説明

撮像装置

【課題】意図する撮影動作の指示をより容易に行うことができ、ユーザにとって使いやすい撮像装置を提供すること。
【解決手段】デジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像情報を生成するCCDイメージセンサ120と、生成された画像情報に基づく画像を表示する液晶ディスプレイ170と、液晶ディスプレイ170に設けられたタッチパネル173と、タッチパネル173のタッチ操作された位置に基づいて、液晶ディスプレイ170に表示されている画像全体のうち切り取り対象とする領域を決定するコントローラ150と、決定された切り取り対象の領域に基づいて切り取られた画像をメモリカード192に記録するよう制御するコントローラ150と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は撮像装置に関する。特に、直感的な操作により撮像指示ができる撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
指等によるタッチを検出して、その位置座標を特定するタッチパネル等の位置入力装置は、優れたユーザインタフェース手段として注目されており、抵抗膜方式や静電容量方式等の種々の方式によるタッチパネルが知られている。近年、タッチパネルを搭載したデジタルカメラも普及している。使用者は、タッチパネルをタッチ操作することにより、デジタルカメラに所定の動作を実行させることができる。
【0003】
例えば、特許文献1は、感圧センサからの位置座標情報に基づき、押圧された箇所についての画像を中心として焦点調節を行い、撮像信号を記録媒体に記録するカメラ装置を開示している。これにより、画面上の任意の位置にある物を、焦点を合わせる対象として指定することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−142719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このように、意図する撮影動作の指示を容易に行うことができるデジタルカメラが望まれている。また、タッチパネルのようなユーザの直感的な操作を可能にするユーザインタフェースを搭載することにより、ユーザにとってより使いやすいデジタルカメラの実現が期待されている。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、意図する撮影動作の指示をより容易に行うことができ、ユーザにとって使いやすい撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、被写体像を撮像して画像情報を生成する撮像センサと、生成された画像情報に基づく画像を表示する表示部と、表示部に設けられたタッチパネルと、タッチパネルのタッチ操作された位置に基づいて、表示部に表示されている画像全体のうち切り取り対象とする領域を決定する決定部と、決定された切り取り対象の領域に基づいて切り取られた画像を記録媒体に記録するよう制御する記録制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、意図する撮影動作の指示をより容易に行うことができ、ユーザにとって使いやすい撮像装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1にかかるデジタルカメラ100の構成図
【図2】実施の形態1にかかるデジタルカメラ100の背面構成図
【図3】実施の形態1にかかるトリミング動作のフローチャート
【図4】タッチ操作のイメージ図
【図5】トリミング領域のサイズよりも顔が大きいときを説明するため図
【図6】トリミング領域のサイズおよび位置の調節を説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施の形態1〕
本発明をデジタルカメラ100に適用した実施の形態1について説明する。デジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像情報を生成するCCDイメージセンサ120と、生成された画像情報に基づく画像を表示する液晶ディスプレイ170と、液晶ディスプレイ170に設けられたタッチパネル173と、タッチパネル173のタッチ操作された位置に基づいて、液晶ディスプレイ170に表示されている画像全体のうち切り取り対象とする領域を決定するコントローラ150と、決定された切り取り対象の領域に基づいて切り取られた画像をメモリカード192に記録するよう制御するコントローラ150と、を備える。これにより、意図する撮影動作の指示をより容易に行うことができ、ユーザにとって使いやすいデジタルカメラ100を提供することができる。以下、デジタルカメラ100の構成および動作について順に説明する。
