撮影支援装置及び撮影支援方法
【課題】撮影者が生物の撮影を行う場合に、当該撮影を支援する撮影支援装置及び撮影支援方法を提供する。
【解決手段】
撮影支援装置1は、生物の撮影をガイドするための撮影ガイド情報を、生物の種類毎に記憶する生物撮影ガイド情報データベース13A乃至13Cと、撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像取得手段によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別手段と、前記生物種類判別手段により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、生物撮影ガイド情報データベース13A乃至13Cから抽出する生物撮影ガイド情報抽出手段と、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信手段とを備えている。
【解決手段】
撮影支援装置1は、生物の撮影をガイドするための撮影ガイド情報を、生物の種類毎に記憶する生物撮影ガイド情報データベース13A乃至13Cと、撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像取得手段によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別手段と、前記生物種類判別手段により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、生物撮影ガイド情報データベース13A乃至13Cから抽出する生物撮影ガイド情報抽出手段と、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影者が生物の撮影を行う場合に、当該撮影を支援するための撮影支援装置及び撮影支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、情報処理技術の進展に伴い、画像情報に基づいて情報検索を行うための技術が種々提案されている。例えば、花を被写体として取得された撮像画像を解析し、その解析結果に基づいて花の名前等の属性情報をデータベースから検索し、その検索結果をディスプレイ等に表示する検索システム等が提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照。)。これにより、撮像画像中の花の属性情報が自動的に得られることになるため、撮影者は、自らが撮影した花の名前等を容易に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−247436号公報
【特許文献2】特開2003−288363号公報
【特許文献3】特開2007−179129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、様々な生物種の絶滅が危惧される中、生物多様性等の研究が活発となっている。このような研究においては、多くの資料を収集することが重要であるため、研究者のみではなく一般の人からも画像情報等を収集できることが望ましい。この観点からは、上述したような従来の検索システムのように、花等の生物の属性情報を一般の人に提供するだけでは足りず、さらに、当該撮影者から研究資料として有用な情報の提供を受けることを可能にするための仕組みが必要になるといえる。しかしながら、そのような仕組みは従来提案されていなかった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、撮影者から生物に関する有用な情報を取得することを可能にする撮影支援装置及び撮影支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の撮影支援装置は、生物の撮影をガイドするための撮影ガイド情報を、生物の種類毎に記憶する生物撮影ガイド情報記憶部と、 撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像取得手段によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別手段と、前記生物種類判別手段により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出する生物撮影ガイド情報抽出手段と、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信手段とを備える。
【0007】
前記態様の撮影支援装置において、前記生物撮影ガイド情報記憶部が、生物を撮影する場合の撮影項目を示す撮影項目情報を含む生物撮影ガイド情報を記憶しており、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報に含まれる撮影項目情報に示される撮影項目についての撮影を依頼する撮影依頼情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する撮影依頼情報送信手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0008】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記生物撮影ガイド情報記憶部が、前記撮影項目情報に示される撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す撮影方法情報を含む生物撮影ガイド情報を記憶しており、前記撮影依頼情報送信手段が、前記撮影項目についての撮影を、前記抽出された生物撮影ガイド情報に含まれる撮影方法情報に示される撮影方法により行うことを依頼する撮影依頼情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0009】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記撮影依頼情報送信手段により送信された撮影依頼情報に応じて、前記携帯型端末装置が生物を含む撮像画像を取得した場合に、当該撮像画像を当該携帯型端末装置から取得する撮像画像再取得手段をさらに備えていてもよい。
【0010】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記生物撮影ガイド情報記憶部が、時期毎に異なる生物撮影ガイド情報を記憶しており、前記生物撮影ガイド情報抽出手段が、撮影時期に基づいて、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記生物撮影ガイド情報記憶部に記憶されている生物撮影ガイド情報に係る生物の画像情報を記憶する画像情報記憶部と、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報に係る生物の画像情報を、前記画像情報記憶部から抽出する画像情報抽出手段とをさらに備え、前記生物撮影ガイド情報送信手段が、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報と併せて、前記画像情報抽出手段により抽出された画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記生物撮影ガイド情報記憶部に記憶されている生物撮影ガイド情報に係る生物の音声情報を記憶する音声情報記憶部と、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報に係る生物の音声情報を、前記音声情報記憶部から抽出する音声情報抽出手段とをさらに備え、前記生物撮影ガイド情報送信手段が、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報と併せて、前記音情報抽出手段により抽出された音声情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記生物撮影ガイド情報記憶部が、生物の生息地毎に異なる生物撮影ガイド情報を記憶しており、前記生物撮影ガイド情報抽出手段が、生息地に基づいて、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出するように構成されていてもよい。
【0014】
本発明の一の態様の撮影支援方法では、生物に関する生物撮影ガイド情報を記憶する生物撮影ガイド情報記憶部を備えるコンピュータが、撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得工程と、前記撮像画像取得工程によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別工程と、前記生物種類判別工程により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出する生物撮影ガイド情報抽出工程と、前記生物撮影ガイド情報抽出工程により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信工程とを実行する。
【0015】
また、本発明の他の態様の撮影支援方法は、撮影者が携行する携帯型端末装置が、生物を含む撮像画像を取得し、当該撮像画像をコンピュータに送信し、前記コンピュータが、前記携帯型端末装置から受信した撮像画像に含まれる生物の種類を判別し、その判別した種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信し、前記携帯型端末装置が、前記コンピュータから受信した生物撮影ガイド情報を、表示装置上に表示する。
【0016】
前記態様の撮影支援方法において、前記コンピュータが前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報には、生物を撮影する場合の撮影項目を示す撮影項目情報が含まれていてもよい。
【0017】
また、前記態様の撮影支援方法において、前記コンピュータが、前記判別した種類の生物の画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信し、前記携帯型端末装置が、前記コンピュータから受信した画像情報と、撮影のときに撮影対象を表示する画面とを対応付けて、前記表示装置上に表示するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る撮影支援装置及び撮影支援方法によれば、生物に関する有用な情報を撮影者から得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている動物撮影ガイド情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている植物撮影ガイド情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている昆虫撮影ガイド情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置及び携帯電話機が実行する撮影支援処理の手順を示すフローチャート。
【図7A】動物撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図7B】図7Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図8A】植物撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図8B】図8Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図9A】昆虫撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図9B】図9Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図10】図8Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影ガイド画面の他の例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置が実行する撮像画像投稿処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
