説明

改善された加工性及び表面硬化を有する新規な三量体触媒

【課題】α、β−不飽和カルボン酸塩を有する三量化触媒組成物、および三量化触媒組成物使用するポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体の生成方法を提供する。
【解決手段】少なくとも1種の発泡剤および少なくとも1種のα、βー不飽和カルボン酸塩を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種の活性水素を含む化合物とを接触させることを含む、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体の調整方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全般的に触媒系、触媒系を含む組成物、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体(foam)の処方、およびPIR/PUR発泡体の生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体は、触媒の存在下で、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させることによって作られる。追加の添加物が存在可能である。PIR/PUR発泡体生成物は、優れた熱安定性および耐炎性を有する。イソシアヌレートは、約160℃の温度まで強度を保ち、そして大部分の有機溶媒、酸、アルカリ、紫外線、および湿度に対して耐性がある。
【0003】
例えば、ある種のアルカリ金属カルボン酸塩等のある種のカルボン酸塩は、触媒PIR/PUR発泡体の生成における触媒として使用されてきた。しかし、市販されているアルカリ金属カルボン酸塩触媒を使用すると、多くの場合、連続的な発泡工程で、特に重大である望ましくない発泡体処理の問題をもたらす。発泡体の上昇速度プロファイルを測定する場合に、通常は三量化工程の開始と関連して、または発泡体高さ対時間をプロットすることによって、独特な"ステップ"が観察される。この三量化"ステップ"は、発泡体の上昇速度で際立った変化を起こし;本質的に、発泡体は成形過程中に2つの異なる速度で拡大する。連続的なポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体のラミネーション工程では、製造ユニットの速度を調整して、発泡体の上昇速度の変化に合わせることは困難である。その結果、発泡体過剰充填または発泡体の逆流となる可能性がある。高いイソシアネートインデックスでポリイソシアヌレート/ポリウレタン処方を処理する場合、発泡体高さのこの望ましくない急速な上昇は、特に厄介である。すなわち、発泡体の上昇速度の変化は、より高いイソシアネートインデックスではさらに劇的である。その結果、高いイソシアネートインデックスで、従来のアルカリ金属カルボン酸塩触媒を使用して、望ましい低可燃性発泡体生成物を生成することは、技術上の挑戦となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アルカリ金属カルボン酸塩触媒に比較して、ヒドロキシアルキルアンモニウムカルボン酸塩に基づく、市販されているポリイソシアヌレート三量化触媒は、連続的な工程中で異なった加工性を示す。これらは、上昇プロファイルでより滑らかな速度を与え、そしてより顕著でない三量化の"ステップ”を有する。"すなわち、より高いイソシアネートインデックスでさえ、発泡体の上昇速度は、さらに一致する。しかし、ヒドロキシアルキルアンモニウムカルボン酸塩触媒は、約100℃超の温度で不安定で、揮発性のアミン副生成物に分解する可能性がある。この分解工程は、揮発性アミンの放出を起こし、そして望ましくないアミン臭を最終発泡体生成物に与える可能性がある。PIR/PUR発泡体を生成する重合反応は、非常に発熱し、多くの場合100℃を超える発泡体の処理温度となる。
それ故に、ヒドロキシアルキルアンモニウムカルボン酸塩触媒は、さらに予測可能な発泡体の加工性を与えることができるが、時々望ましくないアミン臭を有する発泡体生成物を代償とする。
【0005】
従って、連続的な工程でPIR/PUR発泡体を生成するために、時間に対する発泡体高さが滑らかな上昇プロファイルを示すことが可能な触媒組成物へのニーズが存在する。さらに、該触媒組成も、高いイソシアネートインデックスと発泡体処方中で、よく機能する。同時に、触媒組成物で出来た発泡体生成物が、ラミネート加工した発泡体パネル等の最終製品の製造中に、表面のもろさを減少させそして表面の付着力を高めることが出来るように、触媒組成物は、市販されている触媒系に比較したときに、等しいかまたはより速い表面硬化を与えるべきである。任意選択的に、 触媒成分の選択によって、該触媒組成物は、PIR/PUR発泡体が通常生成の間に出会う温度で熱的に安定であることが可能で、そして揮発性アミンおよび/又はアミン臭が、実質的にない発泡体を生成する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、次式を有する少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含むPIR/PUR発泡体を生成するための新規な触媒組成物を与える。
【0007】
【化1】

(ここで X、Y、およびZは、置換または非置換のいずれの、C〜C36の、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキル; −COH;−COM;または水素原子から独立して選択され;そして、
Mは、それぞれの場合において、
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、または
(iii)第四級アンモニウムイオンから独立して選択される)。
【0008】
別の形態では、本発明は、少なくとも1種の活性水素を含む化合物の接触生成物を含む新規な組成物、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物を開示する。さらに、本発明は、少なくとも1種のポリイソシアネートの接触生成物、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物を含む新規な組成物も開示する。
【0009】
本発明は、少なくとも1種の発泡剤、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のポリイソシアネートと、少なくとも1種の活性水素を含む化合物との接触を含む、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体を調製するための方法も与える。
【0010】
本発明の触媒組成物は、高いイソシアネートインデックスの場合でさえ、実質的に一貫した時間対発泡体高さの上昇を提供し、そしてPIR/PUR発泡体の調製中に、より早い表面硬化を与える。本発明の別の形態では、触媒組成物は、揮発性アミンおよび/又はアミン臭が実質的にないPIR/PUR発泡体を生成する、標準的な発泡体の処理温度で、熱的に安定であることが可能である。
【0011】
当業者が、本発明の詳細な記載を理解することを助けるために、以下の規定が与えられる。
PIR −ポリイソシアヌレート。
PUR −ポリウレタン。
イソシアネートインデックス−実際に使用される量のポリイソシアネートを、反応混合物中のすべての活性水素と反応するために必要とされる理論的に必要な化学量論量のポリイソシアネートで割って、100をかけた値。また、(NCO当量/活性水素の当量)×100として公知。
pphp −ポリオール100重量部当たりの重量部。
エアープロダクツアンドケミカルズ社(Air Products and chemicals Inc.:APCI)のダブコ(商標) K15触媒は、ジエチレングリコール中、アルカリ金属カルボン酸塩、カリウム2−エチルヘキサノエート(また公知のカリウムオクトエート)の70%溶液である。
エアープロダクツアンドケミカルズ社のダブコ(DABCO) TMR(商標)触媒は、エチレングリコール中、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエートの75%溶液である。
エアープロダクツアンドケミカルズ社のポリキャット(Polycat:商標)5触媒は、ペンタメチルジエチレントリアミンとして化学的に公知のウレタン触媒である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明は、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む、新規な触媒組成物を対象とする。この新規な触媒系は、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体を生成するためのポリイソシアネート三量化触媒系として使用可能である。さらに、本発明は、少なくとも1種のポリイソシアネートの接触生成物、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物を含む新規な組成物と同様に、少なくとも1種の活性水素を含む化合物の接触生成物を含む新規な組成物、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物も対象とする。これらの新規な組成物は、追加の成分と伴に使用されてPIR/PUR発泡体を生成することができる。
