説明

撮像装置

【課題】カメラブレや被写体ブレによる画質劣化を軽減し、良好な画質の画像を容易に撮影すること。
【解決手段】デジタルカメラ1は、複数の被写体の顔を検出する顔検出部120を備え、マイクロコンピュータ3は、単一のシャッター操作により複数の被写体の顔毎に、該被写体の顔の数に対応して最適な撮影条件にて連続撮影を行うとともに、連続撮影した複数の被写体の画像に一連の被写体番号を付して単一の連続画像フォルダに記録する制御を行う。また、マイクロコンピュータ3は、被写体の顔の数に対応して所定の順序で連続撮影を行うとともに、被写体速度が所定値以上である場合、他の被写体撮影後に再度被写体速度検出を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置に関し、より詳細には、カメラブレ補正機能と撮影感度変更機能とを備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体の光学的な像を電気的な画像信号に変換して出力可能なデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置(以下、単にデジタルカメラという)が急速に普及している。特に近年では、デジタルカメラの小型・軽量化及び光学ズームの高倍率化が進み、撮影者等に対する使い勝手は格段に向上してきている。
【0003】
しかし、デジタルカメラの小型・軽量化及び光学ズームの高倍率化に伴い、撮影した画像にブレが生じ、画質が劣化する場合がある。
【0004】
特許文献1には、撮影時に像ブレ等が生じても画像への影響を軽減する振れ補正光学系を備えたデジタルカメラが開示されている。特許文献1に記載のデジタルカメラは、撮影時の像ブレに応じて補正レンズを光軸と垂直な上下左右方向に移動させ、画像の乱れを補正する。これにより、小型・軽量化したデジタルカメラであっても像ブレを軽減した画像を撮影することができる。また、特許文献1に記載のデジタルカメラは、像ブレを防ぐためにストロボを発光させて撮影する必要がないので、自然の色に近い条件下で雰囲気のある写真を撮影することができるとしている。
【0005】
一方、撮影画像の画質を劣化させる原因としては、手ブレ等のようにカメラ本体に加わる振動に起因するカメラブレ以外にも、撮影対象となる被写体が動くことによって生じる被写体ブレがある。このような被写体ブレは、露光時間を短くして高速のシャッタースピードで撮影することにより防ぐことができる。シャッタースピードは、例えば撮影感度を高くしたり、ストロボ発光を行うことにより速くすることができる。以下、撮像面における被写体の光学像のブレに関し、カメラ本体に加わる振動に起因するものをカメラブレといい、被写体の動きに起因するものを被写体ブレといい、カメラブレと被写体ブレを総称して、撮像面に対する像ブレという。
【0006】
特許文献2には、被写体の動きを推測する動き推測手段を備え、被写体が動く可能性が高い場合、シャッタースピードなどの撮影条件を変更する撮影装置及び方法が開示されている。
【0007】
特許文献3には、画像データの中から人物の顔、さらには目、鼻、口を検出し、検出された人物の顔の一部を測距エリアとして、自動合焦制御を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2000−13671号公報
【特許文献2】特開2006−157428号公報
【特許文献3】特開2003−107335号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
一般に、撮影感度を高くすると撮像センサからの出力信号は増幅されるので、撮像センサから発生するノイズも増幅されることになる。そのため、高感度で撮影した画像にはノイズが多く含まれる。このように、必要以上に撮影感度を高くすることは画質劣化の原因ともなる。したがって、周囲の明るさが不十分なために振れ補正光学系により補正を行ってもなおカメラブレが発生する場合や、動きの速い被写体を撮影する場合等に撮影感度を高くすることが望ましい。
【0010】
しかしながら、このような従来の撮像装置にあっては、撮影者等は、被写体がどの程度の速さで動けば被写体ブレが生じるのかを判断することは困難である。そのため、被写体ブレのない撮影が可能であるにもかかわらず、被写体の動きを観察した撮影者等は誤って被写体ブレが発生すると認識する場合がある。その結果、撮影者等は高感度の撮影感度に変更し、不必要にノイズを多く含む画像が撮影されるという問題があった。また、動きの速い被写体を撮影するためには、撮影直前に撮影者等は撮影感度を変更しなければならず、折角のシャッターチャンスを逃してしまうという問題があった。
【0011】
すなわち、一般の撮影者にとっては、被写体の動き速度がどの程度であれば、被写体ブレが生じ、あるいは生じないという判断ができない。つまり、被写体速度が速い場合にカメラブレ補正機能を使用すれば、被写体ブレの生じた画像を撮影することになり、被写体速度が遅い場合にISO感度をアップさせると、ノイズが多い画像を撮影することになり、良好な映像を得ることができない。
【0012】
また、特許文献1に記載された振れ補正光学系を備えたデジタルカメラは、カメラブレによる画質劣化を軽減することができるものの、被写体ブレによる画質劣化を軽減することについては提案されていない。
【0013】
さらに、特許文献2に記載されたデジタルカメラは、被写体の動きを予測するだけであり被写体がどの程度の速さで動けば被写体ブレが生じるのかを判断するものではないため、被写体速度に合わせた最適なシャッタースピードにて撮影できるとは限らない。
【0014】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、カメラブレや被写体ブレによる画質劣化を軽減し、ユーザに負担をかけることなく良好な画質の画像を容易に撮影することのできる撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一態様に係る撮像装置は、被写体の光学像を形成する撮像光学系と、前記形成された光学像を受光して電気的な画像信号に変換して出力する撮像センサと、前記撮像センサにより取り込まれた画像信号に基づいて複数の被写体の顔を検出する顔検出部と、単一のシャッター操作により前記複数の被写体の顔毎に、該被写体の顔の数に対応して連続撮影を行う制御部と、前記連続撮影した複数の被写体の画像を記録する記録部とを備える構成を採る。
【0016】
本発明の一態様に係る撮像方法は、撮像センサにより取り込まれた画像信号から複数の被写体の顔を検出するステップと、単一のシャッター操作により検出した複数の被写体の顔毎に、該被写体の顔の数に対応して連続撮影を行うステップと、連続撮影した複数の被写体の画像を記録する記録ステップとを有する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、集合写真の撮影時など、複数の被写体の顔を認識し、複数の被写体一人ひとりに最適なフォーカス、ならびに露光条件にて高速に撮影することにより、ユーザに負担をかけることなくカメラブレや被写体ブレによる画質劣化を軽減し、良好な画質の画像を容易に撮影することができる。
【0018】
また、複数の被写体一人ひとりに対して、被写体の顔の動き検出を行うことにより、被写体ブレが生じる場合には、高い画像信号の増幅率、及び短い露出時間にて撮影を行う。最適な撮影条件で、すべての被写体を高速撮影することにより、カメラブレや被写体ブレによる画質劣化を軽減し、良好な画質の画像を容易に撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図
【図2】本実施の形態1に係る撮像装置の概略構成を示す図
【図3】本実施の形態1に係る撮像装置の動き検出部の構成の一例を示すブロック図
【図4】本実施の形態1に係る撮像装置のカメラブレ補正部に含まれるカメラブレ補正機構の構成を示す分解斜視図
【図5】本実施の形態1に係る撮像装置の表示部に表示された撮影モード選択画面の表示例を示す図
【図6】本実施の形態1に係る撮像装置の撮影処理を示すフロー図
【図7】本実施の形態1に係る撮像装置の撮影処理を示すフロー図
【図8】本実施の形態1に係る撮像装置に設定された測距エリアの一例を示す図
【図9】本実施の形態1に係る撮像装置の撮影する際の顔検出処理時の様子を表示部に表示する表示例を示す図
【図10】本実施の形態1に係る撮像装置の撮影する際の顔検出処理時の様子を表示部に表示する表示例を示す図
【図11】本実施の形態1に係る撮像装置の撮影した画像ファイルの管理方法を説明する図
【図12】本実施の形態1に係る撮像装置の連写撮影した画像ファイルの管理方法を説明する図
【図13】本実施の形態1に係る撮像装置の撮影画像の再生方法を説明するフロー図
【図14】本実施の形態1に係る撮像装置の連写撮影画像を画像フォルダごとにサムネイル表示させた場合における表示部を示す図
【図15】本実施の形態1に係る撮像装置の連写画像フォルダ#1における1枚目の撮影画像を表示させた場合における表示部を示す図
【図16】本発明の実施の形態2に係る撮像装置の撮影処理を示すフロー図
【図17】本発明の実施の形態3に係る撮像装置及び表示装置を示す図
