説明

撹拌混合器及びこれを備えた凝集反応装置

【課題】処理流量範囲が広くてスケールが付着しにくい撹拌混合器とこれを備えた凝集反応装置を提供すること。
【解決手段】薬品が添加された水を圧送する移送配管4の途中に、前記水が通過する孔8aが中心部に形成された弾性パッキン8を設けて撹拌混合器10を構成する。
又、無機凝集剤が添加された水を圧送する移送配管の途中に設けられた撹拌混合器と、該撹拌混合器の下流側に設けられ、内部に撹拌機を備えた凝集反応槽と、を有する凝集反応装置において、前記撹拌混合器を前記撹拌混合器10で構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機凝集剤等の薬品と水とを撹拌混合するための撹拌混合器とこれを備えた凝集反応装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、下水等の有機排水の生物処理工程から排出される余剰汚泥を脱水処理する場合、一般的には汚泥に凝集剤を添加して凝集処理することによってフロックを形成した後に脱水処理が行われる。
【0003】
図9は汚泥(原泥)に無機凝集剤を添加して凝集処理する従来の凝集反応装置101を示す模式的な断面図であり、この凝集反応装置101においては、原泥は原泥ポンプ103によって凝集反応槽102に導入され、この凝集反応槽102で原泥に無機凝集剤が添加されて両者が撹拌機106により撹拌混合されることによって凝集汚泥が排出される。
【0004】
ところで、汚泥と無機凝集剤とを効率的に反応させるためには強い撹拌が必要であるが、強い撹拌には多くの動力を消費し、又、下水の混合生汚泥のように汚泥中に夾雑物が含まれる原泥の場合には、撹拌羽根に夾雑物が絡み付いて円滑な撹拌が阻害される場合もある。
【0005】
そこで、図10及び図11に示すような凝集反応装置201が提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
図10は凝集反応装置の正面図、図11は図7のC−C線断面図であり、図示の凝集反応装置201は、凝集反応槽202に汚泥(原泥)を移送する原泥ポンプ203を有する移送配管204の途中に、混合撹拌器としての円筒容器状の滞留槽210を設け、この貯留槽210に細径配管211を接線方向に接続するとともに、滞留槽210から延びる移送配管204に細径配管205を接続し、この細径配管205を凝集反応槽202の外周部に接線方向に接続して構成されている。ここで、凝集反応槽202は、円筒容器状に成形され、その内部には撹拌機206が備えられている。又、凝集反応槽202の上部には排出配管207が接続されている。
【0007】
而して、汚泥は、原泥ポンプ203によって移送配管204及び細径配管211を経て滞留槽210に導入される間に、移送配管204と細径配管211との連結部近傍で無機凝集剤が注入される。注入された無機凝集剤は、小径の細径配管211内における汚泥の乱流によって汚泥中に均一に分散混合され、この細径配管211を通過する高速の汚泥流が滞留槽210内に接線方向に流入するときの噴射流によって更に無機凝集剤の混合拡散が行われる。そして、細径配管211から滞留槽210への接線方向に流入した汚泥流は、滞留槽210内で旋回流となり、この滞留槽210内の汚泥と混合されることによって無機凝集剤はより一層均一に混合拡散される。
【0008】
このように無機凝集剤が撹拌混合された汚泥は、移送配管204と細径配管205を経て凝集反応槽202に接線方向に流入することによって凝集反応槽202内で旋回流となり、この凝集反応槽202内の汚泥と混合されることによって無機凝集剤はより一層均一に混合拡散されるとともに、凝集反応槽202内での撹拌機206による撹拌によってフロックが成長し、良好な凝集処理が行われる。
【0009】
以上のようにして凝集反応槽202で得られた凝集汚泥は、排出配管207から凝集反応槽202外へと排出され、次の処理工程へと送給される。
【0010】
又、特許文献2には、撹拌混合器として図12に示すような前処理装置が提案されている。
【0011】
即ち、図12は前処理装置301の断面図であり、図示の前処理装置301は、廃水の流入口302、注入槽303、凝集剤注入口304、拡散羽根305、拡散槽306、凝圧筒307、凝圧膨張槽308、圧縮部309、圧縮口310、静圧槽311及び流出口312を備えており、流入口302から流入した廃水は、注入槽303で膨張して流れ、その過程で凝集剤注入口304から凝集剤が注入される。そして、凝集剤が注入された廃水は、拡散羽根305を通過することによって凝集剤と混合・撹拌され、渦流混合状態となって拡散槽306に流出される。
【0012】
