説明

撹拌機

【課題】 従来、複数の混合液を均一に、一基の撹拌翼で、簡易かつスピーディに撹拌する撹拌機の先行文献において、基台に設けたバケツに撹拌翼が挿脱自在に設けられるとともに、撹拌翼の昇降と、撹拌を、夫々の駆動源で動作する構造である。この構造では、支柱の天井面に駆動源を配備する故、嵩高となる。支柱に対して、撹拌翼が直交する方向に設置する故、構造の複雑化、コスト上昇、故障要因となる改良の余地が考えられる。

【解決手段】 本発明は、機台の支柱に昇降する支持腕と、支持腕に設けた撹拌翼と、支持腕と撹拌翼駆動用の第一・第二駆動部を夫々設け、撹拌翼が出入りするバケツを配備した撹拌機で、支持腕に第二駆動部を配備し、第二駆動部より垂下した回転軸に撹拌翼を支持し、また、支柱の立設方向の中間に配備するとともに、機台に第一駆動部を配備し、第一駆動部と、支持腕との間に、支持腕昇降用の昇降手段を設けた撹拌機である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撹拌機(UNミックスマシン)であって、その目的は、それぞれ比重の異なる三液「三つの液体」(粘度が異なる三液)を、攪拌混合して均一の液(一液)にするための機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、液体、糊等の撹拌物を均一に撹拌する撹拌機として種々の構造がある。この中で、プラスチック製のバケツに収容された撹拌物を、一基の撹拌翼を介して、簡易かつスピーディに撹拌する構造とし、例えば、次のような先行文献が挙げられる。
【0003】
文献(1)は、基台に設けたバケツに撹拌翼が挿脱自在に設けられるとともに、この撹拌翼の昇降と、撹拌とを、それぞれ別の駆動源で動作する構造であり、特開平11−114394号公報に記載されている。この発明では、フレーム本体の天井面に駆動源を配備することで、撹拌機が嵩高となる問題を抱えている。また、フレーム本体に対して、撹拌翼が直交する方向に設置されることから、その連繋関係が複雑となり、コストの上昇と、故障の要因となること、等の改良の余地が考えられる。
【0004】
また、文献(2)は、支持本体(基台)に回転台を設け、この回転台にバケツを設けるとともに、この容器(バケツ)に撹拌翼が挿脱自在に設けられるとともに、この撹拌翼は、上下限における昇降と、所定の範囲での上下動を、基台の箱体(支柱ケース)に設けた昇降手段と、上下動手段とで行う構造であり、特開2009−190026号公報に記載されている。この発明では、撹拌翼を、昇降手段で、バケツ内に挿脱し、かつバケツ内における上下動を行う構造である。従って、昇降手段に、センサー及び上下動手段を付設する必要性があり、構造が複雑となること、コストの上昇を招くこと、さらには故障の原因となること、等の問題を抱えている。また、前記昇降と上下動が必須要件であり、汎用性に関し、改良の余地が考えられる。
【0005】
【特許文献1】特開平11−114394号公報
【特許文献2】特開2009−190026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の文献(1)、(2)で説明した、問題と、改良の余地が考えられることに鑑み、本発明は、次のことを目標とする。
1) 撹拌翼の必要回転数を変換することで、三液の確実な混合ととともに、精度の良い混合液を生成すること、例えば、インバータ制御による速度変換とすること、
2) 攪拌羽の角度は混合液の粘度が異なっても羽根の形状と速度により、広範囲の混合を達成すること、
3) バケツを、簡易な仕様で、かつワンタッチで取付け、取外し可能な、挾持構造を提供すること、
4) 撹拌翼の、上限設定・下限設定は、自動的でも、手動的でも切替え可能となること、
5) 撹拌翼の回転軸(回転主軸)は、第二駆動部直結で取替え、取外しが、容易、かつワンタッチに行える、
6) 三液の化学反応(適正な混合)を図るために、適正な回転数の保持と、適正な回転数を確保し、反応速度を最適状況に保つこと、
7) 取扱い操作は、上限設定・下限設定は自動的にも、手動的にも切替えができることで、極めて容易で、使用等を自由とすること、
8) ワンタッチで自動的に下限設定して、回転に移り、必要は回転時間を設定でき、回転終了後に上限設定位置に戻り、再度の使用に対応可能とすること、
9) 本装置には、回転数設定・上限設定・下限設定・装置が含まれること、
