支柱固定方法、当該方法に使用する支柱、当該方法に使用するコンクリート打設用のホッパー
【課題】本発明は、支柱の自立性を確保できるようにして、作業工程を削減できるようにした支柱固定方法等を提供する。
【解決手段】本発明の支柱固定方法は、支柱固定対象部(土石流堆積部分5)を根切りして根切り部6を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して設置面9を形成する設置面形成工程と、設置面に管材10の一端側を設置する管材設置工程と、設置面に設置された管材の周囲にコンクリート12を打設して管材10を地盤に固定する管材固定工程と、管材10の他端開口を介して管材の管内に支柱1の一端側を挿入して支柱を設置する支柱設置工程と、管材の管内にコンクリート15を打設して支柱を管に固定する支柱固定工程とを備えた。
【解決手段】本発明の支柱固定方法は、支柱固定対象部(土石流堆積部分5)を根切りして根切り部6を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して設置面9を形成する設置面形成工程と、設置面に管材10の一端側を設置する管材設置工程と、設置面に設置された管材の周囲にコンクリート12を打設して管材10を地盤に固定する管材固定工程と、管材10の他端開口を介して管材の管内に支柱1の一端側を挿入して支柱を設置する支柱設置工程と、管材の管内にコンクリート15を打設して支柱を管に固定する支柱固定工程とを備えた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根切り部に支柱を固定する支柱固定方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、根切り部にコンクリートを打設して形成された捨てコンクリート上に支柱を設置する支柱固定方法において、互いに隣接する支柱同士を連結部材で連結することで複数の支柱を捨てコンクリート上に一直線状に立設したり、捨てコンクリート上に設けられたベースメッシュと支柱の下端とを取付金具で連結することによって、支柱を捨てコンクリート上に立設した後に、支柱の周りにコンクリートを打設して支柱を捨てコンクリート上に固定する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−131498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の支柱固定方法においては、支柱の自立性を確保することが難しいことから、連結部材、ベースメッシュ、取付金具等の自立補助具を用いて支柱を自立させるようにしいている。
しかしながら、従来の支柱固定方法では、自立補助具を用いて支柱の自立を補助するための作業工程が必要となる。
本発明は、支柱の自立性を確保できるようにして、作業工程を削減できるようにした支柱固定方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る支柱固定方法は、支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリートを打設して設置面を形成する設置面形成工程と、設置面に管材の一端側を設置する管材設置工程と、設置面に設置された管材の周囲にコンクリートを打設して管材を地盤に固定する管材固定工程と、管材の他端開口を介して管材の管内に支柱の一端側を挿入して支柱を設置する支柱設置工程と、管材の管内にコンクリートを打設して支柱を管に固定する支柱固定工程とを備えたので、設置面に設置される管材の自立性が確保され、さらに、設置面に固定された管材の管内に支柱が挿入されることにより、支柱の自立性が確保されるので、支柱固定作業を早くかつ簡単に行うことができるので、作業コスト及び作業時間を低減できる。
また、本発明に係る支柱固定方法は、支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリートを打設して設置面を形成する設置面形成工程と、各柱体の中心軸が互いに平行に維持されかつ各柱体の一端面が柱体の中心軸と直交する同一平面上に位置されるように複数の柱体が連結されて構成された支柱を用いて当該支柱の各柱体の一端面を設置面に設置する支柱設置工程と、設置面に設置された支柱の各柱体の一端面側の周囲にコンクリートを打設して支柱を地盤に固定する支柱固定工程とを備えたので、支柱の自立性が向上し、支柱固定作業を早くかつ簡単に行うことができるので、作業コスト及び作業時間を低減できる。
さらに、本発明に係る支柱固定方法は、支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、各柱体の中心軸が互いに平行に維持されかつ各柱体が柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体が連結されて構成された支柱を用いて当該支柱の各柱体の一端面を根切り部の底面に設置する支柱設置工程と、根切り部の底面に設置された支柱の各柱体の一端面側の周囲にコンクリートを打設して支柱を根切り部の底面に固定する支柱固定工程とを備えたので、設置面形成工程を省略できるとともに、支柱の自立性が向上し、支柱固定作業を早くかつ簡単に行うことができるので、作業コスト及び作業時間を低減できる。
支柱固定対象部が人の立ち入れない災害地であり、各工程の作業を遠隔操縦によって操縦される機械を用いて行うので、災害地のような人の立ち入れない場所にも支柱を容易に設置できるようになる。
上述した支柱固定方法に使用する支柱であって、同一方向に延長し、かつ、平面視において三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の柱体と、複数の柱体がそれぞれ個別に柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体同士を連結する連結部材とを備えたので、支柱の自立性が向上し、作業コスト及び作業時間を低減できる。
上述した支柱固定方法に使用する支柱であって、中央主柱体と、中央主柱体と同一方向に延長し、かつ、平面視において中央主柱体を囲む三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の副柱体と、複数の副柱体がそれぞれ個別に中央主柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように各副柱体と中央主柱体の周面とをそれぞれ個別に連結する連結部材とを備えたので、支柱の自立性が向上し、作業コスト及び作業時間を低減できる。
上述した支柱固定方法に用いるコンクリート打設用のホッパーであって、コンクリートが収容され底板にコンクリートを放出させるための放出口を有した容器と、容器の内側に配置され放出口の径よりも大径の弁体により形成されて放出口を開閉する開閉弁と、開閉弁と放出口の径よりも小径の連結軸を介して連結され放出口を介して容器の外側に突出した受圧部とを備え、受圧部がコンクリート打設対象面からの力を受けて放出口を開く方向に開閉弁を移動させることで、受圧部と底板の下面とが接触しない状態、及び、開閉弁と底板の内底面とが接触しない状態に維持された場合に、容器内のコンクリートが、開閉弁と底板の内底面との間、連結軸と放出口の孔縁との間、受圧部と底板の下面との間を経由してコンクリート打設対象面に放出されるように構成されたので、放出口を開閉する開閉板を開閉させるための開閉駆動手段を不要とでき、低コストなホッパーを提供できる。
上記開閉弁が、放出口を開閉する開閉蓋と、開閉蓋の開動作の際に開閉蓋に加わる容器内のコンクリートからの力を軽減させる開動作アシスト手段とを備え、開動作アシスト手段は、開閉蓋の周縁より開閉蓋の中心側に向けて容器の底板より離れる方向に延長する傾斜部を備えた立方体により形成されたので、開閉弁による開動作がスムーズとなるホッパーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】支柱固定対象部としての土石流堆積部分に支柱を設置した状態を示す断面図(実施形態1)。
【図2】支柱固定対象部としての土石流堆積部分に支柱を設置した状態を示す斜視図(実施形態1)。
【図3】支柱固定方法の手順を示した説明図(実施形態1)。
【図4】支柱間に壁板を設置した防護柵を示す斜視図(実施形態2)。
【図5】支柱間に壁板を設置した防護柵を示す斜視図(実施形態2)。
【図6】支柱固定方法の手順を示した説明図(実施形態3)。
【図7】管体を示す斜視図(実施形態4)。
【図8】(a)は支柱を示す斜視図、(b)は支柱を示す正面図(実施形態5)。
【図9】(a)は支柱を示す斜視図、(b)は支柱を示す正面図(実施形態6)。
【図10】支柱を設置面に設置した状態を示す斜視図(実施形態6)。
【図11】支柱を示す斜視図(実施形態7)。
【図12】支柱を示す分解斜視図(実施形態7)。
【図13】支柱固定方法の工程を示した説明図(実施形態7)。
【図14】支柱を示す斜視図(実施形態8)。
【図15】支柱を示す分解斜視図(実施形態8)。
【図16】支柱固定方法の手順を示した説明図(実施形態8)。
【図17】ホッパーを示す斜視図(実施形態9)。
【図18】ホッパーの開閉動作を示す破断斜視図(実施形態9)。
【図19】ホッパーによるコンクリート打設工程を示した説明図(実施形態9)。
【図20】ホッパーを示す破断斜視図(実施形態10)。
【図21】ホッパーの開閉動作を示す断面図(実施形態10)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図1乃至図3を参照し、実施形態1による支柱固定方法について、土石流や集中豪雨等の災害地のような人の立ち入れない場所において災害の拡大を防止するための防護柵20を形成する際の支柱1の固定方法を例にして説明する。
支柱1を設置する支柱固定対象部は、例えば、斜面3の一部が崩壊した山2の斜面3の麓部分4において土石流が堆積した土石流堆積部分5である。
支柱固定方法は、支柱固定対象部としての土石流堆積部分5を根切りして根切り部6を形成する根切り部形成工程と、根切り部6の底面7にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して水平な設置面9を形成する設置面形成工程と、設置面9に鋼管等の管材10の一端11側を設置する管材設置工程と、設置面9に設置された管材10の周囲にコンクリート12を打設して管材10を地盤に固定する管材固定工程と、管材10の他端開口13を介して管材10の管内にH形鋼等の支柱1の一端14側を挿入して支柱1を設置する支柱設置工程と、支柱1が挿入されて設置された管材10の管内にコンクリート15を打設して支柱1を管材10に固定する支柱固定工程とを備える。
【0008】
以下、支柱固定方法の具体例を説明する。支柱固定対象部は土石流堆積部分5であって人の立ち入れない場所なので、上述した各工程の作業は、遠隔操縦によって操縦される機械を用いた無人作業で行われる。