【図18】本発明の実施の形態4に係る撮像装置及び印刷装置を示す図
【図19】本実施の形態4に係る撮像装置の撮影画像の印刷方法を説明するフロー図
【図20】本発明の実施の形態5に係る撮像装置、表示装置及び印刷装置を示す図
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る撮像装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施の形態に係る撮像装置の概略構成を示す図であり、図2(a)は上面図、図2(b)は背面図を示す。本実施の形態は、カメラブレ補正機能と撮影感度変更機能とを備えるデジタルカメラに適用した例である。なお、以下の説明において、被写体の動き速度(以下、被写体速度ともいう。)とは、カメラブレと被写体ブレとの双方又は一方に起因する、撮像面における被写体の光学像の移動速度を意味する。
【0022】
図1において、デジタルカメラ1は、撮像光学系Lと、マイクロコンピュータ3と、撮像センサ4と、CCD(Charge Coupled Device)駆動制御部5と、アナログ信号処理部6と、A/D変換部7と、デジタル信号処理部8と、バッファメモリ9と、画像圧縮部10と、画像記録制御部11と、画像記録部12と、画像表示制御部13と、カメラブレ補正部16と、角速度センサ18と、表示部55と、シャッター制御部41と、シャッター駆動モータ42と、ストロボ制御部43と、ストロボ44と、動き検出部100と、デジタル信号増幅部110と、デジタル信号ゲイン設定部111とを備えて構成される。
【0023】
撮像光学系Lは、3つのレンズ群L1、L2、L3を含む光学系である。第1レンズ群L1及び第2レンズ群L2は、光軸方向に移動することによりズーミングを行う。第2レンズ群L2は、補正レンズ群であって、光軸に垂直な面内を移動することにより光軸を偏心させて画像の動きを補正する。第3レンズ群L3は、光軸方向に移動することによりフォーカシングを行う。なお撮像光学系Lは、上記の光学系の構成に限るものではない。
【0024】
機械的な振動、撮影者等による揺れ等がデジタルカメラ1に加わると、被写体からレンズに向かって照射される光の光軸とレンズの光軸とにズレが生じるため、不鮮明な画像が形成される。そこで、デジタルカメラ1は不鮮明な画像が形成されるのを防止するためにカメラブレ補正部16及び後述するカメラブレ補正機構20を備える。なお、カメラブレ補正部16及びカメラブレ補正機構20は、撮影者等の揺れやカメラ本体に加わる振動等によって生じる光学像のブレを軽減するものである。
【0025】
撮像センサ4は、撮像光学系Lにより形成される光学的な像を電気的な信号に変換する、例えばCCDセンサである。撮像センサ4は、CCD駆動制御部5により駆動制御される。なお、撮像センサ4はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサでもよい。
【0026】
マイクロコンピュータ3は、デジタルカメラ1全体を制御するとともに、被写体の動きに応じてカメラブレ補正機能と撮影感度変更機能とを制御する撮影制御処理を実行する。マイクロコンピュータ3は、単一のシャッター操作により複数の被写体の顔毎に、該被写体の顔の数に対応して最適な撮影条件にて連続撮影を行うとともに、連続撮影した複数の被写体の画像に一連の被写体番号を付して単一の連続画像フォルダに記録する制御を行う。また、マイクロコンピュータ3は、被写体の顔の数に対応して所定の順序で連続撮影を行うとともに、被写体速度が所定値以上である場合、他の被写体撮影後に再度被写体速度検出を行う。
【0027】
また、マイクロコンピュータ3は、複数の被写体の顔毎に、被写体速度が所定の閾値より小さい場合には、カメラブレ補正機能を制御してカメラブレ補正を動作させ、被写体速度が所定の閾値以上の場合には、被写体速度が所定の閾値より小さい場合よりも撮影感度変更機能のゲインを高くし更に露出時間を短くして撮影する。撮影制御処理の詳細については、図6及び図7のフローにより後述する。また、マイクロコンピュータ3は、電源スイッチ35、シャッター操作部36、撮影/再生切換操作部37、十字操作キー38、MENU設定操作部39及びSET操作部40の信号を、それぞれ受信可能である。マイクロコンピュータ3は本発明の制御部の一例である。また、マイクロコンピュータ3は、メモリ130を内部に備え、複数の被写体のうち特定番目の被写体が撮影されていないことなど、被写体の撮影情報を記憶する。メモリ130は、電源バックアップされたRAM又はEEPROM(electrically erasable programmable ROM)等の不揮発メモリであってもよい。
【0028】
図2において、デジタルカメラ1の筐体1aは、被写体を撮影する際に撮影者等によって支持される。筐体1aの背面には、表示部55と電源スイッチ35と撮影/再生切換操作部37と十字操作キー38とMENU設定操作部39とSET操作部40が設けられている。
【0029】
電源スイッチ35は、デジタルカメラ1の電源の入切を行うための操作部材である。撮影/再生切換操作部37は、撮影モード又は再生モードに切換えるための操作部材であり、撮影者等はレバーを回動させて切換えることができる。MENU設定操作部39は、デジタルカメラ1の各種動作を設定するための操作部材である。十字操作キー38は、撮影者等が上下左右の部位を押圧して、表示部55に表示された各種メニュー画面から所望のメニューを選択するための操作部材である。SET操作部40は、各種メニュー表示を1つ前の表示に戻すための操作部材である。
【0030】
図2(a)において、筐体1aの上面には、シャッター操作部36とズーム操作部57が設けられる。ズーム操作部57は、シャッター操作部36の周囲に設けられ、シャッター操作部36と同軸に回動可能である。撮影者等が撮影/再生切換操作部37を操作して撮影モードに切換えた後、ズーム操作部57を右方向に回動させるとレンズ群は望遠側に移動し、左方向に回動させるとレンズ群は広角側に移動する。
【0031】
シャッター操作部36は、撮影の際に撮影者等によって操作される、例えばレリーズボタンである。シャッター操作部36が操作されると、タイミング信号がマイクロコンピュータ3に出力される。シャッター操作部36は、半押し操作と全押し操作が可能な二段式の押下スイッチであり、撮影者等が半押し操作すると後述する被写体の動き検出、測光処理及び測距処理を開始する。続いて撮影者等が全押し操作するとタイミング信号が出力される。シャッター制御部41は、タイミング信号を受信したマイクロコンピュータ3から出力される制御信号にしたがって、シャッター駆動モータ42を駆動し、シャッターを動作させる。
【0032】
再び図1に戻り、デジタルカメラ1の構成の説明を続ける。図1中、ストロボ制御部43は、ストロボ44の動作を制御する。シャッター操作部36の操作によるタイミング信号を受信したマイクロコンピュータ3は、ストロボ制御部43に制御信号を出力する。そしてストロボ制御部43は、制御信号に基づいてストロボ44を発光させる。ストロボ44は、撮像センサ4が受光する光量に応じて制御される。すなわち、ストロボ制御部43は、撮像センサ4からの画像信号の出力が一定値以下の場合にはシャッター動作と連動して自動的に発光させる。一方、画像信号の出力が一定値以上の場合には、ストロボ制御部43はストロボ44を発光させないように制御する。
【0033】
ストロボ入/切操作部56は、上述の撮像センサ4の出力に関係なくストロボ44の動作を設定するための操作部である。すなわち、ストロボ制御部43は、ストロボ入/切操作部56が「入」の場合にはストロボ44を発光させ、「切」の場合にはストロボ44を発光しない。
【0034】
撮像センサ4から出力された画像信号は、アナログ信号処理部6から、A/D変換部7、デジタル信号処理部8、バッファメモリ9、画像圧縮部10へと、順次送られて処理される。アナログ信号処理部6は、撮像センサ4から出力される画像信号にガンマ処理等のアナログ信号処理を施す。A/D変換部7は、アナログ信号処理部6から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号処理部8は、A/D変換部7によりデジタル信号に変換された画像信号に対してノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施し、顔検出部120を介して動き検出部100及びデジタル信号増幅部110に出力する。バッファメモリ9は、RAMであり、画像信号を一旦記憶する。
【0035】
デジタル信号ゲイン設定部111は、デジタル信号処理された画像信号の増幅ゲインを設定する。デジタル信号増幅部110は、設定された増幅ゲインで画像信号を増幅し、バッファメモリ9に出力する。なお、増幅ゲインの設定は撮影感度の設定に対応する。本実施の形態では、撮影感度はISO感度に相当する値として表され、例えばISO80、100、200、400、800、1600相当の撮影感度に設定可能である。なお、設定可能な撮影感度はこれに限られない。また、撮影感度はISO感度相当以外の値で表されてもよい。
【0036】
また、画像信号を増幅する処理は、デジタル信号増幅部110において行われる場合に限られず、アナログ信号処理部6にてアナログ信号に対して行ってもよい。また増幅処理は、撮像センサ4にて行われてもよい。
