説明

撮影装置および表示方法

【課題】マニュアルフォーカス操作にあたって、ピント合わせの使い勝手を向上させた撮影装置および表示方法を提供する。
【解決手段】マニュアルフォーカスモード(MFモード)か否かを判定し(S53)、MFモードであった場合には距離環が手動操作されたか否かを判定し(S59)、距離環が操作された場合には、コントラスト情報とレンズ情報に基づいて、表示拡大倍率を設定し(S61〜S65)、この設定された表示倍率で、ライブビュー表示を行う(S69)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影装置および表示方法に関し、詳しくは、マニュアルフォーカスが可能な撮影装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、マニュアルフォーカスモードを有するカメラが知られている。このカメラは、撮影レンズに設けられた距離環等のピント調節部材を手動で操作することにより、その操作方向および操作量に応じてフォーカスレンズを移動させピント合わせを行うことができる。また、マニュアルフォーカスモード付きのカメラにおいて、背面液晶表示部等にライブビュー画像を表示可能であれば、撮影者はライブビュー画像を見ながら、マニュアルフォーカスを行うことができる。
【0003】
このようなマニュアルフォーカス付きカメラにおいて、背面液晶表示部の画面表示が小さい場合には、ピントの調整度合いが分かり難く、ピント合わせが困難である。そこで、ピント調節部材を手動で操作すると、この操作に応じて、画像を拡大表示させるカメラが提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−118515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、撮影レンズのピントが大きく外れている場合や、マクロ撮影のように撮影倍率が高い場合には、ライブビュー画像をむやみに拡大表示しても、ピント合わせを行おうとする被写体の画面内の位置や被写体のどの部分を拡大している分かり難く、使い勝手がよくない。
【0006】
本発明は、このような事情を鑑みてなされたものであり、マニュアルフォーカス操作にあたって、ピント合わせの使い勝手を向上させた撮影装置および表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため第1の発明に係わる撮影装置は、被写体からの光束を結像させるための撮影光学系と、撮影者による操作に応じて、上記撮影光学系の焦点位置を変化させる手動焦点調節手段と、上記被写体からの光束に基づく画像を繰り返し取得する撮像手段と、上記撮像手段によって取得した画像に基づいて、被写体像のコントラストを検出するコントラスト検出手段と、上記撮像手段が取得した画像をライブ映像として表示する表示手段と、上記撮影光学系の光学的情報と、上記コントラスト検出手段によって検出された上記コントラストに基づいて、上記表示手段に表示される上記ライブ映像の拡大倍率を決定する表示制御手段と、を具備する。
【0008】
第2の発明に係わる撮影装置は、上記第1の発明において、上記光学的情報は、上記撮影光学系の焦点距離情報であり、上記表示制御手段は、上記撮影光学系の焦点距離情報と上記コントラストに基づいて、上記拡大倍率を決定する。
第3の発明に係わる撮影装置は、上記第1の発明において、上記光学的情報は、上記撮影光学系の撮影倍率に関連する情報であり、上記表示制御手段は、上記撮影光学系の撮影倍率に関連する情報と上記コントラストに基づいて、上記拡大倍率を決定する。
【0009】
第4の発明に係わる撮影装置は、上記第1の発明において、上記光学的情報は、上記撮影光学系に装着されたテレコンバータに関する情報であり、上記表示制御手段は、上記テレコンバータに関する情報と上記コントラストに基づいて、上記拡大倍率を決定する。
第5の発明に係わる撮影装置は、上記第1の発明において、上記光学的情報は、上記撮影光学系がマクロレンズであるか否かに関する情報であり、上記表示制御手段は、上記マクロレンズに関する情報と上記コントラストに基づいて、上記拡大倍率を決定する。
【0010】
第6の発明に係わる撮影装置は、上記第1の発明において、上記表示制御手段は、上記撮影光学系の光学的情報と、上記コントラスト検出手段によって検出された上記コントラストに基づいて、表示拡大率を求め、この求めた表示拡大率に応じた枠表示を表示する。
第7の発明に係わる撮影装置は、上記第1の発明において、上記撮影装置は、カメラ本体と、このカメラ本体に脱着可能なレンズユニットから構成され、上記レンズユニットは、上記撮影光学系と、上記手動焦点調節手段を有し、上記カメラ本体には、上記撮像手段、コントラスト検出手段、表示手段、および表示制御手段を有し、上記レンズユニットと上記カメラ本体の間は、通信手段によって接続され、上記カメラ本体は、上記通信手段を介して上記光学的情報を取得する。
【0011】
第8の発明に係わる表示方法は、距離環が手動操作されたか否かを判定し、距離環が操作された場合には、コントラスト情報とレンズ情報に基づいて、表示拡大倍率を設定し、この設定された表示倍率で、ライブビュー表示を行う。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、マニュアルフォーカス操作にあたって、ピント合わせの使い勝手を向上させた撮影装置および表示方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの電気系を主とする全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラのカメラ本体のメインフローを示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラのライブビュー動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの撮影動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの表示拡大倍率設定の動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの表示拡大倍率設定の動作の第1の変形例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの表示拡大倍率設定の動作の第2の変形例を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの表示拡大倍率設定の動作の第3の変形例を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第1実施形態におけるデジタルカメラの交換レンズのメインフローを示すフローチャートである。
【図10】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラにおいて、表示部に被写体のピントが合わない状態で表示されている様子を示す図である。
【図11】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラにおいて、表示部に被写体のピントが合った状態で表示されている様子を示す図である。
【図12】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラにおいて、表示部に被写体のピントが合い、かつ拡大状態で表示されている様子を示す図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラにおいて、コントラストと、焦点距離と、拡大倍率との関係を示す図である。
【図14】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの第1変形例において、コントラストと、撮影倍率と、拡大倍率との関係を示す図である。
【図15】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの第2変形例において、コントラストと、テレコンバータと、拡大倍率との関係を示す図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係わるデジタルカメラの第3変形例において、コントラストと、マクロレンズと、拡大倍率との関係を示す図である。
