撮像装置、撮像装置用固定部材及び撮像装置の修理方法
【課題】修理・交換後の撮像ユニットを再利用可能にする。
【解決手段】 1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠22と、撮像素子が固定される撮像枠34と、前記レンズ枠と撮像枠との嵌合部を接着せずに前記レンズ枠と撮像枠とを相互に固定する固定手段2とを具備する。
【解決手段】 1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠22と、撮像素子が固定される撮像枠34と、前記レンズ枠と撮像枠との嵌合部を接着せずに前記レンズ枠と撮像枠とを相互に固定する固定手段2とを具備する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物光学系で結像した被写体画像を撮像する固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用内視鏡の場合、使用した内視鏡を確実に滅菌処理することが感染症等を防止するために必要不可欠になる。洗浄液で消毒や滅菌をする場合は、消毒作業が煩雑であり、洗浄液の廃液処理に多大な費用が必要となる欠点がある。
【0003】
そこで、最近では、煩雑な作業を伴わない高圧高温水蒸気滅菌(オートクレーブ等)が内視鏡機器、特に硬性鏡では主流になりつつある。
【0004】
特に電子内視鏡においては、先端部に湿気などの水分が僅かにでも侵入すると、対物光学系に内側から曇りを生じさせたり、固体撮像素子や固体撮像素子からの信号を処理する電子部品を搭載した基板などを腐食させたり、短絡させたりする恐れが生じ、このような状態で得られる内視鏡画像は画質が著しく低下したものになってしまう。
【0005】
そのため、対物光学系と固体撮像素子と基板により構成される撮像ユニットヘの水分の侵入を防ぎ、構成部材の劣化を防止するための手段が種々提案されている。
【特許文献1】特開2000−201884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来、撮像ユニットの修理・交換を考慮に入れた提案はほとんどなされていない。例えば特許文献1(特開2000−201884号公報)では、対物光学系が固定的に取り付けられたレンズ枠を、CCDが固定的に取り付けられたCCD枠の内周面に嵌入し、高精度の光軸合わせを行った後、接着剤等によって気密に連結固定する構造を採用している。
【0007】
この構造において、例えばレンズ枠内の対物レンズの交換を行うために、レンズ枠とCCD枠とを相互に取り外そうとするものとする。そうすると、接着剤をはがす際にCCD枠内周の取り付け面にダメージが生じる。このようなダメージを有するCCD枠と新たなレンズ枠とを接着固定する場合には、取り付け面のダメージによって、高精度の光学合わせが不可能となる。即ち、光学性能、ピントだし等が悪化する。
【0008】
つまり、従来、一旦分解した対物レンズ又はCCDを再利用することはできず、対物レンズ又はCCDの一方のみに不具合がある場合でも、全体の交換を行わなければならないという問題点があった。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、撮像ユニットの修理・交換に際しても、交換前の部品の再利用を可能にすることができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る撮像装置は、1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と、撮像素子が固定される撮像枠と、前記レンズ枠と撮像枠との嵌合部を接着せずに前記レンズ枠と撮像枠とを相互に固定する固定手段とを具備したものであり、
本発明の請求項7に係る撮像装置用固定部材は、1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを、前記1つ以上のレンズによる焦点位置に前記撮像素子の撮像面を配置するように、相互に保持固定する固定手段を具備したものであり、
本発明の請求項12に係る撮像装置の修理方法は、1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを互いに固定する固定部材を破壊して、両者の固定を解除する工程と、前記レンズ枠と前記撮像枠の少なくともいずれかを交換する工程と、レンズ枠と撮像枠とを互いに固定する工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像ユニットの修理・交換に際しても、交換前の部品の再利用を可能にすることができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の断面構造を示す断面図、図2は図1の撮像装置が組込まれる電子内視鏡の構成を示す構成図である。
【0013】
先ず、図2を参照して本実施の形態を適用する電子内視鏡について説明する。
【0014】
電子内視鏡1は、細長な挿入部2と、この挿入部2の手元側に連設され術者が把持して種々の操作を行う操作部3と、この操作部3から延設したユニバーサルコード4とを有している。このユニバーサルコード4の他端には、コネクタ部5が設けられており、コネクタ部5を図示しない光源装置、CCU(カメラコントロールユニット)に接続することができるようになっている。
【0015】
操作部3には、湾曲操作レバー11と、鉗子等の処置具を挿入する処置具挿入口12等が設けられている。また、挿入部2は、操作部3に連設された可撓性を有する可撓管10と、可撓管の先端に連設された湾曲部9と、湾曲部9の先端に連設された先端部8とによって構成されている。先端部8に図1の撮像装置が配置されるようになっている。なお、先端部8には、図1の撮像装置の他に、照明光を伝達する図示しないライトガイドファイバー等も配設されている。
【0016】
図1の撮像装置は、観察光学系である対物レンズユニット21及び撮像手段である撮像ユニット30によって構成されている。撮像装置の先端に配置される対物レンズユニット21は前面に光学窓部材24が設けられる。光学窓部材24は、電子内視鏡1の先端部8の先端外表面に露出する構成となっており、例えばサファイア製の凹レンズによって構成されている。凹レンズは、その先端側表面(底面)は、平らで、基端側表面は凹形状となっている。
【0017】
光学窓部材24はレンズ枠22に取り付けられる。レンズ枠22は先端側及び基端側が開口した筒形状を有している。光学窓部材24は、金属製のレンズ枠22の先端側内周面に嵌入されて、光学窓部材24の外周とレンズ枠22の先端側内周とが、気密に固定されている。例えば、エポキシ系の接着剤又は半田付けで固定してある。
【0018】
また、レンズ枠22には、先端側からレンズ23a,23bが配置されている。各レンズ23a,23bは、夫々全周が接着剤によってレンズ枠22の内周に固定的に接着されている。レンズ枠22は内周面に突起部を有していることから、光学窓部材24はレンズ枠22の先端側から挿入され、レンズ23a,23bはレンズ枠22の基端側から挿入されて組み付けられるようになっている。
【0019】
この対物レンズユニット21の基端側には、撮像ユニット30が配置されている。撮像ユニット30は、固体撮像素子であるCCD31、ガラスリッド32、カバーガラス33を有している。CCD31は対物レンズユニット21を介して入射した被写体の光学像を電気信号に変換する。CCD31の基端側には、図示しないTAB(Tape Automated Bonding)部材が設けられており、電子内視鏡1基端側まで挿通された図示しないケーブルに電気的に接続されている。このケーブルによって、CCD31に駆動信号を供給すると共に、CCD31からの画像信号を伝送するようになっている。
【0020】
CCD31には、画素部を構成する図示しない撮像面を覆うように、UV接着剤等でガラスリッド32が貼られている。ガラスリッド32にはさらに前記画素部中心に対して芯出しされた状態で円形平板のカバーガラス33が接着固定されている。即ち、CCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、一体的に接着固定されている。
【0021】
CCD31に固定されたカバーガラス33は撮像枠としてのCCD保持枠34に取り付けられる。CCD保持枠34は、先端側及び基端側が開口した筒形状を有し、基端側の内周面にカバーガラス33を嵌入し、カバーガラス33の外周面とCCD保持枠34の内周面とを図示しない接着剤によって固定的に接着するようになっている。
【0022】
レンズ枠22とCCD保持枠34とは相互に嵌め合わせるようになっている。嵌合とは、クリアランスが0.005〜0.03mmを言う。即ち、レンズ枠22の外径とCCD保持枠34の内径とは略同じであり、レンズ枠22の基端側を、CCD保持枠34の先端側内周面に嵌入するようになっている。これにより、対物レンズユニット21と撮像ユニット30との光軸を一致させることができる。
【0023】
本実施の形態においては、レンズ枠22とCCD保持枠34との連結に際して、レンズ枠22の基端側外周面とCCD保持枠34の先端側内周面との相互に接する取り付け面(嵌合部)39には、接着剤等を使用しないようになっている。本実施の形態においては、レンズ枠22及びCCD保持枠34相互間の固定には、取付部として機能する固定部材28を用いるようになっている。
【0024】
固定部材28は、基端側が前面開口し、先端側は所定の径で開口した筒状部材であり、基端側内径はCCD保持枠34の外径よりも若干大きい。前記嵌合クリアランスよりも大きく設定される。例えば0.03mm以上に設定される。固定部材28としては、少なくともCCD保持枠34の材料よりは軟質の材料、例えば、プラスチックやアセタール樹脂等の材料を用いる。また、固定部材28としては、レンズ枠22よりも軟質の材料を用いた方がよい。また、CCD保持枠34又はレンズ枠22がステンレス製であれば、固定部材28を真鍮で構成しても良い。
【0025】
固定部材28の先端側開口はレンズ枠22の外周面に取り付け可能な大きさに形成される。レンズ枠22の外周面には先端から所定の位置に突部29が形成されており、固定部材28の先端面をこの突部29に当接させて、この先端面と突部29の基端側面との接着部38を図示しない接着剤、例えばエポキシ系接着剤によって接着固定するようになっている。このようにすることで、突部29は図示しないスコープと撮像装置の位置出し及び固定部材28とレンズ枠29の位置出しの手段にもなる。
【0026】
なお、固定部材28の先端の内周面とレンズ枠29の外周面との接合面についても接着剤によって接着固定するようにしてもよい。この場合、例えば、図3のように接着剤28aにより接着固定できるので、接着面積が広くなり強固に固定できる。また、図4のように、突部29の周面と固定部材28の先端面を接着剤28bにより接着固定してもよい。この場合、接着剤を除去することで対物レンズを再利用できる。
