説明

撮像装置及びその制御方法

【課題】 主被写体の選択が可能な撮像装置において、利便性のよい合焦表示を実現する。
【解決手段】 撮影した画像中の被写体を検出し、検出した被写体から、主被写体を選択する。検出手段が検出した被写体に応じた焦点検出領域を設定し、設定した焦点検出領域で焦点検出を行う。焦点検出結果を表す合焦表示を行う際、焦点検出領域のうち、主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果と、被写界深度内に含まれる主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果とを異ならせて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置及びその制御方法に関し、特に被写体の合焦表示のための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、撮像装置、特に自動合焦(オートフォーカス)機能を有する撮像装置においては、合焦させた被写体を撮影者に示すための表示(合焦表示)を行うものがある。
【0003】
特許文献1では、複数の測距フレームの被写体がそれぞれ被写界深度内にあるか否かを検知し、被写界深度内に存在する被写体の測距フレームに対応する位置に表示を行うことが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、被写界深度内にあると判別された測距枠を表示する撮像装置において、撮像光学系の焦点距離に応じて被写界深度内にあるか否かを判別するための合焦度の閾値を変更することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平4−9932号公報
【特許文献2】特開平5−232371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術によれば、被写界深度内にある被写体の確認は容易となるが、被写界深度内の被写体を示す表示が多くなると画面表示が煩雑になる場合がある。
【0007】
例えば、ユーザによって主被写体選択が可能な撮像装置を用いた撮影時に、選択した主要被写体とほぼ同じ距離に複数の被写体が存在したとする。この場合、それら全ての被写体に関して被写界深度内であることを示す表示が行われると、主要被写体の識別が困難となり、利便性が損なわれてしまう。
【0008】
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、具体的には主被写体の選択が可能な撮像装置において、利便性のよい合焦表示を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の目的は、撮影した画像から被写体を検出する検出手段と、検出手段が検出した被写体から主被写体を選択する選択手段と、検出手段が検出した被写体に応じた焦点検出領域を設定する設定手段と、設定手段が設定した焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、焦点検出手段による焦点検出結果を表す表示を行う制御手段と、を有する撮像装置であって、選択手段は、ユーザの指示又は検出手段が被写体ごとに求めた被写体情報のいずれかに基づいて主被写体を選択し、制御手段は、主被写体がユーザの指示に基づいて選択された場合と、主被写体が被写体情報に基づいて選択された場合とで焦点検出結果の表示方法を異ならせており、制御手段は、主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果及び被写界深度内に含まれる主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の両方を表示すると共に、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法と被写界深度内に含まれる主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法とを異ならせることを特徴とする撮像装置によって達成される。
また、上述の目的は、撮影した画像から被写体を検出する検出手段と、検出手段が検出した被写体から主被写体を選択する選択手段と、検出手段が検出した被写体に応じた焦点検出領域を設定する設定手段と、設定手段が設定した焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、焦点検出手段による焦点検出結果を表す表示を行う制御手段と、を有する撮像装置であって、選択手段は、ユーザの指示又は検出手段が被写体ごとに求めた被写体情報のいずれかに基づいて主被写体を選択し、制御手段は、主被写体がユーザの指示に基づいて選択された場合と、主被写体が被写体情報に基づいて選択された場合とで焦点検出結果の表示を異ならせるとともに、主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行い、被写界深度内に含まれる主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行わないことを特徴とする撮像装置によっても達成される。
【0010】
また、上述の目的は、撮像装置の制御方法であって、検出手段が撮影した画像から被写体を検出する検出工程と、選択手段が検出工程によって検出された被写体から主被写体を選択する選択工程と、設定手段が検出工程によって検出された被写体に応じた焦点検出領域を設定する設定工程と、焦点検出手段が設定工程によって設定された焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出工程と、制御手段が焦点検出工程による焦点検出結果の表示を行う制御工程とを有し、選択手段は、選択工程において、ユーザの指示又は検出手段が被写体ごとに求めた被写体情報のいずれかに基づいて主被写体を選択し、制御手段は、制御工程において、主被写体がユーザの指示に基づいて選択された場合と、主被写体が被写体情報に基づいて選択された場合とで焦点検出結果の表示方法を異ならせており、制御手段は、制御工程において、主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果及び被写界深度内に含まれる主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の両方を表示すると共に、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法と被写界深度内に含まれる主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法とを異ならせることを特徴とする撮像装置の制御方法によっても達成される。
また、上述の目的は、撮像装置の制御方法であって、検出手段が撮影した画像から被写体を検出する検出工程と、選択手段が検出工程によって検出された被写体から主被写体を選択する選択工程と、設定手段が検出工程によって検出された被写体に応じた焦点検出領域を設定する設定工程と、焦点検出手段が設定工程によって設定された焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出工程と、制御手段が焦点検出工程による焦点検出結果の表示を行う制御工程とを有し、選択手段は、選択工程において、ユーザの指示又は検出手段が被写体ごとに求めた被写体情報のいずれかに基づいて主被写体を選択し、制御手段は、制御工程において、主被写体がユーザの指示に基づいて選択された場合と、主被写体が被写体情報に基づいて選択された場合とで焦点検出結果の表示を異ならせるとともに、主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行い、被写界深度内に含まれる主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行わないことを特徴とする撮像装置の制御方法によっても達成される。
【発明の効果】
【0011】
