説明

撮像装置及びその信号処理方法及び記憶媒体

【課題】撮像した画像の色調補正に用いる白紙データの利便性の向上を図る。
【解決手段】撮像手段により得られた第1撮像データをファイル化して記録媒体に記憶すると共に、第1撮像データを記録する領域とは異なる領域に、第1撮像データの全部あるいは一部に対する色成分のデータにより得られる撮像データの調整用データを記憶する媒体記憶部107と、第1撮像データに対応する情報を表示するモニター701と、モニターに表示された情報から1つの第1撮像データを選択するスイッチ708と、スイッチ708により選択された第1撮像データのファイルに記録されている調整用データに基づいて、撮像手段により得られた第2撮像データの調整を行うホワイトバランス調整部114を有し、調整用データは、前記撮像手段が有する撮像素子の固有データを含み、ホワイトバランス調整部は、固有データに基づき第2撮像データの調整を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の色フィルタを備える撮像手段により撮像された画像データに対して施される色調を調整する撮像装置及びその信号処理方法及び記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複数の色フィルターを持つ撮像素子によって撮像された画像データを出力するためには、撮像された画像データに対してホワイトバランス調整を行い、撮像画像中の光源に対してその色温度を判別し、無彩色となるように調整することで、撮像画像の忠実な色再現を図っている。
【0003】
ホワイトバランスには、測色用素子を用いて光源の色温度を判別する方法や、撮像画像中の無彩色部を探索してその部分の色温度を判別する方法などがあるが、それぞれ光源の色の誤検出などによって正確なホワイトバランス調整ができない場合がある。
【0004】
最も正確なホワイトバランス調整方法のひとつに、無彩色の被写体を撮像し(以下では白紙撮像と呼ぶ)、撮像された画像の各色成分の比が同じになるような制御値を求めて、以後の撮像でその制御値を用いてホワイトバランス調整を行う方法がある(以下ではマニュアルホワイトバランス(MWB)と呼ぶ)。例えば、特許文献1において、マニュアルホワイトバランスの例が紹介されている。
【0005】
白紙撮像によるMWB制御の方法の従来例を図11に示す。図11は、複数の色フィルタを備える撮像手段により撮像された無彩色の画像(以下では白紙画像と呼ぶ)より、一部のデータ(以下では白紙データと呼ぶ)を抽出して記録媒体に記録し、以後の撮像で媒体から白紙データを読み出して、ホワイトバランス制御値を演算してその制御値を用いてホワイトバランス調整を行なう従来の方法を示している。
【0006】
撮像素子の複数の色フィルタを図5に示されるようなR、G1、G2、Bからなる原色フィルターとする。撮像データ入力端子1001より入力された撮像データは、本画像処理部1002、符号化処理部1003、画像ファイル化部1004のそれぞれの処理を経て、媒体記録部1005により画像データとして記録媒体に記録される。
【0007】
この通常の画像記録処理とは別に、MWB用の白紙データとして、画像データ抽出部1006により撮像データの一部を抽出し、記録媒体のMWB用データ領域に記録する。
【0008】
以後の撮像でホワイトバランスの設定をMWBにしたときは、撮像装置は媒体再生部1007によりこの媒体に記録された白紙データを再生し、ホワイトバランス制御値読み出し部1008により白紙データを読み出し、ホワイトバランス制御値演算部1009により白紙データのR、G1、G2、Bのそれぞれの色信号別の平均値の比が等しくなるような色信号R、G1、G2、B別のホワイトバランス制御値を演算する。
【0009】
ホワイトバランス制御値演算部1009で求めたホワイトバランス制御値をホワイトバランス制御値設定部1010により撮像装置のホワイトバランス調整に設定し、以後の撮像によって撮像データ入力端子1013より入力される撮像データに対して、設定した制御値でホワイトバランス調整部1014によりホワイトバランス調整を行い、色処理部1015で色マトリックスを変換したり、色補正処理などを行うなどの最終の色調整を行った後、符号化処理部1016により記録フォーマットに符号化処理し、記録ファイル化処理部1017により記録ファイル化処理を行い、撮像画像ファイルとして記録媒体1018に記録する。
【0010】
また、図12に示されるように、MWBでは、撮像装置で撮像した(撮像データ入力端子1101により入力された)白紙データからホワイトバランス制御値演算部1102により直接ホワイトバランス制御値を演算し、ホワイトバランス制御値設定部1103により撮像装置に設定して、以後の撮像のホワイトバランス調整部1114の制御値に用いる方法もある。
【0011】
なお、以後の撮像によって撮像データ入力端子1113より入力される撮像データに対して、設定した制御値でホワイトバランス調整部1114によりホワイトバランス調整を行い、色処理部1115で色マトリックスを変換したり、色補正処理などを行うなどの最終の色調整を行った後、符号化処理部1116により記録フォーマットに符号化処理し、記録ファイル化処理部1117により記録ファイル化処理を行い、撮像画像ファイルとして記録媒体1118に記録する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平10−304386号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記のような従来例では、白紙データを記録媒体のMWBデータ領域という特定の領域に書き込み、記録媒体を撮像装置に挿入してMWB設定を行ったときに白紙データを読み出すシステムであるため、記録媒体1つに対してMWB用の白紙データを複数種類格納し、それらを管理して、希望の白紙データを読み出すことが困難であり、白紙データの利便性が悪いという問題点があった。
