説明

攪拌機

【課題】 攪拌効率の向上を図ることができるとともに、汎用性に優れた攪拌機を提供すること。
【解決手段】 攪拌すべき攪拌物を収容する容器18と、容器18内の攪拌物を攪拌するための攪拌羽根と、攪拌羽根を回転駆動するためのモーター12(回転駆動手段)と、攪拌羽根を上下動させるための上下駆動手段16と、を備えた攪拌機。攪拌時、攪拌羽根がモータ12により回転駆動されるとともに、上下駆動手段16により上下動される。この容器18は、回転台駆動手段により回転駆動される回転台20に載置保持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に収容された流体、粒状体又は固体などの攪拌物を攪拌羽根を用いて攪拌する攪拌機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液体、粒状体などを攪拌するために攪拌機が使用されている(例えば、特許文献1参照)。この攪拌機は、攪拌すべき攪拌物を収容する容器と、この容器内の攪拌物を攪拌するための攪拌羽根と、攪拌羽根を回転駆動するための回転駆動手段と、を備えており、攪拌時に、攪拌羽根が回転駆動手段により所定方向に回転駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−128662号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような攪拌機では、攪拌羽根を所定方向に回転させて容器内に収容された攪拌物を攪拌するのみであるので、攪拌物を所要の通りに攪拌するのに時間を要し、攪拌時間が長くなるという問題があり、このようなことから攪拌効率の高い攪拌機の実現が望まれている。また、種々の攪拌物を容易に攪拌することができる汎用性の高い攪拌機の実現が望まれている。
【0005】
本発明の目的は、攪拌効率の向上を図ることができるとともに、汎用性に優れた攪拌機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の攪拌機は、攪拌すべき攪拌物を収容する容器と、前記容器内の攪拌物を攪拌するための攪拌羽根と、前記攪拌羽根を回転駆動するための回転駆動手段と、前記攪拌羽根を上下動させるための上下駆動手段と、を備え、攪拌物の攪拌時、前記攪拌羽根が前記回転駆動手段により回転駆動されるとともに、前記上下駆動手段により上下動されることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の請求項2に記載の攪拌機では、前記容器を載置するための回転台と、前記回転台を回転駆動するための回転台駆動手段と、を更に備え、攪拌物の攪拌時、前記回転台が前記回転台駆動手段により回転駆動されることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の請求項3に記載の攪拌機は、攪拌すべき攪拌物を収容する容器と、前記容器を載置するための回転台と、前記回転軸を回転駆動するための回転台駆動手段と、前記容器内の攪拌物を攪拌するための攪拌羽根と、前記攪拌羽根を回転駆動するための回転駆動手段と、を備え、攪拌物の攪拌時、前記攪拌羽根が前記回転駆動手段により所定方向に回転駆動されるとともに、前記回転台が前記回転台駆動手段により前記所定方向と反対方向に回転駆動され、前記攪拌羽根の回転数が前記回転台の回転数と等しい又はこれよりも大きいことを特徴とする。
【0009】
また、本発明の請求項4に記載の攪拌機では、前記攪拌羽根は回転軸に取り付けられ、前記回転軸を水平方向に移動させるための回転軸位置変更手段が設けられていることを特徴とする。
【0010】
更に、本発明の請求項5に記載の攪拌機では、前記攪拌羽根における、前記容器の内周面に対向する部分には、弾性体が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1に記載の攪拌機によれば、攪拌羽根が回転駆動手段により回転駆動されるとともに、上下駆動手段により上下動されるので、容器に収容された攪拌物全体を循環させながら攪拌することができ、これによって、攪拌物を効率よく攪拌することができるとともに、攪拌物の堅さ、粘度、粒子の大きさなどに関係なく効果的に攪拌することができ、汎用性の高い攪拌機を提供することができる。
【0012】
