攪拌混合装置の管理システム
【課題】 従来のバックホウでは、地盤の改良する際に攪拌深度をリアルタイムにデジタル表示するものであったので、攪拌深度のみでは地中のどの部分が攪拌されているかをイメージとして把握することが困難であった。
【解決手段】 前記地盤攪拌部5の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段により検出された地盤攪拌部5の位置を表示する表示手段と、を有し、表示手段は、基準地点からの地盤攪拌部5の水平方向の移動距離と深度とを2軸座標軸上に表示することを特徴とする。
【解決手段】 前記地盤攪拌部5の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段により検出された地盤攪拌部5の位置を表示する表示手段と、を有し、表示手段は、基準地点からの地盤攪拌部5の水平方向の移動距離と深度とを2軸座標軸上に表示することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を攪拌する攪拌混合装置の管理システムに関する。詳しくは、本体との連結部を中心に回動可能に支持されたブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結されたアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結された地盤攪拌部とを有し、地盤攪拌部の攪拌翼を回転させることにより地盤が攪拌される攪拌混合装置の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
軟弱地盤改良工法の中で、主にセメント系固化材等を用いて地盤改良を行う工法として、バックホウ等の建設機械をベースマシンとし、該ベースマシンのアームの先端ブラケットに取り付けた鉛直方向に回動する混合撹拌装置の先端部より固化材スラリーを吐出しながら、該混合撹拌装置を地表面から軟弱地盤中に貫入し、引き抜きを行いつつ軟弱土と固化材を混合攪拌し、軟弱地盤を固化処理する地盤改良工法が知られている。この地盤改良工法は、直接ベースマシンに取り付けられた混合撹拌装置の先端部分の左右両側に、鉛直方向に回転する複数の撹拌翼を有する混合撹拌装置が取り付けられ、該撹拌装置を地中に貫入・引抜きしつつ混合攪拌装置の先端部の撹拌翼を回転させ、その近傍から固化材スラリーを吐出することによって改良対象土と固化材を混合攪拌し、軟弱地盤を改良するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、起伏可能なブームとそのブームの先端に連結されたアームと、アームの先端に鉛直姿勢に連結支持されたヘッドケーシングとを有するバックホウで、ヘッドケーシングに支持された撹拌混合ヘッドの貫入深度を検出し、その検出した貫入深度を表示する表示手段を有するものもあった(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−68124号公報
【特許文献2】特開2004−225368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしなから、従来のバックホウでは、地盤の改良する際に攪拌深度をリアルタイムに数値でデジタル表示するものであったので、攪拌深度のみでは地中のどの部分が攪拌されているかをイメージとして把握することが困難であった。そのため攪拌位置を水平方向に移動させた後において、攪拌すべき地中部分を満遍なく均一に攪拌できているかを正確に判断するが困難であった。特に、現在の攪拌深度を数値でデジタル表示するものであったので、今まで攪拌してきたところとの関係を把握することが困難で、時には同じところを複数回攪拌したり、時には攪拌が不十分なところが生じたりするという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、地盤改良の攪拌改良状態を明確化することにより、作業者の作業効率を向上させるとともに、地盤の攪拌を品質よく行うことができる攪拌混合装置の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、地盤攪拌部の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段により検出された地盤攪拌部の位置を表示する表示手段と、を有し、表示手段は、基準地点からの地盤攪拌部の水平方向の移動距離と深度とを2軸座標上に表示することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、基準地点からの地盤攪拌部の水平方向の移動距離と深度とを2軸座標上に表示されるので、作業者は実際の地中内を見ているかのように視覚的に地盤攪拌部の位置と改良域を確認しながら作業することができる。これにより、地中の攪拌改良状態が明確に把握でき作業効率が向上するとともに、地盤を均一に品質よく攪拌することができる。
【0009】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る攪拌混合装置の管理システムであって、位置検出手段は、地盤攪拌部の先端部の位置を検出することを特徴とする。
【0010】
実際の地盤改良ではどれぐらいの深度まで攪拌されているかが重要になる。本発明によれば、位置検出手段により地盤攪拌部の先端部の位置が検出されるので、作業者は攪拌最下点位置(攪拌最大深度位置)と改良域を視覚的に確認しながら作業することができる。
【0011】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1または第2の態様に係る攪拌混合装置の管理システムであって、表示手段は、位置検出手段により検出された地盤攪拌部の現在位置を2軸座標上に表示するとともに、該地盤攪拌部が通過した過去の位置をも表示することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、位置検出手段により検出された地盤攪拌部の現在位置が2軸座標上に表示されるとともに、該地盤攪拌部が通過した過去の位置も表示されるので、地盤の攪拌領域が更に詳細に把握でき、攪拌が完了した位置を繰り返し攪拌するといった攪拌の無駄を防止することができる。また、未だ攪拌されていないところも明確になるので地中を満遍なく攪拌することができる。これにより、地盤を均一に品質よく攪拌することができる。
【0013】
本発明のうち第4の態様に係るものは、第3の態様に係る攪拌混合装置の管理システムであって、表示手段は、地盤攪拌部が通過した過去の位置と地盤攪拌部の現在位置とを区別できるように、地盤攪拌部の現在位置にマークを表示することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、地盤攪拌部が通過した過去の位置と地盤攪拌部の現在位置とを区別できるように、地盤攪拌部の現在位置にマークが表示されるので、作業者は地盤攪拌部の現在位置を把握しながら作業ができ、作業効率が向上する。
【0015】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1〜第4のいずれかの態様に係る攪拌混合装置の管理システムであって、取出可能な記録媒体を装着する装着手段と、該装着手段に装着された取出可能な記録媒体にデータの記録を行う記録手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、装着手段に装着された記録媒体に攪拌位置などのデータの記録し、その記録媒体を取り出して、パソコンなどを使用して攪拌状況のデータを集計、分析などを行い、その結果をプリンタなどを用いて出力することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、地盤改良の攪拌改良状態を明確化することにより、作業者の作業効率を向上させることができるとともに、地盤を均一に品質よく攪拌することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の攪拌混合装置の管理システムの一実施形態について図面を参照にしながら説明する。本実施形態では、攪拌混合装置としてバックホウについて説明するが、これに限らず、地盤を攪拌する装置であればその他のものも含む。図1は、本発明の一実施形態におけるバックホウの側面図である。
【0019】
図1に示すように、バックホウ1は、上部旋回体2、ブーム3、アーム4、地盤攪拌部5、および下部走行体6などから構成されている。
【0020】
下部走行体6は、キャタピラ7を備え、該キャタピラ7を駆動させることにより地上を走行することができる。
【0021】
上部旋回体2は、下部走行体6の上部に旋回部8を介して設置され、油圧モー夕により360度旋回できるようになっている。上部旋回体2には、ブーム3が回動可能に支持されており、上部旋回体2とブーム3の中間部との間にはブームシリンダ(アクチュエータ)9が連結されている。ブーム3は、ブームシリンダ9の伸縮に基づいてブーム3と上部旋回体2との連結部(図示略)を中心に回動するようになっている。ブーム3の先端部にはアーム4が回動可能に支持されており、ブーム3の中間部とアーム4の末端部との間にはアームシリンダ(アクチュエータ)10が連結されている。
【0022】
アーム4は、アームシリンダ10の伸縮に基づいてブーム3とアーム4との連結部3aを中心に回動するようになっている。アーム4の先端部には、地盤攪拌部5が回動可能に連結(支持)されており、アーム4の中間部と地盤攪拌部5の基端部との間には地盤攪拌部シリンダ(アクチュエータ)11が連結されている。
【0023】
地盤攪拌部5は、地盤攪拌部シリンダ11の伸縮に基づいてアーム4と地盤攪拌部5との連結部4aを中心に回動し、アーム4の操作により地盤に対して垂直上下方向に動かすことができる。各シリンダ9〜11は、ピストンロッドの伸縮運動によってストローク(シリンダストローク)が調節され、ブーム3,アーム4,地盤攪拌部5が夫々個々に駆動されるようになっている。ここで、地盤攪拌部5は、縦長の支持体51と、攪拌体52となどからなる。