【0037】
バッファメモリ9に記憶された画像信号は、画像圧縮部10から画像記録部12へと、順次送られて処理される。バッファメモリ9に記憶された画像信号は、画像記録制御部11の指令により読み出されて、画像圧縮部10に送信される。画像圧縮部10に送信された画像信号のデータは、画像記録制御部11の指令に従って画像信号に圧縮処理される。画像信号は、この圧縮処理により、元のデータより小さなデータサイズになる。かかる圧縮方法として、例えばJPEG(Joint Photographic Experts Group)方式が用いられる。その後、圧縮された画像信号は、画像記録制御部11により画像記録部12に記録される。
【0038】
画像記録部12は、画像記録制御部11の指令に基づいて、画像信号と記録すべき所定の情報とを関連付けて記録する、例えば内部メモリ及び/又は着脱可能なリムーバブルメモリである。なお、画像信号とともに記録すべき所定の情報には、画像を撮影した際の日時と、焦点距離情報と、シャッタースピード情報と、絞り値情報と、撮影モード情報とが含まれ、例えばExif(登録商標)形式やExif(登録商標)形式に類する形式である。
【0039】
表示部55は、画像表示制御部13からの指令に基づいて、画像記録部12あるいはバッファメモリ9に記録された画像信号を可視画像として表示する。ここで表示部55の表示形態としては、画像信号のみを可視画像として表示する表示形態と、画像信号と撮影時の情報とを可視画像として表示する表示形態とがある。
【0040】
AF制御部95は、フォーカス駆動モータ96を介して、第3レンズ群L3を光軸AX方向に駆動させて合焦調整を行う。顔検出部120は、複数の被写体の顔検出処理を行い、マイクロコンピュータ3は、その検出した被写体の顔を測距エリア(AFエリア)として、自動合焦処理を行う。なお測距エリアは、被写体の顔に限らず、目、鼻、口などに設定してもよい。さらには、顔の特徴点を抽出することにより、被写体の性別、年齢、あるいは動物であるかどうかの判別を行う。
【0041】
AF制御部95は、各測距エリアにおける合焦状態を検出し、主被写体に対する最適な合焦位置を算出する。
【0042】
図8は、デジタルカメラ1に設定された測距エリアの一例を示す図である。図8において、被写体aに対して、顔検出処理を行った撮影画面上の所定の位置に、測距エリア枠Faが実線により設定される。
【0043】
フォーカス駆動モータ96は、フォーカスレンズである第3レンズ群L3を光軸方向に動作させ、測距エリアFaにおけるコントラスト値がそれぞれ最大となる第3レンズ群L3の位置を求める。コントラスト値は、マイクロコンピュータ3により測距エリアFaに対応する画像信号から明暗の変化を演算処理して得られる。AF制御部95は、測距エリアFaのコントラスト値の大きさや、撮影画面上における測距エリアFaの配置位置に基づく重み付けなどから、主被写体に対する最適な合焦位置を算出する。よって、撮影者等は、表示された測距エリアFaから、撮影画面上のいずれの領域に合焦しているのかを確認することができる。
【0044】
動き検出部100は、測距エリア枠Fa内のデジタル信号に変換された画像信号に基づいてフレーム間の画像の水平・垂直方向の位置ずれ量を示すベクトル(以下、検出ベクトルという)をフレーム毎に検出する。以下、動き検出部100の詳細について説明する。
【0045】
図3は、上記動き検出部100の構成の一例を示すブロック図である。図3において、動き検出部100は、代表点記憶部101と、相関演算部102と、動きベクトル検出部103とを含んで構成される。
【0046】
代表点記憶部101は、A/D変換部7及びデジタル信号処理部8を経て入力される現フレームの画像信号を複数の領域に分割し、各領域に含まれる特定の代表点に対応する画像信号を代表点信号として記憶する。また、代表点記憶部101は、既に記憶されている現フレームよりも1フレーム前の代表点信号を読み出して相関演算部102に出力する。
【0047】
相関演算部102は、1フレーム前の代表点信号と現フレームの代表点信号間の相関演算を行い、代表点信号間の差を比較する。演算結果は動きベクトル検出部103に出力される。
【0048】
動きベクトル検出部103は、相関演算部102による演算結果から1フレーム前と現フレーム間の画像の動きベクトルを1画素単位で検出する。そして動きベクトルは、マイクロコンピュータ3に出力される。マイクロコンピュータ3は、動きベクトルに対するゲイン及び位相などを調整し、画像信号上の被写体の単位時間あたりの動き速度及び方向を算出する。
【0049】
被写体の動きを検出する処理は、例えば撮影者等がシャッター操作部36を半押し操作することにより開始される。なお、処理の開始は、撮影者等が電源スイッチ35をONにした後、撮影/再生切換操作部37を操作して撮影モードに切り替える動作と連動させてもよい。
【0050】
図9は、撮影する際の顔検出処理時の様子を表示部55に表示する表示例を示す図である。図9中、複数の被写体の被写体a、被写体b、被写体cに対して、顔検出処理を行った撮影画面上の所定位置に、測距エリア枠Fa、Fb、Fcが設定される。この場合、測距エリアは優先的に割り当てられる。本実施の形態では、優先される測距エリアは実線により表示され、それ以外は破線により表示される。この場合、被写体aは被写体ブレが発生しておらず、被写体b,cは被写体ブレが発生していることを示している。
【0051】
次に、カメラブレ補正機能を実現するカメラブレ補正部16の構成について説明する。カメラブレ補正部16は、位置検出部15と、ヨーイング駆動制御部14xと、ピッチング駆動制御部14yと、D/A変換部17x、17y、角速度センサ18x、18yと、A/D変換部19x、19yとを含む。
【0052】
ヨーイング駆動制御部14x及びピッチング駆動制御部14yは、補正レンズ群L2を撮像光学系Lの光軸AXに直交する2方向に駆動させる。位置検出部15は、補正レンズ群L2の位置を検出する。以上の位置検出部15とヨーイング駆動制御部14xとピッチング駆動制御部14yは、補正レンズ群L2を駆動制御するための帰還制御ループを形成している。
【0053】
角速度センサ18x、18yは、撮像光学系Lを含むデジタルカメラ1自体の動きを検出するセンサである。角速度センサ18x、18yは、デジタルカメラ1が静止している状態での出力を基準として、デジタルカメラが動く方向に応じて正負の角速度信号を出力する。なお、本実施の形態では、ヨーイング方向及びピッチング方向の2方向を検出するために角速度センサを2個設けている。
【0054】
出力された角速度信号は、フィルタ処理、アンプ処理等を経て、A/D変換部19x、19yによりデジタル信号に変換されてマイクロコンピュータ3に与えられる。そして、マイクロコンピュータ3は、角速度信号に対してフィルタリング、積分処理、位相補償、ゲイン調整、クリップ処理等を順次施して、カメラブレ補正に必要なレンズ群L2の駆動制御量を算出し、制御信号として出力する。かかる制御信号は、D/A変換部17x、17yを介してヨーイング駆動制御部14x、ピッチング駆動制御部14yに出力される。
【0055】
ヨーイング駆動制御部14x及びピッチング駆動制御部14yは、制御信号に基づいて補正レンズ群L2を所定の駆動量だけ駆動させる。これにより、カメラブレを補正し、画質劣化を軽減することができる。
【0056】
図4は、上記カメラブレ補正部16に含まれるカメラブレ補正機構20の構成を示す分解斜視図である。
【0057】
カメラブレ補正機構20は、ピッチング移動枠21と、ヨーイング移動枠22、ピッチングシャフト23a、23bと、コイル24x、24yと、固定枠25と、ヨーイングシャフト26a、26bと、マグネット27x、27yと、ヨーク28x、28yと、アクチュエータ29x、29yと、発光素子30と、受光素子31とを中心に構成される。
【0058】
補正レンズ群L2は、ピッチング移動枠21に固定される。ピッチング移動枠21は、ヨーイング移動枠22に対して2本のピッチングシャフト23a、23bを介してY方向に摺動可能に保持される。また、ピッチング移動枠21には、コイル24x、24yが固定される。ヨーイング移動枠22は、固定枠25に対してヨーイングシャフト26a、26bを介してX方向に摺動可能に保持される。マグネット27xとヨーク28xとは固定枠25に保持され、コイル24xとともにアクチュエータ29xを構成する。同様に、マグネット27yとヨーク28yとは固定枠25に保持され、コイル24yとともにアクチュエータ29yを構成する。発光素子30は、ピッチング移動枠21に固定される。また、受光素子31は、固定枠25に固定され、発光素子30の投射光を受光して2次元の位置座標を検出する。かかる発光素子30と受光素子31とは、上述の位置検出部15を構成する。
【0059】
以下、上述のように構成されたカメラブレ補正機能と撮影感度変更機能とを備えるデジタルカメラ1の動作を説明する。
【0060】
まず、デジタルカメラ1において選択可能な撮影モードについて説明する。撮影モードには、例えば0.3秒間隔でシャッター駆動モータ42を動作させて2回又は複数回の連続撮影を行う「連写モード」や、後述する「顔検出優先モード」、「感度アップモード」、「カメラブレ補正モード」等が含まれ、撮影者等は所望の撮影モードを選択可能である。撮影モードが選択されると、マイクロコンピュータ3は各撮影モードに応じて各種制御部を制御する。