また、以下では、撮影対象となる生物を動物・植物・昆虫に分けて例示しているが、これは説明の便宜上の分類にすぎず、本発明の技術的思想がこの分類に限定されるわけではない。
【0022】
[撮影支援システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の撮影支援システムは、生物を撮影する場合において当該撮影を支援するための撮影支援装置1と、各撮影者が携行する携帯電話機2,2,…とを備えている。これらの撮影支援装置1及び携帯電話機2,2,…は、インターネット等の通信ネットワークNTWを介して通信可能に接続されている。ここで、携帯電話機2,2,…は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成されるカメラを備えている。なお、携帯電話機2,2,…の代わりに、例えば通信機能を有するデジタルスチルカメラ等、通信機能及びカメラ機能を有する他の装置を用いるようにしてもよい。
【0023】
[撮影支援装置の構成]
以下、上述した撮影支援装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(撮影支援装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13、及び通信インタフェース(I/F)14を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13及び通信I/F14は、バス15によって接続されている。
【0024】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の撮影支援装置1として機能することになる。
【0025】
ROM11は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0026】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0027】
ハードディスク13には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、撮影対象が動物である場合に撮影をガイドするための動物撮影ガイド情報が格納される動物撮影ガイド情報データベース(DB)13Aと、撮影対象が植物である場合に撮影をガイドするための植物撮影ガイド情報が格納される植物撮影ガイド情報データベース(DB)13Bと、撮影対象が昆虫である場合に撮影をガイドするための昆虫撮影ガイド情報が格納される昆虫撮影ガイド情報データベース(DB)13Cと、各種の生物の画像情報が格納される画像情報データベース(DB)13Dと、生物の鳴き声等の音声情報が格納される音声情報データベース(DB)13Eと、各撮影者から投稿される画像情報が格納される投稿画像情報データベース(DB)13Fとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0028】
さらに、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0029】
通信I/F14は、通信ネットワークNTWを介して撮影支援装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。撮影支援装置1は、この通信I/F14を介して、携帯電話機2,2,…との間で各種のデータの送受信を行う。
【0030】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)動物撮影ガイド情報DB13A
図3は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている動物撮影ガイド情報DB13Aのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、動物撮影ガイド情報DB13Aは、動物の種類の名称を示す情報が格納される動物種類フィールド101、期間を示す情報が格納される期間フィールド102、その期間において当該動物について撮影を行う場合の撮影項目を示す情報が格納される撮影項目フィールド103、当該撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す情報が格納される撮影方法フィールド104、当該動物の画像情報及び/又は当該撮影項目の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド105、並びに当該動物の鳴き声等の音声情報のファイル名が格納される音声フィールド106を有している。
【0031】
本実施の形態において、撮影項目フィールド103には、期間フィールド102に格納されている期間において当該動物について撮影を行う場合に撮影することが望ましい項目を示す情報が格納されている。例えば、生物学等の研究者が研究資料として重要だと思われる内容が撮影項目として設定され、それを示す情報が撮影項目フィールド103に格納される。具体例としては、図3に示すように、“卵の殻の色”、“雌雄つがいの毛の模様”及び“ふん”等の情報が撮影項目フィールド103に格納されている。このように、撮影項目フィールド103に格納される撮影項目には、動物の特定の部位を示す情報以外にも、その動物に直接的又は間接的に関わる様々な情報が含まれる。
【0032】
撮影方法フィールド104には、図3に示すように、“フラッシュ”、“拡大”等の情報が格納されている。ここで、“フラッシュ”は、フラッシュを付けて撮影を行うことを示しており、“拡大”は、撮影項目を拡大して撮影を行うことを示している。
【0033】
(B)植物撮影ガイド情報DB13B
図4は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている植物撮影ガイド情報DB13Bのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、植物撮影ガイド情報DB13Bは、植物の種類の名称を示す情報が格納される植物種類フィールド201、期間を示す情報が格納される期間フィールド202、その期間において当該植物について撮影を行う場合の撮影項目を示す情報が格納される撮影項目フィールド203、当該撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す情報が格納される撮影方法フィールド204、及び当該植物の画像情報及び/又は当該撮影項目の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド205を有している。
【0034】
動物撮影ガイド情報DB13Aの場合と同様、撮影項目フィールド203には、期間フィールド202に格納されている期間において当該植物について撮影を行う場合に撮影することが望ましい項目を示す情報が格納されている。具体例としては、図4に示すように、“葉の切り込み、葉の毛”、“茎の断面”及び“花の裏のガクの形状”等の様々な情報が撮影項目フィールド203に格納されている。
【0035】
(C)昆虫撮影ガイド情報DB13C
図5は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている昆虫撮影ガイド情報DB13Cのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、昆虫撮影ガイド情報DB13Cは、昆虫の種類の名称を示す情報が格納される昆虫種類フィールド301、期間を示す情報が格納される期間フィールド302、その期間において当該昆虫について撮影を行う場合の撮影項目を示す情報が格納される撮影項目フィールド303、当該撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す情報が格納される撮影方法フィールド304、当該昆虫の画像情報及び/又は当該撮影項目の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド305、並びに当該昆虫の鳴き声等の音声情報のファイル名が格納される音声フィールド306を有している。
【0036】
動物撮影ガイド情報DB13Aの場合と同様、撮影項目フィールド303には、期間フィールド302に格納されている期間において当該昆虫について撮影を行う場合に撮影することが望ましい項目を示す情報が格納されている。具体例としては、図5に示すように、“足の毛”、“サイズ”及び“裏から見た羽の色”等の様々な情報が撮影項目フィールド303に格納されている。ここで、“サイズ”はその昆虫の大きさを示しており、対応する撮影方法フィールド304に格納されている“比較”は比較対象物とともに昆虫を撮影することを示している。この場合、比較対象物との比較により、昆虫のサイズを把握することが可能になる。
【0037】
上述したように、動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報においては、撮影項目及び/又は撮影方法が特定の期間毎に設定されている。研究資料等として利用価値が高い事項は時期により異なる場合があるため、同じ生物であっても、上述したように時期に応じて異なる撮影項目を設定しておくことが好ましい。
【0038】
上記の動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報は、専門家等から収集した情報に基づいて生成され、動物撮影ガイド情報DB13A、植物撮影ガイド情報DB13B、及び昆虫撮影ガイド情報DB13Cにそれぞれ登録される。なお、これらの動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報は、適宜更新される。
【0039】
(D)画像情報DB13D
画像情報DB13Dには、上記の動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報の各画像フィールド104、204及び304に格納されているファイル名の画像情報が蓄積されている。この画像情報には、生物の撮像画像及び/又は撮影項目についての撮像画像並びにその画像の取得日等が含まれている。
【0040】
(E)音声情報DB13E
音声情報DB13Eには、上記の動物撮影ガイド情報の音声フィールド105及び昆虫撮影ガイド情報の音声フィールド305に格納されているファイル名の音声情報が蓄積されている。
【0041】
(F)投稿画像情報DB13F
投稿画像情報DB13Fには、後述するようにして撮影者から投稿される撮像画像及びその撮影日時等を含む撮像画像情報が蓄積されている。なお、この投稿画像情報DB13Fに蓄積されている情報が、画像情報DB13Dに格納される場合もある。
【0042】
[撮影支援システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の撮影支援システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の撮影支援システムにて実行される主な処理には、(1)撮影者に対して撮影支援を行うための撮影支援処理、及び(2)撮影支援後に撮影者が撮像画像を投稿するための撮像画像投稿処理等がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0043】
(1)撮影支援処理
図6は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する撮影支援処理の手順を示すフローチャートである。
【0044】
撮影者は、登山中及び散歩中等、様々な場面において、携行している携帯電話機2のカメラを用いて生物を被写体として撮影を行う。これにより、携帯電話機2は、図6に示すように、生物を含む撮像画像を取得する(S101)。次に、撮影者は、その撮像画像を撮影支援装置1に対して送信するよう、携帯電話機2に指示する。この指示を撮影者から受け付けた場合、携帯電話機2は、ステップS101にて取得した撮像画像及び撮影日時等を含む撮像画像情報を、撮影支援装置1に対して送信する(S102)。
【0045】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信された撮像画像情報を受信した場合(S201)、撮像画像情報の撮像画像に対してエッジ抽出等の画像解析処理を施すことにより、当該撮像画像に含まれる撮影対象の特徴を抽出する(S202)。次に、撮影支援装置1は、抽出した特徴に基づいて、撮影対象の生物の分類(本実施の形態では、動物、植物及び昆虫の何れか)及びその種類を特定する(S203)。この場合、種々の特定方法が想定されるが、例えば、画像情報DB13Dに格納されている画像情報を用いて生物の各種類の照合用画像を予め生成しておき、その照合用画像の特徴とステップS202で抽出した特徴との照合を行ってそれらの類似度を算出し、その類似度に応じて生物の種類を特定する等の方法により、ステップS203を実行する。
