説明

撮影支援装置及び撮影支援方法

【課題】撮影者が生物の撮影を行う場合に、当該撮影を支援する撮影支援装置及び撮影支援方法を提供する。
【解決手段】
撮影支援装置1は、少なくとも生息位置を含む生物に関する生物関連情報を記憶する生物関連情報データベース13B乃至13Dと、生物を撮影する撮影者の現在位置を示す位置情報を、当該撮影者が携行する携帯電話機から取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、生物関連情報データベース13B乃至13Dから抽出する生物関連情報抽出手段と、前記生物関連情報抽出手段により抽出された生物関連情報を、前記携帯電話機に対して送信する生物関連報送信手段とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影者が生物の撮影を行う場合に、当該撮影を支援するための撮影支援装置及び撮影支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、カメラ機能を備えた携帯電話機及びデジタルスチルカメラ等が普及しており、誰もが気軽に撮影を行うことが可能になっている。これに伴い、撮影者が撮影に不慣れな場合であっても、所望の写真・画像を得ることができるように、撮影を支援するための技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、撮影地点データを登録するデータ登録手段と、その撮影地点データに基づいて所定の撮影地点に撮影者を誘導する撮影地点誘導手段とを有する撮影地点誘導機能付きカメラが開示されている。このカメラによれば、撮影に好適な地点に撮影者を誘導することができるため、好ましい写真・画像を得ることができる。
【0004】
同様にして、特許文献2には、撮影に好適な地点に撮影者を誘導するとともに、当該地点で撮影された参照指示画像を提供して同様の構図で撮影を行うよう教示する撮影装置が開示されている。この撮影装置によれば、不慣れな撮影者であっても、好ましい構図で容易に撮影を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−214681号公報
【特許文献2】特開2009−239397号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、従来のカメラ及び撮影装置の場合、予め定められた撮影地点に撮影者を誘導することになっている。すなわち、これらの従来技術において、撮影対象は、海及び山等のように静的で動くことがないものであることが前提となっており、その撮影対象が存在する地点に撮影者を誘導することになる。そのため、相当程度の範囲において移動する動物及び生息する位置が一定ではない植物等の生物を撮影対象とする場合、これらの従来技術では適切な支援を行うことができないという問題がある。
【0007】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、生物を撮影対象とする場合に適切な支援を行うことができる撮影支援装置及び撮影支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の撮影支援装置は、少なくとも生息位置を含む生物に関する生物関連情報を記憶する生物関連情報記憶部と、生物を撮影する撮影者の現在位置を示す位置情報を、当該撮影者が携行する携帯型端末装置から取得する位置情報取得手段と、前記位置情報取得手段により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出する生物関連情報抽出手段と、前記生物関連情報抽出手段により抽出された生物関連情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物関連報送信手段とを備える。
【0009】
前記態様の撮影支援装置において、前記生物関連情報記憶部が、時期毎に異なる生物関連情報を記憶しており、前記生物関連情報抽出手段が、撮影時期に基づいて、前記撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出するように構成されていてもよい。
【0010】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記生物関連情報記憶部に記憶されている生物関連情報に係る生物の画像情報を記憶する画像情報記憶部と、前記位置情報取得手段により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物の画像情報を、前記画像情報記憶部から抽出する画像情報抽出手段とをさらに備え、前記生物関連情報送信手段が、前記生物関連情報抽出手段により抽出された生物関連情報と併せて、前記画像情報抽出手段により抽出された画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記生物関連情報記憶部に記憶されている生物関連情報に係る生物の音声情報を記憶する音声情報記憶部と、前記位置情報取得手段により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物の音声情報を、前記音声情報記憶部から抽出する音声情報抽出手段とをさらに備え、前記生物関連情報送信手段が、前記生物関連情報抽出手段により抽出された生物関連情報と併せて、前記音情報抽出手段により抽出された音声情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記態様の撮影支援装置が、撮影者の所望の生物分類を示す生物分類情報を記憶する生物分類情報記憶部をさらに備え、前記生物関連情報抽出手段が、前記生物分類情報記憶部に記憶されている生物分類情報に示されている生物分類に係る生物の生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記位置情報取得手段により取得した位置情報に基づいて、前記撮影者の将来位置を予測する将来位置予測手段をさらに備え、前記生物関連情報抽出手段が、前記将来位置予測手段によって予測された撮影者の将来位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出するように構成されていてもよい。
