撮影レンズユニットおよびデジタルカメラ
【課題】撮影レンズユニットに適用される液晶レンズの光軸をより正確に位置決めすることが可能な撮影レンズユニットを提供する。
【解決手段】撮影レンズユニットは、光軸を有し、該光軸方向前後面に配される透明電極板56,61と液晶層62とを備えた液晶レンズ部と、上記液晶レンズ部を内部に保持する液晶レンズ保持部材である中枠54とを具備しており、上記中枠54の内周部に設けられる位置決め突起54g,54hにより、上記液晶レンズ部の前側の透明電極板56の外周部を当接させて位置決めすることによって上記液晶レンズ部の光軸を中枠54に対して正確に位置決めすることができる。
【解決手段】撮影レンズユニットは、光軸を有し、該光軸方向前後面に配される透明電極板56,61と液晶層62とを備えた液晶レンズ部と、上記液晶レンズ部を内部に保持する液晶レンズ保持部材である中枠54とを具備しており、上記中枠54の内周部に設けられる位置決め突起54g,54hにより、上記液晶レンズ部の前側の透明電極板56の外周部を当接させて位置決めすることによって上記液晶レンズ部の光軸を中枠54に対して正確に位置決めすることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の透明電極板を備えた液晶レンズが組み込まれた撮影レンズユニットおよび該撮影レンズユニットを適用するデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からカメラの焦点距離または焦点位置を変化させる合焦点機構として、複数のレンズを組み合わせ、その位置関係を変化させることにより合焦させる方式が広く用いられている。しかし、この方式ではレンズ進退駆動機構が必要であるため、機構が複雑になるという欠点、あるいは、レンズ駆動用モータに比較的多く電力を要するという欠点があった。そこで、レンズ駆動機構が不要な合焦点機構として、液晶レンズの屈折率を変化させることにより焦点を合わせる方式が特許文献1,2等に提案されている。
【0003】
しかし、上記液晶レンズは温度が低下した場合、屈折特性の応答速度が低下して低温環境での撮影時、すばやい合焦を行うことが困難となり、カメラ動作上、問題が生じる可能性がある。そこで、特許文献3に開示された液晶レンズは、液晶層を直接加熱するヒータ電極を液晶レンズの屈折率変化を行うための位相変調電極の外側の領域に設け、液晶層を所望の温度以上に維持することによって、実用に当たって十分の速さで合焦動作を行うことが可能な技術に関するものである。
【特許文献1】特開2006−243572号公報
【特許文献2】特開2006−209122号公報
【特許文献3】特開2007−248985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示された液晶レンズを用いた電子機器においては、光学レンズに用いる透明基板が矩形形状した液晶レンズを光学レンズの光軸に透明基板の中心を一致するように配置するために透明基板に位置決めの穴を形成し、入射側または射出側に配置された単数または複数レンズの光軸を一致させるなどの場合には透明基板であるガラス材料の場倍には位置決め穴の精度が低く、穴加工によるコスト高となる。また、上述した特許文献3に開示された液晶レンズを用いた電子機器においては、ユーザが使用する際に、外部環境が所定温度より低下した場合においては、該液晶レンズを加熱するための電力を必要とし、そのための内蔵電池の電力消耗が避けられない。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、液晶レンズ周辺の保温熱が外部温度の影響を防ぐために断熱部材で包囲し、上記液晶レンズの保温を行うとともに、透明電極板の外形を鏡枠部材に設けた位置決め突起による位置決め手段を用いて、入射側または射出側に配置された単数または複数レンズの光軸を一致させることを目的とした撮影レンズユニットおよび該撮影レンズユニットを適用したデジタルを提供する。また、撮像レンズユニットにおいて、液晶レンズを適用し、他の電気制御素子の作動熱(例えば、ユーザが使用する際に、外部環境が所定温度より低下した場合においては、撮像素子をダミー駆動して、撮像素子が発生する熱)を利用した上記液晶レンズの加熱が可能な撮影レンズユニットおよび該撮影レンズユニットを適用したデジタルカメラを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1記載の撮影レンズユニットは、複数の透明電極板を備えた液晶レンズを含む撮影レンズと、上記液晶レンズを内部に保持する鏡枠部材と、上記鏡枠部材の外周を覆う断熱部材とを具備しており、上記鏡枠部材には、上記液晶レンズの透明電極板が上記撮影レンズの光軸および該光軸に対して直交する平面内において上記透明電極板の外周部を上記鏡枠部材に設けた位置決め突起により位置決めする位置決め手段が設けられており、上記鏡枠部材に上記液晶レンズを容易に挿入でき、簡単な位置決めが可能となる。
【0007】
本発明の請求項2記載の撮影レンズユニットは、請求項1記載の撮影レンズユニットにおいて、透明電極板は、上記位置決め手段により上記透明電極板の一枚の外周部で位置決めされる。
【0008】
本発明の請求項3記載の撮影レンズユニットは、請求項1記載の撮影レンズユニットにおいて、さらに、上記撮影レンズを介して取り込まれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と、上記撮像素子に接続されるプリント基板とを具備しており、上記プリント基板上には上記透明電極板に接続される液晶駆動回路が実装されている。
【0009】
本発明の請求項4記載の撮影レンズユニットは、請求項1乃至3記載の撮影レンズユニットにおいて、上記撮像素子は、放熱部材に保持された状態でユニット枠部材に対して上記撮像素子と共に上記光軸と直交する方向に移動可能に支持されており、上記ユニット枠部材には、上記鏡枠部材に設けられた金属線または輪帯板に接続される放熱板係合部と係合可能な係合部が設けられている。
【0010】
本発明の請求項5記載のデジタルカメラは、請求項1記載の撮影レンズユニットと、液晶表示ユニットとを具備する。
【0011】
本発明の請求項6記載のデジタルカメラは、請求項5記載のデジタルカメラにおいて、上記撮影レンズユニットは、上記デジタルカメラに対して交換可能であり、上記撮影レンズユニットは、オートフォーカス光学系と、上記液晶レンズおよびレンズを内部に保持する上記鏡枠部材とを有しており、さらに、上記デジタルカメラは、ファインダ光学を具備している。
【0012】
本発明の請求項7記載のデジタルカメラは、請求項6記載のデジタルカメラにおいて、上記焦点検出光学系は、上記鏡枠部材とカメラ本体との間に介在する断熱部材を有し、さらに、上記液晶レンズの透明電極基板が上記コンデンサレンズの光軸および該光軸に対して直交する平面内において上記鏡枠部材に対して上記鏡枠部材に設けた位置決め突起からなる位置決め手段によって上記透明電極板の外周部を介して位置決めされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮影レンズに適用した液晶レンズの保温を行うことが可能であり、かつ、入射側または射出側に配置された液晶レンズの光軸をより正確に位置決めすることが可能な撮影レンズユニットおよび該撮影レンズユニットを適用したデジタルカメラを提供することが可能である。また、外部環境が所定の温度より低下した場合、他の電子制御素子の作動熱(例えば、撮像素子をダミー駆動して撮像素子が発生する熱)を利用した液晶レンズの加熱が可能な撮像レンズユニットおよび該撮像レンズユニットを適用したデジタルカメラを提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第一の実施形態の撮影レンズユニットであるレンズ鏡筒の沈胴状態における光軸上の縦断面図である。図2は、図1のレンズ鏡筒の撮影可能状態における光軸上の縦断面図である。図3は、図1のレンズ鏡筒に適用される液晶レンズユニットの断面図である。図4は、図3の液晶レンズユニットの分解斜視図である。図5は、図3の液晶レンズユニットにて中枠に液晶レンズを挿入し位置決めした状態を背面側から見た図である。
【0016】
なお、撮影レンズの光軸は、図中、「O」で示す。また、以下の説明では該光軸の被写体側を前方、結像側(撮像素子側)を後方とする。さらに、上記レンズ鏡筒のカム筒の回転方向は、前方側から見た回転方向で示す。また、上記光軸に対して直交する方向のうち、図1の紙面に対して垂直な方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。
【0017】
本実施形態のレンズ鏡筒1は、光軸方向の長さが伸長した状態にてズーミングおよびフォーカシングを行う撮影可能状態と上記伸長状態より短縮した非撮影状態、例えば、沈胴状態とに切り替えることができ、液晶レンズによる焦点距離変更可能なレンズ鏡筒であって、デジタルカメラに組み込まれる。
【0018】
レンズ鏡筒1は、図1,2に示すようにカメラ本体(図示せず)に支持されるユニット枠部材である固定枠支持体12と、固定枠支持体12の前面部に固定支持される円筒状の固定枠2と、固定枠支持体12の背面に固着される撮像素子基板であるプリント基板36と、固定枠支持体12に支持される光学フィルタ15と、プリント基板36にXY平面上を移動可能な状態で撮像素子支持板37に支持される撮像素子14を含む撮像ユニット34とを有しており、さらに、固定枠2に光軸方向に進退可能に支持される直進枠3と、固定枠2に支持され、回転、かつ、光軸O方向に進退移動するカム筒5と、固定枠2により回転規制され、カム筒5とともに進退移動するカム筒/二群枠直進ガイド用フロートキー9と、カム筒5に支持され、光軸方向に進退移動する移動枠である一群枠4と、カム筒5に支持され、光軸方向に進退移動する二群枠6と、二群枠6に保持されて進退移動するシャッタ枠7および液晶レンズユニット51と固定支持体12に保持される三群レンズ23と、撮像素子14の前方に鏡筒前方から後方に向けて順に配される撮影レンズ群として、一群枠4に保持される一群レンズ21と、液晶レンズユニット51に保持される二群レンズとしての液晶レンズ群22と、さらに、三群枠8に保持される三群レンズ23とを有している。
【0019】
なお、レンズ鏡筒1が組み込まれるデジタルカメラ131にはレンズ鏡筒1の他に図6の要部構成図に示すように液晶表示ユニット134と、電源部を含むカメラ外装前カバーユニット135と、カメラ外装後カバーユニット136とが配されている。
【0020】
直進枠3は、固定枠2の直進溝2bに嵌入するガイド突部3aを介して回転規制された状態でカム筒5と光軸方向に一体の状態で進退駆動される。
【0021】
カム筒5は、円筒状枠部材であって、その後端部が固定枠2の内周に嵌入し、回転、進退可能に支持されている。そして、カム筒5は、固定枠2のヘリコイドねじ(雌)2aに螺合するヘリコイドねじ(雄)5aと、外周面5e上に設けられる120°間隔の3本からなるカム溝5cと、さらに、内周面上に設けられる3本からなるカム溝5dとを有しており、ズーム駆動モータ(図示せず)によりズーム駆動用ギヤ(図示せず)を介して回転駆動され、その回転にともなって固定枠2に設けられた上記ヘリコイドねじ2aによって光軸方向に進退移動する。
【0022】
一群枠4は、一群レンズ21を保持する円筒状枠部材であって、直進枠3とカム筒5の間に嵌入され、かつ、固定枠2の直進溝2bに嵌入する突部4a(後述するカムフォロア軸嵌入穴の外径)により回転規制された状態で支持されている。そして、一群枠4の内周面4bの3分割位置にカム筒5のカム溝5cに係合する3つのカムフォロア31が設けられており、カム筒5の進退回転にともなって、該カム溝により該カムフォロアを介して光軸方向に進退駆動される。なお、一群枠4の前面部には、一群レンズ21の前面に位置し、開口部を有する飾り板11が固着されており、さらに、飾り板11の内側に上記開口部を開閉可能なレンズバリア25が配されている。
【0023】
二群枠6は、シャッタ枠7および液晶レンズユニット51を保持する円筒状枠部材であって、カム筒5の内周部に嵌入され、フロートキー9によって回転規制された状態支持されている。そして、この二群枠6の外周面の3分割位置にカム筒5のカム溝5dに係合する3つのカムフォロア32が設けられており、二群枠6は、カム筒5の進退回転にともなって、該カム溝により該カムフォロアを介して光軸方向に進退移動する。
【0024】
シャッタ枠7は、二群枠6とともに光軸方向に進退移動し、前面側に開閉駆動されるシャッタ羽根24を内蔵している。
【0025】
固定支持体12は、光学フィルタ15と三群レンズ23を保持している。光学フィルタ15と撮像素子14との間には撮像素子の保護板上に埃が堆積するのを防止するため、カーボンが充填されたシリコンゴムやウレタンゴム材の円形状、矩形断面のパッキン材8が光学フィルタ15に接合して配されている。撮像素子14が平面内を直交する際には、撮像素子の保護板がパッキン材を摺動する構造となる。
【0026】
液晶レンズユニット51は、図3の断面図、図4の分解斜視図に示すようにレンズパワー可変(焦点距離可変)である液晶レンズ群22を内蔵するレンズユニットであり、例えば、二群枠6に固定支持される鏡枠部材である前、後外枠52,53と、前外枠52の内周凹部52aに嵌入する鏡枠部材である中枠54と、後外枠53の内周凹部53aに嵌入する鏡枠部材である押さえ枠55と、中枠54の外周部に巻回される熱伝導の高い熱伝導コイル66と、巻回された熱伝導コイル66の外周部を覆う断熱部材からなる断熱シート67と、中枠54の内周部54aに嵌入し、後端凹部54dに挿通される液晶レンズ群22とからなる。
【0027】
前、後外枠52,53は、断熱部材からなるリング形状の鏡枠部材である。
【0028】
中枠54は、アルミニウム合金、あるいは、黒鉛およびカーボン繊維充填PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)からなる熱伝導部材であり、前、後端にフランジ部54c,54dが形成された円筒外周と、光軸Oに沿った四角形状開口部とを有する筒部材であり、前端フランジ部54cには、円形状段部54iと円形状開口54jが設けられ、後端フランジ部54dにはコの字切り欠き状凹部54fが設けられている。また、上記四角形状開口部の下面部54aの円形状開口54jの裏面近傍に位置決め手段としての2つの位置決め突起54gと、上記四角形状開口部の左面部54bの円形状開口54jの裏面近傍に位置決め手段としての2つの位置決め突起54hとが配されている(図3〜5)。
