説明

操作指示装置及び画像形成装置

【課題】接続された処理装置に対する利用者の使用履歴を当該利用者が容易に把握できる操作指示装置を提供することを目的とする。
【解決手段】操作指示装置は処理装置に接続され、表示装置と、利用者による入力を受けるための入力手段と、入力を行なった利用者を認証するための処理を実行する認証手段と、利用者ごとの使用履歴を保存する保存手段とを含む。ユーザから利用開始の入力があると、操作指示装置は保存手段から使用履歴を読出し、当該ユーザに関する情報があれば、ユーザに対し認証許可を与える。さらに操作指示装置は、当該ユーザに関する使用履歴を表示装置に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理装置に接続された操作指示装置に関し、特に、当該処理装置に対する利用者の使用履歴を当該利用者が容易に把握できる操作指示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
環境問題に対する意識が年々高まっていることを受け、多くの電化製品に、製品使用時の電力及び消耗材の消費量を利用者に通知する技術が搭載されている。こうした通知は過剰な電力及び消耗材の消費をやめるよう、利用者に働きかける効果を有する。さらに、当該通知は利用者が当該製品に対して取組んだ省エネルギー対策の結果も示す。省エネルギー対策に関する取組の度合いが数値化されることで、利用者は省エネルギー対策の具体的な目標を設定しやすくなる。その結果、利用者は省エネルギー対策を長期間継続して取組むことができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−356648号公報
【特許文献2】特開2002−297715号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力消費量を通知するための技術として、特許文献1には、使用中の機器による地球環境への負荷をレベル表示する表示パネルを搭載する技術が開示されている。このレベル表示は、そのとき行なっている処理についての電力消費量を示したものであり、各利用者に応じた表示を行なうことはできない。特許文献2には、予想消費電力量をグラフ化して表示する技術が開示されている。このグラフ表示は表示画面全体に表示され、グラフを参照するには、グラフが記載されているページを開いておかなければならない。したがって、利用者が意識しなくとも自動的に当該グラフが表示されることはなく、また、グラフを参照しながらユーザが次に行なう操作指示を考えることが出来ない。
【0005】
それゆえに、本発明の目的は、処理装置を操作中の利用者に、処理装置に対する当該利用者の利用状況に関する情報を自動的に通知できる操作指示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る操作指示装置は、処理装置に接続され、当該処理装置に対する利用者の操作指示を受けて、当該操作指示にしたがい処理装置を動作させる。この操作指示装置は、表示画面を有する表示装置と、利用者による入力を受けるための入力手段と、入力手段に接続され、入力手段の受けた入力に基づき、当該入力を行なった利用者を認証するための処理を実行する認証手段と、利用者ごとの処理装置の使用履歴を保存するための処理を実行する保存手段と、認証手段の処理により利用者が認証されたことに応答して、当該利用者による処理装置の使用履歴を保存手段により保存された使用履歴から読出すための読出手段と、認証手段により利用者が認証されたことに応答して、表示装置及び入力手段を用い、当該利用者による処理装置に対する操作指示を対話的処理により確定し、当該操作指示にしたがい処理装置を動作させるための指示確定手段と、指示確定手段により、利用者による指示が確定したことに応答して、当該指示にしたがって保存手段内の当該利用者の処理装置に関する使用履歴を更新する更新手段とを含み、指示確定手段は、表示装置及び入力手段による対話的処理において、読出手段により当該利用者について読出された使用履歴に基づき、処理装置に対する利用者の利用状況に関する情報画面を生成し、処理装置に対する操作指示のための操作画面とともに表示画面上に表示する。
【0007】
この操作指示装置によると、処理装置の利用者の使用履歴が保存され、当該利用者が認証された場合にのみこの使用履歴が読出されて表示される。したがって、利用者は処理装置に対する利用状況を容易に把握できる。さらにこの使用履歴は操作指示が出されるごとに応じて更新されるので、利用者は常に更新された利用状況を知ることができる。
【0008】
好ましくは、認証手段は、利用者の認証に関する情報を保持するための認証情報保持手段と、入力手段及び認証情報保持手段とに接続され、入力手段の受けた入力と認証情報保持手段とに保持された情報とを照合することにより、利用者の認証を行なうための認証実行手段とを含む。
【0009】
利用者の認証に関する情報は予め操作指示装置に保持されており、操作指示装置は、この保持された情報及び入力された情報を照合して利用者の認証を実行する。したがって、部外者が認証されることはなく、利用状況に関する情報は当該利用者のみに確実に通知される。
【0010】
さらに好ましくは、保存手段は、利用者ごとの処理装置の使用履歴を保存する、書込及び読出の可能な記憶手段を含む。
【0011】
操作指示装置は、利用者ごとの処理装置の使用履歴を保存し、この使用履歴は書込及び読出が可能である。使用履歴は利用者が処理装置を利用するごとに更新され、操作指示装置は更新後の使用履歴を容易に読出すことができる。
【0012】
好ましくは、操作指示装置は、他の装置との通信を行なうための通信手段と、入力手段及び通信手段に接続され、入力手段の受けた入力を通信手段を介して所定の認証サーバに送信して認証を依頼し、当該認証サーバから通信手段を介して受信した認証結果にしたがって利用者の認証を行なう手段とをさらに含む。
【0013】
操作指示装置は通信手段を介して認証サーバに利用者の認証を実行させることもできる。操作指示装置が複数ある場合、認証サーバが利用者の認証を行なうよう予め設定しておけば、利用者がいずれの操作指示装置を利用しても認証サーバにより利用者の認証を実行できる。
