説明

撮像装置の特性評価装置および特性評価方法

【課題】 評価環境の小型化を可能とするとともに、特性評価の効率を向上させた撮像装置の特性評価装置を提供する。
【解決手段】 特性評価用画像のデータをパソコン2で作成しておき、該作成された特性評価用画像を、遮光範囲10内のLCD1に表示し、該表示された画像をカメラ3で撮像し、カメラ3の出力信号をパソコン2に取り込んで、カメラ3の各種特性を評価する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、例えばデジタルスチルカメラ等の各種カメラの、色再現、露光、フォーカス制御等の特性評価装置および特性評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルスチルカメラの色再現、露光、フォーカス制御等の様々な特性を評価するためには、実際の光源や紙などのハードコピーによる評価チャートを用いて行っていた。カメラ特性の評価環境としては、例えば下記特許文献1に記載の装置が提案されていた。
【特許文献1】特開2002−77955号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の評価環境を用いた場合、実際の使用環境に近い状態で評価できるが、評価光源が2つ以上ある場合には交換に手間がかかるという課題があった。また照明光を均一にチャートに照射するために広いスペースが必要であり、省スペース化が困難であるという課題があった。
【0004】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、評価環境の小型化を可能とするとともに、特性評価の効率を向上させた撮像装置の特性評価装置および特性評価方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための本発明の撮像装置の特性評価装置は、特性評価用画像を表示する表示手段と、前記表示手段に表示された画像を撮像する撮像手段とを備え、前記撮像手段の出力信号に基づいて該撮像手段の各種特性を評価することを特徴としている。
【0006】
また、前記特性評価用画像のデータを作成する画像データ作成手段を備えたことを特徴としている。
【0007】
また前記画像データ作成手段は、各種光源の色を測定して得られた実光源測色データおよび該光源との対応関係を表す第1の光源データベースと、前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得られた表示手段測色データとの対応関係を表す第1の表示手段データベースとを有し、前記実光源測色データと一致又は近似する前記表示手段測色データに対応した入力色データを抽出し、該抽出された入力色データをホワイトバランス評価用画像のデータとすることを特徴としている。
【0008】
また前記画像データ作成手段は、各種光源の色を測定して得られた実光源測色データおよび該光源との対応関係を表す第1の光源データベースと、前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得られた表示手段測色データとの対応関係を表す第1の表示手段データベースと、前記第1の表示手段データベースの表示手段測色データを、白色を表す前記入力色データに対応する表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得られた第1の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データとの対応関係を表す第2の表示手段データベースと、前記第1の表示手段データベースの表示手段測色データを、前記実光源測色データを基準として人間の視覚特性に沿って変換して得られた第2の表示データと、前記入力データおよび表示手段測色データとの対応関係を表す第3の表示手段データベースとを有し、前記第2の表示手段データベースを用いて、入力色データで構成される第1の画像を、前記第1の表示データで構成される第2の画像に変換し、前記第2の画像を、前記第3の表示手段データベースを用いて入力色データで構成される第3の画像に変換し、前記第3の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴としている。
【0009】
また前記特性評価用画像の入力色データには、白又はグレー画像を構成するデータを含んでいることを特徴としている。
【0010】
また前記特性評価用画像の入力色データには、カラーチャートを構成するデータを含んでいることを特徴としている。
【0011】
また前記画像データ作成手段は、各種光源の光を拡散させた拡散光を、前記撮像手段によって撮像して得られた実光源撮像色データおよび該光源との対応関係を表す第2の光源データベースと、前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得られた表示手段測色データおよび前記表示手段の色表示特性を前記撮像手段によって撮像して得られた表示手段撮像色データの対応関係を表す第4の表示手段データベースと、前記第4の表示手段データベースの表示手段測色データを、白色を表す前記入力色データに対応する表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得られた第3の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データおよび表示手段撮像データとの対応関係を表す第5の表示手段データベースと、前記第2の光源データベースの実光源撮像色データと、一致又は近似する前記第4の表示手段データベースの表示手段撮像色データに対応した前記表示手段測色データを抽出し、該抽出された表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得られた第4の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データおよび表示手段撮像色データとの対応関係を表す第6の表示手段データベースとを有し、前記第5の表示手段データベースを用いて、入力色データで構成される第4の画像を、前記第3の表示データで構成される第5の画像に変換し、前記第5の画像を、前記第6の表示手段データベースを用いて入力色データで構成される第6の画像に変換し、前記第6の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴としている。
