説明

改善されたディスプレイを有するインフレーションシリンジの為のシステム及び方法

本発明は、改善したディスプレイを有するインフレーションシリンジと、加圧値情報を表示する方法とを提供する。特に、本発明は、インフレーションシリンジと関連するインフレーション加圧値の数値指標及び非数値指標の双方を提供する方法及び装置に関するものである。本発明の一実施例によれば、インフレーションシリンジの加圧値をこの加圧値の数値指標と共に表示する漸増的非数値表示を提供する。この漸増的非数値表示は、インフレーション加圧値の範囲に対応する複数の指標を有する。これらの指標を駆動することにより、インフレーション加圧値を表示するとともに、実行者は、数値を解釈する必要なしに、加圧値の概略的な大きさを容易に監視しうるようになるばかりか、加圧値の変化をも監視しうるようになる。これにより、ユーザが、現在の加圧値と、所望の加圧値と、加圧の到達率との間の関係を確認しうるようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の代表的な実施例は、バルーンが先端に付いたカテーテルのインフレーション(膨張)を制御するのに用いられるインフレーション装置に関する。特に、本発明は、インフレーション加圧値の直感的な数値及び非数値表示を生ぜしめてバルーンカテーテルのインフレーション圧の改善された監視を容易に達成しうるようにした、改善されたインフレーションデータディスプレイに関する。本発明は更に、インフレーションデバイス装置の組み立てを容易にするために改善したモジュール化構成素子アセンブリシステムにも関する。
【背景技術】
【0002】
インフレーションシリンジ及びカテーテル技術は、介入放射線医療及び介入心臓病医療分野において益々重要となってきている。バルーンが先端に付いたカテーテルシステム及びインフレーションシリンジ装置は、泌尿器学、婦人科学、心臓病学等のような種々の医療分野において用いられている。バルーンが先端に付いたカテーテルシステム及びこれらに関連するシリンジシステムが従来の治療方法を超えて著しく改善されている1つの領域は冠動脈疾患を治療するのに関連する領域である。
【0003】
冠動脈疾患及びこれに関連して、酸素を豊富に含む血液を心臓に送給する動脈を細くする状態(“狭窄”として知られた状態)は、バルーンが先端に付いたカテーテルがしばしば処置方法として用いられる病状の1つである。従来では、冠状動脈閉塞は、医薬を用いて又は冠動脈バイパス手術を実行することにより処置されていた。種々の医薬品を投与しうるが、これらは、心拍数を低減させるか、又は血管を拡張させるか、又は血圧を低下させることにより心臓の機能を減少させるおそれがある。しかし、このような薬物療法によっては、冠状動脈狭窄を治療できない。従って、冠状動脈狭窄が残るばかりか、ある個所では、冠状動脈狭窄が、外科的介入を必要とする程度に充分重大となるおそれも存在し続ける。
【0004】
冠動脈バイパス手術では、胸部又は脚部からの血管を、閉塞個所を通過させるように移植させ、血液の迂回路がこの閉塞個所を通過して心臓に到達するようにする。ある重症例では、複数のバイパスが実行される。周知のように、冠動脈バイパス手術は高価で著しく侵襲的な処置であり、これはしばしば長期の入院及び回復期間を必要とする。
【0005】
ここ数年で、冠動脈疾患を治療する他の方法が開発され、これはバルーン冠動脈血管形成術又はより技術的には経皮経管冠動脈形成術(PTCA)と称されている。PTCAは冠動脈バイパス手術よりも著しく外傷性の少ない処置である。PTCAは実行するのに約2時間要し、局所麻酔の下で行うことができる。PTCAは、患者が数日中に正常な活動を再開しうるようにする患者回復時間を著しく改善させる。PTCAは、バイパス術よりも著しく廉価で低外傷性であり、しかも有効な閉塞の除去を達成するため、PTCAは、各年で実行されるこのような処置数を著しく増大させてきている。
【0006】
代表的なPTCAの処置を実行するために、患者の股間又は患者の腕の動脈に形成された切開部を通してイントロデューサーシースが挿入される。このシースを介して導入されるカテーテルを通してX線感応性染料が冠動脈内に注入される。この染料は、医者が実時間X線技術を用いてテレビジョンモニタ上で患者の脈管構造を明瞭に見うるようにし、これにより閉塞個所を位置決めしうるようにする。バルーンが先端に付いたカテーテルは、X線モニタを用いて、脈管構造を通して閉塞個所まで前進させられる。
【0007】
実行されるPTCAの処置数が増大される為、PTCAの処置中にバルーンカテーテル又はその他の膨張可能なバルーン型装置を膨張させるのに用いられる電子監視式膨張シリンジシステムの使用が可成り多くなってきている。代表的なシリンジシステムは、バレル及びプランジャを有しており、これらは選択的に動作してバルーンカテーテルに加えられる流体圧力を増大させるとともに、処置が一端終了されるとバルーンカテーテルに加えられた圧力を除去する。シリンジシステムは、ユーザが読み取りやすいフィードバックを数値の形態で実行者に与え、この実行者がバルーンに加えられている圧力量を評価しうるようになっている。これにより、実行者が加圧値を厳密に監視して、処置中に、バルーンのより一層制御された、且つシステマチックな膨張を達成するようにする。
【0008】
PTCA手段で用いられている装置の多くは、一回の使用後に廃棄しうる廉価な装置である。使い捨て装置では、再利用可能な装置に必要とする、費用及び時間がかかる滅菌処置を回避しうる。更に、使い捨て装置は、患者間での病気の感染の恐れを回避する。従って、インフレーションシリンジの設計者及び製造者は、このような使い捨て可能なインフレーションシリンジの費用を抑えて、これらのインフレーションシリンジを広い種々の適用分野に対し、より一層費用効率の良いものとするように取り組んでいる。その結果、より一層複雑な装置に対し、より一層簡単な設計を採用することが重要視されている。このような設計には代表的に、インフレーションシリンジと関連させて設けたディスプレイ上で、インフレーション圧力をデジタル的に又はアナログ的に読み取るようにすることが含まれている。
【0009】
電子モニタ式シリンジの1つの代表的なディスプレイは、3〜5個の領域(フィールド)と、場合によって小数点とを有する7セグメント式LED表示を具えている。このような単純化したディスプレイは、伝達しうる情報において制限されている。あるディスプレイはシリンジの現在の加圧値のみを提供するにすぎない。より高性能なモデルでは、ユーザが表示を切り替えて追加の情報を見うるようにしうる。追加の情報を見る能力は有益なものとなりうるが、ユーザは、追加の情報をアクセスし、データの関連性を読み取り、異なる値が如何に関連しているかを決定するのに精神的な努力と時間とを費やす必要がある。更に高価なシリンジは7セグメント式LED表示を複数個有し、複数の値を同時に表示するようにしうる。しかし、複数の値が表示された場合でも、ユーザはこれらの値を解釈するとともに互いに関連付け、しかもどの表示が所定の値を表しているかを記憶するのに時間と精神的な努力とを費やすものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,057,078号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、改善したディスプレイと、モジュールで構成した素子アセンブリとを有するインフレーションシリンジに関するものである。本発明は特に、インフレーションシリンジと関連するインフレーション加圧値の数値指標及び非数値指標の双方を提供する方法及び装置に関するものである。本発明の一実施例によれば、インフレーションシリンジの加圧値に対する漸増的非数値表示をこの加圧値の数値指標と共に与える。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様によれば、漸増的表示が、ある範囲のインフレーション加圧値に対応する複数の指標を有するようにする。これらの指標を、実行者が、より一層時間を浪費し且つ直感性の少ない数値表示の解釈のみに頼る必要なしに、
(1)加圧値の概略的な大きさを容易に監視でき、
(2)加圧値の変化を直感的に追跡でき、