【0014】
さらに好ましくは、保存手段は、利用者により処理装置が使用されるたびに、当該使用の内容を通信手段を介して他の保存装置に送信する手段を含み、読出手段は、認証手段の処理により利用者が認証されたことに応答して、当該利用者による処理装置の使用履歴を、通信手段を介して他の保存装置から受信する履歴受信手段を含む。
【0015】
利用者が処理装置を使用した内容は外部の保存装置に送信され、当該利用者が認証されると、操作指示装置はこの保存装置から利用者の使用履歴を受信する。使用履歴を外部の保存装置に保存させることで、使用履歴の情報量が増加した場合に、当該増加に応じて保存装置の容量を増やすことができる。
【0016】
さらに好ましくは、利用者の利用状況に関する情報画面は、処理装置を操作する際に当該利用者が行なった省エネルギー対策の度合いを数値化した取組レベルに関する情報を含む。
【0017】
情報画面には利用者が行なった省エネルギー対策の取組レベルに関する情報が表示される。したがって、利用者は自身が行なった省エネルギー対策の取組レベルがどの程度だったかを確認し、省エネルギー対策への関心を高めることができる。
【0018】
さらに好ましくは、指示確定手段は、操作指示の入力のための画面と、利用者の利用状況に関する画面とを、表示装置の表示画面上に隣接して表示する。
【0019】
操作指示の入力のための画面及び利用状況に関する画面は、表示画面上に隣接して表示される。したがって、利用者は自身の使用履歴及び省エネルギー対策の取組レベル等を参照しながら、処理装置に対する指示操作を決定できる。
【0020】
さらに好ましくは、本発明に係る画像形成装置は、上記した操作指示装置と、操作指示装置に接続され、当該操作指示装置を介して利用者による操作指示を受けたことに応答し、当該操作指示にしたがって動作する処理装置とを含み、処理装置は、操作指示に応答して画像を記録媒体上に形成する画像形成部を含む。
【0021】
画像形成装置は上記した操作指示装置と、操作指示装置による操作指示にしたがって動作する処理装置とを含む。利用者がこの画像形成装置を使用すると、利用状況に関する情報が表示画面上に表示されるので、利用者は無駄な印刷を行なわないよう心掛けることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る操作指示装置によると、処理装置を操作中の利用者に、処理装置に対する当該利用者の利用状況に関する情報を自動的に通知できる。さらに、この情報として利用者が取組んできた省エネルギー対策に関する情報を通知すれば、省エネルギー対策がどれぐらい効果をあげているかが、利用者にとって分かりやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態に係るデータ移動を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るMFPのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図3】図2のMFPでログイン時に実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図4】ログイン後に表示される全体画面を示す図である。
【図5】図2のMFPで印刷時に実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図6】印刷終了後に表示される全体画面を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るネットワーク画像形成システムの全体構成を示す図である。
【図8】図7のサーバコンピュータのハードウェア構成を示す制御ブロック図である。
【図9】図7のネットワーク画像形成システムでログイン時に実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図10】図7のネットワーク画像形成システムで印刷時に実行されるプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
《第1の実施の形態》
以下の説明及び図面では、同一の部品には同一の参照番号を付してある。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。同様に、異なる実施の形態において同一の処理を行なう場合についても、詳細な説明は繰返さない。
【0025】
[概略]
本実施の形態に係る操作指示装置は、処理装置に対する利用者の使用履歴を記憶し、認証された利用者に対して、当該利用者の使用履歴を読出す。図1を参照して、この記憶及び読出に伴なうデータのやり取りについて説明する。
【0026】
操作指示装置は、処理装置に対する利用者からの指示操作の入力を受信すると、この入力に関する情報を、当該利用者の使用履歴として記憶手段に記憶する。この使用履歴は利用者ごとに区別されて記憶される。
【0027】
ある利用者が認証された場合には、操作指示装置は記憶手段から当該利用者の使用履歴を読出す。読出された使用履歴に関する情報は、処理装置の表示画面上等に表示される。したがって、ある利用者の使用履歴は当該利用者にのみ通知される。別の利用者が認証された場合にも、当該利用者の使用履歴が別の利用者に通知されることはない。このように、操作指示装置は、利用者が処理装置に対し指示操作を与えるたびに、当該利用者の使用履歴を更新する。さらに、認証された利用者については、当該利用者についての使用履歴を読出し、読出した使用履歴を表示する。
【0028】
[ハードウェア構成]
<MFP300>
本実施の形態に係る処理装置は、画像形成装置の1種である複合機(MFP(Multifunction Peripheral))とする。MFPはコピーモード、ファクシミリモード(以下、ファクシミリをFAX又はファクスと記載する場合がある。)、ネットワーク対応のプリンタモード、及びスキャナモードのように複数のモードを有する。このようなMFPを利用して原稿をコピーする場合、ユーザはコピーモードを選択し、スキャナ機能を用いて原稿の画像データを入力した後、入力した画像をプリンタ機能により印刷する。
【0029】
