撮像装置及びその制御方法
【課題】 1つの加速度センサで、高精度の検出分解能と、広範囲の検出レンジとを実現する。
【解決手段】 撮像装置は、撮像装置の加速度を検知する加速度センサ21と、加速度センサ21の出力感度を調整するためのゲイン・オフセット可変アンプ101を有する。ゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを調整することで、加速度センサ21の出力感度が第1の感度と該第1の感度より高い第2の感度とで切り替えられる。オフセット制御部104は、ゲイン・オフセット可変アンプ101の出力感度を第1の感度に設定したときのアンプ出力に基づいて、出力感度を第2の感度に切り替えたときのゲイン・オフセット可変アンプ101のオフセットを制御する。
【解決手段】 撮像装置は、撮像装置の加速度を検知する加速度センサ21と、加速度センサ21の出力感度を調整するためのゲイン・オフセット可変アンプ101を有する。ゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを調整することで、加速度センサ21の出力感度が第1の感度と該第1の感度より高い第2の感度とで切り替えられる。オフセット制御部104は、ゲイン・オフセット可変アンプ101の出力感度を第1の感度に設定したときのアンプ出力に基づいて、出力感度を第2の感度に切り替えたときのゲイン・オフセット可変アンプ101のオフセットを制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平状態を保持して撮影を可能とする水準器を備えた撮像装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等にて撮影された画像や映像を鑑賞しやすいものとするために、カメラの水平を維持するための技術が提案されている。例えば、水平検出器によってカメラの傾きを検出し、撮影者に撮像装置が傾いていることを提示する手法が用いられおり、その提示手法にもさまざまなものが提案されている。例えば、特許文献1には、撮像装置の傾き補正の精度を向上させたりするために、撮像装置の揺れの大きさや周波数に応じて傾きガイドの表示の有無を切り替える手法が提案されている。また、特許文献2には、広角画角での撮影頻度の高い撮影モード(風景撮影モードなど)では、撮像装置の傾きが目立ちやすくなるため、より微小な傾きを検出するように水平検出器の感度を切り替えるものが提案されている。
【0003】
これら撮像装置の傾きを検知する水平検出器のひとつとして、しばしば加速度センサが用いられる。この加速度センサは撮像装置の傾きを検知する以外の用途にも使用されることがあり、たとえば、撮像装置の一部を叩いたり(以後、タップと呼ぶ)、撮像装置本体を振ったりする、ユーザインタフェースとしての操作を検知するために使用する。また、撮像装置の姿勢(縦撮りか横撮りか)の検知に用いたり、撮像装置の落下や衝撃の検知などにも用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−124273号公報
【特許文献2】特開2007−180663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、加速度センサを用いた水平検出器は、重力から微少な撮像装置の傾きを検知する必要があるため、重力加速度近傍での高い検出精度が要求される。その一方で、撮像装置の縦持ち姿勢を検知したり、タップ動作や衝撃など撮像装置へ加わる力を検知したりする場合には、加速度センサには広範囲の検出レンジが要求される。
【0006】
しかしながら、広範囲の検出レンジを確保するように加速度センサの感度を設定してしまうと、水平検出器として十分な検出精度を確保できないという課題がある。用途ごとに別々の加速度センサを設けることも考えられるが、部品点数増加によるコストアップを招くことになり好ましくない。
【0007】
そこで、本発明は、1つの加速度センサで、高精度の検出分解能と、広範囲の検出レンジとを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、撮像装置であって、前記撮像装置の加速度を検知する加速度センサと、前記加速度センサの後段に接続され、前記加速度センサの出力感度を調整するための増幅器であってゲイン及びオフセットを調整可能な増幅器と、前記増幅器のゲインを調整することで、前記加速度センサの出力感度を第1の感度と該第1の感度より高い第2の感度とで切り替える切替手段と、前記切替手段により前記加速度センサの出力感度を前記第1の感度に設定したときの前記増幅器の出力に基づいて、前記加速度センサの出力感度を前記第2の感度に切り替えたときの前記増幅器のオフセットを制御する制御手段と、前記切替手段により切り替えられた各感度における前記増幅器の出力に基づき前記撮像装置の傾きを検出する傾き検出手段とを有することを特徴とする撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1つの加速度センサで、高精度の検出分解能と、広範囲の検出レンジとを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態における撮像装置のシステムブロック図。
【図2】実施形態における撮像装置の外観を示す図。