【0027】
本実施の形態においては、対物レンズユニット21に固定部材28を接着固定した後、固定部材28の基端側内周面にCCD保持枠34を挿入する。そして、光軸合わせ及び焦点合わせを行いながら、固定部材28の内周面とCCD保持枠34の外周面との間の隙間(接着部37)に接着剤35を充填して、両者を位置決めしながら接着固定するようになっている。
【0028】
このように構成された実施の形態の組み立てにおいては、先ず、レンズ枠22に、光学窓部材24及びレンズ23a,23bを固定的に取り付け、CCD保持枠34に、一体的に構成されたCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33を固定的に取り付ける。そして、レンズ枠22の外周側に、突部29の接着部38において固定部材28を接着固定する。
【0029】
この状態で、CCD保持枠34の先端側内周面にレンズ枠22を嵌入する。両者の嵌合部39には接着剤を塗布しない。CCD保持枠34の内径とレンズ枠22の外径との寸法精度によって、両者が嵌合することで、高精度の光軸合わせが可能となる。
【0030】
この嵌合作業において、CCD保持枠34は固定部材28内に挿入されることになる。次に、CCD保持枠34の外周面と固定部材28の内周面との間の隙間(接着部37)に接着剤35を充填し、焦点出しを行った後、接着固定する。こうして、対物レンズユニット21と撮像ユニット30とによって構成される撮像装置が得られる。
【0031】
ここで、修理又は交換等のために、対物レンズユニット21とCCD保持枠34とを分解するものとする。この場合には、CCD保持枠34の外周面と固定部材28の内周面とが対向する接着部37の接着剤35を剥がす。
【0032】
図5はこの場合における分解方法の一例を示す説明図である。図5(a)はレンズ枠22に取り付けられた固定部材28を示し、図5(b)は固定部材28とCCD保持枠34との分離を示している。図8は分解方法の一例を示すフローチャートである。
【0033】
図5(a)に示すように、固定部材28の周面を加工して、光軸に平行な溝状の破壊部28-1を形成する(図8のステップS1 )。なお、破壊部28-1は組み立て前から形成されていてもよい。破壊部28-1は周面に1本以上形成する。これにより、取付部28は、破壊部28-1におけるクラック耐性が劣化する。図5では、取付部28に4カ所の破壊部28-1を設けた例を示しており、破壊部28-1によって区画された1つのブロックに対して、径方向に力を加えることで、このブロックを破壊部28-1において破壊する(ステップS2 )。これにより、固定部材28の内周面とCCD保持枠34の外周面との接着を容易に剥がすことができ(ステップS3 )、固定部材28とCCD保持枠34とを分離することができる。CCD保持枠34とレンズ枠22とは嵌合部39において接着されることなく嵌め合わされており、CCD保持枠34とレンズ枠22とは嵌合部39にダメージを与えることなく、相互に取り外しが可能である(ステップS4 )。即ち、対物レンズユニット21と撮像ユニット30とを分離することができる。
【0034】
また、図6は分解方法の他の例を示す説明図である。図6(a)はレンズ枠22に取り付けられた固定部材28を示し、図6(b)は固定部材28とCCD保持枠34との分離を示している。
【0035】
図6(a)に示すように、固定部材28の周面を加工して、光軸に垂直な溝状の破壊部28-2を形成する。破壊部28-2は固定部材28の周面に周回状に形成する。これにより、取付部28は、破壊部28-2におけるクラック耐性が劣化する。この場合には、突部29とCCD保持枠34とを相互に逆方向にねじることによって破壊部28-2において固定部材28を破壊する。これにより、固定部材28の内周面とCCD保持枠34の外周面との接着を容易に剥がすことができ、固定部材28とCCD保持枠34とを分離することができる。即ち、対物レンズユニット21と撮像ユニット30とを分離することができる。例えば、破壊部28-2は、レンズ枠22と固定部材28の径方向で最大クリアランスを持つ部位に配置してある。このとき、破壊部28-2は、固定部材28が突部29に当接することで適切な位置に配置される。
【0036】
このような分解作業において、固定部材28の方がCCD保持枠34よりも軟らかい材料で構成されていることから、剥離作業時に、固定部材28にダメージが生じたり破損したりすることがあっても、CCD保持枠34にダメージが及ぶことはほとんど無い。また、剥離作業に伴ってCCD保持枠34にダメージが与えられるとしても、そのダメージはCCD保持枠34の外周面のみに生じ、嵌合部39には生じない。
【0037】
この場合には、レンズ枠22と固定部材28とが接合されたままの状態でCCD保持枠34とレンズ枠22とが取り外されることもあり、また、取り外しに際して、接着部38の接着剤も剥離されて、レンズ枠22から固定部材28が外れることもあり、また、軟らかい材料の固定部材28が折れることで、レンズ枠22と固定部材28との接合が外れることもある。いずれの場合においても、CCD保持枠34及びレンズ枠22の嵌合部39については何らのダメージも与えられない。
【0038】
こうして、CCD保持枠34で保持された撮像ユニット30と、レンズ枠22に保持された対物レンズユニット21との分解が行われる。この分解作業において、少なくともCCD保持枠34の嵌合部39は何らのダメージを受けていないことから、例えば、対物レンズユニット21のみを交換し、撮像ユニット30については再利用する場合でも、高精度の光軸及び焦点合わせが可能である。
【0039】
なお、図6の場合には、対物レンズユニット21、撮像ユニット30の両方共にダメージがないので、これらの両方を再利用することができる。
【0040】
このように、本実施の形態においては、レンズ枠とCCD保持枠との連結に際し、光軸及び焦点合わせに影響を与える嵌合部を接着せず、他の部分においてレンズ枠とCCD保持枠とを接着固定するようになっている。これにより、レンズ枠とCCD保持枠とを分解する場合において、少なくともレンズ枠及びCCD保持枠の嵌合部にダメージが生じることを防止して、分解後の再利用を可能にしている。例えば、対物レンズユニット内にゴミや傷等の不具合が生じた場合でも、分解して対物レンズユニットのみを交換し、撮像ユニットについては再利用することで、撮像装置を再構成することができる。
【0041】
例えば、図7のように、CCD保持枠34外周と固定部材28内周を嵌合させ、突部29’の裏面と固定部材28の前端面とを接着剤28-3によって接着固定するような構成を採用することもできる。この場合には、光軸に垂直に図示しない刃物を接着剤28-3に挿入して切断破壊する。あるいは、溶剤を用いて接着剤28-3を膨潤又は溶解させる。これにより、突部29’とCCD保持枠34の嵌合部にダメージを与えることなく、対物レンズユニット21を取り外すことができる。即ち、この場合には、対物レンズユニット21についても再利用することができる。
【0042】
このように、固定部材、突部及びCCD保持枠の嵌合の関係を変えることで、再利用する部位を変えることができる。
【0043】
なお、図1ではレンズ枠22と固定部材28とを別体で構成する例について説明したが、固定部材28とレンズ枠22とを一体的に構成するようにしてもよい。この場合には、固定部材の部分もレンズ枠と同一材料で構成されることになる。
【0044】
また、本実施の形態は、CCD保持枠の内周面にレンズ枠を嵌入する例について説明したが、レンズ枠の内周面にCCD保持枠を嵌入するものにも適用することができることは明らかである。この場合においても、レンズ枠の内周面とCCD保持枠の外周面との嵌合部には接着剤を用いず、他の部分においてレンズ枠とCCD保持枠とを接着固定すればよい。
【0045】
なお、各レンズがレンズ枠に固定され、CCD及びカバーガラス等がCCD保持枠に固定される構成のものであれば、対物レンズユニット及び撮像ユニットの構成は種々採用することができ、例えば、レンズの形状及び数は図1に限定されないことは明らかである。
【0046】
また、本実施の形態によれば、嵌合部以外の部位で、レンズ枠と撮像枠とを固定しており、これらの部品が小さくなった場合でも、容易に両者を相互に固定することができ、作業性に優れている。また、破壊部を有する固定部材を介してレンズ枠と撮像枠とを固定する構成を設けており、破壊部を破壊するという簡単な作業によって、レンズ枠と撮像枠とを容易に分離することができる。また、撮像枠及びレンズ枠が小さい場合でも比較的容易な構造にて作業性を維持しつつ両者を固定することができる。また、固定部材をレンズ枠の外表面及び撮像枠の外表面に固定しており、固定部材をレンズ枠又は撮像枠或いはその両方の内面に取り付ける場合と比較して、固定部材の取り付けが容易である。また、破壊部を撮像枠よりも軟らかい材質で形成しており、破壊部の破壊に際して撮像枠にダメージが及ぶことを効果的に防ぐことができる。
【0047】
なお、分離後の対物レンズユニット(レンズ枠)と撮像ユニット(撮像枠)とを再度固定する際には新たな固定部材を用いてもよく、固定部材を用いずに直接嵌合部を接着してもよい。前者の場合には再び修理を行う場合に部品の再利用が可能になり、後者の場合には固定部材を用いない分費用が少し安くなるというメリットがある。
【0048】
図9は本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。図9において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
上述したように、光軸及び焦点合わせに影響を与える嵌合部においてレンズ枠とCCD保持枠とを接着せず、他の部分において接着することで、レンズ枠とCCD保持枠とを相互に固定すればよく、固定部材等の形状配置は特に限定されない。本実施の形態は、固定部材をCCD保持枠側に取り付けた場合の例を示している。
【0050】
図9において、レンズ枠22’に固定される光学窓部材24及びレンズ23a,23bは図1と同一物であり、CCD保持枠41に一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33も図1と同一物であるものとする。
【0051】
レンズ枠22’及びCCD保持枠41は、図1のレンズ枠22又はCCD保持枠34と内径及び外径は夫々同一である。本実施の形態においては、図1の固定部材28に相当する固定部材42は、CCD保持枠41の外周面に、図示しない接着剤等によって接着固定されている。なお、固定部材42をCCD保持枠41よりも軟らかい材料で構成する点は第1の実施の形態と同様である。
【0052】