図2を参照して、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムを構成するMFP300は、バス390と、バス390に接続されたCPU(Central Processing Unit)310と、バス390に接続されたROM(Read−Only Memory)320と、バス390に接続されたRAM(Random Access Memory)330と、バス390に接続されたハードディスク(HDD)340と、バス390に接続され、タッチパネルディスプレイ380との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力インターフェイス(以下「入力IF」と呼ぶとともに、「インターフェイス」を「IF」と記載する。)350及びディスプレイIF360と、バス390に接続され、有線又は無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線への接続を提供するネットワークIF370及び公衆回線への接続を提供するFAX通信部375とを含む。なお、図3には図示していないが、MFP300は、スタートボタン及びテンキーボタン等のハードウェアボタンを備える。
【0030】
本実施の形態に係るMFP300におけるタッチパネルディスプレイ380は、ユーザに基本機能のメニューを表示したり、ユーザがモード又は機能を選択したり、選択した機能における設定項目(たとえば倍率の数値)を入力したりする。さらに、このMFP300においては、サーバコンピュータから受信したデータ(HTML(HyperText Markup Language)データ)をタッチパネルディスプレイ380に表示するためのブラウザ機能を備える。このブラウザ機能により、ユーザにより選択されたモードにおける標準機能メニューと、ユーザにより選択されたモードに関係する拡張機能メニューとを、タッチパネルディスプレイ380に表示する。
【0031】
バス390、ROM320、RAM330、HDD340、入力IF350、ディスプレイIF360、ネットワークIF370及びFAX通信部375は、いずれもCPU310の制御のもとに協調して動作し、MFP300において、プリント処理、FAX送受信処理、スキャナ処理、コピー処理を実現する。なお、これらの処理は、図3においては図示していないMFP300を構成する各部品が、CPU310により制御されて実行される。
【0032】
このMFP300が備える画像通信モードとしては、FAX通信部375を介して画像データを公衆回線により送受信するファクシミリ通信モード、ネットワークIF370を介して画像データをインターネット回線により送受信するインターネットファクシミリ通信モード、画像データを電子メールに添付する形式で送受信する電子メール通信モード(スキャンtoメール:標準機能とする。)、及びネットワーク回線を用いて画像データを特定のフォルダに転送する画像転送モード(スキャンtoフォルダ:標準機能とする。)等がある。
【0033】
MFP300は、たとえば、原稿読取部(スキャナ部)、画像形成部、給紙部、及び排紙処理装置を備える。MFP300においては、原稿読取部により読取られた原稿の画像データに対して、CPU310により各種の画像処理が施され、この画像データが画像形成部へと出力される。なお、このMFP300は、レーザー光を感光に利用する、所謂レーザー方式(電子写真方式)の印刷機能を備える。しかしながら、他の形式の印刷機能を備えたものであっても構わない。
【0034】
本実施の形態に係るMFP300は、その動作モードとして、(1)コピーモード、(2)ファクシミリモード(タッチパネルディスプレイ画面例では「ファクス/イメージ送信」モードと記載)、(3)プリンタモード、及び(4)スキャナモード(タッチパネルディスプレイ画面例では「ドキュメントファイリング」モードと記載)を備える。以下においては、これらの動作モードを説明する。
【0035】
−ファクシミリモード−
以下において、ファクシミリ通信モード(ファクス/イメージ送信モードと記載する場合がある。)における動作について説明する。このファクシミリモードにおいては、主として、送信動作は原稿読取部(スキャナ部)及びFAX通信部375が動作することにより、受信動作はFAX通信部375及び画像形成部が動作することにより、ファクシミリ通信動作が実現される。
【0036】
送信動作については以下の通りである。MFP300においては、ファクシミリモードを指定して、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部により画像データとして読取られ、読取られた画像データがCPU310に入力され、ここで画像データに各種の機能を用いて画像処理が施され、この画像データがFAX通信部375へと出力される。送信側のMFP300のFAX通信部375は、指定された送信側の回線を指定された送信先に接続して、画像データをファクシミリ通信規格に合致した通信データへ変換して、受信側のファクシミリ装置(たとえばファクシミリ通信機能を備えたMFP300)へ送信する。回線が接続されると、受信側のMFP300のFAX通信部375は、送信側のMFP300のFAX通信部375からの通信要求信号を検出して、応答信号を送信する。その後、たとえば、FAX通信部375は、送信側及び受信側で互いに実装されている能力情報の受渡しを行ない利用可能な最大能力での通信速度及び画像データの符号化・符号訂正方式等を決定してモデムの通信方式を設定する。この通信方式にあわせた画像信号形式を用いて、送信側のMFP300のFAX通信部375から受信側のMFP300のFAX通信部375へデータを送信する。送信が終了すると回線が切断される。
【0037】
受信動作については以下の通りである。受信側のMFP300のFAX通信部375は、受信したデータを画像データに変換して、画像形成部へ送る。なお、受信したデータを画像データへ変換するのは画像形成部であっても構わない。画像形成部は、後述するコピーモードにおける画像形成動作と同じように、受信したデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0038】