【0014】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記生物関連情報記憶部が、生物の外観を示す外観情報を含む生物関連情報を記憶していてもよく、生物の出現時間帯を示す出現時間帯情報を含む生物関連情報を記憶していてもよい。
【0015】
さらに、前記態様の撮影支援装置において、前記生物関連情報記憶部が、生物の行動パターンを示す行動パターン情報を含む生物関連情報を記憶していてもよく、生物が誘引する動物を示す誘引動物情報を含む生物関連情報を記憶していてもよい。
【0016】
本発明の一の態様の撮影支援方法では、少なくとも生息位置を含む生物に関する生物関連情報を記憶する生物関連情報記憶部を備えるコンピュータが、生物を撮影する撮影者の現在位置を示す位置情報を、当該撮影者が携行する携帯型端末装置から取得する位置情報取得工程と、前記位置情報取得工程により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出する生物関連情報抽出工程と、前記生物関連情報抽出工程により抽出された生物関連情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物関連報送信工程とを実行する。
【0017】
前記態様の撮影支援方法において、前記生物関連情報記憶部が、時期毎に異なる生物関連情報を記憶しており、前記生物関連情報抽出工程において、前記コンピュータが、撮影時期に基づいて、前記撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る撮影支援装置及び撮影支援方法によれば、生物を撮影対象とする場合に適切な支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている撮影者情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている動物撮影支援情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている植物撮影支援情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている昆虫撮影支援情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置及び携帯電話機が実行する現在位置撮影支援処理の手順を示すフローチャート。
【図8A】動物撮影支援情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影支援画面の一例を示す図。
【図8B】図8Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影支援画面の一例を示す図。
【図9A】植物撮影支援情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影支援画面の一例を示す図。
【図9B】図9Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影支援画面の一例を示す図。
【図10A】昆虫撮影支援情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影支援画面の一例を示す図。
【図10B】図10Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影支援画面の一例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置及び携帯電話機が実行する撮像画像投稿処理の手順を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置が実行する将来位置撮影支援処理の手順を示すフローチャート。
【図13】携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影支援画面の他の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
また、以下では、撮影対象となる生物を動物・植物・昆虫に分けて例示しているが、これは説明の便宜上の分類にすぎず、本発明の技術的思想がこの分類に限定されるわけではない。
【0022】
[撮影支援システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の撮影支援システムは、生物を撮影する場合において当該撮影を支援するための撮影支援装置1と、各撮影者が携行する携帯電話機2,2,…とを備えている。これらの撮影支援装置1及び携帯電話機2,2,…は、インターネット等の通信ネットワークNTWを介して通信可能に接続されている。ここで、携帯電話機2,2,…は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成されるカメラを備えている。なお、携帯電話機2,2,…の代わりに、例えば通信機能を有するデジタルスチルカメラ等、通信機能及びカメラ機能を有する他の装置を用いるようにしてもよい。
【0023】
[撮影支援装置の構成]
以下、上述した撮影支援装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態1に係る撮影支援装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(撮影支援装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13、及び通信インタフェース(I/F)14を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13及び通信I/F14は、バス15によって接続されている。
【0024】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の撮影支援装置1として機能することになる。
【0025】
ROM11は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0026】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0027】
