説明

支柱の柱脚スタンド

【課題】主として屋外のコンクリート床面上に、又は必要に応じて屋内の床面上に、手摺りを高架に設置する支柱の下部を床面に垂直度を調整し固定して建てる柱脚スタンドを提供する。
【解決手段】床面にアンカーボルト2又はねじ釘等で固定される取付ベース板3と、上向きに筒状をなす支柱固定部4を備え、取付ベース板3の上に重ねて設置される柱脚ホルダー5と、前記の取付ベース板3と柱脚ホルダー5とを前記支柱固定部4の垂直度を調整可能状態に連結する連結部材とから成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、主として屋外のコンクリート床面上に、又は必要に応じて屋内の床面上に、手摺りを高架に設置する支柱の下部を床面に垂直度を調整し固定して建てる柱脚スタンドの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
手摺りを屋内外の床面上に高架に設置する場合、床面の傾きの有無あるいは状況の如何に拘わらず、支柱はほぼ垂直に(又は鉛直に。以下同じ。)きっちり調整し充分強固に固定して建てることが要求される。従来、このような要求を満たす目的の柱脚スタンドが下記の特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開平7−229262号公報
【特許文献2】特開平9−268729号公報
【特許文献3】特開平10−299212号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1〜3に開示された柱脚スタンドは、それぞれ一案とは認められる。しかし、いずれも支柱を垂直な2次元面内でのみ垂直度の調整が可能な構成であり、垂直な3次元面内の垂直度の調整はできない構成である。一方、床面の有様は、垂直な2次元面内での傾きであることは希で、むしろ垂直な3次元面の方向に複雑に傾斜している。そのため、従来の上記柱脚スタンドは、対応性と使い勝手および精度が悪いという問題点がある。
また、従来の上記柱脚スタンドは、一旦垂直精度を調整して建てると、その後に再度調整し直すことは至難の構成である。そのため当初の垂直度の調整に充分慎重を期すことが要求され、その結果、多くの時間と手間を要した。
【0005】
本発明の目的は、垂直な3次元面内での垂直度の調整が容易に可能であり、垂直精度を出しやすく、しかも一旦垂直精度を調整し固定して支柱を建てた後でも、再び垂直精度の修正や角度設定のやり直しをすることが容易に可能で、対応性と使い勝手に優れた、支柱の柱脚スタンドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した従来技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る支柱の柱脚スタンドは、
屋内又は屋外の床面1上に手摺り23を高架に設置する支柱20の下部を床面1にほぼ垂直に固定して建てる柱脚スタンドであって、
床面1にアンカーボルト2又はねじ釘等で固定される取付ベース板3と、上向きに筒状をなす支柱固定部4を備え、前記取付ベース板3の上に重ねて設置される柱脚ホルダー5と、前記の取付ベース板3と柱脚ホルダー5とを前記支柱固定部4の垂直度を調整可能状態に連結する連結部材とから成る。
前記取付ベース板3は、中央部に半球形状に盛り上がる凸部8を備え、前記凸部8の裏面は半球形状の連結用凹面8aに形成され、同凸部8の頂部中央に平面視が円形の開口8bが設けられ、また、取付ベース板3の周辺部には、床面1のアンカーボルト2等を通すボルト孔10が複数設けられている。
前記柱脚ホルダー5は、上向きに有底筒状をなす支柱固定部4を備え、この支柱固定部4の下面側に前記取付ベース板3の半球形状の凸部8の上に360度全方向へ一定の角度傾動可能に載る半球形状の凹面部11が形成され、また、支柱固定部4の底部外周に前記支柱固定部4の垂直角度を調整する角度調整板12を備え、前記角度調整板12の周辺部に前記支柱固定部4の垂直角度を調整し固定する複数の角度調整・固定用ボルト13が設けられている。
前記連結部材は、前記取付ベース板3の凸部8の裏面の半球形状の連結用凹面8aへ内接する半球形状の摺動スリーブ6と、前記摺動スリーブ6の半球形状の頂部から直径線方向に貫通されたボルト孔6aを通じて上向きに挿入され、前記取付ベース板3の凸部8上に半球形状の凹面部11を載せた前記柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部を連結する連結ボルト7とからなる。
