説明

撮像装置、画像処理装置および画像処理方法

【課題】画像データを圧縮符号化して所定サイズに収めることが可能な撮像装置を提供すること。
【解決手段】第1の解像度である第1の画像データを生成する撮像手段1と、画像データを任意の解像度に拡大又は縮小する解像度変換手段10と、画像データに対して圧縮符号化を行って符号化画像データとする符号化手段11と、撮像手段1、解像度変換手段10および符号化手段11を制御する制御手段12と、を備え、制御手段12は、解像度変換手段10を制御して第1の画像データを第1の解像度よりも低い第2の解像度に縮小させて第2の画像データを得るに際し、第1の画像データおよび第2の画像データのうちいずれか一方を第2の解像度よりも低い第3の解像度に一旦縮小した後、第2の解像度に拡大して第2の画像データを得、制御手段12は、第2の画像データを符号化手段11に符号化させて符号化画像データを得るようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データを圧縮符号化して出力する撮像装置および画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
動画や静止画を撮影するデジタルカメラ等の撮像装置においては、一般に、撮像された画像データをJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式等の所定の圧縮符号化方式により圧縮符号化し、符号化画像データとして記録媒体に記録している。また、符号化画像データを記録媒体に記録する際、記録媒体に記録される符号化画像データのインデックス画像として活用されるサムネイル画像データを生成し、符号化画像データとともに記録媒体に記録することが行われている(例えば、特許文献1参照。)。サムネイル画像データは、画像データの画素データを間引いて分解能を粗くした小画像であり、通常はさらに圧縮符号化が施された符号化サムネイル画像データとして記録媒体に記録される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−69465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
撮像装置においては、例えば、AVCHD(Advanced Video Codec High Definition)等の画像フォーマット規格や、デジタルカメラ等の組み込み機器の実装の都合上、サムネイル画像データの解像度(画像データの縦横の画素数)や符号化サムネイル画像データのサイズに上限値が設定される場合がある。特にデータサイズに上限値が設定される場合、サムネイル画像データに対して圧縮符号化を行って符号化サムネイル画像データを得るときには、そのデータサイズを所定サイズ以下に収める必要がある。しかしながら従来の撮像装置では、ハードウェア化された符号化部を利用して圧縮符号化を行うことが多く、その符号化部の圧縮性能不足のため、所定のデータサイズに収めることができないことがあるという課題があった。以下、この課題について説明する。
【0005】
画像データをJPEG方式等で圧縮符号化する際の圧縮率は、圧縮符号化を行う符号化部に設定する量子化ステップ等のパラメータの他、圧縮符号化の対象である画像データの絵柄の複雑さに依存する。したがって、画像データを所定サイズ以下に収めたい場合には、複雑な絵柄の画像データが入力された場合にも圧縮符号化後のデータサイズが所定サイズ以下になるように符号化のためのパラメータを設定する。しかしながら通常、符号化部にて設定可能なパラメータの範囲は決められており、最も圧縮率が高くなるようにパラメータを設定したとしても、非常に複雑な絵柄の画像データが入力されたときには所定サイズ以下に収めることが出来ない場合があった。
【0006】
本発明は上記課題を解決し、圧縮性能に限界がある符号化部を利用する場合においても、画像データを圧縮符号化して所定サイズに収めることが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、以下の撮像装置によって達成される。
【0008】