10) 支柱の中間より下方の前面側のスペースに設けた支持台に、支持腕の昇降を司る第一駆動部を設けることで、本装置の嵩高さを解消し(小型化を達成し)、また、振動の発生と、第一駆動部の保守管理の容易化を図ること、
11) バケツは、挾持、緊締(チャキング「設定」)後は、スプリング(バネ)設定により定位置に配備されること、
12) 支柱に設けた支持腕を、確実に昇降し、かつバケツの中心に挿入することと、撹拌効率と、品質の一定な混合液を生成すること、
13) 本装置の工程順位(バケツ設定→自動チャック→スイッチ入れる→上限より下降開始→下降設定後回転→タイマーにより必要か移転時間開始→回転終了後上限位置戻る→攪拌終了であり、極めて、容易で、確実に混合と、高品質の混合液を生成すること、
等である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)とを達成することにある。
【0008】
請求項1は、機台と、この機台の支柱に昇降自在に設けた支持腕と、この支持腕に設けた撹拌翼と、この支持腕と撹拌翼を駆動する第一・第二駆動部と、前記機台に、前記撹拌翼が出入りする撹拌用のバケツを設ける空間部と、をそれぞれ配備した撹拌機であって、
前記支持腕の自由端側に前記第二駆動部を配備し、この第二駆動部より垂下した回転軸に前記撹拌翼を支持し、また、前記支柱の立設方向の中間下前面側の前記機台に前記第一駆動部を配備し、この第一駆動部と、前記支持腕の基端側との間に、前記支持腕を昇降する昇降手段を設けることを特徴とした撹拌機である。
【0009】
請求項2の発明は、前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)の他に、10)とを達成することにある。
【0010】
請求項2は、請求項1に記載の撹拌機であって、
前記機台を、方形状のベースと、このベースの後部中心に立設した前記支柱とで構成するとともに、この支柱の中間より下方の前面側に形成されたスペースに設け、かつ前記機台に支持台を垂設し、この支持台に前記支持腕の昇降を司る前記第一駆動部を設けたことを特徴とした撹拌機である。
【0011】
請求項3の発明は、前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)の他に、11)とを達成することにある。
【0012】
請求項3は、請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
前記撹拌用のバケツは、前記ベースの前部に設けた規制板と、この規制板に対峙し、かつこの前部に設けたスプリング、及び摺動板とでなる弾性機構とで構成される拡縮可能な空間部を介して挾持することを特徴とした撹拌機である。
【0013】
請求項4の発明は、前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)の他に、12)とを達成することにある。
【0014】
請求項4は、請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
前記支持腕を、ベースの後部中心に立設した前記支柱に、片持ち式に設けるとともに、この支柱に並設した昇降ガイドに、摺動可能に設ける構成したことを特徴とした撹拌機である。
【0015】
請求項5の発明は、前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)の他に、3)と7)を達成することにある。
【0016】
請求項5は、請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
前記ベースの一方端部に、前記撹拌翼の撹拌時間と、第一・第二駆動部の回転速度を駆動する制御スイッチと、手動制御と自動制御とを選択できるスイッチ、又は支持腕の上昇限、下降限を決定するスイッチ、或いは非常停止用のスイッチを備えた制御部を設ける構成したことを特徴とした撹拌機である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明は、機台と、機台の支柱に昇降自在に設けた支持腕と、支持腕に設けた撹拌翼と、支持腕と撹拌翼を駆動する第一・第二駆動部と、機台に、撹拌翼が出入りする撹拌用のバケツを設ける空間部と、をそれぞれ配備した撹拌機であって、