【0013】
また、本発明は、少なくとも1種の発泡剤、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種の活性水素を含む化合物と、少なくとも1種のポリイソシアネートとを接触させることを含むPIR/PUR発泡体を調製するための方法を与える。さらに、硬質PIR/PUR発泡体は、当該技術分野で公知の幾つかの方法によって本発明の新規な触媒系で生成されることが出来る。
【0014】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物は、イソシアネートを三量化してイソシアヌレートを生成するために使用可能である。一般的に、任意の量の少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩が、本発明の組成物中で使用可能である。実際に使用されるように、PIR/PUR発泡体のための触媒系は、典型的には例えば、エチレングリコール希釈剤中カルボン酸塩等の溶液を含む。
本発明の触媒組成物の重量による量、またはモルによる量を論ずる場合、ほかに記載が無い限り、該量では、希釈剤の効果を除外する。例として、10グラムのエチレングリコール中酢酸カリウム触媒の50%溶液が、所与の適用で使用される場合、酢酸カリウム塩触媒の量は、5グラムに等しく。それ故に、5グラムの該触媒成分が、例えば、活性水素を含む化合物の量またはポリオールの量に関して、成分のいかなる重量比率を計算する際にも使用される。
【0015】
出願人らは、本発明中の幾つかのタイプの範囲を開示する。これらは、温度の範囲;原子の数の範囲;発泡体密度の範囲;イソシアネートインデックスの範囲;および発泡剤、水、界面活性剤、難燃剤、ウレタン触媒、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物のためのpphpの範囲を含むがこれらに限られない。出願人らがいずれかのタイプを開示し請求の範囲とする場合は、出願人らの意図は、そこに包含される任意の準範囲(sub−ranges)および準範囲の組み合わせと同様に、そうした範囲が合理的に包含する独立した個々の可能な数を開示または請求の範囲とすることである。例えば、出願人らがある数の炭素原子を有する化学的部分を開示または請求の範囲とする場合、出願人らの意図は、独立して本願中での開示と一貫して包含することが出来る範囲各可能な数を開示または請求の範囲とすることである。例えば、"X"が36までの炭素原子を有するアルキル基を含むことができるという開示は、言い換えると、本願中で使用されるように、C〜C36アルキル基は、これらの2つの数(例えば、C〜C18アルキル基)の間の任意の範囲、そしてこれらの2つの数の範囲のいかなる組み合わせ(例えば、C〜CおよびC〜C10アルキル基)も含むと同様に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、 ll、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、または36炭素原子を有するアルキル基から独立して選択される"X"基をいう。同様に、これは、本願中で開示されるすべての他の炭素範囲、例えば、YおよびZのC〜C36の範囲;10までの炭素原子を有するアルコキシ基;等に適用される。
【0016】
同様に、別の代表的な例は、発泡体処方中の少なくとも1種の活性水素を含む化合物100重量部当たり、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物の重量部に従う。少なくとも1種の活性水素を含む化合物が、少なくとも1種のポリオールである場合、ポリオール100重量部当たりの重量部はpphpとして示される。
それ故に、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物が約0.05〜約10pphpの量で存在することの開示によって、例えば、出願人らの意図は、pphpが約0.05、約0.06、約0.07、約0.08、約0.09、約0.1、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、または約10から選択可能であることを示すことである。同様に、本願中に開示されるすべての他の範囲は、これらの2つの例に類似の方法で解釈されるべきである。
【0017】
例えば、出願人らが出願の際には気が付かない可能性がある参照を説明するという理由のために、開示の全範囲より少ない範囲で請求項を記載する場合には、出願人らは、範囲によってまたは類似の方法で請求の範囲に記載可能な郡内の任意の準範囲または準範囲の組み合わせを含めて、任意のそうした群の任意の個々の要素をはずすか範囲外とする権利を保留する。さらに、例えば、出願人らが、例えば、出願人らが出願時に気が付かなかった可能性がある参照を説明するという理由のために、開示の全範囲より少ない請求の範囲を記載するには、出願人らは個々の置換基、類似物、化合物、配位子、構造、またはそれらの基、または請求項に記載された基の任意の要素を条件からはずすかまたは範囲外とする権利を保留する。
【0018】
本発明の別の形態は、熱的に安定な触媒系を与える。この特徴を記載するために示す場合には、分解せず、または所与の温度で揮発性アミンおよび/又は関連アミン臭を放出しない場合に、化合物は所与の温度で熱的に安定と規定される。PIR/PUR発泡体の温度が、発泡体処理中に約100℃より上になると、ダブコ TMR(商標)触媒等のヒドロキシアルキルアンモニウム塩触媒は、不安定になる可能性がある。これらの高温下では、第四級アミン塩の性質によって、 ダブコ TMR(商標)触媒は、揮発性アミン成分を放出できる。第四級窒素に対してβ位の炭素原子上の官能基(例えば、水酸基)か水素原子を有さない場合、第四級アンモニウム塩に基づく本発明の触媒組成物は、熱的に安定である。
【0019】
従って、本発明の熱的に安定な触媒組成物は、アルカリ金属α、β−不飽和カルボン酸塩およびアルカリ土類金属α、β−不飽和カルボン酸塩、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。熱安定性を有する第四級アンモニウム塩は、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、アクリル酸テトラエチルアンモニウム、アクリル酸テトラプロピルアンモニウム、アクリル酸テトラブチルアンモニウム、メタクリル酸テトラメチルアンモニウム、メタクリル酸テトラエチルアンモニウム、メタクリル酸テトラプロピルアンモニウム、メタクリル酸テトラブチルアンモニウム、フマル酸モノテトラメチルアンモニウム、フマル酸ビステトラメチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラメチルアンモニウム、フマル酸モノテトラエチルアンモニウム、フマル酸ビステトラエチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラエチルアンモニウム、フマル酸モノテトラプロピルアンモニウム、フマル酸ビステトラプロピルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、フマル酸モノテトラブチルアンモニウム、フマル酸ビステトラブチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラブチルアンモニウム、マレイン酸モノカリウム、マレイン酸ビスカリウム、マレイン酸モノテトラメチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラメチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラメチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラエチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラエチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラエチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸ビステトラプロピルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸モノテトラブチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラブチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラブチルアンモニウム、およびその同類のものを含むがこれらに限られない。
【0020】
本発明の一つの形態では、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物は、約150℃までの熱安定性を有し、全くまたは実質的に全く揮発性アミン化合物が放出されない。PIR/PUR発泡体の処理中の発熱反応による典型的な発泡体の温度は、約80℃〜約150℃の範囲内にあることができる。さらなる形態では、 本発明の触媒系は、約175℃、約200℃、約220℃、約240℃、または約250℃までの熱安定性を有する。
【0021】