【0024】
また、ブーム3には、ブーム3の回動角を測定する角度センサ12が設置(図面背面に設置)され、アーム4には、アーム4の回動角を測定する角度センサ13が設置され、地盤攪拌部5には、地盤攪拌部5のX軸方向とY軸方向の掘削角を測定するXY傾斜センサ140が設置されている。これらの角度センサ12、13、XY傾斜センサ140としては、ポテンショメータ等が用いられる。なお、上部旋回体2と,下部走行体6と、旋回部8により本体1が構成されている。ここで、バックホウ1の前方水平方向をY軸方向とし、そのY軸方向と直交する水平方向をX軸方向と規定している。
【0025】
地盤攪拌部5には、圧送ホース14(図3参照)が取り付けられている。この圧送ホース14を用いて、外部のスラリープラント(図示略)からバックホウ1の後部を介して、セメント系固化材と水を混合したセメントミルクが地盤攪拌部5に送られ、地盤攪拌部5の先端に取り付けられた吐出口65からセメントミルクが噴射される。これにより、攪拌体52により土壌が掘削されながら、土壌とセメントミルクとが攪拌混合される。なお、圧送ホース14から送られてくるセメントミルクの流量は、流量センサ15により検出される。
【0026】
上部旋回体2の前側には、運転室16が設けられている。この運転室16内には、図2に示すようにシート17が備え付けられている。作業員は、このシート17に座ってバックホウ1の運転を行う。図2は、本発明の一実施形態におけるバックホウの運転室内の座席を示す図である。
【0027】
図2に示すように、シート17の右側には第1操作レバー18が設けられ、シート17の左側には第2操作レバー19が設けられている。この第1操作レバー18を前方に操作することによりブーム3が下がり、後方に操作することによりブーム3が上がり、右方に操作することにより地盤攪拌部5が上がり、左方に操作することにより地盤攪拌部5が下がる。また、第2操作レバー19を前方に操作することによりアーム4が下がり、後方に操作することによりアーム4が上がり、右方に操作することにより上部旋回体2が右旋回し、左方に操作することにより上部旋回体2が左旋回する。
【0028】
次に、図3および図4を用いて地盤攪拌部5の具体的構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態における地盤攪拌部の正面図であり、図4は、本発明の一実施形態における地盤攪拌部の側面図である。
【0029】
図3および図4に示すように、縦長の支持体51の先端部両側に攪拌体52が配置され、攪拌体52は回転軸53を介して支持体51に連結されている。撹拌体52の構成は左右において同様である。支持体51は内部が空間となっており、この空間に撹拌体52の駆動源となる油圧モータ61の駆動力を回転軸53を介して撹拌体52に伝達するための伝達手段(図示略)及び改良材の圧送ホース14が配されている。また、この空間は、伝達手段等の保護のため土砂等が空間内に入り込まないように外部と液密とされている。
【0030】
支持体51の上部には撹拌体52の駆動源となる油圧モータ61が配置され、その駆動軸(図示略)が支持体51の内部の空間に突出している。この駆動軸には駆動スプロケット(図示略)が嵌着されている。この油圧モータ61の回転数の制御や油圧の供給は送油経路62および制御経路68を介して外部から操作される。
【0031】
回転軸53は、掘削の際に撹拌体52の回転軸53が掘削面に対して平行となるように、それぞれ支持体51を側部から貫通するように設けられている。回転軸53の支持体51内部に位置する部位にはスプロケット(図示略)が嵌着され、このスプロケット(図示略)および上述した駆動スプロケット(図示略)に伝達手段(図示略)となる無端チェーン(図示略)が掛けられ、油圧モータ61の駆動力が回転軸53に伝達される。また、回転軸53の支持体51外部に露出する部分に攪拌体52を取り付けるための撹拌体取付台座63が設けられている。
【0032】
撹拌体取付台座63に取り付けられる撹拌体52は、撹拌体取付台座63の先端に取り付けられた撹拌爪取付台座66と、この撹拌爪取付台座66から回転方向に直交方向に突出する複数の撹拌爪67とを有する。XY傾斜センサ140は、地盤攪拌部5のX軸方向とY軸方向の掘削角を測定するものである。
【0033】
シート17の周辺には、移動可能なWILL工法管理装置(以下「管理装置」)100が設置されている。管理装置100は、管理装置ディスプレイ部101と管理装置本体102とから構成され、管理装置ディスプレイ部101は管理装置本体102に配線により接続されている(図9参照)。図5(a)は、本発明の一実施形態におけるバックホウの管理装置ディスプレイ部を示す図であり、図5(b)は、本発明の一実施形態におけるバックホウの管理装置本体を示す図である。
【0034】
図5(a)に示すように、管理装置ディスプレイ部101には、操作パネル22と、開始/完了スイッチ23、中断/再開スイッチ24などが備えられている。また、管理装置本体102には管理装置電源スイッチ(図示略)などが備えられている(図5(b)参照)。
【0035】
操作パネル22は、設定メニュースイッチ230および運転スイッチ240を備えている。この「設定メニュースイッチ230」は、表示画面を設定メニュー画面200に移行させるためのスイッチであり、作業者により設定メニュースイッチ230が押されることにより、表示画面が後述する設定メニュー画面200に移行する。また、「運転スイッチ240」は、運転画面500に移行させるためのスイッチであり、作業者により運転スイッチ240が押されることにより、表示画面が後述する運転画面500に移行する。「管理装置電源スイッチ(図示略)」は、管理装置100のON/OFFスイッチであり、この管理装置電源スイッチ(図示略)が押されることにより管理装置100が作業可能状態になる。
【0036】
「開始/完了スイッチ23」は、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測を開始または開始した後に終了させるスイッチであり、作業者によりこの開始/完了スイッチ23が押されることにより、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が開始され、そして、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が実行されているときに、この開始/完了スイッチ23が押されることにより、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が終了する。また、「中断/再開スイッチ24」は、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測を中断し、またその中断した地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測を再開させるためのスイッチであり、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が実行されているときに、作業者により中断/再開スイッチ24が押されることにより、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が中断し、そして、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が中断しているときに、この中断/再開スイッチ24が押されることにより、再び地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が実行される。
【0037】
次に、設定メニュー画面200について図6を参照にしながら説明する。図6は、本発明の一実施形態における設定メニュー画面を示す図である。なお、この設定メニュー画面200は、タッチパネル式になっている。
【0038】
図6に示すように、設定メニュー画面200は、「ブーム長/アーム長設定スイッチ27」と、「ブーム角/アーム角調整スイッチ28」と、「回転数設定スイッチ29」と、「流量定格ゼロ調整スイッチ30」と、「日付・時間合わせスイッチ31」と、「ブロック設定スイッチ32」と、「運転画面表示スイッチ33」とを有している。
【0039】
「ブーム長/アーム長設定スイッチ27」は、ブーム長、アーム長および地盤攪拌部長を設定するためのスイッチである。このブーム長/アーム長設定スイッチ27が押されることにより、ブーム長、アーム長および地盤攪拌部長を入力するための画面が表示され、その入力画面を用いてブーム長、アーム長および地盤攪拌部長を入力し「確定」を押すと、ブーム長、アーム長および地盤攪拌部長が登録され設定される。なお、このブーム長、アーム長および地盤攪拌部長はそれぞれ回転ピンの芯間の寸法,回転ピンの芯と回転軸53間の寸法(図8参照)が入力される。
【0040】
「ブーム角/アーム角調整スイッチ28」は、ブーム角、アーム角および地盤攪拌部角(XY掘削角度)を調整するためのスイッチである。このブーム角/アーム角調整スイッチ28が押されることにより、ブーム角、アーム角および地盤攪拌部角を調整するための画面が表示され、その調整画面を用いてブーム角、アーム角および地盤攪拌部角の微調整が行なわれる。具体的には、角度センサ12、13およびXY傾斜センサ140を所定の位置にセットし、ブーム3、アーム4および地盤攪拌部5の角度を実際の角度に合わせて調整し取り付け、その後に調整画面を用いてブーム角、アーム角および地盤攪拌部角の微調整を行なう。
【0041】
「回転数設定スイッチ29」は、1回転当たりのパルス数を登録するためのスイッチである。この回転数設定スイッチ29が押されることにより、1回転当たりのパルス数を入力するための画面が表示され、その入力画面を用いて1回転当たりのパルス数を入力し「確定」を押すと、1回転当たりのパルス数が登録され設定される。
【0042】