機械は、例えば、掘削機械、運搬車、揚重機としての機能を備えたバックホウやキャリアダンプ等の建設機械、及び、コンクリートを収容した状態からコンクリート打設部にコンクリートを放出する機能を備えたホッパー等のコンクリート打設機械であって、図外の遠隔操縦器から無線で送信される指令を受ける無線受信器16及び無線受信器16で受信した指令に基づいて機械の動作を制御する図外の制御部を備えたものを用いる(図3(a);(b)参照)。
【0009】
始めに建設機械としての例えばバックホウ17を支柱固定対象部である土石流堆積部分5の近くまで運び、操縦者がバックホウ17を遠隔操縦することにより、バックホウ17を支柱固定対象部の土石流堆積部分5まで移動させてからバックホウ17に土石流堆積部分5を掘削させて根切り作業を行わせ根切り部6を形成させる(根切り工程(図3(a);(b)参照))。
そして、例えば、遠隔操縦により操作されるコンクリート打設機械としての例えば図外のエアシリンダー等の開閉駆動手段を備えて当該開閉駆動手段を操作することでコンクリート収容部19aの底に設けられた開閉板18が開閉する構成のホッパー19を用い、ホッパー19のコンクリート収容部19a内にセルフレベリング性に優れた流動性の高いコンクリート(生コンクリート)8を収容し、コンクリート収容部19a内にコンクリート8を収容したホッパー19をバックホウ17に取付け、バックホウ17を遠隔操縦して当該ホッパー19を根切り部6の位置まで運搬させる(図3(b)参照)。
そして、遠隔操縦によりホッパー19の開閉駆動手段を駆動してホッパー19の開閉板18を閉状態から開状態に変化させることにより、コンクリート8がホッパー19から根切り部6の底面7に落下して打設され、根切り部6の底面7に打設されたコンクリート8のセルフレベリング性により水平な設置面9が形成される(設置面形成工程(図3(b);(c)参照))。
次に、バックホウ17を遠隔操縦して管材10を設置面9まで運搬させ、管材10の一端11を設置面9に設置させる。この際、複数の管材10を設置面9の延長方向に沿って所定間隔隔てて設置する(管材設置工程(図3(c);(d)、図2参照))。
複数の管材10を設置面9に設置した後、上述と同様にホッパー19を用いて、設置面9に設置された管材10の周りにコンクリート(生コンクリート)12を打設して固めることにより、管材10を地盤に固定する(管材固定工程(図3(d);(e)参照))。
バックホウ17を遠隔操縦して支柱1を管材10の位置まで運搬させ、支柱1の一端14側を管材10の他端開口13を介して管材10の中に挿入して支柱1の一端14を設置面9に接触させることにより、管材10の管内に支柱1を設置する(支柱設置工程(図3(e);(f)参照))。
そして、上述と同様にホッパー19を用いて、管材10の他端開口13を介して管材10内にコンクリート(生コンクリート)15を打設して固めることにより、支柱1を管材10に固定する(支柱固定工程(図3(g);(h)参照))。尚、開口の小さい管材10内や根切り部6内にコンクリートを打設する際には、コンクリート放出口の小さいシュートのようなコンクリート放出ガイド部材を用いればよい。
以上により、複数の支柱1が支柱固定対象部としての土石流堆積部分5に所定間隔を隔てて隣り合うように設置された防護柵20が形成される。
尚、機械として、建設機械の代わりに、ヘリコプターを用いてもよい。
【0010】
実施形態1による支柱固定方法によれば、根切り部6の底面7にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して水平な設置面9を形成するので、当該設置面9に設置される管材10の自立性が確保され、さらに、設置面9に固定された管材10の管内に支柱1が挿入されることにより、支柱1の自立性が確保される。
従って、実施形態1によれば、従来のような支柱の自立を補助するための自立補助具を用いた作業工程を削減でき、支柱固定作業を早くかつ簡単に行うことができるので、作業コスト及び作業時間を低減できる。
また、管材10及び支柱1の自立性が確保されるので、機械を遠隔操縦して行う無人化作業が可能となり、災害地のような人の立ち入れない場所に支柱1を設置する場合にも容易に対応できるようになる。
【0011】
尚、管材10としては、図1乃至図3に示すように一端11が設置面9に設置された場合に他端(上端)が根切り部6の上端位置よりも高い位置に位置される比較的長さの長い管材10を用いてもよいし、一端11が設置面9に設置された場合に他端が根切り部6の上端位置よりも低い位置に位置される比較的長さの短い管材10を用いてもよい。
上述した長い管材10を用いた場合、管材10に固定される支柱の一端部の長さを長くできるので、支柱の剛性が高くなる。
上述した短い管材10を用いた場合、根切り部6の管材10の周りにコンクリートを打設し続ければ、打設されたコンクリートが設置面9に設置された管材10の上端(他端)位置まで到達した後に管材10の管内に入り込むので、管材10の他端開口13を狙って管材10内にコンクリートを打設する作業を行わなくてもよくなり、管材10の管内にコンクリートを打設する作業を容易に行えるようになる。無人化作業の場合は、管材10の他端開口13を狙って管材10内にコンクリートを打設するような作業は困難性を伴うので、当該作業を省略できることは有意義である。また、設置面9に設置された管材10の他端(上端)が根切り部6の上端位置よりも低い位置に位置されるので、実施形態2で説明するように、互いに隣り合う支柱1;1としてH形鋼を用い、H形鋼の互いに向かい合う各凹部31;31内に壁板30の両側端部32;32を挿入することにより、互いに隣り合う支柱1;1間に壁板30が設置された防護柵21を形成する場合に、壁板30の下端が根切り部6内に入り込み、壁板30の下端と土石流堆積部分5の表面5a(図2参照)との間に隙間が無くなるので、好ましい。
【0012】
実施形態2
実施形態1により設置された互いに隣り合う支柱1と支柱1との間に図4に示すような壁板30を設けた構成の防護柵21を形成する。
例えば、図4に示すように、互いに隣り合う支柱1;1としてのH形鋼の互いに向かい合う各凹部31;31内に壁板30の両側端部32;32を挿入することにより、互いに隣り合う支柱1;1間に壁板30が着脱可能に設置された防護柵21を形成できる。この場合、壁板30が着脱可能なので、壁板30の設置作業及び撤去作業が容易となる。
また、図5に示すように、支柱本体1aの他端部に壁板30Xを備えた支柱1Xを用いて互いに隣り合う支柱本体1aと支柱本体1aとの間に壁板30Xを設けた構成の防護柵22を形成してもよい。この場合、図5(a)のように、隣り合う壁板30X;30Xの側端部32;32同士が重ならないように構成した防護柵22としてもよいし、図5(b)のように、隣り合う壁板30X;30Xの側端部32;32同士が重なるように構成した防護柵22としてもよい。図5(b)のように構成すれば、防護柵22の剛性を上げることができる。
【0013】
実施形態3
図6(a)乃至(c)に示すように、実施形態1と同様に、根切り部形成工程、設置面形成工程を行う。そして、管材10を設置面9に設置した後(図6(c);(d)参照)、管材10を地盤に固定する前に支柱設置工程(図6(d);(e)参照)を行い、当該支柱設置工程の後に、管材10の周りにコンクリート125を打設する管材固定工程と管材10の管内にコンクリート125を打設する支柱固定工程とを一緒に行うようにしてもよい((図6(e);(f)参照)。
尚、この場合、管材10としては、一端11が設置面9に設置された場合に他端(上端)が根切り部6の上端位置よりも低い位置に位置される長さのものを用いることにより、管材10の周りに打設したコンクリート125が設置面9に設置された管材10の上端位置まで到達した後に管材10の管内に入り込むので、管材固定工程のコンクリート打設作業と支柱固定工程のコンクリート打設作業とを連続して行うことが可能となり、作業を簡単化できる。
当該方法によれば、管材固定工程のコンクリート打設作業と支柱固定工程のコンクリート打設作業とを一緒に行えることから、支柱固定作業をより早くかつより簡単に行うことができるようになる。また、上述したように、互いに隣り合う支柱1;1間に壁板30が設置された防護柵21を形成する場合に、壁板30の下端が根切り部6内に入り込み、壁板30の下端と土石流堆積部分5の表面との間に隙間が無くなるので、好ましい。
【0014】
実施形態4
図7に示すように、管材として、上述した管材10と同じ構成である管体10aと管体10aの一端面に取付けられた平板10bとで構成された管材10Aを用いてもよい。
当該管材10Aは、平板10bの平面が管体10aの中心軸と直交する面となるように、平板10bの一方の平面と管体10aの一端11とが溶接やボルトナット等による接続手段によって接続されて構成される。
当該管材10Aを用いて、平板10bの他方の面を設置面9に接触させて管材10Aを設置面9に設置することにより、管材10Aの設置面9に対する設置面積を大きくできることから、設置面9に設置される管材10Aの自立性が向上し、管材10Aの設置作業をより早くかつより簡単に行うことができるようになるので、支柱固定作業をより早くかつより簡単に行うことができるようになる。
また、当該管材10Aを用いれば、設置面9に設置される管材10Aの自立性が向上することから、実施形態3のように、管材固定工程のコンクリート打設作業と支柱固定工程のコンクリート打設作業とを一緒に行う場合に、管材10Aと支柱1とが倒れ難くなり、実施形態3の支柱固定作業を効率的に行えるようになるので、効果的である。
【0015】
実施形態5
図8(a)に示すように、中央主柱体1xと、中央主柱体1xと同一方向に延長し、かつ、平面視において中央主柱体1xを囲む三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の副柱体1y;1y;1yと、各副柱体1y;1y;1yと中央主柱体1xの周面1fとを連結する連結部材とを備えた構成の支柱1Aを用いてもよい。
より具体的には、支柱1Aは、中央主柱体1xの周りに3本の副柱体1y;1y;1yが平面視で三角形の頂点位置に配置され、図8(a)に示すように、中央主柱体1xの一端面14x及び3本の副柱体1y;1y;1yの各一端面14y;14y;14yが中央主柱体1xの中心軸と直交する同一平面100上に位置するように、中央主柱体1xと3本の副柱体1y;1y;1yとがそれぞれ個別に連結部材34によって連結された構成である。例えば、中央主柱体1xとしては、柱長が副柱体1yの柱長よりも長いものが用いられ、当該中央主柱体1xが本来の支柱の役目を果たすように構成される。
尚、副柱体1yの数は4つ以上でもよい。
【0016】
実施形態6
図9(a)に示すように、同一方向に延長し、かつ、平面視において三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の柱体1b;1b;1bと、互いに隣り合う複数の柱体1b;1b;1b同士を連結する連結部材35とを備えた構成の支柱1Bを用いてもよい。
より具体的には、支柱1Bは、3本の柱体1b;1b;1bが平面視で三角形の頂点位置に配置され、図9(b)に示すように、3本の柱体1b;1b;1bの各一端面14b;14b;14bが柱体1bの中心軸と直交する同一平面100上に位置するように、互いに隣り合う柱体1b同士が連結部材35により連結された構成である。