【図17】本発明の第2実施形態におけるデジタルカメラのライブビュー動作を示すフローチャートである。
【図18】本発明の第2実施形態に係わるデジタルカメラにおいて、表示部に被写体の拡大部分を示す枠表示を表示している様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を適用したカメラを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい実施形態に係わるデジタルカメラは、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を画像データに変換し、この変換された画像データに基づいて、本体の背面に配置した表示部に被写体像を動画でライブビュー表示するライブビューが表示機能を有している。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。また、撮影レンズ鏡筒にマニュアルフォーカス用の距離環が設けてあり、この距離環を操作することにより、手動でピント合わせを行うことができる。また、手動でピント合わせを行う際に、撮影レンズのコントラスト状態等、ライブビュー表示の状態に応じて、表示部における被写体像の拡大率を変化させる。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
【0015】
図1は、本発明の第1実施形態に係るデジタルカメラの電気系を主とする全体構成を示すブロック図である。本実施形態に係わるデジタルカメラは、交換レンズ100とカメラ本体200が別体で構成され、交換レンズ100はカメラ本体200の前面のマウント開口部(不図示)に着脱自在となっている。このマウント開口部を介して交換レンズ100内の撮影レンズ101a、101b(撮影レンズ101a、101bを撮影光学系101と総称する)によって形成される被写体光束がカメラ本体100内に導かれる。交換レンズ100をカメラ本体200に装着すると、通信接点300にて電気的に接続される。また、カメラ本体200内であって、マウント開口部の近傍には、着脱検知スイッチ259が設けられており、交換レンズ100とカメラ本体200の装着状態を検知することができる。
【0016】
交換レンズ100の内部には、焦点調節および焦点距離調節用の撮影光学系101と、開口量を調節するための絞り103が配置されている。撮影光学系は光学系駆動機構107によって駆動され、絞り103は絞り駆動機構109によって駆動される。光学駆動機構107によって駆動される撮影光学系101の位置は、光学位置検出機構105によって検出され、撮影光学系101の焦点調節レンズ位置(ピント位置)や焦点距離(ズーム位置)を検出することができる。また、交換レンズ100の周囲には、回動自在な距離環112が設けられており、この距離環112の回動方向(操作方向)および回動量(操作量)はエンコーダ110によって検出される。
【0017】
光学位置検出機構105、光学系駆動機構107、絞り駆動機構109、およびエンコーダ110は、それぞれレンズCPU111に接続されており、このレンズCPU111は通信接点300を介してカメラ本体200に接続されている。レンズCPU111は交換レンズ100内の制御を行うものであり、光学系駆動機構107を制御してピント合わせや、ズーム駆動を行うとともに、絞り駆動機構109を制御して絞り値制御を行う。
【0018】
また、レンズCPU111は、光学位置検出機構105によって検出された、焦点調節レンズ位置(ピント位置)や焦点距離に関するレンズ情報をカメラ本体200に送信する。また、レンズCPU111内または図示しない交換レンズ100内の電気的書き換え可能な不揮発性メモリには、交換レンズ100の焦点距離情報(ズームレンズの場合には、最短焦点距離および最長焦点距離)、開放絞り値、最小絞り値、撮影可能距離範囲(最至近距離を含む)、レンズの色バランス情報、収差情報、AFのための情報、マクロレンズやテレコンバータ等か否か、レンズの種類等のレンズ情報が記憶されている。また、絞りの絞り状態(開放絞り状態か絞り込状態か)、距離環112の操作状態(操作方向、操作量)等の交換レンズ100の状態に関する情報もレンズ情報である。これらのレンズ情報は、レンズCPU111より通信接点300を介してカメラ本体200に送信される。
【0019】
さらに、レンズCPU111は、絞り駆動機構109による絞り103の絞り込み完了や絞り開放完了、光学系駆動機構107によるレンズ駆動完了の情報も、カメラ本体200に送信する。
【0020】
カメラ本体200内であって、撮影光学系101の光軸上であって、撮影光路上には、露光時間制御および撮像素子221の遮光用のフォーカルプレーンタイプのシャッタ203が配置されている。このシャッタ203は、シャッタ駆動機構213によって駆動制御される。
【0021】
シャッタ203の後方には、撮像素子ユニット290が配置されている。撮像素子ユニット290は、防塵フィルタ205、赤外カットフィルタ209、光学的ローパスフィルタ210、撮像素子221を一体に構成したユニットであり、密封されたパッケージに一体に収納されており、塵埃がパッケージ内に侵入しないように構成されている。そして、撮像素子ユニット290は、ブレ補正機構260によって撮影光学系101の光軸と垂直なXY平面内で2次元的に変位される。
【0022】
ブレ補正機構260は、駆動源として圧電素子駆動モータ等からなるアクチュエータを備えており、撮像素子ユニット290を撮影光学系101の光軸と垂直なXY平面内で2次元的に変位する。カメラ本体200内には、ジャイロを利用した角速度センサ297aが配置されており、角速度センサ297aの出力は角速度検出回路297bに接続されている。角速度センサ297aは、カメラ本体200に生じたブレに応じたブレ信号を出力し、角度側検出回路297bはブレ信号を増幅し、AD変換する。
【0023】
角速度センサ297aと角速度検出回路297bによってブレ検出手段297が構成され、角速度検出回路297bの出力は、シーケンスコントローラ(以下、「ボディCPU」と称する)229に接続されている。ボディCPU229は、ブレ検出手段297によって検出されたブレ信号に基づいて、カメラ本体200のブレを打ち消すようなブレ制御信号を出力し、アクチュエータ駆動回路296はブレ補正駆動機構260内のアクチュエータに対して駆動信号を出力する。これによって、撮像素子221を撮影光学系101の光軸と垂直な方向に移動させ、カメラ本体200に加えられたブレを打ち消し、画像の劣化を防止する撮像素子シフト方式の手振れ補正動作を実行する。
【0024】
シャッタ203の後方には、撮像素子ユニット290を構成する防塵フィルタ205が配置されている。防塵フィルタ205は、カメラ本体200のマウント開口部や本体内部で発生した塵埃が撮像素子221や光学素子に付着し、塵埃の影が被写体像に写し込まれ、見苦しい画像となることを防止する。
【0025】
防塵フィルタ205の周縁部の全周または一部に、圧電素子207が固着されている。圧電素子207は防塵フィルタ駆動回路211に接続されている。圧電素子207は、防塵フィルタ駆動回路211の駆動信号に基づいて、防塵フィルタ205を所定周波数の超音波で振動させる。防塵フィルタ205が超音波で振動することにより、防塵フィルタ205の前面に付着した塵埃は除去される。
【0026】
防塵フィルタ205の後方には、被写体光束から赤外光成分をカットするための赤外カットフィルタ209が配置され、その後方には被写体光束から高周波成分を取り除くための光学的ローパスフィルタ210が配置されている。そして、光学的ローパスフィルタ210の後方には、撮像素子221が配置されており、撮影光学系101によって結像された被写体像をアナログ画像信号に光電変換する。本実施形態においては、撮像素子211としては、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の二次元固体撮像素子を使用できることはいうまでもない。
【0027】
撮像素子221は撮像素子駆動回路223に接続され、撮像素子駆動回路223は入出力回路239からの制御信号によって駆動制御される。撮像素子駆動回路223は、撮像素子221からアナログ画像信号を読み出し、この信号を増幅し、アナログデジタル変換(AD変換)等を行う。撮像素子駆動回路223の出力は、前処理回路225に接続されており、前処理回路225は、ライブビュー表示のための画素間間引処理等、種々の前処理を行う。