「流量定格ゼロ調整スイッチ30」は、セメントミルクの流量値を調整するためのスイッチである。この流量定格ゼロ調整スイッチ30が押されることにより、流量値を調整するための画面が表示され、その調整画面を用いて流量値の微調整を行う。具体的には、流量定格設定スイッチ(図示略)を用いて300L/minまたは600L/minの定格流量にセットし、実際のセメントミルクの流量値(瞬間値)である瞬時流量値をあわせてゼロ調整を行い、変更終了スイッチが押されることにより流量のゼロ調整が終了する。
【0043】
「日付・時間合わせスイッチ31」は、日付と時間を設定変更するためのスイッチであり、「ブロック設定スイッチ32」は、今回の施工現場情報をブロック名として登録するためのスイッチである。
【0044】
「運転画面表示スイッチ33」は、運転画面500に移行させるためのスイッチである。この運転画面表示スイッチ33が押されることにより、運転画面500が表示される。
【0045】
次に、運転画面500について図7を参照にしながら説明する。図7(a)は、本発明の一実施形態における運転画面を示す図である。運転画面500は、「運転中/休止中表示部34」と、「中断中表示部35」と、「設定深度表示部36」と、「改良深度ピーク保持表示部37」と、「貫入速度表示部38」と、「設定深度到達メッセージ表示部39」と、「回転数表示部40」と、「積算流量表示部41」と、「瞬時流量表示部42」と、「XY掘削角度表示部43」と、「改良深度表示部44」と、「スタート画面スイッチ45」と、「設定メニュースイッチ46」などを有している。
【0046】
「運転中/休止中表示部34」は、開始/完了スイッチ23が押され、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などが計測されているときに「運転中」と表示し、また計測されていないときは「休止中」と表示するものである。また、「中断中表示部35」は、中断/再開スイッチ24が押され、計測を中断しているときに「中断中」と表示するものである。
【0047】
「設定深度表示部36」は、目標深度を表示するものである。この「設定深度表示部36」が押されることにより、目標深度を設定するための画面が表示され、その設定画面を用いて目標深度の入力し登録する。
【0048】
、
「改良深度ピーク保持表示部37」は、地盤攪拌装置5により改良された最も深い地盤の位置(回転軸53の位置)を表示するものである。この改良深度ピークを表示することにより、作業者はどれくらいの深度まで地盤が攪拌されているか知ることができる。また、この「改良深度ピーク保持表示部37」が押されることにより、「改良深度ピーク保持表示」と「現在深度表示(図示略)」が切り替わり、現在深度表示部(図示略)により地盤攪拌部5の現在の深度が表示される。なお、地盤攪拌部5の現在の深度は、後述するように角度センサ12、13およびXY傾斜センサ140を用いて測定される。ここで、地盤攪拌部5の深度とは、本実施形態では地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度のことをいう。
【0049】
「貫入速度表示部38」は、地盤攪拌部5の貫入速度を表示するものである。貫入速度は深度データをもとに算出される。
【0050】
「設定深度到着メッセージ表示部39」は、地盤攪拌部5が設定深度に到着したときに発光するものである。これにより、作業者は地盤攪拌部5が設定深度に到着したことを知ることができる。
【0051】
「回転数表示部40」は、地盤攪拌部5の攪拌体52の回転数を表示するものである。この攪拌体52の回転数は攪拌体52の近傍に設置された近傍スイッチ(図示略)により計測される。
【0052】
「積算流量表示部41」は、開始/完了スイッチ23が押されてから、スラリープラントから送り込まれたセメントミルクの積算流量値を表示するものであり、また、「瞬時流量表示部42」は、スラリープラントから送り込まれるセメントミルクの流量の瞬間値を表示するものであり、この積算流量および瞬時流量は、流量センサ15を用いて検出される。
【0053】
「XY掘削角度表示部43」は、地盤攪拌部5の基準地点からの傾斜角(X軸方向とY軸方向の傾斜角)を表示するものである。具体的には、基準地点と地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)とを結んだ直線と基準地点の鉛直方向の直線とのX軸方向(−45度〜+45度)とY軸方向(−45度〜+45度)の角度差を0.1度単位で表示する。なお、X軸方向の角度差とY軸方向の角度差は、地盤攪拌部5に設置されたXY傾斜センサ140により求められる。詳細は後述する。ここで、上述したようにバックホウ1の前方水平方向をY軸方向とし、そのY軸方向と直交する水平方向をX軸方向としている。
【0054】
「改良深度表示部44」は、地盤攪拌部5の深度と距離を表示させるものである。この改良深度表示部44が押されることにより、画面が改良深度表示画面47(図7(b)参照)が表示され、この改良深度表示画面47には地盤攪拌部5により攪拌された箇所(深度と距離)が表示される。具体的には、改良深度表示画面47には、計測開始時(開始/完了スイッチ23の「ON」時)の地盤攪拌部5の深度と距離(基準地点)をそれぞれ「0」mとして、そこから計測される地盤攪拌部5の深度(鉛直方向)と距離(Y軸方向(水平方向))を表示(デジタル表示)する。さらに詳細に説明すると、地盤攪拌部5がある位置(基準地点から深度Aと距離B)を所定の時間攪拌することにより、改良深度表示画面47(格子状の枠)のその位置(深度Aと距離B)に対応する枠の色を変化させる。このように、改良深度表示画面47のそれぞれの格子状の枠には地盤攪拌部5により攪拌された箇所(深度と距離)が表示され、作業者は地盤攪拌部5により攪拌された地中内を知ることができる。ここで、図7(b)の改良深度表示画面47内の「○印」は地盤攪拌部5により現在攪拌されている位置を示すものである。なお、図7(b)は、本発明の一実施形態における改良深度表示画面を示す図である。
【0055】
「スタート画面スイッチ45」は、画面をスタート画面(図5参照)に移行させるためのスイッチである。このスタート画面スイッチ45が押されることにより、画面がスタート画面(図5参照)に移行する。また、「設定メニュースイッチ46」は、画面を設定メニュー画面200(図6参照)に移行させるためのスイッチである。この設定メニュースイッチ46が押されることにより、画面が設定メニュー画面200(図6参照)に移行する。
【0056】
次に、図9を用いて、バックホウ1の構成の概略について説明する。図9は、本発明の一実施形態におけるバックホウの主たる構成を示す図である。
【0057】
図9に示すように、角度センサ12、13、およびXY傾斜センサ140は、管理装置100に接続されている。そして、角度センサ12、13、およびXY傾斜センサ140により検出されたブーム角とアーム角と地盤攪拌部角(X軸方向とY軸方向の掘削角)が管理装置100に入力されると、その入力されたブーム角とアーム角と地盤攪拌部角、およびあらかじめ入力されているブーム3の長さとアーム4の長さと地盤攪拌部5の長さを用いて、地盤攪拌部5のX軸方向の掘削角およびY軸方向の掘削角、地盤攪拌部5の深度(掘削深度)と距離(Y軸方向の距離)が算出される。具体的にはXY傾斜センサ140を用いて、地盤攪拌部5の地盤攪拌部角(X軸方向とY軸方向の掘削角)が求められ、ブーム3の長さとブーム角、アーム4の長さとアーム角、地盤攪拌部5と地盤攪拌部角(Y軸方向)を用いて、地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度(掘削深度)および距離(Y軸方向の距離)が算出される(図8参照)。
【0058】
そして、この地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度(掘削深度)および距離(Y軸方向の距離)から改良深度表示画面47の深度距離表示データが作成され、運転画面500や改良深度表示画面47に地盤攪拌部5のX軸方向の掘削角およびY軸方向の掘削角とともに表示される(図7(a)、図7(b)参照)。また、流量センサ15と管理装置100も接続され、流量センサ15により検出されたスラリープラントから送り込まれたセメントミルクの流量が管理装置100に入力されると、その入力された流量が運転画面500および改良深度表示画面47の瞬時流量表示部(図7(a)、図7(b)参照)に表示される。また、開始/完了スイッチ23が押されてからの積算流量が算出され、その算出された積算流量は運転画面500および改良深度表示画面47の積算流量表示部(図7(a)、図7(b)参照)に表示される。
【0059】
管理装置ディプレイ101には、CFカード挿入口(図示略)が設けられ、そのCFカード挿入口にCFカード54を挿入し、管理装置100内のデータをCFカード54に記憶することができる。そして、データが記憶されたCFカード54を管理装置ディプレイ101から取り出し、その取り出されたCFカード54をパソコン55に差し込んで、そのCFカード54に記憶されているデータの集計、分析などを行い、その結果をプリンタ56を用いて出力することができる。なお、本実施形態では、CFカード挿入口(図示略)を管理装置ディスプレイ101に設けたが、これに限らず、管理装置102にも設けてもよい。
【0060】
次に、図10を用いて、地盤攪拌部を用いた攪拌作業について説明する。図10は、本発明の一実施形態におけるバックホウの攪拌作業を説明する図ある。
【0061】
作業者は、まず、バックホウ1を作業領域付近に移動させて停止させ、地盤攪拌部5が掘削作業位置にくるように上部旋回体2を所定位置まで回動させる。そして、作業者により開始/完了スイッチ23が押されると、押されたタイミングでの地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の位置が掘削深度「0m」で「XY座標軸(0、0)」に設定される。なお、地盤攪拌部5の掘削深度およびXY座標軸を計測する際には、上述したように、あらかじめ設定深度(図7参照)が管理装置100の操作パネル22を用いて入力されている。
【0062】
