説明

改善された溶液蒸着用組み立て品

改善された蒸着システムについて、方法及び装置が提供される。本発明の1実施形態では、蒸着システムが溶液、及び基板と共に提供される。前記システムは、溶液蒸着用器具;少なくとも1つの加熱室;基板上の溶液を保持するための、少なくとも1つの組み立て品;及び基板の少なくとも1つの端部を湾曲させ、基板上に多量の溶液を収容する能力のある区域を画成するための、基板を湾曲させる器具を含む。本発明の別の実施形態では、溶液蒸着器具;少なくとも1つの加熱室;及び少なくとも約0.5μm〜10mmの深さを許容する、基板上に溶液を保持するための組み立て品を含む、基板と共に使用するための蒸着システムを有することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に蒸着システムに関し、より具体的には光起電性装置の作成のための溶液蒸着システムに関する。
本発明は、米国エネルギー省により授与された契約番号第DE−FC36−07GO17047のもとに、米国政府の支援により行われた。米国政府は本発明における特定の権利を保有する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池および太陽電池モジュールは太陽光を電気に変換する。従来、これらの電子装置はシリコン(Si)を光吸収半導体材料として用いる比較的高価な生産プロセスを用いて製造されている。太陽電池の製造をより経済的に実行可能にするために、銅−インジウム−ガリウム−スルホ−ジセレニド、Cu(In、Ga)(S、Se)、CI(G)S(S)とも呼ばれる、光吸収半導体薄膜を安価に利用できる太陽電池構造が開発されつつある。このクラスの一般的な太陽電池は背後電極層とn−型の接合パートナー層に挟まれたp−型吸収体層を有する。背後電極は通常モリブデン(Mo)であり、一方、接合パートナー層は通常硫化カドミウム(CdS)である。酸化亜鉛(ZnO)のような透明導電酸化物(TCO)が接合相手層上に形成され、一般的には透明電極として用いられる。CISを主成分とする太陽電池では光の電気への変換効率が19%を超えることが実証されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の薄膜光起電性装置の製造のための高生産性製造方法が開発されつつある。かかる薄膜装置における吸収層の高生産性製造のための改善がなされるにつれて、製造プロセスの障害を防止するために、蒸着又は接合パートナー層に関して同様の進歩がなされなければならない。
【0004】
しかしながら、接合パートナーの製作に用いられる物質は、有毒物質を含むことがあり、かつ製造システムの改善が困難に遭遇することが理解されるべきである。接合パートナー形成のための1つのプロセスとしては、例えばCdSのような第II−IV族の化合物の使用が挙げられる。形成プロセスに用いられるCdSは、有害な不要副生物を生成し得るため、処理費用を増大させる。既知のプロセスも、高生産性で高収率のシステムの構築には、非効率的であるか、又は信頼できないものである。いくつかの既知のシステムも、過大な原料を用いて、そのほとんどが製造中に浪費されてしまう。他のものでは、幅広いウエブ上で接合パートナー物質の不均一な蒸着を起こし得る、基板に内在する欠陥によって影響を受けやすいシステムを用いている。従って当技術分野には、改善された接合パートナー蒸着システムに対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態は、少なくともいくつかの上記の難点を解決する。本発明は第IIB−IVA族物質のための改善された蒸着システムを提供する。以下に限定されるものではないが、これらの改善されたモジュール設計は、ロール・ツー・ロール(ローラーからローラーへ)の直列形の処理装置のために適切なものである。少なくともいくつかの本発明の実施形態は、吸収層に用いられる材料が剛体であれ柔軟であれ、任意の型の太陽電池に適用可能であることが理解されるべきである。本発明の実施形態は、ロール・ツー・ロール及び/又はバッチの製造プロセスに適合性がある。本明細書に記載されるこれら及び他の目的は、本発明のさまざまな実施形態により達成される。
【0006】
本発明の1実施形態では、蒸着システムは溶液と基板と共に使用するために提供される。前記システムは、少なくとも1つの溶液蒸着システム、少なくとも1つの加熱室、基板上に溶液を保持するための少なくとも1つの組み立て品、及び基板上に多量の溶液を収容する能力を有するゾーンを画成するために、基板の少なくとも1つの端を湾曲させる器具を含む。
【0007】
本発明の別の実施形態では、基板と共に使用するための蒸着システムが提供され、このシステムは溶液蒸着用器具、少なくとも1つの加熱室、基板上に0.5μm〜10mmの深さの溶液を保持するための少なくとも1つの組み立て品を含む。
【0008】
本発明の更に別の実施形態では、溶液と基板と共に使用するための蒸着システムが提供され、このシステムは、1つの溶液蒸着用システム、少なくとも1つの加熱室、溶液を基板上に支持するための、少なくとも1つの組み立て品、及び基板上に多量の溶液を収容する能力を有するゾーンを画成するために、基板の少なくとも1つの端を湾曲させる器具を含む。
【0009】
本明細書の任意の実施形態は、以下の1つ以上の特徴を持つために適合されることができることが理解されるべきである。1実施形態では、前記組み立て品は、前記基板の少なくとも2つの端を湾曲させる。任意に、前記の基板上に溶液を保持するための組み立て品は、約0.5μm〜約10mmの深さを許容する。任意に、前記の基板上に溶液を保持するための組み立て品は、約1mm〜約10mmの深さを許容する。任意に、前記の湾曲させるための組み立て品は、前記基板の対向している端を湾曲させる。任意に、前記の湾曲させるための組み立て品は、基板が湾曲していないときに、基板の恒久的な変形を防止するのに十分な距離にわたり遷移が起きるように、平面の基板を2つの端に湾曲のある基板に遷移させるように構成されている。任意に、前記の湾曲させるための組み立て品は、平面の基板を、2つの端部に沿って、少なくとも4インチの距離にわたる湾曲のある基板に遷移させるように構成されている。任意に、前記の湾曲させるための組み立て品は、平面の基板を、2つの端部に沿って、少なくとも6インチの距離にわたる湾曲のある基板に遷移させるように構成されている。任意に、前記の湾曲させるための組み立て品は、湾曲の上端からこぼれることなく、基板上に多量の溶液を収容するために、十分な高さのある湾曲を形成させる。任意に、前記の溶液を収納するための組み立て品は、基板の少なくとも2つの端を真っ直ぐにして、実質的に平面の形状を有する基板に戻すための、直線化する器具を更に含む。任意に、前記の湾曲させるための組み立て品は、ウエブ・ガイドを含む。任意に、前記の湾曲させるための組み立て品は、形態を与えられたウエブ・ガイドを含む。任意に、前記の溶液蒸着用の組み立て品は、基板上に溶液を蒸着するための噴霧蒸着システムを含む。任意に、前記の溶液蒸着用の組み立て品は、基板上に溶液を蒸着するための、超音波噴霧蒸着システムを含む。任意に、前記基板は柔軟な材料を含む。任意に、前記基板は金属箔を含む。任意に、前記溶液は、第IB−IIIA−VIA族の吸収層のための、接合パートナーを形成するための前駆体を含む。任意に、前記溶液は、第IIB−VIA族の接合パートナーを形成するための前駆体を含む。任意に、前記溶液は、以下のものより成る群から選ばれる接合パートナーを形成するための前駆体を含む:硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、水酸化亜鉛、セレン化亜鉛(ZnSe)。任意に、前記溶液は、以下の1つ以上の水溶液から得られる第IIB族のイオン種を含む:第IIB族の種の硫酸塩、酢酸塩、臭化物、フッ化物、塩化物、ヨウ化物、水酸化物、硝酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩又は水和物。任意に、前記溶液は以下の1つ以上のものの水溶液から得られる第VIA族のイオン種を含む:第VIA族の種の酸化物、水素化物、硫酸塩、硝酸塩、酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩又は尿酸塩。任意に、前記溶液は約9〜約14のpHを有する。任意に、前記溶液は約11〜約12のpHを有する。任意に、前記の溶液を収納するための組み立て品は、少なくと
も部分的に前記加熱室に収納される。
【0010】
本発明の性質および利点の更なる理解は、本明細書の残りと及び図面の参照により明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の1実施形態に従う光起電性装置の断面図である。
【図2】本発明の1実施形態に従う処理システムを示す。
【図3】発明の別の実施形態に従う処理システムを示す。
【図4】本発明の別の実施形態に従う処理システムの鳥瞰図を示す。
【図5】本発明の1実施形態に従う処理システムの断面図を示す。
【図6】本発明の別の実施形態に従う処理システムを示す。
【図7】本発明の別の実施形態に従う処理システムを示す。
【図8】本発明の実施形態における物質の蒸着を示す断面図を示す。
【図9】基板の1つ又は2つの端を湾曲させるように構成された処理システムの1実施形態の断面図を示す。
【図10】基板の1つ又は2つの端を湾曲させるために使用されるさまざまなメカニズムを示す。
【図11A】基板の1つ又は2つの端を湾曲させるために使用されるさまざまなメカニズムを示す。
【図11B】基板の1つ又は2つの端を湾曲させるために使用されるさまざまなメカニズムを示す。
【図12A】上向きに曲がった端を有する基板のためのさまざまな形状を示す。
【図12B】上向きに曲がった端を有する基板のためのさまざまな形状を示す。
【図12C】上向きに曲がった端を有する基板のためのさまざまな形状を示す。
【図13】本発明の実施形態に従う基板成形組み立て品の配置を示す処理システムの包括図である。
【図14】発明の実施形態に従う基板成形組み立て品の配置を示す処理システムの包括図である。
【図15】本発明のさまざまな実施形態に従う処理システムの側面図である。
【図16】本発明のさまざまな実施形態に従う処理システムの側面図である。
【図17】本発明のさまざまな実施形態に従う処理システムの側面図である。
【図18】本発明のさまざまな実施形態に従う処理システムの側面図である。
【図19】本発明のさまざまな実施形態に従う処理システムの側面図である。
【図20】本発明に従う基板の一部分の鳥瞰図である。
【図21】本発明の実施形態に従う、基板ウエブを縦断する図を示す。