【0061】
図5は、表示部55に表示された撮影モード選択画面の表示例を示す図である。撮影モード選択画面は、撮影者等がMENU設定操作部39や十字操作キー38を操作することにより、表示部55に表示させることができる。図5に示すように、撮影モードは、「顔検出優先モード」と、「感度アップモード」と、「カメラブレ補正モード」と、「モードOFF」からなり、撮影者等はそれぞれ対応するアイコン90〜93を選択することにより所望の撮影モードに設定することができる。なお、図5には本実施の形態において特徴的な撮影モード選択アイコンのみが表示されているが、前述した「連写モード」等、他の撮影モード選択アイコンをさらに表示してもよい。
【0062】
感度アップモード選択アイコン91が選択されると、通常の撮影やカメラブレ補正モードよりも高感度の撮影感度に変更される(「感度アップモード」)。すなわち、デジタル信号増幅部110はマイクロコンピュータ3からの指令により画像信号を所定のゲインで増幅する。これにより、露光時間を短くし、速いシャッタースピードで撮影することができるので、像ブレの影響を小さくすることができる。
【0063】
カメラブレ補正モード選択アイコン92が選択されると、カメラブレ補正機能が動作する(「カメラブレ補正モード」)。すなわち、カメラブレ補正機構20は、マイクロコンピュータ3からの指令により補正レンズ群L2を光軸と直交する平面内の2方向に駆動させてカメラブレを軽減する。
【0064】
顔検出優先モードアイコン90が選択されると、マイクロコンピュータ3は、被写体の顔を検出し、被写体の数だけ高速連写する。また、被写体の動く速度に応じて、撮影感度をアップさせる。これにより、被写体が被写体ブレを発生させるような速度で動く場合には高感度の撮影感度に設定されるので、被写体が動くことによる被写体ブレを軽減することができる。
【0065】
モードOFF選択アイコン93が選択されると、上記の撮影感度アップ機能及びカメラブレ補正機能は動作せず、通常モードにて通常の撮影が可能である。
【0066】
次に、「顔検出優先モード」が選択された場合の撮影処理について、図6及び図7のフローチャートを用いて説明する。
【0067】
図6及び図7は、デジタルカメラ1の撮影処理を示すフローチャートであり、マイクロコンピュータ3により実行される。本フローは、例えばデジタルカメラ1の電源スイッチ35がON側に操作されると開始する。
【0068】
Step1の処理では、撮影者等がデジタルカメラ1の筐体1aの背面側に設けられたMENU設定操作部39を操作すると表示部55には撮影モードの一覧が表示される。表示された撮影モード選択アイコンのうち、撮影者等が顔検出優先モードアイコン90を選択すると、処理はStep2に進み、「カメラブレ補正モード」が始まる。
【0069】
Step2では、マイクロコンピュータ3は撮影モードを「カメラブレ補正モード」に切り替え、カメラブレ補正部16及びカメラブレ補正機構20を動作させる。カメラブレ補正部16は、角速度センサ18x、18yによりカメラ本体に加わるカメラブレなどのカメラブレを検知する。そしてマイクロコンピュータ3からの指令により、外部の回路からピッチング移動枠21のコイル24x、24yに電流が供給され、アクチュエータ27x、27yが形成する磁気回路により、ピッチング移動枠21及び補正レンズ群L2は光軸AXと直交する平面内の2方向X、Y方向に移動する。このとき、受光素子31はピッチング移動枠21の位置を検出するので、高精度な位置検出が可能である。
【0070】
Step3では、「顔検出優先モード」における変数Sをリセットし(S=1)、Step4では、「顔検出優先モード」における変数Xをリセットする(X=0)。
【0071】
Step5では、撮影者等がシャッター操作部36を半押し操作したことを認識して、マイクロコンピュータ3は処理をStep6へ移行させる。
【0072】
Step6では、被写体の顔検出を行う。顔検方法としては、撮影画像から輪郭情報を検出し、検出された輪郭内に特徴点(目、鼻、口等)が存在するかを検出する方法がある。顔検出部120は、検出された輪郭内に特徴点が存在する場合、顔と判断する。この顔検出のStep6において、顔認識することにより、被写体が何人いるのかを認識し、総被写体数をNとしてカウントする。
【0073】
図10は、撮影する際の顔検出処理時の様子を表示部55に表示する表示例を示す図である。図10において、総被写体数Nが9人の場合を示し、S=001から009まで、各被写体に対して番号付けされる。マイクロコンピュータ3は、この001から009までの各被写体に付された番号を、被写体個別に付けられた被写体番号と撮影画像と共に画像記録部12に記録する。また、各被写体に対しては、顔検出した位置を四角の実線でマーキングするようにしてもよい。
【0074】
Step7では、マイクロコンピュータ3は撮影者等がシャッター操作部36を全押し操作したことを認識すると、Step8で撮影する被写体の番号を示す変数Sが上記Step6で検出した総被写体数N以下であるか否かを判別する。撮影する被写体の番号が、顔検出のStep6で検出した総被写体数N以下の場合には、総被写体数の撮影が終了していないと判断して、被写体1人目からN人目まで、次のStep9からStep15までの一連の処理を行い、S>Nになると被写体の撮影が全て終了したと判断してStep19に移行する。
【0075】
Step9では、S人目の被写体に対して、測光処理及び測距処理を行う。測光処理において、デジタル信号処理部8は撮像センサ4により出力された画像信号に基づいて露光値を演算する。マイクロコンピュータ3は、演算された露光値に基づいて適切なシャッタースピードを自動設定する。また測距処理では、AF制御部95は画像信号のコントラスト値がピークとなるようにレンズ群を光軸方向に移動させ合焦調整を行う。ここで、この測光処理及び測距処理は、各被写体に対して個々に実施されるため、各被写体に対して、最適な露出条件及び測距条件にて撮影される。
【0076】
Step10では、S人目の被写体の顔の動きを検出する。顔の動き検出処理では、動き検出部100が撮影対象となる被写体の動きを、撮影画像の代表点を追跡することにより検出し、動きベクトルを出力する。また、動き検出処理と同時に測光処理及び測距処理を行う。測光処理では、デジタル信号処理部8は、撮像センサ4により出力された画像信号に基づいて露光値を演算する。マイクロコンピュータ3は、演算された露光値に基づいて適切なシャッタースピードを自動設定する。また、測距処理では、AF制御部95は画像信号のコントラスト値がピークとなるようにレンズ群を光軸方向に移動させ合焦調整を行う。また、被写体として顔を検出できなかった場合には、「顔検出優先モード」を抜け、通常の「カメラブレ補正モード」での撮影を継続する。
【0077】
また、被写体の顔の動き検出する際には、カメラブレ補正を行っているため、カメラブレの影響を少なくした状態によって、動き検出を行うことができるので、動き検出の精度を高めることができる。つまり、撮像センサ4での像の動きが、被写体の動きによるものであるか、撮影者等のカメラブレによるカメラ本体の動きの影響であるのかどうかを区別できる。
【0078】
Step11では、マイクロコンピュータ3は、動き検出部100により検出された検出ベクトルから、単位時間あたりの被写体の顔の動き速度Vhを算出する。
【0079】
Step12では、動き速度Vhの判定処理を行う。デジタルカメラ1には予め所定の値Aが設定されており、マイクロコンピュータ3は動き速度Vhと所定の値Aとを比較する。ここで、所定の値Aは被写体ブレが生じる閾値となる値であり、カメラ固有の値であってもよいし、撮影者等により任意に設定されてもよい。例えば、ストロボを使用する時には、シャッタースピードを速くすることができるので、閾値を大きくすることにより、むやみに撮影感度が上がることがない。逆に、被写体として被写体速度の算出後撮影時までに突然動くことの多い子供やペットを撮影する際には、デジタルカメラ1に、別途子供撮影モードあるいはペット撮影モードを設けることにより、撮影者等がそのモードを選択した時には、閾値を小さくして、撮影感度をアップさせることを優先するような方法であってもよい。さらには、夜景や薄暗い室内での撮影、被写体までの距離が遠くてストロボ光が届かない、あるいは望遠撮影のように使用時の焦点距離が長くてカメラブレの影響が大きい場合にも、閾値を小さくして、撮影感度を優先させてもよい。また、撮影する際に設定する画質に応じて、閾値を変更できるようにしてもよい。例えば、RAWファイル(非圧縮ファイル)などの最高画質で撮影する場合には、撮影感度アップによる画質劣化を避けるために閾値を大きくし、標準画質で撮影する場合には、閾値を小さくして撮影感度をアップさせることを優先させてもよい。
【0080】
比較の結果、動き速度Vhが値A以上の場合、マイクロコンピュータ3は被写体が被写体ブレを発生させる速度で動いていると判断し、処理をStep16に移行させる。一方、動き速度Vhが値Aよりも小さい場合、マイクロコンピュータ3は、被写体ブレは発生しないと判断して、処理をStep13へ移行させる。被写体ブレが発生しない状況においては、撮影感度であるISO感度を64相当とし、シャッタースピード1/30秒等に設定する。なお、被写体の動き検出においては、顔全体の動きでなくとも、例えば目の動きを検出することにより、まばたきして目をつぶった場合には、被写体が動いたと判断し、Step16に移行させてもよい。