組立時には、CCD保持枠41の先端側内周面にレンズ枠22’を嵌入する。これにより、高精度の光軸合わせが行われる。なお、両者の嵌合部49には接着剤を塗布しない。
【0053】
レンズ枠22’は固定部材42内に挿入されることになる。レンズ枠22’の外周面と固定部材42の内周面との間(接着部)に接着剤45を充填し、焦点出しを行った後、レンズ枠22’と固定部材42とを相互に接着固定する。
【0054】
嵌合部49よりも先端側のレンズ枠22’の外周面及びCCD保持枠41の先端側の固定部材42の内周面には、周状に溝が形成されて、基端側に染み出す接着剤45が嵌合部49に到達することを阻止するための接着溜まり43が構成されている。接着剤45をレンズ枠22’の外周面と固定部材42の内周面との間の接着部に適量配置すると共に、接着溜まり43を設けることによって、接着剤45が嵌合部49に到達することを確実に防止することができる。こうして、対物レンズユニット21’と撮像ユニット30’とによって構成される撮像装置が得られる。
【0055】
ここで、修理又は交換等のために、対物レンズユニット21’とCCD保持枠41とを分解するものとする。この場合には、レンズ枠22’の外周面と固定部材42の先端面及び内周面とが対向する部分に配置された接着剤45を剥がす。固定部材42の方がCCD保持枠41よりも軟らかい材料で構成されていることから、剥離作業時に、固定部材42にダメージが生じたり破損したりすることがあっても、CCD保持枠41にダメージが及ぶことはほとんど無い。また、剥離作業に伴ってCCD保持枠41にダメージが与えられるとしても、そのダメージはCCD保持枠41の外周面のみに生じ、嵌合部49には生じない。
【0056】
このように、本実施の形態においても、レンズ枠とCCD保持枠とを分解する場合において、少なくともレンズ枠及びCCD保持枠の嵌合部にダメージが生じることを防止して、分解後の再利用を可能にすることができる。
【0057】
なお、図9ではCCD保持枠41と固定部材42とを別体で構成する例について説明したが、固定部材42とCCD保持枠41とを一体的に構成するようにしてもよい。この場合には、固定部材の部分もCCD保持枠と同一材料で構成されることになる。
【0058】
図10は本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。図10において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
図10において、レンズ枠22並びにレンズ枠22に固定される光学窓部材24及びレンズ23a,23bは図1と同一物である。本実施の形態においては、一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠55に接着固定されるようになっている。CCD保持枠55はCCD保持枠34と同一内径であり、先端側内周面である嵌合部59において、レンズ枠22を嵌入させることができるようになっている。
【0060】
本実施の形態においては、固定部材52は、図1の固定部材28と略同様の形状に構成されており、内径はCCD保持枠55の先端側の外径に略一致している。そして、CCD保持枠55の外周面と固定部材52の内周面には、相互に同一ねじ形状のねじ山が夫々形成されており、ネジ部54を構成する。即ち、このネジ部54を利用して、CCD保持枠55を固定部材52に螺入することによって、CCD保持枠55と固定部材52とを相互に固定することができるようになっている。
【0061】
即ち、組立時においては、CCD保持枠55が固定部材52に螺入されて一体化された状態で、CCD保持枠55の先端側内周面にレンズ枠22を嵌入する。この嵌入作業と同時に、光軸合わせ及び焦点合わせを行う。なお、CCD保持枠55の先端側内周面とレンズ枠22の基端側外周面による嵌合部59には接着剤を塗布しない。
【0062】
レンズ枠22は固定部材52の先端側から挿入される。焦点合わせが行われた状態で、レンズ枠22の突部29と固定部材52の先端面との間及びレンズ枠22の外周面と固定部材52の内周面との間に接着剤53を充填し、レンズ枠22と固定部材52とを相互に接着固定する。こうして、対物レンズユニット51と撮像ユニット50とが高精度に光軸及び焦点合わせされて、撮像装置が構成される。
【0063】
ここで、修理又は交換等のために、対物レンズユニット51とCCD保持枠55とを分解するものとする。この場合には、接着剤53を剥離して、対物レンズユニット51を周方向に回転させ、ネジ部54を利用して、固定部材52と共にレンズ枠22とCCD保持枠55との螺合を解除すればよい。これにより、嵌合部59はもとより、CCD保持枠55に一切ダメージを与えることなく、対物レンズユニット51とCCD保持枠55との分解が可能である。
【0064】
このように、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、本実施の形態においては、分解が一層容易であるという利点がある。
【0065】
なお、本実施の形態においては、固定部材52を予めレンズ枠22に接着固定した後、ネジ部54を利用して、CCD保持枠55とレンズ枠22と嵌合させるようにすることも可能である。
【0066】
図11は本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。図11において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態はレンズ枠側をCCD保持枠の外側に配置する外嵌合に適用した例である。
【0067】
図11において、対物レンズユニット71を構成するレンズ枠72には、内周面に光学窓部材24及びレンズ73a,73bが接着固定されている。一方、一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠75に接着固定されて、撮像ユニット70が構成されている。
【0068】
本実施の形態においては、CCD保持枠75の外径とレンズ枠72の内径とは略同一であり、CCD保持枠75の先端側をレンズ枠72の基端側の内周面に嵌入するようになっている。CCD保持枠75の先端側外周面とレンズ枠72の基端側の内周面との嵌合部79には接着剤を使用しない。CCD保持枠75とレンズ枠72とを嵌合部79において嵌合することによって、光軸合わせが可能となる。
【0069】
本実施の形態においては、CCD保持枠75及びレンズ枠72の外周側には、先端開口がレンズ枠72の外径よりも若干大きい内径を有し、基端側開口がCCD保持枠75の外径よりも若干大きい内径を有する固定部材76が採用されている。
【0070】
組立時においては、CCD保持枠75又はレンズ枠72のいずれか一方の外周面に固定部材76の内周面を接着させる。例えば、CCD保持枠75と固定部材76とを接着剤78aによって接着固定した状態で、CCD保持枠75の先端側をレンズ枠72の基端側内周面に嵌入する。そして、光軸合わせ及び焦点合わせを行った後、レンズ枠72の外周面と固定部材76の内周面とを接着剤78bによって接着固定する。こうして、対物レンズユニット71と撮像ユニット70とが高精度に光軸及び焦点合わせされて、撮像装置が構成される。
【0071】
ここで、修理又は交換等のために、対物レンズユニット71とCCD保持枠75とを分解するものとする。この場合には、例えば接着剤78aを剥離して、対物レンズユニット71をCCD保持枠75から外す。嵌合部79には接着剤を使用していないので、CCD保持枠75に一切ダメージを与えることなく、対物レンズユニット71とCCD保持枠75との分解が可能である。
【0072】
このように、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
ところで、修理・分解を容易にするために、レンズ枠とCCD保持枠とを、ねじによって結合することも考えられる。図12はこの場合の構成例を示す断面図である。図12において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
図12において、レンズ枠81には、光学窓部材24及びレンズ82a,82bが接着固定されている。一方、一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠83に接着固定される。本実施の形態においては、CCD保持枠83の内径とレンズ枠81の外径とは略同一である。また、CCD保持枠83の内周面とレンズ枠81の外周面には、同一ねじ形状のネジ部89が形成されている。これにより、CCD保持枠83の先端側内周面にレンズ枠81の基端側を螺入することができる。ネジ部89によって構成される嵌合部には、接着剤は使用されない。この嵌合部によって、光軸合わせが可能である。
【0075】
本実施の形態においては、レンズ枠81の先端の外周面には、先端カバー85が接着剤85aによって接着固定されている。先端カバー85としては例えばプラスチックやアセタール樹脂等の比較的軟らかい材料を用いる。この先端カバー85には先端硬性部86が接着されて取り付けられる。なお、先端硬性部86とレンズ枠81の外周面とは接着されていない。先端硬性部86は、CCD保持枠83との間に弾性接着剤84を介して配置される。
【0076】
本実施の形態においては、先端硬性部86には、CCD保持枠83に対向する位置において径方向にねじ孔87が形成される。ねじ孔87にねじ88を螺入することによって、CCD保持枠83を先端硬性部86に固定することができるようになっている。即ち、CCD保持枠83とレンズ枠81とは、先端硬性部86及び先端カバー85を介して相互に固定されることになる。これにより、焦点合わせ後にレンズ枠81がCCD保持枠83に対して回転することを防止して、焦点ずれが生じることを阻止する。
【0077】
ここで、修理又は交換等のために、レンズ枠81とCCD保持枠83とを分解するものとする。この場合には、接着剤85aを剥離すると共に、ねじ88を回転させてねじ孔87から取り外す。そして、レンズ枠81を周方向に回転させ、ネジ部89を利用して、レンズ枠81とCCD保持枠83との螺合を解除する。ネジ部89によって構成される嵌合部が、ダメージを受けることなく、レンズ枠81とCCD保持枠83との分解が可能である。
【0078】
このように、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
また、レンズ枠とCCD保持枠との嵌合部をねじ部材で構成することによって、嵌合部を接着する場合でも、撮像ユニットを再利用可能にする構成が考えられる。図13はこの場合の構成例を示す断面図である。図13において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
