支持本体、同支持本体用の保持装置、ウェブを処理するための同本体を持つ装置、同装置で延在ニップを形成する方法及びニップでの負荷を制御する方法
延在ニップ(N)を持つ装置用の支持本体(7)であって、ニップは支持本体(7)の接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、支持本体は弾性変形可能であり、その接触表面は対向する表面に対してこの表面との相互作用にて適合可能であり、一つの圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ又は各圧力チャンバの夫々は、前記接触表面を介してニップ(N)に負荷を加えるため、加圧されるように構成されている、支持本体(7)である。本発明によれば、支持本体(7)には、前記接触表面に面する側を除き一つ又はそれ以上の圧力チャンバ用のカウンタ支持体を形成する保持装置(8)が設けられている。本発明は更に、このような支持本体用の保持装置、及び繊維ウェブを処理するための例えばプレス等の装置に関する。前記装置は、このような支持本体を有する。本発明は更に、支持本体の少なくとも一つの圧力チャンバに圧力を加え、支持本体の弾性変形可能な側部分を膨張することにより前記装置で延在ニップを形成する方法に関し、更に、前記支持本体を幾つかの圧力チャンバを持ち且つこれらの圧力チャンバを所定のパターンに従って設定するように設計することにより延在ニップに加わる負荷を制御する方法に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、延在ニップを持つ装置用の支持本体であって、ニップは支持本体の接触表面及び対向する表面によって画成され、支持本体は弾性変形可能であり、その接触表面は対向する表面に対してこの表面との相互作用にて適合可能であり、一つの圧力チャンバ又は幾つかの圧力チャンバを含み、圧力チャンバ又は各圧力チャンバの夫々は、ニップに接触表面を介して負荷を加えるため、加圧下に置かれるように構成されている、支持本体に関する。
【0002】
本発明は、更に、このような支持本体用の保持装置に関する。
【0003】
本発明は、更に、第1構造エレメント及び移動自在に構成されており且つ延在ニップを形成するときに第1構造エレメントと相互作用するための対向する表面を持つ第2構造エレメントを含み、第1構造エレメントは移動自在の布及び対向する表面とともにニップを画成する接触表面/プレス表面を持つ弾性変形可能な支持本体/プレス本体を含み、この支持本体/プレス本体の接触表面/プレス表面は、対向する表面に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ又は幾つかの圧力チャンバを含み、圧力チャンバ又は各圧力チャンバの夫々は、接触表面/プレス表面を介してニップに負荷を加えるため、圧力が加わった状態に置かれように構成されている、抄紙機又は板紙抄紙機で製造される繊維ウェブを処理するための装置/プレスに関する。
【0004】
本発明は、更に、装置で延在ニップを形成する方法であって、接触表面を持つ支持本体を含み、ニップは接触表面及び対向する表面によって画成され、支持本体は弾性変形可能であり、その接触表面は対向する表面に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ又は幾つかの圧力チャンバを含み、圧力チャンバ又は各圧力チャンバは、夫々、接触表面を介してニップに負荷を加えるため、圧力が加わった状態に置かれるように構成されている、方法に関する。
【0005】
本発明は、更に、接触表面を持つ支持本体を含む装置の延在ニップでの負荷を制御する方法であって、ニップは接触表面及び対向する表面によって画成され、複数の圧力チャンバを持つ支持本体は弾性変形し、支持本体の接触表面は、対向する表面との相互作用で対向する表面に適合でき、ニップには、圧力チャンバを加圧することによって接触表面を介して負荷が加えられる、方法に関する。
【背景技術】
【0006】
延長プレスニップを持つ従来既知のプレスは、アルミニウムや鋼等の金属材料でできたいわゆるプレスシューを有する。このプレスシューは、通常は凹状のプレス表面を持つように設計されている。プレス表面は対向するカウンタ圧力表面と非常に正確に適合する。このようなプレスシューは、製造が非常に複雑であり、及び従って、非常に費用がかかる。金属で形成されているため、比較的剛性であり且つ非可撓性である。このようなプレスシューのカウンタロールとして作用するプレスロールは、シリンダ壁が比較的厚く、プレスシューからの力に耐える。カウンタロールの別の例によれば、比較的薄いシリンダ壁を有し、この薄く及びかくして変形可能なシリンダ壁又はシェルを、所望の負荷を得るためにプレスシューがカウンタロールに加えなければならない力に応じて調節自在にクラウニング(crowing)するためのカウンタ圧力システムを内部に備えている。更に、プレスシューが、カウンタロールのクラウンに従ったクラウンを備えているのがよく、その場合、このカウンタロールとの組み合わせのみで使用できる。別の態様では、液圧シリンダによって金属製プレスシューを傾けることができる。
【0007】
ヤンキーシリンダは、比較的薄いシリンダ壁又はシェルを有し、ヤンキーシリンダをカウンタロールとして使用した場合、プレスシューの窪みにより容易に変形する。シェルの変形は、軸線方向で、中央領域から端壁に向かう方向で変化する。端壁では、窪みは中央領域内よりもかなり小さい。従って、プレスシューは、端壁で又はその近くで増大された圧力で作用し、その結果、プレスフェルトの縁部の磨耗が増大し、プレスシューに沿った負荷プロファイルが不規則になり、紙の性質が機械方向に対して横方向で変化する場合がある。内部カウンタ圧力システムによってヤンキーシリンダのシェルにクラウンを施すこと、又はプレスシューに作用を及ぼし、変形した表面と形態を一致するため、プレスシューの下側に二列又はそれ以上の液圧シリンダを配置することが提案されてきた。これらは両方とも、負荷プロファイルを更に均等にするためである。しかしながら、これらの提案は、両方とも複雑であり、実施するのに費用がかかる。
【0008】
以下の文献は、延長プレスニップを持つプレスの例である。
【0009】
ドイツ国特許第DE 44 05 587号及びWO 02/44467には、プレスシュー3又は同じ設計のダブルプレスシュー3a、3bを含む液圧式支承体を持つプレスが記載されている。プレスベルト6がプレスシュー3の潤滑流体床の上で非常に小さい摩擦で転動する。金属製のプレスシューは、好ましくは水である液圧流体が入った圧力チャンバ10を有する。適当な固体材料、好ましくはステンレス鋼製の矩形の圧力等化膜20がプレスシューのプレスニップ側に固定されている。圧力等化膜20は、外縁部26、内縁部22、及び内縁部22が画成する開口部27を有する。かくしてフレームのように見える圧力等化膜20は可撓性であり、そのため、その二つの側部の間で圧力差が発生したとき、液圧流体と直接接触した状態を保持した縁部ゾーン21が撓むことができる。これらの圧力差は、紙ウェブ及び/又はカウンタロールの包絡面の凹凸により液圧流体がプレスニップを通って漏出したときに発生する。かくして、可撓性圧力等化膜20は、液漏れがないか或いはほんの僅かな自動調節ニップ2を形成する。かくして、圧力チャンバ10内の圧力流体は、圧力等化膜20の開口部27を通って移動自在のベルトと直接接触した状態を保持する。前記WO刊行物を前記DE刊行物と比較して行われた補足的追加は、ベルトの潤滑を行うために圧力チャンバ10からベルト6に液圧流体を導くため、可撓性膜の自由縁部ゾーン21に「ピンホール25」を設けることである。
【0010】
米国特許第5,980,693号には、チューブ状の少なくとも一つの膨張可能な負荷エレメントを持つが、負荷エレメントとベルトの内側との間に金属シューがないプレスが記載されている。更に、シューのこの部分は、ニップ出口の圧力をゆっくりと減少するために構成されている。通常は、圧力がいきなり低下するのが望ましい。
【0011】
米国特許第3,839,147号には、二つの対向するシューを持つシュープレスが記載されている。各シューは、ベルトの内側に対してシールする金属製底部及び下台を有する。ベルトに面するシューの側部は有孔膜であり、これにより圧力チャンバ内の液圧流体の圧力でベルトの内側を直接押圧する。シューは、比較的複雑な構造であり、様々な孔及び強化体を含む。
【0012】
米国特許第5,951,824号には、通常の液圧負荷エレメントを持つ通常のシューが記載されている。シューは、プレスニップを通過する紙の塊(paper wads)がシューやベルトを損傷しないようにするため、ポリマー又はゴムでできた柔らかく且つ丈夫な層でコーティングしてある。
【0013】
欧州特許第EP 0 575 353号には、金属製カバーの内側にベローズが配置され、ベルトが前記金属製カバーの周囲を摺動するシューを持つプレスが記載されている。
【0014】
米国特許第6,334,933号には、金属プレート及びホースによってシールされた複数の圧力ポケットが設けられた金属製カウンタパートを持つプレスが記載されている。このプレスもまた、プレスニップの対向する部分に負荷を加えるのに役立つ。
【0015】
米国特許第6,387,216号には、上側をベルトが走行し、プレスニップに負荷を加える開放流体チャンバを持つプレスが記載されている。チャンバは、ベルトに圧力を加えることによってシールされ、そのため、チャンバの縁部上に締め付けられる。
【0016】
欧州特許第EP 1 319 744号には、プレスニップの計測穴の上方の基準点での液圧静圧を計測し、連続的に適合することによって、プレスシューのニップ圧力をウェブに対して横方向に及びウェブに沿って計測し、調節するための方法が記載されている。
【0017】
ドイツ国特許第DE30 30 233号には、金属製スタンドに取り付けられた弾性スライドシューが記載されている。スライドシューは、スライド本体、即ち圧力媒体で充填できるホースの形態の中空本体を含む。ホースは、金属製スタンドに取り付けられた弾性ベルトによって取り囲まれている。中空本体は、様々な圧力に加圧できるチャンバに分割できる。しかしながら、一つ又はそれ以上のチャンバ内の圧力が変化してもニップでの負荷を変化させることはない。これは、中空本体がこのような圧力上昇の度毎に横方向に膨張できるためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、既知の支持本体に関して、特別な機械加工や、作用を及ぼす対向表面の形状に対する主要な配慮なしに更に簡単に製造でき、一つ又はそれ以上の圧力チャンバ内の圧力に応じて、走行するベルトによって閉鎖される一つ又はそれ以上の圧力ポケット列を持つ従来の金属製支持本体で可能であるのと同様に、又はそれよりも良好な方法で所定の負荷プロファイルを提供できる、弾性支持本体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による支持本体は、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々の前記接触表面に面する側を除き、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々用のカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置が設けられていることを特徴とする。
【0020】
本発明による保持装置は、支持本体の全ての表面について、周方向に見て、そのカウンタ表面を除き、外カウンタ支持体を形成するため、支持本体を受け入れるための空間を有し、前記接触表面に面する側を除いて一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々用の内カウンタ支持体を形成するため、支持本体全体又はその一部が埋設されることを特徴とする。
【0021】
本発明による装置は、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々の前記接触表面に面する側を除き、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々用のカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置が支持本体に設けられており、これによって前記装置及びニップ形成作動位置にある支持本体の作動時に、前記支持本体は、前記一つの圧力チャンバ又は前記幾つかの圧力チャンバのうちの少なくとも一つの圧力の変化によりニップ内の圧力を付随して変化する圧力曲線に従って対応して変化するように構成されていることを特徴とする。
【0022】
本発明によるプレスは、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々に対し、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々の前記プレス表面に面する側を除き、カウンタ支持体を形成するように構成された保持装置がプレス本体に設けられており、これによって前記プレス及びニップ形成作動位置にあるプレス本体の作動時に、プレス本体は、前記一つの圧力チャンバ又は前記幾つかの圧力チャンバのうちの少なくとも一つの圧力の変化によりニップ内の圧力を付随して変化する圧力曲線に従って対応して変化するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
延在ニップを形成する本発明による方法は、
− 支持本体の上部分及び側部分用のカウンタ支持体を形成する保持装置に支持本体を取り付ける工程、
− 前記一つの圧力チャンバ又は前記幾つかの圧力チャンバのうちの少なくとも一つに増大された圧力を加える工程、及び
