説明

撮像装置及びそのプログラム

【課題】 電圧ドロップを抑えることができる撮像装置及びそのプログラムを実現する。
【解決手段】 被写体のスルー画像表示中にズームキーの操作が行われると(S2、Y)、該操作に従ってズームレンズ2aのみを移動させ(S3)、ズームキー操作が終了すると(S4、Y)、ズームレンズ2aの移動終了後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させる(S5)。
そして、録画開始の指示により動画撮影記録処理中に、ズームキーの操作が行われると(S9、Y)、該操作に従ってズームレンズ2aを移動させるとともに、ズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させる動作も同時に行なう(S10)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びそのプログラムに係り、詳しくは、光学ズーム機能を備えた撮像装置及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置、例えば、光学ズーム機能を備えたデジタルカメラにおいては、ズーム操作が行なわれると、ズームレンズを移動させることにより被写体の画角(倍率)を変更させることができるが、被写体に対してピントが合っている状態(合焦状態)で、単にズームレンズだけが移動すると、せっかく合っていたピントがボケてしまうので、ズームレンズを移動させる場合には、図4(a)に示すように、合焦状態を維持するために、ズームレンズの移動に伴いフォーカスレンズも移動させていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】公開特許公報 特開6−62300号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記技術によれば、以下のような問題点が生じてしまう。
ズームレンズとフォーカスレンズをともに移動させてしまうと、個々にズームレンズとフォーカスレンズを移動させる場合に比べ消費電力が大きくなり、電圧ドロップも大きくなってしまう。
また、通常、電池の寿命を判定する場合には、例えば、電池の電圧と閾値電圧との比較が行なわれ、電池の電圧が閾値電圧より低くなると電池寿命であると判断するので、電圧ドロップが大きければ大きいほど、電池寿命と判断される時期が早くなってしまう。
【0005】
そこで本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、電圧ドロップを抑えることができる撮撮像装置及びそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的達成のため、請求項1記載の発明による撮像装置は、被写体の光を画像データに変換する撮像素子を用いて被写体の動画を撮像する動画撮像制御手段と、
ズームレンズを移動させるズームレンズ駆動手段と、
フォーカスレンズを移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動位置に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段を制御してフォーカスレンズを移動させる制御手段と、
前記動画撮像制御手段により撮像された動画データを所定の記録手段に記録させる動画撮影記録制御手段と、
を備えた撮像装置であって、
前記制御手段は、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させる場合に、前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録される動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されることを許容し、前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されることを禁止することを特徴とする。
【0007】
また、例えば、請求項2に記載されているように、前記制御手段は、
前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、ズームレンズの移動が行われていないときに、前記ズームレンズの位置に対応するフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段により前記フォーカスレンズ位置を移動させるようにしてもよい。
【0008】
また、例えば、請求項3に記載されているように、前記制御手段は、
前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの所定位置への移動が終了した後に、前記フォーカス制御手段を制御することにより前記フォーカスレンズの移動を開始させるようにしてもよい。
【0009】
また、例えば、請求項4に記載されているように、前記制御手段は、
前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの所定位置への移動を行なう前に、前記フォーカス制御手段を制御することにより前記フォーカスレンズの移動を開始させるようにしてもよい。
【0010】
また、例えば、請求項5に記載されているように、前記制御手段は、
前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動を所定移動量毎又は所定倍率毎に一時停止させるように前記ズームレンズ駆動手段を制御し、該前記ズームレンズの移動が一時停止されている間に、前記フォーカスレンズを移動させるように前記フォーカスレンズ駆動手段を制御するようにしてもよい。
【0011】
また、例えば、請求項6に記載されているように、前記制御手段は、
前記ズームレンズが所定量移動するまでの間、前記フォーカスレンズ駆動手段に対して、前記ズームレンズの移動に伴う前記フォーカスレンズの同時移動禁止を留保するようにしてもよい。
【0012】
また、例えば、請求項7に記載されているように、前記制御手段は、
前記ズームレンズが所定量移動した後は、前記フォーカスレンズ駆動手段に対して、前記ズームレンズの移動に伴う前記フォーカスレンズの同時移動禁止を解除するようにしてもよい。
【0013】
また、例えば、請求項8に記載されているように、前記ズームレンズと、前記フォーカスレンズとが互いに干渉しあう範囲内にあるか否かを監視する干渉範囲判断手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記干渉範囲判断手段により前記ズームレンズと前記フォーカスレンズとが互いに干渉しあう範囲内にあると判断されている間は、前記フォーカスレンズ駆動手段に対して、前記ズームレンズの移動に伴う前記フォーカスレンズの同時移動禁止を留保するようにしてもよい。