本発明の触媒組成物のカルボン酸塩は、例えば有機酸とアルカリ性水酸化物との反応によって生成可能である。本発明の別の形態では、カルボン酸塩は、有機酸とテトラアルキル水酸化アンモニウムとの反応、または有機酸とターシャリーアミンとの反応に続き、エポキシ化合物との反応によって生成できる。エポキシと後者との反応は、高温下で不安定であるヒドロキシアルキル第四級化合物に誘導することができる。
【0022】
本発明の要件ではないが、触媒組成物は、他の触媒材料またはカルボン酸塩を、任意の量さらに含むことが出来る。これらは、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ土類金属カルボン酸塩、第四級アンモニウムカルボン酸塩、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限られない。1つの例として、追加のアルカリ金属カルボン酸塩触媒は、カリウムオクトエートとしても公知のカリウム2−エチルヘキサノエートであり、そしてこの成分は、ダブコ(商標) K15触媒として市販されている溶液の形で存在できる。1つより多いα、β−不飽和カルボン酸塩の混合物または組み合わせを含めても、これらは本発明の触媒組成物の範囲内にある。さらに、本発明の触媒組成物も、少なくとも1種のウレタン触媒をさらに含むことができる。
【0023】
"接触生成物"の語は、任意の順番、任意の方法、および任意の時間で、該成分を伴に接触させる組成物を記載するために本願中で使用される。例えば、該成分は調合または混合によって接触できる。さらに、任意の成分の接触は、本願中に記載された発泡体処方の他の任意の成分の存在下、または不存在下で起こりうる。追加の触媒成分の混合は、当業者に知られた任意の公知の方法で可能である。例えば、本発明の一つの形態では、触媒組成物は、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を追加のアルカリ金属カルボン酸塩と混合または接触によって、調製可能である。これは典型的には溶液の形で起こる。別の形態では、触媒組成物は、それぞれのカルボン酸の最初の混合、それに続く対応する塩を形成するための中和によって調製可能である。
【0024】
組成物および方法は、種々の成分またはステップ"を含むこと"ついて記載される一方で、組成物および方法は、種々の成分またはステップ"から本質的になる"または"からなる”こともできる。
【0025】
α、β−不飽和カルボン酸塩
本発明の触媒組成物は、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む。少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩は、PIR/PUR発泡体生成のために特に有用である。さらに、本発明の範囲内の触媒組成物は、次式を有する少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含むことができる:
【0026】
【化2】

(ここで、X、Y、およびZは、置換または非置換のいずれかの、C〜C36のアルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキル; −COH; −C0M;または水素原子から独立して選択され;そして、
Mは各場合において、
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、または
(iii)第四級アンモニウムイオンから独立して選択される)
【0027】
他に特定しなければ、本願中に記載されたアルキルおよびアルケニル基には、全ての構造異性体、所与の構造の直鎖または分枝鎖も含まれ;例えば、全エナンチオマーおよび全ジアステレオマーがこの規定内に含まれる。例として、他に特定しなければ、ブチルの語が、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、sec−ブチルなどを含むことを意味する一方で、プロピルの語は、n−プロピルおよびイソプロピルを含むことを意味する。同様に、本願中に記載された置換アルキル、アルケニル、アリール、およびアラルキル基では、所与の構造の置換類似物を含むことを意図する。例えば、アルキル、アルケニル、アリール、およびアラルキル基内の置換基は、ハロゲン化物;水酸基;アミノ基;10までの炭素原子を有するアルコキシ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノ基;またはそれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限られない。
【0028】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩中に存在可能なアルキル基の限定されない例は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、またはデシル、およびその同類のものを含む。本発明の範囲内のアルケニル基の例は、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、およびその同類のものを含むがこれらに限られない。アリールおよびアラルキル(アラルキルは、アリール置換アルキルまたはアリールアルキルとして規定される)基は、フェニル、アルキル置換フェニル、ナフチル、アルキル置換ナフチル、およびその同類のものを含む。例えば、本発明中で有用なアリールおよびアラルキル基の限定されない例は、フェニル、トリル、ベンジル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、プロピル−2−フェニルエチル、およびその同類のものを含むがこれらに限られない。
【0029】
本発明の一つの形態では、X、Y、およびZは、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、− COH、または−C0Mから独立して選択される。別の形態では、各場合のMは、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、マグネシウム、もしくはカルシウムのイオン、または第四級アンモニウムイオンである。
本発明中の有用な第四級アンモニウムイオンは、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、およびその同類のもの、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。本発明のさらなる形態では、Mは、カリウムイオンである。
【0030】
アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、およびその同類のものの塩および塩の混合物は、本発明の範囲内である。本発明中の有用な好適なα、β−不飽和カルボン酸塩は、アクリル酸カリウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、アクリル酸テトラエチルアンモニウム、アクリル酸テトラプロピルアンモニウム、アクリル酸テトラブチルアンモニウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸テトラメチルアンモニウム、メタクリル酸テトラエチルアンモニウム、メタクリル酸テトラプロピルアンモニウム、メタクリル酸テトラブチルアンモニウム、フマル酸モノカリウム、フマル酸ビスカリウム、フマル酸モノテトラメチルアンモニウム、フマル酸ビステトラメチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラメチルアンモニウム、フマル酸モノテトラエチルアンモニウム、フマル酸ビステトラエチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラエチルアンモニウム、フマル酸モノテトラプロピルアンモニウム、フマル酸ビステトラプロピルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、フマル酸モノテトラブチルアンモニウム、フマル酸ビステトラブチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラブチルアンモニウム、マレイン酸モノカリウム、マレイン酸ビスカリウム、マレイン酸モノテトラメチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラメチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラメチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラエチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラエチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラエチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸ビステトラプロピルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸モノテトラブチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラブチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラブチルアンモニウム、アクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、アクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、マレイン酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、およびその同類のもの、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むがこれらに限られない。本発明の別の形態では、少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩は、アクリル酸カリウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、マレイン酸テトラメチルアンモニウム、またはそれらのいずれかの組み合わせである。
