説明

攪拌用回転子及びそれを用いた反応装置

【課題】容器内で占有する空間が小さく、攪拌装置の内部に電極等を設置することが容易な攪拌用回転子、及びそれを用いた反応装置を提供する。
【解決手段】回転磁場装置により発生する回転磁場に従って回転する攪拌用回転子において、(1) 回転中心から水平方向に延在し、回転することにより撹拌作用を生じる水平部材に、これを支持するための軸を受承する筒部材を設けるか、(2) 上記攪拌用回転子を支持するための軸に回転不能に取り付けられる垂直部材に、上記水平部材を回転自在に軸止めすると、容器内で占有する空間が小さく、攪拌装置の内部に内容物の状態を検出するための手段を設置することが容易な攪拌用回転子が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、強力回転磁場の作用を受ける水平部材を回転させることによって反応液を攪拌できるとともに反応液の状態変化を検出するのに好適な攪拌用回転子及びそれを用いた反応装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機高分子の合成、塗料製造における色合わせ調合、接着剤の調製等では、高粘度溶液の攪拌混合を行うことが多い。攪拌される溶液には酸、有機溶剤等が混入されている場合が多く、攪拌装置には耐酸性や耐アルカリ性等の耐薬品性及び耐摩耗性が要求される。また攪拌混合は減圧あるいは加圧の容器中でおこなわれることも多い。
【0003】
従来のマグネチックスターラーで使用されるフッ素樹脂内に密閉された棒状、中太状又は端太状の形状を有する鉄片の回転子は、低粘度溶液の攪拌用には適しているが、高粘度溶液に対しては攪拌力が弱く、容器内の反応液全体を均一に攪拌することができない。一方、高粘度溶液等の攪拌に従来から使用されている、末端に攪拌用羽根を有するシャフトを容器内に挿入し、回転させる攪拌装置では、容器を減圧又は加圧して使用する場合にシャフトの貫通部をシールして密閉する必要がある。このため装置が複雑になるとともに、シール部の交換等の補修維持が必要になるという問題がある。
【0004】
そこで本発明者は、高粘度溶液用の反応装置として、反応容器が上面に嵌入される筐体と、反応容器を加熱及び/又は冷却する手段を有する温度制御装置と、反応容器の下部に設けられた回転磁場装置と、反応容器内に置かれ、回転磁場装置の作用により回転する回転子とを有し、回転子はヨーク材と、ヨーク材の下面中心部に取り付けられたボールベアリングとを有し、ボールベアリングは、複数のボールを回転自在に保持するとともに複数の貫通穴が形成された円筒部材を有し、複数のボールの下端部は円筒部材の下端より露出している実験用反応装置(特許文献1)、及び上方に開口する固定容器が上面に嵌入されている筐体と、固定容器の下方に設けられた回転磁場装置と、固定容器内に置かれ、下部に回転磁場装置の作用により回転する回転子が固定された反応容器と、反応容器の上部より挿入された攪拌部材とを有し、回転子はヨーク材と、ヨーク材の下面中心部に取り付けられたベアリングとを有する攪拌装置(特許文献2)を提案した。
【0005】
上記いずれの装置でも、回転子は下方の回転磁場装置により発生する回転磁場に従って容易に回転するように、ヨーク状の支持体を有するとともに、ヨーク状の支持体の下面にベアリングが取り付けられている。そのため高粘度溶液であっても十分に攪拌することができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1及び2で回転子に用いるボールベアリング及びベアリングは通常ステンレススチール又はセラミック製であり、酸性条件下での反応の場合には腐食の問題が生じることが分かった。攪拌用回転子のヨーク材等他の部分は耐酸性樹脂等によるコーティングで保護することができるが、ボールベアリングやベアリングはコーティングすることができない。
【0007】
そこで本発明者らは、底部に垂直な固定軸を有する容器と、固定軸を回転自在に受承する筒部を底部に有する攪拌用回転子とからなり、攪拌用回転子が反応装置に設けられた回転磁石により回転するようになっている攪拌装置、並びに係る攪拌装置を使用した反応装置及び半自動合成装置を提案した(特願2001-067690号)。このような構成の攪拌用回転子とすることにより、攪拌用回転子全体に耐薬品性コーティングを施すことが可能となった。
【0008】
しかし特願2001-067690号に記載の攪拌用回転子は、撹拌部材が上方に長く延在しているため、この攪拌用回転子を容器内に設置した時に容器内の空間を大きく占有し、容器内に電極等を設置するのが困難であった。このため反応液の水素イオン濃度や水分含有量等の測定が困難であるという問題もあった。
【0009】
【特許文献1】特開平11-128731号公報
【特許文献2】特開平11-244680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って本発明の目的は、容器内で占有する空間が小さく、攪拌装置の内部に内容物の状態を検出するための手段を設置するのが容易な攪拌用回転子、及びそれを用いた反応装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明者は、回転磁場装置により発生する回転磁場に従って回転する攪拌用回転子において、(1) 回転中心から水平方向に延在し、回転することにより撹拌作用を生じる水平部材に、これを支持するための軸を受承する筒部材を設けるか、(2) 前記回転子を支持するための軸に回転不能に取り付けられる垂直部材に、上記水平部材を回転自在に軸止めすると、容器内で占有する空間が小さく、攪拌装置の内部に内容物の状態を検出するための手段を設置することが容易な攪拌用回転子が得られることを見出し、本発明に想到した。
【0012】
すなわち、本発明の第1の攪拌用回転子は、(a) 回転中心から水平方向に延在して撹拌作用を有する水平部材と、(b) 前記回転子を支持するための軸を挿入するために下端が開口しており、前記水平部材のほぼ回転中心に下方から取り付けられている筒部材とを有することを特徴とする。
【0013】
第1の攪拌用回転子において、前記筒部材は前記水平部材の上方に突出しているとともに前記軸との当接面を形成するストッパーを有するのが好ましい。前記攪拌用回転子は、前記筒部材の上方突出部に螺着されて回転中心軸に沿って前記水平部材から垂直方向上方に延在する柱状部材をさらに有するのが好ましい。前記筒部材は、前記軸を挿入する筒本体部と、前記筒本体部の下端に設けられたテーパ状開口部を有するナット部とを有するのが好ましく、前記ストッパーは前記筒本体部に螺合されているストッパー用ネジ(I)であるのが好ましい。前記ストッパー用ネジ(I)をさらに締め付けるためのストッパー用ネジ(II)を有するのがより好ましい。
【0014】
本発明の第2の攪拌用回転子は、(a) 回転中心軸に沿って垂直方向に延在し、前記回転子を支持するための軸に回転不能に取り付けられる垂直部材と、(b) 前記垂直部材に回転自在に軸止めされて回転中心から水平方向に延在し、回転することにより撹拌作用を生じる水平部材とを有することを特徴とする。
【0015】
第2の攪拌用回転子において、前記垂直部材は、前記水平部材から上方に突出した部分に螺着されて前記水平部材から垂直方向上方に延在する柱状部材をさらに有するのが好ましい。前記垂直部材は、前記軸を挿入するために下端を開口とする孔が設けられた筒状構造を有するとともに、前記軸に係止又は螺着するための手段を有するのが好ましい。