【0014】
また、撮像データを撮像直後に演算して直接ホワイトバランス制御値として撮像装置に設定する方法も、白紙データを一旦作成した後そのデータを続けて用いるためには、別のMWB設定を行うことができないなどの使用上の不便があり、白紙データの利便性が悪いという問題点があった。
【0015】
またさらに、上記のシステムを用いると、ある撮像装置で撮像した白紙データを他の撮像装置の白紙データとして用いたときに、撮像素子の分光特性のバラツキの影響で、正確なホワイトバランス調整ができない場合が発生してしまい、白紙データの利便性が悪いという問題点があった。
【0016】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、撮像した画像の色調補正に用いる白紙データの利便性の向上を図った撮像装置及びその信号処理方法及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の撮像装置及びその信号処理方法及び記憶媒体は次のように構成したものである。
【0018】
(1)撮像手段により得られた第1撮像データをファイル化して記録媒体に記憶するとともに、前記ファイルの第1撮像データを記録する領域とは異なる領域に、前記第1撮像データから抽出された前記第1撮像データの全部あるいは一部に対する色成分のデータにより得られる撮像データの調整用データを記憶する記憶手段と、前記ファイル化して記録された第1撮像データに対応する情報を表示するモニター手段と、前記モニター手段に表示された情報に対応する第1撮像データから1つの第1撮像データを選択する選択手段と、前記選択手段により選択された第1撮像データと同一のファイルに記録されている調整用データに基づいて、前記撮像手段により得られた前記第1撮像データとは異なる第2撮像データの調整を行う調整手段と、を有し、前記調整用データは、前記撮像手段が有する撮像素子の固有のデータを含み、前記調整手段は、前記固有データに基づき前記第2撮像データの調整を行うことを特徴とする撮像装置。
【0019】
(2)撮像手段により得られた第1撮像データをファイル化して記録媒体に記憶するとともに、前記ファイルの第1撮像データを記録する領域とは異なる領域に、前記第1撮像データから抽出された前記第1撮像データの全部あるいは一部に対する色成分のデータにより得られる撮像データの調整用データを記録する記録ステップと、前記ファイル化して記録された第1撮像データに対応する情報をモニター手段に表示させる表示ステップと、前記モニター手段に表示された情報に対応する第1撮像データから1つの第1撮像データを選択する選択ステップと、前記選択ステップにより選択された第1撮像データと同一のファイルに記録されている調整用データに基づいて、前記撮像手段により得られた前記第1撮像データとは異なる第2撮像データの調整を行う調整ステップと、を有し、前記調整用データは、前記撮像手段が有する撮像素子の固有のデータを含み、前記調整ステップは、前記固有データに基づき前記第2撮像データの調整を行うことを特徴とする撮像装置の信号処理方法。
【0020】
(3)前記(2)の信号処理方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明によれば、撮像した画像の色調補正に用いる白紙データの利便性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第一の実施の形態による撮像装置の要部構成を示すブロック図
【図2】第二の実施の形態による撮像装置の要部構成を示すブロック図
【図3】第三の実施の形態による撮像装置の要部構成を示すブロック図
【図4】第四の実施の形態による撮像装置の要部構成を示すブロック図
【図5】撮像素子の原色フィルターの配列構成を示す図
【図6】撮像素子の補色フィルターの配列構成を示す図
【図7】第一,第二の実施の形態によるユーザーインターフェースの構成を示す図
【図8】第三の実施の形態によるユーザーインターフェースの構成を示す図
【図9】第一〜第四の実施の形態による抽出される撮像データを示す図
【図10】第四の実施の形態による撮像素子のバラツキを調整する演算の順序を示す説明図
【図11】従来例の構成を示すブロック図
【図12】従来例の構成を示すブロック図
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第一の実施の形態)
図1は第一の実施の形態による撮像装置の要部構成を示すブロック図である。本実施例では、各撮像画像を記録媒体に記録する際の各画像ファイルの添付データ領域に、撮像データの一部を白紙データとして記録する方法について説明する。
【0024】
図1において、101は図5に示されるような配列のR、G1、G2、Bの4種類から成る色フィルターを持つ撮像素子によって撮像され、デジタルデータに変換された撮像データを入力する撮像データ入力端子である。
【0025】
この撮像データは、通常のデジタルカメラのようなデジタル画像記録装置(撮像装置)と同様に高画質記録のためのさまざまな画像処理が本画像処理部102において施されて、符号化処理部103においてJPEG規格の記録フォーマットに従って符号化される。
【0026】
