説明

撮像装置

【課題】 ホワイトバランス補正を迅速に且つ高い精度で行うことができる撮像装置を提供する。
【解決手段】 GPS等の位置情報取得手段により取得した位置情報と時間情報とカメラ部の制御情報とを関連付けた履歴情報をカメラ内部に持つ。カメラの動作開始時にGPSからカメラの位置情報を取得し、取得した位置情報ならびに時間情報と対応する該履歴情報からホワイトバランスの初期値を算出してホワイトバランス制御に用いる。GPSから位置情報が取得できない場合は室内のホワイトバランス補正値を初期値とする。GPSからの位置情報が取得できて、カメラ内に対応する履歴情報が無い場合は屋外のホワイトバランス補正値を初期値とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はデジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に関し特にホワイトバランスの調整方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年GPSや携帯通信装置が大幅に小型化されており様々な機器に位置検出機能が付加され始めている。従来このようなGPS等に代表される位置検出装置を持ったデジタルカメラやビデオカメラ等のホワイトバランス調整方法に関し、位置検出装置から得たカメラの位置に対応してホワイトバランス等のカメラ制御を適切に行う提案として特許文献1、特許文献2のようなものがあった。
【0003】
この提案はGPSユニットによって得られる地球上の位置情報と日の出入り時刻、カメラで撮影を行う時刻の関係を基に夕焼け等の雰囲気を損なわないようなホワイトバランス補正をかけるというものである(特許文献1参照)。
この提案はカメラのシャッタ押下時にGPSセンサにより現在位置と日時を取得する。
【0004】
次にネットワークに接続された天気情報サーバにアクセスし、現在位置に対応する天気情報をサーバから受信する。その後受信した天気情報に基づいてカメラのホワイトバランス補正を行うというものである(特許文献2参照)。
【0005】
また過去の制御データを基に次回撮影時のカメラ制御を迅速に行う提案として特許文献3のようなものがあった。
【0006】
この提案はより迅速にホワイトバランスを補正するために過去に行ったホワイトバランスの補正データをもとに、過去の撮影時刻と現在の撮影時刻の差を考慮して最新の撮影画像に対するホワイトバランス補正データを決めるというものである(特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−339739号公報
【特許文献2】特開2003−244709号公報
【特許文献3】特開平10−290469号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前記従来例では次のような問題があった。すなわち特許文献1の従来例ではGPSにより得た撮影場所における日の出、日の入りに応じてホワイトバランスを補正しているが、撮影の状態では必ずしも期待通りの結果が得られない場合がある。例えば屋外の照明設備の付いた公園や競技場ではある程度暗くなると人口照明が使用されるが本従来例では太陽光の色温度を基準にしてホワイトバランスを補正している為、照明の色温度が太陽光と異なる場合には正確なホワイトバランスが取れないという問題があった。
【0008】
また、前記特許文献2の従来例では位置取得手段からの位置情報に対応して得られた天気情報によりホワイトバランスを補正している。この場合も前記特許文献1と同様に光源を太陽光と仮定して天候情報による補正を行っているため、被写体を照らす光源が天候とは無関係な人口照明である場合は正確なホワイトバランスが取れないという問題があった。また天気サーバーにアクセスして天気情報を得るのに手間がかかるという問題もあった。
【0009】
また、前記特許文献3の従来例では過去の撮影時刻と現在の撮影時刻の差が大きい場合には、これから撮影する被写体の画像データを新たに取り込んでホワイトバランス補正を行う必要があり、迅速にホワイトバランス補正を行えなえず過去のホワイトバランス補正データもあまり生かされないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する為に本発明は以下の手段を備える事を特徴とする。
【0011】
(1)被写体を撮像するカメラ部を持つ撮像装置と、撮像装置の位置情報を取得する位置情報取得手段とを有する撮像装置において、位置情報取得手段により取得した位置情報とカメラ部の制御情報とを関連付け履歴情報を作成する履歴情報作成手段と、履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、撮像装置の動作開始時にカメラ部制御に用いる初期値を前記位置情報と対応する該履歴情報から算出する初期値算出手段を持つことを特徴とする撮像装置。
【0012】
(2)被写体を撮像するカメラ部を持つ撮像装置と、撮像装置の位置情報を取得する位置情報取得手段とを有する撮像装置において、位置情報取得手段により取得した位置情報と時間情報とカメラ部の制御情報とを関連付け履歴情報を作成する履歴情報作成手段と、履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、撮像装置の動作開始時にカメラ部制御に用いる初期値を前記位置情報ならびに時間情報と対応する該履歴情報から算出する初期値算出手段を持つことを特徴とする撮像装置。
【0013】
(3)前記カメラ部の制御情報とはホワイトバランス制御情報、露出制御情報、レンズ制御情報のいずれかを含む事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0014】