【0046】
なお、画像解析により生物の分類及び種類を特定することができなかった場合、撮影支援装置1は、そのことを示すメッセージを含む情報を携帯電話機2に対して送信し、これを受けた携帯電話機2がそのメッセージをディスプレイ上に表示して、撮影支援処理が終了する。
【0047】
これ以降、上述したようにして特定した生物の種類に応じて、撮影支援を行うために撮影者に提供する情報が生成されることになる。
まず、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した分類が動物であるか否かを判定し(S204)、動物ではないと判定した場合(S204でNO)、ステップS206に進む。他方、動物であると判定した場合(S204でYES)、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した種類の名称が動物種類フィールド101に格納されており、且つステップS201における撮像画像情報の受信日時が属する期間が期間フィールド102に格納されている動物撮影ガイド情報を、動物撮影ガイド情報DB13Aから抽出する(S205)。
【0048】
また、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した分類が植物であるか否かを判定し(S206)、植物ではないと判定した場合(S206でNO)、ステップS208に進む。他方、植物であると判定した場合(S206でYES)、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した種類の名称が植物種類フィールド201に格納されており、且つステップS201における撮像画像情報の受信日時が属する期間が期間フィールド202に格納されている植物撮影ガイド情報を、植物撮影ガイド情報DB13Bから抽出する(S207)。
【0049】
さらに、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した分類が昆虫であるか否かを判定し(S208)、昆虫ではないと判定した場合(S208でNO)、ステップS210に進む。他方、昆虫であると判定した場合(S208でYES)、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した種類の名称が昆虫種類フィールド301に格納されており、且つステップS201における撮像画像情報の受信日時が属する期間が期間フィールド302に格納されている昆虫撮影ガイド情報を、昆虫撮影ガイド情報DB13Cから抽出する(S209)。
【0050】
次に、撮影支援装置1は、ステップS205で抽出した動物撮影ガイド情報、ステップS207で抽出した植物撮影ガイド情報、及び/又はステップS209で抽出した昆虫撮影ガイド情報を用いて、撮影者の撮影を支援するための撮影ガイド画面を示す撮影ガイド画面情報を生成する(S210)。ここで生成される撮影ガイド画面情報の内容の詳細については、画面例を用いながら後述する。
【0051】
なお、動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報及び昆虫撮影ガイド情報の何れも抽出されなかった場合(S208でNOとなった場合)、ステップS210で生成される撮影ガイド画面情報には、撮影対象の生物についての撮影ガイド情報が蓄積されていないことを示す情報が含まれることになる。
【0052】
次に、撮影支援装置1は、ステップS210で生成した撮影ガイド画面情報を、携帯電話機2に対して送信する(S211)。この送信は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)により行われてもよく、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等の他の通信プロトコルにより行われてもよい。
【0053】
携帯電話機2は、撮影支援装置1から送信された撮影ガイド画面情報を受信した場合(S103)、その受信した撮影ガイド画面情報で示される撮影ガイド画面をディスプレイ上に表示する(S104)。
【0054】
以下、撮影ガイド画面の例について、動物、植物及び昆虫の生物分類別に説明する。
図7Aは、動物撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図7Aに示すように、撮影ガイド画面S1には、撮影者が撮影した動物の種類の名称(図7Aでは“AAA”)、その動物の撮影項目(同じく“卵の殻の色”)、及びその撮影方法(同じく“フラッシュを付けて”)が示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S1を参照することにより、自分が撮影した動物の種類の名称を知ることができ、さらに、その動物について撮影しておくことが望ましい事項及びその事項の撮影方法を把握することができる。
【0055】
図7Aに示すように、撮影ガイド画面S1には、画像表示を指示するための画像表示ボタンB1及び音声出力を指示するための音声出力ボタンB2が設けられている。撮影者は、必要に応じて、携帯電話機2の入力部を用いてこれらのボタンB1及びB2を押下する。画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS205にて抽出した動物撮影ガイド情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Dから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。同様にして、音声出力ボタンB2が押下された場合は、撮影支援装置1が上記動物撮影ガイド情報に示されているファイル名の音声情報を音声情報DB13Eから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報及び音声情報を受信した携帯電話機2は、これらの情報を出力する。
【0056】
図7Bは、図7Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図7Bに示すように、撮影ガイド画面S2には、先行する撮影ガイド画面S1で示されている動物の撮影項目に含まれる卵の殻の画像が表示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S2を参照することにより、当該動物の撮影項目を視覚的に確認することが可能になる。この場合に、撮影項目に係る画像とともに、又は当該画像に代えて、動物自体の画像が表示されるようにしてもよい。
【0057】
また、撮影者によって音声出力ボタンB2が押下された場合は、当該動物の鳴き声等が出力されることになる。これにより、撮影者は、当該動物の特徴を聴覚的に確認することができる。この場合、撮影者は、携帯電話機2から出力される動物の鳴き声と自分が撮影した生物の鳴き声とを比較することにより、撮影支援装置1による生物種類の特定が正しいかどうか等を確認することができる。
【0058】
図8Aは、植物撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図8Aに示すように、撮影ガイド画面S3には、撮影者が撮影した植物の種類の名称(図8Aでは“BBB”)、その植物の撮影項目(同じく“葉の切り込み、葉の毛”)、及びその撮影方法(同じく“拡大して”)が示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S3を参照することにより、自分が撮影した植物の種類の名称を知ることができ、さらに、その植物について撮影しておくことが望ましい事項及びその事項の撮影方法を把握することができる。
【0059】
図8Aに示すように、撮影ガイド画面S3には、上記と同様の画像表示ボタンB1が設けられている。撮影者によって画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS207にて抽出した植物撮影ガイド情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Dから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報を受信した携帯電話機2は、その画像情報をディスプレイ上に表示する。
【0060】
図8Bは、図8Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図8Bに示すように、撮影ガイド画面S4には、先行する撮影ガイド画面S1で示されている植物の全体を示す画像が表示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S2を参照することにより、当該植物を視覚的に確認することが可能になる。この場合、植物の全体を示す画像とともに、又は当該画像に代えて、当該植物の撮影項目に係る画像を表示するようにしてもよい。上記の例によれば、撮影項目として“葉の切り込み、葉の毛”が設定されているため、当該植物の葉の拡大画像等を表示するようにしてもよい。
【0061】
図9Aは、昆虫撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図9Aに示すように、撮影ガイド画面S5には、撮影者が撮影した昆虫の種類の名称(図9Aでは“CCC”)、その昆虫の撮影項目(同じく“足の毛”)、及びその撮影方法(同じく“拡大して”)が示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S5を参照することにより、自分が撮影した昆虫の種類の名称を知ることができ、さらに、その昆虫について撮影しておくことが望ましい事項及びその事項の撮影方法を把握することができる。
【0062】
図9Aに示すように、撮影ガイド画面S5には、上記と同様の画像表示ボタンB1及び音声出力ボタンB2が設けられている。撮影者によって画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS209にて抽出した昆虫撮影ガイド情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Dから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。同様にして、音声出力ボタンB2が押下された場合は、撮影支援装置1が上記昆虫撮影ガイド情報に示されているファイル名の音声情報を音声情報DB13Eから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報及び音声情報を受信した携帯電話機2は、これらの情報を出力する。
【0063】
図9Bは、図9Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図9Bに示すように、撮影ガイド画面S6には、先行する撮影ガイド画面S5で示されている昆虫の全体を示す画像が表示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S6を参照することにより、当該昆虫を視覚的に確認することが可能になる。この場合、昆虫の全体を示す画像とともに、又は当該画像に代えて、当該昆虫の撮影項目に係る画像を表示するようにしてもよい。上記の例によれば、撮影項目として“足の毛”が設定されているため、当該昆虫の足の拡大画像等を表示するようにしてもよい。
【0064】
また、撮影者によって音声出力ボタンB2が押下された場合は、当該昆虫の鳴き声等が出力されることになる。これにより、撮影者は、当該昆虫の特徴を聴覚的に確認することができる。この場合、撮影者は、携帯電話機2から出力される昆虫の鳴き声と自分が撮影した生物の鳴き声とを比較することにより、撮影支援装置1による生物種類の特定が正しいかどうか等を確認することができる。
【0065】
なお、ステップS203において生物の分類及び種類を一つに特定することができなかった場合もあり得るが、その場合は、撮影支援装置1が、複数種類の生物に関する情報を含む撮影ガイド画面情報を携帯電話機2に対して送信することになる。この場合、携帯電話機2において画面のスクロール操作等がなされることによって、複数種類の生物に関する情報がディスプレイ上に表示される。