これとは別に撮像データの一部、例えば、図9に示されるように一画面の二次元画像空間の中央部64画素分の画素データを白紙データ抽出部104により抽出し、平均化処理部105によりR、G1、G2、Bの各色成分信号毎16画素ずつの平均値を求める。
【0027】
求めた平均値を元の符号化された画像データとともに画像ファイル化部106により画像ファイルを形成する。平均値は画像ファイルの付属の決められたMWB白紙データ用の領域に割り当てられ、元の符号化された画像データとともに1つの画像ファイルとして媒体記録部107により記録媒体に記録される。
【0028】
以上の動作を一般の撮像時も含めてすべての撮像時に必ず行うようにする。白紙撮像も同様に一般の撮像のひとつとして行う。白紙データは、画面内の中央64画素分の領域を抽出するので、その64画素領域の周辺では白紙以外のどのような画像が撮像されていてもよい。
【0029】
次に、MWB時のホワイトバランス制御値を撮像装置に設定するときの説明をする。前記の方法による記録方式で画像ファイルが記録されている媒体を撮像装置に据え、図7に示されるユーザーインターフェースを用いて画像ファイルの再生を行う。
【0030】
図7に示すPLAYボタン703を押すことにより、媒体再生部108により再生モニター701に画像ファイルの本画像データ(撮像データ)が再生表示される。
【0031】
撮像者は、この再生モニター701を観ながらファイル切替スイッチ704,705で複数のファイルを順次切り替えて、MWBに使用したい画像ファイルを選択する。
【0032】
画像ファイルが再生されてモニターされるとき、白紙データ再生部(読み出し手段)110により白紙データも付属の白紙データ領域から読み出されて再生される。
【0033】
ファイル選択は、MWBに用いたい白紙データが書き込まれているファイルがモニターで表示されているときに、Selectスイッチ708を押すことによって白紙データ画像選択部109により希望のファイルが選択される。
【0034】
図7に示す再生モニター701に示されるように、MWBに用いる画像を意識して撮像する際、白紙データとして記録される領域702以外の場所に撮像を行った日時や場所などを書き込んでおくと、白紙データの運用がさらに容易となる。
【0035】
白紙データ画像選択部109でファイルが選択された信号に応じて、再生されている画像ファイルの白紙データが選択されて、ホワイトバランス制御値演算部111においてホワイトバランス制御値演算が行なわれる。
【0036】
ホワイトバランス演算は、R、G1、G2、Bの各平均値の比を求め、G1、G2の平均値をセンターとして、それに対するR、Bの比の逆数をホワイトバランス制御値として求める。
【0037】
ここで求められたホワイトバランス制御値をMWB用の制御値としてホワイトバランス制御値設定部112により撮像装置に設定する。
【0038】
以上のようにして設定されたMWBの制御値を用いて撮像を行うと、撮像データ入力端子113より得られる撮像素子からデジタルデータに変換された色成分毎の画像信号は、ホワイトバランス調整部114において、設定したMWB制御値が各色成分毎に乗算されてホワイトバランス調整が施される。
【0039】
このホワイトバランス調整された信号は、以後、色調整部115による色調整、符号化処理116による符号化処理がそれぞれ施されて、撮像データから抽出された白紙データとともに画像ファイル化部117により画像ファイル化され、媒体記録部118により記録媒体に記録される。
【0040】
以上のようにして、画像ファイルに本画像データとともに記録された白紙データからMWBの制御値を撮像装置に設定する機能を持つことにより、複数の場面で記録された白紙データを容易に繰り返し運用することが可能となり、場面が変わる毎にMWB制御値を設定するための撮像を行う必要がなくなり、MWB調整の使用を容易とすることができる。
【0041】
このように第一の実施例によれば、複数の白紙データを1つの媒体で管理でき、呼び出しを容易にすることで、MWB用の白紙データの使用の利便性を向上させることができる。
【0042】
(第二の実施の形態)
図2は第二の実施の形態による撮像装置の要部構成を示すブロック図である。本実施例では、各撮像画像を記録媒体に記録する際の各画像ファイルの添付データ領域に、撮像データの一部を撮像画像の色調整用データ(以後カラーバランスデータと呼ぶ)として記録する方法を説明する。
【0043】
図2において、201は図5に示されるような配列のR、G1、G2、Bの4種類から成る色フィルターを持つ撮像素子によって撮像され、デジタルデータに変換された撮像データを入力する撮像データ入力端子である。
【0044】
この撮像データは、通常のデジタルカメラのようなデジタル画像記録装置と同様に高画質記録のためのさまざまな画像処理が本画像処理部202において施されて、符号化処理部203においてJPEG規格の記録フォーマットに従って符号化される。
【0045】
これとは別に撮像データの一部、例えば、図9に示されるように一画面の二次元画像空間の中央部64画素分の画素データをカラーバランスデータ抽出部204により抽出し、平均化処理部205によりR、G1、G2、Bの各色成分信号毎16画素ずつの平均値を求める。
【0046】
求めた平均値を元の符号化された画像データとともに画像ファイル化部206により画像ファイルを形成する。平均値は画像ファイルの付属の決められたカラーバランスデータ用の領域に割り当てられ、元の符号化された画像データとともに1つの画像ファイルとして媒体記録部207により記録媒体に記録される。
【0047】