【0028】
前処理回路225の出力は、コントラストAF回路226に接続され、コントラストAF回路226は前処理回路225から出力される画像信号の高周波成分(コントラスト信号)の抽出を行う。コントラスト信号を抽出する画像の範囲は、シーケンスコントローラより指示を受け、AFターゲット、撮影画面全体、または拡大表示領域等の領域について抽出を行う。抽出したコントラスト信号はボディCPU229に出力する。
【0029】
前処理回路225の出力はASIC(Application Specific Integrated Circuit 特定用途向け集積回路)262内のデータバス261に接続される。このデータバス261には、画像処理回路227、ボディCPU229、圧縮伸張回路231、ビデオ信号出力回路233、SDRAM制御回路237、入出力回路239、通信回路241、記録媒体制御回路243、フラッシュメモリ制御回路247、スイッチ検知回路253が接続されている。なお、前述のコントラストAF回路226は、本実施形態においては、ASIC262の外側に配置したが、ASIC262内に配置するようにしても勿論かまわない。
【0030】
データバス261に接続された画像処理回路227は、前処理回路225から出力されたデジタル画像データのデジタル的増幅(デジタルゲイン調整処理)、色補正、ガンマ(γ)補正、コントラスト補正、白黒・カラーモード処理、ライブビュー表示用処理といった各種の画像処理を行う。また、画像処理回路227は、画像データを用いて、画像中に顔の部分が含まれているか否かを判定し、含まれている場合には、顔の位置や大きさを判定する。なお、顔検出は、専用のハードウエアを用いてもよい。また、画像データの輝度分布や彩度の判定も行う。
【0031】
データバス261に接続されているボディCPU229は、フラッシュメモリ249に記憶されているプログラムに従って、このデジタルカメラの動作を制御する。また、ボディCPU229は、前述したように、コントラストAF回路226からコントラスト信号を入力し、レンズCPU111を介して撮影光学系101からなる撮影光学系の自動焦点調節の制御を行う。
【0032】
また、データバス261に接続されている圧縮伸張回路231は、SDRAM238に記憶された画像データをJPEGやTIFFで圧縮する。なお、画像圧縮はJPEGやTIFFに限らず、他の圧縮方法も適用できる。
【0033】
データバス261に接続されているビデオ信号出力回路233は、液晶モニタ駆動回路235を介して背面液晶モニタ26とファインダ内液晶モニタ(図中F内液晶モニタと略記)29に接続される。ビデオ信号出力回路233は、SDRAM238または記録媒体245に記憶された画像データを、背面液晶モニタ26および/またはファインダ内液晶モニタ29に表示するためのビデオ信号に変換する。
【0034】
背面液晶モニタ26は、カメラ本体200の背面に配置されるが、撮影者が観察できる位置であれば、背面に限らないし、また液晶モニタに限らず有機EL等、他の表示装置でも構わない。ファインダ内液晶モニタ29は、ファインダ接眼部を介して撮影者によって観察できる位置に配置されており、背面液晶モニタ26と同様、液晶に限らず他の表示装置でも構わない。なお、被写体像の観察用として液晶モニタ26のみとし、ファインダ接眼部およびファインダ内液晶29を省略することも可能である。
【0035】
SDRAM238は、SDRAM制御回路237を介してデータバス261に接続されており、このSDRAM238は、画像処理回路227によって画像処理された画像データまたは圧縮伸張回路231によって圧縮された画像データを一時的に記憶するためのバッファメモリである。
【0036】
入出力回路239は、上述の防塵フィルタ駆動回路211、シャッタ駆動機構213、撮像素子駆動回路223に接続され、データバス261を介してボディCPU229等の各回路とデータの入出力を制御する。通信回路241は、通信接点300を介してレンズCPU111と接続され、またデータバス261とも接続されている。通信回路241は、レンズCPU111とボディCPU等の間のデータのやりとりや制御命令の通信を行う。
【0037】
データバス261に接続された記録媒体制御回路243は、記憶媒体245に接続され、記録媒体245への画像データ等の記録と再生の制御を行う。記録媒体245は、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SDメモリカード(登録商標)、またはメモリスティック(登録商標)等の書き換え可能な記録媒体のいずれかが装填可能となるように構成され、カメラ本体200に対して着脱自在となっている。その他、マイクロドライブ(登録商標)などのハードディスクユニットや無線通信ユニットを接続可能に構成してもよい。
【0038】
データバス261に接続されているフラッシュメモリ制御回路247は、フラッシュメモリ(Flash Memory)249に接続され、このフラッシュメモリ249は、電気的に書き換え可能な不揮発性メモリであり、カメラの動作を制御するためのプログラムや、制御用の調整値等を記憶する。ボディCPU229は、フラッシュメモリ249に記憶されたプログラムや調整値等に従ってデジタルカメラの制御を行う。
【0039】
データバス261に接続されているスイッチ検知回路253は、パワースイッチ257、その他の各種スイッチ255、および前述の着脱検知スイッチ259に接続する。パワースイッチ257は、カメラ本体200や交換レンズ100のパワー供給を制御するためのパワースイッチレバーに連動してオン・オフする。またその他の各種スイッチ255は、レリーズ釦に連動するスイッチ、再生モードを指示する再生釦に連動するスイッチ、背面液晶モニタ26の画面上に表示されるカーソルの動きの指示等を行うための十字釦に連動するスイッチ、選択された各モード等を決定するOKボタンに連動するスイッチ撮影モードを指示するモードダイヤルに連動するスイッチ等がある。
【0040】
なお、レリーズ釦は、撮影者が半押しするとオンする第1レリーズスイッチと、全押しするとオンする第2レリーズスイッチを有している。第1レリーズスイッチ(以下、1Rと称する)のオンにより、カメラは焦点検出、撮影レンズのピント合わせ、被写体輝度の測光等の撮影準備動作を行い、第2レリーズスイッチ(以下、2Rと称する)のオンにより、撮像素子221の出力に基づいて、被写体像の画像データの取り込みを行う撮影動作を実行する。
【0041】
次に、本実施形態における動作について、図2ないし図5、および図9ないし図13を用いて説明する。図2は、カメラ本体200側のボディCPU229によるパワーオンリセット後の動作を示すメインフローである。
【0042】
カメラ本体200にバッテリが装填され、または外部電源が接続されると、このフローがスタートする。まずカメラ本体200のパワースイッチ257がオンであるか否かを判定する(S1)。判定の結果、パワースイッチ257がオフの場合には、低消費電力の状態であるスリープ状態となる(S3)。このスリープ状態は、パワースイッチ257のオフからオンによって解除される。一方、ステップS1における判定の結果、パワースイッチ257がオンであった場合、またはステップS3におけるスリープ状態を脱した場合には、電源供給を開始する(S5)。これにより、カメラ本体200および交換レンズ100内の各機構や各回路等に電源が供給される。
【0043】
次に、レンズ情報の取得を行う(S7)。このステップでは、レンズCPU111から通信回路241を介して、光学位置検出機構105によって検出した撮影光学系101の焦点位置情報や焦点距離情報を取得し、また、至近側焦点距離・長焦点側焦点距離、開放絞り値、焦点距離毎の露出補正値、周辺光量の補正値(シェーディング)、周辺の色補正値、歪曲収差補正値等の種々の交換レンズ100の固有情報等のレンズ情報を取得する。また、中間リング、テレコンバータなどのレンズに関わるアクセサリーについても情報を取得し、装着の有無も含めて検出する。
【0044】
レンズ情報を取得すると、次に動作モードやパラメータ設定を行う(S9)。このステップでは、図示しないモードダイヤル等によって設定された撮影モードや、ISO感度、マニュアル設定されたシャッタ速度や絞り値等の情報があればそれらの撮影条件の読み込みを行う。
