説明

撮像装置

【課題】ファインダケース内の光学部材への塵埃等の付着を抑制して、ファインダケース内の光学部材を清掃する作業の頻度を軽減することができる撮像装置を提供する。
【解決手段】表示素子8および拡大レンズ4を保持するビューファインダ部3がバッテリ装着部14の上側に配置される。ビューファインダ部3の底部に、表示素子8と拡大レンズ4との間の空間と繋がる穴部14aを形成するとともに、バッテリ装着部14にバッテリを装着する際に、バッテリの上面に当接する緩衝材5を備える。緩衝材5は粘着面が穴部14aをふさぐように、ビューファインダ部3の底部の底部に貼られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビューファインダ部を備えるデジタルビデオカメラ等の撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図4に、デジタルビデオカメラ等の撮像装置における従来のビューファイダ部の一例を示す(特許文献1)。
【0003】
図4(a)に示すビューファインダ部100は、ファインダケース101内に表示素子102と拡大レンズ104とが拡大レンズ104の光軸方向に互いに離間して設けられ、表示素子102の表示面には、保護部材103が取り付けられている。また、ファインダケース101の保護部材103と拡大レンズ104との間の壁部には、穴部101aが形成されており、穴部101aは、通常、蓋体105により塞がれている。
【0004】
そして、保護部材103や拡大レンズ104に塵埃等が付着した場合、図4(b)に示すように、蓋体105を取り外すことで、保護部材103や拡大レンズ104を清掃して塵埃等を除去し、除去した塵埃等を穴部101aから外部に排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3868872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1では、保護部材103や拡大レンズ104に付着した塵埃等を除去して穴部101aから外部に排出したとしても、ファインダケース101内に塵埃等が残っていた場合、再び保護部材103や拡大レンズ104に塵埃等が付着してしまう。このため、蓋体105で穴部101aを開け閉めしてファインダケース101内の部材を清掃する作業の頻度が増えてしまう。
【0007】
そこで、本発明は、ファインダケース内の光学部材への塵埃等の付着を抑制して、ファインダケース内の光学部材を清掃する作業の頻度を軽減することができる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の撮像装置は、表示素子および拡大レンズを保持するビューファインダ部がバッテリ装着部の上側に配置される撮像装置において、前記ビューファインダ部の底部に、前記表示素子と前記拡大レンズとの間の空間と繋がる穴部を形成するとともに、前記バッテリ装着部にバッテリを装着する際に、前記バッテリの上面に当接する弾性部材を備え、前記弾性部材は粘着面が前記穴部をふさぐように、前記ビューファインダ部の底部に貼られることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ファインダケース内の光学部材への塵埃等の付着を抑制することができるので、ファインダケース内の光学部材を清掃する作業の頻度を軽減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の撮像装置の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラを後方から見た外観斜視図である。
【図2】図1に示すデジタルビデオカメラを底面側から見た斜視図で、カメラ本体からバッテリを取り外した状態を示す図である。
【図3】ビューファインダ部の光軸方向に沿う断面図である。
【図4】従来のビューファインダ部の光軸方向に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の一例を図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の撮像装置の実施形態の一例であるデジタルビデオカメラを後方から見た外観斜視図である。
【0013】
図1に示すように、本実施形態のデジタルビデオカメラは、カメラ本体1の前側(被写体側)に撮影レンズ1aが設けられ、後側(撮影者側)には、バッテリ2が着脱可能に装着されている。カメラ本体1のバッテリ2の上側には、ビューファインダ部3が設けられ、ビューファインダ部3の覗き部には、拡大レンズ4が配置されている。また、ビューファインダ部3の側部には、視度調整用操作ノブ3aが設けられている。ここで、カメラ本体1は、本発明の装置本体の一例に相当する。
【0014】
本実施形態では、カメラ本体1の後側に比較的重量が大きいバッテリ2を配置することで、バッテリ2とカメラ本体1の前側に配置される撮影レンズ1aの重量とをバランスさせてカメラ本体1の重心をカメラ本体1の中心に位置させることが可能となる。また、ビューファインダ部3をバッテリ2の上側に配置することで、ビューファインダ部3が撮影レンズ1aの光軸近傍に配置することができる。
【0015】
図2は、図1に示すデジタルビデオカメラを底面側から見た斜視図である。なお、図2では、カメラ本体1からバッテリ2を取り外した状態を示す。
【0016】
図2に示すように、カメラ本体1の後側の底部には、バッテリ2が装着されるカバー部14がねじ6等により着脱可能に固定されている。カバー部14には、カバー部14に装着されたバッテリ2の上面に当接することで、バッテリ2のがたつきを防止するための緩衝材5が交換可能に貼り付けられている。ここで、カバー部14は、本発明のバッテリ装着部の一例に相当し、緩衝材5は、本発明の弾性部材の一例に相当する。
【0017】
図3は、ビューファインダ部3の光軸方向に沿う断面図である。
【0018】