− 弾性変形可能であり且つ前記上部分に連結された支持本体の前記側部分の膨張によって、前記接触表面を構成する支持本体の上部分を、前記増大された圧力の作用で、対向する表面に向かう方向で移動する工程を含む、ことを特徴とする。
【0024】
延在ニップの負荷を制御する本発明による方法は、
− 支持本体の下部分及び側部分用のカウンタ支持体を形成する保持装置に支持本体を取り付ける工程、及び
− 圧力チャンバ内の圧力を所定のパターンに従って設定し、所望の圧力曲線を得る工程を含む、ことを特徴とする。
【0025】
「ニップ」という表現は、ワイヤ及び支持本体が画成するニップを含むように、その最も広い意味で解釈されるべきである。
【0026】
下文において、本発明を添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を繊維ウェブを脱水するためのプレスと関連して説明する。当然のことながら、本発明は、プレスセクションの他に、繊維ウェブを処理するための任意の適当な装置、例えば抄紙機又は板紙抄紙機の乾燥セクション又は形成セクションの装置、及び繊維ウェブの表面処理を行うためのカレンダーの装置に適用できる。
【0028】
図1及び図2は、形成された湿潤状態の繊維ウェブから水を絞り出すために抄紙機又は板紙抄紙機のプレスセクションに配置されたプレスの部分を概略に示す。有利には、本発明は、ティッシュ抄紙機型の抄紙機で使用できる。プレスは、第1プレスエレメント1及び第2プレスエレメント2を含む。これらのプレスエレメント1、2は、延長プレスニップNを形成するため、互いに相互作用する。
【0029】
第2プレスエレメント2は、プレスニップNで作用するカウンタ圧力部材を含み、この部材は、移動自在の無端表面3を有する。この無端表面は、湾曲していてもよいし直線状であってもよい対向表面即ちカウンタ圧力表面4をプレスニップN内に形成する。プレスの図示の実施形態では、第2プレスエレメント2は、プレスロールの形態のカウンタロールを含む。このカウンタロールは、更に、従来の乾燥セクションの乾燥シリンダ即ちヤンキーシリンダとして設計されたティッシュ抄紙機の乾燥シリンダであってもよい。この場合、カウンタ圧力部材は、カウンタロール2の円筒壁5を含み、その包絡面が前記移動自在の無端表面3を形成する。これは、延長プレスニップN内で前記カウンタ圧力表面4を形成する。これは、室温であってもよいし加熱によって温度を上げてもよい。シリンダ壁5が厚く且つ十分に安定している場合には、カウンタ圧力部材を構成する。シリンダ壁5が薄く変形可能である場合には、カウンタ圧力部材は、必要なカウンタ力を提供する内部支持システム(図示せず)を更に含む。
【0030】
第1プレスエレメント1は、可撓性材料でできた移動自在の無端ベルト6、プレス本体の形態の支持本体7、プレス本体7を取り付けるための保持装置8、この保持装置8を取り付けるための支持本体、プレス本体7を作動するための負荷手段を含む。移動自在のベルト6は閉ループを描き、その内側にプレス本体7及び支持本体が配置される。移動自在のベルト6は、延長プレスニップNを通過するときに脱水されるべき湿潤状態の繊維ウェブWを搬送するプレスフェルト9とプレスニップNの前で出会うように配置されている。負荷手段は、プレス本体7がベルト6、プレスフェルト9、及びウェブWを介してカウンタロール2に及ぼす圧力を得るため、プレスの作動中にプレス本体7に影響を及ぼすために、作動されるように配置されている。プレス本体7は、機械方向で見たときの延長プレスニップNの長さを決定するように構成されている。プレス本体7は、プレスの作動中に回転ベルト6が摺動接触する自由摺動表面10を有する。これによって、摺動表面10は、接触表面即ちプレス表面13の全体又は一部を形成する。これは、前記カウンタ圧力表面4ともにプレスニップNを画成する。回転ベルト6とプレス本体7との間の摩擦を減少する薄膜を形成するためにベルトの内側に潤滑剤を供給するため、スプレー装置11がプレス本体7の上流に取り付けられている。
【0031】
プレスの図示の実施形態では、第1プレスエレメント1はプレスロールを含み、そのシェルが移動自在のベルト6を形成する。このベルトは、かくして、実質的に円形のループを描く。プレスの変形例(図示せず)では、可撓性の移動自在のベルトが非円形ループをなして、例えば実質的に楕円形のループをなして、又は実質的に三角形のループをなして、プレス本体及び一つ又は幾つかのガイドロールの周囲を走行するように構成されている。図示の実施形態では、プレスロール1は二つの円形の回転自在に取り付けられた端壁(図示せず)を有し、これによって、シェル6は、これらの壁とともに回転するため、端壁の周囲にしっかりと取り付けられている。シェル6及び端壁は閉鎖空間を画成し、この空間に支持本体が配置される。この支持本体は、端壁間をこれらと接触せずに軸線方向に延びる定置の支持ビーム12を含む。プレス本体7及びその保持装置8もまた、端壁間をこれらと接触せずに軸線方向に延びる。別の態様では、第2プレスエレメントは、上文中に説明した第1プレスエレメント1と同じ又は実質的に同じ設計であってもよい。これによって、プレスニップは、かくして、本発明による二つのプレス本体によって形成される。
【0032】
プレス本体7は弾性変形可能であり、そのプレス表面13をカウンタ圧力表面4にこの表面との相互作用にて適合できる。この適合は、前記負荷手段が生成し、プレス本体7にカウンタ圧力表面4に向かう方向で作用する負荷の作用で行われ、これによってプレスニップN全体に負荷を加える。プレス本体7が弾性変形可能であるということの定義は、必ずしもプレス本体全体が弾性材料で形成されているということを意味するものではなく、本発明では広い意味で理解されるべきであり、即ちプレス本体は、弾性材料でできた少なくとも一つの機能部分を持つと理解されるべきであり、これにより定義が満たされる。実際上の及び生産技術的理由により、及び最も好ましい実施形態によれば、プレス本体はその全体が一つ(又は幾つかの)の弾性材料で形成されている。
【0033】
本発明によれば、プレス本体7は一つ又は幾つかの閉鎖圧力チャンバを含む。これらの圧力チャンバは前記負荷手段の部分である。図5によれば、プレス本体7は単一の大きな圧力チャンバ14を含み、このチャンバは、プレス表面13の対向プレスゾーン15を画成する。プレス本体7及びその保持装置8は、図1によるプレスの部分であり、図3及び図4に更に詳細に示してあるが、これらの二つの構造エレメントは、図6及び図7及び図5に夫々別々に示してある。図5で明らかなように、保持装置8は細長いビーム形状ホルダ22を含む。このホルダは、形態が安定しており、二つの側支持部分17、18及びこれらの側支持部分を連結する下支持部分19によって画成されたU形状又は矩形の断面を持つ軸線方向貫通チャンネル16が設けられている。ホルダ22を図2に示すように支持ビーム12にボルト21で取り外し自在に固定するため、両取り付けフランジ20が側支持部分17、18に形成されている。保持装置は、ホルダ22の平行な両端面に取り外し自在に取り付けるための二つの端プレート23並びに側支持部分17、18の頂部に取り外し自在に取り付ける二つのクランププレート24を含むということが図3から明らかである。図3及び図4から明らかなように、プレスニップNの入口に配置されるようになった側支持部分17には、プレス本体7を露呈するため、クランププレート24間を延びる凹所25が設けられている。一方の端部プレート23の中央には、好ましくは液圧オイルである気体又は液体形態の圧力媒体用の入口を形成する連結部材26が位置決めされている。他方の端部プレート23には、液圧オイルを使用した場合に圧力チャンバ14を脱気するための出口を形成する同様の連結部材27が設けられている。
【0034】
図6及び図7は、ホルダ22のチャンネル16に取り付けられるようになったプレス本体7を示す。このプレス本体は、対向する横面間に遊びが生じないように、及びプレス本体7の下面がチャンネル16の下面に載止するように、チャンネル16の断面と適合する断面を有する。この実施形態では、プレス本体7には通孔が設けられている。この通孔は、全体に矩形断面の圧力チャンバ14を形成するため、両端がシールされるようになっている。この圧力チャンバ14は、プレス本体7の二つの平行な側壁28、20、下壁30、及び上壁31によって画成される。図6及び図7に示す実施形態では、二つの側壁28、29は同じ厚さを有する。上壁31は前記自由摺動表面10を形成する。この自由摺動表面がカウンタロール2に面する。これにより、作動中、回転ベルト6が摺動接触する。断面図では、摺動表面10は、所定半径の初期湾曲表面部分32を形成するため、所定の円弧形状を持つように設計されている。表面部分33は湾曲表面部分32に対して接線をなし、尖った隅部34まで上方に延びている。摺動表面10は隅部のところに側壁29の外側を形成し、機械方向で固定される。湾曲した表面部分32の目的は、ベルト6と摺動表面10との間で薄膜を形成するときにベルト6の内側に潤滑剤を付けることができるようにするため、回転ベルト6と湾曲表面部分32との間に楔形を形成することである。上述の隅部34はプレスニップNの出口を形成し、湾曲表面部分32のところのプレスニップNの入口は、圧力チャンバ14内の圧力に応じて浮動する。プレス本体7の端部分35には摺動表面10が設けられていない。これは、上壁31をここで狭幅にし、即ち凹所を形成し、均等にすることによって行われる。端部分35により、図2及び図3から明らかなように、ホルダ22に前記クランププレート24で簡単に取り外し自在に取り付けることができる。従って、このアッセンブリでは、二つの連結部材26、27が圧力チャンバ14内に延びている。端プレート23及び連結部材26、27に対して圧力チャンバ内部をシールするため、圧力チャンバ14の端部分35にカップ状シール(図示せず)が配置してある。図1乃至図7による図示の実施形態では、負荷手段は、前記圧力チャンバ14、及び配管37及び前記連結部材26を介して圧力チャンバ14に連結された圧力媒体源36を含む。圧力チャンバ14内の圧力は、適当な制御装置38によって調節される。
【0035】
上述のように、プレス本体7は弾性変形可能である。これは、圧力チャンバ14内の増大する圧力の作用で膨張し、上壁31をそのプレス表面13とともにカウンタロールのカウンタ圧力表面4に向かう方向で押圧できるようにするためである。図6及び図7から明らかなように、プレス本体7は弾性材料で一部品に形成されている。プレス本体7は、開始位置では、そのプレス表面13が、対向するカウンタ圧力表面4と接触しない所定のところに配置される。プレスを作動させると、圧力チャンバ14内の圧力が上昇し、ニップ形成作動位置をとる。圧力上昇により、プレス本体7を、保持装置8に関し、カウンタロール2のカウンタ圧力表面4に向かう方向で弾性的に膨張する。これは、側壁28、29が、カウンタロール2のカウンタ圧力表面4から反力が発生するまで、弾性的に自由に延びる即ち膨張するためである。反力は、先ず最初にプレスニップの出口のところ、即ち側壁28のちょうど反対のところに現れ、次いで、プレスニップの入口に向かう方向で連続的に伝播する。プレスニップの入口の位置は、所望の負荷に対して予め設定された最大圧力値で決まる。従って、プレス本体7の前記弾性膨張中、上壁31、及びこの上壁31に当接した回転ベルト6がカウンタロール2に向かう方向で押圧され、上壁31は、カウンタ圧力表面4の形状に応じて機械方向MD及び機械方向に対して横方向CDの両方向で弾性変形する、即ちプレス表面13の形態がカウンタ圧力表面4の輪郭と一致し、即ち適合し、プレスニップを画成する摺動表面10即ちプレス表面13の部分の形態がカウンタロール2の対向するカウンタ圧力表面4に従って変化する。プレス表面は、この場合、前記プレスゾーン15と対応する。別の態様では、プレス本体7は、そのプレス表面13が対応するカウンタ圧力表面4から無接触距離にある第1開始位置に取り付けられる。プレス本体7及び保持装置8は、適当な移動伝達装置によって、第1開始位置から、プレス本体7のプレス表面13が対向するカウンタ圧力表面4と接触した又はほぼ接触した第2開始位置まで一緒に移動する。次いで、ニップ形成作動位置をとるため、圧力チャンバ内の圧力を所望の圧力曲線に従って増大させる。
【0036】
図1乃至図7による実施形態で使用したプレス本体7は、図8に示す負荷プロファイル又は圧力曲線を示す。
【0037】
更に、図9による実施形態では、プレス本体7は一部品で形成されているが、上流側壁28が下流側壁29よりも僅かに厚い。これによって、圧力を圧力チャンバ14に加えたときの弾性膨張に対する抵抗は厚い方の側壁28が薄い方の側壁29よりも大きい。これは、プレスニップNの初期部分に作用する圧力が、プレスニップの最終部分よりも小さくなり、そのため負荷プロファイル又は圧力曲線が、図10に示すように比較的平らな経路を辿るということを意味する。この効果は、下流側壁の方が上流側側壁よりも弾性であり且つ伸長性が高いように側壁を厚さが等しいが弾性率が異なる材料で形成することによっても得ることができる。
【0038】
図11は、両端がシールされた円形断面を持つ弾性ホース形態のプレス本体7を示す。内部空間が圧力チャンバ60を形成する。保持装置8のチャンネル16は、対応する又は実質的に対応する円形形状を有し、そのため、円形のチャンネル壁は、圧力を加えて膨張させたときにホースに対してカウンタ支持体を形成し、上自由部分即ち上壁31が上方に開放したチャンネル16を通って押し出され、本発明の原理に従って支持体を形成する。
【0039】
図12は、図7に示したものと同様であるが、弾性変形可能な二つの長さ方向垂直隔壁39が設けられたプレス本体7を示す。これらの隔壁は、従って、側壁28、29と平行であり、三つの小さな圧力チャンバ40を画成する。これらの圧力チャンバは、ニップ内の負荷を調節するため、これらのチャンバを互いに独立した異なる圧力P1、P2、及びP3に置くことができるように、圧力媒体源36に連結されている。例えば、圧力関係は、P1<P2<P3であるように選択でき、この場合、この例によるプレス本体7は、図13に示すような段階的負荷プロファイル又は圧力曲線を示す。各圧力チャンバ40は、プレス表面13の対向プレスゾーン41を画成する。
