説明

撮像装置

【課題】発光部の温度上昇による発光停止状態をなくし、撮影者が意図したタイミングでストロボ撮影を行うことが可能な撮像装置を提供する。
【解決手段】外部ストロボ120と、内蔵ストロボ121と、ストロボ制御部119と、MPU101とを備える。ストロボ制御部119は、外部ストロボ120を発光させる。MPU101は、外部ストロボ120が発光禁止温度以上になったか否か判定し、発光禁止温度以上になったと判定した場合に、内蔵ストロボ121に切り替える。ストロボ制御部119は、内蔵ストロボ121を発光させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストロボの発光部の温度上昇を抑制するストロボ発光制御に特徴のある撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置において、ストロボ発光、特に、連続発光を行うと、発光部(フレネルレンズ)が発光によって温度上昇してしまう。
【0003】
上記温度上昇対策として、特許文献1では、発光部が温度上昇した場合には、警告表示を行う技術を提案している。
【0004】
また、特許文献2では、発光部が温度上昇した場合には、連続発光を行わないように充電時間を操作する技術を提案している。
【0005】
また、特許文献3では、発光部が温度上昇した場合には、発光を禁止させる技術を提案している。
【特許文献1】米国特許第5640070号明細書
【特許文献2】特開平10−206941号公報
【特許文献3】特開2001−066675号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術のうち、特許文献1のような発光部温度上昇を警告する技術においては、発光を止めるか否かはユーザー任せである。
【0007】
また、発光部温度上昇の際に、特許文献2のような連続発光を行わないように充電時間を操作する技術、及び特許文献3のような発光を禁止する技術においては、実際にストロボ撮影したい時に撮影ができず、シャッターチャンスを逃してしまう可能性がある。
【0008】
本発明の目的は、発光部の温度上昇による発光停止状態をなくし、撮影者が意図したタイミングでストロボ撮影を行うことが可能な撮像装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1記載の撮像装置は、第1の発光手段と、第2の発光手段と、ストロボ撮影時に前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段のいずれかを発光させる発光制御手段と、前記第1の発光手段が発光禁止温度以上になったか否か判定する判定手段とを備え、前記発光制御手段は、ストロボ撮影時に発光させる発光手段が前記第1の発光手段に設定されていて前記判定手段により前記第1の発光手段が前記発光禁止温度以上になったと判定された場合に、ストロボ撮影時に発光させる発光手段を前記第2の発光手段に切り替えることを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の撮像装置は、第1の発光手段と、第2の発光手段と、前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段を発光させる発光制御手段と、前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段の少なくとも一方が発光禁止温度以上になったか否か判定する判定手段とを備え、前記発光制御手段は、前記判定手段により前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段のいずれかが前記発光禁止温度以上になったと判定された場合に、ストロボ撮影時に前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段のうち前記発光禁止温度以上になっていない発光手段を発光させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の撮像装置によれば、発光部の温度上昇による発光停止状態をなくし、撮影者が意図したタイミングでストロボ撮影を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
但し、本実施の形態において例示される構成部品の寸法、形状、それらの相対配置等は、本発明が適用される撮像装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明がそれらの例示に限定されるものではない。
【0014】
図1は、本発明の実施の形態に係る撮像装置のブロック図である。
【0015】
図1において、マイクロコントローラ(MPU)101は、撮影シーケンス等システムを制御する。タイミング信号発生回路102は、撮像素子103を動作させるために必要なタイミング信号を発生する。
【0016】
CCDやCMOS等の撮像素子103は、被写体からの反射光を電気信号に変換する。A/D変換器104は、アナログ画像データをデジタル画像データに変換する。メモリコントローラ105は、メモリの読み書きやバッファメモリ106のリフレッシュ動作等を制御する。