(4)前記位置情報取得手段はGPS衛星からのGPS信号もしくは、GPS衛星からのGPS信号と地上からのDGPS信号用により位置情報を取得する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0015】
(5)前記位置情報取得手段は無線端末と無線端末位置情報サーバーにより構成される位置情報サービスシステムより位置情報を取得する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0016】
(6)前項5の無線端末とは携帯電話である事を特徴とする撮像装置。
【0017】
(7)前記位置情報取得手段はカメラ部による撮影が行われていない場合にも所定の時間間隔で位置情報を取得し、履歴情報を作成する際に最も新しく所得された位置情報に基づき履歴情報を作成する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0018】
(8)前記履歴情報記憶手段はカメラ部に内蔵されたメモリに記憶させる事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0019】
(9)前記撮像装置の撮影電源が投入された場合にカメラ部制御情報の初期値を算出する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0020】
(10)前記履歴情報作成手段はカメラ部による撮影が行われる毎に履歴情報を更新する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0021】
(11)前記履歴情報作成手段はカメラ部が連続した動画像を撮影した場合は、撮影期間のカメラ部制御情報の平均値をカメラ部制御情報の代表値として用い位置情報と関連付けて履歴情報を作成する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0022】
(12)前記履歴情報作成手段は位置情報取得手段により取得した位置情報を所定の距離範囲の領域に分類し、分類した領域毎に履歴情報を作成する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0023】
(13)前記履歴情報作成手段は位置情報取得手段により取得した位置情報を地図情報と比較し、取得した位置情報が地図上で競技場や公園等の施設区分内であった場合には、施設区分が含まれる領域で1つの履歴情報を作成する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0024】
(14)前記初期値算出手段は現在の撮影位置や場所区分に対応する履歴情報が履歴情報記憶手段に無い場合、現在の撮影位置にもっとも近い位置に対応する履歴情報参照してカメラ部制御情報の初期値を算出する事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0025】
(15)前記位置情報取得手段が位置情報を取得でき、かつ前記履歴情報に所定の距離以内の情報がない場合、太陽光のホワイトバランス補正値をホワイトバランス制御の初期値とする事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0026】
(16)前記位置情報取得手段が位置情報を取得できなかった場合には屋内光のホワイトバランス補正値をホワイトバランス制御の初期値とする事を特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0027】
(17)カメラ部から得た画像データからホワイトバランス補正値を演算した回数が所定回数以下の場合に該初期値算出手段が算出した初期値をホワイトバランス制御に用いることを特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0028】
(18)カメラ部から得た画像データからホワイトバランス補正値を演算した回数が所定回数以下の場合に該初期値算出手段が算出した初期値をホワイトバランス制御に用い、所定回数を上回った場合には前記画像データより演算したホワイトバランス補正値をホワイトバランス制御に用いることを特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【0029】
(19)カメラ部から得た画像データからホワイトバランス補正値を演算した回数が所定回数以下の場合に該初期値算出手段が算出した初期値をホワイトバランス制御に用い、所定回数を上回った回数に応じて該初期値から、前記画像データより演算したホワイトバランス補正値へと徐々に変化させた値をホワイトバランス制御に用いることを特徴とする前項1及び前項2に記載の撮像装置。
【発明の効果】
【0030】
本発明の撮像装置によれば、カメラ部の位置情報を取得する位置情報取得手段から取得した位置情報とカメラ部のホワイトバランス制御情報、もしくは取得した位置情報とカメラ部のホワイトバランス制御情報ならびに時間情報とを関連付け履歴情報記憶し、撮像装置の動作開始時におけるカメラ部ホワイトバランス制御情報の初期値を現在の位置情報と対応する該履歴情報により算出し初期値として出力するので迅速なホワイトバランス補正を行うことが可能となる。また過去の撮影データにおいて撮影場所と撮影時刻が同一の場合の撮影データを用いて初期値を出力するので前回の撮影から長い時間が経過した場合でも精度の高いホワイトバランス補正を行う事が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0032】
本発明の実施例1について説明する。
【0033】
図1は本発明が適用されるデジタルカメラ等に代表される撮像装置100の構成を示すブロック図である。本撮像装置は撮像された動画像データや静止画データをMPEG2方式やJPEG等の符号化形式で符号化し、メモリカードや光磁気ディスク等の記録媒体に対し記録再生を行うものである。