【0016】
第1及び第2の攪拌用回転子において、前記水平部材は軟磁性材により構成することができるが、少なくとも一方の端部下部に回転用永久磁石が取り付けられているのが好ましい。また前記水平部材を非磁性材により構成し、少なくとも一方の端部下部に回転用永久磁石を取り付けた構成としてもよい。少なくとも前記水平部材は耐薬品性を有する樹脂、セラミック、ホウロウ又はガラスにより被覆されているのが好ましい。第1又は第2の攪拌用回転子が前記回転用永久磁石を有する場合、前記回転用永久磁石は耐薬品性を有する樹脂、セラミック、ホウロウ又はガラスにより被覆されているのが好ましい。前記水平部材の少なくとも回転中心近傍部の側面は曲面状であるのが好ましい。
【0017】
本発明の第1の反応装置は、(a) 底部中心から垂直に突出する軸を有する容器と、(b) 前記軸に支持された上記第1の攪拌用回転子と、(c) 前記回転子を磁力の作用により回転させる回転磁場装置とを具備するものであって、第1の攪拌用回転子の筒部材が前記軸の上端部に当接するストッパーを有し、前記容器内には内容物の状態を検出するための手段が設置されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の第2の反応装置は、(a) 底部中心から垂直に突出する軸を有する容器と、(b) 前記容器の下部に設けられた上記第2の攪拌用回転子と、(c) 前記回転子を磁力の作用により回転させる回転磁場装置とを具備するものであって、第2の攪拌用回転子の垂直部材が前記軸を挿入するために下端を開口とする孔が設けられた筒状構造を有するとともに前記軸に係止又は螺着するための手段を有し、前記軸の先端部が前記攪拌用回転子の垂直部材に設けられた係止手段又は螺着手段と係合又は螺合する形状に加工されており、前記反応容器内には内容物の状態を検出するための手段が設置されていることを特徴とする。
【0019】
第1又は第2の反応装置において、前記内容物の状態を検出するための手段として、前記内容物の水分含有量又は水素イオン濃度を測定するための電極を備えることができる。第1又は第2の反応装置において、前記攪拌用回転子の回転数を検出する手段を有するのが好ましい。
【0020】
第1又は第2の反応装置は、その回転磁場装置が、さらに回転磁場の回転速度を変化させる変速手段、反応容器を加熱及び/又は冷却する手段を有する温度調節部、並びに反応容器内を減圧又は加圧する手段からなる圧力調節部のいずれかを有するのが好ましい。第1又は第2の反応装置は、反応容器のみを取り出す目的で、反応容器が嵌入される筐体全体を上下及び水平方向に移動自在に支持する手段を有するのが好ましい。反応容器は、複数の外部接続口を有する蓋部材を有し、外部接続口はテーパ部と、テーパ部の上部に設けられた雌ネジ部とを有するのが好ましい。蓋部材はフッ素樹脂からなるのが好ましい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の攪拌用回転子は、容器内で占有する空間が小さく、攪拌装置の内部に内容物の状態を検出するための手段を設置するのが容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下本発明の実施例による攪拌用回転子、並びにそれらを用いた攪拌装置、反応装置及び半自動合成装置について、添付図面を参照して説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0023】
[1] 攪拌用回転子及び攪拌装置
図1は本発明の第1の攪拌用回転子を容器2内に備えた攪拌装置の一例を示す。容器2は水平方向に僅かの隙間をあけて攪拌用回転子119を受承する大きさの上部開口円筒状容器であり、底部の中心に固定軸23が取り付けられている。この攪拌装置は、回転中心から水平方向に延在して撹拌作用を有する水平部材11、軸23を挿入するために下端が開口しており水平部材11のほぼ回転中心に下方から取り付けられている筒部材12、及び回転磁場の作用により水平部材11を回転させるための回転用永久磁石14,14を有する攪拌用回転子119を備える。
【0024】
図2は、攪拌用回転子119について、筒部材12を中心に組み立てられる各部材の構成を示す。水平部材11の中心に挿入穴11cが設けられており、筒部材12はワッシャ123及びパッキン124を介して、着脱自在に螺合される。図3に示すように、筒部材12は上部から柱状部材177が着脱自在に螺着されている。柱状部材177の上部にはボルト168が螺入されている。
【0025】
水平部材11は撹拌作用を有する他に、攪拌用回転子119の平衡を維持する作用及び回転用永久磁石14, 14を支持する作用を有する。水平部材11は必ずしも回転中心から対称的に水平方向に延在する必要はなく、回転中心から一半径方向のみに延在してもよい。
【0026】
水平部材11は軟磁性材からなるのが好ましい。水平部材11を軟磁性材で構成することにより、容器2の底面21の下方に設けられた回転磁石(永久磁石又は電磁石)の磁力によって、水平部材11に回転磁場の作用を及ぼすことができるので、必ずしも攪拌用回転子が回転用永久磁石14, 14を備える必要はない。水平部材11を構成する軟磁性材としては、軟磁性ステンレススチール等の耐薬品性金属を用いるのが好ましい。また耐薬品性を向上させるために、フッ素樹脂等の耐薬品性樹脂、セラミック、ホウロウ又はガラスを水平部材11に被覆するのが好ましい。
【0027】
但し回転子が回転用永久磁石14, 14を備え、その磁力が十分であれば、水平部材11を非磁性体で構成することができる。水平部材11を非磁性材料で構成する場合は、耐薬品性、耐熱性等を有する材料又は耐薬品被膜の形成が容易な材料を用いるのが好ましく、そのような材料として例えば非磁性ステンレススチール、セラミックス、高強度プラスチック等が挙げられる。
【0028】
図4は容器2に固定された軸23と筒部材12との関係を示す。筒部材12は、水平部材11の上方に突出する長さを有し、柱状部材177を螺着するための雄ネジ部12aと、下端の六画形状の頭部12cとを有する。頭部12cは貫通穴12eと連通するテーパ部12dを有する。筒部材12は、先端部内側にストッパー用ネジ(I)15a及びストッパー用ネジ(II)15bを螺合させるための雌ネジ部12bが設けられている。軸23が筒部材12の貫通穴12eに進入する深さはストッパー用ネジ(I)15aにより調節自在である。筒部材12の雌ネジ部12bにストッパー用ネジ(I)15aを螺合した後、さらにストッパー用ネジ(II)15bを螺合してストッパー用ネジ(I)15aを締め付けることにより、ストッパー機能を強化することができる。筒部材12が軸23を当接するためのストッパー用ネジ(I)15aを備えることにより、攪拌用回転子119全体が軸23に回転自在に支持される。
【0029】
筒部材12の材質については、機械的強度、耐酸性や耐アルカリ性等の耐薬品性、及び耐摩耗性の観点から、ステンレススチール等の金属、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂、セラミック等を用いるのが好ましい。なお筒部材12の貫通穴12e内にコーティングを施こすのは困難であるのみならず、筒部材12の貫通穴12e内にコーティングを施しても、回転中に軸と接触することが多く、コーティングが摩耗するおそれがある。そのため、極めて良好な耐薬品性を必要とする場合、筒部材12自身を耐薬品性に優れた材質により形成する。このためには例えば筒部材12全体を超高分子量ポリエチレン等のポリオレフィンにより形成すれば良い。
