説明

擂潰装置

【課題】従来より安定した擂り潰し動作が可能であると共にコンパクト化可能な擂潰装置を提供する。
【解決手段】本発明の擂潰装置10では、乳鉢40を保持する回転盤32、乳鉢40、太陽歯車50へと、モータ33の出力回転トルクが下側から上側に向かって伝達されるから、モータ33を擂潰装置10の下端部に配置することができ、従来より擂潰装置10の重心位置を下げることが可能になる。これにより、安定した擂り潰し動作が可能になる。また、乳鉢40が箱形ケース100に対して回転するので、乳鉢40をフライホイールに兼用することができる。これにより、従来のフライホイールを廃止して擂潰装置10全体をコンパクト化することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乳鉢に対して乳棒を自転させながら公転させるための遊星機構を備えた擂潰装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図9に示した従来の擂潰装置は、乳鉢2が載置される台座1からスタンド3が起立し、そのスタンド3によって遊星歯車機構4の太陽歯車4Aが乳鉢2の中心上方位置に固定された構造になっている。そして、回転操作ホイール5を回転操作すると、遊星歯車機構4の遊星歯車4Bが太陽歯車4Aの周りを公転しながら自転し、遊星歯車4Bに連結された乳棒6が乳鉢2内を公転しながら自転するようになっている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許20338号(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した従来の擂潰装置の構成では、スタンド3がフライホイール(弾み車)の役割を果たしているが、回転操作ホイール5によって擂潰装置全体が嵩張ることが問題になっていた。また、上記した従来の擂潰装置の構成では、モータを駆動源として設けた場合、モータがスタンド3の上部に配置されて、擂潰装置全体の重心位置が高くなり、擂り潰し動作が不安定になるという問題もあった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、従来より安定した擂り潰し動作が可能でありかつコンパクト化可能な擂潰装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る擂潰装置は、乳鉢に対して乳棒を自転させながら公転させるための遊星機構を備えた擂潰装置において、上下方向に延びた回転軸を中心に回転しかつ乳鉢を一体回転可能に保持した乳鉢回転ホルダーと、乳鉢回転ホルダーを回転可能に支持した固定ベースと、乳鉢回転ホルダーを回転駆動するためのモータと、遊星機構の太陽回転体を乳鉢の底面上方かつ回転軸上に保持しかつ、乳鉢と太陽回転体とを一体回転に連結する乳鉢太陽連結部材と、太陽回転体の中心に貫通形成された太陽中心孔と、太陽中心孔に挿通され、太陽回転体より上方で固定ベースに回転不能に支持された中心固定シャフトと、中心固定シャフトに回転不能に固定又は一体形成されると共に、遊星機構の遊星回転体を下方から回転可能に保持した遊星保持盤と、遊星保持盤を上下方向に貫通し、遊星回転体と乳棒とを一体回転可能に連結する乳棒遊星連結シャフトとを備えたところに特徴を有する。なお、本発明において、太陽回転体とは、太陽歯車及び太陽摩擦車の両方を含むものであり、遊星回転体とは、遊星歯車及び遊星摩擦車の両方を含むものであり、遊星機構とは、太陽歯車と遊星歯車とで構成される遊星歯車機構と、太陽摩擦車と遊星摩擦車とで構成される遊星摩擦車機構との両方を含むものである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の擂潰装置において、中心固定シャフトは、固定ベースに対して上下方向で固定される共に、中心固定シャフトには、乳鉢太陽連結部材を回転可能かつ上下動不能に支持する太陽軸受部が備えられ、乳鉢太陽連結部材には、太陽回転体に固定されて側方に張り出した水平旋回部と、水平旋回部の先端から垂下された連結脚部とが備えられ、乳鉢又は乳鉢回転ホルダーには、回転時に周速方向で連結脚部と当接してモータの回転トルクを乳鉢太陽連結部材に伝達可能な回転連結部が備えられ、固定ベースは、下側ベース部と、その下側ベース部に対して上方から合体可能及び上方に離脱可能な上側ベース部とからなり、下側ベース部に、乳鉢回転ホルダー及びモータが取り付けられる一方、上側ベース部に中心固定シャフトが取り付けられているところに特徴を有する。
【0008】
請求項3の発明は、請求項2に記載の擂潰装置において、回転連結部は、乳鉢の外側面から側方に突出形成されているところに特徴を有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載の擂潰装置において、上側及び下側のベース部の何れか一方のベース部に固定されかつ他方のベース部に向かって突出するように上下方向に延びたスライドレールと、他方のベース部に固定されてスライドレールに係合したスライダとからなる昇降ガイドを備え、互いに離間した状態の上側と下側のベース部の間で突っ張り状態になって、上側と下側のベース部の離間状態を保持するための離間保持部材とを備えたところに特徴を有する。
【0010】
請求項5の発明は、請求項4に記載の擂潰装置において、離間保持部材は、ダンパーシリンダ内にダンパーロッドを挿入して、ダンパーシリンダの奥部の被圧縮部材を圧縮変形可能としたダンパーであり、そのダンパーの一端部と他端部とが上側と下側のベース部にそれぞれ回転可能に連結されると共に、それら上側と下側のベース部におけるダンパーとの連結位置が水平方向で互いにずらされて、上側と下側のベース部を接近させるとダンパーが圧縮されながら倒れ、上側と下側のベース部を離間させるとダンパーが延びながら起立するようにしたところに特徴を有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載の擂潰装置において、下側ベース部は、モータを収容しかつ上面に乳鉢回転ホルダーが配置された箱形の下段ボックスと、下段ボックスに備えられて乳鉢回転ホルダーを回転可能に支持したホルダー軸支部とからなり、下段ボックスの上端には、モータと乳鉢回転ホルダーとを連結するための上面貫通孔を有した上面壁が備えられ、上側ベース部は下面が開放した箱形の上段ボックスであり、上段ボックスの下面開口の開口縁を、下段ボックスの上面縁部に当接させて、上段ボックスの下面開口を閉塞した状態に維持するための合体係合手段を備えたところに特徴を有する。
【0012】
請求項7の発明は、請求項6に記載の擂潰装置において、昇降ガイド及びダンパーは、左右対称に設けられると共に、上段及び下段のボックスの側壁より内側に配置されているところに特徴を有する。
【0013】
請求項8の発明は、請求項6又は7に記載の擂潰装置において、上段ボックスの上面壁には、乳鉢の内側を覗くための覗き窓が備えられているところに特徴を有する。
【0014】
