説明

撮影装置、撮影装置の制御方法、制御プログラム、および記録媒体

【課題】暗部でオートフォーカス機能を用いて撮影を行った場合であっても、高画質な撮影画像を得る。
【解決手段】撮影装置100は、被写体を超高感度モードで撮影することにより撮影画像1aを生成する撮影部11aと、被写体を画質優先モードで撮影することにより撮影画像1bを生成する撮影部11bとを備え、撮影部11bは、撮影部11aによって被写体を撮影したときに撮影部11aに設定された情報であって、撮影画像1aの特徴量から導出される情報である設定情報4を用いて被写体を撮影する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オートフォーカス機能を有する撮影装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、オートフォーカス(AF)機能を搭載した撮影装置が普及している。AF機能とは、被写体に対する撮影装置の焦点を自動的に合わせる機能をいう。例えば、コントラスト検出方式に基づくAF機能を搭載した撮影装置は、結像のコントラストが最も高くなるようレンズ位置を調整することにより、被写体に焦点を合わせる。この方式は、低コストで省スペースな機構でAF機能を実現できるため、特にコンパクトデジタルカメラ等で広く採用されている。
【0003】
また、AFロックと呼ばれる機能を搭載した撮影装置も市販されている。AFロック機能とは、AF機能により被写体に合わせた焦点の位置を固定(ロック)する機能である。この機能を有効にした撮影装置では、当該撮影装置が被写体に焦点を合わせた後であっても、ユーザは自由に構図を変更できる。一般の撮影装置には、ユーザがシャッタレリーズボタンを半押しするとAF機能により合わされた焦点の位置がロックされ、構図を決めた後にユーザが当該ボタンを全押しすると被写体の撮影が行われるものが多い。
【0004】
一方、顔認識を利用して焦点を合わせる方式も広く知られている。顔認識に基づくAF機能を搭載した撮影装置は、撮影領域に含まれる人物の顔を検出し、その顔に対して焦点を合わせる。顔認識に基づくAF機能によれば、撮影装置は被写体となる人物へ自動的に焦点を合わせることができるだけでなく、当該被写体が撮影領域の中央に位置しない構図(すなわち、コントラスト検出方式では被写体に焦点を合わせることが困難となる構図)であっても、ユーザはAFロック機能を明に用いることなく、その人物の顔に焦点を合わせることができる。
【0005】
しかし、コントラスト検出方式に基づくAF機能によれば、被写体からの反射光を十分に受光できる環境でなければ、撮影装置は当該被写体に焦点を合わせられない。したがって、夜間の撮影や照明の少ない屋内の撮影などでは、撮影装置は適切に被写体に焦点を合わせられないという欠点がある。同様に、顔認識に基づくAF機能によれば、被写体となる人物の顔を認識できる程度に撮影領域が明るくなければ、撮影装置は当該被写体に焦点を合わせることができない。すなわち、暗部でAF機能を有効に動作させることは、撮影装置に関する技術分野で重要な課題である。
【0006】
この課題を解決するために、下記の特許文献1には、撮影領域に赤外線を照射し、反射した被写体光を受光することによって、撮影領域の照度が所定の基準値を下回る暗い環境(以下、「暗部」と称する)においても、被写体を画角に捉えて撮影できる撮像装置が開示されている。
【0007】
また、下記の特許文献2には、AF等の動作の処理能力を上げて高速化した複眼式撮影装置が開示されている。
【0008】
さらに、超高感度で撮影すれば、暗部においてもAF機能を用いて撮影できることが一般に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2009−260801号公報(平成21年11月5日公開)
【特許文献2】特開2007−110498号公報(平成19年4月26日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1に開示された撮像装置は、照射する赤外線が到達できる距離にある被写体しか撮影できない。したがって、同文献に開示された技術は、暗部におけるAF機能の動作を完全に保証するものではない。また、赤外線を照射する機構が大きく、電池の消耗も激しいことから、当該撮影装置は一般消費者向けに市販する撮影装置として不適当である。
【0011】
また、特許文献2に記載された複眼式撮影装置は、AF機能の高速化を目的とした撮影装置であり、暗部での撮影を可能にする撮影装置ではない。
【0012】
さらに、単に超高感度で撮影を行っただけでは、撮影画像の画質を大きく損なうことになる。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、一方の撮影モードのみで撮影することによって生じる欠点を、他方の撮影モードで撮影することにより得た情報で補うことにより、望ましい撮影を行える撮影装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の課題を解決するために、本発明の撮影装置は、
(1)被写体を撮影する撮影装置であって、
(2)前記被写体を第1の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第1の画像を生成する第1の撮影手段と、
(3)前記第1の撮影手段によって撮影された前記被写体を、前記第1の撮影モードとは異なる第2の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第2の画像を生成する第2の撮影手段とを備え、
(4)前記第2の撮影手段は、前記第1の撮影手段によって前記被写体を撮影したときに前記第1の撮影手段に設定された情報であって、前記第1の撮影手段によって生成された第1の画像の特徴量から導出される情報である設定情報を用いて、前記被写体を撮影することを特徴としている。
【0015】
また、上記の課題を解決するために、本発明の撮影装置の制御方法は、
(1)被写体を撮影する撮影装置の制御方法であって、
(2)前記被写体を第1の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第1の画像を生成する第1の撮影ステップと、
(3)前記第1の撮影ステップによって撮影された前記被写体を、前記第1の撮影モードとは異なる第2の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第2の画像を生成する第2の撮影ステップとを含み、
(4)前記第2の撮影ステップは、前記第1の撮影ステップによって前記被写体を撮影したときに前記第1の撮影ステップで使用した情報であって、前記第1の撮影ステップによって生成された第1の画像の特徴量から導出される情報である設定情報を用いて、前記被写体を撮影することを特徴としている。
【0016】
上記の構成によれば、本発明の撮影装置および本発明の撮影装置の制御方法は、互いに異なる2種類の撮影モードで被写体を少なくとも2回撮影する。そして、上記撮影装置等は、一方の撮影モードで撮影することにより得た設定情報を、他方の撮影モードにおける撮影で使用する。
【0017】
したがって、互いに異なる2種類の撮影モードで被写体を少なくとも2回撮影し、一方の撮影モードで撮影することにより得た設定情報を他方の撮影モードにおける撮影で使用できるため、当該他方の撮影モードのみで撮影することによって生じる欠点を、当該設定情報で補うことができ、これにより望ましい撮影画像を得ることができる。
【0018】
例えば、上記第1の撮影モードが、被写体の認識を優先させる感度で撮影する「超高感度モード」であり、上記第2の撮影モードが、被写体の画像の画質を優先して撮影する「画質優先モード」である場合、上記撮影装置等は、まず超高感度モードで被写体を撮影する。これにより、撮影装置100は、AF機能を用いた撮影(以下、「AF撮影」ともいう)で必要となる設定情報を取得する。そして、上記撮影装置等は、当該設定情報を画質優先モードにしたがう撮影で使用することにより、AF機能を動作させつつ画質を高めた撮影を行える。したがって、上記の例における撮影装置等は、高画質のAF撮影が一般に困難である暗部においても、高画質のAF撮影を行うことができる。