そして、アーム4を移動させてバックホウ1から遠い位置に地盤撹拌部5を保持する(図10(a))。その後、撹拌体52を回転させつつ、アーム4を下降させて地盤撹拌部5を地盤に押し込み挿入する。このとき、支持体51の先端から改良材を噴射する。これにより押し込み抵抗が低減される。撹拌体52が地盤に挿入されれば、アーム4を操作して地盤撹拌部5の垂直を保持したままバックホウ1側に引き寄せる(図10(b))。この過程で撹拌体52が回転して地盤を撹拌しつつ移動させながら所定領域の地盤撹拌が行なわれる(図10(c))。次いで、地盤撹拌部5がバックホウ1の近くまで引き寄せられれば、アーム4を操作して地盤撹拌部5を上方に引き上げるとともに、必要に応じて撹拌体52の回転を停止させる(図10(d))。この操作を繰り返し操作して所望の範囲の地盤の改良を行なう。
【0063】
ここで、左右の撹拌体52を別々の油圧モータ61で駆動させる地盤撹拌部5の場合には、必要に応じて左右の撹拌体52の回転力を変更させるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、支持体51の地盤への挿入時や支持体51をバックホウ1側に引き寄せている撹拌時等に一方の撹拌体52が硬い地盤や石などに当たったときにその当たっている撹拌体52に高い回転力を与えるように施工することができる。なお、本実施形態では、支持体51をバックホウ1のアーム4に取り付けた例を示したが、これに限らず、バックホウ1のアーム4以外の移動体に支持体51を取り付けてもよい。
【0064】
次に、図11を用いて、改良深度の表示方法について詳述する。図11は、本発明の一実施形態における地盤攪拌処理のフローチャートである。
【0065】
まず、S11において、電源が「ON」かが判断される。電源が「ON」か否かは、管理装置本体102に備えられた管理装置電源スイッチ(図示略)が押されたか否かにより判断される。そして、S11で「YES」の場合は、S12に進む。
【0066】
次に、S12において、設定メニューの各項目が入力されているかが判断される。設定メニューがすべて入力されているかは、ブーム長、アーム長および地盤攪拌部長の入力、ブーム角、アーム角および地盤攪拌部角の調整、1回転当りの回転数の入力、日付と時間の調整、ブロックの設定、および設定深度(目標深度)の入力がすべて行なわれているかにより判断される。これらは、設定メニュー画面200の「ブーム長/アーム長設定スイッチ27」、「ブーム角/アーム角調整スイッチ28」、「回転数設定スイッチ29」、「流量定格ゼロ調整スイッチ30」、「日付・時間合わせスイッチ31」、「ブロック設定スイッチ32」、および運転画面500の「設定深度表示部36」を用いて行なわれる。そして、S12で「YES」の場合は、S13に進む。
【0067】
次に、S13において、開始/完了スイッチ23が「ON」かが判断される。そして、S13で「YES」の場合はS14に進み、S14により改良深度表示が行なわれる。ここで、この開始/完了スイッチ23が「ON」になった位置を基準位置(深度(Om)、XY座標(0、0))として、地盤攪拌部5の深度と距離、およびXY軸方向の掘削角が計測される。
【0068】
S14において、地盤攪拌部5の攪拌体52が回転することにより地盤が攪拌される。なお、この開始/完了スイッチ23が「ON」になる前もしくはその直後に地盤攪拌部5の攪拌体52を回転させている。そして、地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度や回転速度やXY掘削角度などが計測され、改良深度表示画面47のデジタル表示部の格子状の枠には地盤攪拌部5の先端部(回転軸)の位置が赤色で色付けされ(図7(b))、運転画面500には、XY角度が数値とともにXY座標軸上に表示される。このように、改良深度表示画面47には、地盤攪拌部5の現在位置が2軸座標上に表示されるとともに、該地盤攪拌部が通過した過去の位置も表示される。これにより、地盤の攪拌領域が詳細に把握でき、攪拌が完了した位置を繰り返し攪拌するといった攪拌の無駄を防止することができる。また、未だ攪拌されていないところも明確になるので地中を満遍なく攪拌することができる。
【0069】
S15において、開始/完了スイッチ23が「OFF」かが判断される。この開始/完了スイッチ23が「OFF」かは、開始/完了スイッチ23が「ON」の状態のときに、再度開始/完了スイッチ23が押されたか否かにより判断される。そして、S15により「NO」と判断された場合にはS16に進み、S16により中断/再開スイッチ24が「ON」かが判断され、S16により「NO」と判断されたときには、S15により「YES」と判断されるまで、S14→S15→S16→S14の処理が実行される。また、S16で「YES」と判断された場合は、S16により「NO」と判断されるまでS15→S16→S15の処理が実行される。なお、S15で「YES」と判断された場合は最初に戻り再度S11が実行される。このように、地盤攪拌部5の攪拌体52により地盤が攪拌され、地盤攪拌部5がさらに深い地盤の中に入り込むと、今まで地盤が攪拌された箇所とともに、現在地盤攪拌部5により攪拌されている箇所(「○」印)も改良深度表示画面47に表示される。これにより、地盤攪拌部5により攪拌された箇所が基準位置からの水平方向の移動距離と深度とを2軸座標上に表示されるので、作業者は地中内の地盤攪拌部の実際の位置を二次元的なイメージで確認しながら作業することができる。これにより、地中の攪拌改良状態が明確に把握でき作業効率が向上するとともに、地盤を均一に品質よく攪拌することができる。
【0070】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0071】
以下、本発明の変形例について説明する。
(1) 本実施形態では、地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度を計測し改良深度表示画面47に表示させたが、これに限らず、地盤攪拌部の攪拌体52の先端部(アーム4との連結点4aから最も離れたところ)や地盤攪拌部5の中間部の深度を計測し改良深度表示画面47に表示させてもよく、また地盤攪拌部5の後端部の深度を計測し改良深度表示画面47に表示させてもよい。このように、地盤攪拌部5の攪拌体52の先端部の深度を計測することにより地盤攪拌部5により地盤が攪拌されている最も深い箇所を求めることができ、また地盤攪拌部5の中間部の深度や後端部の深度を計測することにより地盤攪拌部5によって十分攪拌されている箇所の深度を求めることができる。
【0072】
(2) 本実施形態では、地盤攪拌部5に取り付けられた圧送ホース14からセメントミルクを噴射させるものを用いて説明したが、これに限定されず、地盤攪拌部5を用いて、地盤を攪拌するものであれば本発明の範囲にすべて含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態におけるバックホウの側面図である。
【図2】同バックホウの運転室内の座席を示す図である。
【図3】同バックホウに用いられる地盤攪拌部の正面図である。
【図4】同バックホウに用いられる地盤攪拌部の側面図である。
【図5】(a)同バックホウの管理装置ディスプレイ部を示す図である。 (b)同バックホウの管理装置本体を示す図である。
【図6】同バックホウの管理装置の設定メニュー画面を示す図である。
【図7】(a)同バックホウの管理装置の運転画面を示す図である。 (b)同バックホウの管理装置の改良深度表示画面を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるバックホウのブーム長、アーム長および地盤攪拌部長とブーム角、アーム角および地盤攪拌部角の関係を示す図である。
【図9】同バックホウの主たる構成を示す図である。
【図10】同バックホウの攪拌方法を説明する図ある。
【図11】同バックホウの地盤攪拌処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 バックホウ
3 ブーム
4 アーム
4a 連結部
5 地盤攪拌部
12 角度センサ
13 角度センサ
22 操作パネル
23 開始/完了スイッチ
43 XY掘削角度表示部
47 改良深度表示画面
51 支持体
52 攪拌体
54 CFカード
100 管理装置
140 XY傾斜センサ
200 設定メニュー画面
230 設定メニュースイッチ
240 運転スイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を攪拌する攪拌混合装置の管理システムに関する。詳しくは、本体との連結部を中心に回動可能に支持されたブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結されたアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結された地盤攪拌部とを有し、地盤攪拌部の攪拌翼を回転させることにより地盤が攪拌される攪拌混合装置の管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
軟弱地盤改良工法の中で、主にセメント系固化材等を用いて地盤改良を行う工法として、バックホウ等の建設機械をベースマシンとし、該ベースマシンのアームの先端ブラケットに取り付けた鉛直方向に回動する混合撹拌装置の先端部より固化材スラリーを吐出しながら、該混合撹拌装置を地表面から軟弱地盤中に貫入し、引き抜きを行いつつ軟弱土と固化材を混合攪拌し、軟弱地盤を固化処理する地盤改良工法が知られている。この地盤改良工法は、直接ベースマシンに取り付けられた混合撹拌装置の先端部分の左右両側に、鉛直方向に回転する複数の撹拌翼を有する混合撹拌装置が取り付けられ、該撹拌装置を地中に貫入・引抜きしつつ混合攪拌装置の先端部の撹拌翼を回転させ、その近傍から固化材スラリーを吐出することによって改良対象土と固化材を混合攪拌し、軟弱地盤を改良するものであった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、起伏可能なブームとそのブームの先端に連結されたアームと、アームの先端に鉛直姿勢に連結支持されたヘッドケーシングとを有するバックホウで、ヘッドケーシングに支持された撹拌混合ヘッドの貫入深度を検出し、その検出した貫入深度を表示する表示手段を有するものもあった(例えば、特許文献2)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−68124号公報