【0014】
また、例えば、請求項9に記載されているように、ズームを指示するズーム指示手段を備え、
前記制御手段は、
前記ズーム指示手段によりズームの指示が行われたときに、前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段を制御してフォーカスレンズを移動させるようにしてもよい。
【0015】
また、例えば、請求項10に記載されているように、前記動画撮像制御手段により撮像された動画データをスルー画像表示させるスルー画像表示制御手段を備えるようにしてもよい。
【0016】
上記目的達成のため、請求項11記載の発明による撮像装置は、被写体の光を画像データに変換する撮像素子を用いて被写体の動画を撮像する動画撮像制御手段と、
ズームレンズを移動させるズームレンズ駆動手段と、
フォーカスレンズを移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動位置に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段を制御してフォーカスレンズを移動させる制御手段と、
前記動画撮像制御手段により撮像された動画データを所定の記録手段に記録させる動画撮影記録制御手段と、
を備えた撮像装置であって、
前記制御手段は、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させる場合に、前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録される動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されないことを禁止し、前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されないことを許容することを特徴とする。
【0017】
上記目的達成のため、請求項12記載の発明によるプログラムは、被写体の光を画像データに変換する撮像素子と、
ズームレンズを移動させるズームレンズ駆動手段と、
フォーカスレンズを移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
を備えた撮像装置を実行させるためのプログラムであって、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段によりフォーカスレンズを移動させる制御処理と、
前記撮像素子を用いて被写体の動画を撮像する動画撮像制御処理と、
前記動画撮像制御処理により撮像された動画データを所定の記録手段に記録させる動画撮影記録制御処理と、
を含み、
前記制御処理は、
前記ズームレンズ駆動手段を制御して前記ズームレンズを移動させる場合に、前記動画撮影記録制御処理により前記所定の記録手段に記録される動画データが、前記動画撮像制御処理により撮像されているときは、該ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されることを許容し、前記動画撮影記録制御処理により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御処理により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されることを禁止することを特徴とする。
【0018】
上記目的達成のため、請求項13記載の発明によるプログラムは、被写体の光を画像データに変換する撮像素子と、
ズームレンズを移動させるズームレンズ駆動手段と、
フォーカスレンズを移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
を備えた撮像装置を実行させるためのプログラムであって、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動位置に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段を制御してフォーカスレンズを移動させる制御処理と、
前記撮像素子を用いて被写体の動画を撮像する動画撮像制御処理と、
前記動画撮像制御処理により撮像された動画データを所定の記録手段に記録させる動画撮影記録制御処理と、
を備え、
前記制御処理は、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させる場合に、前記動画撮影記録制御処理により前記所定の記録手段に記録される動画データが、前記動画撮像制御処理により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されないことを禁止し、前記動画撮影記録制御処理により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御処理により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されないことを許容することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電圧ドロップを抑えることができ、電池寿命であると判断される時期を延ばすことができる。
また、動画撮影記録中においては、ズームレンズとフォーカスレンズと同時に移動されることを許容、又は、同時に移動されないことを禁止するようにしたので、綺麗な動画を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施の形態のデジタルカメラのブロック図である。
【図2】メモリ12に記録されているフォーカステーブルの様子を示すものである。
【図3】実施の形態のデジタルカメラ1の動作を示すフローチャートである。
【図4】ズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示したタイムチャートである。
【図5】変形例におけるデジタルカメラ1の動作を示すフローチャートである。
【図6】ズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示したタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施の形態について、本発明の撮像装置をデジタルカメラに適用した一例として図面を参照して詳細に説明する。
[実施の形態]
【0022】
A.デジタルカメラの構成
図1は、本発明の撮像装置を実現するデジタルカメラ1の電気的な概略構成を示すブロック図である。
デジタルカメラ1は、撮影レンズ2、レンズ駆動ブロック3、絞り4、CCD5、ドライバ6、TG(timing generator)7、ユニット回路8、画像生成部9、CPU10、キー入力部11、メモリ12、DRAM13、フラッシュメモリ14、画像表示部15、バス16を備えている。
