説明

撮像装置及びフラッシュ装置

【課題】撮像装置において、発光部を回転させずに、バウンスフラッシュ撮影も可能にすること。
【解決手段】複数の放電管75及び76と、放電管の各々を発光させるトリガ部72及び73と、各トリガ部のいずれかを選択するトリガ選択部71と、撮影モードを選択するバウンスフラッシュスイッチ68と、各放電管に直列に接続される一つの制御素子74と、制御素子74を制御することで放電管の発光量を制御する発光制御部80と、を備え、バウンスフラッシュスイッチ68により選択された撮影モードに応じて、トリガ選択部71により各トリガ部のいずれかを選択し、選択されたトリガ部72及び73の少なくともいずれか一つによって放電管を発光させることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラッシュを内蔵する撮像装置及びフラッシュ装置に関し、特に、バウンス機能を有する撮像装置及びフラッシュ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フラッシュはほとんどのコンパクトタイプのカメラ(以下、撮像装置と呼ぶ)に内蔵されて来ており、一部の一眼レフタイプのカメラにも内蔵されてきている。内蔵されるストロボは被写体に直接に光を照射するものが一般的であり、被写体によっては影が強く不自然に出てしまう不具合がある(この場合を、以下一般フラッシュ撮影モードと呼ぶ)。このような不具合に対して、照射光を天井や壁及び反射板などに光を反射させてから被写体に照射させるバウンス撮影がある。反射光で被写体を照射するため光が回り込み、自然な光で影を緩和したり積極的に影を出し影の演出が可能となる。
【0003】
外付けストロボでは発光部を上下に回転させるものや、上下左右に回転可能なバウンス機能を有するものが多いが、コンパクトカメラなどの撮像装置では発光部が回転しバウンス撮影が可能なものはない。テレ又はワイドに撮影画角が切り換え可能な撮像装置では撮影画角に対応した発光部に切り換えるものとして、配光の広い発光部と配光が狭く発光量の少ない発光部を配光切替え信号に応じて切替え発光するものが開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平02−146027号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術では、発光部が回転させる機構が複雑となったり、回転に余計なスペースが必要になったりしていた。そこで、本発明は、発光部を回転させずに、バウンスフラッシュ撮影も可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を解決するために、本発明に係る撮像装置は、複数の放電管と、該放電管の各々を発光させるトリガ手段と、該各トリガ手段のいずれかを選択するトリガ選択手段と、撮影モードを選択する選択手段と、前記各放電管に直列に接続される一つの制御素子と、を備え、該選択手段により選択された撮影モードに応じて、前記トリガ選択手段により前記各トリガ手段のいずれかを選択し、該選択されたトリガ手段によって前記放電管を発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、一般フラッシュ撮影用発光部とバウンスフラッシュ撮影用発光部を個別に固定配置させたので、構成が簡易になった。そのため、回転に必要なスペースが必要なくなり、強度やデザインなどの観点からもより好ましい形態を実現することが可能となった。また、制御回路が共通化されたので、コストダウンが図れるようになった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の第1の実施形態の撮像装置100の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。
【図3】撮影処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態の撮像装置100の概観を示す斜視図である。
【図5】本発明の第2の実施形態の撮像装置100の構成を示すブロック図である。
【図6】第1及び第2発光部をフラッシュ本体に設けた例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態としての撮像装置100を示すブロック図である。図1に示すように、本発明に係る撮像装置100は、撮影レンズ10と、シャッター12と、光学像を電気信号に変換する撮像素子14と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器16と、画像処理回路20とを備える。シャッター12は絞り機能を備えている。画像処理回路20は、A/D変換器16から出力されたデータ又はメモリ制御回路22から出力されたデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路20は、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理を行う。
【0010】