【0029】
押さえ枠55は、アルミニウム合金、あるいは、黒鉛およびカーボン繊維充填PPSからなる熱伝導部材であり、中央開口部55aを有するリング形状の部材であり、中枠54の位置決め穴54eに係合する位置決めピン55eを有している。
【0030】
液晶レンズ群22は、内面側に共通電極57が設けられたガラス基板からなる四辺形状の前透明電極板56と、内面側にパターン電極60が設けられたガラス基板からなる矩形平板状の後透明電極板61と、前、後透明電極板56,61内側に対向し、所定の間隔をもって配される四辺形状の配向膜58,59と、配向膜58,59の間に封入される液晶レンズ部を構成する四辺形状のネマチック液晶層62と、液晶層62を封入するためのシール65とからなる。
【0031】
これらの各構成部材は、接着等により一体化され、四角柱形状で後透明電極板61の上端部が突出する液晶レンズ群22を形成する。
【0032】
後透明電極板61に配されるパターン電極60は、透明電極板からなり、液晶レンズ群22の中央のレンズ部に重なる状態で配され、円形状の中心電極とその外周部に同心円状の複数のC字状の輪帯電極とからなる。上記中心電極と最内径側輪帯電極と、また、輪帯電極間は、輪帯接続部を介して互いに接続されている。上記中心電極および上記輪帯接続部は、外方に引き出され、後述するように液晶レンズユニット51の外方に突出する後透明電極板61の一端部に配される接続パターン61aの一部に接続されている。また、前透明電極板56に配される透明電極板からなる共通電極57も後透明電極板61の一端部に配される接続パターン61aの他の一部に接続されている。
【0033】
液晶レンズ群22は、中枠54内に挿入し、前透明電極板56の前面を中枠54の円形状開口54jの裏面に当接させ、さらに、前透明電極板56の下面(基準面)を中枠54の位置決め突起54gに、左面(基準面)を位置決め突起54hに当接させた状態に保持して接着剤54kにより接着固定する。この状態で後透明電極板61の接続パターン61a部を含む上端部は、中枠54の凹部54fを挿通して外方に露呈している。
【0034】
続いて、中枠54の後透明電極板61の後端面側から押さえ枠55を当て付け、押さえ枠55位置決めピン55eを中枠54の位置決め穴54eに係合させて相対位置決めして接合し、固定する。さらに、中枠54の前端フランジ部54cの円形状段部54iには、前凸レンズ63が挿入され接着固定される。また、押さえ枠55の開口部55aの裏面側に後凸レンズ64が接着固定される。
【0035】
その後、中枠54のフランジ部54bと押さえ枠55は、それぞれ前、後外枠52,53の内周凹部52a,53aに嵌入させ、上記組み付け状態で各部材は、接着により液晶レンズユニット51として一体化される。この一体化状態では、前、後外枠52,53に対して中枠54と押さえ枠55を介して液晶レンズ群22は同軸状態、すなわち、液晶レンズ群22の光軸と前、外枠52,53の中心軸とが一致した状態で保持される。また、中枠54の外周部に形成される凹部には単線、または、複線の金属線で、その金属線の表面には金、または、銅メッキされた金属線からなる熱伝導コイル66が巻回され、巻回された熱伝導コイル66の外周は、断熱シート67により覆われる。
【0036】
上記組み立て状態の液晶レンズユニット51においては、後透明電極板61の一端部は、液晶レンズユニット51の外周に突出しており、上記一端部に配される接続パターン61aには、接続用FPC(フレキシブルプリント基板)68が接続されている。また、熱伝導コイル66の端部も液晶レンズユニット51の外周に突出しており、該端部には、可撓性を有する平板状の熱伝導部材からなる可撓金属線または金属箔69が断熱シート(図示せず)で覆われた状態で接続されている。なお、可撓金属板69は、圧縮伸張可能なコイルバネ状金属線に替えてもよい。
【0037】
なお、上述した液晶レンズユニット51においては、中枠54と押さえ枠55とが光軸Oと直交する平面で分離、結合する構造を有しているが、これに替えて中枠と押さえ枠とを光軸Oと平行な面に沿って上下、または、左右に分離、結合する構造を採用することも可能である。この場合、熱伝導コイル66の中枠54の外周への巻回は、上記中枠54と押さえ枠55との上下、または、左右の結合後の状態で行う必要がある。
【0038】
上述した構成を有する液晶レンズユニット51は、前、後外枠52,53を介して二群枠6に対して固定支持されており、二群枠6と共に光軸方向に進退移動する。液晶レンズユニット51の外周部より延出した接続用FPC68および可撓金属線または金属箔69は、U字状に折り返され、固定枠支持体12より光軸と平行方向に突出するガイド突起12aに一部が固着された状態で支持される。従って、二群枠6の光軸方向の進退移動時、接続用FPC68および可撓金属線または金属箔69は、U字状に変形し、二群枠6の進退移動を可能とする。
【0039】
接続用FPC68は、プリント基板36に実装される液晶駆動回路より出力される液晶レンズ駆動信号をパターン電極60へ供給する。撮影時、上記駆動信号に基づいてパターン電極60に駆動電圧が印加されると、上記中心電極、各輪帯電極の電圧分布により液晶層62の屈曲率の分布が変化し、レンズパワー(焦点距離)が制御され、合焦動作がなされる。なお、接続用FPC68にはシャッタ枠7に保持されるシャッタ羽根24の駆動用アクチュエータのための駆動信号パターンも併設されている。
【0040】
また、可撓金属線または金属箔69は、後述する撮像ユニット34側の熱伝導コネクタ71に接続されている。液晶レンズ群22が所定の温度以下になり、レンズパワー制御の応答性が低下した状態では熱伝導コネクタ71を介して撮像素子支持板37側の放熱部38aからの熱を受けて熱伝導コイル66を介して液晶レンズ群22を暖め、液晶レンズ群22を所定の応答性を有する状態に維持する。
【0041】
ここで、撮像ユニット34周りの構成について説明する。
【0042】
固定枠支持体12の後端面には撮像素子基板であるプリント基板36がビスにより固着されている。プリント基板36には、光軸Oと直交する平面(XY平面)上をぶれ補正のために移動可能な撮像素子支持板37および該支持板に支持された撮像素子14からなる撮像ユニット34が配されている。更に、プリント基板36には、撮像素子支持板37を光軸Oと直交するXY平面に沿って撮像素子支持板37をぶれ補正時に移動させるための電磁駆動機構部が配されている。
【0043】
上記電磁駆動機構部においては、撮影終了時に磁気バランスで撮影レンズの中心と撮像素子の受光面の中心が一致する位置である初期位置に戻る。このとき、磁性材の小片はX軸およびY軸のNまたはS極の磁石境界部ではなく、それぞれの磁石中央部に対向する位置(プリント基板上)に配置すると効果的である。また、鉛直方向であるY方向の駆動コイルを遮断したとき、撮像素子支持板37がユニット側のクリップと結合するようにしてもよい。このようにすると、ユーザが使用しないときなどの搬送時にはクランプ状態を維持でき、誤ってユーザが落下した際にも撮像素子支持板をユニット側のクランプ部材に衝突することがなく、部品を保護することができる。
【0044】
上記プリント基板36上には、さらに、カメラ側に備えられた燃料電池や二次電池の電力制御、ストロボ発光制御、表示部制御、入力操作部制御、さらに、液晶レンズユニットの制御等のシステム制御を行うためのCPU39と、撮像素子14を高速駆動するTG(タイミングジェネレータ)ICチップまたはAFE(アナログ・フロント・エンド)ICチップ40と液晶駆動回路が実装されている。
【0045】
撮像素子支持板37は、熱伝導部材からなり、高速駆動する撮像素子14の温度上昇を阻止するために、後述する撮像素子支持板37内の一部表面に金または銅メッキを施した露出部38が設けられている。
【0046】
上記電磁駆動機構は、プリント基板36に対向して移動可能に支持される撮像素子支持板37と、該撮像素子支持板37を支持するガイドべアリング45とを有して構成され、更に、プリント基板36に印刷されたもので、四角形状のX軸駆動用及びY軸駆動用プリントコイル41及び42が配置されている。各駆動用プリントコイルにまたがるように、磁性材47と、各駆動用プリントコイル41及び42の内側にX軸検出用及びY軸検出用のホール素子48及び49が埋め込まれている。これら各ホール素子48及び49は、移動可能な撮像素子支持板37の位置を検出するものである。
【0047】
撮像素子支持板37には、厚き方向に磁化された異極対向で二つが結合した永久磁石が配置されている。上記撮像素子支持板37の少なくとも一対の、第一及び第二の永久磁石と、プリント基板36の磁性材47との間で、リテーナ付きで少なくとも四つの鋼球を有するガイドべアリング45に磁気的な押圧力(磁気吸引力)が作用する。この押圧力が作用すると、ガイドべアリング45の鋼球が撮像素子支持板37とプリント基板36に押し付けられる。この結果、撮像素子支持板37とプリント基板36とガイドべアリング45との間に介在する鋼球のがた付きが除去される。
【0048】
撮像素子14のリード端子(図示せず)は、撮像素子接続用FPC35に半田で接続されている。更に、該FPC35の端子は、プリント基板36に図示されないコネクタによって接続されている。
【0049】
撮像素子支持板37には、プリント基板36上に配置されたX軸駆動用プリントコイル41に対向する位置に、厚き方向に磁化された第一の永久磁石(図示せず)はN極とS極が撮像素子接続用FPC35の延在方向に並ぶように分極着磁されている。また、第二の永久磁石(図示せず)は、N極とS極がFPC35の延在方向と直交する方向に並ぶように分極着磁されている。
【0050】
一方、Y軸駆動用プリントコイル42は横長の長方形状をしており、その長辺が第一の永久磁石の各磁極に対向するように配置されている。同様に、X軸駆動用プリントコイル41は横長の長方形状をしており、その長辺が第二の永久磁石の各磁極に対向するように配置されている。
【0051】
撮像素子14を支持する撮像素子支持板37の位置制御を行うCPU39は、プリント基板36上に配置された駆動回路と接続され、撮像素子支持板370および露出部38の放熱部38aを水平方向であるX軸方向の移動と、撮像素子支持板37の鉛直方向であるY軸方向の移動を駆動するための上記駆動回路を制御する。
【0052】
CPU39は、図示されないジャイロから入力される角速度に基づいて、撮像素子支持板37を所望の位置に移動させる制御を行う。撮像素子支持板37に配置されて異極接合された永久磁石の磁束内に鉛直方向のX,Y軸駆動用プリントコイル41,42が通電されて撮像素子支持板37が移動すると、ホール素子48,49により位置検出が行われる。上記X,Y軸駆動用プリントコイル41,42の通電が遮断されると、撮像素子支持板37は、磁石と磁性材との磁気バランスで初期位置に戻る。
【0053】
撮影時に撮影レンズユニットが振動したときに、上述のように可動可能な撮像素子支持板37上の撮像素子14が二次元方向に移動して、該撮像素子14の受光面で画像の振れを補正することができる。
【0054】
撮像素子支持板37の露出部38には白色塗料が剥がれた放熱部38aは、撮像素子支持板37から突出して配される同様の構成を有し、熱伝導コネクタ71に対して係合、離脱可能な係合部となる放熱部38aが一体の状態で設けられている。
【0055】
高速駆動する撮像素子14の温度が上昇すると、撮像素子(熱源)14で発生した熱は、絶縁シート43及び撮像素子支持板37に伝わる。撮像素子支持板37の伝熱と絶縁シート43の放射、対流熱は、該支持板37に保持される熱伝導の高い露出部38の放熱部38aに伝達される。
【0056】
露出部38の放熱部38aが熱伝導コネクタ71と熱接合すると、熱伝導コネクタ71に接続された吸熱ヒートパイプ159,160に伝達される。そして、該吸熱部の上記ウイック部にて作動流体が熱を奪って蒸発し、その蒸気は気圧を上げて放熱側の気圧の低い方に上記蒸気通路を流れていき、熱が放出される。凝縮した作動流体は、再びウイックの毛細管ポンプ力によりヒートパイプ(放熱部)から吸熱ヒートパイプ159,160に還流する。この蒸発、凝縮、還流のサイクルによって撮像素子14の温度上昇を抑制することができる。
【0057】
一方、固定枠支持体12には放熱板係合部としての熱伝導コネクタ71が露出部38の放熱部38aの移動方向に対向して配されており、該放熱部38aが結合離脱可能となっている。そして、撮像素子14が非駆動状態にあるとき、撮像素子支持板37が移動して、露出部38の放熱部38aが熱伝導コネクタ71と結合する。上記コネクタ結合状態では撮像素子側の熱は、熱伝導コネクタ71に接続される吸熱ヒートパイプ159,160(図6)に伝達され、そこから後述するデジタルカメラの液晶表示ユニット134や電源回路基板176側のヒートパイプ(放熱部)に伝達される。更には上述した液晶レンズユニット51の液晶レンズ群22側にも熱伝導部材である可撓金属線または金属箔69を介して供給される。
【0058】
図6は、図1のレンズ鏡筒が組み込まれるデジタルカメラの要部の構成を示す配置図である。図7は、図6のA−A断面図であって、レンズ鏡筒1側の熱伝導コネクタの断面を示す。
【0059】
上記デジタルカメラ131には撮像素子やCPU等のICチップの温度上昇を抑えるために上述したレンズ鏡筒1側の撮像素子支持板37の芯材である露出部38で吸熱した撮像素子14の熱は、熱伝導コネクタ71を介して吸熱ヒートパイプ159,160で吸熱され、ヒートパイプ(放熱側)165,166によりカメラ外装体および液晶表示部のシールド板を介して外部に放熱される。一方、撮像素子14の熱の一部は、熱伝導コネクタ71から可撓金属線または金属箔69を介してレンズ鏡筒1の液晶レンズ群22にも伝熱されて液晶レンズ群22の温度低下を防止する。
【0060】
詳しくは、デジタルカメラ131は、レンズ鏡筒1の他に図6に示すように制御回路ユニット132と、液晶表示ユニット134と、電源部を含むカメラ外装前カバーユニット135と、カメラ外装後カバーユニット136とを有している。