尚、柱体1bの数は4つ以上でもよい。
【0017】
実施形態6の支柱1Bを用いる場合、例えば、図10に示すように、支柱1Bの3本の柱体1b;1b;1bの各一端面14b;14b;14bを水平な設置面9に接触させて支柱1Bを設置面9に設置した後に、設置面9に設置された支柱1Bの周りにコンクリートを打設して固めることにより、支柱1を地盤に固定する。
同様に、実施形態5の支柱1Aを用いる場合、支柱1Aの中央主柱体1xの一端面14x及び3本の副柱体1y;1y;1yの各一端面14y;14y;14yを水平な設置面9に接触させて支柱1Aを設置面9に設置した後に、設置面9に設置された支柱1Aの周りにコンクリートを打設して固めることにより、支柱1Aを地盤に固定する。
【0018】
実施形態5の支柱1Aを用いれば、3本の副柱体1y;1y;1yの各一端面14y;14y;14yが水平な設置面9の三角形の頂点位置にそれぞれ設置され、かつ、中央主柱体1xの一端面14xが水平な設置面9の三角形の中央位置に設置されるので、支柱1Aの自立安定性が高くなる。
実施形態6の支柱1Bを用いれば、支柱1Bを構成する3本の柱体1b;1b;1bの各一端面14b;14b;14bが水平な設置面9の三角形の頂点位置にそれぞれ設置されるので、3本の柱体1b;1b;1bの自立安定性が高くなり、支柱1Bの自立安定性が高くなる。
よって、支柱1Aや支柱1Bを用いる場合には、上述した管材10や管材10Aを用いずとも、支柱1Aや支柱1Bを設置面9に単に置くだけで、支柱1Aや支柱1Bを簡単に自立させることができ、作業コスト及び作業時間をさらに低減できる。
また、支柱1Aは4本の柱体1x;1y;1y;1yと連結部材34とにより構成され、支柱1Bは3本の柱体1b;1b;1bと連結部材35とにより構成されるので、支柱の剛性も高くなる。
また、支柱1Aや支柱1Bは、自立性が向上するので、機械を遠隔操縦して行う無人化作業が可能となり、災害地のような人の立ち入れない場所に支柱1Aや支柱1Bを設置する場合にも容易に対応できる。
【0019】
実施形態7
図11に示すように、同一方向に延長、かつ、平面視において三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の柱体1cと、複数の柱体1cがそれぞれ個別に柱体1cの中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体1c同士を連結する連結部材36と、柱体1cに取付けられた上ストッパ37及び下ストッパ38とを備えた支柱1Cを用いてもよい。
より具体的には、3本の柱体1c;1c;1cが平面視で三角形の頂点位置に配置されて、互いに隣り合う柱体1c;1c;1c同士が連結部材36により保持されて、かつ、柱体1c;1c;1cがそれぞれ個別に柱体1cの中心軸に沿った方向に移動可能となった構成である。即ち、図9に示した実施形態6の支柱1Bの3本の柱体1b;1b;1bが柱体1bの中心軸に沿った方向に移動可能に構成された支柱である。
図12に示すように、柱体1cは、例えば、一端部が円錐面のような錐面状に形成されて一端14tが先鋭に形成された円柱体のような柱体により構成される。
連結部材36は、例えば、柱体1cの柱径よりも大径でかつ柱体1cの柱径と近似した径寸法の内径を有した3つの円筒体のような筒体36a;36a;36aと、3つの筒体36a;36a;36aが平面視で三角形の頂点位置に位置されるように3つの筒体36a;36a;36aを連結する連結体36bとを備えた構成である。
上ストッパ37は、連結部材36の筒体36aに通された柱体1cの周面において、筒体36aの他端面36xと接触可能な位置に設けられる。下ストッパ38は、連結部材36の筒体36aに通された柱体1cの周面において、筒体36aの一端面36yと接触可能な位置に設けられる。
そして、上ストッパ37と下ストッパ38との間の間隔が、筒体36aの一端面36xと他端面36yとの間の長さよりも大きく設定されたことにより、柱体1cは、筒体36aの中心軸に沿った方向に移動可能に構成される。
尚、上ストッパ37と下ストッパ38との間の間隔によって、根切り部6の底面7に接触する各柱体1c;1c;1cの一端14t;14t;14tが接触する底面7の対応可能な不陸差が決まる。従って、根切り部6の底面7の不陸差の大小に応じて上ストッパ37と下ストッパ38との間の間隔を決めればよい。
上ストッパ37は、例えば、図11;12に示すように、3つのストッパ体37a;37a;37aが柱体1cの周面において柱体1cの中心軸周りに120度隔てた位置に分散配置されて構成される。下ストッパ38も上ストッパ37と同じように、3つのストッパ体38a;38a;38aが柱体1cの周面において柱体1cの中心軸周りに120度隔てた位置に分散配置されて構成される(例えば、図11;12参照)。ストッパ体37a;38aは、例えば、溶接やボルトナット等による接続手段によって柱体1cの周面に接続される。また、上ストッパ37、下ストッパ38は、柱体1cに嵌合されて柱体1cの周面に接続される管体等の環状部材により構成してもよい。
尚、柱体1cの数は4つ以上でもよい。
【0020】
当該支柱1Cを用いれば、根切り部6の不陸のある底面7にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して水平な設置面9を形成せずとも、根切り部6の不陸のある底面7に直接に支柱1Cを自立させて設置できるようになる。
即ち、クレーン等の揚重機を用いて連結部材36をロープ等の吊具で吊ると連結部材36が3つの柱体1c;1c;1cの各上ストッパ37に引っ掛かった状態となり、この状態で支柱1Cを根切り部6に移動する(図13(a)参照)。連結部材36を下降させると、支柱1Cの3つの柱体1c;1c;1cが垂直方向に延長する垂直姿勢状態を維持しながら根切り部6の底面7に近付くように移動される。そして、ひとつの柱体1cの一端14tが根切り部6の底面7と接触した後、当該最初に一端14tが底面7と接触した柱体1cの下ストッパ38で止まるまで連結部材36を下降させながら、その他の柱体1cの一端14tと底面7とを接触させる(図13(b);(c)参照)ことにより、柱体1Cの3つの柱体1c;1c;1cが根切り部6の不陸のある底面7に自立して設置されることになる。そして、吊具を連結部材36から外し(図13(d)参照)、根切り部6の不陸のある底面7に設置された柱体1Cの周りにコンクリート126を打設して支柱1Cを地盤に固定する((図13(e)参照)。
よって、実施形態7の支柱1Cを用いれば、根切り部6の不陸のある底面7に支柱1Cを自立させて設置できるようになるので、実施形態1で説明した設置面形成工程を省略でき、作業コスト及び作業時間を低減できる。また、支柱1Cが、3本の柱体と連結部材36とを備えたので、支柱1Cの剛性も高くなる。
【0021】
実施形態8
図14;15に示すように、中央主柱体1dと、中央主柱体1dと同一方向に延長し、かつ、平面視において中央主柱体1dを囲む三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の副柱体1eと、複数の副柱体1eがそれぞれ個別に中央主柱体1dの中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の副柱体1eと中央主柱体1dの周面とを連結する連結部材39とを備えた構成の支柱1Dを用いてもよい。
より具体的には、中央主柱体1dの周りに3本の副柱体1e;1e;1eが平面視で三角形の頂点位置に配置され、3本の副柱体1e;1e;1eがそれぞれ中央主柱体1dの中心軸に沿った方向に移動可能なように、中央主柱体1dに連結された構成である。即ち、図8に示した実施形態5の支柱1Aの3本の副柱体1y;1y;1yが中央主柱体1xの中心軸に沿った方向に移動可能となった構成である。
中央主柱体1dは、例えば、円柱体のような柱体により構成される。
副柱体1eは、中空柱体40と、蓋体41とを備える。中空柱体40は、一端開口他端閉塞で、かつ、周面には、一端開口43から他端に向けて延長する細長孔42を備える。この細長孔42は、中空柱体40の中心軸に沿って延長する。蓋体41は、中空柱体40の一端開口43を塞ぐ蓋である。
3つの連結部材39;39;39は、例えば、中央主柱体1dの周面において柱体1cの中心軸周りに120度隔てた位置よりそれぞれ中心軸と直交する方向に突出するように設けられる。連結部材39は、例えば、突出端部が、副柱体1eの中空柱体40の細長孔42に挿入されて細長孔42の延長方向に移動可能な平板部44と、副柱体1eの中空柱体40の中空部に挿入されて中空柱体40の一端開口43側と他端側との間を移動可能なガイド柱体45とを備える。
副柱体1eは、一端面51が、中央主柱体1dの一端面50よりも下方または上方に移動可能なように構成される。
支柱1Dは、連結部材39の突出端部のガイド柱体45を、副柱体1eの中空柱体40の一端開口43側から中空柱体40の中空部に挿入すると同時に、連結部材39の突出端部の平板部44を、副柱体1eの中空柱体40の一端開口43側から細長孔42に挿入した後に、中空柱体40の一端開口43を蓋体41で塞ぐことにより形成される。
尚、副柱体1eの数は4つ以上でもよい。また、副柱体1eは、下端が尖った形状に形成されたものを用いてもよい。
【0022】
当該支柱1Dを用いれば、根切り部6の不陸のある底面7にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して水平な設置面9を形成せずとも、根切り部6の不陸のある底面7に直接に支柱1Dを自立させて設置できるようになる。
即ち、図16(a)に示すように、支柱1Dが根切り部6の底面7に近付くように移動され、中央主柱体1dの一端面50が底面7に接触して自立しようとする場合に、底面7において中央主柱体1dの一端面50が接触する部分よりも副柱体1eの一端面51が接触する部分の位置のレベルが高い場合には副柱体1eが上方に移動し、底面7において中央主柱体1dの一端面50が接触する部分よりも副柱体1eの一端面51が接触する部分の位置のレベルが低い場合には副柱体1eが下方に移動するので、中央主柱体1dが傾きにくくなり、中央主柱体1dが自立しやすくなる。
中央主柱体1dが底面7に接触して中央主柱体1dが自立することにより支柱1Dが底面7に設置された後に、支柱1Dの周りにコンクリート127を打設して支柱1Dを地盤に固定する。
よって、実施形態8の支柱1Dを用いれば、根切り部6の不陸のある底面7に支柱1Dを自立させて設置できるようになるので、実施形態1で説明した設置面形成工程を省略でき、作業コスト及び作業時間を低減できる。また、支柱1Dが4本の柱体と連結部材39とを備えたので、支柱1Dの剛性も高くなる。
【0023】
実施形態9
実施形態1では、エアシリンダー等の開閉駆動手段によって開閉板18の開閉を制御する構成のホッパー19を用いてコンクリート打設作業を行う例を説明したが、この場合、建設機械を操作することによるホッパー19の昇降作業とホッパー19の開閉駆動手段を制御するための操作の両方の遠隔操作を行わなければならず、作業の困難性が高くなる。