ハードディスク13には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、撮影者に関する撮影者情報が格納される撮影者情報データベース(DB)13Aと、撮影対象が動物である場合に撮影を支援するための動物撮影支援情報が格納される動物撮影支援情報データベース(DB)13Bと、撮影対象が植物である場合に撮影を支援するための植物撮影支援情報が格納される植物撮影支援情報データベース(DB)13Cと、撮影対象が昆虫である場合に撮影を支援するための昆虫撮影支援情報が格納される昆虫撮影支援情報データベース(DB)13Dと、生物の画像情報が格納される画像情報データベース(DB)13Eと、生物の鳴き声等の音声情報が格納される音声情報データベース(DB)13Fと、各撮影者から投稿される画像情報が格納される投稿画像情報データベース(DB)13Gとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0028】
さらに、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0029】
通信I/F14は、通信ネットワークNTWを介して撮影支援装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。撮影支援装置1は、この通信I/F14を介して、携帯電話機2,2,…との間で各種のデータの送受信を行う。
【0030】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)撮影者情報DB13A
図3は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている撮影者情報DB13Aのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、撮影者情報DB13Aは、撮影者を識別するための撮影者IDが格納される撮影者IDフィールド101、撮影者の氏名が格納される氏名フィールド102、撮影者の連絡先である電子メールアドレスが格納されるアドレスフィールド103、撮影者が撮影を希望する生物の分類を示す情報が格納される生物分類フィールド104、及び撮影者が設定したパスワードが格納されるパスワードフィールド105を有している。撮影支援装置1は、上記の撮影者情報を、撮影支援システムの利用を希望する撮影者から取得し、撮影者情報DB13Aに登録する。
【0031】
(B)動物撮影支援情報DB13B
図4は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている動物撮影支援情報DB13Bのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、動物撮影支援情報DB13Bは、動物が生息する位置を示す情報が格納される位置フィールド201、期間を示す情報が格納される期間フィールド202、当該動物の種類を示す情報が格納される動物種類フィールド203、その期間における当該動物の外観を示す情報が格納される外観フィールド204、その期間における当該動物の鳴き声の種類を示す情報が格納される鳴き声フィールド205、その期間においてよく見られる当該動物の行動パターンを示す情報が格納される行動パターンフィールド206、当該動物の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド207、及び当該動物の音声情報のファイル名が格納される音声フィールド208を有している。
【0032】
本実施の形態において、位置フィールド201には、所定の地域を識別するための地域IDが格納されている。そのため、動物撮影支援情報には、特定の地域に生息する動物に関する情報が含まれていることになる。例えば、図4の第1行目の動物撮影支援情報の場合、地域ID“A1”で特定される地域において、“6月〜9月”の間に現れる動物“AAA”が、“夏毛”であって、“警戒音”を発していることがあり、“地面付近で木の実を探している”ことが多いことを示している。そして、この場合、“12345.jpg”は“夏毛”の動物“AAA”の画像情報のファイル名を表し、“1357.mp3”は動物“AAA”が発する警戒音の音声情報のファイル名を表している。
【0033】
(C)植物撮影支援情報DB13C
図5は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている植物撮影支援情報DB13Cのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、植物撮影支援情報DB13Cは、植物が生息する位置を示す情報が格納される位置フィールド301、期間を示す情報が格納される期間フィールド302、当該植物の種類を示す情報が格納される植物種類フィールド303、その期間における当該植物の外観を示す情報が格納される外観フィールド304、当該植物が誘引する昆虫を示す情報が格納される誘引昆虫フィールド305、及び当該植物の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド306を有している。
【0034】
動物撮影支援情報DB13Bの場合と同様、位置フィールド301には、所定の地域を識別するための地域IDが格納されている。そのため、植物撮影支援情報には、特定の地域に生息する植物に関する情報が含まれていることになる。例えば、図5の第1行目の植物撮影支援情報の場合、地域ID“B1”で特定される地域において、“12月〜2月”の間に現れる植物“BBB”が、“ロゼット”状であって、昆虫“CCC”を誘引することを示している。そして、この場合、“45678.jpg”は、“ロゼット”状の植物“BBB”の画像情報のファイル名を表している。
【0035】
(D)昆虫撮影支援情報DB13D