【0061】
熱伝導コネクタ71は、図7に示すようにレンズ鏡筒1の固定枠支持体12の内側に装着されている。該コネクタ71の内部には、弾性体からなる熱伝導部材74が収容されており、コネクタ上部に凸部73aを有する押さえバネ73が配されている。熱伝導部材74には、吸熱ヒートパイプ159,160および可撓金属線や金属箔69がそれぞれ熱伝導可能な状態で接触している。
【0062】
撮像素子14の非撮像動作期間中、撮像素子支持板37が移動制御されて熱伝導コネクタ71に撮像素子支持板37側の露出部38である放熱部38aに嵌入し、結合状態となる。該結合状態では、放熱部38aの凹部38bが押さえバネ73の凸部73aに係合し、放熱部38aの先端部と熱伝導部材74との接触状態が維持され、放熱部38a側の熱が熱伝導部材74を介して吸熱ヒートパイプ159,160および可撓金属線または金属箔69に伝わる。なお、押さえバネ73の凸部73aが放熱部38aの凹部38bに係合することにより、撮像素子支持板37の位置が保持されるので位置保持のための駆動用プリントコイル41,42への通電は不要となる。
【0063】
また、液晶レンズユニット51の外周部にて巻回される熱伝導コイル66と可撓金属線または金属箔69の接続部には、感温切り換えスイッチ75を配する。この感温切り換えスイッチ75は、形状記憶合金または感熱磁性材料からなる接触状態を切り換える部材であって、液晶レンズ群22の温度が応答性上、許容される温度以下に低下したとき、接触状態となり、可撓金属線または金属箔69の熱を熱伝導コイル66側に伝える。許容温度以上になると切断状態(離間した状態)に切り換わり、可撓金属線または金属箔69の熱は、熱伝導コイル66側に伝わらない。なお、熱伝導コイル66が複数本で構成される場合(多条巻き)、感温切り換えスイッチ75は、複数のスイッチ群76で構成される。
【0064】
制御回路ユニット132は、上記カメラ本体に固定支持される制御回路基板141と、制御回路基板141に実装されるCPU,AFEIC,ASIC等のICチップ142と、ICチップ142上にシリコンゴム等からなる熱伝導性シート143を介して接着固定される複数本(3本)の吸熱ヒートパイプ144とを有し、さらに、吸熱ヒートパイプ159,160の端部が接続される管継ぎ手145と、制御回路基板141上で管継ぎ手145に接続される可撓チューブ159A,160Aと、該可撓チューブ159A,160Aを位置決めするためのチューブ止め部材146,147,148と、吸熱ヒートパイプ144に連結して接続される可撓チューブ161と有している。チューブ止め部材146,147,148には制御回路基板141に対する位置決めピン146a,147a,148aが設けられている。
【0065】
吸熱ヒートパイプ159,160は、接続FPC159に沿ってカメラ制御回路ユニット132の制御回路基板141に導かれ、押さえ部材145,146,147,148で固定された状態で可撓チューブ159A,160Aとベローズ接続管162,163を介してそれぞれヒートパイプ(放熱側)165,166に接続される。
【0066】
液晶表示ユニット134は、バックライトを含むLCD171と該LDC171を覆うシールド板172と、ヒートパイプ(放熱側)165とからなる。シールド板172は、金属板で形成され、カメラ外装カバーに対して熱結合状態で支持される。
【0067】
ヒートパイプ(放熱側)165は、一方は、熱伝導コネクタ71側の吸熱ヒートパイプ159の一方側に接続されている可撓チューブ159Aに可撓性をもつベローズ接続管162を介して接続され、他方は、シールド板172の外表面に熱結合状態で固着されている。
【0068】
電源部を含むカメラ外装前カバーユニット135は、カメラ外装前カバー178と、カメラ外装前カバー178の内部に配され、電源用電池173を収納する電池ボックス174と、電池ボックス174に接触して配され、電源用電池173が接続される電源回路基板176と、電源回路基板176の裏面に接触して配される熱伝導性の高い接触片175と、該接触片175とカメラ外装前カバー178との間に介在し、双方に熱結合状態で圧接して配される金属板、または、線材からなるバネ体177と、ヒートパイプ(放熱側)166とからなる。
【0069】
ヒートパイプ(放熱側)166は、一方は、熱伝導コネクタ71側の吸熱ヒートパイプ160の一方側に接続されている可撓チューブ160Aに可撓性をもつベローズ接続管163を介して接続され、他方は、接触片175に熱結合状態で固着されている。
【0070】
カメラ外装後カバーユニット136は、カメラ外装後カバー182と、カメラ外装後カバー182に金属板、または、線材からなるバネ体183を介して熱結合状態で接触する熱伝導性の高い接触片181と、ヒートパイプ(放熱側)167とからなる。
【0071】
ヒートパイプ(放熱側)167の一方は、吸熱ヒートパイプ144側の可撓チューブ161が接続されているベローズ接続管164に接続され、他方は、接触片181に熱結合状態で接着されている。
【0072】
なお、上述した吸熱ヒートパイプ159,160,161は、コンテナ部とウィック部と蒸気通路とを有しているが、その一端部が開口しており、その開口部は、それぞれベローズ接続管、または、可撓チューブに接続される。これらの吸熱ヒートパイプにて熱源部より熱を吸収した場合、作動流体が蒸発し、その蒸気が蒸気通路を介してベローズ接続管、または、可撓チューブを経てそれぞれ接続されたヒートパイプ(放熱側)に送られる。
【0073】
一方、放熱ヒートパイプ165,166,167も前述した吸熱ヒートパイプと同様にコンテナ部とウィック部と蒸気通路とを有しているが、その一端部が開口し、その開口部は、それぞれベローズ接続管、または、可撓チューブに接続されている。これらの放熱ヒートパイプにおいて、上記各吸熱ヒートパイプから流入した蒸気は、その熱を外部の放熱部にて放熱することにより作動流体に凝縮される。その凝縮された作動流体は、ウイック部を介して再度ベローズ接続管、または、可撓チューブを経て上記各吸熱ヒートパイプに環流される。
【0074】
上述した構成を有する本実施形態のレンズ鏡筒1を内蔵するデジタルカメラ131において、ライブビュー動作を含む撮影動作中、すなわち、撮像素子動作中、ズーミングにより図2に示すようにレンズ鏡筒1の直進枠3,一群枠4,二群枠6は、カム筒5の回転にともなってそれぞれのスムーズ位置に移動する。また、フォーカシング時には接続用FPC68を介してパターン電極にフォーカシング電圧が印加されると、液晶層62のレンズパワーが変化し、フォーカシングが行われる。
【0075】
また、上記撮像素子動作期間中、撮像素子14、および、CPU,AFEIC,ASIC等のICチップ142、さらに、電源用電池173を収納する電池ボックス174が動作電流により加熱され、温度が上昇する。
【0076】
ICチップ142において、発生した熱は、熱伝導性シート143を介して吸熱ヒートパイプ144に吸収される。吸熱ヒートパイプ156に吸収されたICチップの熱によりウイック部内の作動流体が蒸発し、その蒸気は、蒸気通路を通って可撓チューブ161を経てヒートパイプ(放熱側)167に達する。上記ヒートパイプ(放熱側)167に達した蒸気の熱は、接触片181からバネ体183を介してカメラ外装後カバー182に伝達され、外部に放熱される。作動液に凝縮する。凝縮した作動液は、上記ウイック部を通って、再度、吸熱ヒートパイプ144側に戻され、吸熱動作が行われる。
【0077】
撮像素子による撮像、あるいは、液晶表示部による観察が終了した後の撮像素子非動作状態になると、撮像素子支持板37が移動して露出部38の放熱部38aが熱伝導コネクタ71に係合する。該コネクタ係合状態では、上記放熱部38aの熱は熱伝導部材74を介して吸熱ヒートパイプ159,160で吸収され、そして、その熱は、該ヒートパイプが接続されるヒートパイプ(放熱側)165,166にて液晶表示ユニットのシールド板172、あるいは、接触片175を介してカメラ外装前カバー178から外部に放熱される。この放熱作用により撮像素子14が冷却される。
【0078】
また、液晶レンズ群22が応答性上、許容される温度以下に低下した状態にあるときは、上記放熱部38aの熱の一部が熱伝導コネクタ71にて熱伝導部材74を介して可撓金属板69に伝達され、さらに、熱伝導コイル66に伝わり、液晶レンズ群22の外周部が加熱される。その加熱により液晶レンズ群22は、温度が上昇し、レンズパワー制御上、所定の応答性を有する状態に維持される。
【0079】
なお、液晶表示ユニット134のLCD171自体の熱もシールド板172から外部に放熱され、また、電源部を含む電源回路基板176の熱もカメラ外装前カバー178から外部に放熱される。
【0080】
上述した本実施形態のレンズ鏡筒1を適用するデジタルカメラ131によれば、構成が簡単であって、制御回路基板に実装された各ICチップ142からの熱はそれぞれに装着されたヒートパイプによって放熱させ、LCD171や電源部の熱は液晶表示ユニットのシールド板172やカメラ外装に伝導し、それぞれの部材から外部に効率よく放熱することができる。
【0081】
また、デジタルカメラ131がぶれ補正機能を有し、ぶれ補正動作時に撮像素子14が光軸Oと直交するXY平面上を移動する構成のものでおいても撮像素子非動作時に熱伝導コネクタ71に撮像素子支持板37側の露出部38の放熱部38aを係合させることによって撮像素子14の熱は、吸熱ヒートパイプ159,160側に効率よく取り込み、その熱をヒートパイプ(放熱側)165,166に伝えることによって外部に放熱することがでことができるので、撮像素子14の発熱による特性の低下を抑えることができる。一方、熱伝導コネクタ71により伝達される撮像素子の熱の一部を液晶レンズ群22側に導くことによって、液晶レンズ群22の温度の低下に伴う応答性の低下を抑えることができる。
【0082】
さらに、フォーカスレンズとして液晶レンズ群を採用しているのでフォーカスレンズの進退駆動機構が不要となりレンズ鏡筒として構成が簡単になり、組み立ても容易なレンズ鏡筒として利用することができる。
【0083】
なお、上述したレンズ鏡筒1の液晶レンズ群22に替えて前、後透明電極板56,61の間にオイルおよび電解液を充填し、前、後透明電極板56,61の外側に透明電極を配した構成の液体レンズを採用し、上記電解液に電圧をかけて電解液とオイルとの境界の形状を変化させ、焦点距離を調整することも可能である。
【0084】
次に本発明の第二の実施形態のデジタルカメラである一眼レフレックスカメラについて、図8〜11および図12を用いて説明する。
【0085】
図8は、本実施形態の一眼レフレックスカメラの主要構成を示す図である。図9は、上記カメラに組み込まれる焦点検出光学系の配置を示す図である。図10は、上記焦点検出光学系における液晶レンズを適用したコンデンサレンズユニットの拡大断面図である。図11は、上記焦点検出光学系に適用される再結像光学系の斜視図である。
【0086】
本実施形態の一眼レフレックスカメラ200は、図8に示すように、撮像光学系と、ファインダ光学系と、焦点検出光学系とを有しており、更に、デジタルカメラに特有のLCDの表示装置や、画像記録のためのメモリ装置を備えている。
【0087】
上記撮像光学系は、光路順に、前記図3に示された凸レンズ63,64を鏡枠部材に有していない回折型液晶レンズ202bを含む撮影レンズ202と、ハーフミラー251と、反射ミラー253と、赤外カットフィルタを備えた撮像素子252とにより構成されている。
【0088】
撮影レンズ202は、マウントを介してカメラ本体に着脱可能である。なお、回折型液晶レンズ202bは、後述する図12(A),(B)の断面図に示すようにガラス基板443を挟む第一回折格子付き液晶レンズ442および第二回折格子付き液晶レンズ444と、該回折格子付き液晶レンズ442,444の外側に配されるガラス基板441,445とを具備してなる。その屈折動作については後述する。
【0089】
ファインダ光学系は、ハーフミラー251で反射された方向の光路上にて撮影レンズ201の結像面と等価な予定結像面に配置されたスクリーン255と、ペンタダハプリズム256と、接眼レンズ257とで構成されている。
【0090】
ハーフミラー251は、図示しないシャッタと連動して光路に進入、または、退避可能なクイックリターンミラーであり、光路進入位置にあるとき、撮影レンズ201からの光束をファインダ光学系の方向と撮像素子側とに分割するように構成されている。
【0091】
反射ミラー253は、ハーフミラー251と連動して光路に進入、退避可能なように構成されており、光路上に進入している状態では撮影レンズ201からの一部の光束を焦点検出光学系に導き、ハーフミラー251とともに光路から退避したとき、撮影レンズ201からの光束は、撮像素子252に導かれる。
【0092】
焦点検出光学系は、図8に示すように、撮影レンズ201の結像面と等価な予定結像面203近傍に配置されたコンデンサレンズユニット204と、コンデンサレンズユニット204からの光を折り曲げてカメラ本体内にコンパクトに収めるための反射ミラー254と、縦横方向にそれぞれ一対の開口絞りを持つ開口絞り群205と、再結像レンズ群が開口絞り205に対応して一体形成された再結像光学系206と、光電変換素子列207とで構成されている。
【0093】
再結像光学系206は、図8及び図9に示すように、光電変換素子列207の配置方向に合わせて縦横方向にそれぞれ一対の再結像レンズ206a,206bと再結像レンズ206c,206dとで構成されている。図9には開口絞り群205は省略してある。なお、図9に示す光電変換素子列207は、横方向のラインセンサ及び縦方向のラインセンサで検出する縦横クロスセンサを有する多点の焦点検出系に置き換えることもできる。
【0094】
また、一対の開口絞り205と対応する一対の再結像レンズ206との組み合わせにおいて、それぞれの開口絞り205の中心及びそれに対応する再結像レンズ206は、撮影レンズ201の光軸から偏心している。また、その偏心量は、各組(本実施例においては、縦方向の組み合わせと横方向との組み合わせ)毎にそれぞれ異なっている。
【0095】
図9に示すように光路を折り曲げる方向にも焦点検出範囲が広がると折り曲げに必要な空間が多くなる。コンデンサレンズユニット204が占める領域が薄いと反射ミラー254を配置するスペースが作りやすい。スペースがきつすぎると不要光がはいりやすくなり、好ましくない。