【0045】
続いて、ライブビュー動作を開始する(S11)。ここでは、撮像素子221からの画像信号に基づいて、被写体像の観察用に、背面液晶モニタ26に被写体像を動画表示する。ライブビュー動作を開始すると、次に、測光・露光量の演算を行う(S13)。このステップでは、撮像素子221の出力に基づいて被写体輝度を求め、この被写体輝度を用いて撮影モード・撮影条件に従って適正露光となるシャッタ速度や絞り値等の露光制御値の演算を行う。
【0046】
測光・露光量の演算を行うと、次に、ライブビュー動作を行う(S15)。後述するように、ステップS25において、パワースイッチがオンであった場合には、ステップS13に戻り、この処理ループ中において、このステップS13にて撮像素子221の撮像動作・画像処理を行った後に背面液晶モニタ26の表示が更新されて動画表示によりライブビュー表示を行う。また、このライブビュー動作のサブルーチン中において、マニュアルフォーカスが設定されている場合には、距離環112の操作に応じて、拡大表示を行う。このライブビュー動作の詳しいフローについては、図3を用いて後述する。
【0047】
ライブビュー動作を行うと、次に、再生スイッチがオンか否かの判定を行う(S17)。ここでは、再生釦に連動する再生スイッチがオンか否かの判定を行う。この判定の結果、再生スイッチがオンであった場合には、再生動作を行う(S31)。この再生動作は、記録媒体245に記録されている撮影画像を背面液晶モニタ26に再生表示する。
【0048】
再生動作を行うと、またはステップS17における判定の結果、再生スイッチがオンでなかった場合には、次に、メニュースイッチがオンか否かの判定を行う(S19)。ここでは、メニュー釦に連動するメニュースイッチがオンか否かの判定を行う。
【0049】
ステップS19における判定の結果、メニュースイッチがオンであった場合には、メニュー設定動作を行う(S33)。このメニュー設定動作では、背面液晶モニタ26にメニュー画面が表示され、ISO感度、ホワイトバランス、マニュアルフォーカス(MF)モード、オートフォーカス(AF)モード、防振モード等、種々の設定用の画面上で、十字釦やOK釦を操作することにより、撮影者が種々のモードやパラメータの設定を行う。メニュー設定されたモードを実行する。たとえば、防振モードが設定された場合には、ライブビュー動作中、及び撮影動作時に防振動作が実行される。
【0050】
MFモードは、距離環112を撮影者が手動で操作することにより、ピント合わせを行うモードである。このMFモードが設定された場合には、MFアシストモードの設定を行うことができる。MFアシストモードは、距離環112を操作する際に、ピント合わせを容易にするために、ライブビューを拡大表示するモードであり、このとき、コントラスト状態や焦点距離等の撮影光学系の光学的情報に基づいて拡大率を変更する。
【0051】
メニュー設定動作を行うと、またはステップS21における判定の結果、メニュースイッチがオンでなかった場合には、次に、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(S21)。ここでは、レリーズ釦の半押し動作でオンとなる1Rスイッチがオンとなかったか否かの判定を行う。
【0052】
ステップS21における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、撮影動作を行う(S35)。ここでは、AFモードの場合にはコントラストAFによって撮影光学系101のピント合わせを行い、測光・露出演算により適正露光となる露出制御値の演算を行う。また、レリーズ釦の全押し動作でオンとなる2Rスイッチがオンとなると、露出動作を行い、静止画の画像データを記録媒体245に記録する。この撮影動作の詳しいフローについては、図4を用いて後述する。
【0053】
撮影動作が終わると、またはステップS21における判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合には、次に、レンズ取り外しか否かの判定を行う(S23)。ここでは、着脱検知スイッチ259によって交換レンズ100がカメラ本体200から取り外されたか否かを判定する。この判定の結果、交換レンズ100が取り外されていた場合には、ライブビュー動作の停止を行い(S37)、電源供給の停止を行う(S39)。交換レンズ100が取り外され、撮像素子221上に被写体像が形成されないことから、ライブビュー表示を停止し、電源浪費を防止するために電源供給を停止する。
【0054】
続いて、交換レンズ100が装着されたか否かの判定を行う(S41)。ここでは、取り外された交換レンズ100が再び装着されたか否かの判定を行う。なお、この判定は着脱検知スイッチ259のオンによって割り込み処理によって検知される。この判定によって、レンズ装着が検知されると、ステップS5に戻り、前述の動作を実行する。
【0055】
ステップS23における判定の結果、レンズが取り外されていなかった場合には、次に、パワースイッチ257がオンか否かの判定を行う(S25)。本実施形態においては、パワースイッチ257がオンとなると、パワーオンモードとなり、カメラは動作状態となる。その後、パワースイッチ257がオフとなると、パワーオフモードとなり、カメラは不作動状態となる。
【0056】
ステップS25における判定の結果、パワースイッチ257がオンであった場合には、パワーオンモードであることから、ステップS13に戻り、前述の動作を実行する。すなわち、電源がオンの状態では、ステップS13〜S23を繰り返し実行する。一方、ステップS25における判定の結果、パワースイッチ257がオンでなかった場合には、パワーオフモードとなり、電源供給を停止する(S27)。電源供給を停止すると、ステップS3に戻り、前述のスリープ状態となる。
【0057】
次に、ステップS15におけるライブビュー動作について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。ライブビュー動作のフローに入ると、まず、撮像処理を行う(S51)。ここでは、撮像素子221において画像データの取得を行い。
【0058】
撮像処理を行うと、次に、現在のカメラのフォーカスモードがMFモードに設定されているか否かを判定する(S53)。前述したように、MFモードはステップS33におけるメニュー設定動作において設定するので、このステップにおいて、MFモードが選択されたか否かの判定を行う。
【0059】
ステップS53における判定の結果、MFモードが設定されていた場合には、次に、レンズ通信を行う(S55)。このステップでは、交換レンズ100内のレンズCPU111と通信を行い、交換レンズ100の種類や状態に関する情報を取得する。レンズ情報としては、例えば焦点距離、焦点調節レンズ位置(ピント位置)、マクロレンズか否か、撮影可能距離範囲等に関するものである。また、絞り103の状態や、距離環112が操作されているか、また操作されている場合には、操作方向や操作量についての情報を取得する。
【0060】
レンズ通信を行うと、次に、カメラがMFアシストモードに設定されているか否かを判定する(S57)。前述したように、MFアシストモードはメニュー画面において設定することから、ここでは、メニュー画面においてMFアシストモードが設定されたか否かを判定する。
【0061】
ステップS57における判定の結果、MFアシストモードであった場合には、次に、距離環が操作されたか否かを判定する(S59)。前述のステップS55におけるレンズ通信において、距離環112の操作状態に関する情報を取得していることから、この情報に基づいて判定する。
【0062】
ステップS59における判定の結果、距離環112が操作された場合には、次に、コントラスト検出を行う(S61)。このステップでは、撮像素子221から取得した画像データに基づいて、コントラストAF回路226がコントラスト信号を検出する。ここで、コントラスト信号の抽出範囲は、背面液晶モニタ26に表示している範囲である。したがって、拡大表示されていない場合は、画面全体のコントラストを検出し、すでに拡大表示されている場合は画像のうちの拡大された部分に対応する画像のコントラストを検出する。
【0063】