第1の解像度である第1の画像データを生成する撮像手段と、画像データを任意の解像度に拡大又は縮小する解像度変換手段と、画像データに対して圧縮符号化を行って符号化画像データとする符号化手段と、撮像手段、解像度変換手段および符号化手段を制御する制御手段と、を備え、制御手段は、解像度変換手段を制御して第1の画像データを第1の解像度よりも低い第2の解像度に縮小させて第2の画像データを得るに際し、第1の画像データおよび第1の画像データを解像度変換手段により拡大又は縮小した画像データのうちいずれか一方を第2の解像度よりも低い第3の解像度に一旦縮小した後、第2の解像度に拡大して第2の画像データを得る拡大縮小処理を行わせ、制御手段は、第2の画像データを符号化手段に符号化させて符号化画像データを得るようにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、圧縮性能に限界がある符号化部を利用する場合においても、画像データを圧縮符号化した際に所定サイズに収めることが可能な撮像装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1にかかる撮像装置における、画像データを撮像して記録するときの動作を示すフローチャート
【図3】実施の形態1にかかる撮像装置における、サムネイル画像データを生成して記録するときの動作を示すフローチャート
【図4】実施の形態1にかかる撮像装置における、縮小拡大処理の動作を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
1.本実施の形態1にかかる撮像装置の構成
図1は、実施の形態1にかかる撮像装置の構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施の形態にかかる撮像装置は、撮像した画像データを圧縮符号化した符号化画像データ、および、画像データを縮小したサムネイル画像データを圧縮符号化した符号化サムネイル画像データを、記録媒体としてのメモリカードに記録する。撮像装置は、撮像した画像データを静止画として記録すると共に、その画像データを縮小してサムネイル画像とする。また、符号化サムネイル画像データのサイズは、あらかじめ設定された所定サイズ以下となるようにする。
【0013】
撮像部1は、レンズ(図示せず)で集光した画像の光学的信号を電気的信号に変換して画像データを生成する。ゲインコントロール部(以下、AGCと呼ぶ)5は、生成した画像データのゲインを調整する。A/D変換部6は、AGCから出力されたアナログ信号である画像データをデジタル化する。YC生成部8は、デジタル化された画像データを輝度信号と色信号とに変換する。変換された画像データは、メモリコントローラ7を介してバッファメモリ2に一時記憶される。撮像部1は、撮像素子としてCCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ、NMOSイメージセンサ等を用いることができる。
【0014】
解像度変換部10は、バッファメモリ2に記憶された画像データに対して解像度を変換し拡大・縮小した画像を生成する処理を行う。解像度変換部10は、画像データを縮小処理してサムネイル画像データを生成する際にも使用される。生成されたサムネイル画像データは、元の画像データとは別にバッファメモリ2に一時記憶される。サムネイル画像の解像度(以下、サムネイル解像度と呼ぶ)は、幅400画素×高さ300画素であるものとする。また、撮像部1が出力する画像データの解像度(以下、撮像解像度と呼ぶ)と、メモリカード4に記録すべき画像データの解像度(以下、記録解像度と呼ぶ)とが異なる場合は、解像度変換部10が拡大・縮小処理を行うことで設定された解像度に変換する。本実施の形態では、撮像解像度を幅4000画素×高さ3000画素、記録解像度を幅2000画素×高さ1500画素とする。また、メモリカードに記録された符号化画像データを復号化して表示部15に表示するような場合にも解像度変換部10は、表示部15の解像度に合わせて、もしくはユーザが操作部13を操作して指定した表示サイズに基づいて拡大・縮小処理を行う。解像度変換部10が出力する画像データの解像度は、マイコン12が指定する。
【0015】
圧縮符号化部11は、あらかじめ設定された符号化パラメータにて画像データおよびサムネイル画像データを圧縮符号化し、各々符号化画像データおよび符号化サムネイル画像データとして、メモリカード4に記録する。符号化パラメータは、画像データおよびサムネイル画像データに対して各々異なるものを設定することができる。
【0016】
以上のように、バッファメモリ2に記憶された画像データは、必要に応じて解像度変換部10にて解像度変換処理された後、圧縮符号化部11にて圧縮符号化され、符号化画像データとしてメモリカード4へ記憶される。また、画像データを縮小して生成したサムネイル画像データについても同様に、圧縮符号化部11にて圧縮符号化され、符号化サムネイル画像データとしてメモリカード4へ記憶される。
【0017】
復号化部17は、メモリカードに記録された符号化画像データおよび符号化サムネイル画像データを復号化し、各々画像データおよびサムネイル画像データとしてバッファメモリに記憶させる。