【図3】(a)は、実施形態における姿勢検出部の構成を示す図、(b)は、実施形態におけるオフセット可変アンプの構成例を示す図。
【図4】撮像装置の傾きと水平検出器の出力の関係を示す図。
【図5】撮像装置の触れと水平検出の関係を示す図。
【図6】タッピング及び落下と水平検出器の出力の関係を示す図。
【図7】水平検出器の感度と出力の関係を示す図。
【図8】撮像装置の姿勢と水平検出器の出力の関係を感度ごとに示す図。
【図9】第1の実施例における処理の流れを示す概念図。
【図10】第1の実施例におけるフローチャート。
【図11】オフセット値算出方法を示すフローチャート。
【図12】第2の実施例における処理の流れを示す概念図。
【図13】第2の実施例におけるフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
【0012】
図1及び図2に本実施の形態にかかる撮像装置1の構成例を示す。被写体を撮影するための光学ブロック10は、レンズ制御部11によって駆動制御される。光学像を電気信号に変換する撮像素子12は、撮像制御ブロック13によってタイミング等を制御される。画像処理部14は撮像素子12のアナログ信号出力をデジタル信号に変換し、画素補間処理、色変換処理、画像の切り出し処理等を行う。画像表示部6は、撮影した画像や水平検出器によるガイド等を表示する。
【0013】
システムコントローラ8は撮像装置1全体を制御する。2、3、4、及び5は、システムコントローラ8の各種の動作指示を入力するための操作部であり、スイッチやダイアル、タッチパネル等の単数あるいは複数の組み合わせで構成される。電源ボタン2は、ここからの信号をトリガとして撮像装置1への電源の供給をON/OFFする。レリーズスイッチ3は、静止画を記録するためのシャッタを動作させるトリガ信号や、動画記録をスタートやストップさせるためのトリガ信号を出力するのに用いられる。ズーム操作キー4は、光学ブロック10を制御して焦点距離を調節するのに用いられる。メニュー操作キー5は、カメラの各種設定などに使用される。
【0014】
加速度センサ21は、撮像装置1に加わる加速度を検知する。揺れ検出センサ22は、撮像装置1の揺れを検知する。加速度センサ21によって撮像装置1に働く重力や外力の方向を検知し、揺れ検出センサ22によって撮像装置1の揺れの状態を検知することができる。姿勢検出部23は、これらセンサの情報から撮像装置1の姿勢や外部操作の有無を検出する。
【0015】
また、図2における15、16、17は加速度センサ21の加速度検出軸を示している。15は撮像装置1に対して横方向を示すX軸を、16は縦方向を示すY軸を、17は撮像面と直交し、光学ブロック10の光軸と平行なZ軸を示している。
【0016】
次に、図3(a)を参照して姿勢検出部23の構成を説明する。加速度センサ21のアナログ出力は、その後段に接続されたゲイン・オフセット可変アンプ101によって増幅され、その出力はADコンバータ102によってデジタル値に変換される。ゲイン・オフセット可変アンプ101は、加速度センサ21の出力感度を調整するための、オフセット及びアンプ倍率(ゲイン)を調整可能な増幅器であり、そのオフセット及びゲインはそれぞれ、オフセット制御部103及びゲイン制御部104によって決定される。また、揺れ検出センサ22のアナログ出力もアンプ105によって増幅されADコンバータ106によってデジタル値に変換される。これら、ADコンバータ102及び106によって変換された各デジタル値は、107〜109の各検出部において使用される。外力検出部107は、タップ操作や落下衝撃などにより撮像装置1に働く外力を検出する。重力検出部108は、重力加速度の方向から撮像装置1の傾きを検出する。また、揺れ検出部109は、撮像装置1の揺れ量を検出し、撮像装置1の本体の動きを検出する。
【0017】
図3(b)に、ゲイン・オフセット可変アンプ101の構成例を示す。ゲイン・オフセット可変アンプ101は、アンプ201、抵抗202、抵抗203、ゲイン切替スイッチ204、オフセット調整DAコンバータ205を有する。オフセット制御部103からオフセット調整DAコンバータ205へ値が設定され、加速度センサ21の出力値に対してオフセットが調整される。また、ゲイン制御部104からの設定によって、ゲイン切替スイッチ204のスイッチが切り替わり、それによって並列に接続された抵抗203と抵抗202の値からアンプ201の倍率(ゲイン)が切り替えられるようになっている。
【0018】
次に、図4〜7を用いて撮像装置1と加速度センサ21の出力の関係を説明する。図4は、撮像装置(カメラ)の傾きとそのときの重力加速度の向きを示したものである。上段はカメラの姿勢を、下段はそのときの加速度センサの出力を示しており、横軸にX軸出力を、縦軸にY軸出力をとりベクトルにて表現している。(a)はカメラを横向きに構えた正位置の状態を示しており、このとき重力加速度はカメラに対して下方向に働くため、加速度センサはX軸方向にゼロ、Y軸方向には1Gに相当する値を出力する。(b)は正位置からわずかにカメラを傾けたときの状態を示しており、このときの重力加速度はY軸方向からわずかにずれるため、Y軸の出力は1Gよりもわずかに少なくなり、X軸方向にも成分を持つことが分かる。また、(c)はグリップ部を上側にしてカメラを縦向きに構えた縦持ち位置を示しており、このときの重力加速度はカメラ正位置に対しての横方向(X軸方向)に1Gの力が働くため、加速度センサの出力は(c)のようなベクトルとなる。このときも同様にわずかに傾けることで、(d)のようにY軸方向に成分を持つようになる。