【0034】
まず本実施例の構成について説明する。図1において、被写体の光学像は101に示すバリアングルプリズム(以下、VAPと記す)により撮影者の手ぶれによる振動が光学的に補正される。次に102のズームレンズによりズームやフォーカス調整が行われる。そして絞り103にて光量が調節され、104のCCD上に結像される。CCDは105に示すタイミングジェネレータ(以下、TGと記す)にて所定のシャッター速度で駆動される。CCD104からの信号は106のA/D部で2重相関サンプリング(CDS)およびゲインコントロール(AGC)とA/D変換が行われる。ここで107はVAP101、ズームレンズ102、絞り103を駆動するドライブ回路である。108は撮像装置100の位置を検出する位置検出装置である。109は撮像装置100全体を統合的に制御するCPUである。110は撮像装置100に対し各種の操作を行うスイッチ類が含まれる操作部、111は106でA/D変換された画像データに対して色補間処理、γ補正や各色信号のレベル調整等の処理を行うカメラ信号処理部である。112はカメラ信号処理部で処理された画像データをMPEG2やJPEG等の符号化形式に従って符号化/復号化するCODEC部である。113は圧縮された画像データや音声データ、カメラ情報データ等の記録再生を行うI/F部、114はメモリカード等の記録媒体を含む記録部、115は撮像装置100の各ブロックが処理に用いるワークメモリ、116はLCD119の表示動作を制御する表示制御部、117は液晶パネル(LCD)を含む画像データの表示を行う表示部である。118はデジタルカメラ100の各ブロックの間で画像データや制御データの転送を行うためのシステムバスである。またCPU109内には撮像装置100におけるカメラ部(図1中101〜111)の各種制御を行うモジュールを有している。CPU109内のホワイトバランス制御部109aは光源の色温度に対応した白調整を行う為に画像信号の赤(R)、青(B)成分のレベルを調整するホワイトバランス実行値(Rgain、Bgain)を求めカメラ信号処理部111に出力する。露出制御部109bは絞りやCCDのシャッター速度、ゲインコントロールを制御して映像信号の露出レベルを制御する。露出制御信号はドライブ回路107、TG105、A/D部106に対して出力される。レンズ制御部109cはVAPレンズ101やズームレンズ102を制御し防振やフォーカス調整を行うレンズ制御信号をドライブ回路107に対して出力する。またメモリ115内には後述する本発明の特徴である履歴情報記憶部115aを有している。なお履歴情報記憶部115aは不揮発性のフラッシュメモリ、EEPROM等で構成される。
【0035】
図2は、位置検出装置108の概略構成を示すブロック図であり撮像装置の地球座標系の位置を検出する。図2に示すように、位置検出装置108は、GPS(GPS:Global PositioningSystem)ユニット108a、携帯電話通信網等を利用する無線通信ユニット108b、及びこれらのユニットとCPU109間のインターフェースを行うインターフェース部108cからなる。GPSユニット108aは、周知の通り、複数の衛星から送信される電波信号を受信し計測することによって、地球上の位置を特定する回路である。無線受信回路108bは、特定の無線基地から発せられる信号を受信し計測することで位置を特定したり、携帯電話通信網を利用した無線端末位置情報サーバーからの情報により位置を特定したりするものである。
【0036】
以下、本実施例の撮像装置100の動作について説明する。図3は撮像装置100ならびにCPU109の撮影時の動作を示すフローチャートである。なお本実施例では動作を解り易くする為にCPU109内における複数のカメラ部制御モジュールのうち特にホワイトバランス制御部109aに関する動作を例にとって説明する。
【0037】
まず撮像装置の撮影動作が開始されるとS301の処理にてホワイトバランス制御の初期値(Rgain_init,Bgain_init)を設定する処理を行う。次にS302にてホワイトバランスの演算回数をカウントするカウンタCount_wbをクリアする処理を行う。次にS303にて前述した位置情報検出手段(図1中108)から撮像装置の位置情報を取得する処理を行う。次にS304にて撮像装置の入力画像から赤(R),緑(G),青(B)の色成分を取り込む処理を行う。そして取り込まれた色成分を基にS305にてホワイトバランス演算値を算出する処理を行う。ここでは入力された色成分から各色成分の比率R/G、B/Gや色差成分R−Y、B−Y、輝度成分Y等を算出し、それらの値から画像が適正なカラーバランスとなるようホワイトバランス演算値(Rgain_new、Bgain_new)を算出する。ここでRgain_newとは赤(R)信号レベルを調整する補正値であり、Bgain_newは青(B)信号レベルを調整する演算値である。1回のホワイトバランス演算値算出処理が終了するとS306の処理にてホワイトバランス演算回数をカウントするカウンタCount_wbをインクリメントする。次にS307の処理ではS305にて算出されたホワイトバランス演算値(Rgain_new、Bgain_new)とS301で設定されたホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)を用いて最終的にホワイトバランス制御に使用するホワイトバランス実行値(Rgain、Bgain)を設定する処理を行う。なおここで設定されたホワイトバランス実行値(Rgain、Bgain)は前述したように図1のカメラ信号部111に出力され画像信号の赤(R)、青(B)の信号レベルが調整される。カメラ信号処理部111で処理された画像信号はシステムバス118を経由して表示部117に表示されるので撮影者が画角を設定したり被写体の露出レベルを確認したりする事が可能である。
【0038】