支柱に設けた支持腕の自由端側に第二駆動部を配備し、第二駆動部より垂下した回転軸に撹拌翼を支持し、また、支柱の立設方向の中間下前面側の機台に第一駆動部を配備し、第一駆動部と、支持腕の基端側との間に、支持腕を昇降する昇降手段を設けることを特徴とした撹拌機である。
【0018】
従って、請求項1では、下記の特徴がある。
1) 撹拌翼の必要回転数を変換することで、三液の確実な混合ととともに、精度の良い混合液を生成できること、例えば、インバータ制御による速度変換となること、
2) 攪拌羽の角度は混合液の粘度が異なっても羽根の形状と速度により、広範囲の混合を達成できること、
4) 撹拌翼の、上限設定・下限設定は、自動的でも、手動的でも切替え可能であること、
5) 撹拌翼の回転軸(回転主軸)は、第二駆動部直結で取替え、取外しが、容易、かつワンタッチに行えること、
6) 三液の化学反応(適正な混合)を図るために、適正な回転数の保持と、適正な回転数を確保し、反応速度を最適状況に保つことが可能となること、
8) ワンタッチで自動的に下限設定して、回転に移り、必要は回転時間を設定でき、回転終了後に上限設定位置に戻り、再度の使用に対応できること、
13) 本装置の工程順位(バケツ設定→自動チャック→スイッチ入れる→上限より下降開始→下降設定後回転→タイマーにより必要か移転時間開始→回転終了後上限位置戻る→攪拌終了であり、極めて、容易で、確実に混合と、高品質の混合液を生成できること、等である。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1に記載の撹拌機であって、
機台を、方形状のベースと、ベースの後部中心に立設した支柱とで構成するとともに、支柱の中間より下方の前面側に形成されたスペースに設け、かつ機台に支持台を垂設し、支持台に支持腕の昇降を司る前記第一駆動部を設けたことを特徴とした撹拌機である。
【0020】
従って、請求項2は、前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)の他に、下記の10)の特徴がある。
10) 支柱の中間より下方の前面側のスペースに設けた支持台に、支持腕の昇降を司る第一駆動部を設けることで、本装置の嵩高さを解消し(小型化を達成し)、また、振動の発生と、第一駆動部の保守管理の容易化が図れること、

請求項3の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
撹拌用のバケツは、ベースの前部に設けた規制板と、規制板に対峙し、かつ前部に設けたスプリング、及び摺動板とでなる弾性機構とで構成される拡縮可能な空間部を介して挾持することを特徴とした撹拌機である。
【0021】
従って、請求項3は、前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)の他に、下記の11)の特徴がある。
11) バケツは、挾持、緊締(チャキング「設定」)後は、スプリング(バネ)設定により定位置に配備できること、
請求項4の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
支持腕を、ベースの後部中心に立設した支柱に、片持ち式に設けるとともに、支柱に並設した昇降ガイドに、摺動可能に設ける構成したことを特徴とした撹拌機である。
【0022】
従って、請求項4は、前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)の他に、下記の12)の特徴がある。
12) 支柱に設けた支持腕を、確実に昇降し、かつバケツの中心に挿入できることと、撹拌効率と、品質の一定な混合液を生成できること、
請求項5の発明は、請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
ベースの一方端部に、撹拌翼の撹拌時間と、第一・第二駆動部の回転速度を駆動する制御スイッチと、手動制御と自動制御とを選択できるスイッチ、又は支持腕の上昇限、下降限を決定するスイッチ、或いは非常停止用のスイッチを備えた制御部を設ける構成したことを特徴とした撹拌機である。
【0023】
従って、請求項5は、前記前記1)、2)と、4)〜6)と、8)と、13)の他に、下記の3)と7)を達成できる特徴がある。
3) バケツを、簡易な仕様で、かつワンタッチで取付け、取外し可能な、挾持構造を提供できること、
7) 取扱い操作は、上限設定・下限設定は自動的にも、手動的にも切替えができることで、極めて容易で、使用等が自由となること、