【図22】本発明の実施形態に従う、基板ウエブを縦断する図を示す。
【図23A】本発明の実施形態に従う基板ウエブを縦断する図を示す。
【図23B】本発明の実施形態に従う基板ウエブを縦断する図を示す。
【図24】本発明の実施形態に従う基板の外側端の端を密閉するためのさまざまな方法を示す。
【図25】本発明の実施形態に従う基板の外側端の端を密閉するためのさまざまな方法を示す。
【図26】本発明の実施形態に従う基板の外側端の端を密閉するためのさまざまな方法を示す。
【図27】本発明の実施形態に従う基板の外側端の端を密閉するためのさまざまな方法を示す。
【図28】本発明の実施形態に従う基板の外側端の端を密閉するためのさまざまな方法を示す。
【図29】基板の進路に沿った撹拌メカニズムを持つ本発明の実施形態を示す。
【図30】基板の進路に沿った撹拌メカニズムを持つ本発明の実施形態を示す。
【図31】本発明の実施形態と共に使用されるに適した真空ベルトの1実施形態を示す。
【図32】本発明の実施形態と共に使用されるに適した真空ガイドの1実施形態を示す。
【図33】本発明の処理システムの1実施形態を通過するウエブの進路を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
主張されているように、前記の一般的な記載と以下の詳細な記載の両方とも、例示的かつ説明のためだけのものであり、本発明を限定するものではないことが理解されるべきである。明細書及び添付の特許請求の範囲に使用される単数形である「a」、「an」及び「the」は、文脈が明白に指示する場合以外には、複数の指示をも包含する。従って、例えば、「a 物質」という言及は、複数の「材料」(物質)の混合物を含むことができ、「a compound」という言及は、複数の「化合物」(compound)を含むことができるなどである。本明細書に引用される参考文献は、その実体として、本明細書に明確に規定される教示と矛盾しない範囲において、参照により本明細書に包含される。
【0013】
以下の本明細書と特許請求の範囲において、以下の意味を有するものとして定義される一連の用語に対し記述が行われる:
「任意の(optional)」又は「任意に(optionally)」は、引き続き記載される状況が起きも起きなくてもよいことを意味し、従ってその記載は、前記状況が起きる事例、及び前記状況が起きない事例を含むことができる。例えば、「ローラーが任意に熱伝導性の膜の性質を含む」場合、このことは、熱伝導性の膜の性質が存在してもよく、又は存在しなくてもよいことを意味し、従ってこの記載は、前記ローラーが熱伝導性の膜の性質を保有する構造、及び熱伝導性の膜の性質が存在しない構造の両方の構造を含む。
【0014】
(光起電性装置の構造)
ここで図1を参照し、かかる光起電性装置10の1実施形態について述べる。本実施形態は第IB−IIIA−VIA族の薄膜装置の文脈において記載されるが、他の種類の光起電性装置も、ここで述べられる接合パートナー形成技術により製造可能であることに注意されたい。
【0015】
図1に示されるように、本発明に従う光起電性装置10の構造は、ベース基板12、任意の中間層13、ベース又は背後電極14、上述の種類の薄膜を内蔵するp−型吸収層16、n−型接合パートナー半導体薄膜18、及び透明電極20を含む。1例として、前記ベース基板12は金属箔、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエチエンナフタレン(PEN)、ポリエステル(PET)、関連するポリマー、又は金属化プラスチックなどのポリマーにより形成され得る。非制限的な例として、関連するポリマーは、類似の構造、及び/又は機能的性質、及び/又は物質特性を包含する。前記ベース電極14は、電気伝導性物質で形成される。1例として、前記ベース電極14は、その厚さが0.1μm〜25μmである金属層であってよい。任意の中間層13は、前記電極14及び前記基板12の間に組み込まれることができる。透明電極20は、シート抵抗を提言するために、透明導電層19、及び金属(例えばAl、Ag、Cu、又はNi)層のフィンガー21を含むことができる。
【0016】
1実施形態では、前記ベース基板12は、限定はされないが、ステンレススチール、銅、アルミニウム、ニッケル、モリブデンなどの金属による形成される金属箔であってよい
。1実施形態ではモリブデンのベース電極と共にアルミニウムが用いられる。しかしながら、アルミニウムとモリブデンは、特に吸収層の成長に用いられる高温に加熱された場合に、お互いの中に相互拡散可能であり、しばしば相互拡散が発生して、有害な電気的及び/又は光電効果を前記装置10に与える。更に、アルミニウムはモリブデンを貫通じて、例えばCIG(S)を超える層にまで拡散する。かかる相互拡散を阻害するために、中間の界面層13を、アルミ箔基板12とモリブデンのベース電極14の間に組み込むことができる。前記中間層は、限定はされないが、クロミウム、バナジウム、タングステン及びガラス、又は窒化物(限定はされないが、窒化チタン、窒化タンタル、窒化タングステン、窒化ハフニウム、窒化ニオブ、窒化ジルコニウム、窒化バナジウム、窒化ケイ素、又は窒化モリブデン)、オキシ窒化物(限定はされないがTi、Ta、V、W、Si、Zr、Nb、Hf、又はMoのオキシ窒化物)、酸化物、及び/又はカーバイドのような化合物などの任意のさまざまな物質により形成されることができる。前記材料は、電気伝導性材料であるように選択され得る。1実施形態では、前述のものから選ばれる前記材料は、電気伝導性の拡散バリアであってよい。この層の厚さは、10nm〜50nm又は10nm〜30nmの範囲であってよい。任意に、前記厚さは約50nm〜約1000nmの範囲であってよい。任意に、前記厚さは約100nm〜約750nmの範囲であってよい。任意に、前記厚さは約100nm〜約500nmの範囲であってよい。任意に、前記厚さは約110nm〜約300nmの範囲であってよい。1実施形態では、前記層13の厚さは、少なくとも100nm以上である。別の実施形態では、前記層13の厚さは、少なくとも150nm以上である。前記層13の厚さは、少なくとも200nm以上である。任意に、いくつかの実施形態は、限定はされないが、銅層、チタン層、アルミニウム層、又は別の層を、前記層13の上であって、かつベース電極層14の下に含むことができる。この層は層13より厚くてもよい。任意に、それは層13より薄くても、同じ厚さでもよい。この層13は、前記アルミニウム箔の1表面又は任意に両表面上に配置されることができる(図5)中に点線の層15として示される)。いくつかの実施形態は、電気伝導性バリアを片側に、反対側には非電気伝導性バリアを用いることができる。他の実施形態は、両側に同種類の電導性材料を用いる。
【0017】
基板12の両側にバリア層がある場合、保護層は前述の材料と同じ材料より成るか、任意に異なる材料より成り得ることが理解されるべきである。底面の保護層105は任意の材料から成ることができる。任意に、いくつかの実施形態は、層105の上であり、アルミニウム箔102の下に、限定はされないが、アルミニウム層などの別の層107を含むことができる。この層107は、層103よりも厚くてよい。
【0018】
本発明の実施形態では、光起電性装置10の構造は、化合物膜と透明導電層19の間において接合パートナーとして機能する、相補的電荷型の半導体薄膜18を含むことができる。1例として、n−型半導体薄膜18(ときに接合パートナー層と称される)は、硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、水酸化亜鉛、セレン化亜鉛(ZnSe)などの無機物質、n−型有機物質、又はこれら若しくは同様の物質の2つ以上のものの組み合わせ、又はn−型ポリマー及び/又は小分子などの有機物質を含み得る。ポリ(ベンズイミダゾベンゾフェナンスロリン・ラダー)(BBL)などの他の種類の接合パートナー物質も、本発明に従う接合パートナー物質として用い得る。BBLの詳細は、同時係属の2006年4月21日出願の米国特許出願第11/409,503号に提供されており、この出願は、全ての目的において、参照によりその全体が本願に組み込まれる。これらの物質の層が、例えば化学浴析出法(CBD)及び/又は化学表面析出法(及び/又は関連する方法)により、約2nm〜約10nm、より任意には約5nm〜約500nm、及び最も任意には約10nm〜約300nmの範囲の厚さで蒸着されることができる。いくつかの実施形態では、その厚さは約10nm〜約100nmの範囲であってよい。他の実施形態では、その厚さは約15nm〜約80nmの範囲であってよい。これは、更に連続的ロール・ツー・ロール、及び/又はセグメント化ロール・ツー・ロール、及び/又は浴モ
ードのシステムでの使用のために構成されることもできる。
【0019】
透明導電層19は、限定はされないが、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、フッ化酸化インジウムスズ、酸化亜鉛(ZnO)又はアルミニウムでドープされた酸化亜鉛(ZnOx)、又は関連物質などの透明導電性酸化物(TCO)のような無機物質でであってよく、これらは、スパッタリング、エバポレーション、化学浴析出法(CBD)、電気メッキ、ゾル−ゲルに基づくコーティング、スプレー・コーティング、化学気相蒸着法(CVD)、物理気相蒸着法(PVD)、原子層蒸着法(ALD)などの種々の手段の、任意のものにより蒸着され得る。代替的に、透明導電層は、例えばドープされたPEDOT(ポリ−3,4−エチレンジオキシチオフェン)の透明層などの透明導電性ポリマー層、カーボンナノチューブ若しくは関連物質、又は他の透明有機物質を単独又は組み合わせで含むことができ、これらは、スピン、ディップ、又はスプレー・コーティングなどにより、又は各種の気相蒸着技術の任意のものを用いて蒸着できる。真性ZnO(i−ZnO)などの非導電層を、CdSとアルミニウムによりドープされたZnOの間に任意に用い得ることが理解されるべきである。任意に、絶縁層を、前記層18と透明導電層19の間に包含し得る。無機及び有機物質の組み合わせも、ハイブリッド導電層の形成に用い得る。従って、前記層19は、任意に有機(ポリマー性若しくは混合ポリマー性分子)又はハイブリッド(有機−無機)物質であり得る。かかる透明導電層の例は、例えば同一出願人による米国特許出願公開20040187317号に記載されており、これは参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