【0019】
図5は、カメラを正位置(a)においた状態から、カメラを傾けた時の様子を示している。(b)はカメラがわずかに傾いたとき、(c)はカメラが大きく傾いたときを示している。これを見てわかるように、カメラの傾きが小さいほどX軸側の出力変化量は小さいため、X軸の加速度の検出必要レンジ210は小さくて済むこととなる。一方、カメラの傾きが大きい場合には、加速度必要レンジ211は広くなる。
【0020】
図6は、タッピング及び落下の水平検出器の出力の関係を示す図である。(a)はタッピングの様子を、(b)は落下衝撃の様子を示している。タッピングの場合には、加速度センサには重力加速度の他にユーザの叩く動作による働く外力も作用する。この外力の大きさは場合によって異なり、作用する方向も一様ではない。そのような外力を誤検知することなく操作入力として認識するためには、たとえ大きな外力であっても加速度センサの検出可能レンジをオーバーすることなく検知する必要がある。
【0021】
例えば図6(a)の場合、カメラのコーナーから斜め矢印の方向に叩かれたことを想定している。この場合、カメラ下向きのY軸方向には、重力加速度と叩かれた外力との合計の1G以上の大きな力が働くこととなり、これを検知する必要がある。また、(b)のような落下運動の場合には落下中は重力加速度がゼロであり、物体に衝突した瞬間に非常に大きな衝撃力が瞬間的に働くこととなる。
【0022】
次に、本実施形態におけるゲイン・オフセット可変アンプ101を用いた場合の、水平検出器の感度と出力の関係を説明する。図7は横軸に加速度センサ21に働く加速度を、縦軸にアンプ出力をとったものであり、(a)〜(c)でそれぞれ異なる感度を示している。ここでは、基本の感度を「通常感度(a)」(第1の感度)とし、感度を少し上げたものを「中感度(b)」(第2の感度)という。また、中感度からさらに感度を上げたものを「高感度(c)」(第3の感度)という。
【0023】
この例では、加速度センサとして±4Gの検出レンジを持ち、その出力が0〜Vccとなり出力に線形性を持つものを想定する。この出力を「通常感度」として表現したものが図7(a)である。これを見てわかるように、「通常感度」の場合、加速度がゼロのときには出力はVcc×1/2、1GのときにはVcc×5/8となる。この出力に対して、図3(b)で示したようなゲイン・オフセット可変アンプ101を考える。このゲイン・オフセット可変アンプ101を、オフセットをVcc×5/8、ゲインを×2倍として設定したものを「中感度」として考えると、その検出レンジは1G±2Gとなり、図7(b)のような出力特性となる。同様に、「高感度」として、オフセットをVcc×5/8、ゲインを×8倍と設定すると、その検出レンジは1G±0.5Gとなり、図7(c)のような出力特性となる。
【0024】
これら3つの感度に対して、カメラの姿勢と水平検出器の出力の関係を感度ごとに示した模式図が図8である。3段あるうちの、上段が「カメラのぶれ量が小さいとき(三脚固定時を想定)」、中段が「カメラぶれ量が大きいとき(手持ち時を想定)」、下段が「タッピング操作をしたとき」を示している。それぞれの段の、左列が通常感度、中央列が中感度、右列が高感度のそれぞれの感度の出力を示している。
【0025】
「カメラぶれ量が小さいとき」(図8上段)は、高感度においても検出レンジをオーバーすることなく、加速度センサの出力を高精度で取得することができている。一方、「カメラぶれ量が大きいとき」(図8中段)は、高感度ではアンプ出力が検出レンジをオーバーしてしまっているため、正しいカメラの姿勢を取得することができない。そのため、中感度の情報を使用することが望ましいと言える。一方、「タッピング操作をしたとき」(図8下段)は、タッピング時の加速度の変化を飽和することなくとらえることのできる通常感度の出力を使用することがよいと考えられる。
【0026】
<実施例1>
次に、本発明の第1の実施例について説明する。第1の実施例では、図9に示すように、通常感度と中感度との二つの感度にてサンプリングを繰り返し行い加速度情報を取得する。さらに、中感度のオフセットの設定値は、それ以前の通常感度の加速度情報から算出して求める。そのフローを図10〜12のフローチャートを用いて説明する。
【0027】
S101にて、ゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを通常感度となるように設定する。その際のアンプオフセットは、通常感度の検出レンジ全域を検出する必要があるため、所定値、例えばゼロとする(S102)。そして、ゲイン・オフセット可変アンプ101の出力をADコンバータ102にて読み出して取得する(S103)。
【0028】
続いて、その取得された通常感度の出力値から、次に設定する中感度時のオフセット値を算出する(S104)。このときの算出方法としては、通常感度の出力値をそのまま中感度のオフセット値としてもよい(図11のS151)。あるいは、間隔をおいて設定したオフセット値のテーブルから、通常感度出力値に最も近いオフセット値を選択して設定してもよい(図11のS152、S153)。そして、S105にて中感度にゲイン設定するとともに、S104にて算出した中感度のオフセット値をオフセットとして設定する(S106)。その後、ADコンバータ102にてゲイン・オフセット可変アンプ101の出力を読み出し中感度の出力値とする(S107)。この際、中感度の出力値が想定範囲外の値であった場合には(S108)、エラー処理を行う(S109)。