−コピーモード−
以下において、コピーモードにおける画像形成動作について説明する。画像形成部は、原稿読取部により読取られた画像データが各種の機能により画像処理されたデータによって示される画像を記録用紙に印刷するものであって、たとえば、感光体ドラム、帯電装置、レーザースキャンユニット、現像装置、転写装置、クリーニング装置、定着装置、及び除電装置等を備えている。
【0039】
画像形成部には、たとえば、搬送路が設けられており、給紙部から給紙されてきた記録用紙が搬送路に沿って搬送される。給紙部は、用紙カセットに収納された記録用紙、又は手差しトレイに載置された記録用紙を1枚ずつ引出して記録用紙を画像形成部の搬送路へと送り出す。
【0040】
画像形成部の搬送路に沿って記録用紙が搬送されている途中で、記録用紙が感光体ドラムと転写装置との間を通過し、さらに定着装置を通過して、記録用紙に対する印刷が行なわれる。
【0041】
感光体ドラムは、一方向に回転し、その表面は、クリーニング装置と除電装置によりクリーニングされた後、帯電装置により均一に帯電される。レーザースキャンユニットは、印刷対象の画像データに基づいてレーザー光を変調し、このレーザー光によって感光体ドラムの表面を主走査方向に繰返し走査して、静電潜像を感光体ドラムの表面に形成する。現像装置は、トナーを感光体ドラムの表面に供給して静電潜像を現像し、トナー像を感光体ドラムの表面に形成する。
【0042】
転写装置は、転写装置と感光体ドラムとの間を通過していく記録用紙に感光体ドラムの表面のトナー像を転写する。定着装置は、記録用紙を加熱するための加熱ローラと、記録用紙を加圧するための加圧ローラとを含む。記録用紙は、加熱ローラによって加熱され、かつ、加圧ローラによって加圧されることによって、記録用紙上に転写されたトナー像が記録用紙に定着される。定着装置から排出された(印刷された)記録用紙は、排紙トレイに排出される。
【0043】
−プリンタモード−
以下において、プリンタモードの動作説明を行なう。このプリンタモードにおいては、主として、画像形成部が動作することにより、プリント機能が実現される。
【0044】
ネットワークIF370を介して(クライアント)コンピュータからプリントデータを受信すると、受信したプリントデータを画像データに変換して、画像形成部へ送る。なお、プリントデータを画像データへ変換するのは画像形成部であっても構わない。画像形成部は、上述したコピーモードにおける動作と同じように、プリントデータから変換された画像データによって示される原稿の画像を記録用紙に印刷する。
【0045】
−スキャナモード−
以下において、スキャナモードでの動作説明を行なう。このスキャナモードにおいては、主として、原稿読取部(スキャナ部)が動作することによりスキャナ機能が実現される。
【0046】
MFP300においては、原稿載置台に置かれた原稿が原稿読取部により画像データとして読取られ、読取られた画像データがCPU310に入力され、ここで画像データに各種の機能に基づく画像処理が施され、コピーモードでこの画像データが記録用紙に出力されたり、ファクシミリ通信モード、インターネットファクシミリ通信モード又は電子メール通信モード(スキャンtoメール)でこの画像データが送信されたり、画像転送モード(スキャンtoフォルダ)でこの画像データがHDD340に記憶されたり、ネットワークに接続されたコンピュータへネットワークIF370を介して送信されたりする。
【0047】
[ソフトウェア構成]
<利用者の認証>
図3を参照して、本実施の形態において、処理装置の利用者を認証する際に、操作指示装置で実行されるプログラムの制御構造について説明する。ステップ102において、CPU310は、MFP300がユーザから利用開始を要求する信号を受信したか否かを判定する。ここでいう利用開始とは、MFP300へのログインなど、ユーザがMFP300を利用できる状態にするということである。ステップ102の判定が肯定ならば制御はステップ104へ進み、否定ならば制御は再びステップ102へ戻る。
【0048】
ステップ104において、CPU310は、当該ユーザに対する認証を行なうよう要求する信号を発信する。この信号が発信されたことに応じて、CPU310はステップ106において、利用者の認証に関する情報を保管するデータベース内に、当該ユーザに関する情報が含まれるかどうかの照合を行なう。
【0049】
ステップ108では、CPU310はステップ106での照合により得られた情報に基づき、当該ユーザに認証許可を与えるか否かを判定する。この判定が肯定の場合、ルーチンはステップ110及びステップ116に分岐する。否定の場合、制御はステップ118へ進む。
【0050】
ステップ110においてCPU310は、データベースから当該ユーザに関する利用者情報を読出す。この利用者情報にはユーザのMFP300に対する使用履歴だけでなく、ユーザがMFP300を使用する際に行なった省エネルギー対策の度合いを数値化した取組レベルに関する情報を含んでもよい。
【0051】
ステップ112では、CPU310は、データベースから読出した情報に基づき、情報画面134を生成する。この情報画面134は当該ユーザの使用履歴に関する情報を表示するため、ユーザによって表示内容が異なる。ステップ116では、CPU310は操作画面132を生成する。この操作画面132には、ユーザがMFP300に操作指示を与える際に操作するキー等が表示される。さらにステップ114においてCPU310は、操作画面132及び情報画面134を合成した全体画面130を生成し、タッチパネルディスプレイ380上に表示する。全体画面130が表示されると、制御は終了する。
【0052】
ステップ118では、ステップ108において当該ユーザに対し認証が許可されなかったため、CPU310は、当該ユーザがMFP300を利用できないことを通知する画面(図示せず。)を表示する。その後、プログラムの実行は終了する。
【0053】
図4を参照して、ユーザの認証が許可された後に表示される全体画面130は、上記した操作画面132及び情報画面134の他に、開始指示画面136を含む。ユーザは情報画面134を参照しながら、操作画面123及び情報画面134上に表示される各キーを操作できる。
【0054】