このような構成により、本発明によれば、主被写体の選択が可能な撮像装置において、利便性のよい合焦表示を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100の全体的な動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100が行う静止画記録モード処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100が行う顔検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100が行う撮影処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100が行う主顔選択処理の一例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100が行う焦点検出処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100が行う合焦表示処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態に係るデジタルカメラ100が行う合焦表示の例を示す図である
【図10】本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100が行うスルー表示の例を示す図である。
【図11】本発明の第2の実施形態に係るデジタルカメラ100が行う合焦表示処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適かつ例示的な実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(デジタルカメラ100の構成)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る撮像装置の一例としてのデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。ただし、本実施形態における撮像装置は、デジタルカメラに限るものではなく、デジタルカメラとして動作する装置であってもよい。デジタルカメラとして動作する装置の一例としては、デジタルビデオカメラ、デジタルカメラ付き携帯電話、デジタルカメラ付きパーソナルコンピュータなどがある。
【0014】
10はレンズ部、12は絞り機能を備えるシャッター、14は光学像を電気信号に変換する撮像素子、16は撮像素子14からのアナログ画像信号をデジタル化し、画像データに変換するA/D変換器である。なお、撮像素子14には、CCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサ等を用いることができる。
【0015】
タイミング発生部18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にクロック信号や制御信号を供給し、メモリ制御部22及びシステム制御部50により制御される。
【0016】
画像処理部20は、A/D変換器16からの画像データ或いはメモリ制御部22からの画像データに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。
【0017】
また、画像処理部20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。そして、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御部40、合焦制御部42を制御し、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)、AE(自動露出)、EF(フラッシュプリ発光)機能を実現している。
【0018】
さらに、画像処理部20においては、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
【0019】
メモリ制御部22は、A/D変換器16、タイミング発生部18、画像処理部20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮伸長部32を制御する。
【0020】
A/D変換器16の出力データが画像処理部20、メモリ制御部22を介して、或いはA/D変換器16の出力データが直接メモリ制御部22を介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
【0021】
画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器26を介してLCDや有機ELディスプレイ等の画像表示部28により表示される。撮像した画像データを画像表示部28で逐次表示すれば、電子ビューファインダー(EVF)機能を実現することが可能である。
【0022】
また、画像表示部28は、システム制御部50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合にはデジタルカメラ100の電力消費を大幅に低減することができる。
【0023】
メモリ30は撮影した静止画像や動画像を格納する記憶装置であり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。そのため、複数枚の静止画像を連続して撮影する連続撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。
また、メモリ30はシステム制御部50の作業領域としても使用することが可能である。
【0024】
圧縮伸長部32は、メモリ30に格納された画像データを読み込み、その画像データを所定の画像圧縮方法に従って圧縮し、圧縮された画像データをメモリ30に書き込む。また、圧縮伸長部32は、メモリ30から圧縮された画像データを読み込み、その画像データを伸張し、伸張された画像データをメモリ30に書き込むこともできる。なお、所定の画像圧縮方法には、JPEG、JPEG 2000等で規定された画像圧縮方法を使用することも、適応離散コサイン変換(ADCT)、ウェーブレット変換等を用いた画像圧縮方法を使用することもできる。
【0025】
暗号復号部34は、撮影してメモリ30の所定領域に記憶した画像データに対して必要に応じて暗号化処理を行う。暗号復号部34は、メモリ30の所定領域に記憶した暗号化済の画像データを再生表示する際に復号化処理を行う。
【0026】
露光制御部40は絞り機能を備えるシャッター12を制御するとともに、フラッシュ48と連携することによりフラッシュ調光機能も有する。
合焦制御部42はレンズ部10のフォーカシングを制御し、ズーム制御部44はレンズ部10のズーミングを制御する。バリア制御部46はレンズ部10の保護を行うためのバリア102の動作を制御する。
【0027】
フラッシュ48は撮影時の補助光源として機能し、調光機能も有する。また、AF補助光の投光機能も有する。
露光制御部40、合焦制御部42はTTL方式を用いて制御されており、撮像した画像データを画像処理部20によって演算した演算結果に基づき、システム制御部50が露光制御部40、合焦制御部42に対して制御を行う。
【0028】
システム制御部50は例えばCPUであり、システムメモリ52に記憶されたプログラムを実行することによりデジタルカメラ100全体を制御する。システムメモリ52はシステム制御部50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶する。
【0029】
表示部54は例えばLCDやLED、スピーカ等の出力装置の組み合わせにより構成され、システム制御部50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声等を用いて動作状態やメッセージ等を出力する。表示部54はデジタルカメラ100の操作部70近辺の視認し易い位置に、単数或いは複数設置される。また、表示部54の一部は光学ファインダー104内に設置されている。
【0030】
表示部54の表示内容としては、例えば、メモリカード200の取り外し状態、通信I/Fの動作状態、外部コンピュータとの接続状態等がある。この一部は光学ファインダー104内に表示される。
【0031】
そして、表示部54の表示内容のうち、ランプ等により表示するものとしては、例えば、セルフタイマー通知ランプ、等がある。このセルフタイマー通知ランプは、AF補助光と共用して用いても良い。
【0032】
