説明

撮像装置及びその制御方法、プログラム、並びに記憶媒体

【課題】複数枚の撮影画像を合成して像ブレを低減した画像を作成する合成撮影において、メモリの無駄を低減し、撮影可能枚数を増加することで像ブレの低減に寄与する撮像装置を実現する。
【解決手段】撮像装置は、第1の撮影対象を撮影の対象とする第1の画像を撮影する第1の撮影手段と、第2の撮影対象を撮影の対象とする第2の画像を撮影する第2の撮影手段と、前記第1及び第2の画像を記憶する領域が所定容量確保されている記憶手段と、前記第1の画像に前記第1の撮影対象が含まれているか否かを判定する判定手段と、複数の前記第2の画像を合成して第1の合成画像を生成する第1の合成手段と、前記判定手段による判定の結果、前記第1の画像に前記第1の撮影対象が含まれていないと判定された場合、前記記憶手段における当該第1の画像を記憶する領域を前記第2の画像を記憶する領域として利用可能なように前記記憶手段を制御する制御手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、合成撮影が可能な撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
像ブレを低減する技術として、1つ以上の異なる被写体に特化した撮影を、それぞれ1回以上行い、得られた画像を合成して1枚の画像を作成する合成撮影機能がある。例えば、特許文献1には、夜景ポートレート撮影などにおいて、ストロボ撮影により人物を1回以上撮影し、非ストロボ撮影により背景を1回以上撮影し、得られた画像を合成することで夜景ポートレート画像を作成する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010―114566号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した合成撮影を行う際、背景となる画像は1回の撮影では低輝度である場合が多いため、ユーザは長秒時撮影を余儀なくされ、手持ち撮影を行うのは難しい。ここで、複数枚の画像を撮影して合成する方法によれば、背景用の画像を撮影する際に撮影枚数分でシャッタ秒時を分割できるため、撮影枚数が多い程、ユーザにはシャッタ秒時に余裕が生まれ、ブレやすさが低減される。
【0005】
しかしながら、画像を合成するためには、複数枚の画像を保持するためのメモリが必要であるが、無尽蔵に撮影枚数を増やせるわけではなく、また、人物用と背景用のそれぞれの画像を保持する必要がある場合、更に撮影枚数の制約が厳しくなる。
【0006】
ところで、上記特許文献1では、ストロボ撮影された画像と、非ストロボ撮影の画像を必ず合成する仕様となっている。この場合、ストロボ撮影による結果が良好であるならば有効であるが、ストロボ撮影画像に人物が存在しなかった場合やピンぼけ等の失敗画像の場合であっても、背景用に常に同じ撮影枚数の画像が撮影され、合成画像が作成されることになる。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、複数枚の撮影画像を合成して像ブレを低減した画像を作成する合成撮影において、メモリの無駄を低減し、撮影可能枚数を増加することで像ブレの低減に寄与する撮像装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明の撮像装置は、第1の撮影対象を撮影の対象とする第1の画像を撮影する第1の撮影手段と、第2の撮影対象を撮影の対象とする第2の画像を撮影する第2の撮影手段と、前記第1及び第2の画像を記憶する領域が所定容量確保されている記憶手段と、前記第1の画像に前記第1の撮影対象が含まれているか否かを判定する判定手段と、複数の前記第2の画像を合成して第1の合成画像を生成する第1の合成手段と、前記判定手段による判定の結果、前記第1の画像に前記第1の撮影対象が含まれていないと判定された場合、前記記憶手段における当該第1の画像を記憶する領域を前記第2の画像を記憶する領域として利用可能なように前記記憶手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数枚の撮影画像を合成して像ブレを低減した画像を作成する合成撮影において、メモリの無駄を低減し、撮影可能枚数を増加することで像ブレの低減に寄与する撮像装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係る撮像装置の構成を示すブロック図。