【0031】
ポリイソシアネート
PIR/PUR発泡体の生成工程中で有用であるポリイソシアネートは、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート異性体(MDI)、水和したMDIおよび1、5−ナフタレンジイソシアネートを含むがこれらに限られない。例えば、2、4−TDI、2、6−TDI、およびそれらの混合物は、本発明中で直ちに用いることが出来る。ジイソシアネートの他の好適な混合物は、他の異性体および類似のより高次のポリイソシアネートと伴に、4、4'−ジフェニルメタンジイソシアネートを含むクルードMDI、またはPAPIとして当技術分野で公知のものを含むがこれらに限られない。本発明の別の形態では、ポリイソシアネートおよびポリエーテルまたはポリエステルポリオールの部分的予反応混合物を含むポリイソシアネートのプレポリマーが好適である。さらに別の形態では、ポリイソシアネートは、MDIを含むか、またはMDIまたはMDIの混合物から本質的になる。
【0032】
本発明のPIR/PUR発泡体を生成する触媒系および方法は、多くのタイプの発泡体を生成するために使用可能である。この触媒系は、例えば硬質および難燃剤用発泡体生成物の生成において有用であり、通常高いイソシアネートインデックスを必要とする。既に規定されたように、イソシアネートインデックスは、使用された実際量のポリイソシアネートを、反応混合物中の全ての活性水素と反応させるために必要な、理論的に必要な化学量論量のポリイソシアネートで割り、100をかけたものである。本発明の目的のために、イソシアネートインデックスは、次式によって表される:イソシアネートインデックス=(NCO当量/活性水素の当量)×100、(ここでNCO当量はポリイソシアネート中のNCO官能基の数であり、そして活性水素の当量は、活性水素原子に等しい数である)。
【0033】
約80〜約500のイソシアネートインデックスを有する発泡体生成物が、本発明の範囲内にある。本発明のほかの形態に従って、イソシアネートインデックスは、約100〜約475、約125〜約450、約150〜約425、または約200〜約400である。
【0034】
ポリオール
本発明のポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を生成する際に、先のポリイソシアネートとの使用のための活性水素を含む化合物は、例えば、ポリオール等の少なくとも2つの水酸基を有する任意の有機化合物であることが可能である。典型的にPIR/PUR発泡体の生成工程で使用されるポリオールは、ポリアルキレンエーテルおよびポリエステルポリオールを含む。ポリアルキレンエーテルポリオールは、ポリ(エチレンオキサイド)およびポリ(プロピレンオキサイド)ポリマー並びにジオール並びにトリオールを含む多価化合物から誘導された末端水酸基との共重合体等のポリ(アルキレンオキサイド)ポリマーを含む。これらは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ペンタエリスリトール、グリセロール、ジグリセロール、トリメチルロールプロパン、シクロヘキサンジオール、並びにスクロースおよび低分子量ポリオール類似物を含むが、これらに限られない。
【0035】
アミンポリエーテルポリオールを、本発明で使用可能である。これらは、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、またはトリエタノールアミン等のアミンを、エチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイドと反応させて調製可能である。
【0036】
本発明の別の形態では、単一の高分子量ポリエーテルポリオール、または異なる多官能性材料および/又は異なる分子量もしは異なる化学的組成材料の混合物等の高分子量ポリエーテルポリオール混合物を使用可能である。
【0037】
本発明の別の形態では、ジカルボン酸を過剰のジオールと反応させる場合に、これらの生成物を含むポリエステルポリオールを使用可能である。
限定されない例は、エチレングリコールまたはブタンジオールと反応するアジピン酸またはフタル酸または無水フタル酸を含む。ラクトンと過剰のジオールとを反応、例えば、カプロラクトンとプロピレングリコールとを反応させることによって、本発明中での有用なポリオールが生成可能である。さらなる形態では、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオール、並びにそれらの組み合わせ等の活性水素を含む化合物が、本発明中で有用である。
【0038】
発泡剤
PIR/PUR発泡体の生成工程で、単独または組み合わせて使用可能な発泡剤は、水、塩化メチレン、アセトン、クロロフルオロ炭素(CFCs)、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、ヒドロクロロフルオロカーボン(HCFC)、および炭化水素を含むがこれらに限られない。HFCの限定されない例は、HFC−245fa、HFC−134a、およびHFC−365を含む。HCFCの実例となる例は、HCFC−141b、HCFC−22、およびHCFC−123を含む。例示的炭化水素は、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンおよびその同類のもの、またはそれらのいずれかの組み合わせを含む。
【0039】
使用される発泡剤の量は、例えば、使用目的および発泡体生成物の用途、並びに所望の発泡体の剛性および密度に基づいて変化させることが出来る。本発明のポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を調製するための発泡体の処方および方法では、発泡剤は、ポリオール(pphp)100重量部当たり約10〜約80重量部、約12〜約60pphp、約14〜約40pphp、または約16〜約25pphpの量で存在する。発泡剤等として使用するために、水が処方中に存在する場合には、水は約15pphpの量まで存在する。言い換えると、水は0〜約15pphpの範囲にあることができる。別の形態では、水は0〜約10pphp、0〜約8pphp、0〜約6pphp、または0〜約4pphpの範囲にあることが出来る。
【0040】
ウレタン触媒
ウレタン触媒は、ポリウレタンを生成する反応を加速させ、そして本発明の触媒系の成分としてさらに使用可能であり、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を生成する。本明細書中での使用に好適なウレタン触媒は、有機スズ等の金属塩触媒、およびトリエチレンジアミン(TEDA)、N−メチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール、N−メチルモルホリン( ダブコ(商標) NMM触媒として市販されている)、N−エチルモルホリン( ダブコ(商標) NEM触媒として市販されている)、トリエチルアミン( ダブコ(商標) TETN触媒として市販されている)、N、N'−ジメチルピペラジン、1、3、5−トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロトリアジン( ポリキャット(商標)41触媒として市販されている)、2、4、6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール(ダブコTMR(商標)30触媒として市販されている)、N−メチルジシクロヘキシルアミン( ポリキャット12触媒として市販されている)、ペンタメチルジプロピレントリアミン( ポリキャット(商標)77触媒として市販されている)、N−メチル−N'−(2−ジメチルアミノ)−エチルピペラジン、トリブチルアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン( ポリキャット(商標)5触媒として市販されている)、ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、ヘプタメチルテトラエチレンペンタミン、ジメチルアミノシクロヘキシルアミン( ポリキャット(商標)8触媒として市販されている)、ペンタメチルジプロピレントリアミン、トリエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ビス(ジメチルアミノエチル)エーテル( ダブコ(商標) BL19触媒として市販されている)、トリス(3−ジメチルアミノ)プロピルアミン( ポリキャット(商標)9触媒として市販されている)、1、8−ジアザビシクロウンデセン( ダブコ(商標) DBU触媒として市販されている)等のアミン化合物またはその酸ブロック誘導体、およびそれらの任意の混合物と同様に、その同類のものを含むがこれらに限られない。本発明に関連して、発泡体用途ためにウレタン触媒として特に有用ものは、ペンタメチルジエチレントリアミンとして化学的に公知であるポリキャット(商標)5触媒である。