【0011】
〔1−1.構成〕
まず、デジタルカメラ100の構成について図を用いて説明する。
【0012】
図1は、デジタルカメラ100の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ100は、光学系110を介して形成された被写体像をCCDイメージセンサ120で撮像する。CCDイメージセンサ120は、撮像した被写体像に基づく画像データを生成する。撮像により生成された画像データはAFE(AFE:Analog Front End)121や画像処理部130において各種処理を施される。画像データはフラッシュメモリ160やメモリカード192に記憶される。フラッシュメモリ160やメモリカード192に記憶された画像データは、使用者による操作部180の操作を受け付けて液晶ディスプレイ170に再生表示される。また、CCDイメージセンサ120で撮像され、画像処理部130から出力された画像データはスルー画像として液晶ディスプレイ170に表示される。
【0013】
光学系110は、フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113およびシャッタ114を含む。図示していないが、光学系110は、光学式手ぶれ補正レンズOIS(Optical Image Stabilizer)を含んでいてもよい。なお、光学系110を構成する各種レンズは何枚から構成されるものでも、何群から構成されるものでもよい。
【0014】
フォーカスレンズ111は、焦点距離の調節に用いられる。ズームレンズ112は拡大縮小倍率の調節に用いられる。絞り113は、CCDイメージセンサに入射する光量の調節に用いられる。シャッタ114は、CCDイメージセンサに入射する光の露出時間を調節する。フォーカスレンズ111、ズームレンズ112、絞り113およびシャッタ114は、それぞれに対応したDCモータやステッピングモータ等の駆動手段(不図示)により、コントローラ150から通知された制御信号に従って駆動される。
【0015】
CCDイメージセンサ120は、光学系110を通して形成された被写体像を撮像して画像データを生成する。CCDイメージセンサ120は、所定のフレームレート(例えば、30フレーム/秒)で新しいフレームの画像データを生成する。CCDイメージセンサ120の画像データ生成タイミングおよび電子シャッタ動作は、コントローラ150によって制御される。この画像データをスルー画像として逐一液晶ディスプレイ170に表示することにより、使用者はリアルタイムに被写体の状況を液晶ディスプレイ170で確認できる。なお本発明においては、CCDイメージセンサ120に代えて、例えばCMOSイメージセンサやNMOSイメージセンサなど、他の撮像素子を用いても良い。
【0016】
AFE121は、CCDイメージセンサ120で生成された画像データに対して、相関二重サンプリング、ゲイン調整等の処理を実行する。ゲイン調整においては、ISO感度に相当するゲインが設定される。また、アナログ形式の画像データからデジタル形式の画像データへの変換を施す。その後、AFE121は画像データを画像処理部130に出力する。
【0017】
画像処理部130は、画像データに対して各種の処理を施す。各種処理としては、ガンマ補正、ホワイトバランス補正、YC変換処理、電子ズーム処理、圧縮処理、伸張処理等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、画像処理部130は、CCDイメージセンサ120から取得した画像データ(スルー画像)に基づいて、顔検出を行なうことができる。例えば、画像処理部130は、YC変換処理が施された画像データに基づいて、画像の輝度分布を見ることにより、画像中に含まれる顔の位置、顔のサイズ、顔の向き等を検出することができる。以下、検出した顔を囲む領域を顔領域と呼ぶことにする。尚、人物である場合を示すが、犬などの動物であっても、物体であってもよい。画像処理部130は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、これらの処理を行うためのプログラムを実行するマイクロコンピュータ等で構成してもよい。またコントローラ150等と共に1つの集積回路として構成してもよい。
【0018】
液晶ディスプレイ170は、デジタルカメラ100の背面に備わる。液晶ディスプレイ170は、画像処理部130にて処理された画像データに基づく画像を表示する。液晶ディスプレイ170が表示する画像には、スルー画像や記録画像がある。液晶ディスプレイ170は、CCDイメージセンサ120により一定時間毎に生成される画像をスルー画像としてリアルタイムで表示する。使用者は、液晶ディスプレイ170に表示されるスルー画像を参照することにより、被写体の構図を確認しながら撮影できる。記録画像は、メモリカード192やフラッシュメモリ160に記録された画像である。液晶ディスプレイ170は、使用者の操作に応じて、すでに記録した画像データに基づく画像を表示する。液晶ディスプレイ170はこの他、デジタルカメラ100の各種設定条件等を表示可能である。