【0066】
図7B、図8B及び図9Bには、生物又はその生物の撮影項目に係る画像が表示されている撮影ガイド画面S2、S4及びS6が示されているが、これらの画像と対応付けて、撮影のときに撮影対象を表示するファインダー画面を表示するようにしてもよい。図10は、図8Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影ガイド画面の他の例を示す図である。図10に示すように、撮影ガイド画面S7には、植物の撮影項目である葉の拡大画像を表示する第1表示欄F1と、ファインダー画面を表示する第2表示欄F2とが設けられている。ここで、第1表示欄F1及び第2表示欄F2は同一の形状及びサイズであって、上下方向に並べて配置されている。また、この撮影ガイド画面S7には、第2表示欄F2に表示されている撮影対象を撮影するための撮影ボタンB3がさらに設けられている。
【0067】
撮影者は、撮影を行う際に、第1表示欄F1に表示されている生物の画像と同様の角度になるように撮影対象をファインダー画面に捉え、撮影ボタンB3を押下する。この場合、縮尺についても第1表示欄F1に表示されている生物の画像と同様にすることが望ましい。撮影者がこのように対応することにより、資料価値が高い画像を容易に取得することが可能になる。
【0068】
なお、図10に示す例では、第1表示欄F1及び第2表示欄F2が並べて配置されているが、第1表示欄F1及び第2表示欄F2を重ねて表示する等、第1表示欄F1及び第2表示欄F2が他の態様で対応付けられて表示されるようにしてもよい。
【0069】
(2)撮像画像投稿処理
撮影者は、上述したようにして撮影支援装置1から提供された生物に関する各種の情報を参照した上で、携帯電話機2が備えるカメラを用いて、その生物について再度撮影を行う。この場合、撮影者は、撮影ガイド画面において撮影項目として提示されている事項を撮影対象とする。
【0070】
図11は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する撮像画像投稿処理の手順を示すフローチャートである。図11に示すとおり、携帯電話機2は、撮影者の操作により生物を撮影対象とした撮像画像を取得した場合(S301)、その撮像画像及び撮影した日時等を含む撮像画像情報を、撮影支援装置1に対して送信する(S302)。
【0071】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信された撮像画像情報を受信した場合(S401)、その撮像画像情報に含まれている撮像画像を投稿画像情報DB13Fに登録する(S402)。
【0072】
この撮像画像投稿処理により、撮影支援装置1には、各撮影者から投稿された撮像画像が蓄積されることになる。これらの撮像画像は、先行する撮影支援処理によって各撮影者に提供された撮影項目に関するものであるため、例えば生物多様性等の様々な研究において有用なものが含まれている場合がある。このように、本実施の形態によれば、各撮影者から利用価値の高い資料を取得することが可能になる。
【0073】
(その他の実施の形態)
生物の場合、同一の種類であっても、生息地により異なる特徴を有する場合がある。そのため、生物の種類の特定及び撮影項目の設定等は、生息地に応じて行うことが好ましい。これを実現するためには、次のような実施の形態が考えられる。まず、撮影支援装置1において、動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報の各撮影ガイド情報を生物の生息地毎に規定しておく。具体的には、各撮影ガイド情報において、生物の生息地の位置を示す位置情報を格納するフィールドを設け、その位置情報が示す位置を生息地とする生物に関する情報を他のフィールドに格納するようにする。また、撮影者が携行している携帯電話機2として、GPS(Global Positioning System)機能を備え、GPS衛星の電波を用いて自位置を特定することができるものを用いる。そして、撮影支援装置1が、携帯電話機2から自位置を示す自位置情報を受信し、その自位置情報に基づいて撮影者がどの位置にいるのかを特定し、その位置に応じた撮影ガイド情報を携帯電話機2に対して送信するようにする。これにより、生息地に応じて異なる撮影支援を行うことが可能になる。
【0074】
また、上記の実施の形態において撮影者に提供する各種の情報に加えて、各生物を撮影する場合に適した撮影方位及び撮影角度(俯角・仰角)等の情報を提供するようにしてもよい。これにより、好ましい撮像画像を容易に取得することが可能になる。
【0075】
また、上記の実施の形態では、撮影支援装置1と携帯電話機2とが別装置となっているが、上述した撮影支援装置1の構成を携帯電話機2が備えることにより、携帯電話機2単体で撮影者の撮影支援を行うことができるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の撮影支援装置及び撮影支援方法は、様々な生物を撮影対象とする場合において撮影支援を行う撮影支援装置及び撮影支援方法等として有用である。
【符号の説明】
【0077】
1 撮影支援装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ハードディスク
13A 動物撮影ガイド情報データベース
13B 植物撮影ガイド情報データベース
13C 昆虫撮影ガイド情報データベース
13D 画像情報データベース
13E 音声情報データベース
13F 投稿画像情報データベース
14 通信インタフェース
15 バス
2 携帯電話機
B1 画像表示ボタン
B2 音声出力ボタン
B3 撮影ボタン
F1 第1表示欄
F2 第2表示欄
S1〜S7 撮影ガイド画面
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影者が生物の撮影を行う場合に、当該撮影を支援するための撮影支援装置及び撮影支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、情報処理技術の進展に伴い、画像情報に基づいて情報検索を行うための技術が種々提案されている。例えば、花を被写体として取得された撮像画像を解析し、その解析結果に基づいて花の名前等の属性情報をデータベースから検索し、その検索結果をディスプレイ等に表示する検索システム等が提案されている(例えば、特許文献1乃至3を参照。)。これにより、撮像画像中の花の属性情報が自動的に得られることになるため、撮影者は、自らが撮影した花の名前等を容易に知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−247436号公報
【特許文献2】特開2003−288363号公報
【特許文献3】特開2007−179129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年では、様々な生物種の絶滅が危惧される中、生物多様性等の研究が活発となっている。このような研究においては、多くの資料を収集することが重要であるため、研究者のみではなく一般の人からも画像情報等を収集できることが望ましい。この観点からは、上述したような従来の検索システムのように、花等の生物の属性情報を一般の人に提供するだけでは足りず、さらに、当該撮影者から研究資料として有用な情報の提供を受けることを可能にするための仕組みが必要になるといえる。しかしながら、そのような仕組みは従来提案されていなかった。
【0005】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、撮影者から生物に関する有用な情報を取得することを可能にする撮影支援装置及び撮影支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一の態様の撮影支援装置は、生物の撮影をガイドするための撮影ガイド情報を、生物の種類毎に記憶する生物撮影ガイド情報記憶部と、 撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得手段と、前記撮像画像取得手段によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別手段と、前記生物種類判別手段により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出する生物撮影ガイド情報抽出手段と、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信手段とを備える。
【0007】
前記態様の撮影支援装置において、前記生物撮影ガイド情報記憶部が、生物を撮影する場合の撮影項目を示す撮影項目情報を含む生物撮影ガイド情報を記憶しており、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報に含まれる撮影項目情報に示される撮影項目についての撮影を依頼する撮影依頼情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する撮影依頼情報送信手段をさらに備えるようにしてもよい。
【0008】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記生物撮影ガイド情報記憶部が、前記撮影項目情報に示される撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す撮影方法情報を含む生物撮影ガイド情報を記憶しており、前記撮影依頼情報送信手段が、前記撮影項目についての撮影を、前記抽出された生物撮影ガイド情報に含まれる撮影方法情報に示される撮影方法により行うことを依頼する撮影依頼情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0009】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記撮影依頼情報送信手段により送信された撮影依頼情報に応じて、前記携帯型端末装置が生物を含む撮像画像を取得した場合に、当該撮像画像を当該携帯型端末装置から取得する撮像画像再取得手段をさらに備えていてもよい。
【0010】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記生物撮影ガイド情報記憶部が、時期毎に異なる生物撮影ガイド情報を記憶しており、前記生物撮影ガイド情報抽出手段が、撮影時期に基づいて、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出するように構成されていてもよい。
【0011】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記生物撮影ガイド情報記憶部に記憶されている生物撮影ガイド情報に係る生物の画像情報を記憶する画像情報記憶部と、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報に係る生物の画像情報を、前記画像情報記憶部から抽出する画像情報抽出手段とをさらに備え、前記生物撮影ガイド情報送信手段が、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報と併せて、前記画像情報抽出手段により抽出された画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0012】
また、前記態様の撮影支援装置が、前記生物撮影ガイド情報記憶部に記憶されている生物撮影ガイド情報に係る生物の音声情報を記憶する音声情報記憶部と、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報に係る生物の音声情報を、前記音声情報記憶部から抽出する音声情報抽出手段とをさらに備え、前記生物撮影ガイド情報送信手段が、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報と併せて、前記音情報抽出手段により抽出された音声情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されていてもよい。
【0013】