【0096】
コンデンサレンズユニット204は、図10の拡大断面図に示すように第一の実施形態における液晶レンズユニット51と同様の構成を有したパワー可変(焦点距離可変)の液晶レンズを内蔵するレンズユニットからなる。詳しくは、二群枠6に固定支持される鏡枠部材の前、後外枠352,353と、前外枠352の内周凹部に嵌入する鏡枠部材の中枠354と、中枠354に対して位置決めピン穴354e,位置決めピン355eで係合させて接合し、かつ、後外枠353の内周凹部に嵌入する鏡枠部材の押さえ枠355と、中枠354の外周部に巻回される熱伝導部材からなる熱伝導コイル366と、熱伝導コイル366の外周部を覆う断熱部材からなる断熱シート367と、中枠354の内周部および後端凹部に挿入される液晶レンズ群322とからなる。
【0097】
液晶レンズ群322も第一の実施形態に適用した液晶レンズ群22と同様な構成を有しており、内面側に共通電極357が設けられた四辺形状のガラス板からなる前透明電極板356と、内面側にパターン電極360が設けられた矩形平板状のガラス板からなる後透明電極板361と、前、後透明電極板356,361内側に対向し、所定の間隔をもって配される四辺形状の配向膜358,359と、配向膜358,359の間に封入される液晶レンズ部を構成する四辺形状のネマチック液晶層362と、液晶層362を封入するためのシール365と、前、後透明電極板356,361の光軸O方向前後面に密着固定される光学部材である前、後凸レンズ363,364とからなる。これらの各構成部材は、接着等により一体化され、四角柱形状で後透明電極板361の上端部が突出する液晶レンズ群322を形成する。
【0098】
液晶レンズ群322は、中枠354内に挿入し、前透明電極板356の開口354jの裏面に当接させ、さらに、前透明電極板356の下面(基準面)を中枠54の位置決め突起354gに、左面(基準面)を位置決め突起354hにそれぞれ当接させた状態で位置決めして接着固定される。この状態で後透明電極板361の接続パターン部分を含む上端部は、中枠354のコの字状凹部を挿通して外方に露呈する。
【0099】
続いて、中枠354の後透明電極板361の後端面側から押さえ枠355を当て付け、押さえ枠355の位置決めピン355eを中枠354の位置決め穴354eに係合させて相対位置決めして接合し、固定する。さらに、中枠354の前端フランジ部354cの円形状段部354iには、前凸レンズ363が挿入され接着固定される。また、押さえ枠355の開口部355aの裏面側に後凸レンズ364が接着固定される。
【0100】
中枠354のフランジ部と押さえ枠355は、それぞれ前、後外枠352,353の内周凹部に嵌入させる。上記組み付け状態で各部材は接着固定され、コンデンサレンズユニット51として一体化される。この一体化状態では、前、後外枠352,353に対して中枠354と押さえ枠355を介して液晶レンズ群322は同軸状態、すなわち、液晶レンズ群322の光軸と前、外枠352,353の中心軸とが一致した状態で保持される。また、中枠354の外周部に形成される凹部には単線、または、複線の金、または、銀メッキされた金属線からなる熱伝導コイル366がコイル状に巻回され、巻回された熱伝導コイル366の外周は、断熱シート367により覆われる。
【0101】
熱伝導コイル366は、熱伝熱部材を介して撮像素子252に撮像素子支持板(図示せず)に熱的に接続されている。中枠354の外周部には熱伝導コイル366と熱伝熱部材との接続部位に上記感温切り換えスイッチ(図示せず)が配されている。この感温切り換えスイッチは、形状記憶合金または感熱磁性材料からなり、熱伝熱部材の接触状態の切り換え部材である。感温切り換えスイッチは、液晶レンズ群322の温度が応答性上許容される温度以下に低下したとき、接触状態となり、上記熱伝導部材の熱が熱伝導コイル366側に伝わる。許容温度以上になると切断状態(離間した状態)に切り換わり、上記熱伝導部材の熱は熱伝導コイル366側に伝わらない。
【0102】
上記組み立て状態のコンデンサレンズユニット204においては、後透明電極板361の一端部は、コンデンサレンズユニット204の外周に突出しており、一端部に配される接続パターンには、接続用FPC(フレキシブルプリント基板)368が接続されている。また、熱伝導コイル366の端部もコンデンサレンズユニット204の外周に突出しており、該端部には、可撓性を有する平板状の熱伝導部材369が断熱シート(図示せず)で覆われた状態で接続されている。コンデンサレンズユニット204自体は、図9に示すように光路進入位置にある反射ミラー253と反射ミラー254の間の予定結像面203近傍にカメラ本体に固定された状態で保持されている。
【0103】
コンデンサレンズユニット204における液晶レンズ群322は、カメラ制御部により装着撮像レンズ201の焦点距離情報に基づき、接続FPC368を介して印加される駆動制御電圧によって適正な焦点距離状態に制御される。また、液晶レンズ群322が所定の応答性が得られない状態まで温度が低下した場合、上記感温切り換えスイッチが接触状態となり、熱伝導コイル366によって液晶レンズ群322が所定の温度に達するまで暖められ、所望の応答性が確保される。なお、熱伝導コイル366には撮像素子252を支持する撮像素子支持板の熱が熱伝導部材369を介して伝熱され、その熱で液晶レンズ群322が暖められる。
【0104】
ここで、本実施形態の一眼レフレックスカメラ200の撮影レンズ202に組み込まれる回折型液晶レンズの動作について、図12を用いて説明する。
【0105】
図12は、上記一眼レフレックスカメラの撮影レンズに組み込まれる回折型液晶レンズの動作原理を示す該液晶レンズの断面図であって、図12(A)は、上記液晶レンズに交流電圧を印加していない状態を示し、図12(B)は、上記液晶レンズに交流電圧を印加した状態を示す。
【0106】
回折型液晶レンズ202bを構成する第一、第二液晶レンズ442,443は、互いに液晶の配光方向が直交している。図12(A)の上記液晶レンズに交流電圧を印加していない状態では液晶は、入射する光線の偏光方向によらず常光屈折率として作用する。基板の屈折率と液晶の常光屈折率が等しいので、液晶レンズは入射する光線の偏光方向によらず偏向しない機能を有する。
【0107】
また、図12(B)に示すように、第一液晶レンズ442に交流電圧を印加すると、第一液晶レンズ142はP偏光に対して異常光屈折率としての作用し、P偏光は回折(偏向)する。一方、第一液晶レンズ442はS偏光に対して常光屈折率として作用し、S偏光は回折(偏向)しない。第二液晶レンズ444に交流電圧を印加すると、第二液晶レンズ444はS偏光に対して異常光屈折率としての作用し、S偏光は回折(偏向)する。
【0108】
第二液晶レンズ444はP偏光に対しては常光屈折率として作用し、回折(偏向)しない。このように第一および第二液晶レンズ442,444に交流電圧を印加すると、P偏光は第一液晶レンズで偏向を受け、S偏光は第二液晶レンズ444で偏向を受ける。
【0109】
上述した構成を有する一眼レフレックスカメラ200においては、上述したように焦点検出光学系のコンデンサレンズユニット204に電気制御により焦点距離可変である液晶レンズ群322を適用した。従って、レンズの移動がなく、塵埃の発生がない。また、焦点検出に用いるNAの変化を小さくすることができるので、安定した焦点検出精度を得ることができる。
【0110】
なお、一眼レフレックスカメラ200の液晶レンズを適用したコンデンサレンズ204に替えて、液体レンズをコンデンサレンズ500として適用することも可能である。その液体レンズを適用したコンデンサレンズ500は、図13の上記液体レンズ拡大図に示すように入射側正レンズ541、液晶レンズ(第一の媒質)542、液体レンズ(第二の媒質)543、射出側正レンズ545で構成される。第一の媒質542は、第二の媒質543より低い。第一の媒質542と第二の媒質543の境界形状がAFセンサ側に凸になるように電圧を印加するとコンデンサレンズとしては実線24aに示す状態となる。第一の媒質542と第二の媒質543の境界形状が撮影レンズ側に凸になるように電圧を印加するとコンデンサレンズとしては波線24bのようになる。
【0111】
上述した各実施形態に基づいて、以下の構成を提案することができる。すなわち、
(付記1)
上述した撮影レンズユニットにおいて、上記鏡枠部材には、シャッタおよび該シャッタ駆動部が配されており、また、上記液晶駆動回路は、フレキシブルプリント基板を介して上記透明電極板に接続されており、上記フレキシブルプリント基板には、上記シャッタ駆動部を駆動するためのシャッタ駆動信号パターンが設けられていることを特徴とする撮影レンズユニット。
【0112】
(付記2)
上述した撮影レンズユニットにおいて、上記撮像素子と放熱部材とを有する撮像素子支持板を備え、上記撮像素子は、フレキシブルプリント基板を介して上記ユニット枠部材に接続され、上記光軸と直交する方向に電磁駆動や屈曲型超音波駆動等による駆動素子により、撮像素子支持板を撮影レンズの光軸に対して直交するように移動可能に支持されていることを特徴とする撮影レンズユニット。
【0113】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の撮像レンズユニットは、撮影レンズに適用した液晶レンズの保温を行うことが可能であり、また、入射側または射出側に配置された液晶レンズの光軸をより正確に一致させることが可能な撮影レンズユニットとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第一の実施形態の撮影レンズユニットであるレンズ鏡筒の沈胴状態における光軸上の縦断面図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒の撮影可能状態における光軸上の縦断面図である。
【図3】図1のレンズ鏡筒に適用される液晶レンズユニットの断面図である。
【図4】図3の液晶レンズユニットの分解斜視図である。
【図5】図3の液晶レンズユニットにて中枠に液晶レンズを挿入した状態を背面側から見た図である。
【図6】図1のレンズ鏡筒が組み込まれるデジタルカメラの要部の構成を示す配置図である。
【図7】図6のA−A断面図であって、レンズ鏡筒側の熱伝導コネクタの断面を示す。
【図8】本発明の第二実施形態の一眼レフレックスカメラの主要構成を示す図である。
【図9】図8のカメラに組み込まれる焦点検出光学系の配置を示す図である。
【図10】図9の焦点検出光学系における液晶レンズを適用したコンデンサレンズユニットの拡大断面図である。
【図11】図9の焦点検出光学系に適用される再結像光学系の斜視図である。
【図12】図8の一眼レフレックスカメラの撮影レンズに回折型液晶レンズを適用した場合の該回折型液晶レンズの動作状態を示す断面図であって、図12(A)は、上記液晶レンズに電圧を印加しない状態を示し、図12(B)は、上記液晶レンズに電圧を印加した状態を示している。
【図13】図一眼レフレックスカメラのコンデンサレンズの液晶レンズに替えて適用可能な液体レンズの断面図である。
【符号の説明】
【0116】
12 …固定枠支持体(ユニット枠部材)
14 …撮像素子
36 …プリント基板(撮像素子基板)
37 …撮像素子支持板
38 …露出部(撮像素子支持板の一部)
38a…放熱部(係合部)
54,354…中枠(鏡枠部材)
54f…凹部
54g,54h…位置決め突起(位置決め手段)
56,356…前透明電極板(透明電極板)
61,361…後透明電極板(透明電極板)
63,363…前凸レンズ(光学部材)
64,364…後凸レンズ(光学部材)
66,366…熱伝導コイル
67,367…断熱シート(断熱部材)
71 …伝熱コネクタ(放熱板係合部)
134…液晶表示ユニット
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の透明電極板を備えた液晶レンズが組み込まれた撮影レンズユニットおよび該撮影レンズユニットを適用するデジタルカメラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来からカメラの焦点距離または焦点位置を変化させる合焦点機構として、複数のレンズを組み合わせ、その位置関係を変化させることにより合焦させる方式が広く用いられている。しかし、この方式ではレンズ進退駆動機構が必要であるため、機構が複雑になるという欠点、あるいは、レンズ駆動用モータに比較的多く電力を要するという欠点があった。そこで、レンズ駆動機構が不要な合焦点機構として、液晶レンズの屈折率を変化させることにより焦点を合わせる方式が特許文献1,2等に提案されている。
【0003】
しかし、上記液晶レンズは温度が低下した場合、屈折特性の応答速度が低下して低温環境での撮影時、すばやい合焦を行うことが困難となり、カメラ動作上、問題が生じる可能性がある。そこで、特許文献3に開示された液晶レンズは、液晶層を直接加熱するヒータ電極を液晶レンズの屈折率変化を行うための位相変調電極の外側の領域に設け、液晶層を所望の温度以上に維持することによって、実用に当たって十分の速さで合焦動作を行うことが可能な技術に関するものである。
【特許文献1】特開2006−243572号公報
【特許文献2】特開2006−209122号公報