【0029】
このようにして、各軸の加速度センサの出力値を各感度において取得したら、それらの情報をもとに加速度情報を算出する(S110)。算出した加速度情報から、タップ操作のようなユーザによる操作を検出した場合には、タップ操作があったことをシステムコントローラ8に通知するためのフラグを設定する(S111、S112)。また、加速度情報から重力加速度の向きを求め、それよりシステムコントローラ8に受け渡すためのカメラ姿勢情報を算出し保存する(S113、S114)。
【0030】
前述のように、「タッピング操作を検出」するためには広い検出レンジが必要となるため通常感度での検知が必要であるが、その感度では「傾き検知」としては精度が不足してしまう。また、「傾き検知」のためにアンプ倍率を上げて感度を上げたとしても、図5で説明したとおり、カメラの構える方向によってその重力加速度のベクトル方向は異なるためオフセットを一意に決めることは難しい。そこで、このような第1の実施例の手法を用いることで、中感度においても常に最適な検出レンジを確保することができる。
【0031】
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例では図12に示すように、カメラの揺れ量に応じて感度を調整し、加速度センサ21の読み出しを行う。例えば、「手持ち撮影」や「カメラ移動時(メニュー操作時)」には、揺れ量が大きく、加速度が急激に変化する可能性がある。そこでこの場合は、「通常感度」と「中感度」による読み出しは必ず行うようにする。一方、揺れ量の小さな「静止時」には、カメラ姿勢検出精度を上げるために「高感度」にて読み出しを行う。なお、この「静止時」は、たとえば三脚に固定されたときのように、揺れ検出センサ22からの出力からカメラの揺れ量が小さいと判断したときにする。
【0032】
図13に、第2の実施例におけるフローチャートを示す。全体の流れは前述の第1の実施例と同様である(S201〜S204、S208〜S214)。ただし本実施例では、S204にてオフセット量を算出した後に、カメラの揺れ量を判断し(S205)、その揺れ量に応じてゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを決定する。揺れ量が小さく「三脚固定中」と判断された場合には、「高感度」となるようにゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを設定する(S206)。また、揺れ量が大きく、「メニュー操作中」「カメラ姿勢変更中」「手持ち」などと判断された場合には、「中感度」となるように、ゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを設定する(S207)。これにより状況に応じた最適な感度にて加速度を検出することができる。
【0033】
<他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平状態を保持して撮影を可能とする水準器を備えた撮像装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタルカメラ等にて撮影された画像や映像を鑑賞しやすいものとするために、カメラの水平を維持するための技術が提案されている。例えば、水平検出器によってカメラの傾きを検出し、撮影者に撮像装置が傾いていることを提示する手法が用いられおり、その提示手法にもさまざまなものが提案されている。例えば、特許文献1には、撮像装置の傾き補正の精度を向上させたりするために、撮像装置の揺れの大きさや周波数に応じて傾きガイドの表示の有無を切り替える手法が提案されている。また、特許文献2には、広角画角での撮影頻度の高い撮影モード(風景撮影モードなど)では、撮像装置の傾きが目立ちやすくなるため、より微小な傾きを検出するように水平検出器の感度を切り替えるものが提案されている。
【0003】
これら撮像装置の傾きを検知する水平検出器のひとつとして、しばしば加速度センサが用いられる。この加速度センサは撮像装置の傾きを検知する以外の用途にも使用されることがあり、たとえば、撮像装置の一部を叩いたり(以後、タップと呼ぶ)、撮像装置本体を振ったりする、ユーザインタフェースとしての操作を検知するために使用する。また、撮像装置の姿勢(縦撮りか横撮りか)の検知に用いたり、撮像装置の落下や衝撃の検知などにも用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−124273号公報
【特許文献2】特開2007−180663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的に、加速度センサを用いた水平検出器は、重力から微少な撮像装置の傾きを検知する必要があるため、重力加速度近傍での高い検出精度が要求される。その一方で、撮像装置の縦持ち姿勢を検知したり、タップ動作や衝撃など撮像装置へ加わる力を検知したりする場合には、加速度センサには広範囲の検出レンジが要求される。