(3)複数の加圧値の関係を簡単に監視できるようにする、
明瞭で直感性のある方法で、所定の加圧値を表示するように駆動する。このようにすることにより、ユーザが、現在の加圧量と、所望の加圧量と、加圧の到達率との間の関係を直接的で有効な方法によって確認しうるようになる。
【0013】
本発明の一態様によれば、ディスプレイが、非数値表示に加え、加圧値を数値として示す数値表示を有するようにする。このようにすることにより、非数値表示により得られる可視表示を補足する、インフレーション加圧値の追加の表示がえられる。加圧値の数値表示及びこれに関連する数値を提供することにより、ユーザは、加圧値に対するより一層小さい漸増的変化を識別でき、且つ所定の加圧の正確な数値を容易に確認しうる。
【0014】
本発明は、インフレーション加圧値を表す非数値指標を表示する方法にも関するものである。本発明の方法では、インフレーション加圧値における変化を示すのに複数の指標を設ける。初期加圧値が表されると、現在の加圧値とこの加圧値の変化とを簡単且つ直感的にユーザに表示しうる。例えば、1つ以上の指標を現在の加圧値の表示として駆動することができる。加圧値の変化に応答して、この加圧値の変化を表すために異なる1つの指標を駆動する。
【0015】
本発明の他の態様によれば、最終の最大加圧値か、又はルーチンの最大加圧値か、又は現在の加圧値とは異なる他の加圧値のような1つ以上の所望の種類の追加データをユーザインタフェースにより提供するようにする。例えば、1つ以上の指標を、現在のインフレーションルーチン中に経験した最大加圧値のような代表的な加圧値の表示を与えるものとして特定する。代表的な加圧値は、例えば、このような代表的な加圧値に相当する非数値指標を照明するか、又はこのような代表的な加圧値の点滅する数値指標を設けるか、又はこれらの双方を行うか、或いは値をその相対位置に基づかせることにより、現在の加圧値をユーザに示すのと同時にユーザに示すことができる。例えば、インフレーションルーチン中、このルーチンの最大インフレーションを、低加圧値としうる現在の加圧値よりも高い加圧値である単一の指標として表示することができる。加圧値の変化に応答して他の1つの指標を駆動させ、ルーチンの最大インフレーション値を変化させないままにして加圧値の変化を表すようにする。一例では、現在の加圧値と代表的な加圧値とを共に表示して、ユーザがこれらの2つの値間の関係を簡単且つ直感的に決定しうるようにする。他の例によれば、代表的な加圧値を、閃光を発するようにするか、又は点滅するか、又は異なる照度を生じるように照明させて、この代表的な加圧値を現在の加圧値と比べて識別しうるようにする。
【0016】
本発明の上述した及びその他の目的及び特徴は、以下の説明及び特許請求の範囲からより一層明らかとなるか、又は以下に説明する本発明の実施例から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】インフレーションシリンジの加圧値を表すために、数値指標及び非数値指標の双方を提供するディスプレイを有する当該インフレーションシリンジを示す斜視図である。
【図2】インフレーションシリンジの構成素子を示す、図1のインフレーションシリンジの分解図である。
【図3A】インフレーションシリンジの現在の加圧値を表示する数値及び非数値指標を有するこのインフレーションシリンジのディスプレイを示す図である。
【図3B】非数値指標を利用するユーザに、代表的な加圧値情報を表示しているインフレーションシリンジのディスプレイを示す図である。
【図3C】数値指標及び非数値指標の双方を利用するユーザに、代表的な加圧値情報を表示しているインフレーションシリンジのディスプレイを示す図である。
【図3D】インフレーションシリンジの加圧中のディスプレイの動作を説明するためのインフレーションシリンジのディスプレイを示す図である。
【図4】数値及び非数値指標を用いて加圧情報を表示する方法を示すフローチャートである。
【図5】数値及び非数値指標を用いて加圧情報を表示する方法を示す論理流れ図である。
【図6】本発明の他の実施例による、数値及び非数値指標を用いて加圧情報を表示する方法を示す論理流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の上述した及びその他の利点及び特徴が得られる方法を説明するために、簡単に上述した本発明を、添付図面に示すその特定の実施例につき更に詳細に説明する。図面は本発明の代表的な実施例を示すにすぎず、本発明の範囲をこれらの実施例に限定するものではないということを理解して、添付図面を用いて更なる特異性及び詳細につき本発明を説明する。
【0019】
本発明は、改善したディスプレイとモジュール構成した素子アセンブリとを有するインフレーションシリンジに関するものである。本発明は特に、インフレーションシリンジと関連するインフレーション加圧の数値及び非数値の双方の指標を提供する方法及び装置に関連するものである。一実施例によれば、インフレーションシリンジの加圧値をその数値指標と共に表示する漸増的非数値表示を提供する。この漸増的非数値表示には、インフレーション加圧値の範囲に対応する複数の指標がある。これらの指標が駆動されると、所定の加圧値が表示されるとともに、実行者は、数値を解釈する必要なく、加圧値の概略的な大きさを容易に監視しうるようになるばかりか、加圧値の変化をも監視しうるようになる。これにより、ユーザが、現在の加圧と、所望の加圧と、加圧の到達率との間の関係を迅速に確認しうるようにする。
【0020】
本発明の1つの態様によれば、漸増的表示が、加圧値を数値として表す数値指標を有するようにする。この態様によれば、非数値指標により与えられる可視指標を補完する、インフレーション加圧値の追加の正確な指標を提供する。本発明の他の態様によれば、目標加圧値又はルーチンの最大加圧値を自動的に識別するのに用いうる情報をユーザが入力しうるようにするユーザインタフェースを提供する。このユーザインタフェースは更に、ユーザが、表示すべき他のパラメータを選択しうるようにしうる。
【0021】
本発明の1つの態様によれば、加圧値を表示する方法をも提供する。この方法では、インフレーション加圧値の変化を示すようにした複数の指標を生じるようにする。これらの指標の1つ以上を、ルーチンの最大加圧値のような所望の加圧値の指標として識別する。所望の加圧値を選択した後、インフレーション加圧値を監視する。1つ以上の指標を加圧値の指標として駆動する。加圧値の変化に応答して、他の指標の1つを駆動する。
【0022】
図1は、本発明の一実施例によるインフレーションシリンジ10を示す。このインフレーションシリンジ10は、バレル(シリンダ)12と、プランジャ16と、ディスプレイ20とを具えている。バレル12は、生理食塩水又はその他の流体のような圧力変換媒体を保持するようにした内腔を有する。プランジャ16は、バレル12内の加圧値を増大又は減少させるようになっている。ディスプレイ20は加圧情報を簡単且つ直感的にユーザに表示するものである。
【0023】
図示の実施例では、バレル12の構造はほぼ管状である。シリンジプランジャ16はバレル12内に摺動的に装着されるように構成されている。プランジャ16は、プランジャ止めナット40の対応するネジ山と合致するように構成されたネジ部17を有する。プランジャ止めナット40は、プランジャ16をバレル12内に固定させる。バレル12にはチューブ18の一端が結合されており、このチューブの他端は回転可能なルアーカプラ19に結合されている。回転可能なこのルアーカプラ19は、チューブ18をバルーンカテーテル(図示せず)に又は膨らまし可能な他の医療機器に連結するようになっている。
【0024】
プランジャ16の近位端はバレル12の内部に液密に配置し、プランジャ16をバレル12内に前進させることによりバレル12内に正の圧力を生ぜしめるようにする。プランジャ16の遠位端はハンドル14を有し、このハンドルは、ユーザがプランジャ16をバレル12内に更に押し込む圧力を加えるか又はプランジャ16をバレル12から引き出しうるようにする。バレル12内に入れられた流体に与えられる正の圧力はチューブ18を介してバルーンカテーテルに加えられる。チューブ18は、回転可能なこのルアーカプラ19によりバルーンカテーテルに連結される。同様に、プランジャ16をバレル12の後方に引くことにより、バルーンカテーテルに加えられていた正の圧力を減少させることができる。本発明の一実施例によれば、バレル12を所望の加圧値に加圧し、次にバレル12をゼロ又は僅かに負の圧力に減圧する処理をインフレーションルーチンとみなしうる。