【0023】
撮影レンズ2は、複数のレンズ群から構成されるフォーカスレンズ2b、ズームレンズ2a等を含む。そして、撮影レンズ2にはレンズ駆動ブロック3が接続されている。レンズ駆動ブロック3(ズームレンズ駆動手段、フォーカスレンズ駆動手段)は、フォーカスレンズ2b、ズームレンズ2aをそれぞれ光軸方向に添って駆動させるフォーカスモータ、ズームモータと、CPU10から送られてくる制御信号にしたがって、フォーカスモータ、ズームモータを駆動させるフォーカスモータドライバ、ズームモータドライバから構成されている(図示略)。
【0024】
ズームレンズ2aは、所定の移動間隔としての1ステップを1つの単位として、光軸方向に添って移動していき、レンズ駆動ブロック3は、CPU10から送られてくるパルス信号に応じてズームレンズ2aを移動させる。例えば、1パルスに対してズームレンズ2aを1ステップだけ移動させる。
また、ズームレンズ2aは、Tele端とWide端の範囲内で移動可能となっている。Tele端側にズームレンズ2aが移動していくと(ズームキーの「T」キーが操作されると)、画角が狭くなり撮像される被写体が拡大していき、Wide端にズームレンズ2aが移動していくと(ズームキーの「W」キーが操作されると)、撮像される画角が広くなり撮像される被写体が小さくなる。
【0025】
絞り4は、図示しない駆動回路を含み、駆動回路はCPU10から送られてくる制御信号にしたがって絞り4を動作させる。
絞りとは、撮影レンズ2から入ってくる光の量を制御する機構のことをいう。
【0026】
CCD5(撮像素子)は、ドライバ6によって駆動され、一定周期毎に被写体像のRGB値の各色の光の強さを光電変換して撮像信号としてユニット回路8に出力する。このドライバ6、ユニット回路8の動作タイミングはTG7を介してCPU10により制御される。なお、CCD5はベイヤー配列の色フィルターを有しており、電子シャッタとしての機能も有する。この電子シャッタのシャッタ速度は、ドライバ6、TG7を介してCPU10によって制御される。
【0027】
ユニット回路8には、TG7が接続されており、CCD5から出力される撮像信号を相関二重サンプリングして保持するCDS(Correlated Double Sampling)回路、そのサンプリング後の撮像信号の自動利得調整を行なうAGC(Automatic Gain Control)回路、その自動利得調整後のアナログの撮像信号をデジタル信号に変換するA/D変換器から構成されており、CCD5から出力された撮像信号はユニット回路8を経てデジタル信号として画像生成部9に送られる。
【0028】
画像生成部9は、ユニット回路8から送られてきた画像データに対してγ補正処理、ホワイトバランス処理などの処理を施すとともに、輝度色差信号(YUVデータ)を生成し、該生成された輝度色差信号の画像データはCPU10に送られる。つまり、画像生成部9は、CCD5から出力された画像データに対して画像処理を施す。
【0029】
CPU10は、静止画撮影処理、動画撮影処理、レンズ駆動ブロック3を制御することによりフォーカスレンズ2b、ズームレンズ2aの移動を制御する処理、記録処理、画像生成部9から送られてきた画像データを記録する機能及び表示する機能を有するとともに、デジタルカメラ1の各部を制御するワンチップマイコンである。
特に、CPU10は、CCD5を制御して、CCD5により被写体の動画データを撮像させる機能(動画撮像制御手段)、ズームキーの操作が行なわれた場合は、ズームキーの操作に応じてレンズ駆動ブロック3を介してズームレンズ2aの移動を制御するとともに、フォーカスレンズ2bの移動も制御する機能(制御手段)、録画ボタンにより動画撮影が指示されるとCCD5により撮像され、画像生成部9によって生成された動画データをフラッシュメモリ14に記録させていくように制御する機能(動画撮影記録制御手段)、CCD5により撮像され、画像生成部9によって生成された動画データを画像表示部15に表示させていくように制御する機能(スルー画像表示制御手段)を少なくとも有する。
【0030】
キー入力部11は、シャッタボタン、録画ボタン、ズームキー(「T」キー、「W」キー)、十字キー等の複数の操作キーを含み、ユーザのキー操作に応じた操作信号をCPU10に出力する。
メモリ12には、CPU10が各部を制御するのに必要な制御プログラム、及び必要なデータが記録されており、CPU10は、該プログラムに従い動作する。また、メモリ12には、ズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置を記録したフォーカステーブルを備えている。
このフォーカステーブルは各被写体距離毎に、ズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置が記録されている。
図2は、記録されているフォーカステーブルの様子を示す図である。
図を見ると、撮影者から被写体までの距離(被写体距離)とズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置が記録されているのがわかる。
【0031】
DRAM13は、CCD5によって撮像された後、CPU10に送られてきた画像データを一時記憶するバッファメモリとして使用されるとともに、CPU10のワーキングメモリとして使用される。
フラッシュメモリ14は、圧縮された画像データを保存する記録媒体(所定の記録手段)である。
【0032】
画像表示部15(表示手段)は、カラーLCDとその駆動回路を含み、撮影待機状態にあるときには、CCD5によって撮像された被写体をスルー画像として表示し、動画撮影中のときもCCD5によって撮像された被写体の動画を表示させる。また、動画撮影中に静止画撮影処理が行なわれた場合は、動画とともに撮影された静止画を表示させる。
【0033】
B.デジタルカメラ1の動作
実施の形態におけるデジタルカメラ1の動作を図3のフローチャートに従って説明する。
【0034】
ユーザのモードキーの操作により撮影モードに設定されると、CPU10は、所定のフレームレートでCCD5による撮像を開始させ、CC5により順次撮像され画像生成部9によって生成された輝度色差信号の画像データを画像表示部15に表示されるという、いわゆるスルー画像表示を行う(ステップS1)。
【0035】
次いで、CPU10は、ズームキー操作が行なわれたか否かを判断する(ステップS2)。この判断は、ズームキーの操作に対応する操作信号がキー入力部11から送られてきたか否かにより判断する。
ステップS2で、ズームキー操作が行われていないと判断するとステップS6に進み、ズームキー操作が行われたと判断すると、CPU10は、該操作に従ってレンズ駆動ブロック3にパルス信号を出力し、レンズ駆動ブロック3は、該送られてきたパルス信号に従ってズームレンズ2aを移動させる(ステップS3)。このときは、ズームレンズ2aを移動させてもフォーカスレンズ2bを移動させない。