そこで、図17に示すように、エアシリンダー等の開閉駆動手段を用いない構成のホッパー60を用いるようにすれば、開閉駆動手段の遠隔操作作業を行わなくて済むので作業が容易となる。
図17乃至図19に示すように、実施形態9によるホッパー60は、コンクリート70を収容するための容器61と、開閉弁62と、受圧板63と、開閉弁62と受圧板63とを連結する連結体としての連結軸64とを備える。
容器61は、容器61の底板65に、コンクリート70を容器61外に放出するための開口である放出口66を有した上部開口の容器であり、容器61内に収容されたコンクリート70を放出口66を介して放出可能に収容するコンクリート収容容器である。
開閉弁62は、容器61の内側に配置されて放出口66を開閉する弁であり、放出口66を塞ぐことが可能なように、放出口66の径よりも大径の弁体により形成される。
受圧部としての受圧板63は、放出口66を貫通するように設けられる連結軸64を介して開閉弁62と連結されて容器61の外側に突出するように設けられる。
連結軸64の軸径寸法は放出口66の口径寸法よりも小さく形成される。連結軸64の軸径寸法と放出口66の口径寸法との差を大きくすれば、コンクリート70が放出口66を介して放出される際の開口を大きくできる。
そして、受圧板63は、コンクリート打設対象部と接触した場合に当該接触面からの力を受けて放出口66を開く方向に開閉弁62を移動させるものである。
【0024】
即ち、当該ホッパーは、受圧板63が設置面等と接触して開閉弁62が放出口66を開いた状態となった場合に、容器61内のコンクリート70が放出口66を介して容器61の外側に放出されるように構成されたものである。
即ち、図19(a)に示すように、容器61内にコンクリート70を収容させる場合には、容器61の底板65の下面65aを地面67等に接触させ、かつ、受圧板63が地面67等に形成された穴68内で空中に浮いた状態とすることにより、開閉弁62が放出口66を塞いだ状態となっているときに、容器61内にコンクリート70を投入する。
そして、開閉弁62が放出口66を塞いだ状態を維持したままホッパー60を建設機械で吊り上げてホッパー60をコンクリート打設対象部としての例えば根切り部6の底面7に移動する(図19(b);(c)参照)。
そして、図19(c)に示すように、ホッパー60を下降させて、受圧板63の下面63aと底面7とを接触させて開閉弁62を上方に移動させ、かつ、受圧板63の上面63bと底板65の下面65aとが接触しない状態、及び、開閉弁62の下面62aと底板65の内底面65bとが接触しない状態に維持する。これにより、容器61内のコンクリート70が放出口66を介して底面7上に放出される。即ち、容器61内のコンクリート70が、開閉弁62の下面62aと底板65の内底面65bとの間、連結軸64と放出口66の孔縁66aとの間、受圧板63の上面63bと底板65の下面65aとの間を経由して底面7上に放出される。
コンクリート70の放出動作を停止させる場合には、ホッパー60を上昇させることにより、開閉弁62が自重で下降するので、開閉弁62の下面62aと底板65における放出口66の周囲の内底面65bとが接近して、開閉弁62が放出口66を塞ぐ状態となる。
【0025】
当該ホッパー60によれば、ホッパー60を昇降動作させるだけで、放出口66の開閉動作が行われるので、放出口を開閉する開閉板を開閉させるためのエアシリンダー等の開閉駆動手段を不要とでき、低コストなホッパーを提供できる。
また、連結軸64の長さが根切り部6の深さよりも長ければ、根切り部6内に根切り部6の上縁部分までコンクリート70を充填することが可能となるので好ましい。
【0026】
実施形態10
図20;21に示すような開閉弁71を備えたホッパー60Aを用いれば、コンクリート70の放出動作をスムーズにできる。尚、開閉弁以外の構成は、上述したホッパー60と同じ構成なので、説明を省略する。
開閉弁71は、開閉蓋72と、開閉蓋72の開動作の際に開閉蓋72に加わる容器61内のコンクリート70からの力を軽減させて開動作の動作信頼性を向上させるための開動作アシスト手段とを備える。
開動作アシスト手段は、例えば、開閉蓋72の周縁より開閉蓋72の中心側に向けて容器61の底板65より離れる方向、即ち、上方に延長する傾斜部73aを備えた立方体73により形成される。立方体73としては、開閉蓋72が円形平板の場合は傾斜部73aを形成する円錐面を備えた円錐体、開閉蓋72が角形平板の場合は傾斜部を形成する角錐面を備えた角錐体とすればよい。また、開閉蓋72が四角形平板の場合は三角柱を横倒しにして角錐面を三角柱の少なくとも1つの側面を傾斜部として利用した立方体を用いてもよい。
尚、開閉蓋72の中心を通る中心線と傾斜部73aの上端とが一致していなくてもよいし、傾斜部73aの上端73tが面に形成されていてもよいが、立方体がコンクリート70中を上方に移動する際の抵抗をより小さくするためには、開閉蓋72の中心を通る中心線と傾斜部73aの上端73tとが一致していることが好ましく、また、傾斜部73aの上端73tが点又は線による先鋭形状に形成されていることが好ましい。
尚、開閉弁71は、開閉蓋72と開動作アシスト手段とが一体に形成されたものでもよいし、それぞれ別体に形成された開閉蓋72と開動作アシスト手段とを接合して形成されたものでもよい。
【0027】
実施形態10のホッパー60Aを用いれば、図21(a)に示すように放出口66が開閉弁71の開閉蓋72で塞がれた閉状態から図21(b)に示すように開閉弁71が放出口66を開こうとする方向、即ち、上方に移動する際に、開動作アシスト手段の傾斜部73a及び先鋭な上端73tにより開閉弁71がコンクリート70中を上方に移動する際の抵抗が小さくなり、開閉弁71の開動作がスムーズになる。
即ち、開閉弁による開動作がスムーズとなるホッパー60Aを提供できる。
【0028】
本発明の支柱固定方法は、人の立ち入れない災害地に遠隔操縦による無人化作業で支柱を固定する場合に限られず、一般的な地盤に形成した根切り部に有人化作業で支柱を固定する場合にも適用可能である。
支柱1C;1Dは、人の立ち入れない災害地に設置固定される支柱として使用されるだけではなく、不陸のある面に設置固定する場合に好適な支柱として利用可能である。
ホッパー60;60Aは、人の立ち入れない災害地にコンクリートを打設する際に使用されるだけではなく、コンクリート打設用のホッパー、あるいは、コンクリート打設以外の用途に使用するホッパーとして利用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1;1A;1B;1C;1D;1X 支柱、1b;1c 柱体、
1d;1x 中央主柱体、1e;1y 副柱体、
5 土石流堆積部分(支柱固定対象部)、6 根切り部、7 根切り部の底面、
8 セルフレベリング性を有したコンクリート、9 設置面、10;10A 管材、
36;39 連結部材、60;60A ホッパー、61 容器、
62;71 開閉弁、63 受圧板(受圧部)、65 容器の底板、66 放出口、
72 開閉蓋、73 立方体、73a 傾斜部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、根切り部に支柱を固定する支柱固定方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、根切り部にコンクリートを打設して形成された捨てコンクリート上に支柱を設置する支柱固定方法において、互いに隣接する支柱同士を連結部材で連結することで複数の支柱を捨てコンクリート上に一直線状に立設したり、捨てコンクリート上に設けられたベースメッシュと支柱の下端とを取付金具で連結することによって、支柱を捨てコンクリート上に立設した後に、支柱の周りにコンクリートを打設して支柱を捨てコンクリート上に固定する方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11−131498号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の支柱固定方法においては、支柱の自立性を確保することが難しいことから、連結部材、ベースメッシュ、取付金具等の自立補助具を用いて支柱を自立させるようにしいている。
しかしながら、従来の支柱固定方法では、自立補助具を用いて支柱の自立を補助するための作業工程が必要となる。
本発明は、支柱の自立性を確保できるようにして、作業工程を削減できるようにした支柱固定方法等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る支柱固定方法は、支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリートを打設して設置面を形成する設置面形成工程と、設置面に管材の一端側を設置する管材設置工程と、設置面に設置された管材の周囲にコンクリートを打設して管材を地盤に固定する管材固定工程と、管材の他端開口を介して管材の管内に支柱の一端側を挿入して支柱を設置する支柱設置工程と、管材の管内にコンクリートを打設して支柱を管に固定する支柱固定工程とを備えたので、設置面に設置される管材の自立性が確保され、さらに、設置面に固定された管材の管内に支柱が挿入されることにより、支柱の自立性が確保されるので、支柱固定作業を早くかつ簡単に行うことができるので、作業コスト及び作業時間を低減できる。
また、本発明に係る支柱固定方法は、支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリートを打設して設置面を形成する設置面形成工程と、各柱体の中心軸が互いに平行に維持されかつ各柱体の一端面が柱体の中心軸と直交する同一平面上に位置されるように複数の柱体が連結されて構成された支柱を用いて当該支柱の各柱体の一端面を設置面に設置する支柱設置工程と、設置面に設置された支柱の各柱体の一端面側の周囲にコンクリートを打設して支柱を地盤に固定する支柱固定工程とを備えたので、支柱の自立性が向上し、支柱固定作業を早くかつ簡単に行うことができるので、作業コスト及び作業時間を低減できる。
さらに、本発明に係る支柱固定方法は、支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、各柱体の中心軸が互いに平行に維持されかつ各柱体が柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体が連結されて構成された支柱を用いて当該支柱の各柱体の一端面を根切り部の底面に設置する支柱設置工程と、根切り部の底面に設置された支柱の各柱体の一端面側の周囲にコンクリートを打設して支柱を根切り部の底面に固定する支柱固定工程とを備えたので、設置面形成工程を省略できるとともに、支柱の自立性が向上し、支柱固定作業を早くかつ簡単に行うことができるので、作業コスト及び作業時間を低減できる。
支柱固定対象部が人の立ち入れない災害地であり、各工程の作業を遠隔操縦によって操縦される機械を用いて行うので、災害地のような人の立ち入れない場所にも支柱を容易に設置できるようになる。
