操作機器
【課題】第2筺体を第1筺体に対して2つの方向に開くことができる操作機器の提供。
【解決手段】操作部3を有する第1筺体1と、操作部3での操作に基づく内容が表示される表示部6を有する第2筺体と、がヒンジ機構10で連結され、ヒンジ機構10は第1ヒンジ部材21,31と第2ヒンジ部材22,32で構成され、それぞれのヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体1に回動自在に連結されているとともに、他方の端部を中心として第2筺体2に回動自在に連結され、第1筺体1に対して第2筺体2が閉じているときに、第1ヒンジ部材の前記一方の端部の回動中心軸線と第2ヒンジ部材の前記他方の回動中心軸とが一致しているとともに、第1ヒンジ部材の前記他方の端部の回動中心軸線と第2ヒンジ部材の前記一方の回動中心軸とが一致している。
【解決手段】操作部3を有する第1筺体1と、操作部3での操作に基づく内容が表示される表示部6を有する第2筺体と、がヒンジ機構10で連結され、ヒンジ機構10は第1ヒンジ部材21,31と第2ヒンジ部材22,32で構成され、それぞれのヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体1に回動自在に連結されているとともに、他方の端部を中心として第2筺体2に回動自在に連結され、第1筺体1に対して第2筺体2が閉じているときに、第1ヒンジ部材の前記一方の端部の回動中心軸線と第2ヒンジ部材の前記他方の回動中心軸とが一致しているとともに、第1ヒンジ部材の前記他方の端部の回動中心軸線と第2ヒンジ部材の前記一方の回動中心軸とが一致している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部を有している第1筐体に対して表示部を有している第2筺体が、ヒンジ機構で開閉自在となっている操作機器に係り、例えば、携帯型電話機や、ゲーム機、電子辞書機、さらには、パーソナルコンピュータ等に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型電話機は、操作部を有する第1筺体と、操作部での操作に基づく内容が表示される表示部を有する第2筺体と、を備えている。下記の特許文献1に示されている携帯型電話機では、第2筺体が第1筺体に対してヒンジ機構により開閉自在となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−9004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第2筺体が第1筺体に対してヒンジ機構により開閉自在となっている従来の携帯型電話機では、第2筺体が第1筺体に対して開く方向は、一つだけの方向となっている。このため、第2筺体が第1筺体に対して開いた場合における第1筺体に対する第2筺体の位置は、ヒンジ機構で決定されている位置となっている。これによると、操作機器を操作する者が、第1筺体に対する第2筺体の開き位置を、第1筺体の操作部を操作するなどのときに都合のよい位置にできないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、第2筺体を第1筺体に対して2つの方向に開くことができる操作機器を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る操作機器は、操作部を有する第1筺体と、前記操作部での操作に基づく内容が表示される表示部を有する第2筺体と、この第2筺体を第1筺体に対して開閉自在とするヒンジ機構と、を備えている操作機器において、前記ヒンジ機構は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とを含んで構成され、第1ヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されているとともに、第1ヒンジ部材は、他方の端部を中心として第2筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されており、第2ヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されているとともに、第2ヒンジ部材は、他方の端部を中心として第2筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されており、第1筺体に対して第2筺体が閉じているときに、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とが、同じ回動中心軸上に並んで配置されているとともに、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とが、前記回動中心軸とは別の回動中心軸上に並んで配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
この操作機器では、第2筺体を第1筺体に対して開くときに、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とを回動中心部とすると、第2筺体は第1筺体に対して一方の側へ開くことになる。また、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とを回動中心部とすると、第2筺体は第1筺体に対して上記一方の側とは反対側である他方の側へ開くことになる。このため、第2筺体を第1筺体に対して互いに反対側となっている2つの方向に開くことができ、これにより、操作機器を操作する者が、第1筺体に対する第2筺体の開き位置を、第1筺体の操作部を操作するなどのときに都合のよい位置とすることができるようになる。
【0008】
本発明において、第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材の形状や構造等は、任意のものでよい。
【0009】
第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材についての第1番目の例は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材のそれぞれの両端部と、これらの両端部の間の中間部とのうち、少なくとも両端部を硬質材料で形成し、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とに、第1筺体に対する回動中心部を設けるとともに、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とに、第2筺体に対する回動中心部を設けることである。このように第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材が構成された場合には、これらのヒンジ部材はリンク部材となり、したがって、前述したヒンジ機構は、リンク式のものとなる。
【0010】
また、第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材についての第2番目の例は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材のそれぞれの両端部と、これらの両端部の間の中間部とのうち、少なくとも両端部を曲げ変形可能となった曲げ変形部とし、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とを、曲げ変形部により第1筺体に対して回動自在とし、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とを、曲げ変形部により第2筺体に対して回動自在とすることである。このように第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材が構成された場合には、これらのヒンジ部材はベルト部材となり、したがって、前述したヒンジ機構は、ベルト式のものとなる。
【0011】
本発明では、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とによりヒンジ手段が構成されている。このヒンジ手段の個数は、1個でもよく、複数個でもよい。このため、前述したヒンジ機構は、ヒンジ手段が1個である場合には、それぞれ1個の第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とで構成され、ヒンジ手段が複数個である場合には、それぞれ複数個の第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とで構成されることになる。
【0012】
ヒンジ手段の個数を2個とする場合において、これらのヒンジ手段の配置位置についての一例は、これらのヒンジ手段を、第2筺体が有している前記表示部に対して互いに反対側の位置に配置することである。これによると、2個のヒンジ手段を、表示部にとって邪魔にならずに、言い換えると表示部の良好な表示性を確保して配置することができる。
【0013】
第1筺体に設けられている前記操作部を操作することにより、第2筺体に設けられている前記表示部に、操作部での操作に基づく内容が表示されるようにするためには、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成しなければならない。この電気回路を形成するための電気配線は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とのうち、少なくとも一方のヒンジ部材の内部に配置することができる。
【0014】
このように第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とのうち、少なくとも一方のヒンジ部材の内部に、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成するための電気配線を配置すると、内部に電気配線が配置されたヒンジ部材を、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成するための電気部材として兼用することができる。
【0015】
なお、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路は、上記の電気配線によらずに、第1筺体と第2筺体との間で送受信される無線によるものとしてもよい。
【0016】
以上説明した本発明において、第1筺体に設けられる前記操作部は、キーによるものでもよく、タッチ画面によるものでもよく、これらの両方によるものでもよい。また、第2筺体には、前述した表示部だけを設けてもよく、この表示部と操作部とを設けてもよい。さらに、第1筺体にも前記操作部と表示部とを設けてもよい。
【0017】
また、第1筺体に対して第2筺体が開く2つの方向は、左右の方向でもよく、前後の方向でもよい。
【0018】
さらに、第1筺体と第2筺体とが平面視で長方形である場合には、第2筺体を第1筺体に対して開閉自在とするための回動中心軸線は、長辺側と短辺側とのうち、長辺側に設けられていてもよく、短辺側に設けられていてもよい。
【0019】
さらに、本発明は、任意な用途のための操作機器に適用することができる。すなわち、本発明は、例えば、携帯型電話機、ゲーム機、電子辞書機、パーソナルコンピュータ等に適用することができ、ゲーム機、電子辞書機及びパーソナルコンピュータは、携帯型のものでもよく、机の上に置かれて操作される卓上型のものでもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、第2筺体を第1筺体に対して2つの方向に開くことができ、このため、操作機器を操作する者が、第1筺体に対する第2筺体の開き位置を、第1筺体の操作部を操作するなどのときに都合のよい位置とすることができるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る操作機器となっている携帯型電話機の全体を示す右側上面斜視図である。