【0036】
次いで、CPU10は、ズームキー操作が終了したか否かを判断する(ステップS4)。ステップS4で、ズームキー操作が終了していないと判断するとステップS3に戻り、ズームキー操作が終了したと判断すると、CPU10は、ズームレンズ2aを移動させるためのパルス信号の出力を終了してズームレンズ2aの移動を終了させるとともに、現在のズームレンズ2aのズームレンズ位置をレンズ駆動ブロック3を介して検出し、該検出したズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置をフォーカステーブルから取得し、該取得したフーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させて(ステップS5)、ステップS6に進む。なお、フォーカステーブルを備えることなく計算によりズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置を算出するようにしてもよい。
【0037】
図4は、ズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示したタイムチャートであり、図4(b)は、このときの、つまり、スルー画像表示中におけるズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示すものである。
図4(b)を見ると分かるように、ズームレンズ2aの移動が終了した後に、フォーカスレンズ2bが移動しているのがわかる。これにより、ズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bとを一緒に動かさないので、発生する電圧ドロップの大きさを抑えることができ、電池寿命と判断される時期を延ばすことができる。
つまり、CPU10は、動画データを記録させないスルー画像表示中においては、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとを同時に移動させることを禁止させる。
【0038】
図3のフローチャートに戻り、ステップS6に進むと、CPU10は、静止画撮影を行なうか否かを判断する。この判断は、シャッタボタンの押下に対応する操作信号がキー入力部11から送られてきたか否かにより判断する。
ステップS6で、静止画撮影を行なうと判断すると、CPU10は、静止画撮影処理を行い、該得られた静止画データをフラッシュメモリ14に記録して(ステップS14)、ステップS1に戻る。
【0039】
一方、ステップS6で、静止画撮影を行なわないと判断すると、CPU10は、録画を開始するか否かを判断する(ステップS7)。この判断は、録画ボタンの押下に対応する操作信号がキー入力部11から送られてきたか否かにより判断する。
ステップS7で、録画を開始しないと判断するとステップS2に戻り、録画を開始すると判断すると、CPU10は、動画撮影記録処理を開始する(ステップS8)。つまり、CCD5により順次撮像され、画像表示部15に順次表示されているフレーム画像データをフラッシュメモリ14に記録させていく処理を開始する。
【0040】
次いで、CPU10は、ズームキー操作が行なわれたか否かを判断する(ステップS9)。
ステップS9で、ズームキー操作が行われていないと判断するとステップS12に進み、ズームキー操作が行なわれたと判断すると、CPU10は、該操作に従ってレンズ駆動ブロック3にパルス信号を出力し、レンズ駆動ブロック3は、該送られてきたパルス信号に従ってズームレンズ2aを移動させるとともに、ズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置をフォーカステーブルから順次取得して、フォーカスレンズ2bも同時に移動させる(ステップS10)。
【0041】
次いで、CPU10は、ズームキー操作が終了したか否かを判断する(ステップS11)。
ステップS11で、ズームキー操作が終了していないと判断するとステップS10に戻り、ズームキー操作が終了したと判断するとステップS12に進む。
図4(a)は、このときの、つまり、動画撮影記録中におけるズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示すものである。
図4(b)を見ると分かるように、ズームレンズ2aの移動と一緒にフォーカスレンズ2bが移動しているのがわかる。これにより、電圧ドロップは大きくなるが、ピントの合った綺麗な動画を得ることができる。
つまり、CPU10は、動画データを撮影記録している最中は、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとを同時に移動させることを強制している(同時に移動させないことの禁止)。なお、動画データの撮影記録中においても、ズームレンズ2aの移動と、フォーカスレンズ2bの移動との関係において、完全に一緒(同時)に移動させる期間がなくてもよい。この場合は、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bの移動時期をずらしたりしてもよい。言い換えるならば、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとの移動時期が重なったり、重ならなかったりする。(ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとの同時移動の許容)
【0042】
ステップS12に進むと、CPU10は、録画を終了するか否かを判断する。この判断は、録画ボタンの押下に対応する操作信号がキー入力部11から送られてきたか否かにより判断する。つまり、録画ボタンを押下すると動画撮影記録処理が開始し、録画ボタンを再び押下すると動画撮影記録処理を終了する。
なお、録画ボタンが押下されると動画撮影記録処理を開始し、録画ボタンの押下が開放されると動画撮影記録処理を終了するようにしてもよい。
ステップS12で、録画を終了しないと判断すると、ステップS9に戻り、録画を終了すると判断すると、CPU10は、動画撮影記録処理を終了し、フラッシュメモリ14に記録したフレーム画像データに基づいて動画ファイルを生成する。
【0043】
D.以上のように実施の形態においては、スルー画像表示中において、ズーム操作が行われると、ズームレンズ2aの移動が終了した後にフォーカスレンズ2bを、該移動後のズームレンズ2aのズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置に移動させるようにしたので、スルー画像表示中の場合は、画像の綺麗さよりも優先して発生する電圧ドロップの大きさを抑えることができる。これにより、電池寿命と判断される時期を延ばすことができる。