上述した支柱固定方法に使用する支柱であって、同一方向に延長し、かつ、平面視において三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の柱体と、複数の柱体がそれぞれ個別に柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体同士を連結する連結部材とを備えたので、支柱の自立性が向上し、作業コスト及び作業時間を低減できる。
上述した支柱固定方法に使用する支柱であって、中央主柱体と、中央主柱体と同一方向に延長し、かつ、平面視において中央主柱体を囲む三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の副柱体と、複数の副柱体がそれぞれ個別に中央主柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように各副柱体と中央主柱体の周面とをそれぞれ個別に連結する連結部材とを備えたので、支柱の自立性が向上し、作業コスト及び作業時間を低減できる。
上述した支柱固定方法に用いるコンクリート打設用のホッパーであって、コンクリートが収容され底板にコンクリートを放出させるための放出口を有した容器と、容器の内側に配置され放出口の径よりも大径の弁体により形成されて放出口を開閉する開閉弁と、開閉弁と放出口の径よりも小径の連結軸を介して連結され放出口を介して容器の外側に突出した受圧部とを備え、受圧部がコンクリート打設対象面からの力を受けて放出口を開く方向に開閉弁を移動させることで、受圧部と底板の下面とが接触しない状態、及び、開閉弁と底板の内底面とが接触しない状態に維持された場合に、容器内のコンクリートが、開閉弁と底板の内底面との間、連結軸と放出口の孔縁との間、受圧部と底板の下面との間を経由してコンクリート打設対象面に放出されるように構成されたので、放出口を開閉する開閉板を開閉させるための開閉駆動手段を不要とでき、低コストなホッパーを提供できる。
上記開閉弁が、放出口を開閉する開閉蓋と、開閉蓋の開動作の際に開閉蓋に加わる容器内のコンクリートからの力を軽減させる開動作アシスト手段とを備え、開動作アシスト手段は、開閉蓋の周縁より開閉蓋の中心側に向けて容器の底板より離れる方向に延長する傾斜部を備えた立方体により形成されたので、開閉弁による開動作がスムーズとなるホッパーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】支柱固定対象部としての土石流堆積部分に支柱を設置した状態を示す断面図(実施形態1)。
【図2】支柱固定対象部としての土石流堆積部分に支柱を設置した状態を示す斜視図(実施形態1)。
【図3】支柱固定方法の手順を示した説明図(実施形態1)。
【図4】支柱間に壁板を設置した防護柵を示す斜視図(実施形態2)。
【図5】支柱間に壁板を設置した防護柵を示す斜視図(実施形態2)。
【図6】支柱固定方法の手順を示した説明図(実施形態3)。
【図7】管体を示す斜視図(実施形態4)。
【図8】(a)は支柱を示す斜視図、(b)は支柱を示す正面図(実施形態5)。
【図9】(a)は支柱を示す斜視図、(b)は支柱を示す正面図(実施形態6)。
【図10】支柱を設置面に設置した状態を示す斜視図(実施形態6)。
【図11】支柱を示す斜視図(実施形態7)。
【図12】支柱を示す分解斜視図(実施形態7)。
【図13】支柱固定方法の工程を示した説明図(実施形態7)。
【図14】支柱を示す斜視図(実施形態8)。
【図15】支柱を示す分解斜視図(実施形態8)。
【図16】支柱固定方法の手順を示した説明図(実施形態8)。
【図17】ホッパーを示す斜視図(実施形態9)。
【図18】ホッパーの開閉動作を示す破断斜視図(実施形態9)。
【図19】ホッパーによるコンクリート打設工程を示した説明図(実施形態9)。
【図20】ホッパーを示す破断斜視図(実施形態10)。
【図21】ホッパーの開閉動作を示す断面図(実施形態10)。
【発明を実施するための形態】
【0007】
実施形態1
図1乃至図3を参照し、実施形態1による支柱固定方法について、土石流や集中豪雨等の災害地のような人の立ち入れない場所において災害の拡大を防止するための防護柵20を形成する際の支柱1の固定方法を例にして説明する。
支柱1を設置する支柱固定対象部は、例えば、斜面3の一部が崩壊した山2の斜面3の麓部分4において土石流が堆積した土石流堆積部分5である。
支柱固定方法は、支柱固定対象部としての土石流堆積部分5を根切りして根切り部6を形成する根切り部形成工程と、根切り部6の底面7にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して水平な設置面9を形成する設置面形成工程と、設置面9に鋼管等の管材10の一端11側を設置する管材設置工程と、設置面9に設置された管材10の周囲にコンクリート12を打設して管材10を地盤に固定する管材固定工程と、管材10の他端開口13を介して管材10の管内にH形鋼等の支柱1の一端14側を挿入して支柱1を設置する支柱設置工程と、支柱1が挿入されて設置された管材10の管内にコンクリート15を打設して支柱1を管材10に固定する支柱固定工程とを備える。
【0008】
以下、支柱固定方法の具体例を説明する。支柱固定対象部は土石流堆積部分5であって人の立ち入れない場所なので、上述した各工程の作業は、遠隔操縦によって操縦される機械を用いた無人作業で行われる。
機械は、例えば、掘削機械、運搬車、揚重機としての機能を備えたバックホウやキャリアダンプ等の建設機械、及び、コンクリートを収容した状態からコンクリート打設部にコンクリートを放出する機能を備えたホッパー等のコンクリート打設機械であって、図外の遠隔操縦器から無線で送信される指令を受ける無線受信器16及び無線受信器16で受信した指令に基づいて機械の動作を制御する図外の制御部を備えたものを用いる(図3(a);(b)参照)。
【0009】
始めに建設機械としての例えばバックホウ17を支柱固定対象部である土石流堆積部分5の近くまで運び、操縦者がバックホウ17を遠隔操縦することにより、バックホウ17を支柱固定対象部の土石流堆積部分5まで移動させてからバックホウ17に土石流堆積部分5を掘削させて根切り作業を行わせ根切り部6を形成させる(根切り工程(図3(a);(b)参照))。
そして、例えば、遠隔操縦により操作されるコンクリート打設機械としての例えば図外のエアシリンダー等の開閉駆動手段を備えて当該開閉駆動手段を操作することでコンクリート収容部19aの底に設けられた開閉板18が開閉する構成のホッパー19を用い、ホッパー19のコンクリート収容部19a内にセルフレベリング性に優れた流動性の高いコンクリート(生コンクリート)8を収容し、コンクリート収容部19a内にコンクリート8を収容したホッパー19をバックホウ17に取付け、バックホウ17を遠隔操縦して当該ホッパー19を根切り部6の位置まで運搬させる(図3(b)参照)。
そして、遠隔操縦によりホッパー19の開閉駆動手段を駆動してホッパー19の開閉板18を閉状態から開状態に変化させることにより、コンクリート8がホッパー19から根切り部6の底面7に落下して打設され、根切り部6の底面7に打設されたコンクリート8のセルフレベリング性により水平な設置面9が形成される(設置面形成工程(図3(b);(c)参照))。
次に、バックホウ17を遠隔操縦して管材10を設置面9まで運搬させ、管材10の一端11を設置面9に設置させる。この際、複数の管材10を設置面9の延長方向に沿って所定間隔隔てて設置する(管材設置工程(図3(c);(d)、図2参照))。
複数の管材10を設置面9に設置した後、上述と同様にホッパー19を用いて、設置面9に設置された管材10の周りにコンクリート(生コンクリート)12を打設して固めることにより、管材10を地盤に固定する(管材固定工程(図3(d);(e)参照))。
バックホウ17を遠隔操縦して支柱1を管材10の位置まで運搬させ、支柱1の一端14側を管材10の他端開口13を介して管材10の中に挿入して支柱1の一端14を設置面9に接触させることにより、管材10の管内に支柱1を設置する(支柱設置工程(図3(e);(f)参照))。
そして、上述と同様にホッパー19を用いて、管材10の他端開口13を介して管材10内にコンクリート(生コンクリート)15を打設して固めることにより、支柱1を管材10に固定する(支柱固定工程(図3(g);(h)参照))。尚、開口の小さい管材10内や根切り部6内にコンクリートを打設する際には、コンクリート放出口の小さいシュートのようなコンクリート放出ガイド部材を用いればよい。
以上により、複数の支柱1が支柱固定対象部としての土石流堆積部分5に所定間隔を隔てて隣り合うように設置された防護柵20が形成される。
尚、機械として、建設機械の代わりに、ヘリコプターを用いてもよい。
【0010】
実施形態1による支柱固定方法によれば、根切り部6の底面7にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して水平な設置面9を形成するので、当該設置面9に設置される管材10の自立性が確保され、さらに、設置面9に固定された管材10の管内に支柱1が挿入されることにより、支柱1の自立性が確保される。
従って、実施形態1によれば、従来のような支柱の自立を補助するための自立補助具を用いた作業工程を削減でき、支柱固定作業を早くかつ簡単に行うことができるので、作業コスト及び作業時間を低減できる。
また、管材10及び支柱1の自立性が確保されるので、機械を遠隔操縦して行う無人化作業が可能となり、災害地のような人の立ち入れない場所に支柱1を設置する場合にも容易に対応できるようになる。
【0011】
尚、管材10としては、図1乃至図3に示すように一端11が設置面9に設置された場合に他端(上端)が根切り部6の上端位置よりも高い位置に位置される比較的長さの長い管材10を用いてもよいし、一端11が設置面9に設置された場合に他端が根切り部6の上端位置よりも低い位置に位置される比較的長さの短い管材10を用いてもよい。
上述した長い管材10を用いた場合、管材10に固定される支柱の一端部の長さを長くできるので、支柱の剛性が高くなる。
上述した短い管材10を用いた場合、根切り部6の管材10の周りにコンクリートを打設し続ければ、打設されたコンクリートが設置面9に設置された管材10の上端(他端)位置まで到達した後に管材10の管内に入り込むので、管材10の他端開口13を狙って管材10内にコンクリートを打設する作業を行わなくてもよくなり、管材10の管内にコンクリートを打設する作業を容易に行えるようになる。無人化作業の場合は、管材10の他端開口13を狙って管材10内にコンクリートを打設するような作業は困難性を伴うので、当該作業を省略できることは有意義である。また、設置面9に設置された管材10の他端(上端)が根切り部6の上端位置よりも低い位置に位置されるので、実施形態2で説明するように、互いに隣り合う支柱1;1としてH形鋼を用い、H形鋼の互いに向かい合う各凹部31;31内に壁板30の両側端部32;32を挿入することにより、互いに隣り合う支柱1;1間に壁板30が設置された防護柵21を形成する場合に、壁板30の下端が根切り部6内に入り込み、壁板30の下端と土石流堆積部分5の表面5a(図2参照)との間に隙間が無くなるので、好ましい。