請求項9の発明は、請求項6乃至8の何れか1の請求項に記載の擂潰装置において、上段ボックスには、前面開口と、前面開口の一側縁部に回動可能に連結されて、前面開口を開閉可能な前面開閉扉とが備えられているところに特徴を有する。
【0015】
請求項10の発明は、請求項1乃至9の何れか1の請求項に記載の擂潰装置において、乳鉢の下面には、複数の係合孔が陥没形成され、乳鉢回転ホルダーは、乳鉢を載置可能な回転盤の上面から、複数の係合孔に凹凸係合可能な複数の係合突部が突出した構造をなしたところに特徴を有する。
【0016】
請求項11の発明は、請求項1乃至10の何れか1の請求項に記載の擂潰装置において、中心固定シャフトを固定ベースに対して上下方向で固定すると共に、乳棒遊星連結シャフトを遊星保持盤に対して上下方向で固定し、互いに直動可能かつ回転不能に連結された連結外筒部と連結内軸部とを、乳棒遊星連結シャフト及び乳棒の一方と他方とに設けて、その連結外筒体の奥面と連結内軸部の先端面との間に圧縮バネを備えたところに特徴を有する。
【0017】
請求項12の発明は、請求項11に記載の擂潰装置において、固定ベースに対する中心固定シャフトの上下方向の固定位置を変更して、乳棒の乳鉢に対する加圧力を変更するための乳棒加圧力変更機構を備えたところに特徴を有する。
【0018】
請求項13の発明は、請求項12に記載の擂潰装置において、固定ベースに形成された非円形孔と、中心固定シャフトの上端部に形成され、非円形孔に回転不能に嵌合した非円形軸部と、中心固定シャフトのうち非円形軸部より下側部分の外面に形成された加圧調整螺子部と、加圧調整螺子部に螺合した加圧調整ナットと、固定ベースに設けられ、加圧調整ナットに対して上方から当接するナット受部とから乳棒加圧力変更機構が構成されたところに特徴を有する。
【0019】
請求項14の発明は、請求項1乃至13の何れか1の請求項に記載の擂潰装置において、中心固定シャフトから側方に張り出すと共に、乳棒又は乳棒遊星連結シャフトが貫通した貫通孔を有し、乳鉢の上面開口を覆う固定円盤蓋を備えたところに特徴を有する。
【0020】
請求項15の発明は、請求項14に記載の擂潰装置において、固定円盤蓋の外側に上下動可能に嵌合されて、乳鉢の上面開口の開口縁に面当接可能な円筒カバーと、円筒カバーの上端部と下端部とから内側にそれぞれ張り出して、固定円盤蓋に対して円筒カバーを抜け止めする抜止係止部とを備えたところに特徴を有する。
【0021】
請求項16の発明は、請求項1乃至15の何れかに記載の擂潰装置において、中心固定シャフトの下端部には、乳鉢の底面の中央に溜まった擂潰対象物を底面における外縁側へとガイドするためのガイド部材が取り付けられているところに特徴を有する。
【0022】
請求項17の発明は、請求項1乃至15の何れかに記載の擂潰装置において、中心固定シャフトの下端部には、乳鉢の底面の中央に溜まった擂潰対象物を底面における外縁側へと排除するための刷毛が取り付けられているところに特徴を有する。
【0023】
請求項18の発明は、請求項1乃至17の何れかに記載の擂潰装置において、乳鉢の底面は、乳鉢の回転軸と直交した水平面とされ、乳棒は、乳鉢の底面に面当接可能な下端面を有した略円柱構造をなしているところに特徴を有する。
【0024】
請求項19の発明は、請求項1乃至18の何れかに記載の擂潰装置において、乳鉢の底面を、回転軸に対して傾斜した傾斜面としたところに特徴を有する。
【発明の効果】
【0025】
[請求項1の発明]
請求項1の構成によれば、モータにて乳鉢回転ホルダーを回転駆動すると、乳鉢とその上方の太陽回転体とが一体回転し、遊星回転体及び乳棒が、太陽回転体に対しては公転せずに自転し、乳鉢に対しては相対的に公転しながら自転する。そして、乳棒と乳鉢との間で擂潰対象物を擂り潰すことができる。このように、本発明の擂潰装置では、乳鉢回転ホルダーから乳鉢、太陽回転体へとモータの出力回転トルクが下側から上側へと伝達されるので、モータを擂潰装置の下端部に配置することができ、従来より擂潰装置の重心位置を下げることが可能になる。これにより、従来より安定した擂り潰し動作が可能になる。また、乳鉢が固定ベースに対して回転するので、乳鉢をフライホイールに兼用して擂潰装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0026】
[請求項2の発明]
請求項2の擂潰装置では、固定ベースを構成する下側ベース部と上側ベース部とを上下に分離すると、下側ベース部の乳鉢回転ホルダーに保持された乳鉢と、上側ベース部の中心固定シャフトに保持された乳鉢太陽連結部材、遊星機構及び乳棒とが、上下に分離され、乳鉢内の擂潰対象物を採取することができる。また、上側ベース部を下側ベース部と合体させるだけで、乳鉢太陽連結部材の連結脚部と、乳鉢又は乳鉢回転ホルダーに備えた回転連結部とが、回転時の周速方向上で当接して一体回転可能に連結される。
【0027】
[請求項3の発明]
請求項3の構成によれば、乳鉢の回転連結部と、乳鉢太陽連結部材の連結脚部とが、回転時の周速方向で当接し、乳鉢と太陽回転体とが乳鉢太陽連結部材によって一体回転可能に連結される。また、回転連結部は、乳鉢の外側面から側方に突出しているので、持ち手部に兼用することもできる。
【0028】
[請求項4の発明]
請求項4の構成によれば、スライドレールとスライダとからなる昇降ガイドの案内によって、上側ベース部が上下方向にのみ移動し、水平方向の移動が禁止される。これにより、上側ベース部と共に乳棒を乳鉢に対してスムースに挿抜することができる。また、離間保持部材によって上側と下側のベース部を離間状態に保持することができ、乳鉢内の擂潰対象物の採取及び清掃を容易に行うことができる。
【0029】
[請求項5の発明]
請求項5の構成によれば、上側と下側のベース部が離間するに従って、ダンパーが起立し、ダンパーの弾発力のうち上側ベース部を押し上げる方向の成分が増加する。これによりダンパーによって上側と下側のベース部が離間した状態に保持される。一方、上側と下側のベース部を接近させるとダンパーが倒れて、ダンパーの弾発力のうち上側ベース部を押し上げる方向の成分が減少し、上側ベース部がダンパーの弾発力によって押し上げられなくなる。即ち、本発明によれば、上側ベース部を、上下動するだけで、上側ベース部が上下動可能な範囲における上端位置と下端位置とにそれぞれ止めることができる。
【0030】
[請求項6の発明]
請求項6の構成によれば、上側と下側のベース部としての上段と下段のボックスを合体させると、下段ボックスの乳鉢が上段ボックスの下面開口を介して上段ボックス内に収容された状態になり、合体係合手段にてこの状態に固定することができる。
【0031】
[請求項7の発明]
請求項7の構成によれば、昇降ガイド及びダンパーは、左右対称に設けられているので上段ボックスの左右の傾きを規制して、スムーズに上段ボックスを上下させることができる。しかも、昇降ガイド及びダンパーは、上段及び下段のボックスの側壁より内側に配置されているので、上段と下段のボックスを合体させると、昇降ガイド及びダンパーが、上段及び下段のボックスの内側に隠れて見栄えがよくなる。
【0032】
[請求項8の発明]
請求項8の構成によれば、上段ボックスの上面壁に備えた覗き窓を介して乳鉢内の擂潰対象物を視認することができる。