また、本発明の請求項2に記載の攪拌機によれば、攪拌物を収容した容器が回転台に載置され、この回転台ともに容器が回転されるので、攪拌物には容器の回転力と攪拌羽根の回転力が作用し、より効率よく攪拌することができる。
【0013】
また、本発明の請求項3に記載の攪拌機によれば、攪拌羽根が回転駆動手段により所定方向に回転駆動されるとともに、攪拌物を収容する容器が回転台とともに所定方向と反対方向に回転され、これらの回転数が所定の条件であるので、攪拌物を効率よく攪拌することができるとともに、攪拌物の堅さ、粘度、粒子の大きさなどに関係なく効果的に攪拌することができ、汎用性の高い攪拌機を提供することができる。
【0014】
また、本発明の請求項4に記載の攪拌機によれば、攪拌羽根を取り付けた回転軸が水平方向に移動可能であるので、この回転軸を移動させて偏心させることによって、攪拌羽根を容器の内周面に接触させて容器の内面を清掃することができる。
【0015】
更に、本発明の請求項5に記載の攪拌機によれば、攪拌羽根における、容器の内周面に対向する部分には、弾性体が設けられているので、攪拌羽根を容器に接触させた際にこの弾性体が容器の内周面に作用し、これによって、容器及び/又は攪拌羽根の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に従う攪拌機の一実施形態を示す斜視図。
【図2】図2(a)は、図1の攪拌機における攪拌羽根を示す正面図、また図2(b)は、その攪拌羽根を示す側面図。
【図3】図1の攪拌機の使用を説明するための簡略説明図。
【図4】図4(a)は、図1の攪拌機において容器と回転軸とが同心状に位置する状態を示す図、また図4(b)は、図1の攪拌機において容器と回転軸とが偏心して位置する状態を示す図。
【図5】攪拌羽根と回転台とを相対回転数70rpmで回転させたときの回転条件と混合時間との関係を示す図。
【図6】図6(a)及び(b)は、実施例1及び2における時間の経過による混合状態の変化を示す図。
【図7】図7(c)〜(d)は、比較例1〜3における時間の経過による混合状態の変化を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に従う攪拌機の一実施形態について説明する。図1において、図示の攪拌機10は、工場の床面などに設置される支持本体2を備え、この支持本体2に回転台20及び箱体32が設けられている。回転台20は回転駆動源としてのモーター(図示せず)に駆動連結され、このモーターによって支持本体2に対して所定方向に回動される。この回転台20には保持部材38が設けられ、攪拌すべき攪拌物(例えば、液体、粒状体、固体など)が収容された容器18は回転台20の上面に載置され、保持部材38によって固定保持される。
【0018】
箱体32には、上下駆動手段16が設けられ、この上下駆動手段16を介して支持フレーム28(回転軸位置変更手段を構成する)を介して攪拌機構4が取り付けられている。上下駆動手段16は、上下方向に摺動される上下摺動部材30と、この摺動部材30を上下動させる棒螺子(所謂、ボールねじ機構)(図示せず)と、棒螺子を回転駆動するためのモーター(図示せず)とを備え、モーター及び棒螺子によって摺動部材30が後述するように上下動される。棒螺子及びモーターは、箱体32に内蔵されている。
【0019】
支持フレーム28は、上下駆動手段16の摺動支持台34に固定された支持台34と、この支持台34にX軸方向(水平方向)に摺動自在に支持された水平摺動部材36とから構成され、水平摺動部材36が螺子により支持台34に固定される。従って、螺子を緩めることによって、水平摺動部材36をX軸方向に水平に移動して支持台34に対する相対的位置を変更することができる。
【0020】
攪拌機構4は、モーター12(回転駆動手段を構成する)と、モーター12によって回転駆動される回転軸22と、攪拌物を攪拌するための攪拌羽根14から構成されている。モーター12は水平摺動部材36に取り付けられ、水平摺動部材36と一体的にX軸方向に摺動される。このモーター12は、所定方向(正転)及び所定方向と反対方向(逆転)に回転可能なものから構成される。回転軸22は下方に回転台20に向けて延び、その先端部に攪拌羽根14が取り付けられている。従って、モーター12が正転(又は逆転)すると、回転軸22と一体的に攪拌羽根14が所定方向(又は所定方向と反対方向)に回転駆動される。
【0021】
