説明

撮像装置およびその制御方法

【課題】 部品追加によるコストアップを招くことなく且つ装置を大型化させることもなく、設置部の振動に起因するレンズ鏡筒の共振を抑え且つレンズ鏡筒の位置ずれを抑制することができる撮像装置およびその制御方法を提供する。
【解決手段】 設置部200に設置される監視カメラ1は、レンズ鏡筒201と、レンズ鏡筒201の向きを変化させることができるパン駆動部202と、を備え、設置部200の振動数を検出する振動数検出部206と、監視カメラ1の固有振動数を記憶する記憶部207と、監視カメラ1の固有振動数を記憶部207から読み出すCPU209と、振動数検出部206により検出された振動数とCPU209により読み出された固有振動数との差が所定値以内であると判定した場合に、レンズ鏡筒201の向きを保持させるようにパン駆動部202を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンズ鏡筒の向きを変化させることができるモーターを有する撮像装置およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、画像を遠隔的にモニタリングできる監視カメラに於いて、ズーム・フォーカス等の操作に加え、レンズ鏡筒の向きを自在に設定すべくパン・チルト等の電動操作が可能なものが知られている。
【0003】
このような監視カメラでは、通常、パン・チルト非駆動時に於いて、レンズ鏡筒は、パン・チルト駆動手段であるところのモーターのコギングトルクにより回転規制されている。しかしながら、振動等の外乱が発生すると、監視カメラ内のレンズ鏡筒が共振してしまい、撮像画像のブレが発生することがあった。
【0004】
また、監視カメラ内のレンズ鏡筒が共振してしまうと、レンズ鏡筒の位置ズレが発生することがあった。たとえば、レンズ鏡筒の共振により、レンズ鏡筒がチルト方向に位置ズレしてしまい、監視カメラの撮像方向(監視範囲)にズレを生じることがあった。
【0005】
特許文献1には、反射鏡を支持する支持手段を光ビームの主走査方向に沿って移動可能に設けることにより、反射鏡の共振点をずらし、反射鏡の振動を抑制することができる光走査装置が開示されている。
【0006】
特許文献2には、光学機器の固有振動数を事前に記憶しておき、この固有振動数を用いて撮像画像のブレを補正するブレ補正装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−184548号公報
【特許文献2】特開2010−16700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示の技術を考慮し、レンズ鏡筒の共振点をずらすための専用部品を監視カメラに追加したとしても、コストアップを招き、且つ、監視カメラ本体の小型化を妨げることになる。その上、監視カメラが設置された設置部の振動数と監視カメラ本体の固有振動数とが合致したことによる共振を防ぐことはできない。
【0009】
また、特許文献2に開示のブレ補正装置は、あくまで撮像画像のブレを補正するものであり、レンズ鏡筒の共振によるレンズ鏡筒の位置ズレを抑制することはできない。
【0010】
本発明は上記のような点に鑑みてなされたものである。すなわち、部品追加によるコストアップを招くことなく且つ装置を大型化させることもなく、設置部の振動に起因するレンズ鏡筒の共振を抑え且つレンズ鏡筒の位置ズレを抑制することができる撮像装置およびその制御方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の向きを変化させることができる駆動手段と、を備え、設置部に設置される撮像装置であって、前記設置部の振動数を検出する振動数検出手段と、前記撮像装置の固有振動数を記憶する記憶手段と、前記撮像装置の固有振動数を前記記憶手段から読み出す読み出し手段と、前記振動数検出手段により検出された振動数と前記読み出し手段により読み出された固有振動数との差が所定値以内であると判定した場合に、前記レンズ鏡筒の向きを保持させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、を有する。
【0012】
また、上記目的を達成するために、本発明の撮像装置の制御方法は、レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の向きを変化させることができる駆動部と、設置部に設置される撮像装置の固有振動数を記憶する記憶部と、を備える撮像装置の制御方法であって、前記設置部の振動数を検出する振動数検出ステップと、前記設置部に設置される撮像装置の固有振動数を前記記憶部から読み出す読み出しステップと、前記振動数検出ステップにより検出された振動数と前記読み出しステップにより読み出された固有振動数との差が所定値以内であると判定した場合に、前記レンズ鏡筒の向きを保持させるように前記駆動部を制御する制御ステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、部品追加によるコストアップを招くことなく且つ装置を大型化させることもなく、設置部の振動に起因するレンズ鏡筒の共振を抑え且つレンズ鏡筒の位置ズレを抑制することができる撮像装置およびその制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態に係る監視カメラ1の外観図である。
【図2】本発明の実施形態に係る監視カメラ1の分解斜視図である。
【図3】本発明の実施形態に係る、監視カメラ1の制御のための構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る、保持通電制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る、保持通電制御処理の一部を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る、固有振動数と監視カメラ1の姿勢情報および駆動機構情報とを対応付けたテーブルである。
【図7】本発明の実施形態に係る、正立姿勢における監視カメラ1の外観図である。
【図8】本発明の実施形態に係る、保持通電制御処理の一部の変形例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照して、撮像装置としての監視カメラ1に本発明を適用した場合の実施形態について詳説する。