【0030】
軸23は固定の容易さからネジ式であるのが好ましい。ネジ式の軸23を容器2の平坦な底部に取り付けるために、容器底部21に上方デント部22を設ける。上方デント部22は平坦部22aと雌ネジ部を有する突出部22bとからなる。軸23は、容器底部21の上方デント部22に下からワッシャ24及びパッキン25を介して着脱自在に螺合させることにより取り付けられる。軸23を、突出部22bを覆うことができるように内側が加工されたナット26を螺着させることにより補強してもよい。突出部22bに螺合できるようにネジ部23aは十分な長さを有し、軸23は容器底部21に対して正確に垂直に取り付けられる。また螺合の場合にはネジ部に反応液が進入するので、軸23が着脱自在であるのは洗浄の際に有効である。さらに反応中に反応液が外部に漏出するのを防止するために、パッキン25は液密性を保持する作用を有する。必要に応じ、螺合部を接着剤等によりシールしても良い。軸23については、機械的強度、及び耐酸性や耐アルカリ性等の耐薬品性の観点から、セラミックス、ステンレススチール等を用いるのが好ましい。
【0031】
図5は軸の別の例を示す。ネジ式の軸27は、プラス又はマイナス溝を有する頭部27bと、頭部27bに続く雄ネジ部27aと、テーパ状で丸みを帯びた先端を有する先端部27cとからなる。突出部22b上に軸27と密着させて耐摩耗性樹脂部材27d を取り付けると、筒部材12が突出部22b と接触した場合でも、筒部材12下部の摩耗を防ぐことができるとともに、パッキンとしても作用する。
【0032】
回転用永久磁石14, 14については、高い攪拌力を得るために高磁力の永久磁石を用いるのが好ましい。高磁力の永久磁石としては、高い検出感度を得るために高磁力の永久磁石を用いるのが好ましい。高磁力の永久磁石としては希土類磁石が好ましい。具体的には、Nd2Fe14B を基本組成とするNd-Fe-B 系磁石や、Sm(CoFeCuZr)7、Sm(CoFeCu)7 、SmPrCo5 、SmCo5 等のSm-Co 系磁石が挙げられる。中でも、Nd-Fe-B 系磁石が好ましい。回転用永久磁石14, 14は、フッ素樹脂等の耐薬品性樹脂、セラミック、ホウロウ又はガラスにより被覆するのが好ましい。特にNd-Fe-B 系磁石は耐酸化性及び耐酸性に劣るので、表面を完全に耐酸化性及び耐酸性に優れた樹脂により被覆するのが好ましい。回転用永久磁石14, 14は螺設以外に接着剤等により固定してもよい。なお攪拌用回転子119では一対の回転用永久磁石14, 14を備えているが、一般的に少なくとも一個の回転用永久磁石14を備えていれば十分な攪拌能力を有する。
【0033】
容器2については、反応に使用する反応液の組成に応じて材質を選択することができる。通常の有機溶剤溶液を使用する場合、容器2はステンレススチール製で良い。しかし優れた耐薬品性を必要とする場合には、セラミック、ホウロウ、ガラス又は樹脂のライニングを施す。
【0034】
攪拌用回転子119の水平部材11は回転中心からほぼ水平方向にのみ延在している。よって攪拌用回転子119を容器2に受承した攪拌装置は、図1に示すように柱状部材177が存在する回転中心軸近傍を除いて、上部に空間を保つことができる。従って、容器2内に内容物の状態を検出するための手段を設置するのが容易となる。例えば図6は、容器2内に水素イオン濃度測定用の電極144を設置した攪拌装置の例を示す。その他、電気抵抗測定用の一対の電極、窒素等の不活性ガスを導入するための管、内容物の一部を吸引するための管等を設置することができる。また攪拌用回転子119が柱状部材177を有することにより、容器2への回転子の出し入れが容易となる。
【0035】
図7は本発明の第1の攪拌用回転子の別の例を示す。なお攪拌用回転子119と同じ部材又は部分には同じ参照番号を付してある。図7に示すように攪拌用回転子120の水平部材11は薄く、反応液量が少ない場合に有用な構造を有する。また攪拌用回転子120の柱状部材177をフッ素樹脂からなるものとすることにより、柱状部材177を樹脂等により被覆する必要がない上、回転子を軽量化することができる。また必要に応じて、図8に示す攪拌用回転子121のように攪拌用部材159を取り付けてもよい。また必要に応じて、図9に示す攪拌用回転子1のように短い筒部材12を用い、柱状部材177を持たないものとしてもよい。さらに図10に示す攪拌用回転子122のように、水平部材11について側面を曲面状とすると、反応液中に固体状物質が析出した場合に、析出した固体状物質が水平部材11の回転中心近傍部側面に付着するのを防止することができる。
【0036】
図11は本発明の第2の攪拌用回転子の例を示し、図12は図11に示す攪拌用回転子101について垂直部材12'を中心に組み立てられる各部材の構成を示し、図13は垂直部材12'を軸23'に回転不能に取り付ける機構を示す。攪拌用回転子101は、(a) これを支持するための軸23'を挿入可能とするために下端が開口しており、軸23'に回転不能に取り付けられて垂直方向に延在する垂直部材12'と、(b) 垂直部材12'に回転自在に軸止めされて回転中心から水平方向に延在し、回転することにより撹拌作用を生じる水平部材11と、(c) 垂直部材12'の上方突出部に螺着されている柱状部材177と、(d) 回転磁場の作用によって水平部材11を回転させるために水平部材11の端部下部に螺設された一対の回転用永久磁石14, 14とを有する。
【0037】
攪拌用回転子101が有する垂直部材12'の基本的構造は、上記筒部材12と同じであるが、先端部内側に雌ネジ部12b'が設けられている点、雌ネジ部12b'に下端部が竹槍状の係止用ネジ156が螺合されている点が異なる。図12に示すように、容器の軸23'の先端部23c'を竹槍状に加工することにより、下端部が竹槍状の係止用ネジ156と係合し、垂直部材12'は回転不能に取り付けられる。なお攪拌用回転子101のように垂直部材12'が回転不能に取り付けられる場合は、垂直部材12'の頭部12c'の開口部12d'は必ずしもテーパ状である必要はなく、例えば貫通穴12e'の径と同じ径としてもよい。
【0038】
柱状部材177には雌ネジ部177aが設けられているので、雌ネジ部177aを垂直部材12'の雄ネジ部12a'に螺着することにより、攪拌用回転子101を回転不能とすることができる。
【0039】
水平部材11を垂直部材12'に回転自在に軸止めするために、ワッシャ123及びパッキン124を介する水平部材11の上面とナット176の下面との間に僅かな隙間が残るようにナット176の位置を調整する。柱状部材177に設けられた雌ネジ部177a及び垂直部材12'の雄ネジ部12a'の互いの長さを適宜調整すると、ナット176の位置を固定し易い。
【0040】
図14は垂直部材12'を軸23'に回転不能に取り付けるための別の構成例を示す。この例では軸23'の先端部23c'は角柱状に加工されており、垂直部材12'の先端部内側に軸23'の角柱状部23c'が係合する程度の係止用スリット156'が設けられているので、垂直部材12'を回転不能に取り付けることができる。
【0041】