また、動画撮影記録中において、ズーム操作が行われると、ズームレンズ2aの移動とともにフォーカスレンズ2bを移動させるようにしたので、動画撮影時の場合は綺麗な動画を得ることができる。
[変形例]
E.なお、上記実施の形態は、以下のような変形例も可能である。
【0044】
(1)上記実施の形態においては、スルー画像表示中のズームレンズ2aの移動においては、ズームレンズ2aの移動が終了した後にフォーカスレンズ2bを移動させるようにしたが、交互にズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとを移動させるようにしてもよい。
このときのデジタルカメラ1の動作を図5のフローチャートに従って説明する。
【0045】
図3のステップS2で、ズームキーの操作が行われたと判断すると、図5のステップS21に進み、CPU10は、該操作に従ってレンズ駆動ブロック3にパルス信号を出力し、レンズ駆動ブロック3は、該送られてきたパルス信号に従ってズームレンズ2aを移動させる(ステップS21)。
次いで、CPU10は、ズームレンズ2aが所定量(例えば、10ステップ)移動したか否かを判断する(ステップS22)。なお、所定量の移動に伴って所定倍率ズームされる。
ステップS22で、所定量移動していないと判断するとステップS21に戻り、所定量移動したと判断すると、CPU10は、ズームレンズ2aの移動を一時停止させる(ステップS23)。
【0046】
次いで、CPU10は、ズームレンズ2aが一時停止している間に、所定量移動後のズームレンズ2aのズームレンズ位置(現在のズームレンズ2aのズームレンズ位置)に対応するフォーカスレンズ位置をフォーカステーブルから取得し、該取得したフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させる(ステップS24)。
次いで、CPU10は、ズームキー操作が終了したか否かを判断し(ステップS25)、終了していないと判断するとステップS21に戻る。
一方、ステップS25で、ズームキー操作が終了したと判断すると、図3のステップS6に進む。
【0047】
図4(c)は、変形例(1)のスルー画像表示中におけるズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示すものである。
図4(c)を見ると分かるように、ズームレンズ2aが所定量移動するとズームレンズ2aの移動を一時停止させて、該所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bが移動し、そして、再びズームレンズ2aが所定量移動して、フォーカスレンズ2bが移動するというように、交互のズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとが移動しているのがわかる。つまり、所定倍率毎にズームレンズ2aの移動を一時停止させてフォーカスレンズ2bを移動させることになる。
【0048】
図中のズームレンズ移動のタイムチャートに示されているZ1〜Z6の各矢印は、ズームレンズ2aの所定量の移動時間を表しており、フォーカスレンズ移動のタイムチャートに記されているZ1〜Z6の各矢印は、ズームレンズ2aのZ1〜Z6の各矢印(各所定量)移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置へのフォーカスレンズ2bの移動時間を表している。つまり、フォーカスレンズ移動のZ1の矢印は、ズームレンズ移動のZ1の矢印(所定量)移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置へのフォーカスレンズ2bの移動を表しており、フォーカスレンズ移動のZ2の矢印は、ズームレンズ移動のZ1の矢印(所定量)移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置へのフォーカスレンズ2bの移動を表しており、ズームレンズ移動のZ3〜Z6の矢印も同様である。
このズームレンズ移動のZ1〜Z6の各矢印、ズームレンズ移動のZ1〜Z6の各矢印の意味は、図4の(d)及び図6においても同様である。
【0049】
(2)また、上記変形例(1)において、ズームレンズ2aを所定量移動してからフォーカスレンズ2bを移動させるようにしたが、逆にフォーカスレンズ2bを先に移動させてからズームレンズ2aを移動させるようにしてもよい。
図4(d)は、変形例(2)のスルー画像表示中におけるズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示すものである。
図4(d)を見ると分かるように、該所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを先に移動させた後に、ズームレンズ2aを所定量移動させて一時停止させ、そして、更に所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを先に移動させてから、再びズームレンズ2aを所定量移動させて一時停止させるというように、交互にフォーカスレンズ2bとズームレンズ2aとを移動させるとともに、先にフォーカスレンズ2bを移動させるというものである。
この場合、CPU10は、ズームキーの操作によりズームレンズ2aがどのくらい移動するかは、ズームキーの操作が終了しなければ分からず、ズームキー操作により本当にズームレンズ2aが所定量動くとは限らない。
【0050】
従って、ここでの所定量とは、ズームレンズ2aが少なくとも動くと確定できる移動量である。例えば、ズームキーの1回の操作によりCPU10から出力されるパルス信号が1パルスであり、1パルスに対してズームレンズ2aが10ステップ移動する場合は、この10ステップが所定量であり、ズームキーの1回の操作によりCPU10から出力されるパルス信号が10パルスであり、該10パルスに対してズームレンズ2aが20ステップ移動する場合は、この20ステップが所定量である。つまり、ズームキーが操作されれば少なくともこの量だけは移動するという量が所定量ということになる。そして、所定量移動に継続して操作されていれば少なくともあと所定量分は更に動くので、該所定量移動のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを先に移動させる。これにより、ズームキー操作終了後にフォーカスレンズ2bが動くということはなくなる。
【0051】
(3)また、上記変形例(1)においては、ズームレンズ2aが所定量移動するとズームレンズ2aの移動を一時停止させ、フォーカスレンズ2bを移動させるというように、交互にズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとを移動させるようにしたが、ズームレンズ2aはズームキーの操作が行なわれている限り移動させていき、ズームレンズ2aが所定量移動後に該所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させるようにしてもよい。