【特許文献3】特開2007−248985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に開示された液晶レンズを用いた電子機器においては、光学レンズに用いる透明基板が矩形形状した液晶レンズを光学レンズの光軸に透明基板の中心を一致するように配置するために透明基板に位置決めの穴を形成し、入射側または射出側に配置された単数または複数レンズの光軸を一致させるなどの場合には透明基板であるガラス材料の場倍には位置決め穴の精度が低く、穴加工によるコスト高となる。また、上述した特許文献3に開示された液晶レンズを用いた電子機器においては、ユーザが使用する際に、外部環境が所定温度より低下した場合においては、該液晶レンズを加熱するための電力を必要とし、そのための内蔵電池の電力消耗が避けられない。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、液晶レンズ周辺の保温熱が外部温度の影響を防ぐために断熱部材で包囲し、上記液晶レンズの保温を行うとともに、透明電極板の外形を鏡枠部材に設けた位置決め突起による位置決め手段を用いて、入射側または射出側に配置された単数または複数レンズの光軸を一致させることを目的とした撮影レンズユニットおよび該撮影レンズユニットを適用したデジタルを提供する。また、撮像レンズユニットにおいて、液晶レンズを適用し、他の電気制御素子の作動熱(例えば、ユーザが使用する際に、外部環境が所定温度より低下した場合においては、撮像素子をダミー駆動して、撮像素子が発生する熱)を利用した上記液晶レンズの加熱が可能な撮影レンズユニットおよび該撮影レンズユニットを適用したデジタルカメラを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1記載の撮影レンズユニットは、複数の透明電極板を備えた液晶レンズを含む撮影レンズと、上記液晶レンズを内部に保持する鏡枠部材と、上記鏡枠部材の外周を覆う断熱部材とを具備しており、上記鏡枠部材には、上記液晶レンズの透明電極板が上記撮影レンズの光軸および該光軸に対して直交する平面内において上記透明電極板の外周部を上記鏡枠部材に設けた位置決め突起により位置決めする位置決め手段が設けられており、上記鏡枠部材に上記液晶レンズを容易に挿入でき、簡単な位置決めが可能となる。
【0007】
本発明の請求項2記載の撮影レンズユニットは、請求項1記載の撮影レンズユニットにおいて、透明電極板は、上記位置決め手段により上記透明電極板の一枚の外周部で位置決めされる。
【0008】
本発明の請求項3記載の撮影レンズユニットは、請求項1記載の撮影レンズユニットにおいて、さらに、上記撮影レンズを介して取り込まれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と、上記撮像素子に接続されるプリント基板とを具備しており、上記プリント基板上には上記透明電極板に接続される液晶駆動回路が実装されている。
【0009】
本発明の請求項4記載の撮影レンズユニットは、請求項1乃至3記載の撮影レンズユニットにおいて、上記撮像素子は、放熱部材に保持された状態でユニット枠部材に対して上記撮像素子と共に上記光軸と直交する方向に移動可能に支持されており、上記ユニット枠部材には、上記鏡枠部材に設けられた金属線または輪帯板に接続される放熱板係合部と係合可能な係合部が設けられている。
【0010】
本発明の請求項5記載のデジタルカメラは、請求項1記載の撮影レンズユニットと、液晶表示ユニットとを具備する。
【0011】
本発明の請求項6記載のデジタルカメラは、請求項5記載のデジタルカメラにおいて、上記撮影レンズユニットは、上記デジタルカメラに対して交換可能であり、上記撮影レンズユニットは、オートフォーカス光学系と、上記液晶レンズおよびレンズを内部に保持する上記鏡枠部材とを有しており、さらに、上記デジタルカメラは、ファインダ光学を具備している。
【0012】
本発明の請求項7記載のデジタルカメラは、請求項6記載のデジタルカメラにおいて、上記焦点検出光学系は、上記鏡枠部材とカメラ本体との間に介在する断熱部材を有し、さらに、上記液晶レンズの透明電極基板が上記コンデンサレンズの光軸および該光軸に対して直交する平面内において上記鏡枠部材に対して上記鏡枠部材に設けた位置決め突起からなる位置決め手段によって上記透明電極板の外周部を介して位置決めされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、撮影レンズに適用した液晶レンズの保温を行うことが可能であり、かつ、入射側または射出側に配置された液晶レンズの光軸をより正確に位置決めすることが可能な撮影レンズユニットおよび該撮影レンズユニットを適用したデジタルカメラを提供することが可能である。また、外部環境が所定の温度より低下した場合、他の電子制御素子の作動熱(例えば、撮像素子をダミー駆動して撮像素子が発生する熱)を利用した液晶レンズの加熱が可能な撮像レンズユニットおよび該撮像レンズユニットを適用したデジタルカメラを提供することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図を用いて本発明の実施形態について説明する。
【0015】
図1は、本発明の第一の実施形態の撮影レンズユニットであるレンズ鏡筒の沈胴状態における光軸上の縦断面図である。図2は、図1のレンズ鏡筒の撮影可能状態における光軸上の縦断面図である。図3は、図1のレンズ鏡筒に適用される液晶レンズユニットの断面図である。図4は、図3の液晶レンズユニットの分解斜視図である。図5は、図3の液晶レンズユニットにて中枠に液晶レンズを挿入し位置決めした状態を背面側から見た図である。
【0016】
なお、撮影レンズの光軸は、図中、「O」で示す。また、以下の説明では該光軸の被写体側を前方、結像側(撮像素子側)を後方とする。さらに、上記レンズ鏡筒のカム筒の回転方向は、前方側から見た回転方向で示す。また、上記光軸に対して直交する方向のうち、図1の紙面に対して垂直な方向をX方向とし、上下方向をY方向とする。
【0017】
本実施形態のレンズ鏡筒1は、光軸方向の長さが伸長した状態にてズーミングおよびフォーカシングを行う撮影可能状態と上記伸長状態より短縮した非撮影状態、例えば、沈胴状態とに切り替えることができ、液晶レンズによる焦点距離変更可能なレンズ鏡筒であって、デジタルカメラに組み込まれる。
【0018】
レンズ鏡筒1は、図1,2に示すようにカメラ本体(図示せず)に支持されるユニット枠部材である固定枠支持体12と、固定枠支持体12の前面部に固定支持される円筒状の固定枠2と、固定枠支持体12の背面に固着される撮像素子基板であるプリント基板36と、固定枠支持体12に支持される光学フィルタ15と、プリント基板36にXY平面上を移動可能な状態で撮像素子支持板37に支持される撮像素子14を含む撮像ユニット34とを有しており、さらに、固定枠2に光軸方向に進退可能に支持される直進枠3と、固定枠2に支持され、回転、かつ、光軸O方向に進退移動するカム筒5と、固定枠2により回転規制され、カム筒5とともに進退移動するカム筒/二群枠直進ガイド用フロートキー9と、カム筒5に支持され、光軸方向に進退移動する移動枠である一群枠4と、カム筒5に支持され、光軸方向に進退移動する二群枠6と、二群枠6に保持されて進退移動するシャッタ枠7および液晶レンズユニット51と固定支持体12に保持される三群レンズ23と、撮像素子14の前方に鏡筒前方から後方に向けて順に配される撮影レンズ群として、一群枠4に保持される一群レンズ21と、液晶レンズユニット51に保持される二群レンズとしての液晶レンズ群22と、さらに、三群枠8に保持される三群レンズ23とを有している。
【0019】
なお、レンズ鏡筒1が組み込まれるデジタルカメラ131にはレンズ鏡筒1の他に図6の要部構成図に示すように液晶表示ユニット134と、電源部を含むカメラ外装前カバーユニット135と、カメラ外装後カバーユニット136とが配されている。
【0020】
直進枠3は、固定枠2の直進溝2bに嵌入するガイド突部3aを介して回転規制された状態でカム筒5と光軸方向に一体の状態で進退駆動される。
【0021】
カム筒5は、円筒状枠部材であって、その後端部が固定枠2の内周に嵌入し、回転、進退可能に支持されている。そして、カム筒5は、固定枠2のヘリコイドねじ(雌)2aに螺合するヘリコイドねじ(雄)5aと、外周面5e上に設けられる120°間隔の3本からなるカム溝5cと、さらに、内周面上に設けられる3本からなるカム溝5dとを有しており、ズーム駆動モータ(図示せず)によりズーム駆動用ギヤ(図示せず)を介して回転駆動され、その回転にともなって固定枠2に設けられた上記ヘリコイドねじ2aによって光軸方向に進退移動する。
【0022】
一群枠4は、一群レンズ21を保持する円筒状枠部材であって、直進枠3とカム筒5の間に嵌入され、かつ、固定枠2の直進溝2bに嵌入する突部4a(後述するカムフォロア軸嵌入穴の外径)により回転規制された状態で支持されている。そして、一群枠4の内周面4bの3分割位置にカム筒5のカム溝5cに係合する3つのカムフォロア31が設けられており、カム筒5の進退回転にともなって、該カム溝により該カムフォロアを介して光軸方向に進退駆動される。なお、一群枠4の前面部には、一群レンズ21の前面に位置し、開口部を有する飾り板11が固着されており、さらに、飾り板11の内側に上記開口部を開閉可能なレンズバリア25が配されている。
【0023】
二群枠6は、シャッタ枠7および液晶レンズユニット51を保持する円筒状枠部材であって、カム筒5の内周部に嵌入され、フロートキー9によって回転規制された状態支持されている。そして、この二群枠6の外周面の3分割位置にカム筒5のカム溝5dに係合する3つのカムフォロア32が設けられており、二群枠6は、カム筒5の進退回転にともなって、該カム溝により該カムフォロアを介して光軸方向に進退移動する。
【0024】
シャッタ枠7は、二群枠6とともに光軸方向に進退移動し、前面側に開閉駆動されるシャッタ羽根24を内蔵している。
【0025】
固定支持体12は、光学フィルタ15と三群レンズ23を保持している。光学フィルタ15と撮像素子14との間には撮像素子の保護板上に埃が堆積するのを防止するため、カーボンが充填されたシリコンゴムやウレタンゴム材の円形状、矩形断面のパッキン材8が光学フィルタ15に接合して配されている。撮像素子14が平面内を直交する際には、撮像素子の保護板がパッキン材を摺動する構造となる。
【0026】
液晶レンズユニット51は、図3の断面図、図4の分解斜視図に示すようにレンズパワー可変(焦点距離可変)である液晶レンズ群22を内蔵するレンズユニットであり、例えば、二群枠6に固定支持される鏡枠部材である前、後外枠52,53と、前外枠52の内周凹部52aに嵌入する鏡枠部材である中枠54と、後外枠53の内周凹部53aに嵌入する鏡枠部材である押さえ枠55と、中枠54の外周部に巻回される熱伝導の高い熱伝導コイル66と、巻回された熱伝導コイル66の外周部を覆う断熱部材からなる断熱シート67と、中枠54の内周部54aに嵌入し、後端凹部54dに挿通される液晶レンズ群22とからなる。
【0027】
前、後外枠52,53は、断熱部材からなるリング形状の鏡枠部材である。
【0028】
中枠54は、アルミニウム合金、あるいは、黒鉛およびカーボン繊維充填PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)からなる熱伝導部材であり、前、後端にフランジ部54c,54dが形成された円筒外周と、光軸Oに沿った四角形状開口部とを有する筒部材であり、前端フランジ部54cには、円形状段部54iと円形状開口54jが設けられ、後端フランジ部54dにはコの字切り欠き状凹部54fが設けられている。また、上記四角形状開口部の下面部54aの円形状開口54jの裏面近傍に位置決め手段としての2つの位置決め突起54gと、上記四角形状開口部の左面部54bの円形状開口54jの裏面近傍に位置決め手段としての2つの位置決め突起54hとが配されている(図3〜5)。
【0029】
押さえ枠55は、アルミニウム合金、あるいは、黒鉛およびカーボン繊維充填PPSからなる熱伝導部材であり、中央開口部55aを有するリング形状の部材であり、中枠54の位置決め穴54eに係合する位置決めピン55eを有している。
【0030】
液晶レンズ群22は、内面側に共通電極57が設けられたガラス基板からなる四辺形状の前透明電極板56と、内面側にパターン電極60が設けられたガラス基板からなる矩形平板状の後透明電極板61と、前、後透明電極板56,61内側に対向し、所定の間隔をもって配される四辺形状の配向膜58,59と、配向膜58,59の間に封入される液晶レンズ部を構成する四辺形状のネマチック液晶層62と、液晶層62を封入するためのシール65とからなる。
【0031】
これらの各構成部材は、接着等により一体化され、四角柱形状で後透明電極板61の上端部が突出する液晶レンズ群22を形成する。
【0032】
後透明電極板61に配されるパターン電極60は、透明電極板からなり、液晶レンズ群22の中央のレンズ部に重なる状態で配され、円形状の中心電極とその外周部に同心円状の複数のC字状の輪帯電極とからなる。上記中心電極と最内径側輪帯電極と、また、輪帯電極間は、輪帯接続部を介して互いに接続されている。上記中心電極および上記輪帯接続部は、外方に引き出され、後述するように液晶レンズユニット51の外方に突出する後透明電極板61の一端部に配される接続パターン61aの一部に接続されている。また、前透明電極板56に配される透明電極板からなる共通電極57も後透明電極板61の一端部に配される接続パターン61aの他の一部に接続されている。
【0033】
液晶レンズ群22は、中枠54内に挿入し、前透明電極板56の前面を中枠54の円形状開口54jの裏面に当接させ、さらに、前透明電極板56の下面(基準面)を中枠54の位置決め突起54gに、左面(基準面)を位置決め突起54hに当接させた状態に保持して接着剤54kにより接着固定する。この状態で後透明電極板61の接続パターン61a部を含む上端部は、中枠54の凹部54fを挿通して外方に露呈している。
【0034】
続いて、中枠54の後透明電極板61の後端面側から押さえ枠55を当て付け、押さえ枠55位置決めピン55eを中枠54の位置決め穴54eに係合させて相対位置決めして接合し、固定する。さらに、中枠54の前端フランジ部54cの円形状段部54iには、前凸レンズ63が挿入され接着固定される。また、押さえ枠55の開口部55aの裏面側に後凸レンズ64が接着固定される。
【0035】
その後、中枠54のフランジ部54bと押さえ枠55は、それぞれ前、後外枠52,53の内周凹部52a,53aに嵌入させ、上記組み付け状態で各部材は、接着により液晶レンズユニット51として一体化される。この一体化状態では、前、後外枠52,53に対して中枠54と押さえ枠55を介して液晶レンズ群22は同軸状態、すなわち、液晶レンズ群22の光軸と前、外枠52,53の中心軸とが一致した状態で保持される。また、中枠54の外周部に形成される凹部には単線、または、複線の金属線で、その金属線の表面には金、または、銅メッキされた金属線からなる熱伝導コイル66が巻回され、巻回された熱伝導コイル66の外周は、断熱シート67により覆われる。