垂直部材12'を軸23'に係止するための手段は、図示のものに限定されず、例えば軸23'の先端部23c'を半円柱状、楕円柱状等の形状に加工しておき、垂直部材12'の挿入孔12e'の上部を軸先端部23c'の加工形状と係合する形状に加工するか、軸先端部23c'の加工形状と係合する形状に加工された係止用ネジを垂直部材12'の雌ネジ部12b'に螺合する方法をとることができる。また軸先端部23c'に雄ネジ部を設け、垂直部材12'の雌ネジ部12b'を螺着できるようにしてもよい。
【0042】
本発明の攪拌装置を構成する各部材において、水平部材11、筒部材12(12')、回転用永久磁石14、軸23(23')、容器2、及びパッキンを除くその他の部材(ネジ類等)の材質は、耐薬品性等の観点から、特に断らない限りSUS304等の非磁性ステンレススチールが好ましい。
【0043】
[2] 反応装置
図15は本発明の攪拌装置を有する反応装置の一例を示す。反応装置は、筐体211 の中に配置された回転磁場装置200 と、攪拌装置210[攪拌用回転子201 、容器202 、温度制御装置204等を含む]を有する。反応装置はさらに反応に伴う熱量変動を測定する手段、反応中の水素イオン濃度又は水分含有量を測定する手段、反応液に窒素等の不活性ガスを導入するための手段、反応液の一部を吸引するための手段等を有することができる。以下本発明の各構成部品について、それぞれ添付図面を参照して説明する。
【0044】
(1) 筐体
筐体211 は攪拌装置210 を支持するとともに回転磁場装置等を保護する。筐体211 はいかなる形状でもよく、例えば円柱状、立方体状等とすることができる。図15に示すように、筐体211 の底部には、振動を吸収するために四隅にゴム足212 が設けられている。また回転磁場装置200 の内部部品をメンテナンスしやすいように、筐体211 は2つ以上のパーツからなり、ネジ等で固定されている。
【0045】
筐体211 に1本以上のシャフト213 等を取り付け、攪拌装置210 をパワークランプ等の部材214 でシャフト213 に固定することにより、攪拌装置210 と筐体211 とを一体的に固定し、振動による攪拌装置のずれを防ぐことができる。
【0046】
(2) 回転磁場装置
回転磁場装置200 は、図16に示すように筐体211 の底面に固定された水平支持体221 と、支持体221 のベアリング203 、222 によって回転自在に支持された回転軸205 と、回転軸205 の先端に固着されたプーリ206 と、プーリ206 の上面に回転軸に対してほぼ対称に固定されている2つ以上の永久磁石207 と、ベルト208 によってプーリ206 と連結したモータ209 とを有する。なお221bは支持体221 の中段フレームを示し、221cは支持体221 の下方フレームを示す。さらにモータ209 には電源装置、モータ制御装置209c等が接続されている。プーリ206 は、ベルト208 によりモータ209 の先端に固定されたプーリ209aと連結されている。永久磁石を固定したときにヨークとして作用し得るように、プーリ206 は軟磁性材料により形成するのが好ましい。
【0047】
プーリ206 の上面に回転対称に固定された永久磁石207 の数は偶数とするのが好ましく、また交互に反対の磁極が上方を向くように配置されている。永久磁石材料としては、KS磁石、NKS磁石、フェライト磁石、希土類磁石等が挙げられるが、高磁束密度の観点から希土類磁石が好ましく、特にNd-Fe-B 系希土類磁石が好ましい。永久磁石207 の磁束は、撹拌用回転子201 に固定された回転用永久磁石及びヨーク材からなる支持体に対して吸引力及び反発力を及ぼす。
【0048】
図16の例では、モータ209 は縦に設置され、支持体221 の上方フレーム221aに固定されている。モータ209 への供給電源、オン・オフスイッチ、電流方向を切り替えるスイッチ、スイッチのオン・オフを示す指示ランプ、及びモータの回転数を制御する装置等を適宜筐体211 内又は外面に配置することができる。
【0049】
ユーザ所望の速度で攪拌を行うために、モータ209 の回転速度を可変にするのが好ましい。モータ209 の回転数を変えるために、通常はモータへの供給電流又は電圧を変えることにより行う。そのためモータ制御装置209cは通常電流又は電圧可変電源装置と、回転数設定パネルと、回転軸205 の回転数を測定する回転数測定手段及び回転数制御部からなる。回転数制御部はユーザが回転数設定パネルで設定した回転数と、回転数測定手段で測定した回転数と常に比較し、一致しない場合には電源装置に電流又は電圧の増減を指示する。
【0050】
モータ209 の回転数は公知の方法で測定することができる。例えば、回転軸にマーカーを付けて、そのマーカーの反射光を光センサーでカウントする方法、回転軸に小型発電機を設けて交流電流を発生させ、その周波数をカウントする方法等が挙げられる。
【0051】
モータ制御装置209cにはさらに上記回転数測定手段で測定した回転数の値を表示装置に表示する手段を有することができる。また回転数の値をデジタル信号又はアナログ信号として反応装置外に出力する手段を有することができる。これらの出力手段により、反応条件としての回転数を手動又は自動的に記録することができる。
【0052】
(3) 攪拌装置
攪拌装置210 は図15に示すように、筐体211 の上面開口215 に挿入されており、上方がクランプ214 で固定されている。容器202 の上端にフランジ部202aが形成されており、蓋部材232 のフランジ部232aと接合する。
【0053】
図17に示すように蓋部材232 には外部装置との接続口233が複数設けられている。蓋部材232 に接続する外部装置として、逆流コンデンサー、温度センサー、真空機、雰囲気ガス注入用パイプ、反応物添加用滴下ロート、電極等が挙げられ、必要に応じて任意に取りつけることができる。図18に示すように接続口233はテーパ部233aと、テーパ部233aの上部に設けられた雌ネジ部233bとを有する。接続口233がテーパ部233aと雌ネジ部233bとを有することにより、図19に示すように逆流コンデンサー238等の接続部238aを受承することができるとともに、外部装置を取り付けない時に接続口233を塞ぐための蓋体234を螺合することができる。また図20に示すように有底のガラス製接続部材235及び235'を取り付けることにより、容器202 を密閉状態にしたまま、容器202 を電球236により照らしながら容器202の内部状態を観察することができる。接続口233の孔径は、接続する外部装置の接続部に応じて適宜設定することができる。蓋部材232は、外部装置の接続部との密着性、製造容易性、耐溶剤性等の観点からフッ素樹脂からなるのが好ましい。なお232bは温度測定用熱電対を挿入するための穴を示し、232cは止めネジ237を挿入するための穴を示す。
【0054】
攪拌装置210 の内部が減圧状態である場合、蓋部材232 が大気圧により容器202 のフランジ部202aに圧接され、容器202 が自然に密閉されるが、通常容器202 を密閉状態にするためには、止めネジ237を用いて蓋部材232のフランジ部232aと、容器210のフランジ部202a とを接合する。よって容器210のフランジ部202aにも止めネジ237を挿入するための穴を形成しておく。必要に応じて、パッキンを介して蓋部材232 のフランジ部232aと、容器210のフランジ部202a とを接合してもよい。パッキンはフッ素樹脂、シリコンゴム、ブチルゴム等耐熱、耐薬品性合成樹脂からなるのが好ましい。
【0055】