【0012】
また前記画像データ作成手段は、各種光源および該光源の分光特性の対応関係を表す第3の光源データベースと、前記表示手段に入力する入力色データおよび複数の被写体の分光特性の対応関係を表す第1の被写体データベースと、前記光源の分光特性および被写体の分光特性から演算した第1の被写体測色データと、該第1の被写体測色データを人間の視覚特性に沿って変換して得られた第5の表示データと、前記入力色データとの対応関係を表す第2の被写体データベースとを有し、仮想空間内の光源、被写体、観察者の位置情報を設定し、所定の画像作成技法を用いて、前記第5の表示データで構成される第7の画像を作成し、前記第7のの画像を、前記第2の被写体データベースを用いて入力色データで構成される第8の画像に変換し、前記第8の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴としている。
【0013】
また前記表示手段と撮像手段の間の距離を変化させる手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
また前記表示手段および撮像手段は、両者間を移動可能に構成され、該表示手段および撮像手段のうちいずれか一方のいずれか他方に対する移動速度を変化させる手段を備えたことを特徴としている。
【0015】
また上記課題を解決するための本発明の撮像装置の特性評価方法は、特性評価用画像を表示手段に表示する表示段階と、前記表示手段に表示された画像を撮像手段で撮像する撮像段階と、前記撮像手段の出力信号に基づいて該撮像手段の各種特性を評価する特性評価段階とを備えたことを特徴としている。
【0016】
また、前記特性評価用画像のデータを作成する画像データ作成段階を備えたことを特徴としている。
【0017】
また前記画像データ作成段階は、各種光源の色を測定して得た実光源測色データおよび該光源との対応関係と、前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得た表示手段測色データとの対応関係とを求め、前記実光源測色データと一致又は近似する前記表示手段測色データに対応した入力色データをホワイトバランス評価用画像のデータとすることを特徴としている。
【0018】
また前記画像データ作成段階は、各種光源の色を測定して得た実光源測色データおよび該光源との第1の対応関係と、前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得た表示手段測色データとの第2の対応関係と、前記表示手段測色データを、白色を表す前記入力色データに対応する表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得た第1の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データとの第3の対応関係と、前記表示手段測色データを、前記実光源測色データを基準として人間の視覚特性に沿って変換して得られた第2の表示データと、前記入力データおよび表示手段測色データとの第4の対応関係とを求め、前記第3の対応関係の入力色データで構成される第1の画像を、前記第1の表示データで構成される第2の画像に変換し、前記第2の画像を、前記第4の対応関係の入力色データで構成される第3の画像に変換し、前記第3の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴としている。
【0019】
また前記画像データ作成段階は、各種光源の光を拡散させた拡散光を、前記撮像手段によって撮像して得た実光源撮像色データおよび該光源との第1の対応関係と、前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得た表示手段測色データおよび前記表示手段の色表示特性を前記撮像手段によって撮像して得た表示手段撮像色データの第2の対応関係と、前記第2の対応関係の表示手段測色データを、白色を表す前記入力色データに対応する表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得た第3の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データおよび表示手段撮像データとの第3の対応関係と、前記第1の対応関係の実光源撮像色データと、一致又は近似する前記第2の対応関係の表示手段撮像色データに対応した前記表示手段測色データを抽出し、該抽出された表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得られた第4の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データおよび表示手段撮像色データとの第4の対応関係とを求め、前記第3の対応関係の入力色データで構成される第4の画像を、前記第3の表示データで構成される第5の画像に変換し、前記第5の画像を、前記第4の対応関係の入力色データで構成される第6の画像に変換し、前記第6の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴としている。
【0020】
また前記画像データ作成段階は、各種光源および該光源の分光特性の第1の対応関係と、前記表示手段に入力する入力色データおよび複数の被写体の分光特性の第2の対応関係と、前記光源の分光特性および被写体の分光特性から演算した第1の被写体測色データと、該第1の被写体測色データを人間の視覚特性に沿って変換して得られた第5の表示データと、前記入力色データとの第3の対応関係とを求め、仮想空間内の光源、被写体、観察者の位置情報を設定し、所定の画像作成技法を用いて、前記第5の表示データで構成される第7の画像を作成し、前記第7のの画像を、前記第3の対応関係の入力色データで構成される第8の画像に変換し、前記第8の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴としている。
【0021】
また前記撮像段階は、前記表示手段と撮像手段の間の距離を変化させて行うことを特徴としている。
【0022】