【0006】
しかしながら、広範囲の検出レンジを確保するように加速度センサの感度を設定してしまうと、水平検出器として十分な検出精度を確保できないという課題がある。用途ごとに別々の加速度センサを設けることも考えられるが、部品点数増加によるコストアップを招くことになり好ましくない。
【0007】
そこで、本発明は、1つの加速度センサで、高精度の検出分解能と、広範囲の検出レンジとを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面によれば、撮像装置であって、前記撮像装置の加速度を検知する加速度センサと、前記加速度センサの後段に接続され、前記加速度センサの出力感度を調整するための増幅器であってゲイン及びオフセットを調整可能な増幅器と、前記増幅器のゲインを調整することで、前記加速度センサの出力感度を第1の感度と該第1の感度より高い第2の感度とで切り替える切替手段と、前記切替手段により前記加速度センサの出力感度を前記第1の感度に設定したときの前記増幅器の出力に基づいて、前記加速度センサの出力感度を前記第2の感度に切り替えたときの前記増幅器のオフセットを制御する制御手段と、前記切替手段により切り替えられた各感度における前記増幅器の出力に基づき前記撮像装置の傾きを検出する傾き検出手段とを有することを特徴とする撮像装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、1つの加速度センサで、高精度の検出分解能と、広範囲の検出レンジとを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】実施形態における撮像装置のシステムブロック図。
【図2】実施形態における撮像装置の外観を示す図。
【図3】(a)は、実施形態における姿勢検出部の構成を示す図、(b)は、実施形態におけるオフセット可変アンプの構成例を示す図。
【図4】撮像装置の傾きと水平検出器の出力の関係を示す図。
【図5】撮像装置の触れと水平検出の関係を示す図。
【図6】タッピング及び落下と水平検出器の出力の関係を示す図。
【図7】水平検出器の感度と出力の関係を示す図。
【図8】撮像装置の姿勢と水平検出器の出力の関係を感度ごとに示す図。
【図9】第1の実施例における処理の流れを示す概念図。
【図10】第1の実施例におけるフローチャート。
【図11】オフセット値算出方法を示すフローチャート。
【図12】第2の実施例における処理の流れを示す概念図。
【図13】第2の実施例におけるフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の実施に有利な具体例を示すにすぎない。また、以下の実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の課題解決のために必須のものであるとは限らない。
【0012】
図1及び図2に本実施の形態にかかる撮像装置1の構成例を示す。被写体を撮影するための光学ブロック10は、レンズ制御部11によって駆動制御される。光学像を電気信号に変換する撮像素子12は、撮像制御ブロック13によってタイミング等を制御される。画像処理部14は撮像素子12のアナログ信号出力をデジタル信号に変換し、画素補間処理、色変換処理、画像の切り出し処理等を行う。画像表示部6は、撮影した画像や水平検出器によるガイド等を表示する。
【0013】
システムコントローラ8は撮像装置1全体を制御する。2、3、4、及び5は、システムコントローラ8の各種の動作指示を入力するための操作部であり、スイッチやダイアル、タッチパネル等の単数あるいは複数の組み合わせで構成される。電源ボタン2は、ここからの信号をトリガとして撮像装置1への電源の供給をON/OFFする。レリーズスイッチ3は、静止画を記録するためのシャッタを動作させるトリガ信号や、動画記録をスタートやストップさせるためのトリガ信号を出力するのに用いられる。ズーム操作キー4は、光学ブロック10を制御して焦点距離を調節するのに用いられる。メニュー操作キー5は、カメラの各種設定などに使用される。
【0014】
加速度センサ21は、撮像装置1に加わる加速度を検知する。揺れ検出センサ22は、撮像装置1の揺れを検知する。加速度センサ21によって撮像装置1に働く重力や外力の方向を検知し、揺れ検出センサ22によって撮像装置1の揺れの状態を検知することができる。姿勢検出部23は、これらセンサの情報から撮像装置1の姿勢や外部操作の有無を検出する。
【0015】
また、図2における15、16、17は加速度センサ21の加速度検出軸を示している。15は撮像装置1に対して横方向を示すX軸を、16は縦方向を示すY軸を、17は撮像面と直交し、光学ブロック10の光軸と平行なZ軸を示している。
【0016】