【0019】
また、本発明の撮影装置では、
(1)前記設定情報は、前記第1の撮影手段の前記被写体に対する焦点および露光を示す情報を含み、
(2)前記第2の撮影手段は、前記設定情報に含まれる前記焦点を示す情報にしたがって前記第2の撮影手段の前記被写体に対する焦点を合わせるとともに、前記露光を示す情報にしたがって前記第2の撮影手段の露光を調整することを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、設定情報が、第1の撮影手段の被写体に対する焦点および露光を示す情報を含んでいる。そして、第2の撮影手段は、当該設定情報に含まれる焦点を示す情報にしたがって第2の撮影手段の被写体に対する焦点を合わせ、露光を示す情報にしたがって第2の撮影手段の露光を調整する。
【0021】
したがって、本発明の撮影装置は、第2の撮影手段の撮影モードで撮影するだけでは焦点および露光を示す情報を取得することが難しい環境(例えば暗部)においても、被写体に対する焦点を合わせるとともに露光を適切に調整できる。
【0022】
また、本発明の撮影装置は、
(1)前記第1の画像の特徴量から、前記撮影装置から前記被写体までの距離と前記被写体の輝度とを算出する算出手段をさらに備え、
(2)前記第2の撮影手段は、前記算出手段によって算出された前記距離および前記輝度から前記設定情報を決定することを特徴としている。
【0023】
上記の構成によれば、第2の撮影手段に設定される設定情報は、当該被写体までの距離と当該被写体の輝度から決定される。ここで、距離および輝度は、第1の撮影手段で撮影されることにより生成された第1の画像の特徴量から算出される。なお、特徴量とは、例えば当該第1の画像のコントラストである。
【0024】
したがって、本発明の撮影装置は、一方の撮影モードで撮影することにより得た第1の画像の特徴量から算出された前記距離および前記輝度から決定される設定情報を、他方の撮影モードにおける撮影で使用できるため、当該他方の撮影モードのみで撮影することによって生じる欠点を、当該設定情報で補うことができ、これにより望ましい撮影画像を得ることができる。例えば、第1の撮影手段で撮影可能な環境(例えば暗部)において、画質を考慮したAF撮影を行うことができる。
【0025】
また、本発明の撮影装置では、
(1)前記第1の撮影モードは、前記被写体の認識を優先させる感度で、前記被写体を撮影するモードであり、
(2)前記第2の撮影モードは、前記被写体の第2の画像の画質を優先させる感度で、前記被写体を撮影するモードであることを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、第1の撮影手段は、被写体の認識を優先させて当該被写体を撮影できる。ここで「被写体の認識を優先させる感度」とは、例えば暗部においても第1の画像のコントラストが高くなる程度の受像素子の感度をいう。
【0027】
また、第2の撮影手段は、被写体の画像の画質を優先させて当該被写体を撮影できる。ここで「被写体の画像の画質を優先させる感度」とは、例えばノイズの影響を受けにくくなることにより第2の画像の画質が高くなる程度の受像素子の感度をいう。
【0028】
これにより、第1の撮影手段は、被写体の認識が困難となる環境においても、被写体を認識して撮影を行うことができ、第2の撮影手段は、撮影によって得られる画像の画質を高くして撮影できる。
【0029】
すなわち、一方の撮影モードが有する欠点(被写体の画像の画質を重視すると暗部でAFできない)を他方の撮影モードが有する長所(画質を無視して被写体の認識を優先させればAFできる)で補完することにより、暗部においても画質を考慮したAF撮影を実現できる。
【0030】
また、本発明の撮影装置では、
(1)前記第2の撮影手段により生成された第2の画像を表示部に表示することを特徴としている。
【0031】
上記の構成によれば、第2の撮影手段により生成された第2の画像が表示部に表示される。したがって、ユーザは、被写体を撮影した画像を視認することができる。
【0032】
また、本発明の撮影装置では、
(1)前記第2の画像に含まれるガンマ値を調整して、当該調整後の第2の画像を前記表示部に表示することを特徴としている。
【0033】
上記の構成によれば、第2の画像が表示部に表示される際に、当該第2の画像に含まれるガンマ値が調整される。
【0034】
したがって、暗部で撮影したことにより第2の画像暗くそのままでは表示部にて視認しずらい場合であっても、第2の画像が明るくなるようにガンマ値を調整すれば、ユーザが表示部で被写体の確認を行うことが容易になる。
【0035】
また、本発明の撮影装置では、
(1)前記設定情報は、前記第1の撮影手段の前記被写体に対する焦点を示す情報を少なくとも含み、
(2)前記焦点を示す情報から定まる前記表示部の表示面における表示位置に、所定の図形を表示することを特徴としている。
【0036】
上記の構成によれば、表示部には第2の撮影手段により生成された第2の画像とともに、第1の撮影手段の被写体に対する焦点位置に図形が表示される。したがって、被写体に対する焦点位置をユーザに提示することができる。
【0037】
また、本発明の撮影装置は、
(1)前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段とは前記撮影装置の側面に所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されており、
(2)前記設置場所の位置関係から定まる方向へ前記所定間隔から定まる長さだけ前記所定の図形を移動させることにより、当該図形の表示位置を補正する指標補正手段をさらに備えたことを特徴としている。
【0038】
上記の構成によれば、第1の撮影手段と第2の撮影手段とは、撮影装置の側面の所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されている。そのため、第1の撮影手段の被写体に対する焦点位置と第2の撮影手段の被写体に対する焦点位置との間には、前記所定間隔に対応してずれが生じる。したがって、第1の撮影手段の被写体に対する焦点位置の図形を第2の画像とともに表示部に表示した場合、当該図形の表示位置は、第2の画像における被写体に対する正しい焦点位置を示さない。
【0039】
上記構成によれば、当該図形の表示位置を、前記設置場所の位置関係から定まる方向へ前記所定間隔から定まる長さだけ移動させることにより上記のずれを補正するため、第2の画像における被写体に対する焦点位置を示す図形を適切な位置に表示できる。
【0040】
また、本発明の撮影装置では、
(1)前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段とは前記撮影装置の側面に所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されており、
(2)前記第1の撮影手段の撮影領域と前記第2の撮影手段の撮影領域とに、前記所定間隔に応じた差異が生じることで、前記第1の画像と前記第2の画像とは一部の領域が重複しており、
(3)前記第2の画像を、前記重複した領域の一部または全部からなる画像に補正する領域補正手段をさらに備えたことを特徴としている。
【0041】
上記の構成によれば、第1の撮影手段と第2の撮影手段とは、撮影装置の側面の所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されている。そのため、第1の撮影手段の撮影領域と第2の撮影手段の撮影領域との間には、前記所定間隔に対応して差異が生じる。したがって、第1の撮影手段の被写体に対する焦点位置の図形を第2の画像とともに表示部に表示した場合、当該図形の表示位置は、第2の画像における被写体に対する正しい焦点位置を示さない。