【0012】
実施形態2
実施形態1により設置された互いに隣り合う支柱1と支柱1との間に図4に示すような壁板30を設けた構成の防護柵21を形成する。
例えば、図4に示すように、互いに隣り合う支柱1;1としてのH形鋼の互いに向かい合う各凹部31;31内に壁板30の両側端部32;32を挿入することにより、互いに隣り合う支柱1;1間に壁板30が着脱可能に設置された防護柵21を形成できる。この場合、壁板30が着脱可能なので、壁板30の設置作業及び撤去作業が容易となる。
また、図5に示すように、支柱本体1aの他端部に壁板30Xを備えた支柱1Xを用いて互いに隣り合う支柱本体1aと支柱本体1aとの間に壁板30Xを設けた構成の防護柵22を形成してもよい。この場合、図5(a)のように、隣り合う壁板30X;30Xの側端部32;32同士が重ならないように構成した防護柵22としてもよいし、図5(b)のように、隣り合う壁板30X;30Xの側端部32;32同士が重なるように構成した防護柵22としてもよい。図5(b)のように構成すれば、防護柵22の剛性を上げることができる。
【0013】
実施形態3
図6(a)乃至(c)に示すように、実施形態1と同様に、根切り部形成工程、設置面形成工程を行う。そして、管材10を設置面9に設置した後(図6(c);(d)参照)、管材10を地盤に固定する前に支柱設置工程(図6(d);(e)参照)を行い、当該支柱設置工程の後に、管材10の周りにコンクリート125を打設する管材固定工程と管材10の管内にコンクリート125を打設する支柱固定工程とを一緒に行うようにしてもよい((図6(e);(f)参照)。
尚、この場合、管材10としては、一端11が設置面9に設置された場合に他端(上端)が根切り部6の上端位置よりも低い位置に位置される長さのものを用いることにより、管材10の周りに打設したコンクリート125が設置面9に設置された管材10の上端位置まで到達した後に管材10の管内に入り込むので、管材固定工程のコンクリート打設作業と支柱固定工程のコンクリート打設作業とを連続して行うことが可能となり、作業を簡単化できる。
当該方法によれば、管材固定工程のコンクリート打設作業と支柱固定工程のコンクリート打設作業とを一緒に行えることから、支柱固定作業をより早くかつより簡単に行うことができるようになる。また、上述したように、互いに隣り合う支柱1;1間に壁板30が設置された防護柵21を形成する場合に、壁板30の下端が根切り部6内に入り込み、壁板30の下端と土石流堆積部分5の表面との間に隙間が無くなるので、好ましい。
【0014】
実施形態4
図7に示すように、管材として、上述した管材10と同じ構成である管体10aと管体10aの一端面に取付けられた平板10bとで構成された管材10Aを用いてもよい。
当該管材10Aは、平板10bの平面が管体10aの中心軸と直交する面となるように、平板10bの一方の平面と管体10aの一端11とが溶接やボルトナット等による接続手段によって接続されて構成される。
当該管材10Aを用いて、平板10bの他方の面を設置面9に接触させて管材10Aを設置面9に設置することにより、管材10Aの設置面9に対する設置面積を大きくできることから、設置面9に設置される管材10Aの自立性が向上し、管材10Aの設置作業をより早くかつより簡単に行うことができるようになるので、支柱固定作業をより早くかつより簡単に行うことができるようになる。
また、当該管材10Aを用いれば、設置面9に設置される管材10Aの自立性が向上することから、実施形態3のように、管材固定工程のコンクリート打設作業と支柱固定工程のコンクリート打設作業とを一緒に行う場合に、管材10Aと支柱1とが倒れ難くなり、実施形態3の支柱固定作業を効率的に行えるようになるので、効果的である。
【0015】
実施形態5
図8(a)に示すように、中央主柱体1xと、中央主柱体1xと同一方向に延長し、かつ、平面視において中央主柱体1xを囲む三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の副柱体1y;1y;1yと、各副柱体1y;1y;1yと中央主柱体1xの周面1fとを連結する連結部材とを備えた構成の支柱1Aを用いてもよい。
より具体的には、支柱1Aは、中央主柱体1xの周りに3本の副柱体1y;1y;1yが平面視で三角形の頂点位置に配置され、図8(a)に示すように、中央主柱体1xの一端面14x及び3本の副柱体1y;1y;1yの各一端面14y;14y;14yが中央主柱体1xの中心軸と直交する同一平面100上に位置するように、中央主柱体1xと3本の副柱体1y;1y;1yとがそれぞれ個別に連結部材34によって連結された構成である。例えば、中央主柱体1xとしては、柱長が副柱体1yの柱長よりも長いものが用いられ、当該中央主柱体1xが本来の支柱の役目を果たすように構成される。
尚、副柱体1yの数は4つ以上でもよい。
【0016】
実施形態6
図9(a)に示すように、同一方向に延長し、かつ、平面視において三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の柱体1b;1b;1bと、互いに隣り合う複数の柱体1b;1b;1b同士を連結する連結部材35とを備えた構成の支柱1Bを用いてもよい。
より具体的には、支柱1Bは、3本の柱体1b;1b;1bが平面視で三角形の頂点位置に配置され、図9(b)に示すように、3本の柱体1b;1b;1bの各一端面14b;14b;14bが柱体1bの中心軸と直交する同一平面100上に位置するように、互いに隣り合う柱体1b同士が連結部材35により連結された構成である。
尚、柱体1bの数は4つ以上でもよい。
【0017】
実施形態6の支柱1Bを用いる場合、例えば、図10に示すように、支柱1Bの3本の柱体1b;1b;1bの各一端面14b;14b;14bを水平な設置面9に接触させて支柱1Bを設置面9に設置した後に、設置面9に設置された支柱1Bの周りにコンクリートを打設して固めることにより、支柱1を地盤に固定する。
同様に、実施形態5の支柱1Aを用いる場合、支柱1Aの中央主柱体1xの一端面14x及び3本の副柱体1y;1y;1yの各一端面14y;14y;14yを水平な設置面9に接触させて支柱1Aを設置面9に設置した後に、設置面9に設置された支柱1Aの周りにコンクリートを打設して固めることにより、支柱1Aを地盤に固定する。
【0018】
実施形態5の支柱1Aを用いれば、3本の副柱体1y;1y;1yの各一端面14y;14y;14yが水平な設置面9の三角形の頂点位置にそれぞれ設置され、かつ、中央主柱体1xの一端面14xが水平な設置面9の三角形の中央位置に設置されるので、支柱1Aの自立安定性が高くなる。
実施形態6の支柱1Bを用いれば、支柱1Bを構成する3本の柱体1b;1b;1bの各一端面14b;14b;14bが水平な設置面9の三角形の頂点位置にそれぞれ設置されるので、3本の柱体1b;1b;1bの自立安定性が高くなり、支柱1Bの自立安定性が高くなる。
よって、支柱1Aや支柱1Bを用いる場合には、上述した管材10や管材10Aを用いずとも、支柱1Aや支柱1Bを設置面9に単に置くだけで、支柱1Aや支柱1Bを簡単に自立させることができ、作業コスト及び作業時間をさらに低減できる。
また、支柱1Aは4本の柱体1x;1y;1y;1yと連結部材34とにより構成され、支柱1Bは3本の柱体1b;1b;1bと連結部材35とにより構成されるので、支柱の剛性も高くなる。
また、支柱1Aや支柱1Bは、自立性が向上するので、機械を遠隔操縦して行う無人化作業が可能となり、災害地のような人の立ち入れない場所に支柱1Aや支柱1Bを設置する場合にも容易に対応できる。
【0019】
実施形態7
図11に示すように、同一方向に延長、かつ、平面視において三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の柱体1cと、複数の柱体1cがそれぞれ個別に柱体1cの中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体1c同士を連結する連結部材36と、柱体1cに取付けられた上ストッパ37及び下ストッパ38とを備えた支柱1Cを用いてもよい。
より具体的には、3本の柱体1c;1c;1cが平面視で三角形の頂点位置に配置されて、互いに隣り合う柱体1c;1c;1c同士が連結部材36により保持されて、かつ、柱体1c;1c;1cがそれぞれ個別に柱体1cの中心軸に沿った方向に移動可能となった構成である。即ち、図9に示した実施形態6の支柱1Bの3本の柱体1b;1b;1bが柱体1bの中心軸に沿った方向に移動可能に構成された支柱である。
図12に示すように、柱体1cは、例えば、一端部が円錐面のような錐面状に形成されて一端14tが先鋭に形成された円柱体のような柱体により構成される。
連結部材36は、例えば、柱体1cの柱径よりも大径でかつ柱体1cの柱径と近似した径寸法の内径を有した3つの円筒体のような筒体36a;36a;36aと、3つの筒体36a;36a;36aが平面視で三角形の頂点位置に位置されるように3つの筒体36a;36a;36aを連結する連結体36bとを備えた構成である。
上ストッパ37は、連結部材36の筒体36aに通された柱体1cの周面において、筒体36aの他端面36xと接触可能な位置に設けられる。下ストッパ38は、連結部材36の筒体36aに通された柱体1cの周面において、筒体36aの一端面36yと接触可能な位置に設けられる。
そして、上ストッパ37と下ストッパ38との間の間隔が、筒体36aの一端面36xと他端面36yとの間の長さよりも大きく設定されたことにより、柱体1cは、筒体36aの中心軸に沿った方向に移動可能に構成される。
尚、上ストッパ37と下ストッパ38との間の間隔によって、根切り部6の底面7に接触する各柱体1c;1c;1cの一端14t;14t;14tが接触する底面7の対応可能な不陸差が決まる。従って、根切り部6の底面7の不陸差の大小に応じて上ストッパ37と下ストッパ38との間の間隔を決めればよい。
上ストッパ37は、例えば、図11;12に示すように、3つのストッパ体37a;37a;37aが柱体1cの周面において柱体1cの中心軸周りに120度隔てた位置に分散配置されて構成される。下ストッパ38も上ストッパ37と同じように、3つのストッパ体38a;38a;38aが柱体1cの周面において柱体1cの中心軸周りに120度隔てた位置に分散配置されて構成される(例えば、図11;12参照)。ストッパ体37a;38aは、例えば、溶接やボルトナット等による接続手段によって柱体1cの周面に接続される。また、上ストッパ37、下ストッパ38は、柱体1cに嵌合されて柱体1cの周面に接続される管体等の環状部材により構成してもよい。
尚、柱体1cの数は4つ以上でもよい。
【0020】
当該支柱1Cを用いれば、根切り部6の不陸のある底面7にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して水平な設置面9を形成せずとも、根切り部6の不陸のある底面7に直接に支柱1Cを自立させて設置できるようになる。