図13において、レンズ枠92には、光学窓部材24及びレンズ93a,93bが接着固定されている。一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠95に接着固定される。本実施の形態においては、CCD保持枠95は、先端側の内周面にねじ山が形成されており、このねじ山に一致するねじ山を有するネジ部材96を内周面に螺入することができるようになっている。ネジ部材96は、円筒形状を有し、外周面にねじ山が形成され、内周面は曲面形状に形成される。ネジ部材96の内径は、レンズ枠92の外径と略同一に形成される。
【0081】
CCD保持枠95の内周面にネジ部材96を螺入した状態で、ネジ部材96の内周面にレンズ枠92の基端側を嵌入する。そして、ネジ部材96の内周面とレンズ枠92の外周面とが対向する嵌合部において、接着剤97によりレンズ枠92とネジ部材96とを接着固定する。この接着に際して、光軸合わせ及び焦点合わせを実施する。
【0082】
ここで、修理又は交換等のために、レンズ枠92とCCD保持枠95とを分解するものとする。この場合には、接着剤97を剥離して、ネジ部材96の内周面とレンズ枠92の外周面とを引きはがし、レンズ枠92をネジ部材96から引き抜く。この分解作業に伴って、ネジ部材96の内周面はダメージを受ける。しかし、ネジ部材96は、CCD保持枠95に螺入されているものであり、ネジ部材96を回転させて取り外すと、CCD保持枠95の内周面のねじにはダメージが生じていない。これにより、ネジ部材96として新品のものを用いることにより、ネジ部材96を除く撮像ユニットの再利用が可能である。
【0083】
このように、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0084】
ところで、レンズ枠とCCD保持枠とを連結する場合において、剥離時の嵌合部のダメージを十分に低減させるように、接着剤として接着力が比較的弱いゴム系の弾性接着剤を採用することも可能である。
【0085】
図14はこの場合の構成を示す断面図である。
【0086】
図14に示すように、一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠62に接着固定されるようになっている。図14では、CCD保持枠62とレンズ枠22との接合面(嵌合部)には、例えば、ゴム系の接着力が弱い弾性接着剤63が塗布されて、CCD保持枠62とレンズ枠22とを相互に接着固定している。弾性接着剤63を用いることで、水密確保が可能である。
【0087】
更に、図14の例では、CCD保持枠62にはレンズ枠22との嵌合部に対向する位置において、径方向にねじ孔64が設けられており、組立て後において、このねじ孔64のねじ形状に一致したねじ65を螺入して、CCD保持枠62をレンズ枠22に締結するようになっている。これにより、CCD保持枠62とレンズ枠22との相互の固定強度を増大させることが可能である。
【0088】
修理又は交換等のために、レンズ枠22とCCD保持枠62とを分解する場合には、先ず、ねじ65を取り外した後、接着剤63を剥離する。接着剤63の接着力は弱く、接着剤63の剥離時に、CCD保持枠62の嵌合部がダメージを受けることを防止することができる。
【0089】
このように、図14の例においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
ところで、撮像ユニットを構成するCCDは、TAB等によって構成される電装部においてケーブルに接続される。この電装部周辺は、強度を確保するために、金属で覆うと共に、電装部と金属とのクリアランスを確保する必要がある。ところが、装置の小型化に伴いTABが多用されるようになり、電装部の位置出しが困難となっている。
【0091】
図15はこのような電装部に生じる不具合を解消するためのものである。図15(a)は内視鏡先端部の構造を示す断面であり、図15(b)は図15(a)中の保持部材110を示す斜視図である。
【0092】
CCD保持枠104の先端側内周面にレンズ枠102が嵌入されて、光軸合わせが行われている。CCD保持枠104とレンズ枠102とは外周側に設けられた固定部材105によって相互に接着固定されて、焦点合わせが行われている。CCD保持枠104の基端側には、カバーガラスを介してCCD31が固定的に取り付けられている。
【0093】
CCD31の基端側には、TAB112等によって構成される電装部111が配置されている。電装部111は小型のトランジスタやチップコンデンサ等、或いは、チップ抵抗やICチップ等の電子部品113が配置されている。電装部111には複合ケーブル114が接続される。CCD31及び複合ケーブル114の周囲は、接着剤115が充填されており、更にその外周には、金属製の補強枠116が外周を覆っている。更に、その外周には、熱収縮チューブ117が覆っている。補強枠116は、CCD保持枠104に対し接着固定されている。
【0094】
図15の例では、電装部111を囲むように、絶縁部材で構成された保持部材110が配置されている。保持部材110は、図15(b)に示すように、底面及び両側面を有するコ字状部材であり、底面及び両側面によって囲まれた部分に電装部111を収納するようになっている。保持部材110の両側面の内面相互間の距離は、電装部111の寸法に一致させてあり、保持部材110の内部において電装部111は移動することなく保持されるようになっている。
【0095】
また、保持部材110の両側面の外表面は、補強枠116に当接しており、これにより、保持部材110は、補強枠116と共に電装部111の位置決め部品としての機能を有する。即ち、保持部材110は補強枠116と電装部111(TAB112)とのクリアランスを最小限にすることができ、十分な強度を維持して、小型化を可能にすることができる。
【0096】
なお、図15では直視用の撮像装置を例に示したが、電装部及びケーブルの延出方向に対して光軸が略直交する側視用の撮像装置にも、同様に適用することができることは明らかである。
【0097】
なお、上記各実施の形態においては、撮像素子としてCCDの例について説明したが、撮像素子は特に限定されるものではなく、光軸合わせ及び焦点合わせにレンズ枠と撮像枠とを用いる全ての装置に適用することができ、例えば撮像素子としてはCMOSセンサ等を用いてもよいことは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように、本発明に係る撮像装置は、対物レンズユニットと撮像ユニットとを連結させたもので、修理・交換等が必要となるシステムに有用であり、例えば電子内視鏡の先端部に設けられて、患部の被写体像を撮像するものに適している。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の断面構造を示す断面図。
【図2】図1の撮像装置が組込まれる電子内視鏡の構成を示す構成図。
【図3】固定部材の接着を説明するための説明図。
【図4】固定部材の接着を説明するための説明図。
【図5】固定部材の接着を説明するための説明図。
【図6】分解方法を説明するための説明図。
【図7】分解方法を説明するための説明図。
【図8】分解方法を説明するためのフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す断面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す断面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態を示す断面図。
【図12】撮像装置の変形例を示す断面図。
【図13】撮像装置の変形例を示す断面図。
【図14】撮像装置の変形例を示す断面図。
【図15】撮像装置の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
【0100】
21…対物レンズユニット21、22…レンズ枠、23a,23b…レンズ、28…固定部材、29…突部、30…撮像ユニット、31…CCD、33…カバーガラス、34…CCD保持枠、35…接着剤、37,38…接着部、39…嵌合部。
代理人 弁理士 伊 藤 進
【技術分野】
【0001】
本発明は、対物光学系で結像した被写体画像を撮像する固体撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療用内視鏡の場合、使用した内視鏡を確実に滅菌処理することが感染症等を防止するために必要不可欠になる。洗浄液で消毒や滅菌をする場合は、消毒作業が煩雑であり、洗浄液の廃液処理に多大な費用が必要となる欠点がある。
【0003】
そこで、最近では、煩雑な作業を伴わない高圧高温水蒸気滅菌(オートクレーブ等)が内視鏡機器、特に硬性鏡では主流になりつつある。
【0004】
特に電子内視鏡においては、先端部に湿気などの水分が僅かにでも侵入すると、対物光学系に内側から曇りを生じさせたり、固体撮像素子や固体撮像素子からの信号を処理する電子部品を搭載した基板などを腐食させたり、短絡させたりする恐れが生じ、このような状態で得られる内視鏡画像は画質が著しく低下したものになってしまう。
【0005】
そのため、対物光学系と固体撮像素子と基板により構成される撮像ユニットヘの水分の侵入を防ぎ、構成部材の劣化を防止するための手段が種々提案されている。
【特許文献1】特開2000−201884号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来、撮像ユニットの修理・交換を考慮に入れた提案はほとんどなされていない。例えば特許文献1(特開2000−201884号公報)では、対物光学系が固定的に取り付けられたレンズ枠を、CCDが固定的に取り付けられたCCD枠の内周面に嵌入し、高精度の光軸合わせを行った後、接着剤等によって気密に連結固定する構造を採用している。
【0007】
この構造において、例えばレンズ枠内の対物レンズの交換を行うために、レンズ枠とCCD枠とを相互に取り外そうとするものとする。そうすると、接着剤をはがす際にCCD枠内周の取り付け面にダメージが生じる。このようなダメージを有するCCD枠と新たなレンズ枠とを接着固定する場合には、取り付け面のダメージによって、高精度の光学合わせが不可能となる。即ち、光学性能、ピントだし等が悪化する。
【0008】
つまり、従来、一旦分解した対物レンズ又はCCDを再利用することはできず、対物レンズ又はCCDの一方のみに不具合がある場合でも、全体の交換を行わなければならないという問題点があった。
【0009】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、撮像ユニットの修理・交換に際しても、交換前の部品の再利用を可能にすることができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の請求項1に係る撮像装置は、1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と、撮像素子が固定される撮像枠と、前記レンズ枠と撮像枠との嵌合部を接着せずに前記レンズ枠と撮像枠とを相互に固定する固定手段とを具備したものであり、