【0025】
図示の実施例では、ディスプレイ20がバレル12の外部に装着されている。このディスプレイ20は、設定を直感的に且つ容易に読み取りうる構造となる。この図示の実施例では、ディスプレイ20が数値表示22と、非数値表示24と、タイマー表示モジュール26とを有する。数値表示22と非数値表示24との双方を設けることにより、ディスプレイ20は、既存のディスプレイにより得られるよりも種々の情報をユーザが読み取り且つ理解しうるようにする。更に、ディスプレイ20により、ユーザが既存のディスプレイの出力を読み取るのに必要とする時間及び精神的努力を排除する有益且つ直感的な方法で加圧情報を提供する。従って、実行者は、既存のディスプレイにより得られる個々の数値情報又はその他の情報を解釈することに集中する必要無しに、実行すべき処置の他の観点に集中することができる。
【0026】
図示の実施例では、ディスプレイ20が圧力変換器のような圧力検出装置に結合されている。この圧力検出装置は、バレル12の壁部内に一体にするか、又はバレル12内に装着するか、又はバレル12の内部と流体連結するように配置するか、又はバレル12内の圧力を検出するように構成する。圧力検出装置とバレル12の内部との関係を説明するために用いた用語“流体連結”は、バレル12及びチューブ18内に得られる流体圧力を圧力検出装置に、このような流体圧力が圧力検出装置により検出されるように空気又は液体伝達(直接的に又は間接的に)することを含みうるものである。例えば、密閉システム内に入れられた流体と(空気圧で又は液圧で或いはその双方で)接触するように配置されたピエゾ抵抗半導体変換器のダイヤフラムにより、このような流体圧力の直接伝達を行うことができる。間接伝達は、例えば、変換器をダイヤフラムに結合させ、一方このダイヤフラムを密閉システム内に入れられた流体と接触させることにより達成させることができる。
【0027】
圧力検出装置はバレル12の外部上でディスプレイ20に結合し、バレル12の内部と関連する加圧情報を伝達するようにしうる。他の実施例では、圧力検出装置をディスプレイ20と一体化するとともに、バレル12の内部と流体連結させ、バレル12内の加圧値を検出するようにしうる。一実施例では、T字状コネクタを介してチューブ18に取り付けられた接続用チューブの端部に圧力検出装置を位置させる。或いはまた、圧力検出装置を、ディスプレイ20の内部に収容した電気回路の一部として装着することができる。更に他の実施例では、圧力検出装置をバレル12の側とは反対側の他の位置に位置させる。この圧力検出装置は、ピエゾ抵抗半導体型の変換器を有することができる。更に他の実施例では、圧力検出装置がピエゾ抵抗又は半導体装置以外の変換器を有するようにしうる。例えば、一実施例では、圧力検出装置が、種々の異なる圧力監視分野に対する技術で用いられている既知の通常のひずみゲージ変換器、又は光ファイバ変換器を有するようにする。
【0028】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲を制限することなくインフレーションルーチンの種々の種類及び定義を用いることができる。例えば、限定されるものではないが、バレル12の加圧が開始した際にインフレーションルーチンを開始させるようにすることができ、このインフレーションルーチンには、プランジャ16をバレル12内で前進させたりプランジャ16をバレル12から引き出したりする幾つかの瞬時を含めることができる。このインフレーションルーチンは、バレル12から全ての圧力が解除され、バレル内の加圧値が1平方インチ当たり0ポンド(0psi )のような予め決定したしきい値よりも低く降下した際に、又は−3psi のような僅かに負の加圧値と成った際に終了させることができる(1psi =6.89476kPa )。他の代表的な実施例では、正の加圧がバレル12内に加えられた際に、インフレーションルーチンを開始させ、バレルの減圧の第1期間が終了した際にインフレーションルーチンを終了させるようにしうる。一実施例では、減圧の第1期間の終了時に加圧が全て解除されることのないようにしうる。従って、全ての圧力がバレル12から解除されなければ、加圧値が前のインフレーションルーチンの最大加圧値よりも低い値にあった場合でも、加圧値の増大が再び検出された際に、次のインフレーションルーチンを開始させることができる。更に、インフレーションシリンジとは異なる加圧機構に対しインフレーションルーチンを用いることができる。
【0029】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、インフレーションシリンジ10の機能を、種々のシリンジ又は加圧システムにより得ることができる。一実施例では、複数回駆動されるプランジャ又は同様な機能の素子により加圧されるとともに、バルブを介して圧力を解除するポンプ装置を、バレル及びプランジャシリンジシステムの代わりに用いる。他の実施例では、自動加圧装置により、必要とする圧力をチューブに与え、チューブ内の圧力を検出し且つ監視するようにしうる。シリンジシステムの一実施例の更に詳細な説明は、米国特許第5,057,078号明細書に開示されている。
【0030】
図2は、図1のインフレーションシリンジ10の分解図であり、このインフレーションシリンジ10の構成素子を示している。図示の例では、プランジャ16とハンドル14とをバレル12から分離させて示している。プランジャ16は近位端30と、ゴム製の先端部32と、ネジ山34とを有する。プランジャ16の遠位端は、ハンドル収容素子38と、ばね作動式の引き金36とを有する。
【0031】
図示の実施例では、ゴム製の先端部32がプランジャ16の近位端30に位置する。このゴム製の先端部32はバレル12の内部に液密に係合し、ユーザがバレル12内に位置する流体に対する加圧値を高めうるようにする。ユーザがプランジャ16をバレル12内に更に前進させると、ゴム製の先端部32も前進してバレル12内の正の圧力を増大させる。同様に、ユーザはプランジャ16をバレル12内で後方に引っ込めて、バレル12内の加圧値を減少させるようにしうる。
【0032】
図示の実施例では、プランジャ16がプランジャ止めナット40によりバレル12内に取り付けられる。プランジャ止めナット40のこの構成により、ユーザは、プランジャ止めナット40をバレル取付ネジ山42に螺合させることによりプランジャ16をバレル12内に取り付けるようにする。プランジャ止めナット40のこの構成により、プランジャ16をバレル12内で前方及び後方に摺動させうる状態で、プランジャ16をバレル12内に取り付ける。図示の実施例では、バレル取付ネジ山42は、インフレーションシリンジ10の1つ以上の追加の構成素子を協働して係合させるようになっている。例えば、バレル取付ネジ山42は、プランジャ止めナット40内に一体化された対応するネジ山の第2の組と結合されるように構成しうる。
【0033】
プランジャ16の遠位端には、ばね作動式の引き金36を収容してこれと係合するように構成されたハンドル収容素子38が設けられている。図示の実施例では、ユーザは、ばね作動式の引き金36を作動させることにより、シリンジプランジャ16をネジ山17の係合なしに前進させることができる。ユーザがばね作動式の引き金36を作動させると、この引き金36の一部がハンドル収容素子38内に引き込まれる。ばね作動式の引き金36をハンドル収容素子38内に引き込ませることにより、ネジ山34をプランジャ止めナット40の対応するネジ山から解放させる。その結果、プランジャ16をバレル12内で近位端方向又は遠位端方向に自由に摺動させることができる。引き金36へのハンドル収容素子38に対する加圧を解除することにより、ネジ山34がプランジャ止めナット40の対応するネジ山に係合される。ネジ山34とプランジャ止めナット40との間が係合されると、プランジャ16を時計の針の回転方向又はその逆の方向にねじることにより、このプランジャがそれぞれ前進又は後退されるようになる。