以上の動作を一般の撮像時も含めてすべての撮像時に必ず行うようにする。カラーバランス用の撮像も同様に一般の撮像のひとつとして行う。カラーバランスデータは、画面内の中央64画素分の領域を抽出するので、その64画素領域の周辺ではカラーバランス用データ以外のどのような画像が撮像されていてもよい。
【0048】
次に、ホワイトバランス調整後のカラーバランス調整に用いるカラーバランス制御値を撮像装置に設定するときの説明をする。前記の方法による記録方式で画像ファイルが記録されている媒体を撮像装置に据え、図7に示されるユーザーインターフェースを用いて画像ファイルの再生を行う。
【0049】
図7示すPLAYボタン703を押すことにより、媒体再生部208により再生モニター701に画像ファイルの本画像データが再生される。
【0050】
撮像者は、このモニター701を観ながらファイル切替スイッチ704および705で複数のファイルを順次切り替えて、カラーバランス調整に使用したい画像ファイルを選択する。
【0051】
画像ファイルが再生されてモニターされるとき、カラーバランスデータもカラーバランスデータ再生部210により付属のカラーバランスデータ領域から読み出されて再生される。
【0052】
ファイル選択は、カラーバランス調整に用いたいカラーバランスデータが書き込まれているファイルがモニターで表示されているときに、Selectスイッチ708を押すことによってカラーバランスデータ画像選択部209により希望のファイルが選択される。
【0053】
図7示すモニター701に示されるように、カラーバランス調整に用いる画像を意識して撮像する際、カラーバランスデータとして記録される領域702以外の場所に撮像を行った日時や場所などを書き込んでおくと、白紙データの運用がさらに容易となる。
【0054】
カラーバランスデータ画像選択部209でファイルが選択された信号に応じて、再生されている画像ファイルのカラーバランスデータが選択されて、カラーバランス制御値演算部211においてカラーバランス制御値演算が行なわれる。
【0055】
カラーバランス演算は、R、G1、G2、Bの各平均値の比を求め、G1、G2の平均値をセンターとして、それに対するR、Bの比をカラーバランス制御値として求める。
【0056】
ここでさらに、以下のようにカラーバランス調整用の制御値を微調整(変更)することも可能である。
【0057】
例えば、図7のスイッチ704,705を使って、R−B方向の調整を行うようにする。スイッチ704を押す毎に、カラーバランス調整係数部219よりR加算信号が出力されて、カラーバランス制御値演算部211において、Rの制御値に定数を加算して、Bの制御値から定数を減算する。逆にスイッチ705を押す毎に、カラーバランス調整係数部219よりB加算信号が出力されて、カラーバランス制御値演算部211において、Bの制御値に定数を加算して、Rの制御値から定数を減算する。
【0058】
また、図7に示すスイッチ706,707を使って、マゼンタ−グリーン方向の調整を行うようにする。スイッチ706を押す毎に、カラーバランス調整係数部219よりR+B加算信号が出力されて、カラーバランス制御値演算部211において、RとBの制御値に定数を加算して、G1とG2の制御値から定数を減算する。逆にスイッチ705を押す毎に、カラーバランス調整係数部219よりGr加算信号が出力されて、カラーバランス制御値演算部211において、G1とG2の制御値に定数を加算して、RとBの制御値から定数を減算する。
【0059】
このカラーバランス調整係数部219からの信号によって、図示されていないモニターの出力信号調整のR、G、B信号も同様に制御してモニター上で微調整の確認ができるようにする。
【0060】
このようにして求められたカラーバランス制御値をカラーバランス調整用の制御値としてカラーバランス制御値設定部212により撮像装置に設定する。
【0061】
以上のようにして設定されたカラーバランス調整の制御値を用いて撮像を行なうと、撮像データ入力端子213より得られる撮像素子からデジタルデータに変換された色成分毎の画像信号は、オートホワイトバランス調整部219によってホワイトバランス調整が施され、カラーバランス調整部214において、設定したカラーバランス制御値が各色成分毎に乗算されてカラーバランス調整が施される。
【0062】
例えば、中心部が平坦に赤い色の画像であれば、その色味がそのまま反映されて赤みの強い画像が出力される。
【0063】
このカラーバランス調整された信号は、以後、色調整部215による色調整、符号化処理部216による符号化処理がそれぞれ施されて、撮像データから抽出されたカラーバランス用データとともに画像ファイル化部217により画像ファイル化され、媒体記録部218により記録媒体に記録される。
【0064】
以上のようにして、画像ファイルに本画像データとともに記録されたカラーバランス用データからカラーバランス調整の制御値を撮像装置に設定する機能を持つことにより、複数の場面で記録されたカラーバランス用データを容易に取捨選択して繰り返し運用することが可能となり、撮像画像の色味を撮像者が容易に変更して自由に画像を表現することができるようになる。
【0065】
このように第二の実施の形態によれば、複数の場面で記録されたカラーバランス用データを容易に取捨選択して繰り返し運用することが可能となり、撮像画像に対して、オートホワイトバランス調整後の撮像画像のカラーバランスを自在に変化させ、撮像画像の色味を撮像者が容易に変更して自由に画像を表現することができるようになる。
【0066】
(第三の実施の形態)
図3は第三の実施の形態による撮像装置の要部構成を示すブロック図である。本実施例では、各撮像画像を記録媒体に記録する際の各画像ファイルの添付データ領域に、撮像データの一部を撮像画像の白紙データまたはカラーバランスデータとして記録し、このデータをMWB調整やカラーバランス調整に用いる方法について説明する。