不揮発性メモリ56は電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56は、デジタルカメラ100が用いる各種設定な初期値などを記憶する。
【0033】
モードダイアル72、第1シャッタースイッチ(SW1)62、第2シャッタースイッチ(SW2)64、電源スイッチ60及び操作部70は、システム制御部50に所定の動作の開始、停止等を指示するための操作部材である。これらの操作部材は、ボタン、スイッチ、ダイアル、タッチパネル、視線検知装置、音声認識装置或いはこれらの組み合わせで構成される。
【0034】
ここで、これらの操作部材の具体的な説明を行う。
モードダイアル72は、例えば静止画記録モード(自動撮影モード、プログラム撮影モード、パノラマ撮影モード)、動画記録モード、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを切り替え設定するためのスイッチである。
【0035】
第1シャッタースイッチ(SW1)62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン(図示せず)の第1ストローク(例えば半押し)でONとなる。第1シャッタースイッチ(SW1)62がONにされた場合、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF処理等が開始される。
【0036】
第2シャッタースイッチ(SW2)64は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタンの第2ストローク(例えば全押し)でONとなり、露光処理、現像処理及び記録処理からなる一連の処理の開始を指示する。まず、露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御部22を介して画像データをメモリ30に書き込み、更に、画像処理部20やメモリ制御部22での演算を用いた現像処理が行われる。更に、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮伸長部32で圧縮を行い、メモリカード200に画像データを書き込む記録処理が行われる。
電源スイッチ60は、デジタルカメラ100の電源オン及び電源オフを行うためのスイッチである。
【0037】
操作部70は、スイッチ、ボタン、回転ダイアルスイッチ、タッチパネル等の操作部材を有するユーザインターフェースである。後述する主顔選択ボタン及び主顔選択解除ボタンは、操作部70に含まれる。撮影画像の画像記録モード、圧縮率、画質等は、操作部70で選択できる。画像記録モードには、JPEGモードとRAWモードがある。JPEGモードは、撮影画像をJPEG圧縮方式で圧縮してメモリカード200等に記録する画像記録モードである。RAWモードは、撮像素子14からの信号をデジタル化して得たデジタルデータを圧縮せずに又はロスレス圧縮方式で圧縮してメモリカード200等に記録する画像記録モードである。なお、JPEGモードにおける圧縮率及び画質は、操作部70で選択可能である。
【0038】
縦位置検知センサ75は、デジタルカメラ100の姿勢が縦位置、横位置であるか検知するセンサである。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、これらの検出の結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、メモリカード200を含む各部へ供給する。
【0039】
電源86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、或いはACアダプター等からなり、コネクタ82及び84によってデジタルカメラ100に取り付けられる。
【0040】
メモリカード200は、取り外し可能な記憶媒体である。メモリカード200には、SDメモリカード、コンパクトフラッシュ(登録商標)、リムーバブルHDDなどを用いることができる。メモリカード200は、メモリ202と、カメラインターフェース204と、コネクタ206とを有する。メモリ202は、ランダムアクセス可能な不揮発性メモリである。カメラインターフェース204はデジタルカメラ100側のカードインターフェース90と通信可能であり、コネクタ206はカメラ側のコネクタ92と接続可能である。なお、メモリカード200の装着及び取り外しは、デジタルカメラ100に内蔵されたカード検知部(不図示)によって検知される。
【0041】
バリア102は、デジタルカメラ100の、レンズ部10を含む撮像部を覆う事により、撮像部の汚れや破損を防止する。
【0042】
光学ファインダー104は例えばTTLファインダーであり、プリズムやミラーを用いてレンズ部10を通じた光束を結像する。光学ファインダー104を用いることで、画像表示部28による電子ファインダー機能を使用すること無しに撮影を行うことが可能である。また、上述したように、光学ファインダー104内には、表示部54の一部の機能、例えば、合焦表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示などの情報表示がなされる。
【0043】
有線通信部110は、RS232C、USB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN等による通信を行う。コネクタ112は、有線通信部110によりデジタルカメラ100と外部装置との通信を行う際に、ケーブルを接続するためのコネクタである。
【0044】
無線通信部114は、IEEE802.11a/b/g等の無線LAN通信、Bluetooth(登録商標)、IrDA等による通信を行う。アンテナ116は、無線通信部114によりデジタルカメラ100と外部装置との通信を行う際に用いる。
【0045】
識別情報記憶部118は、無線通信部114、アンテナ116を介して外部装置(不図示)と無線通信を行う際に、通信に先立って認証を行うための各種識別情報を格納する。識別情報記憶部118は、例えば書き換え可能な不揮発性メモリから構成される。
【0046】
(全体動作)
図2は、本発明の第1の実施形態に係るデジタルカメラ100の全体的な動作を説明するフローチャートである。
電源スイッチ60が操作され電源がオンに切り替わると、S201においてシステム制御部50はフラグや制御変数等を初期化する。初期化処理の中で、主顔選択フラグは解除される。続いて、S202において、システム制御部50は、メモリカード200に記録されているファイルに関する管理処理を開始する。
【0047】
次に、S203、S205、S207において、システム制御部50は、モードダイアル72の設定位置を判断する。静止画記録モードに設定されていたならば処理はS203からS204へ進み、静止画記録モード処理を実行する。S204の静止画記録モード処理の詳細は図3を用いて後述する。モードダイアル72が動画記録モードに設定されていたならば、処理はS203、S205を経てS206へ進み、動画記録モード処理を実行する。また、モードダイアル72が再生モードに設定されていた場合、処理はS203、S205、S207を経てS208へ進み、再生モード処理を実行する。
【0048】
また、その他のモードに設定されていた場合、処理はS209へ進み、システム制御部50は選択されたモードに応じた処理を実行する。その他のモードとしては例えばメモリカード200に格納されたファイルの送信を行う送信モード処理、外部機器からファイルを受信してメモリカード200に格納する受信モード処理が含まれる。
【0049】
S204、S206、S208、S209のうちのモードダイアル72によって設定されたモードに対応した処理を実行した後、処理はS210へ進む。S210において、システム制御部50は電源スイッチ60の設定位置を判断する。電源スイッチ60が電源オンに設定されていれば、S203に処理を戻す。一方、電源スイッチ60が電源オフに設定されていたならば、処理はS210からS211へ進み、システム制御部50は終了処理を行う。
【0050】
終了処理には、例えば以下の処理が含まれる。すなわち、画像表示部28の表示を終了状態に変更し、バリア102を閉じてレンズ部10を保護し、フラグや制御変数等を含むパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録し、電源供給が不要な部分への電源を遮断する。S211の終了処理が完了すると、システム制御部50は、電源制御部80を制御して電源をOFF状態へ移行させる。
