説明

撮影用広角レンズを備えたヘルメット

【課題】安全性が非常に向上し、現場監督者により的確な指示を与えることが可能な撮影用広角レンズを備えたヘルメットを提供する。
【解決手段】本発明の撮影用広角レンズを備えたヘルメットは、帽体本体内に撮影ユニットを納めると共に、該帽体本体に穿設した撮影孔に上記広角レンズを取り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影用広角レンズを備えたヘルメットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、工事現場などにおいて、現場作業者が着用するヘルメットに撮影装置を取り付けてハンズフリーで現場の状況を撮影して、現場から離れた工事管理本部などに送信し、現場の状況をモニターして現場作業者に的確な指示をしたり、或いは状況を記録することが行われている。
従来、ヘルメットに取り付けた撮像カメラの撮影範囲を、作業者の片目前方に備えたファインダーにより認識することができるようにしたものがあった。(例えば、特許文献1参照)
【0003】
しかしながら、上記従来のファインダーを備えたものは、着用者(作業者)の視線がファインダーの範囲から外れる可能性があり、着用者の作業の安全を監視する監督者による安全管理が不十分となる等の問題点があった。
【特許文献1】特開2003−337364号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、安全性が非常に向上し、現場監督者により的確な指示を与えることが可能な撮影用広角レンズを備えたヘルメットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、帽体本体に広角レンズを有する撮影ユニットを備えたことを特徴とする。また、上記帽体本体内に撮影ユニットを納めると共に、該帽体本体に穿設した撮影孔に上記広角レンズを取り付けることを特徴とする。さらに、上記帽体本体の前頭部に標準レンズを有する撮影装置を備えると共に、上記撮影ユニットおよび広角レンズを頭頂部に設置することを特徴とする。又さらに、上記撮影ユニットおよび広角レンズを後頭部に設置することを特徴とする。さらに又、上記帽体本体の前頭部に標準レンズを有する撮影装置を備えると共に、上記撮影ユニットおよび広角レンズを後頭部に設置することを特徴とする。また、上記撮影装置の近くに照明装置を設置することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の撮影用広角レンズを備えたヘルメットは、ヘルメット着用者の上部を含む周囲の動きにも現場監督者の監視が可能となり、着用者に危険を知らせることが可能となり、安全性が非常に向上し、また、監督者の見たいところを十分に把握して、より的確な指示を与えることが可能となる利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は、本発明装置の一実施例を示すもので、1は帽体本体であって、その頭頂部内に撮影ユニット2が納められている。帽体本体1の頭頂部には撮影孔1aが穿設されていて、広角レンズ3が取り付けられている。
【0009】
上記撮影ユニット2は、CCDやC−MOSなどの光センサーを有する小型カメラと画像送信装置から成る。光センサーの画素数はできるだけ大きいのが好ましい。また、上記広角レンズ3は、いわゆる広い視野を捉えることができるレンズであって、準広角レンズも含む。
【0010】
上記帽体本体1の裏側には、発泡スチロール等からなる衝撃吸収層4が内装されていて、ヘルメット装着者の頭部への衝撃を吸収する。
【0011】
上記衝撃吸収層4のさらに内側には内装ベルト5が設けられていて、ヘルメットを装着者の頭部に強固かつ確実に固定するようになっている。
【0012】
6は、上記撮影ユニット2により撮影された画像を工事管理本部などに送信する通信装置であって、受信機能も備えてもよい。
【実施例2】
【0013】
図2は本発明ヘルメットの別の実施例を示すもので、上記撮影ユニット2および広角レンズ3の設置と共に、帽体本体1の前頭部に撮影装置7および標準レンズ8が設置されている。該撮影装置7は上記撮影ユニット2と実質的に同じものである。
【実施例3】
【0014】
図3は本発明ヘルメットの更に別の実施例を示すもので、上記撮影ユニット2と広角レンズ3が、帽体本体1の後部に設置されている。
【実施例4】
【0015】
図4は、上記広角レンズ3および撮影ユニット2で撮影した現場の画像を工事管理本部などに設置される監視システム9を示すものであり、本監視システム9は、主としてシステム本体9aと第1ディスプレイ1bと第2ディスプレイ9cから構成されている。
【0016】
上記システム本体9aは、基本的に上記撮影ユニット2から送信された現場画像を受信して、上記第1ディスプレイ9bに出力する機能を有する。
【0017】
上記第1ディスプレイ9bには、上記広角レンズ3で捉えた広視界範囲の現場画像が映し出される。監視者は、この広範囲画像を見て、特に拡大して見たい注目箇所Xを、第2ディスプレイ9cに拡大して監視する。上記監視作業とともに画像を記録してもよい。
【0018】
上記監視システムによれば、撮影方向がヘルメットの着用者の向いている方向と違っていても、監視者は、望みの場所を拡大して見ることができ、着用者の安全性を確保することができる。
【0019】
上記撮影装置7の付近の帽体本体1にLED等からなる照明用ランプ(図示せず)を取り付けて、必要に応じてスイッチONするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のヘルメットの一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明のヘルメットの別の実施例を示す断面図である。
【図3】本発明のヘルメットの更に別の実施例を示す断面図である。
【図4】監視システムの一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0021】
1 帽体本体
撮影孔1a
2 撮影ユニット
3 広角レンズ
4 衝撃吸収層
5 内装ベルト
6 通信装置
7 撮影装置
8 標準レンズ
9 監視システム
9a システム本体
9b 第1モニター
9c 第2モニター
X 注目箇所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帽体本体に広角レンズを有する撮影ユニットを備えたことを特徴とする撮影用広角レンズを備えたヘルメット。
【請求項2】
上記帽体本体内に撮影ユニットを納めると共に、該帽体本体に穿設した撮影孔に上記広角レンズを取り付けることを特徴とする請求項1に記載の撮影用広角レンズを備えたヘルメット。
【請求項3】
上記帽体本体の前頭部に標準レンズを有する撮影装置を備えると共に、上記撮影ユニットおよび広角レンズを頭頂部に設置することを特徴とする請求項2に記載の撮影用広角レンズを備えたヘルメット。
【請求項4】
上記撮影ユニットおよび広角レンズを後頭部に設置することを特徴とする請求項2に記載の撮影用広角レンズを備えたヘルメット。
【請求項5】
上記帽体本体の前頭部に標準レンズを有する撮影装置を備えると共に、上記撮影ユニットおよび広角レンズを後頭部に設置することを特徴とする請求項2に記載の撮影用広角レンズを備えたヘルメット。
【請求項6】
上記撮影装置の近くに照明装置を設置することを特徴とする請求項3または5に記載の撮影用広角レンズを備えたヘルメット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−200080(P2006−200080A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−13848(P2005−13848)
【出願日】平成17年1月21日(2005.1.21)
【出願人】(000149930)株式会社谷沢製作所 (48)
【Fターム(参考)】