【0067】
図3において、301は図5に示されるような配列のR、G1、G2、Bの4種類から成る色フィルターを持つ撮像素子(撮像手段)によって撮像され、デジタルデータに変換された撮像データを入力する撮像データ入力端子である。
【0068】
この撮像データは、通常のデジタルカメラのようなデジタル画像記録装置と同様に高画質記録のためのさまざまな画像処理が本画像処理部302において施されて、符号化処理部303においてJPEG規格の記録フォーマットに従って符号化される。
【0069】
これとは別に撮像データの一部、例えば、図9に示されるように一画面の二次元画像空間の中央部64画素分の画素データを画像データ抽出部304により抽出し、平均化処理部305によりR、G1、G2、Bの各色成分信号毎16画素ずつの平均値を求める。
【0070】
求めた平均値を元の符号化された画像データとともに画像ファイル化部306により画像ファイルを形成する。平均値は画像ファイルの付属の決められた領域に割り当てられ、元の符号化された画像データとともに1つの画像ファイルとして媒体記録部(記録手段)307により記録媒体に記録される。
【0071】
以上の動作を一般の撮像時も含めてすべての撮像時に必ず行うようにする。白紙データ用やカラーバランス用の撮像も同様に一般の撮像のひとつとして行う。白紙データやカラーバランスデータは、画面内の中央64画素分の領域を抽出するので、その64画素領域の周辺ではどのような画像が撮像されていてもよい。
【0072】
次に、MWB調整用のMWB制御値とカラーバランス調整用のカラーバランス制御値を撮像装置に設定するときの説明をする。前記の方法による記録方式で画像ファイルが記録されている媒体を撮像装置に据え、図8に示されるユーザーインターフェースを用いて画像ファイルの再生を行う。
【0073】
図8に示すPLAYボタン803を押すことにより、媒体再生部308により再生モニター801に画像ファイルの本画像データ(撮像データ)が再生される。
【0074】
撮像者は、この再生モニター801を観ながらファイル切替スイッチ804,805で複数のファイルを順次切り替えて、ホワイトバランス調整に使用したい画像ファイルを選択する。
【0075】
画像ファイルが再生されてモニターされるとき、白紙データも選択画像データ再生部310により付属のデータ領域から読み出されて再生される。
【0076】
ファイル選択は、ホワイトバランス調整に用いたいホワイトバランスデータが書き込まれているファイルがモニターで表示されているときに、Whiteスイッチ808を押すことによってCB/WB調整用画像選択部(第1の選択手段)309により希望のファイルが選択される。
【0077】
図8に示す再生モニター801に示されるように、ホワイトバランス調整に用いる画像を意識して撮像する際、カラーバランスデータとして記録される領域802以外の場所に撮像を行った日時や場所などを書き込んでおくと、白紙データの運用がさらに容易となる。これは、次に述べるカラーバランス調整でも同様である。
【0078】
CB/WB調整用画像選択部309でファイルが選択された信号に応じて、再生されている画像ファイルの付属データが選択され、さらにWhiteスイッチ808が押されたことに応じて、ホワイトバランス用のデータかカラーバランス用のデータであるかを切り替えるCB/WB選択部320よりの信号により、切替スイッチ321が切り替わって、選択されたデータはホワイトバランス制御値演算部311においてホワイトバランス制御値演算が行われる。
【0079】
ホワイトバランス演算は、R、G1、G2、Bの各平均値の比を求め、G1、G2の平均値をセンターとして、それに対するR、Bの比の逆数をホワイトバランス制御値として求める。
【0080】
このようにして求められたホワイトバランス用の制御値をMWB調整用の制御値としてCB/WB制御値設定部313により撮像装置に設定する。
【0081】
MWBの制御値が撮像装置に設定されたら、次に、カラーバランスの制御値もMWB制御値と同様にして求めて撮像装置に設定する。
【0082】
図8に示すPLAYボタン803を押すことにより、媒体再生部308により再生モニター801に画像ファイルの本画像データが再生される。
【0083】
撮像者は、この再生モニター801を観ながらファイル切替スイッチ804,805で複数のファイルを順次切り換えて、カラーバランス調整に使用したい画像ファイルを選択する。
【0084】
画像ファイルが再生されてモニターされるとき、カラーバランス用データも選択データ再生部310により付属のデータ領域から読み出されて再生される。
【0085】
ファイル選択は、カラーバランス調整に用いたいデータが書き込まれているファイルがモニターで表示されているときに、Colorスイッチ809を押すことによってCB/WB調整用画像選択部309により希望のファイルが選択される。
【0086】
CB/WB調整用画像選択部309でファイルが選択された信号に応じて、再生されている画像ファイルの付属データが選択され、さらにColorスイッチ809が押されたことに応じて、ホワイトバランス用のデータかカラーバランス用のデータであるかを切り替えるWB/CB選択部320よりの信号により、切替スイッチ321が切り替わって、選択されたデータはカラーバランス制御値演算部312においてカラーバランス制御値演算が行われる。
【0087】
カラーバランス演算は、R、G1、G2、Bの各平均値の比を求め、G1、G2の平均値をセンターとして、それに対するR、Bの比をカラーバランス制御値として求める。
