説明

改善されたメッセージ配信を容易にするためのUE到達可能性サブスクリプション/通知のための方法および装置

ネットワーク内のユーザ・デバイス間のデータ・セッションを処理する方法が開示される。本方法は、第1のネットワーク要素において、ユーザ・デバイスに向けられたショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信の表示を受信することを含む。次に、第2のネットワーク要素にショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信を通知し、第2のネットワーク要素が第1のネットワーク要素にユーザ・デバイスが到達可能になったら通知するよう要求するフラグを含む、挿入加入者データ要求メッセージが第2のネットワーク要素に送信される。第1のネットワーク要素は、第2のネットワーク要素から挿入加入者データ要求応答を受信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2009年4月9日に出願した米国仮特許出願第61/212,307号の優先権を主張するものである。
【0002】
本発明は、改善されたメッセージ配信を容易にするためのユーザ機器到達可能性サブスクリプション/通知のための方法および装置に関する。
【0003】
本発明は、具体的には移動電気通信の技術を対象とし、したがって特にそれに関連して説明されるが、本発明は、他の分野および用途においても有用であり得ることが理解されるであろう。
【背景技術】
【0004】
背景として、LTE(ロング・ターム・エボリューション)は、将来の通信ネットワーク需要に対処するためにUMTS(ユニバーサル移動電気通信システム)モバイル・フォン規格を改善することを目指す急速に進化している3GPPプロジェクトである。LTEは、無線ネットワーク効率/帯域幅を改善し、コストを下げ、サービス・エクスペリエンスを向上させる。具体的には、LTEは、新しいスペクトル機会を利用し、他のオープン規格とのより良い統合を提供する。LTEは、EPS(進化パケットシステム、進化パケット・コアとしても知られている)とともにLTE RAN(無線アクセス・ネットワーク)(E−UTRANとしても知られている)から成る。
【0005】
SMS(すなわち、ショート・メッセージ・サービス)は、セルフォン間で、またはPCもしくはハンドヘルドからセルフォンにテキストを送信する通信の方法である。「ショート」の部分は、テキスト・メッセージの最大のサイズ、通常160文字(ラテン語のアルファベットの文字、数字、または記号)を表す。
【0006】
いくつかのレガシー・システムには、レガシーCS(回線交換)ドメインおよびPS(パケット交換)ドメインがある。CSドメインおよびPSドメインにおいては、SMS配信は、LAU/RAU(位置登録更新/ルーティング・エリア更新)など、いずれかのNAS(非アクセス層)手順によってUE(ユーザ機器)が検出されたときは、MSC/VLR(移動交換局/ビジタ・ロケーション・レジスタ)またはSGSN(サービングGPRSサポート・ノード)によって再試行される。SMSオーバIP(インターネット・プロトコル)では、SMSメッセージの配信はいくつかのドメイン上で試行されるので、SMS配信は、HSS(ホーム加入者サーバ)によってだけではなくMSC/VLRまたはSGSNによっても、IMS(IPマルチメディア・サブシステム)レジスタを介して検出される。
【0007】
しかし、現在LTEネットワーク/規格には、HSSが、SMSメッセージがSMSオーバIPを介して配信されることができなかったことをMME(モビリティ管理エンティティ)に通知し、利用可能なUEが到達可能になったらHSSに通知するようMMEに要求するための機構がない。
【0008】
本発明は、上記で言及された難点などを解決する新しい改善された方法および装置を企図する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
改善されたメッセージ配信を容易にするための方法および装置が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様では、ネットワーク内のユーザ・デバイス間のデータ・セッションを処理する方法が提供される。本方法は、第1のネットワーク要素において、ユーザ・デバイスに向けられたショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信の表示を受信することと、第2のネットワーク要素にショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信を通知し、第2のネットワーク要素が第1のネットワーク要素にユーザ・デバイスが到達可能になったら通知するよう要求するフラグを含む、挿入加入者データ要求メッセージを第2のネットワーク要素に送信することと、第1のネットワーク要素において、第2のネットワーク要素から挿入加入者データ要求応答を受信することと、を含む。