操作画面132上には、テンキー158で設定される数を印刷部数として設定する部数設定キー142、原稿データをカラー及びモノクロのいずれで表示するかを設定するカラーモード設定キー144、原稿データの濃度を調整するコピー濃度設定キー146、原稿データの倍率を設定する倍率設定キー148、原稿データのサイズを設定する原稿サイズ設定キー150、印刷用紙のサイズ及び種類等を設定する用紙設定キー152、印刷用紙に対する印刷面を設定する印刷面設定キー154、及び、印刷用紙の端部にステープルを打つかどうかについて設定するステープル設定キー156が表示される。ユーザはこれらの各種キーをタッチすることで、画像形成を行なう原稿データを設定できる。
【0055】
開始指示画面136上には、原稿データの白黒印刷を開始する白黒印刷キー162、カラー印刷を開始するカラー印刷キー164、原稿データの読込を開始するスキャン開始キー166、並びに、原稿データに対する設定及び印刷処理等を解除又は中断するキャンセルキー168が表示される。ユーザがこれらキーのいずれかをタッチすると、原稿データの印刷及び読込等が開始される。
【0056】
情報画面134上には、当該ユーザがMFP300を使用する際にこれまで取組んできた省エネルギー対策の度合いを数値化した、取組レベルが表示される。これらの表示は、原稿データに何らの設定も加えずに印刷した場合と、実際に行なった印刷結果とで、電力消費量及び用紙消費量にどれぐらいの違いがあったかを示す。用紙削減率表示172は、削減された用紙の合計を生産するのにどれぐらいの木材が必要かを、木材の本数で示した表示である。なお、用紙の紙質及び木材に使用する木の種類等によってこの表示に関する基準は変わってくるが、分かりやすくするため、用紙枚数に応じて表示される本数も変化するものとする。削減した用紙の枚数が木の本数で表示されることで、取組に対する省エネルギー対策の効果をユーザが実感しやすくなる。
【0057】
二酸化炭素削減率表示174は、消費電力がどの程度削減できたかを示す。この削減率は、削減された電力を火力発電によって生産した場合の二酸化炭素排出量が、省エネルギー対策を一切行なわない場合に消費される消費電力を火力発電によって生産した場合の二酸化炭素排出量の、何パーセントに相当するかを示す。こうした表示を行なうことで、省エネルギー対策実行前に比べて、どれぐらい二酸化炭素排出量が抑えられたかが、ユーザにとって分かりやすくなる。
【0058】
消費電力削減率表示176は、削減された消費電力が、省エネルギー対策を一切行なわない場合の消費電力の何パーセントに相当するかを示す。この表示も、上記の二酸化炭素削減率表示174と同様に、消費電力を何パーセント削減できたかを具体的にユーザに示すことができる。
【0059】
このように、情報画面134には、ユーザが取組んだ省エネルギー対策の取組レベルが、ユーザが実感しやすい表現で示されている。このような表示により、ユーザは自身の取組が省エネルギーに繋がっていることを実感しやすくなり、気軽に省エネルギー対策に取組むことができるようになる。
【0060】
<使用履歴の更新>
図5を参照して、認証されたユーザが印刷処理を実行し、当該ユーザの使用履歴が更新される場合にCPU310で実行されるプログラムの制御構造について説明する。ステップ182において、CPU310は、MFP300で印刷処理が実行されたか否かを判定する。この判定が肯定ならばルーチンはステップ184及びステップ190に分岐する。否定ならば制御は再びステップ182に戻る。
【0061】
ステップ184においてCPU310は、印刷処理の実行に関する情報に基づき、データベース内に格納される当該ユーザの使用履歴に関する情報を更新する。ステップ186では、更新後の当該ユーザの使用履歴をデータベース内より読出す。読出した使用履歴の情報に基づき、CPU310は情報画面202を生成する(ステップ188)。
【0062】
ステップ190においてCPU310は、印刷処理を実行中であることを通知する画面(図示せず。)を、タッチパネルディスプレイ380上に表示する。印刷処理が完了すると、CPU310はステップ192において、操作画面132を生成する。
【0063】
ステップ188において生成された情報画面202、及び、ステップ192において生成された操作画面132を生成して、CPU310は全体画面212を合成し、タッチパネルディスプレイ380上に表示する(ステップ194)。全体画面212が表示されると、このプログラムの実行は終了する。
【0064】
図6を参照して、情報画面202上の用紙削減率表示204、二酸化炭素削減率表示206、及び消費電力削減率表示208に表示される値は、印刷処理を実行する前の情報画面134に表示される数値に比べて変化している。情報画面202上に表示される数値は、印刷処理の結果を加えた数値である。このように、印刷処理の前後で情報画面に表示される情報が変化するため、ユーザは直前に行なった処理装置に対する操作がどのぐらい省エネルギー対策に効果があったか、容易に確認できる。
【0065】
[動作]
以上のような構成及びフローチャートに基づくMFP300の動作について、図2−6を参照して説明する。
【0066】
MFP300を利用するにあたり、ユーザはMFP300にログインする必要がある。タッチパネルディスプレイ380上に表示されるログイン画面(図示せず。)の指示に基づき、ユーザはログイン操作を行なう。ユーザがログイン操作を開始したことに応答して、MFP300は当該ユーザを認証するかどうかの処理を開始する(ステップ104)。CPU310はユーザが入力した情報及びデータベース内に格納される情報を照合し、ユーザに認証許可を与えるか否かを判定する(ステップ108)。認証が許可されれば、CPU310は当該ユーザに関する情報をデータベースから読出し、情報画面134を生成する。この情報画面134及び操作画面132を合成して得られた全体画面130がタッチパネルディスプレイ380上に表示される。もし当該ユーザの認証が許可されなければ、ユーザはMFP300を利用できないことを通知する利用不可通知が、タッチパネルディスプレイ380上に表示される。
【0067】