本発明の請求項7に係る撮像装置用固定部材は、1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを、前記1つ以上のレンズによる焦点位置に前記撮像素子の撮像面を配置するように、相互に保持固定する固定手段を具備したものであり、
本発明の請求項12に係る撮像装置の修理方法は、1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを互いに固定する固定部材を破壊して、両者の固定を解除する工程と、前記レンズ枠と前記撮像枠の少なくともいずれかを交換する工程と、レンズ枠と撮像枠とを互いに固定する工程と、を具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、撮像ユニットの修理・交換に際しても、交換前の部品の再利用を可能にすることができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の断面構造を示す断面図、図2は図1の撮像装置が組込まれる電子内視鏡の構成を示す構成図である。
【0013】
先ず、図2を参照して本実施の形態を適用する電子内視鏡について説明する。
【0014】
電子内視鏡1は、細長な挿入部2と、この挿入部2の手元側に連設され術者が把持して種々の操作を行う操作部3と、この操作部3から延設したユニバーサルコード4とを有している。このユニバーサルコード4の他端には、コネクタ部5が設けられており、コネクタ部5を図示しない光源装置、CCU(カメラコントロールユニット)に接続することができるようになっている。
【0015】
操作部3には、湾曲操作レバー11と、鉗子等の処置具を挿入する処置具挿入口12等が設けられている。また、挿入部2は、操作部3に連設された可撓性を有する可撓管10と、可撓管の先端に連設された湾曲部9と、湾曲部9の先端に連設された先端部8とによって構成されている。先端部8に図1の撮像装置が配置されるようになっている。なお、先端部8には、図1の撮像装置の他に、照明光を伝達する図示しないライトガイドファイバー等も配設されている。
【0016】
図1の撮像装置は、観察光学系である対物レンズユニット21及び撮像手段である撮像ユニット30によって構成されている。撮像装置の先端に配置される対物レンズユニット21は前面に光学窓部材24が設けられる。光学窓部材24は、電子内視鏡1の先端部8の先端外表面に露出する構成となっており、例えばサファイア製の凹レンズによって構成されている。凹レンズは、その先端側表面(底面)は、平らで、基端側表面は凹形状となっている。
【0017】
光学窓部材24はレンズ枠22に取り付けられる。レンズ枠22は先端側及び基端側が開口した筒形状を有している。光学窓部材24は、金属製のレンズ枠22の先端側内周面に嵌入されて、光学窓部材24の外周とレンズ枠22の先端側内周とが、気密に固定されている。例えば、エポキシ系の接着剤又は半田付けで固定してある。
【0018】
また、レンズ枠22には、先端側からレンズ23a,23bが配置されている。各レンズ23a,23bは、夫々全周が接着剤によってレンズ枠22の内周に固定的に接着されている。レンズ枠22は内周面に突起部を有していることから、光学窓部材24はレンズ枠22の先端側から挿入され、レンズ23a,23bはレンズ枠22の基端側から挿入されて組み付けられるようになっている。
【0019】
この対物レンズユニット21の基端側には、撮像ユニット30が配置されている。撮像ユニット30は、固体撮像素子であるCCD31、ガラスリッド32、カバーガラス33を有している。CCD31は対物レンズユニット21を介して入射した被写体の光学像を電気信号に変換する。CCD31の基端側には、図示しないTAB(Tape Automated Bonding)部材が設けられており、電子内視鏡1基端側まで挿通された図示しないケーブルに電気的に接続されている。このケーブルによって、CCD31に駆動信号を供給すると共に、CCD31からの画像信号を伝送するようになっている。
【0020】
CCD31には、画素部を構成する図示しない撮像面を覆うように、UV接着剤等でガラスリッド32が貼られている。ガラスリッド32にはさらに前記画素部中心に対して芯出しされた状態で円形平板のカバーガラス33が接着固定されている。即ち、CCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、一体的に接着固定されている。
【0021】
CCD31に固定されたカバーガラス33は撮像枠としてのCCD保持枠34に取り付けられる。CCD保持枠34は、先端側及び基端側が開口した筒形状を有し、基端側の内周面にカバーガラス33を嵌入し、カバーガラス33の外周面とCCD保持枠34の内周面とを図示しない接着剤によって固定的に接着するようになっている。
【0022】
レンズ枠22とCCD保持枠34とは相互に嵌め合わせるようになっている。嵌合とは、クリアランスが0.005〜0.03mmを言う。即ち、レンズ枠22の外径とCCD保持枠34の内径とは略同じであり、レンズ枠22の基端側を、CCD保持枠34の先端側内周面に嵌入するようになっている。これにより、対物レンズユニット21と撮像ユニット30との光軸を一致させることができる。
【0023】
本実施の形態においては、レンズ枠22とCCD保持枠34との連結に際して、レンズ枠22の基端側外周面とCCD保持枠34の先端側内周面との相互に接する取り付け面(嵌合部)39には、接着剤等を使用しないようになっている。本実施の形態においては、レンズ枠22及びCCD保持枠34相互間の固定には、取付部として機能する固定部材28を用いるようになっている。
【0024】
固定部材28は、基端側が前面開口し、先端側は所定の径で開口した筒状部材であり、基端側内径はCCD保持枠34の外径よりも若干大きい。前記嵌合クリアランスよりも大きく設定される。例えば0.03mm以上に設定される。固定部材28としては、少なくともCCD保持枠34の材料よりは軟質の材料、例えば、プラスチックやアセタール樹脂等の材料を用いる。また、固定部材28としては、レンズ枠22よりも軟質の材料を用いた方がよい。また、CCD保持枠34又はレンズ枠22がステンレス製であれば、固定部材28を真鍮で構成しても良い。
【0025】
固定部材28の先端側開口はレンズ枠22の外周面に取り付け可能な大きさに形成される。レンズ枠22の外周面には先端から所定の位置に突部29が形成されており、固定部材28の先端面をこの突部29に当接させて、この先端面と突部29の基端側面との接着部38を図示しない接着剤、例えばエポキシ系接着剤によって接着固定するようになっている。このようにすることで、突部29は図示しないスコープと撮像装置の位置出し及び固定部材28とレンズ枠29の位置出しの手段にもなる。
【0026】
なお、固定部材28の先端の内周面とレンズ枠29の外周面との接合面についても接着剤によって接着固定するようにしてもよい。この場合、例えば、図3のように接着剤28aにより接着固定できるので、接着面積が広くなり強固に固定できる。また、図4のように、突部29の周面と固定部材28の先端面を接着剤28bにより接着固定してもよい。この場合、接着剤を除去することで対物レンズを再利用できる。
【0027】
本実施の形態においては、対物レンズユニット21に固定部材28を接着固定した後、固定部材28の基端側内周面にCCD保持枠34を挿入する。そして、光軸合わせ及び焦点合わせを行いながら、固定部材28の内周面とCCD保持枠34の外周面との間の隙間(接着部37)に接着剤35を充填して、両者を位置決めしながら接着固定するようになっている。
【0028】
このように構成された実施の形態の組み立てにおいては、先ず、レンズ枠22に、光学窓部材24及びレンズ23a,23bを固定的に取り付け、CCD保持枠34に、一体的に構成されたCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33を固定的に取り付ける。そして、レンズ枠22の外周側に、突部29の接着部38において固定部材28を接着固定する。
【0029】
この状態で、CCD保持枠34の先端側内周面にレンズ枠22を嵌入する。両者の嵌合部39には接着剤を塗布しない。CCD保持枠34の内径とレンズ枠22の外径との寸法精度によって、両者が嵌合することで、高精度の光軸合わせが可能となる。
【0030】
この嵌合作業において、CCD保持枠34は固定部材28内に挿入されることになる。次に、CCD保持枠34の外周面と固定部材28の内周面との間の隙間(接着部37)に接着剤35を充填し、焦点出しを行った後、接着固定する。こうして、対物レンズユニット21と撮像ユニット30とによって構成される撮像装置が得られる。
【0031】
ここで、修理又は交換等のために、対物レンズユニット21とCCD保持枠34とを分解するものとする。この場合には、CCD保持枠34の外周面と固定部材28の内周面とが対向する接着部37の接着剤35を剥がす。
【0032】
図5はこの場合における分解方法の一例を示す説明図である。図5(a)はレンズ枠22に取り付けられた固定部材28を示し、図5(b)は固定部材28とCCD保持枠34との分離を示している。図8は分解方法の一例を示すフローチャートである。
【0033】
図5(a)に示すように、固定部材28の周面を加工して、光軸に平行な溝状の破壊部28-1を形成する(図8のステップS1 )。なお、破壊部28-1は組み立て前から形成されていてもよい。破壊部28-1は周面に1本以上形成する。これにより、取付部28は、破壊部28-1におけるクラック耐性が劣化する。図5では、取付部28に4カ所の破壊部28-1を設けた例を示しており、破壊部28-1によって区画された1つのブロックに対して、径方向に力を加えることで、このブロックを破壊部28-1において破壊する(ステップS2 )。これにより、固定部材28の内周面とCCD保持枠34の外周面との接着を容易に剥がすことができ(ステップS3 )、固定部材28とCCD保持枠34とを分離することができる。CCD保持枠34とレンズ枠22とは嵌合部39において接着されることなく嵌め合わされており、CCD保持枠34とレンズ枠22とは嵌合部39にダメージを与えることなく、相互に取り外しが可能である(ステップS4 )。即ち、対物レンズユニット21と撮像ユニット30とを分離することができる。
【0034】
また、図6は分解方法の他の例を示す説明図である。図6(a)はレンズ枠22に取り付けられた固定部材28を示し、図6(b)は固定部材28とCCD保持枠34との分離を示している。
【0035】