【0018】
表示部15はバッファメモリ2に記憶された画像データおよびサムネイル画像データを表示する。電子ビューファインダ(EVF:Electronic View Finder)や液晶モニタは、表示部15の一例である。
【0019】
メモリカード4は、撮像装置に備えられたスロット(図示せず)に対して着脱可能である。なお、メモリカード4の代わりにHDD(Hard Disk Drive)や光ディスク等の記録媒体に記録するようにしてもよい。また、これらの記録媒体は撮像装置内に取り外しできない状態で設けられていてもよい。
【0020】
マイコン12は、操作部13を介したユーザの指示にしたがい、これら一連の動作を制御する。マイコン12は、記憶部16に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより各種動作を実行する。また、各種パラメータ等も記憶部16に記憶されており、必要に応じて読み出しおよび書き込みが行われる。例えば、記録解像度はユーザが操作部13を操作することにより設定されたものが記憶部16に記憶される。撮像装置が画像データをメモリカード4に記録する際には、撮像解像度の画像データを記録解像度に変換するため、マイコン12は解像度変換部10に対して記録解像度を設定して拡大・縮小処理を行わせる。同様に、サムネイル画像データを記録する際には、マイコン12は解像度変換部10に対してサムネイル解像度を設定して縮小処理を行わせる。またマイコン12は、ユーザが設定した圧縮率等の設定に基づいて、圧縮符号化部11に量子化ステップ等、符号化のための各種パラメータを設定する。
【0021】
2.動作
2−1.フロー
次に、本実施の形態にかかる撮像装置の動作について説明する。
【0022】
2−1−1.画像データ記録時の動作
はじめに、本実施の形態にかかる撮像装置の基本的な動作として、撮像した画像データをメモリカード4に記録する際の動作について、図2のフローチャートを参照しながら説明する。図2は、本実施の形態にかかる撮像装置における、画像データを撮像して記録するときの動作を示すフローチャートである。
【0023】
マイコン12は、操作部13を介したユーザからの指示により、各種撮影パラメータを決定する(S101)。撮影パラメータとしては、光学系(図示せず)のズーム、フォーカスおよび絞りの設定、ISO感度、シャッタスピード、ホワイトバランス、記録解像度、圧縮符号化時の圧縮度合い等が挙げられる。これらはすべてユーザが設定することもできるが、一部またはすべての設定をマイコン12が決定するようにしてもよい。次に、マイコン12は操作部13に設けられたシャッタボタンが押下されたかどうか監視する(S102)。
【0024】
シャッタボタンが押下されると、撮像部1は、マイコン12の制御に基づいて被写体を撮像し、画像データを生成する(S103)。生成された画像データは、ISO感度設定に応じたゲインでAGC5にてゲイン調整された後、A/D変換部6にてデジタル信号に変換される。YC生成部8は、A/D変換部6にてデジタル化された画像データを、輝度信号及び色信号に変換する(S104)。
【0025】
マイコン12は、記録解像度に応じた拡大・縮小倍率を決定する(S105)。倍率は、撮像解像度に対する記録解像度の比率として求めることができる。たとえば撮像解像度および記録解像度が共に4000×3000画素であればその倍率は1倍(以下、倍率は縦横の画素数に対する倍率とする)となり、拡大・縮小処理は行わない。本実施の形態では、撮像解像度を4000×3000画素、記録解像度を2000×1500画素としているので、その倍率は1/2倍となる。倍率については、縦方向、横方向それぞれ決定する必要がある。以下の説明では便宜上どちらも同じ倍率とするが、それぞれ別の倍率となるように各解像度を設定してもよい。解像度変換部10にて拡大・縮小処理が行われる(S107)。
【0026】
画像データは拡大・縮小処理後、符号化部11にて圧縮符号化され(S110)、符号化画像データが生成される。このときの符号化パラメータは、ユーザの設定に基づいて設定される。符号化画像データは、メモリカード4へ記録される(S111)。最後に、撮像して記録した画像データに対応するサムネイル画像データを生成し、符号化サムネイル画像データとしてメモリカード4に記録する(S112)。サムネイル画像データの生成については、以下で詳しく述べる。
【0027】
2−1−2.サムネイル画像データ記録時の動作