【0040】
図14は、図12に示したものと同様であるが、二つの圧力チャンバ62を画成する弾性変形可能な長さ方向垂直隔壁61が設けられたプレス本体7を示す。圧力チャンバは、ニップ内の負荷を調節するため、互いに独立した異なる圧力に置くため、圧力媒体源36に連結されている。隔壁61は、二つの圧力チャンバ間に大きな圧力差がある場合でも隔壁が撓まないようにするために、比較的厚い。
【0041】
図15は、図14に示したものと同様であるが、下壁30からこの下壁を通って上方に隔壁全体に亘って延び、これによって隔壁を二つの小さな壁部分に分割する下方に開放した溝63が設けられたプレス本体7を示す。保持装置8は、チャンネル16の底部から上方に延びる、溝63と対応する矩形断面の強化壁65を持つように設計されている。強化壁65は、例えば形状が永久的な保持装置8と一体成形することによって、剛性材料でできている。強化壁65は、大きな圧力差が存在する場合に二つの圧力チャンバ62内の圧力が隔壁61を介して互いに影響を及ぼし合うことがないようにする。隔壁によるこのような強化は、形態安定正方形輪郭(図示せず)によっても得ることができる。これは、例えば図12に従ってプレス本体の各圧力チャンバ内に配置され、圧力チャンバの全ての表面を支持し、プレス表面13に面する輪郭の側部には、圧力チャンバ内の圧力を上壁31に作用できるように孔又は穴が設けられている。
【0042】
図16は、図12に示したものと同様であるが、弾性変形可能な四つの長さ方向垂直隔壁39が設けられたプレス本体7の一部を示す。図16から明らかなように、プレス本体7には、更に、弾性変形可能な複数の横方向垂直隔壁42が設けられており、これらの横方向隔壁は互いに対してずらしてあり、長さ方向隔壁39とともに複数の隔室状圧力チャンバ43を画成する。これらの隔壁は、ニップ内の負荷を調節するため、セクション又は群によって互いに別個に異なる圧力に置くことができるようにするため、圧力媒体源36に連結されている。図示の例では、隔室43は、異なる圧力p1、p2が作用する二つの群をなして配置されている。隔室群の圧力関係は、例えば、p1<p2である。高い方の圧力p2が作用する隔室43の群には、図17で破線が付してある。
【0043】
図18は、図6及び図7に示したものと同様であるが、二つの部品でできており、図6及び図7に示したものと同様の圧力チャンバ56を画成するプレス本体7を示す。一方の部品は、プレス本体の二つの側壁28、29及び下壁30を含むのに対し、他方の部品はプレス本体の上壁を含み、薄い層即ち膜54の形態を示す。側壁28、29は、膜54をその縁部に沿って固定するためのフランジ部分55を持つように設計されている。図18のプレス本体7は、図6及び図7に示したものと同様に機能する。第1部品28、29、30は弾性材料でできている。膜54は任意の材料でできていてもよく、弾性の低い材料、例えば金属でできていてもよく、プレス表面13をカウンタ圧力表面4と適合させるため、側壁28、29の膨張時に変形でき、圧力チャンバ56内の圧力を減少したときに側壁28、29の引張力が作用を停止したとき、その最初の位置に戻る。
【0044】
支持本体7が複数の圧力チャンバを有する場合(図12及び図14の実施形態のように)、全てではないが一つ又はそれ以上の圧力チャンバを大気圧に保持できる。この際、特定の負荷プロファイルが所望である場合には、少なくとも一つの圧力チャンバの圧力が高められる。
【0045】
本発明によるプレス本体は、以下に列挙する多くの重要な利点を有する。
【0046】
− カウンタ圧力表面の輪郭に対してそれ自体が形態を一致する。
【0047】
− カウンタ圧力表面の変形に従って形態を一致する。
【0048】
− プレスフェルトの縁部の異常な磨耗を生じない。
【0049】
− 紙の塊(paper wads)等がプレスニップを通過することを許容する。
【0050】
− 非常に安価に製造できる。
【0051】
− プレスニップ全体内の、又はプレスニップの連続したセクション内の負荷を互いに独立して制御するように設計できる。
【0052】
上文中に説明し且つ添付図面に示した支持本体7は、指定されたプレス本体である。これは、これらの支持本体がプレス装置で使用されるためである。当然のことながら、プレス本体の同じ実施形態を、抄紙機又は板紙抄紙機、又はカレンダーの繊維ウェブを処理するための他の装置で使用できる。本発明を例えばワイヤセクションに適用したとき、図1の第1プレスエレメント1のベルトを例えばワイヤ等の布に変えてもよい。
【0053】
ニップでの負荷は0kN/m乃至3000kN/mまで変化させることができる。
【0054】
支持本体の機械方向での寸法(幅)は、代表的には50mm乃至500mmである。
【0055】
支持本体の所望の弾性特性は、鋼やアルミニウム等の金属よりも弾性率がかなり低い弾性材料によって得られる。これにより、支持本体は、その構造に応じて、弾性的に膨張でき、又は弾性的に圧縮できる。弾性材料の代表的な硬度は、ショアーA硬度で50乃至95である。弾性材料は更に、磨耗に耐えるため、支持本体に十分な強度/硬度を与えるが、これと同時に、本発明による所望の機能を得るため、支持本体を十分に弾性変形可能にする。弾性材料としてプラスチック材料やゴム材料を使用でき、ポリマー、例えばガラス繊維、カーボン繊維、又はテクスタイルで強化できる複合材料を使用できる。現在、ポリウレタンが好ましいポリマーである。
【0056】
所望であれば、支持本体の接触表面13を交換可能な薄い磨耗保護体(図示せず)によって覆うことができ、その一方の側縁部がホルダの上流側にしっかりと取り付けられ、他方の側縁部は自由であり、支持ホルダの移動及び変形に従う。
【0057】
上文中に説明した実施形態では、保持装置8は、周方向に見た場合、接触表面13を除く支持本体7の全ての表面に対して外カウンタ支持体として機能する。更に、一つ又はそれ以上の圧力チャンバから所定距離のところで支持本体に全体が又は部分的に埋設された内カウンタ支持体として機能するように設計されており且つ構成されていてもよい。外カウンタ支持体及び内カウンタ支持体の組み合わせを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1実施形態によるプレス本体を持つ本発明によるプレスを示す図である。
【図2】図1によるプレス本体及びその保持装置を持つプレスニップを示す拡大図である。
【図3】図2によるプレス本体及び保持装置の斜視図である。
【図4】図3によるプレス本体及び保持装置の断面図である。
【図5】図3による保持装置のプレス本体なしの斜視図である。
【図6】図3によるプレス本体自体の斜視図である。
【図7】図6によるプレス本体の断面図である。
【図8】第1実施形態によるプレス本体で得られる圧力曲線を示すグラフである。
【図9】第2実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図10】図9によるプレス本体で得られる圧力曲線を示すグラフである。
【図11】第3実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図12】第4実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図13】図12によるプレス本体で得ることができる圧力曲線を示すグラフである。
【図14】第5実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図15】第6実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図16】第7実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図17】第7実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図18】第8実施形態によるプレス本体を示す図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、延在ニップを持つ装置用の支持本体であって、ニップは支持本体の接触表面及び対向する表面によって画成され、支持本体は弾性変形可能であり、その接触表面は対向する表面に対してこの表面との相互作用にて適合可能であり、一つの圧力チャンバ又は幾つかの圧力チャンバを含み、圧力チャンバ又は各圧力チャンバの夫々は、ニップに接触表面を介して負荷を加えるため、加圧下に置かれるように構成されている、支持本体に関する。
【0002】
本発明は、更に、このような支持本体用の保持装置に関する。
【0003】
本発明は、更に、第1構造エレメント及び移動自在に構成されており且つ延在ニップを形成するときに第1構造エレメントと相互作用するための対向する表面を持つ第2構造エレメントを含み、第1構造エレメントは移動自在の布及び対向する表面とともにニップを画成する接触表面/プレス表面を持つ弾性変形可能な支持本体/プレス本体を含み、この支持本体/プレス本体の接触表面/プレス表面は、対向する表面に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ又は幾つかの圧力チャンバを含み、圧力チャンバ又は各圧力チャンバの夫々は、接触表面/プレス表面を介してニップに負荷を加えるため、圧力が加わった状態に置かれように構成されている、抄紙機又は板紙抄紙機で製造される繊維ウェブを処理するための装置/プレスに関する。
【0004】
本発明は、更に、装置で延在ニップを形成する方法であって、接触表面を持つ支持本体を含み、ニップは接触表面及び対向する表面によって画成され、支持本体は弾性変形可能であり、その接触表面は対向する表面に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ又は幾つかの圧力チャンバを含み、圧力チャンバ又は各圧力チャンバは、夫々、接触表面を介してニップに負荷を加えるため、圧力が加わった状態に置かれるように構成されている、方法に関する。
【0005】
本発明は、更に、接触表面を持つ支持本体を含む装置の延在ニップでの負荷を制御する方法であって、ニップは接触表面及び対向する表面によって画成され、複数の圧力チャンバを持つ支持本体は弾性変形し、支持本体の接触表面は、対向する表面との相互作用で対向する表面に適合でき、ニップには、圧力チャンバを加圧することによって接触表面を介して負荷が加えられる、方法に関する。
【背景技術】
【0006】
延長プレスニップを持つ従来既知のプレスは、アルミニウムや鋼等の金属材料でできたいわゆるプレスシューを有する。このプレスシューは、通常は凹状のプレス表面を持つように設計されている。プレス表面は対向するカウンタ圧力表面と非常に正確に適合する。このようなプレスシューは、製造が非常に複雑であり、及び従って、非常に費用がかかる。金属で形成されているため、比較的剛性であり且つ非可撓性である。このようなプレスシューのカウンタロールとして作用するプレスロールは、シリンダ壁が比較的厚く、プレスシューからの力に耐える。カウンタロールの別の例によれば、比較的薄いシリンダ壁を有し、この薄く及びかくして変形可能なシリンダ壁又はシェルを、所望の負荷を得るためにプレスシューがカウンタロールに加えなければならない力に応じて調節自在にクラウニング(crowing)するためのカウンタ圧力システムを内部に備えている。更に、プレスシューが、カウンタロールのクラウンに従ったクラウンを備えているのがよく、その場合、このカウンタロールとの組み合わせのみで使用できる。別の態様では、液圧シリンダによって金属製プレスシューを傾けることができる。
【0007】
ヤンキーシリンダは、比較的薄いシリンダ壁又はシェルを有し、ヤンキーシリンダをカウンタロールとして使用した場合、プレスシューの窪みにより容易に変形する。シェルの変形は、軸線方向で、中央領域から端壁に向かう方向で変化する。端壁では、窪みは中央領域内よりもかなり小さい。従って、プレスシューは、端壁で又はその近くで増大された圧力で作用し、その結果、プレスフェルトの縁部の磨耗が増大し、プレスシューに沿った負荷プロファイルが不規則になり、紙の性質が機械方向に対して横方向で変化する場合がある。内部カウンタ圧力システムによってヤンキーシリンダのシェルにクラウンを施すこと、又はプレスシューに作用を及ぼし、変形した表面と形態を一致するため、プレスシューの下側に二列又はそれ以上の液圧シリンダを配置することが提案されてきた。これらは両方とも、負荷プロファイルを更に均等にするためである。しかしながら、これらの提案は、両方とも複雑であり、実施するのに費用がかかる。
【0008】
以下の文献は、延長プレスニップを持つプレスの例である。
【0009】
ドイツ国特許第DE 44 05 587号及びWO 02/44467には、プレスシュー3又は同じ設計のダブルプレスシュー3a、3bを含む液圧式支承体を持つプレスが記載されている。プレスベルト6がプレスシュー3の潤滑流体床の上で非常に小さい摩擦で転動する。金属製のプレスシューは、好ましくは水である液圧流体が入った圧力チャンバ10を有する。適当な固体材料、好ましくはステンレス鋼製の矩形の圧力等化膜20がプレスシューのプレスニップ側に固定されている。圧力等化膜20は、外縁部26、内縁部22、及び内縁部22が画成する開口部27を有する。かくしてフレームのように見える圧力等化膜20は可撓性であり、そのため、その二つの側部の間で圧力差が発生したとき、液圧流体と直接接触した状態を保持した縁部ゾーン21が撓むことができる。これらの圧力差は、紙ウェブ及び/又はカウンタロールの包絡面の凹凸により液圧流体がプレスニップを通って漏出したときに発生する。かくして、可撓性圧力等化膜20は、液漏れがないか或いはほんの僅かな自動調節ニップ2を形成する。かくして、圧力チャンバ10内の圧力流体は、圧力等化膜20の開口部27を通って移動自在のベルトと直接接触した状態を保持する。前記WO刊行物を前記DE刊行物と比較して行われた補足的追加は、ベルトの潤滑を行うために圧力チャンバ10からベルト6に液圧流体を導くため、可撓性膜の自由縁部ゾーン21に「ピンホール25」を設けることである。