(4) 温度制御装置及び粘度検出手段
温度制御装置は反応液の温度が所望の値になるように攪拌装置210 に対して加熱及び/又は冷却を行う。図15に示すように、攪拌装置210 に素早く熱を伝達するために、上方に開口する中空部243aが形成されている熱伝導体243 が筐体上面に接して配置されている。図21に示すように、熱伝導体243 は上方の平板部243eと、くびれ部243fと、下方の長方体243gとを有する。上方の平板部243e及び下方の長方体243gには棒状電気ヒーター241 を差し込むための穴部243c及び243bが各角に一つずつ形成されている。中空部243aの開口が筐体上面の開口部215 の下部に位置し、攪拌装置210 は筐体開口部215 を通って、中空部243a内に嵌入される。熱伝導体243 はアルミニウム等の熱伝導速度の大きい金属材料からなり、よって攪拌装置210 内の熱をすばやく拡散させたり、伝導させたりできる。
【0056】
電気ヒーター241 は熱伝導体243の平板部243eに設けられた穴部243cを通して穴部243bに差し込まれ、温度制御部259 の指示により加熱を行う。冷却装置(図示せず)は熱伝導体243 の側面に接着剤等で固着する。温度制御部259 の指示により冷却装置のペルチェ素子に電気が印加され、熱伝導体243 の熱がペルチェ素子により運ばれる。
【0057】
各ペルチェ素子の表面にアルミニウム製フィンからなる放熱体260がそれぞれ固着されており、熱伝導体243 から運ばれた熱の放散を行う。また筐体211 の側面に設けられたファン245 により、外気は筐体側面に設けられた通気穴(図示せず)から入り、ファン245 を通って排出される。
【0058】
[3] 半自動合成装置
本発明の好ましい例による半自動合成装置は、図22に示すように、薬剤供給装置400(溶媒タンク411 、薬剤タンク412 、第一のライン401 、第二のライン402 、弁315 、ポンプ316 等を含む)、反応装置300[筐体311(図24参照)、反応容器302 、回転磁場装置部340 、回転数制御部344 、温度調節部350(図24,32,33参照)、圧力調節部360(図34参照)、攪拌用回転子301 、温度・圧力・攪拌回転数・回転トルク・粘度などの変数検出部等を含む]、及び制御装置(コンピュータ、作動制御ボックス、薬剤供給制御部、回転磁場制御部、温度制御部、圧力制御部等を含む)からなる。
【0059】
(1) 薬剤供給装置
薬剤供給装置400 は、少なくとも溶媒タンクと、各薬剤を貯留する複数の薬剤タンクと、反応容器と溶媒タンクとを連通する第一のラインと、複数の薬剤タンクをそれぞれ独立に第一のラインに連通する第二のラインと、第一のラインと第二のラインの各接続部又はその近傍に設けられた弁とを有しており、薬剤供給制御部により、第二のラインのいずれか1つが第一のラインと連通するように弁の開閉を制御している。
【0060】
図22に示す好ましい例では、薬剤供給装置400 は、溶媒タンク411 と、各薬剤を貯留する複数の薬剤タンク412 と、各触媒を貯留する複数の触媒タンク414 と、反応容器302 と溶媒タンク411 とを連通する第一のライン401 及び第三のライン403 と、各々の薬剤タンク412 をそれぞれ独立に第一のライン401 に連通する第二のライン402 と、各々の触媒タンク414 をそれぞれ独立に第三のライン403 に接続する第四のライン404 と、第一のライン401 と各々の第二のライン402 との接続部及び第三のライン403 と各々の第四のライン404 との接続部に設けられた三方弁315 と、第一のライン及び第三のラインの下流に設けられたポンプ316 、二方弁317 及び逆止弁318 からなる。
【0061】
第一のライン401 及び第二のライン402 は薬剤供給ラインであり、第三のライン403 及び第四のライン404 は触媒供給ラインである。ラインを流れる試料が、薬剤であるか触媒であるかの違いを除いては、第三のライン403 は第一のライン401 と、第四のライン404 は第二のライン402 と実質的に同じであるので、以下第三のライン及び第四のラインの説明を省略するが、第一のライン及び第二のラインに関する説明は、全て第三のライン及び第四のラインにもあてはまる。
【0062】
全ての薬剤タンクが第二のラインを介して、第一のラインに連通するため、反応容器に直接接続する薬剤供給ラインは、第一のラインに一本化される。薬剤供給ラインを一本化することにより、薬剤の種類に応じて配管数が増加するという問題を解決することができる。
【0063】
第一のライン401 と各々の第二のライン402 との接続部に設けられた三方弁315 は、溶媒流入弁371 、薬剤流入弁372 及び流出弁373 からなる。溶媒流入弁371 と薬剤流入弁372 は一方が開いているときは他方が閉じる関係にあり、開閉はスイッチにより切り替わる。流出弁373 は常に開いた状態にある。三方弁315 としては、三方電磁弁が好ましい。なお第二のライン402 のいずれか1つを第一のライン401 と連通させる手段が確保できる限り、三方弁315 の代わりに複数の弁を組み合わせて用いても良い。例えば、第一のライン401 と第二のライン402 の接続部の近傍に、第一のライン401 上の弁及び第二のライン402 上の弁を設け、2つの弁のいずれか一方が開いた状態になるよう開閉を制御すればよい。
【0064】
第一のライン401 上には、薬剤/溶媒を移送するためのポンプ316 が設けられている。ポンプ316 以外にも、流量制御可能な他の移送手段を特に限定なく用いることができる。例えば、溶媒と薬剤の液面の位置を反応容器302 より高くして、溶媒/薬剤を自然落下させるとともに、流量調節弁を設けて溶媒/薬剤の流量を調整する方法等が挙げられる。
【0065】
定常時には全ての三方弁315 の溶媒流入弁371 は開いており、第一のライン401 は溶媒で満たされた状態にある。薬剤供給時は、目的の薬剤タンク412 に連通する三方弁315 の薬剤流入弁372 が開き、薬剤タンク412 から第二のライン402 及び第一のライン401 を通じて、一種の薬剤が反応容器302 に移送される。
【0066】
例えば、薬剤C用の薬剤タンク412 から薬剤Cを供給する場合、薬剤A、B、D及びE用の薬剤タンク412 に連通する三方弁315 の薬剤流入弁372 は閉じたままで、薬剤C用の薬剤タンク412 に連通する三方弁の薬剤流入弁372 のみが開く。このため、薬剤Cのみが第一のライン401 中を通って反応容器302 に移送される。所定量の薬剤Cを供給した後、再び溶媒流入弁371 を開いて溶媒を流し、第一のライン内に残った薬剤Cを洗い流し、定常状態に復元する。洗浄に要する溶媒量は、第一のラインの内部のスペースを計算し、実質的に薬剤が残存しないために十分な量とする。以上の操作手順で、薬剤Cの供給が終了する。薬剤A、B、D及びE用の薬剤タンク412 からそれぞれ薬剤A、B、D及びEを供給する場合も、同様の操作手順に従う。
【0067】
上述のように一種類の薬剤を供給するごとに、第一のライン401 を洗浄して薬剤の混合を防ぐ必要があるので、洗浄分の溶媒量をあらかじめ計算し、反応に要する全溶媒量から洗浄分の溶媒を差し引いて、初期溶媒量を計算する。配管材料は、薬剤に侵されることなく、また配管内部の洗浄性を良好にする意味で、フッ素樹脂チューブ又はフッ素樹脂ライニングチューブを用いるのが好ましい。
【0068】