次に、サムネイル画像データを生成して記録するときの動作について詳細に説明する。図3は、本実施の形態にかかる撮像装置における、サムネイル画像データを生成して記録するときの動作を示すフローチャートである。本実施の形態では、バッファメモリ2に記憶されている、記録解像度の画像データを対象画像データとして、これからサムネイル画像データを生成するものとする。マイコン12は、バッファメモリ2に記憶されている画像データに対して縮小処理を行い、サムネイル画像データを生成するよう以下のように各部を制御する。
【0028】
まず、処理対象である画像データを縮小してサムネイル画像データを生成する際の縮小倍率を決定する(S201)。対象画像データの解像度が記録解像度であれば、倍率は、記録解像度に対するサムネイル解像度の比率として求めることができる。本実施の形態では、記録解像度が2000×1500画素であり、サムネイル解像度が400×300画素であるので、その倍率は1/5倍となる。
【0029】
倍率決定後、解像度変換部10にて縮小処理が行われる(S203)。解像度変換処理後のサムネイル画像データは、符号化部11にて圧縮符号化され(S205)、符号化サムネイル画像データが生成される。このときの符号化パラメータは、符号化部11にて指定可能な、最も圧縮率が高くなる組み合わせを設定するものとする。
【0030】
ここでマイコン12は、符号化サムネイル画像データのサイズが所定サイズに収まっているかどうか判断する(S206)。例えば所定サイズが16キロバイト(KB)であるとすると、マイコン12は圧縮符号化された符号化サムネイル画像データのサイズを16KBと比較する。所定サイズ以下であれば(S206において“Yes”)、この符号化サムネイル画像データをメモリカード4に記録する(S207)。所定サイズを越えていれば(S206において“No”)、一旦、画像データをサムネイル解像度よりさらに小さな解像度(例えば、1/2)に縮小した後、縮小画像をサムネイル画像データのサイズに再び拡大する、縮小拡大処理を行い(S208)、その後に再度圧縮符号化処理を行う(S205)。
【0031】
次に縮小拡大処理について、詳細に説明する。図4は、対象となる画像データを一旦サムネイル解像度より小さな解像度に縮小した後、再度サムネイル解像度まで拡大する、縮小拡大処理の動作を示すフローチャートである。この処理では、処理対象である画像データを、最終的に得たいサムネイル画像データよりも低い解像度(以下、中継解像度と呼ぶ)の画像データ(以下、中継画像データと呼ぶ)に一旦縮小し、そこから拡大処理を行ってサムネイル画像データを得る。サムネイル解像度よりも低い中継解像度に縮小してからサムネイル解像度に拡大することにより、得られるサムネイル画像データの実質的な情報量は中継解像度のそれと等しくなる。その結果、符号化部11で符号化すると、そのデータ量をより小さくすることができる。
【0032】
以下、処理対象の画像データは記録解像度の画像データであるものとして説明するが、処理対象の画像データとして、記録解像度への解像度変換処理を行っていない撮像解像度の画像データや、すでにサムネイル解像度に縮小済みのサムネイル画像データを選択してもよい。
【0033】
まず、処理対象である画像データを、最終的に得たいサムネイル画像データよりも低い解像度(以下、中継解像度と呼ぶ)の画像データに縮小する際の縮小倍率、およびそこからサムネイル画像データに拡大する際の拡大倍率を決定する(S301)。中継解像度を200×150画素とすれば、記録解像度(2000×1500画素)に対する中継解像度の倍率(縮小倍率)は1/10倍となり、中継解像度に対するサムネイル解像度(400×300画素)の倍率(拡大倍率)は2倍となる。すなわち、処理対象の画像データに対し、一旦サムネイル画像データの解像度の1/2の解像度まで縮小してから2倍に拡大することでサムネイル画像データを得るようにする。なお、対象画像データとしてサムネイル画像データを選択した場合には縮小倍率と拡大倍率を掛け合わせると1となり、本実施の形態では、縮小倍率は1/2倍、拡大倍率は2倍となる。
【0034】
倍率決定後、解像度変換部10にて縮小処理が行われる(S303)。縮小処理後、さらに解像度変換部10にて拡大処理が行われる(S304)。
【0035】
2−2.効果等
以上のように、本実施の形態の撮像装置は、縮小拡大処理により、通常通りの縮小処理のみによって得られるサムネイル画像データと比較して、実質的な情報量がより少ないサムネイル画像データを得ることが出来る。これは縮小倍率に応じて画像データの高周波成分が失われることに起因する。このため、符号化部11の圧縮性能に制約があった場合でも、圧縮符号化したときに得られる符号化サムネイル画像データのサイズをより小さくすることが出来、所定サイズ以下に収めることができるようになる。また、縮小拡大処理は、通常の撮像動作において使用する解像度変換部10を用いて行うことができ、符号化部11についても特別な構成は不要なため、従来の構成に対して大規模な変更を加えることなく実現することが可能となる。