【0010】
米国特許第5,980,693号には、チューブ状の少なくとも一つの膨張可能な負荷エレメントを持つが、負荷エレメントとベルトの内側との間に金属シューがないプレスが記載されている。更に、シューのこの部分は、ニップ出口の圧力をゆっくりと減少するために構成されている。通常は、圧力がいきなり低下するのが望ましい。
【0011】
米国特許第3,839,147号には、二つの対向するシューを持つシュープレスが記載されている。各シューは、ベルトの内側に対してシールする金属製底部及び下台を有する。ベルトに面するシューの側部は有孔膜であり、これにより圧力チャンバ内の液圧流体の圧力でベルトの内側を直接押圧する。シューは、比較的複雑な構造であり、様々な孔及び強化体を含む。
【0012】
米国特許第5,951,824号には、通常の液圧負荷エレメントを持つ通常のシューが記載されている。シューは、プレスニップを通過する紙の塊(paper wads)がシューやベルトを損傷しないようにするため、ポリマー又はゴムでできた柔らかく且つ丈夫な層でコーティングしてある。
【0013】
欧州特許第EP 0 575 353号には、金属製カバーの内側にベローズが配置され、ベルトが前記金属製カバーの周囲を摺動するシューを持つプレスが記載されている。
【0014】
米国特許第6,334,933号には、金属プレート及びホースによってシールされた複数の圧力ポケットが設けられた金属製カウンタパートを持つプレスが記載されている。このプレスもまた、プレスニップの対向する部分に負荷を加えるのに役立つ。
【0015】
米国特許第6,387,216号には、上側をベルトが走行し、プレスニップに負荷を加える開放流体チャンバを持つプレスが記載されている。チャンバは、ベルトに圧力を加えることによってシールされ、そのため、チャンバの縁部上に締め付けられる。
【0016】
欧州特許第EP 1 319 744号には、プレスニップの計測穴の上方の基準点での液圧静圧を計測し、連続的に適合することによって、プレスシューのニップ圧力をウェブに対して横方向に及びウェブに沿って計測し、調節するための方法が記載されている。
【0017】
ドイツ国特許第DE30 30 233号には、金属製スタンドに取り付けられた弾性スライドシューが記載されている。スライドシューは、スライド本体、即ち圧力媒体で充填できるホースの形態の中空本体を含む。ホースは、金属製スタンドに取り付けられた弾性ベルトによって取り囲まれている。中空本体は、様々な圧力に加圧できるチャンバに分割できる。しかしながら、一つ又はそれ以上のチャンバ内の圧力が変化してもニップでの負荷を変化させることはない。これは、中空本体がこのような圧力上昇の度毎に横方向に膨張できるためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、既知の支持本体に関して、特別な機械加工や、作用を及ぼす対向表面の形状に対する主要な配慮なしに更に簡単に製造でき、一つ又はそれ以上の圧力チャンバ内の圧力に応じて、走行するベルトによって閉鎖される一つ又はそれ以上の圧力ポケット列を持つ従来の金属製支持本体で可能であるのと同様に、又はそれよりも良好な方法で所定の負荷プロファイルを提供できる、弾性支持本体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明による支持本体は、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々の前記接触表面に面する側を除き、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々用のカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置が設けられていることを特徴とする。
【0020】
本発明による保持装置は、支持本体の全ての表面について、周方向に見て、そのカウンタ表面を除き、外カウンタ支持体を形成するため、支持本体を受け入れるための空間を有し、前記接触表面に面する側を除いて一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々用の内カウンタ支持体を形成するため、支持本体全体又はその一部が埋設されることを特徴とする。
【0021】
本発明による装置は、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々の前記接触表面に面する側を除き、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々用のカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置が支持本体に設けられており、これによって前記装置及びニップ形成作動位置にある支持本体の作動時に、前記支持本体は、前記一つの圧力チャンバ又は前記幾つかの圧力チャンバのうちの少なくとも一つの圧力の変化によりニップ内の圧力を付随して変化する圧力曲線に従って対応して変化するように構成されていることを特徴とする。
【0022】
本発明によるプレスは、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々に対し、一つの圧力チャンバ又は複数の圧力チャンバの夫々の前記プレス表面に面する側を除き、カウンタ支持体を形成するように構成された保持装置がプレス本体に設けられており、これによって前記プレス及びニップ形成作動位置にあるプレス本体の作動時に、プレス本体は、前記一つの圧力チャンバ又は前記幾つかの圧力チャンバのうちの少なくとも一つの圧力の変化によりニップ内の圧力を付随して変化する圧力曲線に従って対応して変化するように構成されていることを特徴とする。
【0023】
延在ニップを形成する本発明による方法は、
− 支持本体の上部分及び側部分用のカウンタ支持体を形成する保持装置に支持本体を取り付ける工程、
− 前記一つの圧力チャンバ又は前記幾つかの圧力チャンバのうちの少なくとも一つに増大された圧力を加える工程、及び
− 弾性変形可能であり且つ前記上部分に連結された支持本体の前記側部分の膨張によって、前記接触表面を構成する支持本体の上部分を、前記増大された圧力の作用で、対向する表面に向かう方向で移動する工程を含む、ことを特徴とする。
【0024】
延在ニップの負荷を制御する本発明による方法は、
− 支持本体の下部分及び側部分用のカウンタ支持体を形成する保持装置に支持本体を取り付ける工程、及び
− 圧力チャンバ内の圧力を所定のパターンに従って設定し、所望の圧力曲線を得る工程を含む、ことを特徴とする。
【0025】
「ニップ」という表現は、ワイヤ及び支持本体が画成するニップを含むように、その最も広い意味で解釈されるべきである。
【0026】
下文において、本発明を添付図面を参照して更に詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明を繊維ウェブを脱水するためのプレスと関連して説明する。当然のことながら、本発明は、プレスセクションの他に、繊維ウェブを処理するための任意の適当な装置、例えば抄紙機又は板紙抄紙機の乾燥セクション又は形成セクションの装置、及び繊維ウェブの表面処理を行うためのカレンダーの装置に適用できる。
【0028】
図1及び図2は、形成された湿潤状態の繊維ウェブから水を絞り出すために抄紙機又は板紙抄紙機のプレスセクションに配置されたプレスの部分を概略に示す。有利には、本発明は、ティッシュ抄紙機型の抄紙機で使用できる。プレスは、第1プレスエレメント1及び第2プレスエレメント2を含む。これらのプレスエレメント1、2は、延長プレスニップNを形成するため、互いに相互作用する。
【0029】
第2プレスエレメント2は、プレスニップNで作用するカウンタ圧力部材を含み、この部材は、移動自在の無端表面3を有する。この無端表面は、湾曲していてもよいし直線状であってもよい対向表面即ちカウンタ圧力表面4をプレスニップN内に形成する。プレスの図示の実施形態では、第2プレスエレメント2は、プレスロールの形態のカウンタロールを含む。このカウンタロールは、更に、従来の乾燥セクションの乾燥シリンダ即ちヤンキーシリンダとして設計されたティッシュ抄紙機の乾燥シリンダであってもよい。この場合、カウンタ圧力部材は、カウンタロール2の円筒壁5を含み、その包絡面が前記移動自在の無端表面3を形成する。これは、延長プレスニップN内で前記カウンタ圧力表面4を形成する。これは、室温であってもよいし加熱によって温度を上げてもよい。シリンダ壁5が厚く且つ十分に安定している場合には、カウンタ圧力部材を構成する。シリンダ壁5が薄く変形可能である場合には、カウンタ圧力部材は、必要なカウンタ力を提供する内部支持システム(図示せず)を更に含む。
【0030】
第1プレスエレメント1は、可撓性材料でできた移動自在の無端ベルト6、プレス本体の形態の支持本体7、プレス本体7を取り付けるための保持装置8、この保持装置8を取り付けるための支持本体、プレス本体7を作動するための負荷手段を含む。移動自在のベルト6は閉ループを描き、その内側にプレス本体7及び支持本体が配置される。移動自在のベルト6は、延長プレスニップNを通過するときに脱水されるべき湿潤状態の繊維ウェブWを搬送するプレスフェルト9とプレスニップNの前で出会うように配置されている。負荷手段は、プレス本体7がベルト6、プレスフェルト9、及びウェブWを介してカウンタロール2に及ぼす圧力を得るため、プレスの作動中にプレス本体7に影響を及ぼすために、作動されるように配置されている。プレス本体7は、機械方向で見たときの延長プレスニップNの長さを決定するように構成されている。プレス本体7は、プレスの作動中に回転ベルト6が摺動接触する自由摺動表面10を有する。これによって、摺動表面10は、接触表面即ちプレス表面13の全体又は一部を形成する。これは、前記カウンタ圧力表面4ともにプレスニップNを画成する。回転ベルト6とプレス本体7との間の摩擦を減少する薄膜を形成するためにベルトの内側に潤滑剤を供給するため、スプレー装置11がプレス本体7の上流に取り付けられている。
【0031】
プレスの図示の実施形態では、第1プレスエレメント1はプレスロールを含み、そのシェルが移動自在のベルト6を形成する。このベルトは、かくして、実質的に円形のループを描く。プレスの変形例(図示せず)では、可撓性の移動自在のベルトが非円形ループをなして、例えば実質的に楕円形のループをなして、又は実質的に三角形のループをなして、プレス本体及び一つ又は幾つかのガイドロールの周囲を走行するように構成されている。図示の実施形態では、プレスロール1は二つの円形の回転自在に取り付けられた端壁(図示せず)を有し、これによって、シェル6は、これらの壁とともに回転するため、端壁の周囲にしっかりと取り付けられている。シェル6及び端壁は閉鎖空間を画成し、この空間に支持本体が配置される。この支持本体は、端壁間をこれらと接触せずに軸線方向に延びる定置の支持ビーム12を含む。プレス本体7及びその保持装置8もまた、端壁間をこれらと接触せずに軸線方向に延びる。別の態様では、第2プレスエレメントは、上文中に説明した第1プレスエレメント1と同じ又は実質的に同じ設計であってもよい。これによって、プレスニップは、かくして、本発明による二つのプレス本体によって形成される。
【0032】
プレス本体7は弾性変形可能であり、そのプレス表面13をカウンタ圧力表面4にこの表面との相互作用にて適合できる。この適合は、前記負荷手段が生成し、プレス本体7にカウンタ圧力表面4に向かう方向で作用する負荷の作用で行われ、これによってプレスニップN全体に負荷を加える。プレス本体7が弾性変形可能であるということの定義は、必ずしもプレス本体全体が弾性材料で形成されているということを意味するものではなく、本発明では広い意味で理解されるべきであり、即ちプレス本体は、弾性材料でできた少なくとも一つの機能部分を持つと理解されるべきであり、これにより定義が満たされる。実際上の及び生産技術的理由により、及び最も好ましい実施形態によれば、プレス本体はその全体が一つ(又は幾つかの)の弾性材料で形成されている。
【0033】
本発明によれば、プレス本体7は一つ又は幾つかの閉鎖圧力チャンバを含む。これらの圧力チャンバは前記負荷手段の部分である。図5によれば、プレス本体7は単一の大きな圧力チャンバ14を含み、このチャンバは、プレス表面13の対向プレスゾーン15を画成する。プレス本体7及びその保持装置8は、図1によるプレスの部分であり、図3及び図4に更に詳細に示してあるが、これらの二つの構造エレメントは、図6及び図7及び図5に夫々別々に示してある。図5で明らかなように、保持装置8は細長いビーム形状ホルダ22を含む。このホルダは、形態が安定しており、二つの側支持部分17、18及びこれらの側支持部分を連結する下支持部分19によって画成されたU形状又は矩形の断面を持つ軸線方向貫通チャンネル16が設けられている。ホルダ22を図2に示すように支持ビーム12にボルト21で取り外し自在に固定するため、両取り付けフランジ20が側支持部分17、18に形成されている。保持装置は、ホルダ22の平行な両端面に取り外し自在に取り付けるための二つの端プレート23並びに側支持部分17、18の頂部に取り外し自在に取り付ける二つのクランププレート24を含むということが図3から明らかである。図3及び図4から明らかなように、プレスニップNの入口に配置されるようになった側支持部分17には、プレス本体7を露呈するため、クランププレート24間を延びる凹所25が設けられている。一方の端部プレート23の中央には、好ましくは液圧オイルである気体又は液体形態の圧力媒体用の入口を形成する連結部材26が位置決めされている。他方の端部プレート23には、液圧オイルを使用した場合に圧力チャンバ14を脱気するための出口を形成する同様の連結部材27が設けられている。