【0042】
上記の構成によれば、第1の画像と第2の画像との共通部分を切り出して、新たに第2の画像として表示部に表示することにより、上記の差異を解消して焦点位置の図形を適切な位置に表示できる。
【0043】
また、本発明の撮影装置では、
(1)前記領域補正手段は、前記補正後の第2の画像のアスペクト比が、前記第1の画像のアスペクト比または前記補正前の第2の画像のアスペクト比と同一になるように、前記第2の画像を補正することを特徴としている。
【0044】
上記の構成によれば、補正後の第2の画像は、第1の画像または補正前の第2の画像とアスペクト比が同一となる。これにより、補正前後でアスペクト比が変更されることを防止できる。
【0045】
また、本発明の撮影装置では、
(1)ユーザから所定の操作を受け付けたとき、前記第2の画像を記憶部に格納することを特徴としている。
【0046】
上記の構成によれば、本発明の撮影装置は、ユーザによる所定の操作(例えば、シャッタレリーズボタンの全押し操作)を受け付けたときに、第2の画像を最終的な撮影画像として記憶部に記憶させることができる。
【0047】
なお、前記撮影装置はコンピュータによって実現してもよい。この場合には、コンピュータを前記撮影装置の各手段として動作させることにより、前記撮影装置をコンピュータで実現させる制御プログラム、およびこれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明の撮影装置は、被写体を撮影する撮影装置であって、前記被写体を第1の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第1の画像を生成する第1の撮影手段と、前記第1の撮影手段によって撮影された前記被写体を、前記第1の撮影モードとは異なる第2の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第2の画像を生成する第2の撮影手段とを備え、前記第2の撮影手段は、前記第1の撮影手段によって前記被写体を撮影したときに前記第1の撮影手段に設定された情報であって、前記第1の撮影手段によって生成された第1の画像の特徴量から導出される情報である設定情報を用いて、前記被写体を撮影する構成である。
【0049】
また、本発明の撮影装置の制御方法は、被写体を撮影する撮影装置の制御方法であって、前記被写体を第1の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第1の画像を生成する第1の撮影ステップと、前記第1の撮影ステップによって撮影された前記被写体を、前記第1の撮影モードとは異なる第2の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第2の画像を生成する第2の撮影ステップとを含み、前記第2の撮影ステップは、前記第1の撮影ステップによって前記被写体を撮影したときに前記第1の撮影ステップで使用した情報であって、前記第1の撮影ステップによって生成された第1の画像の特徴量から導出される情報である設定情報を用いて、前記被写体を撮影する構成である。
【0050】
したがって、互いに異なる2種類の撮影モードで被写体を少なくとも2回撮影し、一方の撮影モードで撮影することにより得た設定情報を他方の撮影モードにおける撮影で使用できるため、当該他方の撮影モードのみで撮影することによって生じる欠点を、当該設定情報で補うことができ、これにより望ましい撮影画像を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した撮影装置の動作例の概要を表す概略図である。
【図3】図1に示した撮影装置の外観例を表し、(a)は被写体を撮影する際に当該被写体へ向ける面の外観、(b)は被写体を撮影する際にユーザへ向ける面の外観を表した模式図である。
【図4】図1に示した撮影装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図5】本発明の異なる実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】複数の撮影部が、図5に示した撮影装置の側面に所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されていることにより生じる撮影領域の違い、および表示部に表示される焦点位置を示す画像の、当該表示部の表示面におけるずれを表した模式図である。
【図7】撮影部で撮影した撮影画像と、別の撮影部で撮影した撮影画像とを被写体が重複するように重ね合わせ、当該重複部分において2枚の撮影画像のアスペクト比と同一になる所定の部分の一例を示した模式図である。
【図8】図5に示した撮影装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図9】本発明のさらに異なる実施形態に係る撮影装置の要部構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0052】
以下、本発明の実施の形態について、図1〜図4に基づいて詳細に説明する。なお、1つの符号にa、b、またはcが付されることにより複数存在することが明示されている構成については、説明を簡潔に記述するために、これらを省略して当該構成を総称することがある(例えば、撮影画像1a、1b、および1cを、「撮影画像1」と総称することがある)。
【0053】
〔撮影装置100の概要〕
図2に基づいて、本実施の形態に係る撮影装置100の概要について説明する。図2は、撮影装置100の動作例の概要を表す概略図である。本実施の形態に係る撮影装置100は、2つの撮影部11aおよび11bを備えた、いわゆる「二眼カメラ」である。ユーザが暗部で被写体9の撮影を行う場合、撮影装置100は以下の3つのステップで撮影処理を実行する。
【0054】
まず、撮影装置100は、(1)超高感度モード(第1の撮影モード)で撮影を行う撮影部(第1の撮影手段)11aに被写体9を撮影させる。ここで、「超高感度モード」とは、撮影装置100が、撮影部11が備える撮影素子13(一般には「受像素子」または「撮像素子」ともいう)の感度を、被写体の認識を優先させる感度にまで高めて撮影するモードをいう。超高感度モードの撮影で得られた撮影画像(第1の画像)1aには多くのノイズが含まれるため画質が悪いが、通常の撮影(撮影素子の感度を高めない撮影)に比べてコントラスト(第1の画像の特徴量)3が明瞭に現れる。なお、超高感度モードでは、後述する画質優先モードより、撮影素子13の感度が高い。
【0055】
次に、撮影装置100は、(2)超高感度モードの撮影によって通常より明瞭に得られたコントラスト3から撮影条件2を算出し、算出結果を撮影部(第2の撮影手段)11bへ伝達する。なお、撮影条件2は、撮影部11aから被写体9までの距離と、被写体9の輝度とを少なくとも含む。
【0056】
最後に、撮影装置100は、(3)伝達された撮影条件2から設定情報4を決定し、画質優先モード(第2の撮影モード)で撮影を行う撮影部(第2の撮影手段)11bに当該設定情報を設定して、当該撮影部に被写体9を再度撮影させる。撮影装置100は、この撮影により生成された撮影画像(第2の画像)1bを、最終的な画像として記憶部50に格納する。
【0057】
ここで、設定情報4は、撮影条件2から算出可能な撮影部11bの被写体9に対する焦点および露光を示す情報を少なくとも含む。また、「画質優先モード」とは、撮影装置100が、撮影部11が備える撮影素子13の感度を、撮影画像1bの画質が高くなる感度にして撮影するモードをいう。撮影画像1bは撮影画像1aより高画質である。
【0058】
以上を簡潔にまとめると、本実施の形態に係る撮影装置100は、通常とは異なるモード(超高感度モード)で撮影することにより得た撮影条件2を、撮影部11aと撮影部11bとで共有することにより、一方のモード(画質優先モード)が有する欠点(画質を重視すると暗部でAFできないこと)を当該異なるモードが有する長所(画質を考慮しない超高感度撮影であればAFできること)で補完する。これにより、撮影装置100は、暗部においても「画質を考慮したAF撮影」を行うことができる。