【図2】図2は、図1の携帯型電話機の左側上面斜視図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示されているように、第2筺体が第1筺体に対して閉じているときにおける携帯型電話機を示す底面図である。
【図4】図4は、第2筺体を第1筺体に対して開閉自在とするヒンジ機構を構成するそれぞれのヒンジ部材を示す平面図であって、第2筺体が第1筺体に対して閉じているときを示す図である。
【図5】図5は、図4で示されているそれぞれのヒンジ部材を示す斜視図である。
【図6】図6は、第2筺体が第1筺体に対して左側に開いているときを示す携帯型電話機の平面図である。
【図7】図7は、図6のときにおける携帯型電話機を示す底面図である。
【図8】図8は、図7のS8−S8線断面図である。
【図9】図9は、第2筺体が第1筺体に対して右側に開いているときを示す携帯型電話機の平面図である。
【図10】図10は、図9のときにおける携帯型電話機を示す底面図である。
【図11】図11は、図10のS11−S11線断面図である。
【図12】図12は、第1筺体に対する第2筺体の開き角度に関する別実施形態に係る携帯型電話機を示す図3と同様の図である。
【図13】図13は、図12の実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体が第1筺体に対して左側に開いているときを示す底面図である。
【図14】図14は、図12の実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体が第1筺体に対して右側に開いているときを示す底面図である。
【図15】図15は、別のヒンジ機構が用いられた実施形態に係る携帯型電話機を示す平面図であって、第2筺体が第1筺体に対して閉じているときを示す図である。
【図16】図16は、図15のS16−S16線断面図である。
【図17】図17は、図15の実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体が第1筺体に対して左側に開いているときを示す平面図である。
【図18】図18は、図17のS18−S18線断面図である。
【図19】図19は、図15の実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体が第1筺体に対して右側に開いているときを示す平面図である。
【図20】図20は、図19のS20−S20線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る操作機器は、携帯型電話機である。この携帯型電話機は、図1〜図3、さらに図6、図7、図9、図10に示されているように、第1筺体1と第2筺体2とで構成されており、これらの筺体1,2は、平面視で長方形となっている。図6及び図9に示されているように、第2筺体2が第1筺体1に対して開いたときに外部に露出する第1筺体1の面1Aには、テンキー4や十字キー5等による操作部3が設けられており、また、第2筺体2が第1筺体1に対して開いたときに外部に露出する第2筺体2の面2Aには、第1筺体1及び第2筺体2の内部に収納されている各種の電気部品の作用により、操作部3での操作に基づく内容が表示される表示部6が設けられている。液晶画面で形成されているこの表示部6には、操作部3での操作に基づく内容だけではなく、操作部3で操作されていない内容も表示され、操作部3で操作されていない内容には、本実施形態に係る携帯型電話機に電話をかけてくる相手の電話番号やその相手の名前が含まれている。
【0023】
また、図6及び図9に示されているように、第1筺体1の面1Aにはマイクロフォン7が設けられ、第2筺体2の面2Aにはスピーカ8が設けられている。
【0024】
図6は、第2筺体2が第1筺体1に対して左側に開いているときを示しており、図9は、第2筺体2が第1筺体1に対して右側に開いているときを示している。これらの図6及び図9から分かるように、第2筺体2は第1筺体1に対して、図4及び図5に示されているヒンジ機構10により、左方向と右方向の2つの方向に開くようになっている。平面視でそれぞれ長方形となっているこれらの筺体1,2の長辺側は、左側と右側になっているため、第2筺体2は第1筺体1に対して、これらの筺体1,2の左側の端部と右側の端部設けられていて、後述の説明で明らかになる回動中心軸線を中心として開閉自在となっている。図4及び図5では、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときの状態におけるヒンジ機構10が示されており、このヒンジ機構10は、第1ヒンジ手段20と第2ヒンジ手段30とで構成され、第1ヒンジ手段20は、第1ヒンジ部材21と第2ヒンジ部材22とで構成され、第2ヒンジ手段30は、第1ヒンジ部材31と第2ヒンジ部材32とで構成されている。
【0025】
これらのヒンジ部材21,22,31,32は、第1筺体1に対する第2筺体2の開閉方向である左右方向と直角をなす前後方向に互いにずれて配置されており、また、これらのヒンジ部材21,22,31,32は、ヒンジ部材21,22,31,32の両端部を含む全体が硬質材料である硬質合成樹脂又は金属等により形成されており、したがって、ヒンジ機構10は、ヒンジ部材21,22,31,32がリンク部材となったリンク式のものとなっている。
【0026】
図4及び図5から分かるように、第1ヒンジ手段20の左右方向を長さ方向とする第1ヒンジ部材21と、第2ヒンジ手段30の左右方向を長さ方向とする第2ヒンジ部材32には、これらのヒンジ部材21,32の長さ方向の両端部において、これらのヒンジ部材21,32の長さ方向と直角をなす方向への長さを有する軸部21A,21B,32A,32Bが短寸法で形成されている。軸部21Aと軸部21Bとの間は、第1ヒンジ部材21の中間部21Cとなっており、軸部32Aと軸部32Bとの間は、第2ヒンジ部材32の中間部32Cとなっている。また、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22と、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31には、左右方向の両端部において、軸部21A,21B、32A,32Bと同じ方向へ延びる軸部22A,22B,31A,31Bが形成されており、軸部22Aと軸部22Bとの間は、第2ヒンジ部材22の中間部22Cとなっており、軸部31Aと軸部31Bとの間は、第1ヒンジ部材31の中間部31Cとなっている。
【0027】
それぞれのヒンジ部材21,22,31,32の中間部21C、22C、31C、32Cは、第1筺体1に対する第2筺体2の開閉方向である左右方向に延びているため、これらの中間部21C、22C、31C、32Cは互いに平行となっている。
【0028】
また、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22A,22Bと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31A,31Bは、大径部22D,22E,31D,31Eと、大径部22D,22E,31D,31Eの両端部に形成された小径部22F,22G,22H,22I,31F,31G,31H,31Iと、からなる。
【0029】
図8には、図6と同じく第2筺体2を第1筺体1に対して左側に開いたときを示している図7のS8−S8線断面図が示されており、図11には、図9と同じく第2筺体2を第1筺体1に対して右側に開いたときを示している図10のS11−S11線断面図が示されている。これらの図8及び図11では、第1筺体1のケーシング11と第2筺体2のケーシング12とヒンジ部材21,22,31,32だけが示されていている。
【0030】
第1筺体1のケーシング11と、第2筺体2のケーシング12とは、ヒンジ部材21,22,31,32による下記の連結構造により、連結されている。
【0031】
この連結構造を、図8において説明すると、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21における一方の端部である右側の端部に形成された軸部21Aは、第1筺体1のケーシング11に形成されたボス部11Aの穴41に左右方向に回動自在に挿入され、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21における他方の端部である左側の端部に形成された軸部21Bは、第2筺体2のケーシング12に形成されたボス部12Aの穴51に左右方向に回動自在に挿入されている。第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22における一方の端部である右側の端部に形成された軸部22Aの小径部22F,22Gは、第1筺体1のケーシング11に形成されたボス部11B,11Cの穴42,43に左右方向に回動自在に挿入され、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22における他方の端部である左側の端部に形成された軸部22Bの小径部22H,22Iは、第2筺体2のケーシング12に形成されたボス部12B,12Cの穴52,53に左右方向に回動自在に挿入されている。
【0032】
また、図8において、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31における一方の端部である右側の端部に形成された軸部31Aの小径部31F,31Gは、第1筺体1のケーシング11に形成されたボス部11D、11Eの穴44,45に左右方向に回動自在に挿入され、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31における他方の端部である左側の端部に形成された軸部31Bの小径部31H,31Iは、第2筺体2のケーシング12に形成されたボス部12D,12Eの穴54,55に左右方向に回動自在に挿入されている。第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32における一方の端部である右側の端部に形成された軸部32Aは、第1筺体1のケーシング11に形成されたボス部11Fの穴46に左右方向に回動自在に挿入され、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32における他方の端部である左側の端部に形成された軸部32Bは、第2筺体2のケーシング12に形成されたボス部12Fの穴56に左右方向に回動自在に挿入されている。
【0033】
このため、第1ヒンジ手段20及び第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材21,31は、図8において、右側の端部の軸部21A,31Aを回動中心部として第1筺体1に左右方向に回動自在に連結されているとともに、これらの第1ヒンジ部材21,31は、左側の端部の軸部21B,31Bを回動中心部として第2筺体2に左右方向に回動自在に連結されている。また、第1ヒンジ手段20及び第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材22,32は、図8において、右側の端部の軸部22A,32Aを回動中心部として第1筺体1に左右方向に回動自在に連結されているとともに、これらの第2ヒンジ部材22,32は、左側の端部の軸部22B,32Bを回動中心部として第2筺体2に左右開閉方向に回動自在に連結されている。
【0034】