当業者は、本発明の範囲と教示を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の変形を考案できるであろう。例えば、本発明の実施形態において、前記第IB−IIIA族前駆体層の一部分(又は前駆体層の特定の副層、又は積層内の他の層)は、ミクロフレークを主成分とするインク以外の方法により蒸着され得ることは注目される。例えば、前駆体層、又はその構成副層は、限定はされないが、球状ナノ粉末を主成分とするインクによる溶液蒸着、ALD、エバポレーションなどの気相蒸着法、スパッタリング、CVD、PVD、電気メッキなどのさまざまな代替的蒸着技術の、任意のものにより蒸着できる。
【0021】
(接合パートナー蒸着システム)
ここで図2を参照し、接合パートナー蒸着システムの1実施形態について記載する。本発明のこの実施形態において、蒸着システムは、大気圧における環境で生じる溶液蒸着システムであってよい。任意に、蒸着システムは、真空、低真空及び/又は減圧をも用い得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態は、大気圧よりも高い圧力を用い得る。
【0022】
図2は、直列型のロール・ツー・ロール構成で用いるように構成された基板50を持つシステムを示している。前記基板50は、被覆された金属、被覆されたポリマー、被覆された金属化ポリマー基板、又は本明細書において既述の他の任意の基板であってよい。前記被覆は、限定はされないが、Cu−In−Ga−Se、Cu−In−Se、Cu−In−Ga−S、Cu−In−Ga−Se−S、他の第IB−IIIA−VIA族の吸収材、CdTe、スルホ塩(sulfo−salt)、第IIB−VIA族の吸収材、又は他の接合パートナーを用いる光起電性吸収材などの光起電性吸収層であってよい。基板50上に形成された前記光起電性吸収層又は他の被覆は、限定はされないが、スパッタリング、電気蒸着、電気メッキ、溶液蒸着、ALD、エバポレーション、CVD、PVD、及び/又は類似のものなどのさまざまな方法の任意のものにより蒸着し得る、1つ以上の前駆体から生成されることができる。本明細書において、用語「基板50」が言及される場合、それは、裸の基板であっても、その上に被覆を有する基板であってもよい。非限定的な例として、これらの吸収材層は剛体の基板上にも又は柔軟な基板上にも形成され得る。
【0023】
1実施形態では前記基板50は、限定はされないが、吸収材により被覆された金属箔のような柔軟な細長い基板である。別の実施形態では、前記基板50は、図1に示されるような多層の柔軟な基板である。任意に、前駆体層を含む個別又は事前に切断された基板が配置される場所の上に、担体が存在できる。前記担体は、処理ステーションを通じて、これらの個別又は事前に切断された基板を担うことができる。初期設定の一部として、溶液蒸着に先立ち処理される基板の表面は清掃され得る。
【0024】
制限しない例として、基板50と共に用いられる前記接合パートナーは、第IIB−VIA族の物質であってよい。1実施形態では第IIB族のイオン種は以下の1つ以上のものから成ることができる:硫酸塩、酢酸塩、臭化物、フッ化物、塩化物、ヨウ化物、水酸化物、硝酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩、水和物、又はそれらの組み合わせより選ばれる1つ以上の溶液から提供される、カドミウム、水銀、亜鉛、水銀又は亜鉛。第VIA族のイオン種は、酸素、イオウ、セレン、テルル、ポロニウム、又はそれらの組み合わせを含む。第VIA族のイオン種は、任意に、第VIA族元素の酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、又は尿酸塩の水溶液から得られる。前記溶液被覆の組成物は、任意に、任意に脱イオン水である水などの溶媒を更に含むことができる。前記溶液被覆の組成物は、任意に、約9〜約14の、より任意に約10〜約13の、最も任意に約11〜約12のpHを持つ。
【0025】
1実施形態では、CdS層は溶液蒸着処理により基板50上に形成される。より具体的には、この実施形態では、酢酸カドミウム(Cd(CHCOO))、チオ尿素(NHCSNH)、酢酸アンモニウム(CHCOONH)及びアンモニアを含む溶液が調製される。本発明のこの実施形態では、酢酸カドミウムの溶液中の濃度は0.001M、チオ尿素の濃度は0.005M、酢酸アンモニウムの濃度は0.01M、及びアンモニアの濃度は0.4Mであった。この溶液中で被覆された基板では、基板上にCdS層が形成される。この例は純粋に例示的であり、非限定的である。
【0026】
限定はされないが、湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト・プリンティング、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクログラビア印刷、裏ミクログラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着、超音波スプレー蒸着など、並びに上記の組み合わせ及び/又は関連技術を含むさまざまな溶液に基づく被覆技術が、上記液体の塗布に用いられることができる。限定はされないが、グリセリンなどの湿潤剤の前記液体への添加により、基板50の表面は修飾できる。前記液体は、前述の物質を含む分散物又はインクであってよい。表面張力に応じて、前記液体の基板への塗布は任意に上下を反対にして実行できる。
【0027】
引き続き図2を参照するが、この実施形態は、スプレー技術が前記液体被覆を基板50への塗布に用い得ることを示している。この実施形態では、前記溶液は約12のpHを有する、0.005〜0.01MのCdSO4溶液と2MのNH4OHの混合物であってよい。任意に、前記溶液は、約0.001〜約0.008モル/Lの硫酸カドミウムとの混合物であってよい。任意に、前記溶液は、硫酸カドミウム約0.002〜約0.005モル/Lとの混合物であってよい。任意に、0.3〜0.5Mのチオ尿素溶液が含まれる。任意に、前記チオ尿素の濃度は、0.1〜0.6モル/Lであってよい。任意に、前記チオ尿素の濃度は0.2〜0.5モル/Lであってよい。図2は、この実施形態が、前記基板50の上に物質を噴霧するように構成された噴霧用組み立て品60を使用するところを示している。制限しない1例として、前記噴霧用組み立て品60は、前記基板50の幅方向に液体を噴霧するために単一の、2つの、又は多数のノズルを用いることができる。1
つ以上のノズルが超音波ノズルであってよい。連合王国のJDウルトラソニックス(J D Ultrasonics)社の製品などの超音波ノズルが市販品として入手可能である。任意に、前記ノズルは、シンガポールのウイルソン・スプレー・ノズル(Wilson Spray Nozzle)社から入手できるもののように、幅広いウエブの幅方向に液体を原子化するように構成されたデュアル・ジェット・ノズルであってよい。組み立て品60の中には1つ以上の幅広いウエブ・ノズルが存在してよい。任意に、1つ以上のノズルは、ノズルからの流れが、渦巻く流れが円錐状噴霧を画成するように出口から抜け出るものである、渦巻きノズルであってよい。任意に、幅広いウエブ、及び渦巻きノズルが組み合わせで用い得る。前記噴霧組み立て品60は、0.5m以上の幅を有することができる基板50の全域を噴霧するのに十分なものであってよい。任意に、前記噴霧組み立て品60は、1.0m以上の幅を有することができる基板50の全域を、噴霧するのに十分なものであってよい。任意に、前記噴霧組み立て品60は、2.0m以上の幅を有することができる基板50の全域を、噴霧するのに十分なものであってよい。任意に、前記噴霧組み立て品60は、3.0m以上の幅を有することができる基板50の全域を、噴霧するのに十分なものであってよい。
【0028】
蒸着される溶液又は分散液の温度、及び/又は基板の温度は制御され得ることが理解されるべきである。1実施形態では、この溶液を収容する容器は、蒸着に先立ち約85℃に保たれた熱水浴に配置され、より低い温度で基板に蒸着された。いくつかの実施形態では、前記基板は室温に保たれるか、又は溶液若しくは分散液が蒸着されるべき温度以下に加熱される。任意に、前記溶液及び前記基板50の両方は、実質的に同じ温度に保たれる。1実施形態では、前記溶液又は前記基板50の両方とも加熱されず、両方とも室温に置かれる。他の実施形態では前記基板50は、室温から約60℃〜約90℃に保たれる。他の実施形態では、前記基板50は、室温から約50℃〜約90℃に保たれる。他の実施形態では前記基板50は、室温から約40℃〜約100℃に保たれる。他の実施形態では前記溶液又は分散液は、実際に室温以下に冷却される。
【0029】
別の態様では、塗布される溶液の量は、薄層であるか、又は約0.5mm〜約5mmの深さの浴を形成するのに十分な量のどちらかである。任意に、前記浴は、深さが約0.5μm〜約10mmであってよい。浅い浴でも、実質的に原料物質が不十分な活用をされることはなく、基板50の全標的表面を覆うのに十分である。基板50上の前記浴は、基板50の上の滑動可能な、及び/又は移動可能な密閉体に接して収容される。任意に、前記基板50は溶液の浴を通って通過し、基板50は着脱可能な背面層を有することができる。
【0030】
図2を更に参照するが、2番目の蒸着用組み立て品70(点線で示される)を用いることもできる。これは溶液蒸着組み立て品60において使用される超音波ノズルと同一種類のものであってよい。それは、限定はされないが、任意に、渦巻き、幅広ウエブ、又は蒸着組み立て品60に用いられているものと異なる他のノズルなどの他の種類のものの1つであってよい。任意に、前記第2の蒸着組み立て品70は、以下のものを1つ以上含むことができる:湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト・プリンティング、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクログラビア印刷、裏刷ミクログラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着などと、上記の組み合わせ及び/又は関連技術。組み立て品70からの溶液は、組み立て品60からのものと同一であるか、又はチオ尿素溶液などの処理に用いられる成分であってよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、2個より多い蒸着源60及び70があってよいことが理解されるべきである。いくつかの実施形態は3個以上を有し得る。各々は処理溶液中のただ1つの物質成分を蒸着し得る。いくつかは混合物を蒸着し得る。いくつかの実施形態は、組み合わせ(いくつかのソースはただ1成分を蒸着し、一方他のものは1つ以上の混合物を蒸着する)を用い得る。いくつかの実施形態では、前記溶液、成分、又は蒸着源60及び70からの他の物質の全部は、基板よりも高い温度にあり、基板と同じ温度にあり、又は基板より低い温度にあってよい。任意に、蒸着源のうちの唯1つが、基板よりも高い温度で蒸着する。任意に、蒸着源のうちの唯1つが、基板と同じ温度で蒸着する。任意に、蒸着源のうちの唯1つが、基板より低い温度で蒸着する。前記順序は、限定はされないが、カドミウム塩の溶液が最初で、次いでチオ尿素、又は他のS溶液が後になるように変更できる。いくつかの実施形態では、1つ以上の他の錯化剤を加えることができる。前記順序は、S溶液蒸着が最初で、次いでカドミウム塩溶液、及び他の任意の成分が続くように変更し得る。いくつかでは、液体のS溶液、及び異なるステーションで加えられたカドミウム塩のナノ粒子の(組み合わせの)ように、湿式蒸着、及び乾式蒸着処理の組み合わせ処理を含み得る。もちろん蒸着のタイプは、限定はされないが、スロット・ダイ蒸着に次いで、所定の時間の後に別の成分をスプレー蒸着するか、又はその逆の順などに変更もできる。本明細書に記載される任意の処理システムの実施形態と共に使用するために、複数蒸着源システムを適合させることができる。