【特許文献2】特開2004−225368号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしなから、従来のバックホウでは、地盤の改良する際に攪拌深度をリアルタイムに数値でデジタル表示するものであったので、攪拌深度のみでは地中のどの部分が攪拌されているかをイメージとして把握することが困難であった。そのため攪拌位置を水平方向に移動させた後において、攪拌すべき地中部分を満遍なく均一に攪拌できているかを正確に判断するが困難であった。特に、現在の攪拌深度を数値でデジタル表示するものであったので、今まで攪拌してきたところとの関係を把握することが困難で、時には同じところを複数回攪拌したり、時には攪拌が不十分なところが生じたりするという問題があった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、地盤改良の攪拌改良状態を明確化することにより、作業者の作業効率を向上させるとともに、地盤の攪拌を品質よく行うことができる攪拌混合装置の管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、地盤攪拌部の位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段により検出された地盤攪拌部の位置を表示する表示手段と、を有し、表示手段は、基準地点からの地盤攪拌部の水平方向の移動距離と深度とを2軸座標上に表示することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、基準地点からの地盤攪拌部の水平方向の移動距離と深度とを2軸座標上に表示されるので、作業者は実際の地中内を見ているかのように視覚的に地盤攪拌部の位置と改良域を確認しながら作業することができる。これにより、地中の攪拌改良状態が明確に把握でき作業効率が向上するとともに、地盤を均一に品質よく攪拌することができる。
【0009】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る攪拌混合装置の管理システムであって、位置検出手段は、地盤攪拌部の先端部の位置を検出することを特徴とする。
【0010】
実際の地盤改良ではどれぐらいの深度まで攪拌されているかが重要になる。本発明によれば、位置検出手段により地盤攪拌部の先端部の位置が検出されるので、作業者は攪拌最下点位置(攪拌最大深度位置)と改良域を視覚的に確認しながら作業することができる。
【0011】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1または第2の態様に係る攪拌混合装置の管理システムであって、表示手段は、位置検出手段により検出された地盤攪拌部の現在位置を2軸座標上に表示するとともに、該地盤攪拌部が通過した過去の位置をも表示することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、位置検出手段により検出された地盤攪拌部の現在位置が2軸座標上に表示されるとともに、該地盤攪拌部が通過した過去の位置も表示されるので、地盤の攪拌領域が更に詳細に把握でき、攪拌が完了した位置を繰り返し攪拌するといった攪拌の無駄を防止することができる。また、未だ攪拌されていないところも明確になるので地中を満遍なく攪拌することができる。これにより、地盤を均一に品質よく攪拌することができる。
【0013】
本発明のうち第4の態様に係るものは、第3の態様に係る攪拌混合装置の管理システムであって、表示手段は、地盤攪拌部が通過した過去の位置と地盤攪拌部の現在位置とを区別できるように、地盤攪拌部の現在位置にマークを表示することを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、地盤攪拌部が通過した過去の位置と地盤攪拌部の現在位置とを区別できるように、地盤攪拌部の現在位置にマークが表示されるので、作業者は地盤攪拌部の現在位置を把握しながら作業ができ、作業効率が向上する。
【0015】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第1〜第4のいずれかの態様に係る攪拌混合装置の管理システムであって、取出可能な記録媒体を装着する装着手段と、該装着手段に装着された取出可能な記録媒体にデータの記録を行う記録手段と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、装着手段に装着された記録媒体に攪拌位置などのデータの記録し、その記録媒体を取り出して、パソコンなどを使用して攪拌状況のデータを集計、分析などを行い、その結果をプリンタなどを用いて出力することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、地盤改良の攪拌改良状態を明確化することにより、作業者の作業効率を向上させることができるとともに、地盤を均一に品質よく攪拌することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の攪拌混合装置の管理システムの一実施形態について図面を参照にしながら説明する。本実施形態では、攪拌混合装置としてバックホウについて説明するが、これに限らず、地盤を攪拌する装置であればその他のものも含む。図1は、本発明の一実施形態におけるバックホウの側面図である。
【0019】
図1に示すように、バックホウ1は、上部旋回体2、ブーム3、アーム4、地盤攪拌部5、および下部走行体6などから構成されている。
【0020】
下部走行体6は、キャタピラ7を備え、該キャタピラ7を駆動させることにより地上を走行することができる。
【0021】
上部旋回体2は、下部走行体6の上部に旋回部8を介して設置され、油圧モー夕により360度旋回できるようになっている。上部旋回体2には、ブーム3が回動可能に支持されており、上部旋回体2とブーム3の中間部との間にはブームシリンダ(アクチュエータ)9が連結されている。ブーム3は、ブームシリンダ9の伸縮に基づいてブーム3と上部旋回体2との連結部(図示略)を中心に回動するようになっている。ブーム3の先端部にはアーム4が回動可能に支持されており、ブーム3の中間部とアーム4の末端部との間にはアームシリンダ(アクチュエータ)10が連結されている。
【0022】
アーム4は、アームシリンダ10の伸縮に基づいてブーム3とアーム4との連結部3aを中心に回動するようになっている。アーム4の先端部には、地盤攪拌部5が回動可能に連結(支持)されており、アーム4の中間部と地盤攪拌部5の基端部との間には地盤攪拌部シリンダ(アクチュエータ)11が連結されている。
【0023】
地盤攪拌部5は、地盤攪拌部シリンダ11の伸縮に基づいてアーム4と地盤攪拌部5との連結部4aを中心に回動し、アーム4の操作により地盤に対して垂直上下方向に動かすことができる。各シリンダ9〜11は、ピストンロッドの伸縮運動によってストローク(シリンダストローク)が調節され、ブーム3,アーム4,地盤攪拌部5が夫々個々に駆動されるようになっている。ここで、地盤攪拌部5は、縦長の支持体51と、攪拌体52となどからなる。
【0024】
また、ブーム3には、ブーム3の回動角を測定する角度センサ12が設置(図面背面に設置)され、アーム4には、アーム4の回動角を測定する角度センサ13が設置され、地盤攪拌部5には、地盤攪拌部5のX軸方向とY軸方向の掘削角を測定するXY傾斜センサ140が設置されている。これらの角度センサ12、13、XY傾斜センサ140としては、ポテンショメータ等が用いられる。なお、上部旋回体2と,下部走行体6と、旋回部8により本体1が構成されている。ここで、バックホウ1の前方水平方向をY軸方向とし、そのY軸方向と直交する水平方向をX軸方向と規定している。
【0025】
地盤攪拌部5には、圧送ホース14(図3参照)が取り付けられている。この圧送ホース14を用いて、外部のスラリープラント(図示略)からバックホウ1の後部を介して、セメント系固化材と水を混合したセメントミルクが地盤攪拌部5に送られ、地盤攪拌部5の先端に取り付けられた吐出口65からセメントミルクが噴射される。これにより、攪拌体52により土壌が掘削されながら、土壌とセメントミルクとが攪拌混合される。なお、圧送ホース14から送られてくるセメントミルクの流量は、流量センサ15により検出される。
【0026】
上部旋回体2の前側には、運転室16が設けられている。この運転室16内には、図2に示すようにシート17が備え付けられている。作業員は、このシート17に座ってバックホウ1の運転を行う。図2は、本発明の一実施形態におけるバックホウの運転室内の座席を示す図である。
【0027】
図2に示すように、シート17の右側には第1操作レバー18が設けられ、シート17の左側には第2操作レバー19が設けられている。この第1操作レバー18を前方に操作することによりブーム3が下がり、後方に操作することによりブーム3が上がり、右方に操作することにより地盤攪拌部5が上がり、左方に操作することにより地盤攪拌部5が下がる。また、第2操作レバー19を前方に操作することによりアーム4が下がり、後方に操作することによりアーム4が上がり、右方に操作することにより上部旋回体2が右旋回し、左方に操作することにより上部旋回体2が左旋回する。
【0028】
次に、図3および図4を用いて地盤攪拌部5の具体的構成について説明する。図3は、本発明の一実施形態における地盤攪拌部の正面図であり、図4は、本発明の一実施形態における地盤攪拌部の側面図である。
【0029】
図3および図4に示すように、縦長の支持体51の先端部両側に攪拌体52が配置され、攪拌体52は回転軸53を介して支持体51に連結されている。撹拌体52の構成は左右において同様である。支持体51は内部が空間となっており、この空間に撹拌体52の駆動源となる油圧モータ61の駆動力を回転軸53を介して撹拌体52に伝達するための伝達手段(図示略)及び改良材の圧送ホース14が配されている。また、この空間は、伝達手段等の保護のため土砂等が空間内に入り込まないように外部と液密とされている。