【0034】
引き金36は、ユーザがインフレーションシリンジ10のバレル12内の加圧値を急速に増大又は減少させるようにする。換言すれば、ユーザは、引き金36をハンドル収容素子38に押し付けて、プランジャ16をバレル12内でネジ山によらずに前進又は後退させ、バレル12内の加圧値を増大又は減少させるようにすることができる。次に、ユーザは引き金36を解除し、プランジャ16をバレル12内でネジ山により前進又は後退させることで、プランジャ16をより漸次的に調整し、より一層正確な所望の加圧値とすることができる。更に、プランジャ16をバレル12内で螺合的に前進させることは、バレル12内の圧力値を、ネジ山を用いないで前進させるだけで達成しうるよりも大きくするのに用いることができる。
【0035】
図示の実施例では、シリンジバレル12の本体が装着用ブラケット47を有する。この装着用ブラケット47は、ディスプレイ20をシリンジバレル12に固着する作用をする。この装着用ブラケット47は、バレル12の近位端、すなわち、先端に一体に結合されている。図示の実施例では、バレル12の内部から加圧情報を伝達する目的で、この装着用ブラケット47が、バレル12の側壁に形成された開口(図示せず)を通してこのバレル12の内部と流体結合状態にある。
【0036】
図示の実施例では、加圧情報をユーザに伝達するためにディスプレイ20が設けられている。このディスプレイ20は、表示モジュール44とハウジング48とを有する。ハウジング48は表示回路46と表示モジュール44とを収容するようになっている。又、ハウジング48は、表示モジュール44がユーザに見うるようにこの表示モジュール44を取り付けるようになっている。
【0037】
図示の実施例では、表示モジュール44が、数値指標と、非数値指標と、タイマー表示モジュールとの何れか又は任意の組み合わせを有しうる。数値指標及び非数値指標を設けることにより、加圧情報の簡単且つ直感的な表示をユーザに提供しうる。表示モジュール44は、インフレーション加圧情報を表示する手段の一例である。表示回路46は、圧力検出装置45から出力される圧力情報を表す電気信号を処理する。この表示回路46は、表示モジュール44が加圧情報を表示する方法を制御するようにもできる。この表示回路は、圧力検出装置からの電気信号を処理する手段の一例として説明したものである。電気信号を処理する手段の他の例には、マイクロチップや、パーソナルコンピュータや、携帯情報端末(PDA)のような携帯装置を含めることができるが、これらに限定するものではない。数値指標及び非数値指標を用いて加圧情報を表示する方法を、図4及び5に関する説明と関連して後に説明する。
【0038】
本発明の1つの態様によれば、圧力検出装置45を設ける。この圧力検出装置45は、バレル12の内部と流体結合するように配置されている。図示の実施例では、ディスプレイ20がバレル12に対して固着された際に、圧力検出装置45が表示回路に動作的に接続されるようにする。図示の実施例では、装着用ブラケット47を用いて、ディスプレイ20をバレル12に固着させる。
【0039】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲及び精神を逸脱することなしに、種々の種類及び構造のディスプレイを用いることができる。本発明の一実施例によれば、ディスプレイをインフレーションシリンジとは分離させて設ける。例えば、使い捨てインフレーションシリンジに作動可能に接続される再利用可能なユーザインタフェースの一部としてディスプレイを設けることができる。一実施例では、ディスプレイが負極性又は逆極性のLED表示を有するようにする。他の実施例では、ディスプレイがLED/LCDの組み合わせ表示を有するようにする。インフレーション加圧値を表示する手段の他の例をも用いることができ、これらの他の例には、陰極線管ディスプレイと、液晶ディスプレイ(LCD)スクリーンと、発光ダイオード(LED)の群と、携帯情報端末(PDA)のような携帯装置や、ハードコピー表示をプリントアウトするプリンタを含むが、これらに限定されるものではない。
【0040】
図3A〜3Dは、本発明の1つの態様により、加圧情報を簡単且つ直感的にユーザに表示する数値指標及び非数値指標を有するディスプレイ20を示す。ここで図示の実施例の図3Aを参照するに、ディスプレイ20は非数値表示24及び数値表示22を有する。非数値表示24は複数の指標51を有する。これらの指標51はインフレーションシリンジの加圧値を簡単且つ直感的に示す漸増的表示を提供するように構成されている。非数値表示24及び対応する指標51の漸増的構造によれば、加圧値の範囲を表示しうる。指標51が駆動されると、ユーザはインフレーションシリンジ10の加圧値を迅速に且つ簡単に決定でき、実行者は、数値を解釈する必要なしに、概略的な加圧の大きさを容易に監視しうるようになるばかりか、加圧の変化を監視しうるようになる。従って、ユーザは、数値を解釈する必要なしに、現在の加圧と、所望の加圧と、加圧の到達率との間の関係を迅速に確認しうるようになる。図示の実施例では、1平方インチ当たりのポンド(psi )以外にも選択的な測定値、例えば、気圧又はバールを与える。
【0041】
図示の実施例では、ディスプレイ20の数値表示22がインフレーションシリンジにおける加圧の数値指標を提供する。この数値表示22は、非数値指標51により与えられる可視指標を補完するインフレーション加圧の追加的で正確な指標を提供するものである。図示の実施例では、数値表示22は、複数の領域を有する7セグメントLED表示のようなデジタル表示を具える。図示するように、数値表示22は3つの領域を有し、各領域が数値の1つの桁を表している。数値表示22は、現在の加圧値を表示している。
【0042】
図示の実施例では、ディスプレイ20が更に、タイマー表示モジュール26を有する。このタイマー表示モジュール26は、インフレーションルーチンの長さと、インフレーションルーチン間の時間長と、特定の加圧値における時間長と、取り付けられたインフレータブル(可膨張)医療装置にインフレーション圧が加えられる時間長との何れか又は任意の組み合わせの指標を提供する。又、ディスプレイ20は最大値駆動ボタン52をも有しうる。この最大値駆動ボタン52は、現在の、又は直近の、又は選択した他のインフレーションルーチン中に達成された最大加圧値を表示するようにユーザが数値表示22を切り替えるようにするものである。
【0043】
図示の実施例では、インフレーションシリンジの代表的な現在の加圧値を1インチ当たり200ポンド(200psi )として表示している。数値表示22は、代表的にバレル12(図1参照)の内部の現在の加圧値である値の正確で直感的な指標を提供する。インフレーションルーチン中、数値表示22はリアルタイムで自動的に更新され、実行者にインフレーションシリンジのバレル及びチューブの双方又は何れか一方の内部における加圧値の瞬時的で直感的な指標を提供する。図示する7セグメントLED表示は、簡単で読みやすいデジタル表示を提供しうる代表的な表示として与えたものである。
【0044】
前述したように、図示の実施例では、非数値表示24は複数の非数値指標51を有している。図示の実施例では、ディスプレイ20の非数値指標は、バックライト付のLEDがLCD装置と関連する逆極性のLEDを具えている。従って、照明はバックライト付のLEDにより行われ、LCD装置は、非数値表示24を含むディスプレイの各素子に対する照明を又は照明不足を制御する。逆極性のLEDを用いることにより、バッテリー電源の有効利用が助長され、その使用寿命を所望通りにするとともに、必要とするバッテリーの大きさを最小にする。他の実施例では、非数値指標51の各々が白又は有色のLEDを有するようにする。更に、非数値表示24の複数の非数値指標51の各々は1つ以上の加圧値を表しうる。非数値指標51と関連させて複数の数値指標50が設けられており、これにより非数値指標51の1つ又は群に対応する加圧値を表すようになっている。
【0045】