図6は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている昆虫撮影支援情報DB13Dのレイアウトの一例を示す図である。図6に示すように、昆虫撮影支援情報DB13Dは、昆虫が生息する位置を示す情報が格納される位置フィールド401、期間を示す情報が格納される期間フィールド402、当該昆虫の種類を示す情報が格納される昆虫種類フィールド403、その期間における当該昆虫の成育段階を示す情報が格納される成育段階フィールド404、その期間における当該昆虫の生息場所を示す情報が格納される生息場所フィール405、その期間における当該昆虫の出現時間帯を示す情報が格納される出現時間帯フィールド406、その出現時間帯以外において当該昆虫が存在する隠れ場所を示す情報が格納される隠れ場所フィールド407、及び当該昆虫の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド408を有している。
【0036】
動物撮影支援情報DB13Bの場合と同様、位置フィールド401には、所定の地域を識別するための地域IDが格納されている。そのため、昆虫撮影支援情報には、特定の地域に生息する昆虫に関する情報が含まれていることになる。例えば、図6の第1行目の昆虫撮影支援情報の場合、地域ID“A2”で特定される地域において、“4月〜6月”の間に現れる昆虫“DDD”が、“成虫”であって、“夕方のみ”に“木の表面”に現れ、それ以外の時間帯は“木の皮の裏”に隠れていることが多いことを示している。そして、この場合、“78901.jpg”は、昆虫“DDD”の“成虫”の画像情報のファイル名を表している。なお、動物撮影支援情報DB13Bの場合と同様に、昆虫撮影支援情報DB13Dも、昆虫の鳴き声等の音声情報を格納するようにしてもよい。
【0037】
上記の動物撮影支援情報、植物撮影支援情報、及び昆虫撮影支援情報は、専門家等から収集した情報に基づいて生成され、動物撮影支援情報DB13B、植物撮影支援情報DB13C、及び昆虫撮影支援情報DB13Dにそれぞれ登録される。なお、これらの動物撮影支援情報、植物撮影支援情報、及び昆虫撮影支援情報は、適宜更新される。
【0038】
なお、撮影支援装置1は、動物撮影支援情報、植物撮影支援情報、及び昆虫撮影支援情報に含まれる地域IDの定義ファイル(以下、「地域定義ファイル」という)をハードディスク13に格納している。この地域定義ファイルでは、地域IDと、その地域IDにより特定される地域の範囲とが対応付けられている。ここで、地域の範囲は緯度及び経度により規定されている。そのため、ある地点の緯度及び経度が分かれば、地域定義ファイルを参照することにより、その地点がどの地域に属するかを特定することができる。
【0039】
後述するように、本実施の形態では、撮影者の現在位置がどの地域に属するかを判定し、その地域に生息する生物に関する情報を当該撮影者に対して提供する。ここで、地域は、上述したように所定の範囲を有する概念であるため、撮影者は、その範囲内に生息する生物に関する情報の提供を受けることになる。
【0040】
(E)画像情報DB13E
画像情報DB13Eには、上記の動物撮影支援情報、植物撮影支援情報、及び昆虫撮影支援情報の各画像フィールド207、306及び408に格納されているファイル名の画像情報が蓄積されている。この画像情報には、生物の画像及びその画像の取得日等が含まれている。
【0041】
(F)音声情報DB13F
音声情報DB13Fには、上記の動物撮影支援情報の音声フィールド208に格納されているファイル名の音声情報が蓄積されている。本実施の形態では、動物撮影支援情報の鳴き声フィールド205に格納されている種類の鳴き声の音声情報等が音声情報DB13Fに蓄積されている。
【0042】
(G)投稿画像情報DB13G
投稿画像情報DB13Gには、後述するようにして撮影者から投稿される撮像画像及びその撮影日時等を含む撮像画像情報が蓄積されている。なお、この投稿画像情報DB13Gに蓄積されている情報が、画像情報DB13Eに格納される場合もある。
【0043】
[撮影支援システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の撮影支援システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の撮影支援システムにて実行される主な処理には、(1)撮影者の現在位置において撮影支援を行うための現在位置撮影支援処理、(2)撮影支援後に撮影者が撮像画像を投稿するための撮像画像投稿処理、(3)撮影者の将来位置において撮影支援を行うための将来位置撮影支援処理等がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0044】
(1)現在位置撮影支援処理
図7は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する現在位置撮影支援処理の手順を示すフローチャートである。なお、以下では、撮影者が携行している携帯電話機2がGPS(Global Positioning System)機能を有しており、GPS衛星の電波を用いて自位置を特定することができるものとする。
【0045】
撮影者は、登山中及び散歩中等、様々な場面において、撮影支援装置1による撮影支援を受けるために、携行している携帯電話機2を用いて撮影支援装置1にアクセスする。例えば、撮影者は、生物が多く生息していると思われる場所等に到達したときに、予め設定されている撮影者ID及びパスワードを携帯電話機2に入力し、撮影支援装置1に対してログイン処理を試みるよう携帯電話機2に対して指示する。
【0046】
携帯電話機2は、撮影者から撮影者ID及びパスワードの入力を受け付けた場合、それらの撮影者ID及びパスワードを含むログイン情報を撮影支援装置1に対して送信する(S101)。
【0047】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信されたログイン情報を受信し、そのログイン情報に基づいてログイン処理を実行する(S201)。このログイン処理では、撮影支援装置1が、撮影者情報DB13Aに格納されている撮影者情報と受信したログイン情報とを照合することによってログインの成否を判定する。ここでは、ログインに成功したものとして説明を続ける。
【0048】
撮影支援装置1は、ログイン済みの撮影者の現在位置を検知するために、当該現在位置を示す情報の送信依頼を示す位置要求情報を携帯電話機2に対して送信する(S202)。
【0049】
携帯電話機2は、撮影支援装置1から送信された位置要求情報を受信した場合(S102)、GPS機能を用いて携帯電話機2の自位置を示す自位置情報(例えば、緯度・経度・高度を含む情報)を取得し、その自位置情報を撮影支援装置1に対して送信する(S103)。