【0033】
[請求項9の発明]
請求項9の構成によれば、上段ボックスの前面開閉扉を開いて上段ボックスの内部を視認したり、メンテナンスすることができる。
【0034】
[請求項10の発明]
請求項10の構成によれば、乳鉢回転ホルダーにおける回転盤の上面に乳鉢を載置して、回転盤の上面の係合突部を乳鉢の下面の係合孔に凹凸係合可能させることで、乳鉢回転ホルダーに乳鉢を一体回転可能に保持させることができる。
【0035】
[請求項11の発明]
請求項11の構成によれば、圧縮バネの弾発力によって乳棒が乳鉢の底面に押し付けられているので、乳棒と乳鉢との間に噛み込んだ擂潰対象物の大きさによって乳棒が上下動でき、擂り潰し抵抗のばらつきを抑えることができる。
【0036】
[請求項12及び13の発明]
請求項12及び13の構成によれば、乳棒加圧力変更機構を操作して、乳棒の乳鉢に対する加圧力を変更することができる。
【0037】
[請求項14の発明]
請求項14の構成によれば、中心固定シャフトから側方に張り出した固定円盤蓋で乳鉢の上面開口を覆って乳鉢内の擂潰対象物が乳鉢外に飛散することを防止することができる。
【0038】
[請求項15の発明]
請求項15の構成によれば、固定円盤蓋と乳鉢との上下方向における相対位置が、乳鉢及び中心固定シャフトの寸法誤差や組付誤差或いは乳棒加圧力変更機構による中心固定シャフトの上下動によって変化したり、ばらついても、固定円盤蓋の外側に上下動可能に嵌合された円筒カバーによって、固定円盤蓋と乳鉢との隙間が塞がれ、乳鉢内の擂潰対象物が乳鉢外に飛散することを確実に防止することができる。
【0039】
[請求項16の発明]
請求項16の構成によれば、乳鉢の底面の中央に溜まった擂潰対象物をガイド部材によって底面における外縁側へとガイドし、効率よく擂潰対象物を擂り潰すことができる。
【0040】
[請求項17の発明]
請求項17の構成によれば、乳鉢の底面の中央に溜まった擂潰対象物を刷毛によって底面における外縁側へと排除し、効率よく擂潰対象物を擂り潰すことができる。
【0041】
[請求項18の発明]
請求項18の構成によれば、乳鉢と乳棒との当接面積が広く確保され、効率よく擂潰対象物を擂り潰すことができる。
【0042】
[請求項19の発明]
請求項19の構成によれば、乳鉢の底面と乳棒の下端面との間に徐々に狭くなった隙間が形成され、乳鉢と乳棒との間に擂潰対象物が引き込まれ易くなり、効率よく擂潰対象物を擂り潰すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の一実施形態に係る擂潰装置の斜視図
【図2】上段ボックスを分離位置に配置した状態の擂潰装置の斜視図
【図3】擂潰装置の正断面図
【図4】上段及び下段ボックスの合体時の昇降ガイド及びダンパーの側面図
【図5】上段及び下段ボックスの分離時の昇降ガイド及びダンパーの側面図
【図6】中心固定シャフトの斜視図
【図7】乳棒遊星連結シャフト及び乳棒の側断面図
【図8】固定円盤蓋及び円筒カバーの側断面図
【図9】従来の擂潰装置の側断面図
【発明を実施するための形態】
【0044】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態を図1〜図8に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態の擂潰装置10は、全体が縦長直方体状の箱形ケース100に覆われている。その箱形ケース100は、上下方向の中間部で下段ボックス11と上段ボックス12とに分割され、図4と図5とに対比して示すように、上段ボックス12を上方に移動して上段と下段のボックス11,12を離間させることができるようになっている。
【0045】
図2に示すように、下段ボックス11は、全体が閉塞された箱形形状をなし、下面四隅に偏平円柱状の脚部14が取り付けられている。また、下段ボックス11の内側下面の中央には、図3に示すように、門形ブラケット34が固定されている。門形ブラケット34は、下段ボックス11の内側下面から起立した1対の対向壁34B,34Bの上端部間を天井壁34Aで連絡してなり、その天井壁34Aの下面に減速機30が取り付けられ、さらにその減速機30の下面にモータ33が取り付けられている。また、減速機30の回転出力シャフト30Aは天井壁34Aより上方に突出すると共に、減速機30内の図示しないベアリングによって回転可能に軸支されている。そして、モータ33の出力トルクが減速機30にて減速されて、減速機30の回転出力シャフト30Aから出力される。
【0046】
下段ボックス11の上面壁のうち減速機30の回転出力シャフト30Aが突き合わされた部分には、上面貫通孔11Bが貫通形成されている。そして、下段ボックス11の上面に配置された回転盤32が上面貫通孔11Bを介して減速機30の回転出力シャフト30Aに連結されている。具体的には、回転盤32は、円板状をなし、上面にエンボス状の複数の係合突部32Kを有する一方、下面中央に連結筒31を備えている。そして、連結筒31に減速機30の回転出力シャフト30Aが挿入された状態で側方からピン31Pを貫通させて、連結筒31と回転出力シャフト30Aとが一体回転可能に連結されている。これにより、回転盤32がモータ33にて回転駆動可能になっている。
【0047】
なお、回転盤32は、前記した減速機30内の図示しないベアリングによって回転出力シャフト30Aと共に回転可能に軸支されている。即ち、本実施形態では、減速機30が本発明に係る「ホルダー軸支部」になっている。また、下段ボックス11と「ホルダー軸支部」としての上記減速機30とから本発明に係る「下側ベース部」が構成され、下段ボックス11と減速機30と上段ボックス12とから(即ち、箱形ケース100と減速機30とから)本発明に係る「固定ベース」が構成されている。
【0048】
下段ボックス11内には、モータ33を駆動するためのモータ駆動制御回路35が備えられている。そして、モータ駆動制御回路35を商用電源に接続するための図示しないケーブルが下段ボックス11の後面から外部に導出されている。また、下段ボックス11の後面壁には、モータ駆動制御回路35への過電流を防ぐための図示しないヒューズが交換可能に設けられている。さらに、図1に示すように、下段ボックス11の前面には、電源スイッチ16と、モータ33の回転速度を調整するための速度調整摘み18と、回転時間を設定するためのタイマー17とが備えられている。
【0049】
回転盤32の上面には、乳鉢40が載置されている。乳鉢40は、円筒状の側壁40Aの下端部を水平な底壁40Bで閉塞した鍋形構造の素焼きの磁器である。この乳鉢40の側壁40Aにおける上端部の外周面には、全周に亘る帯状領域を側方に突出させて鍔部40Cが形成され、その鍔部40Cを含む側壁40Aの上端面40D全体が水平な平坦面になっている。そして、鍔部40Cにおける180度離れた2箇所から、本発明の「回転連結部」に相当する持手突部45,45が側方に突出している。各持手突部45は、ブロック状の樹脂を鍔部40Cに螺子止めしてなり、持手突部45の一部は、側壁40Aの上端面40Dより上方に突出している。なお、乳鉢40の底壁40Bと側壁40Aとの接合部分は、内面と外面が共に円弧状に面取りされている。