拡散槽306に流出した廃水は、渦流拡散状態が促進された後に凝圧筒307を流れ、その過程で徐々に圧縮され、これに含まれる懸濁不純物が分離・凝集して分離沈澱物が形成される。そして、凝圧筒307によって圧縮された廃水は、凝圧膨張槽308で膨張した流れとなり、次の圧縮部309にて再び圧縮されて分離沈澱物の圧密性が高められた後に圧縮口310から静圧槽311へ流入し、静圧槽311で静的に膨張した後、流出口312から装置外へと排出される。
【特許文献1】特許第3539428号公報
【特許文献2】特開2001−239103号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、図10及び図11に示した撹拌混合器としての滞留槽210を備えた従来の凝集反応装置201においては、滞留槽210に汚泥を接線方向に噴射する細径配管211の口径が一定であるために、汚泥の処理流量には制約がある他、運転を継続すると細径配管211の内面にスケールが付着し、この付着したスケールを容易に取り除くことができないという問題があった。尚、細径配管211の内面に付着するスケールは、汚泥中のリンと無機凝集剤中の金属の反応によって生成されるFePO4 等である。
【0014】
又、図12に示した前処理装置301は、内部構造が複雑であるために繊維状の夾雑物が絡み付き易いという欠点を有している。
【0015】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、処理流量範囲が広くてスケールが付着しにくい撹拌混合器とこれを備えた凝集反応装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、薬品が添加された水を圧送する移送配管の途中に、前記水が通過する孔が中心部に形成された弾性パッキンを設けて撹拌混合器を構成したことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記移送配管を、フランジで接合された複数の管で構成するとともに、隣接する2つの管同士を接合する2枚のフランジ間に前記弾性パッキンを挟み込んだことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記弾性パッキンを前記移送配管の長さ方向に複数設けたことを特徴とする。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記薬品が無機凝集剤であることを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記薬品が有機凝集剤であることを特徴とする。
【0021】
請求項6記載の発明は、
無機凝集剤が添加された水を圧送する移送配管の途中に設けられた撹拌混合器と、
該撹拌混合器の下流側に設けられ、内部に撹拌機を備えた凝集反応槽と、
を有する凝集反応装置において、
前記撹拌混合器を請求項1又は2記載の撹拌混合器で構成したことを特徴とする凝集反応装置。
【0022】
請求項7記載の発明は、
無機凝集剤が添加された水を圧送する移送配管の途中に設けられた第1の撹拌混合器と、
該第1の撹拌混合器の下流側に設けられ、有機凝集剤が添加された水を圧送する移送配管の途中に設けられた第2の撹拌混合器と、
該第2の撹拌混合器の下流側に設けられ、内部に撹拌機を備えた凝集反応槽と、
を有する凝集反応装置において、
前記第1及び第2の撹拌混合器を請求項1又は2記載の撹拌混合器で構成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1、4及び5記載の本発明によれば、中心部に孔が形成されたオリフィス状の弾性パッキンを移送配管の途中に設けたため、無機凝集剤や有期凝集剤等の薬品が添加された水が弾性パッキンの孔を通過する際に絞られて流速を増して次の空間に勢い良く噴射される。このため、薬品と水の撹拌混合が促進される。
【0024】
又、薬品と水の混合物の流量が増えると、弾性パッキンの上流側の圧力が高くなり、この高い圧力によって弾性パッキンが膨らんでその孔の径が拡大するため、この孔を通過する薬品と水の混合物の流量が増え、この結果、処理流量範囲が拡大する。
【0025】
更に、薬品と水の混合物が通過する孔は薄い弾性パッキンに形成されており、薬品と水の混合物の流量変化によって弾性パッキンの孔の周辺が運転中及び運転の前後に変形するため、その部分にスケールが付着しにくく、付着したとしても剥れてしまう。
【0026】
請求項2載の発明によれば、移送配管をフランジで接合された複数の管で構成するとともに、隣接する2つの管同士を接合する2枚のフランジ間に弾性パッキンを挟み込んだため、弾性パッキンを容易に交換することができるとともに、弾性パッキンを容易に取り外して清掃することができる。