また、図1〜図3に示されているように、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときには、図4に示されているように、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21の軸部21Aと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Aと、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Bと、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32の軸部32Bと、が軸線A上において並んで配置されているとともに、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21の軸部21Bと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Bと、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Aと、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32の軸部32Aと、が軸線B上において並んで配置されている。
【0035】
そして、互いに平行となっている2つの軸線AとBのうち、軸線Aは、第1筺体1に対して閉じていた第2筺体2を、図8に示されているように第1筺体1に対して左側へ開く場合において、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21の軸部21Aと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Aとを中心として、これらの第1ヒンジ部材21,31を回動させながら、第2筺体2を回動させるための回動中心軸線となる。また、軸線Bは、第1筺体1に対して閉じていた第2筺体2を、図11に示されているように第1筺体1に対して右側へ開く場合において、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Aと、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32の軸部32Aとを中心として、これらの第2ヒンジ部材22,32を回動させながら、第2筺体2を回動させるための回動中心軸線となる。
【0036】
また、第1筺体1の前述した面1A及び第2筺体2の前述した面2Aには、図8及び図11に示されているように、第2筺体2を第1筺体1に対して閉じたときに、第1ヒンジ手段20及び第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材21,31と第2ヒンジ部材22,32が収納される溝61〜68が形成されている。
【0037】
第1筺体1のケーシング11のボス部11A〜11Fは、図1及び図2に示されているように、第1筺体1の左右の側面1B、1Cから左右方向に突出した半円状の形状を有するとともに、これらのボス部11A〜11Fは、第1筺体1の面1Aから上方へ突出した半円状の形状を有している。また、第2筺体2のケーシング12のボス部12A〜12Eは、図1及び図2に示されているように、第2筺体2の左右の側面2B,2Cから左右方向に突出した半円状の形状を有するとともに、これらのボス部12A〜12Eは、第2筺体2を第1筺体1に対して閉じたときに、第2筺体2の面2Aから下方へ突出した半円状となる形状を有している。
【0038】
また、図3に示されているように、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じられているときには、第1筺体1の右側の側面1Bと第2筺体2の右側の側面2Bとが、左右方向において位置が一致し、第1筺体1の左側の側面1Cと第2筺体2の左側の側面2Cも、左右方向において位置が一致する。これらの側面1B,1C,2B,2Cは、第1筺体1の面1A及び第2筺体2の面2Aに対して直角をなす面となっている。
【0039】
さらに、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときには、図1に示されているように、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22A及び第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Bは、第1筺体1の右側の側面1Bと第2筺体2の右側の側面2Bから右側へ突出している。また、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときには、図2に示されているように、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22B及び第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Aは、第1筺体1の左側の側面1Cと第2筺体2の左側の側面2Cから右側へ突出している。
【0040】
このため、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときに、図1の矢印Cで示すように、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Bを上側へ押し上げることができる。この押し上げにより、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21の軸部21Aと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Aと、を通っている図4の回動中心軸線Aを中心として、これらの第1ヒンジ部材21,31が左側へ回動することにより、第2筺体2は第1筺体1に対して左側に開くことになる。このように第2筺体2が左側へ開いたときの状態が、図6〜図8に示されている。
【0041】
また、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときに、図2の矢印Dで示すように、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Bを上側へ押し上げることができ。この押し上げにより、第2ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Aと、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材31の軸部32Aと、を通っている図4の回動中心軸線Bを中心として、これらの第2ヒンジ部材22,32が右側へ回動することにより、第2筺体2は第1筺体1に対して右側に開くことになる。このように第2筺体2が右側へ開いたときの状態が、図9〜図11に示されている。
【0042】
なお、第1筺体1の側面1B,1Cに矢印C,Dを表示してもよい。
【0043】
第2筺体2を第1筺体1に対して左側への開き移動させた場合には、図7に示されているように、第2筺体2の側面2Cが第1筺体1の側面1Cに当接することにより、第2筺体2の開き移動は停止することになる。また、第2筺体2を第1筺体1に対して右側への開き移動させた場合には、図10に示されているように、第2筺体2の側面2Bが第1筺体1の側面1Bに当接することにより、第2筺体2の開き移動は停止することになる。これらの場合における第2筺体2の開き角度は、それぞれ180度である。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体2は、第1筺体1に対して、左方向にも、右方向にも、開くことになり、第2筺体2を互いに反対側となった2つの方向に開くことができるため、この携帯電話機を操作する者が、第1筺体1に対する第2筺体2の開き位置を、第1筺体1の前述した操作部3を操作するなどのときに都合のよい位置にすることができ、携帯電話機の良好な操作性を確保できるようになる。
【0045】
なお、第1筺体1と第2筺体2との間に、例えば、弾発アクションにより第1筺体1に対して第2筺体2を開き移動させるためのばね等の弾性部材を介入し、上述したように、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31B及び第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Bを押し上げることによって第2筺体2を開き移動を開始させたときに、上記弾性部材により、第2筺体2が180度まで開き移動するようにしてもよい。
【0046】
また、第1筺体1と第2筺体2との間に、第2筺体2を第1筺体1に対して閉じ状態に維持するための、例えば、ラチェット機構又はクリック機構によるストップ手段を設けることにより、上記弾性部材の弾発力に抗して、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じ位置で停止するようにしてもよい。
【0047】
また、本実施形態に係る携帯型電話機では、図8及び図11に示されているように、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の内部には、このヒンジ部材22の左右両端部の軸部22A、22Bと前述した中間部22Cとに渡る空間部70が形成され、この空間部70に電気配線71が配置されている。第1筺体1のケーシング11の前述したボス部11Cと、第2筺体2のケーシング12の前述したボス部12Cには、空間部70と連通した空間部72,73が形成されている。空間部70の内部に配線されることにより第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の内部に配置されている電気配線71の一方の端部は、空間部72に形成された孔72Aから第1筺体1の内部に挿入され、また、電気配線71の他方の端部は、空間部73に形成された孔73Aから第2筺体2の内部に挿入されている。そして、この電気配線71により、第1筺体1と第2筺体2との間に跨る電気回路が形成されている。
【0048】
第2筺体2が第1筺体1に対して、上述したように、左側に開き移動したときにも、右側に開き移動したときにも、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Aは、空間部72及び孔72Aが形成されている第1筺体1のケーシング11のボス部11Cと常に接続されているとともに、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Bは、空間部73及び孔73Aが形成されている第2筺体2のケーシング12のボス部12Cと常に接続されているため、電気配線71による上記電気回路により、第1筺体1及び第2筺体2のそれぞれの内部に配置されている電気部品を常に接続することができる。
【0049】
また、第1筺体1に対して第2筺体2を開閉自在に連結するための第2ヒンジ部材22を、第1筺体1と第2筺体2との間に跨る電気回路を形成するための電気部材として兼用することができる。
【0050】
なお、電気配線71と同様の電気配線を、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の内部にも配置してもよい。
【0051】
また、第2筺体2を第1筺体1に対して開いたときには、図6及び図9で説明したように、第1筺体1マイクロフォン7が設けられ、第2筺体2にはスピーカ8が設けられているため、左右方向に離れているこれらのマイクロフォン7とスピーカ8のそれぞれの位置を、本実施形態に係る携帯型電話機を使用する者の口と耳との位置に適合させることができる。
【0052】