【0041】
本発明のポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体を調製するために、ウレタン触媒は、処方中に0〜約10pphp、0〜約8pphp、0〜約6pphp、0〜約4pphp、0〜約2pphp、または0〜約1pphp存在できる。別の形態では、ウレタン触媒は、0〜約0.8pphp、0〜約0.6pphp、0〜約0.4pphp、または0〜約0.2pphp存在できる。
【0042】
種々の添加物
発泡体の製造条件または発泡体生成物の最終的な用途に依って、種々の添加物を PIR/PUR発泡体処方中に適用して、特定の性質を調整することが可能である。これらは、セル安定剤(cell stabilizers)、難燃剤、鎖延長剤、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フィラー、顔料、またはそれらのいずれかの組み合わせを含むが、これらに限られない。当技術分野で公知である他の混合物または材料は、発泡体処方中に含めることができ、そして本発明の範囲内にあることが理解される。
【0043】
セル安定剤は、有機ポリシロキサン等の界面活性剤を含む。シリコン界面活性剤は、発泡体処方中に約0.5〜約10pphp、約0.6〜約9pphp、約0.7〜約8pphp、約0.8〜約7pphp、約0.9〜約6pphp、約1〜約5pphp、または約1.1〜約4pphpの量で存在可能である。
有用な難燃剤は、ハロゲン化有機リン化合物および非ハロゲン化化合物を含む。ハロゲン化難燃剤の限定されない例は、トリクロロプロピルリン酸(TCPP)である。例えば、トリエチルリン酸エステル(TEP)およびDMMPは、非ハロゲン化難燃剤である。発泡体の最終的な用途によって、難燃剤は、発泡体処方中に0〜約50pphp、0〜約40pphp、0〜約30pphp、または0〜約20pphpの量で存在可能である。別の形態では、難燃剤は、0〜約15pphp、0〜約10pphp、0〜約7pphp、または0〜約5pphpの量で存在可能である。エチレングリコールおよびブタンジオール等の鎖延長剤を本発明中で使用可能である。例えば、エチレングリコールは、処方中に本発明のカルボン酸塩触媒のための希釈剤または溶媒として存在可能である。
【0044】
ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体の処方及び工程
本発明の一つの形態は、少なくとも1種の活性水素を含む化合物の接触生成物、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物を含む組成物を与える。第2の形態は、少なくとも1種のポリイソシアネートの接触生成物、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物を含む組成物を与える。これらの2つの組成物のいずれにおいても、組成物は、少なくとも1種のウレタン触媒をさらに含むことが出来る。同様に、組成物は、少なくとも1種のセル安定剤、少なくとも1種の難燃剤、少なくとも1種の鎖延長剤、少なくとも1種のエポキシ樹脂、少なくとも1種のアクリル樹脂、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の顔料、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択された少なくとも1種の添加物を含むことができる。
【0045】
本発明は、少なくとも1種の発泡剤、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のポリイソシアネートと、少なくとも1種の活性水素を含む化合物とを、接触させることを含むポリイソシアヌレート/ポリウレタン(PIR/PUR)発泡体を、調製するための方法を与える。本発明の方法にしたがって、PIR/PUR発泡体は、約20Kg/m〜約250Kg/m(約1.25lb/フィート〜約15.5ポンド/フィート)、または約24Kg/m〜約60Kg/m(約1.5lb/フィート〜約3.75ポンド/フィート)の密度で生成することができる。
【0046】
別の形態では、本発明の方法は、連続的な発泡体の製造工程のために非常に望ましい高イソシアネートインデックスでさえ、実質的に一貫した時間に対する発泡体高さの上昇を与える。PIR/PUR発泡体が、高度の表面付着力を有し、ラミネート加工した発泡体パネル等の物品の製造のために有用であるように、PIR/PUR発泡体の調製のための方法は、また他の市販されている触媒系に比較した場合に、等しいかまたはより速い表面硬化を与える。
【0047】
任意選択的に、また別の形態では、本発明の方法は、望ましくないアミン臭がないか実質的にないPIR/PUR発泡体を生成可能である。特定の少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を選択することで、この方法は、高イソシアネートインデックスで調製された発泡体にさえ、PIR/PUR発泡体の生成中に通常達する温度での熱安定性を与えることが出来る。更なる形態では、PIR/PUR発泡体を調製するための方法では、約150℃、または約175℃、または約200℃、または約220℃、または約240℃、または約250℃まで熱的安定性を有する。また更なる形態では、本発明の方法は、揮発性アミンおよび/又はアミン臭が実質的にないPIR/PUR発泡体を与える。
【0048】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物は、触媒としての有効量で発泡体の処方中に存在すべきである。本発明のPIR/PUR発泡体処方では、触媒系希釈剤の重量への寄与を除いて、触媒組成物が少なくとも1種の活性水素を含む化合物100重量部当たり約0.05〜約10重量部の量で存在する。別の形態では、触媒組成物は、少なくとも1種の活性水素を含む化合物100重量部当たりの約0.4〜約9重量部、または約0.8〜約8重量部存在する。少なくとも1種の活性水素を含む化合物が、少なくとも1種のポリオールである場合、触媒組成物は、ポリオール(pphp)100重量部当たり約0.05〜約10重量部の量で存在する。別の形態では、触媒組成物は、約0.2〜約9.5pphp、約0.4〜約9pphp、約0.6〜約8.5pphp、または約0.8〜約8pphpの量で存在する。
【0049】
本発明の方法の一つの形態にしたがって、発泡体処方の成分を実質的に同時に接触させる。
例えば、少なくとも1種のポリイソシアネート、少なくとも1種の活性水素を含む化合物、少なくとも1種の発泡剤および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む有効量の触媒組成物を、同時に接触させる。PIR/PUR処方に含まれる成分の数が与えられると、成分を混合する多数の異なる順番があり、そして当業者は成分を加える順番を変えることが本発明の範囲内にあることを理解する。
同様に、発泡体処方の該成分を混合する個々の異なる順番において、本発明の発泡体の処方は、さらに少なくとも1種のウレタン触媒を含むことができる。さらに、PIR/PUR発泡体を生成する方法は、さらに少なくとも1種のセル安定剤、少なくとも1種の難燃剤、少なくとも1種の鎖延長剤、少なくとも1種のエポキシ樹脂、少なくとも1種のアクリル樹脂、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の顔料、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択された1種の添加物を含むことができる。本発明のある形態では、追加の成分を含む全ての成分を、実質的に同時に接触させる。
【0050】
本発明の別の形態では、少なくとも1種のポリイソシアネート以外の成分の予混合物を最初に接触させ、続いて少なくとも1種のポリイソシアネートが加えられる。例えば、少なくとも1種の活性水素を含む化合物、少なくとも1種の発泡剤、および 本発明の触媒組成物を最初に接触させて予混合物を形成する。予混合物を、少なくとも1種のポリイソシアネートと次に接触させて、 本発明の方法に従ってPIR/PUR発泡体を与える。本発明のさらなる形態では、予混合物がさらに少なくとも1種のウレタン触媒を含む、同一の方法を適用可能である。
同様に、予混合物は、少なくとも1種のセル安定剤、少なくとも1種の難燃剤、少なくとも1種の鎖延長剤、少なくとも1種のエポキシ樹脂、少なくとも1種のアクリル樹脂、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の顔料、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択された少なくとも1種の添加物を含むことができる。
【0051】
本発明の一つの形態は:
i)少なくとも1種の活性水素を含むポリオール;