【0052】
図6は、ズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示したタイムチャートであり、図6(a)は、変形例(3)のスルー画像表示中におけるズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示すものである。
図6(a)を見ると分かるように、ズームキー操作が行われている限り、所定量移動してもズームレンズ2aを一時停止させることなく移動させていくとともに、ズームレンズ2aが所定量移動すると、該所定量移動後のズームレンズ2aのズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させているのがわかる。つまり、ズームレンズ2aが所定量移動した後はズームレンズ2aとフォーカスレンズ2b同時移動の禁止を解除している。また、所定量移動後は、更に所定量が移動されるまでズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとの同時移動の禁止を留保(同時移動を禁止させない)している。これにより、所定量移動毎に該所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させていくので、図4(a)に示すようなズームレンズ2a及びフォーカスレンズ2bの移動に比べ、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bが同時に移動する期間が少なくなり、電圧ドロップの発生を抑えることができる。
つまり、この場合は、CPU10は、動画データの撮影記録中には、フォーカスレンズ2bとズームレンズ2aとの同時に移動させないことを許容しているとも言える。
【0053】
(4)また、上記変形例(2)においては、該所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを先に移動させた後に、ズームレンズ2aを所定量移動させて一時停止させ、そして、更に所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを先に移動させてから、再びズームレンズ2aを所定量移動させて一時停止させるというように、交互にフォーカスレンズ2bとズームレンズ2aとを移動させるようにしたが、ズームキーの操作が行なわれている限り一時停止させることなくズームレンズ2aを移動させるとともに、所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bも移動させ、更にズームレンズ2aが所定量移動すると、更に所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させるようにしてもよい。
【0054】
図6(b)は、変形例(5)のスルー画像表示中におけるズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示すものである。
図6(b)を見ると分かるように、ズームレンズ2aを移動させると、所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bも移動させるというように、ズームレンズ2aが所定量移動する度に、更に所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置に前もってフォーカスレンズ2bを移動しているのがわかる。
これにより、図4(a)に示すようなズームレンズ2a及びフォーカスレンズ2bの移動に比べ、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bが同時に移動する期間が少なくなり、電圧ドロップの発生を抑えることができる。また、前もってフォーカスレンズ2bを移動させているので、ズームキーの操作が終了した場合には、ズームレンズ2aの移動を終了するだけよい。
【0055】
(5)また、上記変形例(1)及び(2)においては、ズームレンズ2aの移動が一時停止させている間にフォーカスレンズ2bを移動させ、フォーカスレンズ2bの移動が終了するとズームレンズ2aを移動させるというように交互のズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとを移動させるようにしたが、完全にズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bを交互に動かすのではなく、同時に移動する期間を少し作るようにしてもよい。つまり、この場合も、CPU10は、動画データの撮影記録中には、フォーカスレンズ2bとズームレンズ2aとの同時に移動させないことを許容している。
【0056】
図6(c)、(d)は、変形例(6)のスルー画像表示中におけるズームレンズ2aの移動とフォーカスレンズ2bの移動との関係を示すものである。
図6(c)を見ると分かるように、ズームレンズ2aが所定量移動すると移動を一時停止させて、フォーカスレンズ2bを移動させるようにしたが、フォーカスレンズ2bの移動が終了する前に、ズームレンズ2aを再び所定量移動させるようにしている。
【0057】
また、図6(d)を見るとわかるように、所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを先に移動させるとともに、フォーカスレンズ2bの移動が終了する前に、ズームレンズ2aを所定量移動させる。そして所定量移動するとズームレンズ2aの移動を一時停止させて、更に所定量移動後のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを先に移動させるようにする。
このように、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bを完全に交互に移動させるのではなく、移動する期間を少しダブらせる、つまり、同時に移動させる期間を設けるようにしてもよい。
これにより、図4(a)に示すようなズームレンズ2a及びフォーカスレンズ2bの移動に比べ、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bが同時に移動する期間が少なくなり、電圧ドロップの発生を抑えることができる。
【0058】
つまり、上記変形例(1)及び(2)においては、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとを交互に移動させることにより、電圧ドロップの発生を極力抑えるようにし、上記変形例(3)乃至(5)は、所定量移動間隔毎のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させることにより、電圧ドロップの発生を極力抑えるというものである。