全体画面130が表示されると、ユーザは情報画面134を参照し、これまでのMFP300の使用履歴を確認することができる。さらにユーザは、この使用履歴に基づいて、これから行なう印刷操作の内容を検討できる。
【0068】
ユーザは操作画面132及び開始指示画面136を操作することで、印刷操作を設定及び開始できる。ユーザが白黒印刷キー162又はカラー印刷キー164をタッチすると、印刷操作が実行される。印刷操作が実行されたことに応じて、CPU310はデータベース内に格納される当該ユーザに関する使用履歴を更新する(ステップ184)。さらにCPU310は、更新後の使用履歴をデータベースから読出し(ステップ186)、読出した使用履歴に基づき、新たな情報画面202を生成する(ステップ188)。この情報画面202と操作画面132が合成された全体画面212がタッチパネルディスプレイ380上に表示される。情報画面202の表示には、今回行なわれた印刷結果も反映される。したがって、ユーザは印刷完了前後の各情報画面を確認することで、今回行なった印刷操作による省エネルギー対策の結果がどのようなものであったかを確認できる。
【0069】
《第2の実施の形態》
[全体システム構成]
本実施の形態では、処理装置の利用者の認証を、操作指示装置と通信可能な認証サーバが行なう。図7を参照して、操作指示装置及び認証サーバを含むネットワーク画像形成システムの構成について説明する。ユーザにより選択されたMFPの利用者に関する情報をサーバコンピュータへ送信してサーバコンピュータから受信した当該利用者の使用履歴を表示するMFP(1)300〜MFP(3)300(以下、MFP(1)300〜MFP(3)300をMFP300と記載する場合がある。)と、MFP300から受信したデータに基づき利用者の使用履歴を更新し、この更新した情報をMFP300へ送信するサーバコンピュータ200とを含む。
【0070】
これらのサーバコンピュータ200及びMFP300は、ネットワーク回線(構内LAN回線)400及びインターネット500により通信可能に接続されている。なお、MFP(1)300―MFP(3)300は、同じ参照符号を付しているが、全く同じ標準機能を備えるMFPであるとは限らない。また、インターネット500は、イントラネットであっても構わない。さらに、MFP300へプリントデータを送信する(クライアント)コンピュータは図示していない。以下においては、図面等において、サーバコンピュータ200を単にサーバと、MFP300を単にMFPと記載する場合がある。
【0071】
[ハードウェア構成]
本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムにおいて、MFP300の構成は第1の実施の形態に係るMFP300と同様である。したがって、以下ではサーバコンピュータ200の構成についてのみ説明する。
【0072】
<サーバコンピュータ200>
図8を参照して、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムにおける外部装置を構成するサーバコンピュータ200は、バス290と、バス290に接続されたCPU210と、バス290に接続されたROM220と、バス290に接続されたRAM230と、バス290に接続されたハードディスク240と、バス290に接続され、光ディスク282が装着可能で、光ディスク282に対する情報の書込及び光ディスク282からの情報の読出が可能な光ディスクドライブ280と、バス290に接続され、マウス252及びキーボード254との間の接続に関するインターフェイスを提供するための入力IF250と、バス290に接続され、ディスプレイ262との間の接続に関するインターフェイスを提供するためのディスプレイIF260と、有線又は無線(本実施の形態においては有線)によりネットワーク回線400への接続を提供するネットワークIF270とを含む。なお、サーバコンピュータ200は、磁気ディスクが装着可能で、磁気ディスクに対する情報の書込及び磁気ディスクからの情報の読出が可能な磁気ディスクドライブを、光ディスクドライブ280に代えて/加えて、備えるようにしても構わない。
【0073】
バス290、ROM220、RAM230、HDD240、光ディスクドライブ280、入力IF250、ディスプレイIF260及びネットワークIF270は、いずれもCPU210の制御のもとに協調して動作し、サーバコンピュータ200は、本実施の形態に係る外部装置として、種々のアプリケーションによる処理を実現する。
【0074】
サーバコンピュータ200に、本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムにおける外部装置としての動作を行なわせるためのコンピュータプログラムは、光ディスクドライブ280に挿入される光ディスク282に記憶され、さらにHDD240に転送される。このプログラムは、ネットワーク回線400を通じてサーバコンピュータ200に送信されHDD240に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM230にロードされる。光ディスク282から、ネットワーク回線400を介して、直接、RAM230にプログラムをロードしてもよい。
【0075】
これらのプログラムは、サーバコンピュータ200に本実施の形態に係るネットワーク画像形成システムにおける外部装置として動作を行なわせる複数の命令を含む。この動作を行なわせるのに必要な基本的機能のいくつかはサーバコンピュータ200上で動作するオペレーティングシステム(OS)若しくはサードパーティのプログラム、又はサーバコンピュータ200にインストールされる各種ツールキットのモジュールにより提供される。したがって、このプログラムはこの実施の形態のシステム及び方法を実現するのに必要な機能全てを必ずしも含まなくてよい。このプログラムは、命令のうち、所望の結果が得られるように制御されたやり方で適切な機能又は「ツール」を呼出すことにより、上記したサーバコンピュータ200として所定の処理を実行する命令のみを含んでいればよい。サーバコンピュータ200の実体であるコンピュータの一般的動作は周知であるので、ここでは繰返して説明しない。
【0076】
[ソフトウェア構成]
<利用者の認証>