【0088】
ここでさらに、第二の実施の形態と同様にして、カラーバランス調整係数部322の信号により、カラーバランス調整用の制御値を微調整することも可能である。
【0089】
このようにして求められたカラーバランス制御値をカラーバランス調整用の制御値としてCB/WB制御値設定部313により撮像装置に設定する。
【0090】
以上のようにして設定されたホワイトバランス調整の制御値およびカラーバランス調整の制御値を用いて撮像を行うと、撮像データ入力端子314より得られる撮像素子からデジタルデータに変換された色成分毎の画像信号は、ホワイトバランス調整部320によってMWB調整が施される。設定したMWB制御値が各色成分毎に乗算されてホワイトバランス調整が行なわれる。
【0091】
次に、カラーバランス調整部315においてカラーバランス調整が施される。設定したカラーバランス制御値が各色成分毎に乗算されてカラーバランス調整が行われる。
【0092】
このカラーバランス調整された信号は、以後、色調整部316による色調整、符号化処理部317による符号化処理がそれぞれ施されて、撮像データから抽出された白紙およびカラーバランス用データとともに画像ファイル化部319により画像ファイル化され、媒体記録部319により記録媒体に記録される。
【0093】
以上のようにして、画像ファイルに本画像データとともに記録されたデータからMWB調整およびカラーバランス調整の制御値を撮像装置に設定する機能を持つことにより、複数の場面で記録された画像ファイルの付属データを容易に取捨選択して繰り返し運用することが可能となり、撮像画像の色味を撮像者が容易に変更して自由に画像を表現することができるようになる。
【0094】
つまり、MWB用の白紙データを読み出してホワイトバランス調整を行い、またそれと同じ白紙データあるいは別の白紙データを読み出してカラーバランス調整を行うことが可能となり、撮像画像の色調を自在に制御することが可能となる。
【0095】
このように第三の実施例によれば、MWB用の白紙データを読み出してホワイトバランス調整を行い、またそれと同じ白紙データあるいは別の白紙データを読み出してカラーバランス調整を行うことで、複数の場面で記録された画像ファイルの付属データを容易に取捨選択して繰り返し運用することが可能となり、撮像画像の色味を撮像者が容易に変更して自由に画像を表現することができるようになる。
【0096】
(第四の実施の形態)
図4は第四の実施の形態による撮像装置の要部構成を示すブロック図である。本実施例では、各撮像画像を記録媒体に記録する際の各画像ファイルの添付データ領域に、撮像データの一部を撮像画像のMWBやカラーバランス調整のためのゲイン調整用データとして記録し、このデータをどの撮像装置でも利用できるように調整演算を行い、MWB調整やカラーバランス調整に用いる方法について説明する。
【0097】
撮像データから一部のデータを抽出し、MWBやカラーバランス調整用のデータとして画像ファイル毎の付属領域に記録する方法は、第一の実施例と同様であるので説明を省略する。
【0098】
第四の実施の形態でのポイントは、この画像ファイルにさらに特定の光源を少なくとも2種類以上を撮像した撮像素子バラツキ調整用データ記録部(メモリ)419に記録されている撮像素子バラツキ調整用データを付属領域の特定の箇所に記録することである。
【0099】
撮像素子バラツキ調整用データ記録部(メモリ)419に記録されている撮像素子バラツキ調整用データは、図10に示すところの基準の撮像装置による2種類の光源の撮像データ1203,1205、撮像装置毎に固有の2種類の光源の撮像データ1204,1206について、それぞれR、G1、G2、Bの色成分毎撮像データを媒体記録部407により画像ファイルに添付して付属領域に記録する。本実施例では2種類の光源のときについて述べているが、種類が多いほど調整の精度は良くなる。
【0100】
これらの撮像素子バラツキ調整用のデータは、工場出荷時などで各撮像装置のメモリに書き込まれたものを、画像撮像時毎にメモリから不図示の読み出し手段(第2の読み出し手段)により読み出して、MWB用白紙データやカラーバランス用データを書き込む際に、同一の画像ファイルに書き込む。
【0101】
また、これらの撮像素子バラツキ調整演算用のデータは、光源を撮像した際の撮像データの全て、あるいは一部のR、G1、G2、Bの各色成分毎の平均値を用いる。
【0102】
前記3つの実施の形態と同様に、図4に示す選択データ再生部410により選択されたファイルの付属データが読み出されるときに、同時にこれらの調整用のデータも読み出し、再生する。
【0103】
これらの調整用データを調整演算部420において、以下のように調整を行い、MWBやカラーバランス用のR、G1、G2、Bのデータとしてゲイン制御値演算部411に送り、MWBやカラーバランスのゲイン制御値を求める演算を行う。
【0104】
図10において、1201はMWBやカラーバランス調整用のデータを媒体に記録する撮像装置である。1202は記録媒体に記録されたMWBやカラーバランスのゲイン調整用のデータを読み出してゲイン調整を行う撮像装置である。
【0105】
ここでは、撮像装置の撮像素子間のバラツキの調整は、光源aの基準のデータ
Rrefa、G1refa、G2refa、Brefa、光源bの基準のデータRrefa、G1refb、G2refb、Brefb、光源aの撮像装置固有のデータRa、G1a、G2a、BaのデータのR/B比と(R+B)/(G1+G2)比の2次元で調整を行う。
【0106】