撮像装置100は、メモリ制御回路22と、画像表示メモリ24と、D/A変換器26と、画像表示部28と、メモリ30と、圧縮・伸長回路32と、露光制御部40と、測距制御部42と、ズーム制御部44と、フラッシュ48とを備える。メモリ制御回路22は、A/D変換器16、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30及び圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16で変換されたデータは、画像処理回路20及びメモリ制御回路22を介するか、又はメモリ制御回路22のみを介して、画像表示メモリ24又はメモリ30に書き込まれる。画像表示部28はTFT、LCD等からなり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データを、D/A変換器26を介して表示する。メモリ30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリである。
【0011】
圧縮・伸長回路32は、適応離散コサイン変換(ADCT)等により画像データを圧縮又は伸長する回路である。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理又は伸長処理を行い、処理を終えたデータをメモリ30に書き込む。露光制御部40は絞り機能を備えるシャッター12を制御し、フラッシュ48と連携することによりフラッシュ48の調光もすることができる。測距制御部42は、撮影レンズ10のフォーカシングを制御する。ズーム制御部44は撮影レンズ10のズーミングを制御する。
【0012】
フラッシュ48は、複数の放電管を有しており、AF補助光を投光したり、フラッシュの調光をしたりする。フラッシュ48は、トリガ選択部71と、第1トリガ部72と、第2トリガ部73と、制御素子74と、第1放電管75と、第2放電管76と、メインコンデンサ77と、発光制御部80と、昇圧部81とから構成されている。昇圧部81は、メインコンデンサ77の充電を行う。また、撮像装置100は、システム制御回路50を備えている。
【0013】
システム制御回路50は、撮像装置100全体を制御する。システム制御回路50は、画像処理回路20の処理によって得られた演算結果に基づいて、露光制御部40及び測距制御部42に対して制御を行う。システム制御回路50はTTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理及びAE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理を行っている。システム制御回路50は、トリガ選択部71により、第1トリガ部72又は第2トリガ部73を選択的に駆動させることで、第1放電管75又は第2放電管76を発光させる。トリガ選択部71はトリガ選択手段としての機能を果たし、第1トリガ部72及び第2トリガ部73はトリガ手段としての機能を果たし、発光制御部80は発光制御手段としての機能を果たす。システム制御回路50は、発光制御部80を介して制御素子74を制御することで、第1放電管75又は第2放電管76の発光量を制御してフラッシュ調光を行う。昇圧部81は、メインコンデンサ77を昇圧した電圧にて充電する。
【0014】
第1放電管75及び第2放電管76は、トリガ選択部71により選択された第1トリガ部72又は第2トリガ部73からトリガ出力を受ける第1放電管75又は第2放電管76でメインコンデンサ77が放電される。第1放電管75と第2放電管は、制御素子74と直列に接続されている。撮像した画像データが画像処理回路20によって演算された演算結果に基づき、システム制御回路50が露光制御部40及び測距制御部42を制御する。
【0015】
撮像装置100は、モードダイアル60と、シャッタースイッチ(SW1)62と、シャッタースイッチ(SW2)64と、選択手段としてのバウンスフラッシュスイッチ68とを備えている。これらの各部は、システム制御回路50における各種の動作指示を入力するために設けられ、操作手段としての機能を果たし、スイッチやダイアル、タッチパネル等で構成される。モードダイアル60は、電源オフ、撮影モード、再生モード、PC接続モード等の各機能モードを切り替え設定することができる。シャッタースイッチ(SW1)62は、図4のシャッターボタン602の操作途中でONとなり、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理等の動作開始を指示する。シャッタースイッチ(SW2)64は、不図示のシャッターボタンの操作完了でONとなり撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介してメモリ30に画像データを書き込む。さらに、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理、メモリ30から画像データを読み出し圧縮・伸長回路32で圧縮を行い、記録媒体200に画像データを書き込む記録処理という一連の処理の動作開始を指示する。
【0016】
バウンスフラッシュスイッチ68は、フラッシュの発光をバウンスに切り換えるスイッチである。
【0017】