図示の実施例では、各指標51がほぼ5psi に対応する加圧値の範囲を表している。数値指標50a、50b、50c、50d、50e、50f、50gは図示のように、指標51に沿って互いに離間されており、各数値指標はそれぞれ10個の指標51に対応する。その結果、“0”が付された数値指標50aは、指標が照明されていない場合を除いて、指標51aのみが照明されている場合に、インフレーションシリンジ内の加圧値が0psi であることをユーザに明瞭に示す。代表的な非数値指標51bも示されている。図示の実施例では、この非数値指標51bは指標51aからほぼ10個の非数値指標の位置に配置されている。“50”が付された数値指標50bは、50psi のインフレーションシリンジ内の加圧値を表す指標51bと関連して設けられている。その結果、50a〜50bの指標が照明されると、ユーザは、インフレーションシリンジ内の加圧が50psi であることを迅速に且つ簡単に決定しうる。
【0046】
当業者にとって明らかなように、インフレーションシリンジ内の加圧値が0psi 及び50psi 間にある場合、指標51a及び51b間に位置する非数値指標51の1つが、インフレーションシリンジ内の加圧の非数値表示として照明される。例えば、インフレーションシリンジ内の加圧値が35psi である場合には、各非数値指標が加圧の5psi の範囲を表すことから、ほぼ7個の非数値指標が照明される。インフレーションシリンジ内の加圧値が45psi である場合には、ほぼ9個の非数値指標が照明される。ユーザは、最後に照明された指標が特定の数値指標に如何に接近しているかにより、インフレーションシリンジ内の近似加圧値を迅速に確認しうる。例えば、インフレーションシリンジ内の加圧値が35psi である場合、ユーザは、最後に照明された非数値指標は0psi よりも大きく、50psi よりも小さいことを迅速に識別しうる。更に、ユーザは、最後に照明された非数値指標が0psi よりも50psi に近いことを迅速に識別しうる。従って、非数値表示24は、ユーザがインフレーションシリンジ内の近似加圧値を迅速に決定しうるようにする。
【0047】
図示の実施例では、数値指標50cは、指標51cが100psi の加圧値に対応することを表している。数値指標50d〜50gも同様に互いに離間されており、それぞれ、指標51d、51e、51f及び51gが加圧値150psi 、200psi 、250psi 及び300psi をそれぞれ表していることを示している。図示の実施例では、非数値指標51が順次に照明される。従って、現在の加圧値よりも小さい値を表す全ての非数値指標51は、加圧値が増大して追加の非数値指標51が照明されている時も照明されたままに維持される。
【0048】
図示の実施例では、数値指標50a、50b、50c、50d、50e、50f、50gの各々を、第1の測定変数の指標が得られる第1の状態と、第2の測定変数の指標が得られる第2の状態との間で切り替えうるようにする。例えば、図3Bでは、数値指標50bは、指標51bが50psi の加圧値に対応することを表している。更に、測定単位指標53は、加圧値が1平方インチ当たりのポンドで与えられているという指標を提供するものである。図3cでは、測定単位指標53は、加圧値が気圧(ATM)、すなわちバール(BAR)で与えられているという指標を提供するものである。更に、数値指標50bは、指標51bが3.5ATM/BARの加圧値に対応することを表している。その結果、ユーザがpsi の測定単位とバールの測定単位との間で切り替えると、数値指標50a〜50gも、各非数値指標が関連している適切な測定単位の数値を明瞭に示すように切り換わる。
【0049】
本発明の一実施例によれば、ユーザは、測定単位を切り替えるために最大値駆動ボタン52を押すようにする。この最大値駆動ボタン52は、ディスプレイ20を現在の加圧情報を表示する状態から代表的な加圧情報を表示する状態に切り替えるのにも用いることもできる。一実施例では、ボタン52を素早く押すことによりディスプレイ20をpsi 及びATM/BAR間で切り替え、ボタンの押しをn秒間にすることによりディスプレイ20を現在の加圧情報及び代表的な加圧情報間で切り替えるようにする。図示の実施例では、代表的な加圧アイコン54及び低バッテリーインジケータ55をも設ける。代表的な加圧アイコン54が照明されると、ディスプレイ20は、現在の加圧情報ではなくルーチンの最大加圧値のような代表的な加圧情報を表示している。このようにすることにより、ユーザは、ディスプレイにより描写されている情報を迅速に決定しうる。低バッテリーインジケータ55が照明されると、ユーザはバッテリーレベルが低いということを迅速に決定しうる。このことにより、加圧処理中のバッテリー電力の不測の消失及び機能性の表示失敗の双方又は何れか一方を回避しうる。
【0050】
図3Bは、インフレーションシリンジの以前の加圧ルーチンに続くディスプレイ20を示す。図示の実施例では、インフレーションシリンジ内の加圧は殆ど或いは全く存在していない。その結果、数値表示22は0psi の加圧状態を示している。更に、非数値指標51a〜51bは照明されていない。
【0051】
図示の実施例では、非数値指標51eが照明されている。非数値指標51は、インフレーションシリンジの現在の加圧値以外の何かを表す値を表示するものとして照明される。本発明の一実施例によれば、非数値指標51eのような指標51は、最終加圧値と、ルーチンの最大加圧値と、目標の加圧値との何れか又は任意の組み合わせを表すために照明される。混乱を避けるために、最終値及び目標値の双方又は何れか一方を表す指標51は、異なる色で見えるようにするか又は点滅するようにするか又はこれらの双方が達成されるようにしうる。図示の実施例では、51a及び51e間の指標が照明されないままにして、非数値指標51が最終加圧値を表し現在の加圧値を表さないようにすることをかなり簡単に達成しうる。当業者にとって明らかなように、非数値指標を最終加圧値の指標として照明するのと同時に、現在の加圧値をも照明するようにしうる。
【0052】
ディスプレイ20には更に、最終加圧値とは異なる目標加圧値をユーザがプレロードするか又は設定するようにするユーザインタフェースを設けることができる。このことは、表示された最終加圧値を増大又は減少調整することにより、或いは目標加圧値を手入力させることにより達成しうる。更に他の実施例では、最大値駆動ボタン52により、3つの値間で、すなわち、現在の加圧値と、最終加圧値と、目標加圧値との間で数値表示24を切り替えるようにしうる。目標加圧値は最終加圧値と共に又は最終加圧値の代わりに非数値表示24により表すこともでき、これにより、バレルを加圧する際に達成された進展状態の可視表示と、最終加圧値又は所望加圧値に達するのに更にどの位の進展が必要かと、加圧の到達率と、バレル内でのプランジャの各移動により得られる加圧値の変化とをユーザに与えることができる。従って、ユーザは、目標加圧値に達するまでのその後のプランジャの移動に必要とする力を一層容易に確認しうる。ユーザインタフェースは、ユーザが表示すべき他のパラメータを選択するようにもできる。
【0053】
図3Cは、ユーザが最大値駆動ボタン52を押した直後に最終値情報をユーザに表示する他の方法を示している図3A及び3Bのディスプレイを示す。図3Bでは、数値表示22及び非数値表示24により示されているように、インフレーションシリンジのバレルが完全に減圧されている。ユーザが正確な最終加圧値を見たい場合でも、この情報は指標51eによりすぐには表示されない。その理由は、複数の可能な加圧値が各指標51により表されている為である。正確な最終加圧値を見るために、ユーザは最大値駆動ボタン52を押すことにより、表示を切り替えることができる。図示の実施例では、ユーザが最大値駆動ボタン52を押してある。非数値表示24の指標51eと数値表示22の7セグメント表示との双方により、最終値が200psi であることを表示する。最大値加圧情報を非数値表示24及び数値表示22で表示させることにより、正確な加圧情報が直感的で容易に読み取りうるようにユーザに与えられる。
【0054】