【0011】
本発明の他の態様では、ネットワーク内のユーザ・デバイス間のデータ・セッションを処理する方法が提供される。本方法は、第1のネットワーク要素において、第1のネットワーク要素にユーザ・デバイスへのショート・メッセージ・サービスの非配信を通知し、第1のネットワーク要素が第2のネットワーク要素にユーザ・デバイスが到達可能になったら通知するよう要求するフラグを含む、挿入加入者データ要求メッセージを第2のネットワーク要素から受信することと、第1のネットワーク要素に動作可能に接続されたデータベースに挿入加入者データ要求メッセージを記憶することと、ユーザ・デバイスが、ショート・メッセージ・サービス・メッセージを今受信することが可能であるという表示を受信することと、ユーザ・デバイスがショート・メッセージ・サービス・メッセージを今受信することが可能であることを示すフラグを含む、通知要求メッセージを第2のネットワーク要素に送信することと、を含む。
【0012】
本発明の他の態様では、コンピュータ・プログラム製品が提供される。本製品は、コンピュータによって実行されたときに、第1のネットワーク要素において、ユーザ・デバイスに向けられたショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信の表示を受信するステップと、第2のネットワーク要素にショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信を通知し、第2のネットワーク要素が第1のネットワーク要素にユーザ・デバイスが到達可能になったら通知するよう要求するフラグを含む、挿入加入者データ要求メッセージを第2のネットワーク要素に送信するステップと、第1のネットワーク要素において、第2のネットワーク要素から挿入加入者データ要求応答を受信するステップと、を含む方法を、コンピュータに実行させる命令を記憶するコンピュータ使用可能データ担体を含む。
【0013】
本発明の他の態様では、ネットワーク内のユーザ・デバイス間のデータ・セッションを処理するための装置が提供される。上記装置は、挿入加入者データ要求メッセージを第1のネットワーク要素に動作可能に接続されたデータベースに記憶するデータベースおよび第1のネットワーク要素を含む。第1のネットワーク要素は、第1のネットワーク要素にユーザ・デバイスへのショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信を通知し、第1のネットワーク要素が第2のネットワーク要素にユーザ・デバイスが到達可能になったら通知するよう要求するフラグを含む、挿入加入者データ要求メッセージを第2のネットワーク要素から受信し、ユーザ・デバイスがショート・メッセージ・サービス・メッセージを今受信することが可能であるという表示を受信し、ユーザ・デバイスがショート・メッセージ・サービス・メッセージを今受信することが可能であることを表示するフラグを含む、通知要求メッセージを第2のネットワーク要素に送信するように動作可能である。
【0014】
本発明の適用可能性のさらなる範囲は、下記で提供される詳細な説明から明らかになるであろう。しかし、詳細な説明および特定の実施例は、本発明の好ましい実施形態を示すが、本発明の趣旨および範囲内の様々な変更および修正は当業者には明らかになるであろうから、例としてのみ提供されることを理解されたい。
【0015】
本発明は、デバイスの様々な部分の構成、配列、および組合せ、ならびに方法のステップに存在し、それによって、企図された目的は、以下でさらに十分に説明され、添付の特許請求の範囲に記載の請求項において具体的に指摘され、添付の図面において例示されるように達成される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】以下で説明される実施形態がそこに組み込まれることが可能である例示的モバイル・システムを例示する図である。
【図2】HSSとMMEとの間のLTEダイアメータ(Diameter)S6aインターフェースを示す図である。
【図3】本発明の態様による例示的メッセージの流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図が例示的実施形態を例示する目的のためだけであり、本クレーム主題を限定する目的のためではない図面を参照すると、図1は、下記で説明される実施形態がそこに組み込まれることが可能である例示的モバイル・システムの図を提供する。