【図2】本実施形態の合成撮影処理を示すフローチャート。
【図3】本実施形態の手持ち撮影処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、本発明を実現するための一例であり、本発明が適用される装置の構成や各種条件によって適宜修正又は変更されるべきものであり、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。また、後述する各実施形態の一部を適宜組み合わせて構成しても良い。
【0012】
<装置構成>図1を参照して、本発明に係る実施形態の撮像装置の構成について説明する。
【0013】
図1において、撮影レンズ101はズームレンズやフォーカスレンズを含み、レンズユニットとしてカメラ本体に内蔵又は着脱可能とされる。AF(オートフォーカス)駆動回路102は、例えばDCモータやステッピングモータを備え、マイコン123の制御指令に応じてフォーカスレンズ位置を変化させることによりピントを合わせる。
【0014】
103は絞りであり、絞り駆動回路104は、マイコン123の制御指令に応じて絞り103を駆動し、絞り値が変化される。絞り103の光学的な絞り値はマイコン123によって算出される。
【0015】
主ミラー105は撮影レンズ101から入射した光束をファインダ側又は撮像センサ側へ導く光路を切り替える。主ミラー105は常にファインダ側へと光束を導くミラーダウン位置にあるように付勢されているが、撮影時やライブビュー表示時には、撮像センサ側へ光束を導くように上方に跳ね上がり光軸中から待避したミラーアップ位置に変化する。また、主ミラー105はその中央部が光束の一部を透過できるようにハーフミラーとなっており、光束の一部を焦点検出を行うためのAFセンサに入射する。なお、AFセンサは、焦点検出回路109内に配置されている。
【0016】
サブミラー106は主ミラー105から透過した光束をAFセンサ側へ反射させる。
【0017】
ミラー駆動回路107は、マイクロコンピュータ123の制御指令に応じて主ミラー105をミラーアップ位置へ駆動する。
【0018】
108はファインダを構成するペンタプリズムであり、主ミラー105により反射された光束が入射され、ファインダへ導く。なお、ファインダはペンタプリズム108の他にピント板、アイピースレンズ(不図示)などによって構成される。
【0019】
焦点検出回路109は主ミラー105を透過し、サブミラー106で反射した光束を、受光し、焦点検出回路109内のAFセンサで光電変換を行う。マイコン123は、AFセンサの出力からAF処理に用いるデフォーカス量を演算し、この演算結果を評価してAF駆動回路102に制御指令を出力し、フォーカスレンズを駆動させる。
【0020】
110はフォーカルプレーンシャッタであり、シャッタ駆動回路111は、マイコン123の制御指令に応じたシャッタ速度で、フォーカルプレーンシャッタ110を駆動する。
【0021】
撮像センサ112はCCDやCMOSなどの撮像素子を搭載し、撮影レンズ101によって結像された被写体像を光電変換して、アナログ画像信号を生成する。
【0022】
AD変換器115は撮像素子112から出力されるアナログ画像信号をデジタル信号に変換し、映像信号処理回路116へ出力する。
【0023】
映像信号処理回路116はゲートアレイなどのロジックデバイスにより実現される。映像信号処理回路116は、AD変換器115からのデジタル画像信号、またはメモリ120から読み出した画像データに対して後述する画像処理を行う。
【0024】
表示駆動回路117は、映像信号処理回路116から出力される画像信号に応じて、TFTや有機ELなどを用いた表示部材118を駆動し、画像を描画する。
【0025】
はメモリコントローラ119はメモリ120やバッファメモリ122と映像信号処理回路116との間で画像データの書き込みや読み出しを行う。また、メモリコントローラ119は、外部IF(インタフェース)121を介してコンピュータ等と接続可能である。
【0026】
映像信号処理回路116は、デジタル画像信号に、フィルタ処理、色変換処理、ガンマ処理を施し、現像データを作成すると共に、JPEGなどの圧縮処理を行い、メモリコントローラ119に出力する。また、映像信号処理回路116は、バッファメモリ122上の2つ以上の現像データの加算や、現像データから諧調を高ビット化した高精度データの生成や、またその両方の処理を同時に実施し、結果をバッファメモリ122に書き戻すことが可能である。さらに、映像信号処理回路116は、撮像センサ112からのアナログ画像信号や、メモリコントローラ119を介して読み出した画像信号を、表示駆動回路117を介して表示部材118に出力することも可能である。これらの機能の切り替えはマイクロコンピュータ123により制御される。