図6(a)に示すように、固定部材28の周面を加工して、光軸に垂直な溝状の破壊部28-2を形成する。破壊部28-2は固定部材28の周面に周回状に形成する。これにより、取付部28は、破壊部28-2におけるクラック耐性が劣化する。この場合には、突部29とCCD保持枠34とを相互に逆方向にねじることによって破壊部28-2において固定部材28を破壊する。これにより、固定部材28の内周面とCCD保持枠34の外周面との接着を容易に剥がすことができ、固定部材28とCCD保持枠34とを分離することができる。即ち、対物レンズユニット21と撮像ユニット30とを分離することができる。例えば、破壊部28-2は、レンズ枠22と固定部材28の径方向で最大クリアランスを持つ部位に配置してある。このとき、破壊部28-2は、固定部材28が突部29に当接することで適切な位置に配置される。
【0036】
このような分解作業において、固定部材28の方がCCD保持枠34よりも軟らかい材料で構成されていることから、剥離作業時に、固定部材28にダメージが生じたり破損したりすることがあっても、CCD保持枠34にダメージが及ぶことはほとんど無い。また、剥離作業に伴ってCCD保持枠34にダメージが与えられるとしても、そのダメージはCCD保持枠34の外周面のみに生じ、嵌合部39には生じない。
【0037】
この場合には、レンズ枠22と固定部材28とが接合されたままの状態でCCD保持枠34とレンズ枠22とが取り外されることもあり、また、取り外しに際して、接着部38の接着剤も剥離されて、レンズ枠22から固定部材28が外れることもあり、また、軟らかい材料の固定部材28が折れることで、レンズ枠22と固定部材28との接合が外れることもある。いずれの場合においても、CCD保持枠34及びレンズ枠22の嵌合部39については何らのダメージも与えられない。
【0038】
こうして、CCD保持枠34で保持された撮像ユニット30と、レンズ枠22に保持された対物レンズユニット21との分解が行われる。この分解作業において、少なくともCCD保持枠34の嵌合部39は何らのダメージを受けていないことから、例えば、対物レンズユニット21のみを交換し、撮像ユニット30については再利用する場合でも、高精度の光軸及び焦点合わせが可能である。
【0039】
なお、図6の場合には、対物レンズユニット21、撮像ユニット30の両方共にダメージがないので、これらの両方を再利用することができる。
【0040】
このように、本実施の形態においては、レンズ枠とCCD保持枠との連結に際し、光軸及び焦点合わせに影響を与える嵌合部を接着せず、他の部分においてレンズ枠とCCD保持枠とを接着固定するようになっている。これにより、レンズ枠とCCD保持枠とを分解する場合において、少なくともレンズ枠及びCCD保持枠の嵌合部にダメージが生じることを防止して、分解後の再利用を可能にしている。例えば、対物レンズユニット内にゴミや傷等の不具合が生じた場合でも、分解して対物レンズユニットのみを交換し、撮像ユニットについては再利用することで、撮像装置を再構成することができる。
【0041】
例えば、図7のように、CCD保持枠34外周と固定部材28内周を嵌合させ、突部29’の裏面と固定部材28の前端面とを接着剤28-3によって接着固定するような構成を採用することもできる。この場合には、光軸に垂直に図示しない刃物を接着剤28-3に挿入して切断破壊する。あるいは、溶剤を用いて接着剤28-3を膨潤又は溶解させる。これにより、突部29’とCCD保持枠34の嵌合部にダメージを与えることなく、対物レンズユニット21を取り外すことができる。即ち、この場合には、対物レンズユニット21についても再利用することができる。
【0042】
このように、固定部材、突部及びCCD保持枠の嵌合の関係を変えることで、再利用する部位を変えることができる。
【0043】
なお、図1ではレンズ枠22と固定部材28とを別体で構成する例について説明したが、固定部材28とレンズ枠22とを一体的に構成するようにしてもよい。この場合には、固定部材の部分もレンズ枠と同一材料で構成されることになる。
【0044】
また、本実施の形態は、CCD保持枠の内周面にレンズ枠を嵌入する例について説明したが、レンズ枠の内周面にCCD保持枠を嵌入するものにも適用することができることは明らかである。この場合においても、レンズ枠の内周面とCCD保持枠の外周面との嵌合部には接着剤を用いず、他の部分においてレンズ枠とCCD保持枠とを接着固定すればよい。
【0045】
なお、各レンズがレンズ枠に固定され、CCD及びカバーガラス等がCCD保持枠に固定される構成のものであれば、対物レンズユニット及び撮像ユニットの構成は種々採用することができ、例えば、レンズの形状及び数は図1に限定されないことは明らかである。
【0046】
また、本実施の形態によれば、嵌合部以外の部位で、レンズ枠と撮像枠とを固定しており、これらの部品が小さくなった場合でも、容易に両者を相互に固定することができ、作業性に優れている。また、破壊部を有する固定部材を介してレンズ枠と撮像枠とを固定する構成を設けており、破壊部を破壊するという簡単な作業によって、レンズ枠と撮像枠とを容易に分離することができる。また、撮像枠及びレンズ枠が小さい場合でも比較的容易な構造にて作業性を維持しつつ両者を固定することができる。また、固定部材をレンズ枠の外表面及び撮像枠の外表面に固定しており、固定部材をレンズ枠又は撮像枠或いはその両方の内面に取り付ける場合と比較して、固定部材の取り付けが容易である。また、破壊部を撮像枠よりも軟らかい材質で形成しており、破壊部の破壊に際して撮像枠にダメージが及ぶことを効果的に防ぐことができる。
【0047】
なお、分離後の対物レンズユニット(レンズ枠)と撮像ユニット(撮像枠)とを再度固定する際には新たな固定部材を用いてもよく、固定部材を用いずに直接嵌合部を接着してもよい。前者の場合には再び修理を行う場合に部品の再利用が可能になり、後者の場合には固定部材を用いない分費用が少し安くなるというメリットがある。
【0048】
図9は本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。図9において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0049】
上述したように、光軸及び焦点合わせに影響を与える嵌合部においてレンズ枠とCCD保持枠とを接着せず、他の部分において接着することで、レンズ枠とCCD保持枠とを相互に固定すればよく、固定部材等の形状配置は特に限定されない。本実施の形態は、固定部材をCCD保持枠側に取り付けた場合の例を示している。
【0050】
図9において、レンズ枠22’に固定される光学窓部材24及びレンズ23a,23bは図1と同一物であり、CCD保持枠41に一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33も図1と同一物であるものとする。
【0051】
レンズ枠22’及びCCD保持枠41は、図1のレンズ枠22又はCCD保持枠34と内径及び外径は夫々同一である。本実施の形態においては、図1の固定部材28に相当する固定部材42は、CCD保持枠41の外周面に、図示しない接着剤等によって接着固定されている。なお、固定部材42をCCD保持枠41よりも軟らかい材料で構成する点は第1の実施の形態と同様である。
【0052】
組立時には、CCD保持枠41の先端側内周面にレンズ枠22’を嵌入する。これにより、高精度の光軸合わせが行われる。なお、両者の嵌合部49には接着剤を塗布しない。
【0053】
レンズ枠22’は固定部材42内に挿入されることになる。レンズ枠22’の外周面と固定部材42の内周面との間(接着部)に接着剤45を充填し、焦点出しを行った後、レンズ枠22’と固定部材42とを相互に接着固定する。
【0054】
嵌合部49よりも先端側のレンズ枠22’の外周面及びCCD保持枠41の先端側の固定部材42の内周面には、周状に溝が形成されて、基端側に染み出す接着剤45が嵌合部49に到達することを阻止するための接着溜まり43が構成されている。接着剤45をレンズ枠22’の外周面と固定部材42の内周面との間の接着部に適量配置すると共に、接着溜まり43を設けることによって、接着剤45が嵌合部49に到達することを確実に防止することができる。こうして、対物レンズユニット21’と撮像ユニット30’とによって構成される撮像装置が得られる。
【0055】
ここで、修理又は交換等のために、対物レンズユニット21’とCCD保持枠41とを分解するものとする。この場合には、レンズ枠22’の外周面と固定部材42の先端面及び内周面とが対向する部分に配置された接着剤45を剥がす。固定部材42の方がCCD保持枠41よりも軟らかい材料で構成されていることから、剥離作業時に、固定部材42にダメージが生じたり破損したりすることがあっても、CCD保持枠41にダメージが及ぶことはほとんど無い。また、剥離作業に伴ってCCD保持枠41にダメージが与えられるとしても、そのダメージはCCD保持枠41の外周面のみに生じ、嵌合部49には生じない。
【0056】
このように、本実施の形態においても、レンズ枠とCCD保持枠とを分解する場合において、少なくともレンズ枠及びCCD保持枠の嵌合部にダメージが生じることを防止して、分解後の再利用を可能にすることができる。
【0057】
なお、図9ではCCD保持枠41と固定部材42とを別体で構成する例について説明したが、固定部材42とCCD保持枠41とを一体的に構成するようにしてもよい。この場合には、固定部材の部分もCCD保持枠と同一材料で構成されることになる。
【0058】
図10は本発明の第3の実施の形態を示す断面図である。図10において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0059】
図10において、レンズ枠22並びにレンズ枠22に固定される光学窓部材24及びレンズ23a,23bは図1と同一物である。本実施の形態においては、一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠55に接着固定されるようになっている。CCD保持枠55はCCD保持枠34と同一内径であり、先端側内周面である嵌合部59において、レンズ枠22を嵌入させることができるようになっている。
【0060】
本実施の形態においては、固定部材52は、図1の固定部材28と略同様の形状に構成されており、内径はCCD保持枠55の先端側の外径に略一致している。そして、CCD保持枠55の外周面と固定部材52の内周面には、相互に同一ねじ形状のねじ山が夫々形成されており、ネジ部54を構成する。即ち、このネジ部54を利用して、CCD保持枠55を固定部材52に螺入することによって、CCD保持枠55と固定部材52とを相互に固定することができるようになっている。
【0061】
即ち、組立時においては、CCD保持枠55が固定部材52に螺入されて一体化された状態で、CCD保持枠55の先端側内周面にレンズ枠22を嵌入する。この嵌入作業と同時に、光軸合わせ及び焦点合わせを行う。なお、CCD保持枠55の先端側内周面とレンズ枠22の基端側外周面による嵌合部59には接着剤を塗布しない。