【0016】
図1は、本発明を適用した監視カメラ1の外観図である。まず、図1(a)は、天井に設置された監視カメラ1の外観図であって、天吊り姿勢(天吊り状態)の監視カメラ1の外観図である。ここで、図1(a)の左図は、監視カメラ1の正面図、図1(a)の右図は、監視カメラ1の側面図である。
【0017】
また、図1(b)は、壁に設置された監視カメラ1の外観図であって、壁付け姿勢(壁付け状態)の監視カメラ1の外観図である。図1(b)の左図は、監視カメラ1の正面図、図1(b)の右図は、監視カメラ1の側面図である。そして、図7は、床に設置された監視カメラ1の外観図であって、正立姿勢(正立状態)における監視カメラ1の外観図である。図7の左図は、監視カメラ1の側面図、図7の右図は、監視カメラ1の正面図である。
【0018】
なお、図1、7では、後述するレンズ鏡筒201などを透過的に示している。
【0019】
図1、図7における監視カメラ1は、上カバー103、下カバー102、レンズ鏡筒201の前面に配設された透明性を有するドーム101などから構成される。また、設置部200は、図1(a)では、天井を示すものとし、図1(b)では、床から立設された壁面を示すものとし、図7では、床を示すものとする。
【0020】
図1におけるドーム101は、透明または半透明のプラスチック製のドームであり、半球形状に形成されている。また、下カバー102は、耐衝撃性を高めるために金属製、より詳細には、アルミニウム合金製の外装部品である。
【0021】
上カバー103も外装部品であり、その底面には、設置部200に取り付けるための取り付け構造が設けられている。また、レンズ鏡筒201は、パン方向(実線の矢印で示す方向)に回動可能、且つ、チルト方向(破線の矢印で示す方向)に回動可能に設けられている。
【0022】
なお、本実施形態では、監視カメラ1が取り付けられる設置面(天井、壁面、床)を設置部200としたが、これに限るものではない。例えば、監視カメラが取り付けられる、ポール、街灯、L字型の取り付け用アームなどを設置部200としても良い。
【0023】
続いて、図2は、本実施形態における監視カメラ1の本体構成を示すための斜視図である。ここで、図2(a)は、監視カメラ1の分解斜視図であり、図2(b)は、パンベース105周辺の詳細斜視図である。図2(b)における2点の図は、それぞれ異なる視点から俯瞰したものである。
【0024】
図2において、半球形状に形成されたドーム101は、下カバー102と保持部材104とにより挟持されるよう、設けられている。保持部材104は、下カバー102との間にドーム101を挟み込んだ状態で、螺子等の締結手段(不図示)により、下カバー102に対して固定される。
【0025】
パンベース105は、監視カメラ1本体に対してパン方向に回動可能となるように、上カバー103に配設されている。また、パンベース105は、その両端に形成されている一対のアーム部105aにより、チルトベース106をチルト方向に回動可能に軸支している。パンベース105の下端部の外周には、平歯ギヤ105bが形成されており、この平歯ギヤ105bは、被駆動部204として示したギヤ列のうちパンベース105側のギヤと噛み合う。
【0026】
さらに、チルトベース106は、レンズ鏡筒201の光軸としてのローテーション軸の回りに回動可能に、ローテーションベース(不図示)を保持する。このローテーションベースは、レンズ鏡筒201を保持する。また、チルトベース106には、平歯ギヤ106aが設けられており、この平歯ギヤ106aは、被駆動部205として示したギヤ列のうちの一方のギヤと噛み合う。
【0027】
パン駆動部202には、ピニオンギヤが接続されており、このピニオンギヤは、被駆動部204のうちパン駆動部202側のギヤと噛み合う。また、被駆動部204は、パン駆動部202からの駆動力をパンベース105に伝達するためのギヤ列である。したがって、パン駆動部202は、被駆動部204を介してパンベース105をパン方向に駆動する。
【0028】
チルト駆動部203には、ピニオンギヤが接続されており、このピニオンギヤは、被駆動部205のうち一方のギヤと噛み合う。また、被駆動部205は、チルト駆動部203からの駆動力をチルトベース106に伝達するためのギヤ列である。したがって、チルト駆動部203は、被駆動部205を介してチルトベース106をチルト方向に駆動する。
【0029】
ローテーション駆動部210(図2では不図示)は、ローテーションベースがローテーション軸回りに回動するように、ローテーションベースを駆動する。
【0030】
なお、本実施例において、パン機構は、パンベース105を含み、チルト機構は、チルトベース106を含み、ローテーション機構は、ローテーションベースを含み、パン機構およびチルト機構およびローテーション機構それぞれの固有振動数は、異なるものとする。
【0031】
振動数検出部206は、設置部200の振動数を検出する。なお、本実施形態では、振動数検出部206として、不図示のプリント基板に設けられた加速度センサを用いるものとする。また、この不図示のプリント基板は、上カバー103に設けられているものとする。
【0032】
続いて、図3は、設置部200の振動数に応じてパン駆動部202およびチルト駆動部203およびローテーション駆動部210へ保持通電することにより、監視カメラ1の共振を防止するための構成を示すブロック図である。
【0033】
図3におけるレンズ鏡筒201は、フォーカスレンズ201cおよびズームレンズ201dを備える。また、フォーカス駆動部201aは、CPU209の指示を受け、レンズ鏡筒201のフォーカスレンズ201cを駆動するステッピングモーターである。さらに、ズーム駆動部201bは、CPU209の指示を受け、レンズ鏡筒201のズームレンズ201dを駆動するステッピングモーターである。
【0034】
パンモーターとしてのパン駆動部202は、CPU209の指示を受け、レンズ鏡筒201の向きをパン方向に変化(駆動)させるステッピングモーターである。また、パン駆動部202は、CPU209の指示を受け、レンズ鏡筒201の向きを保持することができる。
【0035】
より詳細には、パン駆動部202は、CPU209から保持通電されることにより、パン駆動部202が回転駆動することなく、パンベース105などをその停止位置に保持することができる。これにより、パン機構の振動(共振)を抑えることができる。