【0018】
PSドメイン(GPRSおよびEPCの両方)ならびにPSTN/ISDNおよびPDNへの相互接続をサポートする公衆地上モバイル・ネットワーク(PLMN)の基本的構成が図1に提示されている。この構成は、PLMNに見られるシグナリング・インターフェースおよびユーザ・トラフィック・インターフェースを提示する。実装形態は様々でよい、すなわち、いくつかの特定の機能が同じ機器に集められてもよく、その場合、いくつかのインターフェースが内部インターフェースになり得る。図1に提示されている基本的構成では、すべての機能が異なる機器に実装されると考えられる。したがって、PLMNの中のすべてのインターフェースは外付けである。
【0019】
全体的に示されているように、モバイル・システムの基本的部分は、コア・ネットワーク(CN)、アクセス・ネットワーク(AN:BSS、RNS)、および少なくとも1つの移動局(MS)/ユーザ機器(UE)を含む。
【0020】
PSドメインおよびCSドメインに共通のエンティティは、下記を含む。ホーム加入者サーバ(HSS)、ホーム・ロケーション・レジスタ(HLR)、認証センタ(AuC)、ビジタ・ロケーション・レジスタ(VLR)、機器識別レジスタ(EIR)、SMSゲートウェイMSC(SMS−GMSC)、SMSインターワーキングMSC(SMS−IWMSC)、加入者ロケータ機能(SLF)、ボーダ・ゲートウェイ(BG)。
【0021】
CSドメインのエンティティは、下記を含む。モバイル・サービス交換センタ(MSC)、MSCサーバ、回線交換−メディア・ゲートウェイ機能(CS−MGW)、ゲートウェイMSC(GMSC)、ゲートウェイMSCサーバ(GMSCサーバ)、インターワーキング機能(IWF)。
【0022】
GPRSPSドメインのエンティティは、下記を含む。サービングGPRSサポート・ノード(SGSN)およびゲートウェイGPRSサポート・ノード(GGSN)。
【0023】
EPCPSドメインのエンティティは、下記を含む。MME、ゲートウェイ、サービングGW、PDNGW、SGSN、信頼できる非3GPPおよび信頼できない非3GPP、ePDG、3GPP AAAServer、3GPP AAAProxy。
【0024】
アクセス・ネットワーク(AN)エンティティは、下記を含む。基地局システム(BSS)、基地局コントローラ(BSC)、トランシーバ基地局(BTS)、無線ネットワーク・システム(RNS)、無線ネットワーク・コントローラ(RNC)、ノードB、E−UTRAN用アクセス・ネットワーク要素、E−UTRANノードB(eNB)、進化UTRAN、移動局(MS)、ユーザ機器(UE)。
【0025】
次に図2を参照すると、本明細書における実施形態は、いくつかの他のネットワーク要素とともに、HSS12とMME14との間のLTEダイアメータS6aインターフェース10にフォーカスされる。図2はまた、SMSC(ショート・メッセージ・サービス・センタ)16、E−UTRAN18、UE(すなわち、ユーザ・デバイス)20、およびMME14とE−UTRAN18との間の1対の追加のインターフェース、すなわちS1−MME22、およびE−UTRAN18とUE20との間のEUTRAN−Uu24を含む。
【0026】
S6aインターフェース10は、一般に、サブスクリプション、およびMME14とHSS12との間の進化システム(AAAインターフェース)へのユーザアクセを認証/認可する認証データの伝送を可能にする。
【0027】
HSS12は、通常、所与のユーザのためのマスタ・データベースとして機能する。HSS12は、実際にコール/セッションを処理するネットワーク・エンティティをサポートするためのサブスクリプション関連情報を含むエンティティである。ホーム・ネットワークは、モバイル加入者の数、装置の容量、およびネットワークの構成に応じて1つまたはいくつかのHSSを含むことができる。一実施例として、HSS12は、認証、認可、ネーミング/アドレッシング解決、位置依存性などを解決することによりルーティング/ローミング手順を完全なものにするために、コール制御サーバにサポートを提供することができる。
【0028】