また、前記態様の撮影支援装置において、前記生物撮影ガイド情報記憶部が、生物の生息地毎に異なる生物撮影ガイド情報を記憶しており、前記生物撮影ガイド情報抽出手段が、生息地に基づいて、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出するように構成されていてもよい。
【0014】
本発明の一の態様の撮影支援方法では、生物に関する生物撮影ガイド情報を記憶する生物撮影ガイド情報記憶部を備えるコンピュータが、撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得工程と、前記撮像画像取得工程によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別工程と、前記生物種類判別工程により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出する生物撮影ガイド情報抽出工程と、前記生物撮影ガイド情報抽出工程により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信工程とを実行する。
【0015】
また、本発明の他の態様の撮影支援方法は、撮影者が携行する携帯型端末装置が、生物を含む撮像画像を取得し、当該撮像画像をコンピュータに送信し、前記コンピュータが、前記携帯型端末装置から受信した撮像画像に含まれる生物の種類を判別し、その判別した種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信し、前記携帯型端末装置が、前記コンピュータから受信した生物撮影ガイド情報を、表示装置上に表示する。
【0016】
前記態様の撮影支援方法において、前記コンピュータが前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報には、生物を撮影する場合の撮影項目を示す撮影項目情報が含まれていてもよい。
【0017】
また、前記態様の撮影支援方法において、前記コンピュータが、前記判別した種類の生物の画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信し、前記携帯型端末装置が、前記コンピュータから受信した画像情報と、撮影のときに撮影対象を表示する画面とを対応付けて、前記表示装置上に表示するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る撮影支援装置及び撮影支援方法によれば、生物に関する有用な情報を撮影者から得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムの構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている動物撮影ガイド情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図4】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている植物撮影ガイド情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図5】本発明の実施の形態に係る撮影支援装置に設けられている昆虫撮影ガイド情報データベースのレイアウトの一例を示す図。
【図6】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置及び携帯電話機が実行する撮影支援処理の手順を示すフローチャート。
【図7A】動物撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図7B】図7Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図8A】植物撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図8B】図8Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図9A】昆虫撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図9B】図9Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図。
【図10】図8Aにおける画像表示ボタンが押下された場合に表示される撮影ガイド画面の他の例を示す図。
【図11】本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置が実行する撮像画像投稿処理の手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
【0021】
また、以下では、撮影対象となる生物を動物・植物・昆虫に分けて例示しているが、これは説明の便宜上の分類にすぎず、本発明の技術的思想がこの分類に限定されるわけではない。
【0022】
[撮影支援システムの構成]
図1は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムの構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、本実施の形態の撮影支援システムは、生物を撮影する場合において当該撮影を支援するための撮影支援装置1と、各撮影者が携行する携帯電話機2,2,…とを備えている。これらの撮影支援装置1及び携帯電話機2,2,…は、インターネット等の通信ネットワークNTWを介して通信可能に接続されている。ここで、携帯電話機2,2,…は、CCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の撮像素子で構成されるカメラを備えている。なお、携帯電話機2,2,…の代わりに、例えば通信機能を有するデジタルスチルカメラ等、通信機能及びカメラ機能を有する他の装置を用いるようにしてもよい。
【0023】
[撮影支援装置の構成]
以下、上述した撮影支援装置1の詳細な構成について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1の構成を示すブロック図である。図2に示すとおり、コンピュータ(撮影支援装置)1は、CPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13、及び通信インタフェース(I/F)14を備えており、これらのCPU10、ROM11、RAM12、ハードディスク13及び通信I/F14は、バス15によって接続されている。
【0024】
CPU10は、RAM12にロードされた各種のコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンピュータ1が本実施の形態の撮影支援装置1として機能することになる。
【0025】
ROM11は、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、又はEEPROM(Electrically Erasable PROM)等によって構成されており、CPU10にて実行されるコンピュータプログラム及びその実行の際に用いられるデータ等が記憶されている。
【0026】
RAM12は、SRAM又はDRAMなどによって構成されている。このRAM12は、ハードディスク13に記憶されている各種のコンピュータプログラムの読み出し等に用いられる。また、CPU10が各種のコンピュータプログラムを実行するときに、CPU10の作業領域としても利用される。
【0027】
ハードディスク13には、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラムなど、CPU10に実行させるための各種のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータ等が予めインストールされている。また、このハードディスク13には、撮影対象が動物である場合に撮影をガイドするための動物撮影ガイド情報が格納される動物撮影ガイド情報データベース(DB)13Aと、撮影対象が植物である場合に撮影をガイドするための植物撮影ガイド情報が格納される植物撮影ガイド情報データベース(DB)13Bと、撮影対象が昆虫である場合に撮影をガイドするための昆虫撮影ガイド情報が格納される昆虫撮影ガイド情報データベース(DB)13Cと、各種の生物の画像情報が格納される画像情報データベース(DB)13Dと、生物の鳴き声等の音声情報が格納される音声情報データベース(DB)13Eと、各撮影者から投稿される画像情報が格納される投稿画像情報データベース(DB)13Fとが設けられている。これらの各データベースの詳細については後述する。
【0028】
さらに、ハードディスク13には、例えば米マイクロソフト社が製造販売するWindows(登録商標)などのマルチタスクオペレーティングシステムがインストールされている。以下の説明においては、各種のコンピュータプログラムが当該オペレーティングシステム上で動作するものとしている。
【0029】
通信I/F14は、通信ネットワークNTWを介して撮影支援装置1が外部の装置と通信するためのインタフェース装置である。撮影支援装置1は、この通信I/F14を介して、携帯電話機2,2,…との間で各種のデータの送受信を行う。
【0030】
以下、ハードディスク13に設けられている各データベースの詳細について説明する。
(A)動物撮影ガイド情報DB13A
図3は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている動物撮影ガイド情報DB13Aのレイアウトの一例を示す図である。図3に示すように、動物撮影ガイド情報DB13Aは、動物の種類の名称を示す情報が格納される動物種類フィールド101、期間を示す情報が格納される期間フィールド102、その期間において当該動物について撮影を行う場合の撮影項目を示す情報が格納される撮影項目フィールド103、当該撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す情報が格納される撮影方法フィールド104、当該動物の画像情報及び/又は当該撮影項目の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド105、並びに当該動物の鳴き声等の音声情報のファイル名が格納される音声フィールド106を有している。
【0031】
本実施の形態において、撮影項目フィールド103には、期間フィールド102に格納されている期間において当該動物について撮影を行う場合に撮影することが望ましい項目を示す情報が格納されている。例えば、生物学等の研究者が研究資料として重要だと思われる内容が撮影項目として設定され、それを示す情報が撮影項目フィールド103に格納される。具体例としては、図3に示すように、“卵の殻の色”、“雌雄つがいの毛の模様”及び“ふん”等の情報が撮影項目フィールド103に格納されている。このように、撮影項目フィールド103に格納される撮影項目には、動物の特定の部位を示す情報以外にも、その動物に直接的又は間接的に関わる様々な情報が含まれる。
【0032】
撮影方法フィールド104には、図3に示すように、“フラッシュ”、“拡大”等の情報が格納されている。ここで、“フラッシュ”は、フラッシュを付けて撮影を行うことを示しており、“拡大”は、撮影項目を拡大して撮影を行うことを示している。
【0033】
(B)植物撮影ガイド情報DB13B
図4は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている植物撮影ガイド情報DB13Bのレイアウトの一例を示す図である。図4に示すように、植物撮影ガイド情報DB13Bは、植物の種類の名称を示す情報が格納される植物種類フィールド201、期間を示す情報が格納される期間フィールド202、その期間において当該植物について撮影を行う場合の撮影項目を示す情報が格納される撮影項目フィールド203、当該撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す情報が格納される撮影方法フィールド204、及び当該植物の画像情報及び/又は当該撮影項目の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド205を有している。
【0034】