コントラスト検出を行うと、次に、レンズ情報の受信を行う(S63)。ここでは、交換レンズ100内のレンズCPU111と通信を行い、交換レンズ100の現在の状態に関する情報を取得する。状態情報とは、具体的には絞り込み量、ズームレンズの焦点距離、撮影光学系1010のフォーカス位置、焦点距離をアップするためのテレコンバータの装着有無等である。
【0064】
レンズ情報の受信を行うと、次に、表示拡大倍率設定を行う(S65)。ステップS57においてMFアシストモードが設定されており、またステップS59において距離環112が操作されたことを検出したことから、このステップS65において、ライブビュー表示の拡大を行うにあたっての拡大倍率の設定を行う。表示拡大倍率の設定にあたっては、ステップS61において検出したコントラストと、ステップS63において取得した交換レンズ100の状態に関する情報に基づいて行う。この表示拡大倍率設定の詳しいフローについては、図5を用いて後述する。なお、コントラストの検出結果に応じて表示拡大倍率の切り換えを速やかに行うと、表示が急激に変化して操作しづらいことになるので、表示の切り換えに時間遅れを持たせたり、判定方法にヒステリシスを持たせて安定した表示の切り換えを行うようにしてもよい。
【0065】
ステップS53における判定の結果、MFモードではない場合はAFモードであるので、次に、コントラストAFを行う(S71)。このステップでは、撮像素子221から取得した画像データに基づいて、コントラストAF回路226がコントラスト信号を抽出し、ボディCPU229は、コントラスト信号がピークとなるように撮影光学系101のピント合わせを行う。
【0066】
ステップS71においてコントラストAFを行うと、またはステップS57における判定の結果、MFアシストモードが設定されていなかった場合、またはステップS59における判定の結果、距離環の操作がなされていなかった場合には、表示拡大倍率を1倍に設定する(S73)。AFモードが設定されている場合や、MFモードが設定されていてもMFアシストモードが設定されていない場合には、またはMFアシストモードが設定されていても距離環が操作されていない場合には、ライブビュー表示の被写体像の拡大表示を行わないことから、倍率を1倍に設定する。
【0067】
ステップS73において表示拡大倍率を1倍に設定すると、またはステップS65において表示拡大倍率を設定すると、次に、画像処理を行う(S67)。ここでは、ステップS51において撮像処理を行った画像データに対して、前処理回路225や画像処理回路227において画像処理を行う。
【0068】
画像処理を行うと、次に、ライブビュー表示を行う(S69)。ここでは、画像処理された画像データを用いて、背面液晶モニタ26やファインダ内液晶モニタ29にライブビュー表示を行う。MFアシストモードが設定されている場合には、ステップS65において設定された表示拡大倍率で被写体がライブビュー表示され、それ以外のモードの場合には、倍率1で被写体がライブビュー表示される。
【0069】
次に、ステップS65における表示拡大倍率設定について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。表示拡大倍率設定のフローに入ると、まず、防振モードが設定されているか否かの判定を行う(S111)。防振モードに設定されていると、ブレ検出手段297によって検出されたブレ量に基づいて、ブレを打ち消すように、ブレ補正駆動機構260が撮像素子221を駆動する。防振モードは、メニュー画面において設定することから、このステップでは、メニュー画面において防振モードが設定されたか否かの判定を行う。
【0070】
ステップS111における判定の結果、防振モードが設定されていなかった場合には、焦点距離とコントラストに応じた拡大倍率を設定する(S113)。この倍率設定としては、例えば、図13(a)に示すように、焦点距離が200mm以上かつコントラストが低い場合に拡大倍率を1倍とし、コントラストが上がるにつれ、また焦点距離が短くなるにつれ、拡大倍率を高くし、焦点距離が100mm以下でコントラストが高い場合には、拡大倍率を7倍とする。すなわち、本実施形態においては、コントラストが低いほど、また焦点距離が大きいほど拡大倍率が小さくなるようにしている。
【0071】
拡大倍率を求めるにあたって使用するコントラストは、コントラストAF回路226によって、拡大表示領域等の所定の画像領域に基づいて算出され出力されるコントラスト値を、所定のコントラスト判定値と比較して、高/中/低の3段階のいずれに属するか判定し、図13(a)に示す関係図において、焦点距離に応じた項目を参照しコントラストに応じた拡大倍率を選択する。
【0072】
一方、ステップS111における判定の結果、防振モードが設定されていた場合には、焦点距離とコントラストと防振モードに応じた拡大倍率を設定する(S115)。この倍率設定としては、例えば、図13(b)に示すように、焦点距離が200mm以上かつコントラストが低い場合に拡大倍率を1倍とし、コントラストが上がるにつれ、また焦点距離が短くなるにつれ、拡大倍率を高くし、焦点距離が100mm以下でコントラストが高い場合には、拡大倍率を10倍とする。
【0073】
防振モードが設定されている場合においても、拡大倍率は、コントラストが低いほど、また焦点距離が大きいほど拡大倍率が小さくなるようにしている。そして、防振モードが設定されている場合は、防振動作により手ブレの影響が軽減されるので、防振モードではない場合に比較して拡大倍率をより大きく設定している。
【0074】
ステップS113またはステップS115において、拡大倍率の設定を行うと、元のフローに戻る。
【0075】
このように、表示拡大倍率設定のフローにおいては、焦点距離とコントラストに応じて表示の拡大倍率を適切に設定するようにしている。すなわち、ピントが甘い状態、言い換えるとコントラストが「低」の状態で、図10に示すように表示を拡大し過ぎて、肉眼で被写体を認識することができない状態になくすことができる。コントラストが低い場合であっても、図11に示すように、認識可能な程度の拡大倍率とすることができ、マニュアルフォーカスの使い勝手を向上させることができる。
【0076】
また、マニュアルフォーカス動作によりピントが合っていくに従ってコントラストが高くなるので、図11から図12への変化のように表示が拡大されて、見やすいと同時に合焦に近づく様子を容易に認識することができる。
【0077】
次に、ステップS35における撮影動作について、図4に示すフローチャートを用いて説明する。撮影動作のフローに入ると、まず、AFモードか否かを判定する(S81)。メニュー画面においてAFモードを設定することから、ここでは、メニュー画面におけるモード設定に基づいて判定する。
【0078】
ステップS81における判定の結果、AFモードであった場合は、コントラストAFを実行する(S83)。ここでは、コントラストAF回路226によって抽出されたコントラスト信号に基づいて、撮影光学系101の駆動方向を決め、この方向に駆動しながらコントラストのピーク位置を探し、検出されたピーク位置を撮影光学系101の合焦点として停止する。なお、MFモードが設定されている場合には、後述するように、距離環112の操作に応じて、レンズCPU111が撮影光学系101の手動調節を行う。
【0079】
コントラストAFを実行すると、またはステップS81における判定の結果、AFモードでなかった場合、すなわちMFモードであった場合には、次に、測光・露光量演算を行う(S85)。ここでは、ステップS13と同様に、撮像素子221からの出力に基づいて、被写体輝度を測光し、この測光値に基づいて適正露光となる露出制御値を演算する。
【0080】
測光・露出演算を行うと、次に、2Rスイッチがオンか否かの判定を行う(S87)。ここでは、レリーズ釦の全押しがなされ、2Rスイッチがオンとなったか否かを判定する。ステップS87における判定の結果、2Rスイッチがオンでなかった場合には、次に、1Rスイッチがオンか否かの判定を行う(S89)。この判定の結果、1Rスイッチがオンでなかった場合には、レリーズ釦から撮影者の指等が離れたことから、撮影動作のフローを終了し、元のフローに戻る。
【0081】
一方、ステップS89における判定の結果、1Rスイッチがオンであった場合には、ステップS87に戻る。撮影者がレリーズ釦の半押し状態を維持している場合には、ステップS87、S89を交互に検知する待機状態となる。
【0082】