【0034】
図6及び図7は、ホルダ22のチャンネル16に取り付けられるようになったプレス本体7を示す。このプレス本体は、対向する横面間に遊びが生じないように、及びプレス本体7の下面がチャンネル16の下面に載止するように、チャンネル16の断面と適合する断面を有する。この実施形態では、プレス本体7には通孔が設けられている。この通孔は、全体に矩形断面の圧力チャンバ14を形成するため、両端がシールされるようになっている。この圧力チャンバ14は、プレス本体7の二つの平行な側壁28、20、下壁30、及び上壁31によって画成される。図6及び図7に示す実施形態では、二つの側壁28、29は同じ厚さを有する。上壁31は前記自由摺動表面10を形成する。この自由摺動表面がカウンタロール2に面する。これにより、作動中、回転ベルト6が摺動接触する。断面図では、摺動表面10は、所定半径の初期湾曲表面部分32を形成するため、所定の円弧形状を持つように設計されている。表面部分33は湾曲表面部分32に対して接線をなし、尖った隅部34まで上方に延びている。摺動表面10は隅部のところに側壁29の外側を形成し、機械方向で固定される。湾曲した表面部分32の目的は、ベルト6と摺動表面10との間で薄膜を形成するときにベルト6の内側に潤滑剤を付けることができるようにするため、回転ベルト6と湾曲表面部分32との間に楔形を形成することである。上述の隅部34はプレスニップNの出口を形成し、湾曲表面部分32のところのプレスニップNの入口は、圧力チャンバ14内の圧力に応じて浮動する。プレス本体7の端部分35には摺動表面10が設けられていない。これは、上壁31をここで狭幅にし、即ち凹所を形成し、均等にすることによって行われる。端部分35により、図2及び図3から明らかなように、ホルダ22に前記クランププレート24で簡単に取り外し自在に取り付けることができる。従って、このアッセンブリでは、二つの連結部材26、27が圧力チャンバ14内に延びている。端プレート23及び連結部材26、27に対して圧力チャンバ内部をシールするため、圧力チャンバ14の端部分35にカップ状シール(図示せず)が配置してある。図1乃至図7による図示の実施形態では、負荷手段は、前記圧力チャンバ14、及び配管37及び前記連結部材26を介して圧力チャンバ14に連結された圧力媒体源36を含む。圧力チャンバ14内の圧力は、適当な制御装置38によって調節される。
【0035】
上述のように、プレス本体7は弾性変形可能である。これは、圧力チャンバ14内の増大する圧力の作用で膨張し、上壁31をそのプレス表面13とともにカウンタロールのカウンタ圧力表面4に向かう方向で押圧できるようにするためである。図6及び図7から明らかなように、プレス本体7は弾性材料で一部品に形成されている。プレス本体7は、開始位置では、そのプレス表面13が、対向するカウンタ圧力表面4と接触しない所定のところに配置される。プレスを作動させると、圧力チャンバ14内の圧力が上昇し、ニップ形成作動位置をとる。圧力上昇により、プレス本体7を、保持装置8に関し、カウンタロール2のカウンタ圧力表面4に向かう方向で弾性的に膨張する。これは、側壁28、29が、カウンタロール2のカウンタ圧力表面4から反力が発生するまで、弾性的に自由に延びる即ち膨張するためである。反力は、先ず最初にプレスニップの出口のところ、即ち側壁28のちょうど反対のところに現れ、次いで、プレスニップの入口に向かう方向で連続的に伝播する。プレスニップの入口の位置は、所望の負荷に対して予め設定された最大圧力値で決まる。従って、プレス本体7の前記弾性膨張中、上壁31、及びこの上壁31に当接した回転ベルト6がカウンタロール2に向かう方向で押圧され、上壁31は、カウンタ圧力表面4の形状に応じて機械方向MD及び機械方向に対して横方向CDの両方向で弾性変形する、即ちプレス表面13の形態がカウンタ圧力表面4の輪郭と一致し、即ち適合し、プレスニップを画成する摺動表面10即ちプレス表面13の部分の形態がカウンタロール2の対向するカウンタ圧力表面4に従って変化する。プレス表面は、この場合、前記プレスゾーン15と対応する。別の態様では、プレス本体7は、そのプレス表面13が対応するカウンタ圧力表面4から無接触距離にある第1開始位置に取り付けられる。プレス本体7及び保持装置8は、適当な移動伝達装置によって、第1開始位置から、プレス本体7のプレス表面13が対向するカウンタ圧力表面4と接触した又はほぼ接触した第2開始位置まで一緒に移動する。次いで、ニップ形成作動位置をとるため、圧力チャンバ内の圧力を所望の圧力曲線に従って増大させる。
【0036】
図1乃至図7による実施形態で使用したプレス本体7は、図8に示す負荷プロファイル又は圧力曲線を示す。
【0037】
更に、図9による実施形態では、プレス本体7は一部品で形成されているが、上流側壁28が下流側壁29よりも僅かに厚い。これによって、圧力を圧力チャンバ14に加えたときの弾性膨張に対する抵抗は厚い方の側壁28が薄い方の側壁29よりも大きい。これは、プレスニップNの初期部分に作用する圧力が、プレスニップの最終部分よりも小さくなり、そのため負荷プロファイル又は圧力曲線が、図10に示すように比較的平らな経路を辿るということを意味する。この効果は、下流側壁の方が上流側側壁よりも弾性であり且つ伸長性が高いように側壁を厚さが等しいが弾性率が異なる材料で形成することによっても得ることができる。
【0038】
図11は、両端がシールされた円形断面を持つ弾性ホース形態のプレス本体7を示す。内部空間が圧力チャンバ60を形成する。保持装置8のチャンネル16は、対応する又は実質的に対応する円形形状を有し、そのため、円形のチャンネル壁は、圧力を加えて膨張させたときにホースに対してカウンタ支持体を形成し、上自由部分即ち上壁31が上方に開放したチャンネル16を通って押し出され、本発明の原理に従って支持体を形成する。
【0039】
図12は、図7に示したものと同様であるが、弾性変形可能な二つの長さ方向垂直隔壁39が設けられたプレス本体7を示す。これらの隔壁は、従って、側壁28、29と平行であり、三つの小さな圧力チャンバ40を画成する。これらの圧力チャンバは、ニップ内の負荷を調節するため、これらのチャンバを互いに独立した異なる圧力P1、P2、及びP3に置くことができるように、圧力媒体源36に連結されている。例えば、圧力関係は、P1<P2<P3であるように選択でき、この場合、この例によるプレス本体7は、図13に示すような段階的負荷プロファイル又は圧力曲線を示す。各圧力チャンバ40は、プレス表面13の対向プレスゾーン41を画成する。
【0040】
図14は、図12に示したものと同様であるが、二つの圧力チャンバ62を画成する弾性変形可能な長さ方向垂直隔壁61が設けられたプレス本体7を示す。圧力チャンバは、ニップ内の負荷を調節するため、互いに独立した異なる圧力に置くため、圧力媒体源36に連結されている。隔壁61は、二つの圧力チャンバ間に大きな圧力差がある場合でも隔壁が撓まないようにするために、比較的厚い。
【0041】
図15は、図14に示したものと同様であるが、下壁30からこの下壁を通って上方に隔壁全体に亘って延び、これによって隔壁を二つの小さな壁部分に分割する下方に開放した溝63が設けられたプレス本体7を示す。保持装置8は、チャンネル16の底部から上方に延びる、溝63と対応する矩形断面の強化壁65を持つように設計されている。強化壁65は、例えば形状が永久的な保持装置8と一体成形することによって、剛性材料でできている。強化壁65は、大きな圧力差が存在する場合に二つの圧力チャンバ62内の圧力が隔壁61を介して互いに影響を及ぼし合うことがないようにする。隔壁によるこのような強化は、形態安定正方形輪郭(図示せず)によっても得ることができる。これは、例えば図12に従ってプレス本体の各圧力チャンバ内に配置され、圧力チャンバの全ての表面を支持し、プレス表面13に面する輪郭の側部には、圧力チャンバ内の圧力を上壁31に作用できるように孔又は穴が設けられている。
【0042】
図16は、図12に示したものと同様であるが、弾性変形可能な四つの長さ方向垂直隔壁39が設けられたプレス本体7の一部を示す。図16から明らかなように、プレス本体7には、更に、弾性変形可能な複数の横方向垂直隔壁42が設けられており、これらの横方向隔壁は互いに対してずらしてあり、長さ方向隔壁39とともに複数の隔室状圧力チャンバ43を画成する。これらの隔壁は、ニップ内の負荷を調節するため、セクション又は群によって互いに別個に異なる圧力に置くことができるようにするため、圧力媒体源36に連結されている。図示の例では、隔室43は、異なる圧力p1、p2が作用する二つの群をなして配置されている。隔室群の圧力関係は、例えば、p1<p2である。高い方の圧力p2が作用する隔室43の群には、図17で破線が付してある。
【0043】
図18は、図6及び図7に示したものと同様であるが、二つの部品でできており、図6及び図7に示したものと同様の圧力チャンバ56を画成するプレス本体7を示す。一方の部品は、プレス本体の二つの側壁28、29及び下壁30を含むのに対し、他方の部品はプレス本体の上壁を含み、薄い層即ち膜54の形態を示す。側壁28、29は、膜54をその縁部に沿って固定するためのフランジ部分55を持つように設計されている。図18のプレス本体7は、図6及び図7に示したものと同様に機能する。第1部品28、29、30は弾性材料でできている。膜54は任意の材料でできていてもよく、弾性の低い材料、例えば金属でできていてもよく、プレス表面13をカウンタ圧力表面4と適合させるため、側壁28、29の膨張時に変形でき、圧力チャンバ56内の圧力を減少したときに側壁28、29の引張力が作用を停止したとき、その最初の位置に戻る。
【0044】
支持本体7が複数の圧力チャンバを有する場合(図12及び図14の実施形態のように)、全てではないが一つ又はそれ以上の圧力チャンバを大気圧に保持できる。この際、特定の負荷プロファイルが所望である場合には、少なくとも一つの圧力チャンバの圧力が高められる。
【0045】
本発明によるプレス本体は、以下に列挙する多くの重要な利点を有する。
【0046】
− カウンタ圧力表面の輪郭に対してそれ自体が形態を一致する。
【0047】
− カウンタ圧力表面の変形に従って形態を一致する。
【0048】
− プレスフェルトの縁部の異常な磨耗を生じない。
【0049】
− 紙の塊(paper wads)等がプレスニップを通過することを許容する。
【0050】
− 非常に安価に製造できる。
【0051】
− プレスニップ全体内の、又はプレスニップの連続したセクション内の負荷を互いに独立して制御するように設計できる。
【0052】
上文中に説明し且つ添付図面に示した支持本体7は、指定されたプレス本体である。これは、これらの支持本体がプレス装置で使用されるためである。当然のことながら、プレス本体の同じ実施形態を、抄紙機又は板紙抄紙機、又はカレンダーの繊維ウェブを処理するための他の装置で使用できる。本発明を例えばワイヤセクションに適用したとき、図1の第1プレスエレメント1のベルトを例えばワイヤ等の布に変えてもよい。
【0053】
ニップでの負荷は0kN/m乃至3000kN/mまで変化させることができる。
【0054】
支持本体の機械方向での寸法(幅)は、代表的には50mm乃至500mmである。
【0055】
支持本体の所望の弾性特性は、鋼やアルミニウム等の金属よりも弾性率がかなり低い弾性材料によって得られる。これにより、支持本体は、その構造に応じて、弾性的に膨張でき、又は弾性的に圧縮できる。弾性材料の代表的な硬度は、ショアーA硬度で50乃至95である。弾性材料は更に、磨耗に耐えるため、支持本体に十分な強度/硬度を与えるが、これと同時に、本発明による所望の機能を得るため、支持本体を十分に弾性変形可能にする。弾性材料としてプラスチック材料やゴム材料を使用でき、ポリマー、例えばガラス繊維、カーボン繊維、又はテクスタイルで強化できる複合材料を使用できる。現在、ポリウレタンが好ましいポリマーである。
【0056】
所望であれば、支持本体の接触表面13を交換可能な薄い磨耗保護体(図示せず)によって覆うことができ、その一方の側縁部がホルダの上流側にしっかりと取り付けられ、他方の側縁部は自由であり、支持ホルダの移動及び変形に従う。
【0057】
上文中に説明した実施形態では、保持装置8は、周方向に見た場合、接触表面13を除く支持本体7の全ての表面に対して外カウンタ支持体として機能する。更に、一つ又はそれ以上の圧力チャンバから所定距離のところで支持本体に全体が又は部分的に埋設された内カウンタ支持体として機能するように設計されており且つ構成されていてもよい。外カウンタ支持体及び内カウンタ支持体の組み合わせを使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】第1実施形態によるプレス本体を持つ本発明によるプレスを示す図である。
【図2】図1によるプレス本体及びその保持装置を持つプレスニップを示す拡大図である。
【図3】図2によるプレス本体及び保持装置の斜視図である。
【図4】図3によるプレス本体及び保持装置の断面図である。
【図5】図3による保持装置のプレス本体なしの斜視図である。
【図6】図3によるプレス本体自体の斜視図である。
【図7】図6によるプレス本体の断面図である。
【図8】第1実施形態によるプレス本体で得られる圧力曲線を示すグラフである。
【図9】第2実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図10】図9によるプレス本体で得られる圧力曲線を示すグラフである。
【図11】第3実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図12】第4実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図13】図12によるプレス本体で得ることができる圧力曲線を示すグラフである。