MME(モビリティ管理エンティティ)14は、本質的にLTEアクセス・ネットワークのための制御ノードである。MME14は、再伝送を含めてアイドル・モードUE(ユーザ機器)追跡および呼出手順を担当する。MME14は、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化プロセスに関与し、初期接続処理時およびコア・ネットワーク(CN)ノードのリロケーションに関するLTE内部でのハンドオーバ時に、UEのためのSGWを選択することをも担当する。MME14は、(HSSと対話することにより)ユーザを認証することを担当する。MME14は、加入者およびセッション管理に関連する制御プレーン機能すべてを担当する。MME14は、S6aインターフェースを通して、ユーザ・サブスクリプション情報すべてを含むデータベースをサポートするHSS12にリンクされる。HSS12へのS6aインターフェースは、ダイアメータ・プロトコルに基づく。基本プロトコルは、基本的ダイアメータ・メッセージ・フォーマットを定義する。データは、属性値ペア(AVP)の集まりとしてのダイアメータ・メッセージの中で搬送される。AVPは、複数のフィールド、すなわちAVPコード、長さ、フラグ、およびデータから成る。いくつかのAVPは、ダイアメータ基本プロトコルによって使用されるが、他のAVPはダイアメータ・アプリケーション向けである。
【0029】
SMSC16は、SMSメッセージを配信する移動電話ネットワーク内のネットワーク要素である。一般に、ユーザが別のユーザにテキスト・メッセージ(SMSメッセージ)を送信するときは、メッセージはSMSCに記憶され、SMSCはそのメッセージを宛先ユーザへと、それらの宛先ユーザが利用可能なときに配信する。SMSCはまた、IPショート−メッセージ−ゲートウェイ(IP−SM−GW)と取り替えられる、または結合されることが可能であることに留意されたい。
【0030】
E−UTRAN(またはeUTRAN)18は、モバイル・ネットワークのための3GPPのロング・ターム・エボリューション(LTE)更新経路のエア・インターフェースであり、進化UMTS地上無線アクセス・ネットワークの略語である。
【0031】
UE20は、通信するために直接エンドユーザによって使用される任意のデバイスである。UE20は、ハンドヘルド電話、ラップトップ・コンピュータ内のカード、または他のいかなるデバイスでもよい。UE20は、基地局(「ノードB」、または3Gトランシーバ基地局)に接続される。UE20は、GSMシステム内の移動局(MS)にほぼ相当する。UEとノードBとの間の無線インターフェースは、Uuと呼ばれる。
【0032】
本明細書では、MMEにSMSメッセージがSMSオーバIPを介して配信されなかったことを通知するためのダイアメータS6a IDR(挿入加入者データ要求)を有する新しいHSS通知機構が説明される。挿入加入者データは、3GPPによって標準化された、GSM/UMTSネットワークにおいて利用されるMAP加入者管理サービスである。このサービスは、IWF(インターワーキング機能)を介してMMEを更新するために、HSSによって現在の環境において特定の加入者データを提供するために使用される。このサーバは、主に、加入者パラメータに変更があるときかまたは加入者の位置更新時に、サービング加入者管理エンティティを更新するためにホーム加入者管理エンティティによって使用される。
【0033】
いくつかの実施形態では、MME14がHSS要求を受信した後に、MME14がHSS12にUE20が到達可能になったら通知する。次いで、HSS12は、必要に応じて適切なSMSCに対するアラート・サービス手順を開始する。アラート・メッセージの受信時に、SMSC16は、UE20に記憶されているSMSメッセージを再度送信しようと試みる。
【0034】
本明細書では、HSSがMME14に、SMSメッセージがSMSオーバIPを介して配信されなかったことを通知するためにダイアメータS6aメッセージIDR(挿入加入者データ要求)を拡張し拡大するための実施形態が説明される。新しいIDRフラグAVPが、UE20が到達可能になったらHSS12に通知するようMME14に要求するこの目的にかなうように、S6a IDRメッセージに付加される。この新しいIDRフラグAVPは、現在加入者のサービス・データが変更されたことをMME/SGSNに通知するために使用されるだけである、既存のS6a IDRメッセージ範囲を拡大する。新しいIDRフラグAVPは、複数の要求ビットを可能にし、したがって、将来の機会を可能にし、IDRメッセージをより強力で多用途にする。さらに、本明細書では、MME14がHSS12にUE20が到達可能になったら通知するためにダイアメータS6aメッセージNOR(通知−要求)を拡張する実施形態が開示される。
【0035】
SMSオーバIP非配信に関するMMEへのHSS通知
図3は、本発明の態様による例示的メッセージの流れを示す。SMSC16とHSS12との間にダイアメータShインターフェースがあることが留意される。
【0036】
最初に、SMSC16は、SMSメッセージがSMSオーバIPを介してUE20に配信されなかった、すなわちUEは到達可能でないことを見つける(301)。
【0037】