ステップS87における判定の結果、2Rスイッチがオンとなると、撮影準備動作から露光動作に移る。まず、絞り込み実行指示を行う(S91)。ここでは、レンズCPU111に対して、ステップS85において演算された絞り値を送信すると共に、絞り103の絞り込みを指示し、絞り駆動機構109によって送信した絞り値まで絞り込み動作を実行させる。続いて、絞り込み完了か否かの判定を行う(S93)。絞り込みが完了すると、レンズCPU111から完了信号が送信されてくるので、この信号が送信されるのを待つ。
【0083】
ステップS93における判定の結果、絞り込みが完了すると、次に、露出動作を行う(S95)。この露出動作においては、まず、シャッタ203の先幕を走行させると共に、撮像素子221の画素信号の電荷蓄積を開始させる。露出演算によって決められたシャッタ秒時または手動設定されたシャッタ秒時が経過すると、シャッタ203の後幕を走行させ、撮像素子221の電荷蓄積を停止する。
【0084】
露出動作が終わると、次に、絞り開放の実行を指示する(S97)。ここでは、レンズCPU111に対して、絞り103の絞り開放を指示し、絞り駆動機構109によって開放絞り値まで開放動作を実行させる。続いて、絞り開放完了か否かの判定を行う(S99)。絞り開放が完了すると、レンズCPU111から開放完了信号が送信されてくるので、この信号が送信されるのを待つ。
【0085】
ステップS99における判定の結果、絞り開放が完了すると、次に画像処理を行う(S101)。ここでは、撮像素子駆動回路223によって読み出された撮像素子221の画像信号を、前処理回路225、画像処理回路227、圧縮伸張回路231等によって画像処理を行う。画像処理を行うと、次に、画像記録を行う(S103)。ここでは、圧縮処理等がなされた画像データを記録媒体245に記録する。画像記録が終わると、撮影動作のフローを終了し、元のフローに戻る。
【0086】
次に、交換レンズ100内のレンズCPU111の動作を、図9に示すフローチャートを用いて説明する。この交換レンズメインフローは、交換レンズのパワーオンリセットすなわち、交換レンズ100をカメラ本体200に装着し、カメラ本体200側の内蔵電池または外部電源によって電源が供給されるとスタートする。
【0087】
レンズ側のパワーオンリセットがスタートすると、まず、レンズ情報要求か否かの判定を行う(S151)。ステップS7、S55、S63等において、交換レンズ100の焦点距離情報や、焦点位置情報や、交換レンズ100の状態情報等の種々のレンズ情報が、ボディCPU229によって要求される。そこで、ステップS151において、これらのレンズ情報の要求があるか否かの判定を行う。
【0088】
ステップS151における判定の結果、レンズ情報の要求が有った場合には、レンズ情報の送信を行う(S171)。ここでは、レンズCPU111は通信回路241を介して、ボディCPU229にレンズ情報を送信する。
【0089】
ステップS151における判定の結果、レンズ情報要求がなかった場合には、次に、絞り込み実行の指示を受けているか否かの判定を行う(S153)。ボディCPU229は、ステップS91において、絞り込み実行指示を行い、この場合には、絞り込む絞り値の情報も送信する。
【0090】
ステップS153における判定の結果、絞り込み実行指示があった場合には、絞り込み動作の実行を行う(S173)。ここでは、レンズCPU111は絞り駆動機構109に対して、受信した絞り値まで絞り込み動作を実行させる。絞り込み動作が終わると、ボディCPU229に対して、絞り込み完了信号を送信する。
【0091】
ステップS153における判定の結果、絞り込み実行指示を受けていなかった場合には、次に、絞り開放実行指示を受けているか否かの判定を行う(S155)。ボディCPU229は、ステップS97において、絞り開放実行指示を行う。
【0092】
ステップS155における判定の結果、絞り開放実行指示があった場合には、絞り開放動作の実行を行う(S175)。ここでは、レンズCPU111は絞り駆動機構109に対して、開放絞り値まで開放動作を実行させる。絞り開放動作が終わると、ボディCPU229に対して、開放完了信号を送信する。
【0093】
ステップS155における判定の結果、絞り開放実行指示を受けていなかった場合には、次に、レンズ駆動実行指示を受けているか否かの判定を行う(S157)。ボディCPU229は、ステップS71およびS83におけるコントラストAFにおいて、駆動方向と駆動量の情報と共にレンズ駆動実行指示を行う。
【0094】
ステップS157における判定の結果、レンズ駆動実行指示があった場合には、レンズ駆動を実行する(S177)。ここでは、レンズCPU111は、光学系駆動機構107に対して、受信した駆動方向と駆動量で撮影光学系101の駆動を指示する。駆動が完了すると、ボディCPU229に対して、レンズ駆動完了信号を送信する。
【0095】
ステップS171、S173、S175、S177において各動作を実行すると、ステップS151に戻る。
【0096】
ステップS157における判定の結果、レンズ駆動実行指示がなかった場合には、次に、カメラ本体がMFモードに設定されているか否かの判定を行う(S159)。ここでは、カメラ本体100と通信を行い、MFモードが設定しているか否かの情報を取得し判定する。
【0097】
ステップS159における判定の結果、MFモードに設定されていた場合は、距離環112の操作がなされたかを検出する(S161)。レンズCPU111は距離環112の状態を検知し判定する。この判定の結果、距離環が操作されていなかった場合、またはステップS159における判定の結果、MFモードでなかった場合には、ステップS151に戻る。
【0098】
ステップS161における判定の結果、距離環112の操作がなされた場合には、距離環の操作に応じたレンズ駆動を行う(S163)。このステップでは、距離環112の操作方向と操作量を検出し、この検出結果に応じてレンズ駆動を実行する。レンズ駆動を行うと、次に、距離環操作中の情報をカメラ本体に送信する(S165)。このステップにおいて、カメラ本体との通信によって距離環操作中の情報を送信する際に、たとえばフォーカスレンズの位置情報等をカメラ本体に送信するようにしてもよい。距離環操作中の情報を送信すると、ステップS161に戻る。
【0099】
このように、ステップS161〜S165の処理ループにより、距離環の操作に応じてフォーカスレンズを駆動してマニュアルフォーカス動作を行う。なお、本実施形態においては、ステップS165を実行すると、ステップS161に戻るようにしているが、これに限らず、ステップS151に戻るようにしてもよい。この場合には、マニュアルフォーカス動作中に、レリーズ釦が全押しされた場合に迅速にレリーズ動作を実行することができる。
【0100】
以上説明したように、本発明の第1実施形態においては、マニュアルフォーカス動作の際に、交換レンズの光学特性情報である焦点距離情報と、被写体像のコントラストとに基づいて、ライブビュー動作時の背面液晶モニタ26の表示の拡大倍率を設定するようにしている。このため、目視によりフォーカシングを行うことに適した画像表示を行うことができる。
【0101】
また、防振モードに設定されている場合には、非設定の場合に比較して、拡大倍率が大きくなるようにしている。このため、手振れのおそれがある場合には低倍率で拡大表示することから、画像がブレているにも関わらず、ライブビュー画像をむやみに拡大してしまうことがなく、ピント合わせしようとする被写体の画面内の位置や被写体のどの部分を拡大しているのかが容易に認識することが可能となり、マニュアルフォーカス操作によるピント合わせの使い勝手が向上する。
【0102】
次に、図5に示した表示拡大倍率設定の第1の変形例の動作について、図6に示すフローチャートを用いて説明する。
【0103】
表示拡大倍率設定のフローに入ると、まず、撮影倍率の計算を行う(S121)。ここでは、交換レンズ100との通信により取得した焦点距離と焦点調節レンズ位置(被写体距離に相当する情報)により撮影倍率(=焦点距離/被写体距離)を求める。
【0104】
撮影倍率の計算を行うと、次に、撮影倍率に応じて拡大倍率の設定を行う(S123)。ここでは、撮影倍率とコントラストに応じた拡大倍率の設定を行う。例えば、図14に示すように、撮影倍率が100以上かつコントラストが低い場合に拡大倍率を1倍とし、コントラストが上がるにつれ、また撮影倍率が小さくなるにつれ、拡大倍率を高くし、撮影倍率10以下でコントラストが高い場合には、拡大倍率を7倍とする。すなわち、本実施形態においては、コントラストが低いほど、また撮影倍率が大きいほど拡大倍率が小さくなるようにしている。