【0051】
(静止画記録モード)
図3は図2のS204における静止画記録モード処理の一例を示すフローチャートである。
なお、図3に示した静止画記録モード処理は、モードダイアル72により他のモードへの切替が行われた場合や、電源スイッチ60がOFFにセットされた場合には終了するものとする。
【0052】
システム制御部50は、静止画記録モードを開始すると、S301において撮影モードを確定する。撮影モードの確定は、
(1)不揮発性メモリ56より前回の静止画記録モード終了時における撮影モードを取得してシステムメモリ52に格納する、或は、
(2)ユーザにより操作部70が操作されて撮影モードの設定入力があった場合に、その設定入力された撮影モードをシステムメモリ52に格納する、
ことでなされる。
【0053】
ここで、撮影モードとは撮影シーンに適したシャッター速度や絞り値、ストロボ発光状態、感度設定等を組み合わせて実現されるモードのことである。本実施形態のデジタルカメラ100は例えば以下のような撮影モードを有するものとする。
【0054】
・オートモード:カメラの各種パラメータが、計測された露出値に基づいてデジタルカメラ100に組み込まれたプログラムにより自動的に決定されるモード、
・マニュアルモード:カメラの各種パラメータをユーザが自由に変更可能なモード、
・シーンモード:撮影シーンに適したシャッター速度や絞り値、ストロボ発光状態、感度設定等の組み合わせが自動で設定される。
【0055】
また、シーンモードには以下のようなモードが含まれるものとする。
・ポートレートモード:背景をぼかして人物を浮き立たせるようにして人物撮影に特化したモード、
・夜景モード:人物にストロボ光をあて背景を遅いシャッター速度で記録する、夜景シーンに特化したモード、
・風景モード:広がりのある風景シーンに特化したモード、
・ナイト&スナップモード:三脚なしで夜景と人物をきれいに撮るのに適したモード、
・キッズ&ペットモード:よく動き回る子供やペットをシャッターチャンスを逃さず撮影可能にしたモード、
・新緑&紅葉モード:新緑等の木々や葉を色鮮やかに撮影するのに適したモード、
・パーティーモード:蛍光灯や電球のもとで、手振れを抑えて被写体に忠実な色味で撮影するモード、
・スノーモード:雪景色をバックにしても人物が暗くならず、青みも残さず撮影するモード、
・ビーチモード:太陽光の反射の強い海面や砂浜でも、人物などが暗くならずに撮影可能なモード、
・花火モード:打ち上げ花火を最適な露出で鮮やかに撮影するためのモード
・水族館モード:屋内の水槽内の魚などを撮影するのに適した感度、ホワイトバランス、色味を設定するモード、
・水中モード:水中に最適なホワイトバランスに設定し、青みを押さえた色合いで撮影するモード。
【0056】
S302において、システム制御部50は、S301において撮影モードが確定すると、続いて撮像素子14からの画像データを画像表示部28に逐次表示するスルー表示を開始させる。これにより、画像表示部28はEVFとして機能する。
【0057】
続いて、S303において、システム制御部50は、電源制御部80を用いて電池等により構成される残容量や、メモリカード200の有無や残容量がデジタルカメラ100の動作に問題があるか否かを判定する。問題があるならば、システム制御部50は、S304において、画像表示部28を用いて画像や音声により所定の警告表示を行い、処理をS301に戻す。
【0058】
メモリカード200の状態に問題が無いならば、S305において、システム制御部50は、必要に応じてAF枠(焦点検出領域)の設定を行う。本実施形態において、AF枠は、操作部70に含まれるメニューボタンを押すことで画像表示部28に表示されるメニュー画面(不図示)や、操作部70に含まれるAF枠設定用の操作部材を操作することでユーザが任意に設定可能である。
【0059】
本実施形態のデジタルカメラ100では、AF枠設定の選択肢としては、
中央の1枠をAFエリアとする「中央」、
AFエリアを操作部70に含まれる操作部材によってユーザが任意の位置に移動可能な「アクティブ」、
9枠のAFエリアを設定し合焦動作を行う「AiAF」、
検出した顔位置に応じてAFエリアを設定する「顔優先」
が含まれるものとする。
【0060】
システム制御部50はAF枠設定が「顔優先」であるか否かを判断し(S320)、「顔優先」でなければS307に進む。AF枠設定が「顔優先」である場合はS306に進む。
【0061】
S306において、システム制御部50は、スルー表示される画像中から被写体の一例としての人の顔(顔領域)が存在するか否かを検知する顔検出処理を行う。この、被写体検出処理の一例としての顔検出処理の詳細については図4を用いて後述する。システム制御部50は、顔検出処理において顔領域が検出された場合、検出された顔領域の位置座標、サイズ(幅、高さ)、検出個数、信頼性係数等を顔情報としてシステムメモリ52に記憶する。顔検出処理において顔領域が検出されなかった場合、システムメモリ52内の顔情報に0を設定する。顔検出処理(S306)を終えたらS321に進む。
【0062】
S321でシステム制御部50は、システムメモリ52に記憶された被写体情報の一例としての顔情報を参照し、検出された顔領域の中から主被写体の一例としての主顔領域を選択する。この主顔選択処理(S321)については図6を用いて後述する。
【0063】
S321における主顔選択はユーザ操作によることもでき、本実施形態において、ユーザ操作により主顔が指定された場合、システム制御部50は主顔選択フラグを設定する。
【0064】
画像表示部28によるスルー表示の例を図10に示す。
図10(a)は主顔選択フラグが設定されていない場合、すなわち撮像装置が主顔を自動で決定した場合の表示例を、図10(b)は、主顔選択フラグが設定されている場合の表示例をそれぞれ示す。
【0065】
図10(a)では主被写体の顔領域を示す白色の顔枠120と共に、他の被写体(主被写体以外の被写体)の顔領域にも灰色の顔枠121を表示している。なお、本実施形態においては、表示処理負荷および表示レートの関係上、スルー表示時に表示する顔枠の上限数を3としている。一方、図10(b)ではユーザが選択した主被写体についてのみ白色の顔枠120を表示している。
【0066】
続いてS307において、システム制御部50は、第1シャッタースイッチSW1 62がONか否かを判定する。第1シャッタースイッチSW1 62がOFFの場合は、処理はS305に戻り、S305、S306の処理を繰り返す。
【0067】
一方、第1シャッタースイッチSW1 62がONの場合は、S322において、システム制御部50は、合焦制御部42を制御して焦点検出処理を行い、レンズ部10の焦点を被写体に合わせ、S308に進む。この焦点検出処理については図7を用いて後述する。
【0068】
S308において、システム制御部50は、測光処理を行って絞り値及びシャッター時間(シャッタースピード)を決定する。なお、測光処理において、必要であればフラッシュの設定も行われる。このとき、S306において顔(顔領域)が検出されていれば、検出した顔の範囲で測光を行うようにすることも可能である。
【0069】
次に、S323において、システム制御部50は、S322における焦点検出結果を示す合焦表示を画像表示部28に行う。この合焦表示処理の詳細は図8を用いて後述する。
【0070】
次に、S309、S310では、第1シャッタースイッチSW1 62と第2シャッタースイッチSW2 64のON/OFF状態を判定する。第1シャッタースイッチSW1 62がONした状態で第2シャッタースイッチSW2 64がONになると、処理はS309からS311へ進む。第1シャッタースイッチSW1 62がOFFになると(第2シャッタースイッチSW2 64がONせずに、更に第1シャッタースイッチSW1 62も解除された場合)、処理はS310からS305へ戻る。また、第1シャッタースイッチSW1 62がON、第2シャッタースイッチSW2 64がOFFの間は、S309,S310の処理が繰り返される。
【0071】
第2シャッタースイッチSW2 64がONになると、S311において、システム制御部50は、画像表示部28の表示状態をスルー表示から固定色表示状態に設定する。そして、S312において、システム制御部50は、各部を制御して露光処理や現像処理を含む撮影処理を実行する。なお、露光処理では、A/D変換器16を経て得られた画像データ、或いはA/D変換器16から直接メモリ30に書き込まれる。また、現像処理では、システム制御部50が、画像処理部20を制御し、必要に応じてメモリ30に書き込まれた画像データを読み出して各種処理を行う。この撮影処理の詳細は図5を用いて後述する。