【0059】
なお、以下では、撮影装置100に搭載されたAF機能は、コントラスト検出方式に基づいて焦点等の調整を行うとして説明するが、暗部で取得した撮影条件2または撮影画像1aに基づいて撮影部11bの焦点および露光を自動的に調整できさえすれば、その調整を行う方式は任意である。
【0060】
また、本発明は、通常のAF撮影だけでなく、顔認識AFやチェイスフォーカスを用いた撮影にも適用できる。
【0061】
また、前述した通り、本実施の形態に係る撮影装置100は、2つの撮影部11aおよび11bを備え、撮影部11aを超高感度モードで動作させ、撮影部11bを画質優先モードで動作させる。しかし、撮影装置100が互いに異なるモードに設定された撮影部を複数備える構成としたのは、あくまで説明を分かりやすくするための便宜であり、単一の撮影部を備える構成(撮影装置100が単眼のカメラである場合)によっても上記処理は実現可能であることに注意する。すなわち、撮影装置100は、上記2つの撮影モードを切り替えて当該撮影部を動作させることにより、上記(1)〜(3)の撮影を行うこともできる。
【0062】
〔撮影装置100の外観〕
図3に基づいて、本実施の形態に係る撮影装置100の外観例について説明する。図3は、撮影装置100の外観例を表し、(a)は被写体を撮影する際に当該被写体へ向ける面の外観、(b)は被写体を撮影する際にユーザへ向ける面の外観を表した模式図である。図示のように、撮影装置100は、被写体へ向ける面に2つの撮影部11aおよび11bを備え、ユーザへ向ける面に撮影画像1bを表示するための表示部40を備える。
【0063】
また、撮影装置100は、筐体の上部にシャッタレリーズボタン20aを備える。ユーザがシャッタレリーズボタン20aを半押しすると、撮影制御部12bが撮影素子13bに設定情報4(焦点および露光)を設定し、その設定を維持した状態になる(AFロック機能が動作する)。このとき、撮影部11bから逐次出力される撮影画像1bが、表示部40に表示される。そして、ユーザが撮影の構図を決めた後にシャッタレリーズボタン20aを全押しすると、撮影画像1bが記憶部50に記憶される。
【0064】
なお、上記の外観および操作は例示であることに注意する。すなわち、表示部40の大きさやシャッタレリーズボタン20aの設置位置、半押し・全押し操作に対する機能の割り当てなどは、図示の態様および上記の記載に限定されない。例えば、撮影装置100の側面にボタンを2つ設置し、それぞれにAFロック機能の動作と撮影とを割り当てることにしてもよい。
【0065】
また、シャッタレリーズボタン20aは、同図に示されるボタン等(ハードウェアインターフェース)でなくともよい。例えば、表示部40がタッチパネルを備えた液晶画面である場合、ユーザはこの液晶画面に表示されたソフトウェアキーに接触することで、上記の半押し、全押しと同等の操作を行うことができるようにしてもよい。
【0066】
以下では、ユーザがシャッタレリーズボタン20aを半押しする操作を「ユーザ操作5a」、全押しする操作を「ユーザ操作(所定の操作)5b」と称する。なお、前述のように、ユーザ操作5aによりAFロック機能が動作し、ユーザ操作5bにより撮影画像1bが記憶部50に記憶される。
【0067】
〔撮影装置100の構成〕
図1に基づいて、本実施の形態に係る撮影装置100の構成について説明する。図1は、撮影装置100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、撮影装置100は、制御部10、撮影部11、コントラスト検出部14、撮影条件算出部(算出手段)15、入力部20、表示制御部30、表示部40、および記憶部50を含む。
【0068】
また、撮影部11aは撮影制御部12aおよび撮影素子13aを含み、撮影部11bは撮影制御部12bおよび撮影素子13bを含む。撮影条件算出部15は、距離算出部16および輝度算出部17を含む。
【0069】
なお、本実施の形態に直接関係のない部分(例えば、フラッシュを点灯させる機能やGPS情報を取得する機能などを実現する部分)は、記載の簡潔性を担保する観点から、構成の説明およびブロック図から省略した。なお、説明を省略することが、本実施の形態に係る構成に当該省略した構成が含まれ得ないことを意味するわけではない。すなわち、実施の実情に則して、本実施の形態に係る撮影装置100は当該省略した構成を含んでもよい。
【0070】
以下より、制御部10、撮影部11(撮影制御部12、撮影素子13)、コントラスト検出部14、撮影条件算出部15(距離算出部16、輝度算出部17)、その他の構成(入力部20、表示制御部30、表示部40、記憶部50)の順序で各構成が担う機能を説明する。
【0071】
(制御部10)
制御部10は、ユーザ操作5または撮影条件算出部15の処理に応じて、撮影部11および表示制御部30を制御する。すなわち、制御部10は、入力部20を介したユーザ操作5aの入力を検出した場合に、超高感度モードに設定した撮影部11aを動作させ、撮影条件算出部15が撮影条件2を算出した場合に、画質優先モードに設定した撮影部11bを動作させる。また、制御部10は、ユーザ操作5bの入力を検出した場合に、当該ユーザ操作を検出した時点で表示制御部30に入力されていた撮影画像1bを記憶部50に記憶させる。
【0072】
(撮影部11)
撮影部11は、撮影画像1(被写体9を撮影して得られる画像をいう)を出力する。撮影装置100で想定する前述した撮影モード(超高感度モード、画質優先モード)で撮影できさえすれば、撮影部11はいかなる機器等でもよい。
【0073】
撮影制御部12aは、制御部10からの動作指示(具体的には、ユーザ操作5aが入力されたことを示す信号)を受けると、撮影素子13aに設定情報4を設定して被写体9を撮影する。そして、この撮影により生成された撮影画像1aをコントラスト検出部14へ出力する。また、設定情報4を記憶部50に格納する。
【0074】
一方、撮影制御部12bは、制御部10からの記録指示(具体的には、ユーザ操作5bが入力されたことを示す信号)を受けると、撮影条件算出部15から入力された撮影条件2から設定情報4を生成し、これを撮影素子13bに設定する。すなわち、撮影制御部12bは、設定情報4に含まれる焦点を示す情報にしたがって撮影素子13bの被写体9に対する焦点を合わせるとともに、露光を示す情報にしたがって撮影素子13bの露光を調整する。ここで、撮影条件2から設定情報4を生成する方法には、従来から周知の方法を用いる。そして、撮影制御部12bは被写体9を撮影し、この撮影により生成された撮影画像1bを表示制御部30に出力する。
【0075】
なお、撮影制御部12aおよび12bは、DSP(digital signal processor)等で構成される。
【0076】
撮影素子13は、外部から光を入射して撮影画像1を形成する受像素子(撮像素子)であり、例えば一般的なCCD(charge-coupled device)やCMOS(complementary metal oxide semiconductor)などでよい。撮影素子13は、撮影制御部12から入力される設定情報4にしたがって、少なくとも焦点および露光を調整し、撮影画像1を撮影制御部12へ出力する。
【0077】
なお、前述したように、撮影部11aは超高感度モードで、撮影部11bは画質優先モードで撮影を行うように設定されている。また、撮影装置100は、撮影部11、撮影制御部12、および撮影素子13を2つずつ備えた構成としているが、超高感度モードと画質優先モードとを独立して使用できる構成でありさえすればよく、撮影装置100に含まれる撮影部11の数は、単数であっても3以上の複数であっても構わない。
【0078】