S303〜S307に示した一連の処理はS308にてループ動作を形成する。S308は記録を開始するレリーズスイッチの押下を監視する割り込み処理である。撮像装置のレリーズスイッチが押下されない場合は再びS303の処理に戻るがS303〜S307の処理中にレリーズスイッチが押下されるとそれに伴う割り込み信号によって直ちにS309の処理に移行し画像をキャプチャし記録する動作が開始される。そしてレリーズスイッチが押下されたと判断された直後のS309の処理ではS305の処理と同様の処理を行う。これは撮影動作開始直後にS305〜307の処理を一度も行う事なくレリーズスイッチ押下により割り込み処理が発生した場合にもカメラ信号処理部111に対しホワイトバランス実行値を出力する為である。次にS310の処理では画像データを図1のメモリ115へキャプチャする処理を行う。キャプチャされた画像データは続くS311の処理で図1のCODEC部112により圧縮処理される。圧縮された画像データはS312の処理で図1の114に示す記録媒体へ記録される。その後処理はS313に移行しホワイトバランス制御情報と位置情報を関連付けた履歴情報を作成し、図1のメモリ115内の履歴情報記憶部115aへ蓄積させる処理を行う。S313で履歴情報の蓄積を終えるとS314にて撮影動作を継続するか否かを判断する。撮影動作を継続する場合は再びS303に移行する。ここで電源オフや再生モードへの移行が要求された場合は撮影動作を終了する。
【0039】
次に前述したS313における履歴情報作成処理、S301における初期値設定処理、S307並びにS309におけるホワイトバランス実行値設定処理について順に詳しく説明する。
【0040】
まずS313の処理で作成される履歴情報について詳細に説明する。図4は本発明の撮像装置によって撮影された地点を示す図である。撮影地点P401の経度をxxx1、緯度をyyy1、同様に撮影地点P402の経度をxxx2、緯度をyyy2、撮影地点P403の経度をxxx3、緯度をyyy3とする。この場合に作成されたホワイトバランスの履歴情報を図5に示す。各々の撮影位置に対応して最大n組のホワイトバランス実行値Rgain_1〜Rgain_n、Bgain_1〜Bgain_nが履歴データとして記憶されている。この場合の最大記憶個数nはシステムのメモリ容量に応じて適時変更しても良い。本実施例では同じ地点で画像記録動作が行われる度に新たなホワイトバランス実行値を対応する位置の履歴情報として記憶する。また撮像装置が動画像の記録動作を行った場合には、動画像撮影中のホワイトバランス実行値の平均値を対応する位置の履歴情報として記憶する。すでに記憶しているホワイトバランス実行値の個数が最大値のn組に達している場合は一番過去に得られたデータを破棄して最新のデータを追加する処理を行う。また、これらn組のホワイトバランス実行値の平均値を演算しそれぞれAVR_Rgain_1、AVR_Bgain_1として記憶する。撮影地点P402、P403の履歴情報についても同様に平均値を演算しAVR_Rgain_2、AVR_Bgain_2およびAVR_Rgain_3、AVR_Bgain_3として記憶する。また図4のA401で示すように最初に撮影された地点P401を中心として所定の距離内の領域で撮影されたデータはP401の位置データを代表位置データとして履歴情報に記録する。例えば新たに図4のP404で示した位置で撮影された場合、その時点のホワイトバランス実行値はP402(緯度xxx2、経度yyy2)で撮影されたデータとして履歴情報に記録する。このようにある地点から所定の距離内の領域に含まれるデータを1つの地点の代表位置データを用いて記録する事により殆んど同じ位置のデータを各々区別して履歴情報として保持する必要がなくなるのでデータの検索や管理を容易にする事が可能となる。また図4ではA401に示すように縦横が同じ100mの距離範囲のデータを1つの位置データとしてまとめているが形は必ずしも正方形でなくても良くP401を中心とした円形の範囲としても良い。また図6に示すように撮影地点P601の位置データ(xxx6、yyy6)と実際の地図データを参照し、P601が競技場内であった場合には図6のA601に示すように競技場全体が収まるような領域内のデータを1つの位置データとしてまとめるようにしてもよい。このように同じ施設内での制御データをまとめる事により、例えば競技場でのナイター観戦のように人口照明下での撮影を多く行っている場合にもその施設の照明に対応したホワイトバランス制御データを履歴情報としてまとめることが可能となる。また新たに画像を撮影した地点の位置データが履歴情報の中のどの領域にも当てはまらない場合は、その地点の位置データを代表位置として履歴情報を作成する動作を行う。
【0041】
次にS301の初期値設定処理について詳細に説明する。図7は初期値設定処理S301の詳細を示したフローチャートである。まずS301_1の処理で位置情報検出手段(図1中108)から撮像装置の位置情報を取得する処理を行う。次にS301_2の処理で位置情報が取得できたか否かを判定する。位置情報を取得する事ができた場合にはS301_3の処理に移行し取得した位置情報に対応する履歴情報を検索する。S301_4では取得された位置データが含まれる代表位置を持つ履歴情報があるかどうかを判定する。履歴情報があった場合はS301_5に移行し取得した位置情報に対応する履歴情報中のホワイトバランス平均値(AVR_Rgain_n,AVR_Bgain_n)をホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)として設定する処理を行う。これを式で表すと式1のようになる。
【0042】
Rgain_init=AVR_Rgain_n
Bgain_init=AVR_Bgain_n (式1)
式1右辺の“n”とは位置データに対応した番号である。例えば取得した位置データが図4中P404の場合、対応する履歴情報は図5において代表位置(xxx2、yyy2)に対応して記憶されている平均値(AVR_Rgain_2,AVR_Bgain_2)のデータが初期値に設定される。