【0072】
次に、システム制御部50は、S313において、画像表示部28に対し撮影処理で得られた画像データのクイックレビュー処理を行う。クイックレビュー処理とは、撮影画像の確認のために、被写体の撮影後、メモリカード200への記録前に、予め決められた時間(レビュー時間)だけ画像データを画像表示部28に表示する処理である。
【0073】
クイックレビュー表示後、S314において、システム制御部50は撮影処理で得られた画像データを画像ファイルとしてメモリカード200に対して書き込む記録処理を実行する。
【0074】
S314の記録処理が終了すると、S315において、システム制御部50は、第2シャッタースイッチSW2 64のON/OFF状態を判定する。第2シャッタースイッチSW2 64がONの場合は、S315の判定を繰り返し、第2シャッタースイッチSW2 64がOFFになるのを待つ。第2シャッタースイッチSW2 64がONの間、クイックレビュー処理による表示を継続させる。即ち、S314の記録処理が終了した際に、第2シャッタースイッチSW2 64がOFFになるまで画像表示部28におけるクイックレビュー表示を継続させる。このように構成することにより、ユーザは、シャッターボタンの全押し状態を継続することで、クイックレビュー表示された撮影画像データの確認を入念に行うことが可能となる。
【0075】
ユーザがシャッターボタンを全押し状態にして撮影を行った後、シャッターボタンから手を放すなどして全押し状態が解除されると、第2シャッタースイッチSW2 64がOFFとなり、処理はS315からS316へ進む。S316において、システム制御部50は、クイックレビュー表示の予め定められた最小表示時間(ミニマムレビュー時間)が経過したか否かを判断する。システム制御部50は、ミニマムレビュー時間が経過していれば処理をS317に進め、未経過であればミニマムレビュー時間の経過を待つ。
【0076】
S317において、システム制御部50は、画像表示部28の表示状態をクイックレビュー表示からスルー表示状態に戻す。この処理により、クイックレビュー表示によって撮影画像データを確認した後、画像表示部28の表示状態は次の撮影のために撮像素子14からの画像データを逐次表示するスルー表示状態に自動的に切り替わることになる。
【0077】
そして、S318において、システム制御部50は、第1シャッタースイッチSW1 62のON/OFFを判定し、第1シャッタースイッチSW1 62がONの場合はS309へ、OFFの場合はS305へ処理を戻す。即ち、シャッターボタンの半押し状態が継続している(第1シャッタースイッチSW1 62がON)場合は、システム制御部50は次の撮影に備える(S309)。一方、シャッターボタンが放された状態(第1シャッタースイッチSW1 62がOFF)であったならば、システム制御部50は、一連の撮影動作を終えて撮影待機状態に戻る(S305)。
【0078】
(顔検出処理)
次に、図3のS306における顔検出処理の一例を、図4に示すフローチャートを用いて説明する。上述したように、顔検出処理は被写体検出処理の一例であり、他の方法で被写体検出を行っても良い。
【0079】
S401において、システム制御部50は、顔検出対象の画像データをメモリ30から画像処理部20に送る。S402において、システム制御部50の制御下で画像処理部20は、画像データに水平方向バンドパスフィルタを作用させる。また、S403において、システム制御部50の制御下で画像処理部20は、S402で処理された画像データに垂直方向バンドパスフィルタを作用させる。これら水平及び垂直方向のバンドパスフィルタ処理により、画像データよりエッジ成分が検出される。
【0080】
その後、S404において、システム制御部50は、検出されたエッジ成分に関してパターンマッチングを行い、目及び鼻、口、耳の候補群を抽出する。そして、S405において、システム制御部50は、S404で抽出された目の候補群の中から、予め設定された条件(例えば2つの目の距離、傾き等)を満たす一対の候補を、目の対と判断する目検出処理を行なう。そして、システム制御部50は、目の対を形成しない候補を取り除いて目の候補群を絞り込む。
【0081】
そして、S406において、システム制御部50は、S405で絞り込まれた目の候補群とそれに対応する顔を形成する他のパーツ(鼻、口、耳)を対応付け、また、予め設定した非顔条件フィルタを通すことで、顔(顔領域)を検出する。S407において、システム制御部50は、S406で検出した顔領域について、被写体情報の一例としての顔情報(顔領域の位置座標、サイズ(幅、高さ)、検出個数、信頼性係数等)を算出し、システムメモリ52に記憶し、処理を終了する。
【0082】
以上のようにスルー表示される画像データを用いて、画像データの特徴量を抽出して被写体情報を検出することが可能である。本実施形態では被写体情報として顔情報を例に挙げたが、スルー表示される画像データから取得できる被写体情報には他にも赤目情報等の様々な情報がある。
【0083】
(撮影処理)
図5は図3のS312における撮影処理の一例を示すフローチャートである。
S501において、システム制御部50は、撮影開始時にその日時を例えば内蔵システムタイマ(図示せず)より取得し、システムメモリ52に記憶する。続いて、S502において、システムメモリ52に記憶されている測光データに従い、絞り機能を有するシャッター12を絞り値に応じて開放する。こうして、露光が開始される(S503)。
【0084】
S504において、システム制御部50は、測光データに従った露光時間の経過を待つ。露光終了時刻に到達すると、S505において、システム制御部50はシャッター12を閉じる。そして、S506において、撮像素子14から電荷信号を読み出し、A/D変換器16及びメモリ制御部22を通じて、或いはA/D変換器16から直接、メモリ30に画像データを書き込む。S501〜S506が露光処理に対応する。
【0085】
続いて、S507において、システム制御部50は必要に応じて画像処理部20や圧縮伸長部32を用い、メモリ30に書き込まれた画像データに対して画像処理を行う。この画像処理には、例えば、画像処理部20によるホワイトバランス処理や、圧縮伸長部32を用いた圧縮処理等が含まれる。画像処理が行われた画像データはメモリ30に書き込まれる。
【0086】
そして、S508において、システム制御部50は、メモリ30から画像データを読み出し、これを圧縮伸長部32を用いて伸張し、画像表示部28での表示用にリサイズする。そして、リサイズされた画像データを画像表示部28に表示するべくD/A変換器26に転送する。一連の処理を終えたならば、撮影処理を終了する。
【0087】
(主顔選択処理)
図6は図3のS321における主顔選択処理の一例を示すフローチャートである。上述したように、主顔選択処理は主被写体選択処理の一例であり、他の方法で主被写体の選択を行っても良い。
【0088】
システム制御部50は、操作部70に含まれる主顔選択ボタン(図示せず)が操作されたか否か(ONかOFFか)を判断する(S601)。そして、ONであればS602へ、OFFであればS608へそれぞれ処理を進める。
【0089】
S602で、システム制御部50は、システムメモリ52に記憶されている顔情報のうち、検出された顔(被写体)の数を参照し、顔が1つも検出されていなければS608に進む。また、顔が検出されていた場合はS603に進み、検出された顔の数が1つかどうか判定する。そして、システム制御部50は、顔の検出数が1であればS604へ、顔の検出数が2以上であればS606へそれぞれ処理を進める。
【0090】
S604において、システム制御部50は、唯一検出された顔を主顔に設定する(S604)。そして、システム制御部50は、システムメモリ52等に記憶される主顔選択フラグを設定し(S605)、処理をS601に戻す。
【0091】