触媒を用いる反応の場合、触媒供給ラインと薬剤供給ラインとを分けるのが好ましい。複数の触媒を用いる場合、図22のように、触媒ラインとして、第三のライン403 及び第四のライン404 を設ける。
【0069】
薬剤供給制御部は、目的化合物の合成のための操作手順を記憶した薬剤供給プログラムに従い、三方弁315 の開閉とポンプ316 の流量を制御することにより、各薬剤及び触媒の供給量をコントロールする。反応容器内部の温度又は圧力が安全値を超えた場合、薬剤供給制御部は、ポンプ316 を停止することにより、温度、圧力が安全値に降下するまで、薬剤の供給を一旦ストップする。
【0070】
次に薬剤タンク412 を増減する場合について説明する。図23に示すように、薬剤A〜D用の薬剤タンク412 を有する装置に、新たに薬剤E用の薬剤タンク412 を追加する場合、薬剤E用タンク412 、第二のライン402 、三方弁315 、及び延長用の第1のライン401 を一セットとして追加する。不要な薬剤タンクを削除する場合は、薬剤タンク412 、第二のライン402 、三方弁315 、及び延長用の第1のライン401 を一セット取り除けばよい。
【0071】
各薬剤タンク412 に連通する第二のライン402 及び弁は、同形状のものを用いるのが好ましい。弁のデッドスペースを同じにし、弁の並びをシリーズにすることにより、薬剤タンク、第二のライン、三方弁及び延長用の第一のラインのセットを、追加・除去するだけで、薬剤タンク数を容易に増減することができるので、種々の反応に対応することができる。
【0072】
(2) 反応装置
この反応装置の基本構成は図15に示すものと同じであるので、重複する説明は省略する。
【0073】
(a) 筐体
筐体311 は、図24に示すように、反応容器302 を支持するとともに回転磁場装置340 等を保護する。図25に示すように、筐体311 をリフター323 上にネジで固定するとともに、リフターの下面に車輪325 を設け、リフター323 がレール324 上を水平方向に移動できるようにする。反応終了後、反応容器蓋部材332 の位置をクランプ336 で固定したまま、筐体311 をリフター323 で下方に移動した後、レール324 上を横方向に動かして反応容器302 を蓋部分332 から取り外す。なお335はシャフトを示す。
【0074】
振動を吸収するためにレール324 の支持板の下面四隅にゴム足322 が設けられている。また回転磁場装置340 等の内部部品をメンテナンスしやすいように、筐体311 は2つ以上のパーツからなり、ネジ等で固定されている。例えば図25に示すように、筐体311 は2つのコの字型部材321a、321bからなり、螺設されている。筐体に1本以上のシャフト等を取り付け、反応容器302 をパワークランプ等の部材でシャフトに固定することにより、反応容器302 と筐体311 とを一体的に固定し、振動による反応容器のずれを防いでもよい。
【0075】
(b) 反応容器
反応容器302 は、図24に示すように、筐体311 の上面開口部に挿入されている。反応容器302 の形状は特に限定されないが、円筒形又は丸底円筒形が特に好ましい。本発明では、反応液の温度制御を行うために、反応容器302 をステンレススチール、アルミニウム等の熱伝導速度の大きい金属材料で構成するのが好ましい。図27に詳記するように、反応容器302 の上面にフランジ部 302a が形成されており、パッキン331 を介して蓋部材332 のフランジ部332aと接合する。パッキン331はフッ素樹脂、シリコンゴム、ブチルゴム等耐熱、耐薬品性合成樹脂からなるのが好ましい。
【0076】
蓋部材332 は、逆流コンデンサー333a及び温度計333bの挿入口、雰囲気ガス流入ライン406a、真空ライン406b、薬剤ライン401 及び触媒ライン403 との接続口などの外部接続口を有し、温度計333bの挿入口を除く全ての外部接続口には、二方弁333a' 、317、362、363 が設けられており、また雰囲気ガス流入ライン、薬剤ライン及び触媒ラインには逆止弁367 、318 が設けられている。反応中、二方弁333a' 、317、362、363 を閉じることにより、加圧下での運転を可能とする。
【0077】
反応容器302 の内部が減圧状態である場合、蓋部材332 が大気圧により反応容器302 のフランジ部 302a に圧接され、反応容器302 が自然に密閉されるが、通常反応容器302 を密閉状態にするためには、図24に示すように、複数のパワークリップ334 又は一個のリング状のパワークランプを用いて、蓋部材332 と反応容器302 とを接合させる。
【0078】
攪拌中に蓋部材の裏面に付着する反応液を洗浄する手間を省くため、図26及び図27に示すように、蓋部材の外部接続口用の穴332bを除く裏面を、フッ素ゴム、シリコンゴム等の耐薬品性を有するシール337 で被覆するのが好ましい。シール337 は、反応終了後、取り外し洗浄して、再装着する方法で、多数回使用することができる。また図28及び図29に示すように、反応容器302 に挿入するタイプの蓋部材では、蓋部材の側面部332cの内側も耐薬品性シール337 で覆っておくのが好ましい。耐薬品性シールは、容易に着脱することができ、かつ反応中に脱落しないものを用いる。
【0079】
(c) 回転磁場装置
回転磁場装置340 として、モーターを用いて磁石を回転させるタイプ(モーター式回転磁場装置)と、円周上に配置した複数の電磁石の磁極を一方向に順次移動することにより回転磁場を作り出すタイプ(電磁石式回転磁場装置)が挙げられる。モーター式回転磁場装置は図16に示されているものと同じである。そこで、ここでは電磁石式回転磁場装置だけ説明する。
【0080】
図30及び図31に示すように、電磁石式回転磁場装置420 は、筐体311 の底面321 に固定された水平支持板422 と、水平支持板422 の円周上に等間隔に配置された8個のコイル421 からなり、各コイル421 は磁化方向が半径方向を向くように配置されている。各コイル421 は、電源装置を有する回転数制御部444 と接続しており、図31(a) 、(b) に示すように対峙するコイルの一方をN極、他方をS極とするようコイルに電流を流し、周期的にN極とS極の位置を45°ずつ移動させることにより、回転磁場を作り出す。図31では、N極及びS極をそれぞれ2箇所ずつ設けているが、N極及びS極がそれぞれ1箇所ずつであっても構わない。また図31ではコイルの数は8個であるが、4以上の偶数であればコイルの数は限定されない。
【0081】
所望の速度で攪拌を行うために、回転磁場の回転速度を可変にする。回転磁場制御部は通常電流又は電圧可変電源装置と、回転数設定部442 と、回転数検出部443 及び回転数制御部444 からなる。回転数検出部は攪拌用回転子301 に取り付けられた回転数検出用磁石等により、回転子301 の回転数を測定する。回転数制御部444 は回転数設定部442 で設定した回転数と、回転数検出部443 で測定した回転数とを比較し、一致しない場合には電源装置に増減の信号を送る。
【0082】
(d) 温度調節部
温度調節部は反応液の温度が所望の値になるように反応容器302 に対して加熱及び/又は冷却を行う。図24及びそのF-F断面図である図32に温度調節部の一例を示す。図32の例では、加熱手段は電気ヒーター351 からなり、冷却手段はペルチェ素子からなる冷却装置352 、放熱体354 、ファン345 からなる。図33に示すように温度調節部はさらに温度計333b、オン・オフスイッチ、加熱手段と冷却手段の選択スイッチ357 、及び温度設定手段358 を有しており、それらの動作を温度制御部359 によりコントロールする。なお353は熱伝導体を示し、353aは中空部を示し、353bは穴部を示し、326は前面を示し、356は背面を示す。