【0036】
なお、もし縮小拡大処理によっても符号化サムネイル画像データのサイズを所定サイズ以下に収めることが出来なかった場合には(S206において“No”)、中継解像度をより低い解像度に設定して(S301)縮小拡大処理をやりなおす(S303、S304)ようにすればよい。この場合、さらなる縮小拡大処理における対象画像データとして、中継解像度の中継画像データを用いることもできる。
【0037】
なお、本実施の形態の撮像装置は、記録すべき画像データを圧縮符号化して符号化画像データとして記録した後で、サムネイル画像データを生成するものとして説明したが、サムネイル画像データを生成するタイミングはこの限りではなく、バッファメモリ2に画像データが記憶されている状態であればいつでもよい。例えば、YC生成部8によってバッファメモリ2に画像データが記憶された後であればいつでもよい。また、サムネイル画像生成の対象画像データについても本実施の形態で説明した撮像解像度、記録解像度の画像データの他、表示部15へ表示するために解像度変換した画像データを対象画像データとしてもよい。
【0038】
また、本実施の形態では、画像データを撮像して記録する際に、併せてサムネイル画像データも生成して記録する撮像装置について説明したが、入力される画像データに対してサムネイル画像データを生成する画像処理装置として構成してもよい。例えば、メモリカード4に記憶された符号化画像データ、または外部から伝送される符号化画像データを復号化部17が復号してバッファメモリ2に記憶し、これを対象画像データとして本実施の形態と同様の処理によりサムネイル画像データを生成する画像処理装置として構成してもよい。
【0039】
本実施の形態では、画像データを通常通り(中継解像度を経由せず)サムネイル解像度に縮小してサムネイル画像データを得、圧縮符号化後の符号化サムネイル画像データのサイズが所定サイズ以下にならない場合に、縮小拡大処理によりさらにサイズを小さくする構成について説明したが、最初から無条件に縮小拡大処理を行ってもよい。
【0040】
なお、本実施の形態では、処理対象の画像データに対し、一旦サムネイル画像データの解像度の1/2の解像度まで縮小してから2倍に拡大する、すなわち中継解像度に対する
サムネイル解像度の倍率を2倍としたが、中継解像度がサムネイル解像度より低い解像度になっていれば他の倍率であってもよい。
【0041】
なお、本実施の形態では、サムネイル画像データを符号化する際に本発明を適用した例について説明したが、撮像した画像データそのものを含め、任意の画像データに適用することで、符号化部11の圧縮性能に制約があった場合でも、圧縮符号化したときに得られる符号化画像データのサイズをより小さくすることが可能である。
【0042】
なお、本実施の形態の撮像装置は画像データを静止画として記録し、静止画である画像データからサムネイル画像データを生成するものとして説明したが、画像データを例えば、AVCHD(Advanced Video Codec HighDefinition)動画として記録し、一連の動画からサムネイル画像データを生成するようにしてもよい。その場合、例えば、動画としての画像データの中から撮影開始直後の先頭画像を1コマ抽出して静止画としての画像データとし、そこから本実施の形態と同様にサムネイル画像データを生成し、AVCHD規格で定められるサムネイル画像データとして記録するようにすればよい。
【0043】
なお、本実施の形態にかかる撮像装置の構成の一部を、集積回路として構成してもよい。例えば、メモリコントローラ7、YC生成部8、解像度変換部10、符号化部11、復号化部17を含む集積回路3として構成してもよい。この集積回路3には、さらにバッファメモリ2、マイコン12および記憶部16のうち少なくともいずれかを含むようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、特別な処理部を追加すること無く、画像データを圧縮符号化した際に所定サイズに収めることができるので、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、監視カメラ、カメラ付き携帯端末等、カメラ機能を有する電子機器に適用できる。
【符号の説明】
【0045】
1 撮像部
2 バッファメモリ
3 集積回路
4 メモリカード
5 ゲインコントロール部
6 A/D変換部
7 メモリコントローラ
8 YC生成部
10 解像度変換部
11 符号化部
12 マイコン
13 操作部
15 表示部
16 記憶部