図2を参照して、この実施形態では、攪拌羽根14は2枚の羽根部材24から構成され、これら羽根部材24が回転軸22の先端部に取り付けられている。2枚の羽根部材24は、図2(b)に示すように、互いに逆方向に傾斜して配設されている。また、これら羽根部材24には、図2(a)に示すように、容器18の内面(即ち、容器18の内周面及び底面)に対向する部位に、ゴム部材26(弾性体を構成する)が設けられている。
【0022】
この実施形態では、箱体には、図3に示すように、上下方向(上下摺動部材30の摺動方向)に間隔をおいて5個のセンサA,B,C,D,Eが設けられている。最上位のセンサA及び最下位のセンサEは、安全のためのリミッターとして機能し、上下摺動部材30の最上位のセンサAを越える上方への移動が防止されるとともに、上下摺動部材30の最下位のセンサEを越える下方への移動が防止される。
【0023】
上から2番目のセンサBは原位置検知センサとして機能し、このセンサBが上下摺動部材30を検知すると、上下摺動部材30は原位置に位置付けられる。また、上から3番目のセンサCは、攪拌羽根14の回転開始位置及び回転終了位置を検知する位置検出センサとして機能する。また、上から3番目のセンサCは、上下摺動部材30の上方移動を制限する上移動制限センサとして機能し、上から4番目のセンサDは、上下摺動部材30の下方移動を制限する下移動制限センサとして機能し、従って、この上下摺動部材30は、センサCとセンサDとの間で上下方向に往復移動され、これらセンサC,D間の距離Sが上下往復動のストロークとなる。このようにストロークが設定されるので、センサC及びセンサDの配設位置を変更することにより、このストロークを自由に変えることができる。
【0024】
攪拌機構4のモーター12、上下駆動手段16のモーター(図示せず)及び回転台20のモーター(図示せず)は、シーケンサ(制御装置を構成する)によって後述する如く制御される。また、箱体32に設置された5個のセンサA〜Eからの検知信号は、このシーケンサにフィードバックされる。
【0025】
次に、この攪拌機10を用いた攪拌物の攪拌について説明する。攪拌物を攪拌するには、容器18内に攪拌すべき攪拌物(例えば、液体)を収容し、攪拌物を収容した容器18を回転台20載置して保持部材38で固定保持する。そして、かく載置保持した状態でスイッチ(図示せず)をオンにすればよい。かくすると、シーケンサからの指令により、上下摺動部材30に取り付けられた支持フレーム28は、センサBが原位置を検知している状態から、センサCが上下摺動部材30を検知する位置まで下降し、かく下降することにより、攪拌羽根14が回転台20に取り付けられた容器18の開口部付近に挿入される。
【0026】
そして、センサCが上下摺動部材30を検知すると、センサCからの検知信号がシーケンサに送給され、かかる検知信号に基づいてシーケンサが攪拌機構4のモーター12を作動し、攪拌羽根14の回転が開始して攪拌物に対する攪拌動作が行われる。その後、シーケンサからの指令により、攪拌羽根14の回転が維持された状態で、上下摺動部材30の上下往復動が行われる。即ち、センサCとセンサDとの間にて上下摺動部材30が上下往復動され、これによって支持フレーム28、モーター12及び回転軸22を介して攪拌羽根14も容器18内で上下方向に往復移動され、これによって、容器18内の攪拌物が攪拌羽根14の攪拌作用により均一に攪拌される。尚、この攪拌時、自動又は手動によってモーター12を正転及び逆転方向に回転させるようにしてもよく、この場合、攪拌羽根14は所定方向及び所定方向と反対方向に回転しながら上下方向に往復動される。
【0027】
この攪拌機10では、一つの攪拌羽根14を所定方向に回転させながら上下往復動させるので、容器18内の攪拌物(例えば、液体)が容器18の上部付近及び/又は下部付近にて分離して中間付近で滞留することがなく、攪拌物を効率よく均一に攪拌することができる。また、攪拌羽根14の羽根部材24が回転軸22に対して傾斜しているので、攪拌物は容器18内で上下方向に循環し、攪拌物をより効果的に効率よく攪拌することができる。更に、攪拌羽根14を所定方向及び所定方向と反対方向に切り換えることにより、より均一に攪拌することができる。
【0028】
攪拌羽根14による攪拌が所定時間行われ、センサCが上下摺動部材30を検知すると、センサCからの検知信号に基づいてシーケンサは攪拌機構4のモーター12を作動停止し、これによって、攪拌羽根14の回転が停止する。その後、上下摺動部材30が上昇し、センサBが上下摺動部材30を検知すると、このセンサBからの検知信号に基づいて上下摺動部材30の上昇移動が終わって原位置に位置付けられる。このようにして、攪拌機10による一連の攪拌動作が終了する。