【0032】
図2に示されるように、前記基板50は、組み立て品60及び/又は70による溶液蒸着の後、溶液を加熱して膜の成長、又は形成を可能とするためのオーブン80に入る。1実施形態では、オーブン80は基板を約65〜約90℃に加熱するために用いられる。任意に、いくつかの実施形態は、約90〜約130℃などのより高温に加熱する。さまざまなオーブンを使用できる。1実施形態では、前記オーブン80は前記基板50及び基板50上の溶液を加熱する赤外オーブンを含む。赤外オーブンはニュージャージー州パターソン(Paterson)のグレンロ社(Glenro Inc.)を含む種々の製造業者から入手可能である。他の実施形態は、加熱素子がチューブ炉、又は基板が通過するマッフルの外側に配置されるマッフル炉を用い得る。加熱素子がマッフルを加熱し、順にマッフルが基板を加熱する。いくつかの実施形態では加熱素子はオーブン80の1側面(例えば上部)にのみ含まれるか、又はその反対側(例えば底部)にのみ含まれることができる。1実施形態では、基板50の上に約20〜約100nmの硬化厚の第IIB−VIA族の物質を有することができる。任意に、前記厚さは約100〜約150nmの間であり得る。
【0033】
前記オーブン80を通過後、基板50は清掃ステーション90に達する。清掃ステーション90は、基板50に塗布された未使用の、又は未硬化の液体を除去するために、限定はされないが、脱イオン水などの液体の圧力噴霧を用いることができる。圧力噴霧からの洗浄液は収集され、前記廃液は封じ込められるか、又は適正な除去のために処理される。
【0034】
任意に、2番目の清掃ステーション100が含まれることができる。これは、清掃ステーション90と同様の付加的な洗浄ステーションであってよいが、基板50を乾燥させるエアー・ナイフ又は他のソースであるか、又は他の種類の洗浄溶液を用いる洗浄システムであってもよい。洗浄及び/又は乾燥は基板50の片側のみに起きるか、又は点線のステーション92及び102で示されるように、下側、若しくは他の側からのものでもよい。任意に、このものは、基板の表面から望まれない物質を除去し、次工程の処理のために基板を準備するための、加熱と空気乾燥ステーションを組み合わせであってよい。いくつかの実施形態では、加熱は空気乾燥の後に起きることができ、基板の温度を増加させ、光起電性装置上に蒸着されるべき次層のために準備させるために赤外線加熱を用い得る。1実施形態では、上記のさまざまな処理後に、前記基板50を約100℃以上に加熱し、2m/分の速度でウエブ又は基板50を乾燥して、次層のために準備する。
【0035】
次いで図3を参照し、本発明の別の実施形態を記述する。この実施形態は、組み立て品60及び/又は70による溶液蒸着を持つ、接合パートナー蒸着システム130を示している。前記オーブン80は、組み立て品60及び/又は70からの基板50上に蒸着された溶液を加熱するために用いられる。接合パートナー蒸着システムのこの実施形態は、処理中に基板50を平坦化することを助ける真空プル・ベルト・システム140を含む。力が加えられない場合や、基板の平坦化を助ける基板ガイドがない場合には、蒸着後に、いくらか幅の広い柔軟な半導体、又は他の吸収材物質の基板50は曲がって非平面の形状をとるため、これは特に有用である。真空プル・ベルトのシステムは、ジョージア州デカチャー(Decatur)のクリックロック−ウッドマン(Kliklok−Woodman)社などの製造業者から入手可能である。いくつかのシステムでは、米国特許第5、715、656号に記載されるような連結式の浮遊真空プル・ベルト配列を用いることができる。前記特許は、その全体が参照により、全ての目的のために本明細書に組み込まれる。
【0036】
この実施形態では、前記真空プル・ベルト・システム140は前記オーブン80の外側に延伸している。任意に、他の実施形態では前記真空プル・ベルト・システム140は、オーブン80の境界内だけに延伸できる。図3に示されるように、溶液の噴霧は噴霧用組み立て品60を経由して、システム140の上だけに生じることができるか、又は位置70に配置された噴霧用組み立て品により示されるように、ベルトのシステム140から離れて配置された、基板50の位置で生じることができる。
【0037】
図4は、移動密閉システム160及び162が、溶液が基板50に蒸着される領域と平行することができる別の実施形態を示す。図4は、基板50、及び基板50に対して側壁を形成し、基板50の上に浴の形成を可能とする、システム160及び162の密閉体の鳥瞰図である。1実施形態では、システム160及び162の密閉は、溶液の浴、又は層を基板50の片側のみに保つ。システム160、及び162は、基板50と共に移動する密閉体を持つように構成されることもできる。他の実施形態は、基板がそれに沿って滑動することを可能とする、固定密閉体を有することができる。いくつかの実施形態は、流体、又は溶液がウエブの下流側、若しくは上流側の遠くまで流れることを防止することを助けるための、窪み(図33を参照のこと)を基板の経路に有することができる。密閉体の表面を清掃し、基板50に対する良好な密閉を阻害する可能性のある、望ましくない堆積を除去するための、こするためのユニット170、及び172も含むことができる。他の実施形態は、前記ユニット170及び172を、基板50に対する密閉を助ける封止剤の塗布に用いることができる。
【0038】
更なる実施形態は、より高度な利用を可能とするため、2つの背面対背面(back−to−back)基板50を用いることができる。無駄な、又は所望しない処理を避けるために、実質的に2つの前面と、所望しない処置から保護された背面とを有する二重基板を形成するため、2つの基板は「背面対背面」を一緒に貼り合わせることができる。好適には、前記基板は処理後に互いを分離できるような様式で貼り合わされる。1例として前記基板は、低強度接着剤、又は両方の基板の背面に塗布された静電フィルムにより貼り合わされる。代替的に、処理の間に反応剤が背面に達しないように、2つの基板が連結する端を、例えばテープで密閉できる。次いで、前記二重基板をコイル状に巻き、両方の前面が処置されながら、背面は処置されないように被覆できる。この様式による基板の処理は、反応剤の無駄を削減し、1回に処理可能な基板の面積を増大させ得る。任意に、他の実施形態は、処理後に取り除かれ、未処理の背面を露出させるための、犠牲的背面を使用できる。これらのシステムは、基板がその両側を露出させて溶液を通過する、浴タイプのシステムに特に適している。
【0039】
次いで図5を参照するが、オーブン内の環境が周囲の雰囲気とは異なることが理解されるべきである。いくつかの実施形態は、周囲の雰囲気をオーブン180内の環境に用い得るが、他の実施形態は、空気以外の雰囲気を用い得る。非制限的な1例として、溶液からのアンモニア又は同様の物質の損失を防ぐために、マッフル182内の環境はアンモニア、又はアンモニアを主とする物質から成ることができる。物質の損失は、反応動力学を変更するpHの変化を惹起し得る。他の実施形態は、揮発性であり、処理の間に溶液から揮散する物質の超過気圧を発生させるために、他の雰囲気を用いることができる。マッフル182の気体環境中の物質は、どのような種類の反応が起きているか、及び処理中にどのような物質が揮発、又は失われるかに基づき決定される。
【0040】
制限しない1例として、前記マッフル182は、幅の広い箔に合わせた寸法の開口部を持つように設計し得る。1つの制しない例では、前記基板50は少なくとも1mの幅を有する。別の実施形態では、前記基板50は少なくとも2mの幅を有する。別の実施形態では、前記基板50は少なくとも3mの幅を有する。
【0041】
1実施形態ではマッフル182内の開口部は、気体の漏洩を低減するために、基板に対して最小限のクリアランスを提供するように寸法付けられている。1実施形態では、マッフルの内部高は約3インチより小さい。1実施形態では、マッフルの内部高は約2インチより小さい。1実施形態では、マッフルの内部高は約1インチより小さい。1実施形態では、マッフルの内部高は約0.5インチより小さい。以下に限定はされないが、チャンバー又はマッフルの狭い部分での、内部幅の内部高さに対する比は、少なくとも約10:1であってよい。以下には限定されないが、チャンバー又はマッフルの狭い部分での、内部幅の内部高さに対する比は、少なくとも約10:1より大きくてよい。任意に、本発明の他の実施形態では、チャンバー又はマッフルの狭い部分での、内部幅の内部高さに対する比は、少なくとも約14:1より大きくてよい。この実施例ではマッフルが用いられているが、U字型断面の形状をしたウエブ・ガイドの覆いを用いる他の設計も、所望の覆われたトンネル環境を生成するのに十分であることが理解されるべきである。1実施形態では、基板上のヘッド・スペースの高さは、処理システムの区域又は領域の特定の処理ガス、及び/又は流体に基づいて予め決定される。
【0042】
本明細書のいくつかの実施形態では、前記マッフル182は、マッフル内に分離したチャンバーを持つ複数区域のものであってよい。これらの区域は1つの構造に一体化されても、又は各々が少なくとも1つの区域を画成する別々の分離された構造であってもよい。前記区域は、小さな隙間により互いに分離されるか、又は代替的に全ての構造が互いに結合されてもよいが、内部的には密閉、若しくはスペーサーの使用により分離されることができる。
【0043】