17 復号化部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の解像度である第1の画像データを生成する撮像手段と、
画像データを任意の解像度に拡大又は縮小する解像度変換手段と、
画像データに対して圧縮符号化を行って符号化画像データとする符号化手段と、
前記撮像手段、前記解像度変換手段および前記符号化手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記解像度変換手段を制御して前記第1の画像データを前記第1の解像度よりも低い第2の解像度に縮小させて第2の画像データを得るに際し、前記第1の画像データおよび前記第1の画像データを前記解像度変換手段により拡大又は縮小した画像データのうちいずれか一方を前記第2の解像度よりも低い第3の解像度に一旦縮小した後、第2の解像度に拡大して前記第2の画像データを得る縮小拡大処理を行わせ、
前記制御手段は、前記第2の画像データを符号化手段に符号化させて符号化画像データを得るようにする、撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記解像度変換手段を制御して前記第1の画像データを前記第1の解像度よりも低い第2の解像度に縮小させて第2の画像データを得るに際し、前記第1の画像データを前記第2の解像度に縮小して得た前記第2の画像データを前記符号化手段で圧縮符号化したときに所定サイズ以下とならないときに、前記縮小拡大処理を行わせる、請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記縮小拡大処理により前記第2の画像データを得たときに前記所定サイズ以下とならない場合、前記第3の解像度をさらに低い解像度に再設定して前記縮小拡大処理を行わせる、請求項1および2のいずれかに記載の撮像装置。
【請求項4】
画像データを任意の解像度に拡大又は縮小する解像度変換手段と、
画像データに対して圧縮符号化を行って符号化画像データとする符号化手段と、
前記解像度変換手段および前記符号化手段を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、外部から入力される第1の解像度である第1の画像データに対して、前記解像度変換手段を制御して前記第1の解像度よりも低い第2の解像度に縮小させて第2の画像データを得るに際し、前記第1の画像データおよび前記第1の画像データを前記解像度変換手段により拡大又は縮小した画像データのうちいずれか一方を前記第2の解像度よりも低い第3の解像度に一旦縮小した後、第2の解像度に拡大して前記第2の画像データを得る縮小拡大処理を行わせ、
前記制御手段は、前記第2の画像データを符号化手段に符号化させて符号化画像データを得るようにする、画像処理装置。
【請求項5】
前記制御手段は、外部から入力される第1の解像度である第1の画像データに対して、前記解像度変換手段を制御して前記第1の解像度よりも低い第2の解像度に縮小させて第2の画像データを得るに際し、前記第1の画像データを前記第2の解像度に縮小して得た前記第2の画像データを前記符号化手段で圧縮符号化したときに所定サイズ以下とならないときには、前記縮小拡大処理を行わせる、請求項4記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記縮小拡大処理により前記第2の画像データを得たときに前記所定サイズ以下とならない場合、前記第3の解像度をさらに低い解像度に再設定して前記縮小拡大処理を行わせる、請求項4および5のいずれかに記載の画像処理装置。
【請求項7】
外部から入力される第1の解像度である第1の画像データに対して、前記第1の解像度よりも低い第2の解像度に縮小してから圧縮符号化することにより符号化画像データを得る画像処理方法であって、
前記第1の画像データおよび前記第1の画像データを拡大又は縮小した画像データのうちいずれか一方を前記第2の解像度よりも低い第3の解像度に縮小して第3の画像データを得るステップと、
前記第3の画像データを前記第2の解像度に拡大して前記第2の画像データを得るステップと、
前記第2の画像データを圧縮符号化して前記符号化画像データを得るステップと、
を備える画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−23928(P2011−23928A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−166539(P2009−166539)
【出願日】平成21年7月15日(2009.7.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】