【0027】
さらにまた、映像信号処理回路116は、必要に応じて撮像センサ112からの画像信号を用いて露出やホワイトバランスなどの情報を演算し、演算結果をマイクロコンピュータ123に出力する。マイコン123は、その演算結果に基づいてホワイトバランスやゲイン調整を行う。
【0028】
連続撮影時には、一旦、未処理画像のままバッファメモリ122に画像信号を格納し、メモリコントローラ119を介して未処理の画像信号を読み出し、映像信号処理回路116にて画像処理や圧縮処理を行う。連続撮影枚数はバッファメモリ122の容量に左右される。
【0029】
メモリコントローラ119は、映像信号処理回路116から入力された未処理のデジタル画像信号をバッファメモリ122に格納し、処理済みのデジタル画像信号をメモリ120に格納する。また、メモリコントローラ119は、バッファメモリ122やメモリ120から読み出した画像データを映像信号処理回路116へ出力する。
【0030】
メモリ120は装置本体に対して取り外し可能である場合もある。
【0031】
更にメモリコントローラ119は外部IF121を介してメモリ120に格納されている画像データをコンピュータなどの外部機器へ出力可能である。
【0032】
操作部材124は、ユーザ操作を受け付けるボタンやダイヤル、表示部材118に表示されたメニュー画面を含む。マイコン123は、操作部材124の状態変化に応じて各部を制御する。
【0033】
また、操作部材124は、レリーズボタンの操作でオンオフするスイッチ125(SW1)及びスイッチ126(SW2)を含む。
【0034】
レリーズボタンの半押し状態では、スイッチSW1のみがオンとなり、この状態でAF動作及び測光動作を行う。レリーズボタンの全押し状態では、スイッチSW1、SW2が共にオンとなり、この状態で画像が撮影及び記録が実行される。またスイッチSW1、SW2がオンの状態を継続している間は連続撮影動作が行われる。
【0035】
操作部材124には、他に、メインスイッチ、カード蓋、電池蓋、撮影モードダイアル、ISO設定ボタン、メニューボタン、セットボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り替えボタン、メニューや再生画像移動のための移動+(プラス)ボタン、移動−(マイナス)ボタン、露出補正ボタン、表示画像拡大ボタン、表示画像縮小ボタン、再生スイッチ、絞りボタン、消去ボタン、撮影や再生に関する情報表示ボタンなどを含む。
【0036】
また、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルを搭載することでより軽快に数値や機能を選択することが可能となる。
【0037】
なお、本発明の撮影に関する設定は、メニュー表示の中から、ストロボ発光を利用したストロボ撮影を「する」又は「しない」を選択することで設定できる。
【0038】
液晶駆動回路127は、マイコン123の表示指令に応じて外部液晶表示部材128やファインダ内液晶表示部材129を駆動し、文字や画像からなる動作状態やメッセージ等を表示する。ファインダ内液晶表示部材129には、LEDなどのバックライトが配置されており、LEDも液晶駆動回路127で駆動される。
【0039】
マイコン123は撮影前に設定されているISO感度、画像サイズ、画質に応じた、画像サイズの予測値に基づいて、メモリコントローラ119を介してメモリ容量を確認した上で撮影可能残数を演算することができる。また、必要に応じて外部液晶表示部材128、ファインダ内液晶表示部材129にも表示することができる。
【0040】
不揮発性メモリ130は、例えばEEPROMなどの電気的に消去・記録可能な記憶媒体である。不揮発性メモリ130は、マイコン123の動作用の定数、プログラムなどを記憶している。ここでいう、プログラムとは、後述するフローチャートの処理を実行するためのプログラムを含む。
【0041】
マイコン123は、カメラ100全体を制御する。不揮発性メモリ130に記憶されたプログラムを実行することで、カメラ全体を制御し、後述する本実施形態の処理を実現する。
【0042】
電源部131は、各ICや駆動系に必要な電源を供給する。