図5の点線は、更に内部マッフル182の周囲に用いることのできる第2のマッフル190を示している。外部マッフル190内の雰囲気は、内部マッフル182のものと同一であってよい。任意に、マッフル190はマッフル182内のものと異なる雰囲気を有する。1実施形態では、マッフル190は、限定はされないが、窒素、アルゴンなどの不活性雰囲気を含む。マッフル190はマッフル182と同じ長さであってよい。任意に、マッフル190は、外部環境への気体の漏れを防止するために内部マッフル182より長くてよい。気体は代わりに外部マッフル190内に漏れる。任意に、内部の処理用気体の漏れの防止を支援するために、各々のマッフルの取り入れ口と放出口の近傍で、各々のマッフルは不活性気体区域であってよい。図5は、更に加熱素子192及び194が、マッフルの上部、及び/又は下部で、どのように外部に配置されるかを示している。
【0044】
次いで図6を参照するが、ここには、複数のスプレーと加熱部位が示される、本発明の更に別の実施形態が示されている。この実施形態では、スプレー区域200が溶液の蒸着
に用いられ、次いで液体を加熱するオーブン区域202がある。このシステムに次いで、スプレー区域204、オーブン206、スプレー区域208、及びオーブン210がある。スプレー、及びオーブン区域は、基板50上に所望の厚さの層を形成するために、要求通り繰り返され得る。この実施形態では、各々のスプレー及びオーブン区域は、約25〜約35nmの厚さの接合パートナーを生成する。他の実施形態は、より厚いか、又はより薄い層を生成する蒸着区域を用いることができる。いくつかの実施形態は、接合パートナーに用いられる異なる物質、又は異なる成分を蒸着する区域を用いることができる。更に他の実施形態は、異なった温度で稼動するオーブンを用いることができる。いくつかのものは約70〜約90℃の熱を有し得る。任意に、他のものでは、約40〜約90℃の熱を有し得る。任意に、他のものでは、より高く約90〜約130℃の熱を有し得る。任意に、他のものでは、より低く約55〜約75℃の熱を有し得る。オーブンは、高温から低温になるように調節可能である。任意に、それらは低温から高温になることも可能である。他のものでは、中央オーブンで高熱、開始、又は終了オーブンでより低い熱を有する熱プロファイルを用いることができる。洗浄、及び乾燥ユニット90、及び100が、この加熱に続くことができる。オーブン220が、基板の更なる乾燥、及び/又は次層の処理のために基板を準備するために含まれることができる。いくつかの実施形態は、TCOスパッタリング、又は他の蒸着装置である、次の蒸着区域へ直接回転してゆくことができる。基板50は、完全なロール・ツー・ロール処理によるプロセス中の、CIGS、又は他の吸収層蒸着処理から直接来ることができる。代替的な実施形態では、例えば、直接的でなく、工程繰り返しではない、遅延した処理を有する、代替的な実施形態があり得ることも理解されるべきである。この代替的な実施形態では、基板の非連続的な処理があり得る。
【0045】
次いで図7を参照し、本発明の更なる実施形態について記載する。この実施形態は、基板50上に吊り上げられ、及び下降するフレーム250を使用する。工程繰り返し機能では、基板50は前進させられて、その未処理部分をフレーム250の下に配置させる。処理中の基板上での流体の顕著な(10%を超える)損失を防止するため、前記フレーム250は、基板50に接触するためか、又は十分に接近するために降下される。この場合も任意の溶液蒸着を用い得る。限定はされないが、湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト・プリンティング、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクログラビア印刷、裏刷ミクログラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着、超音波スプレー蒸着などと同様に、上記の組み合わせ、及び/又は関連技術などを含む、さまざまな溶液に基づく被覆技術が液体の塗布に用いられ得る。基板50の表面はグリセリンなどの湿潤剤を溶液に加えることで修飾できる。前記液体は、前述の物質を含む分散物又はインクであってよい。表面張力に応じて、前記液体の基板への塗布は、任意に上下を反対にして遂行し得る。
【0046】
前記オーブン80は、フレーム250中への流体の堆積前、堆積中、又は堆積後に加熱される。処理、及び加熱後、前記フレーム250は吊り上げられ、基板50は新しい未処理の部分をフレーム250に配置するため前進させられる。この場合にも、前記オーブン80は、アンモニア、又は前述の他の雰囲気を有し得る。フレーム250は、所望の量の厚さを築き上げるために、基板50の1つの区域上で、複数回充填され得る。他の実施形態は、基板が完全には停止されない移動処理を許容するため、基板と共に移動するフレーム250を用い得る。前記フレーム250は、オーブン80外にあるときに、基板の1領域の上に下降させられる。
【0047】
次いで図8を参照して、本発明の更に別の実施形態を記載する。この実施形態は、流体を基板50基板上に収容することを助ける密閉体、フレーム、又は他の要素を用いる替わ
りに、柔軟な基板50の端部53及び55を湾曲させ得るか、丸め得るか、又は上方に角度を付けて曲げられ得ることを示している。これは、点線で示される線57により指示されるように、その間に流体が充填されることを可能とする、カップ状、又は椀状の断面の形状を画成する。上方に湾曲する端部53、及び55の間の流体の深さは、端部の上端の下まで、及び/又は、任意に、端部の上部を越えて充填され得る。制限しない1例として、基板50上の前記流体の深さは約0.1mm〜約20mmの範囲であってよい。任意に、別の実施形態では、基板50上の前記流体の深さは約0.5mm〜約10mmの範囲であってよい。本実施形態では、基板50上に流体の被覆を形成するために、流体蒸着用の組み立て品259を用い得る。任意に、前記組み立て品259、及び限定はされないが、ドリップ、スプレー、又は他の流体被覆用装置などの、任意の他の蒸着システムが、基板50上への流体の蒸着の被覆率を改善するために、限定はされないが、矢印257で指示される方向に移動するように取り付けられ得る。任意に、これは横方向への機械的運動、及び/又は蒸着ノズル、ホース、又は他の蒸着用装置/組み立て品の角度付けにより達成し得る。
【0048】
限定はされないが、流体は、湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト・プリンティング、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクログラビア印刷、裏刷ミクログラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着、超音波スプレー蒸着などと同様に、上記の組み合わせ、及び/又は関連技術などを含む、任意のさまざまな溶液蒸着技術により蒸着できることが理解されるべきである。図8は、流体が基板50上に噴霧される1実施形態を示している。蒸着され得る前記流体は、基板50と実質的に同一の温度であってよい。任意に、他の実施形態では、前記流体は基板50より冷たくても、基板50より熱くてもよい。いくつかの実施形態は、室温よりも暖かくするために、前記流体を加熱する。いくつかの実施形態は、流体の蒸着に先立って、エアー・ナイフを用いて基板を冷却及び/又は清掃する。
【0049】
図9は、1実施形態で、湾曲部分53及び55を持つ、又は持たない基板50が、基板50上の空間量を最小化するために、近接して間隔をあけられたマッフル、覆われたオーブン、又は他の構造物の中に移動させ得ることを示している。これらの実施形態は、基板50を覆う流体の蒸発量を低減させる。本実施形態では、前記マッフル260は、そこを通じて基板50が通過する、覆われたオーブンを画成するために用いられる。前記マッフル260は、基板50の湾曲した形状を維持するため、湾曲した壁面を有するものとして示されている。いくつかの実施形態は、任意に、ガイド262、及び264(点線で示される)により画成されるスロット、又は溝を有することができる。
【0050】
図9は、任意的な外部オーブン270が、マッフル260の周囲に用い得ることを更に示している。この実施形態は、マッフル260の外部で、マッフル260、基板50、基板50上の流体に、対流的な加熱が使用されることを許容する。前記オーブン270は、マッフル260の内部と同じ雰囲気で満たされ得る。任意に、前記マッフル260は、限定はされないが、窒素、アルゴン、他の不活性気体、又はマッフル260の内部雰囲気と共に使用するのに適した、他の気体などの不活性気体で充填できる。前記オーブン270はマッフル260と同じ長さ、マッフル260より短く、又はマッフル260よりも長くてよい。
【0051】
次いで図10を参照し、基板50に成形された端部53及び55を持たせるための、湾曲用ガイドの断面を示す。この断面は、基板50が実質的に平面の形状から、流体を保持するのに十分な形状に変形され得ることを示している。この場合にも、ガイド280、及
び282は、基板を上方に湾曲させることを支援するために提供され得る。表面281は、限定はされないが、Teflon(商標)又は同様の物質などの低摩擦表面であってよい。ガイド280及び282の表面も同様に処置され得る。任意に、低摩擦表面281は、その表面に配置される、より高い摩擦係数を有する、被覆、タイル、プレート、又は他の上層などを備えることができる。いくつかの実施形態は、基板の背面が接触、又は滑動する、処理システムの任意部分における基板経路の全部分に沿って、低摩擦表面を有することができる。
【0052】
図11Aは、ガイド280の表面284が、徐々に表面を曲げて、基板の平面端部を湾曲した形状に変形させ得ることを示している。制限しない例として、矢印286により指示される表面284の長さは、約1インチ〜約10インチの範囲であってよい。より長さが大きいほど、平面形状から曲面形状への遷移を容易にする。任意に、前記遷移の長さは、約2インチ〜約6インチの範囲であってよい。任意に、前記遷移の長さは、ウエブ幅に基づくパーセンテージであってよい。1実施形態では、それはウエブ幅の10%〜120%の間であり得る。任意に、別の実施形態では、前記遷移の長さは、ウエブ、又は基板幅の25%〜75%の間で選択される。任意に、いくつかの実施形態は、前記遷移に所望の長さの量の計算に、湾曲部分の高さも考慮に入れる。1実施形態では、前記遷移の長さは、所望の湾曲の約8倍〜24倍である。任意に、前記遷移の長さは、所望の湾曲の約4倍〜40倍である。
【0053】