即ち、クレーン等の揚重機を用いて連結部材36をロープ等の吊具で吊ると連結部材36が3つの柱体1c;1c;1cの各上ストッパ37に引っ掛かった状態となり、この状態で支柱1Cを根切り部6に移動する(図13(a)参照)。連結部材36を下降させると、支柱1Cの3つの柱体1c;1c;1cが垂直方向に延長する垂直姿勢状態を維持しながら根切り部6の底面7に近付くように移動される。そして、ひとつの柱体1cの一端14tが根切り部6の底面7と接触した後、当該最初に一端14tが底面7と接触した柱体1cの下ストッパ38で止まるまで連結部材36を下降させながら、その他の柱体1cの一端14tと底面7とを接触させる(図13(b);(c)参照)ことにより、柱体1Cの3つの柱体1c;1c;1cが根切り部6の不陸のある底面7に自立して設置されることになる。そして、吊具を連結部材36から外し(図13(d)参照)、根切り部6の不陸のある底面7に設置された柱体1Cの周りにコンクリート126を打設して支柱1Cを地盤に固定する((図13(e)参照)。
よって、実施形態7の支柱1Cを用いれば、根切り部6の不陸のある底面7に支柱1Cを自立させて設置できるようになるので、実施形態1で説明した設置面形成工程を省略でき、作業コスト及び作業時間を低減できる。また、支柱1Cが、3本の柱体と連結部材36とを備えたので、支柱1Cの剛性も高くなる。
【0021】
実施形態8
図14;15に示すように、中央主柱体1dと、中央主柱体1dと同一方向に延長し、かつ、平面視において中央主柱体1dを囲む三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の副柱体1eと、複数の副柱体1eがそれぞれ個別に中央主柱体1dの中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の副柱体1eと中央主柱体1dの周面とを連結する連結部材39とを備えた構成の支柱1Dを用いてもよい。
より具体的には、中央主柱体1dの周りに3本の副柱体1e;1e;1eが平面視で三角形の頂点位置に配置され、3本の副柱体1e;1e;1eがそれぞれ中央主柱体1dの中心軸に沿った方向に移動可能なように、中央主柱体1dに連結された構成である。即ち、図8に示した実施形態5の支柱1Aの3本の副柱体1y;1y;1yが中央主柱体1xの中心軸に沿った方向に移動可能となった構成である。
中央主柱体1dは、例えば、円柱体のような柱体により構成される。
副柱体1eは、中空柱体40と、蓋体41とを備える。中空柱体40は、一端開口他端閉塞で、かつ、周面には、一端開口43から他端に向けて延長する細長孔42を備える。この細長孔42は、中空柱体40の中心軸に沿って延長する。蓋体41は、中空柱体40の一端開口43を塞ぐ蓋である。
3つの連結部材39;39;39は、例えば、中央主柱体1dの周面において柱体1cの中心軸周りに120度隔てた位置よりそれぞれ中心軸と直交する方向に突出するように設けられる。連結部材39は、例えば、突出端部が、副柱体1eの中空柱体40の細長孔42に挿入されて細長孔42の延長方向に移動可能な平板部44と、副柱体1eの中空柱体40の中空部に挿入されて中空柱体40の一端開口43側と他端側との間を移動可能なガイド柱体45とを備える。
副柱体1eは、一端面51が、中央主柱体1dの一端面50よりも下方または上方に移動可能なように構成される。
支柱1Dは、連結部材39の突出端部のガイド柱体45を、副柱体1eの中空柱体40の一端開口43側から中空柱体40の中空部に挿入すると同時に、連結部材39の突出端部の平板部44を、副柱体1eの中空柱体40の一端開口43側から細長孔42に挿入した後に、中空柱体40の一端開口43を蓋体41で塞ぐことにより形成される。
尚、副柱体1eの数は4つ以上でもよい。また、副柱体1eは、下端が尖った形状に形成されたものを用いてもよい。
【0022】
当該支柱1Dを用いれば、根切り部6の不陸のある底面7にセルフレベリング性を有したコンクリート8を打設して水平な設置面9を形成せずとも、根切り部6の不陸のある底面7に直接に支柱1Dを自立させて設置できるようになる。
即ち、図16(a)に示すように、支柱1Dが根切り部6の底面7に近付くように移動され、中央主柱体1dの一端面50が底面7に接触して自立しようとする場合に、底面7において中央主柱体1dの一端面50が接触する部分よりも副柱体1eの一端面51が接触する部分の位置のレベルが高い場合には副柱体1eが上方に移動し、底面7において中央主柱体1dの一端面50が接触する部分よりも副柱体1eの一端面51が接触する部分の位置のレベルが低い場合には副柱体1eが下方に移動するので、中央主柱体1dが傾きにくくなり、中央主柱体1dが自立しやすくなる。
中央主柱体1dが底面7に接触して中央主柱体1dが自立することにより支柱1Dが底面7に設置された後に、支柱1Dの周りにコンクリート127を打設して支柱1Dを地盤に固定する。
よって、実施形態8の支柱1Dを用いれば、根切り部6の不陸のある底面7に支柱1Dを自立させて設置できるようになるので、実施形態1で説明した設置面形成工程を省略でき、作業コスト及び作業時間を低減できる。また、支柱1Dが4本の柱体と連結部材39とを備えたので、支柱1Dの剛性も高くなる。
【0023】
実施形態9
実施形態1では、エアシリンダー等の開閉駆動手段によって開閉板18の開閉を制御する構成のホッパー19を用いてコンクリート打設作業を行う例を説明したが、この場合、建設機械を操作することによるホッパー19の昇降作業とホッパー19の開閉駆動手段を制御するための操作の両方の遠隔操作を行わなければならず、作業の困難性が高くなる。
そこで、図17に示すように、エアシリンダー等の開閉駆動手段を用いない構成のホッパー60を用いるようにすれば、開閉駆動手段の遠隔操作作業を行わなくて済むので作業が容易となる。
図17乃至図19に示すように、実施形態9によるホッパー60は、コンクリート70を収容するための容器61と、開閉弁62と、受圧板63と、開閉弁62と受圧板63とを連結する連結体としての連結軸64とを備える。
容器61は、容器61の底板65に、コンクリート70を容器61外に放出するための開口である放出口66を有した上部開口の容器であり、容器61内に収容されたコンクリート70を放出口66を介して放出可能に収容するコンクリート収容容器である。
開閉弁62は、容器61の内側に配置されて放出口66を開閉する弁であり、放出口66を塞ぐことが可能なように、放出口66の径よりも大径の弁体により形成される。
受圧部としての受圧板63は、放出口66を貫通するように設けられる連結軸64を介して開閉弁62と連結されて容器61の外側に突出するように設けられる。
連結軸64の軸径寸法は放出口66の口径寸法よりも小さく形成される。連結軸64の軸径寸法と放出口66の口径寸法との差を大きくすれば、コンクリート70が放出口66を介して放出される際の開口を大きくできる。
そして、受圧板63は、コンクリート打設対象部と接触した場合に当該接触面からの力を受けて放出口66を開く方向に開閉弁62を移動させるものである。
【0024】
即ち、当該ホッパーは、受圧板63が設置面等と接触して開閉弁62が放出口66を開いた状態となった場合に、容器61内のコンクリート70が放出口66を介して容器61の外側に放出されるように構成されたものである。
即ち、図19(a)に示すように、容器61内にコンクリート70を収容させる場合には、容器61の底板65の下面65aを地面67等に接触させ、かつ、受圧板63が地面67等に形成された穴68内で空中に浮いた状態とすることにより、開閉弁62が放出口66を塞いだ状態となっているときに、容器61内にコンクリート70を投入する。
そして、開閉弁62が放出口66を塞いだ状態を維持したままホッパー60を建設機械で吊り上げてホッパー60をコンクリート打設対象部としての例えば根切り部6の底面7に移動する(図19(b);(c)参照)。
そして、図19(c)に示すように、ホッパー60を下降させて、受圧板63の下面63aと底面7とを接触させて開閉弁62を上方に移動させ、かつ、受圧板63の上面63bと底板65の下面65aとが接触しない状態、及び、開閉弁62の下面62aと底板65の内底面65bとが接触しない状態に維持する。これにより、容器61内のコンクリート70が放出口66を介して底面7上に放出される。即ち、容器61内のコンクリート70が、開閉弁62の下面62aと底板65の内底面65bとの間、連結軸64と放出口66の孔縁66aとの間、受圧板63の上面63bと底板65の下面65aとの間を経由して底面7上に放出される。
コンクリート70の放出動作を停止させる場合には、ホッパー60を上昇させることにより、開閉弁62が自重で下降するので、開閉弁62の下面62aと底板65における放出口66の周囲の内底面65bとが接近して、開閉弁62が放出口66を塞ぐ状態となる。
【0025】
当該ホッパー60によれば、ホッパー60を昇降動作させるだけで、放出口66の開閉動作が行われるので、放出口を開閉する開閉板を開閉させるためのエアシリンダー等の開閉駆動手段を不要とでき、低コストなホッパーを提供できる。
また、連結軸64の長さが根切り部6の深さよりも長ければ、根切り部6内に根切り部6の上縁部分までコンクリート70を充填することが可能となるので好ましい。
【0026】
実施形態10
図20;21に示すような開閉弁71を備えたホッパー60Aを用いれば、コンクリート70の放出動作をスムーズにできる。尚、開閉弁以外の構成は、上述したホッパー60と同じ構成なので、説明を省略する。
開閉弁71は、開閉蓋72と、開閉蓋72の開動作の際に開閉蓋72に加わる容器61内のコンクリート70からの力を軽減させて開動作の動作信頼性を向上させるための開動作アシスト手段とを備える。
開動作アシスト手段は、例えば、開閉蓋72の周縁より開閉蓋72の中心側に向けて容器61の底板65より離れる方向、即ち、上方に延長する傾斜部73aを備えた立方体73により形成される。立方体73としては、開閉蓋72が円形平板の場合は傾斜部73aを形成する円錐面を備えた円錐体、開閉蓋72が角形平板の場合は傾斜部を形成する角錐面を備えた角錐体とすればよい。また、開閉蓋72が四角形平板の場合は三角柱を横倒しにして角錐面を三角柱の少なくとも1つの側面を傾斜部として利用した立方体を用いてもよい。
尚、開閉蓋72の中心を通る中心線と傾斜部73aの上端とが一致していなくてもよいし、傾斜部73aの上端73tが面に形成されていてもよいが、立方体がコンクリート70中を上方に移動する際の抵抗をより小さくするためには、開閉蓋72の中心を通る中心線と傾斜部73aの上端73tとが一致していることが好ましく、また、傾斜部73aの上端73tが点又は線による先鋭形状に形成されていることが好ましい。
尚、開閉弁71は、開閉蓋72と開動作アシスト手段とが一体に形成されたものでもよいし、それぞれ別体に形成された開閉蓋72と開動作アシスト手段とを接合して形成されたものでもよい。
【0027】