【0029】
この実施形態では、水平摺動部材36をX軸方向の水平方向に移動させることができ、このことに関連して次の通りの特徴を有する。攪拌物を攪拌するときには、図4(a)に示すように、攪拌機構4の回転軸22(換言すると、攪拌羽根14)は、容器18の中心と同心状に配置され、攪拌羽根14は容器18の内周面に接触することなく回転される。これに対して、水平摺動部材36を図4(a)に示す状態からX軸方向に所要の通りに水平移動させて図4(b)で示すようにすると、回転軸22が容器18の中心に対してX軸方向に偏心される。この偏心状態において、攪拌羽根14を上述したように回転させるとともに、容器18を載置保持している回転台20を回転させると、回転する攪拌羽根14のゴム部材26が容器18の内周面に接触して作用し、このように接触させることによって、ゴム部材26により容器18の内周面を清掃することができる。
【0030】
この清掃時、上下駆動手段16により攪拌羽根14をZ軸方向の上下方向に移動させるようにしてもよい。かく上下方向に移動させると、回転する攪拌羽根14のゴム部材26が容器18の内底面に接触して作用し、容器18の内底面を清掃することができる。このように清掃することにより、攪拌作業の終了後における容器18の洗浄を省略することができ、又はこの洗浄を簡単にすることができる。尚、図4(a)及び(b)における二点鎖線は、攪拌羽根14の最外部の回転軌跡を示している。
【0031】
この攪拌機10においては、回転台20と攪拌機構4の攪拌羽根14とを相互に反対方向に回転させて攪拌物を攪拌するようにしてもよい。この場合、攪拌羽根14の回転数が回転台20の回転数と等しい又はこれよりも大きくすることが望ましく、このように回転台20(即ち、攪拌物を収容した容器18)と攪拌羽根14とを回転させすることにより、攪拌羽根14による攪拌作用が攪拌物に効果的に働き、攪拌物を効率よく攪拌することができる。尚、このとき、攪拌羽根14を上述したように上下方向に往復移動させることによって、攪拌物を一層効果的に攪拌することが可能となる。
【0032】
以上、本発明に従う攪拌機の実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能であり、その適用においても、食品、薬品、工業用品などのものの攪拌に用いることができる。
〔実施例及び比較例〕
【0033】
本発明の攪拌機の攪拌効果を確認するために、次の通りの攪拌実験を行った。この攪拌実験には、図1〜図4に示す形態の攪拌機を用いて行った。攪拌機の攪拌羽根は、外径(d)がd=175mm、上下方向の幅(W)がW=150mmのアンカー翼を用いた。また、容器として内径(D)がD=190mmのものを用い、攪拌羽根の外径(d)と容器の内径(D)との比(d/D)がd/D=0.925であった。攪拌物として水飴水溶液を用い、用いた水飴水溶液の粘度(μ)がμ=0.234Pa・s、その密度(ρ)がρ=1320kg/mであった。
【0034】
実施例1として、容器に水飴水溶液500ccを充填した状態で、攪拌羽根としてのアンカー翼を所定方向(例えば、時計方向)に35rpmで回転させ、回転台を所定方向と反対方向(例えば、反時計方向)に35rpmで回転させた。この実施例1の実験結果は、図6(a)で示す通りであり、ヨウ素で着色した水飴水溶液に脱色剤としてハイポを溶解した同粘度の少量の水飴水溶液を投入して攪拌した。攪拌開始後約60秒で水飴水溶液がきれいに攪拌混合され、それらの水飴水溶液が透明な状態になった。尚、図6(a)は、攪拌開始後の各経過時間における攪拌混合状態を撮影したものであり、黒く成っている部分が未混合の水飴水溶液であり、透明な部分が混合完了後の水飴水溶液である。
【0035】
また、実施例2として、実施例1と同様の攪拌機を用い、また攪拌物及びそれらの充填量についても実施例1と同様であり、攪拌条件のみが実施例1と異なっていた。この実施例2では、攪拌羽根を所定方向(例えば、時計方向)に50rpmで回転させ、回転台を所定方向と反対方向(例えば、反時計方向)に20rpmで回転させた。この実施例2の実験結果は、図6(b)で示す通りであり、攪拌開始後約90秒で水飴水溶液がきれいに攪拌混合され、透明な状態になった。
