、記録媒体制御部8は、撮像部1により撮像された特定の被写体を含む画像の画像データを記録媒体Mに記録させるので、特定の被写体を含む画像の記録を確実に行うことができ、当該画像の撮り忘れや特定の被写体のピントがぼけた失敗画像の取得などを防止することができる。
【0086】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、特定の環境として複数規定しておき、これら複数の特定の環境の各々に応じて特定の被写体の識別条件を異ならせて当該特定の被写体を検出するようにしたが、これに限られるものではなく、特定の環境として何れか一の外部環境(例えば、「水中」など)を設定しても良く、この場合には、当該外部環境(特定の環境)に対応する特定の被写体の識別条件のみを設定する。
【0087】
また、上記実施形態にあっては、撮像装置100本体が特定の環境下にある場合に、当該特定の環境下にて所定の変化が生じたか否かを判定するようにしたが、当該所定の変化が生じたか否かの判定は必ずしも行う必要はない。また、同様に、特定の環境下にて所定の変化が生じた場合に、撮像部1により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体の検出を再度行うようにしたが、特定の被写体の再度の検出も必ずしも行う必要はない。
【0088】
さらに、上記実施形態の撮像装置100を夜間の星空の撮影に適用しても良く、例えば、撮像装置100本体の周囲の明るさが所定の照度よりも暗い「暗い状態」にある場合に、特定の被写体の識別条件として明度が高いか否かを設定し、所定の輝度以上の明るい部分(例えば、所定の等級よりも明るい天体など)を特定の被写体として検出するようにしても良い。
【0089】
また、撮像装置100の構成は、上記実施形態に例示したものは一例であり、これに限られるものではない。
さらに、撮像部1により撮像された特定の被写体を含む画像の画像データを記録媒体Mに記録させるようにしたが、これに限られるものではなく、特定の被写体を含む画像の画像データを記録するか否かは適宜任意に変更可能である。さらに、特定の被写体を含む画像の画像データを、例えば、当該撮像装置100の外部に設けられ所定の通信回線を介して接続されている所定の記録手段(例えば、ハードディスクドライブなど)に転送して記録するようにしても良い。
【0090】
加えて、上記実施形態にあっては、環境特定手段、第1判定手段、被写体検出手段、第1制御手段としての機能を、中央制御部12の制御下にて、外部環境特定部5、外部環境判定部6の第1判定部6a、画像処理部7の被写体検出部7aが駆動することにより実現される構成としたが、これに限られるものではなく、中央制御部12によって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
即ち、プログラムを記憶するプログラムメモリ(図示略)に、環境特定処理ルーチン、第1判定処理ルーチン、被写体検出処理ルーチン、第1制御処理ルーチンを含むプログラムを記憶しておく。そして、環境特定処理ルーチンにより中央制御部12のCPUを、当該装置本体の外部環境に関する情報を特定する環境特定手段として機能させるようにしても良い。また、第1判定処理ルーチンにより中央制御部12のCPUを、環境特定手段により特定された外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する第1判定手段として機能させるようにしても良い。また、被写体検出処理ルーチンにより中央制御部12のCPUを、第1判定手段により特定の環境下にあると判定された場合に、撮像手段により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する被写体検出手段として機能させるようにしても良い。また、第1制御処理ルーチンにより中央制御部12のCPUを、被写体検出手段により検出された特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する第1制御手段として機能させるようにしても良い。
【0091】
同様に、第2判定手段、第2制御手段についても、中央制御部12のCPUによって所定のプログラム等が実行されることにより実現される構成としても良い。
【0092】
さらに、上記の各処理を実行するためのプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な媒体として、ROMやハードディスク等の他、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬型記録媒体を適用することも可能である。また、プログラムのデータを所定の通信回線を介して提供する媒体としては、キャリアウェーブ(搬送波)も適用される。
【符号の説明】
【0093】
100 撮像装置
1 撮像部
1a レンズ部
1b 電子撮像部
2 撮像制御部
2a AF処理部
5 外部環境特定部
6 外部環境判定部
6a 第1判定部
6b 第2判定部
7 画像処理部
7a 被写体検出部
7b 被写体追跡部
8 記録媒体制御部
12 中央制御部
M 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段を備える撮像装置であって、
当該装置本体の外部環境に関する情報を特定する環境特定手段と、
この環境特定手段により特定された前記外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する第1判定手段と、