手摺り23を支持する支柱20の下端部は、前記複数の角度調整・固定用ボルト13により垂直度を調整して固定された柱脚ホルダー5の支柱固定部4の中へ挿入して固定されることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した支柱の柱脚スタンドにおいて、
摺動スリーブ6は、半球形状の頂部を直径線方向に貫通されたボルト孔6aに沿って半球形状の頂部から立ち上がる筒状の間隔保持部6bを備え、該筒状の間隔保持部6bは、前記ボルト孔6aを通じて挿入した連結ボルト7が、前記取付ベース板3の凸部8とその上に重ねた前記柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部とを連結した締め付け力が過大にならない間隔を保つ高さに形成され、同凸部8の頂部中央に設けられた平面視が円形の開口8bは、前記筒状の間隔保持部6bの傾動を一定の角度まで許容する大きさに形成されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した支柱の柱脚スタンドにおいて、
柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部外周に設けられた角度調整板12の下面は、支柱固定部4の位置を中心として半径方向上向きに反る傾斜面に形成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した発明は、請求項1〜3のいずれか一に記載した支柱の柱脚スタンドにおいて、
柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部に連結ボルト7をねじ込み締結するネジ孔9が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載した発明は、請求項1〜4のいずれか一に記載した支柱の柱脚スタンドにおいて、
柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部外周に設けられた角度調整板12の平面視形状は、角度調整・固定用ボルト13を設けた部分が半径方向外側に張り出し、取付ベース板3の周辺部のアンカーボルト2等を通すボルト孔10と重なる部分は、同ボルト孔10を露出させる形状と大きさに半径方向内側に抉られて星形状に形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る支柱の柱脚スタンドは、屋内外の別を問わずに適用することができる。
本発明に係る支柱の柱脚スタンドは、取付ベース板3と柱脚ホルダー5とを連結部材で支柱固定部4の垂直度を調整可能状態に連結して、又は連結する前に取付ベース板3を床面1へアンカーボルト2又はねじ釘等で固定し、上向きに直立する支柱固定部4を複数の角度調整・固定用ボルト13により調整し固定する構成であるから、支柱固定部4は垂直な3次元面内で如何なる方向にも容易に高精度に調整し固定することができる。従って、床面1の複雑、多様な傾き、有様にきっちり対処できる。しかも、支柱固定部4の垂直度を一旦調整し固定した後にも、角度調整・固定用ボルト13を締め緩め操作することにより、何時でも随時に角度の調整、固定のやり直しや変更を行うことができる。よって使い勝手が良く至便である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
床面1にアンカーボルト2又はねじ釘等で固定される取付ベース板3と、上向きに筒状をなす支柱固定部4を備え、前記取付ベース板3の上に重ねて設置される柱脚ホルダー5と、前記の取付ベース板3と柱脚ホルダー5とを前記支柱固定部4の垂直度を調整可能状態に連結する連結部材とで構成する。
前記取付ベース板3は、中央部に半球形状に盛り上がる凸部8を備え、前記凸部8の裏面は半球形状の連結用凹面8aに形成し、同凸部8の頂部中央に平面視が円形の開口8bを設け、取付ベース板3の周辺部には、床面1のアンカーボルト2等を通すボルト孔10を複数設ける。
前記柱脚ホルダー5は、上向きに有底筒状をなす支柱固定部4を備えるものとし、この支柱固定部4の下面側に前記取付ベース板3の半球形状の凸部8の上に360度全方向へ一定の角度傾動可能に載る半球形状の凹面部11を形成する。また、支柱固定部4の底部外周に前記支柱固定部4の垂直角度を調整する角度調整板12を設けて、前記角度調整板12の周辺部に前記支柱固定部4の垂直度を調整し固定する複数の角度調整・固定用ボルト13を設ける。