【0036】
チルトモーターとしてのチルト駆動部203は、CPU209の指示を受け、レンズ鏡筒201の向きをチルト方向に変化(駆動)させるステッピングモーターである。また、チルト駆動部203は、CPU209の指示を受け、レンズ鏡筒201の向きを保持することができる。
【0037】
より詳細には、チルト駆動部203は、CPU209から保持通電されることにより、チルト駆動部203が回転駆動することなく、チルトベース106などをその停止位置に保持することができる。これにより、チルト機構の振動(共振)を抑えることができる。
【0038】
ローテーションモーターとしてのローテーション駆動部210は、CPU209の指示を受け、ローテーション軸(図3におけるR軸)回りに、レンズ鏡筒201の向きを変化(駆動)させるステッピングモーターである。また、ローテーション駆動部210は、CPU209の指示を受け、レンズ鏡筒201の向きを保持することができる。
【0039】
より詳細には、ローテーション駆動部210は、CPU209から保持通電されることにより、ローテーション駆動部210が回転駆動することなく、ローテーションベースなどをその停止位置に保持することができる。これにより、ローテーション機構の振動(共振)を抑えることができる。
【0040】
振動数検出部206は、CPU209の指示を受け、設置部200の振動数をCPU209に出力する。
【0041】
記憶部207は、複数の固有振動数と、監視カメラ1の姿勢情報および駆動機構情報とを対応付けた、図6に示すようなテーブルを記憶する不揮発性メモリである。また、記憶部207は、CPU209から出力された姿勢情報を監視カメラ1の現在の姿勢情報として記憶する。
【0042】
なお、本実施形態において、記憶部207が記憶する固有振動数は、監視カメラ1の振動試験を行うことにより予め測定されたものとする。また、本実施形態における姿勢情報とは、天吊り姿勢であるのか、それとも壁付け姿勢であるのか、あるいは正立姿勢であるのかを示す情報である。さらに、本実施形態における駆動機構情報とは、パン機構であるのか、それともチルト機構であるのか、あるいはローテーション機構であるのかを示す情報である。
【0043】
CPU209は、監視カメラ1の各部を統括的に制御する。まず、CPU209は、監視カメラ1の現在の姿勢情報を記憶部207から読み出す。ここで、本実施形態における現在の姿勢情報は、ユーザーにより予め設定されるものである。例えば、CPU209は、ユーザーにより操作される外部のカメラ制御装置から、ネットワークを介して姿勢情報を受信する。そして、CPU209は、受信した姿勢情報を記憶部207に出力し、出力した姿勢情報を監視カメラ1の現在の姿勢情報として記憶部207に記憶させる。
【0044】
次に、CPU209は、記憶部207から読み出した現在の姿勢情報に対応するパン機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。また、CPU209は、記憶部207から読み出した現在の姿勢情報に対応するチルト機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。さらに、CPU209は、記憶部207から読み出した現在の姿勢情報に対応するローテーション機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。
【0045】
そして、CPU209は、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かに応じ、パン駆動部202へ保持通電する。また、CPU209は、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かに応じ、チルト駆動部203へ保持通電する。さらに、CPU209は、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かに応じ、ローテーション駆動部210へ保持通電する。
【0046】
続いて、図4および図5は、設置部200の振動数に応じてパン駆動部202およびチルト駆動部203およびローテーション駆動部210へ保持通電することにより、監視カメラ1の共振を防止する保持通電制御処理を示すフローチャートである。この処理は、CPU209によって実行される。
【0047】
ステップS101では、CPU209は、監視カメラ1に電源が投入されたか否かを判定する。そして、監視カメラ1に電源が投入されたとCPU209が判定した場合には、ステップS102に進み、監視カメラ1に電源が投入されていないとCPU209が判定した場合には、ステップS101に戻る。
【0048】
ステップS102では、CPU209は、監視カメラ1の現在の姿勢情報を記憶部207から取得する(読み出す)。
【0049】
ステップS103では、CPU209は、現在の監視カメラ1の姿勢が天吊り姿勢であるか否かを判定する。
【0050】
具体的には、CPU209は、ステップS102で読み出された姿勢情報が天吊り姿勢を示している場合は、現在の監視カメラ1の姿勢が天吊り姿勢であると判定する。一方、CPU209は、ステップS102で読み出された姿勢情報が天吊り姿勢を示していない場合は、現在の監視カメラ1の姿勢が天吊り姿勢ではないと判定する。
【0051】
そして、監視カメラ1の現在の姿勢情報が天吊り姿勢であるとCPU209が判定した場合には、ステップS104に進み、監視カメラ1の現在の姿勢情報が天吊り姿勢ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS107に進む。
【0052】
ステップS104では、CPU209は、天吊り姿勢に対応するパン機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから、姿勢情報が「天吊り姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「パン機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0053】