【0050】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信された自位置情報を受信した場合(S203)、その自位置情報に基づいて、撮影者の現在位置を特定する(S204)。次に、撮影支援装置1は、撮影者情報DB13Aに格納されているログイン済みの撮影者の撮影者情報を参照し、生物種類フィールド104に格納されている情報に基づいて、当該撮影者が撮影を希望する生物の分類を特定する(S205)。以下、その分類に応じて、撮影支援を行うために撮影者に提供する情報が生成されることになる。
【0051】
まず、撮影支援装置1は、ステップS205にて特定した生物分類に動物が含まれているか否かを判定し(S206)、含まれていないと判定した場合(S206でNO)、ステップS208に進む。他方、含まれていると判定した場合(S206でYES)、撮影支援装置1は、地域定義ファイルを参照してステップS205で特定した撮影者の現在位置が属する地域を特定し、その地域を示す地域IDが位置フィールド201に格納されており、且つステップS203における自位置情報の受信日時が属する期間が期間フィールド202に格納されている動物撮影支援情報を、動物撮影支援情報DB13Bから抽出する(S207)。
【0052】
次に、撮影支援装置1は、ステップS205にて特定した生物分類に植物が含まれているか否かを判定し(S208)、含まれていないと判定した場合(S208でNO)、ステップS210に進む。他方、含まれていると判定した場合(S208でYES)、撮影支援装置1は、地域定義ファイルを参照してステップS205で特定した撮影者の現在位置が属する地域を特定し、その地域を示す地域IDが位置フィールド301に格納されており、且つステップS203における自位置情報の受信日時が属する期間が期間フィールド302に格納されている植物撮影支援情報を、植物撮影支援情報DB13Cから抽出する(S209)。
【0053】
さらに、撮影支援装置1は、ステップS205にて特定した生物分類に昆虫が含まれているか否かを判定し(S210)、含まれていないと判定した場合(S210でNO)、ステップS210に進む。他方、含まれていると判定した場合(S208でYES)、撮影支援装置1は、地域定義ファイルを参照してステップS205で特定した撮影者の現在位置が属する地域を特定し、その地域を示す地域IDが位置フィールド401に格納されており、且つステップS203における自位置情報の受信日時が属する期間が期間フィールド402に格納されている昆虫撮影支援情報を、昆虫撮影支援情報DB13Dから抽出する(S211)。
【0054】
次に、撮影支援装置1は、ステップS207で抽出した動物撮影支援情報、ステップS209で抽出した植物撮影支援情報、及び/又はステップS211で抽出した昆虫撮影支援情報を用いて、撮影者の撮影を支援するための撮影支援画面を示す撮影支援画面情報を生成する(S212)。ここで生成される撮影支援画面情報の内容の詳細については、画面例を用いながら後述する。
【0055】
次に、撮影支援装置1は、ステップS212で生成した撮影支援画面情報を、携帯電話機2に対して送信する(S213)。この送信は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)により行われてもよく、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等の他の通信プロトコルにより行われてもよい。SMTPにより送信する場合は、撮影者情報DB13Aに格納されている電子メールアドレスを宛先とした電子メールを用いることができる。
【0056】
携帯電話機2は、撮影支援装置1から送信された撮影支援画面情報を受信した場合(S104)、その受信した撮影支援画面情報で示される撮影支援画面をディスプレイ上に表示する(S105)。
【0057】
以下、撮影支援画面の例について、動物、植物及び昆虫の生物分類別に説明する。
図8Aは、動物撮影支援情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影支援画面の一例を示す図である。図8Aに示すように、撮影支援画面S1には、撮影者の現在位置付近に生息している動物の名称(図8Aでは“AAA”)、その動物の外観(同じく“夏毛”)、及びその動物の行動パターン(同じく“地面付近で木の実を探している”)が示されている。撮影者は、この撮影支援画面S1を参照することにより、自分が現在いる付近に生息している動物の名称、並びにその動物の外観及び行動パターン等を把握することができる。
【0058】
図8Aに示すように、撮影支援画面S1には、画像表示を指示するための画像表示ボタンB1及び音声出力を指示するための音声出力ボタンB2が設けられている。撮影者は、必要に応じて、携帯電話機2の入力部を用いてこれらのボタンB1及びB2を押下する。画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS207にて抽出した動物撮影支援情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Eから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。同様にして、音声出力ボタンB2が押下された場合は、撮影支援装置1が上記動物撮影支援情報に示されているファイル名の音声情報を音声情報DB13Fから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報及び音声情報を受信した携帯電話機2は、これらの情報を出力する。
【0059】
図8Bは、図8Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影支援画面の一例を示す図である。図8Bに示すように、撮影支援画面S2には、先行する撮影支援画面S1で示されている動物の画像が表示されている。撮影者は、この撮影支援画面S2を参照することにより、当該動物の特徴を視覚的に確認することが可能になる。また、音声出力ボタンB2が押下された場合では、当該動物の鳴き声等が出力されることになるため、撮影者は、当該動物の特徴を聴覚的に確認することができる。なお、このようにして音声情報が出力される場合に、鳴き声フィールド205に格納されている情報(例えば、“警戒音”等)を画面上に表示するようにしてもよい。これにより、撮影者は、出力されている鳴き声が、どのような種類のものであるのか等を確認することができる。