【0027】
請求項3記載の発明によれば、弾性パッキンを移送配管の長さ方向に複数設けたため、薬品と水の混合物が複数の弾性パッキンの孔を通過する毎に流速を増して次の空間に勢い良く噴射され、両者の撹拌混合が一層促進される。
【0028】
請求項6記載の発明によれば、無機凝集剤が添加された水が凝集反応槽に導入される前に撹拌混合器によって無機凝集剤と水との撹拌混合が十分なされるため、両者の凝集反応槽での凝集反応が良好になされて高い凝集効率が得られる。
【0029】
請求項7記載の発明によれば、水が凝集反応槽に導入される前に第1の撹拌混合器によって無機凝集剤と水との撹拌混合が十分になされ、この撹拌混合された混合物に有機凝集剤が添加されると、この有機凝集剤は第2の撹拌混合器によって撹拌混合されるため、凝集反応槽での水と無機凝集剤及び有機凝集剤との凝集反応が良好ななされて高い凝集効率が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[撹拌混合器]
以下に本発明に係る撹拌混合器の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】
<実施の形態1>
図1は本発明の実施の形態1に係る撹拌混合器の断面図、図2は弾性パッキンの正面図、図3(a),(b)は流量が小さいときと大きい場合の弾性パッキンの状態を示す説明図である。
【0032】
本実施の形態に係る撹拌混合器10は、無機凝集剤や有機凝集剤等の薬品が添加された水を圧送する移送配管4の途中に、前記水が通過する円孔8aが中心部に形成されたオリフィス状の弾性パッキン8を水の流れ方向に対して略直角に配置して構成されている。具体的には、移送管4を2つの管4a,4bに分割し、これらの管4a,管4b同士をフランジ9で接合し、両フランジ9の間に前記弾性パッキン8を挟み込んで撹拌混合器10を構成している。尚、弾性パッキン8は、ゴム等の弾性体によって構成され、水圧(差圧)によって弾性変形することができる。
【0033】
而して、撹拌混合器10において弾性パッキン8の上流で薬品が添加された水は、移送配管4を流れる過程で弾性パッキン8の円孔8aを通過する。このとき、薬品と水の混合物は、弾性パッキン8の円孔8aを通過する際に絞られて流速を増して次の空間に勢い良く噴射されるため、薬品と水の撹拌混合が促進されて両者が効率良く反応する。
【0034】
ところで、薬品と水の混合物の流量が比較的小さい場合には、弾性パッキン8の上流側の圧力が小さいために該弾性パッキン8は図3(a)に示すように殆ど変形せず、その円孔8aの内径も殆ど変化しない。
【0035】
他方、薬品と水の混合物の流量が増えて大きくなると弾性パッキン8の上流側の圧力が高くなり、この高い圧力によって弾性パッキン8が図3(b)に示すように膨らんでその円孔8aの内径が拡大するため、この円孔8aを通過する薬品と水の混合物の流量が増え、この結果、処理流量範囲が拡大する。
【0036】
そして、本実施の形態では、薬品と水の混合物が通過する円孔8aは薄い弾性パッキン8に形成されており、薬品と水の混合物の流量変化によって弾性パッキン8の円孔8aの周辺が運転中及び運転の前後に変形するため、その部分にスケールが付着しにくく、付着したとしても剥れてしまう。
【0037】
又、本実施の形態では、移送配管4をフランジ9で接合された2つの管4a,4bで構成するとともに、これらの管4a,管4b同士を接合する2枚のフランジ9の間に弾性パッキン8を挟み込んだため、フランジ9を取り外すことによって弾性パッキン8を容易に交換することができるとともに、弾性パッキン8を容易に取り外して清掃することができる。
【0038】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2に係る撹拌混合器を図4に基づいて説明する。
【0039】
図4は本発明の実施の形態2に係る撹拌混合器の断面図であり、本図においては図1〜図3に示したものと同一要素には同一符号を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0040】
本実施の形態に係る撹拌混合器11は、2枚の弾性パッキン8を移送配管4の長さ方向に適当な間隔で設けたことを特徴としている。具体的には、移送配管4は、フランジ9で接合された3つの管4a,4b,4cで構成されており、隣接する2つの管4a,4b及び管4b,4c同士をそれぞれ接合する2枚のフランジ9の間に前記弾性パッキン8が挟み込まれている。
【0041】