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】撹拌機の全体の正面図
【図2】撹拌機の全体の平面図
【図3】撹拌機の全体の側面図
【図4】撹拌機の主体をなす撹拌翼の拡大斜視図
【図5】撹拌機の主体をなす撹拌翼の拡大平面図
【図6】撹拌機の主体をなす撹拌翼の拡大側面図
【図7】撹拌機の次の主体をなす制御部の拡大平面図
【図8】第一・第二駆動部と、手動・自動切換え制御部の回路図
【図9】撹拌機の全体の制御装置の回路図
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1〜図3の撹拌機Aの全体を示した各図において、この撹拌機Aの構造は、下記のような部品で構成される。
【0026】
撹拌機Aの機台A1は、方形状のベース1と、このベース1の後部1aの略中心1b(中心とする)に立設した扁平柱形状でなる支柱2とで構成し、機器(撹拌機Aを含めた装置)の軽量化と液の付着を少なくしたアルミニュウム材で構成する。
【0027】
この機台A1の支柱2には、この支柱2の前面側2aに間隔をおいて併設した対の昇降ガイド200には、その基端側3bに開設した対の孔300を遊嵌する支持腕3が片持ち式(一例である。以下、各部品の場合も同様)に架承されている。この支持腕3は、常時、孔300と、この孔300の深さ等を利用して、ベース1の平面に対して水平状態で、かつ後述する昇降手段を介して、この支柱2に対して、昇降自在に設けられる。また、この支持腕3の自由端側3aには、撹拌翼5の回転軸6が垂下されており、この回転軸6の基端側6bは、第二駆動部7の出力軸7aにジョイントされている。従って、この回転軸6は、第二駆動部7のインバータモータの制御で、自由に回転速度が変更される。そして、図4〜6に示すように、この回転軸6の自由端側6aには、撹拌羽根500を備えた撹拌本体501が架承されており、結果として、この回転軸6の自由端側6aには、撹拌翼5が架承されている。この撹拌翼5の板状の撹拌羽根500は、板状の撹拌本体501に対して、間欠的に上下側に略直角に折曲形成されるとともに、回転方向(時計方向)に、偏倚502しており、この一例では、その円周方向の内側500aが内径方向に、その外側500bが、外径方向に偏倚502した構造となっている。また、この撹拌羽根500は、上下側ともに、その円周方向の内側500aが、回転方向に高く、これに対して、その外側500bが、回転方向に低くする形状とし、この撹拌羽根500が、時計方向に回転することで、高い内側500aの撹拌羽根500で、三液の混合液を切り込むようにして、順次、回転することで、三液混合の迅速化と、品質の安定性等が確保できる。尚、この撹拌羽根500相互間の間隔Xを形成することと、前記の高い内側500aと、低い外側500bを入れ違い式(互い違い式)にすることで、この撹拌羽根500に対する抵抗軽減に役立つと考えられる。
【0028】
図中10は第一駆動部で、この第一駆動部10は、ベース1に立設した支持台11に設けられる。そして、この支持台11は、支柱2の中間より下方2bの前面側2aに形成されたスペースYに設け、第二駆動部7とのバランスを確保しつつ、振動吸収に役立てる構造とする。尚、この支持台11は、支柱2に片持ち式に設ける構造も可能である。そして、この第一駆動部10の出力軸に設けた歯車(ピニオン)と、前記支持腕3の基端側3bの下面に固止した螺軸13(ラック)とを介して、この支持腕3が昇降する構造である。この歯車と螺軸13とで支持腕3の昇降手段を構成するが、油圧機構とか、リンク機構等の他の構造でも可能である。そして、この一例では、第一駆動部10が回転することで、歯車が回転し、螺軸13を上昇、又は降下することで、支持腕3が昇降する構造である。また、その上限と下限は、後述する手動では釦操作で、又、自動ではセンサー等のスイッチ機構で制御する。図中11aは支持台11のベースで、11bは脚部を示す。
【0029】