【0081】
Step13では、撮影処理を行う。すなわち、撮影処理においては、撮像センサ4上に被写体像が形成されて画像信号が出力され、出力された画像信号は、表示部55に表示される。
【0082】
Step14では、画像信号を被写体番号と共に、画像記録部12に記録して、撮影処理を終了する。特に、画像信号を記録する際、被写体番号も同時に記録する。画像記録部12には、連続撮影した複数の被写体の画像を単一の連写画像フォルダに記録するとともに、連写画像フォルダに記憶した複数の被写体の画像のうち、特定の被写体の画像を、連写画像フォルダの代表画像として記憶する。
【0083】
Step15では、次の被写体(S+1人目)の撮影を行うために変数Sをインクリメントして(S=S+1)、Step8へ戻る。
【0084】
一方、上記Step12で動き速度Vhが値A以上の場合には、Step16で「顔検出優先モード」における変数Xをインクリメントし(X=X+1)、Step17でS人目の被写体の撮影を保留、つまり後回しにする。この場合、動いている被写体に対して、動きが止まるまで待つため、所定のウェイト(待ち時間)をおいてもよい。また、このウェイトは、被写体の顔の数により可変することも可能である。動きが止まるまで待つ機会を与える場合の実効を図るためである。
【0085】
Step18では、S人目の被写体が撮影されていないことをメモリ130に記憶する。図10の表示例では、総被写体数Nが9人の場合に、S=001から009まで、各被写体に対して番号付けされている。撮影が行われていない被写体の顔は、破線で囲まれており、2人目、及び8人目の被写体(S=002,S=008)の撮影が行われていないことを示している。また、撮影されていない被写体に対しては、その旨を撮影者等に知らせるために、上述したように四角のマーキングを破線で示すようにする、あるいは色を変えるようにしてもよい。
【0086】
図6のフローに戻って、上記Step8から移行したStep19において、撮影されていない被写体がない、つまり顔検出した被写体のすべての撮影が終了した場合には、この一連の撮影処理を終了する。一方、撮影されていない被写体がある場合には、図7のStep20のモードへと移行する。図7のフローは、図6に示す一連の処理により、撮影されていない被写体の撮影処理の方法を示すフローである。
【0087】
Step20では、撮影されていない被写体を示す変数Qを初期値に設定し(Q=1)、Step21では、撮影されていない被写体を示す変数Qと「顔検出優先モード」における変数Xを比較して、撮影されていない被写体が残っているか否かの判断を行う。Q≦Xの場合には、撮影されていない被写体が残っていると判断してStep22へ移行し、Q>Xの場合には、撮影されていない被写体が残っていないと判断して、図6のフロー終了に移行して一連の撮影処理を終了する。
【0088】
撮影されていない被写体が残っている場合には、Step22でメモリ130から何番目の被写体が撮影されていないかを読み出し(S=P(X))、Step23で再度、S人目の被写体の顔の動きを検出する。図10の例では、2人目、及び8人目の被写体(S=002,S=008)の撮影が終了していないことが、メモリ130に記憶されている。
【0089】
Step23では、S人目の被写体に対して、測光処理及び測距処理を行う。この測光処理及び測距処理は、上記Step9の測光処理及び測距処理と同様である。すなわち、測光処理において、デジタル信号処理部8は撮像センサ4により出力された画像信号に基づいて露光値を演算する。マイクロコンピュータ3は、演算された露光値に基づいて適切なシャッタースピードを自動設定する。また測距処理では、AF制御部95は画像信号のコントラスト値がピークとなるようにレンズ群を光軸方向に移動させ合焦調整を行う。なお、この測光処理及び測距処理は、各被写体に対して個々に実施されるため、各被写体に対して、最適な露出条件及び測距条件にて撮影される。
【0090】
Step24では、S人目の被写体の顔の動きを検出する。このS人目の被写体の顔の動きを検出は、上記Step10の被写体の顔の動きを検出と同様である。
【0091】
Step25では、マイクロコンピュータ3は、動き検出部100により検出された検出ベクトルから、単位時間当たりの被写体の顔の動き速度Vhを算出する。
【0092】
Step26では、動き速度Vhの判定処理を行う。このS人目の被写体の顔の動き速度Vh算出及び動き速度Vhの判定処理については、上記Step11の被写体の顔の動き速度Vh算出及び上記Step12の動き速度Vhの判定処理と同様である。デジタルカメラ1には予め所定の値Aが設定されており、マイクロコンピュータ3は動き速度Vhと所定の値とを比較する。比較の結果、動き速度Vhが値Aより小さい場合、マイクロコンピュータ3は、被写体ブレは発生しないと判断して、処理をStep27へ移行させる。この被写体ブレが発生しない状況においては、撮影感度であるISO感度を64相当とし、シャッタースピードを1/30秒等に設定する。一方、動き速度Vhが値A以上の場合には、マイクロコンピュータ3は被写体が被写体ブレを発生させる速度で動いていると判断し、処理をStep30へ移行させる。
【0093】
動き速度Vhが値Aより小さい場合、被写体ブレが発生しないと判断して、Step27で撮影処理を行う。撮影処理において、撮像センサ4上に被写体像が形成されて画像信号が出力され、出力された画像信号は、表示部55に表示される。
【0094】
Step28では、画像信号を被写体番号と共に、画像記録部12に記録して、撮影処理を終了する。
【0095】
Step29では、次の撮影されていない被写体の撮影を行うために変数Qをインクリントして(Q=Q+1)、Step21へ戻る。
【0096】
一方、上記Step26で動き速度Vhが値A以上の場合には、被写体が被写体ブレを発生させる速度で動いていると判断して、Step30で撮影モードを撮影感度アップモードに切り替える。すなわち、デジタル信号ゲイン設定部111は、高感度の撮影感度となるようゲインを設定する。ここでマイクロコンピュータ3は、被写体の顔の動き速度に応じて撮影感度が設定される。よって、被写体の顔の動き速度Vhから被写体ブレの生じないシャッタースピードを算出し、かかるシャッタースピードにて撮影可能な撮影感度に設定する。例えば、ISO感度400相当の撮影感度に、被写体の顔の動き速度に応じて撮影感度が設定される。なお撮影感度については、撮影画質の劣化を抑えるために、ISO感度を1600相当のように、上限を設定できるようにしてもよい。
【0097】
Step31では、高感度における撮影処理を行う。撮影センサ4上に被写体像が形成されて画像信号が出力され、デジタル信号処理部8から出力された画像信号に対し、上記Step30において設定されたゲインで増幅する。
【0098】
Step32では、画像信号を被写体番号と共に画像記録部12に記録して、撮影処理を終了する。
【0099】
そして、Step21において、すべての被写体、図10の例では、2人目、及び8人目の被写体の撮影が終了した場合には、図6のフロー終了へ移行し、すべての撮影モードを終了する。
【0100】
このように、複数の被写体一人ひとりに対して、被写体の顔の動き速度Vhが所定の値Aよりも小さい場合には、撮影感度は変更されずに、カメラブレ補正機能が動作する。これにより、カメラブレによるカメラブレを軽減し、良好な画質の画像を撮影することができる。また、複数の被写体一人ひとりに対して、被写体の顔の動き速度Vhが所定の値A以上の場合には、高感度の撮影感度に設定される。これにより露光時間を短くすることができ、速いシャッタースピードでの撮影が可能となるので、被写体ブレを防ぐことができる。
【0101】
次に、撮影した画像ファイルの管理方法について説明する。
【0102】
図11及び図12は、撮影した画像ファイルの管理方法を説明する図であり、図11は撮影した画像ファイルの管理方法を説明する図、図12は連写撮影した画像ファイルの管理方法を説明する図である。
【0103】
図11において、マイクロコンピュータ3は、内部メモリである画像記録部12に、撮影画像フォルダ83と、その下の階層に連写画像フォルダ84及び通常画像フォルダ85とを形成する。さらに、連写画像フォルダ84の下の階層に、連写画像フォルダ#1、#2、#3…を形成し、通常画像フォルダ85の下の階層に、通常フォルダ#1、#2…を形成する。連写撮影モードにおいて撮影された一連の複数画像は、被写体番号と共に画像ファイル88a、88b、88c…として、連写画像フォルダ#1、#2,#3…に格納される。一方、通常撮影モードでは、撮影された画像は、画像ファイル89として、通常画像フォルダ#1、#2…に格納される。
【0104】
さらに連写画像フォルダ#1について詳細に説明する。図12において、連写画像フォルダ#1には、1回の連写撮影における9枚の撮影画像が記録されており、撮影時刻が早い順に、88a001、88a002…としてファイルネームが付けられている。