【0083】
図33は温度調節部のブロック図である。温度制御部359 は、反応容器302 内の温度計333bで測定した反応液の温度とユーザが設定した温度とを比較し、反応液の温度が設定温度より低く、かつ選択スイッチ357 が加熱又は自動制御に設定されている場合、電気ヒーター351 に加熱するよう指示する。一方、反応液の温度が設定温度より高く、かつ選択スイッチ357 が冷却又は自動制御に設定されている場合、冷却装置352 及びファン345 に作動するよう指示する。
【0084】
(e) 圧力調節部
圧力調節部360 は、雰囲気ガス供給ライン306aによる加圧手段と、真空ライン306bによる減圧手段とからなり、反応容器内部の圧力は、所定の設定範囲内に維持されるように圧力制御部によりコントロールされる。図34に示す圧力調節部360 では、圧力計361 が反応容器302 内部の圧力を検出し、圧力が所定値を超えると真空ラインの弁362 を開いて減圧する。圧力が所定値未満のときは、雰囲気ガス供給ラインの弁363 が開いて常圧付近に維持するよう自動調節する。なお369は圧力計を示す。
【0085】
雰囲気ガス供給ライン306aにおいては、調圧弁364 により雰囲気ガス供給圧力が調整され、ニードル弁365 により雰囲気ガス供給流量を微調し、流量計366 により雰囲気ガス流量が計測される。逆止弁367 により、雰囲気ガスの供給圧力が反応容器302 内部より低いとき、反応容器の反応液が雰囲気ガス供給ラインに逆流するのを防止する。なお368はバイパスラインの弁を示す。
【0086】
(f) 変数検出部
モータ式回転磁場装置を用いる場合、モータの回転数を測定することにより、回転数を検出できる。例えば、回転軸にマーカーを付けて、そのマーカーの反射光を光センサーでカウントする方法、回転軸に小型発電機を設けて交流電流を発生させ、その周波数をカウントする方法等が挙げられる。また電磁石式回転磁場装置を用いる場合、攪拌用回転子301 の回転数を測定することにより、回転数を検出する。例えば、攪拌用回転子301 が有する回転用永久磁石14の回転を反応容器外部の回転数検出部443 でカウントする方法等が挙げられる。
【0087】
(3) 制御装置
制御装置は、コンピュータ及び作動制御ボックスからなり、作動制御ボックスは、前述の薬剤供給制御部と、回転磁場制御部と、温度制御部359 と、圧力制御部とを有する。制御装置は、薬剤及び溶媒の供給量と、回転磁場の回転速度と、反応容器内の温度及び圧力とをコンピュータからの指示を通じてコントロールする。
【0088】
図35に、薬剤供給装置、反応装置及び制御装置の関係を示す。目的化合物の合成のため、ユーザーが入力した手順を、コンピュータから作動制御ボックスを通じて、薬剤供給装置及び反応装置へ伝達し、動作を制御する。また変数検出部から検出した回転数、粘度、熱量変動等のデータを、作動制御ボックスを通じて、コンピュータにフィードバックして、画面上で反応の状況を把握するとともに、データをコンピュータに記録する。
【0089】
(4) 半自動合成装置の操作方法
攪拌用回転子301 を反応容器302 に静かに入れ、反応容器302 と蓋部332 をパワークリップ334 で強固に固定し、容器内部を真空引きする。薬剤供給装置400 により、洗浄分の溶媒量を差し引いた初期溶媒を反応容器302 に流入させる。次いで回転磁場装置340 の磁場を回転させて、反応容器302 中の回転子301 を回転させ、雰囲気ガスによるバブリングを開始し、反応容器302 を昇温させる。目的の化合物合成のための薬剤供給プログラムに従い、制御装置は、三方弁315 の開閉及びポンプ316 の流量を指示しながら、薬剤、触媒を計量しながら投入する。反応中、反応容器302 内部の圧力及び温度が安全値を超えないよう、制御装置は圧力及び温度制御をおこなう。反応容器内部の温度又は圧力が、急激に上昇した場合、温度又は圧力が降下するまで、薬剤の供給を自動的にストップする。
【0090】
反応時間、反応液粘度等から反応終了を確認したら、雰囲気ガスによるバブリング及び攪拌を停止する。パワークリップ334 を外し、リフター、及びレールにより、筐体311 を移動して、反応容器を蓋部材から取り外し、反応容器内の反応生成物を回収する。
【0091】
本発明を上記具体例により説明したが、本発明はそれらに限定されず、本発明の技術的思想を逸脱しない限り、種々の変更を加えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】本発明の第1の攪拌用回転子を具備する攪拌装置を示す縦断面図である。
【図2】図1の攪拌用回転子の筒部材を中心とする各部材の構成を示す部分拡大分解図である。
【図3】図1の攪拌用回転子の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図1の攪拌用回転子の軸に取り付けられる各部材の構成を示す部分拡大断面図である。
【図5】本発明の別の例による攪拌装置における軸を示す要部断面図である。
【図6】図1の攪拌装置に水素イオン検出用電極を設けた一例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第1の攪拌用回転子の別の例を示す斜視図である。
【図8】本発明の第1の攪拌用回転子のさらに別の例を示す斜視図である。
【図9】本発明の第1の攪拌用回転子のさらに別の例を示す斜視図である。
【図10】本発明の第1の攪拌用回転子のさらに別の例を示す斜視図である。
【図11】本発明の第2の攪拌用回転子の一例を示す斜視図である。
【図12】図11の攪拌用回転子における軸と固定垂直部材との関係を示す要部断面図である。
【図13】図11の攪拌用回転子における軸と固定垂直部材との関係を示す要部断面図である。
【図14】本発明の別の例による軸と固定垂直部材との関係を示す要部断面図である。
【図15】本発明の攪拌装置を有する反応装置を示す部分断面図である。
【図16】回転トルク計を設けたモータ式回転磁場装置を例示する部分図である。
【図17】反応容器の蓋部材の一例を示す平面図である。
【図18】図17の蓋部材のH-H断面図である。
【図19】図17の蓋部材が蓋体及び逆流コンデンサーを備えた例を示す断面図である。
【図20】反応容器を密閉状態にしたまま内部状態を観察する例を示す断面図である。
【図21】本発明の半自動合成装置の温度制御装置の一例を示す斜視図である。
【図22】本発明の半自動合成装置の一例を示す概略図である。
【図23】薬剤供給装置への薬剤タンクの追加を示す概略図であり、(a) は薬剤タンク追加前を示し、(b) は薬剤タンク追加後を示す。
【図24】本発明の反応装置を示す部分縦断面図である。
【図25】本発明の半自動合成装置の筐体の一例を示す分解斜視図である。
【図26】反応容器の蓋部材の一例を示す底面図である。
【図27】反応容器の蓋部材の一例を示す部分縦断面図である。
【図28】反応容器の蓋部材の他の例を示す底面図である。
【図29】反応容器の蓋部材の他の例を示す部分縦断面図である。
【図30】電磁石式回転磁場装置の一例を示す正面図である。