ステップS105では、CPU209は、天吊り姿勢に対応するチルト機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから、姿勢情報が「天吊り姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「チルト機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0054】
ステップS106では、CPU209は、天吊り姿勢に対応するローテーション機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから、姿勢情報が「天吊り姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「ローテーション機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0055】
ステップS107では、CPU209は、現在の監視カメラ1の姿勢が壁付け姿勢であるか否かを判定する。
【0056】
具体的には、CPU209は、ステップS102で読み出された姿勢情報が壁付け姿勢を示している場合は、現在の監視カメラ1の姿勢が壁付け姿勢であると判定する。一方、CPU209は、ステップS102で読み出された姿勢情報が壁付け姿勢を示していない場合は、現在の監視カメラ1の姿勢が壁付け姿勢ではないと判定する。
【0057】
そして、監視カメラ1の現在の姿勢情報が壁付け姿勢であるとCPU209が判定した場合には、ステップS108に進む。一方、監視カメラ1の現在の姿勢情報が壁付け姿勢ではないとCPU209が判定した場合(換言すれば、監視カメラ1の現在の姿勢情報が正立姿勢であるとCPU209が判定した場合)には、ステップS111に進む。
【0058】
ステップS108では、CPU209は、壁付け姿勢に対応するパン機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから、姿勢情報が「壁付け姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「パン機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0059】
ステップS109では、CPU209は、壁付け姿勢に対応するチルト機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから、姿勢情報が「壁付け姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「チルト機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0060】
ステップS110では、CPU209は、壁付け姿勢に対応するローテーション機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから、姿勢情報が「壁付け姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「ローテーション機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0061】
ステップS111では、CPU209は、正立姿勢に対応するパン機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから、姿勢情報が「正立姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「パン機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0062】
ステップS112では、CPU209は、正立姿勢に対応するチルト機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから、姿勢情報が「正立姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「チルト機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0063】
ステップS113では、CPU209は、正立姿勢に対応するローテーション機構の固有振動数を記憶部207から読み出す。具体的には、CPU209は、記憶部207に記憶された図6に示すようなテーブルから姿勢情報が「正立姿勢」に対応し且つ駆動機構情報が「ローテーション機構」に対応する固有振動数を読み出す。
【0064】
ステップS114では、CPU209は、レンズ鏡筒201がパン回動中であるか否かを判定する。そして、レンズ鏡筒201がパン回動中であるとCPU209が判定した場合には、ステップS114に戻り、レンズ鏡筒201がパン回動中ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS115に進む。
【0065】
ステップS115では、CPU209は、レンズ鏡筒201がチルト回動中であるか否かを判定する。そして、レンズ鏡筒201がチルト回動中であるとCPU209が判定した場合には、ステップS114に戻り、レンズ鏡筒201がチルト回動中ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS116に進む。
【0066】
ステップS116では、CPU209は、レンズ鏡筒201がローテーション回動中であるか否かを判定する。そして、レンズ鏡筒201がローテーション回動中であるとCPU209が判定した場合には、ステップS114に戻り、レンズ鏡筒201がローテーション回動中ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS117に進む。
【0067】
ステップS117では、CPU209は、設置部200の振動数を振動数検出部206から取得する。
【0068】
ステップS118では、CPU209は、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かを判定する。
【0069】