また前記表示手段および撮像手段は、両者間を移動可能に構成され、前記撮像段階は、前記表示手段および撮像手段のうちいずれか一方のいずれか他方に対する移動速度を変化させて行うことを特徴としている。
【0023】
また前記表示段階は、前記特性評価用画像の輝度を変化させて行うことを特徴としている。
【0024】
より具体的には、様々な特性を評価するために必要なチャートをLCD(液晶表示装置)等の表示デバイスに表示し、その画像をカメラで撮影することによって簡便な評価環境を提供するものである。
【0025】
実光源照明下での評価に近づけるため光源の測色データとLCDの測色データから画像変換用ルックアップテーブルを作成することにより、LCD上に仮想光源色や仮想光源下の被写体の色データを再現することができる。
【0026】
そしてLCD上の評価画像を撮影することによって、カメラ(例えばデジタルスチルカメラ)の特性評価を行うものである。LCDに表示する画像はパーソナルコンピュータ(以下パソコンと称する)から切り替えるため、ハードコピーを実光源照明下に置いて撮影する評価環境に比べて短時間で効率よく評価でき、さらに省スペースな評価環境を実現できるといった利点がある。
【0027】
(1)ホワイトバランス性能評価1
LCDなどの表示モニタに色データを表示し、その表示画像をデジタルカメラで撮影することによってホワイトバランス制御の性能評価を行うためのシステムを構築した。システム構築の条件として、評価画像はパソコンで作成しLCD表示画像もパソコンから切り替えが行えるものとし、シャッタを押す又はそれに準じたデジタルスチルカメラ(以下DSCと称する)の撮影動作はパソコンから制御できるものとする。また、LCDに表示する評価画像を作成する際に、各種光源の測色値XYZ、およびLCDに表示するRGBデータと測色値XYZの関係が必要であるため、予め測定しておいたこれらのデータをルックアップテーブル(以下LUTと称する)としてパソコンに保存しておく。このLUTを用いて、実際の光源の色と同等の色データを再現できる条件を検索し、そのような色データをLCDに表示することで仮想光源を実現する。そして、LCD上の仮想光源を用いてDSCのホワイトバランスの性能評価を行う。
【0028】
(2)ホワイトバランス(色再現)性能評価2
一部にホワイトバランス評価用白データを埋め込んだ一般画像を前記LUTを用いて変換し、仮想光源下で観察される画像データを推定し、それをLCDに表示する。そして、LCDに表示された推定画像を撮影することによって、DSCのホワイトバランスおよび色再現性の評価を行う。
【0029】
(3)ホワイトバランス(色再現)性能評価3
仮想光源下で観察される画像データをより実光源下の環境に近づけるため、光源色とDSC撮影RGBデータ、LCDとDSC撮影RGBデータの関係を前記2つの画像変換用LUTに加える。その新LUTを使用することでさらに実光源下に近い評価環境を実現する。
【0030】
(4)ホワイトバランス(色再現)性能評価4
実光源の分光データ、被写体の分光データから測色データを計算し、この測色データを使って例えばCG技法を用いて作成した評価画像をLCDに表示してホワイトバランス性能を評価する。
【0031】
(5)露出性能評価
グレーチャートやLCDに表示する画像の輝度を変化させ、その画像を撮影することによってカメラの露出性能やダイナミックレンジ、感度、諧調特性等の性能評価を行う。
【0032】
(6)解像度評価
Circular Zone Plateや解像度チャート等の広い空間周波数帯域を持つ画像をLCDに表示し、その画像を撮影することによってカメラの解像度特性の評価を行う。
【0033】
(7)Auto Focus(AF)評価
LCDとカメラの相対距離を任意に設定可能な、例えば移動ステージを使い、相対距離を変化せてLCD画像を撮影することによって、DSCのAF性能を評価する。
【発明の効果】
【0034】
(1)本発明によれば、従来のように実際の光源や、紙などのハードコピーによる評価チャートを用いることなく、簡便で実環境に近い環境で撮像装置の特性評価が可能であり、表示手段の画像を切り替えることにより様々な照明光下で観察できる被写体の色再現性を再現できるといった利点がある。そのため評価時間が短縮でき、また例えばLCDパネル等の表示手段を用いているため評価環境の省スペース化が可能である。さらに、表示手段に表示する画像によっては露出制御やAF、解像度特性といった様々な評価も行えるといった利点がある。
(2)また請求項5、6に記載の発明によれば、ホワイトバランスの性能評価を容易に行うことができる。
(3)また請求項7、17に記載の発明によれば、特性評価画像のデータを作成する際に、撮像手段によって撮像した実光源撮像色データ、表示手段撮像色データを用いているので、撮像手段の特性に合った特性評価画像を作成することができ、特性評価精度が著しく向上する。
(4)また請求項8、18に記載の発明によれば、様々な気象状況下の光源および被写体の分光特性を用いることができ、その気象状況下に合った特性評価用画像を撮像する環境を整えることができる。
(5)また請求項9、10、19、20に記載の発明によれば、撮像手段で撮像した画像のピントぼけを調べることにより、AF(自動焦点)性能を容易に評価することができる。
(6)また請求項11、12、21、22に記載の発明によれば、動体に対するAF性能を容易に評価することができる。
(7)また請求項23、24に記載の発明によれば、撮像手段、例えばカメラの露出性能、ダイナミックレンジ、感度、諧調特性等の性能を容易に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
【0036】
(ホワイトバランス性能評価1)
ホワイトバランス評価環境とその評価法について述べる。図1は本発明の特性評価装置の一実施形態例を示し、1は例えばパソコン2で作成された特性評価用画像を表示する表示手段としてのLCDである。3はLCD1から所定距離隔てて対向配設され、LCD1の表示画像を撮像するカメラ(DSCなど)である。
【0037】
パソコン2には、後述の各種データベース(LUT)が格納されている。4はLCD1とカメラ3の間に配設され、LCD1の出力光を円偏光に変換する1/4波長板である。前記LCD1およびカメラ3とパソコン2の間は通信ケーブル5で接続されている。
【0038】
本実施形態例では、実光源の色データ等に基づいて特性評価用画像を作成し表示するので、光源は図示のように仮想光源で表され、カメラ3でLCD1の表示画像を撮像する際は、図示遮光範囲10に示すように、他の光源が入らないように、所定の手段によって遮光している。