図11Bは、ガイド280と同一の機能を達成するために、ガイド290が、基板50に同一の湾曲を与えるように配向された、複数の個々の要素292を含む本発明の更に別の実施形態を示している。制限しない1例として、前記個々の要素292は、ローラー、ベアリング、ドラム、又は固定ローラーであってよい。基板50の誘導には、他の回転可能な固定された、又は他の形状の個々の要素を用いることができる。基板50の所望の形状を達成するために、前記ガイドは、一連の滑らかな表面、角度付けされた表面、丸い表面など、又はそれらの組み合わせを有する任意のものであってよい。この場合も、図11A及び11B中の要素の任意の表面は、表面281について記載したように、被覆されるか、低摩擦物質により形成されることができる。
【0054】
次いで図12A〜12Cを参照するが、本明細書におけるガイドはさまざまな異なる形状を提供するように構成し得ることが理解されるべきである。図12Aは、基板50が、角度を持つが実質的に真っ直ぐな、上向きに延伸した端部293を持ち得ることを示している。図12Bは、基板50が、垂直であるが実質的に真っ直ぐな、上向きに延伸した端部295を持ち得ることを示している。図12Cは、基板50が、複数の屈曲を持つ、上向きの延伸した端部297を持ち得ることを示している。基板50に所望の断面プロファイルを生成させるため、真っ直ぐな、又は屈曲された区域の他の形状を、任意の順序で組み合わせ得ることが理解されるべきである。基板50の上向きに延伸する部分は、基板50の上に流体を収容、又は拘束するために十分なものである限り、任意の角度であってよい。限定はされないが、上向きに屈曲している部分の量(各々の側で)は、例えば、この実施形態での最小値である少なくとも1mmのウエブ幅の、1%〜7%などのように、基板のウエブを横切る幅に対するパーセンテージで記述可能であることが理解されるべきである。任意に、これは、本実施形態での最小値である、少なくとも2mmのウエブ幅の2%〜6%の間であってよい。任意に、これは、本実施形態での最小値である、少なくとも3mmのウエブ幅の3%〜6%の間であってよい。
【0055】
図13は、湾曲した端部53及び55を持つ、湾曲形状を獲得するために、ガイド280、及び282が基板50を狭めるように配置され得ることを示している。形状が逆であり、湾曲部分53、及び55を徐々に平面化し、基板50を実質的に平面形状に戻すことを除いては、ガイド284、及び286は、ガイド280、及び282に類似している。
制限しない1例として、基板50の実質的な部分に、歪みや損傷を引き起こす実質的に永続的な変形を起こさない様式で、湾曲、及び平面化が生じることが望ましい。
【0056】
図13は、更に、基板50の端部が湾曲部分53及び55を持つように設定されたときに、基板50の幅283が平面状のときの基板50の幅285よりも小さいことも示している。基板50の動きは矢印294で示された方向に向かう。
【0057】
図14は、基板50を徐々に湾曲させるために、1つ以上のガイドの縦列を用い得ることを示している。本発明のこの実施形態では、ガイド280、及び282が含まれる。加えて、基板50を更に湾曲させるために、2番目のセットであるガイド300、及び302が含まれる。これは、矢印304で示されるものに、幅を減少させる。図14は、更に複数のガイド306、308、284、及び286が、基板50の選択された部分を、平面化し、伸ばし、及び/又は湾曲を無くすために用いられることを示している。
【0058】
図15を参照し、本発明に従う蒸着システム320の1実施形態が示される。蒸着システム320は、蒸着区域322、加熱区域324、清掃区域326、及び乾燥区域328を含む。ベルト・システム330は、基板50を加熱区域324を通じて輸送する。蒸着区域322は、非加熱区域の中に配置され得る。任意に、それは加熱された領域324の中に含まれることができる。
【0059】
図15は、この実施形態では、エアー・ナイフ又は他の気体源340を、基板50の表面の汚れを落とすのに用い得ることを示している。エアー・ナイフ、又は清掃機構340は、流体が基板50上に蒸着される前に、基板50の冷却、又は温度の制御にも用い得る。ベルト・システム330が、加熱区域324からいくばくかの熱を運び込む可能性があるため、これは特に有用である。任意に、他の実施形態では、このベルト・システム330は、システム330が主に加熱区域324に収納され、その上への流体の蒸着に先立ち、基板50が加熱されることのないように、蒸着区域322内には延伸しないように寸法付けられることができる。1例として、基板50は、低摩擦表面上を移送され、蒸着区域322内で自由拡張(free span)され、別のコンベア・システムで輸送されるか、又はさもなければ蒸着区域322を通じて輸送される。他の区域ではコンベアにより輸送される一方で、一部は、コンベア・システムの無い処理システム区域を持つことができる。いくつかの実施形態は、全くコンベアを持たない。いくつかのシステムは、基板が底面上に横たわるか、底面に従って引かれているときに、基板を上向きに湾曲、又は屈曲させるための、所定の断面を持つ該底面を有する、コンベアによらないシステムを有する。
【0060】
本実施形態では、蒸着区域322内で用いられる蒸着用組み立て品350は、さまざまな溶液蒸着用装置であってよい。限定はされないが、湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト・プリンティング、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクログラビア印刷、裏刷ミクログラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着、超音波スプレー蒸着などと同様に、上記の組み合わせ及び/又は関連技術などを含む、さまざまな溶液蒸着技術の任意のものにより、流体が蒸着できることが理解されるべきである。1実施形態では、限定はされないが、蒸着用組み立て品350内に、マサチューセッツ州ハーバーヒル(Haverhill)のウルトラソニック・システム社(Ultrasonic Systems, Inc)から入手可能な、プリズム・ウルトラ−コート(Prism Ultra−Coat)システムなどの超音波スプレー・システムを用い得る。いくつかの実施形態は、1つ以上の
流体蒸着区域を用い得る。それらは、同一、又は異なる蒸着技術を用いてよい。いくつかの実施形態は、同一蒸着区域内で、1つ以上の蒸着技術を組み合わせることができる。流体は基板50と実質的に同じ温度で蒸着できることも理解されるべきである。任意に、他の実施形態では、流体は基板50よりも低温であることも、基板50よりも高温であることもできる。いくつかの実施形態は、室温よりも流体が高温になるように流体を加熱できる。いくつかの実施形態は、流体の蒸着に先立って、冷却用のため、及び/又は清掃のために、エアー・ナイフを用い得る。
【0061】
制限しない1例として、加熱区域324は、さまざまな加熱技術を用い得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、対流加熱、赤外(IR)加熱、又は電磁気加熱を用い得る。いくつかの実施形態は、上部が処理温度にある一方、下部をより低い温度に保つために、基板50の底面に冷却されたローラー、又は表面(図示されていない)を用いることができる。図15に見られるように、加熱区域324には1つ以上の分離された区域が存在できる。これは、処理中に異なる温度プロファイルを可能とする。1実施形態では、加熱素子は、加熱区域内の全成分を同じ温度に加熱するように配置され得る。これは、基板上の覆い、マッフル、又は加熱用の囲いの中で用いられる他の素子を含む。この場合でも、加熱は対流加熱、赤外(IR)加熱、又は電磁気加熱により生成することができる。
【0062】
引き続き図15を参照するが、基板50が加熱区域324を通過後に、加熱区域324の後の、基板50の後処理を行うために、清掃用区域326は、洗浄、吹き付け、すすぎ、吸引、冷却、成形、加熱、及び/又は他の組み立て品の組み合わせを用い得る。本実施形態では水噴霧器360が、エアー・ナイフ362と共に用いられる。2番目の水噴霧器364が、2番目のエアー・ナイフ366と共に用いられる。この組み合わせは、基板50が加熱区域324を離れたときに、いかなる未反応の過剰の流体をも除去するように設計されている。洗い落とされる流体及び廃液は、1つ以上の廃液容器370、及び372により収集される。廃液容器370は、廃液容器372よりも、より濃縮された廃液を収容するため、主要な廃液容器とみなされる。いくつかの実施形態では、容器370、又は372からの流体は、再びシステム内で使用するためにタンク373内で再生できることが理解されるべきである。1つの制限しない例では、使用済み溶液は冷却され、溶液容器373内に充填され、蒸着チャンバーに向けられる。
【0063】
粒子の除去、冷却、混合などを目的として、戻しライン325のフィルター、供給ライン327の複数のフィルター(示されていない)、又はタンク373との流体連通内のフィルターなどの、溶液容器22内の溶液を循環させるために追加的な構成部品が存在できる。冷却コイルを持つ冷却ループが、溶液容器373内に存在できる。溶液容器373内の浴の温度を低下させるために、冷却液は冷却コイルを通じて循環できる。溶液容器373内の溶液温度は、5〜40℃、好適には15〜20℃の範囲であってよい。事実上、蒸着区域は、CdSにより被覆されるべき構造物のみが加熱されている冷却壁反応器となる。
【0064】
図15は、本発明の本実施形態では、清掃用区域326内を通過後に基板50が乾燥されることも示している。乾燥区域328は基板50の上に配置され、基板50上の物質を硬化させる。1実施形態では、前記乾燥区域328は、基板上に残っている可能性のある湿気を除去するために、複数の紫外硬化ランプを使用する。任意に、本発明の別の実施形態では、残余の湿気を基板50から除去するために、加熱された気体を基板50上に循環させることができる。いくつかの実施形態は、限定はされないが、窒素などの加熱された不活性気体を循環させることができる。任意に、いくつかの実施形態は、乾燥区域328に引き込まれる、加熱された大気を単に循環させることができる。
【0065】
基板50が蒸着システム320を通じて通過する経路に沿って、さまざまなセンサーを取り付けることができることも理解されるべきである。非限定的な例として、これは被覆された基板の厚さを検知するために配置される厚みセンサー380を含む。任意に、他の実施形態は、被覆された基板50の欠陥を検知するための、任意的なセンサーを用いることができる。図15は、処理中に生成される可能性のある廃ガスを排出するために、基板50経路に沿って排気口390、392、及び394が更に配置されていることを示している。センサーは、更に任意に、表面及び/又は被覆の厚みを通り抜ける化学成分を検出するためにも存在できる。いくつかの実施形態は、任意の、空間的な不均一性を(逸脱のみではなく標準的均一性についても)評価するセンサーシステムを有することができる。