【0017】
画像表示部107は、バッファメモリ106に蓄えられた画像データを表示する。記録媒体I/F108は、記録媒体109との接続のためのインターフェースである。記録媒体109は、メモリカードやハードディスク等で構成される。
【0018】
EEPROM110は、MPU101が撮像装置動作を制御する際に使用する調整データ等を書き込み、また、その保存しているデータの読み出しを行う。
【0019】
モータ制御回路111は、露出動作時にMPU101からの信号に従って不図示のモータを制御することにより、不図示のミラーのアップ・ダウンやシャッターのチャージを行わせる。
【0020】
シャッター制御回路112は、MPU101からの信号に従って、不図示のシャッター先幕、シャッター後幕の通電をカットし幕走行させ、露出動作を制御する。
【0021】
測光回路113、画面内を複数のエリアに分割した多分割測光センサ114は、シリコンフォトダイオード等の受光素子と、受光素子で発生した光電流を増幅するアンプ等から構成されている集積回路である。
【0022】
この多分割測光センサ114の受光部は、撮像素子やフィルム等の感光部材の画面とほぼ同一の範囲の光を受光するように配置されており、光が当たると所定の光電流を発生する。光電流の出力は、公知の対数圧縮増幅器を経て、順次、MPU101に送信される。
【0023】
MPU101は、各々の素子からの出力をA/D変換器118により変換することで、撮影範囲各部の輝度をデジタル値として扱い、撮影の露出調節のための絞り値の演算とシャッター速度の演算を行う。
【0024】
また、ストロボ使用時には、被写体へ向けて予備発光されていない定常状態と予備発光されている状態の双方の状態において、多分割測光センサ114は、輝度信号をMPU101に出力する。
【0025】
MPU101は、この輝度信号をA/D変換器118によりデジタル値に変換し、ストロボ撮影の露出調節のための絞り値の演算とシャッター速度の演算及び露光時のストロボメイン発光量の演算を行う。
【0026】
レンズ制御回路115は、不図示のレンズマウント接点を介してMPU101と通信し、不図示のレンズ駆動モータ及びレンズ絞りモータを動作させ、レンズの焦点調節と絞りを制御している。
【0027】
焦点検出回路116は、AF(オートフォーカス)のための被写体に対するデフォーカス量を検出する機能を有する。
【0028】
スイッチSW1は、不図示のレリーズボタンの第1ストロークでONし、測光及びAFを開始させる。スイッチSW2は、レリーズボタンの第2ストロークでONし、露光動作を開始させる。
【0029】
SW1、SW2及びその他不図示の撮像装置の操作部材である単写/連写/セルフタイマー設定スイッチ、絞り設定スイッチ、シャッター速度設定スイッチ、内蔵ストロボポップアップスイッチ等の各スイッチの信号は、スイッチセンス回路117が検出する。スイッチセンス回路117は、検出したスイッチの信号をMPU101に送る。
【0030】
ストロボ制御部119は、発光パターンや発光輝度、発光時間等の発光処理を行う。また、ストロボ制御部119は、ストロボ撮影時に撮像装置に着脱可能な外部ストロボ(発光部)120と内蔵ストロボ(発光部)121のどちらを使用するか、外部ストロボ120と内蔵ストロボ121を同時に使用するか等の制御も行う。
【0031】
ここで、外部ストロボ120は第1の発光手段として、また、内蔵ストロボ121は第2の発光手段として機能する。
【0032】
次に、本撮像装置のストロボ発光制御処理の動作について図1〜図4に沿って詳細に説明する。
【0033】
(第1の実施の形態)
図2は、図1の撮像装置によって実行されるストロボ発光制御処理の第1の実施の形態の手順を示すフローチャートである。尚、ストロボ撮影時に外部ストロボ120と内蔵ストロボ121のどちらを使用するかは撮影者が設定可能であり、本実施の形態は、ストロボ撮影時には外部ストロボ120を発光させる設定であるものとする。
【0034】
本処理は、図1におけるMPU101の制御の下に実行される。
【0035】
図2において、ステップS101で、スイッチセンス回路117のSW1をONすると、撮影待機状態となり、ステップS102のレリーズ判定状態へ移行する。SW1をOFFすることで本処理が終了となる。
【0036】
ステップS102では、MPU101は、スイッチセンス回路117のSW2の状態を検出し、ONであればステップS103へ移行し、OFFの場合はステップS101へ帰還する。
【0037】
ステップS103では、MPU101は、ストロボ制御部119を制御し、外部ストロボ120で予備発光を行う。そして、被写体へ向けて予備発光されていない定常状態と予備発光されている状態の双方の状態において、多分割測光センサ114によって輝度信号をMPU101に出力する。
【0038】
MPU101は、この輝度信号をA/D変換器118によりデジタル値に変換し、ストロボ制御部119にて、ストロボ撮影の露出調節のための絞り値の演算と、シャッター速度の演算及び露光時のストロボメイン発光量の演算を行う。ストロボメイン発光量はMPU101内蔵のRAMに記憶する。