ii)100重量部当たり約10〜約80重量部のポリオール(pphp)発泡剤;
iii)約0.5〜約10pphpシリコン界面活性剤;
iv)0〜約10pphpの水;
v)0〜約50pphpの難燃剤;
vi)0〜約10pphpのウレタン触媒;および
vii)少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む、約0.05〜約10pphpの触媒組成物;を含む予混合物を生成させることおよび、
(b)約80〜約500のイソシアネートインデックスの少なくとも1種のポリイソシアネートと、予混合物とを接触させることを含むポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体の調製方法を与える。
【実施例】
【0052】
32オンス(951ml)金属カップ中のポリオール、難燃剤(TCPP)、界面活性剤、ウレタン触媒(ポリキャット(商標)5触媒)、および発泡剤(n−ペンタン)の予混合物に、本発明の触媒を加えることによって、以下の例の発泡体を生成した。この組成物を2インチ(5.1cm)の直径で攪拌羽をつけたオーバーヘッド攪拌機使用して、約6、000回転/分で約10秒間混合した。
次に充分なイソシアネートを、所望のイソシアネートインデックスを達成するために加え、そして処方を、同一の攪拌機を使用して約6、000回転/分で約6秒間充分に混合した。32オンスカップをスタンド上の128オンス(3804ml)紙カップの底の穴を通して下げた。32オンスカップのふちを捉えるのに適当な様に穴のサイズとした。
発泡体コンテナの全体積は、約160オンス(4755ml)であった。発泡体生成反応の最後では、発泡体は、ほぼこの体積である。発泡体高さを長期間で記録した。木製の棒とクロノメータで、ストリングゲル時間(string gel time)および不粘着時間を手動で測定した。開始時間および上昇時間を、上昇装置の自動測定で決定した。
【0053】
以下の例では、種々のタイプおよび量の触媒を使用して、本発明のPIR/PUR発泡体を生成した。個々の触媒の量が、これらの例では同じではないにもかかわらず、個々の触媒量を選択して、類似のストリングゲル時間を与えた。PIR/PUR発泡体の性質は、典型的には等しいゲルストリング時間で比較する。これらの例では、他に特定していなければ、カルボン酸塩触媒で列挙したpphp値では、追加の希釈剤の重量を除外する。表Iに、例で使用される発泡体処方の成分、およびそれらの個々のpphpを列挙する。
【0054】
表1 例1〜3の発泡体の処方(触媒が異なる)
【表1】

【0055】
α、β−不飽和カルボン酸塩触媒1を、エチレングリコールの約200グラム中に約57.5グラムのKOHを溶解して調製した。溶液を次に約64.8グラムのアクリル酸を追加することで中和した。中和で生じた水を次に真空下(約8mmHg)で除いた。触媒1を構成するエチレングリコール中アクリル酸カリウム(希釈剤を除いて約1.6pphpまたは1.6グラム;約14.4mmol)約33%溶液を得た。発泡体を表I中の基準処方を使用して、約270のイソシアネートインデックスで生成させた。
【0056】
発明の触媒1を、 ダブコ(商標) K15触媒(70%カリウムオクトエート溶液)および ダブコ TMR(商標)触媒(2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエート75%溶液)の2つの商業上の基準によって比較した。希釈剤を除いて、約2.1pphpのダブコ(商標) K15触媒を使用すると;これは約1.5pphpまたは1.5グラム(約8.1mmol)のカリウムオクトエートになる。約2.9pphpのダブコ TMR(商標)触媒を使用すると;希釈剤を除いて、これは約2.2pphpまたは2.2グラム(約8.3mmol)の2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエートになる。
【0057】
かなり等しいストリングゲル時間での、発明の触媒1および基準触媒の開始時間、ストリングゲル時間、ストリングゲル時(HSG)の高さ、上昇時間および不粘着時間等の発泡体パラメーターを、表IIに示す。触媒1はダブコ(商標)K15触媒または ダブコ TMR(商標)触媒のいずれよりも短い不粘着時間を示した。不粘着時間は表面硬化の尺度であるため、触媒1は、いずれの商業上の基準よりも速い表面硬化を有する。発泡体のより速い表面硬化は、発泡体のラミネーションにおける改善された表面接着と相関する。ダブコ(商標)K15触媒、アルカリ金属カルボン酸塩溶液のより長い不粘着時間は、ラミネート加工した発泡体の操作における、より不十分な表面硬化および潜在的な表面もろさ、並びに表面接着の問題を提示する。
【0058】
発明の触媒1、 ダブコ(商標)K15触媒、および ダブコ TMR(商標)触媒のための発泡体高さ対時間の曲線を、図1に示す。触媒1が、ダブコ TMR(商標)触媒(2−ヒドロキシルプロピルトリメチルアンモニウムオクトエート)より優れていない場合、一貫した勾配と最小限の高原を有する。時間に対する発泡体高さのこの一貫した増加は、連続的な発泡体の製造工程では非常に望ましい。
【0059】
発明の触媒1および ダブコ TMR(商標)触媒の曲線の全般的な形は、図2では非常に類似しており、さらに発明の触媒1が、ダブコ TMR(商標)触媒に類似する優れた発泡体処理性能を有することを具体的に示す。これらの発泡体の上昇速度プロファイルは、さらに長期の一貫した発泡体の上昇、および連続的な工程での改善された発泡体の生産性能を示す。しかし、ダブコ TMR(商標)触媒と対照的に、発明の触媒1はアミン官能性を有さず、そして揮発性アミンおよび/又はアミン臭が実質的にないPIR/PUR発泡体を生成可能である。注目すべきことに、 ダブコ(商標)K15触媒は、図2の2つのピークの間に長い谷を有し、このアルカリ金属カルボン酸塩触媒を使用する発泡体の生成と関連する異なった発泡体の上昇速度を示す。
【0060】
発明の例2
アクリル酸テトラメチルアンモニウム触媒と基準触媒との比較
エチレングリコール中にアクリル酸を溶解し、続いてメタノール中のテトラメチル水酸化アンモニウムの約25%溶液で中和することによって、α、β−不飽和カルボン酸塩触媒2を調製した。中和で生じたメタノールおよび水を、次に真空下(約8mmHg)約80℃で除去した。生じたエチレングリコール中のアクリル酸テトラメチルアンモニウム(希釈剤を除いて約2.15pphpまたは2.15グラム;約14.8mmol)の約50%溶液が、触媒2を構成した。約270のイソシアネートインデックスで表I中の基準処方を使用して発泡体を生成した。
【0061】
ダブコ(商標) K15触媒(70%カリウムオクトエート溶液)および ダブコ TMR(商標)触媒(75%2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエート溶液)の2つの商業上の基準触媒溶液と、発明の触媒2とを比較した。
希釈剤を除いて、約2.1pphpの ダブコ(商標) K15触媒を使用し;これは約1.5pphpまたは1.5グラム(約8.1mmol)のカリウムオクトエートになった。
希釈剤を除いて、約2.9pphpのダブコ TMR(商標)触媒を使用して;これは約2.2pphpまたは2.2グラム(約8.3mmol)の2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエートになった。
【0062】
表IIに示すように、類似のストリングゲル時間で、発明の触媒2は、ダブコ(商標) K15触媒または ダブコ TMR(商標)触媒のいずれで達成されるよりも、はるかに短い約59秒の不粘着時間を有した。そのようなものとして、触媒2は、より速い表面硬化、より低い表面もろさ、そしてしたがって、ダブコ(商標)K15触媒または ダブコ TMR(商標)触媒のいずれに比較しても、ラミネート加工した発泡体構造でより良い接着性能を有する発泡体を生成する。
【0063】
発明の触媒2、 ダブコ(商標)K15触媒、および ダブコ TMR(商標)触媒の発泡体の時間に対する高さを図3で比較する。触媒2は、ダブコ TMR(商標)触媒よりも一貫した、最も一貫した勾配を有し、触媒2は、最も一貫した発泡体の上昇、またはPIR/PUR発泡体の生成において、発泡体膨張速度を有することを示す。
【0064】
発明の例3
マレイン酸テトラメチルアンモニウム触媒と、基準触媒との比較
エチレングリコール中にマレイン酸を溶解し、続いてメタノール中のテトラメチル水酸化アンモニウム約25%溶液で中和することによって、α、β−不飽和カルボン酸塩触媒3を調製した。中和で生じたメタノールおよび水を、次に真空下(約8mmHg)約80℃で除去した。生じたエチレングリコール中マレイン酸テトラメチルアンモニウム(希釈剤を除いて、約1.5pphpまたは1.5グラム;約8mmol)の約50%溶液は、触媒3を構成する。
約270のイソシアネートインデックスで、表I中の基準処方を使用して、発泡体を生成させた。
【0065】
発明の触媒3を、 ダブコ(商標) K15触媒(70%カリウムオクトエート溶液)および ダブコ TMR(商標)触媒(75%2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエート溶液)の2つの商業上の基準触媒溶液と比較した。
希釈剤を除いて、約2.1pphpの ダブコ(商標) K15触媒を使用し;これは、約1.5pphpまたは1.5グラム(約8.1mmol)のカリウムオクトエートとなった。