【0050】
乳鉢40の下面には、回転盤32の係合突部32Kと凹凸係合可能な複数の係合孔40Kが形成されている。これにより、乳鉢40を回転盤32の上面に載置するだけで、乳鉢40が回転盤32に一体回転可能に連結され、乳鉢40が回転盤32と共にモータ33にて回転駆動される。なお、回転盤32の外周面と乳鉢40の外側面の下端部とには、図2に示すように、位置合わせ用の位置合わせマーカー32M,40Mが備えられ、それら位置合わせマーカー32M,40Mが上下に並ぶように位置合わせすれば、回転盤32の係合突部32Kと乳鉢40の係合孔とを容易に係合させることができる。
【0051】
上段ボックス12は、ボックス本体12Hの前面に前面開閉扉19を備えた構造になっている。ボックス本体12Hは、図3に示すように、下段ボックス11に対して横幅が同じで、図4に示すように、前後の奥行きが若干小さくなっている。また、図2に示すように、ボックス本体12Hには、下面の外縁部を除いた略全体に開放した下面開口12Aと、前面の外縁部を除いた略全体に開放した前面開口12Bとが形成され、前面開閉扉19によって前面開口12Bが開閉される。
【0052】
前面開閉扉19は、ボックス本体12Hに前方から向かって左側の外縁部に、ヒンジ19Hを介して回動可能に連結されている。また、前面開閉扉19は、図1に示すように、前方に膨らんだフード構造になっている。具体的には、前面開閉扉19は、ボックス本体12Hの前面の略全体を覆い、左右方向の両端部から中央部に向かって徐々に前側に膨出した前面湾曲壁19Fを有し、その前面湾曲壁19Fの外縁部からボックス本体12H側に突出した枠形突壁19Wの先端から内側に前面当接壁19Z(図2参照)を直角曲げした構造になっている。そして、その前面当接壁19Zを前面開口12Bの外縁部に当接させた状態にして前面開閉扉19が前面開口12Bを閉塞する。また、ボックス本体12Hにおける右側外側面の前端縁にバックル19Tが備えられる一方、前面開閉扉19におけるヒンジ19Hと反対側の端部には、図示しない係止突起が備えられ、そのバックル19Tを係止突起に係止させて前面開閉扉19が閉じた位置にロックされるようになっている(図1参照)。
【0053】
なお、前面開閉扉19が閉塞状態になると、枠形突壁19Wの上面及び左右両側面がボックス本体12Hの上面及び左右両側面と面一になると共に、枠形突壁19Wの下面が、ボックス本体12Hの下面より僅かに上方の位置に配置される。
【0054】
上段ボックス12は、下面開口12Aの開口縁、即ち、ボックス本体12Hの下面の外縁部を、下段ボックス11の上面の外縁部に当接させて下段ボックス11に合体させることができる。上段ボックス12を下段ボックス11に合体させると、図1に示すように、ボックス本体12Hの後面及び左右両側面が下段ボックス11の後面及び左右両側面と面一になり、図4に示すように、ボックス本体12Hの前面が下段ボックス11への前面より僅かに後方にズレかつ前面開閉扉19の前面が下段ボックス11の前面より僅かに前方に張り出した状態になる。また、上段ボックス12を下段ボックス11に合体した合体位置から、図2に示すように、下段ボックス11の真上に離間した分離位置へとガイドするために、昇降ガイド13が上段及び下段のボックス11,12の外縁部の複数位置に設けられている。
【0055】
各昇降ガイド13は、上下方向に延びかつ互いにスライド可能に係合した溝型の第1と第2のガイドレール13A,13Bからなる。なお、第1と第2のガイドレール13A,13Bのうち一方が本発明に係る「ガイドレール」に相当し、他方が本発明に係る「スライダ」に相当する。
【0056】
昇降ガイド13を取り付けるために、下段ボックス11には、上面壁の左右の外縁部における前端寄り位置と、後側の外縁部における中央とに、それぞれ外縁部に沿って延びた矩形孔13Kが貫通形成されている。そして、第1のガイドレール13Aが、各矩形孔13Kに挿通されてその下端部が下段ボックス11の側壁の内面に固定されると共に、下段ボックス11の上面から上方に突出して延びている。また、各第2のガイドレール13Bは、上段ボックス12の下面開口12Aに挿通されて上端部が上段ボックス12の側壁の内面に固定されると共に、上段ボックス12の下面から下方に突出して延びている。そして、上段ボックス12を合体位置に配置したときには、図4に示すように、第1と第2のガイドレール13A,13Bの長手方向の全体が互いに重なった状態になって、第1のガイドレール13Aのうち下段ボックス11から上方に延びた上方露出部が上段ボックス12内に収容され、第2のガイドレール13Bのうち上段ボックス12から下方に延びた下方露出部が下段ボックス11内に収容される。
【0057】
一方、図5に示すように、上段ボックス12が分離位置に配置されると、第1と第2のガイドレール13A,13Bの端部のみが互いに重なった状態になって、それら第1と第2のガイドレール13A,13Bの上方露出部及び下方露出部が、下段ボックス11と上段ボックス12の間で共に露出する。また、第1のガイドレール13A及び第2のガイドレール13Bの間には、第2のガイドレール13Bが第1のガイドレール13Aの上方に離脱しないように規制するストッパ(図示せず)が設けられ、このストッパによって上段ボックス12が分離位置に位置決めされる。
【0058】
上段と下段のボックス11,12の間には、上段ボックス12を分離位置に保持するためのダンパー26が左右の昇降ガイド13,13の後方側に取り付けられている。各ダンパー26は、ダンパーシリンダ61内に下方からダンパーロッド62を挿入し、ダンパーシリンダ61の奥部の被圧縮部材(例えば、圧縮ガス又は圧縮コイルバネ)をダンパーロッド62の直動によって圧縮可能とした構造になっている。
【0059】
また、ダンパー26を取り付けるために、下段ボックス11には、図2に示すように、上面壁の後側外縁部における両端寄り位置に、それぞれ下段連結スタンド27が固定されている。下段連結スタンド27は、板金をL字形に屈曲してなり、そのL字の一辺が下段ボックス11の上面から起立した状態になっている。そして、図4に示すように、各下段連結スタンド27の上端部を左右方向に貫通した回動支持孔に後側連結ピン27Aが挿通され、その後側連結ピン27Aにダンパー26の下端部、即ち、ダンパーロッド62の下端部が回動可能に連結されている。
【0060】
一方、上段ボックス12には、左右の両側壁の内面における前端寄り位置に、それぞれ上段連結スタンド28が固定されている。図2に示すように、上段連結スタンド28は、板金をクランク状に屈曲してなり、一端部が上段ボックス12の側壁の内面に重ねて固定される一方、他端部が上段ボックス12の側壁の内面と平行になって対向している。そして、図4に示すように、上段連結スタンド28の他端部を左右方向に貫通した回動支持孔に回動支持ピン28Aが挿通され、その前側連結ピン28Aにダンパー26の上端部、即ち、ダンパーシリンダ61の上端部が回動可能に連結されている。
【0061】