前記連結部材は、前記取付ベース板3の凸部8の裏面の半球形状の連結用凹面8aへ内接する半球形状の摺動スリーブ6と、前記摺動スリーブ6の半球形状の頂部から直径線方向に貫通させボルト孔6aを通じて上向きに挿入し、前記取付ベース板3の凸部8上に半球形状の凹面部11を載せた前記柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部を連結する連結ボルト7とで構成する。
手摺り23を支持する支柱20の下端部は、前記複数の角度調整・固定用ボルト13、13により垂直度を調整して固定された柱脚ホルダー5の支柱固定部4の中へ挿入して固定する。
【実施例1】
【0013】
以下に、本発明を図示した実施例に基づいて説明する。
本発明に係る支柱の柱脚スタンドは、図1に分解図を示したように、床面1が屋内外のコンクリート床である場合にはアンカーボルト2で、屋内の板張り床の場合にはねじ釘等で固定される円盤形状の取付ベース板3と、上向きに筒状をなす支柱固定部4を備え前記取付ベース板3の上に重ねて設置される柱脚ホルダー5と、前記の取付ベース板3と柱脚ホルダー5とを前記支柱固定部4の垂直度を調整可能な状態に連結する連結部材たる摺動スリーブ6および連結ボルト7とで構成されている。前記の取付ベース板3および柱脚ホルダー5は、一例としてアルミニュームのダイキャスト製品として製作される。
【0014】
上記円盤形状の取付ベース板3は、その中央部に半球形状に盛り上がる凸部8を備えている。前記凸部8の裏面は、図3、4に示した通り、ほぼ均等肉厚となるように半球形状に抉った中空の連結用凹面8aに形成され、同凸部8の頂部中央には平面視が円形の開口8bが設けられている。また、取付ベース板3の周辺部には、床面1のアンカーボルト2等を通すボルト孔10が円周方向に少し長い長孔として、図示例の場合には円周を4等分した4箇所の位置に設けられている。
【0015】
上記の柱脚ホルダー5は、後述する支柱を挿入可能な口径の有底筒状(図3、図4を参照)をなす支柱固定部4を上向きに備えていることは上述した通りであり、この支柱固定部4の下面側には、上記した取付ベース板3の半球形状の凸部8の上に360度全方向へ一定の角度傾動可能に載る半球形状の凹面部11が形成されている。そして、支柱固定部4の底部外周には、前記支柱固定部4の垂直角度を調整することを可能ならしめる角度調整板12が形成され、この角度調整板12の周辺部には前記支柱固定部4の垂直度を調整し固定するための角度調整・固定用ボルト13が、図示例の場合には支柱固定部4の中心を通る直交線上の位置に4本設けられている。図示した角度調整・固定用ボルト13は上端部にスパナ装着用の六角穴13a付きのボルトで、角度調整板12のネジ孔へ垂直にねじ込まれ、その先端は取付ベース板3の上面へ突き当たる構成とされている。但し、通常の頭付きボルトを用いても良い。
【0016】
上記柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部外周に設けられた角度調整板12の下面は、図4に見られる通り、支柱固定部4の位置を中心として半径方向上向きに反る傾斜面に形成されている(請求項3)。図示した角度調整・固定用ボルト13による支柱固定部4の垂直度調整の許容範囲を広くするためである。
上記柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部外周に設けられた角度調整板12の平面視形状は、図1および図5に見られるように、角度調整・固定用ボルト13を設けた部分が半径方向外側に張り出させ、取付ベース板3の周辺部のアンカーボルト2等を通すボルト孔10と重なる部分は同ボルト孔10を露出させる形状と大きさに半径方向内側に抉られた星形状(図5を参照)に形成されている(請求項5)。ボルト孔10へ通したアンカーボルト2および同ボルトへねじ込んだナット18と干渉を起こして支柱固定部4の垂直度調整に支障を来すことのないようにする為である。
【0017】