【0019】
タッチパネル173は、液晶ディスプレイ170の表面に設けられており、使用者がタッチしたタッチパネル上の電極位置に関する情報を出力する。
【0020】
検出処理部177は、タッチパネル173が出力する電極位置に関する情報に基づいて、使用者がタッチしたタッチパネル上の位置座標を算出してコントローラ150に出力する。これにより、コントローラ150は、使用者がタッチ操作しているタッチパネル173上の位置を把握することができる。
【0021】
コントローラ150は、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御する。コントローラ150は、垂直同期信号(VD)に基づいて、CCDイメージセンサ120や、画像処理部130などに制御信号を通知する。コントローラ150は、プログラム等の情報を格納するROM(不図示)、プログラム等の情報を処理するCPU(不図示)等により構成される。ROMは、オートフォーカス制御やオート露出制御に関するプログラムの他、デジタルカメラ100全体の動作を統括制御するためのプログラムを格納している。またROMは、CCDイメージセンサ120が起動した後、最初に撮像を実行するときの絞り値やシャッタスピードに関する撮像初期データ、適正露出を得るための目標輝度値に関するデータ等を格納している。
【0022】
コントローラ150は、液晶ディスプレイ170にメニューを表示させ、使用者がメニューを見ながら操作部180やタッチパネル173を操作することにより各種設定を行わせ、設定内容を取得する。特にコントローラ150は、検出処理部177が出力する位置座標値から、使用者が液晶ディスプレイ170に表示されている撮影フレーム内の何処をタッチしたかを認識し、その操作に応じた処理を行う。
【0023】
コントローラ150は、ハードワイヤードな電子回路で構成してもよいし、マイクロコンピュータなどで構成してもよい。また、画像処理部130などと共に1つの集積回路として構成してもよい。また、ROMはコントローラ150の内部構成である必要はなく、コントローラ150の外部に備わったものでもよい。
【0024】
バッファメモリ140は、画像処理部130やコントローラ150のワークメモリとして機能する記憶手段である。バッファメモリ140はDRAM(Dynamic Random Access Memory)などで実現できる。
【0025】
フラッシュメモリ160は、画像データ等を記憶するための内部メモリとして機能する。コントローラ150は、画像処理部130で処理される画像データをフラッシュメモリ160あるいはメモリカード192に記憶する。
【0026】
カードスロット191は、メモリカード192を着脱可能な接続手段である。カードスロット191は、メモリカード192を電気的及び機械的に接続可能である。また、カードスロット191は、メモリカード192を制御する機能を備えてもよい。
【0027】
メモリカード192は、内部にフラッシュメモリ等の記憶部を備えた外部メモリである。メモリカード192は、画像処理部130で処理される画像データなどのデータを記憶可能である。本実施の形態では、外部メモリの一例としてメモリカード192を示すが、光ディスク、HDD等の記憶媒体を外部メモリとしてもよい。また、外部との通信インタフェース(無線または有線)をコントローラ150に接続し、画像データを外部に伝送するように構成してもよい。
【0028】
操作部180は、デジタルカメラ100の外装に備わっているボタンやレバー、ダイヤル等の総称であり、使用者による操作を受け付ける。例えば、図2に示すように、レリーズ釦200やズームレバー201、選択釦203、決定釦204、電源釦202等が操作部180にあたる。操作部180は、使用者による操作を受け付けると、コントローラ150に種々の動作指示信号を通知する。
【0029】
レリーズ釦200は、二段押下式の押下釦である。レリーズ釦200が使用者により半押し操作されると、コントローラ150はオートフォーカス制御やオート露出制御などを実行する。また、レリーズ釦200が使用者により全押し操作されると、コントローラ150は、押下操作のタイミングに撮像された画像データを記録画像としてメモリカード192等に記録する。
【0030】
ズームレバー201は、画角調節についての広角端と望遠端を有する中央位置自己復帰式のレバーである。ズームレバー201は、使用者により操作されるとコントローラ150にズームレンズ112を駆動するための動作指示信号を通知する。