上段ボックス12が合体位置に位置すると、前側連結ピン28Aが後側連結ピン27Aより若干上方位置に配置されてダンパー26が水平に近い傾斜姿勢になる。そして、上段ボックス12を上昇させる過程で、ダンパー26が起立しながらダンパーシリンダ61からダンパーロッド62が抜き出てダンパー26が伸び、上段ボックス12が分離位置に位置したときには、ダンパー26が鉛直に近い傾斜姿勢になって上段と下段のボックス11,12の間で突っ張り状態になる。そして、そのダンパー26の弾発力によって上段ボックス12が分離位置に保持される。
【0062】
詳細には、上段ボックス12が分離位置に近づくに従ってダンパー26が起立していくので、ダンパー26の弾発力のうち上段ボックス12を押し上げる方向の成分が増加する。一方、上段ボックス12が合体位置に近づくに従って、ダンパー26の弾発力のうち上段ボックス12を押し上げる方向の成分が減少する。これにより、上段ボックス12を上下動するだけで、上段ボックス12が合体位置と分離位置とに保持される。また、図2に示すように、下段ボックス11における左右の両外側面における上端縁にはバックル15が備えられる一方、上段ボックス12における左右の両外側面における下端縁には係止突起15Kが備えられている。そして、バックル15を係止突起15Kに係止させて上段ボックス12が合体位置にロックされる。
【0063】
なお、上段ボックス12を合体位置に位置したときにダンパー26が前下がりに傾斜するように構成して、ダンパー26の弾発力によって、上段ボックス12が合体位置に保持されるようにしてもよい。
【0064】
図3に示すように、上段ボックス12における上面壁の中央には、中心固定シャフト53が取り付けられている。図6に示すように、中心固定シャフト53には、上端側から順番に、第1非円形軸部53A、加圧調整螺子部53B、第2非円形軸部53C、中間円筒部53D及び下端円筒部53Eが備えられている。第1非円形軸部53Aは、丸棒の周方向の一部に平面53Xを形成した断面非円形構造をなっている。加圧調整螺子部53Bは、第1非円形軸部53Aの外径より太い丸棒の外面に螺子を切った構造になっている。第2非円形軸部53Cは、第1非円形軸部53Aの外径より太い丸棒の周方向の一部に平面53Yを形成した断面非円形構造をなっている。中間円筒部53Dは、第2非円形軸部53Cと略同一外径の断面円形の丸棒になっている。下端円筒部53Eは、中間円筒部53Dより段付き状に外径が大きな断面円形の丸棒になっている。
【0065】
図3に示すように、上段ボックス12の上面壁の中央には、中心固定シャフト53を取り付けるために、シャフト挿通孔12Fが上下方向に貫通形成されている。そのシャフト挿通孔12Fは、中心固定シャフト53の第2非円形軸部53Cが遊嵌可能な大きさになっている。また、上段ボックス12の上面壁の下面中央には、回転規制盤23が固定され、その回転規制盤23のうちシャフト挿通孔12Fの同軸上に、中心固定シャフト53の第2非円形軸部53Cと略同一の断面形状の第2非円形孔23Aが形成されている。
【0066】
さらに、上段ボックス12の上面壁の上面中央には、シャフト挿通孔12Fを覆うようにナットホルダ20が取り付けられている。ナットホルダ20は、下面開放の箱構造をなし、ナットホルダ20の上面壁には、シャフト挿通孔12Fの同軸上に、中心固定シャフト53の第1非円形軸部53Aと略同一の断面形状の第1非円形孔20Aが形成されている。また、ナットホルダ20は、左右方向より前後方向に薄くなっていて、そのナットホルダ20の前面と後面とには、上下方向の下端寄り位置に横長の矩形窓20Kが形成されている。そして、円板の中央に雌螺子を切ってなる加圧調整ナット21が、矩形窓20Kに側方から挿通されてシャフト挿通孔12Fの同軸上に配置され、加圧調整ナット21の一部がナットホルダ20の前後に突出した状態になり、矩形窓20Kの開口縁の突き当てにより加圧調整ナット21の上下方向の移動が禁止されている。
【0067】
上段ボックス12に対して中心固定シャフト5がか下方から組み付けられ、中心固定シャフト53の第1非円形軸部53Aがナットホルダ20の第1非円形孔20Aに嵌合すると共に、中心固定シャフト53の第2非円形軸部53Cが回転規制盤23の第2非円形孔23Aに嵌合した状態で、中心固定シャフト53の加圧調整螺子部53Bに加圧調整ナット21が螺合している。これにより、中心固定シャフト53が上段ボックス12に回転不能に支持されると共に、加圧調整ナット21の操作によって上下方向の任意の位置に保持可能になっている。なお、加圧調整ナット21の外周面には、滑り止めようのローレット加工が施されている。
【0068】
中心固定シャフト53には、遊星歯車機構50Kが組み付けられている。その遊星歯車機構50Kの太陽歯車50は、中心固定シャフト53の中間円筒部53Dにおける下端円筒部53E寄りの端部に嵌合され、中間円筒部53Dと下端円筒部53Eとの段差面(本発明の「太陽軸受部」に相当する)に上方から当接している。詳細には、太陽歯車50は、円板状の平歯車であって、中心部に貫通形成された太陽中心孔50Hの内側にメタル軸受50Aを圧入固定して備えている。そして、そのメタル軸受50Aを中心固定シャフト53の中間円筒部53Dの外周面と中間円筒部53Dと下端円筒部53Eとの段差面とに摺接させて、太陽歯車50が中心固定シャフト53を中心に回転する。
【0069】
太陽歯車50の上面には、本発明に係る乳鉢太陽連結部材56が固定されている。乳鉢太陽連結部材56は、帯板形の板金を門形に折り曲げてなり、上下方向に延びた1対の連結脚部56T,56Tの上端部間を水平方向に延びた水平旋回部56Sにて連絡した構造になっている。そして、水平旋回部56Sの中間部が、円板状の嵩上盤56Rを介して、太陽歯車50の上面に一体回転可能に固定されている。なお、嵩上盤56R及び水平旋回部56Sにも、中心固定シャフト53が挿通した貫通孔が形成されている。
【0070】
乳鉢太陽連結部材56の連結脚部56T,56Tにおける互いの対向面の下端部には、それぞれ樹脂ブロック60,60が固定されている。そして、上段ボックス12を合体位置に配置すると、樹脂ブロック60,60が、乳鉢40における持手突部45,45の回動領域内に配置される。これにより、乳鉢40がモータ33によって回転駆動されると、乳鉢40の周速方向で乳鉢太陽連結部材56の樹脂ブロック60,60と乳鉢40の持手突部45,45とが当接し、太陽歯車50を含む乳鉢太陽連結部材56と乳鉢40とが一体回転する。
【0071】
中心固定シャフト53における下端円筒部53Eの上端寄り位置には、遊星保持盤57が固定(例えば、溶接又は圧入)され、その遊星保持盤57には、遊星歯車機構50Kの複数の遊星歯車51が回転可能に軸支されている。詳細には、遊星保持盤57は円板状をなし、遊星歯車51を支持するための例えば1対の支持孔57A,57Aが180度離れた2位置に貫通形成されている。各支持孔57Aには、それぞれ乳棒遊星連結シャフト47が挿通されている。
【0072】