顔(被写体)が複数検出されていた場合、システム制御部50はS603において、複数の顔の1つを主顔(主被写体)に設定する。既に主顔として選択されている顔がある場合には、現在主顔に選択されている顔以外の1つ(次の1つ)を主顔に設定する(S606)。そして、システムメモリ52等に記憶される主顔選択フラグを設定し(S607)、処理をS601に戻す。つまり、顔が複数検出されている場合、主顔選択ボタンがONである間、複数の顔が順次、主顔として選択された状態となる。そのため、ユーザは、所望の顔が主顔として選択された状態になるまで主顔選択ボタンをONに維持することで、所望の顔を主顔(主被写体)として選択することができる。
【0092】
主顔選択ボタンがOFFの状態であるか、主顔選択ボタンがONでも顔検出数が0の場合、処理はS608に進む。S608でシステム制御部50は、操作部70に含まれる主顔選択解除ボタン(図示せず)が操作されたか否か(ONかOFFか)を判断する。そして、ONであればS609へ、OFFであればS610へそれぞれ処理を進める。
【0093】
主顔選択解除ボタンがONの場合、S608でシステム制御部50は、システムメモリ52等に記憶される主顔選択フラグを解除し(S609)、処理をS610に進める。
S610において、システム制御部50は、システムメモリ52等に記憶される主顔選択フラグを参照し、フラグが設定されていればS321の主顔選択処理を終了する。
【0094】
主顔選択フラグが設定されていない場合(S610)、システム制御部50は、システムメモリ52に記憶されている顔情報を基に主顔を決定し(S611)、S321の主顔選択処理を終了する。S611では例えば、顔検出数が0であれば主顔選択を行わない。また、顔検出数が1であれば検出された顔を自動的に主顔として選択する。また、顔検出数が複数、すなわち2以上の場合、位置が画面の中央に近いほど、サイズが大きいほど優先度を高くすることにより、複数の顔の中から最も優先度の高い顔を主顔として選択することができる。もちろん、位置や大きさだけでなく、信頼度など他の情報を考慮して主顔を選択しても良いことは言うまでもない。
【0095】
(焦点検出処理)
図7は図3のS322における焦点検出処理の一例を示すフローチャートである。
システム制御部50は現在のAF枠設定が「顔優先」であるかどうかを判別する(S701)。そして、AF枠設定が「顔優先」以外であれば、AF枠設定に応じた焦点検出処理を行い(S702)、焦点検出処理S322を終了する。
【0096】
一方、AF枠設定が「顔優先」であった場合、システム制御部50はS703において、システムメモリ52に記憶されている被写体情報の一例としての顔情報を参照する。そして、検出された顔(顔領域)と、各顔領域の中心座標を含む焦点検出領域の対応づけ(設定)を行う(S703)。なお、設定される焦点検出領域のうち、主顔の顔領域に対応するものを主焦点検出領域と呼ぶ。
【0097】
ここで、中心座標は、顔領域が矩形であるとした場合、例えばその対角線の交点の座標であって良い。あるいは、重心の座標を中心座標としても良い。また、本明細書においては、顔領域を示す矩形枠を顔枠と呼ぶ。
【0098】
S704で、システム制御部50は、合焦制御部42を制御し、S703で設定した焦点検出領域での焦点検出を行う。これにより、各顔領域に対応した焦点検出領域での焦点検出処理が行なわれる。焦点検出処理が終わると、システム制御部50は処理をS705に進める。
【0099】
S705でシステム制御部50は、主焦点検出領域すなわち主顔に対応する焦点検出領域が合焦であるかどうかを調べ、合焦と判断すればS706へ、合焦と判断されなければS708へそれぞれ処理を進める。
【0100】
S706で、システム制御部50は、S703において顔領域と対応づけた焦点検出領域の中で、主焦点検出領域に対する焦点検出結果の被写界深度内に含まれる焦点検出領域を合焦枠として処理をS707へと進める。S707で、システム制御部50は、主焦点検出領域の焦点検出結果を合焦位置とし、合焦制御部42によりレンズ部10のフォーカスレンズを合焦位置に駆動して焦点検出処理を終了する。
【0101】
一方、S708でシステム制御部50は合焦枠なしと判定し、処理をS709へと進める。S709でシステム制御部50は、合焦制御部42によりレンズ部10のフォーカスレンズを予め定めた定点へと駆動して焦点検出処理を終了する。
【0102】
なお、図7のフローチャートでは、AF枠設定が「顔優先」の場合、顔検出数が1以上であるものとして説明したが、S701とS703の間で顔検出数を調べ、顔検出数が0の場合には合焦枠無しとしてS708へ処理を移すようにしてもよい。
【0103】
(合焦表示)
図8は図3のS323における合焦表示処理の一例を示すフローチャートである。上述の通り、合焦表示は焦点検出領域ごとの焦点検出結果を示す表示であり、「合焦」又は「非合焦」のいずれかを示す。
【0104】
まずS801において、システム制御部50は現在のAF枠設定を参照し、AF枠設定が9枠のAFエリアを設定し合焦動作を行う「AiAF」であれば処理をS802に進める。
【0105】
S802でシステム制御部50は、焦点検出処理(図3のS322及び図7)の結果を参照し、結果が合焦であればS803へ、非合焦であればS804へそれぞれ処理を進める。
【0106】
S803でシステム制御部50は、画像表示部28を用いて、被写界深度内のAF枠(焦点検出領域)をすべて合焦表示する。合焦表示は例えば、画像表示メモリ24に記憶されている画像データに、AF枠を示す矩形枠の画像データを上書きする等により、枠をスルー表示中の画像に重畳表示することによって行うことができる。S803における表示例を図9(a)に示す。図9(a)では、深度内の3つのAF枠122を合焦表示(緑枠表示)している。
【0107】
非合焦の場合、S804でシステム制御部50は、画像表示部28に合焦枠表示も非合焦枠表示も行わない。S804における表示例を図9(b)に示す。
【0108】
S801においてAF枠設定が「AiAF」でない場合、システム制御部50はS805で、AF枠設定が「顔優先」かどうか判別する。そして、システム制御部50は、AF枠設定が「顔優先」であった場合にはS806へ、それ以外であればS813へそれぞれ処理を進める。
【0109】
S806でシステム制御部50は、例えばシステムメモリ52に記憶した主顔選択フラグを参照し、主顔選択フラグが設定されていなければS807へ、設定されていればS810へ処理を進める。
【0110】
S807でシステム制御部50は、焦点検出処理(図3のS322及び図7)の結果を参照し、結果が合焦(主焦点検出領域が合焦)であればS808へ、非合焦であればS809へ処理を進める。
【0111】
S808ではシステム制御部50は、画像表示部28を用いて、被写界深度内の焦点検出領域に対応する顔枠をすべて合焦表示する。表示例を図9(c)に示す。図9(c)は、5人の被写体に対応するAF枠が全て被写界深度内に含まれる場合の表示例を示しており、5人の被写体の顔枠123を同様に合焦表示(緑枠表示)している。
S809ではシステム制御部50は、S804と同様に、画像表示部28に合焦枠表示も非合焦枠表示も行わない。従って表示例は図9(b)のようになる。
【0112】
S810ではシステム制御部50は焦点検出処理(図3のS322及び図7)の結果を参照し、結果が合焦(主焦点検出領域が合焦)であればS811へ、非合焦であればS812へ処理を進める。
【0113】
S811ではシステム制御部50は、画像表示部28を用いて、主焦点検出領域に対応する顔枠、すなわち主顔の顔領域のみについて合焦表示する。表示例を図9(d)に示す。ここでは、主焦点検出領域以外の焦点検出領域の合焦状態に関わらず、主顔についてのみ顔枠124を合焦表示として表示し、主顔以外の顔領域については合焦表示(顔枠の表示)を行わない。
【0114】
このように、主顔選択フラグが設定されている場合、即ちユーザが自ら主顔(主被写体)を設定した場合には、主顔(主被写体)についてのみ合焦表示を行うことで、ユーザの選択した主顔を容易に把握することが可能となる。S811における合焦表示は、ユーザが設定した主顔を識別可能でありさえすれば、主顔以外の顔領域、即ち主被写体以外の被写体について行っても良い。例えば、図9(h)に示すように、被写界深度内の他の顔領域の顔枠128を、主顔に対する顔枠124とは視覚的に異なる形態で表示してもよい。図9(h)に示す例では、主顔に対する顔枠124と、それ以外の顔に対する顔枠128の色を異ならせることで、主顔の識別を容易にしたものである。色を変える以外にも、主顔の顔枠124のみ点滅させたり、顔枠124の太さを変えたりするなど、様々な方法を用いることが出来ることは言うまでもない。