次いで、HSS12は、HSS12がUE到達可能性サブスクリプションに関するSMSC16からのダイアメータSh SNR(加入−通知−応答)メッセージを受信したときに、そのようなSMSメッセージがないことを検出することができる(302)。その場合、HSS12はUE到達可能要求フラグをセットアップする(303)。国際モバイル加入者識別(IMSI)がMME IDを記憶している場合は、HSS12は、特定のSMSメッセージがUE20向けにSMSオーバIPを介して配信されなかったことをMME14に示す、新しい「IDRフラグ」AVPを有するダイアメータS6a IDR(挿入−加入者−データ−要求)メッセージをMME14に送信する(304)。そのようなIDRメッセージは、HSS12がMME14にUE20が到達可能になったらHSS12に通知するよう要求することができるようにする。さらに、HSS12は、SMSC16にダイアメータSh SNA(加入−通知−応答)メッセージを送信する(305)。MME14は、ダイアメータS6a IDA(挿入−加入者−データ−応答)メッセージでHSS12に応答する(306)。
【0038】
ダイアメータS6a IDRに付加されるこの新しい「IDRフラグ」AVPは、既存のS6a IDRメッセージ範囲を拡大する(現在、メッセージは、MME/SGSNに加入者のサービス・データが変更されたことを通知するために使用されるだけである)。さらに、この新しいIDRフラグAVPは、複数の要求ビットを可能にする、したがって将来の機会を可能にし、IDRメッセージをより強力で多用途にする。
【0039】
一実施形態では、新しいIDRフラグAVPは、タイプUnsigned32のものであり、ビット・マスクを含む。Unsigned32は、その範囲が非負整数(0から4294967295)しか含まない値を指定する。ビットの意味は、以下の表で定義されるとおりでよい。
【0040】
【表1】

【0041】
UE到達可能性に関するHSSへのMME通知
MME14がHSS12から前述のIDRメッセージを受信したときに、MME14は、UE到達可能性通知を求めるHSSの要求を適切なデータベースに記憶する。MME14が、UE20が到達可能になったことを検出した場合は(307)、MME14に記憶されているHSS要求によって、MME14はHSS12に、UE20が今到達可能であることを示す、NORフラグAVPを有するダイアメータS6a通知−要求(NOR)メッセージを送信する(308)。
【0042】
UE到達可能指示は、タイプUnsigned32のものでよく、以下の表に記載されているようなビット・マスクを含んでよい、NORフラグAVPのビット3として示されることが可能である。
【0043】
【表2】

【0044】
NORフラグAVPのビット3は、UEが到達可能になったことを示すために使用される。
【0045】
HSS12は、UE到達可能要求フラグをリセットする(309)。次いで、HSS12は、MME14にダイアメータS6a NOA(通知−応答)メッセージを送信し(310)、SMSC16にダイアメータSh PNR(プッシュ−通知−応答)メッセージを送信する(311)。最後に、SMSC16は、HSS12にダイアメータSh PNA(プッシュ−通知−応答)を送信する(312)。
【0046】
したがって、要約すると、HSSが、SMSメッセージがSMSオーバIPを介して配信されなかったことを検出すると、HSSは、SMSメッセージがUE20向けにSMSオーバIPを介して配信されなかったことをMME14に示す、新しい「IDRフラグ」AVPを有するダイアメータS6aメッセージIDRをMMEに送信する。これはまた、HSS12がHSS12にUE20が到達可能になったら通知するようMME14に要求する目的にかなう。S6a IDRメッセージに付加される新しいIDRフラグAVPは、既存のS6a IDRメッセージ範囲を拡大するために使用されることが可能である。新しいIDRフラグAVPは、タイプUnsigned32のものでよく、複数のビットのビット・マスクを含んでよい。MME14が、UE20が到達可能になったことを検出したときは、MME14に記憶されているHSS要求に基づいて、MME14は、UE20が今到達可能であることを示すNORフラグAVPを有するダイアメータS6a NORメッセージをHSS12に送信する。
【0047】