撮影装置100が単一の撮影部11(撮影制御部12、撮影素子13)を備えた場合、ユーザ操作5aの入力を検出した制御部10が、撮影制御部12を超高感度モードで被写体9を撮影させる。後述する撮影条件算出部15が、当該撮影で生成された撮影画像1aの特徴量から撮影条件2を算出し、これを撮影部11へ入力する。制御部10は、撮影制御部12を画質優先モードで被写体9を撮影させ、生成された画像を記憶部50に記憶させる。
【0079】
(コントラスト検出部14)
コントラスト検出部14は、撮影画像1aに含まれるRGB信号から被写体9のコントラスト3を検出する。ここで、撮影部11aによる撮影画像1aの取得とコントラスト検出部14によるコントラスト3の検出とは、所定の条件が満たされるまで繰り返されることに注意する。すなわち、撮影部11aおよびコントラスト検出部14は、設定情報4をサンプリングし、得られた撮影画像1aのコントラスト3を検出する一連の処理を繰り返すことにより、コントラスト3の最大値を特定する。コントラスト検出部14は、特定した最大のコントラスト3を撮影条件算出部15へ出力する。
【0080】
(撮影条件算出部15)
撮影条件算出部15は、コントラスト検出部14から入力されたコントラスト3に基づいて、撮影部11aが被写体9を撮影したときの撮影条件2を算出し、これを撮影制御部12bへ出力する。なお、前述したように、撮影条件2は、撮影部11aから被写体9までの距離と被写体9の輝度とを少なくとも含む。
【0081】
距離算出部16は、コントラスト検出部14から入力されたコントラスト3から、撮影部11aから被写体9までの距離を算出する。
【0082】
輝度算出部17は、コントラスト検出部14から入力されたコントラスト3から、被写体9の輝度を算出する。
【0083】
(その他の構成)
入力部20は、ユーザ操作5を受け付ける。ユーザからの入力を受け付けるインターフェースであれば、具体的な機器に限定されない。例えば、図3の外観図を参照して説明したシャッタレリーズボタン20aでもよい。または、撮影装置100に備えられたその他のボタン、キーボード、マウスなど、一般的な入力インターフェースであってもよい。
【0084】
なお、ユーザが入力に使用するインターフェースは、物理的なボタン等を備えたハードウェアインターフェースでなくともよい。例えば、表示部40がタッチパネルを備えた液晶画面である場合、ユーザはこの液晶画面に表示されたソフトウェアキーに入力部20として接触することで、撮影装置100にユーザ操作5を与えてもよい。
【0085】
表示制御部30は、撮影部11bが出力する撮影画像1bを、表示部40で表示可能な形式にしたがう表示データに変換する。これにより、撮影画像1bを表示部40に表示する。ここで、表示制御部30は、撮影画像1bを表示データへ形式変換できるものであればよく、例えば一般のディスプレイアダプタでよい。
【0086】
このとき、表示制御部30は、撮影画像に含まれるガンマ値を調整して表示部40へ表示してもよい。これにより、ユーザが視認しやすいように撮影画像を表示できる。ただし、ノイズだらけになることを防ぐために、超高感度モードと同程度になるほどには、表示制御部30はガンマ値を調整しない。
【0087】
また、表示制御部30は、制御部からの記憶指示を受けて、制御部10がユーザ操作5bの入力を検出した時点で表示制御部30に入力されていた撮影画像1bを記憶部50に格納する。ここで、表示制御部30は、撮影画像1bに対してもガンマ値の調整を行ってもよい。ただし、余計なノイズが混入することを防ぐために、その補正量は小さくすることが望ましい。
【0088】
さらに、表示制御部30は、撮影部11aが記憶部50へ格納した設定情報4を読み出し、設定情報4に含まれる被写体9に対する焦点を示す情報から、一意に定まる表示部40の表示面における位置に、焦点位置(被写体に対する焦点を示す情報)を示す画像(所定の図形、いわゆる「フォーカス枠」のこと)8を表示する。なお、焦点位置を示す画像8は、図6を参照して後述するように、例えば十字の図形である(この場合、十字の交点が焦点位置を示す)が、焦点位置が分かりやすい図形であればどのような図形であってもよい。
【0089】
表示部40は、撮影画像1bを表示する装置である。表示機能を有する装置であればハードウェアの種類は限定されず、例えばLCD(Liquid Crystal Display)、PDP(Plasma Display Panel)、EL(Electroluminescence)ディスプレイなどの表示素子と、表示制御部30から入力を受けた表示データに基づいて表示素子を駆動するドライバ回路とを備える装置等で構成できる。
【0090】
記憶部50は、撮影部11によって撮影された撮影画像1、表示部40へ出力する前に一時保存すべき撮影画像1b、画質調整のためのパラメータ、その他の撮影装置100の動作に必要な各種データ等を記憶する不揮発性の記憶装置であり、例えば半導体メモリ、ハードディスク、DVD(Digital Versatile Disk)等で構成できる。なお、本実施の形態では、記憶部50が撮影装置100に内蔵される機器として図1に示しているが、撮影装置100の外部に接続された外部の記憶装置として実現されてもよい。
【0091】
また、図1では、撮影装置100が記憶装置として記憶部50を1つだけ備え、各構成がすべての情報を記憶部50に記憶させるように表現しているが、撮影装置100が複数の記憶装置を備え、各構成が必要に応じて所定の記憶装置を使い分ける構成としてもよい。例えば、実施の形態3で後述するように、表示制御部30が画像メモリと接続されており、表示部40に出力する前の撮影画像1を当該画像メモリに一時保存しておくこともできる。あるいは、制御部10が、各種の処理に必要な情報を保存するためのRAM(Random Access Memory)を備えていてもよい。
【0092】
〔撮影装置100が実行する処理〕
図4に基づいて、撮影装置100が実行する処理の流れを説明する。図4は、撮影装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0093】
まず、制御部10は、撮影装置100の初期化を行う(ステップ1:以下、S1のように略記する)。ここで、初期化は、撮影装置100の電源が投入されたときに行う処理であり、例えば起動時の撮影モードの確認処理や、その他の撮影機能を起動するための処理を行う。なお、ここでは、起動時の撮影モードが「暗部においても画質を考慮したAF撮影を行うモード(超高感度AFロックモード)」であるものとして説明を進める。なお、起動時の撮影モードは記憶部50に記憶されているものとする。そして、この初期化処理が完了すれば(S2においてYES)、制御部10はユーザによる撮影操作(ユーザ操作5a)を待機する(S3)。
【0094】
制御部10が撮影操作を検出した場合(S3においてYES)、制御部10は超高感度モードに設定された撮影部11aを動作させ、被写体9の撮影を行う(S4、第1の撮影ステップ)。具体的には、撮影制御部12aが制御部10からの動作指示を受けると、撮影制御部12aは、撮影素子13aに設定情報4を設定する。撮影素子13aは、撮影制御部12aから入力される設定情報4にしたがって、少なくとも焦点および露光を調整し、撮影画像1aを撮影制御部12aへ出力する。撮影制御部12aは、撮影により得られた撮影画像1aをコントラスト検出部14へ出力する。
【0095】
次に、コントラスト検出部14は、撮影制御部12aから入力された撮影画像1aに含まれるRGB信号から被写体9のコントラスト3を検出し、これを撮影条件算出部15へ出力する(S5)。撮影条件算出部15は、コントラスト検出部14から入力されたコントラスト3に基づいて、撮影部11aが被写体9を撮影したときの撮影条件2を算出し、これを撮影制御部12bへ出力する(S6、S7)。より具体的には、距離算出部16が、コントラスト検出部14から入力されたコントラスト3から、撮影部11aから被写体9までの距離を算出し(S6)、輝度算出部17が、コントラスト検出部14から入力されたコントラスト3から、被写体9の輝度を算出する(S7)。
【0096】