また、本実施形態では、ヒンジ機構10は第1ヒンジ手段20と第2ヒンジ手段30で構成され、これらの2個のヒンジ手段20と30は、第2筺体2に設けられている前述の表示部6に対して互いに反対側となった前側の位置と後側の位置とに分かれて配置されているため、これらのヒンジ手段20,30は表示部6にとって邪魔にならずに、したがって、表示部6の良好な表示性を確保することできる。
【0053】
さらに、このようにヒンジ機構10を2個のヒンジ手段20,30で構成することにより、第1筺体1と第2筺体2とを大きな強度で連結できるとともに、第1筺体1に対する第2筺体2の良好な開閉機能を確保することができる。
【0054】
図12には、第1筺体1に対する第2筺体2の開閉角度に関する別実施形態が示されている。この実施形態における第2筺体2の左右の側面2D,2Eは、前述した実施形態の側面2B,2Cと異なり、第2筺体2の前述の面2Aに対して直角となっておらず、この面2Aに対する直角から左右の外方向へ傾いた傾斜面となっている。
【0055】
このため、図13に示されているように、第2筺体2を第1筺体1に対して左側へ開いたときには、第1筺体1の側面1Cへの第2筺体2の側面2Eの当接により、第2筺体2の開き角度は180度以下の角度となり、また、図14に示されているように、第2筺体2を第1筺体1に対して右側へ開いたときにも、第1筺体1の側面1Bへの第2筺体2の側面2Dの当接により、第2筺体2の開き角度は180度以下の角度となる。
【0056】
側面2D,2Eと同様な傾斜面は、第1筺体1の左右の側面にも設けてもよく、また、このような傾斜面は、第1筺体1の左右の側面だけに設けてもよい。
【0057】
図15〜図20は、以上説明した実施形態とはヒンジ機構が異なっている携帯型電話機の実施形態を示している。図17及び図19に示されているように、この実施形態の携帯型電話機の第1筺体101にもテンキー104や十字キー105等による操作部103と、マイクロフォン107とが設けられ、第2筺体102には、表示部106と、スピーカ108とが設けられている。また、第1筺体101と第2筺体102は、第1ヒンジ手段120と第2ヒンジ手段130からなるヒンジ機構110により左右方向に連結され、第1ヒンジ手段120は、第1ヒンジ部材121と第2ヒンジ部材122により構成され、第2ヒンジ手段130は、第1ヒンジ部材131と第2ヒンジ部材132により構成されている。
【0058】
これらのヒンジ121,122,131,132は、左右方向に延びる長さを有しており、また、これらのヒンジ121,122,131,132は、ヒンジ121,122,131,132の両端部を含む全体が軟質性合成樹脂等の軟質性材料又は可撓性合成樹脂等の可撓性材料で形成されたベルト状となっており、したがって、この実施形態に係るヒンジ機構110は、ベルト式である。
【0059】
また、ヒンジ121,122,131,132は、第1筺体101に対する第2筺体102の開閉方向である左右方向と直角をなす前後方向に互いにずれて配置され、第1筺体101に対して第2筺体102が左側に開いた状態を示している図17において、それぞれのヒンジ部材121,122,131,132の一方の端部である右側の端部121A,122A,131A,132Aは第1筺体101に連結されているとともに、ヒンジ部材121,122,131,132の他方の端部である左側の端部121B,122B,131B,132Bは、第2筺体102に連結されている。これらの端部121A,122A,131A,132Aとヒンジ121B,122B,131B,132Bとの間は、ヒンジ121,122,131,132の中間部121C,122C,131C,132Cとなっており、これらの中間部121C,122C,131C,132Cは互いに平行となっている。
【0060】
ヒンジ部材121,122,131,132の両端部についての第1筺体101、第2筺体102への連結構造を一層具体的に説明すると、図17のS18−S18線断面図である図18及び図19のS20−S20線断面図である図20から分かるように、ヒンジ部材121,122,131,132の端部121A,122A,131A,132Aについては、これらの端部121A,122A,131A,132Aよりも先の部分が、第1筺体101の内部に侵入して接着等で第1筺体101のケーシング111に固定され、ヒンジ部材121,122,131,132の端部121B,122B,131B,132Bについては、これらの端部121B,122B,131B,132Bよりも先の部分が、第2筺体102の内部に侵入して接着等で第2筺体102のケーシング112に固定されている。
【0061】
このため、ヒンジ部材121,122,131,132は、端部121A,122A,131A,132Aを回動中心部として、第1筺体101に左右方向に回動自在に連結されているとともに、ヒンジ部材121,122,131,132は、端部121B,122B,131B,132Bを回動中心部として、第2筺体102に左右方向に回動自在に連結されている。このため、これらの端部は、121A,122A,131A,132A,121B,122B,131B,132Bは、曲げ変形が可能となっている曲げ変形部となっている。
【0062】
また、第2筺体102が第1筺体101に対して閉じているときには、ヒンジ部材121の端部121Aと、ヒンジ部材122の端部122Bと、ヒンジ部材131の端部131Bと、ヒンジ部材132の端部132Aと、が同じ回動中心軸線上に並んで配置されているとともに、ヒンジ部材121の端部121Bと、ヒンジ部材122の端部122Aと、ヒンジ部材131の端部131Aと、ヒンジ部材132の端部132Bと、が上記の回動中心軸線とは別の回動中心軸線上に並んで配置されている。
【0063】
このため、図15のS16−S16線断面図である図16に示されているように、第2筺体102が第1筺体101に対して閉じているときに、図17及び図18に示されているように、第2筺体102を第1筺体101に対して左側に開くこともでき、図19及び図20に示されているように、第2筺体102を第1筺体101に対して右側に開くこともできる。
【0064】
そして、本実施形態では、図17及び図19に示されているように、第1筺体101の左右の側面101B,101Cに、第1筺体101の内側へ窪んだ窪み部141,142が形成されている。このため、右側の窪み部141に挿入した指により第2筺体102を押し上げることができ、この押し上げにより、ヒンジ部材122,131が端部122A,131Aを中心として左側へ回動するため、第2筺体102を第1筺体101に対して左側へ開き移動させることができる。また、左側の窪み部142に挿入した指により第2筺体102を押し上げることができ、この押し上げにより、ヒンジ部材121,132が端部121A,132Aを中心として右側へ回動するため、第2筺体102を第1筺体101に対して右側へ開き移動させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、第2筺体102のケーシング112には、第2筺体102が第1筺体101に対して閉じたときに、ヒンジ部材121,122,131,132を収納する溝61〜64が形成されている。本実施形態において、溝61と62は連通し、溝63と64は連通している。このような溝は、第1筺体101のケーシング111に設けてもよく、両方のケーシング111,112に設けてもよい。
【0066】
また、ヒンジ部材132の内部には、電気配線171が配置されている。この電気配線171により、第1筺体101と第2筺体102との間に跨る電気回路が形成されている。このような電気配線は、ヒンジ部材121,122,131の内部に設けてもよい。
【0067】
また、以上説明したそれぞれの実施形態において、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成するための電気配線をヒンジ部材の内部に配置せず、この電気回路を、第1筺体と第2筺体に設けた送受信装置による無線によるものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、携帯型電話機、ゲーム機、電子辞書機、パーソナルコンピュータ等の操作される操作機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1,101 第1筺体
2,102 第2筺体
3,103 操作部
6,106 表示部
10,110 ヒンジ機構
20,120 第1ヒンジ手段
21,121 第1ヒンジ部材
22,122 第2ヒンジ部材
30,130 第2ヒンジ手段
31,131 第1ヒンジ部材
32,132 第2ヒンジ部材
71,171 電気配線
A,B 回動中心軸線
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作部を有している第1筐体に対して表示部を有している第2筺体が、ヒンジ機構で開閉自在となっている操作機器に係り、例えば、携帯型電話機や、ゲーム機、電子辞書機、さらには、パーソナルコンピュータ等に利用できるものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型電話機は、操作部を有する第1筺体と、操作部での操作に基づく内容が表示される表示部を有する第2筺体と、を備えている。下記の特許文献1に示されている携帯型電話機では、第2筺体が第1筺体に対してヒンジ機構により開閉自在となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−9004号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
第2筺体が第1筺体に対してヒンジ機構により開閉自在となっている従来の携帯型電話機では、第2筺体が第1筺体に対して開く方向は、一つだけの方向となっている。このため、第2筺体が第1筺体に対して開いた場合における第1筺体に対する第2筺体の位置は、ヒンジ機構で決定されている位置となっている。これによると、操作機器を操作する者が、第1筺体に対する第2筺体の開き位置を、第1筺体の操作部を操作するなどのときに都合のよい位置にできないという問題点がある。
【0005】
本発明の目的は、第2筺体を第1筺体に対して2つの方向に開くことができる操作機器を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る操作機器は、操作部を有する第1筺体と、前記操作部での操作に基づく内容が表示される表示部を有する第2筺体と、この第2筺体を第1筺体に対して開閉自在とするヒンジ機構と、を備えている操作機器において、前記ヒンジ機構は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とを含んで構成され、第1ヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されているとともに、第1ヒンジ部材は、他方の端部を中心として第2筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されており、第2ヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されているとともに、第2ヒンジ部材は、他方の端部を中心として第2筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されており、第1筺体に対して第2筺体が閉じているときに、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とが、同じ回動中心軸上に並んで配置されているとともに、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とが、前記回動中心軸とは別の回動中心軸上に並んで配置されていることを特徴とするものである。