図9を参照して、本実施の形態において、処理装置の利用者を認証する際に、MFP300に含まれるCPU310及びサーバコンピュータ200に含まれるCPU210で実行されるプログラムの制御構造について説明する。ステップ402において、CPU310は、MFP300がユーザから利用開始を要求する信号を受信したか否かを判定する。ステップ402の判定が肯定ならば制御はステップ404へ進み、否定ならば制御は再びステップ402へ戻る。
【0077】
ステップ404において、CPU310は、当該ユーザに対する認証を行なうよう要求する信号をサーバコンピュータ200へ送信する。サーバコンピュータ200がステップ406でこの信号を受信したことに応じて、サーバコンピュータ内に含まれるCPU210は、光ディスク282内に保管されるデータベース内に、当該ユーザの認証に関する情報が含まれるかどうかについての照合を行なう(ステップ408)。
【0078】
ステップ410においてCPU210は、データベース内に当該ユーザと一致する利用者の情報が含まれるか否かを判定する。この判定が肯定の場合、制御はステップ412へ進み、当該ユーザの使用履歴をデータベースから読出す。ステップ410での判定が否定の場合、制御はステップ414へ進む。
【0079】
ステップ414ではCPU210は、読出した当該ユーザの使用履歴をMFP300へ送信する。ステップ414において、当該ユーザに一致する利用者の情報がないと判定された場合は、当該ユーザの使用履歴がなかったことをMFP300へ通知する。
【0080】
ステップ416において、CPU310は、サーバコンピュータ200よりユーザに関する情報を受信し、この情報に基づき、当該ユーザに認証許可を与えるか否かを判定する(ステップ418)。この判定が肯定ならばルーチンは分岐し、ステップ420及びステップ422に進む。ステップ420では、CPU310は、ログイン後に表示される操作画面132を生成し、ステップ422では、受信した当該ユーザに関する情報に基づき情報画面134を生成する。判定が否定ならば制御はステップ424へ進み、当該ユーザがMFP300を利用できないことを通知する画面を生成し、タッチパネルディスプレイ380上に表示する。その後、プログラムの実行は終了する。
【0081】
ステップ426では、CPU310は、生成した操作画面132及び情報画面134を合成し、得られた全体画面130をタッチパネルディスプレイ380上に表示する。なお、全体画面130、並びに、操作画面132及び情報画面134等は、図4に示すものと同一である。全体画面130の表示が完了すると、このプログラムは終了する。
【0082】
<使用履歴の更新>
図10を参照して、認証されたユーザが印刷処理を実行し、当該ユーザの使用履歴が更新される場合に、MFP300に含まれるCPU310及びサーバコンピュータ200に含まれるCPU210で実行されるプログラムの制御構造について説明する。ステップ440において、CPU310は、MFP300で印刷処理が実行されたか否かを判定する。この判定が肯定ならばルーチンはステップ442及びステップ444に分岐する。否定ならば制御は再びステップ440に戻る。
【0083】
ステップ444でCPU310は、印刷処理の実行に関する利用者情報をサーバコンピュータ200へ送信する。CPU210はステップ446においてこの利用者情報を受信し、当該情報に基づき、データベース内に格納される当該ユーザの使用履歴に関する情報を更新する(ステップ448)。ステップ450では、CPU210は、更新後の当該ユーザの使用履歴をデータベース内より読出す。さらにステップ452において、読出した使用履歴の情報をMFP300へ送信する。なお、ステップ452での処理が完了すると、CPU210で実行されるプログラムは終了する。
【0084】
ステップ454においてCPU310は更新後の当該ユーザの使用履歴情報を受信し、この情報に基づいて情報画面202を生成する(ステップ456)。
【0085】
ステップ442においてCPU310は、印刷処理が実行中であることを通知する画面(図示せず。)を、タッチパネルディスプレイ380上に表示する。印刷処理が完了すると、CPU310はステップ458において、操作画面132を生成する。
【0086】
ステップ456において生成された情報画面202、及び、ステップ458において生成された操作画面132を合成して、CPU310は全体画面212を生成し、タッチパネルディスプレイ380上に表示する(ステップ460)。全体画面212が表示されると、CPU310で実行されるプログラムは終了する。
【0087】
[動作]
以上のような構成及びフローチャートに基づくMFP300及びサーバコンピュータ200の動作について、図4及び図6−10を参照して説明する。
【0088】
タッチパネルディスプレイ380上に表示されるログイン画面の指示に基づき、ユーザはログイン操作を行なう。ユーザがログイン操作を開始したことに応答して、MFP300は当該ユーザの認証要求をサーバ200へ送信する(ステップ404)。この認証要求を受信すると、サーバ200に含まれるCPU210はデータベースを照合し、ユーザが入力した情報とデータベース内に格納される情報とが一致するか否かを判定する(ステップ410)。一致する場合はデータベースから当該ユーザに関する情報を読出し、MFP300に送信する。一致しない場合は一致情報がないことをMFP300に通知する。
【0089】
MFP300はサーバ200から受信した情報に基づき、ユーザに認証許可を与えるか否かを判定する(ステップ418)。認証が許可されれば、CPU310は当該ユーザに関する情報に基づき、情報画面134を生成する。この情報画面134及び操作画面132を合成して得られた全体画面130がタッチパネルディスプレイ380上に表示される。もし当該ユーザの認証が許可されなければ、ユーザはMFP300を利用できないことを通知する利用不可通知が、タッチパネルディスプレイ380上に表示される(ステップ424)。
【0090】