【0105】
本実施の形態では、1回の連写撮影における撮影画像は9枚としているが、これに限られないことは言うまでもない。特徴的な点は、1回の連写撮影された撮影画像がすべて保存されていることにある。すなわち、「顔検出優先モード」設定時、複数の被写体の顔を検出した場合は、1回の連写で複数の被写体を、その被写体ごとに最適な撮影モードで撮影し、この1回の連写撮影された撮影画像は、被写体個別に付けられた被写体番号と共に連写画像フォルダ86aにすべて保存される。この例では、連写画像フォルダ#1に9枚の撮影画像88a001、88a002…が保存される。同様に、連写画像フォルダ#2、連写画像フォルダ#3にも、1回の連写撮影における複数枚の撮影画像が記録されている。
【0106】
なお、1回の連写撮影された撮影画像がすべて保存されていることに特徴があり、撮影画像の保存先は限定されない。上記デジタルカメラ1の画像記録部12に限らず、例えば図20で後述するリムーバブルメモリ51に保存してもよい。後述するリムーバブルメモリ51の場合も、画像記録部12の場合と同様に、マイクロコンピュータ3は、撮影画像フォルダ83と、その下の階層に連写画像フォルダ84及び通常画像フォルダ85とを形成し、連写画像フォルダ84の下の階層に、連写画像フォルダ#1、#2、#3…を形成し、通常画像フォルダ85の下の階層に、通常フォルダ#1、#2…を形成する。
【0107】
次に、デジタルカメラ1を用いた撮影により得られた撮影画像を、表示部55に表示する再生方法について説明する。
【0108】
図13は、撮影画像の再生方法を説明するフローチャートであり、マイクロコンピュータ3により実行される。
【0109】
本フローは、デジタルカメラ1の電源スイッチ35がON側に操作され、撮影/再生切換操作部37を再生モードに切換えると開始する。
【0110】
撮影者等は、まず表示部55に、撮影された画像を画像フォルダごとにサムネイル表示させるために、電源スイッチ35をONとした後、撮影/再生切換操作部37を再生モードに切換える。
【0111】
Step41では、マイクロコンピュータ3は、連写撮影画像の先頭サムネイル画像を表示する。
【0112】
図14は、連写撮影画像を画像フォルダごとにサムネイル表示させた場合における表示部55を示す図である。また、図15は、連写画像フォルダ#1における1枚目の撮影画像を表示させた場合における表示部55を示す図である。デジタルカメラ1の画像記録部12又はリムーバブルメモリ51には、1回の連写撮影された撮影画像がすべて保存されている。したがって、マイクロコンピュータ3は、画像表示制御部13に対して保存された撮影画像を表示部55にサムネイル表示させることができる。図14は連写画像フォルダ#1から#9までのサムネイル画像のうち、連写画像フォルダ#1を代表して示している。表示部55には、連写画像フォルダ#1〜#9の9つのサムネイル画像が一覧表示されている。
【0113】
図13のフローに戻って、Step42では、撮影者等は、サムネイル表示された画像フォルダの先頭画像の中から十字操作キー38を用いて連写画像フォルダ#N内の撮影画像を選択する。
【0114】
Step43では、連写画像フォルダ#Nの先頭画像を表示する。図15では、サムネイル表示された画像フォルダの先頭画像の中から連写画像フォルダ#1内の撮影画像を選択することにより、表示部55には、所定の連写画像フォルダ内の先頭画像が表示される。
【0115】
Step44では、サムネイル表示された画像の中から所定の被写体が選択されたか否かを判別する。すなわち、撮影者等は、表示画像された画像において、表示画像を見ながら十字操作キー38を操作することにより、所定の被写体を選択する。被写体が選択されていなければ、Step43に戻る。特定の被写体が選択された場合には、Step45で撮影画像に記録された被写体番号に基づき、連写画像フォルダ#1の中から、選択された被写体の撮影画像を表示して本フローを終了する。図15に示す場合においては、特定被写体(S=001)にフォーカスと露出を合わせて撮影した撮影画像88a001が表示されている。次に、撮影者等が、例えば特定被写体(S=002)を選択する場合には、表示部55上の右端に表示させた十字操作キー38に合わせ、右矢印キーを押すことにより、被写体(S=001)上にある四角のマーキングが、右隣に移動し、被写体(S=002)上に移動する。その状態にて、SET操作部40を押すことにより、表示部55に表示されている撮影画像88a001に代わり、撮影画像88a002が読み出されて表示される。なお、所定の被写体の選択に際しては、十字操作キー38を操作する方式に限らず、例えば、タッチパネル方式の表示部55を操作し、特定の被写体を直接選択するような方式であってもよい。
【0116】
このように、画像記録部12には、連続撮影した複数の被写体の画像を単一の連写画像フォルダに記録するとともに、連写画像フォルダに記憶した複数の被写体の画像のうち、特定の被写体の画像を、連写画像フォルダの代表画像として記憶されている。撮影者等は、この代表画像上で指定された特定被写体の画像を選択的に出力することができる。さらに、特定被写体の画像表示の際には、特定被写体を中心に任意の倍率で拡大して表示させる、あるいは特定被写体の周辺部分のみ、画像全体に対して任意の倍率で拡大表示させるようにしてもよい。
【0117】
以上のように、本実施の形態によれば、被写体全員の顔を検出し、その一人ひとりに、フォーカスと露出を合わせて高速で撮影することにより、すべての被写体に対し、最適な条件にて撮影を行うことが可能となる。よって、ユーザに負担をかけることなく被写体一人ひとりに最適な写真を撮影することができる。
【0118】
また、本実施の形態では、複数の被写体一人ひとりに対して、被写体の顔の動き検出を行うことにより、被写体ブレが生じる場合には、自動的に露光調整し、撮影感度をあげる。つまり、最適な条件で、すべての被写体を高速撮影することにより、カメラブレや被写体ブレによる画質劣化を軽減し、良好な画質の画像を容易に撮影することができる。
【0119】
また、本実施の形態では、被写体が動いている場合に、その被写体の撮影を後回しにし、後で再度撮影するので、その動いている被写体に対して、動きが止まるまで待つ機会を与えることができ、むやみに撮影感度を上げることを防止することができる。これは、動きのある被写体に対して、画質のよい撮影・記録につながる効果がある。
【0120】
また、同様の理由で、被写体に被写体ブレがある場合には、撮影順番を遅らせ、再度撮影することにより、目をつぶっているなどの失敗写真を撮ることを未然に防ぐことができる。
【0121】
さらには、被写体ブレがある場合は、高感度の撮影感度に自動的に変更し、露光時間を短くして高速のシャッタースピードで撮影することにより、被写体ブレによる画質劣化を防ぐことができる。また撮影時には、像ブレ補正機能を動作させるので、カメラブレによる像ブレを防ぎ、画質劣化を軽減することができる。
【0122】
このように、本実施の形態に係るデジタルカメラ1は、集合写真などにおいて、撮影者等が「顔検出優先モード」設定しておくだけで、1回のシャッター操作により、複数の被写体の顔を検出した被写体については、被写体毎に最適な撮影条件で撮影され、被写体番号と共に画像記録部12にすべて保存される。したがって、撮影者等は必要に応じて、被写体番号により管理された画像をいつでも読み出して出力することができる。
【0123】
(実施の形態2)
実施の形態2は、複数の被写体の顔の動きを検出して撮影モードを設定する例について説明する。
【0124】
本発明の実施の形態2に係る撮像装置のハード的構成は、図1乃至図3とほぼ同様であるため説明を省略する。
【0125】
本実施の形態に係るデジタルカメラは、複数の被写体より任意の被写体を選択し、その選択された被写体の顔の動きを検出して、撮影モードを選択可能とする点が実施の形態1のデジタルカメラと異なる。
【0126】
図16は、デジタルカメラ1の撮影処理を示すフローチャートであり、図6及び図7に示すフローと同一処理を行うステップには同一ステップ番号を付して重複箇所の説明を省略する。
【0127】
Step12で動き速度Vhが値A以上の場合、Step51で撮影モードを撮影感度アップモードに切り替える。すなわち、デジタル信号ゲイン設定部111は、高感度の撮影感度となるようゲインを設定する。ここでマイクロコンピュータ3は、被写体の顔の動き速度に応じて撮影感度が設定される。よって、被写体の顔の動き速度Vhから被写体ブレの生じないシャッタースピードを算出し、かかるシャッタースピードにて撮影可能な撮影感度に設定する。例えば、ISO感度400相当の撮影感度に、被写体の顔の動き速度に応じて撮影感度が設定される。
【0128】
Step52では、高感度における撮影処理を行う。撮影センサ4上に被写体像が形成されて画像信号が出力され、デジタル信号処理部8から出力された画像信号に対し、上記Step51において設定されたゲインで増幅する。なお撮影感度については、撮影画質の劣化を抑えるために、ISO感度を1600相当のように、上限を設定できるようにしてもよい。
【0129】
Step53では、画像信号を被写体番号と共に画像記録部12に記録して、撮影処理を終了する。
【0130】