【0007】
この操作機器では、第2筺体を第1筺体に対して開くときに、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とを回動中心部とすると、第2筺体は第1筺体に対して一方の側へ開くことになる。また、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とを回動中心部とすると、第2筺体は第1筺体に対して上記一方の側とは反対側である他方の側へ開くことになる。このため、第2筺体を第1筺体に対して互いに反対側となっている2つの方向に開くことができ、これにより、操作機器を操作する者が、第1筺体に対する第2筺体の開き位置を、第1筺体の操作部を操作するなどのときに都合のよい位置とすることができるようになる。
【0008】
本発明において、第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材の形状や構造等は、任意のものでよい。
【0009】
第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材についての第1番目の例は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材のそれぞれの両端部と、これらの両端部の間の中間部とのうち、少なくとも両端部を硬質材料で形成し、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とに、第1筺体に対する回動中心部を設けるとともに、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とに、第2筺体に対する回動中心部を設けることである。このように第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材が構成された場合には、これらのヒンジ部材はリンク部材となり、したがって、前述したヒンジ機構は、リンク式のものとなる。
【0010】
また、第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材についての第2番目の例は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材のそれぞれの両端部と、これらの両端部の間の中間部とのうち、少なくとも両端部を曲げ変形可能となった曲げ変形部とし、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とを、曲げ変形部により第1筺体に対して回動自在とし、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とを、曲げ変形部により第2筺体に対して回動自在とすることである。このように第1ヒンジ部材及び第2ヒンジ部材が構成された場合には、これらのヒンジ部材はベルト部材となり、したがって、前述したヒンジ機構は、ベルト式のものとなる。
【0011】
本発明では、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とによりヒンジ手段が構成されている。このヒンジ手段の個数は、1個でもよく、複数個でもよい。このため、前述したヒンジ機構は、ヒンジ手段が1個である場合には、それぞれ1個の第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とで構成され、ヒンジ手段が複数個である場合には、それぞれ複数個の第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とで構成されることになる。
【0012】
ヒンジ手段の個数を2個とする場合において、これらのヒンジ手段の配置位置についての一例は、これらのヒンジ手段を、第2筺体が有している前記表示部に対して互いに反対側の位置に配置することである。これによると、2個のヒンジ手段を、表示部にとって邪魔にならずに、言い換えると表示部の良好な表示性を確保して配置することができる。
【0013】
第1筺体に設けられている前記操作部を操作することにより、第2筺体に設けられている前記表示部に、操作部での操作に基づく内容が表示されるようにするためには、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成しなければならない。この電気回路を形成するための電気配線は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とのうち、少なくとも一方のヒンジ部材の内部に配置することができる。
【0014】
このように第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とのうち、少なくとも一方のヒンジ部材の内部に、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成するための電気配線を配置すると、内部に電気配線が配置されたヒンジ部材を、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成するための電気部材として兼用することができる。
【0015】
なお、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路は、上記の電気配線によらずに、第1筺体と第2筺体との間で送受信される無線によるものとしてもよい。
【0016】
以上説明した本発明において、第1筺体に設けられる前記操作部は、キーによるものでもよく、タッチ画面によるものでもよく、これらの両方によるものでもよい。また、第2筺体には、前述した表示部だけを設けてもよく、この表示部と操作部とを設けてもよい。さらに、第1筺体にも前記操作部と表示部とを設けてもよい。
【0017】
また、第1筺体に対して第2筺体が開く2つの方向は、左右の方向でもよく、前後の方向でもよい。
【0018】
さらに、第1筺体と第2筺体とが平面視で長方形である場合には、第2筺体を第1筺体に対して開閉自在とするための回動中心軸線は、長辺側と短辺側とのうち、長辺側に設けられていてもよく、短辺側に設けられていてもよい。
【0019】
さらに、本発明は、任意な用途のための操作機器に適用することができる。すなわち、本発明は、例えば、携帯型電話機、ゲーム機、電子辞書機、パーソナルコンピュータ等に適用することができ、ゲーム機、電子辞書機及びパーソナルコンピュータは、携帯型のものでもよく、机の上に置かれて操作される卓上型のものでもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によると、第2筺体を第1筺体に対して2つの方向に開くことができ、このため、操作機器を操作する者が、第1筺体に対する第2筺体の開き位置を、第1筺体の操作部を操作するなどのときに都合のよい位置とすることができるという効果を得られる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る操作機器となっている携帯型電話機の全体を示す右側上面斜視図である。
【図2】図2は、図1の携帯型電話機の左側上面斜視図である。
【図3】図3は、図1及び図2に示されているように、第2筺体が第1筺体に対して閉じているときにおける携帯型電話機を示す底面図である。
【図4】図4は、第2筺体を第1筺体に対して開閉自在とするヒンジ機構を構成するそれぞれのヒンジ部材を示す平面図であって、第2筺体が第1筺体に対して閉じているときを示す図である。
【図5】図5は、図4で示されているそれぞれのヒンジ部材を示す斜視図である。
【図6】図6は、第2筺体が第1筺体に対して左側に開いているときを示す携帯型電話機の平面図である。
【図7】図7は、図6のときにおける携帯型電話機を示す底面図である。
【図8】図8は、図7のS8−S8線断面図である。
【図9】図9は、第2筺体が第1筺体に対して右側に開いているときを示す携帯型電話機の平面図である。
【図10】図10は、図9のときにおける携帯型電話機を示す底面図である。
【図11】図11は、図10のS11−S11線断面図である。
【図12】図12は、第1筺体に対する第2筺体の開き角度に関する別実施形態に係る携帯型電話機を示す図3と同様の図である。
【図13】図13は、図12の実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体が第1筺体に対して左側に開いているときを示す底面図である。
【図14】図14は、図12の実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体が第1筺体に対して右側に開いているときを示す底面図である。
【図15】図15は、別のヒンジ機構が用いられた実施形態に係る携帯型電話機を示す平面図であって、第2筺体が第1筺体に対して閉じているときを示す図である。
【図16】図16は、図15のS16−S16線断面図である。
【図17】図17は、図15の実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体が第1筺体に対して左側に開いているときを示す平面図である。
【図18】図18は、図17のS18−S18線断面図である。
【図19】図19は、図15の実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体が第1筺体に対して右側に開いているときを示す平面図である。
【図20】図20は、図19のS20−S20線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。本実施形態に係る操作機器は、携帯型電話機である。この携帯型電話機は、図1〜図3、さらに図6、図7、図9、図10に示されているように、第1筺体1と第2筺体2とで構成されており、これらの筺体1,2は、平面視で長方形となっている。図6及び図9に示されているように、第2筺体2が第1筺体1に対して開いたときに外部に露出する第1筺体1の面1Aには、テンキー4や十字キー5等による操作部3が設けられており、また、第2筺体2が第1筺体1に対して開いたときに外部に露出する第2筺体2の面2Aには、第1筺体1及び第2筺体2の内部に収納されている各種の電気部品の作用により、操作部3での操作に基づく内容が表示される表示部6が設けられている。液晶画面で形成されているこの表示部6には、操作部3での操作に基づく内容だけではなく、操作部3で操作されていない内容も表示され、操作部3で操作されていない内容には、本実施形態に係る携帯型電話機に電話をかけてくる相手の電話番号やその相手の名前が含まれている。
【0023】
また、図6及び図9に示されているように、第1筺体1の面1Aにはマイクロフォン7が設けられ、第2筺体2の面2Aにはスピーカ8が設けられている。
【0024】
図6は、第2筺体2が第1筺体1に対して左側に開いているときを示しており、図9は、第2筺体2が第1筺体1に対して右側に開いているときを示している。これらの図6及び図9から分かるように、第2筺体2は第1筺体1に対して、図4及び図5に示されているヒンジ機構10により、左方向と右方向の2つの方向に開くようになっている。平面視でそれぞれ長方形となっているこれらの筺体1,2の長辺側は、左側と右側になっているため、第2筺体2は第1筺体1に対して、これらの筺体1,2の左側の端部と右側の端部設けられていて、後述の説明で明らかになる回動中心軸線を中心として開閉自在となっている。図4及び図5では、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときの状態におけるヒンジ機構10が示されており、このヒンジ機構10は、第1ヒンジ手段20と第2ヒンジ手段30とで構成され、第1ヒンジ手段20は、第1ヒンジ部材21と第2ヒンジ部材22とで構成され、第2ヒンジ手段30は、第1ヒンジ部材31と第2ヒンジ部材32とで構成されている。