ユーザが白黒印刷キー162又はカラー印刷キー164をタッチすると、印刷操作が実行される。印刷操作が実行されたことに応じて、この印刷操作に関する情報がサーバ200に送信される。CPU210は印刷操作情報に基づきデータベースを更新し(ステップ448)、更新後の当該ユーザの使用履歴をデータベースから読出す(ステップ450)。読出したユーザの使用履歴はMFP300に送信され、この使用履歴に基づき、新たな情報画面202が生成される(ステップ456)。この情報画面202と操作画面132が合成された全体画面212がタッチパネルディスプレイ380上に表示される(ステップ460)。
【0091】
図3のステップ108及び図9のステップ418において、認証する対象はユーザ1人が前提とされている。しかし、この対象は複数人又は集団であっても構わない。例えば部署や課等のグループに対して認証するよう設定すれば、グループ全体での省エネルギー対策の取組レベルが表示される。さらに、各グループの取組レベルの結果を比較できるようにすれば、どのグループで省エネルギー対策が実行されているか、又は実行されていないかが、一目で判断できる。
【0092】
情報画面134について、本発明に係る実施の形態では、用紙消費量及び電力消費量に基づき、用紙削減率表示204、二酸化炭素削減率表示206、及び消費電力削減率表示208を表示している。しかしながら、情報画面上の表示はこうした表示内容に限定されない。例えば、印刷操作に必要なインク及びトナー等、その他の消耗材に基づく表示を行なってもよい。処理装置がMFPのような画像形成装置でない場合には、当該処理装置の特徴に応じた項目についての表示を行なえばよい。
【0093】
今回開示された実施の形態は単に例示であって、本発明が上記した実施の形態のみに制限されるわけではない。本発明の範囲は、発明の詳細な説明の記載を参酌した上で、特許請求の範囲の各請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0094】
130 全体画面
132 操作画面
134 情報画面
136 開始指示画面
200 サーバコンピュータ
210、310 CPU
300 MFP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理装置に接続され、当該処理装置に対する利用者の操作指示を受けて当該操作指示にしたがい前記処理装置を動作させる操作指示装置であって、
表示画面を有する表示装置と、
利用者による入力を受けるための入力手段と、
前記入力手段に接続され、前記入力手段の受けた入力に基づき、当該入力を行なった利用者を認証するための処理を実行する認証手段と、
利用者ごとの前記処理装置の使用履歴を保存するための処理を実行する保存手段と、
前記認証手段の処理により利用者が認証されたことに応答して、当該利用者による前記処理装置の使用履歴を前記保存手段により保存された使用履歴から読出すための読出手段と、
前記認証手段により利用者が認証されたことに応答して、前記表示装置及び前記入力手段を用い、当該利用者による前記処理装置に対する操作指示を対話的処理により確定し、当該操作指示にしたがい前記処理装置を動作させるための指示確定手段と、
前記指示確定手段により、利用者による指示が確定したことに応答して、当該指示にしたがって前記保存手段内の当該利用者の前記処理装置に関する使用履歴を更新する更新手段とを含み、
前記指示確定手段は、前記表示装置及び前記入力手段による対話的処理において、前記読出手段により当該利用者について読出された使用履歴に基づき、前記処理装置に対する前記利用者の利用状況に関する情報画面を生成し、前記処理装置に対する操作指示のための操作画面とともに前記表示画面上に表示する、操作指示装置。
【請求項2】
前記認証手段は、
利用者の認証に関する情報を保持するための認証情報保持手段と、
前記入力手段及び前記認証情報保持手段とに接続され、前記入力手段の受けた入力と前記認証情報保持手段とに保持された情報とを照合することにより、利用者の認証を行なうための認証実行手段とを含む、請求項1に記載の操作指示装置。
【請求項3】
前記保存手段は、利用者ごとの前記処理装置の使用履歴を保存する、書込及び読出の可能な記憶手段を含む、請求項1又は請求項2に記載の操作指示装置。
【請求項4】
他の装置との通信を行なうための通信手段と、
前記入力手段及び前記通信手段に接続され、前記入力手段の受けた入力を前記通信手段を介して所定の認証サーバに送信して認証を依頼し、当該認証サーバから前記通信手段を介して受信した認証結果にしたがって利用者の認証を行なう手段とをさらに含む、請求項1に記載の操作指示装置。
【請求項5】
前記保存手段は、利用者により前記処理装置が使用されるたびに、当該使用の内容を前記通信手段を介して他の保存装置に送信する手段を含み、
前記読出手段は、前記認証手段の処理により利用者が認証されたことに応答して、当該利用者による前記処理装置の使用履歴を、前記通信手段を介して前記他の保存装置から受信する履歴受信手段を含む、請求項4に記載の操作指示装置。
【請求項6】
前記利用者の利用状況に関する前記情報画面は、前記処理装置を操作する際に当該利用者が行なった省エネルギー対策の度合いを数値化した取組レベルに関する情報を含む、請求項1から請求項5のいずれかに記載の操作指示装置。
【請求項7】
前記指示確定手段は、操作指示の入力のための画面と、利用者の利用状況に関する画面とを、前記表示装置の前記表示画面上に隣接して表示する、請求項1から請求項6のいずれかに記載の操作指示装置。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載の操作指示装置と、
前記操作指示装置に接続され、当該操作指示装置を介して利用者による操作指示を受けたことに応答し、当該操作指示にしたがって動作する処理装置とを含み、
前記処理装置は、前記操作指示に応答して画像を記録媒体上に形成する画像形成部を含む、画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−227592(P2012−227592A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90994(P2011−90994)
【出願日】平成23年4月15日(2011.4.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】