【0030】
支持体51の上部には撹拌体52の駆動源となる油圧モータ61が配置され、その駆動軸(図示略)が支持体51の内部の空間に突出している。この駆動軸には駆動スプロケット(図示略)が嵌着されている。この油圧モータ61の回転数の制御や油圧の供給は送油経路62および制御経路68を介して外部から操作される。
【0031】
回転軸53は、掘削の際に撹拌体52の回転軸53が掘削面に対して平行となるように、それぞれ支持体51を側部から貫通するように設けられている。回転軸53の支持体51内部に位置する部位にはスプロケット(図示略)が嵌着され、このスプロケット(図示略)および上述した駆動スプロケット(図示略)に伝達手段(図示略)となる無端チェーン(図示略)が掛けられ、油圧モータ61の駆動力が回転軸53に伝達される。また、回転軸53の支持体51外部に露出する部分に攪拌体52を取り付けるための撹拌体取付台座63が設けられている。
【0032】
撹拌体取付台座63に取り付けられる撹拌体52は、撹拌体取付台座63の先端に取り付けられた撹拌爪取付台座66と、この撹拌爪取付台座66から回転方向に直交方向に突出する複数の撹拌爪67とを有する。XY傾斜センサ140は、地盤攪拌部5のX軸方向とY軸方向の掘削角を測定するものである。
【0033】
シート17の周辺には、移動可能なWILL工法管理装置(以下「管理装置」)100が設置されている。管理装置100は、管理装置ディスプレイ部101と管理装置本体102とから構成され、管理装置ディスプレイ部101は管理装置本体102に配線により接続されている(図9参照)。図5(a)は、本発明の一実施形態におけるバックホウの管理装置ディスプレイ部を示す図であり、図5(b)は、本発明の一実施形態におけるバックホウの管理装置本体を示す図である。
【0034】
図5(a)に示すように、管理装置ディスプレイ部101には、操作パネル22と、開始/完了スイッチ23、中断/再開スイッチ24などが備えられている。また、管理装置本体102には管理装置電源スイッチ(図示略)などが備えられている(図5(b)参照)。
【0035】
操作パネル22は、設定メニュースイッチ230および運転スイッチ240を備えている。この「設定メニュースイッチ230」は、表示画面を設定メニュー画面200に移行させるためのスイッチであり、作業者により設定メニュースイッチ230が押されることにより、表示画面が後述する設定メニュー画面200に移行する。また、「運転スイッチ240」は、運転画面500に移行させるためのスイッチであり、作業者により運転スイッチ240が押されることにより、表示画面が後述する運転画面500に移行する。「管理装置電源スイッチ(図示略)」は、管理装置100のON/OFFスイッチであり、この管理装置電源スイッチ(図示略)が押されることにより管理装置100が作業可能状態になる。
【0036】
「開始/完了スイッチ23」は、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測を開始または開始した後に終了させるスイッチであり、作業者によりこの開始/完了スイッチ23が押されることにより、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が開始され、そして、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が実行されているときに、この開始/完了スイッチ23が押されることにより、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が終了する。また、「中断/再開スイッチ24」は、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測を中断し、またその中断した地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測を再開させるためのスイッチであり、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が実行されているときに、作業者により中断/再開スイッチ24が押されることにより、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が中断し、そして、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が中断しているときに、この中断/再開スイッチ24が押されることにより、再び地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などの計測が実行される。
【0037】
次に、設定メニュー画面200について図6を参照にしながら説明する。図6は、本発明の一実施形態における設定メニュー画面を示す図である。なお、この設定メニュー画面200は、タッチパネル式になっている。
【0038】
図6に示すように、設定メニュー画面200は、「ブーム長/アーム長設定スイッチ27」と、「ブーム角/アーム角調整スイッチ28」と、「回転数設定スイッチ29」と、「流量定格ゼロ調整スイッチ30」と、「日付・時間合わせスイッチ31」と、「ブロック設定スイッチ32」と、「運転画面表示スイッチ33」とを有している。
【0039】
「ブーム長/アーム長設定スイッチ27」は、ブーム長、アーム長および地盤攪拌部長を設定するためのスイッチである。このブーム長/アーム長設定スイッチ27が押されることにより、ブーム長、アーム長および地盤攪拌部長を入力するための画面が表示され、その入力画面を用いてブーム長、アーム長および地盤攪拌部長を入力し「確定」を押すと、ブーム長、アーム長および地盤攪拌部長が登録され設定される。なお、このブーム長、アーム長および地盤攪拌部長はそれぞれ回転ピンの芯間の寸法,回転ピンの芯と回転軸53間の寸法(図8参照)が入力される。
【0040】
「ブーム角/アーム角調整スイッチ28」は、ブーム角、アーム角および地盤攪拌部角(XY掘削角度)を調整するためのスイッチである。このブーム角/アーム角調整スイッチ28が押されることにより、ブーム角、アーム角および地盤攪拌部角を調整するための画面が表示され、その調整画面を用いてブーム角、アーム角および地盤攪拌部角の微調整が行なわれる。具体的には、角度センサ12、13およびXY傾斜センサ140を所定の位置にセットし、ブーム3、アーム4および地盤攪拌部5の角度を実際の角度に合わせて調整し取り付け、その後に調整画面を用いてブーム角、アーム角および地盤攪拌部角の微調整を行なう。
【0041】
「回転数設定スイッチ29」は、1回転当たりのパルス数を登録するためのスイッチである。この回転数設定スイッチ29が押されることにより、1回転当たりのパルス数を入力するための画面が表示され、その入力画面を用いて1回転当たりのパルス数を入力し「確定」を押すと、1回転当たりのパルス数が登録され設定される。
【0042】
「流量定格ゼロ調整スイッチ30」は、セメントミルクの流量値を調整するためのスイッチである。この流量定格ゼロ調整スイッチ30が押されることにより、流量値を調整するための画面が表示され、その調整画面を用いて流量値の微調整を行う。具体的には、流量定格設定スイッチ(図示略)を用いて300L/minまたは600L/minの定格流量にセットし、実際のセメントミルクの流量値(瞬間値)である瞬時流量値をあわせてゼロ調整を行い、変更終了スイッチが押されることにより流量のゼロ調整が終了する。
【0043】
「日付・時間合わせスイッチ31」は、日付と時間を設定変更するためのスイッチであり、「ブロック設定スイッチ32」は、今回の施工現場情報をブロック名として登録するためのスイッチである。
【0044】
「運転画面表示スイッチ33」は、運転画面500に移行させるためのスイッチである。この運転画面表示スイッチ33が押されることにより、運転画面500が表示される。
【0045】
次に、運転画面500について図7を参照にしながら説明する。図7(a)は、本発明の一実施形態における運転画面を示す図である。運転画面500は、「運転中/休止中表示部34」と、「中断中表示部35」と、「設定深度表示部36」と、「改良深度ピーク保持表示部37」と、「貫入速度表示部38」と、「設定深度到達メッセージ表示部39」と、「回転数表示部40」と、「積算流量表示部41」と、「瞬時流量表示部42」と、「XY掘削角度表示部43」と、「改良深度表示部44」と、「スタート画面スイッチ45」と、「設定メニュースイッチ46」などを有している。
【0046】
「運転中/休止中表示部34」は、開始/完了スイッチ23が押され、地盤攪拌部5の深度や回転速度やXY掘削角度などが計測されているときに「運転中」と表示し、また計測されていないときは「休止中」と表示するものである。また、「中断中表示部35」は、中断/再開スイッチ24が押され、計測を中断しているときに「中断中」と表示するものである。
【0047】
「設定深度表示部36」は、目標深度を表示するものである。この「設定深度表示部36」が押されることにより、目標深度を設定するための画面が表示され、その設定画面を用いて目標深度の入力し登録する。
【0048】
、
「改良深度ピーク保持表示部37」は、地盤攪拌装置5により改良された最も深い地盤の位置(回転軸53の位置)を表示するものである。この改良深度ピークを表示することにより、作業者はどれくらいの深度まで地盤が攪拌されているか知ることができる。また、この「改良深度ピーク保持表示部37」が押されることにより、「改良深度ピーク保持表示」と「現在深度表示(図示略)」が切り替わり、現在深度表示部(図示略)により地盤攪拌部5の現在の深度が表示される。なお、地盤攪拌部5の現在の深度は、後述するように角度センサ12、13およびXY傾斜センサ140を用いて測定される。ここで、地盤攪拌部5の深度とは、本実施形態では地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度のことをいう。
【0049】