【0039】
次に本実施例の動作を、特性評価の手順を示す図2のフローチャートとともに説明する。まずステップS1において、評価したい光源の色データXYZ(X,Y,Z)を所定の測定器によって測定する。図3は各光源と、光源の測色データXYZ(実光源測色データ)との対応関係を表す光源側LUT-1(第1の光源データベース)を示している。次にステップS2においてLCD1の色再現域(色表示特性)を測定し(測色値XYZ)、LCD1の入力色データ(RGB)とXYZの関係を測定する。
【0040】
図4はLCD1の入力色データ(RGB)とLCD1の測色値XYZ(表示手段測色データ)との対応関係を表すLCD側LUT-1(第1の表示手段データベース)を示している。
【0041】
それぞれの測定結果は、光源側LUT-1およびLCD側LUT-1としてパソコン2に保存しておき、必要に応じてデータを取り出せるようにしておく。そしてステップS3,S4において、例えば、光源側LUT-1の評価光源Iの測色データが( Xi, Yi, Zi)であり、LCD側LUT-1のデータの最近傍値がテーブルのk番目の測色値( Xk, Yk, Zk)であったとすれば、ホワイトバランス評価データとして(Rk, Gk, Bk)を、図5のようにLCD1に表示すればよい。そして、この表示画像をカメラ撮影すれば、撮影画像から白ズレの評価を行うことができる(ステップS5,S6)。
【0042】
複数の光源についてホワイトバランス特性を評価したい場合には、前述の方法で各光源に対応するRGBデータをLUT側LUT-1から検索してLCDに表示、カメラ撮影するという工程(ステップS3〜S5)を繰り返し行う。このときパソコン2とカメラ3が通信可能な場合、カメラ撮影後にカメラ3からパソコン2に終了フラグを送信し、パソコン2側がフラグ受信後に次の画像に切り替えるようにする。そして画像切り替え後、パソコン2からカメラ3に撮影コマンドを送信してLCD表示画を撮影する。
【0043】
パソコン2−カメラ3間で通信不可の場合、画像撮影後に十分な時間をあけてから次の画像に切り替えるものとする。また、ここではパソコン2−カメラ3間で通信可能な例について述べているが、通信ができない場合にはパソコン2からの通信でカメラ3のシャッタボタンを自動的に押す治具など用いれば同様の評価環境が実現できる。
【0044】
評価条件を揃えるため、LCD表示画像が常に所定の画角になるようLCD1とカメラ3の位置を決める。評価時に偏光の影響を軽減するため、LCD1とカメラ3の間に1/4波長板4を設置しておく(1/4波長板4はLCD1の出力光を円偏光に変換するために使用する)。
【0045】
なお、露光条件、焦点位置等の設定は、カメラ3の自動制御を用いてもよいし、マニュアル機能を用いてもよい。ただし、LCD1のバックライトにフリッカ成分がある場合には、その影響を軽減する露出条件に設定することが望ましい。
【0046】
(ホワイトバランス性能評価2)
本発明では、例えば記憶媒体に保存してあるような一般画像を用いた評価を行うことも可能である。本実施例では、説明上、評価用に変換する前の画像を原画像、評価用に変換した画像を評価画像(LCD表示画像) 、カメラ撮影した画像を撮影画像と呼ぶことにする。
【0047】
本実施例を、特性評価の手順を示す図6のフローチャートとともに説明する。まずステップS1において、評価したい光源の色データXYZを所定の測定器によって測定し、前述の図3の光源側LUT-1を作成する。
【0048】
次にステップS2において、LCD1の色再現域(色表示特性)を測定し、前述の図4のLCD側LUT-1を作成する。
【0049】
次にステップS3において、図4の白色を表す入力色データ(RGB=255,255,255)に対応する測色値(Xn,Yn,Zn)を基準として、図4の測色値を、人間の視覚特性に沿った表示データL*a*b*(L*は明るさ、a*は色相、b*は彩度)(第1の表示データ)に変換し、図7のような、入力データRGBおよび測色値XYZおよび表示データL*a*b*の対応関係を表すLCD側LUT-2(第2の表示手段データベース)を作成する。
【0050】
次にステップS4において、図3のいずれかの実光源の測色値XYZを基準としてLCDの測色値XYZを、人間の視覚特性に沿った表示データL*a*b*(第2の表示データ)に変換し、図8のような、入力データRGBおよび測色値XYZおよび表示データL*a*b*の対応関係を表すLCD側LUT-3(第3の表示手段データベース)を作成する。
【0051】
次にステップS5において、図7のLCD側LUT-2を用いて、入力色データ(RGB)で構成され、図9で表されるRGB画像1(第1の画像)を、表示データL*a*b*で構成され、図10で表されるL*a*b*画像(第2の画像)に変換する。
【0052】
次にステップS6において、図10で表されるL*a*b*(第2の画像)を、図8のLCD側LUT-3を用いて、入力色データ(RGB)で構成され、図9で表されるRGB画像2(第3の画像)に変換する。
【0053】
そしてステップS7,S8において、図9で表されるRGB画像2を図1のLCD1に表示し、その画像をカメラ3で撮影し、その画像のホワイトバランスを評価する。
【0054】
尚、XYZ→L*a*b*の変換式は下記のように表される。
【0055】
L* = 116 f(Y/Yn) - 16
a* = 500{ f(X/Xn) - f(Y/Yn) }
b* = 200{ f(Y/Yn) - f(Z/Zn) }
ただし、
f(X/Xn) = (X/Xn)1/3 , X/Xn>0.008856
f(X/Xn) = 7.787(X/Xn)+16/116, X/Xn≦0.008856
関数f(Y/Yn),f(Z/Zn)も同様
(Xn, Yn ,Zn): 光源の測色値。
【0056】
なお、LUTは評価光源毎に用意しておき、このLUTによって各光源で照明された被写体の色データを推定する。また、ホワイトバランス制御の性能評価の判定を容易に行うため、図11に示すように、評価画像内に白又はグレー画像を埋め込んでおく。こうしておけば、その白又はグレー部は光源色を反映した色データ、すなわち各種光源照明下で観察される色データと同じものに変換される。
【0057】