実施形態10のホッパー60Aを用いれば、図21(a)に示すように放出口66が開閉弁71の開閉蓋72で塞がれた閉状態から図21(b)に示すように開閉弁71が放出口66を開こうとする方向、即ち、上方に移動する際に、開動作アシスト手段の傾斜部73a及び先鋭な上端73tにより開閉弁71がコンクリート70中を上方に移動する際の抵抗が小さくなり、開閉弁71の開動作がスムーズになる。
即ち、開閉弁による開動作がスムーズとなるホッパー60Aを提供できる。
【0028】
本発明の支柱固定方法は、人の立ち入れない災害地に遠隔操縦による無人化作業で支柱を固定する場合に限られず、一般的な地盤に形成した根切り部に有人化作業で支柱を固定する場合にも適用可能である。
支柱1C;1Dは、人の立ち入れない災害地に設置固定される支柱として使用されるだけではなく、不陸のある面に設置固定する場合に好適な支柱として利用可能である。
ホッパー60;60Aは、人の立ち入れない災害地にコンクリートを打設する際に使用されるだけではなく、コンクリート打設用のホッパー、あるいは、コンクリート打設以外の用途に使用するホッパーとして利用可能である。
【符号の説明】
【0029】
1;1A;1B;1C;1D;1X 支柱、1b;1c 柱体、
1d;1x 中央主柱体、1e;1y 副柱体、
5 土石流堆積部分(支柱固定対象部)、6 根切り部、7 根切り部の底面、
8 セルフレベリング性を有したコンクリート、9 設置面、10;10A 管材、
36;39 連結部材、60;60A ホッパー、61 容器、
62;71 開閉弁、63 受圧板(受圧部)、65 容器の底板、66 放出口、
72 開閉蓋、73 立方体、73a 傾斜部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリートを打設して設置面を形成する設置面形成工程と、設置面に管材の一端側を設置する管材設置工程と、設置面に設置された管材の周囲にコンクリートを打設して管材を地盤に固定する管材固定工程と、管材の他端開口を介して管材の管内に支柱の一端側を挿入して支柱を設置する支柱設置工程と、管材の管内にコンクリートを打設して支柱を管に固定する支柱固定工程とを備えたことを特徴とする支柱固定方法。
【請求項2】
支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリートを打設して設置面を形成する設置面形成工程と、各柱体の中心軸が互いに平行に維持されかつ各柱体の一端面が柱体の中心軸と直交する同一平面上に位置されるように複数の柱体が連結されて構成された支柱を用いて当該支柱の各柱体の一端面を設置面に設置する支柱設置工程と、設置面に設置された支柱の各柱体の一端面側の周囲にコンクリートを打設して支柱を地盤に固定する支柱固定工程とを備えたことを特徴とする支柱固定方法。
【請求項3】
支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、各柱体の中心軸が互いに平行に維持されかつ各柱体が柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体が連結されて構成された支柱を用いて当該支柱の各柱体の一端面を根切り部の底面に設置する支柱設置工程と、根切り部の底面に設置された支柱の各柱体の一端面側の周囲にコンクリートを打設して支柱を根切り部の底面に固定する支柱固定工程とを備えたことを特徴とする支柱固定方法。
【請求項4】
支柱固定対象部が人の立ち入れない災害地であり、各工程の作業を遠隔操縦によって操縦される機械を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の支柱固定方法。
【請求項5】
請求項3に記載の支柱固定方法に使用する支柱であって、同一方向に延長し、かつ、平面視において三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の柱体と、複数の柱体がそれぞれ個別に柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体同士を連結する連結部材とを備えたことを特徴とする支柱。
【請求項6】
請求項3に記載の支柱固定方法に使用する支柱であって、中央主柱体と、中央主柱体と同一方向に延長し、かつ、平面視において中央主柱体を囲む三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の副柱体と、複数の副柱体がそれぞれ個別に中央主柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように各副柱体と中央主柱体の周面とをそれぞれ個別に連結する連結部材とを備えたことを特徴とする支柱。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の支柱固定方法に用いるコンクリート打設用のホッパーであって、コンクリートが収容され底板にコンクリートを放出させるための放出口を有した容器と、容器の内側に配置され放出口の径よりも大径の弁体により形成されて放出口を開閉する開閉弁と、開閉弁と放出口の径よりも小径の連結軸を介して連結され放出口を介して容器の外側に突出した受圧部とを備え、受圧部がコンクリート打設対象面からの力を受けて放出口を開く方向に開閉弁を移動させることで、受圧部と底板の下面とが接触しない状態、及び、開閉弁と底板の内底面とが接触しない状態に維持された場合に、容器内のコンクリートが、開閉弁と底板の内底面との間、連結軸と放出口の孔縁との間、受圧部と底板の下面との間を経由してコンクリート打設対象面に放出されるように構成されたことを特徴とするコンクリート打設用のホッパー。
【請求項8】
開閉弁が、放出口を開閉する開閉蓋と、開閉蓋の開動作の際に開閉蓋に加わる容器内のコンクリートからの力を軽減させる開動作アシスト手段とを備え、開動作アシスト手段は、開閉蓋の周縁より開閉蓋の中心側に向けて容器の底板より離れる方向に延長する傾斜部を備えた立方体により形成されたことを特徴とする請求項7に記載のコンクリート打設用のホッパー。
【請求項1】
支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリートを打設して設置面を形成する設置面形成工程と、設置面に管材の一端側を設置する管材設置工程と、設置面に設置された管材の周囲にコンクリートを打設して管材を地盤に固定する管材固定工程と、管材の他端開口を介して管材の管内に支柱の一端側を挿入して支柱を設置する支柱設置工程と、管材の管内にコンクリートを打設して支柱を管に固定する支柱固定工程とを備えたことを特徴とする支柱固定方法。
【請求項2】
支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、根切り部の底面にセルフレベリング性を有したコンクリートを打設して設置面を形成する設置面形成工程と、各柱体の中心軸が互いに平行に維持されかつ各柱体の一端面が柱体の中心軸と直交する同一平面上に位置されるように複数の柱体が連結されて構成された支柱を用いて当該支柱の各柱体の一端面を設置面に設置する支柱設置工程と、設置面に設置された支柱の各柱体の一端面側の周囲にコンクリートを打設して支柱を地盤に固定する支柱固定工程とを備えたことを特徴とする支柱固定方法。
【請求項3】
支柱固定対象部を根切りして根切り部を形成する根切り部形成工程と、各柱体の中心軸が互いに平行に維持されかつ各柱体が柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体が連結されて構成された支柱を用いて当該支柱の各柱体の一端面を根切り部の底面に設置する支柱設置工程と、根切り部の底面に設置された支柱の各柱体の一端面側の周囲にコンクリートを打設して支柱を根切り部の底面に固定する支柱固定工程とを備えたことを特徴とする支柱固定方法。
【請求項4】
支柱固定対象部が人の立ち入れない災害地であり、各工程の作業を遠隔操縦によって操縦される機械を用いて行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の支柱固定方法。
【請求項5】
請求項3に記載の支柱固定方法に使用する支柱であって、同一方向に延長し、かつ、平面視において三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の柱体と、複数の柱体がそれぞれ個別に柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように複数の柱体同士を連結する連結部材とを備えたことを特徴とする支柱。
【請求項6】
請求項3に記載の支柱固定方法に使用する支柱であって、中央主柱体と、中央主柱体と同一方向に延長し、かつ、平面視において中央主柱体を囲む三以上の角を持つ角形の頂点位置にそれぞれ配置されて互いに平行な複数の副柱体と、複数の副柱体がそれぞれ個別に中央主柱体の中心軸に沿った方向に移動可能なように各副柱体と中央主柱体の周面とをそれぞれ個別に連結する連結部材とを備えたことを特徴とする支柱。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の支柱固定方法に用いるコンクリート打設用のホッパーであって、コンクリートが収容され底板にコンクリートを放出させるための放出口を有した容器と、容器の内側に配置され放出口の径よりも大径の弁体により形成されて放出口を開閉する開閉弁と、開閉弁と放出口の径よりも小径の連結軸を介して連結され放出口を介して容器の外側に突出した受圧部とを備え、受圧部がコンクリート打設対象面からの力を受けて放出口を開く方向に開閉弁を移動させることで、受圧部と底板の下面とが接触しない状態、及び、開閉弁と底板の内底面とが接触しない状態に維持された場合に、容器内のコンクリートが、開閉弁と底板の内底面との間、連結軸と放出口の孔縁との間、受圧部と底板の下面との間を経由してコンクリート打設対象面に放出されるように構成されたことを特徴とするコンクリート打設用のホッパー。
【請求項8】
開閉弁が、放出口を開閉する開閉蓋と、開閉蓋の開動作の際に開閉蓋に加わる容器内のコンクリートからの力を軽減させる開動作アシスト手段とを備え、開動作アシスト手段は、開閉蓋の周縁より開閉蓋の中心側に向けて容器の底板より離れる方向に延長する傾斜部を備えた立方体により形成されたことを特徴とする請求項7に記載のコンクリート打設用のホッパー。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−202068(P2012−202068A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66148(P2011−66148)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【出願人】(502281127)株式会社ファテック (83)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000001317)株式会社熊谷組 (551)
【出願人】(502281127)株式会社ファテック (83)
【Fターム(参考)】
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