【0031】
電源釦202は、デジタルカメラ100を構成する各部への電力供給をON/OFFするための押下式釦である。電源OFF時に電源釦202が使用者により押下されると、コントローラ150はデジタルカメラ100を構成する各部に電力を供給し、起動させる。また、電源ON時に電源釦202が使用者により押下されると、コントローラ150は各部への電力供給を停止する。
【0032】
選択釦203は、上下左右方向に設けられた押下式釦である。使用者は、選択釦203のいずれかの方向を押下することにより、液晶ディスプレイ170に表示される各種条件項目を選択することができる。
【0033】
決定釦204は、押下式釦である。デジタルカメラ100が撮影モードあるいは再生モードにあるときに、決定釦204が使用者により押下されると、コントローラ150は液晶ディスプレイ170にメニュー画面を表示する。メニュー画面は、撮影/再生のための各種条件を設定するための画面である。決定釦204が各種条件の設定項目が選択されているときに押下されると、コントローラ150は、選択された項目の設定を確定する。
【0034】
ここで、デジタルカメラ100の構成と本発明との対応関係は以下の通りである。CCDイメージセンサ120は、本発明の撮像センサの一例である。液晶ディスプレイ170は、本発明の表示部の一例である。タッチパネル173は、本発明のタッチパネルの一例である。コントローラ150は、本発明の決定部、記録制御部の一例である。画像処理部130は、顔検出部の一例である。デジタルカメラ100は、本発明の撮像装置の一例である。
【0035】
〔1−2.動作〕
続いて、デジタルカメラ100の動作について説明する。従来、着目する被写体と全体の雰囲気を収めた画角の両方を記録したい場合、撮影した後でカメラ本体の再生機能としてトリミングする必要があった。撮影する際に着目する被写体をタッチすることで指定しているにもかかわらず、再度トリミングする際にトリミングしたい領域を手動で指定しなくてはならず、使い勝手が悪いという課題があった。一方、デジタルカメラ100によれば、撮りたい被写体をタッチするだけで、目的の被写体を中心としたトリミング画像と、全体の雰囲気を収めた通常の画角の画像を同時に記録することができる。
【0036】
デジタルカメラ100が撮影モードに設定されているとき、液晶ディスプレイ170は、CCDイメージセンサ120が撮像している画像をリアルタイムに表示する。すなわち、液晶ディスプレイ170は、スルー画像を表示する。このとき、コントローラ150は、ユーザによるタッチパネル173のタッチ操作の受付を待機している(S300)。また、コントローラ150は、撮像している画像に顔が含まれるか否かを監視している。
【0037】
ユーザによるタッチパネル173のタッチ操作を受け付けると(S300におけるYes)、コントローラ150は、検出処理部177からタッチされた箇所の位置座標を取得する。コントローラ150は、トリミングする画像領域の設定サイズをROMから読み出す。この設定サイズは、予めユーザにより幾つかの候補から選択設定されていてもよい。コントローラ150は、設定サイズに従って、タッチにより指定された位置情報を中心としたトリミング領域を仮設定する。
【0038】
その後、デジタルカメラ100は、タッチ操作にて指定された位置座標を中心としたトリミング領域内に顔が存在するか判断する(S301)。コントローラ150は、トリミング領域と、検出した顔領域との重なりがあるか否かにより、トリミング領域内に顔が存在するか否かを判断する。顔が存在しない場合(S301におけるNo)、コントローラ150は、トリミング領域のサイズや位置を調整しない。このとき、コントローラ150は、タッチ操作に対応する被写体に合焦するようフォーカスを調節する。また、コントローラ150は、CCDイメージセンサ120により生成された画像データから輝度情報を抽出し、適正な露出になるよう絞り113や、シャッタ114、画像処理部130を制御する。コントローラ150は、タッチされた位置座標を中心に、設定サイズに従ってトリミング画像を生成する(S308)。すなわち、コントローラ150は、仮設定されたトリミング領域を、本設定とし、トリミング画像を生成する。
【0039】
コントローラ150は、生成されたトリミング画像と、液晶ディスプレイ170に表示されていた通常の画像をメモリカード192に記録するよう制御する(S309)。以上のように、トリミング領域に顔領域が存在しない場合は、トリミング領域で切り取った画角の画像データと通常の画角の画像データの両方をメモリカード192に記録する。
【0040】