【0043】
ストロボ132は、発光手段としてカメラ本体に内蔵又は着脱可能とされ、ストロボ撮影の際に所定のシャッタレリーズタイミングで発光される。
【0044】
<合成撮影処理>次に、図2を参照して、本実施形態の合成撮影処理について説明する。なお、図2及び後述する図3の処理は、マイコン123が、不揮発性メモリ130に格納されたプログラムを、RAMなどの揮発性メモリのワークエリアに展開し、実行することで実現される。
【0045】
図2において、マイコン123は、第1及び第2の撮影対象に対して、それぞれ撮影枚数と撮影モードに応じた露出(AE)演算を行い(S200)、撮影ごとにシャッタ速度を中心としたAEパラメータなどの撮影パラメータを決定する。
【0046】
次に、マイコン123は、スイッチSW2がオンか否かを判定し(S201)、スイッチSW2がオンであれば、第1の撮影対象に対する付加機能が許可か否かを判定する(S202)。付加機能は、例えばストロボやレンズ等のカメラ本体に装着され付加的に機能するものを意味する。
【0047】
一方、ステップS202でスイッチSW2がオンでなければ、マイコン123は周期的に測光動作を行い、その結果を基にAE演算を繰り返し行う。
【0048】
ステップS202で付加機能許可であれば、マイコン123は、ライブビュー表示時のように定常的にリアルタイムに撮像結果が得られるような状態であるか否かを判定する(S203)。そして、撮像結果が得られるような状態であれば、その撮像結果から第1の撮影対象の検出処理を行い(S204)、第1の撮影対象が検出されている状態か否かを判定する(S205)。
【0049】
また、ステップS203でライブビュー表示時のように定常的に撮像結果が得られるような状態でなければ、マイコン123は、第1の撮影対象を撮影の対象とする第1の画像を少なくとも1回撮影する撮影処理(第1の撮影処理)を実行する(S206)。
【0050】
ステップS207では、マイコン123は、撮影が行われると撮影データの記憶領域を所定容量確保するためにバッファメモリ122の記憶領域を取得し(S207)、第1の画像データをバッファメモリ122へ書き込む(S208)。
【0051】
次に、マイコン123は、撮影時における付加機能が正常であったか判定し(S209)、正常に動作したのであれば、上記第1の画像データに対して第1の撮影対象の検出処理を施し(S210)、第1の撮影対象が検出されたか否かを判定する(S211)。そして、第1の撮影対象が検出されたならば、マイコン123は、第1の撮影対象の撮影が撮影枚数分完了しているか否かを判定する(S212)。撮影が完了していれば、複数の第1の画像データを撮影枚数分合成する画像合成処理を実行し(S213)、撮影が完了していなければ、再度第1の撮影対象の撮影に戻る(S206)。第1の撮影対象の撮影枚数が1枚の場合は、S213で画像合成処理が実行されず、S206に戻る。
【0052】
一方、第1の撮影対象の付加機能が禁止の場合(S202でNO)、第1の撮影対象の撮影前に既にライブビュー表示のような定常的に得られた撮像結果から第1の撮像対象の検出ができなかった場合(S203でNO)、付加機能が正常動作していない場合(S209でNO)、撮影データから第1の撮影対象が検出できなかった場合(S211でNO)、マイコン123は、第1の撮影対象結果が良好ではないと判定し、第1の撮影対象の撮影時に取得したメモリを返却し(S214)、第2の撮影対象の撮影枚数に第1の撮影対象の撮影枚数を加算し(S215)、その加算された枚数に合わせて第2の撮影対象の撮影用AEパラメータを再演算する(S216)。
【0053】
ステップS216で撮影用AEパラメータの再演算が完了又は第1の撮影対象の合成処理が完了した場合、マイコン123は、第2の撮影対象を撮影の対象とする第2の画像を少なくとも1回撮影する撮影処理(第2の撮影処理)を開始する(S217)。
【0054】
ステップS218では、マイコン123は、撮影が行われると撮影データの記憶領域を所定容量確保するためにバッファメモリ122の記憶領域を取得し(S218)、撮影データをメモリへ保持し(S219)、第2の撮影対象の撮影が撮影枚数分完了しているか否かを判定する(S220)。撮影が完了していれば、複数の第2の撮影対象の撮影データを撮影枚数分合成する第1の合成処理を実行し(S221)、撮影が完了していなければ、再度第2の撮影対象の撮影に戻る(S217)。
【0055】