【図14】第5実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図15】第6実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図16】第7実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図17】第7実施形態によるプレス本体を示す図である。
【図18】第8実施形態によるプレス本体を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
延在ニップ(N)を持つ装置のための支持本体(7)であって、前記ニップは前記支持本体(7)の接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)は対向する表面(4)に対してこの表面との相互作用にて適合可能であり、一つの圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)の夫々は、前記ニップ(N)に前記接触表面(13)を介して負荷を加えるために加圧下に置かれるように構成されている、支持本体(7)において、前記支持本体(7)には、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)の夫々の前記接触表面に面する側を除き、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)の夫々のためのカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置(8)が設けられている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項2】
請求項1に記載の支持本体(7)において、前記装置及びニップ形成作業位置にある前記支持本体(7)の作動において、前記支持本体(7)は、前記圧力チャンバ(14;56;60)内の、又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)の少なくとも一つ内の圧力の変化が、プレス曲線の変化を伴う前記ニップ(N)内の対応する圧力変化を引き起こすように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項3】
請求項2に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)は、その接触表面(13)が前記対向する表面(4)から接触しない距離のところにある開始位置に取り付けられ、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記圧力チャンバ(40;43;62)の夫々の加圧時に、前記支持本体(7)は、前記ニップ形成作業位置をとるために前記接触表面(13)を前記対向する表面(4)に向かう方向で移動するために、膨張するように構成されており、前記保持装置(8)は、前記支持本体の膨張中、前記カウンタ支持本体を形成するように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項4】
請求項2に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)は、その接触表面(13)が前記対向する表面(4)から接触しない距離のところにある第1開始位置に取り付けられ、前記保持装置(8)及び前記支持本体(7)は、移動伝達部材によって、前記対向する表面(4)に向かう方向で、前記支持本体の前記接触表面(13)が前記対向する表面(4)と接触した又はほぼ接触した第2開始位置まで一緒に移動されるように構成され、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記圧力チャンバ(40;43;62)の夫々を加圧したとき、前記支持本体(7)は、前記ニップ形成作業位置をとるために膨張するように構成されており、前記保持装置(8)は、前記支持本体の膨張中でも前記カウンタ支持本体を形成するように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)であって、幾つかの閉鎖した圧力チャンバ(40;43;62)を含む支持本体(7)において、
− 各圧力チャンバ(40;43;62)は、前記接触表面(13)の対向する接触ゾーン(15;41;44)を画成し、
− 前記支持本体(7)は変形可能な上壁(31)を有し、この上壁が前記接触表面(13)を画成し、前記圧力チャンバ(40;43;62)内の圧力によって能動的に影響が及ぼされるように構成されており、二つの外側の弾性変形可能な側壁(28、29)が、前記上壁(31)に連結されており且つ前記上壁(31)を変位するために前記圧力チャンバ(40;43;62)内の増大された圧力で弾性的に膨張するように構成されており、前記下壁(30)は前記二つの外側壁(28、29)に連結されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項6】
請求項5に記載の支持本体(7)において、前記二つの外側壁(28、29)は同じ弾性を有する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項7】
請求項5に記載の支持本体(7)において、前記二つの外側壁(28、29)は弾性が異なる、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項8】
請求項7に記載の支持本体(7)において、前記外側壁(28、29)は厚さが異なり及び/又は同じ又は異なる弾性材料で形成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記連続した圧力チャンバ(40;43;62)は、軸線方向に貫通しており、隔壁(39;61)によって分離されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項10】
請求項9に記載の支持本体(7)において、長さ方向隔壁(39)及び横方向隔壁(42)によって分離された少なくとも四つの圧力チャンバ(43)を含む、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項11】
請求項5乃至9のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記圧力チャンバ(40;43;62)内の圧力は、所望のプレス曲線を得るために、所定のパターンに従って調節されるように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項12】
請求項9乃至11のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記隔壁(61)又は前記隔壁のうちの少なくとも二つの隔壁が強化部材(65)を含み、これらの強化部材は、前記隔壁によって分離された二つの圧力チャンバ(62)間の圧力差に耐えるように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項13】
請求項12に記載の支持本体(7)において、前記強化部材(65)は剛性材料を含み、この剛性材料は前記隔壁に一体化され、又は前記隔壁(61)の対応する溝又は凹所に受け入れられる、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項14】
請求項5乃至13のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、少なくとも前記外側壁(28、29)は、良好な弾性及び良好な強度を持つポリマーの形態の弾性材料でできている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項15】
請求項14に記載の支持本体(7)において、一部品でできている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項16】
請求項1に記載の支持本体(7)において、前記ニップ(N)の負荷は0kN/mから3000kN/mまで変化する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項17】
請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)は、機械方向で50mm乃至500mmの寸法を有する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項18】
請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記保持装置(8)は、周方向に見て、前記支持本体(7)の接触表面(13)以外の全ての表面に対する外カウンタ支持体である、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項19】
請求項1乃至18のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記保持装置は、全部又は一部が前記支持本体に埋設された内カウンタ支持体である、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項20】
請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記保持装置(8)は、周方向に見て、前記支持本体(7)の接触表面(13)以外の全ての表面に対する外カウンタ支持体、及び全部又は一部が前記支持本体に埋設された内カウンタ支持体である、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項21】
請求項1乃至3及び請求項5乃至17のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)のための保持装置において、周方向に見て、前記支持本体(7)の接触表面(13)以外の全ての表面に対する外カウンタ支持体を形成するために、前記支持本体(7)を受け入れるための空間(16)を有し、及び/又は圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々に対し、前記接触表面(13)に面する側以外に内カウンタ支持体を形成するために、全部又は一部が前記支持本体に埋設されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項22】
請求項9乃至11のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)のための請求項21に記載の保持装置において、2つの圧力チャンバ(62)間の隔壁(61)内に延びるために、少なくとも一つの強化壁(65)が前記空間(16)内に配置されている、ことを特徴とする保持装置。
【請求項23】
請求項21又は22に記載の保持装置において、ジャッキ、空気圧シリンダ、液圧シリンダ、又は同様の部材を含む移動伝達部材によって二つの位置の間で移動自在に配置されている、ことを特徴とする保持装置。
【請求項24】
第1構造エレメント(1)及び移動自在に構成されており且つ延在ニップ(N)を形成するときに前記第1構造エレメント(1)と相互作用するための対向する表面(4)を持つ第2構造エレメント(2)を含み、前記第1構造エレメント(1)は移動自在の布(6)及び前記対向する表面(4)とともに前記ニップ(N)を画成する接触表面(13)を持つ弾性変形可能な支持本体(7)を含み、この支持本体(7)の接触表面(13)は、前記対向する表面(4)に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は各圧力チャンバ(40;43;62)の夫々は、前記接触表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、加圧下に置かれように構成されている、抄紙機又は板紙抄紙機で製造される繊維ウェブ(W)を処理するための装置において、前記支持本体(7)には、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々に対し、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々の前記接触表面(13)に面する側を除いてカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置(8)が設けられ、これによって、前記装置及びニップ形成作動位置にある前記支持本体(7)の作動において、前記支持本体(7)は、前記圧力チャンバ(14;56;60)内の、又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)のうちの少なくとも一つ内の圧力の変化が、プレス曲線の変化を伴う前記ニップ(N)内の対応する圧力変化を引き起こすように構成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、前記支持本体(7)は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項24に記載の装置において、前記第2構造エレメント(2)もまた支持本体を含み、この支持本体は前記対向する表面(4)を構成する接触表面を有し、これによって両支持本体は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とする装置。
【請求項27】