【0062】
レンズ枠22は固定部材52の先端側から挿入される。焦点合わせが行われた状態で、レンズ枠22の突部29と固定部材52の先端面との間及びレンズ枠22の外周面と固定部材52の内周面との間に接着剤53を充填し、レンズ枠22と固定部材52とを相互に接着固定する。こうして、対物レンズユニット51と撮像ユニット50とが高精度に光軸及び焦点合わせされて、撮像装置が構成される。
【0063】
ここで、修理又は交換等のために、対物レンズユニット51とCCD保持枠55とを分解するものとする。この場合には、接着剤53を剥離して、対物レンズユニット51を周方向に回転させ、ネジ部54を利用して、固定部材52と共にレンズ枠22とCCD保持枠55との螺合を解除すればよい。これにより、嵌合部59はもとより、CCD保持枠55に一切ダメージを与えることなく、対物レンズユニット51とCCD保持枠55との分解が可能である。
【0064】
このように、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。更に、本実施の形態においては、分解が一層容易であるという利点がある。
【0065】
なお、本実施の形態においては、固定部材52を予めレンズ枠22に接着固定した後、ネジ部54を利用して、CCD保持枠55とレンズ枠22と嵌合させるようにすることも可能である。
【0066】
図11は本発明の第4の実施の形態を示す断面図である。図11において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。本実施の形態はレンズ枠側をCCD保持枠の外側に配置する外嵌合に適用した例である。
【0067】
図11において、対物レンズユニット71を構成するレンズ枠72には、内周面に光学窓部材24及びレンズ73a,73bが接着固定されている。一方、一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠75に接着固定されて、撮像ユニット70が構成されている。
【0068】
本実施の形態においては、CCD保持枠75の外径とレンズ枠72の内径とは略同一であり、CCD保持枠75の先端側をレンズ枠72の基端側の内周面に嵌入するようになっている。CCD保持枠75の先端側外周面とレンズ枠72の基端側の内周面との嵌合部79には接着剤を使用しない。CCD保持枠75とレンズ枠72とを嵌合部79において嵌合することによって、光軸合わせが可能となる。
【0069】
本実施の形態においては、CCD保持枠75及びレンズ枠72の外周側には、先端開口がレンズ枠72の外径よりも若干大きい内径を有し、基端側開口がCCD保持枠75の外径よりも若干大きい内径を有する固定部材76が採用されている。
【0070】
組立時においては、CCD保持枠75又はレンズ枠72のいずれか一方の外周面に固定部材76の内周面を接着させる。例えば、CCD保持枠75と固定部材76とを接着剤78aによって接着固定した状態で、CCD保持枠75の先端側をレンズ枠72の基端側内周面に嵌入する。そして、光軸合わせ及び焦点合わせを行った後、レンズ枠72の外周面と固定部材76の内周面とを接着剤78bによって接着固定する。こうして、対物レンズユニット71と撮像ユニット70とが高精度に光軸及び焦点合わせされて、撮像装置が構成される。
【0071】
ここで、修理又は交換等のために、対物レンズユニット71とCCD保持枠75とを分解するものとする。この場合には、例えば接着剤78aを剥離して、対物レンズユニット71をCCD保持枠75から外す。嵌合部79には接着剤を使用していないので、CCD保持枠75に一切ダメージを与えることなく、対物レンズユニット71とCCD保持枠75との分解が可能である。
【0072】
このように、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0073】
ところで、修理・分解を容易にするために、レンズ枠とCCD保持枠とを、ねじによって結合することも考えられる。図12はこの場合の構成例を示す断面図である。図12において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0074】
図12において、レンズ枠81には、光学窓部材24及びレンズ82a,82bが接着固定されている。一方、一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠83に接着固定される。本実施の形態においては、CCD保持枠83の内径とレンズ枠81の外径とは略同一である。また、CCD保持枠83の内周面とレンズ枠81の外周面には、同一ねじ形状のネジ部89が形成されている。これにより、CCD保持枠83の先端側内周面にレンズ枠81の基端側を螺入することができる。ネジ部89によって構成される嵌合部には、接着剤は使用されない。この嵌合部によって、光軸合わせが可能である。
【0075】
本実施の形態においては、レンズ枠81の先端の外周面には、先端カバー85が接着剤85aによって接着固定されている。先端カバー85としては例えばプラスチックやアセタール樹脂等の比較的軟らかい材料を用いる。この先端カバー85には先端硬性部86が接着されて取り付けられる。なお、先端硬性部86とレンズ枠81の外周面とは接着されていない。先端硬性部86は、CCD保持枠83との間に弾性接着剤84を介して配置される。
【0076】
本実施の形態においては、先端硬性部86には、CCD保持枠83に対向する位置において径方向にねじ孔87が形成される。ねじ孔87にねじ88を螺入することによって、CCD保持枠83を先端硬性部86に固定することができるようになっている。即ち、CCD保持枠83とレンズ枠81とは、先端硬性部86及び先端カバー85を介して相互に固定されることになる。これにより、焦点合わせ後にレンズ枠81がCCD保持枠83に対して回転することを防止して、焦点ずれが生じることを阻止する。
【0077】
ここで、修理又は交換等のために、レンズ枠81とCCD保持枠83とを分解するものとする。この場合には、接着剤85aを剥離すると共に、ねじ88を回転させてねじ孔87から取り外す。そして、レンズ枠81を周方向に回転させ、ネジ部89を利用して、レンズ枠81とCCD保持枠83との螺合を解除する。ネジ部89によって構成される嵌合部が、ダメージを受けることなく、レンズ枠81とCCD保持枠83との分解が可能である。
【0078】
このように、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0079】
また、レンズ枠とCCD保持枠との嵌合部をねじ部材で構成することによって、嵌合部を接着する場合でも、撮像ユニットを再利用可能にする構成が考えられる。図13はこの場合の構成例を示す断面図である。図13において図1と同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0080】
図13において、レンズ枠92には、光学窓部材24及びレンズ93a,93bが接着固定されている。一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠95に接着固定される。本実施の形態においては、CCD保持枠95は、先端側の内周面にねじ山が形成されており、このねじ山に一致するねじ山を有するネジ部材96を内周面に螺入することができるようになっている。ネジ部材96は、円筒形状を有し、外周面にねじ山が形成され、内周面は曲面形状に形成される。ネジ部材96の内径は、レンズ枠92の外径と略同一に形成される。
【0081】
CCD保持枠95の内周面にネジ部材96を螺入した状態で、ネジ部材96の内周面にレンズ枠92の基端側を嵌入する。そして、ネジ部材96の内周面とレンズ枠92の外周面とが対向する嵌合部において、接着剤97によりレンズ枠92とネジ部材96とを接着固定する。この接着に際して、光軸合わせ及び焦点合わせを実施する。
【0082】
ここで、修理又は交換等のために、レンズ枠92とCCD保持枠95とを分解するものとする。この場合には、接着剤97を剥離して、ネジ部材96の内周面とレンズ枠92の外周面とを引きはがし、レンズ枠92をネジ部材96から引き抜く。この分解作業に伴って、ネジ部材96の内周面はダメージを受ける。しかし、ネジ部材96は、CCD保持枠95に螺入されているものであり、ネジ部材96を回転させて取り外すと、CCD保持枠95の内周面のねじにはダメージが生じていない。これにより、ネジ部材96として新品のものを用いることにより、ネジ部材96を除く撮像ユニットの再利用が可能である。
【0083】
このように、本実施の形態においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0084】
ところで、レンズ枠とCCD保持枠とを連結する場合において、剥離時の嵌合部のダメージを十分に低減させるように、接着剤として接着力が比較的弱いゴム系の弾性接着剤を採用することも可能である。
【0085】
図14はこの場合の構成を示す断面図である。
【0086】
図14に示すように、一体的に構成されるCCD31、ガラスリッド32及びカバーガラス33は、CCD保持枠62に接着固定されるようになっている。図14では、CCD保持枠62とレンズ枠22との接合面(嵌合部)には、例えば、ゴム系の接着力が弱い弾性接着剤63が塗布されて、CCD保持枠62とレンズ枠22とを相互に接着固定している。弾性接着剤63を用いることで、水密確保が可能である。
【0087】
更に、図14の例では、CCD保持枠62にはレンズ枠22との嵌合部に対向する位置において、径方向にねじ孔64が設けられており、組立て後において、このねじ孔64のねじ形状に一致したねじ65を螺入して、CCD保持枠62をレンズ枠22に締結するようになっている。これにより、CCD保持枠62とレンズ枠22との相互の固定強度を増大させることが可能である。
【0088】
修理又は交換等のために、レンズ枠22とCCD保持枠62とを分解する場合には、先ず、ねじ65を取り外した後、接着剤63を剥離する。接着剤63の接着力は弱く、接着剤63の剥離時に、CCD保持枠62の嵌合部がダメージを受けることを防止することができる。
【0089】
このように、図14の例においても、上記各実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0090】
ところで、撮像ユニットを構成するCCDは、TAB等によって構成される電装部においてケーブルに接続される。この電装部周辺は、強度を確保するために、金属で覆うと共に、電装部と金属とのクリアランスを確保する必要がある。ところが、装置の小型化に伴いTABが多用されるようになり、電装部の位置出しが困難となっている。
【0091】