ホワイトバランス性能評価は、撮影画像の白部を、図12に示すようにa*b*値で判定することで行える。a*b*値が原点に近ければホワイトバランス制御の性能は高く、逆に原点から離れるほど性能が低いと判定できる。
【0058】
また、マクベスカラーチャートなどの色評価を原画像として用いれば、色再現性の評価を行うこともできる。評価はホワイトバランスの評価と同様、評価画像と撮影画像のL*a*b*の色差で行うことができる。
【0059】
(ホワイトバランス性能評価3)
前記ホワイトバランス性能評価1、2では、光源側LUT、LCD側LUTの作成にXYZを測定する測定器を用いたが、該測定器とカメラ分光特性が著しく異なる場合、測色値XYZが同じような値でもカメラ撮影画像の色合いが異なって見えることがある。
【0060】
そこで本実施例では、カメラ撮影データを用いLUTを作成し、原画像から評価画像への変換を行うように構成した。このときの特性評価の手順は図13のフローチャートに沿って行う。
【0061】
まずステップS1において、全波長帯域に対して均一な反射率又は透過率を有する拡散板を用意し、各種光源照明下における拡散板を図14、図15のようにカメラ撮影する。
【0062】
図14は、光源20の光を透過型チャート又は透過型拡散板21に透過させ、該チャート又は拡散板21をカメラ3で撮影する構成を表している。
【0063】
図15は、光源20の光を反射型チャート又は反射型拡散板22で反射させ、該チャート又は拡散板22をカメラ3で撮影する構成を表している。
【0064】
そしてこのとき得られたカメラ撮影RGBデータ(実光源撮像色データ)と各光源の対応関係を表す光源側LUT-2(第2の光源データベース)を図16のように作成する。
【0065】
次にステップS2において、図1のLCD1の色再現域(色表示特性)を測色器とカメラ3で測定し、入力色データ(RGB)および測色値XYZおよびカメラRGBデータ(表示手段撮像色データ)との対応関係を表すLCD側LUT-4(第4の表示手段データベース)を図17のように作成する。
【0066】
次にステップS3において、図17の白色を表す入力色データ(RGB=255,255,255)に対応する測色値(Xn,Yn,Zn)を基準として、図17の測色値を、人間の視覚特性に沿った表示データL*a*b*(L*は明るさ、a*は色相、b*は彩度)(第3の表示データ)に変換し、図18のような、入力データRGBおよび測色値XYZおよびカメラRGB(表示手段撮像色データ)および表示データL*a*b*の対応関係を表すLCD側LUT-5(第5の表示手段データベース)を作成する。
【0067】
次にステップS4において、光源側LUT-2(図16)の実光源のカメラRGB値に近いカメラRGB値を、LCD側LUT-4(図17)から検索して実光源の近似色を得る。
【0068】
次にステップS5において、前記検索により得られた実光源の近似色のXYZ値を基準として、LCD側LUT-4(図17)のXYZ値を、人間の視覚特性に沿った表示データL*a*b*(第3の表示データ)に変換し、図19のような、入力データRGBおよび測色値XYZ、カメラRGBとの対応関係を表すLCD側LUT-6(第6の表示データベース)を作成する。
【0069】
次にステップS6において、図18のLCD側LUT-5を用いて、入力色データ(RGB)で構成され、図9で表されるRGB画像1(第4の画像)を、表示データL*a*b*で構成され、図10で表されるL*a*b*画像(第5の画像)に変換する。
【0070】
次にステップS7において、図10で表されるL*a*b*(第5の画像)を、図19のLCD側LUT-6を用いて、入力色データ(RGB)で構成され、図9で表されるRGB画像2(第6の画像)に変換する。
【0071】
そしてステップS8,S9において、図9で表されるRGB画像2を図1のLCD1に表示し、その画像をカメラ3で撮影し、その画像のホワイトバランスと色再現性能を評価する。
【0072】
本実施例では、前記ホワイトバランス性能評価1、2に比べて評価前の準備工程が増えるが、前記方法よりもカメラ特性に合ったLUTを作成できるため、ホワイトバランスの評価精度の向上が望める。
【0073】
(ホワイトバランス性能評価4)
色票などの被写体の分光反射率O(λ)、および光源の分光分布特性L(λ)が分かっていれば、下記数式1及び数式2に従って求めたXYZ値を用いることにより原画像、および評価画像を算出することが可能である。
【0074】
【数1】

【0075】
【数2】

【0076】
ただし、L(λ):光源の分光分布、O(λ):被写体の分光反射率、x(λ)、y(λ)、z(λ):等色関数の分光分布である。
【0077】
例えば、あらゆる天候、季節、時間における太陽光の分光特性や様々な被写体の分光特性のデータベースを作成しておけば、本手法を用いて任意の気象条件下で観察できるものと同等の色データをLUTに再現することができる。
【0078】
さらに図20に示すように仮想空間上の被写体位置、光源位置と、LCD1およびカメラ3の位置を設定すれば、レイトレーシングなどのCG技法などを用いて画像作成が可能となる。
【0079】
すなわち、LCD1を窓と見立てると、窓から見える風景がLCD1上に表示されることになると考えられる。すなわち、様々な天候状況下に合った色データをカメラ撮影する環境を整えることができると考えられる。
【0080】
図21は本実施例の特性評価の手順を示すフローチャートである。本実施例ではまず、各種光源と、該光源の分光データ(分光特性)の対応関係を表す光源の分光データベース(第3の光源データベース)と、LCD1に入力する入力色データおよび複数の被写体の分光特性の対応関係を表す被写体の分光データベース(第1の被写体データベース)とを作成し、用意しておく。
【0081】
そしてステップS1において、前記光源の分光データベースから任意の光源の分光データを取得し、ステップS2において前記被写体の分光データベースから任意の被写体の分光データを取得する。
【0082】
次にステップS3において、前記光源、被写体の分光データから、被写体の測色値XYZ(第1の被写体測色データ)と、該被写体の測色値XYZを人間の視覚特性に沿って変換して得られた表示データL*a*b*(第5の表示データ)とを計算する。尚これら計算されたXYZ、L*a*b*と前記入力データとの対応関係を表す第2の被写体データベース(図8、図19のLUTと同様のLUT)を作成しておく。
【0083】