【0115】
S812ではシステム制御部50は、画像表示部28を用いて、主顔の顔枠を非合焦表示する。表示例を図9(e)に示す。ここでは、S811における主顔の合焦表示(図9(d))と異なる色の顔枠125の表示を非合焦表示(黄枠表示)としている。
【0116】
S805において、AF枠設定が「顔優先」でない場合は、S813に進み、システム制御部50は焦点検出処理(図3のS322及び図7)の結果を参照する。
【0117】
結果が合焦であった場合は(S813)、システム制御部50は、画像表示部28を用いて、AF枠の合焦表示を行う(S814)。ここではAF枠設定が「中央」もしくは「アクティブ」であり、AF枠が1枠であることを想定している。表示例を図9(f)に示す。ここでは中央のAF枠126を合焦表示(緑枠表示)している。
【0118】
結果が非合焦であった場合(S813)、システム制御部50は、画像表示部28を用いて、AF枠の非合焦表示を行う(S815)。ここではAF枠設定が「中央」もしくは「アクティブ」であり、AF枠が1枠であることを想定している。表示例を図9(g)に示す。中央のAF枠127を非合焦表示(黄枠表示)している。
【0119】
以上説明したように、本実施形態によれば、撮影画像中から主被写体を設定可能な撮像装置において、主被写体に関する合焦表示を、被写界深度内に含まれる他の被写体(主被写体以外の被写体)に関する合焦表示と視覚的に異ならせる。そのため、被写界深度内に含まれる被写体が多数存在していても、主被写体についての合焦状態が判別しやすくなる。
特に、主被写体をユーザが設定した場合にこのような合焦表示を行うことで、ユーザが意図した主被写体についての合焦状態が特に把握しやすくなり、利便性が高い。
【0120】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置について説明する。
なお、本実施形態に係る撮像装置は、第1の実施形態で説明した撮像装置と合焦表示処理(図3、S323及び図7)のみが異なるため、合焦表示処理以外の説明は省略する。本実施形態では、ユーザが、合焦表示に関する設定を行うことが可能であり、この設定(合焦表示設定)に応じた合焦表示を行うことを特徴とする。合焦表示設定は、例えば操作部70に含まれるメニューボタンの押下により画像表示部28に表示されるメニュー画面(不図示)や、操作部70に含まれる合焦表示設定用の操作部材を操作することでユーザが任意に設定可能である。例えばAF枠設定と同様にS305(図3)で設定できるようにすることができる。合焦表示設定は他の設定値と同様、例えば不揮発性メモリ56に記憶される。
【0121】
図11は、本発明の第2の実施形態に係る撮像装置が行う合焦表示処理の一例を示すフローチャートである。
まずS1101において、システム制御部50は現在のAF枠設定を参照し、AF枠設定が9枠のAFエリアを設定し合焦動作を行う「AiAF」であればS1103に処理を進める。
【0122】
S1101においてAF枠設定が「AiAF」でない場合、システム制御部50はS1102で、AF枠設定が「顔優先」かどうか判別する。そして、システム制御部50は、AF枠設定が「顔優先」であった場合にはS1103へ、それ以外であればS1110へそれぞれ処理を進める。
【0123】
S1103でシステム制御部50は、例えば不揮発性メモリ56に記憶された合焦表示設定を参照し、合焦表示設定が「深度内全表示」かどうか判定する。システム制御部50は、合焦表示設定が「深度内全表示」であればS1104へ、そうでなければS1107へ処理を進める。
【0124】
S1104で、システム制御部50は焦点検出処理(図3のS322及び図7)の結果を参照し、結果が合焦(9つのAF枠のいずれか又は主焦点検出領域が合焦)であればS1105へ、非合焦であればS1106へ処理を進める。
【0125】
S1105でシステム制御部50は、画像表示部28を用いて、被写界深度内に含まれるAF枠または顔枠をすべて合焦表示する。すなわち、AF枠設定に応じて、「AiAF」の場合は図9(a)、「顔優先」の場合は図9(c)のような合焦表示を行う。
S1106ではシステム制御部50は、画像表示部28に合焦枠表示も非合焦枠表示も行わない(図9(b))。
【0126】
合焦表示設定が「深度内全表示」でなければ、S1107において、システム制御部50は焦点検出処理(図3のS322及び図7)の結果を参照し、結果が合焦であればS1108へ、非合焦であればS1109へ処理を進める。
【0127】
S1108でシステム制御部50は、画像表示部28を用いて、主焦点検出領域(AF枠)またはそれに対応する顔枠すなわち主顔の顔領域を合焦表示する。すなわち、AF枠設定に応じて、「AiAF」の場合は図9(f)、「顔優先」の場合は図9(d)のような合焦表示を行う。
【0128】
S1109でシステム制御部50は、画像表示部28を用いて、主焦点検出領域(AF枠)またはそれに対応する顔枠すなわち主顔の顔領域を非合焦表示する。すなわち、AF枠設定に応じて、「AiAF」の場合は図9(g)、「顔優先」の場合は図9(e)のような合焦表示を行う。上述のように、合焦表示と非合焦表示は、AF枠又は顔枠の色のみが異なっていても良い。本実施形態でも第1の実施形態と同様、合焦表示は緑(又は白)、非合焦表示は黄としている。
【0129】
S1102においてAF枠設定が「顔優先」でない場合、S1110でシステム制御部50は、焦点検出処理(図3のS322及び図7)の結果を参照し、結果が合焦であればS1111へ、非合焦であればS1112へ処理を進める。
【0130】
S1111で、システム制御部50は、画像表示部28を用いて、AF枠の合焦表示を行う。ここではAF枠設定が「中央」もしくは「アクティブ」であり、AF枠が1枠であることを想定している。表示例を図9(f)に示す。ここでは中央のAF枠を合焦表示(緑枠表示)している。
【0131】
S1112で、システム制御部50は、画像表示部28を用いて、AF枠の非合焦表示を行う。ここではAF枠設定が「中央」もしくは「アクティブ」であり、AF枠が1枠であることを想定している。表示例を図9(g)に示す。中央のAF枠を非合焦表示(黄枠表示)している。
【0132】
第1の実施形態においては、主顔設定をユーザが行ったか否か(主顔選択フラグが設定されているか否か)に応じて、主顔に対応する焦点検出領域の合焦表示の方法を選択するものであった。それに対し、本実施形態では、合焦表示設定が深度内全表示であるか否かに応じて、主顔に対応する焦点検出領域の合焦表示の方法を選択する。
【0133】
なお、上述の実施形態では撮像画面内の検出された顔の位置に対応した焦点検出領域を設定し、合焦した場合には顔に対応する焦点検出領域の合焦表示をしているが、その他の画像検出により特定の被写体を検出しても構わない。例えば、背景から被写体像を切り出して検出したりすることも考えられる。その他、外部入力手段から撮像画面内の位置を入力したり、ファインダーを見ている撮影者の視線を検出したりして撮像画面内の位置を決定しても構わない。
【0134】
また、上述の実施形態では、主顔選択ボタンや主顔選択解除ボタンは専用ボタンとした。しかし、主顔選択/解除操作について、専用のボタンは設けず、例えば、AF枠を設定する際に使用するボタンの長押しや、上下ボタンで対応できるようにしてもよい。また、主顔選択ボタンを設け、主顔選択ボタンの長押しにより主顔選択解除操作を実現させてもよい。
【0135】
本実施形態においても、ユーザの意図に応じて、主被写体についての合焦状態を把握しやすく表示することが可能になる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影した画像から被写体を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した被写体から主被写体を選択する選択手段と、
前記検出手段が検出した被写体に応じた焦点検出領域を設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段による焦点検出結果を表す表示を行う制御手段と、を有する撮像装置であって、
前記選択手段は、ユーザの指示又は前記検出手段が前記被写体ごとに求めた被写体情報のいずれかに基づいて前記主被写体を選択し、
前記制御手段は、前記主被写体が前記ユーザの指示に基づいて選択された場合と、前記主被写体が前記被写体情報に基づいて選択された場合とで焦点検出結果の表示方法を異ならせており、