図15はこのような電装部に生じる不具合を解消するためのものである。図15(a)は内視鏡先端部の構造を示す断面であり、図15(b)は図15(a)中の保持部材110を示す斜視図である。
【0092】
CCD保持枠104の先端側内周面にレンズ枠102が嵌入されて、光軸合わせが行われている。CCD保持枠104とレンズ枠102とは外周側に設けられた固定部材105によって相互に接着固定されて、焦点合わせが行われている。CCD保持枠104の基端側には、カバーガラスを介してCCD31が固定的に取り付けられている。
【0093】
CCD31の基端側には、TAB112等によって構成される電装部111が配置されている。電装部111は小型のトランジスタやチップコンデンサ等、或いは、チップ抵抗やICチップ等の電子部品113が配置されている。電装部111には複合ケーブル114が接続される。CCD31及び複合ケーブル114の周囲は、接着剤115が充填されており、更にその外周には、金属製の補強枠116が外周を覆っている。更に、その外周には、熱収縮チューブ117が覆っている。補強枠116は、CCD保持枠104に対し接着固定されている。
【0094】
図15の例では、電装部111を囲むように、絶縁部材で構成された保持部材110が配置されている。保持部材110は、図15(b)に示すように、底面及び両側面を有するコ字状部材であり、底面及び両側面によって囲まれた部分に電装部111を収納するようになっている。保持部材110の両側面の内面相互間の距離は、電装部111の寸法に一致させてあり、保持部材110の内部において電装部111は移動することなく保持されるようになっている。
【0095】
また、保持部材110の両側面の外表面は、補強枠116に当接しており、これにより、保持部材110は、補強枠116と共に電装部111の位置決め部品としての機能を有する。即ち、保持部材110は補強枠116と電装部111(TAB112)とのクリアランスを最小限にすることができ、十分な強度を維持して、小型化を可能にすることができる。
【0096】
なお、図15では直視用の撮像装置を例に示したが、電装部及びケーブルの延出方向に対して光軸が略直交する側視用の撮像装置にも、同様に適用することができることは明らかである。
【0097】
なお、上記各実施の形態においては、撮像素子としてCCDの例について説明したが、撮像素子は特に限定されるものではなく、光軸合わせ及び焦点合わせにレンズ枠と撮像枠とを用いる全ての装置に適用することができ、例えば撮像素子としてはCMOSセンサ等を用いてもよいことは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0098】
以上のように、本発明に係る撮像装置は、対物レンズユニットと撮像ユニットとを連結させたもので、修理・交換等が必要となるシステムに有用であり、例えば電子内視鏡の先端部に設けられて、患部の被写体像を撮像するものに適している。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る撮像装置の断面構造を示す断面図。
【図2】図1の撮像装置が組込まれる電子内視鏡の構成を示す構成図。
【図3】固定部材の接着を説明するための説明図。
【図4】固定部材の接着を説明するための説明図。
【図5】固定部材の接着を説明するための説明図。
【図6】分解方法を説明するための説明図。
【図7】分解方法を説明するための説明図。
【図8】分解方法を説明するためのフローチャート。
【図9】本発明の第2の実施の形態を示す断面図。
【図10】本発明の第3の実施の形態を示す断面図。
【図11】本発明の第4の実施の形態を示す断面図。
【図12】撮像装置の変形例を示す断面図。
【図13】撮像装置の変形例を示す断面図。
【図14】撮像装置の変形例を示す断面図。
【図15】撮像装置の変形例を示す断面図。
【符号の説明】
【0100】
21…対物レンズユニット21、22…レンズ枠、23a,23b…レンズ、28…固定部材、29…突部、30…撮像ユニット、31…CCD、33…カバーガラス、34…CCD保持枠、35…接着剤、37,38…接着部、39…嵌合部。
代理人 弁理士 伊 藤 進
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と、
撮像素子が固定される撮像枠と、
前記レンズ枠と撮像枠との嵌合部を接着せずに前記レンズ枠と撮像枠とを相互に固定する固定手段とを具備した撮像装置。
【請求項2】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と、
撮像素子が固定される撮像枠と、
前記レンズ枠と撮像枠とを前記嵌合部以外の部位で相互に固定する固定手段とを具備した撮像装置。
【請求項3】
前記固定手段は、前記レンズ枠と撮像枠とを前記嵌合部以外の部位で相互に固定する固定部材を含む撮像装置。
【請求項4】
前記固定部材は、前記レンズ枠と撮像枠とを分離する際に破壊される破壊部を有する請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記固定部材は、前記レンズ枠の外面及び前記撮像枠の外面に固定される請求項3又は4のいずれか一方に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記固定部材の破壊部は、前記撮像枠よりも軟らかい材質で構成される請求項3乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項7】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを、前記1つ以上のレンズによる焦点位置に前記撮像素子の撮像面を配置するように、相互に保持固定する固定手段を具備した撮像装置用固定部材。
【請求項8】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを、前記1つ以上のレンズによる焦点位置に前記撮像素子の撮像面を配置するように、前記嵌合部以外の部位で相互に保持固定する固定部を具備した撮像装置用固定部材。
【請求項9】
前記固定部は、前記レンズ枠と撮像枠とを分離する際に破壊される破壊部を有する請求項8に記載の撮像装置用固定部材。
【請求項10】
前記固定部は、前記レンズ枠の外面及び前記撮像枠の外面に固定される請求項8又は9のいずれか一方に記載の撮像装置用固定部材。
【請求項11】
前記固定部の破壊部は、前記撮像枠よりも軟らかい材質で構成される請求項8乃至10のいずれか1つに記載の撮像装置用固定部材。
【請求項12】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを互いに固定する固定部材を破壊して、両者の固定を解除する工程と、
前記レンズ枠と前記撮像枠の少なくともいずれかを交換する工程と、
レンズ枠と撮像枠とを互いに固定する工程と、
を具備する撮像装置の修理方法。
【請求項13】
前記交換する工程において前記レンズ枠と前記撮像枠のいずれかを交換すると共に、
前記固定する工程において前記交換されたレンズ枠及び撮像枠のいずれか一方を、レンズ枠及び撮像枠のいずれか他方と固定することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の修理方法。
【請求項1】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と、
撮像素子が固定される撮像枠と、
前記レンズ枠と撮像枠との嵌合部を接着せずに前記レンズ枠と撮像枠とを相互に固定する固定手段とを具備した撮像装置。
【請求項2】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と、
撮像素子が固定される撮像枠と、
前記レンズ枠と撮像枠とを前記嵌合部以外の部位で相互に固定する固定手段とを具備した撮像装置。
【請求項3】
前記固定手段は、前記レンズ枠と撮像枠とを前記嵌合部以外の部位で相互に固定する固定部材を含む撮像装置。
【請求項4】
前記固定部材は、前記レンズ枠と撮像枠とを分離する際に破壊される破壊部を有する請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記固定部材は、前記レンズ枠の外面及び前記撮像枠の外面に固定される請求項3又は4のいずれか一方に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記固定部材の破壊部は、前記撮像枠よりも軟らかい材質で構成される請求項3乃至5のいずれか1つに記載の撮像装置。
【請求項7】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを、前記1つ以上のレンズによる焦点位置に前記撮像素子の撮像面を配置するように、相互に保持固定する固定手段を具備した撮像装置用固定部材。
【請求項8】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを、前記1つ以上のレンズによる焦点位置に前記撮像素子の撮像面を配置するように、前記嵌合部以外の部位で相互に保持固定する固定部を具備した撮像装置用固定部材。
【請求項9】
前記固定部は、前記レンズ枠と撮像枠とを分離する際に破壊される破壊部を有する請求項8に記載の撮像装置用固定部材。
【請求項10】
前記固定部は、前記レンズ枠の外面及び前記撮像枠の外面に固定される請求項8又は9のいずれか一方に記載の撮像装置用固定部材。
【請求項11】
前記固定部の破壊部は、前記撮像枠よりも軟らかい材質で構成される請求項8乃至10のいずれか1つに記載の撮像装置用固定部材。
【請求項12】
1つ以上のレンズが固定されるレンズ枠と撮像素子が固定される撮像枠とを互いに固定する固定部材を破壊して、両者の固定を解除する工程と、
前記レンズ枠と前記撮像枠の少なくともいずれかを交換する工程と、
レンズ枠と撮像枠とを互いに固定する工程と、
を具備する撮像装置の修理方法。
【請求項13】
前記交換する工程において前記レンズ枠と前記撮像枠のいずれかを交換すると共に、
前記固定する工程において前記交換されたレンズ枠及び撮像枠のいずれか一方を、レンズ枠及び撮像枠のいずれか他方と固定することを特徴とする請求項12に記載の撮像装置の修理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2006−15076(P2006−15076A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−198527(P2004−198527)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】
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