次にステップS4において、仮想空間内の光源、被写体、観察者の位置情報を設定する。
【0084】
次にステップS5において例えばレイトレーシング等のCG技法を用いて仮想空間上の観察位置から見た仮想被写体の、前記第5の表示データL*a*b*で構成されるL*a*b*画像(第7の画像:例えば図10)を作成する。
【0085】
次にステップS6において、前記第2の被写体データベースを用いて、入力色データで構成されるRGB画像(第8の画像:例えば図9)に変換する。
【0086】
そしてステップS7、S8において、前記変換されたRGB画像を図1のLCD1に表示し、その画像をカメラ3で撮影し、その画像のホワイトバランスを評価する。
【0087】
(露出性能評価)
図22のようなグレーチャートやLCD1に表示する画像の輝度を変化させ、その画像を撮影することによってカメラ3の露出性能やダイナミックレンジ、感度、諧調特性等の性能評価を行う。このとき先述の光源側およびLCD側LUT(図3、図4、図7、図8、図16、図17、図18、図19)を用いることによって各種光源下での特性評価を行うこともできる。
【0088】
(解像度評価)
Circular Zone PlateやISO12233解像度チャート等の広い空間周波数帯域を持つ画像をLCD1に表示し、その画像を撮影することによってカメラ3の解像度特性の評価を行う。このとき表示画像の輝度や色、カメラの露出条件等を変えることによって様々な評価データを得ることができる。
【0089】
(AF評価)
カメラを1軸方向に移動可能なステージに載せて移動させることによってオートフォーカスの評価を行う。この場合の評価環境は例えば図23のように構成される。すなわち、LCD1の表示面に対して垂直方向に移動するステージ30にカメラ3を搭載しておき、LCD1とカメラ3との相対距離を変化させながら表示画像の撮影を行う。カメラ3の位置は例えばステッピングモータ等によって移動することが可能で、移動位置はモータコントローラ31を介してパソコン2で制御できるものとする。
【0090】
図23において、はじめにカメラ3を初期位置まで移動させる。そしてLCD1に画像を表示し、カメラ3の移動速度と移動位置をモータコントローラ31に設定し、移動終了後に表示画を撮影する(カメラ3をLCD1に近い位置から遠い位置に任意のステップで移動させていき、それぞれの位置での画像を撮影する)。
【0091】
前記各位置での撮影画像のピントぼけを見ることによってAF性能の評価を行うものとする。LCD1に表示する画像は解像度チャートや一般画像でもよく、表示輝度を変化させることによって明るさに対するAF性能についても評価できる。
【0092】
また動画撮影時のAF評価を行う場合には、カメラ3を移動させながら画像を撮影すればよい。このときに移動速度を変化させれば、動体に対するAFの性能評価を行うこともできる。また、カメラ3を移動させる代わりにLCD1を移動させて、LCD1とカメラ3の相対距離を変化させて撮影を行っても良い。
【0093】
尚、本発明の表示手段は、LCD1に限らず他の表示装置を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態例の全体構成図。
【図2】本発明の特性評価手順の一例を示すフローチャート。
【図3】本発明の第1の光源データベースの一例を表すデータ説明図。
【図4】本発明の第1の表示手段データベースの一例を表すデータ説明図。
【図5】本発明のホワイトバランス性能評価1の実施例を示す説明図。
【図6】本発明の特性評価手順の他の例を示すフローチャート。
【図7】本発明の第2の表示手段データベースの一例を表すデータ説明図。
【図8】本発明の第3の表示手段データベースの一例を表すデータ説明図。
【図9】本発明のRGB画像の構成を示す説明図。
【図10】本発明のL*a*b*画像の構成を示す説明図。
【図11】本発明の評価画像の一例を示す構成図。
【図12】本発明のホワイトバランス性能評価方法の一例を示す説明図。
【図13】本発明の特性評価手順の他の例を示すフローチャート。
【図14】本発明の他の実施形態例の要部構成図。
【図15】本発明の他の実施形態例の要部構成図。
【図16】本発明の第2の光源データベースの一例を表すデータ説明図。
【図17】本発明の第4の表示手段データベースの一例を表すデータ説明図。
【図18】本発明の第5の表示手段データベースの一例を表すデータ説明図。
【図19】本発明の第6の表示手段データベースの一例を表すデータ説明図。
【図20】本発明の他の実施形態例の要部構成図。
【図21】本発明の特性評価手順の他の例を示すフローチャート。
【図22】本発明で用いるグレーチャートの平面図。
【図23】本発明の他の実施形態例の全体構成図。
【符号の説明】
【0095】
1…LCD、2…パソコン、3…カメラ、4…1/4波長板、5…通信ケーブル、10…遮光範囲、20…光源、21…透過型拡散板、22…反射型拡散板、30…ステージ、31…モータコントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特性評価用画像を表示する表示手段と、
前記表示手段に表示された画像を撮像する撮像手段とを備え、
前記撮像手段の出力信号に基づいて該撮像手段の各種特性を評価することを特徴とする撮像装置の特性評価装置。
【請求項2】
前記特性評価用画像のデータを作成する画像データ作成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項3】
前記画像データ作成手段は、
各種光源の色を測定して得られた実光源測色データおよび該光源との対応関係を表す第1の光源データベースと、
前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得られた表示手段測色データとの対応関係を表す第1の表示手段データベースとを有し、
前記実光源測色データと一致又は近似する前記表示手段測色データに対応した入力色データを抽出し、該抽出された入力色データをホワイトバランス評価用画像のデータとすることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項4】
前記画像データ作成手段は、
各種光源の色を測定して得られた実光源測色データおよび該光源との対応関係を表す第1の光源データベースと、