例えば、CPU209は、記憶部207から読み出したパン機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、CPU209は、記憶部207から読み出したパン機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内である場合には、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致すると判定する。一方、CPU209は、記憶部207から読み出したパン機構の固有振動数と設置部200の振動数との差が所定値以内ではない場合には、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないと判定する。
【0070】
そして、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するとCPU209が判定した場合には、ステップS119に進む。一方、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないとCPU209が判定した場合には、ステップS121に進む。
【0071】
ステップS119では、CPU209は、パン駆動部202が保持通電OFF状態であるか否かを判定する。そして、パン駆動部202が保持通電OFF状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS122に進む。一方、パン駆動部202が保持通電OFF状態ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS123に進む。
【0072】
ステップS120では、CPU209は、パン駆動部202への保持通電を開始することにより、パン駆動部202を保持通電ON状態にする。
【0073】
ステップS121では、CPU209は、パン駆動部202が保持通電ON状態であるか否かを判定する。そして、パン駆動部202が保持通電ON状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS120に進む。一方、パン駆動部202が保持通電ON状態でないとCPU209が判定した場合には、ステップS123に進む。
【0074】
ステップS122では、CPU209は、パン駆動部202への保持通電を停止することにより、パン駆動部202を保持通電OFF状態にする。
【0075】
ステップS123では、CPU209は、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かを判定する。
【0076】
例えば、CPU209は、記憶部207から読み出したチルト機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、CPU209は、記憶部207から読み出したチルト機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内である場合、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致すると判定する。一方、CPU209は、記憶部207から読み出したチルト機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内ではない場合、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないと判定する。
【0077】
そして、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するとCPU209が判定した場合には、ステップS124に進む。一方、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないとCPU209が判定した場合には、ステップS126に進む。
【0078】
ステップS124では、CPU209は、チルト駆動部203が保持通電OFF状態であるか否かを判定する。そして、チルト駆動部203が保持通電OFF状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS125に進む。一方、チルト駆動部203が保持通電OFF状態ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS128に進む。
【0079】
ステップS125では、CPU209は、チルト駆動部203への保持通電を開始することにより、チルト駆動部203を保持通電ON状態にする。
【0080】
ステップS126では、CPU209は、チルト駆動部203が保持通電ON状態であるか否かを判定する。そして、チルト駆動部203が保持通電ON状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS127に進む。一方、チルト駆動部203が保持通電ON状態ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS128に進む。
【0081】
ステップS127では、CPU209は、チルト駆動部203への保持通電を停止することにより、チルト駆動部203を保持通電OFF状態にする。
【0082】
ステップS128では、CPU209は、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かを判定する。
【0083】
例えば、CPU209は、記憶部207から読み出したローテーション機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、CPU209は、記憶部207から読み出したローテーション機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内である場合、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致すると判定する。一方、CPU209は、記憶部207から読み出したローテーション機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内ではない場合、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないと判定する。
【0084】