この第1判定手段により前記特定の環境下にあると判定された場合に、前記撮像手段により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する被写体検出手段と、
この被写体検出手段により検出された前記特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する第1制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記特定の環境は、複数規定され、
前記被写体検出手段は、
前記複数の特定の環境の各々に応じて前記特定の被写体の識別条件を異ならせていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記環境特定手段は、
前記外部環境に関する情報として、当該装置本体に対する圧力の情報、当該装置本体の外部の温度の情報、当該装置本体の外部の明るさの情報、当該装置本体の外部の音の情報、及び、当該装置本体に生じる動きの情報のうち、少なくとも何れか一の情報を特定することを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1判定手段は、
前記外部環境に関する情報としての当該装置本体に対する圧力の情報に基づいて、当該装置本体が前記特定の環境としての水中に存するか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1判定手段は、
前記外部環境に関する情報としての当該装置本体の外部の温度の情報に基づいて、当該装置本体が前記特定の環境としての低温下にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記第1判定手段は、
前記外部環境に関する情報としての当該装置本体の外部の音の情報に基づいて、当該装置本体が前記特定の環境としての静かな状態にて発音が生じた状態にあるか否かを判定することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記第1判定手段により前記特定の環境下にあると判定された後、当該特定の環境下にて所定の変化が生じたか否かを判定する第2判定手段を更に備え、
前記被写体検出手段は、
前記第2判定手段により前記所定の変化が生じたと判定された場合に、前記特定の被写体の検出を再度行うことを特徴とする請求項1〜6の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2判定手段は、
前記特定の環境としての明るい環境下にて、前記環境特定手段により特定された前記外部環境に関する情報としての当該装置本体の外部の明るさの情報に基づいて、前記明るい状態から前記所定の変化として明るさが暗く変化したか否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2判定手段は、
前記特定の環境としての前記装置本体に生じる動きが少ない状態にて、前記環境特定手段により特定された前記外部環境に関する情報としての当該装置本体に生じる動きの情報に基づいて、前記動きが少ない状態から前記所定の変化として前記装置本体に生じる動きが大きく変化したか否かを判定することを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1制御手段によって、前記被写体追跡処理及び前記自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理が実行された後、前記撮像手段により撮像された前記特定の被写体を含む画像を記録手段に記録させる第2制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の撮像装置。
【請求項11】
撮像手段を備える撮像装置を用いた撮像方法であって、
当該装置本体の外部環境に関する情報を特定する処理と、
特定された前記外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する処理と、
前記特定の環境下にあると判定された場合に、前記撮像手段により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する処理と、
検出された前記特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する処理と、
を行うことを特徴とする撮像方法。
【請求項12】
撮像手段を備える撮像装置のコンピュータを、
当該装置本体の外部環境に関する情報を特定する環境特定手段、
この環境特定手段により特定された前記外部環境に関する情報に基づいて、当該装置本体が特定の環境下にあるか否かを判定する第1判定手段、
この第1判定手段により前記特定の環境下にあると判定された場合に、前記撮像手段により撮像された画像から所定条件を満たす特定の被写体を検出する被写体検出手段、
この被写体検出手段により検出された前記特定の被写体を追跡対象として追跡する被写体追跡処理、及び、当該特定の被写体を合焦対象として焦点調整する自動合焦処理のうち、少なくとも一方の処理の実行を制御する第1制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−216976(P2011−216976A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−80657(P2010−80657)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】