【0043】
一方S301_2の処理にて位置情報が取得できなかった場合にはS301_6の処理に移行し室内光に相当するホワイトバランス補正値(Rgain_indoor、Bgain_indoor)をホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)に設定する処理を行う。これを式で表すと式2のようになる。
【0044】
Rgain_init=Rgain_indoor
Bgain_init=Bgain_indoor (式2)
式2の右辺のホワイトバランス補正値は例えば白熱灯や蛍光灯のような室内光に相当する値を別途求めておきメモリ内に記憶させておくようにする。位置情報が取得できなかった場合に室内光のホワイトバランス補正値を代入する理由はGPSシステムで位置情報が取得できない場合は天空のGPS衛星からの電波を受信できない場合が多い。すなわち上方が屋根等に覆われた室内である可能性が高い為である。
【0045】
またS301_4の処理にて取得された位置データが含まれる代表位置を持つ履歴情報が無いと判断された場合にはS301_7の処理に移行し太陽光に相当するホワイトバランス補正値(Rgain_outdoor、Bgain_outdoor)をホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)に設定する処理を行う。これを式で表すと式3のようになる。
【0046】
Rgain_init=Rgain_outdoor
Bgain_init=Bgain_outdoor (式3)
式3の右辺のホワイトバランス補正値は太陽光、すなわち屋外光に相当する値を別途求めておきメモリ内に記憶させておいて用いるようにする。この理由はGPSシステムで位置情報は取得できているので上方が屋根等に覆われていない屋外である可能性が高い為である。
【0047】
次にS307並びにS309におけるホワイトバランス実行値設定処理について詳細に説明する。図8はホワイトバランス実行値設定処理(S307、S309)の詳細を示したフローチャートである。まずS307_1の処理で前述したホワイトバランスの演算回数をカウントするカウンタCount_wbの値と演算回数のスレッシュ値th_wbとを比較する処理を行う。スレッシュ値th_wbと比較する効果について説明する。一般的なホワイトバランス制御の場合、所望の画角の画像において安定したホワイトバランス演算値を得るには画像データを数回取り込みホワイトバランス演算を繰り返す必要がある。スレッシュ値th_wbにホワイトバランス演算値が安定する演算回数を設定し、Count_wbの値がスレッシュ値th_wbを上回った場合のホワイトバランス演算値を用いることで安定した演算値を用いることが可能になる。またCount_wbの値がスレッシュ値th_wbよりも小さい場合はホワイトバランス演算値がまだ安定していないと考えられる。そのような場合は過去に同じ場所で撮影した履歴情報から得られたホワイトバランス初期値を用いることで誤差の少ないホワイトバランス補正を行う事が可能となる。すなわちS307_1でCount_wbの値がスレッシュ値th_wbを上回ったと判断された場合はS307_3の処理に移行し安定したホワイトバランス演算値(Rgain_new、Bgain_new)をホワイトバランス実行値(Rgain、Bgain)に設定する処理を行う。これを式で表すと式4のようになる。
【0048】
Rgain=Rgain_new
Bgain=Bgain_new (式4)
またS307_1の処理にてスレッシュ値th_wbよりも少ないと判断された場合にはS307_2に移行し図3の301(図7で動作の詳細を説明)で得られたホワイトバランス初期値(Rgain_init、Bgain_init)をホワイトバランス実行値(Rgain、Bgain)に設定する処理を行う。これを式で表すと式5のようになる。
【0049】
Rgain=Rgain_init
Bgain=Bgain_init (式5)
以上説明した動作とする事により撮像装置の撮影動作が開始され、図3の305のホワイトバランス補正値演算処理が所定回数(th_wb)以上実行される以前にレリーズスイッチが押下された場合、S309の処理の内部では図7に示すようにth_wbと比較され、Count_wbはth_wbより小さいと判断される。その結果、処理はS307_2に移行するので式5に示すようにホワイトバランス初期値(Rgain_init、Bgain_init)がホワイトバランス実行値(Rgain、Bgain)として用いられる。
【0050】
また撮像装置の撮影動作が開始されて所定時間経過した後、すなわち図3の305のホワイトバランス補正値演算処理が所定回数(th_wb)以上実行された後にレリーズスイッチが押下された場合、S309の処理の内部では図7に示すようにth_wbと比較され、Count_wbはth_wbより大きいと判断される。その結果、処理はS307_3に移行するので式4に示すようにホワイトバランス演算値(Rgain_new、Bgain_new)がホワイトバランス実行値(Rgain、Bgain)として用いられる。
【0051】
よって撮影動作開始直後であっても過去に同じ場所で撮影した履歴情報から得られたホワイトバランス初期値を用いる事ができるので誤差の少ないホワイトバランス補正を迅速に行う事が可能となる。また動作開始時のGPSの受信状態によって屋外屋内の判断を行っているので撮影環境に応じたホワイトバランス補正を迅速に行う事も可能となる。
【0052】
なお本実施例ではS301の初期値設定処理において取得された位置データを含む所定の領域毎に履歴情報を検索し、取得した位置データが含まれる代表位置を持つ履歴情報が無いと判断された場合には太陽光に相当するホワイトバランス補正値を用いているが、もし撮像装置内に複数の位置に対応する履歴情報を保持している場合には取得した位置データに最も近い代表位置を持つ履歴情報を用いてホワイトバランス初期値を設定するようにしても良い。