撮像装置100は、インタフェイス90と、コネクタ92とを備える。インタフェイス90はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェイスとしての機能を果たす。コネクタ92はメモリカードやハードディスク等の記録媒体200と接続をとる。
記録媒体200は、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202と、撮像装置100とのインタフェイスとしての機能を果たすインタフェイス204と、撮像装置100と接続をとるコネクタ206とを備えている。
【0018】
図4は、図1に示す撮像装置100の外観を示す斜視図である。撮像装置100は、シャッターボタン602と、バウンスフラッシュスイッチ604と、第2発光部606と、第1発光部608と、レンズ鏡筒610とを備える。シャッターボタン602は図1のシャッタースイッチ62及び64に対応する。シャッターボタン602は半押し状態(SW1)である撮影準備状態と全押しである撮影開始の状態(SW2)の状態をシステム制御回路50に伝達する。
【0019】
バウンスフラッシュスイッチ604は、バウンスフラッシュの切り換えスイッチで図1のバウンスフラッシュスイッチ68に対応する。第2発光部606は、バウンスフラッシュモード時の際の第2発光部であり、図1で示した第2放電管76が含まれ図示しない反射傘やフレネルレンズ等を設けられた前面パネルにより所定の照射角に設定されている。第1発光部608は、一般フラッシュ撮影モードの際の第1発光部であり、図1で示した第1放電管75が含まれ、図示しない反射傘やフレネルレンズ等を設けられた前面パネルにより撮影レンズ10の撮影画角をカバーする照射角に設定されている。第1発光部608は撮影画角に存在する被写体に向けて、直接的に光を照射するように構成されている。
【0020】
バウンスフラッシュスイッチ604の切り換えによりフラッシュ撮影の場合、第2発光部606又は第1発光部608が選択される。また、第2発光部606は、バウンスフラッシュモード時の際の光源で、レンズ鏡筒610内の撮影レンズ10の撮影画角に直接入射しないような位置に配置されている。本実施形態では、第2発光部606は撮像装置100のシャッターボタン602側(上面)に設けられ撮像装置100の正位置で上方向に光が照射されるよう配置されている。この照射角度は一般的なバウンス撮影では直接光が撮影画角に入らないように撮像装置の正位置の水平方向に対して60度から90度の照射であることが望ましい。バウンス時は第2発光部606の光を天井や壁又は反射板に反射させ、この反射光により被写体を照明することで、光の回り込みによりきつい影ができるのを緩和できる。ここで、一般フラッシュ撮影モード時に使用する第1発光部608に対してバウンスフラッシュモード時に使用する第2発光部606の照射角度は拡散が行われ易いように同じかより広いことが望ましい。
【0021】
以下、図2および図3を参照して、本実施形態の動作について詳細に説明する。図2及び図3は、本実施形態の撮像装置100の主ルーチンのフローチャートを示す。図2及び図3を用いて、撮像装置100の動作を説明する。電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し(S101)、画像表示部28の画像表示をOFF状態に初期設定する(S102)。
【0022】
モードダイアル60が撮影モードに設定されていたならば(S103)、S105に進む。モードダイアル60がその他のモードに設定されていたならば(S103)、システム制御回路50は選択されたモードに応じた処理を実行し(S104)、処理を終えたならばS103に戻る。
【0023】
システム制御回路50は、バウンスフラッシュスイッチ68の設定状態を調べ(S105)、バウンスフラッシュONに設定されていたならばバウンスフラッシュ・フラグを設定する(S106)。また、バウンスフラッシュOFFに設定されていたならば、バウンスフラッシュ・フラグを解除する(S107)。なお、バウンスフラッシュ・フラグの状態は、システム制御回路50の内部メモリに記憶する。
【0024】
システム制御回路50は、撮像した画像データを逐次表示するスルー表示状態に設定して(S108)、S109に進む。スルー表示状態においては、撮像素子14、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、画像表示メモリ24に逐次書き込まれたデータをメモリ制御回路22、D/A変換器26を介して画像表示部28により逐次表示する。このようにすることにより、電子ファインダ機能を実現している。シャッタースイッチ(SW1)62が押されていないならば(S109)、図2のS103に戻る。シャッタースイッチ(SW1)62が押されていたならば(S109)、S110に進む。システム制御回路50は、測距処理を行って撮影レンズ10の焦点を被写体に合わせ、測光処理を行って絞り値及びシャッター時間を決定する(S110)。測光処理において、被写体の輝度が閾値よりも低いと判断したり、被写体が逆光状態であると判断したりしたのであれば、フラッシュの設定も行う。シャッタースイッチ(SW2)64が押されずに(S111)、さらにシャッタースイッチ(SW1)62も解除されたならば(S112)、図2のS103に戻る。ここで、シャッタースイッチ(SW2)64が押されたならば(S111)、S113に進む。ここでは、システム制御回路50は、メモリ30に撮影した画像データを書き込む露光処理及びメモリ制御回路22、メモリ30に書き込まれた画像データを読み出して各種処理を行う現像処理からなる撮影処理を実行する(S113)。その際、必要に応じて画像処理回路20を用いる。このS113の撮影処理の詳細は図3を用いて後記する。