本発明の一実施例では、ディスプレイ20は、インフレーションルーチンの終了時に最終値情報を表示するように自動的に切り替わるようにしうる。この実施例では、次のインフレーションルーチンが開始されるまで、ディスプレイ20が、最終値情報を数値表示22及び非数値表示24の双方で表示し続ける。次のインフレーションルーチンが開始されると、ディスプレイ20は、非数値表示24を用いて最終値情報を維持したまま、現在の加圧値情報を数値表示22で表示するように自動的に元に切り替わるようにしうる。本発明の一実施例によれば、加圧ルーチン中の任意の時に最大値駆動ボタン52を押すことにより、正確な最大値情報が得られるようにしうる。指標51eは、これが現在、最大加圧値を表しているということを示すために、異なる色で現れるか又は点滅するようにするか又はこれらの双方が達成されるようにしうる。他の実施例では、ユーザが、最終加圧値とは異なる目標値を設定する際に、どの指標を異なる色で現れるようにするか又はどの指標を点滅するようにするか或いはこれらの双方を達成するようにするのを調整しうるようにする。
【0055】
図3Dは、インフレーションシリンジの現在の加圧値がルーチンの最大加圧値よりも小さい加圧ルーチン中の加圧期間にあるディスプレイ20を示している。図示の実施例では、非数値指標51eを最大加圧値の指標として示してある。換言すれば、非数値指標51eにより、ユーザが現在のインフレーションルーチン中のインフレーションシリンジの最大加圧値を迅速に決定しうるようにする。非数値指標51eは200psi の代表的な加圧値に対応する為、ユーザは、現在の加圧ルーチン中に200psi の最大加圧値に到達したことを迅速に決定しうる。このことは、実行者が、現在の加圧ルーチン中に同じ又はより小さい又はより大きい加圧値を適用したいと望む場合に有用となりうる。ディスプレイ20の上述した構造によれば、現在の加圧値と、ルーチンの最大加圧値及び他の代表的な加圧値の双方又は何れか一方に到達させるための進展状態及び残りの状態と、加圧の到達率と、プランジャの各移動により達成された進展状態とを、ユーザが直感的に且つ簡単に読み取って迅速に確認しうる。
【0056】
図示の実施例では、指標51a〜51cが照明されている。更に、指標51c及び51d間に位置するほぼ5個の追加の指標が照明されている。指標51cは100psi の加圧値を表している為、ユーザは、インフレーションシリンジ内の加圧値が、100psi よりも大きい加圧値を表していることを迅速に且つ簡単に確認することができる。更に、指標51dは150psi の加圧値に対応するという事実の為、ユーザは、インフレーションシリンジ内の加圧値が、150psi よりも小さい加圧値を表していることを迅速に確認することができる。非数値指標51及び数値表示24は漸増的な特性である為、ユーザは、最後に照明された非数値指標51が100psi 及び150psi 間のほぼ中間に位置することから、加圧値はほぼ125psi であることを視覚的に決定しうる。このことは、数値指標22を単に瞬時的に見てインフレーションシリンジ内の加圧値が正確に125psi であることを確認することにより迅速に確かめられる。
【0057】
数値表示22と関連する非数値表示24を設けることにより、読み取るのを直感的に且つ簡単にするとともに、数値表示のみで示しうるよりも多くの情報を同時にディスプレイ上に表示する当該ディスプレイを提供するものである。例えば、数値表示22は現在の加圧値を提供でき、一方、非数値表示24は現在の加圧値と代表的な加圧値とを同時に表示しうる。図示の実施例では、ユーザが非数値表示24を用いてインフレーションシリンジの近似加圧値を決定しうる。更に、ユーザは、現在の加圧値と、目標とする又は最終の加圧値との間の関係を迅速に且つ容易に確認しうる。更に、非数値表示24は、バレルを加圧する際に予め達成されている進展状態と、最終加圧値又は目標加圧値のような所望値に到達させるのに必要とする追加の加圧がどの位であるかとを可視表示しうる。例えば、ユーザには、125psi の現在の加圧値が非数値指標51eにより表される最終加圧値のほぼ3分の2であるとの可視表示を与える。更に、非数値指標51gに対応する300psi の最大加圧値の半分よりも現在の加圧値が僅かに小さいということを、ユーザが迅速に確認しうる。
【0058】
又、ディスプレイ20は、加圧の到達率と、バレル内でのプランジャの各移動による加圧値の変化とをユーザが容易に監視しうるようにする。従って、ユーザは、所望の加圧値に到達させるのに以後のプランジャの移動に必要とする力をより一層迅速に予測しうる。図示の実施例では、非数値表示24の形状を弧状又は湾曲とすることにより、ユーザが加圧値曲線に沿う進展状態を決定しうるようにする。加圧値曲線の形状は、実際の加圧値に加えて非数値の微少な表示をも提供する。例えば、加圧値曲線の底部のような非数値表示24の第1部分に対応する非数値指標の第1の範囲、すなわち、指標51a〜51cを、一般に所望とする最大加圧値よりも低いものとして迅速に識別しうる。加圧値が加圧値曲線のアーチ部すなわち頂部のような非数値表示24の第2部分、すなわち指標51d〜51fに近づくと、加圧値曲線の第1部分に比べた加圧値曲線の第2部分の形状の相違により、加圧値が一般に所望とする最大加圧値の範囲内にあるということをユーザが確認しうるようにする。ユーザが加圧値を、非数値表示24の第2部分を通過させて最終非数値指標のような非数値表示24の第3部分、すなわち、51f〜51gに向けて動かす際に、ユーザは、加圧値が一般に所望とする最大加圧値を超えることを迅速に決定しうる。従って、非数値指標の形状は、実際の加圧値に加えて、所定の加圧値の所望とする状態を指示する。
【0059】
当業者にとって明らかなように、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく、種々の非数値表示の種類及び形状を提供しうる。例えば、非数値表示が漸増的ゲージ又はダイヤル(目盛盤)を有するようにしうる。一実施例では、目盛盤を、光による表示(例えば、LED)、又は色の変化、又はノッチ、又はその他の指標、又はこれらの任意の組み合わせを有するデジタル式とすることができる。他の実施例では、非数値表示は、デジタルゲージ又はダイヤルを有することなく、弧状に旋回して、弧の一部において曲線状に配置された増分に沿って移動するように構成したアームのようなアナログダイヤルを有するようにしうる。更に他の実施例では、非数値表示が、現在の加圧値と、可能なインフレーション圧の範囲に沿う加圧の進展状態とを表示するアナログゲージを有するようにしうる。本発明の一実施例によれば、非数値表示が、直線又は曲線アレイに配置された指標を有するようにしうる。更に他の実施例では、複数の種類の非数値指標を設け、各々が異なる加圧値(例えば、現在の加圧値及び最終値)を表すようにしうる。更に他の実施例では、非数値指標を非直線形状に配置することができる。図示の実施例では、弧状曲線の一方の側がこの弧状曲線の他方の側よりも長くして、これらがそれぞれ前述した値の所望範囲を表すようにしうる。
【0060】
本発明の他の実施例によれば、加圧値が圧力曲線に沿って増大するにつれて、加圧値の色を異ならせるようにすることができる。例えば、加圧値が低い場合、非数値指標を緑色で照明する。中間の加圧値の場合、非数値指標を黄色で照明する。加圧値が高い場合、非数値指標を赤色で照明する。
【0061】
図4は、本発明の一実施例により、数値指標及び非数値指標を用いて加圧値情報を表示する方法を示すフローチャートである。図示の実施例では、この方法をステップ60で開始させる。バレルの内部のインフレーション加圧値をステップ62で検出する。このインフレーション加圧値の検出に続いて、加圧値の数値をステップ64で表示する。次に、加圧値の非数値をステップ66で表示する。加圧値の数値がステップ64で表示され且つ加圧値の非数値がステップ66で表示された後、加圧値の変化をインフレーションルーチン中にステップ68で検出する。加圧値の変化がインフレーションルーチン中に検出されると、加圧値の数値変化及び非数値変化をステップ70で表示する。
【0062】