そして、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するとCPU209が判定した場合には、ステップS129に進む。一方、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないとCPU209が判定した場合には、ステップS131に進む。
【0085】
ステップS129では、CPU209は、ローテーション駆動部210が保持通電OFF状態であるか否かを判定する。そして、ローテーション駆動部210が保持通電OFF状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS130に進む。一方、ローテーション駆動部210が保持通電OFF状態でないとCPU209が判定した場合には、ステップS114に戻る。
【0086】
ステップS130では、CPU209は、ローテーション駆動部210への保持通電を開始することにより、ローテーション駆動部210を保持通電ON状態にする。
【0087】
ステップS131では、CPU209は、ローテーション駆動部210が保持通電ON状態であるか否かを判定する。そして、ローテーション駆動部210が保持通電ON状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS132に進む。一方、ローテーション駆動部210が保持通電ON状態でないとCPU209が判定した場合には、ステップS114に戻る。
【0088】
ステップS132では、CPU209は、ローテーション駆動部210への保持通電を停止することにより、ローテーション駆動部210を保持通電OFF状態にする。
【0089】
以上のように、本実施形態では、CPU209が、設置部200の振動数とパン機構の固有振動数との差が所定値以内である場合、パン駆動部202へ保持通電する。
【0090】
これにより、設置部200の振動数とパン機構の固有振動数とが略一致した場合に、レンズ鏡筒の向き(位置)を保持するための保持トルクをパン駆動部202が発生するので、設置部200の振動によりパン機構が回転してしまうことを防止できる。この結果、部品追加によるコストアップを招くことなく且つ装置を大型化させることもなく、設置部200の振動に起因するレンズ鏡筒201の共振を抑えることができ、レンズ鏡筒201の位置ズレを防止することができる。
【0091】
また、例えば、空調機器などが監視カメラ1の近傍に存在する場合、空調機器などの電源が投入されているか否かにより設置部200の振動数は変化し得る。同様に、道路近傍の街灯やポールなどに監視カメラ1が設置された場合も、道路の交通量の変化により設置部200の街灯の振動数は変化する。さらには、自動車、飛行機、列車などの移動体を設置部200として設置された場合も、移動体の速度や傾きなどの状況により設置部200の振動数は変化する。
【0092】
そこで、本実施形態では、CPU209が、振動数検出部206で検出された設置部200の振動数と記憶部207に記憶されたパン機構の固有振動数との差が所定値以内ではないとき、パン駆動部202への保持通電を停止する。これにより、設置部200の振動数が変化し得る状況で、消費電力を削減することが可能となる。
【0093】
また、本実施形態では、CPU209が、外部のカメラ制御装置からネットワークを介して受信した姿勢情報を記憶部207に出力し、出力した姿勢情報を監視カメラ1の現在の姿勢情報として記憶部207に記憶させるように構成したが、これに限るものではない。
【0094】
例えば、振動数検出部206が、監視カメラ1の傾きを検知し、検知した傾きを示す傾き情報をCPU209に出力し、CPU209が、振動数検出部206により出力された傾き情報から監視カメラ1の現在の姿勢を判定するように構成しても良い。そして、CPU209が、判定した現在の姿勢に対応する姿勢情報を記憶部207に出力し、出力した姿勢情報を監視カメラ1の現在の姿勢情報として記憶部207に記憶させるように構成しても良い。
【0095】
また、本実施形態では、振動数検出部206として、不図示のプリント基板に設けられた加速度センサを用いるものとしたが、これに限るものではない。例えば、防振を目的として、レンズ鏡筒201の振動を検出するための加速度センサなどがレンズ鏡筒201に取り付けられている場合があり得る。この場合は、レンズ鏡筒201に取り付けられている加速度センサなどが振動数検出部206を兼ねるようにしても良い。
【0096】
また、本実施形態では、パン駆動部202としてステッピングモーターを用いたが、これに限るものではない。例えば、パン駆動部202としてDCモーターを用いても良い。同様に、本実施形態では、チルト駆動部203としてステッピングモーターを用いたが、これに限るものではない。例えば、チルト駆動部203としてDCモーターを用いても良い。さらに、本実施形態では、ローテーション駆動部210としてステッピングモーターを用いたが、これに限るものではない。例えば、ローテーション駆動部210としてDCモーターを用いても良い。
【0097】
続いて、図8を用いて、保持通電制御処理の一部を異ならせた、本発明の実施形態に係る監視カメラ1の変形例について説明する。ここで、図8は、保持通電制御処理の一部の変形例を説明するためのものである。なお、本変形例では、上述した実施形態に対応するものと同一の要素には同一符合を付し、その説明を省略する。
【0098】
ステップS201では、CPU209は、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かを判定する。
【0099】
例えば、CPU209は、記憶部207から読み出したパン機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、CPU209は、記憶部207から読み出したパン機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内である場合には、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致すると判定する。一方、CPU209は、記憶部207から読み出したパン機構の固有振動数と設置部200の振動数との差が所定値以内ではない場合には、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないと判定する。
【0100】