適切には、本明細書で説明される方法およびシステムは、コンピュータ、またはマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、グラフィック処理装置(GPU)などのデジタル・プロセッサを含めて他のデジタル処理デバイス、およびストレージによって実施されることが理解されるべきである。他の実施形態では、システムおよび方法は、デジタル・プロセッサを含み、デジタル・データ・ストレージへのアクセスを含むまたは有するサーバによって実施されてよく、そのようなサーバは、インターネットもしくはローカル・エリア・ネットワークを介して、またはデジタル・プロセッサおよびデジタル・データ・ストレージなどを含む携帯情報端末(PDA)によって適切にアクセスされる。コンピュータまたは他のデジタル処理デバイスは、ユーザ入力を受信するために、キーボードなどの1つまたは複数のユーザ入力デバイスを適切に含むかまたはそれらと動作可能に接続され、さらに、1つまたは複数の表示装置を含むかまたはそれらと動作可能に接続される。他の実施形態では、方法およびシステムを制御するための入力は、コンピュータ上で方法およびシステムより前にもしくはそれらと同時に実行されている別のプログラムから、またはネットワーク接続などから受信される。同様に、他の実施形態では、出力は、コンピュータ上で方法およびシステムに続いてもしくはそれらと同時に実行されている別のプログラムへの入力として役立つことが可能である、またはネットワーク接続などを介して伝送されることが可能である。
【0048】
いくつかの実施形態では、本出願の上記で説明された例示的方法、それらを実施するシステムなどは、例示的方法および/またはシステムを実施するために、(例えば、デジタル・プロセッサによって)実行可能な命令を記憶している記憶媒体によって実施される。記憶媒体は、例えば、磁気ディスクもしくは他の磁気記録媒体、光ディスクもしくは他の光記憶媒体、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)もしくは他の電子メモリデバイスもしくはチップもしくは動作可能に相互接続されたチップのセット、記憶されている命令がインターネットもしくはローカル・エリア・ネットワークを介してそれから取り出されるインターネット・サーバなどを含んでよい。
【0049】
本明細書で提示されている特定の例示的実施形態に関連して、いくつかの構造的および/または機能的特徴は、定義された要素および/または構成要素に組み込まれているように記載されていることがさらに理解されるべきである。しかし、これらの特徴は、適切な場合は、同じまたは同様の利益のために、他の要素および/または構成要素に同様に組み込まれることも可能であることが企図される。例示的実施形態の様々な態様は、所望の用途に適した他の代替実施形態を遂行するために適宜選択的に利用されることが可能であり、それによって、他の代替実施形態はそこに組み込まれている態様のそれぞれの利点を実現することも理解されるべきである。
【0050】
本明細書に記載されている特定の要素または構成要素の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せによって適切に実施されることが可能であることも理解されるべきである。さらに、本明細書では一緒に組み込まれているように記載されているいくつかの要素は、適切な環境の下で、スタンドアロン要素であっても、またはそうでなければ分割されてもよいことが理解されるべきである。同様に、1つの特定の要素によって実行されるように記載されている複数の特定の機能は、個々の機能を実行するために独立して動作する複数の別個の要素によって実行されてもよく、またはいくつかの個々の機能は、協調して動作する複数の別個の要素によって分担されて実行されてもよい。代替として、本明細書ではそうではなく相互に異なるように説明および/または示されているいくつかの要素または構成要素は、適切な場合は、物理的または機能的に結合されてもよい。
【0051】
要約すれば、本明細書は、好ましい実施形態を参照しながら説明されてきた。明らかに、本明細書を読んで理解すれば、他者には修正および変更が思いつかれるであろう。本発明は、すべてのそのような修正および変更が添付の特許請求の範囲またはその同等物の範囲に含まれる限りは、すべてのそのような修正および変更を含むと解釈されるものとする。すなわち、上記で開示されたおよび他の特徴および機能の変形形態、またはそれらの代替形態は、望ましくは、多くの他の異なるシステムまたはアプリケーションに結合されてよく、様々な現在予見されないまたは予期されない代替、修正、変更、またはそれらにおける改善は、当業者によって続いて行われてよく、同様に、それらは添付の特許請求の範囲によって包含されるものとすることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク内のユーザ・デバイス間のデータ・セッションを処理する方法であって、
第1のネットワーク要素において、ユーザ・デバイスに向けられたショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信の表示を受信することと、