而して、本実施の形態においても前記実施の形態と同様の効果が得られるが、本実施の形態では、2枚の弾性パッキン8を移送配管4の長さ方向に適当な間隔で設けたため、薬品と水の混合物が2枚の弾性パッキン8の円孔8aを通過する毎に流速を増して次の空間に勢い良く噴射され、両者の攪拌混合が一層促進されるという効果が得られる。
【0042】
[凝集反応装置]
以下に本発明に係る凝集反応装置の実施の形態を図5及び図6に基づいて説明する。
【0043】
<実施の形態1>
図5は本発明の実施の形態1に係る凝集反応装置の正面図、図6は図5のA−A線断面図である。
【0044】
本実施の形態に係る凝集反応装置1は、凝集反応槽2と、該凝集反応槽2に汚泥(原泥)を圧送する移送配管4を備えており、該移送配管4の途中には原泥ポンプ3が設けられている。そして、移送配管4は、図6に示すように、前記凝集反応槽2の下部外周に略接線方向に接続されている。ここで、凝集反応槽2は、円筒容器状に成形され、その内部には撹拌機6が備えられており、上部には排出配管7が接続されている。
【0045】
而して、本実施の形態に係る凝集反応装置1においては、移送配管4の前記原泥ポンプ3の下流には、図4に示すものと同様の攪拌混合器11が設けられている。即ち、この攪拌混合器11は、2枚の弾性パッキン8を移送配管4の長さ方向に適当な間隔で設けて構成されている。
【0046】
而して、汚泥は、原泥ポンプ3によって移送配管4を移送される間に攪拌混合器11の上流において無機凝集剤が添加されるが、この無機凝集剤が添加された汚泥は、移送配管4を流れる過程で攪拌混合器11を通過する。攪拌混合器11においては、汚泥と凝集剤の混合物は、各弾性パッキン8の円孔8aを通過する際に絞られて流速を増して次の空間に勢い良く噴射されるため、汚泥と凝集剤の攪拌混合が促進されて両者が効率的に反応し、高い凝集効率が得られる。
【0047】
ところで、汚泥と凝集剤の混合物の流量が比較的小さい場合には、弾性パッキン8の上流側の圧力が小さいために該弾性パッキン8は図3(a)に示すように殆ど変形せず、その円孔8aの内径も殆ど変化しない。
【0048】
他方、汚泥と凝集剤の混合物の流量が増えて大きくなると弾性パッキン8の上流側の圧力が高くなり、この高い圧力によって弾性パッキン8が図3(b)に示すように膨らんでその円孔8aの内径が拡大するため、この円孔8aを通過する汚泥と凝集剤の混合物の流量が増え、この結果、処理流量範囲が拡大する。
【0049】
そして、本実施の形態では、2枚の弾性パッキン8を移送配管4の長さ方向に適当な間隔で設けて成る攪拌混合器11を用いたため、汚泥と凝集剤の混合物が2枚の弾性パッキン8の円孔8aを通過する毎に流速を増して次の空間に勢い良く噴射され、両者の混合・拡散が一層促進されて高い凝集効率が得られる。尚、本実施の形態では、攪拌混合器11に設けられる弾性パッキン8の枚数を2としたが、弾性パッキン8の枚数に制限はなく、1枚或は3枚以上としても良い。
【0050】
又、汚泥と凝集剤の混合物が通過する円孔8aは薄い弾性パッキン8に形成されており、汚泥と凝集剤の混合物の流量変化によって弾性パッキン8の円孔8aの周辺が運転中及び運転の前後に変形するため、その部分にスケールが付着しにくく、付着したとしても剥れてしまう。
【0051】
而して、攪拌混合器11を流れる過程で弾性パッキン8の円孔8aを通過することによって流速を増して次の空間に勢い良く噴射されるため、十分に攪拌混合された汚泥と凝集剤の混合物は、移送配管4から凝集反応槽2内に略接線方向に流入し、そのときの噴射流によって無機凝集剤の攪拌混合が更に効果的に行われる。
【0052】
そして、移送配管4から凝集反応槽2内に接線方向に流入した汚泥流は、凝集反応槽2内で旋回流となり、この凝集反応槽2内の汚泥と混合されることによって無機凝集剤はより一層均一に攪拌混合されるとともに、凝集反応槽2内での撹拌機6による撹拌によって汚泥フロックが成長し、良好な凝集処理が行われる。
【0053】
以上のようにして凝集反応槽2で得られた凝集汚泥は、排出配管7から凝集反応槽2外へと排出され、次の処理工程(有機凝集剤による凝集処理工程又は脱水工程)へと送給される。
【0054】
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2に係る凝集反応装置を図7及び図8に基づいて説明する。
【0055】
図7は本発明の実施の形態2に係る凝集反応装置の正面図、図8は図7のB−B線断面図であり、これらの図においては図5及び図6に示したものと同一要素には同一符合を付しており、以下、それらについての再度の説明は省略する。
【0056】