希釈剤を除いて、約2.9pphpのダブコ TMR(商標)触媒を使用して;これは、約2.2pphpまたは2.2グラム(約8.3mmol)の2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエートとなった。
【0066】
表IIに示すように、類似のストリングゲル時間で、発明の触媒3は、ダブコ(商標)K15触媒またはダブコ TMR(商標)触媒のいずれよりも、はるかに短い約62秒の不粘着時間を与えた。従って、発明の触媒3は、ラミネート加工した発泡体パネル等の最終製品の製造で、より速い表面硬化およびより良い表面付着力を有する発泡体生成物を生成する。
【0067】
発明の触媒3、ダブコ(商標)K15触媒、および ダブコ TMR(商標)触媒の発泡体の時間に対する高さを、図4で比較する。触媒3は、ダブコ(商標)K15触媒または ダブコ TMR(商標)触媒のいずれよりも、さらに一貫した勾配を有する。
そうしたことから、発泡体を長い間最も一貫した発泡体の上昇、または発泡体の膨張速度を有する発明の触媒3で生成させた。これは、これらのラミネーション工程を含む連続的な発泡体の工程で、有用な特徴である。
【0068】
表II、基準触媒と発明の触媒1〜3の比較
【表2】

記: 希釈剤を含む2.1pphp ダブコ(商標) K15触媒は、希釈剤を除いて約1.5pphpのカリウムオクトエート塩触媒になる。
希釈剤を含む2.9pphp ダブコ TMR(商標)触媒は、希釈剤を除いて約2.2pphpの2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムオクトエート触媒になる。
触媒の1〜3pphpの値は希釈剤を除く。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、約270のイソシアネートインデックスで、α、β−不飽和カルボン酸塩触媒1、 ダブコ(商標) K15触媒、および ダブコ TMR(商標)触媒の時間に対する規格化した発泡体高さのプロット示す。
【図2】図2は、約270のイソシアネートインデックスで、α、β−不飽和カルボン酸塩触媒1、 ダブコ(商標) K15触媒、および ダブコ TMR(商標)触媒のための発泡体上昇速度の比率対時間のプロットを示す。
【図3】図3は、約270のイソシアネートインデックスで、α、β−不飽和カルボン酸塩触媒2、 ダブコ(商標) K15触媒、および ダブコ TMR(商標)触媒、の時間に対する規格化した発泡体高さのプロットを示す。
【図4】図4は、約270のイソシアネートインデックスで、α、β−不飽和カルボン酸塩触媒3、 ダブコ(商標) K15触媒、および ダブコ TMR(商標)触媒のための規格化した発泡体高さ対時間のプロットを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の発泡剤および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む有効量の触媒組成物の存在下で、少なくとも1種のポリイソシアネートと少なくとも1種の活性水素を含む化合物とを接触させることを含む、ポリイソシアヌレート/ポリウレタン発泡体の調製方法。
【請求項2】
少なくとも1種のウレタン触媒の存在をさらに含む請求項1の方法。
【請求項3】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む該触媒組成物が、少なくとも1種の活性水素を含む化合物100重量部当たり、約0.05〜約10重量部の量で存在する請求項1の方法。
【請求項4】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む該触媒組成物が、少なくとも1種の活性水素を含む化合物100重量部当たりの約0.4〜約9重量部の量で存在する請求項3の方法。
【請求項5】
(a) 少なくとも1種の活性水素を含む該化合物、少なくとも1種の該発泡剤、および少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む該触媒組成物を、予混合物を生成するために接触させ;そして
(b)該予混合物を、少なくとも1種のポリイソシアネートと接触させる
請求項1の方法。
【請求項6】
ステップ(a)が、少なくとも1種のウレタン触媒をさらに含む請求項5の方法。
【請求項7】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、次式を有する請求項1の方法
【化1】



(ここで X、Y、およびZは、置換または非置換のいずれかの、C〜C36の、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキル; −COH; −COM;または水素原子から独立して選択され;
そしてMは、個々の場合において、
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、または
(iii)第四級アンモニウムイオンから独立して選択される)。
【請求項8】
X、Y、およびZが、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、−COH、または−COMから独立して選択される請求項7の方法。
【請求項9】
Mが、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、マグネシウム、もしくはカルシウムのイオン、または第四級アンモニウムイオンである請求項7の方法。
【請求項10】
Mが、カリウムイオンである請求項9の方法。
【請求項11】
該第四級アンモニウムイオンが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、またはジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムである請求項9の方法。
【請求項12】
少なくとも1種のウレタン触媒の存在をさらに含む請求項7の方法。
【請求項13】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、またはそれらのいずれかの組み合わせの塩である請求項1の方法。
【請求項14】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、アクリル酸カリウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、アクリル酸テトラエチルアンモニウム、アクリル酸テトラプロピルアンモニウム、アクリル酸テトラブチルアンモニウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸テトラメチルアンモニウム、メタクリル酸テトラエチルアンモニウム、メタクリル酸テトラプロピルアンモニウム、メタクリル酸テトラブチルアンモニウム、フマル酸モノカリウム、フマル酸ビスカリウム、フマル酸モノテトラメチルアンモニウム、フマル酸ビステトラメチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラメチルアンモニウム、フマル酸モノテトラエチルアンモニウム、フマル酸ビステトラエチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラエチルアンモニウム、フマル酸モノテトラプロピルアンモニウム、フマル酸ビステトラプロピルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、フマル酸モノテトラブチルアンモニウム、フマル酸ビステトラブチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラブチルアンモニウム、マレイン酸モノカリウム、マレイン酸ビスカリウム、マレイン酸モノテトラメチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラメチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラメチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラエチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラエチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラエチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸ビステトラプロピルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸モノテトラブチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラブチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラブチルアンモニウム、アクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、またはアクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、マレイン酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項1の方法。