【0039】
尚、メイン発光が上記のような撮像装置が自動で制御する調光方式でなく、予め決められた発光量で発光を行うマニュアル発光の場合は、上記演算は行わず、所定発光量をそのままMPU101内蔵のRAMに記憶する。
【0040】
ステップS104では、MPU101は、モータ制御回路111とシャッター制御回路112で不図示のミラーのアップやシャッター先幕の通電のカットを行い、先幕走行の制御を開始して露光状態とし、外部ストロボ120を発光させる。
【0041】
次に、MPU101は、撮像素子103で露光蓄積された電荷をタイミング信号発生回路102により出力開始し、A/D変換104で変換されたデジタル画像データを、メモリコントローラ105を介してバッファメモリ106に記憶する。
【0042】
MPU101は、バッファメモリ106に画像データを記憶後に、画像表示部107で画像データを表示させ、記録媒体109に画像データを格納する。
【0043】
ステップS105では、MPU101は、ストロボ制御部119により外部ストロボ120から温度Tを取得し、内蔵のRAMに格納する。
【0044】
ステップS106では、MPU101は、ステップS105で格納された外部ストロボ120の温度Tと所定値の発光禁止温度とを比較し、発光禁止温度以上であればステップS107へ移行し、発光禁止温度未満であればステップS102へ帰還する。
【0045】
ステップS107では、MPU101は、スイッチセンス回路117のSW2の状態を検出し、ONであればステップS108へ移行し、OFFの場合はステップS105へ帰還する。
【0046】
ステップS108では、MPU101は、内蔵ストロボ121で適正調光となるように発光演算処理を行う。
【0047】
図3は、図1における外部ストロボ及び内蔵ストロボの発光量演算処理の説明図である。
【0048】
図3で示されている、外部ストロボ120の発光量が内蔵ストロボ121のガイドナンバー(発光可能量)を超えている場合は、ISOや絞りを調整して内蔵ストロボ発光が外部ストロボ発光と同じ調光となるように補正する。
【0049】
例えば、外部ストロボガイドナンバーa=50、内蔵ストロボガイドナンバーb=25なら、発光段数差X=2段となる。
【0050】
ここで外部ストロボ120がMAXのガイドナンバー50で発光した場合、絞り値を2段分開放側へ絞る。絞り値=5.0なら絞り値=2.5へ補正する。
【0051】
ISOで補正する場合も同様で、ISO=100→400へ補正することで、外部ストロボ120と同じ調光をすることが実現できる。
【0052】
例では、絞り値、ISO値に限定したが、LEDストロボやフラット発光時のようなシャッター速度によって調光が変化するものは、シャッター速度で調光補正しても良いし、これら3つのパラメータすべてを加味して調光補正をしても良い。
【0053】
ステップS109では、MPU101は、モータ制御回路111で不図示の内蔵ストロボ発光部が収納型であればポップアップをしてミラーのアップを行う。次に、MPU101は、モータ制御回路111でシャッター先幕の通電をカットし、先幕走行の制御を開始して露光状態とし、内蔵ストロボ121を発光させる。
【0054】
次に、MPU101は、撮像素子103で露光蓄積された電荷をタイミング信号発生回路102により出力開始し、A/D変換104で変換されたデジタル画像データを、メモリコントローラ105を介してバッファメモリ106に記憶する。MPU101は、バッファメモリ記憶後に画像表示部107で画像データを表示させ、記録媒体109に画像データを格納する。
【0055】
以上のように、本実施の形態によれば、外部ストロボ120の温度が発光禁止温度以上となった場合、内蔵ストロボ121に切り替えるため、発光部温度上昇による発光停止状態をなくし、撮影者が意図したタイミングでストロボ撮影を行うことが可能となる。
【0056】
本実施の形態では、外部ストロボ120から内蔵ストロボ121に切り替えるとしたが、発光制御を内蔵ストロボ121から始め、内蔵ストロボ121の温度が発光禁止温度以上となった場合は、外部ストロボ120に制御を切り替えるようにしても良い。
【0057】
従って、本実施の形態では、第1の発光手段は外部ストロボ120、第2の発光手段は内蔵ストロボ121としたが、その逆に、第1の発光手段は内蔵ストロボ121、第2の発光手段は外部ストロボ120としても良い。
【0058】
また、外部ストロボ120の温度Tが発光禁止温度以上となってストロボ撮影時に発光させるのを内蔵ストロボ121切り替えたのち、外部ストロボ120の温度Tが発光禁止温度未満となれば再び外部ストロボ120をストロボ撮影時に発光させる構成とした。
【0059】
そのため、撮影者が設定したストロボが、発光禁止温度以上の場合を除いて、撮影者が設定したストロボをストロボ撮影時に使用でき、撮影者の意図を反映したストロボ撮影を行うことができる。
【0060】
(第2の実施の形態)
図4は、図1の撮像装置によって実行されるストロボ発光制御処理の第2の実施の形態の手順を示すフローチャートである。