【0105】
撮影倍率に応じて、表示の拡大倍率を設定するので、交換レンズの種類、たとえば望遠レンズ、広角レンズやズームレンズのズーム位置等にかかわらず適切な拡大倍率の設定を行うことができる。なお、撮影倍率を、交換レンズ100内のレンズCPU111により算出し、レンズ通信の際に撮影倍率情報として、交換レンズ100からカメラ本体200のボディCPU229に送信してもよい。拡大倍率の設定を行うと、元のフローに戻る。
【0106】
次に、図5に示した表示拡大倍率設定の第2の変形例の動作について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。
【0107】
表示拡大倍率設定のフローに入ると、まず、テレコンバータ(図ではテレコンと略記)が装着されているか否かの判定を行う(S131)。交換レンズとの通信の際に、テレコンバータとも通信を行い、テレコンバータの装着の有無の情報も取得することから、この情報に基づいて判定する。不図示のテレコンバータは、交換レンズ100とカメラボディ200の間に装着可能な構成を有し、その内部にはテレコンバータCPUが含まれ、マウント接点300を介してカメラ本体200の通信回路241と通信を行うことが可能である。テレコンバータは倍率が異なるタイプが複数用意されている。
【0108】
ステップS131における判定の結果、テレコンバータが装着されていた場合は、テレコンバータの倍率と、コントラストに応じた拡大倍率を設定する(S133)。ここでは、テレコンバータとの通信により取得したテレコンバータの倍率とコントラストに基づき、拡大倍率を、例えば、図15に示すようなテレコンバータ・コントラストと拡大倍率を示すテーブルから求める。図15に示す例では、テレコンバータの倍率は2倍と1.4倍の2種類があり、テレコンバータの倍率が高い程、またコントラストが低い程、拡大倍率を小さくしている。
【0109】
ステップS131における判定の結果、テレコンバータが装着されていない場合は、コントラストに応じた拡大倍率を設定する(135)。ここでは、コントラストが高い程、拡大倍率を高く設定する。図15に示す例では、テレコンバータ装着なしの欄において、コントラストに応じた拡大倍率となる。
【0110】
ステップS133またはステップS135において、拡大倍率を設定すると、元のフローに戻る。
【0111】
このように本変形例においては、テレコンバータが装着されているか否を判定し、テレコンバータが装着されている場合には、テレコンバータの倍率に応じて拡大倍率を設定している。テレコンバータが装着された撮影倍率が高い撮影の場合には、表示拡大倍率をより小さく設定することができる。テレコンバータが装着された場合に、ライブビュー画像をむやみに拡大してしまうことがなく、ピント合わせしようとする被写体の画面内の位置や被写体のどの部分を拡大しているのかが容易に認識することが可能となり、マニュアルフォーカス操作によるピント合わせの使い勝手が向上する。
【0112】
次に、図5に示した表示拡大倍率設定の第3の変形例の動作について、図8に示すフローチャートを用いて説明する。
【0113】
表示拡大倍率設定のフローに入ると、まず、交換レンズがマクロレンズか否かを判定する(S141)。ここでは、交換レンズ100との通信の際に、マクロレンズであるか否かの情報を取得していることから、この情報に基づいて判定する。
【0114】
ステップS141における判定の結果、マクロレンズが装着されていた場合には、次に、マクロレンズ種類とコントラストに応じた拡大倍率の設定を行う(S143)。ここでは、例えば、図16のマクロレンズの欄におけるコントラストに応じた拡大倍率を設定する。この時、レンズ通信により取得した最大倍率等のマクロレンズの種類に関する情報に応じた複数の拡大倍率を選択可能としてもよい。
【0115】
一方、ステップS141における判定の結果、マクロレンズが装着されていない場合には、次に、コントラストに応じた拡大倍率を設定する(S145)。ここでは、コントラストが高い程、拡大倍率を高く設定する。図16に示す例では、マクロレンズ以外の欄において、コントラストに応じた拡大倍率となる。
【0116】
ステップS143またはステップS145において、拡大倍率を設定すると、元のフローに戻る。
【0117】
このように本変形例においては、マクロレンズが装着されているか否を判定し、マクロレンズが装着されている場合は、マクロレンズの撮影倍率に応じて表示の拡大倍率を設定している。マクロレンズが装着された高倍率撮影の場合には、表示拡大倍率をより小さく設定することができる。マクロ撮影のように撮影倍率が高い場合においてライブビュー画像をむやみに拡大してしまうことがなく、ピント合わせしようとする被写体の画面内の位置や被写体のどの部分を拡大しているのかが容易に認識することが可能となり、マニュアルフォーカス操作によるピント合わせの使い勝手が向上する。
【0118】
次に、本発明の第2実施形態について、図17および図18を用いて説明する。本発明の第1実施形態においては、MFアシストモードが設定されていると、距離環112の操作に応じてマニュアルフォーカスが行われ、その際、光学的情報およびコントラスト情報に応じて図11および図12に示すように、ライブビュー画像が拡大表示された。しかし、第1実施形態においては、拡大表示される前に、いずれの領域が拡大表示されるかが不明であった。そこで、本実施形態においては、拡大表示される前に、拡大する領域を枠表示で示すようにしている。
【0119】
本実施形態の構成は、図1に示した第1実施形態における電気的構成と同様であり、また、図2ないし図9に示したフローチャートも、図3に示したライブビュー動作のフローチャートを図17に示すフローチャートに置き換えるだけであるので、この相違するフローチャートを中心に説明する。
【0120】
図17に示すフローチャートのうち、ステップS51からS69の処理は、図3に示したフローと同様であり、ステップS59における判定の結果がNoであった場合が相違する。ステップS57における判定の結果が、MFアシストモードが設定されており、また、ステップS59における判定の結果が、距離環操作がなされていなかった場合には、ステップS201以下において、拡大領域の枠表示の処理を行う。
【0121】
まず、ステップS61と同様に、コントラスト検出を行い(S201)、ステップS63と同様に、レンズ情報の受信を行う(S203)。続いて、表示倍率の演算を行う(S205)。ここでは、図5ないし図8のフローで説明したと同様に、図13〜図16を用いて、拡大倍率を求める。
【0122】
表示倍率を求めると、次に、枠表示の表示を行う(S207)。ここでは、現在、表示拡大倍率が1倍で表示されている場合に、ステップS205で求めた表示拡大倍率に対応する枠表示を表示する。枠表示の表示を行うと、次に、画像処理を行う(S209)。ここでは、表示拡大倍率が1倍のライブビュー画像で画像処理を行う。続いて、ライブビュー表示を行う(S211)。ここでは、表示拡大倍率が1倍のライブビュー画像に枠表示が重畳された画像が表示される。ライブビュー表示を行うと、元のフローに戻る。
【0123】
本実施形態における背面液晶モニタ26におけるライブビュー表示を図18に示す。この図18においては、次に拡大する領域を示す枠表示400を画面内に表示させている。マニュアルフォーカス動作を行い、ピントが合ったことからコントラストが向上し、一時的にマニュアルフォーカスを停止した場合に、次に拡大表示する予定の領域を示すものである。
【0124】
たとえば、図8において、「マクロレンズ」かつコントラスト「低」の条件の場合であれば、拡大倍率1倍で表示されている。そして、マニュアルフォーカス動作によりピントが合焦に近づくに応じて、コントラストが「低」から「中」に変化する場合に拡大倍率2倍となる予定であるが、その際に拡大される領域を枠表示400にて示している。
【0125】
本実施形態においては、拡大表示の予定領域を枠表示することにより、撮影者が拡大される領域を予め知ることができるので、構図の設定等において使い勝手のよい撮影装置を提供することができる。
【0126】