【0036】
次に、比較例1〜3として、実施例1と同様の攪拌機を用い、また攪拌物及びそれらの充填量についても実施例1と同様であり、攪拌条件のみが実施例1と異なっていた。比較例1では、攪拌羽根を回転させることなく(その回転数は0rpm)、回転台のみを所定方向と反対方向(例えば、反時計方向)に70rpmで回転させ、また比較例2では、攪拌羽根を所定方向(例えば、時計方向)に20rpmで回転させ、回転台を所定方向と反対方向に50rpmで回転させ、更に、比較例3では、攪拌羽根のみを所定方向(例えば、時計方向)に70rpmで回転させ、回転台については回転させなかった(その回転数は0rpm)。
【0037】
比較例1の実験結果は、図7(a)で示す通りであり、攪拌開始後約300秒で水飴水溶液がきれいに攪拌混合され、透明な状態になった。比較例2の実験結果は、図7(b)で示す通りであり、攪拌開始後約300秒で水飴水溶液がきれいに攪拌混合され、透明な状態になった。また、比較例3の実験結果は図7(c)で示す通りであり、攪拌開始後約180秒で水飴水溶液がきれいに攪拌混合され、透明な状態となった。
【0038】
実施例1及び2並びに比較例1〜3の攪拌時間との関係を図5にまとめて示す。この図5から明らかなように、実施例1及び2では、比較例1〜3に比して混合時間が短く、このことは、攪拌羽根と回転台(即ち、攪拌物が収容された容器9とを相互に反対方向に回転させ、攪拌羽根の回転数を回転台の回転数と等しくする、又は回転台の回転数よりも大きくすることによって、攪拌物を効率よく攪拌させて攪拌時間を短くすることができることを確認できた。攪拌羽根の回転数が低いときには、図7(a)及び(b)から理解されるように、容器の上部に未混合部分であるドーナツリング状部が発生し、このような現象が生じることに起因して、攪拌混合時間がかなり長くなることが判った。
【符号の説明】
【0039】
2 支持本体
4 攪拌機構
10 攪拌機
12 モーター(回転駆動手段)
14 攪拌羽根
16 上下駆動手段
18 容器
20 回転台
22 回転軸
24 羽根部材
26 ゴム部材
28 支持フレーム(回転軸位置変更手段)
30 上下摺動部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
攪拌すべき攪拌物を収容する容器と、前記容器内の攪拌物を攪拌するための攪拌羽根と、前記攪拌羽根を回転駆動するための回転駆動手段と、前記攪拌羽根を上下動させるための上下駆動手段と、を備え、攪拌物の攪拌時、前記攪拌羽根が前記回転駆動手段により回転駆動されるとともに、前記上下駆動手段により上下動されることを特徴とする攪拌機。
【請求項2】
前記容器を載置するための回転台と、前記回転台を回転駆動するための回転台駆動手段と、を更に備え、攪拌物の攪拌時、前記回転台が前記回転台駆動手段により回転駆動されることを特徴とする請求項1に記載の攪拌機。
【請求項3】
攪拌すべき攪拌物を収容する容器と、前記容器を載置するための回転台と、前記回転軸を回転駆動するための回転台駆動手段と、前記容器内の攪拌物を攪拌するための攪拌羽根と、前記攪拌羽根を回転駆動するための回転駆動手段と、を備え、攪拌物の攪拌時、前記攪拌羽根が前記回転駆動手段により所定方向に回転駆動されるとともに、前記回転台が前記回転台駆動手段により前記所定方向と反対方向に回転駆動され、前記攪拌羽根の回転数が前記回転台の回転数と等しい又はこれよりも大きいことを特徴とする攪拌機。
【請求項4】
前記攪拌羽根は回転軸に取り付けられ、前記回転軸を水平方向に移動させるための回転軸位置変更手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の攪拌機。
【請求項5】
前記攪拌羽根における、前記容器の内周面に対向する部分には、弾性体が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の攪拌機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−190026(P2009−190026A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−5819(P2009−5819)
【出願日】平成21年1月14日(2009.1.14)
【出願人】(508014682)近畿総合技研株式会社 (2)
【Fターム(参考)】