図7に示すように、乳棒遊星連結シャフト47には、上端部から順番に歯車固定部47A、ストッパフランジ47B、連結内軸部47Cが備えられ、ストッパフランジ47Bが、歯車固定部47A及び連結内軸部47Cより側方に張り出している。また、歯車固定部47Aのうちストッパフランジ47B側の端部には、図3に示すように、摺動リング48が嵌合され、歯車固定部47Aのうちストッパフランジ47Bから離れた端部には、図7に示すようにキー溝47Kが形成されている。さらに、連結内軸部47Cには、ピン係合孔47Eが径方向に貫通形成されている。ピン係合孔47Eは、連結内軸部47Cの上端寄り位置に配置されて上下方向に延びた長孔形状になっている。
【0073】
そして、図3に示すように、摺動リング48を介して歯車固定部47Aの下端部が、遊星保持盤57の各支持孔57A内に嵌合され、歯車固定部47Aの上端部が遊星歯車51に嵌合されてキー連結されている。遊星歯車51は、太陽歯車50と同じ肉厚の円板状をなした平歯車であって、太陽歯車50に噛合している。そして、乳棒遊星連結シャフト47に上方向きの力がかかると、ストッパフランジ47Bが遊星保持盤57の下面に当接して位置決めされ、遊星歯車51が太陽歯車50と同じ高さに配置される。また、乳棒遊星連結シャフト47に下向きの力(例えば、自重)が係ると、遊星歯車51が下方にずれて遊星保持盤57の上面に当接し、これにより、乳棒遊星連結シャフト47が抜け止めされる(図2参照)。
【0074】
乳棒遊星連結シャフト47の連結内軸部47Cには、乳棒49が一体回転可能に連結されている。乳棒49は、上下方向に延びた金属製の回動シャフト46の下端部に乳棒本体49Hを固定してなる。乳棒本体49Hは、円柱体の下面外縁部を円弧状に面取りした形状の素焼きの磁器である。回動シャフト46は、パイプの下端部からフランジ46Fを張り出した構造をなし、図3に示すように、フランジ46Fの下側部分が乳棒本体49Hに埋設されている。また、回動シャフト46の上端寄り位置には、径方向にピン孔46Aが貫通形成されている。そして、回動シャフト46内に上方から圧縮バネ55と連結内軸部47Cとを挿入した状態で、ピン46Sが回動シャフト46のピン孔46Aと乳棒遊星連結シャフト47のピン係合孔47Eとに挿通されている。これにより、乳棒49と乳棒遊星連結シャフト47とが回転不能かつ上下動可能に連結されかつ、連結外筒体46の奥面と連結内軸部47Cの先端面との間で圧縮バネ55が圧縮されるようになっている。
【0075】
図3に示すように、中心固定シャフト53の下端部には、固定円盤蓋58が固定されている。固定円盤蓋58は、中心固定シャフト53の下端部に固定された金属製で円板状の蓋本体58Aと、樹脂製で蓋本体58Aの上面外縁部に重ねた状態に固定され、蓋本体58Aから側方に張り出した樹脂製で環形円板状摺動鍔部58Bとからなる。また、蓋本体58Aには、1対の貫通孔58C,58Cを形成され、それらに連結外筒体46が挿通されている。詳細には、図8に示すように、蓋本体58Aは、乳鉢40の上面開口の内径と略同一の外径をなし、摺動鍔部58Bは、乳鉢40の側壁40Aの上端面における径方向の中間位置まで張り出す大きさになっている。また、摺動鍔部58Bには、図3に示すように、遊星保持盤57から垂下された1対の保持支持脚66,66が固定されている。
【0076】
固定円盤蓋58の外側には、樹脂製の円筒カバー29が嵌合されている。円筒カバー29は、固定円盤蓋58を内側で直動可能かつ回転可能な大きさをなし、円筒カバー29の下端部から内側に樹脂壁29Aが張り出すように一体形成されている。また、円筒カバー29の上端面には、複数のワッシャ64がビス65によって固定され、それらワッシャ64が円筒カバー29の内側に張り出している。そして、樹脂壁29A及びワッシャ64によって固定円盤蓋58と円筒カバー29とが抜け止め状態に係合している。
【0077】
なお、固定円盤蓋58の下面中央からは帯板状のブラケット59Kが垂下され、そのブラケット59Kの下端部に樹脂製の刷毛59が取り付けられている。また、図1に示すように、上段ボックス12の上面壁には、ナットホルダ20の近傍に覗き窓12Wが備えられている。覗き窓12Wは、上段ボックス12の上面壁に貫通形成された孔を内側から透光部材で閉塞してなる。図2に示すように、この覗き窓12Wと同様の構成の覗き窓57W,58Wが、遊星保持盤57と固定円盤蓋58にも備えられ、これら3つの覗き窓12W,57W,58Wを通して、上段ボックス12の上方から乳鉢40内を視認することができるようになっている。
【0078】
本実施形態の擂潰装置10の構成に関する説明は以上である。次に、この擂潰装置10の作用効果について説明する。擂潰装置10にて擂潰対象物を擂り潰すには、図2に示すように、上段ボックス12を持ち上げて分離位置に配置し、乳鉢40の上面開口を開放する。そして、擂潰対象物を乳鉢40内に投入してから上段ボックス12を降下させて合体位置に配置し、バックル15にて上段ボックス12を合体位置に固定する。すると、図3に示すように、乳棒49が乳鉢40の底面に当接して、圧縮バネ55の弾発力にて乳棒49が乳鉢40の底面に押し付けられる。また、乳鉢40の底面中央には、刷毛59が押し付けられる。さらに、円筒カバー29の下端面が乳鉢40の側壁40Aにおける上端面に当接し、円筒カバー29と固定円盤蓋58とによって乳鉢40の上面開口が塞がれる。
【0079】
また、必要に応じて擂潰対象物に応じた擂潰装置10の運転時間をタイマー17にて設定すると共に乳棒49の回転速度を速度調整摘み18にて設定する。そして、電源スイッチ16をオンしてモータ33を起動する。すると、回転盤32が乳鉢40と一体になって回転すると共に、乳鉢40の持手突部45,45が周速方向で乳鉢太陽連結部材56の樹脂ブロック60,60と当接して、太陽歯車50を含む乳鉢太陽連結部材56が乳鉢40と一体になって回転する。すると、太陽歯車50に噛合した遊星歯車51,51及び乳棒49,49が、太陽歯車50に対しては、公転せずに自転し、乳鉢40に対しては、相対的に公転しながら自転する。そして、乳鉢40と乳棒49との間で擂潰対象物が擂り潰される。このとき、乳鉢40の底面中央に溜まった擂潰対象物は、刷毛59によって底面の外縁側へと掃き出される。また、乳棒49と刷毛59との間に溜まった擂潰対象物は、乳鉢40の回転による遠心力によって乳鉢40側に移動する。
【0080】
ここで、乳鉢40と乳棒49との接触圧力が大き過ぎたり小さ過ぎると、擂潰対象物を効率よく擂り潰すことができない。その接触圧力の異常は、例えば、擂潰装置10の運転中の音で判断することができる。そこで、異常音が発生し得る場合には、加圧調整ナット21を回動操作して、乳鉢40と乳棒49との接触圧力を増加又は減少させて調整する。具体的には、例えば、加圧調整ナット21を操作して中心固定シャフト53を上段ボックス12に対して下方に移動すると、その中心固定シャフト53に固定された遊星保持盤57も下方に移動し、遊星保持盤57に押されて乳棒遊星連結シャフト47が下方に移動する。これにより、乳棒遊星連結シャフト47の下端面と回動シャフト46の奥面との間における圧縮バネ55の圧縮変形量が増し、乳鉢40と乳棒49との接触圧力を増加させることができる。これと逆の操作を行えば、乳鉢40と乳棒49との接触圧力を減少させることができる。
【0081】