【0061】
本処理は、図1におけるMPU101の制御の下に実行される。
【0062】
図4において、ステップS201で、スイッチセンス回路117のSW1をONすると、撮影待機状態となり、ステップS202のレリーズ判定状態へ移行する。SW1をOFFすることで本処理が終了となる。
【0063】
ステップS202では、MPU101は、スイッチセンス回路117のSW2の状態を検出し、ONであればステップS203へ移行し、OFFの場合はステップS201へ帰還する。
【0064】
ステップS203では、外部ストロボ120と内蔵ストロボ121で予備発光を行い、被写体へ向けて予備発光されていない定常状態と予備発光されている状態の双方の状態において、多分割測光センサ114によって輝度信号を出力し、MPU101に出力する。
【0065】
MPU101は、この輝度信号をA/D変換器118によりデジタル値に変換し、ストロボ制御部119にてストロボ撮影の露出調節のための絞り値の演算とシャッター速度の演算及び露光時のストロボメイン発光量の演算を行う。メイン発光量はMPU101内蔵のRAMに記憶する。
【0066】
ステップS204では、MPU101は、モータ制御回路111とシャッター制御回路112で、不図示のミラーのアップやシャッター先幕の通電のカットを行い、先幕走行の制御を開始して露光状態とし、外部/内蔵ストロボを同時発光させる。
【0067】
次に、MPU101は、撮像素子103で露光蓄積された電荷をタイミング信号発生回路102により出力開始し、A/D変換器104で変換されたデジタル画像データをバッファメモリ106に記憶する。
【0068】
MPU101は、バッファメモリ106に画像データを記憶後に、画像表示部107で画像データを表示させ、記録媒体109に画像データを格納する。
【0069】
ステップS205では、ストロボ制御部119が、外部ストロボ120/内蔵ストロボ121からそれぞれの温度T1、T2を取得し、MPU101内蔵のRAMに格納する。
【0070】
ステップS206では、MPU101は、ステップS205で格納された外部ストロボ120の温度T1、内蔵ストロボ121の温度T2と、所定値の発光禁止温度とを比較し、T1とT2両方の温度が発光禁止温度以上であればステップS202へ帰還する。そうでなければ、ステップS207へ移行する。
【0071】
ステップS207では、MPU101は、スイッチセンス回路117のSW2の状態を検出し、ONであればステップS208へ移行し、OFFの場合はステップS205へ帰還する。
【0072】
ステップS208では、MPU101は、ステップS205で格納された外部ストロボの温度T1と所定値の発光禁止温度とを比較し、発光禁止温度以上であれば、ステップS209へ移行し、発光禁止温度未満であればステップS211へ移行する。
【0073】
ステップS209では、MPU101は、内蔵ストロボ121のみで適正調光となるように発光演算処理を行う。また、ステップS211では、MPU101は、外部ストロボ120のみで適正調光となるように発光演算処理を行う。
【0074】
図4における外部ストロボ120と内蔵ストロボ121を同時に使用する時のガイドナンバーは、c=√(a×a+b×b)で表される。
【0075】
つまり、どちらか一方のみの発光でのガイドナンバーを超えている場合は、ISOや絞りを調整して、内蔵ストロボ121と外部ストロボ120を同時に使用する時と同じ調光となるように補正する。
【0076】
例えば、外部ストロボガイドナンバーa=50、内蔵ストロボガイドナンバーb=25なら、c=√(a×a+b×b)=約56となる。
【0077】
外部/内蔵ストロボ同時使用時にMAXのガイドナンバー56で発光し、外部ストロボ120が発光禁止により、内蔵ストロボ(ガイドナンバー25)のみで調光する場合は(ステップS209内の処理)、段数差Z=3段となる。その場合、絞り値=5.6なら絞り値=2.5へ補正する。
【0078】
ISOで補正する場合も同様で、ISO=100→800へ補正することで、外部ストロボ120と内蔵ストロボ121を同時に使用する時と同じ調光をすることができる。
【0079】
内蔵ストロボ121が発光禁止により、外部ストロボ(ガイドナンバー50)のみで調光をする場合は(ステップS211内処理)、段数差Y=1段となり、絞り値=5.6なら絞り値=5.0へ補正する。
【0080】
ISOで補正する場合も同様で、ISO=100→200へ補正することで、外部ストロボ120と内蔵ストロボ121を同時に使用する時と同じ調光をすることができる。
【0081】
また本実施の形態では、絞り値、ISO値に限定したが、LEDストロボやフラット発光時のようなシャッター速度によって調光が変化するものはシャッター速度で調光補正しても良いし、これら3つのパラメータすべてを加味して調光補正をしても良い。
【0082】
ステップS210、S212では、MPU101は、モータ制御回路111でシャッター先幕の通電をカットし、先幕走行の制御を開始して露光状態とし、ステップS210なら内蔵ストロボ121を、ステップS212なら外部ストロボ120を発光させる。