そして、制御部10は、撮影条件算出部15が撮影条件2を算出したとき、画質優先モードに設定した撮影部11bを動作させ、被写体9の撮影を行う(S8、第2の撮影ステップ)。具体的な撮影処理は、上記の撮影部11aの場合と同様である。ただし、撮影制御部12bが撮影素子13bに設定する設定情報4は、撮影部11aによる撮影で、撮影画像1aのコントラスト3が最大になったときの設定情報であることに注意する。
【0097】
最後に、制御部10は、ユーザによる撮影の操作(ユーザ操作5b)を待機する(S9)。制御部10が上記操作を検出した場合(S9においてYES)、制御部10は、上記操作の入力を検出した時点で表示制御部30に入力されていた撮影画像1bを記憶部50に記憶させる(S10)。
【0098】
〔撮影装置100により奏される効果〕
撮影装置100によれば、互いに異なる2種類の撮影モードで被写体を少なくとも2回撮影し、一方の撮影モードで撮影することにより得た設定情報を他方の撮影モードにおける撮影で使用できるため、当該他方の撮影モードのみで撮影することによって生じる欠点を、当該設定情報で補うことができ、これにより望ましい撮影画像を得ることができる。
【0099】
具体的には、撮影装置100は超高感度モードで被写体9を撮影することにより、暗部においても当該撮影装置から被写体9までの距離および被写体9の輝度を撮影条件2として算出でき、この撮影条件2を画質優先モードにしたがう撮影で使用する。これにより、撮影装置100は、暗部においても画質を考慮したAF撮影を行うことができるという効果を奏する。
【0100】
〔実施の形態2〕
以下、本発明の他の実施の形態について、図5〜図8に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、前述した実施の形態1に追加される構成のみについて説明する。すなわち、実施の形態1で記載された構成等は、実施の形態2にも含まれる。さらに、実施の形態1で記載した用語の定義についても同じである。
【0101】
〔撮影装置200の概要〕
図6、7に基づいて、本実施の形態に係る撮影装置200の概要を説明する。図6は、撮影部11aと11bとが撮影装置200の側面に所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されていることにより生じる撮影領域の違い、および表示部40に表示される焦点位置を示す画像8の、当該表示部の表示面におけるずれを表した模式図である。
【0102】
図7は、撮影部11aで撮影した撮影画像1aと、撮影部11bで撮影した撮影画像1bとを被写体9が重複するように重ね合わせ、当該重複部分において撮影画像1a、1bのアスペクト比と同一になる所定の部分(重複した領域の一部または全部)7の一例を示した模式図である。
【0103】
図6に示すように、撮影部11aと11bとは、撮影装置200の側面に所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されている。これにより、撮影部11aと11bとの画角が互いに異なるため、撮影領域が異なる(所定間隔に応じた差異が生じる)。したがって、表示部40において、撮影部11aによる撮影で特定した焦点位置を示す画像8aを、撮影部11bによる撮影で得られた撮影画像1bに重畳表示すると、撮影部11bに設定された真の焦点位置ではなく、当該焦点位置からずれた焦点位置を示す画像8bが表示される。この不具合を解決するための方法として、以下の2つが考えられる。
【0104】
第一に、焦点位置を示す画像8aおよび8bの表示部40における表示位置が一致するように、焦点位置を示す画像8bの表示位置を補正する方法が考えられる。すなわち、撮影装置100の側面における撮影部11aおよび11bの設置場所の位置関係が決まれば、焦点位置を示す画像8bの表示位置の補正量および補正方向は一意に決まるため、例えば記憶部50にあらかじめ補正量および補正方向を記憶しておけば、これを読み出して補正できる。
【0105】
第二に、撮影画像1aと撮影画像1bとの重複部分を切り出して新たな画像(調整後の第2の画像)を生成し、これを表示部40に表示する方法が考えられる。すなわち、図7に示すように、例えば撮影画像1aまたは1bのアスペクト比と同一となるように重複部分から画像を切り出して表示部40に表示すれば、焦点位置を示す画像8aと8bとは一致する。
【0106】
〔撮影装置200の構成〕
図5に基づいて、本実施の形態に係る撮影装置200の構成について説明する。図5は、撮影装置200の要部構成を示すブロック図である。図示のように、撮影装置200は、制御部10、撮影部11、コントラスト検出部14、撮影条件算出部15、入力部20、表示制御部30、表示部40、記憶部50、および画像補正部60を含む。
【0107】
また、撮影部11aは撮影制御部12aおよび撮影素子13aを含み、撮影部11bは撮影制御部12bおよび撮影素子13bを含む。撮影条件算出部15は、距離算出部16および輝度算出部17を含む。画像補正部60は、ファインダー表示補正部(指標補正手段)61および領域補正部(領域補正手段)62を含む。
【0108】
なお、前述と同様に、本実施の形態に直接関係のない部分は構成の説明およびブロック図から省略した。また、前述した撮影装置100に含まれる構成と同一の構成には同一の符号を付すことにより説明を省略するため、以下では画像補正部60(ファインダー表示補正部61、領域補正部62)が担う機能のみを説明する。
【0109】
画像補正部60は、上記の概要で説明した第一の方法または第二の方法により、上記の不具合を解決する。すなわち、ファインダー表示補正部61が第一の方法、領域補正部62が第二の方法により、上記の不具合を解決する。なお、本実施の形態では、撮影装置200がファインダー表示補正部61および領域補正部62の両方を備えた構成として説明しているが、上記の不具合を解決するためには、いずれか一方の構成を備えていれば足りるため、撮影装置200が両方を備えている必要はない。
【0110】
ファインダー表示補正部61は、撮影部11aが撮影のために使用する撮影素子13aと、撮影部11bが撮影のために使用する撮影素子13bとの、撮影装置200の側面における設置場所の位置関係に基づいて、焦点位置を示す画像8の表示部40における表示位置のずれを補正する。
【0111】
すなわち、上記設置場所の位置関係は所与である(例えば、撮影装置200の外部形状等を設計する段階で決まる)ため、ファインダー表示補正部61は、当該位置関係から一意に定まる方向(設置場所の位置関係から定まる方向)および長さ(所定間隔から定まる長さ)に応じて、焦点位置を示す画像8の表示位置を補正するための補正信号を表示制御部30へ出力する。このとき、撮影制御部12bから入力された撮影画像1bも、同時に表示制御部30へ出力する。表示制御部30は、撮影画像1bを表示するとともに、当該補正信号にしたがって焦点位置を示す画像8の表示位置を補正して表示する。
【0112】
領域補正部62は、撮影部11aの撮影領域と撮影部11bの撮影領域との差異から生じる、撮影画像6aと撮影画像6bとのずれを補正した撮影画像(調整後の第2の画像)1cを生成し、表示制御部30へ出力する。
【0113】
〔撮影装置200が実行する処理〕
図8に基づいて、撮影装置200が実行する処理の流れを説明する。図8は、撮影装置200が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0114】
ここで、撮影装置200が実行する処理は、図4を参照して説明した撮影装置100が実行する処理と大部分が同一であり、同一の処理については同一の符号を付すことにより説明を省略する。したがって、以下ではファインダー表示補正部61および領域補正部62が実行する処理(図8においてS11、S12)のみ説明する。
【0115】
画像補正部60(ファインダー表示補正部61または領域補正部62)は、撮影部11bから撮影画像1bが入力されると、焦点位置を示す画像8の表示部40における表示位置のずれを補正する(S11、S12)。
【0116】