上記連結部材を構成する摺動スリーブ6は、上記取付ベース板3の凸部8の裏面の半球形状の連結用凹面8aへ内接する半球形状に構成され、この摺動スリーブ6には半球形状の頂部から直径線方向に貫通されたボルト孔6aを備えている。更に、前記ボルト孔6aに沿って半球形状の頂部から立ち上がる筒状の間隔保持部6bを備えている。該筒状の間隔保持部6bは、前記ボルト孔6aを通じて挿入した連結ボルト7が、前記取付ベース板3の凸部8とその上に重ねた前記柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部とを連結した締め付け力が過大にならないように、即ち柱脚ホルダー5の傾動可能性を担保する間隔を保つ高さに形成されている。因みに図示例の場合、連結ボルト7は柱脚ホルダー5の支柱固定部4の底部に設けたネジ孔9へねじ込まれ連結の目的を達している(請求項4)。しかし、支柱固定部4を通じてその上方からナットを締め付ける構成で実施することもできる。
上記の次第であるから、凸部8の頂部中央に設けられた平面視が円形の開口8bは、前記筒状の間隔保持部6bの傾動を一定の角度まで許容する大きさに形成され、もって角度調整・固定用ボルト13による支柱固定部4の垂直度調整の許容範囲を充分に広く確保している。
支柱固定部4には、後述するように挿入される支柱20を固定する止めボルト21をねじ込むネジ孔14が複数適宜な配置に設けられている。図中の符号15は、支柱固定部4の底壁に設けられた排水孔である。
【0018】
次に、上記のように構成された柱脚スタンドの使用方法および使用状態について説明する。
床面1に支柱を建てるべき位置を墨出しにより定める。一方、取付ベース板3の凸部8の上に、柱脚ホルダー5の半球形状の凹面部11を載せ、前記取付ベース板3の凸部8の裏面の半球形状の連結用凹面8aへ摺動スリーブ6の半球形部をあてがい、そのボルト孔6aへ連結ボルト7を通し、支柱固定部4の底部に設けられたネジ孔9へねじ込み充分強く締結して取付ベース板3と柱脚ホルダー5の連結を行う。但し、支柱固定部4の上方からナットを締め付ける方式の場合には、取付ベース板3と柱脚ホルダー5の連結を後回しにすることもできる。
その後、上記床面の墨出し位置へ前記の取付ベース板3を仮置きし、同取付ベース板3の各ボルト孔10の位置を墨出しする。この場合、柱脚ホルダー5の角度調整・固定用ボルト13のいずれか一が床面1の傾斜方向に想定した直線の上手又は下手に位置する配置とするのが、後の支柱固定部4の垂直度調整の処理に好ましい。こうして床面1に定められた各ボルト孔10の墨出し位置に、床面1がコンクリート床である場合には、アンカーボルト2を埋め込む。床面1が板張り構造である場合には、ねじ釘のねじ込み(打ち込み)を容易にする下孔を設ける。
【0019】
上記のように連結しておいた取付ベース板3を柱脚ホルダー5と共に床面1上の上記アンカーボルト2が各ボルト孔10へ通る配置に載置し、ナット18を締結して強固に固定する。
次には、一例として支柱固定部4の上端へ市販の水準器を床面1の傾斜方向の向きに載せ、同水準器が水平を示すまで、傾斜方向の上下に位置する2本の角度調整・固定用ボルト13、13を調整操作する。同時に並行して直交方向に位置する残り2本の角度調整・固定用ボルト13も水準器が水平度を指すように調整操作して支柱固定部4の垂直精度を高めてゆき、最終調整が確定した段階で、それぞれの角度調整・固定用ボルト13を強力に締め付けて固定する。
こうして支柱固定部4の固定処理を終えた段階で、図4及び図7に示すように、当該柱脚スタンドにカバー17を被せて外観の見栄えを良くする。
【0020】
その後、上記の支柱固定部4へ支柱20の下端を挿入し、支柱固定部4の各ネジ孔14へ止めネジ21(又は止めボルト)をねじ込み強固に固定する。そして、支柱20の上端に用意した継手22に手摺り23を支持させることになる。
なお、見栄えの良さを考慮し、また万が一にも手摺り使用者の歩行に支障を来すことのないように、上記支柱固定部4の各ネジ孔14および止めネジ21の位置は、手摺り使用者の歩行場所から見て外側の位置となるように配置するのが好ましい。
【0021】
以上に本発明を図示した実施例に基づいて説明したが、勿論、本発明は上記実施例の構成に限定されるものではない。本発明の要旨、及び技術思想を逸脱しない範囲で、当業者が必要に応じて行うであろう設計変更や応用、変形として種々な態様で実施されるものであることを、念のため申し添える。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る柱脚スタンドの構成要素を分解して示した斜視図である。
【図2】取付ベース板の設置状態を示す斜視図である。
【図3】柱脚スタンドの組み立て使用の状態を破断して示す斜視図である。
【図4】柱脚スタンドの組み立て使用の状態を示す垂直断面図である。
【図5】柱脚スタンドの平面図である。
【図6】柱脚スタンドの底面図である。
【図7】支柱及び手摺りの使用状態を示す立面図である。
【符号の説明】