第2のネットワーク要素に前記ショート・メッセージ・サービス・メッセージの前記非配信を通知し、前記第2のネットワーク要素が前記第1のネットワーク要素に前記ユーザ・デバイスが到達可能になったら通知するよう要求するフラグを含む、挿入加入者データ要求メッセージを前記第2のネットワーク要素に送信することと、
前記第1のネットワーク要素において、前記第2のネットワーク要素から挿入加入者データ要求応答を受信することと
を備える方法。
【請求項2】
前記フラグがタイプUnsigned32のものであり、ビット・マスクを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワークがロング・ターム・エボリューション(LTE)アクセス・ネットワークを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ネットワーク内のユーザ・デバイス間のデータ・セッションを処理する方法であって、
第1のネットワーク要素において、前記第1のネットワーク要素にユーザ・デバイスへのショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信を通知し、前記第1のネットワーク要素が第2のネットワーク要素に前記ユーザ・デバイスが到達可能になったら通知するよう要求するフラグを含む、挿入加入者データ要求メッセージを前記第2のネットワーク要素から受信することと、
前記挿入加入者データ要求メッセージを前記第1のネットワーク要素に動作可能に接続されたデータベースに記憶することと、
前記ユーザ・デバイスが前記ショート・メッセージ・サービス・メッセージを今受信することができるという表示を受信することと、
前記ユーザ・デバイスが前記ショート・メッセージ・サービス・メッセージを今受信することができることを示すフラグを含む、通知要求メッセージを前記第2のネットワーク要素に送信することと
を備える方法。
【請求項5】
前記フラグがタイプUnsigned32のものであり、ビット・マスクを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ネットワークがロング・ターム・エボリューション(LTE)アクセス・ネットワークを備える、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
ネットワーク内のユーザ・デバイス間のデータ・セッションを処理するための装置であって、
挿入加入者データ要求メッセージを第1のネットワーク要素に動作可能に接続されたデータベースに記憶するデータベースと、
第1のネットワーク要素であって、前記第1のネットワーク要素にユーザ・デバイスへのショート・メッセージ・サービス・メッセージの非配信を通知し、前記第1のネットワーク要素が第2のネットワーク要素に前記ユーザ・デバイスが到達可能になったら通知するよう要求するフラグを含む、前記挿入加入者データ要求メッセージを前記第2のネットワーク要素から受信し、
前記ユーザ・デバイスが前記ショート・メッセージ・サービス・メッセージを今受信することができるという表示を受信し、前記ユーザ・デバイスが前記ショート・メッセージ・サービス・メッセージを今受信することができることを示すフラグを含む、通知要求メッセージを前記第2のネットワーク要素に送信するように動作可能な第1のネットワーク要素と
を備える装置。
【請求項8】
前記ネットワークがロング・ターム・エボリューション(LTE)アクセス・ネットワークを備える、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記第1のネットワーク要素がホーム加入者サーバ(HSS)を備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記第2のネットワーク要素がモビリティ管理エンティティ(MME)を備える、請求項9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−523764(P2012−523764A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504845(P2012−504845)
【出願日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際出願番号】PCT/US2010/030323
【国際公開番号】WO2010/118192
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(391030332)アルカテル−ルーセント (1,149)
【Fターム(参考)】