「貫入速度表示部38」は、地盤攪拌部5の貫入速度を表示するものである。貫入速度は深度データをもとに算出される。
【0050】
「設定深度到着メッセージ表示部39」は、地盤攪拌部5が設定深度に到着したときに発光するものである。これにより、作業者は地盤攪拌部5が設定深度に到着したことを知ることができる。
【0051】
「回転数表示部40」は、地盤攪拌部5の攪拌体52の回転数を表示するものである。この攪拌体52の回転数は攪拌体52の近傍に設置された近傍スイッチ(図示略)により計測される。
【0052】
「積算流量表示部41」は、開始/完了スイッチ23が押されてから、スラリープラントから送り込まれたセメントミルクの積算流量値を表示するものであり、また、「瞬時流量表示部42」は、スラリープラントから送り込まれるセメントミルクの流量の瞬間値を表示するものであり、この積算流量および瞬時流量は、流量センサ15を用いて検出される。
【0053】
「XY掘削角度表示部43」は、地盤攪拌部5の基準地点からの傾斜角(X軸方向とY軸方向の傾斜角)を表示するものである。具体的には、基準地点と地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)とを結んだ直線と基準地点の鉛直方向の直線とのX軸方向(−45度〜+45度)とY軸方向(−45度〜+45度)の角度差を0.1度単位で表示する。なお、X軸方向の角度差とY軸方向の角度差は、地盤攪拌部5に設置されたXY傾斜センサ140により求められる。詳細は後述する。ここで、上述したようにバックホウ1の前方水平方向をY軸方向とし、そのY軸方向と直交する水平方向をX軸方向としている。
【0054】
「改良深度表示部44」は、地盤攪拌部5の深度と距離を表示させるものである。この改良深度表示部44が押されることにより、画面が改良深度表示画面47(図7(b)参照)が表示され、この改良深度表示画面47には地盤攪拌部5により攪拌された箇所(深度と距離)が表示される。具体的には、改良深度表示画面47には、計測開始時(開始/完了スイッチ23の「ON」時)の地盤攪拌部5の深度と距離(基準地点)をそれぞれ「0」mとして、そこから計測される地盤攪拌部5の深度(鉛直方向)と距離(Y軸方向(水平方向))を表示(デジタル表示)する。さらに詳細に説明すると、地盤攪拌部5がある位置(基準地点から深度Aと距離B)を所定の時間攪拌することにより、改良深度表示画面47(格子状の枠)のその位置(深度Aと距離B)に対応する枠の色を変化させる。このように、改良深度表示画面47のそれぞれの格子状の枠には地盤攪拌部5により攪拌された箇所(深度と距離)が表示され、作業者は地盤攪拌部5により攪拌された地中内を知ることができる。ここで、図7(b)の改良深度表示画面47内の「○印」は地盤攪拌部5により現在攪拌されている位置を示すものである。なお、図7(b)は、本発明の一実施形態における改良深度表示画面を示す図である。
【0055】
「スタート画面スイッチ45」は、画面をスタート画面(図5参照)に移行させるためのスイッチである。このスタート画面スイッチ45が押されることにより、画面がスタート画面(図5参照)に移行する。また、「設定メニュースイッチ46」は、画面を設定メニュー画面200(図6参照)に移行させるためのスイッチである。この設定メニュースイッチ46が押されることにより、画面が設定メニュー画面200(図6参照)に移行する。
【0056】
次に、図9を用いて、バックホウ1の構成の概略について説明する。図9は、本発明の一実施形態におけるバックホウの主たる構成を示す図である。
【0057】
図9に示すように、角度センサ12、13、およびXY傾斜センサ140は、管理装置100に接続されている。そして、角度センサ12、13、およびXY傾斜センサ140により検出されたブーム角とアーム角と地盤攪拌部角(X軸方向とY軸方向の掘削角)が管理装置100に入力されると、その入力されたブーム角とアーム角と地盤攪拌部角、およびあらかじめ入力されているブーム3の長さとアーム4の長さと地盤攪拌部5の長さを用いて、地盤攪拌部5のX軸方向の掘削角およびY軸方向の掘削角、地盤攪拌部5の深度(掘削深度)と距離(Y軸方向の距離)が算出される。具体的にはXY傾斜センサ140を用いて、地盤攪拌部5の地盤攪拌部角(X軸方向とY軸方向の掘削角)が求められ、ブーム3の長さとブーム角、アーム4の長さとアーム角、地盤攪拌部5と地盤攪拌部角(Y軸方向)を用いて、地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度(掘削深度)および距離(Y軸方向の距離)が算出される(図8参照)。
【0058】
そして、この地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度(掘削深度)および距離(Y軸方向の距離)から改良深度表示画面47の深度距離表示データが作成され、運転画面500や改良深度表示画面47に地盤攪拌部5のX軸方向の掘削角およびY軸方向の掘削角とともに表示される(図7(a)、図7(b)参照)。また、流量センサ15と管理装置100も接続され、流量センサ15により検出されたスラリープラントから送り込まれたセメントミルクの流量が管理装置100に入力されると、その入力された流量が運転画面500および改良深度表示画面47の瞬時流量表示部(図7(a)、図7(b)参照)に表示される。また、開始/完了スイッチ23が押されてからの積算流量が算出され、その算出された積算流量は運転画面500および改良深度表示画面47の積算流量表示部(図7(a)、図7(b)参照)に表示される。
【0059】
管理装置ディプレイ101には、CFカード挿入口(図示略)が設けられ、そのCFカード挿入口にCFカード54を挿入し、管理装置100内のデータをCFカード54に記憶することができる。そして、データが記憶されたCFカード54を管理装置ディプレイ101から取り出し、その取り出されたCFカード54をパソコン55に差し込んで、そのCFカード54に記憶されているデータの集計、分析などを行い、その結果をプリンタ56を用いて出力することができる。なお、本実施形態では、CFカード挿入口(図示略)を管理装置ディスプレイ101に設けたが、これに限らず、管理装置102にも設けてもよい。
【0060】
次に、図10を用いて、地盤攪拌部を用いた攪拌作業について説明する。図10は、本発明の一実施形態におけるバックホウの攪拌作業を説明する図ある。
【0061】
作業者は、まず、バックホウ1を作業領域付近に移動させて停止させ、地盤攪拌部5が掘削作業位置にくるように上部旋回体2を所定位置まで回動させる。そして、作業者により開始/完了スイッチ23が押されると、押されたタイミングでの地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の位置が掘削深度「0m」で「XY座標軸(0、0)」に設定される。なお、地盤攪拌部5の掘削深度およびXY座標軸を計測する際には、上述したように、あらかじめ設定深度(図7参照)が管理装置100の操作パネル22を用いて入力されている。
【0062】
そして、アーム4を移動させてバックホウ1から遠い位置に地盤撹拌部5を保持する(図10(a))。その後、撹拌体52を回転させつつ、アーム4を下降させて地盤撹拌部5を地盤に押し込み挿入する。このとき、支持体51の先端から改良材を噴射する。これにより押し込み抵抗が低減される。撹拌体52が地盤に挿入されれば、アーム4を操作して地盤撹拌部5の垂直を保持したままバックホウ1側に引き寄せる(図10(b))。この過程で撹拌体52が回転して地盤を撹拌しつつ移動させながら所定領域の地盤撹拌が行なわれる(図10(c))。次いで、地盤撹拌部5がバックホウ1の近くまで引き寄せられれば、アーム4を操作して地盤撹拌部5を上方に引き上げるとともに、必要に応じて撹拌体52の回転を停止させる(図10(d))。この操作を繰り返し操作して所望の範囲の地盤の改良を行なう。
【0063】
ここで、左右の撹拌体52を別々の油圧モータ61で駆動させる地盤撹拌部5の場合には、必要に応じて左右の撹拌体52の回転力を変更させるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、支持体51の地盤への挿入時や支持体51をバックホウ1側に引き寄せている撹拌時等に一方の撹拌体52が硬い地盤や石などに当たったときにその当たっている撹拌体52に高い回転力を与えるように施工することができる。なお、本実施形態では、支持体51をバックホウ1のアーム4に取り付けた例を示したが、これに限らず、バックホウ1のアーム4以外の移動体に支持体51を取り付けてもよい。
【0064】
次に、図11を用いて、改良深度の表示方法について詳述する。図11は、本発明の一実施形態における地盤攪拌処理のフローチャートである。
【0065】
まず、S11において、電源が「ON」かが判断される。電源が「ON」か否かは、管理装置本体102に備えられた管理装置電源スイッチ(図示略)が押されたか否かにより判断される。そして、S11で「YES」の場合は、S12に進む。
【0066】
次に、S12において、設定メニューの各項目が入力されているかが判断される。設定メニューがすべて入力されているかは、ブーム長、アーム長および地盤攪拌部長の入力、ブーム角、アーム角および地盤攪拌部角の調整、1回転当りの回転数の入力、日付と時間の調整、ブロックの設定、および設定深度(目標深度)の入力がすべて行なわれているかにより判断される。これらは、設定メニュー画面200の「ブーム長/アーム長設定スイッチ27」、「ブーム角/アーム角調整スイッチ28」、「回転数設定スイッチ29」、「流量定格ゼロ調整スイッチ30」、「日付・時間合わせスイッチ31」、「ブロック設定スイッチ32」、および運転画面500の「設定深度表示部36」を用いて行なわれる。そして、S12で「YES」の場合は、S13に進む。
【0067】
次に、S13において、開始/完了スイッチ23が「ON」かが判断される。そして、S13で「YES」の場合はS14に進み、S14により改良深度表示が行なわれる。ここで、この開始/完了スイッチ23が「ON」になった位置を基準位置(深度(Om)、XY座標(0、0))として、地盤攪拌部5の深度と距離、およびXY軸方向の掘削角が計測される。