【0060】
図9Aは、植物撮影支援情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影支援画面の一例を示す図である。図9Aに示すように、撮影支援画面S3には、撮影者の現在位置付近に生息している植物の名称(図9Aでは“BBB”)、その植物の外観(同じく“ロゼット状”)、及びその植物の誘引昆虫の名称(同じく“CCC”)が示されている。撮影者は、この撮影支援画面S3を参照することにより、自分が現在いる付近に生息している植物の名称、並びにその植物の外観及び誘引昆虫等を把握することができる。
【0061】
図9Aに示すように、撮影支援画面S3には、上記と同様の画像表示ボタンB1が設けられている。撮影者によって画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS209にて抽出した植物撮影支援情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Eから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報を受信した携帯電話機2は、その画像情報をディスプレイ上に表示する。
【0062】
図9Bは、図9Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影支援画面の一例を示す図である。図9Bに示すように、撮影支援画面S4には、先行する撮影支援画面S3で示されている植物の画像が表示されている。撮影者は、この撮影支援画面S4を参照することにより、当該植物の特徴を視覚的に確認することが可能になる。なお、このときに、誘引昆虫の画像も併せて表示するようにしてもよい。
【0063】
図10Aは、昆虫撮影支援情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影支援画面の一例を示す図である。図10Aに示すように、撮影支援画面S5には、撮影者の現在位置付近に生息している昆虫の名称(図10Aでは“DDD”)、その動物の成育段階(同じく“成虫”)、その昆虫の生息場所(同じく“木の表面”)、その昆虫の出現時間帯(同じく“夕方のみ”)、及びその昆虫の隠れ場所(同じく“木の皮の裏”)が示されている。撮影者は、この撮影支援画面S3を参照することにより、自分が現在いる付近に生息している昆虫の名称、並びに、その昆虫の成育段階、生息場所、出願時間帯、及び隠れ場所等を把握することができる。
【0064】
なお、図10Aに示す例では、昆虫の生息場所、出現時間帯及び隠れ場所の各情報が表示されているが、現在日時の時間帯に応じてこれらの情報の一部のみを表示するようにしてもよい。例えば、現在日時が夕方である場合は隠れ場所は表示せずに生息場所を表示し、それ以外の時間帯であれば生息場所を表示せずに隠れ場所を表示するような態様が想定される。
【0065】
図10Aに示すように、撮影支援画面S5には、上記と同様の画像表示ボタンB1が設けられている。撮影者によって画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS209にて抽出した植物撮影支援情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Eから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報を受信した携帯電話機2は、その画像情報をディスプレイ上に表示する。
【0066】
図10Bは、図10Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影支援画面の一例を示す図である。図10Bに示すように、撮影支援画面S6には、先行する撮影支援画面S5で示されている昆虫の画像が表示されている。撮影者は、この撮影支援画面S6を参照することにより、当該昆虫の特徴を視覚的に確認することが可能になる。
【0067】
なお、ステップS205において複数の生物分類が特定されたり、また、ステップS207、S209、及び/又はS211にて同じ生物分類における複数種類の生物に関する情報が抽出されたりする場合、撮影支援装置1は、複数種類の生物に関する情報を含む撮影支援画面情報を携帯電話機2に対して送信することになる。この場合、携帯電話機2において画面のスクロール操作等がなされることによって、複数種類の生物の情報がディスプレイ上に表示される。
【0068】
上述した現在位置撮影支援処理により、撮影者は、現在自分がいる地点付近に生息している生物に関する情報を把握することができる。その把握した情報に基づいて周囲を観察することにより、撮影対象の生物を容易に発見することが可能になる。
【0069】
(2)撮像画像投稿処理
撮影者は、上述したようにして撮影支援装置1から提供された生物に関する各種の情報を用いて、自分がいる付近にその生物がいないかどうかを探し、見つけた場合は、携帯電話機2が備えるカメラを用いて当該生物を撮影する。
【0070】
図11は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する撮像画像投稿処理の手順を示すフローチャートである。図11に示すとおり、携帯電話機2は、撮影者の操作により生物を撮影対象とした撮像画像を取得した場合(S301)、その撮像画像及び撮影した日時等を含む撮像画像情報を、撮影支援装置1に対して送信する(S302)。
【0071】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信された撮像画像情報を受信した場合(S401)、その撮像画像情報に含まれている撮像画像を投稿画像情報DB13Gに登録する(S402)。
【0072】
この撮像画像投稿処理により、撮影支援装置1には、各撮影者から投稿された撮像画像が蓄積されることになる。これらの撮像画像の中には、例えば生物多様性等の様々な研究において有用なものが含まれている場合がある。そのため、撮影支援装置1は、各撮影者から利用価値の高い資料を取得することが可能になる。