【0036】
上記組み立て状態の液晶レンズユニット51においては、後透明電極板61の一端部は、液晶レンズユニット51の外周に突出しており、上記一端部に配される接続パターン61aには、接続用FPC(フレキシブルプリント基板)68が接続されている。また、熱伝導コイル66の端部も液晶レンズユニット51の外周に突出しており、該端部には、可撓性を有する平板状の熱伝導部材からなる可撓金属線または金属箔69が断熱シート(図示せず)で覆われた状態で接続されている。なお、可撓金属板69は、圧縮伸張可能なコイルバネ状金属線に替えてもよい。
【0037】
なお、上述した液晶レンズユニット51においては、中枠54と押さえ枠55とが光軸Oと直交する平面で分離、結合する構造を有しているが、これに替えて中枠と押さえ枠とを光軸Oと平行な面に沿って上下、または、左右に分離、結合する構造を採用することも可能である。この場合、熱伝導コイル66の中枠54の外周への巻回は、上記中枠54と押さえ枠55との上下、または、左右の結合後の状態で行う必要がある。
【0038】
上述した構成を有する液晶レンズユニット51は、前、後外枠52,53を介して二群枠6に対して固定支持されており、二群枠6と共に光軸方向に進退移動する。液晶レンズユニット51の外周部より延出した接続用FPC68および可撓金属線または金属箔69は、U字状に折り返され、固定枠支持体12より光軸と平行方向に突出するガイド突起12aに一部が固着された状態で支持される。従って、二群枠6の光軸方向の進退移動時、接続用FPC68および可撓金属線または金属箔69は、U字状に変形し、二群枠6の進退移動を可能とする。
【0039】
接続用FPC68は、プリント基板36に実装される液晶駆動回路より出力される液晶レンズ駆動信号をパターン電極60へ供給する。撮影時、上記駆動信号に基づいてパターン電極60に駆動電圧が印加されると、上記中心電極、各輪帯電極の電圧分布により液晶層62の屈曲率の分布が変化し、レンズパワー(焦点距離)が制御され、合焦動作がなされる。なお、接続用FPC68にはシャッタ枠7に保持されるシャッタ羽根24の駆動用アクチュエータのための駆動信号パターンも併設されている。
【0040】
また、可撓金属線または金属箔69は、後述する撮像ユニット34側の熱伝導コネクタ71に接続されている。液晶レンズ群22が所定の温度以下になり、レンズパワー制御の応答性が低下した状態では熱伝導コネクタ71を介して撮像素子支持板37側の放熱部38aからの熱を受けて熱伝導コイル66を介して液晶レンズ群22を暖め、液晶レンズ群22を所定の応答性を有する状態に維持する。
【0041】
ここで、撮像ユニット34周りの構成について説明する。
【0042】
固定枠支持体12の後端面には撮像素子基板であるプリント基板36がビスにより固着されている。プリント基板36には、光軸Oと直交する平面(XY平面)上をぶれ補正のために移動可能な撮像素子支持板37および該支持板に支持された撮像素子14からなる撮像ユニット34が配されている。更に、プリント基板36には、撮像素子支持板37を光軸Oと直交するXY平面に沿って撮像素子支持板37をぶれ補正時に移動させるための電磁駆動機構部が配されている。
【0043】
上記電磁駆動機構部においては、撮影終了時に磁気バランスで撮影レンズの中心と撮像素子の受光面の中心が一致する位置である初期位置に戻る。このとき、磁性材の小片はX軸およびY軸のNまたはS極の磁石境界部ではなく、それぞれの磁石中央部に対向する位置(プリント基板上)に配置すると効果的である。また、鉛直方向であるY方向の駆動コイルを遮断したとき、撮像素子支持板37がユニット側のクリップと結合するようにしてもよい。このようにすると、ユーザが使用しないときなどの搬送時にはクランプ状態を維持でき、誤ってユーザが落下した際にも撮像素子支持板をユニット側のクランプ部材に衝突することがなく、部品を保護することができる。
【0044】
上記プリント基板36上には、さらに、カメラ側に備えられた燃料電池や二次電池の電力制御、ストロボ発光制御、表示部制御、入力操作部制御、さらに、液晶レンズユニットの制御等のシステム制御を行うためのCPU39と、撮像素子14を高速駆動するTG(タイミングジェネレータ)ICチップまたはAFE(アナログ・フロント・エンド)ICチップ40と液晶駆動回路が実装されている。
【0045】
撮像素子支持板37は、熱伝導部材からなり、高速駆動する撮像素子14の温度上昇を阻止するために、後述する撮像素子支持板37内の一部表面に金または銅メッキを施した露出部38が設けられている。
【0046】
上記電磁駆動機構は、プリント基板36に対向して移動可能に支持される撮像素子支持板37と、該撮像素子支持板37を支持するガイドべアリング45とを有して構成され、更に、プリント基板36に印刷されたもので、四角形状のX軸駆動用及びY軸駆動用プリントコイル41及び42が配置されている。各駆動用プリントコイルにまたがるように、磁性材47と、各駆動用プリントコイル41及び42の内側にX軸検出用及びY軸検出用のホール素子48及び49が埋め込まれている。これら各ホール素子48及び49は、移動可能な撮像素子支持板37の位置を検出するものである。
【0047】
撮像素子支持板37には、厚き方向に磁化された異極対向で二つが結合した永久磁石が配置されている。上記撮像素子支持板37の少なくとも一対の、第一及び第二の永久磁石と、プリント基板36の磁性材47との間で、リテーナ付きで少なくとも四つの鋼球を有するガイドべアリング45に磁気的な押圧力(磁気吸引力)が作用する。この押圧力が作用すると、ガイドべアリング45の鋼球が撮像素子支持板37とプリント基板36に押し付けられる。この結果、撮像素子支持板37とプリント基板36とガイドべアリング45との間に介在する鋼球のがた付きが除去される。
【0048】
撮像素子14のリード端子(図示せず)は、撮像素子接続用FPC35に半田で接続されている。更に、該FPC35の端子は、プリント基板36に図示されないコネクタによって接続されている。
【0049】
撮像素子支持板37には、プリント基板36上に配置されたX軸駆動用プリントコイル41に対向する位置に、厚き方向に磁化された第一の永久磁石(図示せず)はN極とS極が撮像素子接続用FPC35の延在方向に並ぶように分極着磁されている。また、第二の永久磁石(図示せず)は、N極とS極がFPC35の延在方向と直交する方向に並ぶように分極着磁されている。
【0050】
一方、Y軸駆動用プリントコイル42は横長の長方形状をしており、その長辺が第一の永久磁石の各磁極に対向するように配置されている。同様に、X軸駆動用プリントコイル41は横長の長方形状をしており、その長辺が第二の永久磁石の各磁極に対向するように配置されている。
【0051】
撮像素子14を支持する撮像素子支持板37の位置制御を行うCPU39は、プリント基板36上に配置された駆動回路と接続され、撮像素子支持板370および露出部38の放熱部38aを水平方向であるX軸方向の移動と、撮像素子支持板37の鉛直方向であるY軸方向の移動を駆動するための上記駆動回路を制御する。
【0052】
CPU39は、図示されないジャイロから入力される角速度に基づいて、撮像素子支持板37を所望の位置に移動させる制御を行う。撮像素子支持板37に配置されて異極接合された永久磁石の磁束内に鉛直方向のX,Y軸駆動用プリントコイル41,42が通電されて撮像素子支持板37が移動すると、ホール素子48,49により位置検出が行われる。上記X,Y軸駆動用プリントコイル41,42の通電が遮断されると、撮像素子支持板37は、磁石と磁性材との磁気バランスで初期位置に戻る。
【0053】
撮影時に撮影レンズユニットが振動したときに、上述のように可動可能な撮像素子支持板37上の撮像素子14が二次元方向に移動して、該撮像素子14の受光面で画像の振れを補正することができる。
【0054】
撮像素子支持板37の露出部38には白色塗料が剥がれた放熱部38aは、撮像素子支持板37から突出して配される同様の構成を有し、熱伝導コネクタ71に対して係合、離脱可能な係合部となる放熱部38aが一体の状態で設けられている。
【0055】
高速駆動する撮像素子14の温度が上昇すると、撮像素子(熱源)14で発生した熱は、絶縁シート43及び撮像素子支持板37に伝わる。撮像素子支持板37の伝熱と絶縁シート43の放射、対流熱は、該支持板37に保持される熱伝導の高い露出部38の放熱部38aに伝達される。
【0056】
露出部38の放熱部38aが熱伝導コネクタ71と熱接合すると、熱伝導コネクタ71に接続された吸熱ヒートパイプ159,160に伝達される。そして、該吸熱部の上記ウイック部にて作動流体が熱を奪って蒸発し、その蒸気は気圧を上げて放熱側の気圧の低い方に上記蒸気通路を流れていき、熱が放出される。凝縮した作動流体は、再びウイックの毛細管ポンプ力によりヒートパイプ(放熱部)から吸熱ヒートパイプ159,160に還流する。この蒸発、凝縮、還流のサイクルによって撮像素子14の温度上昇を抑制することができる。
【0057】
一方、固定枠支持体12には放熱板係合部としての熱伝導コネクタ71が露出部38の放熱部38aの移動方向に対向して配されており、該放熱部38aが結合離脱可能となっている。そして、撮像素子14が非駆動状態にあるとき、撮像素子支持板37が移動して、露出部38の放熱部38aが熱伝導コネクタ71と結合する。上記コネクタ結合状態では撮像素子側の熱は、熱伝導コネクタ71に接続される吸熱ヒートパイプ159,160(図6)に伝達され、そこから後述するデジタルカメラの液晶表示ユニット134や電源回路基板176側のヒートパイプ(放熱部)に伝達される。更には上述した液晶レンズユニット51の液晶レンズ群22側にも熱伝導部材である可撓金属線または金属箔69を介して供給される。
【0058】
図6は、図1のレンズ鏡筒が組み込まれるデジタルカメラの要部の構成を示す配置図である。図7は、図6のA−A断面図であって、レンズ鏡筒1側の熱伝導コネクタの断面を示す。
【0059】
上記デジタルカメラ131には撮像素子やCPU等のICチップの温度上昇を抑えるために上述したレンズ鏡筒1側の撮像素子支持板37の芯材である露出部38で吸熱した撮像素子14の熱は、熱伝導コネクタ71を介して吸熱ヒートパイプ159,160で吸熱され、ヒートパイプ(放熱側)165,166によりカメラ外装体および液晶表示部のシールド板を介して外部に放熱される。一方、撮像素子14の熱の一部は、熱伝導コネクタ71から可撓金属線または金属箔69を介してレンズ鏡筒1の液晶レンズ群22にも伝熱されて液晶レンズ群22の温度低下を防止する。
【0060】
詳しくは、デジタルカメラ131は、レンズ鏡筒1の他に図6に示すように制御回路ユニット132と、液晶表示ユニット134と、電源部を含むカメラ外装前カバーユニット135と、カメラ外装後カバーユニット136とを有している。
【0061】
熱伝導コネクタ71は、図7に示すようにレンズ鏡筒1の固定枠支持体12の内側に装着されている。該コネクタ71の内部には、弾性体からなる熱伝導部材74が収容されており、コネクタ上部に凸部73aを有する押さえバネ73が配されている。熱伝導部材74には、吸熱ヒートパイプ159,160および可撓金属線や金属箔69がそれぞれ熱伝導可能な状態で接触している。
【0062】
撮像素子14の非撮像動作期間中、撮像素子支持板37が移動制御されて熱伝導コネクタ71に撮像素子支持板37側の露出部38である放熱部38aに嵌入し、結合状態となる。該結合状態では、放熱部38aの凹部38bが押さえバネ73の凸部73aに係合し、放熱部38aの先端部と熱伝導部材74との接触状態が維持され、放熱部38a側の熱が熱伝導部材74を介して吸熱ヒートパイプ159,160および可撓金属線または金属箔69に伝わる。なお、押さえバネ73の凸部73aが放熱部38aの凹部38bに係合することにより、撮像素子支持板37の位置が保持されるので位置保持のための駆動用プリントコイル41,42への通電は不要となる。
【0063】
また、液晶レンズユニット51の外周部にて巻回される熱伝導コイル66と可撓金属線または金属箔69の接続部には、感温切り換えスイッチ75を配する。この感温切り換えスイッチ75は、形状記憶合金または感熱磁性材料からなる接触状態を切り換える部材であって、液晶レンズ群22の温度が応答性上、許容される温度以下に低下したとき、接触状態となり、可撓金属線または金属箔69の熱を熱伝導コイル66側に伝える。許容温度以上になると切断状態(離間した状態)に切り換わり、可撓金属線または金属箔69の熱は、熱伝導コイル66側に伝わらない。なお、熱伝導コイル66が複数本で構成される場合(多条巻き)、感温切り換えスイッチ75は、複数のスイッチ群76で構成される。
【0064】
制御回路ユニット132は、上記カメラ本体に固定支持される制御回路基板141と、制御回路基板141に実装されるCPU,AFEIC,ASIC等のICチップ142と、ICチップ142上にシリコンゴム等からなる熱伝導性シート143を介して接着固定される複数本(3本)の吸熱ヒートパイプ144とを有し、さらに、吸熱ヒートパイプ159,160の端部が接続される管継ぎ手145と、制御回路基板141上で管継ぎ手145に接続される可撓チューブ159A,160Aと、該可撓チューブ159A,160Aを位置決めするためのチューブ止め部材146,147,148と、吸熱ヒートパイプ144に連結して接続される可撓チューブ161と有している。チューブ止め部材146,147,148には制御回路基板141に対する位置決めピン146a,147a,148aが設けられている。
【0065】
吸熱ヒートパイプ159,160は、接続FPC159に沿ってカメラ制御回路ユニット132の制御回路基板141に導かれ、押さえ部材145,146,147,148で固定された状態で可撓チューブ159A,160Aとベローズ接続管162,163を介してそれぞれヒートパイプ(放熱側)165,166に接続される。
【0066】
液晶表示ユニット134は、バックライトを含むLCD171と該LDC171を覆うシールド板172と、ヒートパイプ(放熱側)165とからなる。シールド板172は、金属板で形成され、カメラ外装カバーに対して熱結合状態で支持される。
【0067】
ヒートパイプ(放熱側)165は、一方は、熱伝導コネクタ71側の吸熱ヒートパイプ159の一方側に接続されている可撓チューブ159Aに可撓性をもつベローズ接続管162を介して接続され、他方は、シールド板172の外表面に熱結合状態で固着されている。