従来ならば(図4(a)参照)、ズームレンズ2aが移動する度にズームレンズ2aも一緒に移動させていたため、ズームレンズ2aを移動させる回数が多くなるが、この所定量移動間隔毎のズームレンズ位置に対応するフォーカスレンズ位置にフォーカスレンズ2bを移動させることにより、フォーカスレンズ2bを移動させる回数が減り、フォーカスレンズ2bとズームレンズ2aとが同時に移動する期間が少なくなる。
【0059】
(6)また、上記実施の形態及び上記変形例(1)乃至(5)においては、撮影モードで動画撮影と静止画撮影との両方の撮影を行なうことができるようにしたが、動画撮影モードと静止画撮影モードとを分けるような態様であってもよい。この場合、動画撮影モードのスルー画像表示中、静止画撮影モードのスルー画像表示中においてズームキーの操作が行われると、図4(b)乃至(d)、図6の何れかの方法によってズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとを移動させ、動画撮影モードの動画撮影記録中に、ズームキーの操作が行われた場合のみ、図4(a)の方法によってズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとを移動させるようにする。
【0060】
(7)また、上記実施の形態及び上記変形例(1)乃至(6)において、フォーカスレンズ2bの駆動可能範囲とズームレンズ2aの駆動可能範囲とが重複する場合(1部の範囲で重複する場合も含む)に、上述したようにスルー画像表示中にズームレンズ2aを先に移動させた後にフォーカスレンズ2bを移動させる場合やフォーカスレンズ2bを先に移動させた後にズームレンズ2aを移動させる場合には、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bとが衝突してしまう虞がある。
【0061】
そのために、スルー画像表示中においては、CPU10は、ズームレンズ2aとフォーカスレンズ2bが干渉しあう範囲内にあるか否かを判断する(干渉範囲判断手段)。この干渉しあう範囲とは、ズームレンズ2aの駆動可能範囲にフォーカスレンズ2bが存在することをいい、ズームレンズ2aの駆動可能範囲内にフォーカスレンズ2bがある場合には干渉しあう範囲内にあると判断する。この判断は所定周期毎に判断する。
なお、フォーカスレンズ2bの駆動範囲内にフォーカスレンズ2bがある場合には干渉しあう範囲内にあると判断するようにしてもよい。
【0062】
そして、干渉しあう範囲内にあると判断すると、CPU10は、ズームレンズ2aのズームレンズ位置とフォーカスレンズ2bのフォーカスレンズ位置が所定距離(例えば、所定量)の範囲内にあるか否かを判断し(距離範囲判断手段)、所定距離の範囲内にあると判断された場合に、ズームレンズ2aを移動する場合には、フォーカスレンズ2bとズームレンズ2aとが干渉しあう範囲内にないと判断されるまで、図4(a)に示すようにフォーカスレンズ2bも同時に一緒に移動させる(フォーカスレンズ2bとズームレンズ2aとの同時移動禁止を留保する)。
これにより、フォーカスレンズ2bとズームレンズ2aの衝突を避けることができる。
【0063】
(8)また、上記実施の形態におけるデジタルカメラ1は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、カメラ付き携帯電話、カメラ付きPDA、カメラ付きパソコン、デジタルビデオカメラ等でもよく、ズームレンズ及びフォーカスレンズを備えた機器であれば何でもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 デジタルカメラ
2 撮影レンズ
3 レンズ駆動ブロック
4 絞り
5 CCD
6 ドライバ
7 TG
8 ユニット回路
9 画像生成部
10 CPU
11 キー入力部
12 メモリ
13 DRAM
14 フラッシュメモリ
15 画像表示部
16 バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の光を画像データに変換する撮像素子を用いて被写体の動画を撮像する動画撮像制御手段と、
ズームレンズを移動させるズームレンズ駆動手段と、
フォーカスレンズを移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動位置に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段を制御してフォーカスレンズを移動させる制御手段と、
前記動画撮像制御手段により撮像された動画データを所定の記録手段に記録させる動画撮影記録制御手段と、
を備えた撮像装置であって、
前記制御手段は、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させる場合に、前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録される動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されることを許容し、前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されることを禁止することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、ズームレンズの移動が行われていないときに、前記ズームレンズの位置に対応するフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段により前記フォーカスレンズ位置を移動させることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、
前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの所定位置への移動が終了した後に、前記フォーカス制御手段を制御することにより前記フォーカスレンズの移動を開始させることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、
前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの所定位置への移動を行なう前に、前記フォーカス制御手段を制御することにより前記フォーカスレンズの移動を開始させることを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動を所定移動量毎又は所定倍率毎に一時停止させるように前記ズームレンズ駆動手段を制御し、該前記ズームレンズの移動が一時停止されている間に、前記フォーカスレンズを移動させるように前記フォーカスレンズ駆動手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、