【0066】
いくつかの実施形態は、複数の加熱区域324を有し得ることも理解されるべきである。いくつかの実施形態は、交互に並ぶ区域322、及び324を有することができる。前記区域は、図6に示されるような、さまざまな順序で組み合わされ得る。清掃区域326は、1つ以上の加熱区域324の後に含まれることができる。
【0067】
次いで、図16を参照して、本発明の別の実施形態について記載する。図16の蒸着システム400は、ある意味では、図15に示されるシステム320と類似である。制限しない1例として、前記加熱区域324は、付加的な対流チャンバーをその中に含む。排気口394は、それ自身のチャンバー410に連結されている。蒸着システム400は、加熱室の上流に配置された基板ガイド、又は輪郭形成(contour)装置420を含む。この基板輪郭形成装置420は、基板50の上に流体を保持する領域が画成されるように基板50の端部を成形する。2番目の基板輪郭形成装置430は、基板50を実質的に平面状形状に戻すために、基板50の端部を真っ直ぐにする。蒸着システム400内の1つの異なった領域は、清掃用区域326を含む。システム400内のこの清掃用区域326は、加熱区域324を通した処理後に、基板50から過剰の流体を除去するための吸引要素440を含む。この吸引要素440は、システム320のものと類似の、洗浄及び吹きつけシステムに先立ち、基板50から除去される流体に更なる制御を提供する。
【0068】
本明細書のいかなる実施形態も、対流システムから基板50への熱伝達を改善する複数のフィン、又は他の熱伝導改善用形状、若しくは性質を有する熱伝導性の覆いプレート(複数の覆いプレート)351を、任意に備える得ることが理解されるべきである。前記プレート351は、限定はされないが、スチール、アルミニウム、チタニウムなどの熱伝導性物質から形成され得る。基板への熱伝導を改善するために、インラインの加熱素子353が、基板の下部及び/又は上部に任意に含まれ得る。それらは覆いプレート351に一体化されることもでき、又は別の分離された素子であることもできる。いくつかの実施形態は、コンベア・ベルトを使用しなくても移動できる自由拡張型(free−spanning)基板50を用いる。
【0069】
図17は、浴式の蒸着システム500が、移動密閉体502、及び504と共に用いられる、更なる実施形態を示している。図24〜28により明確に示されるように、前記移動密閉体502、及び504は、基板50の側面、上面及び/又は底面を覆うことができる。システム500を通る基板50の経路は、下流のウエブ、又は上流のウエブに液体をこぼすことなく、システム500内に浴を生成させるために低くされる。この場合にも任意の溶液蒸着技術を用い得る。限定はされないが、湿式コーティング、スプレー・コーティング、スピン・コーティング、ドクター・ブレード・コーティング、コンタクト・プリンティング、トップ・フィード裏刷、ボトム・フィード裏刷、ノズル・フィード裏刷、グラビア印刷、ミクログラビア印刷、裏刷ミクログラビア印刷、コンマ印刷染色法、ローラー・コーティング、スロット・ダイ・コーティング、メイヤー・バー・コーティング、リップ印刷染色法、デュアル・リップ印刷染色法、キャピラリー・コーティング、インクジェット印刷、ジェット蒸着、スプレー蒸着、超音波スプレー蒸着などと同様に、上記の組
み合わせ、及び/又は関連技術などを含む、さまざまな溶液に基づく被覆技術が、液体の塗布に用いられることができる。基板50の表面は、グリセリンなどの湿潤剤を溶液に加えることで修飾できる。前記液体は、前述の物質を含む分散物又はインクであってよい。表面張力に応じ、前記液体の基板への塗布は、任意に上下を反対にして遂行し得る。蒸着が起きた後に及び/又は同時にウエブの加熱が起きることができる。任意に、前記溶液自身が、基板の温度よりも高い温度に加熱されることができる。
【0070】
次いで図18を参照するが、示されているように、この実施形態は、基板50が、第IIB−VIA族物質を主成分とする溶液の浴550の中を、通過させられ得ることを示している。ローラー552は、基板50の被覆された表面554が接触しないように配置されている。代替的に、いくつかの実施形態は、ローラー554が被覆された表面に接触可能なようにすることができる。図18は、この実施形態が、容器の表面の周囲で液体を移動させ続けるために、任意に撹拌機を含むことができることを示している。図18は、浴内での流体の流れを生成させるために、更にタンク570も含まれ得ることを示している。浴550をタンク570に連通させるために、導管572、及び574を用い得る。
【0071】
次いで図19を参照し、本発明の更に別の実施形態を記載する。図19は、浴582をその内部に含む、成形された容器580を示す。それらの清掃されるべき表面への蒸着を許容するため、成形された容器580の側面に沿って、移動可能な表面584、及び/又は586(点線で示される)が存在できる。任意に、いくつかの実施形態は、通常の壁面を有することができるが、その上に形成された堆積を除去するために容器580は頻繁に清掃される。いくつかの実施形態では、容器570上への堆積を最小化するために、容器570の中での、より具体的には容器570の壁面に沿った、一定の流体の流れを許容するために、タンク570に類似したタンクを取り付けることができる。図18と同様に、ローラー588は、基板50の被覆された面に接触しないように構成され得る。成形された容器は、流体が漏れることも防止する。浴582内部を所望の処理温度に加熱するために、加熱素子が浴の中、又は容器580の外部に含まれ得る。いくつかの実施形態は、浴582の全域で同一温度を有し得る。任意に、他の実施形態は、異なる温度を持つことのできる、異なる流体区域を分離するためのバリア589を浴内に含む、異なる加熱区域を有し得る。これらの実施形態は、既に記載した基板端部の湾曲技術を用いても、用いなくてもよい。
【0072】
図20は、付加的な材料600が基板50の端部と連結される、更なる実施形態を示している。このことは、材料600が、その上に浴が画成されることを可能にする曲線部を画成することを可能にする。この材料600は、使い捨てできる物質、又は再使用可能な物質であってよい。このことは、基板50上の被覆が、湾曲によりひっかかれることや、損傷される危険性を最小化する。前記材料600は、限定はされないが、テフロン(登録商標)、ポリマー、シリコン、又は他の物質などのさまざまな物質を含むことができる。前記材料600は、基板50と接着剤、又は加熱により結合され得る。
【0073】
図21に示されるように、前記材料600は、基板50の背面の全長を覆い、基板50の端部を越えて延伸するシートの形態であってよい。このことは、基板50が複数の、予め形成され分離しているか、又は予め切断された剛体の基板であり、及び材料600が基板上に流体を保持する区域を画成するための、カーブを許容する曲げやすい物質であるときに特に有用であり得る。この材料600は、予め形成され分離しているか、又は予め切断された基板が、その上に配置される担体となり得る。次いで、この担体は、予め形成され分離しているか、又は予め切断された基板を1つの処理ステーション(又は複数の処理ステーション)を通じて運搬する。いくつかの実施形態では、別個の湾曲させるための器具が、この材料600を平面形状から上向きに尖った端部を持つ形状に変形させることが必要ないように、材料600の端部は上向きに湾曲した形状を持つように予め成形されて
いる。
【0074】
図22は、全長にわたる背面シートである材料600の代わりに、基板50を物質の細長い片602、及び604と共に使用する、本発明の別の実施形態を示している。この物質602、及び604は、材料600に用いられるものと類似であってよい。材料602、及び604は、上向きに延伸する部分が形成され、その中に浴が収容されることを可能とするほどに十分柔軟であり得る。材料602、及び604が、所望の処理効率、又は形状を得られるように、より積極的に取り扱われることが可能なように、この端部の物質は任意に使い捨てであってよい。同じことが、使い捨てであることが指定されている場合の、実施形態中の材料600についても言える。
【0075】
次いで図23Aを参照するが、いくつかの実施形態は、基板50の背面に取り付けられた個別の層610を用い得ることが理解されるべきである。このことは、基板50の背面の保護を提供し、背面を冷却する熱質量として作用する、接合パートナー物質の背面での望まれない形成を防止し、又は湾曲、若しくは平面化する間の背面の保護もできる。この背面物質は、永続的に基板50に取り付けられるか、又は取り外せる使い捨ての物質であってよい。いくつかの実施形態では、処理中に溶解して除かれる物質を有することができる。
【0076】
図23Bは、2つの基板50、及び51が一体化され得ることを示している。1つの基板の両側の被覆、又はさもなければ処理は、価値のある反応剤の浪費をもたらすか、又は所望しない被覆の除去などの余分な処理をもたらす可能性がある。かかる無駄、又は望ましくない処理を避けるために、実質的に2つの前面、及び所望しない処理から保護された背面を有する二重基板を形成するために、2つの基板の「背面と背面」を貼り付けることができる。任意に、この基板は、処理後に互いを分離できるような方式で張り合わされる。1例としてこの基板は、1つ、又は両方の基板の背面に塗布された低強度の接着剤、若しくは静電フィルムにより貼り付け得る。代替的に、処理中に反応剤が背面に達することができないように、2つの基板が一緒になる端部は、例えばテープにより密閉される。次いでこの二重基板50、及び51は、浴中に導入され、両方の前面が処理され、一方背面は処理されないように被覆されることができる。この様式による基板の処理は、反応剤の無駄を削減し、1回に処理可能な基板の面積を増大させることができる。基板は直接一体化されることも、その間に接着層612を持つこともできる。
【0077】
図24〜28は、基板50上への浴の形成を可能とする、基板50、又は基板50と使い捨ての端部物質と共に用い得る、端部の密閉のさまざまな型のいくつかを示している。図24は、密閉物質620を、滑動可能、又は固定的に基板50の端部の上面622に取り付け得ることを示している。図25は密閉物質624を滑動可能、又は固定的に基板50の端部の上面626に取り付け得ることを示している。
【0078】