撮像装置の撮像素子間のバラツキの調整演算は、この他にも(R−B)値や(R+B)−(G1+G2)値のような差で表す方法などもあるが、他にも撮像装置の撮像素子のバラツキを吸収できる計算式であればよい。
【0107】
まず媒体から読み出されたMWBやカラーバランス用のゲイン調整データR、G1、G2、Bについて、同じく記録媒体から読み出された基準のデータRrefaS、G1refaS、G2refaS、BrefaS、RrefbS、G1refbS、G2refbS、BrefbS(1203)と記録媒体に記録した撮像装置固有の調整データRaS、G1aS、G2aS、BaS、RbS、G1bS、G2bS、BbS(1204)との関係から調整を行う。
【0108】
調整は、R/B比と(R+B)/(G1+G2)比の光源aと光源bとの差のゲイン値とオフセット値を求める。
【0109】
GainRB={(RrefaS/BrefaS)−(RrefbS/
BrefbS)}/{(RaS/BaS)−(RbS/BbS)} (1)
OffsetRB=(RrefaS/BrefaS)−GainRB*
(RaS/BaS) (2)
これをゲイン調整データに反映させる。
【0110】
(R´/B´)=GainRB*(R/B)+OffsetRB (3)
同様に、(R+B)/(G1+G2)比についても
GainRBG1G2={(RrefaS+BrefaS)/
(G1refaS+G2refaS)−(RrefbS+BrefbS)/
(G1refbS+G2refbS)}/{(RaS+BaS)/
(G1aS+G2aS)−(RbS+BbS)/(G1bS+G2bS)}(4)
OffsetRBG1G2={(RrefaS+BrefaS)/
(G1refaS+G2refaS)}−GainRB*{(RaS
+BaS)/(G1aS+G2aS)} (5)
(R´+B´)/(G1´+G2´)=GainRBG1G2*{(R+B)
/(G1+G2)}+OffsetRBG1G2 (6)
この式より、媒体に記録した撮像装置における基準のデータに換算されたデータが得られる。これが調整演算(1)1207である。
【0111】
調整演算(2)1208、調整演算(3)1209も調整演算(1)1207と全く同じGainとOffsetを導く計算式で求める。
【0112】
調整演算(2)によって(R´/B´)、(R´+B´)/(G1´+G2´)より(R´´/B´´)、(R´´+B´´)/(G1´´+G2´´)が、調整演算(3)によって(R´´/B´´)、(R´´+B´´)/(G1´´+G2´´)より(R´´´/B´´´)、(R´´´+B´´´)/(G1´´´+G2´´´)が導き出されたとする。
【0113】
G1´´´およびG2´´´は、RG1G2B比の中心であるので、撮像装置1202(媒体使用側撮像装置D)のG1aD、G2aDと同じ値にする。これより、R´´´およびB´´´の値が導き出せる。
【0114】
以上のようにして求めたR´´´、G1´´´、G2´´´、B´´´の値は、撮像装置1201(媒体提供側撮像装置S)データから撮像装置1202(媒体使用側撮像装置D)データに換算して両撮像装置の撮像素子間のバラツキを吸収した値である。
【0115】
そして、これらの調整演算(1)、(2)、(3)によって求められた値から、ゲイン調整制御値演算部411においてR´´´、G1´´´、G2´´´、B´´´の比を計算し、MWBやカラーバランス調整用の制御値を求め、ゲイン制御値設定部(設定手段)412により設定を行う。
【0116】
このようにして設定されたゲイン調整制御値を用いて、以降の撮像でのMWBあるいはカラーバランス調整をゲイン調整部414において行い、前記実施例と同様にして画像ファイルに変換されて媒体記録部418により記録媒体に記録される。
【0117】
以上の方法によって、MWBやカラーバランス調整に用いる画像ファイルの付属の特定領域に書き込まれたデータを、同じく画像ファイルの付属の特定領域に書き込まれた撮像装置の撮像素子バラツキ調整用データを用いてバラツキの調整を行ない、どの撮像装置で撮像を行なっても、同じ光源であれば同じR、G1、G2、Bの値を得られるように演算して、撮像装置間でのデータのバラツキを吸収させることができるようになった。
【0118】
以上のように、異なる撮像装置で撮像された画像ファイルの白紙データやあるいはカラーバランス調整用データを用いて、MWBあるいはカラーバランス制御値を得ても、最適(正確)なMWBあるいはカラーバランス調整演算を行うことが可能である。
【0119】
このように第四の実施の形態によれば、白紙データを撮像した撮像装置とは別の撮像装置において白紙データを用いてホワイトバランス調整やカラーバランス調整を正確に行なうことが可能となる。
【0120】
なお、上記第一から第四の実施の形態では、撮像素子の色フィルターをR、G1、G2、Bの4色として扱ったが、図6に示されるようなMg(マゼンタ)、Gr(グリーン)、Cy(シアン)、Ye(イエロー)を要素とする補色フィルターにつても有効である。
【0121】
本発明は、一例として、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行することによって達成できる。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0122】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0123】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示にもとづき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。