動物撮影ガイド情報DB13Aの場合と同様、撮影項目フィールド203には、期間フィールド202に格納されている期間において当該植物について撮影を行う場合に撮影することが望ましい項目を示す情報が格納されている。具体例としては、図4に示すように、“葉の切り込み、葉の毛”、“茎の断面”及び“花の裏のガクの形状”等の様々な情報が撮影項目フィールド203に格納されている。
【0035】
(C)昆虫撮影ガイド情報DB13C
図5は、本発明の実施の形態に係る撮影支援装置1に設けられている昆虫撮影ガイド情報DB13Cのレイアウトの一例を示す図である。図5に示すように、昆虫撮影ガイド情報DB13Cは、昆虫の種類の名称を示す情報が格納される昆虫種類フィールド301、期間を示す情報が格納される期間フィールド302、その期間において当該昆虫について撮影を行う場合の撮影項目を示す情報が格納される撮影項目フィールド303、当該撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す情報が格納される撮影方法フィールド304、当該昆虫の画像情報及び/又は当該撮影項目の画像情報のファイル名が格納される画像フィールド305、並びに当該昆虫の鳴き声等の音声情報のファイル名が格納される音声フィールド306を有している。
【0036】
動物撮影ガイド情報DB13Aの場合と同様、撮影項目フィールド303には、期間フィールド302に格納されている期間において当該昆虫について撮影を行う場合に撮影することが望ましい項目を示す情報が格納されている。具体例としては、図5に示すように、“足の毛”、“サイズ”及び“裏から見た羽の色”等の様々な情報が撮影項目フィールド303に格納されている。ここで、“サイズ”はその昆虫の大きさを示しており、対応する撮影方法フィールド304に格納されている“比較”は比較対象物とともに昆虫を撮影することを示している。この場合、比較対象物との比較により、昆虫のサイズを把握することが可能になる。
【0037】
上述したように、動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報においては、撮影項目及び/又は撮影方法が特定の期間毎に設定されている。研究資料等として利用価値が高い事項は時期により異なる場合があるため、同じ生物であっても、上述したように時期に応じて異なる撮影項目を設定しておくことが好ましい。
【0038】
上記の動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報は、専門家等から収集した情報に基づいて生成され、動物撮影ガイド情報DB13A、植物撮影ガイド情報DB13B、及び昆虫撮影ガイド情報DB13Cにそれぞれ登録される。なお、これらの動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報は、適宜更新される。
【0039】
(D)画像情報DB13D
画像情報DB13Dには、上記の動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報の各画像フィールド104、204及び304に格納されているファイル名の画像情報が蓄積されている。この画像情報には、生物の撮像画像及び/又は撮影項目についての撮像画像並びにその画像の取得日等が含まれている。
【0040】
(E)音声情報DB13E
音声情報DB13Eには、上記の動物撮影ガイド情報の音声フィールド105及び昆虫撮影ガイド情報の音声フィールド305に格納されているファイル名の音声情報が蓄積されている。
【0041】
(F)投稿画像情報DB13F
投稿画像情報DB13Fには、後述するようにして撮影者から投稿される撮像画像及びその撮影日時等を含む撮像画像情報が蓄積されている。なお、この投稿画像情報DB13Fに蓄積されている情報が、画像情報DB13Dに格納される場合もある。
【0042】
[撮影支援システムの動作]
次に、上述したように構成された本実施の形態の撮影支援システムの動作について、フローチャート等を参照しながら説明する。なお、本実施の形態の撮影支援システムにて実行される主な処理には、(1)撮影者に対して撮影支援を行うための撮影支援処理、及び(2)撮影支援後に撮影者が撮像画像を投稿するための撮像画像投稿処理等がある。以下では、これらの各処理の詳細について説明する。
【0043】
(1)撮影支援処理
図6は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する撮影支援処理の手順を示すフローチャートである。
【0044】
撮影者は、登山中及び散歩中等、様々な場面において、携行している携帯電話機2のカメラを用いて生物を被写体として撮影を行う。これにより、携帯電話機2は、図6に示すように、生物を含む撮像画像を取得する(S101)。次に、撮影者は、その撮像画像を撮影支援装置1に対して送信するよう、携帯電話機2に指示する。この指示を撮影者から受け付けた場合、携帯電話機2は、ステップS101にて取得した撮像画像及び撮影日時等を含む撮像画像情報を、撮影支援装置1に対して送信する(S102)。
【0045】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信された撮像画像情報を受信した場合(S201)、撮像画像情報の撮像画像に対してエッジ抽出等の画像解析処理を施すことにより、当該撮像画像に含まれる撮影対象の特徴を抽出する(S202)。次に、撮影支援装置1は、抽出した特徴に基づいて、撮影対象の生物の分類(本実施の形態では、動物、植物及び昆虫の何れか)及びその種類を特定する(S203)。この場合、種々の特定方法が想定されるが、例えば、画像情報DB13Dに格納されている画像情報を用いて生物の各種類の照合用画像を予め生成しておき、その照合用画像の特徴とステップS202で抽出した特徴との照合を行ってそれらの類似度を算出し、その類似度に応じて生物の種類を特定する等の方法により、ステップS203を実行する。
【0046】
なお、画像解析により生物の分類及び種類を特定することができなかった場合、撮影支援装置1は、そのことを示すメッセージを含む情報を携帯電話機2に対して送信し、これを受けた携帯電話機2がそのメッセージをディスプレイ上に表示して、撮影支援処理が終了する。
【0047】
これ以降、上述したようにして特定した生物の種類に応じて、撮影支援を行うために撮影者に提供する情報が生成されることになる。
まず、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した分類が動物であるか否かを判定し(S204)、動物ではないと判定した場合(S204でNO)、ステップS206に進む。他方、動物であると判定した場合(S204でYES)、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した種類の名称が動物種類フィールド101に格納されており、且つステップS201における撮像画像情報の受信日時が属する期間が期間フィールド102に格納されている動物撮影ガイド情報を、動物撮影ガイド情報DB13Aから抽出する(S205)。
【0048】
また、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した分類が植物であるか否かを判定し(S206)、植物ではないと判定した場合(S206でNO)、ステップS208に進む。他方、植物であると判定した場合(S206でYES)、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した種類の名称が植物種類フィールド201に格納されており、且つステップS201における撮像画像情報の受信日時が属する期間が期間フィールド202に格納されている植物撮影ガイド情報を、植物撮影ガイド情報DB13Bから抽出する(S207)。
【0049】
さらに、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した分類が昆虫であるか否かを判定し(S208)、昆虫ではないと判定した場合(S208でNO)、ステップS210に進む。他方、昆虫であると判定した場合(S208でYES)、撮影支援装置1は、ステップS203にて特定した種類の名称が昆虫種類フィールド301に格納されており、且つステップS201における撮像画像情報の受信日時が属する期間が期間フィールド302に格納されている昆虫撮影ガイド情報を、昆虫撮影ガイド情報DB13Cから抽出する(S209)。
【0050】
次に、撮影支援装置1は、ステップS205で抽出した動物撮影ガイド情報、ステップS207で抽出した植物撮影ガイド情報、及び/又はステップS209で抽出した昆虫撮影ガイド情報を用いて、撮影者の撮影を支援するための撮影ガイド画面を示す撮影ガイド画面情報を生成する(S210)。ここで生成される撮影ガイド画面情報の内容の詳細については、画面例を用いながら後述する。
【0051】
なお、動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報及び昆虫撮影ガイド情報の何れも抽出されなかった場合(S208でNOとなった場合)、ステップS210で生成される撮影ガイド画面情報には、撮影対象の生物についての撮影ガイド情報が蓄積されていないことを示す情報が含まれることになる。
【0052】
次に、撮影支援装置1は、ステップS210で生成した撮影ガイド画面情報を、携帯電話機2に対して送信する(S211)。この送信は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)により行われてもよく、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)等の他の通信プロトコルにより行われてもよい。
【0053】
携帯電話機2は、撮影支援装置1から送信された撮影ガイド画面情報を受信した場合(S103)、その受信した撮影ガイド画面情報で示される撮影ガイド画面をディスプレイ上に表示する(S104)。
【0054】
以下、撮影ガイド画面の例について、動物、植物及び昆虫の生物分類別に説明する。
図7Aは、動物撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図7Aに示すように、撮影ガイド画面S1には、撮影者が撮影した動物の種類の名称(図7Aでは“AAA”)、その動物の撮影項目(同じく“卵の殻の色”)、及びその撮影方法(同じく“フラッシュを付けて”)が示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S1を参照することにより、自分が撮影した動物の種類の名称を知ることができ、さらに、その動物について撮影しておくことが望ましい事項及びその事項の撮影方法を把握することができる。
【0055】
図7Aに示すように、撮影ガイド画面S1には、画像表示を指示するための画像表示ボタンB1及び音声出力を指示するための音声出力ボタンB2が設けられている。撮影者は、必要に応じて、携帯電話機2の入力部を用いてこれらのボタンB1及びB2を押下する。画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS205にて抽出した動物撮影ガイド情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Dから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。同様にして、音声出力ボタンB2が押下された場合は、撮影支援装置1が上記動物撮影ガイド情報に示されているファイル名の音声情報を音声情報DB13Eから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報及び音声情報を受信した携帯電話機2は、これらの情報を出力する。
【0056】
図7Bは、図7Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図7Bに示すように、撮影ガイド画面S2には、先行する撮影ガイド画面S1で示されている動物の撮影項目に含まれる卵の殻の画像が表示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S2を参照することにより、当該動物の撮影項目を視覚的に確認することが可能になる。この場合に、撮影項目に係る画像とともに、又は当該画像に代えて、動物自体の画像が表示されるようにしてもよい。
【0057】