第2の撮影対象の撮影が完了すると、マイコン123は、第1の撮影対象を合成した第1の合成画像データと、第2の撮影対象を合成した第2の合成画像データを合成する全合成処理(第2の合成処理)を実行する(S222)。そして、マイコン123は、全合成処理により生成された第3の合成画像データに現像処理を施して(S223)、本処理を終了する。
【0056】
図3は、図2の画像合成処理を、手持ち撮影による夜景の撮影に適用した場合の処理を示している。図2において、上記第1の撮影対象を人物や静止物体のような主被写体、第2の撮影対象を夜景のような背景、付加機能をストロボ撮影機能、第1の撮影対象をストロボ撮影、第2の撮影対象を非ストロボ撮影に読み替えればよい。
【0057】
具体的には、図3において、マイコン123は、主被写体及びその背景に対して、それぞれ撮影枚数と撮影モードに応じたAE演算を行い(S300)、撮影ごとにシャッタ速度を中心としたAEパラメータを決定する。
【0058】
次にスイッチSW2がオンか否かを判定し(S301)、スイッチSW2がオンであれば、ストロボ機能が許可か否かを判定する(S302)。ストロボ機能許可であれば、ライブビュー表示中か否かを判定し(S303)、撮像結果から主被写体の検出処理を行い(S304)、主被写体が検出されている状態か否かを判定する(S305)。
【0059】
ステップS305で主被写体が検出済みならば、マイコン123は、主被写体を対象としたストロボ撮影を行う(S306)。撮影が行われると撮影データの記憶領域を所定容量確保するためにバッファメモリ122の記憶領域を取得し(S307)、撮影データをメモリへ保持し(S308)、撮影時におけるストロボが正常に発光したか判定する(S309)。
【0060】
ステップS309で正常に発光したならば、マイコン123は、撮影データに主被写体検出処理を施し(S310)、主被写体が検出できたか否かを判定する(S311)。
【0061】
ストロボ機能が禁止の場合、非ライブビュー表示中の場合、ストロボが正常発光していない場合、主被写体が検出されない場合、マイコン123は、主被写体対象の撮影結果は良好ではないと判定し、主被写体の撮影時に取得したメモリを返却する(S312)。そして、マイコン123は、背景撮影用の非ストロボ撮影予定枚数に主被写体撮影用のストロボ撮影枚数を加算し(S313)、その加算された枚数に合わせて背景撮影用の非ストロボ撮影用AEパラメータを再演算する(S314)。
【0062】
次に、マイコン123は、背景撮影用の非ストロボ撮影を開始する(S315)。撮影が行われると撮影データの記憶領域を所定容量確保するためにバッファメモリ122の記憶領域を取得し(S316)、撮影データをメモリへ保持し(S317)、非ストロボ撮影が予定枚数分完了しているか否かを判定する(S318)。撮影が完了していれば、マイコン123は、非ストロボ撮影により取得した撮影データの合成処理を行い(S319)、主被写体撮影用のストロボ撮影データと、背景撮影用の非ストロボ撮影の合成データを合成する全合成処理を実行する(S320)。そして、マイコン123は、全合成処理により生成された合成データに現像処理を施して(S321)、本処理を終了する。
【0063】
以上述べたように、本実施形態によれば、ストロボが正常に動作しない場合や第1の撮影対象が検出されない場合、メモリから第1の撮影対象を撮影した画像を破棄し、第2の撮影対象を撮影した画像を記憶するために利用可能になるように制御する。このようにして、第1の撮影対象(ストロボ撮影)の撮影回数を可能な限り少なくしてメモリの無駄を低減し、第2の撮影対象(非ストロボ撮影)の撮影可能枚数を増加することで、像ブレを低減した合成画像が得られる。
【0064】
また、本実施形態では人物や静止物体など第1の撮影対象を撮影する際に用いる発光手段としてストロボを用いているが、本発明はこれに限らず、例えばLED(Light Emitting Diode)ランプなど、撮影を補助する発光を行えるものであればよい。
【0065】
[他の実施形態]本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の撮影対象を撮影の対象とする第1の画像を撮影する第1の撮影手段と、
第2の撮影対象を撮影の対象とする第2の画像を撮影する第2の撮影手段と、
前記第1及び第2の画像を記憶する領域が所定容量確保されている記憶手段と、
前記第1の画像に前記第1の撮影対象が含まれているか否かを判定する判定手段と、