【0124】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードを格納することになるが、簡単に説明すると、本実施の形態の撮像装置に不可欠なモジュールを、記憶媒体に格納することになる。
【符号の説明】
【0125】
104 白紙データ抽出部
107 媒体記録部
109 白紙データ画像選択部
110 白紙データ再生部
111 ホワイトバランス制御値演算部
112 ホワイトバランス制御値設定部
114 ホワイトバランス調整部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段により得られた第1撮像データをファイル化して記録媒体に記憶するとともに、前記ファイルの第1撮像データを記録する領域とは異なる領域に、前記第1撮像データから抽出された前記第1撮像データの全部あるいは一部に対する色成分のデータにより得られる撮像データの調整用データを記憶する記憶手段と、
前記ファイル化して記録された第1撮像データに対応する情報を表示するモニター手段と、
前記モニター手段に表示された情報に対応する第1撮像データから1つの第1撮像データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された第1撮像データと同一のファイルに記録されている調整用データに基づいて、前記撮像手段により得られた前記第1撮像データとは異なる第2撮像データの調整を行う調整手段と、を有し、
前記調整用データは、前記撮像手段が有する撮像素子の固有のデータを含み、前記調整手段は、前記固有データに基づき前記第2撮像データの調整を行うことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記モニター手段は、前記第1撮像データに対応する情報として第1撮像データの再生画像を表示することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記調整用データは、ホワイトバランスの調整用データを含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記調整用データは、カラーバランスの調整用データを含むことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
前記調整用データは、前記撮像手段により得られた前記第1撮像データの全部あるいは一部に対する色成分のデータの平均値であることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
読み出された調整用データの各色成分の比から、その逆数を演算する演算手段を有することを特徴とする請求項5記載の撮像装置。
【請求項7】
前記調整手段は、前記第2撮像データとして、前記選択手段による第1撮像データの選択後に新たに前記撮像手段により得られた撮像データの調整を行うことを特徴とする請求項1ないし6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記調整用データは、各第1撮像データのファイルの付属領域に記憶されることを特徴とする請求項1ないし7の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第2撮像データから前記調整用データを抽出する抽出手段をさらに有し、
撮像手段により得られた第2撮像データは、ホワイトバランス調整後、規格で定められたフォーマットのファイルに符号化されて記録媒体に記録され、前記抽出手段により抽出された調整用データは前記第2撮像データと同一のファイルの付属の領域に記録されることを特徴とする請求項1ないし3、請求項5、請求項6の何れか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
撮像手段により得られた第1撮像データをファイル化して記録媒体に記憶するとともに、前記ファイルの第1撮像データを記録する領域とは異なる領域に、前記第1撮像データから抽出された前記第1撮像データの全部あるいは一部に対する色成分のデータにより得られる撮像データの調整用データを記録する記録ステップと、
前記ファイル化して記録された第1撮像データに対応する情報をモニター手段に表示させる表示ステップと、
前記モニター手段に表示された情報に対応する第1撮像データから1つの第1撮像データを選択する選択ステップと、
前記選択ステップにより選択された第1撮像データと同一のファイルに記録されている調整用データに基づいて、前記撮像手段により得られた前記第1撮像データとは異なる第2撮像データの調整を行う調整ステップと、を有し、
前記調整用データは、前記撮像手段が有する撮像素子の固有のデータを含み、前記調整ステップは、前記固有データに基づき前記第2撮像データの調整を行うことを特徴とする撮像装置の信号処理方法。
【請求項11】
請求項10の信号処理方法を実行するためのプログラムを格納したコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−34242(P2013−34242A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−236693(P2012−236693)
【出願日】平成24年10月26日(2012.10.26)
【分割の表示】特願2011−216479(P2011−216479)の分割
【原出願日】平成12年10月19日(2000.10.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】