前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得られた表示手段測色データとの対応関係を表す第1の表示手段データベースと、
前記第1の表示手段データベースの表示手段測色データを、白色を表す前記入力色データに対応する表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得られた第1の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データとの対応関係を表す第2の表示手段データベースと、
前記第1の表示手段データベースの表示手段測色データを、前記実光源測色データを基準として人間の視覚特性に沿って変換して得られた第2の表示データと、前記入力データおよび表示手段測色データとの対応関係を表す第3の表示手段データベースとを有し、
前記第2の表示手段データベースを用いて、入力色データで構成される第1の画像を、前記第1の表示データで構成される第2の画像に変換し、前記第2の画像を、前記第3の表示手段データベースを用いて入力色データで構成される第3の画像に変換し、前記第3の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項5】
前記特性評価用画像の入力色データには、白又はグレー画像を構成するデータを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項6】
前記特性評価用画像の入力色データには、カラーチャートを構成するデータを含んでいることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項7】
前記画像データ作成手段は、
各種光源の光を拡散させた拡散光を、前記撮像手段によって撮像して得られた実光源撮像色データおよび該光源との対応関係を表す第2の光源データベースと、
前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得られた表示手段測色データおよび前記表示手段の色表示特性を前記撮像手段によって撮像して得られた表示手段撮像色データの対応関係を表す第4の表示手段データベースと、
前記第4の表示手段データベースの表示手段測色データを、白色を表す前記入力色データに対応する表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得られた第3の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データおよび表示手段撮像データとの対応関係を表す第5の表示手段データベースと、
前記第2の光源データベースの実光源撮像色データと、一致又は近似する前記第4の表示手段データベースの表示手段撮像色データに対応した前記表示手段測色データを抽出し、該抽出された表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得られた第4の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データおよび表示手段撮像色データとの対応関係を表す第6の表示手段データベースとを有し、
前記第5の表示手段データベースを用いて、入力色データで構成される第4の画像を、前記第3の表示データで構成される第5の画像に変換し、前記第5の画像を、前記第6の表示手段データベースを用いて入力色データで構成される第6の画像に変換し、前記第6の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項8】
前記画像データ作成手段は、
各種光源および該光源の分光特性の対応関係を表す第3の光源データベースと、
前記表示手段に入力する入力色データおよび複数の被写体の分光特性の対応関係を表す第1の被写体データベースと、
前記光源の分光特性および被写体の分光特性から演算した第1の被写体測色データと、該第1の被写体測色データを人間の視覚特性に沿って変換して得られた第5の表示データと、前記入力色データとの対応関係を表す第2の被写体データベースとを有し、
仮想空間内の光源、被写体、観察者の位置情報を設定し、所定の画像作成技法を用いて、前記第5の表示データで構成される第7の画像を作成し、前記第7のの画像を、前記第2の被写体データベースを用いて入力色データで構成される第8の画像に変換し、前記第8の画像を特性評価用画像のデータとすることを特徴とする請求項2に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項9】
前記表示手段と撮像手段の間の距離を変化させる手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項10】
前記表示手段と撮像手段の間の距離を変化させる手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項11】
前記表示手段および撮像手段は、両者間を移動可能に構成され、該表示手段および撮像手段のうちいずれか一方のいずれか他方に対する移動速度を変化させる手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項12】
前記表示手段および撮像手段は、両者間を移動可能に構成され、該表示手段および撮像手段のうちいずれか一方のいずれか他方に対する移動速度を変化させる手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置の特性評価装置。
【請求項13】
特性評価用画像を表示手段に表示する表示段階と、
前記表示手段に表示された画像を撮像手段で撮像する撮像段階と、
前記撮像手段の出力信号に基づいて該撮像手段の各種特性を評価する特性評価段階と
を備えたことを特徴とする撮像装置の特性評価方法。
【請求項14】
前記特性評価用画像のデータを作成する画像データ作成段階を備えたことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項15】
前記画像データ作成段階は、
各種光源の色を測定して得た実光源測色データおよび該光源との対応関係と、前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得た表示手段測色データとの対応関係とを求め、
前記実光源測色データと一致又は近似する前記表示手段測色データに対応した入力色データをホワイトバランス評価用画像のデータとする