前記ズームレンズが所定量移動するまでの間、前記フォーカスレンズ駆動手段に対して、前記ズームレンズの移動に伴う前記フォーカスレンズの同時移動禁止を留保することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記ズームレンズが所定量移動した後は、前記フォーカスレンズ駆動手段に対して、前記ズームレンズの移動に伴う前記フォーカスレンズの同時移動禁止を解除することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項8】
前記ズームレンズと、前記フォーカスレンズとが互いに干渉しあう範囲内にあるか否かを監視する干渉範囲判断手段と、
を備え、
前記制御手段は、
前記干渉範囲判断手段により前記ズームレンズと前記フォーカスレンズとが互いに干渉しあう範囲内にあると判断されている間は、前記フォーカスレンズ駆動手段に対して、前記ズームレンズの移動に伴う前記フォーカスレンズの同時移動禁止を留保することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の撮像装置。
【請求項9】
ズームを指示するズーム指示手段を備え、
前記制御手段は、
前記ズーム指示手段によりズームの指示が行われたときに、前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段を制御してフォーカスレンズを移動させることを特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の撮像装置。
【請求項10】
前記動画撮像制御手段により撮像された動画データをスルー画像表示させるスルー画像表示制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至9の何れかに記載の撮像装置。
【請求項11】
被写体の光を画像データに変換する撮像素子を用いて被写体の動画を撮像する動画撮像制御手段と、
ズームレンズを移動させるズームレンズ駆動手段と、
フォーカスレンズを移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動位置に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段を制御してフォーカスレンズを移動させる制御手段と、
前記動画撮像制御手段により撮像された動画データを所定の記録手段に記録させる動画撮影記録制御手段と、
を備えた撮像装置であって、
前記制御手段は、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させる場合に、前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録される動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されないことを禁止し、前記動画撮影記録制御手段により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御手段により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されないことを許容することを特徴とする撮像装置。
【請求項12】
被写体の光を画像データに変換する撮像素子と、
ズームレンズを移動させるズームレンズ駆動手段と、
フォーカスレンズを移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
を備えた撮像装置を実行させるためのプログラムであって、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段によりフォーカスレンズを移動させる制御処理と、
前記撮像素子を用いて被写体の動画を撮像する動画撮像制御処理と、
前記動画撮像制御処理により撮像された動画データを所定の記録手段に記録させる動画撮影記録制御処理と、
を含み、
前記制御処理は、
前記ズームレンズ駆動手段を制御して前記ズームレンズを移動させる場合に、前記動画撮影記録制御処理により前記所定の記録手段に記録される動画データが、前記動画撮像制御処理により撮像されているときは、該ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されることを許容し、前記動画撮影記録制御処理により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御処理により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されることを禁止することを特徴とするプログラム。
【請求項13】
被写体の光を画像データに変換する撮像素子と、
ズームレンズを移動させるズームレンズ駆動手段と、
フォーカスレンズを移動させるフォーカスレンズ駆動手段と、
を備えた撮像装置を実行させるためのプログラムであって、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させるとともに、該ズームレンズの移動位置に応じたフォーカスレンズ位置に前記フォーカスレンズ駆動手段を制御してフォーカスレンズを移動させる制御処理と、
前記撮像素子を用いて被写体の動画を撮像する動画撮像制御処理と、
前記動画撮像制御処理により撮像された動画データを所定の記録手段に記録させる動画撮影記録制御処理と、
を備え、
前記制御処理は、
前記ズームレンズ駆動手段を制御してズームレンズを移動させる場合に、前記動画撮影記録制御処理により前記所定の記録手段に記録される動画データが、前記動画撮像制御処理により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されないことを禁止し、前記動画撮影記録制御処理により前記所定の記録手段に記録されることのない動画データが、前記動画撮像制御処理により撮像されているときは、前記ズームレンズの移動に伴って前記フォーカスレンズが同時に移動されないことを許容することを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−133908(P2011−133908A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66851(P2011−66851)
【出願日】平成23年3月25日(2011.3.25)
【分割の表示】特願2006−250672(P2006−250672)の分割
【原出願日】平成18年9月15日(2006.9.15)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】