【0073】
(3)将来位置撮影支援処理
図12は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1が実行する将来位置撮影支援処理の手順を示すフローチャートである。なお、この将来位置撮影支援処理は、撮影支援装置1が、撮影者が携行する携帯電話機2の自位置情報を当該携帯電話機2から所定の時間間隔で繰り返し受信した後に実行されるものとする。
【0074】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から経時的に受信した複数の自位置情報を用いて、その携帯電話機2の移動方向、すなわち撮影者の移動方向を予測する(S501)。次に、撮影支援装置1は、その予測した移動方向と、撮影者の最新の位置とに基づいて、所定時間経過後の撮影者の将来位置を予測する(S502)。なお、このように、本実施の形態では撮影者の移動履歴に基づいて当該撮影者の将来位置を予測しているが、それ以外の方法により将来位置の予測を行ってもよい。例えば、撮影者の現在位置及びその現在位置における地形等に基づいて当該撮影者の将来位置を予測したり、各撮影者の過去の移動履歴に基づいて当該将来位置を予測したりしてもよい。
【0075】
次に、撮影支援装置1は、現在位置撮影支援処理のステップS205と同様にして生物種類を特定し(S503)、同じくステップS206乃至S211と同様な処理を実行することにより、撮影者の将来位置が属する地域に生息する動物に係る動物撮影支援情報、同じく植物に係る植物撮影支援情報、及び/又は、同じく昆虫に係る昆虫撮影支援情報を、動物撮影支援情報DB13B、植物撮影支援情報DB13C、及び/又は、昆虫撮影支援情報DB13Dからそれぞれ抽出する(S504)。
【0076】
その後、撮影支援装置1は、現在位置撮影支援処理のステップS212と同様にして撮影支援画面情報を生成し(S505)、その生成した撮影支援画面情報を携帯電話機2に対して送信する(S506)。
【0077】
このようにして撮影支援装置1から送信された撮影支援画面情報を受信した携帯電話機2は、その撮影支援画面情報で示される撮影支援画面をディスプレイ上に表示する。図13は、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影支援画面の他の例を示す図である。図13に示すように、撮影支援画面S7には、撮影者の将来位置(撮影者がこれから向かう方面)に生息している生物に関する情報が示されている。また、この撮影支援画面S7には画像表示ボタンB1が設けられおり、この画像表示ボタンB1が押下された場合は、現在位置撮影支援処理の場合と同様にして生物の画像が表示される。
【0078】
上述した将来位置撮影支援処理により、撮影者は、自らがこれから向かう方面に生息している生物に関する情報を把握することができる。そのため、撮影準備を前もって行うこと等が可能になる。
【0079】
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、撮影者は、所定の位置に到達したときに携帯電話機2を用いて撮影支援装置1にアクセスすることにより、撮影支援装置1による撮影支援を受ける。このように撮影者が自発的に撮影支援装置1にアクセスするのではなく、撮影者が所定の位置に到達したときに、そのことを撮影支援装置1が自動的に検知し、その位置に基づいて上記のステップS204乃至S212を実行することにより、撮影者を支援するようにしてもよい。この場合、例えば携帯電話機2が適宜のタイミングで位置情報を繰り返し撮影支援装置1に送信し、これを受けた撮影支援装置1が、その位置情報を用いて上記のステップS204乃至S212を実行するようにすればよい。これによれば、例えば、生物を撮影するのに好適な地点に撮影者が偶然到達したような場合に、当該撮影者が撮影支援を受けること等が可能になる。
【0080】
また、上記の実施の形態では、予め撮影者が登録した分類に属する生物に関する情報が当該撮影者に提供されているが、本発明はこれに限定されるわけではなく、撮影者の現在位置又は将来位置に生息するすべての分類の生物に関する情報を提供するようにしてもよく、撮影支援装置1により決定された特定の分類の生物に関する情報を提供するようにしてもよい。
【0081】
また、上記の実施の形態において撮影者に提供する各種の情報に加えて、各生物を撮影する場合に適した撮影方位及び撮影角度(俯角・仰角)等の情報を提供するようにしてもよい。これにより、好ましい撮像画像を容易に取得することが可能になる。
【0082】
また、上記の実施の形態において、複数の種類の生物に係る撮影支援情報が抽出された場合、撮影時の天候及び/又は撮影日時によって、撮影者に対して提供する撮影支援情報を限定するようにしてもよい。この場合、各撮影支援情報に、撮影時の天候及び/又は撮影日時に関する情報を含めるようにすればよい。撮影時の天候については、携帯電話機2から送信された位置情報に基づいて撮影者の現在位置を特定した撮影支援装置1が、その現在位置の天候に関する情報を外部の装置から取得することが可能である。
【0083】
また、上記の実施の形態において、撮影支援情報を1件も抽出することができなかった場合は、現在位置が属する地域の隣接地域に係る撮影支援情報を抽出し、撮影者に提供するようにしてもよい。
【0084】
また、上記の実施の形態では、撮影支援装置1と携帯電話機2とが別装置となっているが、上述した撮影支援装置1の構成を携帯電話機2が備えることにより、携帯電話機2単体で撮影者の撮影支援を行うことができるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明の撮影支援装置及び撮影支援方法は、様々な生物を撮影対象とする場合において撮影支援を行う撮影支援装置及び撮影支援方法等として有用である。
【符号の説明】
【0086】
1 撮影支援装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ハードディスク
13A 撮影者情報データベース
13B 動物撮影支援情報データベース
13C 植物撮影支援情報データベース
13D 昆虫撮影支援情報データベース
13E 画像情報データベース
13F 音声情報データベース