なお、前述したように、表示部40に表示されるフォーカス枠を補正するためには、ファインダー表示補正部61によるS11、または領域補正部62によるS12のいずれか一方を実行するだけで足りる。すなわち、上記の説明および図8では、記載を簡潔にするために、一連の処理の中で両方が実行されるように表現したが(すなわち、図8では、S11の後にS12が実行されるように表したが)、S11またはS12のいずれかを行わないようにしてもよい。
【0117】
〔撮影装置200により奏される効果〕
撮影装置200が複数の撮影部11を備える場合、撮影装置200における設置場所の差異が原因で、表示部40に表示される焦点位置を示す画像8が正しい位置からずれる場合であっても、撮影装置200は当該画像を上記正しい位置に補正して表示部40に表示できるという効果を奏する。
【0118】
〔実施の形態3〕
以下、本発明のさらなる他の実施の形態について、図9に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態では、実施の形態1で説明した撮影装置100、または実施の形態2で説明した撮影装置200と、同等の機能を有する撮影装置300を想定する。すなわち、本実施の形態に係る撮影装置300は、撮影装置100または撮影装置200の異なる実現例に相当し、本質的な機能は変わらない。
【0119】
図9に基づいて、本実施の形態に係る撮影装置300の構成について説明する。図9は、撮影装置100または撮影装置200と同等の機能を有する撮影装置300の要部構成を示すブロック図である。撮影装置300は、画質制御部(制御部10)、カメラDSP1(撮影制御部13a)、カメラDSP2(撮影制御部13b)、カメラ1(撮影素子12a)、カメラ2(撮影素子12b)、画質調整データベース部(記憶部50)、AFロックデータ連携部、AFロック処理部(コントラスト検出部13、撮影条件算出部14)、CPUおよびRAM(制御部10)、カメラ機能制御部(制御部10)、不揮発メモリ(記憶部50)、表示制御部(表示制御部30)、画像メモリ(記憶部50)、ファインダー表示部(表示部40)、ファインダー表示補正部(画像補正部60、ファインダー表示補正部61)、電源I/F(入力部20)、操作部(入力部20)、メモリ記録部(記憶部50)、および記録メディア(記憶部50)を含む。
【0120】
電源I/Fを押下することにより、撮影装置300が起動する。ここで、不揮発メモリに保存された撮影設定に関する情報が、「超高感度AFロックモード」が有効であることを示す場合、上記の各構成は次のように動作する。
【0121】
カメラ機能制御部は、一方のカメラに対して超高感度モードでの撮影の設定を行うべく、カメラDSP1に対して超高感度モードの設定指示を出す。カメラDSP1は、カメラ1を超高感度モードで動作させ、そこで得られる画像情報(撮影画像1a)をAFロック処理部へ入力する。
【0122】
AFロック処理部は、当該画像情報をもとにAFロック設定情報(撮影条件2)を生成し、AFロックデータ連携部に入力する。これらの処理とともに、カメラ機能制御部は、もう一方のカメラに対して、画質優先モードでの撮影の設定を行うべく、カメラDSP2に対して画質優先モードの設定指示を出す。
【0123】
カメラDSP2は、カメラ2を画質優先モードで動作させるとともに、AFロックデータ連携部のAFロック情報(撮影条件2)を参照し、被写体の焦点および露光合わせを行い、撮影画像を生成する。そこで得られた撮影画像はファインダー画面(表示部40)に表示され、ユーザに超高感度AFロック撮影画像(撮影画像1b)として提示される。
【0124】
〔その他の変形例〕
前述したように、本発明に係る撮影装置は、単一の撮影部11を超高感度モードと画質優先モードとを切り替えて動作させることにより、実施の形態1〜3でそれぞれ説明した撮影装置100、200、300と同等の技術的効果を発揮する。この場合、本発明に係る撮影装置は、以下のようにも表現できる。
【0125】
すなわち、被写体を撮影する撮影装置であって、前記被写体を第1の撮影モードで撮影する場合は前記被写体の第1の画像を生成し、前記第1の撮影モードとは異なる第2の撮影モードで撮影する場合は前記被写体の第2の画像を生成する撮影手段を備え、前記撮影手段は、前記第1の撮影モードで撮影した後に、当該撮影によって生成された第1の画像の特徴量から導出される設定情報を用いて、前記第2の撮影モードで撮影することによって第2の画像を生成することを特徴とする撮影装置。
【0126】
このとき、前記設定情報は、前記撮影手段が前記第1の撮影モードで撮影したときの、前記被写体に対する焦点および露光を示す情報を含み、前記撮影手段は、前記第2の撮影モードで撮影するときは、前記設定情報に含まれる前記焦点を示す情報にしたがって前記被写体に対する焦点を合わせるとともに、前記露光を示す情報にしたがって露光を調整する。
【0127】
また、前記撮影装置は、前記第1の画像の特徴量から、前記撮影装置から前記被写体までの距離と前記被写体の輝度とを算出する算出手段をさらに備え、前記撮影手段は、前記第2の撮影モードで撮影するときに、前記算出手段によって算出された前記距離および前記輝度から前記設定情報を決定する。
【0128】
また、前記撮影装置は、前記撮影手段が前記第2の撮影モードで撮影することにより生成された第2の画像を表示部に表示してもよく、前記設定情報は、前記撮影手段が前記第1の撮影モードで撮影したときの、前記被写体に対する焦点を示す情報を少なくとも含んでいてもよい。
【0129】
〔各実施の形態に含まれる構成(技術的手段)の組み合わせについて〕
上述した実施の形態1−3に含まれる構成は、適宜組み合わせられることに注意する。すなわち、上記の実施の形態1−3で説明したすべての構成は、当該説明に係る実施の形態のみならず、他の実施の形態においても当該構成の全部または一部を組み合わせて利用でき、それによって得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0130】
さらに換言すれば、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0131】
〔ソフトウェアによる実現例〕
最後に、撮影装置100、撮影装置200、撮影装置300の各ブロックは、集積回路(ICチップ)上に形成された論理回路によってハードウェア的に実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェア的に実現してもよい。
【0132】
後者の場合、撮影装置100、撮影装置200、撮影装置300は、各機能を実現するプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムを格納したROM(Read Only Memory)、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである撮影装置100、撮影装置200、撮影装置300の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、撮影装置100、撮影装置200、撮影装置300に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0133】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ類、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク類、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード類、マスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ類、あるいはPLD(Programmable logic device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の論理回路類などを用いることができる。
【0134】