次に、図3(a)を参照して姿勢検出部23の構成を説明する。加速度センサ21のアナログ出力は、その後段に接続されたゲイン・オフセット可変アンプ101によって増幅され、その出力はADコンバータ102によってデジタル値に変換される。ゲイン・オフセット可変アンプ101は、加速度センサ21の出力感度を調整するための、オフセット及びアンプ倍率(ゲイン)を調整可能な増幅器であり、そのオフセット及びゲインはそれぞれ、オフセット制御部103及びゲイン制御部104によって決定される。また、揺れ検出センサ22のアナログ出力もアンプ105によって増幅されADコンバータ106によってデジタル値に変換される。これら、ADコンバータ102及び106によって変換された各デジタル値は、107〜109の各検出部において使用される。外力検出部107は、タップ操作や落下衝撃などにより撮像装置1に働く外力を検出する。重力検出部108は、重力加速度の方向から撮像装置1の傾きを検出する。また、揺れ検出部109は、撮像装置1の揺れ量を検出し、撮像装置1の本体の動きを検出する。
【0017】
図3(b)に、ゲイン・オフセット可変アンプ101の構成例を示す。ゲイン・オフセット可変アンプ101は、アンプ201、抵抗202、抵抗203、ゲイン切替スイッチ204、オフセット調整DAコンバータ205を有する。オフセット制御部103からオフセット調整DAコンバータ205へ値が設定され、加速度センサ21の出力値に対してオフセットが調整される。また、ゲイン制御部104からの設定によって、ゲイン切替スイッチ204のスイッチが切り替わり、それによって並列に接続された抵抗203と抵抗202の値からアンプ201の倍率(ゲイン)が切り替えられるようになっている。
【0018】
次に、図4〜7を用いて撮像装置1と加速度センサ21の出力の関係を説明する。図4は、撮像装置(カメラ)の傾きとそのときの重力加速度の向きを示したものである。上段はカメラの姿勢を、下段はそのときの加速度センサの出力を示しており、横軸にX軸出力を、縦軸にY軸出力をとりベクトルにて表現している。(a)はカメラを横向きに構えた正位置の状態を示しており、このとき重力加速度はカメラに対して下方向に働くため、加速度センサはX軸方向にゼロ、Y軸方向には1Gに相当する値を出力する。(b)は正位置からわずかにカメラを傾けたときの状態を示しており、このときの重力加速度はY軸方向からわずかにずれるため、Y軸の出力は1Gよりもわずかに少なくなり、X軸方向にも成分を持つことが分かる。また、(c)はグリップ部を上側にしてカメラを縦向きに構えた縦持ち位置を示しており、このときの重力加速度はカメラ正位置に対しての横方向(X軸方向)に1Gの力が働くため、加速度センサの出力は(c)のようなベクトルとなる。このときも同様にわずかに傾けることで、(d)のようにY軸方向に成分を持つようになる。
【0019】
図5は、カメラを正位置(a)においた状態から、カメラを傾けた時の様子を示している。(b)はカメラがわずかに傾いたとき、(c)はカメラが大きく傾いたときを示している。これを見てわかるように、カメラの傾きが小さいほどX軸側の出力変化量は小さいため、X軸の加速度の検出必要レンジ210は小さくて済むこととなる。一方、カメラの傾きが大きい場合には、加速度必要レンジ211は広くなる。
【0020】
図6は、タッピング及び落下の水平検出器の出力の関係を示す図である。(a)はタッピングの様子を、(b)は落下衝撃の様子を示している。タッピングの場合には、加速度センサには重力加速度の他にユーザの叩く動作による働く外力も作用する。この外力の大きさは場合によって異なり、作用する方向も一様ではない。そのような外力を誤検知することなく操作入力として認識するためには、たとえ大きな外力であっても加速度センサの検出可能レンジをオーバーすることなく検知する必要がある。
【0021】
例えば図6(a)の場合、カメラのコーナーから斜め矢印の方向に叩かれたことを想定している。この場合、カメラ下向きのY軸方向には、重力加速度と叩かれた外力との合計の1G以上の大きな力が働くこととなり、これを検知する必要がある。また、(b)のような落下運動の場合には落下中は重力加速度がゼロであり、物体に衝突した瞬間に非常に大きな衝撃力が瞬間的に働くこととなる。
【0022】
次に、本実施形態におけるゲイン・オフセット可変アンプ101を用いた場合の、水平検出器の感度と出力の関係を説明する。図7は横軸に加速度センサ21に働く加速度を、縦軸にアンプ出力をとったものであり、(a)〜(c)でそれぞれ異なる感度を示している。ここでは、基本の感度を「通常感度(a)」(第1の感度)とし、感度を少し上げたものを「中感度(b)」(第2の感度)という。また、中感度からさらに感度を上げたものを「高感度(c)」(第3の感度)という。
【0023】
この例では、加速度センサとして±4Gの検出レンジを持ち、その出力が0〜Vccとなり出力に線形性を持つものを想定する。この出力を「通常感度」として表現したものが図7(a)である。これを見てわかるように、「通常感度」の場合、加速度がゼロのときには出力はVcc×1/2、1GのときにはVcc×5/8となる。この出力に対して、図3(b)で示したようなゲイン・オフセット可変アンプ101を考える。このゲイン・オフセット可変アンプ101を、オフセットをVcc×5/8、ゲインを×2倍として設定したものを「中感度」として考えると、その検出レンジは1G±2Gとなり、図7(b)のような出力特性となる。同様に、「高感度」として、オフセットをVcc×5/8、ゲインを×8倍と設定すると、その検出レンジは1G±0.5Gとなり、図7(c)のような出力特性となる。
【0024】