13G 投稿画像情報データベース
14 通信インタフェース
15 バス
2 携帯電話機
B1 画像表示ボタン
B2 音声出力ボタン
S1〜S7 撮影支援画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも生息位置を含む生物に関する生物関連情報を記憶する生物関連情報記憶部と、
生物を撮影する撮影者の現在位置を示す位置情報を、当該撮影者が携行する携帯型端末装置から取得する位置情報取得手段と、
前記位置情報取得手段により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出する生物関連情報抽出手段と、
前記生物関連情報抽出手段により抽出された生物関連情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物関連報送信手段と
を備える、撮影支援装置。
【請求項2】
前記生物関連情報記憶部が、時期毎に異なる生物関連情報を記憶しており、
前記生物関連情報抽出手段が、撮影時期に基づいて、前記撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出するように構成されている、
請求項1に記載の撮影支援装置。
【請求項3】
前記生物関連情報記憶部に記憶されている生物関連情報に係る生物の画像情報を記憶する画像情報記憶部と、
前記位置情報取得手段により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物の画像情報を、前記画像情報記憶部から抽出する画像情報抽出手段と
をさらに備え、
前記生物関連情報送信手段が、前記生物関連情報抽出手段により抽出された生物関連情報と併せて、前記画像情報抽出手段により抽出された画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されている、
請求項1又は2に記載の撮影支援装置。
【請求項4】
前記生物関連情報記憶部に記憶されている生物関連情報に係る生物の音声情報を記憶する音声情報記憶部と、
前記位置情報取得手段により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物の音声情報を、前記音声情報記憶部から抽出する音声情報抽出手段と
をさらに備え、
前記生物関連情報送信手段が、前記生物関連情報抽出手段により抽出された生物関連情報と併せて、前記音情報抽出手段により抽出された音声情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されている、
請求項1乃至3の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項5】
撮影者の所望の生物分類を示す生物分類情報を記憶する生物分類情報記憶部をさらに備え、
前記生物関連情報抽出手段が、前記生物分類情報記憶部に記憶されている生物分類情報に示されている生物分類に係る生物の生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出するように構成されている、
請求項1乃至4の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項6】
前記位置情報取得手段により取得した位置情報に基づいて、前記撮影者の将来位置を予測する将来位置予測手段をさらに備え、
前記生物関連情報抽出手段が、前記将来位置予測手段によって予測された撮影者の将来位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出するように構成されている、
請求項1乃至5の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項7】
前記生物関連情報記憶部が、生物の外観を示す外観情報を含む生物関連情報を記憶している、
請求項1乃至6の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項8】
前記生物関連情報記憶部が、生物の出現時間帯を示す出現時間帯情報を含む生物関連情報を記憶している、
請求項1乃至7の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項9】
前記生物関連情報記憶部が、生物の行動パターンを示す行動パターン情報を含む生物関連情報を記憶している、
請求項1乃至8の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項10】
前記生物関連情報記憶部が、生物が誘引する動物を示す誘引動物情報を含む生物関連情報を記憶している、
請求項1乃至9の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項11】
少なくとも生息位置を含む生物に関する生物関連情報を記憶する生物関連情報記憶部を備えるコンピュータが、
生物を撮影する撮影者の現在位置を示す位置情報を、当該撮影者が携行する携帯型端末装置から取得する位置情報取得工程と、
前記位置情報取得工程により取得した位置情報に示されている撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出する生物関連情報抽出工程と、
前記生物関連情報抽出工程により抽出された生物関連情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物関連報送信工程と
を実行する、撮影支援方法。
【請求項12】
前記生物関連情報記憶部が、時期毎に異なる生物関連情報を記憶しており、
前記生物関連情報抽出工程において、前記コンピュータが、撮影時期に基づいて、前記撮影者の現在位置周辺に生息している生物に関する生物関連情報を、前記生物関連情報記憶部から抽出する、
請求項11に記載の撮影支援方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−199885(P2012−199885A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64113(P2011−64113)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】