また、撮影装置100、撮影装置200、撮影装置300を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークは、プログラムコードを伝送可能であればよく、特に限定されない。例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、この通信ネットワークを構成する伝送媒体も、プログラムコードを伝送可能な媒体であればよく、特定の構成または種類のものに限定されない。例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、IEEE802.11無線、HDR(High Data Rate)、NFC(Near Field Communication)、DLNA(Digital Living Network Alliance)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0135】
本発明は、オートフォーカス機能を有する撮影装置に適用できる。特に、コントラスト検出方式に基づくオートフォーカス機能を有するデジタルカメラに好適に適用できる。
【符号の説明】
【0136】
1a 撮影画像(第1の画像)
1b 撮影画像(第2の画像)
1c 撮影画像(調整後の第2の画像)
2 撮影条件(被写体までの距離、被写体の輝度)
3 コントラスト(第1の画像の特徴量)
4 設定情報(設定情報、被写体に対する焦点および露光を示す情報)
5a ユーザ操作
5b ユーザ操作(所定の操作)
7 所定の部分(重複した領域の一部または全部)
8a 焦点位置(被写体に対する焦点を示す情報)を示す画像(所定の図形)
8b 焦点位置(被写体に対する焦点を示す情報)を示す画像(所定の図形)
9 被写体
11a 撮影部(第1の撮影手段)
11b 撮影部(第2の撮影手段)
15 撮影条件算出部(算出手段)
40 表示部
50 記憶部
61 ファインダー表示補正部(指標補正手段)
62 領域補正部(領域補正手段)
100 撮影装置
200 撮影装置
300 撮影装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影装置であって、
前記被写体を第1の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第1の画像を生成する第1の撮影手段と、
前記第1の撮影手段によって撮影された前記被写体を、前記第1の撮影モードとは異なる第2の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第2の画像を生成する第2の撮影手段とを備え、
前記第2の撮影手段は、前記第1の撮影手段によって前記被写体を撮影したときに前記第1の撮影手段に設定された情報であって、前記第1の撮影手段によって生成された第1の画像の特徴量から導出される情報である設定情報を用いて、前記被写体を撮影することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
前記設定情報は、前記第1の撮影手段の前記被写体に対する焦点および露光を示す情報を含み、
前記第2の撮影手段は、前記設定情報に含まれる前記焦点を示す情報にしたがって前記第2の撮影手段の前記被写体に対する焦点を合わせるとともに、前記露光を示す情報にしたがって前記第2の撮影手段の露光を調整することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
前記第1の画像の特徴量から、前記撮影装置から前記被写体までの距離と前記被写体の輝度とを算出する算出手段をさらに備え、
前記第2の撮影手段は、前記算出手段によって算出された前記距離および前記輝度から前記設定情報を決定することを特徴とする請求項1または2に記載の撮影装置。
【請求項4】
前記第1の撮影モードは、前記被写体の認識を優先させる感度で、前記被写体を撮影するモードであり、
前記第2の撮影モードは、前記被写体の第2の画像の画質を優先させる感度で、前記被写体を撮影するモードであることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項5】
前記第2の撮影手段により生成された第2の画像を表示部に表示することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項6】
前記第2の画像に含まれるガンマ値を調整して、当該調整後の第2の画像を前記表示部に表示することを特徴とする請求項5に記載の撮影装置。
【請求項7】
前記設定情報は、前記第1の撮影手段の前記被写体に対する焦点を示す情報を少なくとも含み、
前記焦点を示す情報から定まる前記表示部の表示面における表示位置に、所定の図形を表示することを特徴とする請求項5または6に記載の撮影装置。
【請求項8】
前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段とは前記撮影装置の側面に所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されており、
前記設置場所の位置関係から定まる方向へ前記所定間隔から定まる長さだけ前記所定の図形を移動させることにより、当該図形の表示位置を補正する指標補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の撮影装置。
【請求項9】
前記第1の撮影手段と前記第2の撮影手段とは前記撮影装置の側面に所定間隔だけ離間した設置場所にそれぞれ設置されており、
前記第1の撮影手段の撮影領域と前記第2の撮影手段の撮影領域とに、前記所定間隔に応じた差異が生じることで、前記第1の画像と前記第2の画像とは一部の領域が重複しており、
前記第2の画像を、当該重複した領域の一部または全部からなる画像に補正する領域補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項7に記載の撮影装置。
【請求項10】
前記領域補正手段は、補正後の前記第2の画像のアスペクト比が、前記第1の画像のアスペクト比または補正前の前記第2の画像のアスペクト比と同一になるように、前記第2の画像を補正することを特徴とする請求項9に記載の撮影装置。
【請求項11】
ユーザから所定の操作を受け付けたとき、前記第2の画像を記憶部に格納することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の撮影装置。
【請求項12】
被写体を撮影する撮影装置の制御方法であって、
前記被写体を第1の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第1の画像を生成する第1の撮影ステップと、
前記第1の撮影ステップによって撮影された前記被写体を、前記第1の撮影モードとは異なる第2の撮影モードで撮影することにより前記被写体の第2の画像を生成する第2の撮影ステップとを含み、
前記第2の撮影ステップは、前記第1の撮影ステップによって前記被写体を撮影したときに前記第1の撮影ステップで使用した情報であって、前記第1の撮影ステップによって生成された第1の画像の特徴量から導出される情報である設定情報を用いて、前記被写体を撮影することを特徴とする撮影装置の制御方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか1項に記載の撮影装置を動作させるための制御プログラムであって、コンピュータを前記各手段として機能させるための制御プログラム。
【請求項14】
請求項13に記載の制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−78090(P2013−78090A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−218366(P2011−218366)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】