ステップ68中の加圧値変化の検出と、ステップ70中の加圧値の数値変化及び非数値変化の表示とに続いて、加圧値のその後の変化を検出しうる。加圧値の変化がインフレーションルーチン中に検出される場合、ステップ68が繰り返される。加圧値変化が検出され且つステップ68が繰り返されると、加圧値の数値及び非数値変化がステップ70で再び表示される。最大インフレーション値に対応する非数値指標がステップ72で表示される。インフレーション加圧値が検出された場合で最大インフレーション値が表示されると、本発明の方法がステップ62に戻される。インフレーション加圧値が検出されない場合に、インフレーションルーチンの終了がステップ74で検出される。本発明の方法はステップ76で終了させる。
【0063】
インフレーション加圧値の検出は、圧力検出変換器のような圧力検出装置により達成しうる。図3A〜3Dに示すようなディスプレイは加圧値の数値を表示し、これにより加圧値の正確な指標を提供することができる。このディスプレイでは、加圧値を示すものとして非数値指標を表示させることもできる。インフレーションルーチン中に、圧力検出装置により加圧値の変化を検出することができ、この場合ディスプレイにより、数値指標及び非数値指標を更新して加圧値の変化を表示させることができる。加圧値の変化のステップ68における検出及びステップ70における表示は、加圧値ルーチン中に複数回生じる可能性がある。本発明の方法によれば、インフレーションルーチンの終了を検出し、続いて、丁度終了したインフレーションルーチンの最終値又は最大値に対応する非数値指標を表示するようにすることもできる。本発明の一実施例によれば、本発明の方法を(図1、2及び6に示す)ディスプレイ回路により遂行することができ、且つソフトウェアコンポーネント又はハードウェアコンポーネント或いはその双方により完全に又は部分的に実行しうる。
【0064】
図5は、本発明の一実施例により、数値及び非数値指標を用いて加圧値情報を表示する他の方法を示す論理流れ図である。この方法はステップ60で開始する。インフレーション加圧値が検出されたかどうかをステップ82で決定する。加圧値が検出されない場合には、ステップ84で加圧値が表示されない。インフレーション加圧値が検出された場合には、ステップ86で加圧値の数値が表示される。次に、ステップ88で加圧値に対応する非数値指標を表示する。ステップ90で圧力検出装置が加圧値の変化を検出し続けるようにしうる。加圧値の変化が検出されない場合には、ステップ86で数値指標を用いて且つステップ88で非数値指標を用いて、現在の加圧値を表示し続けるようにしうる。ステップ90で加圧値の変化が検出された場合には、ステップ92で加圧値の変化が正であるかどうかを決定する。
【0065】
加圧値の変化が正である場合、増大した加圧値の数値をステップ94で表示する。増大した加圧値が表示されると、加圧値に対応する非数値指標をステップ96で表示する。本発明の方法を再びステップ90に戻し、ここで加圧値の変化が検出されたかどうかを決定する。
【0066】
ステップ92に戻すに、加圧値の変化が正でない場合には、減少された加圧値の数値をステップ98で表示する。減少された加圧値の数値が表示されると、最終の最大インフレーション値を表す非数値指標をステップ100で表示させる。次に、加圧値の更なる変化が検出されたかどうかをステップ102で決定する。加圧値の変化が検出された場合には、次に、この加圧値の変化が負であるかどうかをステップ104で決定する。この加圧値の変化が負である場合には、本発明の方法をステップ98に戻し、減少された加圧値の数値を再び表示させる。この加圧値の変化が正である場合には、本発明の方法をステップ94に戻し、増大された加圧値の数値を表示させる。
【0067】
図6は、加圧値を検出するとともに加圧値情報をユーザに対し表示する方法を示す論理流れ図である。図示の実施例においては、本発明の方法をステップ60で開始させる。ステップ112では、システムによりセンサ及びディスプレイの双方又は何れか一方を自動的にゼロ値にする。センサ及びディスプレイの双方又は何れか一方がゼロ値にされると、ステップ114でインフレーションルーチンを開始させる。インフレーションルーチンが開始されると、ステップ116でインフレーション加圧値を検出する。このステップ116でインフレーション加圧値が検出されると、ステップ118で加圧値の数値を表示させる。次に、ステップ120において、加圧値の非数値指標を表示させる。加圧値の非数値及び数値指標が表示されると、ステップ122において、ルーチンの最大インフレーション値の非数値指標を表示させる。現在の加圧値が現在の加圧ルーチン中に生じる最大加圧値と同じである場合には、現在の加圧値を表す非数値指標と、ルーチンの最大加圧値を表す非数値指標とを互いに同じ非数値指標としうる。
【0068】
次に、ステップ124において、ユーザインタフェースのボタン又はその他の駆動機構が押されたか又は駆動されたかどうかを決定する。ボタンの押しが検出されない場合には、本発明の方法をステップ116に戻し、ここでインフレーション加圧値を検出する。ボタンの押しが検出された場合には、決定ステップ126において、ボタンの押しが特定の時間、例えば、N秒よりも長いかどうかを決定する。ボタンの押しが特定の時間よりも長い場合には、ステップ134において、ルーチンの最大加圧値を数値表示で表示させる。本発明の一実施例によれば、予め決定した期間後に、システムが現在の加圧値を表示する状態に自動的に戻るように構成する。本発明の他の実施例によれば、ステップ126につき説明したような予め決定した期間の間ボタンを再度押した後にのみ、システムが現在の加圧値を表示する状態に戻るようにする。
【0069】
決定ステップ126における、ボタンの押しがN秒のような特定の時間よりも長いかどうかの説明に戻るに、ボタンの押しが特定の時間よりも長くない場合には、ステップ128において、加圧値を他の測定単位で表示するように、例えば、PSIからATM/BARに変わるようにディスプレイを切り替える。ディスプレイが測定単位間で切り替えられると、ステップ130において、現在の加圧値が表示される測定単位を示すように測定単位指標を切り替える。次に、ステップ132において、正しい測定単位において対応する非数値指標の数値を提供するように、数値指標を切り替える。ステップ132とステップ134との双方又は何れか一方に続いて、ステップ136において、負の加圧値が検出されるかどうかを(すなわち、加圧値が0psi よりも小さいかどうかを)検出する。負の加圧値が検出された場合には、ステップ114において、新たなインフレーションルーチンが開始される。負の加圧値が検出されない場合には、ステップ116において、インフレーション加圧値を検出する。
【0070】
当業者にとって明らかなように、加圧値を検出する方法及び加圧値を表示する方法の種々の形態及び構造のものを、本発明の範囲及び精神を逸脱することなく用いることができる。例えば、本発明の一実施例によれば、非数値表示のみを用いて現在の加圧値及び代表的な加圧値を表示させることができる。例えば、本発明の一実施例によれば、数値表示のみを用いて現在の加圧値及び代表的な加圧値を表示させることができる。本発明の他の実施例によれば、加圧値の変化のないインフレーション加圧値を検出しうる。本発明の他の実施例によれば、5分の1秒毎のような特定の間隔でインフレーション加圧値を自動的に検出しうるようにする。本発明の他の実施例によれば、数値加圧値と、非数値加圧値と、代表的な加圧値との情報を同時に又は種々の如何なる順序でも更新しうるようにする。
【0071】
本発明は、その精神又は本質的特徴を逸脱することなしに、他の特定の形態で具現化しうる。上述した実施例は、あらゆる態様において説明上のためのものであり、これらに限定されるものではないことに注意すべきである。従って、本発明の範囲は、前述した説明によるものではなく、特許請求の範囲により表されるものである。特許請求の範囲の意味及びその均等範囲に入るあらゆる変更も本発明の範囲に包含されるべきものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療実行者が医療処置中に所望量のインフレーション加圧を選択的に行って、血管形成術用バルーン等の医療機器を患者の身体内で膨張させうるように構成されたインフレーションシリンジであって、このインフレーションシリンジが、
内腔を画定するとともに、所望のインフレーション圧を保持するようになっているバレルと、
このバレルの内腔内に収容されてバレル内の加圧値を増大させるように構成されているプランジャと、