なお、覗き窓12Wを覗いて異常を調べることもできるし、前面開閉扉19を開いて、上段ボックス12の内部全体を視認し、異常を調べることもできる。
【0082】
ところで、擂潰装置10の運転中に、擂潰対象物の塊が乳鉢40と乳棒49の間で粉砕され、擂潰対象物の破片が乳鉢40の上方に向かって飛散する場合がある。しかしながら、本実施形態の擂潰装置10では、中心固定シャフト53から側方に張り出した固定円盤蓋58で乳鉢40の上面開口を覆っているので、乳鉢40内の擂潰対象物が乳鉢40外に飛散することが防がれる。また、擂潰装置10の運転中に、擂潰対象物が粉粒体になって巻き上げられる場合もある。しかしながら、本実施形態の擂潰装置10では、固定円盤蓋58と乳鉢40の開口縁との隙間が円筒カバー29によって覆われているので、粉粒体となった擂潰対象物が乳鉢40外に漏れることを防ぐことができる。さらには、加圧調整ナット21の操作により固定円盤蓋58が上下動しても、円筒カバー29は乳鉢40の上端面40Dに当接した状態に維持されるので、確実に粉粒体の漏れを防ぐことができる。
【0083】
擂潰装置10の運転が停止したら、電源スイッチ16をオフ操作して、バックル15を外し、上段ボックス12を上方に持ち上げる。ここで、上段ボックス12は、昇降ガイド13の案内によって、上下方向にのみ移動し、水平方向の移動が禁止されるので、上段ボックス12と共に乳棒49を乳鉢40からスムースに離脱させることができる。また、上段ボックス12の上昇途中でダンパー26の弾発力が補助力となり、上段ボックス12が容易に持ち上げられる。そして、上段ボックス12が分離位置に到たると、ダンパー26が下段ボックス11と上段ボックス12との間で突っ張り状態になって上段ボックス12が分離位置に保持されるので、乳鉢40の取り出しや乳棒49の清掃等を容易に行うことができる。
【0084】
なお、上段ボックス12を合体位置に配置したときには、図1に示すように、昇降ガイド13及びダンパー26が、上段及び下段のボックス11,12の内側に隠れるので、擂潰装置10全体の見栄えがよくなる。
【0085】
以上説明したように本実施形態の擂潰装置10では、乳鉢40を保持する回転盤32、乳鉢40、乳鉢太陽連結部材56、そして、太陽歯車50へと、モータ33の出力回転トルクが下側から上側に向かって伝達されるから、モータ33を擂潰装置10の下端部に配置することができ、従来より擂潰装置10の重心位置を下げることが可能になる。これにより、安定した擂り潰し動作が可能になる。また、乳鉢40が箱形ケース100に対して回転するので、乳鉢40をフライホイールに兼用することができる。これにより、従来のフライホイールを廃止して擂潰装置10全体をコンパクト化することが可能になる。
【0086】
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0087】
(1)前記実施形態の擂潰装置10において、乳鉢40の底面を、回転軸に対して僅かに傾斜した傾斜面としてもよい。そうすれば、乳鉢40の底面と乳棒49の下端面との間に徐々に狭くなった隙間が形成され、乳鉢40と乳棒49との間に擂潰対象物が引き込まれ易くなり、擂り潰し効率が向上する。
【0088】
(2)前記実施形態では、上段ボックス12を分離位置に保持するためにダンパー26が用いられていたが、上段ボックス12の下端面と下段ボックス11の上面との間に突っ張り棒を配置してもよい。この構成によっても、上段と下段のボックス11,12を離間状態に保持することができる。
【0089】
(3)上段ボックス12が下段ボックス11から上方に取り外し可能な構成であってもよい。
【0090】
(4)前記実施形態の擂潰装置10では、中心シャフト53を支持する上段ボックス12が備えられていたが、下段ボックス11の上面に中心固定シャフト53を支持するスタンドが起立する構成であってもよい。このような構成であっても、従来より安定した擂り潰し動作が可能でありかつコンパクト化を図ることができる。
【0091】
(5)前記実施形態の擂潰装置10において、乳棒49の乳棒本体49Hの上下方向の中心軸を遊星歯車51の軸心からずらした構成としてもよい。これにより、乳棒本体49Hの回転領域を大きくすることが可能になり、擂り潰し効率の向上を図ることができる。
【0092】
(6)前記実施形態では、太陽歯車50に遊星歯車51が2つ噛合していたが、3つ以上噛合する構成であってもよい。この構成によれば、乳棒49の数を増やして、擂り潰し効率の向上を図ることができる。
【0093】
(7)前記実施形態の擂潰装置10において、遊星歯車51の太陽歯車50と反対側に遊星歯車51と噛合する遊星歯車を備えて、乳棒を太陽歯車50の中心軸からより離れた位置に配置可能な構成としてもよい。この構成によれば、乳鉢40のサイズを大きくして、擂り潰し動作1回当たりの擂潰対象物の量を多くすることができる。これにより、擂り潰し動作の回数を減少させることが可能になる。
【0094】
なお、本発明の技術的範囲には属さないが、上記した変形例(1)、(6)又は(7)の構成を、乳鉢がベースに固定されて乳棒が乳鉢内を公転しながら自転する機構を持つ擂潰装置に適用することも可能である。
【符号の説明】
【0095】
10 擂潰装置
11 下段ボックス
12 上段ボックス
12W 覗き窓
13 昇降ガイド
21 加圧調整ナット
26 ダンパー
29 円筒カバー
30 減速機
32 回転盤
33 モータ
40 乳鉢
47 乳棒遊星連結シャフト
49 乳棒
50 太陽歯車
50H 太陽中心孔
50K 遊星歯車機構
51 遊星歯車
53 中心固定シャフト
55 圧縮バネ
56 乳鉢太陽連結部材
57 遊星保持盤
58 固定円盤蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳鉢に対して乳棒を自転させながら公転させるための遊星機構を備えた擂潰装置において、
上下方向に延びた回転軸を中心に回転しかつ前記乳鉢を一体回転可能に保持した乳鉢回転ホルダーと、
前記乳鉢回転ホルダーを回転可能に支持した固定ベースと、
前記乳鉢回転ホルダーを回転駆動するためのモータと、
前記遊星機構の太陽回転体を前記乳鉢の底面上方かつ回転軸上に保持しかつ、前記乳鉢と前記太陽回転体とを一体回転に連結する乳鉢太陽連結部材と、
前記太陽回転体の中心に貫通形成された太陽中心孔と、
前記太陽中心孔に挿通され、前記太陽回転体より上方で前記固定ベースに回転不能に支持された中心固定シャフトと、
前記中心固定シャフトに回転不能に固定又は一体形成されると共に、前記遊星機構の遊星回転体を下方から回転可能に保持した遊星保持盤と、
前記遊星保持盤を上下方向に貫通し、前記遊星回転体と前記乳棒とを一体回転可能に連結する乳棒遊星連結シャフトとを備えたことを特徴とする擂潰装置。
【請求項2】
前記中心固定シャフトは、前記固定ベースに対して上下方向で固定される共に、前記中心固定シャフトには、前記乳鉢太陽連結部材を回転可能かつ上下動不能に支持する太陽軸受部が備えられ、
前記乳鉢太陽連結部材には、前記太陽回転体に固定されて側方に張り出した水平旋回部と、前記水平旋回部の先端から垂下された連結脚部とが備えられ、