複数の前記第2の画像を合成して第1の合成画像を生成する第1の合成手段と、
前記判定手段による判定の結果、前記第1の画像に前記第1の撮影対象が含まれていないと判定された場合、前記記憶手段における当該第1の画像を記憶する領域を前記第2の画像を記憶する領域として利用可能なように前記記憶手段を制御する制御手段と、を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の画像と前記第1の合成画像とを合成して第2の合成画像を生成する第2の合成手段を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
複数の前記第1の画像を合成して第3の合成画像を生成する第3の合成手段を有し、
前記第3の合成画像と前記第1の合成画像とを合成して第2の合成画像を生成する第2の合成手段を有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記第1の撮影手段は、発光手段を利用して前記第1の撮影対象の画像を撮影する機能を有し、前記第2の撮影手段は前記発光手段を利用しないで前記第2の撮影対象の画像を撮影する機能を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記第1の撮影対象は人物又は静止物体であり、前記第2の撮影対象はその背景であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記判定手段により前記第1の撮影手段がライブビュー表示時に取得した画像に前記第1の撮影対象が含まれていないと判定された場合、前記記憶手段における当該第1の画像を記憶する領域を前記第2の画像を記憶する領域として利用可能なように前記記憶手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、発光手段の発光が禁止されている場合、前記第1の撮影手段が前記第1の撮影対象を撮影するときに前記発光手段の発光が禁止されている場合、あるいは前記発光手段が正常に発光しなかった場合のいずれかである場合、前記記憶手段における当該第1の画像を記憶する領域を前記第2の画像を記憶する領域として利用可能なように前記記憶手段を制御することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記第2の撮影手段は、前記制御手段によって前記記憶手段における前記第1の画像を記憶する領域を前記第2の画像を記憶する領域として利用可能なように前記記憶手段の制御がなされることに応じて撮影パラメータを変更することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
被写体を撮像し、画像を出力する撮像手段と、画像を記憶する領域が所定容量確保されている記憶手段と、を有する撮像装置の制御方法であって、
前記撮像手段が、第1の撮影対象を撮影の対象とする第1の画像を撮影する第1の撮影工程と、
前記撮像手段が、第2の撮影対象を撮影の対象とする第2の画像を撮影する第2の撮影工程と、
前記第1の画像に前記第1の撮影対象が含まれているか否かを判定する判定工程と、
複数の前記第2の画像を合成して第1の合成画像を生成する第1の合成工程と、
前記判定工程における判定の結果、前記第1の画像に前記第1の撮影対象が含まれていないと判定された場合、前記記憶手段における当該第1の画像を記憶する領域を前記第2の画像を記憶する領域として利用可能なように前記記憶手段を制御する制御工程と、を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1乃至8のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるプログラム。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至8のいずれか1項に記載された撮像装置の各手段として機能させるプログラムを格納した記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−106152(P2013−106152A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247967(P2011−247967)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】