【0025】
これらのヒンジ部材21,22,31,32は、第1筺体1に対する第2筺体2の開閉方向である左右方向と直角をなす前後方向に互いにずれて配置されており、また、これらのヒンジ部材21,22,31,32は、ヒンジ部材21,22,31,32の両端部を含む全体が硬質材料である硬質合成樹脂又は金属等により形成されており、したがって、ヒンジ機構10は、ヒンジ部材21,22,31,32がリンク部材となったリンク式のものとなっている。
【0026】
図4及び図5から分かるように、第1ヒンジ手段20の左右方向を長さ方向とする第1ヒンジ部材21と、第2ヒンジ手段30の左右方向を長さ方向とする第2ヒンジ部材32には、これらのヒンジ部材21,32の長さ方向の両端部において、これらのヒンジ部材21,32の長さ方向と直角をなす方向への長さを有する軸部21A,21B,32A,32Bが短寸法で形成されている。軸部21Aと軸部21Bとの間は、第1ヒンジ部材21の中間部21Cとなっており、軸部32Aと軸部32Bとの間は、第2ヒンジ部材32の中間部32Cとなっている。また、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22と、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31には、左右方向の両端部において、軸部21A,21B、32A,32Bと同じ方向へ延びる軸部22A,22B,31A,31Bが形成されており、軸部22Aと軸部22Bとの間は、第2ヒンジ部材22の中間部22Cとなっており、軸部31Aと軸部31Bとの間は、第1ヒンジ部材31の中間部31Cとなっている。
【0027】
それぞれのヒンジ部材21,22,31,32の中間部21C、22C、31C、32Cは、第1筺体1に対する第2筺体2の開閉方向である左右方向に延びているため、これらの中間部21C、22C、31C、32Cは互いに平行となっている。
【0028】
また、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22A,22Bと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31A,31Bは、大径部22D,22E,31D,31Eと、大径部22D,22E,31D,31Eの両端部に形成された小径部22F,22G,22H,22I,31F,31G,31H,31Iと、からなる。
【0029】
図8には、図6と同じく第2筺体2を第1筺体1に対して左側に開いたときを示している図7のS8−S8線断面図が示されており、図11には、図9と同じく第2筺体2を第1筺体1に対して右側に開いたときを示している図10のS11−S11線断面図が示されている。これらの図8及び図11では、第1筺体1のケーシング11と第2筺体2のケーシング12とヒンジ部材21,22,31,32だけが示されていている。
【0030】
第1筺体1のケーシング11と、第2筺体2のケーシング12とは、ヒンジ部材21,22,31,32による下記の連結構造により、連結されている。
【0031】
この連結構造を、図8において説明すると、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21における一方の端部である右側の端部に形成された軸部21Aは、第1筺体1のケーシング11に形成されたボス部11Aの穴41に左右方向に回動自在に挿入され、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21における他方の端部である左側の端部に形成された軸部21Bは、第2筺体2のケーシング12に形成されたボス部12Aの穴51に左右方向に回動自在に挿入されている。第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22における一方の端部である右側の端部に形成された軸部22Aの小径部22F,22Gは、第1筺体1のケーシング11に形成されたボス部11B,11Cの穴42,43に左右方向に回動自在に挿入され、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22における他方の端部である左側の端部に形成された軸部22Bの小径部22H,22Iは、第2筺体2のケーシング12に形成されたボス部12B,12Cの穴52,53に左右方向に回動自在に挿入されている。
【0032】
また、図8において、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31における一方の端部である右側の端部に形成された軸部31Aの小径部31F,31Gは、第1筺体1のケーシング11に形成されたボス部11D、11Eの穴44,45に左右方向に回動自在に挿入され、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31における他方の端部である左側の端部に形成された軸部31Bの小径部31H,31Iは、第2筺体2のケーシング12に形成されたボス部12D,12Eの穴54,55に左右方向に回動自在に挿入されている。第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32における一方の端部である右側の端部に形成された軸部32Aは、第1筺体1のケーシング11に形成されたボス部11Fの穴46に左右方向に回動自在に挿入され、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32における他方の端部である左側の端部に形成された軸部32Bは、第2筺体2のケーシング12に形成されたボス部12Fの穴56に左右方向に回動自在に挿入されている。
【0033】
このため、第1ヒンジ手段20及び第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材21,31は、図8において、右側の端部の軸部21A,31Aを回動中心部として第1筺体1に左右方向に回動自在に連結されているとともに、これらの第1ヒンジ部材21,31は、左側の端部の軸部21B,31Bを回動中心部として第2筺体2に左右方向に回動自在に連結されている。また、第1ヒンジ手段20及び第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材22,32は、図8において、右側の端部の軸部22A,32Aを回動中心部として第1筺体1に左右方向に回動自在に連結されているとともに、これらの第2ヒンジ部材22,32は、左側の端部の軸部22B,32Bを回動中心部として第2筺体2に左右開閉方向に回動自在に連結されている。
【0034】
また、図1〜図3に示されているように、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときには、図4に示されているように、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21の軸部21Aと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Aと、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Bと、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32の軸部32Bと、が軸線A上において並んで配置されているとともに、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21の軸部21Bと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Bと、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Aと、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32の軸部32Aと、が軸線B上において並んで配置されている。
【0035】
そして、互いに平行となっている2つの軸線AとBのうち、軸線Aは、第1筺体1に対して閉じていた第2筺体2を、図8に示されているように第1筺体1に対して左側へ開く場合において、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21の軸部21Aと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Aとを中心として、これらの第1ヒンジ部材21,31を回動させながら、第2筺体2を回動させるための回動中心軸線となる。また、軸線Bは、第1筺体1に対して閉じていた第2筺体2を、図11に示されているように第1筺体1に対して右側へ開く場合において、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Aと、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材32の軸部32Aとを中心として、これらの第2ヒンジ部材22,32を回動させながら、第2筺体2を回動させるための回動中心軸線となる。
【0036】
また、第1筺体1の前述した面1A及び第2筺体2の前述した面2Aには、図8及び図11に示されているように、第2筺体2を第1筺体1に対して閉じたときに、第1ヒンジ手段20及び第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材21,31と第2ヒンジ部材22,32が収納される溝61〜68が形成されている。
【0037】
第1筺体1のケーシング11のボス部11A〜11Fは、図1及び図2に示されているように、第1筺体1の左右の側面1B、1Cから左右方向に突出した半円状の形状を有するとともに、これらのボス部11A〜11Fは、第1筺体1の面1Aから上方へ突出した半円状の形状を有している。また、第2筺体2のケーシング12のボス部12A〜12Eは、図1及び図2に示されているように、第2筺体2の左右の側面2B,2Cから左右方向に突出した半円状の形状を有するとともに、これらのボス部12A〜12Eは、第2筺体2を第1筺体1に対して閉じたときに、第2筺体2の面2Aから下方へ突出した半円状となる形状を有している。
【0038】
また、図3に示されているように、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じられているときには、第1筺体1の右側の側面1Bと第2筺体2の右側の側面2Bとが、左右方向において位置が一致し、第1筺体1の左側の側面1Cと第2筺体2の左側の側面2Cも、左右方向において位置が一致する。これらの側面1B,1C,2B,2Cは、第1筺体1の面1A及び第2筺体2の面2Aに対して直角をなす面となっている。
【0039】
さらに、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときには、図1に示されているように、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22A及び第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Bは、第1筺体1の右側の側面1Bと第2筺体2の右側の側面2Bから右側へ突出している。また、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときには、図2に示されているように、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22B及び第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Aは、第1筺体1の左側の側面1Cと第2筺体2の左側の側面2Cから右側へ突出している。