【0068】
電源部を含むカメラ外装前カバーユニット135は、カメラ外装前カバー178と、カメラ外装前カバー178の内部に配され、電源用電池173を収納する電池ボックス174と、電池ボックス174に接触して配され、電源用電池173が接続される電源回路基板176と、電源回路基板176の裏面に接触して配される熱伝導性の高い接触片175と、該接触片175とカメラ外装前カバー178との間に介在し、双方に熱結合状態で圧接して配される金属板、または、線材からなるバネ体177と、ヒートパイプ(放熱側)166とからなる。
【0069】
ヒートパイプ(放熱側)166は、一方は、熱伝導コネクタ71側の吸熱ヒートパイプ160の一方側に接続されている可撓チューブ160Aに可撓性をもつベローズ接続管163を介して接続され、他方は、接触片175に熱結合状態で固着されている。
【0070】
カメラ外装後カバーユニット136は、カメラ外装後カバー182と、カメラ外装後カバー182に金属板、または、線材からなるバネ体183を介して熱結合状態で接触する熱伝導性の高い接触片181と、ヒートパイプ(放熱側)167とからなる。
【0071】
ヒートパイプ(放熱側)167の一方は、吸熱ヒートパイプ144側の可撓チューブ161が接続されているベローズ接続管164に接続され、他方は、接触片181に熱結合状態で接着されている。
【0072】
なお、上述した吸熱ヒートパイプ159,160,161は、コンテナ部とウィック部と蒸気通路とを有しているが、その一端部が開口しており、その開口部は、それぞれベローズ接続管、または、可撓チューブに接続される。これらの吸熱ヒートパイプにて熱源部より熱を吸収した場合、作動流体が蒸発し、その蒸気が蒸気通路を介してベローズ接続管、または、可撓チューブを経てそれぞれ接続されたヒートパイプ(放熱側)に送られる。
【0073】
一方、放熱ヒートパイプ165,166,167も前述した吸熱ヒートパイプと同様にコンテナ部とウィック部と蒸気通路とを有しているが、その一端部が開口し、その開口部は、それぞれベローズ接続管、または、可撓チューブに接続されている。これらの放熱ヒートパイプにおいて、上記各吸熱ヒートパイプから流入した蒸気は、その熱を外部の放熱部にて放熱することにより作動流体に凝縮される。その凝縮された作動流体は、ウイック部を介して再度ベローズ接続管、または、可撓チューブを経て上記各吸熱ヒートパイプに環流される。
【0074】
上述した構成を有する本実施形態のレンズ鏡筒1を内蔵するデジタルカメラ131において、ライブビュー動作を含む撮影動作中、すなわち、撮像素子動作中、ズーミングにより図2に示すようにレンズ鏡筒1の直進枠3,一群枠4,二群枠6は、カム筒5の回転にともなってそれぞれのスムーズ位置に移動する。また、フォーカシング時には接続用FPC68を介してパターン電極にフォーカシング電圧が印加されると、液晶層62のレンズパワーが変化し、フォーカシングが行われる。
【0075】
また、上記撮像素子動作期間中、撮像素子14、および、CPU,AFEIC,ASIC等のICチップ142、さらに、電源用電池173を収納する電池ボックス174が動作電流により加熱され、温度が上昇する。
【0076】
ICチップ142において、発生した熱は、熱伝導性シート143を介して吸熱ヒートパイプ144に吸収される。吸熱ヒートパイプ156に吸収されたICチップの熱によりウイック部内の作動流体が蒸発し、その蒸気は、蒸気通路を通って可撓チューブ161を経てヒートパイプ(放熱側)167に達する。上記ヒートパイプ(放熱側)167に達した蒸気の熱は、接触片181からバネ体183を介してカメラ外装後カバー182に伝達され、外部に放熱される。作動液に凝縮する。凝縮した作動液は、上記ウイック部を通って、再度、吸熱ヒートパイプ144側に戻され、吸熱動作が行われる。
【0077】
撮像素子による撮像、あるいは、液晶表示部による観察が終了した後の撮像素子非動作状態になると、撮像素子支持板37が移動して露出部38の放熱部38aが熱伝導コネクタ71に係合する。該コネクタ係合状態では、上記放熱部38aの熱は熱伝導部材74を介して吸熱ヒートパイプ159,160で吸収され、そして、その熱は、該ヒートパイプが接続されるヒートパイプ(放熱側)165,166にて液晶表示ユニットのシールド板172、あるいは、接触片175を介してカメラ外装前カバー178から外部に放熱される。この放熱作用により撮像素子14が冷却される。
【0078】
また、液晶レンズ群22が応答性上、許容される温度以下に低下した状態にあるときは、上記放熱部38aの熱の一部が熱伝導コネクタ71にて熱伝導部材74を介して可撓金属板69に伝達され、さらに、熱伝導コイル66に伝わり、液晶レンズ群22の外周部が加熱される。その加熱により液晶レンズ群22は、温度が上昇し、レンズパワー制御上、所定の応答性を有する状態に維持される。
【0079】
なお、液晶表示ユニット134のLCD171自体の熱もシールド板172から外部に放熱され、また、電源部を含む電源回路基板176の熱もカメラ外装前カバー178から外部に放熱される。
【0080】
上述した本実施形態のレンズ鏡筒1を適用するデジタルカメラ131によれば、構成が簡単であって、制御回路基板に実装された各ICチップ142からの熱はそれぞれに装着されたヒートパイプによって放熱させ、LCD171や電源部の熱は液晶表示ユニットのシールド板172やカメラ外装に伝導し、それぞれの部材から外部に効率よく放熱することができる。
【0081】
また、デジタルカメラ131がぶれ補正機能を有し、ぶれ補正動作時に撮像素子14が光軸Oと直交するXY平面上を移動する構成のものでおいても撮像素子非動作時に熱伝導コネクタ71に撮像素子支持板37側の露出部38の放熱部38aを係合させることによって撮像素子14の熱は、吸熱ヒートパイプ159,160側に効率よく取り込み、その熱をヒートパイプ(放熱側)165,166に伝えることによって外部に放熱することがでことができるので、撮像素子14の発熱による特性の低下を抑えることができる。一方、熱伝導コネクタ71により伝達される撮像素子の熱の一部を液晶レンズ群22側に導くことによって、液晶レンズ群22の温度の低下に伴う応答性の低下を抑えることができる。
【0082】
さらに、フォーカスレンズとして液晶レンズ群を採用しているのでフォーカスレンズの進退駆動機構が不要となりレンズ鏡筒として構成が簡単になり、組み立ても容易なレンズ鏡筒として利用することができる。
【0083】
なお、上述したレンズ鏡筒1の液晶レンズ群22に替えて前、後透明電極板56,61の間にオイルおよび電解液を充填し、前、後透明電極板56,61の外側に透明電極を配した構成の液体レンズを採用し、上記電解液に電圧をかけて電解液とオイルとの境界の形状を変化させ、焦点距離を調整することも可能である。
【0084】
次に本発明の第二の実施形態のデジタルカメラである一眼レフレックスカメラについて、図8〜11および図12を用いて説明する。
【0085】
図8は、本実施形態の一眼レフレックスカメラの主要構成を示す図である。図9は、上記カメラに組み込まれる焦点検出光学系の配置を示す図である。図10は、上記焦点検出光学系における液晶レンズを適用したコンデンサレンズユニットの拡大断面図である。図11は、上記焦点検出光学系に適用される再結像光学系の斜視図である。
【0086】
本実施形態の一眼レフレックスカメラ200は、図8に示すように、撮像光学系と、ファインダ光学系と、焦点検出光学系とを有しており、更に、デジタルカメラに特有のLCDの表示装置や、画像記録のためのメモリ装置を備えている。
【0087】
上記撮像光学系は、光路順に、前記図3に示された凸レンズ63,64を鏡枠部材に有していない回折型液晶レンズ202bを含む撮影レンズ202と、ハーフミラー251と、反射ミラー253と、赤外カットフィルタを備えた撮像素子252とにより構成されている。
【0088】
撮影レンズ202は、マウントを介してカメラ本体に着脱可能である。なお、回折型液晶レンズ202bは、後述する図12(A),(B)の断面図に示すようにガラス基板443を挟む第一回折格子付き液晶レンズ442および第二回折格子付き液晶レンズ444と、該回折格子付き液晶レンズ442,444の外側に配されるガラス基板441,445とを具備してなる。その屈折動作については後述する。
【0089】
ファインダ光学系は、ハーフミラー251で反射された方向の光路上にて撮影レンズ201の結像面と等価な予定結像面に配置されたスクリーン255と、ペンタダハプリズム256と、接眼レンズ257とで構成されている。
【0090】
ハーフミラー251は、図示しないシャッタと連動して光路に進入、または、退避可能なクイックリターンミラーであり、光路進入位置にあるとき、撮影レンズ201からの光束をファインダ光学系の方向と撮像素子側とに分割するように構成されている。
【0091】
反射ミラー253は、ハーフミラー251と連動して光路に進入、退避可能なように構成されており、光路上に進入している状態では撮影レンズ201からの一部の光束を焦点検出光学系に導き、ハーフミラー251とともに光路から退避したとき、撮影レンズ201からの光束は、撮像素子252に導かれる。
【0092】
焦点検出光学系は、図8に示すように、撮影レンズ201の結像面と等価な予定結像面203近傍に配置されたコンデンサレンズユニット204と、コンデンサレンズユニット204からの光を折り曲げてカメラ本体内にコンパクトに収めるための反射ミラー254と、縦横方向にそれぞれ一対の開口絞りを持つ開口絞り群205と、再結像レンズ群が開口絞り205に対応して一体形成された再結像光学系206と、光電変換素子列207とで構成されている。
【0093】
再結像光学系206は、図8及び図9に示すように、光電変換素子列207の配置方向に合わせて縦横方向にそれぞれ一対の再結像レンズ206a,206bと再結像レンズ206c,206dとで構成されている。図9には開口絞り群205は省略してある。なお、図9に示す光電変換素子列207は、横方向のラインセンサ及び縦方向のラインセンサで検出する縦横クロスセンサを有する多点の焦点検出系に置き換えることもできる。
【0094】
また、一対の開口絞り205と対応する一対の再結像レンズ206との組み合わせにおいて、それぞれの開口絞り205の中心及びそれに対応する再結像レンズ206は、撮影レンズ201の光軸から偏心している。また、その偏心量は、各組(本実施例においては、縦方向の組み合わせと横方向との組み合わせ)毎にそれぞれ異なっている。
【0095】
図9に示すように光路を折り曲げる方向にも焦点検出範囲が広がると折り曲げに必要な空間が多くなる。コンデンサレンズユニット204が占める領域が薄いと反射ミラー254を配置するスペースが作りやすい。スペースがきつすぎると不要光がはいりやすくなり、好ましくない。
【0096】
コンデンサレンズユニット204は、図10の拡大断面図に示すように第一の実施形態における液晶レンズユニット51と同様の構成を有したパワー可変(焦点距離可変)の液晶レンズを内蔵するレンズユニットからなる。詳しくは、二群枠6に固定支持される鏡枠部材の前、後外枠352,353と、前外枠352の内周凹部に嵌入する鏡枠部材の中枠354と、中枠354に対して位置決めピン穴354e,位置決めピン355eで係合させて接合し、かつ、後外枠353の内周凹部に嵌入する鏡枠部材の押さえ枠355と、中枠354の外周部に巻回される熱伝導部材からなる熱伝導コイル366と、熱伝導コイル366の外周部を覆う断熱部材からなる断熱シート367と、中枠354の内周部および後端凹部に挿入される液晶レンズ群322とからなる。
【0097】
液晶レンズ群322も第一の実施形態に適用した液晶レンズ群22と同様な構成を有しており、内面側に共通電極357が設けられた四辺形状のガラス板からなる前透明電極板356と、内面側にパターン電極360が設けられた矩形平板状のガラス板からなる後透明電極板361と、前、後透明電極板356,361内側に対向し、所定の間隔をもって配される四辺形状の配向膜358,359と、配向膜358,359の間に封入される液晶レンズ部を構成する四辺形状のネマチック液晶層362と、液晶層362を封入するためのシール365と、前、後透明電極板356,361の光軸O方向前後面に密着固定される光学部材である前、後凸レンズ363,364とからなる。これらの各構成部材は、接着等により一体化され、四角柱形状で後透明電極板361の上端部が突出する液晶レンズ群322を形成する。
【0098】
液晶レンズ群322は、中枠354内に挿入し、前透明電極板356の開口354jの裏面に当接させ、さらに、前透明電極板356の下面(基準面)を中枠54の位置決め突起354gに、左面(基準面)を位置決め突起354hにそれぞれ当接させた状態で位置決めして接着固定される。この状態で後透明電極板361の接続パターン部分を含む上端部は、中枠354のコの字状凹部を挿通して外方に露呈する。
【0099】
続いて、中枠354の後透明電極板361の後端面側から押さえ枠355を当て付け、押さえ枠355の位置決めピン355eを中枠354の位置決め穴354eに係合させて相対位置決めして接合し、固定する。さらに、中枠354の前端フランジ部354cの円形状段部354iには、前凸レンズ363が挿入され接着固定される。また、押さえ枠355の開口部355aの裏面側に後凸レンズ364が接着固定される。
【0100】
中枠354のフランジ部と押さえ枠355は、それぞれ前、後外枠352,353の内周凹部に嵌入させる。上記組み付け状態で各部材は接着固定され、コンデンサレンズユニット51として一体化される。この一体化状態では、前、後外枠352,353に対して中枠354と押さえ枠355を介して液晶レンズ群322は同軸状態、すなわち、液晶レンズ群322の光軸と前、外枠352,353の中心軸とが一致した状態で保持される。また、中枠354の外周部に形成される凹部には単線、または、複線の金、または、銀メッキされた金属線からなる熱伝導コイル366がコイル状に巻回され、巻回された熱伝導コイル366の外周は、断熱シート367により覆われる。
【0101】