前記制御手段は、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果及び被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の両方を表示すると共に、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法と前記被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法とを異ならせることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記主被写体が前記ユーザの指示に基づいて選択された場合、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果及び被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の両方を表示すると共に、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法と前記被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法とを異ならせ、
前記主被写体が前記被写体情報に基づいて選択された場合、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法と前記被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法とを同一とすることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記被写界深度内に含まれない前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行わないことを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮影した画像から被写体を検出する検出手段と、
前記検出手段が検出した被写体から主被写体を選択する選択手段と、
前記検出手段が検出した被写体に応じた焦点検出領域を設定する設定手段と、
前記設定手段が設定した焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出手段と、
前記焦点検出手段による焦点検出結果を表す表示を行う制御手段と、を有する撮像装置であって、
前記選択手段は、ユーザの指示又は前記検出手段が前記被写体ごとに求めた被写体情報のいずれかに基づいて前記主被写体を選択し、
前記制御手段は、
前記主被写体が前記ユーザの指示に基づいて選択された場合と、前記主被写体が前記被写体情報に基づいて選択された場合とで焦点検出結果の表示を異ならせるとともに、
前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行い、前記被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行わないことを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、
前記主被写体が前記ユーザの指示に基づいて選択された場合、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行い、前記被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行わず、
前記主被写体が前記被写体情報に基づいて選択された場合、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法と前記被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法とを同一とすることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記被写界深度内に含まれない前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行わないことを特徴とする請求項4又は5に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記焦点検出結果の表示を前記焦点検出領域もしくは前記被写体の領域を示す枠によって行うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記検出手段が前記被写体として人の顔を検出することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項9】
撮像装置の制御方法であって、
検出手段が撮影した画像から被写体を検出する検出工程と、
選択手段が前記検出工程によって検出された被写体から主被写体を選択する選択工程と、
設定手段が前記検出工程によって検出された被写体に応じた焦点検出領域を設定する設定工程と、
焦点検出手段が前記設定工程によって設定された焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出工程と、
制御手段が前記焦点検出工程による焦点検出結果の表示を行う制御工程とを有し、
前記選択手段は、前記選択工程において、ユーザの指示又は前記検出手段が前記被写体ごとに求めた被写体情報のいずれかに基づいて前記主被写体を選択し、
前記制御手段は、前記制御工程において、前記主被写体が前記ユーザの指示に基づいて選択された場合と、前記主被写体が前記被写体情報に基づいて選択された場合とで焦点検出結果の表示方法を異ならせており、
前記制御手段は、前記制御工程において、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果及び被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の両方を表示すると共に、前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法と前記被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示方法とを異ならせることを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項10】
撮像装置の制御方法であって、
検出手段が撮影した画像から被写体を検出する検出工程と、
選択手段が前記検出工程によって検出された被写体から主被写体を選択する選択工程と、
設定手段が前記検出工程によって検出された被写体に応じた焦点検出領域を設定する設定工程と、
焦点検出手段が前記設定工程によって設定された焦点検出領域で焦点検出を行う焦点検出工程と、
制御手段が前記焦点検出工程による焦点検出結果の表示を行う制御工程とを有し、
前記選択手段は、前記選択工程において、ユーザの指示又は前記検出手段が前記被写体ごとに求めた被写体情報のいずれかに基づいて前記主被写体を選択し、
前記制御手段は、前記制御工程において、
前記主被写体が前記ユーザの指示に基づいて選択された場合と、前記主被写体が前記被写体情報に基づいて選択された場合とで焦点検出結果の表示を異ならせるとともに、
前記主被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行い、前記被写界深度内に含まれる前記主被写体以外の被写体に対応する焦点検出領域についての焦点検出結果の表示を行わないことを特徴とする撮像装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−199986(P2012−199986A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−125110(P2012−125110)
【出願日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【分割の表示】特願2007−210299(P2007−210299)の分割
【原出願日】平成19年8月10日(2007.8.10)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】