本実施の形態に係る凝集反応装置1’は、無機凝集剤が添加された水を圧送する移送配管4の途中に設けられた第1の撹拌混合器11(図4に示すものと同一)の下流に、図1に示したものと同じ第2の攪拌混合器10を設けたことを特徴としており、本実施の形態では、第1の攪拌混合器11と第2の攪拌混合器10との間に有機凝集剤が添加される。
【0057】
而して、本実施の形態に係る凝集反応装置1’においては、汚泥が凝集反応槽2に導入される前に第1の撹拌混合器11によって無機凝集剤と水との撹拌混合が十分なされ、この撹拌混合された混合物に有機凝集剤が添加されると、この有機凝集剤は第2の撹拌混合器10によって撹拌混合されるため、凝集反応槽2での汚泥と無機凝集剤及び有機凝集剤との凝集反応が良好になされて高い凝集効率が得られる。
【0058】
尚、本実施の形態では、第1の攪拌混合器11の弾性パッキン8の枚数を2とし、第2の攪拌混合器10の弾性パッキン8の枚数を1としたが、第1及び第2の攪拌混合器11,10に設けられる弾性パッキン8の枚数には制限はなく任意である。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の実施の形態1に係る撹拌混合器の断面図である。
【図2】弾性パッキンの正面図である。
【図3】(a),(b)は流量が小さいときと大きい場合の弾性パッキンの状態を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る撹拌混合器の断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る凝集反応装置の正面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る凝集反応装置の正面図である。
【図8】図7のC−C線断面図である。
【図9】従来の凝集反応装置の断面図である。
【図10】従来の凝集反応装置の正面図である。
【図11】図7のC−C線断面図である。
【図12】従来の前処理装置の断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1,1’ 凝集反応装置
2 凝集反応槽
3 原泥ポンプ
4 移送配管
4a〜4c 管
6 攪拌機
7 排出配管
8 弾性パッキン
8a 弾性パッキンの円孔
9 フランジ
10 攪拌混合器(第2の攪拌混合器)
11 攪拌混合器(第1の攪拌混合器)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬品が添加された水を圧送する移送配管の途中に、前記水が通過する孔が中心部に形成された弾性パッキンを設けて構成されることを特徴とする撹拌混合器。
【請求項2】
前記移送配管を、フランジで接合された複数の管で構成するとともに、隣接する2つの管同士を接合する2枚のフランジ間に前記弾性パッキンを挟み込んだことを特徴とする請求項1記載の撹拌混合器。
【請求項3】
前記弾性パッキンを前記移送配管の長さ方向に複数設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の撹拌混合器。
【請求項4】
前記薬品が無機凝集剤であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の撹拌混合器。
【請求項5】
前記薬品が有機凝集剤であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の撹拌混合器。
【請求項6】
無機凝集剤が添加された水を圧送する移送配管の途中に設けられた撹拌混合器と、
該撹拌混合器の下流側に設けられ、内部に撹拌機を備えた凝集反応槽と、
を有する凝集反応装置において、
前記撹拌混合器を請求項1又は2記載の撹拌混合器で構成したことを特徴とする凝集反応装置。
【請求項7】
無機凝集剤が添加された水を圧送する移送配管の途中に設けられた第1の撹拌混合器と、
該第1の撹拌混合器の下流側に設けられ、有機凝集剤が添加された水を圧送する移送配管の途中に設けられた第2の撹拌混合器と、
該第2の撹拌混合器の下流側に設けられ、内部に撹拌機を備えた凝集反応槽と、
を有する凝集反応装置において、
前記第1及び第2の撹拌混合器を請求項1又は2記載の撹拌混合器で構成したことを特徴とする凝集反応装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−200646(P2008−200646A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−41982(P2007−41982)
【出願日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【出願人】(000001063)栗田工業株式会社 (1,536)
【Fターム(参考)】