一方、トリミング領域内に顔が存在する場合(S301におけるYes)、コントローラ150は、まずトリミング領域と顔領域のサイズを比較する(S302)。トリミング領域よりも顔領域の方が大きい場合(S302におけるYes)、コントローラ150は、トリミング領域のサイズを顔領域のサイズ以上になるように補正する。顔領域よりもトリミング領域の方が大きい場合(S302におけるNo)、コントローラ150は、トリミング領域のサイズについては変更を行わない。
【0041】
続いて、コントローラ150は、トリミング領域内に顔領域が収まっているかどうか確認する(S304)。トリミング領域内に顔領域が収まっていない場合(S304におけるNo)、コントローラ150は、トリミング領域の位置を顔領域が収まるように移動する(S305)。その結果、トリミング領域内に顔領域が収まるようになる。一方、トリミング領域内に顔領域が収まっている場合(S304におけるYes)、コントローラ150は、トリミング領域の位置については変更を行なわない。
【0042】
以上のように、コントローラ150は、トリミング領域に顔領域が収まっているか判断し、収まっていない場合は収まるようにトリミング領域の大きさ、位置を調整する。トリミング領域の大きさ、位置の調整後、コントローラ150は、補正したトリミング領域に従いトリミング画像を生成する(S306)。そして、コントローラ150は、切り取った画角の画像データと通常の画角の画像データの両方をメモリカード192に記録する(S307)。
【0043】
〔1−3.まとめ〕
以上、説明したように、デジタルカメラ100は、被写体像を撮像して画像情報を生成するCCDイメージセンサ120と、生成された画像情報に基づく画像を表示する液晶ディスプレイ170と、液晶ディスプレイ170に設けられたタッチパネル173と、タッチパネル173のタッチ操作された位置に基づいて、液晶ディスプレイ170に表示されている画像全体のうち切り取り対象とする領域を決定するコントローラ150と、決定された切り取り対象の領域に基づいて切り取られた画像をメモリカード192に記録するよう制御するコントローラ150と、を備える。これにより、デジタルカメラ100は、撮影中において、撮りたい被写体をタッチするだけで、ユーザが意図した被写体のトリミング画像(切り取り画像)を記録することができる。
【0044】
また、デジタルカメラ100は、生成された画像情報に基づく画像に含まれる顔を検出する画像処理部130を更に備え、コントローラ150は、タッチパネル173のタッチ操作された位置および、顔検出結果に基づいて、液晶ディスプレイ170に表示されている画像全体のうち切り取り対象とする領域を決定する。これにより、デジタルカメラ100は、ユーザの撮りたい被写体が顔であった場合に、顔検出結果に基づいてトリミング画像を記録することができる。
【0045】
また、デジタルカメラ100において、コントローラ150は、切り取り領域の設定サイズが、検出した顔領域のサイズよりも小さいときは、設定サイズを、顔領域が収まるまで大きくする。これにより、デジタルカメラ100は、切り取り領域の設定サイズが、検出した顔領域のサイズより小さくても、顔領域が収まるように設定サイズを調節することができる。
【0046】
また、デジタルカメラ100において、コントローラ150は、切り取り領域の設定サイズ内に、検出した顔領域全体が収まらないときは、切り取り領域を、顔領域が収まる位置までシフトさせる。これにより、デジタルカメラ100は、切り取り領域の設定サイズ内に、検出した顔領域全体が収まらないときでも、顔領域が収まるように切り取り領域の位置をシフトさせることができる。
【0047】
また、デジタルカメラ100において、コントローラ150は、切り取られた画像と共に、液晶ディスプレイ170に表示されている画像全体をメモリカード192に記録する。これにより、デジタルカメラ100は、切り取り画像のみならず、通常の画角画像も記録することができる。従って、ユーザは、切り取った画像の周囲の画像についても取得することができる。
【0048】
〔2.他の実施形態〕
以上により、本発明の実施の形態1について説明した。しかし本発明は、これらには限定されない。そこで、本発明の他の実施の形態について、本欄にまとめて説明する。
【0049】
上記実施の形態では、検出処理部177は、ハードワイヤードな回路で実現するものとしたが、同様な動作を行うことができる他の構成としてもよい。例えば検出処理部177がマイコンと、マイコンが実行する検出処理プログラムを格納したROMを備え、このプログラムをマイコンが実行することにより、タッチ位置座標の算出をするようにしてもよい。また、タッチパネルが出力するタッチした電極位置に関する情報をコントローラ150に直接入力し、コントローラ150がこのような検出処理プログラムを実行することによりタッチ位置座標の算出をするようにするようにしてもよい。すなわち検出処理部177をコントローラ150が兼ねるようにしてもよい。
【0050】