そして、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するとCPU209が判定した場合には、ステップS204に進む。一方、パン機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないとCPU209が判定した場合には、ステップS202に進む。
【0101】
ステップS202では、CPU209は、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かを判定する。
【0102】
例えば、CPU209は、記憶部207から読み出したチルト機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、CPU209は、記憶部207から読み出したチルト機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内である場合、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致すると判定する。一方、CPU209は、記憶部207から読み出したチルト機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内ではない場合、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないと判定する。
【0103】
そして、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するとCPU209が判定した場合には、ステップS204に進む。一方、チルト機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないとCPU209が判定した場合には、ステップS203に進む。
【0104】
ステップS203では、CPU209は、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するか否かを判定する。
【0105】
例えば、CPU209は、記憶部207から読み出したローテーション機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、CPU209は、記憶部207から読み出したローテーション機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内である場合、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致すると判定する。一方、CPU209は、記憶部207から読み出したローテーション機構の固有振動数とステップS117で取得された振動数との差が所定値以内ではない場合、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないと判定する。
【0106】
そして、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致するとCPU209が判定した場合には、ステップS204に進む。一方、ローテーション機構の固有振動数と設置部200の振動数とが略一致しないとCPU209が判定した場合には、ステップS210に進む。
【0107】
ステップS204では、CPU209は、パン駆動部202が保持通電OFF状態であるか否かを判定する。そして、パン駆動部202が保持通電OFF状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS205に進む。一方、パン駆動部202が保持通電OFF状態ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS206に進む。
【0108】
ステップS205は、図5に示すステップS120と同様であるので、その説明を省略する。
【0109】
ステップS206では、CPU209は、チルト駆動部203が保持通電OFF状態であるか否かを判定する。そして、チルト駆動部203が保持通電OFF状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS207に進む。一方、チルト駆動部203が保持通電OFF状態ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS208に進む。
【0110】
ステップS207は、図5に示すステップS125と同様であるので、その説明を省略する。
【0111】
ステップS208では、CPU209は、ローテーション駆動部210が保持通電OFF状態であるか否かを判定する。そして、ローテーション駆動部210が保持通電OFF状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS209に進む。一方、ローテーション駆動部210が保持通電OFF状態ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS114に進む。
【0112】
ステップS209は、図5に示すステップS130と同様であるので、その説明を省略する。
【0113】
ステップS210では、CPU209は、パン駆動部202が保持通電ON状態であるか否かを判定する。そして、パン駆動部202が保持通電ON状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS211に進む。一方、パン駆動部202が保持通電ON状態ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS212に進む。
【0114】
ステップS211は、図5に示すステップS122と同様であるので、その説明を省略する。
【0115】
ステップS212では、CPU209は、チルト駆動部203が保持通電ON状態であるか否かを判定する。そして、チルト駆動部203が保持通電ON状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS213に進む。一方、チルト駆動部203が保持通電ON状態ではないとCPU209が判定した場合には、ステップS214に進む。
【0116】
ステップS213は、図5に示すステップS127と同様であるので、その説明を省略する。
【0117】