これら3つの感度に対して、カメラの姿勢と水平検出器の出力の関係を感度ごとに示した模式図が図8である。3段あるうちの、上段が「カメラのぶれ量が小さいとき(三脚固定時を想定)」、中段が「カメラぶれ量が大きいとき(手持ち時を想定)」、下段が「タッピング操作をしたとき」を示している。それぞれの段の、左列が通常感度、中央列が中感度、右列が高感度のそれぞれの感度の出力を示している。
【0025】
「カメラぶれ量が小さいとき」(図8上段)は、高感度においても検出レンジをオーバーすることなく、加速度センサの出力を高精度で取得することができている。一方、「カメラぶれ量が大きいとき」(図8中段)は、高感度ではアンプ出力が検出レンジをオーバーしてしまっているため、正しいカメラの姿勢を取得することができない。そのため、中感度の情報を使用することが望ましいと言える。一方、「タッピング操作をしたとき」(図8下段)は、タッピング時の加速度の変化を飽和することなくとらえることのできる通常感度の出力を使用することがよいと考えられる。
【0026】
<実施例1>
次に、本発明の第1の実施例について説明する。第1の実施例では、図9に示すように、通常感度と中感度との二つの感度にてサンプリングを繰り返し行い加速度情報を取得する。さらに、中感度のオフセットの設定値は、それ以前の通常感度の加速度情報から算出して求める。そのフローを図10〜12のフローチャートを用いて説明する。
【0027】
S101にて、ゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを通常感度となるように設定する。その際のアンプオフセットは、通常感度の検出レンジ全域を検出する必要があるため、所定値、例えばゼロとする(S102)。そして、ゲイン・オフセット可変アンプ101の出力をADコンバータ102にて読み出して取得する(S103)。
【0028】
続いて、その取得された通常感度の出力値から、次に設定する中感度時のオフセット値を算出する(S104)。このときの算出方法としては、通常感度の出力値をそのまま中感度のオフセット値としてもよい(図11のS151)。あるいは、間隔をおいて設定したオフセット値のテーブルから、通常感度出力値に最も近いオフセット値を選択して設定してもよい(図11のS152、S153)。そして、S105にて中感度にゲイン設定するとともに、S104にて算出した中感度のオフセット値をオフセットとして設定する(S106)。その後、ADコンバータ102にてゲイン・オフセット可変アンプ101の出力を読み出し中感度の出力値とする(S107)。この際、中感度の出力値が想定範囲外の値であった場合には(S108)、エラー処理を行う(S109)。
【0029】
このようにして、各軸の加速度センサの出力値を各感度において取得したら、それらの情報をもとに加速度情報を算出する(S110)。算出した加速度情報から、タップ操作のようなユーザによる操作を検出した場合には、タップ操作があったことをシステムコントローラ8に通知するためのフラグを設定する(S111、S112)。また、加速度情報から重力加速度の向きを求め、それよりシステムコントローラ8に受け渡すためのカメラ姿勢情報を算出し保存する(S113、S114)。
【0030】
前述のように、「タッピング操作を検出」するためには広い検出レンジが必要となるため通常感度での検知が必要であるが、その感度では「傾き検知」としては精度が不足してしまう。また、「傾き検知」のためにアンプ倍率を上げて感度を上げたとしても、図5で説明したとおり、カメラの構える方向によってその重力加速度のベクトル方向は異なるためオフセットを一意に決めることは難しい。そこで、このような第1の実施例の手法を用いることで、中感度においても常に最適な検出レンジを確保することができる。
【0031】
<実施例2>
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第2の実施例では図12に示すように、カメラの揺れ量に応じて感度を調整し、加速度センサ21の読み出しを行う。例えば、「手持ち撮影」や「カメラ移動時(メニュー操作時)」には、揺れ量が大きく、加速度が急激に変化する可能性がある。そこでこの場合は、「通常感度」と「中感度」による読み出しは必ず行うようにする。一方、揺れ量の小さな「静止時」には、カメラ姿勢検出精度を上げるために「高感度」にて読み出しを行う。なお、この「静止時」は、たとえば三脚に固定されたときのように、揺れ検出センサ22からの出力からカメラの揺れ量が小さいと判断したときにする。
【0032】
図13に、第2の実施例におけるフローチャートを示す。全体の流れは前述の第1の実施例と同様である(S201〜S204、S208〜S214)。ただし本実施例では、S204にてオフセット量を算出した後に、カメラの揺れ量を判断し(S205)、その揺れ量に応じてゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを決定する。揺れ量が小さく「三脚固定中」と判断された場合には、「高感度」となるようにゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを設定する(S206)。また、揺れ量が大きく、「メニュー操作中」「カメラ姿勢変更中」「手持ち」などと判断された場合には、「中感度」となるように、ゲイン・オフセット可変アンプ101のゲインを設定する(S207)。これにより状況に応じた最適な感度にて加速度を検出することができる。
【0033】
<他の実施形態>