また、撮影者によって音声出力ボタンB2が押下された場合は、当該動物の鳴き声等が出力されることになる。これにより、撮影者は、当該動物の特徴を聴覚的に確認することができる。この場合、撮影者は、携帯電話機2から出力される動物の鳴き声と自分が撮影した生物の鳴き声とを比較することにより、撮影支援装置1による生物種類の特定が正しいかどうか等を確認することができる。
【0058】
図8Aは、植物撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図8Aに示すように、撮影ガイド画面S3には、撮影者が撮影した植物の種類の名称(図8Aでは“BBB”)、その植物の撮影項目(同じく“葉の切り込み、葉の毛”)、及びその撮影方法(同じく“拡大して”)が示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S3を参照することにより、自分が撮影した植物の種類の名称を知ることができ、さらに、その植物について撮影しておくことが望ましい事項及びその事項の撮影方法を把握することができる。
【0059】
図8Aに示すように、撮影ガイド画面S3には、上記と同様の画像表示ボタンB1が設けられている。撮影者によって画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS207にて抽出した植物撮影ガイド情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Dから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報を受信した携帯電話機2は、その画像情報をディスプレイ上に表示する。
【0060】
図8Bは、図8Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図8Bに示すように、撮影ガイド画面S4には、先行する撮影ガイド画面S1で示されている植物の全体を示す画像が表示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S2を参照することにより、当該植物を視覚的に確認することが可能になる。この場合、植物の全体を示す画像とともに、又は当該画像に代えて、当該植物の撮影項目に係る画像を表示するようにしてもよい。上記の例によれば、撮影項目として“葉の切り込み、葉の毛”が設定されているため、当該植物の葉の拡大画像等を表示するようにしてもよい。
【0061】
図9Aは、昆虫撮影ガイド情報を用いて生成された、携帯電話機2のディスプレイ上に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図9Aに示すように、撮影ガイド画面S5には、撮影者が撮影した昆虫の種類の名称(図9Aでは“CCC”)、その昆虫の撮影項目(同じく“足の毛”)、及びその撮影方法(同じく“拡大して”)が示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S5を参照することにより、自分が撮影した昆虫の種類の名称を知ることができ、さらに、その昆虫について撮影しておくことが望ましい事項及びその事項の撮影方法を把握することができる。
【0062】
図9Aに示すように、撮影ガイド画面S5には、上記と同様の画像表示ボタンB1及び音声出力ボタンB2が設けられている。撮影者によって画像表示ボタンB1が押下された場合、そのことを示す情報が携帯電話機2から撮影支援装置1に対して送信され、これを受けた撮影支援装置1が、ステップS209にて抽出した昆虫撮影ガイド情報に示されているファイル名の画像情報を画像情報DB13Dから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。同様にして、音声出力ボタンB2が押下された場合は、撮影支援装置1が上記昆虫撮影ガイド情報に示されているファイル名の音声情報を音声情報DB13Eから抽出し、これを携帯電話機2に対して送信する。このようにして撮影支援装置1から送信された画像情報及び音声情報を受信した携帯電話機2は、これらの情報を出力する。
【0063】
図9Bは、図9Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影ガイド画面の一例を示す図である。図9Bに示すように、撮影ガイド画面S6には、先行する撮影ガイド画面S5で示されている昆虫の全体を示す画像が表示されている。撮影者は、この撮影ガイド画面S6を参照することにより、当該昆虫を視覚的に確認することが可能になる。この場合、昆虫の全体を示す画像とともに、又は当該画像に代えて、当該昆虫の撮影項目に係る画像を表示するようにしてもよい。上記の例によれば、撮影項目として“足の毛”が設定されているため、当該昆虫の足の拡大画像等を表示するようにしてもよい。
【0064】
また、撮影者によって音声出力ボタンB2が押下された場合は、当該昆虫の鳴き声等が出力されることになる。これにより、撮影者は、当該昆虫の特徴を聴覚的に確認することができる。この場合、撮影者は、携帯電話機2から出力される昆虫の鳴き声と自分が撮影した生物の鳴き声とを比較することにより、撮影支援装置1による生物種類の特定が正しいかどうか等を確認することができる。
【0065】
なお、ステップS203において生物の分類及び種類を一つに特定することができなかった場合もあり得るが、その場合は、撮影支援装置1が、複数種類の生物に関する情報を含む撮影ガイド画面情報を携帯電話機2に対して送信することになる。この場合、携帯電話機2において画面のスクロール操作等がなされることによって、複数種類の生物に関する情報がディスプレイ上に表示される。
【0066】
図7B、図8B及び図9Bには、生物又はその生物の撮影項目に係る画像が表示されている撮影ガイド画面S2、S4及びS6が示されているが、これらの画像と対応付けて、撮影のときに撮影対象を表示するファインダー画面を表示するようにしてもよい。図10は、図8Aにおける画像表示ボタンB1が押下された場合に表示される撮影ガイド画面の他の例を示す図である。図10に示すように、撮影ガイド画面S7には、植物の撮影項目である葉の拡大画像を表示する第1表示欄F1と、ファインダー画面を表示する第2表示欄F2とが設けられている。ここで、第1表示欄F1及び第2表示欄F2は同一の形状及びサイズであって、上下方向に並べて配置されている。また、この撮影ガイド画面S7には、第2表示欄F2に表示されている撮影対象を撮影するための撮影ボタンB3がさらに設けられている。
【0067】
撮影者は、撮影を行う際に、第1表示欄F1に表示されている生物の画像と同様の角度になるように撮影対象をファインダー画面に捉え、撮影ボタンB3を押下する。この場合、縮尺についても第1表示欄F1に表示されている生物の画像と同様にすることが望ましい。撮影者がこのように対応することにより、資料価値が高い画像を容易に取得することが可能になる。
【0068】
なお、図10に示す例では、第1表示欄F1及び第2表示欄F2が並べて配置されているが、第1表示欄F1及び第2表示欄F2を重ねて表示する等、第1表示欄F1及び第2表示欄F2が他の態様で対応付けられて表示されるようにしてもよい。
【0069】
(2)撮像画像投稿処理
撮影者は、上述したようにして撮影支援装置1から提供された生物に関する各種の情報を参照した上で、携帯電話機2が備えるカメラを用いて、その生物について再度撮影を行う。この場合、撮影者は、撮影ガイド画面において撮影項目として提示されている事項を撮影対象とする。
【0070】
図11は、本発明の実施の形態に係る撮影支援システムが備える撮影支援装置1及び携帯電話機2が実行する撮像画像投稿処理の手順を示すフローチャートである。図11に示すとおり、携帯電話機2は、撮影者の操作により生物を撮影対象とした撮像画像を取得した場合(S301)、その撮像画像及び撮影した日時等を含む撮像画像情報を、撮影支援装置1に対して送信する(S302)。
【0071】
撮影支援装置1は、携帯電話機2から送信された撮像画像情報を受信した場合(S401)、その撮像画像情報に含まれている撮像画像を投稿画像情報DB13Fに登録する(S402)。
【0072】
この撮像画像投稿処理により、撮影支援装置1には、各撮影者から投稿された撮像画像が蓄積されることになる。これらの撮像画像は、先行する撮影支援処理によって各撮影者に提供された撮影項目に関するものであるため、例えば生物多様性等の様々な研究において有用なものが含まれている場合がある。このように、本実施の形態によれば、各撮影者から利用価値の高い資料を取得することが可能になる。
【0073】
(その他の実施の形態)
生物の場合、同一の種類であっても、生息地により異なる特徴を有する場合がある。そのため、生物の種類の特定及び撮影項目の設定等は、生息地に応じて行うことが好ましい。これを実現するためには、次のような実施の形態が考えられる。まず、撮影支援装置1において、動物撮影ガイド情報、植物撮影ガイド情報、及び昆虫撮影ガイド情報の各撮影ガイド情報を生物の生息地毎に規定しておく。具体的には、各撮影ガイド情報において、生物の生息地の位置を示す位置情報を格納するフィールドを設け、その位置情報が示す位置を生息地とする生物に関する情報を他のフィールドに格納するようにする。また、撮影者が携行している携帯電話機2として、GPS(Global Positioning System)機能を備え、GPS衛星の電波を用いて自位置を特定することができるものを用いる。そして、撮影支援装置1が、携帯電話機2から自位置を示す自位置情報を受信し、その自位置情報に基づいて撮影者がどの位置にいるのかを特定し、その位置に応じた撮影ガイド情報を携帯電話機2に対して送信するようにする。これにより、生息地に応じて異なる撮影支援を行うことが可能になる。
【0074】
また、上記の実施の形態において撮影者に提供する各種の情報に加えて、各生物を撮影する場合に適した撮影方位及び撮影角度(俯角・仰角)等の情報を提供するようにしてもよい。これにより、好ましい撮像画像を容易に取得することが可能になる。
【0075】
また、上記の実施の形態では、撮影支援装置1と携帯電話機2とが別装置となっているが、上述した撮影支援装置1の構成を携帯電話機2が備えることにより、携帯電話機2単体で撮影者の撮影支援を行うことができるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の撮影支援装置及び撮影支援方法は、様々な生物を撮影対象とする場合において撮影支援を行う撮影支援装置及び撮影支援方法等として有用である。
【符号の説明】
【0077】
1 撮影支援装置
10 CPU
11 ROM
12 RAM
13 ハードディスク
13A 動物撮影ガイド情報データベース
13B 植物撮影ガイド情報データベース
13C 昆虫撮影ガイド情報データベース
13D 画像情報データベース
13E 音声情報データベース
13F 投稿画像情報データベース
14 通信インタフェース
15 バス
2 携帯電話機
B1 画像表示ボタン
B2 音声出力ボタン
B3 撮影ボタン
F1 第1表示欄
F2 第2表示欄
S1〜S7 撮影ガイド画面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生物の撮影をガイドするための撮影ガイド情報を、生物の種類毎に記憶する生物撮影ガイド情報記憶部と、
撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得手段と、
前記撮像画像取得手段によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別手段と、
前記生物種類判別手段により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出する生物撮影ガイド情報抽出手段と、
前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信手段と
を備える、撮影支援装置。
【請求項2】
前記生物撮影ガイド情報記憶部が、生物を撮影する場合の撮影項目を示す撮影項目情報を含む生物撮影ガイド情報を記憶しており、
前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報に含まれる撮影項目情報に示される撮影項目についての撮影を依頼する撮影依頼情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する撮影依頼情報送信手段をさらに備える、
請求項1に記載の撮影支援装置。
【請求項3】
前記生物撮影ガイド情報記憶部が、前記撮影項目情報に示される撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す撮影方法情報を含む生物撮影ガイド情報を記憶しており、