【0040】
このため、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときに、図1の矢印Cで示すように、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Bを上側へ押し上げることができる。この押し上げにより、第1ヒンジ手段20の第1ヒンジ部材21の軸部21Aと、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31Aと、を通っている図4の回動中心軸線Aを中心として、これらの第1ヒンジ部材21,31が左側へ回動することにより、第2筺体2は第1筺体1に対して左側に開くことになる。このように第2筺体2が左側へ開いたときの状態が、図6〜図8に示されている。
【0041】
また、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じているときに、図2の矢印Dで示すように、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Bを上側へ押し上げることができ。この押し上げにより、第2ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Aと、第2ヒンジ手段30の第2ヒンジ部材31の軸部32Aと、を通っている図4の回動中心軸線Bを中心として、これらの第2ヒンジ部材22,32が右側へ回動することにより、第2筺体2は第1筺体1に対して右側に開くことになる。このように第2筺体2が右側へ開いたときの状態が、図9〜図11に示されている。
【0042】
なお、第1筺体1の側面1B,1Cに矢印C,Dを表示してもよい。
【0043】
第2筺体2を第1筺体1に対して左側への開き移動させた場合には、図7に示されているように、第2筺体2の側面2Cが第1筺体1の側面1Cに当接することにより、第2筺体2の開き移動は停止することになる。また、第2筺体2を第1筺体1に対して右側への開き移動させた場合には、図10に示されているように、第2筺体2の側面2Bが第1筺体1の側面1Bに当接することにより、第2筺体2の開き移動は停止することになる。これらの場合における第2筺体2の開き角度は、それぞれ180度である。
【0044】
以上説明したように、本実施形態に係る携帯型電話機の第2筺体2は、第1筺体1に対して、左方向にも、右方向にも、開くことになり、第2筺体2を互いに反対側となった2つの方向に開くことができるため、この携帯電話機を操作する者が、第1筺体1に対する第2筺体2の開き位置を、第1筺体1の前述した操作部3を操作するなどのときに都合のよい位置にすることができ、携帯電話機の良好な操作性を確保できるようになる。
【0045】
なお、第1筺体1と第2筺体2との間に、例えば、弾発アクションにより第1筺体1に対して第2筺体2を開き移動させるためのばね等の弾性部材を介入し、上述したように、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の軸部31B及び第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Bを押し上げることによって第2筺体2を開き移動を開始させたときに、上記弾性部材により、第2筺体2が180度まで開き移動するようにしてもよい。
【0046】
また、第1筺体1と第2筺体2との間に、第2筺体2を第1筺体1に対して閉じ状態に維持するための、例えば、ラチェット機構又はクリック機構によるストップ手段を設けることにより、上記弾性部材の弾発力に抗して、第2筺体2が第1筺体1に対して閉じ位置で停止するようにしてもよい。
【0047】
また、本実施形態に係る携帯型電話機では、図8及び図11に示されているように、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の内部には、このヒンジ部材22の左右両端部の軸部22A、22Bと前述した中間部22Cとに渡る空間部70が形成され、この空間部70に電気配線71が配置されている。第1筺体1のケーシング11の前述したボス部11Cと、第2筺体2のケーシング12の前述したボス部12Cには、空間部70と連通した空間部72,73が形成されている。空間部70の内部に配線されることにより第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の内部に配置されている電気配線71の一方の端部は、空間部72に形成された孔72Aから第1筺体1の内部に挿入され、また、電気配線71の他方の端部は、空間部73に形成された孔73Aから第2筺体2の内部に挿入されている。そして、この電気配線71により、第1筺体1と第2筺体2との間に跨る電気回路が形成されている。
【0048】
第2筺体2が第1筺体1に対して、上述したように、左側に開き移動したときにも、右側に開き移動したときにも、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Aは、空間部72及び孔72Aが形成されている第1筺体1のケーシング11のボス部11Cと常に接続されているとともに、第1ヒンジ手段20の第2ヒンジ部材22の軸部22Bは、空間部73及び孔73Aが形成されている第2筺体2のケーシング12のボス部12Cと常に接続されているため、電気配線71による上記電気回路により、第1筺体1及び第2筺体2のそれぞれの内部に配置されている電気部品を常に接続することができる。
【0049】
また、第1筺体1に対して第2筺体2を開閉自在に連結するための第2ヒンジ部材22を、第1筺体1と第2筺体2との間に跨る電気回路を形成するための電気部材として兼用することができる。
【0050】
なお、電気配線71と同様の電気配線を、第2ヒンジ手段30の第1ヒンジ部材31の内部にも配置してもよい。
【0051】
また、第2筺体2を第1筺体1に対して開いたときには、図6及び図9で説明したように、第1筺体1マイクロフォン7が設けられ、第2筺体2にはスピーカ8が設けられているため、左右方向に離れているこれらのマイクロフォン7とスピーカ8のそれぞれの位置を、本実施形態に係る携帯型電話機を使用する者の口と耳との位置に適合させることができる。
【0052】
また、本実施形態では、ヒンジ機構10は第1ヒンジ手段20と第2ヒンジ手段30で構成され、これらの2個のヒンジ手段20と30は、第2筺体2に設けられている前述の表示部6に対して互いに反対側となった前側の位置と後側の位置とに分かれて配置されているため、これらのヒンジ手段20,30は表示部6にとって邪魔にならずに、したがって、表示部6の良好な表示性を確保することできる。
【0053】
さらに、このようにヒンジ機構10を2個のヒンジ手段20,30で構成することにより、第1筺体1と第2筺体2とを大きな強度で連結できるとともに、第1筺体1に対する第2筺体2の良好な開閉機能を確保することができる。
【0054】
図12には、第1筺体1に対する第2筺体2の開閉角度に関する別実施形態が示されている。この実施形態における第2筺体2の左右の側面2D,2Eは、前述した実施形態の側面2B,2Cと異なり、第2筺体2の前述の面2Aに対して直角となっておらず、この面2Aに対する直角から左右の外方向へ傾いた傾斜面となっている。
【0055】
このため、図13に示されているように、第2筺体2を第1筺体1に対して左側へ開いたときには、第1筺体1の側面1Cへの第2筺体2の側面2Eの当接により、第2筺体2の開き角度は180度以下の角度となり、また、図14に示されているように、第2筺体2を第1筺体1に対して右側へ開いたときにも、第1筺体1の側面1Bへの第2筺体2の側面2Dの当接により、第2筺体2の開き角度は180度以下の角度となる。
【0056】
側面2D,2Eと同様な傾斜面は、第1筺体1の左右の側面にも設けてもよく、また、このような傾斜面は、第1筺体1の左右の側面だけに設けてもよい。
【0057】
図15〜図20は、以上説明した実施形態とはヒンジ機構が異なっている携帯型電話機の実施形態を示している。図17及び図19に示されているように、この実施形態の携帯型電話機の第1筺体101にもテンキー104や十字キー105等による操作部103と、マイクロフォン107とが設けられ、第2筺体102には、表示部106と、スピーカ108とが設けられている。また、第1筺体101と第2筺体102は、第1ヒンジ手段120と第2ヒンジ手段130からなるヒンジ機構110により左右方向に連結され、第1ヒンジ手段120は、第1ヒンジ部材121と第2ヒンジ部材122により構成され、第2ヒンジ手段130は、第1ヒンジ部材131と第2ヒンジ部材132により構成されている。
【0058】
これらのヒンジ121,122,131,132は、左右方向に延びる長さを有しており、また、これらのヒンジ121,122,131,132は、ヒンジ121,122,131,132の両端部を含む全体が軟質性合成樹脂等の軟質性材料又は可撓性合成樹脂等の可撓性材料で形成されたベルト状となっており、したがって、この実施形態に係るヒンジ機構110は、ベルト式である。
【0059】
また、ヒンジ121,122,131,132は、第1筺体101に対する第2筺体102の開閉方向である左右方向と直角をなす前後方向に互いにずれて配置され、第1筺体101に対して第2筺体102が左側に開いた状態を示している図17において、それぞれのヒンジ部材121,122,131,132の一方の端部である右側の端部121A,122A,131A,132Aは第1筺体101に連結されているとともに、ヒンジ部材121,122,131,132の他方の端部である左側の端部121B,122B,131B,132Bは、第2筺体102に連結されている。これらの端部121A,122A,131A,132Aとヒンジ121B,122B,131B,132Bとの間は、ヒンジ121,122,131,132の中間部121C,122C,131C,132Cとなっており、これらの中間部121C,122C,131C,132Cは互いに平行となっている。
【0060】
ヒンジ部材121,122,131,132の両端部についての第1筺体101、第2筺体102への連結構造を一層具体的に説明すると、図17のS18−S18線断面図である図18及び図19のS20−S20線断面図である図20から分かるように、ヒンジ部材121,122,131,132の端部121A,122A,131A,132Aについては、これらの端部121A,122A,131A,132Aよりも先の部分が、第1筺体101の内部に侵入して接着等で第1筺体101のケーシング111に固定され、ヒンジ部材121,122,131,132の端部121B,122B,131B,132Bについては、これらの端部121B,122B,131B,132Bよりも先の部分が、第2筺体102の内部に侵入して接着等で第2筺体102のケーシング112に固定されている。
【0061】
このため、ヒンジ部材121,122,131,132は、端部121A,122A,131A,132Aを回動中心部として、第1筺体101に左右方向に回動自在に連結されているとともに、ヒンジ部材121,122,131,132は、端部121B,122B,131B,132Bを回動中心部として、第2筺体102に左右方向に回動自在に連結されている。このため、これらの端部は、121A,122A,131A,132A,121B,122B,131B,132Bは、曲げ変形が可能となっている曲げ変形部となっている。
【0062】