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置であって、
前記撮像装置の加速度を検知する加速度センサと、
前記加速度センサの後段に接続され、前記加速度センサの出力感度を調整するための増幅器であってゲイン及びオフセットを調整可能な増幅器と、
前記増幅器のゲインを調整することで、前記加速度センサの出力感度を第1の感度と該第1の感度より高い第2の感度とで切り替える切替手段と、
前記切替手段により前記加速度センサの出力感度を前記第1の感度に設定したときの前記増幅器の出力に基づいて、前記加速度センサの出力感度を前記第2の感度に切り替えたときの前記増幅器のオフセットを制御する制御手段と、
前記切替手段により切り替えられた各感度における前記増幅器の出力に基づき前記撮像装置の傾きを検出する傾き検出手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像装置の揺れを検出する揺れ検出手段と、
前記揺れ検出手段の出力に応じて、前記加速度センサの出力感度を調整する調整手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記揺れ検出手段により前記撮像装置が静止していると判断されるときは、前記調整手段は、前記加速度センサの出力感度を前記第2の感度より高い第3の感度に設定することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮像装置の加速度を検知する加速度センサと、前記加速度センサの後段に接続され、前記加速度センサの出力感度を調整するための増幅器であってゲイン及びオフセットを調整可能な増幅器とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記増幅器のゲインを調整することで、前記加速度センサの出力感度を第1の感度と該第1の感度より高い第2の感度とで切り替える切替ステップと、
前記切替ステップにおいて前記加速度センサの出力感度を前記第1の感度に設定したときの前記増幅器の出力に基づいて、前記加速度センサの出力感度を前記第2の感度に切り替えたときの前記増幅器のオフセットを制御する制御ステップと、
前記切替ステップで切り替えられた各感度における前記増幅器の出力に基づき前記撮像装置の傾きを検出する傾き検出ステップと、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項1】
撮像装置であって、
前記撮像装置の加速度を検知する加速度センサと、
前記加速度センサの後段に接続され、前記加速度センサの出力感度を調整するための増幅器であってゲイン及びオフセットを調整可能な増幅器と、
前記増幅器のゲインを調整することで、前記加速度センサの出力感度を第1の感度と該第1の感度より高い第2の感度とで切り替える切替手段と、
前記切替手段により前記加速度センサの出力感度を前記第1の感度に設定したときの前記増幅器の出力に基づいて、前記加速度センサの出力感度を前記第2の感度に切り替えたときの前記増幅器のオフセットを制御する制御手段と、
前記切替手段により切り替えられた各感度における前記増幅器の出力に基づき前記撮像装置の傾きを検出する傾き検出手段と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記撮像装置の揺れを検出する揺れ検出手段と、
前記揺れ検出手段の出力に応じて、前記加速度センサの出力感度を調整する調整手段と、
を更に有することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記揺れ検出手段により前記撮像装置が静止していると判断されるときは、前記調整手段は、前記加速度センサの出力感度を前記第2の感度より高い第3の感度に設定することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
撮像装置の加速度を検知する加速度センサと、前記加速度センサの後段に接続され、前記加速度センサの出力感度を調整するための増幅器であってゲイン及びオフセットを調整可能な増幅器とを有する撮像装置の制御方法であって、
前記増幅器のゲインを調整することで、前記加速度センサの出力感度を第1の感度と該第1の感度より高い第2の感度とで切り替える切替ステップと、
前記切替ステップにおいて前記加速度センサの出力感度を前記第1の感度に設定したときの前記増幅器の出力に基づいて、前記加速度センサの出力感度を前記第2の感度に切り替えたときの前記増幅器のオフセットを制御する制御ステップと、
前記切替ステップで切り替えられた各感度における前記増幅器の出力に基づき前記撮像装置の傾きを検出する傾き検出ステップと、
を有することを特徴とする撮像装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−26855(P2013−26855A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160304(P2011−160304)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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