前記乳鉢又は前記乳鉢回転ホルダーには、回転時に周速方向で前記連結脚部と当接して前記モータの回転トルクを前記乳鉢太陽連結部材に伝達可能な回転連結部が備えられ、
前記固定ベースは、下側ベース部と、その下側ベース部に対して上方から合体可能及び上方に離脱可能な上側ベース部とからなり、前記下側ベース部に、前記乳鉢回転ホルダー及び前記モータが取り付けられる一方、前記上側ベース部に前記中心固定シャフトが取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の擂潰装置。
【請求項3】
前記回転連結部は、前記乳鉢の外側面から側方に突出形成されていることを特徴とする請求項2に記載の擂潰装置。
【請求項4】
前記上側及び下側のベース部の何れか一方のベース部に固定されかつ他方のベース部に向かって突出するように上下方向に延びたスライドレールと、他方のベース部に固定されて前記スライドレールに係合したスライダとからなる昇降ガイドを備え、
互いに離間した状態の前記上側と下側のベース部の間で突っ張り状態になって、前記上側と下側のベース部の離間状態を保持するための離間保持部材とを備えたことを特徴とする請求項3に記載の擂潰装置。
【請求項5】
前記離間保持部材は、ダンパーシリンダ内にダンパーロッドを挿入して、前記ダンパーシリンダの奥部の被圧縮部材を圧縮変形可能としたダンパーであり、
そのダンパーの一端部と他端部とが前記上側と下側のベース部にそれぞれ回転可能に連結されると共に、それら上側と下側のベース部における前記ダンパーとの連結位置が水平方向で互いにずらされて、前記上側と下側のベース部を接近させると前記ダンパーが圧縮されながら倒れ、前記上側と下側のベース部を離間させると前記ダンパーが延びながら起立するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の擂潰装置。
【請求項6】
前記下側ベース部は、前記モータを収容しかつ上面に前記乳鉢回転ホルダーが配置された箱形の下段ボックスと、前記下段ボックスに備えられて前記乳鉢回転ホルダーを回転可能に支持したホルダー軸支部とからなり、
前記下段ボックスの上端には、前記モータと前記乳鉢回転ホルダーとを連結するための上面貫通孔を有した上面壁が備えられ、
前記上側ベース部は下面が開放した箱形の上段ボックスであり、
前記上段ボックスの下面開口の開口縁を、前記下段ボックスの上面縁部に当接させて、前記上段ボックスの下面開口を閉塞した状態に維持するための合体係合手段を備えたことを特徴とする請求項5に記載の擂潰装置。
【請求項7】
前記昇降ガイド及び前記ダンパーは、左右対称に設けられると共に、前記上段及び下段のボックスの側壁より内側に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の擂潰装置。
【請求項8】
前記上段ボックスの上面壁には、前記乳鉢の内側を覗くための覗き窓が備えられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の擂潰装置。
【請求項9】
前記上段ボックスには、前面開口と、前面開口の一側縁部に回動可能に連結されて、前記前面開口を開閉可能な前面開閉扉とが備えられていることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1の請求項に記載の擂潰装置。
【請求項10】
前記乳鉢の下面には、複数の係合孔が陥没形成され、
前記乳鉢回転ホルダーは、前記乳鉢を載置可能な回転盤の上面から、前記複数の係合孔に凹凸係合可能な複数の係合突部が突出した構造をなしたことを特徴とする請求項1乃至9の何れか1の請求項に記載の擂潰装置。
【請求項11】
前記中心固定シャフトを前記固定ベースに対して上下方向で固定すると共に、前記乳棒遊星連結シャフトを前記遊星保持盤に対して上下方向で固定し、
互いに直動可能かつ回転不能に連結された連結外筒部と連結内軸部とを、前記乳棒遊星連結シャフト及び前記乳棒の一方と他方とに設けて、その連結外筒体の奥面と前記連結内軸部の先端面との間に圧縮バネを備えたことを特徴とする請求項1乃至10の何れか1の請求項に記載の擂潰装置。
【請求項12】
前記固定ベースに対する前記中心固定シャフトの上下方向の固定位置を変更して、前記乳棒の前記乳鉢に対する加圧力を変更するための乳棒加圧力変更機構を備えたことを特徴とする請求項11に記載の擂潰装置。
【請求項13】
前記固定ベースに形成された非円形孔と、
前記中心固定シャフトの上端部に形成され、前記非円形孔に回転不能に嵌合した非円形軸部と、
前記中心固定シャフトのうち前記非円形軸部より下側部分の外面に形成された加圧調整螺子部と、
前記加圧調整螺子部に螺合した加圧調整ナットと、
前記固定ベースに設けられ、前記加圧調整ナットに対して上方から当接するナット受部とから前記乳棒加圧力変更機構が構成されたことを特徴とする請求項12に記載の擂潰装置。
【請求項14】
前記中心固定シャフトから側方に張り出すと共に、前記乳棒又は前記乳棒遊星連結シャフトが貫通した貫通孔を有し、前記乳鉢の上面開口を覆う固定円盤蓋を備えたことを特徴とする請求項1乃至13の何れか1の請求項に記載の擂潰装置。
【請求項15】
前記固定円盤蓋の外側に上下動可能に嵌合されて、前記乳鉢の上面開口の開口縁に面当接可能な円筒カバーと、前記円筒カバーの上端部と下端部とから内側にそれぞれ張り出して、前記固定円盤蓋に対して前記円筒カバーを抜け止めする抜止係止部とを備えたことを特徴とする請求項14に記載の擂潰装置。
【請求項16】
前記中心固定シャフトの下端部には、前記乳鉢の底面の中央に溜まった擂潰対象物を底面における外縁側へとガイドするためのガイド部材が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の擂潰装置。
【請求項17】
前記中心固定シャフトの下端部には、前記乳鉢の底面の中央に溜まった擂潰対象物を底面における外縁側へと排除するための刷毛が取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至15の何れかに記載の擂潰装置。
【請求項18】
前記乳鉢の底面は、前記乳鉢の回転軸と直交した水平面とされ、前記乳棒は、前記乳鉢の底面に面当接可能な下端面を有した略円柱構造をなしていることを特徴とする請求項1乃至17の何れかに記載の擂潰装置。
【請求項19】
前記乳鉢の底面を、回転軸に対して傾斜した傾斜面としたことを特徴とする請求項1乃至18の何れかに記載の擂潰装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2010−253331(P2010−253331A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102576(P2009−102576)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(392022282)日陶科学株式会社 (3)
【出願人】(504291890)株式会社 相沢鐵工 (4)
【Fターム(参考)】