また、図中15はベース1の前部1cの一方端部1dに設けた倒L字形の規制板で、この規制板15の上辺の真中に、三角形状の切欠き部1500を有する。また、16はベース1の前部1cの他方内部1eに設けたL字形の摺動板で、この摺動板16は両端折曲形状の摺動片部1600と、この摺動片部1600が遊嵌される固定板1601と、この摺動板16を付勢するスプリング1602とで構成する。従って、この規制板15と、摺動板16との隙間に、バケツ20(容器)が差込まれると、このバケツ20の側面で、摺動板16が外側方向に押圧されるが(固定板1601をガイドとして、摺動片部1600が移動し、これにより、摺動板16が移動する)、この際に、同時にスプリング1602が圧縮される。バケツ20がさらに差込まれて、規制板15の切欠き部1500到ると、この切欠き深さの分だけ、摺動板16に対する押圧が解除されることで、スプリング1602が反発する。このスプリング1602の反発力で、この摺動板16が、略切欠き深さの分だけ、一方端部1d側に戻る(図1で向かって、左側に移動する)。この摺動板16の戻りと、バケツ20の一方端部1d側への動きとで、このバケツ20の略中心が、撹拌翼5のセンター5aにセットされるとともに、規制板15と摺動板16及びスプリング1602の反力とで固定される。尚、規制板15には、差込み側に誘導用のカット部15aと、後部側に規制用のストップ部15bを有する。また、摺動板16には、差込み側に誘導用のカット部16aを有する。
【0030】
図7に示した制御部21は、ベース1の他方端部1fに設けられており、この制御部21には、図示の如く、回転速度調整スイッチ2100、撹拌時間調整スイッチ2101と、起動釦2102、非常停止釦2103、手動・自動切換スイッチ2104と、上昇釦2105(釦を押し続けることで上昇し、釦を離すと停止)、下降釦2106(釦を押し続けることで下降し、釦を離すと停止)、並びに撹拌入・切スイッチ2107と、電源ランプ2108とを備えている。この配置と、各機器類は、一例であり、限定されない。
【0031】
以下、本発明の混合液の生成作業を説明すると、最初に、例えば、制御部20の手動・自動切換スッチ2104を操作するとともに、起動釦2102(電源スイッチ)を操作して、第一駆動部10を動作して、撹拌翼5が、図1の実線から一点鎖線、即ち、上昇限に到ると、例えば、光電スイッチ22で停止する(図面上において、30で示す)。この状態を、撹拌上昇限表示し、安全を加担する。
【0032】
この上昇限で、三液を充填したバケツ20を、規制板15と摺動板16との間に、差込み、この規制板15と摺動板16とでバケツ20を挾持する。この挾持の状態で、前述の如く、バケツ20の中心は、撹拌翼5のセンター5aに位置する状態である。その後、第一駆動部10を動作して、撹拌翼5が、図1の一点鎖線から実線、即ち、下降限に到ると、例えば、光電スイッチ23で停止する(図面上において、31で示す)。従って、バケツ20の中心に、撹拌翼5のセンター5aが位置するとともに、図1の如く、バケツ20の底部の上に、撹拌羽根500が位置する状態である。この状態を、撹拌下降限表示し、安全を加担する。
【0033】
この撹拌下降限において、第二駆動部7が駆動し、撹拌翼5が旋回し、撹拌作業が始まる(図面上において、36〜38で示す)。そして、この際に、第一駆動部10の操作を介して、撹拌翼5の上下移動を行うこともあり得る(図示せず)。その後、撹拌翼5による撹拌が停止する(図面上において、40で示す)。この撹拌翼5の駆動時間は、タイマーを利用するが、カウントを利用する例等がある。
【0034】
また、撹拌後に、この撹拌翼5の残液を排除する場合には、例えば、撹拌翼5の旋回を逆転させて行うことが望ましい。即ち、この一例では、撹拌翼5が下降限の状態では(図面上において、43で示す)、撹拌翼5を上昇限に移動する(図面上において、46で示す)。その後、撹拌翼5を起動することで、撹拌・自動起動表示し、安全を加担する(図面上において、48〜50で示す)。この作業が終了後は、前述と同様に自動終了する(図面上において、40で示す)。
【0035】
尚、手動操作で、撹拌翼5の上下動を行う場合には、手動・自動切換スイッチ2104を操作し、下降限にある撹拌翼5を移動する。即ち、上昇釦2105を押圧することで、第一駆動部10が作動することで、昇降手段が作用し、支持腕3が昇降する。そして、光電スイッチ22の働きで、上昇限で停止する。そして、前述と同様にバケツ20をセットし、かつ撹拌翼5等を、光電スイッチ23の働きで、所定の下降位置にセットする。そして、続いて、撹拌入・切スイッチ2107を押圧して、この撹拌翼5を旋回し、撹拌作業を始める。その後、前述と同様に所定時間で停止するので、撹拌翼5を移動して、上昇させるか、又は上昇限に到らしめた後に、三液の混合物が充填されたバケツ20の取出し作業を行う。例えば、バケット20を上方に持上げる方法、又はバケット20を手前に引き、規制板15に添って移動するとともに、摺動板16を押圧し、かつスプリング1602を圧縮しながら、順次、引出す方法等を利用して取出し作業を行う。この一連の動作で、三液の混合が終了し、品質の良い混合物が製造される。