【図31】電磁石式回転磁場装置のコイル配置の一例を示す平面図である。
【図32】図24のF-F断面図である。
【図33】温度調節部の一例を示すブロック図である。
【図34】圧力調節部の一例を示すブロック図である。
【図35】薬剤供給装置、反応装置及び制御装置の関係を示す概略図である。
【符号の説明】
【0093】
1,101, 119, 120, 121, 122, 201, 301・・・攪拌用回転子
11 ・・・支持体
11c・・・ネジ穴
12 ・・・筒部材
12a・・・雄ネジ部
12b・・・雌ネジ部
12c・・・頭部
12d・・・テーパ部
12e・・・貫通穴
12'・・・固定垂直部材
12a'・・・雄ネジ部
12b'・・・雌ネジ部
12c'・・・頭部
12d'・・・テーパ部
12e'・・・貫通穴
123・・・ワッシャ
124・・・パッキン
14・・・回転用永久磁石
144・・・電極
15a, 15b・・・ストッパー用ネジ
156・・・係止用ネジ
156'・・・係止用スリット
159・・・攪拌用部材
168・・・ボルト
176・・・ナット
177・・・柱状部材
177a・・・雌ネジ部
2, 202, 302 ・・・反応容器
21・・・底面
22・・・上方デント部
22a・・・平坦部
22b・・・突出部
23,23'・・・軸(固定軸)
23a,23a'・・・ネジ部
23b・・・頭部
23c,23c'・・・先端部
24・・・ワッシャ
25・・・パッキン
26・・・ナット
27・・・ネジ式の固定軸
27a・・・ネジ部
27b・・・頭部
27c・・・先端部
27d・・・耐摩耗性樹脂部材
200・・・回転磁場装置
221・・・水平支持体
221a・・・上方フレーム
221b・・・中段フレーム
221c・・・下方フレーム
202・・・容器
202a・・・フランジ部
203・・・ベアリング
204・・・温度制御装置
205・・・回転軸
206・・・プーリ
207・・・永久磁石
208・・・ベルト
209・・・モータ
209a・・・プーリ
209c・・・モータ制御装置
210・・・攪拌装置
211・・・筐体
212・・・ゴム足
213・・・シャフト
214・・・クランプ
215・・・筐体開口部
222・・・ベアリング
231・・・パッキン
232・・・蓋部材
232a・・・フランジ部
232b・・・熱電対挿入用穴
232c・・・止めネジ挿入用穴
233・・・接続口
234・・・蓋体
235,235'・・・ガラス製接続部材
236・・・電球
237・・・止めネジ
238・・・逆流コンデンサー
238a・・・逆流コンデンサーの接続部
241・・・電気ヒーター
243・・・熱伝導体
243a・・・中空部
243b, 243c・・・穴部
243d・・・凹部
243e・・・平板部
243f・・・くびれ部
243g・・・長方体
245・・・ファン
259・・・温度制御部
260・・・放熱体
300・・・反応装置
302a・・・フランジ部
306a・・・雰囲気ガス供給ライン
306b・・・真空ライン
311・・・筐体
315・・・三方弁
316・・・ポンプ
317・・・二方弁
318・・・逆止弁
321・・・底面
321a, 321b・・・コの字型部材
322・・・ゴム足
323・・・リフター
324・・・レール
325・・・車輪
326・・・前面
331・・・パッキン
332・・・蓋部材
332a・・・フランジ部
332b・・・外部接続口用穴
332c・・・側面部
333a・・・逆流コンデンサー
333a'・・・二方弁
333b・・・温度計
334・・・パワークリップ
335・・・シャフト
336・・・クランプ
337・・・シール
340・・回転磁場装置
344・・・回転数制御部
345・・・ファン
350・・・温度調節部
351・・・電気ヒーター
352・・・冷却装置
353・・・熱伝導体
353a・・・中空部
353b・・・穴部
354・・・放熱体
356・・・背面
357・・・選択スイッチ
358・・・温度設定手段
359・・・温度制御部
360・・・圧力調節部
361・・・圧力計
362・・・二方弁
363・・・二方弁
364・・・調圧弁
365・・・ニードル弁
366・・・流量計
367・・・逆止弁
368・・・二方弁
369・・・圧力計
371・・・溶媒流入弁
372・・・薬剤流入弁
373・・・流出弁
400・・・薬剤供給装置
401・・・第一のライン
402・・・第二のライン
403・・・第三のライン
404・・・第四のライン
406a・・・雰囲気ガス流入ライン
406b・・・真空ライン
411・・・溶媒タンク
412・・・薬剤タンク
414・・・触媒タンク
420・・・電磁石式回転磁場装置
421・・・コイル
422・・・水平支持板
442・・・回転数設定部
443・・・回転数検出部
444・・・回転数制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転磁場の作用により回転する攪拌用回転子において、
(a) 回転中心から水平方向に延在して撹拌作用を有する水平部材と、
(b) 前記回転子を支持するための軸を挿入するために下端が開口しており、前記水平部材のほぼ回転中心に下方から取り付けられている筒部材
とを有することを特徴とする攪拌用回転子。
【請求項2】
回転磁場の作用により回転する攪拌用回転子において、
(a) 回転中心軸に沿って垂直方向に延在し、前記回転子を支持するための軸に回転不能に取り付けられる垂直部材と、
(b) 前記垂直部材に回転自在に軸止めされて回転中心から水平方向に延在し、回転することにより撹拌作用を生じる水平部材とを有することを特徴とする攪拌用回転子。
【請求項3】
請求項1に記載の攪拌用回転子を備えた反応装置であって、(a) 底部中心から垂直に突出する軸を有する容器と、(b) 前記軸に支持された前記攪拌用回転子と、(c) 前記回転子を磁力の作用により回転させる回転磁場装置とを具備し、前記攪拌用回転子の筒部材が前記軸の上端部に当接するストッパーを有し、前記容器内には内容物の状態を検出するための手段が設置されていることを特徴とする反応装置。
【請求項4】
請求項2に記載の攪拌用回転子を備えた反応装置であって、(a) 底部中心から垂直に突出する軸を有する容器と、(b) 前記容器の下部に設けられた前記攪拌用回転子と、(c) 前記回転子を磁力の作用により回転させる回転磁場装置とを具備し、前記攪拌用回転子の垂直部材が前記軸を挿入するために下端を開口とする孔が設けられた筒状構造を有するとともに前記軸に係止又は螺着するための手段を有し、前記軸の先端部が前記攪拌用回転子の垂直部材に設けられた係止手段又は螺着手段と係合又は螺合する形状に加工されており、前記反応容器内には内容物の状態を検出するための手段が設置されていることを特徴とする反応装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2007−21497(P2007−21497A)
【公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−275418(P2006−275418)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【分割の表示】特願2002−300824(P2002−300824)の分割
【原出願日】平成14年10月15日(2002.10.15)
【出願人】(592187833)ユニケミカル株式会社 (23)
【Fターム(参考)】