【0025】
システム制御回路50は、メモリ30に書き込まれた撮影画像データを読み出して、メモリ制御回路22、そして必要に応じて画像処理回路20を用いて各種画像処理を行い、また、圧縮・伸長回路32を用いて設定したモードに応じた画像圧縮処理を行なう。そして、システム制御回路50は、記録媒体200へ画像データの書き込みを行う記録処理を実行する(S114)。S114が終了すると、所定のミニマムレビュー時間が経過した後に(S115)システム制御回路50は、画像表示部28の表示状態をスルー表示状態に設定して(S116)、S117に進む。シャッタースイッチ(SW1)62が押された状態であったならば(S117)、システム制御回路50は、S111に戻って次の撮影に備える。シャッタースイッチ(SW1)62が放された状態であったならば(S117)、システム制御回路50は、一連の撮影動作を終えて図2のS103に戻る。
【0026】
図3は、図2のS113における撮影処理の詳細なフローチャートを示す。システム制御回路50は、システム制御回路50の内部メモリに記憶される測光データに従い、露光制御部40によって、絞り機能を有するシャッター12を絞り値に応じて開放して撮像素子14を露光する(S301、S302)。フラッシュ48が必要か否かを判断し(S303)、必要な場合はバウンスフラッシュ・フラグを確認する(S304)。バウンスフラッシュ・フラグを確認しバウンス撮影でなければ、トリガ選択部71により第1トリガ部72を選択し第1放電管75を発光させる(S305、S307)。第1放電管75は第1トリガ部72のトリガ信号により発光しメインコンデンサ77の充電電荷を発光制御部80により制御される制御素子74を介して放電する。また、バウンス撮影であればトリガ選択部71により第2トリガ部73を選択し第2放電管76を発光させる(S306、S307)。第2放電管76は、第2トリガ部73のトリガ信号により発光しメインコンデンサ77の充電電荷を発光制御部80により制御される制御素子74を介して放電する。フラッシュ48が必要か否かを判断し(S303)、必要でない場合はフラッシュ発光を行わず露光を行う。システム制御回路50は、測光データに従って撮像素子14の露光終了を待つ(S308)。そして、シャッター12を閉じて(S309)、撮像素子14から電荷信号を読み出し、メモリ30に撮影画像のデータを書き込む(S310)。その際、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、又はA/D変換器16から直接メモリ制御回路22を介して行われる。ここで、フラッシュ発光を行った場合では、システム制御回路50は、測光データに従って撮像素子14の露光終了を待つ。そして、露光が完了すれば、発光制御部80を介して制御素子74を停止させ第1放電管75又は第2放電管76の放電電流を停止して(S308)、シャッター12を閉じて(S309)露光を終了させる。
【0027】
次に、設定された撮影モードに応じて、フレーム処理を行う必要があるならば(S311)、システム制御回路50は、メモリ制御回路22を用いて、メモリ30に書き込まれた画像データを読み出して垂直加算処理を行う(S312)。その際、必要に応じて画像処理回路20を用いる。そして、色処理(S313)を順次行った後、メモリ30に処理を終えた画像データを書き込む。システム制御回路50は、メモリ30から画像データを読み出し、メモリ制御回路22を介して画像表示メモリ24に表示画像データの転送を行う(S314)。一連の処理を終えたならば、撮影処理ルーチンS113を終了する。
【0028】
本実施形態では、バウンスフラッシュモードで撮影する場合の実施形態について説明したが、近距離で撮影するマクロフラッシュモードのようなレンズのケラレや近距離のためフラッシュと撮影光軸のパララックスで影の影響が無視できないモードにも有効である。
【0029】
(第2の実施形態)
以下、添付図面を参照して本発明の第2の実施形態について詳細に説明する。図5において、第1の実施形態と異なる部分の構成を説明する。異なる構成はフラッシュ48の内部構成でありこの部分の説明を行う。フラッシュ48において、第1の実施形態と変更された箇所は、第1メインコンデンサ177と、第2メインコンデンサ178と、ダイオード179とである。システム制御回路50は、トリガ選択部71により、第1放電管75又は第2放電管76を発光させるための第1トリガ部72又は第2トリガ部73を選択的に駆動させる。システム制御回路50は、発光制御部80を介して制御素子74を制御することで第1放電管75又は第2放電管76の発光量を制御してフラッシュ調光を行う。昇圧部81は第1メインコンデンサ177及び第2メインコンデンサ178を昇圧した電圧にて充電する。第1放電管75の放電は第1メインコンデンサ177で行われ、第2放電管76の放電は第1メインコンデンサ177と第2メインコンデンサ178の両方が放電するように、ダイオード179が挿入されている。