【0036】
以上の説明と図面等は、本発明の好ましい実施例を説明したものであり、同様な効果と特徴を有する他の構造、手段は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0037】
1 ベース
1a 後部
1b 中心
1c 前部
1d 一方端部
1e 他方内部
1f 他方端部
2 支柱
2a 前面側
2b 下方
200 昇降ガイド
3 支持腕
3a 自由端側
3b 基端側
5 撹拌翼
5a センター
500 撹拌羽根
500a 内側
500b 外側
501 撹拌本体
502 偏倚
6 回転軸
6a 自由端側
6b 基端側
7 第二駆動部
7a 出力軸
10 第一駆動部
11 支持台
11a ベース
11b 脚部
13 螺軸
15 規制板
15a カット部
15b ストップ片
16 摺動板
1600 摺動片部
1601 固定板
1602 スプリング
20 バケツ
21 制御部
2100 回転速度調整スイッチ
2101 撹拌時間調整スイッチ
2102 起動釦
2103 非常停止釦
2104 手動・自動切換スイッチ
2105 上昇釦
2106 下降釦
2107 撹拌入・切スイッチ
2108 電源ランプ
22 光電スイッチ
23 光電スイッチ
A 撹拌機
A1 機台
X 間隔
Y スペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機台と、この機台の支柱に昇降自在に設けた支持腕と、この支持腕に設けた撹拌翼と、この支持腕と撹拌翼を駆動する第一・第二駆動部と、前記機台に、前記撹拌翼が出入りする撹拌用のバケツを設ける空間部と、をそれぞれ配備した撹拌機であって、
前記支持腕の自由端側に前記第二駆動部を配備し、この第二駆動部より垂下した回転軸に前記撹拌翼を支持し、また、前記支柱の立設方向の中間下前面側の前記機台に前記第一駆動部を配備し、この第一駆動部と、前記支持腕の基端側との間に、前記支持腕を昇降する昇降手段を設けることを特徴とした撹拌機。
【請求項2】
請求項1に記載の撹拌機であって、
前記機台を、方形状のベースと、このベースの後部中心に立設した前記支柱とで構成するとともに、この支柱の中間より下方の前面側に形成されたスペースに設け、かつ前記機台に支持台を垂設し、この支持台に前記支持腕の昇降を司る前記第一駆動部を設けたことを特徴とした撹拌機。
【請求項3】
請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
前記撹拌用のバケツは、前記ベースの前部に設けた規制板と、この規制板に対峙し、かつこの前部に設けたスプリング、及び摺動板とでなる弾性機構とで構成される拡縮可能な空間部を介して挾持することを特徴とした撹拌機。
【請求項4】
請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
前記支持腕を、ベースの後部中心に立設した前記支柱に、片持ち式に設けるとともに、この支柱に並設した昇降ガイドに、摺動可能に設ける構成したことを特徴とした撹拌機。
【請求項5】
請求項1、又は請求項2に記載の撹拌機であって、
前記ベースの一方端部に、前記撹拌翼の撹拌時間と、第一・第二駆動部の回転速度を駆動する制御スイッチと、手動制御と自動制御とを選択できるスイッチ、又は支持腕の上昇限、下降限を決定するスイッチ、或いは非常停止用のスイッチを備えた制御部を設ける構成したことを特徴とした撹拌機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−94689(P2013−94689A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236976(P2011−236976)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【特許番号】特許第4968810号(P4968810)
【特許公報発行日】平成24年7月4日(2012.7.4)
【出願人】(504214453)株式会社 ニュー・サンワ (5)
【Fターム(参考)】