第1プレスエレメント(1)及び移動自在に構成されており且つ延長プレスニップ(N)を形成するときに前記第1プレスエレメント(1)と相互作用するための対向する表面(4)を持つ第2プレスエレメント(2)を含み、前記第1プレスエレメント(1)は移動自在のベルト(6)及び前記対向する表面(4)とともに前記ニップ(N)を画成するプレス表面(13)を持つ弾性変形可能なプレス本体(7)を含み、このプレス本体(7)は、その接触表面(13)が前記対向する表面(4)に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は各圧力チャンバ(40;43;62)の夫々は、前記プレス表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、加圧下に置かれように構成されている、抄紙機又は板紙抄紙機で製造される繊維ウェブ(W)を処理するためのプレスにおいて、前記プレス本体(7)には、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々に対し、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々の前記プレス表面(13)に面する側を除いてカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置(8)が設けられ、これによって、前記プレス及びニップ形成作動位置にある前記プレス本体(7)の作動時に、前記プレス本体(7)は、前記圧力チャンバ(14;56;60)内の、又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)のうちの少なくとも一つの圧力の変化が、プレス曲線の変化を伴う前記ニップ(N)内の対応する圧力変化を引き起こすように構成されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項28】
請求項27に記載のプレスにおいて、前記対向する表面(4)及び/又はプレス表面(13)は加熱されるように構成されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項29】
請求項27又は28に記載のプレスにおいて、前記プレス本体(7)は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項30】
請求項5乃至20のうちのいずれか一項に記載のプレス本体(7)を持つ請求項27、28、又は29に記載のプレスにおいて、前記上流外側壁(28)は前記下流外側壁(29)よりも弾性が低い、ことを特徴とするプレス。
【請求項31】
請求項27、28、又は30に記載のプレスにおいて、前記第2プレスエレメント(2)もまたプレス本体を含み、このプレス本体は前記対向する表面(4)を構成する接触表面を有し、これによって両プレス本体は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項32】
装置にて延在ニップ(N)を形成する方法であって、接触表面(13)を持つ支持本体(7)を含み、前記ニップ(N)は前記接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)は前記対向する表面(4)に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は各圧力チャンバ(40;43;62)は、夫々、前記接触表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために加圧下に置かれるように構成されている、方法において、
− 前記支持本体(7)の上部分(30)及び側部分(28、29)のためのカウンタ支持体を形成する保持装置(8)に前記支持本体(7)を取り付ける工程、
− 前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)のうちの少なくとも一つに増大された圧力を加える工程、及び
− 弾性変形可能であり且つ前記上部分(31)に連結された前記支持本体(7)の前記側部分(28、29)の膨張によって、前記接触表面(13)を構成する前記支持本体(7)の上部分(31)を、前記増大された圧力の作用で、前記対向する表面(4)に向かう方向に変位させる工程を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項33】
接触表面(13)を持つ支持本体(7)を含む装置の延在ニップ(N)での負荷を制御する方法であって、前記ニップ(N)は前記接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、複数の圧力チャンバ(40;43;62)を持つ前記支持本体(7)は弾性変形し、前記支持本体の前記接触表面(13)は、前記対向する表面(4)との相互作用で前記対向する表面に適合でき、前記ニップには、前記圧力チャンバを加圧することによって前記接触表面(13)を介して負荷が加えられる、方法において、
− 前記支持本体(7)の下部分(30)及び側部分(28、29)に対してカウンタ支持体を形成する保持装置(8)に前記支持本体(7)を取り付ける工程、及び
− 前記圧力チャンバ(40;43;62)内の圧力を所定のパターンに従って設定し、所望のプレス曲線を得る工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記圧力チャンバは、圧力チャンバ群を得るために機械方向及びこの機械方向に対して横方向の両方向に延びる隔壁によって画成されており、各圧力チャンバ群の圧力は他の群の圧力とは独立して設定される、ことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、
前記プレスニップ(N)内の負荷は、機械方向及び/又はこの機械方向に対して横方向で独立して制御される、ことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)の、抄紙機又は板紙抄紙機のプレス装置のプレス本体(7)としての使用。
【請求項37】
請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)の、抄紙機又は板紙抄紙機の搬送装置用の支持ホイルとしての使用。
【請求項38】
請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)の、抄紙機又は板紙抄紙機の巻き上げ装置の巻き上げ支持体としての使用。
【請求項1】
延在ニップ(N)を持つ装置のための支持本体(7)であって、前記ニップは前記支持本体(7)の接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)は対向する表面(4)に対してこの表面との相互作用にて適合可能であり、一つの圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)の夫々は、前記ニップ(N)に前記接触表面(13)を介して負荷を加えるために加圧下に置かれるように構成されている、支持本体(7)において、前記支持本体(7)には、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)の夫々の前記接触表面に面する側を除き、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)の夫々のためのカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置(8)が設けられている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項2】
請求項1に記載の支持本体(7)において、前記装置及びニップ形成作業位置にある前記支持本体(7)の作動において、前記支持本体(7)は、前記圧力チャンバ(14;56;60)内の、又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)の少なくとも一つ内の圧力の変化が、プレス曲線の変化を伴う前記ニップ(N)内の対応する圧力変化を引き起こすように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項3】
請求項2に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)は、その接触表面(13)が前記対向する表面(4)から接触しない距離のところにある開始位置に取り付けられ、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記圧力チャンバ(40;43;62)の夫々の加圧時に、前記支持本体(7)は、前記ニップ形成作業位置をとるために前記接触表面(13)を前記対向する表面(4)に向かう方向で移動するために、膨張するように構成されており、前記保持装置(8)は、前記支持本体の膨張中、前記カウンタ支持本体を形成するように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項4】
請求項2に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)は、その接触表面(13)が前記対向する表面(4)から接触しない距離のところにある第1開始位置に取り付けられ、前記保持装置(8)及び前記支持本体(7)は、移動伝達部材によって、前記対向する表面(4)に向かう方向で、前記支持本体の前記接触表面(13)が前記対向する表面(4)と接触した又はほぼ接触した第2開始位置まで一緒に移動されるように構成され、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記圧力チャンバ(40;43;62)の夫々を加圧したとき、前記支持本体(7)は、前記ニップ形成作業位置をとるために膨張するように構成されており、前記保持装置(8)は、前記支持本体の膨張中でも前記カウンタ支持本体を形成するように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項5】
請求項1乃至4のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)であって、幾つかの閉鎖した圧力チャンバ(40;43;62)を含む支持本体(7)において、
− 各圧力チャンバ(40;43;62)は、前記接触表面(13)の対向する接触ゾーン(15;41;44)を画成し、
− 前記支持本体(7)は変形可能な上壁(31)を有し、この上壁が前記接触表面(13)を画成し、前記圧力チャンバ(40;43;62)内の圧力によって能動的に影響が及ぼされるように構成されており、二つの外側の弾性変形可能な側壁(28、29)が、前記上壁(31)に連結されており且つ前記上壁(31)を変位するために前記圧力チャンバ(40;43;62)内の増大された圧力で弾性的に膨張するように構成されており、前記下壁(30)は前記二つの外側壁(28、29)に連結されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項6】
請求項5に記載の支持本体(7)において、前記二つの外側壁(28、29)は同じ弾性を有する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項7】
請求項5に記載の支持本体(7)において、前記二つの外側壁(28、29)は弾性が異なる、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項8】
請求項7に記載の支持本体(7)において、前記外側壁(28、29)は厚さが異なり及び/又は同じ又は異なる弾性材料で形成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項9】
請求項1乃至8のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記連続した圧力チャンバ(40;43;62)は、軸線方向に貫通しており、隔壁(39;61)によって分離されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項10】
請求項9に記載の支持本体(7)において、長さ方向隔壁(39)及び横方向隔壁(42)によって分離された少なくとも四つの圧力チャンバ(43)を含む、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項11】
請求項5乃至9のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記圧力チャンバ(40;43;62)内の圧力は、所望のプレス曲線を得るために、所定のパターンに従って調節されるように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項12】
請求項9乃至11のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記隔壁(61)又は前記隔壁のうちの少なくとも二つの隔壁が強化部材(65)を含み、これらの強化部材は、前記隔壁によって分離された二つの圧力チャンバ(62)間の圧力差に耐えるように構成されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項13】
請求項12に記載の支持本体(7)において、前記強化部材(65)は剛性材料を含み、この剛性材料は前記隔壁に一体化され、又は前記隔壁(61)の対応する溝又は凹所に受け入れられる、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項14】