【0053】
また本実施例では位置情報の検出を撮影動作が開始された場合に行っているが、位置検出動作は特に撮影動作中でなくても良く、タイマーにより定期的に位置情報の検出を行うようにしても良い。
【0054】
また本実施例では図5に示すように履歴情報を代表する値として平均値を用いているが、領域内のホワイトバランス制御データの履歴情報を代表する値であれば良いので特に平均値でなくとも良い。例えばホワイトバランス制御データを大きさの順で並べて中央の順位にある中央値(メディアン値)、同じ大きさでグループ分けした時の最も頻度の多い最頻値(モード値)等を用いても良い。
【0055】
また本実施例ではホワイトバランス制御を代表例として説明したが撮影位置に対応した制御が必要なものであれば特にホワイトバランス制御に限られるものではない。すなわちカメラの露出制御やフォーカス制御に応用しても良い。
【実施例2】
【0056】
以下、本発明の実施例2について説明する。
【0057】
本実施例における撮像装置100の構成、ならびにCPU109の撮影時の概要動作は第1の実施例の図1〜図3と同様なので説明を省略する。本実施例の特徴は図3中のS313における履歴情報作成処理、S301における初期値設定処理、S307並びにS309におけるホワイトバランス実行値設定処理にある。
【0058】
まず本実施例のS313の処理で作成されるホワイトバランスの履歴情報を図9に示す。第1の実施例との差異は履歴情報に時間情報が追加された点にある。図9に示すように撮影地点に対応するホワイトバランス補正値を撮影した時刻毎に分類して記憶する。このように時間毎に履歴情報を記憶している場合のS301における初期値設定処理について図9を用いて説明する。図10は本実施例での初期値設定処理S301の詳細を示したフローチャートである。
【0059】
まずS301_1dの処理で位置情報検出手段(図1中108)から撮像装置の位置情報を取得する処理を行う。次にS301_2dの処理で位置情報が取得できたか否かを判定する。位置情報を取得する事ができた場合にはS301_3dの処理に移行し取得した位置情報に対応する履歴情報を検索する。S301_4dでは取得された位置データが含まれる代表位置を持つ履歴情報があるかどうかを判定する。履歴情報があった場合はS301_5dに移行し現在の時刻情報の取得を行う。時刻情報は撮像装置本体に内蔵されているタイマーや位置検出に関する信号中の時間情報等を用いる。時刻情報の取得を終えるとS301_6dにて履歴情報の中に取得した時刻に対応する履歴情報があるかどうかを判定する。対応する履歴情報がある場合はS301_7dに移行し、取得した位置情報と時間情報に対応する履歴情報中のホワイトバランス平均値(AVR_Rgain_n_m,AVR_Bgain_n_m)をホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)として設定する処理を行う。これを式で表すと式6のようになる。
【0060】
Rgain_init=AVR_Rgain_n_m
Bgain_init=AVR_Bgain_n_m (式6)
式6右辺の“n”とは位置データに対応した番号であり“m”とは時刻に対応した番号である。例えば取得した位置データが図4中P401で、時刻情報が10:00の場合、対応する履歴情報は図9において代表位置(xxx1、yyy1)、時刻情報が10:00に対応して記憶されている平均値(AVR_Rgain_1_6,AVR_Bgain_1_6)のデータが初期値に設定される。
【0061】
S301_6dにて履歴情報の中に取得した時刻に対応する履歴情報が無いと判定された場合はS301_7dに移行し、取得した時間情報に最も近い時間のホワイトバランス平均値(AVR_Rgain_n_m‘,AVR_Bgain_n_m‘)をホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)として設定する処理を行う。これを式で表すと式7のようになる。
【0062】
Rgain_init=AVR_Rgain_n_m‘
Bgain_init=AVR_Bgain_n_m‘ (式7)
例えば取得した位置データが図4中P401で、時刻情報が15:50の場合、対応する履歴情報は図9において存在しないので、最も近い時間の16:00〜16:59に対応して記憶されている平均値(AVR_Rgain_1_8,AVR_Bgain_1_8)のデータが初期値に設定される。一方S301_2dの処理にて位置情報が取得できなかった場合にはS301_9dの処理に移行し第1の実施例と同様に室内光に相当するホワイトバランス補正値(Rgain_indoor、Bgain_indoor)をホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)に設定する処理を行う。またS301_4dの処理にて取得された位置データが含まれる代表位置を持つ履歴情報が無いと判断された場合にはS301_10dの処理に移行し第1の実施例と同様に太陽光に相当するホワイトバランス補正値(Rgain_outdoor、Bgain_outdoor)をホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)に設定する処理を行う。
【0063】
次に本実施例におけるS307並びにS309におけるホワイトバランス実行値設定処理について詳細に説明する。図11はホワイトバランス実行値設定処理(S307、S309)の詳細を示したフローチャートである。まずS307_1dの処理では第1の実施例と同様にホワイトバランスの演算回数をカウントするカウンタCount_wbの値と演算回数のスレッシュ値th_wbとを比較する処理を行う。S307_1dでCount_wbの値がスレッシュ値th_wbを上回ったと判断された場合はS307_3dの処理に移行しカウンタ値Count_wbとスレッシュ値th_wbの差分をMで除算する処理を行う。除算した値は変数Kに代入する。これを式で表すと式8のようになる。