【0068】
S14において、地盤攪拌部5の攪拌体52が回転することにより地盤が攪拌される。なお、この開始/完了スイッチ23が「ON」になる前もしくはその直後に地盤攪拌部5の攪拌体52を回転させている。そして、地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度や回転速度やXY掘削角度などが計測され、改良深度表示画面47のデジタル表示部の格子状の枠には地盤攪拌部5の先端部(回転軸)の位置が赤色で色付けされ(図7(b))、運転画面500には、XY角度が数値とともにXY座標軸上に表示される。このように、改良深度表示画面47には、地盤攪拌部5の現在位置が2軸座標上に表示されるとともに、該地盤攪拌部が通過した過去の位置も表示される。これにより、地盤の攪拌領域が詳細に把握でき、攪拌が完了した位置を繰り返し攪拌するといった攪拌の無駄を防止することができる。また、未だ攪拌されていないところも明確になるので地中を満遍なく攪拌することができる。
【0069】
S15において、開始/完了スイッチ23が「OFF」かが判断される。この開始/完了スイッチ23が「OFF」かは、開始/完了スイッチ23が「ON」の状態のときに、再度開始/完了スイッチ23が押されたか否かにより判断される。そして、S15により「NO」と判断された場合にはS16に進み、S16により中断/再開スイッチ24が「ON」かが判断され、S16により「NO」と判断されたときには、S15により「YES」と判断されるまで、S14→S15→S16→S14の処理が実行される。また、S16で「YES」と判断された場合は、S16により「NO」と判断されるまでS15→S16→S15の処理が実行される。なお、S15で「YES」と判断された場合は最初に戻り再度S11が実行される。このように、地盤攪拌部5の攪拌体52により地盤が攪拌され、地盤攪拌部5がさらに深い地盤の中に入り込むと、今まで地盤が攪拌された箇所とともに、現在地盤攪拌部5により攪拌されている箇所(「○」印)も改良深度表示画面47に表示される。これにより、地盤攪拌部5により攪拌された箇所が基準位置からの水平方向の移動距離と深度とを2軸座標上に表示されるので、作業者は地中内の地盤攪拌部の実際の位置を二次元的なイメージで確認しながら作業することができる。これにより、地中の攪拌改良状態が明確に把握でき作業効率が向上するとともに、地盤を均一に品質よく攪拌することができる。
【0070】
今回開示された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0071】
以下、本発明の変形例について説明する。
(1) 本実施形態では、地盤攪拌部5の先端部(回転軸53)の深度を計測し改良深度表示画面47に表示させたが、これに限らず、地盤攪拌部の攪拌体52の先端部(アーム4との連結点4aから最も離れたところ)や地盤攪拌部5の中間部の深度を計測し改良深度表示画面47に表示させてもよく、また地盤攪拌部5の後端部の深度を計測し改良深度表示画面47に表示させてもよい。このように、地盤攪拌部5の攪拌体52の先端部の深度を計測することにより地盤攪拌部5により地盤が攪拌されている最も深い箇所を求めることができ、また地盤攪拌部5の中間部の深度や後端部の深度を計測することにより地盤攪拌部5によって十分攪拌されている箇所の深度を求めることができる。
【0072】
(2) 本実施形態では、地盤攪拌部5に取り付けられた圧送ホース14からセメントミルクを噴射させるものを用いて説明したが、これに限定されず、地盤攪拌部5を用いて、地盤を攪拌するものであれば本発明の範囲にすべて含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本発明の一実施形態におけるバックホウの側面図である。
【図2】同バックホウの運転室内の座席を示す図である。
【図3】同バックホウに用いられる地盤攪拌部の正面図である。
【図4】同バックホウに用いられる地盤攪拌部の側面図である。
【図5】(a)同バックホウの管理装置ディスプレイ部を示す図である。 (b)同バックホウの管理装置本体を示す図である。
【図6】同バックホウの管理装置の設定メニュー画面を示す図である。
【図7】(a)同バックホウの管理装置の運転画面を示す図である。 (b)同バックホウの管理装置の改良深度表示画面を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態におけるバックホウのブーム長、アーム長および地盤攪拌部長とブーム角、アーム角および地盤攪拌部角の関係を示す図である。
【図9】同バックホウの主たる構成を示す図である。
【図10】同バックホウの攪拌方法を説明する図ある。
【図11】同バックホウの地盤攪拌処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0074】
1 バックホウ
3 ブーム
4 アーム
4a 連結部
5 地盤攪拌部
12 角度センサ
13 角度センサ
22 操作パネル
23 開始/完了スイッチ
43 XY掘削角度表示部
47 改良深度表示画面
51 支持体
52 攪拌体
54 CFカード
100 管理装置
140 XY傾斜センサ
200 設定メニュー画面
230 設定メニュースイッチ
240 運転スイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体との連結部を中心に回動可能に支持されたブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結されたアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結された地盤攪拌部とを有し、前記地盤攪拌部の攪拌翼を回転させることにより地盤が攪拌される攪拌混合装置の管理システムにおいて、
前記地盤攪拌部の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された前記地盤攪拌部の位置を表示する表示手段と、を有し、
前記表示手段は、基準地点からの前記地盤攪拌部の水平方向の移動距離と深度とを2軸座標軸上に表示することを特徴とする攪拌混合装置の管理システム。
【請求項2】
前記位置検出手段は、前記地盤攪拌部の先端部の位置を検出することを特徴とする請求項1記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記位置検出手段により検出された前記地盤攪拌部の現在位置を2軸座標軸上に表示するとともに、該地盤攪拌部が通過した過去の位置をも表示することを特徴とする請求項1または2に記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項4】
前記表示手段は、地盤攪拌部が通過した過去の位置と地盤攪拌部の現在位置とを区別できるように、地盤攪拌部の現在位置にマークを表示することを特徴とする請求項3記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項5】
取出可能な記録媒体を装着する装着手段と、
該装着手段に装着された取出可能な記録媒体にデータの記録を行う記録手段と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項1】
本体との連結部を中心に回動可能に支持されたブームと、該ブームとの連結部を中心に回動可能に連結されたアームと、該アームとの連結部を中心に回動可能に連結された地盤攪拌部とを有し、前記地盤攪拌部の攪拌翼を回転させることにより地盤が攪拌される攪拌混合装置の管理システムにおいて、
前記地盤攪拌部の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段により検出された前記地盤攪拌部の位置を表示する表示手段と、を有し、
前記表示手段は、基準地点からの前記地盤攪拌部の水平方向の移動距離と深度とを2軸座標軸上に表示することを特徴とする攪拌混合装置の管理システム。
【請求項2】
前記位置検出手段は、前記地盤攪拌部の先端部の位置を検出することを特徴とする請求項1記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項3】
前記表示手段は、前記位置検出手段により検出された前記地盤攪拌部の現在位置を2軸座標軸上に表示するとともに、該地盤攪拌部が通過した過去の位置をも表示することを特徴とする請求項1または2に記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項4】
前記表示手段は、地盤攪拌部が通過した過去の位置と地盤攪拌部の現在位置とを区別できるように、地盤攪拌部の現在位置にマークを表示することを特徴とする請求項3記載の攪拌混合装置の管理システム。
【請求項5】
取出可能な記録媒体を装着する装着手段と、
該装着手段に装着された取出可能な記録媒体にデータの記録を行う記録手段と、を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の攪拌混合装置の管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−48068(P2010−48068A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【公開請求】
【出願番号】特願2008−229294(P2008−229294)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(506343704)株式会社トーメック (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229294(P2008−229294)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(506343704)株式会社トーメック (12)
【Fターム(参考)】
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