なお、本実施形態においては、図18において、表示の拡大倍率を大きくする代わりに、枠表示400から401に変更し、拡大する領域に対応する枠表示を変化させてもよい。あるいは、枠表示400を所定時間だけ表示した後に、表示を拡大するような処理とし、拡大する前に拡大する領域を目視で確認してから、拡大表示を見ながらマニュアルフォーカスを行うように構成すれば、さらに使い勝手を向上させることが可能である。また、拡大表示する範囲を示す枠表示を十字釦等の操作釦により上下左右に移動させることにより、ユーザが構図を変更することなく、狙った箇所のピント調節を行うことが可能となるようにしてもよい。さらに、コントラストの検出結果に応じて表示拡大倍率の切り換えを速やかに行うと、表示が急激に変化して操作しづらいことになるので、表示の切り換えに時間遅れを持たせたり、判定方法にヒステリシスを持たせて安定した表示の切り換えを行うようにしてもよい。
【0127】
以上、説明したように、本発明の各実施形態や各変形例においては、焦点距離情報、撮影倍率情報、テレコンバータ装着、マクロレンズ装着等の光学的情報と、コントラスト情報に基づいて、背面液晶モニタ26等の表示部に表示されるライブビュー画像の拡大倍率を変化させている。このため、マニュアルフォーカス操作にあたって、ピント合わせの使い勝手を向上させることができる。
【0128】
なお、本発明の各実施形態や各変形例においては、交換レンズ100とカメラ本体200を別体に構成していたが、これに限らず、交換レンズ100とカメラ本体200を一体に構成しても良い。
【0129】
また、図13ないし図16に示した拡大倍率を求めるための関係図では、コントラスト判定値3分割としたが、これに限らず、分割数を多くしてもよい。また、図13では焦点距離を3分割、図14では撮影倍率を3分割、図15ではテレコンバータの倍率を2段階としたが、これに限らず分割数を多くしてもよい。分割数をより多くすることによりきめ細やかな設定を行うことが可能である。また、コントラスト判定値は、撮影条件や撮影モード、交換レンズの光学的仕様、輝度等の被写体条件に応じて適宜変更してもよい。
【0130】
また、本発明の各実施形態や各変形例においては、背面液晶モニタ26にライブビュー表示を行い、かつMFアシストモードの際に拡大表示を行おうようにしていたが、これに限らず、例えば、背面液晶モニタ26の代わりにファインダ内液晶モニタ29において、表示する拡大倍率を調節してもよい。
【0131】
また、本発明の各実施形態や各変形例においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよく、さらに、携帯電話や携帯情報端末(PDA:Personal Digital Assist)、ゲーム機器等に内蔵されるカメラでも構わない。いずれにしても、マニュアルフォーカスが可能な撮影機器であれば、本発明を適用することができる。
【0132】
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0133】
26・・・背面液晶モニタ、29・・・ファインダ内液晶モニタ、100・・・交換レンズ、101・・・撮影光学系、101a・・・撮影レンズ、101b・・・撮影レンズ、103・・・絞り、105・・・光学位置検出機構、107・・・光学系駆動機構、109・・・絞り駆動機構、110・・・エンコーダ、111・・・レンズCPU、112・・・距離環、200・・・カメラ本体、203・・・シャッタ、205・・・防塵フィルタ、207・・・圧電素子、209・・・赤外カットフィルタ、210・・・光学的ローパスフィルタ、211・・・防塵フィルタ駆動回路、213・・・シャッタ駆動機構、221・・・撮像素子、223・・・撮像素子駆動回路、225・・・前処理回路、226・・・コントラストAF回路、227・・・画像処理回路、229・・・ボディCPU、231・・・圧縮伸張回路、233・・・ビデオ信号出力回路、235・・・液晶モニタ駆動回路、237・・・SDRAM制御回路、238・・・SDRAM、239・・・入出力回路、241・・・通信回路、243・・・記録媒体制御回路、245・・・記録媒体、247・・・フラッシュメモリ制御回路、249・・・フラッシュメモリ、253・・・スイッチ検知回路、255・・・その他のスイッチ、257・・・パワースイッチ、259・・・着脱検知スイッチ、260・・・ブレ補正駆動機構、296・・・アクチュエータ駆動回路、297・・・ブレ検出手段、297a・・・角速度センサ、297b・・・角速度検出回路、290・・・撮像素子ユニット、300・・・通信接点、400・・・枠表示、401・・・枠表示

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体からの光束を結像させるための撮影光学系と、
撮影者による操作に応じて、上記撮影光学系の焦点位置を変化させる手動焦点調節手段と、
上記被写体からの光束に基づく画像を繰り返し取得する撮像手段と、
上記撮像手段によって取得した画像に基づいて、被写体像のコントラストを検出するコントラスト検出手段と、
上記撮像手段が取得した画像をライブ映像として表示する表示手段と、
上記撮影光学系の光学的情報と、上記コントラスト検出手段によって検出された上記コントラストに基づいて、上記表示手段に表示される上記ライブ映像の拡大倍率を決定する表示制御手段と、
を具備することを特徴とする撮影装置。
【請求項2】
上記光学的情報は、上記撮影光学系の焦点距離情報であり、
上記表示制御手段は、上記撮影光学系の焦点距離情報と上記コントラストに基づいて、上記拡大倍率を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項3】
上記光学的情報は、上記撮影光学系の撮影倍率に関連する情報であり、
上記表示制御手段は、上記撮影光学系の撮影倍率に関連する情報と上記コントラストに基づいて、上記拡大倍率を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項4】
上記光学的情報は、上記撮影光学系に装着されたテレコンバータに関する情報であり、
上記表示制御手段は、上記テレコンバータに関する情報と上記コントラストに基づいて、上記拡大倍率を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項5】
上記光学的情報は、上記撮影光学系がマクロレンズであるか否かに関する情報であり、
上記表示制御手段は、上記マクロレンズに関する情報と上記コントラストに基づいて、上記拡大倍率を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項6】
上記表示制御手段は、上記撮影光学系の光学的情報と、上記コントラスト検出手段によって検出された上記コントラストに基づいて、表示拡大率を求め、この求めた表示拡大率に応じた枠表示を表示することを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項7】
上記撮影装置は、カメラ本体と、このカメラ本体に脱着可能なレンズユニットから構成され、
上記レンズユニットは、上記撮影光学系と、上記手動焦点調節手段を有し、
上記カメラ本体には、上記撮像手段、コントラスト検出手段、表示手段、および表示制御手段を有し、
上記レンズユニットと上記カメラ本体の間は、通信手段によって接続され、上記カメラ本体は、上記通信手段を介して上記光学的情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮影装置。
【請求項8】
距離環が手動操作されたか否かを判定し、
距離環が操作された場合には、コントラスト情報とレンズ情報に基づいて、表示拡大倍率を設定し、
この設定された表示倍率で、ライブビュー表示を行う、
ことを特徴とする表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2012−8307(P2012−8307A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143630(P2010−143630)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(504371974)オリンパスイメージング株式会社 (2,647)
【Fターム(参考)】