図3に示すように、ビューファインダ部3は、ファインダケース11の内部に、光学部材として、拡大レンズ4を保持するレンズホルダ13と、拡大レンズ4の被写体側に配置された表示素子8を保持する素子ホルダ10とが設けられている。素子ホルダ10の拡大レンズ4を向く側の端部には、表示素子8の表示面を覆う透明板状の保護部材9が取り付けられている。
【0019】
また、ファインダケース11の被写体側の端部には、素子ホルダ10をファインダケース11に固定するための固定部材12が取り付けられている。固定部材12は、押圧部材を介して表示素子8の背面(被写体側を向く面)を押圧した状態でファインダケース11に取り付けられる。
【0020】
これにより、保護部材9が素子ホルダ10によりファインダケース11の内周部から径方向内方に延びる環状壁11aに対して軸方向に押し付けられて圧着し、ファインダケース11内の保護部材9と固定部材12との間に密閉された防塵空間が形成される。なお、本実施形態では、ファインダケース11内の保護部材9と拡大レンズ4との間の空間は、後述するように、レンズホルダ13が光軸方向に移動可能とされているため、密閉されていない。
【0021】
レンズホルダ13は、ファインダケース11に対して光軸方向に移動可能に保持されており、視度調整用操作ノブ3aを操作することで、不図示の駆動機構により光軸方向に駆動される。これにより、撮影者の視力に応じたピント調整が可能となっている。
【0022】
ここで、本実施形態では、ファインダケース11の保護部材9と拡大レンズ4との間の壁に、穴部11bが形成されている。また、カバー部14には、穴部11bと拡大レンズ4との間の空間に連通する穴部14aが形成されている。ここで、穴部11bと拡大レンズ4との間の空間は、本発明の表示素子と拡大レンズとの間の空間の一例に相当し、穴部14aは、本発明の穴部の一例に相当する。
【0023】
そして、緩衝材5が穴部14aを塞ぐようにカバー部14に外側から粘着テープ7を介して交換可能に貼り付けられている。従って、穴部11bから見ると、粘着テープ7の粘着面が露出した状態となる。このため、カメラ本体1を正位置で使用するか、又は水平面に置いておくことで、ファインダケース11内の保護部材9より拡大レンズ4側の空間に侵入した塵埃等は重力で粘着テープ7の粘着面に落下して吸着される。
【0024】
以上説明したように、本実施形態では、ファインダケース11内に侵入した塵埃等が重力で粘着テープ7の粘着面に落下して吸着されるので、ファインダケース11内の保護部材9や拡大レンズ4への塵埃等の付着を抑制することができる。これにより、保護部材9や拡大レンズ4を清掃する作業の頻度を軽減することができる。
【0025】
また、カバー部14は、ねじ6を外すことで簡単にカメラ本体1から取り外すことができるので、カバー部14から緩衝材5を剥がすことなく、ファインダケース11の穴部11bから保護部材9や拡大レンズ4を容易に清掃することができる。
【0026】
更に、緩衝材5を交換することにより、同時に粘着テープ7を新しくすることができるので、簡単に粘着面の粘着力を復活させることができ、また、緩衝材5を剥がした際に穴部14aからも保護部材9と拡大レンズ4を清掃することも可能である。
【0027】
更に、バッテリ2のがたつきを防止する緩衝材5をカバー部14に貼り付けるための粘着テープ7の粘着面にファインダケース11内の塵埃等を吸着させているので、新たに粘着部材を追加することなく、安価に塵埃等の吸着効果を得ることができる。
【0028】
なお、本発明の構成は、上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、材質、形状、寸法、形態、数、配置箇所等は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0029】
例えば、上記実施形態では、カバー部14の穴部14aを粘着テープ7を介して緩衝材5で塞ぐ場合を例示したが、カバー部14の穴部14aを粘着材層を有するバーコードラベル等のシート状部材で塞ぐようにしてもよい。
【0030】
また、上記実施形態では、保護部材9と拡大レンズ4との間の空間が密閉されていないタイプのビューファインダ部3に適用した場合を例示したが、これに限定されない。例えば、ビューファインダ部3の拡大レンズ4の外側の開口部に透明窓部材を貼り付けて、保護部材9と拡大レンズ4との間の空間の密閉性を確保したタイプのビューファインダ部に適用してもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 カメラ本体
2 バッテリ
3 ビューファインダ部
4 拡大レンズ
5 緩衝材
7 粘着テープ
8 表示素子
11 ファインダケース
11a 穴部
14a 穴部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示素子および拡大レンズを保持するビューファインダ部がバッテリ装着部の上側に配置される撮像装置において、
前記ビューファインダ部の底部に、前記表示素子と前記拡大レンズとの間の空間と繋がる穴部を形成するとともに、前記バッテリ装着部にバッテリを装着する際に、前記バッテリの上面に当接する弾性部材を備え、
前記弾性部材は粘着面が前記穴部をふさぐように、前記ビューファインダ部の底部に貼られることを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記弾性部材は粘着テープを介して前記ビューファインダ部の底部に貼られる
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−129619(P2012−129619A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−277151(P2010−277151)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】