【0064】
K=(Count_wb−th_wb)/M (式8)
(ただしKの最大値は1まで)
すなわち演算回数がスレッシュ値th_wbを上回るにつれKの値は0から1に徐々に近づいていく。ここでMは任意の定数でよい。例えばMが60の場合は演算回数がスレッシュ値th_wbを上回るにつれてKの値は0から序所に増加し、スレッシュ値th_wbを60回上回った時にKの値が1となる。
【0065】
次にS307_4dの処理ではKの値を用いてホワイトバランス演算値(Rgain_new、Bgain_new)とホワイトバランス初期値(Rgain_init、Bgain_init)を加算する処理を行う。これを式で表すと式9のようになる。
Rgain=K×Rgain_new + (1−K)×Rgain_init
Bgain=K×Bgain_new + (1−K)×Bgain_init (式9)
式9に示すように演算回数の増加に応じて0〜1に徐々に変化するKの値に応じてのホワイトバランス演算値とホワイトバランス初期値を加算する事により、演算回数がスレッシュ値th_wbを上回るにつれてホワイトバランス実行値(Rgain、Bgain)をホワイトバランス初期値からホワイトバランス演算値へと徐々に変化させる事が可能となる。図11に示したホワイトバランス実行値設定処理とする事により、過去に同じ場所で撮影した履歴情報から得られたホワイトバランス初期値(Rgain_init,Bgain_init)と実際に画像データを取り込んで演算したホワイトバランス演算値(Rgain_new、Bgain_new)の差が大きくなってしまった場合にホワイトバランス実行値が急激に変化する事を防止する事が可能になる。すなわちこのように制御することで特に撮像装置が連続した動画像を撮影している場合に画像のホワイトバランスの急激な変化を防止する事が可能となる。
【0066】
また図9、図10で示したように時間情報も加味した履歴情報を作成し、撮影時刻に対応した初期値情報設定処理を行う事により、撮影動作開始直後であっても過去に同じ場所かつ同様の時間帯に撮影した履歴情報から得られたホワイトバランス初期値を用いるので誤差の少ないホワイトバランス補正を迅速に行う事が可能となる。
【0067】
また、本形態では画像データのカメラ信号処理、符号化、復号化処理等をハード構成にて実現したが、コンピュータを用いたソフトウェア処理にて実現してもよい。この場合、前記ソフトウェアのプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記憶媒体としては、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0068】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施の形態で説明機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等の共同して上述の実施の形態で示した機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0069】
更に、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】本発明が適用されるデジタルカメラの構成を示すブロック図である。
【図2】位置検出装置の構成を示すブロック図である。
【図3】デジタルカメラの記録時の動作を示すフローチャートである。
【図4】位置情報と位置情報を分類する領域を示す図である。
【図5】位置情報により分類されたホワイトバランスの履歴情報の構成を示す図である。
【図6】施設区分と位置情報を分類する領域を示す図である。
【図7】ホワイトバランス初期値設定の動作を示すフローチャートである。
【図8】ホワイトバランス実行値設定の動作を示すフローチャートである。
【図9】位置情報と時間情報によって分類されたホワイトバランスの履歴情報の構成を示す図である。
【図10】第2の実施例におけるホワイトバランス初期値設定の動作を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施例におけるワイトバランス実行値設定の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0071】
100 :デジタルカメラ
101 :VAP
102 :ズームレンズ
103 :絞り
104 :CCD(撮像素子)
105 :タイミングジェネレータ
106 :A/D変換部
107 :ドライブ回路
108 :位置検出装置
109 :CPU
109a:ホワイトバランス制御部
109b:露出制御部
109c:レンズ制御部
110 :操作部
111 :カメラ信号処理部
112 :CODEC
113 :I/F部
114 :記録部
115 :メモリ
115a:履歴情報記憶部
116 :表示制御部
117 :表示部(LCD)
118 :システムバス
108a:GPSユニット
108b:無線通信ユニット
108c:I/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮像するカメラ部を持つ撮像装置と、撮像装置の位置情報を取得する位置情報取得手段とを有する撮像装置において、位置情報取得手段により取得した位置情報とカメラ部の制御情報とを関連付け履歴情報を作成する履歴情報作成手段と、履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、撮像装置のカメラ部制御に用いる初期値設定時の位置情報に対応する該履歴情報から前記初期値を算出する初期値算出手段を持つことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