前記バレル内のインフレーション加圧値を検出する検出装置と、
この検出装置に結合されて、医療実行者にバレル内のインフレーション加圧値を表示するディスプレイであって、このディスプレイは、バレル内のインフレーション加圧値の数値表示を与える数値指標と、このインフレーション加圧値の非数値表現を与える非数値指標とを有する当該ディスプレイと
を具えているインフレーションシリンジ。
【請求項2】
請求項1に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記非数値指標が、可能なインフレーション圧の範囲に沿ってインフレーション加圧値の可視表現を与えるインフレーションシリンジ。
【請求項3】
請求項1に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記非数値指標が、複数の非数値指標を与えるインフレーションシリンジ。
【請求項4】
請求項3に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記複数の非数値指標がアレイに配置されているインフレーションシリンジ。
【請求項5】
請求項4に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記アレイが、第1の加圧値に対応する第1の指標と、第2の加圧値に対応する第2の指標とを有するインフレーションシリンジ。
【請求項6】
請求項2に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記非数値指標が更に、直近のインフレーションルーチン中のバレル内の最大加圧値の非数値表現を与えるインフレーションシリンジ。
【請求項7】
請求項2に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記非数値指標が曲線形状に配置されているインフレーションシリンジ。
【請求項8】
請求項2に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記非数値指標が直線形状に配置されているインフレーションシリンジ。
【請求項9】
請求項2に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記非数値指標が非直線形状に配置されているインフレーションシリンジ。
【請求項10】
請求項2に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記非数値指標がアナログであるインフレーションシリンジ。
【請求項11】
請求項2に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記非数値指標がデジタルであるインフレーションシリンジ。
【請求項12】
医療実行者が医療処置中に所望量のインフレーション加圧を選択的に行って、血管形成術用バルーン等の医療機器、又は生理学的個所を患者の身体内で膨張させうるように構成されたインフレーションシリンジと共に用いるディスプレイであって、このディスプレイが、
インフレーションシリンジのバレル内のインフレーション加圧値に関連する情報を受けるユーザインタフェースと、
前記バレル内のインフレーション加圧値の数値表示を与える数値指標と、
前記バレル内のインフレーション加圧値の非数値表現を与える非数値指標であって、この非数値指標により、現在の加圧値と代表的な加圧値とを表示する当該非数値指標と
を具えるディスプレイ。
【請求項13】
請求項12に記載のディスプレイにおいて、前記非数値指標が更に、直近に終了したインフレーションルーチン中のバレル内の最大インフレーション加圧値の非数値表現を与えるディスプレイ。
【請求項14】
請求項12に記載のディスプレイにおいて、インフレーションルーチンの終了時に、この終了されたインフレーションルーチンの最大加圧値を前記数値指標が自動的に表示し、非数値指標が同じ最大インフレーション加圧値の非数値表現を自動的に与えるディスプレイ。
【請求項15】
請求項12に記載のディスプレイにおいて、前記ユーザインタフェースが更に、
前記インフレーションシリンジのバレル内のインフレーション加圧値に関連する情報を処理するプロセッサと、
このプロセッサに結合されたディスプレイモジュールであって、このディスプレイモジュールがインフレーション加圧値情報を表示し、及びこのディスプレイモジュールが数値指標及び非数値指標を有する当該ディスプレイモジュールと
を具えるディスプレイ。
【請求項16】
請求項15に記載のディスプレイにおいて、このディスプレイが更に、前記プロセッサ及び前記ディスプレイモジュールを囲んで互いに結合されるように構成された基部及び被覆部を有するハウジングを具えるディスプレイ。
【請求項17】
医療実行者が医療処置中に所望量のインフレーション加圧を選択的に行って、血管形成術用バルーン等の医療機器を患者の身体内で膨張させうるように構成されたインフレーションシリンジと共に用いるディスプレイであって、このディスプレイが、
インフレーション加圧値に対応する第1の指標と、
1つ以上の追加の指標であって、これらの各々がインフレーション加圧値に対応している当該追加の指標と
を具えており、前記第1の指標と前記1つ以上の追加の指標とが、単一のアレイで順次に配置されて、第2のインフレーション加圧値に対する現在のインフレーション加圧値の表示を与え、前記第1の指標と、前記追加の指標のうちの1つ以上の指標とが同時に駆動されて、現在のインフレーション加圧値とは異なる前記第2のインフレーション加圧値に対する現在のインフレーション加圧値を表すディスプレイ。
【請求項18】
請求項17に記載のディスプレイにおいて、前記第1の指標及び前記1つ以上の追加の指標が非数値指標であるディスプレイ。
【請求項19】
請求項18に記載のディスプレイにおいて、このディスプレイが更に、正確なインフレーション加圧値情報を表示する数値指標を有するディスプレイ。
【請求項20】
医療実行者が医療処置中に所望量のインフレーション加圧を選択的に行って、血管形成術用バルーン等の医療機器を患者の身体内で膨張させうるように構成されたインフレーションシリンジであって、このインフレーションシリンジが、
内腔を画定するとともに、所望のインフレーション圧を保持するようになっているバレルと、
このバレルの内腔内に収容されてバレル内の加圧値を増大させるように構成されているプランジャと、
前記バレル内のインフレーション加圧値を検出する検出装置と、
この検出装置に結合されて、医療実行者にバレル内のインフレーション加圧値を表示するディスプレイであって、このディスプレイは、このインフレーション加圧値の非数値表現を与える非数値指標を有し、この非数値指標は、インフレーションシリンジのバレルの現在のインフレーション加圧値を反映しない代表的なインフレーション値の表示を与えるように構成されている当該ディスプレイと
を具えるインフレーションシリンジ。
【請求項21】
請求項19に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記代表的なインフレーション値を、直近に終了したインフレーションルーチン中の最大インフレーション値とするインフレーションシリンジ。
【請求項22】
請求項19に記載のインフレーションシリンジにおいて、前記代表的なインフレーション値を、ユーザが決定する目標インフレーション値とするインフレーションシリンジ。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−519669(P2011−519669A)
【公表日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508537(P2011−508537)
【出願日】平成21年4月13日(2009.4.13)
【国際出願番号】PCT/US2009/040310
【国際公開番号】WO2009/137225
【国際公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【出願人】(500173402)メリット・メディカル・システムズ・インコーポレーテッド (7)
【Fターム(参考)】