【請求項15】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、アクリル酸カリウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、マレイン酸テトラメチルアンモニウム、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項14の方法。
【請求項16】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む該触媒組成物が、最高約150℃の温度で、熱的に安定である請求項1の方法。
【請求項17】
少なくとも1種の該活性水素を含む化合物が、少なくとも1種のポリエーテルポリオール、少なくとも1種のポリエステルポリオール、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項1の方法。
【請求項18】
(a)少なくとも1種の活性水素を含む化合物;および(b)少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物の接触生成物を含む組成物。
【請求項19】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、次式を有する請求項18の組成物
【化2】



(ここでX、Y、およびZ は、置換または非置換のいずれの、 C〜C36の、アルキル、アルケニル、アリール、またはアラルキル; −COH; −COM;または水素原子から独立して選択され;
そしてMは、個々の場合において、
(i)アルカリ金属イオン、
(ii)アルカリ土類金属イオン、または
(iii)第四級アンモニウムイオンから独立して選択される)。
【請求項20】
X、Y、およびZが、水素原子、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フェニル、トリル、ベンジル、− COH、または−COMから独立して選択される請求項19の組成物。
【請求項21】
Mが、リチウム、カリウム、ナトリウム、ルビジウム、マグネシウム、もしくはカルシウムのイオン、または第四級アンモニウムイオンである請求項19の組成物。
【請求項22】
Mが、カリウムイオンである請求項21の組成物。
【請求項23】
該第四級アンモニウムイオンが、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、またはジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムである請求項21の組成物。
【請求項24】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、またはそれらのいずれかの組み合わせの塩である請求項18の組成物。
【請求項25】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、アクリル酸カリウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、アクリル酸テトラエチルアンモニウム、アクリル酸テトラプロピルアンモニウム、アクリル酸テトラブチルアンモニウム、メタクリル酸カリウム、メタクリル酸テトラメチルアンモニウム、メタクリル酸テトラエチルアンモニウム、メタクリル酸テトラプロピルアンモニウム、メタクリル酸テトラブチルアンモニウム、フマル酸モノカリウム、フマル酸ビスカリウム、フマル酸モノテトラメチルアンモニウム、フマル酸ビステトラメチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラメチルアンモニウム、フマル酸モノテトラエチルアンモニウム、フマル酸ビステトラエチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラエチルアンモニウム、フマル酸モノテトラプロピルアンモニウム、フマル酸ビステトラプロピルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、フマル酸モノテトラブチルアンモニウム、フマル酸ビステトラブチルアンモニウム、フマル酸カリウムテトラブチルアンモニウム、マレイン酸モノカリウム、マレイン酸ビスカリウム、マレイン酸モノテトラメチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラメチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラメチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラエチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラエチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラエチルアンモニウム、マレイン酸モノテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸ビステトラプロピルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラプロピルアンモニウム、マレイン酸モノテトラブチルアンモニウム、マレイン酸ビステトラブチルアンモニウム、マレイン酸カリウムテトラブチルアンモニウム、アクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、アクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、またはアクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム、メタクリル酸ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム、マレイン酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、マレイン酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリメチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリエチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリプロピル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(トリブチル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシプロピル)アンモニウム)、フマル酸ビス−(ジメチルベンジル(2−ヒドロキシエチル)アンモニウム)、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項18の組成物。
【請求項26】
少なくとも1種の該α、β−不飽和カルボン酸塩が、アクリル酸カリウム、アクリル酸テトラメチルアンモニウム、マレイン酸テトラメチルアンモニウム、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項25の組成物。
【請求項27】
少なくとも1種のウレタン触媒をさらに含む請求項18の組成物。
【請求項28】
少なくとも1種のセル安定剤、少なくとも1種の難燃剤、少なくとも1種の鎖延長剤、少なくとも1種のエポキシ樹脂、少なくとも1種のアクリル樹脂、少なくとも1種のフィラー、少なくとも1種の顔料、またはそれらのいずれかの組み合わせから選択された少なくとも1種の添加物をさらに含む請求項18の組成物。
【請求項29】
少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む該触媒組成物が、最高約150℃の温度で熱的に安定である請求項18の組成物。
【請求項30】
少なくとも1種の活性水素を含む化合物が、少なくとも1種のポリエーテルポリオール、少なくとも1種のポリエステルポリオール、またはそれらのいずれかの組み合わせである請求項18の組成物。
【請求項31】
(a)少なくとも1種のポリイソシアネート;および
(b)少なくとも1種のα、β−不飽和カルボン酸塩を含む触媒組成物
の接触生成物を含む組成物。
【請求項32】
少なくとも1種の該ポリイソシアネートが、ジフェニルメタンジイソシアネートを含む請求項31の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−297627(P2007−297627A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−120483(P2007−120483)
【出願日】平成19年5月1日(2007.5.1)
【出願人】(591035368)エア プロダクツ アンド ケミカルズ インコーポレイテッド (452)
【氏名又は名称原語表記】AIR PRODUCTS AND CHEMICALS INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】7201 Hamilton Boulevard, Allentown, Pennsylvania 18195−1501, USA
【Fターム(参考)】