熱伝導コイル366は、熱伝熱部材を介して撮像素子252に撮像素子支持板(図示せず)に熱的に接続されている。中枠354の外周部には熱伝導コイル366と熱伝熱部材との接続部位に上記感温切り換えスイッチ(図示せず)が配されている。この感温切り換えスイッチは、形状記憶合金または感熱磁性材料からなり、熱伝熱部材の接触状態の切り換え部材である。感温切り換えスイッチは、液晶レンズ群322の温度が応答性上許容される温度以下に低下したとき、接触状態となり、上記熱伝導部材の熱が熱伝導コイル366側に伝わる。許容温度以上になると切断状態(離間した状態)に切り換わり、上記熱伝導部材の熱は熱伝導コイル366側に伝わらない。
【0102】
上記組み立て状態のコンデンサレンズユニット204においては、後透明電極板361の一端部は、コンデンサレンズユニット204の外周に突出しており、一端部に配される接続パターンには、接続用FPC(フレキシブルプリント基板)368が接続されている。また、熱伝導コイル366の端部もコンデンサレンズユニット204の外周に突出しており、該端部には、可撓性を有する平板状の熱伝導部材369が断熱シート(図示せず)で覆われた状態で接続されている。コンデンサレンズユニット204自体は、図9に示すように光路進入位置にある反射ミラー253と反射ミラー254の間の予定結像面203近傍にカメラ本体に固定された状態で保持されている。
【0103】
コンデンサレンズユニット204における液晶レンズ群322は、カメラ制御部により装着撮像レンズ201の焦点距離情報に基づき、接続FPC368を介して印加される駆動制御電圧によって適正な焦点距離状態に制御される。また、液晶レンズ群322が所定の応答性が得られない状態まで温度が低下した場合、上記感温切り換えスイッチが接触状態となり、熱伝導コイル366によって液晶レンズ群322が所定の温度に達するまで暖められ、所望の応答性が確保される。なお、熱伝導コイル366には撮像素子252を支持する撮像素子支持板の熱が熱伝導部材369を介して伝熱され、その熱で液晶レンズ群322が暖められる。
【0104】
ここで、本実施形態の一眼レフレックスカメラ200の撮影レンズ202に組み込まれる回折型液晶レンズの動作について、図12を用いて説明する。
【0105】
図12は、上記一眼レフレックスカメラの撮影レンズに組み込まれる回折型液晶レンズの動作原理を示す該液晶レンズの断面図であって、図12(A)は、上記液晶レンズに交流電圧を印加していない状態を示し、図12(B)は、上記液晶レンズに交流電圧を印加した状態を示す。
【0106】
回折型液晶レンズ202bを構成する第一、第二液晶レンズ442,443は、互いに液晶の配光方向が直交している。図12(A)の上記液晶レンズに交流電圧を印加していない状態では液晶は、入射する光線の偏光方向によらず常光屈折率として作用する。基板の屈折率と液晶の常光屈折率が等しいので、液晶レンズは入射する光線の偏光方向によらず偏向しない機能を有する。
【0107】
また、図12(B)に示すように、第一液晶レンズ442に交流電圧を印加すると、第一液晶レンズ142はP偏光に対して異常光屈折率としての作用し、P偏光は回折(偏向)する。一方、第一液晶レンズ442はS偏光に対して常光屈折率として作用し、S偏光は回折(偏向)しない。第二液晶レンズ444に交流電圧を印加すると、第二液晶レンズ444はS偏光に対して異常光屈折率としての作用し、S偏光は回折(偏向)する。
【0108】
第二液晶レンズ444はP偏光に対しては常光屈折率として作用し、回折(偏向)しない。このように第一および第二液晶レンズ442,444に交流電圧を印加すると、P偏光は第一液晶レンズで偏向を受け、S偏光は第二液晶レンズ444で偏向を受ける。
【0109】
上述した構成を有する一眼レフレックスカメラ200においては、上述したように焦点検出光学系のコンデンサレンズユニット204に電気制御により焦点距離可変である液晶レンズ群322を適用した。従って、レンズの移動がなく、塵埃の発生がない。また、焦点検出に用いるNAの変化を小さくすることができるので、安定した焦点検出精度を得ることができる。
【0110】
なお、一眼レフレックスカメラ200の液晶レンズを適用したコンデンサレンズ204に替えて、液体レンズをコンデンサレンズ500として適用することも可能である。その液体レンズを適用したコンデンサレンズ500は、図13の上記液体レンズ拡大図に示すように入射側正レンズ541、液晶レンズ(第一の媒質)542、液体レンズ(第二の媒質)543、射出側正レンズ545で構成される。第一の媒質542は、第二の媒質543より低い。第一の媒質542と第二の媒質543の境界形状がAFセンサ側に凸になるように電圧を印加するとコンデンサレンズとしては実線24aに示す状態となる。第一の媒質542と第二の媒質543の境界形状が撮影レンズ側に凸になるように電圧を印加するとコンデンサレンズとしては波線24bのようになる。
【0111】
上述した各実施形態に基づいて、以下の構成を提案することができる。すなわち、
(付記1)
上述した撮影レンズユニットにおいて、上記鏡枠部材には、シャッタおよび該シャッタ駆動部が配されており、また、上記液晶駆動回路は、フレキシブルプリント基板を介して上記透明電極板に接続されており、上記フレキシブルプリント基板には、上記シャッタ駆動部を駆動するためのシャッタ駆動信号パターンが設けられていることを特徴とする撮影レンズユニット。
【0112】
(付記2)
上述した撮影レンズユニットにおいて、上記撮像素子と放熱部材とを有する撮像素子支持板を備え、上記撮像素子は、フレキシブルプリント基板を介して上記ユニット枠部材に接続され、上記光軸と直交する方向に電磁駆動や屈曲型超音波駆動等による駆動素子により、撮像素子支持板を撮影レンズの光軸に対して直交するように移動可能に支持されていることを特徴とする撮影レンズユニット。
【0113】
この発明は、上記各実施の形態に限ることなく、その他、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々の変形を実施し得ることが可能である。さらに、上記各実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組合せにより種々の発明が抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0114】
本発明の撮像レンズユニットは、撮影レンズに適用した液晶レンズの保温を行うことが可能であり、また、入射側または射出側に配置された液晶レンズの光軸をより正確に一致させることが可能な撮影レンズユニットとして利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の第一の実施形態の撮影レンズユニットであるレンズ鏡筒の沈胴状態における光軸上の縦断面図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒の撮影可能状態における光軸上の縦断面図である。
【図3】図1のレンズ鏡筒に適用される液晶レンズユニットの断面図である。
【図4】図3の液晶レンズユニットの分解斜視図である。
【図5】図3の液晶レンズユニットにて中枠に液晶レンズを挿入した状態を背面側から見た図である。
【図6】図1のレンズ鏡筒が組み込まれるデジタルカメラの要部の構成を示す配置図である。
【図7】図6のA−A断面図であって、レンズ鏡筒側の熱伝導コネクタの断面を示す。
【図8】本発明の第二実施形態の一眼レフレックスカメラの主要構成を示す図である。
【図9】図8のカメラに組み込まれる焦点検出光学系の配置を示す図である。
【図10】図9の焦点検出光学系における液晶レンズを適用したコンデンサレンズユニットの拡大断面図である。
【図11】図9の焦点検出光学系に適用される再結像光学系の斜視図である。
【図12】図8の一眼レフレックスカメラの撮影レンズに回折型液晶レンズを適用した場合の該回折型液晶レンズの動作状態を示す断面図であって、図12(A)は、上記液晶レンズに電圧を印加しない状態を示し、図12(B)は、上記液晶レンズに電圧を印加した状態を示している。
【図13】図一眼レフレックスカメラのコンデンサレンズの液晶レンズに替えて適用可能な液体レンズの断面図である。
【符号の説明】
【0116】
12 …固定枠支持体(ユニット枠部材)
14 …撮像素子
36 …プリント基板(撮像素子基板)
37 …撮像素子支持板
38 …露出部(撮像素子支持板の一部)
38a…放熱部(係合部)
54,354…中枠(鏡枠部材)
54f…凹部
54g,54h…位置決め突起(位置決め手段)
56,356…前透明電極板(透明電極板)
61,361…後透明電極板(透明電極板)
63,363…前凸レンズ(光学部材)
64,364…後凸レンズ(光学部材)
66,366…熱伝導コイル
67,367…断熱シート(断熱部材)
71 …伝熱コネクタ(放熱板係合部)
134…液晶表示ユニット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の透明電極板を備えた液晶レンズを含む撮影レンズと、
上記液晶レンズを内部に保持する鏡枠部材と、
上記鏡枠部材の外周を覆う断熱部材と、
を具備しており、上記鏡枠部材には、上記液晶レンズの透明電極板が上記撮影レンズの光軸および該光軸に対して直交する平面内において上記透明電極板の外周部を上記鏡枠部材に設けた位置決め突起により位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする撮影レンズユニット。
【請求項2】
透明電極板は、上記位置決め手段により上記透明電極板の一枚の外周部で位置決めされることを特徴する請求項1記載の撮影レンズユニット。
【請求項3】
さらに、上記撮影レンズを介して取り込まれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と、上記撮像素子に接続されるプリント基板とを具備しており、上記プリント基板上には上記透明電極板に接続される液晶駆動回路が実装されていることを特徴とする請求項1記載の撮影レンズユニット。
【請求項4】
さらに、上記撮像素子は、放熱部材に保持された状態でユニット枠部材に対して上記撮像素子と共に上記光軸と直交する方向に移動可能に支持されており、上記ユニット枠部材には、上記鏡枠部材に設けられた金属線または輪帯板に接続される放熱板係合部と係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3記載の撮影レンズユニット。
【請求項5】
請求項1記載の撮影レンズユニットと、
液晶表示ユニットと、
を具備することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項6】
上記撮影レンズユニットは、上記デジタルカメラに対して交換可能であり、上記デジタルカメラは、さらに、焦点検出光学系と、ファインダ光学系とを具備しており、上記焦点検出光学系は、液晶レンズを含むコンデンサレンズと該液晶レンズを内部に保持する鏡枠部材とを有していることを特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
上記焦点検出光学系は、上記鏡枠部材とカメラ本体との間に介在する断熱部材を有し、さらに、上記液晶レンズの透明電極基板が上記コンデンサレンズの光軸および該光軸に対して直交する平面内において上記鏡枠部材に対して上記鏡枠部材に設けた位置決め突起からなる位置決め手段によって上記透明電極板の外周部を介して位置決めされることを特徴とする請求項6記載のデジタルカメラ。
【請求項1】
複数の透明電極板を備えた液晶レンズを含む撮影レンズと、
上記液晶レンズを内部に保持する鏡枠部材と、
上記鏡枠部材の外周を覆う断熱部材と、
を具備しており、上記鏡枠部材には、上記液晶レンズの透明電極板が上記撮影レンズの光軸および該光軸に対して直交する平面内において上記透明電極板の外周部を上記鏡枠部材に設けた位置決め突起により位置決めする位置決め手段が設けられていることを特徴とする撮影レンズユニット。
【請求項2】
透明電極板は、上記位置決め手段により上記透明電極板の一枚の外周部で位置決めされることを特徴する請求項1記載の撮影レンズユニット。
【請求項3】
さらに、上記撮影レンズを介して取り込まれた被写体像を電気信号に変換する撮像素子と、上記撮像素子に接続されるプリント基板とを具備しており、上記プリント基板上には上記透明電極板に接続される液晶駆動回路が実装されていることを特徴とする請求項1記載の撮影レンズユニット。
【請求項4】
さらに、上記撮像素子は、放熱部材に保持された状態でユニット枠部材に対して上記撮像素子と共に上記光軸と直交する方向に移動可能に支持されており、上記ユニット枠部材には、上記鏡枠部材に設けられた金属線または輪帯板に接続される放熱板係合部と係合可能な係合部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3記載の撮影レンズユニット。
【請求項5】
請求項1記載の撮影レンズユニットと、
液晶表示ユニットと、
を具備することを特徴とするデジタルカメラ。
【請求項6】
上記撮影レンズユニットは、上記デジタルカメラに対して交換可能であり、上記デジタルカメラは、さらに、焦点検出光学系と、ファインダ光学系とを具備しており、上記焦点検出光学系は、液晶レンズを含むコンデンサレンズと該液晶レンズを内部に保持する鏡枠部材とを有していることを特徴とする請求項5記載のデジタルカメラ。
【請求項7】
上記焦点検出光学系は、上記鏡枠部材とカメラ本体との間に介在する断熱部材を有し、さらに、上記液晶レンズの透明電極基板が上記コンデンサレンズの光軸および該光軸に対して直交する平面内において上記鏡枠部材に対して上記鏡枠部材に設けた位置決め突起からなる位置決め手段によって上記透明電極板の外周部を介して位置決めされることを特徴とする請求項6記載のデジタルカメラ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−216946(P2009−216946A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−60194(P2008−60194)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】
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