このように、本実施の形態では、被写体ブレがある場合には、すぐに撮影感度を高感度に変更し、露光時間を短くして高速のシャッタースピードで撮影することにより、被写体ブレによる画質劣化を防ぐことができる。実施の形態1のように、被写体が動いている場合に、その被写体の撮影を後回しにすることなく、すぐに撮影感度を高感度に変更し、露光時間を短くして撮影するので、撮像・記録処理時間を短くすることができる。これは、実時間処理の短縮につながり、高速撮影又は複数の被写体の数が多いときなどに有利である。
【0131】
(実施の形態3)
図17は、本発明の実施の形態3に係る撮像装置及び表示装置を示す図である。
【0132】
本実施の形態に係る撮像装置は、実施の形態1のデジタルカメラ1とほぼ等しい構成を持つ。本実施の形態に係るデジタルカメラ1は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル75を介して表示装置70に接続される。表示装置70は、テレビモニタ等どのような表示機器でもよい。
【0133】
本実施の形態に係るデジタルカメラ1は、USBケーブル75を介して表示装置70に接続される。撮影画像及びサムネイル画像は、デジタルカメラ1に接続された外部の表示装置70に表示される。
【0134】
図17に示すように、デジタルカメラ1の画像記録部12に被写体番号と共に記録された撮影画像は、USBケーブル75を介して、テレビモニタ等の表示装置70に表示される。表示装置70に表示される画像は、デジタルカメラ1の画像表示制御部13により制御される。これにより、実施の形態1と同様に、撮影画像及びこれらのサムネイル画像を外部の表示装置70に表示することができる。
【0135】
本実施の形態によれば、デジタルカメラに表示部が設けられていない場合や、撮影画像の表示サイズを大きくしたい場合において、デジタルカメラ1を操作することにより、実施の形態1と同様に、撮影画像を外部のテレビモニタ等に表示することができるので、視認性の良い快適な表示が可能になり、利便性の高い撮像装置及び表示装置を提供することができる。
【0136】
なお、本実施の形態では、デジタルカメラ1の外部に接続される表示装置70としては、テレビモニタを用いた例を示したが、これに限られない。例えば、モニタに接続されたパーソナルコンピュータとケーブルを介して接続する構成としてもよい。
【0137】
また、USBケーブル75を用いた例を示したがこれに限られない。例えば、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394シリアルバス用ケーブルや、無線LAN等の無線により接続してもよい。
【0138】
(実施の形態4)
図18は、本発明の実施の形態4に係る撮像装置及び印刷装置を示す図である。
【0139】
本実施の形態に係る撮像装置は、実施の形態1のデジタルカメラ1とほぼ等しい構成を持つ。本実施の形態に係るデジタルカメラ1は、USBケーブル76を介して印刷装置71に接続される。印刷装置71は、例えば通信制御機能を有するインクジェットカラープリンタである。
【0140】
本実施の形態に係るデジタルカメラ1は、USBケーブル76を介して印刷装置71に接続される。撮影画像及びサムネイル画像は、デジタルカメラ1に接続された外部の印刷装置71に印刷される。
【0141】
図18に示すように、デジタルカメラ1の画像記録部12に被写体番号と共に記録された撮影画像は、USBケーブル76を介して、印刷装置71に送られ印刷される。USBケーブル76は、例えば専用ケーブルであってもよい。印刷装置71によって印刷される撮影画像は、デジタルカメラ1の画像表示制御部13により制御されるため、実施の形態1と同様に、撮影画像を外部の印刷装置71で印刷することができる。
【0142】
次に、デジタルカメラ1を用いた撮影により得られた撮影画像を、印刷装置71に印刷する印刷方法について説明する。
【0143】
図19は、撮影画像の印刷方法を説明するフローチャートであり、マイクロコンピュータ3により実行される。
【0144】
本フローは、デジタルカメラ1の電源スイッチ35がON側に操作され、撮影/再生切換操作部37を印刷用再生モードに切換えると開始する。
【0145】
撮影者等は、まず表示部55に、撮影された画像を画像フォルダごとにサムネイル表示させるために、電源スイッチ35をONとした後、撮影/再生切換操作部37を印刷用再生モードに切換える。
【0146】
StepS61では、マイクロコンピュータ3は、連写撮影画像の先頭サムネイル画像を表示する。デジタルカメラ1の画像記録部12又はリムーバブルメモリ51には、1回の連写撮影された撮影画像がすべて保存されている。したがって、マイクロコンピュータ3は、画像表示制御部13に対して保存された撮影画像を表示部55にサムネイル表示させることができる。例えば、前記図14に示すように、連写画像フォルダ#1〜#9の9つのサムネイル画像を一覧表示する。
【0147】
Step62では、撮影者等は、サムネイル表示された画像フォルダの先頭画像の中から十字操作キー38を用いて連写画像フォルダ#N内の印刷用撮影画像を選択する。
【0148】
Step63では、連写画像フォルダ#Nの先頭画像を表示する。
【0149】
Step64では、サムネイル表示された画像の中から印刷用被写体が選択されたか否かを判別する。撮影者等は、表示画像された画像において、十字操作キー38を操作することにより、印刷用被写体を選択する。印刷用被写体が選択されていなければ、Step63に戻る。特定の被写体が選択された場合には、Step65で撮影画像に記録された被写体番号に基づき、連写画像フォルダ#1の中から、選択された被写体の印刷用撮影画像を印刷して本フローを終了する。さらに、特定被写体の画像印刷の際には、特定被写体を中心に任意の倍率で拡大して印刷させる、あるいは特定被写体の周辺部分のみ、画像全体に対して任意の倍率で拡大印刷させるようにしてもよい。
【0150】
このように、デジタルカメラ1を操作することにより、撮影者等は撮影画像に記録された被写体番号に基づき、最適な画質の撮影画像を選択し、選択した最適な画質の撮影画像を印刷することができるので、視認性の良い快適な印刷が可能で、利便性の高い撮像装置及び印刷装置を提供することができる。
【0151】
なお、本実施の形態では、外部の印刷装置として直接プリンタを繋いだ例を示したが、これに限られない。例えば、プリンタに接続されたパーソナルコンピュータとケーブルを介して接続する構成としてもよい。
【0152】
また、USBケーブル75を用いた例を示したがこれに限られない。例えば、IEEE1394シリアルバス用ケーブルや、無線LAN等の無線により接続してもよい。
【0153】
(実施の形態5)
図20は、本発明の実施の形態5に係る撮像装置、表示装置及び印刷装置を示す図である。図17及び図19と同一構成部分には同一符号を付して説明を省略する。
【0154】
図20において、51はSDメモリなどのリムーバブルメモリ、79は表示制御装置、80は印刷制御装置、81は表示印刷制御装置である。表示制御装置79、印刷制御装置80及び表示印刷制御装置81は、リムーバブルメモリ51を着脱可能なリムーバブルメモリ挿入部77を備える。
【0155】
本実施の形態に係る撮像装置は、実施の形態1のデジタルカメラ1とほぼ等しい構成を持つ。本実施の形態に係るデジタルカメラ1は、USBケーブル76を介して印刷装置71に接続される。表示制御装置79は、例えばリムーバブルメモリ挿入部77とその制御部(図示略)を備えるテレビモニタである。印刷制御装置80は、例えばリムーバブルメモリ挿入部77その制御部(図示略)を備えるインクジェットカラープリンタである。表示印刷制御装置81は、例えば、画像処理ソフトを備えたパーソナルコンピュータとモニタなどである。
【0156】
デジタルカメラ1により撮影された撮影画像は、被写体番号と共に着脱可能なメモリーカードなどのリムーバブルメモリ51に記録される。リムーバブルメモリ51は、メモリーカードに限られず、ハードディスクや光ディスクなどでもよい。
【0157】
リムーバブルメモリ51は、表示制御装置79のムーバブルメモリ挿入部77に装着され、表示制御装置79は、リムーバブルメモリ51に記録された撮影画像を読み出して表示装置70に表示する。表示装置70に表示される撮影画像は、リムーバブルメモリ51に記録された被写体番号に基づいて、実施の形態1と同様の表示制御が行われる。
【0158】
また、表示制御装置79は、デジタルカメラ1により得られた撮影画像と、被写体番号を記録したリムーバブルメモリ51から、これらを読み出し、撮影画像及びこれらのサムネイル画像を表示装置に表示することができる。
【0159】
なお、図20に示すように、リムーバブルメモリ挿入部77を備えた印刷制御装置80で印刷する場合、あるいは、表示印刷制御装置81を表示装置70と接続して表示する、あるいは印刷装置71と接続して印刷する場合でも同様の効果を得ることができる。
【0160】
なお、本実施の形態では、リムーバブルメモリ挿入部77を備えた表示装置、印刷装置及び表示印刷制御装置を用いる例を示したが、これに限られない。例えば、リムーバブルメモリ51の読み出しが可能なメモリーカードリーダ等の読み取り装置と、表示印刷制御装置と、表示装置、印刷装置とを接続する構成としてもよい。
【0161】