被写体を撮像するカメラ部を持つ撮像装置と、撮像装置の位置情報を取得する位置情報取得手段とを有する撮像装置において、位置情報取得手段により取得した位置情報と時間情報とカメラ部の制御情報とを関連付け履歴情報を作成する履歴情報作成手段と、履歴情報を記憶する履歴情報記憶手段と、撮像装置のカメラ部制御に用いる初期値設定時の位置情報ならびに時間情報と対応する該履歴情報から前記初期値を算出する初期値算出手段を持つことを特徴とする撮像装置。
【請求項3】
前記カメラ部の制御情報とはホワイトバランス制御情報、露出制御情報、レンズ制御情報のいずれかを含む事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記位置情報取得手段はGPS衛星からのGPS信号もしくは、GPS衛星からのGPS信号と地上からのGPS補助信号により位置情報を取得する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記位置情報取得手段は無線端末と無線端末位置情報サーバーにより構成される位置情報サービスシステムより位置情報を取得する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項6】
請求項5の無線端末とは携帯電話である事を特徴とする撮像装置。
【請求項7】
前記位置情報取得手段はカメラ部による撮影が行われていない場合にも所定の時間間隔で位置情報を取得し、履歴情報を作成する際に最も新しく所得された位置情報に基づき履歴情報を作成する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記履歴情報記憶手段はカメラ部に内蔵されたメモリに記憶させる事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮像装置の電源が投入された場合にカメラ部制御情報の初期値を算出する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記履歴情報作成手段はカメラ部による撮影が行われる毎に履歴情報を更新する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項11】
前記履歴情報作成手段はカメラ部が連続した動画像を撮影した場合は、撮影期間のカメラ部制御情報の平均値をカメラ部制御情報の代表値として用い位置情報と関連付けて履歴情報を作成する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項12】
前記履歴情報作成手段は位置情報取得手段により取得した位置情報を所定の距離範囲の領域に分類し、分類した領域毎に履歴情報を作成する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記履歴情報作成手段は位置情報取得手段により取得した位置情報を地図情報と比較し、取得した位置情報が地図上で競技場や公園等の施設区分内であった場合には、施設区分が含まれる領域で1つの履歴情報を作成する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記初期値算出手段は現在の撮影位置や場所区分に対応する履歴情報が履歴情報記憶手段に無い場合、現在の撮影位置にもっとも近い位置に対応する履歴情報参照してカメラ部制御情報の初期値を算出する事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項15】
前記位置情報取得手段が位置情報を取得でき、かつ前記履歴情報に所定の距離以内の情報がない場合、太陽光のホワイトバランス補正値をホワイトバランス制御の初期値とする事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項16】
前記位置情報取得手段が位置情報を取得できなかった場合には屋内光のホワイトバランス補正値をホワイトバランス制御の初期値とする事を特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項17】
カメラ部から得た画像データからホワイトバランス補正値を演算した回数が所定回数以下の場合に該初期値算出手段が算出した初期値をホワイトバランス制御に用いることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項18】
カメラ部から得た画像データからホワイトバランス補正値を演算した回数が所定回数以下の場合に該初期値算出手段が算出した初期値をホワイトバランス制御に用い、所定回数を上回った場合には前記画像データより演算したホワイトバランス補正値をホワイトバランス制御に用いることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。
【請求項19】
カメラ部から得た画像データからホワイトバランス補正値を演算した回数が所定回数以下の場合に該初期値算出手段が算出した初期値をホワイトバランス制御に用い、所定回数を上回った回数に応じて該初期値から、前記画像データより演算したホワイトバランス補正値へと徐々に変化させた値をホワイトバランス制御に用いることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2005−328271(P2005−328271A)
【公開日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−143751(P2004−143751)
【出願日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】