また、第2筺体102が第1筺体101に対して閉じているときには、ヒンジ部材121の端部121Aと、ヒンジ部材122の端部122Bと、ヒンジ部材131の端部131Bと、ヒンジ部材132の端部132Aと、が同じ回動中心軸線上に並んで配置されているとともに、ヒンジ部材121の端部121Bと、ヒンジ部材122の端部122Aと、ヒンジ部材131の端部131Aと、ヒンジ部材132の端部132Bと、が上記の回動中心軸線とは別の回動中心軸線上に並んで配置されている。
【0063】
このため、図15のS16−S16線断面図である図16に示されているように、第2筺体102が第1筺体101に対して閉じているときに、図17及び図18に示されているように、第2筺体102を第1筺体101に対して左側に開くこともでき、図19及び図20に示されているように、第2筺体102を第1筺体101に対して右側に開くこともできる。
【0064】
そして、本実施形態では、図17及び図19に示されているように、第1筺体101の左右の側面101B,101Cに、第1筺体101の内側へ窪んだ窪み部141,142が形成されている。このため、右側の窪み部141に挿入した指により第2筺体102を押し上げることができ、この押し上げにより、ヒンジ部材122,131が端部122A,131Aを中心として左側へ回動するため、第2筺体102を第1筺体101に対して左側へ開き移動させることができる。また、左側の窪み部142に挿入した指により第2筺体102を押し上げることができ、この押し上げにより、ヒンジ部材121,132が端部121A,132Aを中心として右側へ回動するため、第2筺体102を第1筺体101に対して右側へ開き移動させることができる。
【0065】
また、本実施形態では、第2筺体102のケーシング112には、第2筺体102が第1筺体101に対して閉じたときに、ヒンジ部材121,122,131,132を収納する溝61〜64が形成されている。本実施形態において、溝61と62は連通し、溝63と64は連通している。このような溝は、第1筺体101のケーシング111に設けてもよく、両方のケーシング111,112に設けてもよい。
【0066】
また、ヒンジ部材132の内部には、電気配線171が配置されている。この電気配線171により、第1筺体101と第2筺体102との間に跨る電気回路が形成されている。このような電気配線は、ヒンジ部材121,122,131の内部に設けてもよい。
【0067】
また、以上説明したそれぞれの実施形態において、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成するための電気配線をヒンジ部材の内部に配置せず、この電気回路を、第1筺体と第2筺体に設けた送受信装置による無線によるものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、携帯型電話機、ゲーム機、電子辞書機、パーソナルコンピュータ等の操作される操作機器に利用することができる。
【符号の説明】
【0069】
1,101 第1筺体
2,102 第2筺体
3,103 操作部
6,106 表示部
10,110 ヒンジ機構
20,120 第1ヒンジ手段
21,121 第1ヒンジ部材
22,122 第2ヒンジ部材
30,130 第2ヒンジ手段
31,131 第1ヒンジ部材
32,132 第2ヒンジ部材
71,171 電気配線
A,B 回動中心軸線
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作部を有する第1筺体と、前記操作部での操作に基づく内容が表示される表示部を有する第2筺体と、この第2筺体を第1筺体に対して開閉自在とするヒンジ機構と、を備えている操作機器において、
前記ヒンジ機構は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とを含んで構成され、
第1ヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されているとともに、第1ヒンジ部材は、他方の端部を中心として第2筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されており、
第2ヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されているとともに、第2ヒンジ部材は、他方の端部を中心として第2筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されており、
第1筺体に対して第2筺体が閉じているときに、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とが、同じ回動中心軸上に並んで配置されているとともに、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とが、前記回動中心軸とは別の回動中心軸上に並んで配置されていることを特徴とする操作機器。
【請求項2】
請求項1に記載の操作機器において、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材のそれぞれの両端部と、これらの両端部の間の中間部とのうち、少なくとも両端部は硬質材料で形成されており、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とに、第1筺体に対する回動中心部が設けられ、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とに、第2筺体に対する回動中心部が設けられていることを特徴とする操作機器。
【請求項3】
請求項1に記載の操作機器において、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材のそれぞれの両端部と、これらの両端部の間の中間部とのうち、少なくとも両端部は曲げ変形可能となった曲げ変形部になっており、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とは、前記曲げ変形部により第1筺体に対して回動自在となっており、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とは、前記曲げ変形部により第2筺体に対して回動自在となっていることを特徴とする操作機器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の操作機器において、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材により1個のヒンジ手段が構成され、前記ヒンジ機構は、複数個の前記ヒンジ手段により構成されていることを特徴する操作機器。
【請求項5】
請求項4に記載の操作機器において、前記ヒンジ手段の個数は2個であり、これらのヒンジ手段は、第2筺体が有している前記表示部に対して互いに反対側の位置に配置されていることを特徴とする操作機器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の操作機器において、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とのうち、少なくとも一方のヒンジ部材の内部には、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成するための電気配線が配置されていることを特徴とする操作機器。
【請求項1】
操作部を有する第1筺体と、前記操作部での操作に基づく内容が表示される表示部を有する第2筺体と、この第2筺体を第1筺体に対して開閉自在とするヒンジ機構と、を備えている操作機器において、
前記ヒンジ機構は、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とを含んで構成され、
第1ヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されているとともに、第1ヒンジ部材は、他方の端部を中心として第2筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されており、
第2ヒンジ部材は、一方の端部を中心として第1筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されているとともに、第2ヒンジ部材は、他方の端部を中心として第2筺体に前記開閉方向に回動自在に連結されており、
第1筺体に対して第2筺体が閉じているときに、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とが、同じ回動中心軸上に並んで配置されているとともに、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とが、前記回動中心軸とは別の回動中心軸上に並んで配置されていることを特徴とする操作機器。
【請求項2】
請求項1に記載の操作機器において、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材のそれぞれの両端部と、これらの両端部の間の中間部とのうち、少なくとも両端部は硬質材料で形成されており、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とに、第1筺体に対する回動中心部が設けられ、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とに、第2筺体に対する回動中心部が設けられていることを特徴とする操作機器。
【請求項3】
請求項1に記載の操作機器において、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材のそれぞれの両端部と、これらの両端部の間の中間部とのうち、少なくとも両端部は曲げ変形可能となった曲げ変形部になっており、第1ヒンジ部材の前記一方の端部と第2ヒンジ部材の前記一方の端部とは、前記曲げ変形部により第1筺体に対して回動自在となっており、第1ヒンジ部材の前記他方の端部と第2ヒンジ部材の前記他方の端部とは、前記曲げ変形部により第2筺体に対して回動自在となっていることを特徴とする操作機器。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の操作機器において、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材により1個のヒンジ手段が構成され、前記ヒンジ機構は、複数個の前記ヒンジ手段により構成されていることを特徴する操作機器。
【請求項5】
請求項4に記載の操作機器において、前記ヒンジ手段の個数は2個であり、これらのヒンジ手段は、第2筺体が有している前記表示部に対して互いに反対側の位置に配置されていることを特徴とする操作機器。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の操作機器において、第1ヒンジ部材と第2ヒンジ部材とのうち、少なくとも一方のヒンジ部材の内部には、第1筺体と第2筺体との間に跨る電気回路を形成するための電気配線が配置されていることを特徴とする操作機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2010−206761(P2010−206761A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53181(P2009−53181)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(310002396)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(310002396)
【Fターム(参考)】
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