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。
【0162】
撮像装置を有する電子機器であればどのような装置にも適用できる。例えば、デジタルカメラ及びビデオカメラは勿論のこと、カメラ付き携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末、撮像装置を備えるパソコン等の情報処理装置にも適用可能である。
【0163】
また、各実施の形態では、被写体の総数を9人としたが、その数に限定されないことは勿論であり、さらに多くても差し支えない。
【0164】
また、被写体の撮影順番については、その順序に限定されるものではなく、他の順序であってもよい。
【0165】
また、各実施の形態では、顔検出した被写体の総数全てに対して、露出条件、及び合焦条件を合わせて撮影したが、特定の被写体のみ撮影するようにしてよい。例えば、性別、あるいは年齢条件により、撮影の有無を決定するようなシステムであってもよい。
【0166】
また、各実施の形態では、N人の被写体に対して、顔の動きを検出することにより、撮影するか、あるいは撮影を後回しにするかどうかの判断を行ったが、その判断を省略し、単に、N人の被写体全ての撮影を行うようにしてもよい。
【0167】
また再生/印刷時には、9枚の撮影画像88a001、88a002…から、それぞれの被写体周辺の画像を切り抜き、9つの被写体画像を1枚の画像として合成してもよい。このように画像合成することにより、被写体一人ひとりに、フォーカスと露出を合わせた1枚の画像を、容易に作成することが可能となる。
【0168】
また、各実施の形態における撮像光学系及びカメラブレ補正部の構成は、上記の構成に限られない。例えば、カメラブレ補正部は撮像センサを撮像光学系に対して光軸と直交する2方向に駆動させてもよい。また例えば、カメラブレ補正部は、レンズ鏡筒の被写体側前面に取り付けられたプリズムの角度を変えてもよいし、あるいはレンズ鏡筒全体を駆動してもよく、カメラブレによるカメラブレの補正が可能であれば構成はこれらに限られない。
【0169】
また、撮像センサ内での画像の切り出し位置を変えて補正する、あるいは同一の被写体を短いシャッタースピードにて複数枚撮影した後に1枚の画像に合成するなどの電子式のカメラブレ補正方式であってもよく、その方式が限定されるものではないことは明らかである。
【0170】
また、各実施の形態では、被写体の動き速度は、動きベクトルを用いて算出したが、これに限らず、別途外部センサ等を用いて被写体の動き速度を検出してもよい。
【0171】
また、各実施の形態では、シャッターを動作させることにより撮像センサへの露光時間を制御したが、これに限らず、電子シャッター等により撮像センサの露光時間を制御してもよい。
【0172】
また、各実施の形態では、シャッター操作部を1回操作すると連続して複数枚の画像が撮影できる例について説明したが、シャッター操作部を操作している(押している)期間のみ、撮影可能なシステムとしてもよい。
【0173】
また、各実施の形態では、顔検出を行うことにより測距エリアを設定したが、顔検出の替わりに、特定の色を検出して測距エリアを設定するようなシステムであってもよい。
【0174】
また、各実施の形態に係るデジタルカメラは撮像光学系を備えたが、これに限られない。一眼レフレックスカメラシステムのように、撮像光学系を保持するレンズ鏡筒と、撮像センサを含むカメラ本体とが別々に組合わせて使用される撮像装置に対しても適用することができる。例えば、撮像光学系を保持するレンズ鏡筒と、カメラ本体とが別々に用意され、撮像者等が組合わせて使用されるシステム全般に適用できる。
【0175】
また、本実施の形態に係るデジタルカメラにおいては、撮像素子の高画素化の利点を生かし、一人ひとりの被写体を中心に、その被写体の数だけ自動的にプリントアウトできるようなシステムであってもよい。
【0176】
また、本実施の形態では、撮像装置という名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、撮影装置、デジタルカメラ及び撮像方法等であってもよいことは勿論である。
【0177】
さらに、上記デジタルカメラを構成する各構成部、例えば撮像光学系の種類、その駆動部及び取付け方法など、さらには動き検出部の種類などは前述した実施の形態に限られない。
【0178】
また、以上説明した撮像装置は、この撮像装置の撮影制御方法を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
【産業上の利用可能性】
【0179】
本発明に係る撮像装置は、良好な画質の画像が要望されるデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラ、カメラ部を備えた携帯電話、PDA等に好適である。
【符号の説明】
【0180】
1 デジタルカメラ
1a 筐体
3 マイクロコンピュータ
4 撮像センサ
5 CCD駆動制御部
6 アナログ信号処理部
7 A/D変換部
8 デジタル信号処理部
9 バッファメモリ
10 画像圧縮部
11 画像記録制御部
12 画像記録部
13 画像表示制御部
14x ヨーイング駆動制御部
14y ピッチング駆動制御部
15 位置検出部
16 カメラブレ補正部
17x、17y D/A変換部
18x、18y 角速度センサ
19x、19y A/D変換部
20 カメラブレ補正機構
21 ピッチング移動枠
22 ヨーイング移動枠
23a、23b ピッチングシャフト
24x、24y コイル
25 固定枠
26a、26b ヨーイングシャフト
27x、27y マグネット
28x、28y ヨーク
29x、29y アクチュエータ
30 発光素子
31 受光素子
35 電源スイッチ
36 シャッター操作部
37 撮影/再生切換操作部
38 十字操作キー
39 MENU設定操作部
40 SET操作部
41 シャッター制御部
42 シャッター駆動モータ
43 ストロボ制御部
44 ストロボ
51 リムーバブルメモリ
55 表示部
56 ストロボ入/切操作部
57 ズーム操作部
70 表示装置
71 印刷装置
75、76 USBケーブル
77 リムーバブルメモリ挿入部
79 表示制御装置
80 印刷制御装置
81 表示印刷制御装置
90 顔検出優先モードアイコン
91 感度アップモード選択アイコン
92 カメラブレ補正モード選択アイコン
93 モードOFF選択アイコン
95 AF制御部
96 フォーカス駆動モータ
100 動き検出部
101 代表点記憶部
102 相関演算部
103 動きベクトル検出部
110 デジタル信号増幅部
111 デジタル信号ゲイン設定部
120 顔検出部
130 メモリ
L 撮像光学系

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体の光学像を形成する撮像光学系と、
前記形成された光学像を受光して電気的な画像信号に変換して出力する撮像センサと、
前記撮像センサにより取り込まれた画像信号に基づいて複数の被写体の顔を検出する顔検出部と、
シャッター操作により前記複数の被写体の顔毎に、該被写体の顔の数に対応して連続撮影を行う制御部と、
前記連続撮影した複数の被写体の画像を、特定被写体の画像として、前記複数の被写体ごとに関連付けて記録する記録部と、
画像を表示する表示部と、
前記記録部に記録された複数の被写体の画像を前記表示部に表示させる画像表示制御部と、
前記特定被写体を選択する特定被写体選択部と、を備え、
前記画像表示制御部は、前記特定被写体選択部により前記複数の被写体の中から前記特定被写体が選択された場合、前記記録部に記録された前記特定被写体の画像を前記表示部に表示することを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、複数の被写体の顔毎に、測光処理した最適な露出条件、及び/又は最適な測距条件で撮影を行うことを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項3】
前記記録部は、連続撮影した複数の被写体の画像を単一の画像フォルダに記録することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項4】
外部の表示装置に前記特定被写体の表示画像データを出力する表示画像出力部を、更に有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。
【請求項5】
外部の印刷装置に前記特定被写体の印刷画像データを出力する印刷画像出力部を更に有することを特徴とする請求項1記載の撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2012−227936(P2012−227936A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−131804(P2012−131804)
【出願日】平成24年6月11日(2012.6.11)
【分割の表示】特願2007−110831(P2007−110831)の分割
【原出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】