前記撮影依頼情報送信手段が、前記撮影項目についての撮影を、前記抽出された生物撮影ガイド情報に含まれる撮影方法情報に示される撮影方法により行うことを依頼する撮影依頼情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されている、
請求項2に記載の撮影支援装置。
【請求項4】
前記撮影依頼情報送信手段により送信された撮影依頼情報に応じて、前記携帯型端末装置が生物を含む撮像画像を取得した場合に、当該撮像画像を当該携帯型端末装置から取得する撮像画像再取得手段をさらに備える、
請求項2又は3に記載の撮影支援装置。
【請求項5】
前記生物撮影ガイド情報記憶部が、時期毎に異なる生物撮影ガイド情報を記憶しており、
前記生物撮影ガイド情報抽出手段が、撮影時期に基づいて、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出するように構成されている、
請求項1乃至4の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項6】
前記生物撮影ガイド情報記憶部に記憶されている生物撮影ガイド情報に係る生物の画像情報を記憶する画像情報記憶部と、
前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報に係る生物の画像情報を、前記画像情報記憶部から抽出する画像情報抽出手段と
をさらに備え、
前記生物撮影ガイド情報送信手段が、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報と併せて、前記画像情報抽出手段により抽出された画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されている、
請求項1乃至5の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項7】
前記生物撮影ガイド情報記憶部に記憶されている生物撮影ガイド情報に係る生物の音声情報を記憶する音声情報記憶部と、
前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報に係る生物の音声情報を、前記音声情報記憶部から抽出する音声情報抽出手段と
をさらに備え、
前記生物撮影ガイド情報送信手段が、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報と併せて、前記音情報抽出手段により抽出された音声情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されている、
請求項1乃至6の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項8】
前記生物撮影ガイド情報記憶部が、生物の生息地毎に異なる生物撮影ガイド情報を記憶しており、
前記生物撮影ガイド情報抽出手段が、生息地に基づいて、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出するように構成されている、
請求項1乃至7の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項9】
生物に関する生物撮影ガイド情報を記憶する生物撮影ガイド情報記憶部を備えるコンピュータが、
撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得工程と、
前記撮像画像取得工程によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別工程と、
前記生物種類判別工程により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出する生物撮影ガイド情報抽出工程と、
前記生物撮影ガイド情報抽出工程により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信工程と
を実行する、撮影支援方法。
【請求項10】
撮影者が携行する携帯型端末装置が、生物を含む撮像画像を取得し、当該撮像画像をコンピュータに送信し、
前記コンピュータが、前記携帯型端末装置から受信した撮像画像に含まれる生物の種類を判別し、その判別した種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信し、
前記携帯型端末装置が、前記コンピュータから受信した生物撮影ガイド情報を、表示装置上に表示する、
撮影支援方法。
【請求項11】
前記コンピュータが前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報には、生物を撮影する場合の撮影項目を示す撮影項目情報が含まれている、
請求項10に記載の撮影支援方法。
【請求項12】
前記コンピュータが、前記判別した種類の生物の画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信し、
前記携帯型端末装置が、前記コンピュータから受信した画像情報と、撮影のときに撮影対象を表示する画面とを対応付けて、前記表示装置上に表示する、
請求項10又は11に記載の撮影支援方法。
【請求項1】
生物の撮影をガイドするための撮影ガイド情報を、生物の種類毎に記憶する生物撮影ガイド情報記憶部と、
撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得手段と、
前記撮像画像取得手段によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別手段と、
前記生物種類判別手段により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出する生物撮影ガイド情報抽出手段と、
前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信手段と
を備える、撮影支援装置。
【請求項2】
前記生物撮影ガイド情報記憶部が、生物を撮影する場合の撮影項目を示す撮影項目情報を含む生物撮影ガイド情報を記憶しており、
前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報に含まれる撮影項目情報に示される撮影項目についての撮影を依頼する撮影依頼情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する撮影依頼情報送信手段をさらに備える、
請求項1に記載の撮影支援装置。
【請求項3】
前記生物撮影ガイド情報記憶部が、前記撮影項目情報に示される撮影項目を撮影する場合の撮影方法を示す撮影方法情報を含む生物撮影ガイド情報を記憶しており、
前記撮影依頼情報送信手段が、前記撮影項目についての撮影を、前記抽出された生物撮影ガイド情報に含まれる撮影方法情報に示される撮影方法により行うことを依頼する撮影依頼情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されている、
請求項2に記載の撮影支援装置。
【請求項4】
前記撮影依頼情報送信手段により送信された撮影依頼情報に応じて、前記携帯型端末装置が生物を含む撮像画像を取得した場合に、当該撮像画像を当該携帯型端末装置から取得する撮像画像再取得手段をさらに備える、
請求項2又は3に記載の撮影支援装置。
【請求項5】
前記生物撮影ガイド情報記憶部が、時期毎に異なる生物撮影ガイド情報を記憶しており、
前記生物撮影ガイド情報抽出手段が、撮影時期に基づいて、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出するように構成されている、
請求項1乃至4の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項6】
前記生物撮影ガイド情報記憶部に記憶されている生物撮影ガイド情報に係る生物の画像情報を記憶する画像情報記憶部と、
前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報に係る生物の画像情報を、前記画像情報記憶部から抽出する画像情報抽出手段と
をさらに備え、
前記生物撮影ガイド情報送信手段が、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報と併せて、前記画像情報抽出手段により抽出された画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されている、
請求項1乃至5の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項7】
前記生物撮影ガイド情報記憶部に記憶されている生物撮影ガイド情報に係る生物の音声情報を記憶する音声情報記憶部と、
前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報に係る生物の音声情報を、前記音声情報記憶部から抽出する音声情報抽出手段と
をさらに備え、
前記生物撮影ガイド情報送信手段が、前記生物撮影ガイド情報抽出手段により抽出された生物撮影ガイド情報と併せて、前記音情報抽出手段により抽出された音声情報を、前記携帯型端末装置に対して送信するように構成されている、
請求項1乃至6の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項8】
前記生物撮影ガイド情報記憶部が、生物の生息地毎に異なる生物撮影ガイド情報を記憶しており、
前記生物撮影ガイド情報抽出手段が、生息地に基づいて、前記判別された種類の生物に関する生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出するように構成されている、
請求項1乃至7の何れかに記載の撮影支援装置。
【請求項9】
生物に関する生物撮影ガイド情報を記憶する生物撮影ガイド情報記憶部を備えるコンピュータが、
撮影者が携行する携帯型端末装置で取得された生物を含む撮像画像を、当該携帯型端末装置から取得する撮像画像取得工程と、
前記撮像画像取得工程によって取得された撮像画像に含まれる生物の種類を判別する生物種類判別工程と、
前記生物種類判別工程により判別された種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記生物撮影ガイド情報記憶部から抽出する生物撮影ガイド情報抽出工程と、
前記生物撮影ガイド情報抽出工程により抽出された生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報送信工程と
を実行する、撮影支援方法。
【請求項10】
撮影者が携行する携帯型端末装置が、生物を含む撮像画像を取得し、当該撮像画像をコンピュータに送信し、
前記コンピュータが、前記携帯型端末装置から受信した撮像画像に含まれる生物の種類を判別し、その判別した種類の生物に係る生物撮影ガイド情報を、前記携帯型端末装置に対して送信し、
前記携帯型端末装置が、前記コンピュータから受信した生物撮影ガイド情報を、表示装置上に表示する、
撮影支援方法。
【請求項11】
前記コンピュータが前記携帯型端末装置に対して送信する生物撮影ガイド情報には、生物を撮影する場合の撮影項目を示す撮影項目情報が含まれている、
請求項10に記載の撮影支援方法。
【請求項12】
前記コンピュータが、前記判別した種類の生物の画像情報を、前記携帯型端末装置に対して送信し、
前記携帯型端末装置が、前記コンピュータから受信した画像情報と、撮影のときに撮影対象を表示する画面とを対応付けて、前記表示装置上に表示する、
請求項10又は11に記載の撮影支援方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−203848(P2012−203848A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−70597(P2011−70597)
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月28日(2011.3.28)
【出願人】(302064762)株式会社日本総合研究所 (367)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]