請求項5乃至13のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、少なくとも前記外側壁(28、29)は、良好な弾性及び良好な強度を持つポリマーの形態の弾性材料でできている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項15】
請求項14に記載の支持本体(7)において、一部品でできている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項16】
請求項1に記載の支持本体(7)において、前記ニップ(N)の負荷は0kN/mから3000kN/mまで変化する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項17】
請求項1乃至16のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記支持本体(7)は、機械方向で50mm乃至500mmの寸法を有する、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項18】
請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記保持装置(8)は、周方向に見て、前記支持本体(7)の接触表面(13)以外の全ての表面に対する外カウンタ支持体である、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項19】
請求項1乃至18のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記保持装置は、全部又は一部が前記支持本体に埋設された内カウンタ支持体である、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項20】
請求項1乃至17のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)において、前記保持装置(8)は、周方向に見て、前記支持本体(7)の接触表面(13)以外の全ての表面に対する外カウンタ支持体、及び全部又は一部が前記支持本体に埋設された内カウンタ支持体である、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項21】
請求項1乃至3及び請求項5乃至17のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)のための保持装置において、周方向に見て、前記支持本体(7)の接触表面(13)以外の全ての表面に対する外カウンタ支持体を形成するために、前記支持本体(7)を受け入れるための空間(16)を有し、及び/又は圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々に対し、前記接触表面(13)に面する側以外に内カウンタ支持体を形成するために、全部又は一部が前記支持本体に埋設されている、ことを特徴とする支持本体(7)。
【請求項22】
請求項9乃至11のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)のための請求項21に記載の保持装置において、2つの圧力チャンバ(62)間の隔壁(61)内に延びるために、少なくとも一つの強化壁(65)が前記空間(16)内に配置されている、ことを特徴とする保持装置。
【請求項23】
請求項21又は22に記載の保持装置において、ジャッキ、空気圧シリンダ、液圧シリンダ、又は同様の部材を含む移動伝達部材によって二つの位置の間で移動自在に配置されている、ことを特徴とする保持装置。
【請求項24】
第1構造エレメント(1)及び移動自在に構成されており且つ延在ニップ(N)を形成するときに前記第1構造エレメント(1)と相互作用するための対向する表面(4)を持つ第2構造エレメント(2)を含み、前記第1構造エレメント(1)は移動自在の布(6)及び前記対向する表面(4)とともに前記ニップ(N)を画成する接触表面(13)を持つ弾性変形可能な支持本体(7)を含み、この支持本体(7)の接触表面(13)は、前記対向する表面(4)に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は各圧力チャンバ(40;43;62)の夫々は、前記接触表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、加圧下に置かれように構成されている、抄紙機又は板紙抄紙機で製造される繊維ウェブ(W)を処理するための装置において、前記支持本体(7)には、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々に対し、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々の前記接触表面(13)に面する側を除いてカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置(8)が設けられ、これによって、前記装置及びニップ形成作動位置にある前記支持本体(7)の作動において、前記支持本体(7)は、前記圧力チャンバ(14;56;60)内の、又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)のうちの少なくとも一つ内の圧力の変化が、プレス曲線の変化を伴う前記ニップ(N)内の対応する圧力変化を引き起こすように構成されている、ことを特徴とする装置。
【請求項25】
請求項24に記載の装置において、前記支持本体(7)は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とする装置。
【請求項26】
請求項24に記載の装置において、前記第2構造エレメント(2)もまた支持本体を含み、この支持本体は前記対向する表面(4)を構成する接触表面を有し、これによって両支持本体は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とする装置。
【請求項27】
第1プレスエレメント(1)及び移動自在に構成されており且つ延長プレスニップ(N)を形成するときに前記第1プレスエレメント(1)と相互作用するための対向する表面(4)を持つ第2プレスエレメント(2)を含み、前記第1プレスエレメント(1)は移動自在のベルト(6)及び前記対向する表面(4)とともに前記ニップ(N)を画成するプレス表面(13)を持つ弾性変形可能なプレス本体(7)を含み、このプレス本体(7)は、その接触表面(13)が前記対向する表面(4)に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は各圧力チャンバ(40;43;62)の夫々は、前記プレス表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために、加圧下に置かれように構成されている、抄紙機又は板紙抄紙機で製造される繊維ウェブ(W)を処理するためのプレスにおいて、前記プレス本体(7)には、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々に対し、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は圧力チャンバ(40;43;62)の夫々の前記プレス表面(13)に面する側を除いてカウンタ支持体を形成するように構成された保持装置(8)が設けられ、これによって、前記プレス及びニップ形成作動位置にある前記プレス本体(7)の作動時に、前記プレス本体(7)は、前記圧力チャンバ(14;56;60)内の、又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)のうちの少なくとも一つの圧力の変化が、プレス曲線の変化を伴う前記ニップ(N)内の対応する圧力変化を引き起こすように構成されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項28】
請求項27に記載のプレスにおいて、前記対向する表面(4)及び/又はプレス表面(13)は加熱されるように構成されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項29】
請求項27又は28に記載のプレスにおいて、前記プレス本体(7)は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項30】
請求項5乃至20のうちのいずれか一項に記載のプレス本体(7)を持つ請求項27、28、又は29に記載のプレスにおいて、前記上流外側壁(28)は前記下流外側壁(29)よりも弾性が低い、ことを特徴とするプレス。
【請求項31】
請求項27、28、又は30に記載のプレスにおいて、前記第2プレスエレメント(2)もまたプレス本体を含み、このプレス本体は前記対向する表面(4)を構成する接触表面を有し、これによって両プレス本体は、請求項1乃至20のうちのいずれか一項に従って設計されている、ことを特徴とするプレス。
【請求項32】
装置にて延在ニップ(N)を形成する方法であって、接触表面(13)を持つ支持本体(7)を含み、前記ニップ(N)は前記接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、前記支持本体(7)は弾性変形可能であり、その接触表面(13)は前記対向する表面(4)に対してこの表面との相互作用にて適合でき、圧力チャンバ(14;56;60)又は幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)を含み、前記圧力チャンバ(14;56;60)又は各圧力チャンバ(40;43;62)は、夫々、前記接触表面(13)を介して前記ニップ(N)に負荷を加えるために加圧下に置かれるように構成されている、方法において、
− 前記支持本体(7)の上部分(30)及び側部分(28、29)のためのカウンタ支持体を形成する保持装置(8)に前記支持本体(7)を取り付ける工程、
− 前記圧力チャンバ(14;56;60)又は前記幾つかの圧力チャンバ(40;43;62)のうちの少なくとも一つに増大された圧力を加える工程、及び
− 弾性変形可能であり且つ前記上部分(31)に連結された前記支持本体(7)の前記側部分(28、29)の膨張によって、前記接触表面(13)を構成する前記支持本体(7)の上部分(31)を、前記増大された圧力の作用で、前記対向する表面(4)に向かう方向に変位させる工程を含む、ことを特徴とする方法。
【請求項33】
接触表面(13)を持つ支持本体(7)を含む装置の延在ニップ(N)での負荷を制御する方法であって、前記ニップ(N)は前記接触表面(13)及び対向する表面(4)によって画成され、複数の圧力チャンバ(40;43;62)を持つ前記支持本体(7)は弾性変形し、前記支持本体の前記接触表面(13)は、前記対向する表面(4)との相互作用で前記対向する表面に適合でき、前記ニップには、前記圧力チャンバを加圧することによって前記接触表面(13)を介して負荷が加えられる、方法において、
− 前記支持本体(7)の下部分(30)及び側部分(28、29)に対してカウンタ支持体を形成する保持装置(8)に前記支持本体(7)を取り付ける工程、及び
− 前記圧力チャンバ(40;43;62)内の圧力を所定のパターンに従って設定し、所望のプレス曲線を得る工程を含むことを特徴とする、方法。
【請求項34】
請求項33に記載の方法において、前記圧力チャンバは、圧力チャンバ群を得るために機械方向及びこの機械方向に対して横方向の両方向に延びる隔壁によって画成されており、各圧力チャンバ群の圧力は他の群の圧力とは独立して設定される、ことを特徴とする方法。
【請求項35】
請求項34に記載の方法において、
前記プレスニップ(N)内の負荷は、機械方向及び/又はこの機械方向に対して横方向で独立して制御される、ことを特徴とする方法。
【請求項36】
請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)の、抄紙機又は板紙抄紙機のプレス装置のプレス本体(7)としての使用。
【請求項37】
請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)の、抄紙機又は板紙抄紙機の搬送装置用の支持ホイルとしての使用。
【請求項38】
請求項1乃至20のうちのいずれか一項に記載の支持本体(7)の、抄紙機又は板紙抄紙機の巻き上げ装置の巻き上げ支持体としての使用。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2007−511672(P2007−511672A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−536477(P2006−536477)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001485
【国際公開番号】WO2005/038129
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(501337362)メッツォ ペーパー カルルスタッド アクチボラグ (8)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/SE2004/001485
【国際公開番号】WO2005/038129
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(501337362)メッツォ ペーパー カルルスタッド アクチボラグ (8)
【Fターム(参考)】
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