ことを特徴とする請求項14に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項16】
前記画像データ作成段階は、
各種光源の色を測定して得た実光源測色データおよび該光源との第1の対応関係と、
前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得た表示手段測色データとの第2の対応関係と、
前記表示手段測色データを、白色を表す前記入力色データに対応する表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得た第1の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データとの第3の対応関係と、
前記表示手段測色データを、前記実光源測色データを基準として人間の視覚特性に沿って変換して得られた第2の表示データと、前記入力データおよび表示手段測色データとの第4の対応関係とを求め、
前記第3の対応関係の入力色データで構成される第1の画像を、前記第1の表示データで構成される第2の画像に変換し、前記第2の画像を、前記第4の対応関係の入力色データで構成される第3の画像に変換し、前記第3の画像を特性評価用画像のデータとする
ことを特徴とする請求項14に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項17】
前記画像データ作成段階は、
各種光源の光を拡散させた拡散光を、前記撮像手段によって撮像して得た実光源撮像色データおよび該光源との第1の対応関係と、
前記表示手段に入力する入力色データおよび該表示手段の色表示特性を測定して得た表示手段測色データおよび前記表示手段の色表示特性を前記撮像手段によって撮像して得た表示手段撮像色データの第2の対応関係と、
前記第2の対応関係の表示手段測色データを、白色を表す前記入力色データに対応する表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得た第3の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データおよび表示手段撮像データとの第3の対応関係と、
前記第1の対応関係の実光源撮像色データと、一致又は近似する前記第2の対応関係の表示手段撮像色データに対応した前記表示手段測色データを抽出し、該抽出された表示手段測色データを基準として、人間の視覚特性に沿って変換して得られた第4の表示データと、前記入力色データおよび表示手段測色データおよび表示手段撮像色データとの第4の対応関係とを求め、
前記第3の対応関係の入力色データで構成される第4の画像を、前記第3の表示データで構成される第5の画像に変換し、前記第5の画像を、前記第4の対応関係の入力色データで構成される第6の画像に変換し、前記第6の画像を特性評価用画像のデータとする
ことを特徴とする請求項14に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項18】
前記画像データ作成段階は、
各種光源および該光源の分光特性の第1の対応関係と、
前記表示手段に入力する入力色データおよび複数の被写体の分光特性の第2の対応関係と、
前記光源の分光特性および被写体の分光特性から演算した第1の被写体測色データと、該第1の被写体測色データを人間の視覚特性に沿って変換して得られた第5の表示データと、前記入力色データとの第3の対応関係とを求め、
仮想空間内の光源、被写体、観察者の位置情報を設定し、所定の画像作成技法を用いて、前記第5の表示データで構成される第7の画像を作成し、前記第7のの画像を、前記第3の対応関係の入力色データで構成される第8の画像に変換し、前記第8の画像を特性評価用画像のデータとする
ことを特徴とする請求項14に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項19】
前記撮像段階は、前記表示手段と撮像手段の間の距離を変化させて行うことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項20】
前記撮像段階は、前記表示手段と撮像手段の間の距離を変化させて行うことを特徴とする請求項14に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項21】
前記表示手段および撮像手段は、両者間を移動可能に構成され、前記撮像段階は、前記表示手段および撮像手段のうちいずれか一方のいずれか他方に対する移動速度を変化させて行うことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項22】
前記表示手段および撮像手段は、両者間を移動可能に構成され、前記撮像段階は、前記表示手段および撮像手段のうちいずれか一方のいずれか他方に対する移動速度を変化させて行うことを特徴とする請求項14に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項23】
前記表示段階は、前記特性評価用画像の輝度を変化させて行うことを特徴とする請求項13に記載の撮像装置の特性評価方法。
【請求項24】
前記表示段階は、前記特性評価用画像の輝度を変化させて行うことを特徴とする請求項14に記載の撮像装置の特性評価方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図12】
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【図13】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図21】
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【図5】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2006−5509(P2006−5509A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−177723(P2004−177723)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】