【0023】
1 床面
23 手摺り
20 支柱
2 アンカーボルト
3 取付ベース板
4 支柱固定部
5 柱脚ホルダー
8 凸部
8a 連結用凹面
8b 開口
10 ボルト孔
11 凹面部
12 角度調整板
13 角度調整・固定用ボルト
6 摺動スリーブ
6a ボルト孔
6b 間隔保持部
7 連結ボルト

【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋内又は屋外の床面上に手摺りを高架に設置する支柱の下部を床面にほぼ垂直に固定して建てる柱脚スタンドであって、
床面にアンカーボルト又はねじ釘等で固定される取付ベース板と、上向きに筒状をなす支柱固定部を備え前記取付ベース板の上に重ねて設置される柱脚ホルダーと、前記の取付ベース板と柱脚ホルダーとを前記支柱固定部の垂直度を調整可能状態に連結する連結部材とから成り、
前記取付ベース板は、中央部に半球形状に盛り上がる凸部を備え、前記凸部の裏面は半球形状の連結用凹面に形成され、同凸部の頂部中央に平面視が円形の開口が設けられ、また、取付ベース板の周辺部には、床面のアンカーボルト等を通すボルト孔が複数設けられており、
前記柱脚ホルダーは、上向きに有底筒状をなす支柱固定部を備え、この支柱固定部の下面側に前記取付ベース板の半球形状の凸部の上に360度全方向へ一定の角度傾動可能に載る半球形状の凹面部が形成され、また、支柱固定部の底部外周に前記支柱固定部の垂直角度を調整する角度調整板を備え、前記角度調整板の周辺部に前記支柱固定部の垂直度を調整し固定する複数の角度調整・固定用ボルトが設けられており、
前記連結部材は、前記取付ベース板の凸部の裏面の半球形状の連結用凹面へ内接する半球形状の摺動スリーブと、前記摺動スリーブの半球形状の頂部から直径線方向に貫通されたボルト孔を通じて上向きに挿入され、前記取付ベース板の凸部上に半球形状の凹面部を載せた前記柱脚ホルダーの支柱固定部の底部を連結する連結ボルトとからなり、
手摺りを支持する支柱の下端部は、前記複数の角度調整・固定用ボルトにより垂直度を調整して固定された柱脚ホルダーの支柱固定部の中へ挿入して固定されることを特徴とする、支柱の柱脚スタンド。
【請求項2】
摺動スリーブは、半球形状の頂部を直径線方向に貫通されたボルト孔に沿って半球形状の頂部から立ち上がる筒状の間隔保持部を備え、該筒状の間隔保持部は、前記ボルト孔を通じて挿入した連結ボルトが、前記取付ベース板の凸部とその上に重ねた前記柱脚ホルダーの支柱固定部の底部とを連結した締め付け力が過大にならない間隔を保つ高さに形成され、同凸部の頂部中央に設けられた平面視が円形の開口は、前記筒状の間隔保持部の傾動を一定の角度まで許容する大きさに形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した支柱の柱脚スタンド。
【請求項3】
柱脚ホルダーの支柱固定部の底部外周に設けられた角度調整板の下面は、支柱固定部の位置を中心として半径方向上向きに反る傾斜面に形成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載した支柱の柱脚スタンド。
【請求項4】
柱脚ホルダーの支柱固定部の底部に連結ボルトをねじ込み締結するネジ孔が設けられていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一に記載した支柱の柱脚スタンド。
【請求項5】
柱脚ホルダーの支柱固定部の底部外周に設けられた角度調整板の平面視形状は、角度調整・固定用ボルトを設けた部分が半径方向外側に張り出し、取付ベース板の周辺部のアンカーボルト等を通すボルト孔と重なる部分は同ボルト孔を露出させる形状と大きさに半径方向内側に抉られた星形状に形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載した支柱の柱脚スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−328804(P2006−328804A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153888(P2005−153888)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年4月21から23日 社会福祉法人大阪府社会福祉協議会、テレビ大阪主催の「バリアフリー2005」に出品
【出願人】(000245830)矢崎化工株式会社 (47)
【Fターム(参考)】