【0030】
この図5に示すフラッシュ48は、バウンス撮影でなければトリガ選択部71により第1トリガ部72を選択し第1放電管75を発光させる。第1放電管75は第1トリガ部72のトリガ信号により発光し第1メインコンデンサ177の充電電荷を発光制御部80により制御される制御素子74を介して放電する。第1放電管75の放電は第1メインコンデンサ177の充電電荷のみで第2メインコンデンサ178の充電電荷はダイオード179が放電を阻止するため放電は行われない。また、バウンス撮影であればトリガ選択部71により第2トリガ部73を選択し第2放電管76を発光させる。第2放電管76は第2トリガ部73のトリガ信号により発光し第1メインコンデンサ177の充電電荷とダイオード179を介して第2メインコンデンサ178の充電電荷を発光制御部80により制御される制御素子74を介して放電する。ここで、第1放電管75と第2放電管76の放電電荷が異なるのは、バウンス撮影の場合には天井、壁又はレフ板(反射板)などに反射させるため光が拡散するので被写体を照明する光が一般フラッシュ撮影時のような直射光より光量が減少するためである。本実施形態では、上記の理由により一般的な撮影では第1メインコンデンサ177のみをバウンス時には第1メインコンデンサ177及び第2メインコンデンサ178両方の充電電荷を使用している。なお、上記の実施形態では撮像装置に発光部を備えたが、図6に示すように、第2発光部706及び第1発光部708をフラッシュ本体に配置することでも良い。また、バウンスフラッシュスイッチ704をフラッシュ本体に設けてもよく、カメラからのシューコンタクト702を介して通信により設定してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明は、静止画撮影する撮像装置に利用可能であり、具体的には、コンパクトカメラやビデオカメラなどに利用可能である。
【符号の説明】
【0032】
50 システム制御回路
68 バウンスフラッシュスイッチ
71 トリガ選択部
72 第1トリガ部
73 第2トリガ部
74 制御素子
75 第1放電管
76 第2放電管
77 メインコンデンサ
80 発光制御部
81 昇圧部
100 撮像装置
604 バウンスフラッシュスイッチ
606 第2発光部
608 第1発光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の放電管と、該放電管の各々を発光させるトリガ手段と、該各トリガ手段のいずれかを選択するトリガ選択手段と、撮影モードを選択する選択手段と、前記各放電管に直列に接続される一つの制御素子と、を備え、
該選択手段により選択された撮影モードに応じて、前記トリガ選択手段により前記各トリガ手段のいずれかを選択し、該選択されたトリガ手段によって前記放電管を発光させることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記選択手段により選択される撮影モードは、撮影画角に存在する被写体に向けて直接的に光を照射する一般フラッシュ撮影モードとバウンスフラッシュモードであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記選択手段により選択される撮影モードは、撮影画角に存在する被写体に向けて直接的に光を照射する一般フラッシュ撮影モードとマクロフラッシュモードであることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
前記バウンスフラッシュモード時に発光される光が、撮影の際の撮影画角に直接入射しないことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項5】
前記バウンスフラッシュモード時に発光される光の光量は、前記一般フラッシュ撮影モード時に発光される光の光量に比して同じ又は大きいことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項6】
前記バウンスフラッシュモード時に発光される光の照射角は、前記一般フラッシュ撮影モード時に発光される光の照射角に比して同じ又は広いことを特徴とする請求項2記載の撮像装置。
【請求項7】
複数の放電管と、該放電管の各々を発光させるトリガ手段と、該トリガ手段のいずれかを選択するトリガ選択手段と、撮影モードを選択する選択手段と、前記各放電管に直列に接続される一つの制御素子と、を備え、
該選択手段により選択された撮影モードに応じて、前記トリガ選択手段により前記各トリガ手段のいずれかを選択し、該選択されたトリガ手段によって前記放電管を発光させることを特徴とする撮像装置に具備されるフラッシュ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−266604(P2010−266604A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116734(P2009−116734)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】