ステップS214では、CPU209は、ローテーション駆動部210が保持通電ON状態であるか否かを判定する。そして、ローテーション駆動部210が保持通電ON状態であるとCPU209が判定した場合には、ステップS215に進む。一方、ローテーション駆動部210が保持通電ON状態でないとCPU209が判定した場合には、ステップS114に戻る。
【0118】
ステップS215は、図5に示すステップS132と同様であるので、その説明を省略する。
【0119】
以上のように、本変形例では、まず、CPU209が、設置部200の振動数とパン機構の固有振動数またはチルト機構の固有振動数またはローテーション機構の固有振動数との差が所定値以内であるか否かを判定する。そして、この差が所定値以内であるとCPU209が判定した場合、CPU209は、パン駆動部202およびチルト駆動部203およびローテーション駆動部210へ保持通電する。
【0120】
これにより、設置部200の振動数とパン機構の固有振動数またはチルト機構の固有振動数またはローテーション機構の固有振動数とが略一致した場合に、レンズ鏡筒201の向き(位置)を保持するための保持トルクを各駆動部が発生する。すなわち、この保持トルクをパン駆動部202およびチルト駆動部203およびローテーション駆動部210それぞれが発生する。
【0121】
この結果、設置部200の振動に起因するレンズ鏡筒の共振をより確実に抑えることができ、レンズ鏡筒201の位置ズレをより低減させることができる。
【0122】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の
実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発
明に含まれる。また、上述した実施形態の一部を適宜組み合わせても良い。
【符号の説明】
【0123】
1 監視カメラ
200 設置部
201 レンズ鏡筒
202 パン駆動部
206 振動数検出部
207 記憶部
209 CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の向きを変化させることができる駆動手段と、を備え、設置部に設置される撮像装置であって、
前記設置部の振動数を検出する振動数検出手段と、
前記撮像装置の固有振動数を記憶する記憶手段と、
前記撮像装置の固有振動数を前記記憶手段から読み出す読み出し手段と、
前記振動数検出手段により検出された振動数と前記読み出し手段により読み出された固有振動数との差が所定値以内であると判定した場合に、前記レンズ鏡筒の向きを保持させるように前記駆動手段を制御する制御手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記差が所定値以内でないと判定した場合に、前記制御を停止することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像装置の姿勢情報を取得する取得手段をさらに有し、
前記記憶手段は、前記撮像装置の複数の姿勢情報と前記複数の姿勢情報のそれぞれに対応付けられた固有振動数とを記憶し、
前記読み出し手段は、前記取得手段により取得された姿勢情報に対応する固有振動数を、前記記憶手段から読み出すことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記駆動手段は、前記レンズ鏡筒の向きをパン方向に変化させるパンモーターと前記レンズ鏡筒の向きをチルト方向に変化させるチルトモーターとを含み、
前記記憶手段は、前記撮像装置のパン機構に対応する固有振動数と、前記撮像装置のチルト機構に対応する固有振動数とを記憶しており、
前記読み出し手段は、前記パン機構に対応する固有振動数と、前記チルト機構に対応する固有振動数とを記憶手段から読み出し、
前記制御手段は、前記振動数検出手段により検出された振動数と前記読み出し手段により読み出されたパン機構に対応する固有振動数との差が所定値以内であると判定した場合に、前記レンズ鏡筒の向きを保持させるように前記パンモーターを制御し、前記振動数検出手段により検出された振動数と前記読み出し手段により読み出されたチルト機構に対応する固有振動数との差が所定値以内であると判定した場合に、前記レンズ鏡筒の向きを保持させるように前記チルトモーターを制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記駆動手段は、前記レンズ鏡筒の向きをパン方向に変化させるパンモーターと前記レンズ鏡筒の向きをチルト方向に変化させるチルトモーターとを含み、
前記記憶手段は、前記撮像装置のパン機構に対応する固有振動数と、前記撮像装置のチルト機構に対応する固有振動数とを記憶しており、
前記読み出し手段は、前記パン機構に対応する固有振動数と前記チルト機構に対応する固有振動数とを記憶手段から読み出し、
前記制御手段は、前記振動数検出手段により検出された振動数と前記読み出し手段により読み出されたパン機構に対応する固有振動数または前記読み出し手段により読み出されたチルト機構に対応する固有振動数との差が所定値以内であると判定した場合に、前記レンズ鏡筒の向きを保持させるように、前記パンモーターおよび前記チルトモーターを制御することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
レンズ鏡筒と、前記レンズ鏡筒の向きを変化させることができる駆動部と、設置部に設置される撮像装置の固有振動数を記憶する記憶部と、を備える撮像装置の制御方法であって、
前記設置部の振動数を検出する振動数検出ステップと、
前記設置部に設置される撮像装置の固有振動数を前記記憶部から読み出す読み出しステップと、
前記振動数検出ステップにより検出された振動数と前記読み出しステップにより読み出された固有振動数との差が所定値以内であると判定した場合に、前記レンズ鏡筒の向きを保持させるように前記駆動部を制御する制御ステップと、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−15580(P2013−15580A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146510(P2011−146510)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】