【0083】
次に、MPU101は、撮像素子103で露光蓄積された電荷をタイミング信号発生回路102により出力開始し、A/D変換104で変換されたデジタル画像データをバッファメモリ106に記憶する。
【0084】
MPU101は、バッファメモリ106に画像データを記憶後に、画像表示部107で画像データを表示させ、記録媒体109に画像データを格納する。
【0085】
以上のように、本実施の形態によれば、外部ストロボ120と内蔵ストロボ121の同時使用時に、どちらか一方の温度が発光禁止温度以上となった場合、発光禁止となっていないストロボのみ発光させる。このことによって、ストロボの温度上昇による発光停止状態をなくし、撮影者が意図したタイミングでストロボ撮影を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施の形態に係る撮像装置のブロック図である。
【図2】図1の撮像装置によって実行されるストロボ発光制御処理の第1の実施の形態の手順を示すフローチャートである。
【図3】図1における外部ストロボ及び内蔵ストロボの発光量演算処理の説明図である。
【図4】図1の撮像装置によって実行されるストロボ発光制御処理の第2の実施の形態の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
101 MPU
102 タイミング発生回路
103 撮像素子
104 A/D変換器
105 メモリコントローラ
106 バッファメモリ
107 画像表示部
108 記録媒体I/F
109 記録媒体
110 EEPROM
111 モータ制御回路
112 シャッター制御回路
113 測光回路
114 多分割測光センサ
115 レンズ制御回路
116 焦点検出回路
117 スイッチセンス回路
118 A/D変換器
119 ストロボ制御部
120 外部ストロボ
121 内蔵ストロボ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の発光手段と、
第2の発光手段と、
ストロボ撮影時に前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段のいずれかを発光させる発光制御手段と、
前記第1の発光手段が発光禁止温度以上になったか否か判定する判定手段とを備え、
前記発光制御手段は、ストロボ撮影時に発光させる発光手段が前記第1の発光手段に設定されていて前記判定手段により前記第1の発光手段が前記発光禁止温度以上になったと判定された場合に、ストロボ撮影時に発光させる発光手段を前記第2の発光手段に切り替えることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記第1の発光手段の発光可能量は、前記第2の発光手段の発光可能量よりも大きく、
前記第1の発光手段を発光させる場合の前記第1の発光手段の発光量が前記第2の発光手段の発光可能量を超えていれば、前記第1の発光手段を発光させる場合と同じ調光となるように、前記第2の発光手段を発光させる場合のISO、絞り、シャッター速度のうち少なくとも1つのパラメータを補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記発光制御手段は、ストロボ撮影時に発光させる発光手段を前記第1の発光手段から前記第2の発光手段に切り替えたのち、前記判定手段により前記第1の発光手段が前記発光禁止温度より低くなったと判定された場合、ストロボ撮影時に発光させる発光手段を前記第2の発光手段から前記第1の発光手段に切り替えることを特徴とする請求項1または2記載の撮像装置。
【請求項4】
第1の発光手段と、
第2の発光手段と、
前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段を発光させる発光制御手段と、
前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段の少なくとも一方が発光禁止温度以上になったか否か判定する判定手段とを備え、
前記発光制御手段は、前記判定手段により前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段のいずれかが前記発光禁止温度以上になったと判定された場合に、ストロボ撮影時に前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段のうち前記発光禁止温度以上になっていない発光手段を発光させることを特徴とする撮像装置。
【請求項5】
前記第1の発光手段及び前記第2の発光手段のいずれか一方は、前記撮像装置に着脱可能な外部ストロボであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−15090(P2010−15090A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176889(P2008−176889)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】