上記実施の形態1において、デジタルカメラ100は、顔情報により算出した顔領域に基づきトリミング領域のサイズと位置を調整するようにしたが、トリミング領域のサイズまたは位置の一方のみを利用することも可能である。例えば、トリミング領域に顔領域が含まれており、トリミング領域のサイズよりも顔領域のサイズの方が大きい場合に、デジタルカメラ100は、トリミング領域の位置をシフトさせずに、サイズのみを調節するようにしてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態1において、デジタルカメラ100は、トリミング領域の位置のシフト或いはサイズの調整の範囲の閾値を設定してもよい。このとき、トリミング領域と顔領域の比較の結果、調節の範囲が閾値を超える場合、サイズ調整しても顔領域がトリミング領域内に収まらない可能性があるため、トリミング領域の調整をしないようにしてもよい。又は、トリミング領域と顔領域の比較の結果、調節の範囲が閾値を超える場合、可能な限りトリミング領域内に顔領域が収まるように、閾値まで調整してもよい。
【0052】
上記実施の形態1においてデジタルカメラ100は、トリミング領域内に顔領域がひとつだけ含まれる場合について説明したが、顔領域が複数存在する場合でも適応が可能である。例えば、トリミング領域内に顔領域が3つ存在する場合、全ての顔領域が収まるようにトリミング領域を補正することが可能である。または顔情報(位置、サイズ、顔向き、表情等)に基づいて顔領域に優先順位を設け優先順位の高い顔領域のみ収まるようにトリミング領域を補正することも可能である。この場合でも顔領域がひとつである場合と同様、トリミング領域の調整に閾値を設けることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明の撮像装置は、デジタルカメラ100への適用に限定されない。すなわち、ムービーカメラ、カメラ付き情報端末、カメラ付きゲームシステムなどの撮像装置に本発明は適用可能である。
【符号の説明】
【0054】
100 デジタルカメラ
111 フォーカスレンズ
112 ズームレンズ
113 絞り
114 シャッタ
120 CCDイメージセンサ
121 AFE
130 画像処理部
140 バッファメモリ
150 コントローラ
160 フラッシュメモリ
170 液晶ディスプレイ
173 タッチパネル
177 検出処理部
180 操作部
191 カードスロット
192 メモリカード
200 レリーズ釦
201 ズームレバー
202 電源釦
203 選択釦
204 決定釦

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体像を撮像して画像情報を生成する撮像センサと、
前記生成された画像情報に基づく画像を表示する表示部と、
前記表示部に設けられたタッチパネルと、
前記タッチパネルのタッチ操作された位置に基づいて、前記表示部に表示されている画像全体のうち切り取り対象とする領域を決定する決定部と、
前記決定された切り取り対象の領域に基づいて切り取られた画像を記録媒体に記録するよう制御する記録制御部と、
を備えた撮像装置。
【請求項2】
前記生成された画像情報に基づく画像に含まれる顔を検出する顔検出部を更に備え、
前記決定部は、前記タッチパネルのタッチ操作された位置および、前記顔検出部の検出結果に基づいて、前記表示部に表示されている画像全体のうち切り取り対象とする領域を決定する、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記決定部は、切り取り領域の設定サイズが、前記検出した顔領域のサイズよりも小さいときは、前記設定サイズを、前記顔領域が収まるまで大きくする、
請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記決定部は、切り取り領域の設定サイズ内に、前記検出した顔領域全体が収まらないときは、前記切り取り領域を、前記顔領域が収まる位置までシフトさせる、
請求項2又は3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記記録制御部は、前記切り取られた画像と共に、前記表示部に表示されている画像全体を記録媒体に記録する、
請求項1から4のいずれかに記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−222387(P2012−222387A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−82487(P2011−82487)
【出願日】平成23年4月4日(2011.4.4)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】