図26は、基板50の側面626及び/又は底面632に対向して形成された、成形された密閉体630を示している。密閉体630は、滑動可能、又は固定的に基板50に取り付けられる。図27は、成形された密閉体640を、基板50の側面626、及び/又は上面622に対向して形成し得ることを示している。密閉体640は、滑動可能、又は固定的に基板50に取り付けられる。図28は、密閉体650を基板50の側面626、及び/又は上面622、及び/又は底面632に対向して形成し得ることを示している。密閉体640は、滑動可能、又は固定的に基板50のさまざまな表面に取り付けられる。任意に、この表面、又は基板50に係合する成形された密閉体650の表面は、ある角度に曲げられることができ、それらが係合する表面に対して平行である必要はない。より緊密な係合が望まれる場合には、これは締め付けられた接触を作り出すことができる。
【0079】
次いで図29を参照し、本発明の更に別の実施形態について記載する。図29は、接合パートナー層形成のために、処理されつつある基板50の鳥瞰図である。この実施形態は、流体を基板50上に向かわせる、単独の流体蒸着源700を有する。この蒸着源700は、流体を下流に向かわせるように配向され得る。これは図3に示されるように、蒸着システムのわずかな角度の結果であることができ、流体が上流に流れてしまい、流体が囲われていない領域において基板50の脇から流れ落ちることを防ぐことを助ける。この流体蒸着源700は、より均一に流体が基板50上に分配されるように、蒸着の方向が一連の角度702の間を往復する性質を持つように設計することもできる。
【0080】
図29は、1つ以上の回転撹拌要素710、及び712が本発明に含まれ得ることも示している。この撹拌要素710、及び712は、互いに同一、又は異なる大きさであってよい。基板50を覆う流体の浴を通じて、気体、又は空気の流れを発生させるために配置されることができる。これは、より均一に基板50に熱を分布させるために、対流、又は流れを生成するために有用である。任意に、この撹拌要素710、及び712は、完全に、又は少なくとも部分的に、基板50上の流体を撹拌する。これらは、同一、又は異なる方向に回転するように構成され得る。その他、非回転装置も流体の流れ、又は気体の流れを生成するために用い得る。
【0081】
図30は、基板50の長さ、及び/又は幅に沿った位置に配置された、2つ以上の流体蒸着用組み立て品720、及び722が存在する、更なる実施形態を示している。このことは、基板50上の流体の、所望される均一な分布を達成させ得る。いくつかの実施形態は、2つ以上の流体蒸着用組み立て品を有することができる。1つ以上の流体蒸着用組み立て品720、及び722は、図30の実施形態に示されるものと同様に、異なる角度702にわたって移動可能である。いずれの本明細書の実施形態についても、基板50上への蒸着に先立ち、蒸着組み立て品の上流で、流体を混合するために静的又は活性なミキサーが用いられることができる。
【0082】
次いで図31を参照し、本発明の更なる態様を記載する。図31は、コンベア・ベルト730と、その上にある基板50の吸引を許容する、コンベア・ベルトの中の真空孔732を示している。これは、背面を擦過することなく基板50の運搬を促進するために、有用である。ベルト内の真空孔732は、真空源734の手段により吸引される。コンベア・ベルト730は、基板50と同一か、ほぼ同一の幅を持つように寸法付けされることができる。これは、任意に、基板50よりも広いことができる。任意に、より幅の狭いベルト730も用い得る。さまざまな戦略的配置において基板50を吸引するために、より薄いベルト730を用い得る。いくつかの実施形態は、基板50の端部に所望の輪郭を提供するために、成形されたコンベアを用い得る。かかる成形されたコンベアは、コンベアで運搬されつつある基板50の輪郭の維持を支援できる、リップ733(点線で示される)を有する。いくつかの実施形態では、前記コンベアは、限定はされないが、チタニウムやステンレススチールの金属ベルトなどの、熱伝導性物質で形成され得る。コンベアは、任意に、ポリマー又は熱的絶縁物質で形成され得る。
【0083】
図32に示されるように、任意に、いくつかの大変低い摩擦の輸送表面では、ベルト上の真空孔を用いる代わりに、真空孔が任意に低摩擦表面738上に形成されることができる。1実施形態では、前記低摩擦表面はTeflon(商標)表面であってよい。任意に、それは静止摩擦係数が約0.12〜約0.20の間である表面であってよい。任意に、それは静止摩擦係数が約0.10〜約0.30の間である表面であってよい。このことは、基板が運送表面を横切って引っ張られるときに、平坦に保持されことを可能にする。基板50は、処理後にいくらか平坦ではないために、このことは特に有用である。
【0084】
次いで図33を参照し、本発明の更なる態様について記載する。窪んだ領域に浴が形成
されることを許容し、上流か下流のいずれかにおいて、処理流体の損失を最小化するために、基板50が窪んでいる経路に沿って搬送され得ることを示している。経路のこの窪み740は、基板50をより低い進路に向けるためのローラー、又は他のウエブ誘導装置の使用により獲得される。基板50は、この低い水準にとどまって、次いで垂直に上昇するか、又はより低い進路から一定の角度で上昇できる。
【0085】
本発明が、いくつかの特定の実施形態を参照して記載され、図示されてきたが、当業者は本発明の精神と範囲を逸脱することなく、さまざまな適応、変化、修飾、置換、削除、又は操作手段、若しくは手続きの付加が可能であることを理解するであろう。例えば、上記の任意の実施形態において、スーパーストレート(superstrate)、又は基板の設計と共に用い得るように、本発明を適応させることが可能である。本発明の工具設計は、ウエブの形態、又はガラス・シートなどの大きなシートの形態であってよい基板の、連続的なインライン処理に使用し得る。基板は、その上に化合物膜形成のために反応させる前駆体層を含む、連続的ウエブ、又は金属のシート、又は絶縁材であることができる。本発明は、接合パートナー物質の蒸着にのみ限定されない。制限しない例として、本発明は、光起電性吸収層のための前駆体物質の蒸着に用いることができる。本発明は、任意に、電池、又はモジュール上の反射防止膜、かかるモジュール、又は装置の防湿層、カプセル材料物質、接着物質、導電物質、絶縁物質、及び/又は半導体物質として用いられる物質、又はその前駆体物質の蒸着に用いることができる。
【0086】
本明細書のいずれの実施形態でも、前記基板は、連続的なロール・ツー・ロールのプロセスでの使用に適した、細長い物質で有り得る。任意に、前駆体層を含む個々の、又は予め切断された基板がその上に設置される、担体が存在できる。この担体は、次いでこれらの個々の、又は予め切断された基板を、処理ステーション(又は複数の処理ステーション)を通じて運搬する。この担体は、個々の、予め切断された、又は個別の基板と同一、又は異なる物質であってよい。この担体は、個々の、又は予め切断された基板を浸漬するための、十分な流体を保持する区域をその上に形成するために、成形することのできる十分な柔軟性を有する。これらのいかなる実施形態においても、基板は同一又は異なる速度で、又は任意に逐次的な停止、及び進行の段階により、連続的に移動させることができる。
【0087】
より厚いCdSを同一表面に蒸着するためか、又は循環的、若しくは連続的な様式で蒸着区域に導入された、新しい構造物の表面にCdSを蒸着するために、加熱工程、及び冷却工程は繰り返されることができる。任意に、いくつかの実施形態は、使用済み溶液を収集する溶液容器、及び蒸着区域の間で、溶液の連続的な再生利用を用いることができるが、蒸着区域、及び溶液容器の間での、溶液の間歇的な流れも利用できる。いったん溶液が再循環溶液容器に入ると、反応により低減した組成、及び成分が分析され、それらを溶液に加えることができる。かかる成分としては、限定はされないが、水、アンモニア、カドミウム塩、イオウ源、錯化剤などが挙げられる。この方式で溶液組成を管理することにより、基礎溶液を置換することなく、より多くの構造物のCdSによる被覆に、同じ溶液を用いることができる。このことは、無駄を削減し、従って処理のコストを削減する。基礎溶液は、その不純物濃度が、蒸着されたCdS膜の性質に影響する水準に達したときに、時々新鮮なもので置き換えられることができる。溶液からの粒子の除去は、溶液の遠心分離を含む、さまざまなアプローチを用いるろ過を通じて達成され得る。従って除去されたCdS粒子は、その後に再使用され処理のためのCd源を生成する。
【0088】
本発明での使用に適した接合パートナーの種類に関しては、さまざまな化学的組成物が太陽電池構造において評価されている。CdS、ZnS、Zn−S−OH、Zn−S−O−OH、ZnO、Zn−Mg−O、Cd−Zn−S、ZnSe、In−Se、In−Ga−Se、In−S、In−Ga−S、In−O−OH、In−S−O、In−S-OHな
どは、可能な物質の非制限的ないくつかの例である。かかる層は、約5〜200nmの厚
さの範囲であることができ、エバポレーション、スパッタリング、原子層蒸着(ALD)、電気蒸着及び化学浴蒸着(CBD)などのさまざまな技術により蒸着されることができる。
【0089】
1例では、硫化カドミウム(CdS)層を成長させるのに適切な溶液は、カドミウム(Cd)種(塩化カドミウム、硫酸カドミウム、酢酸カドミウムなどのカドミウム塩源からの)、イオウ(S)種(チオ尿素などのS源からの)、及びカドミウムとイオウ種の間の反応速度を制御する錯化剤(アンモニア、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノールアミン(DEA)、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)など)を含む化学浴を使用する。1例では、1〜50mLの水に、塩化カドミウム、硫酸カドミウム、酢酸カドミウムなどの1Mカドミウム塩溶液を混合し、錯化剤として1〜50mlの14.53M水酸化アンモニウム溶液、及びイオウ溶液として1〜50mlの1Mチオ尿素を混合して、蒸着浴が形成され得る。1〜20mlの範囲の量の0.5Mトリエタノールアミン(TEA)などの、別の錯化剤溶液も加えることもできる。典型的な浴は(容積により)、5〜15%カドミウム溶液、5〜15%錯化剤(水酸化アンモニウム)、5〜15%イオウ源溶液(チオ尿素)、及び任意に5〜10%の追加的な錯化剤溶液(TEA)を含み、残りは溶媒、即ち水である。
【0090】
更に、当業者は、本発明のいかなる実施形態も、ほとんど全ての型の太陽電池材料及び/又は構造に応用できることを認識するであろう。例えば、太陽電池10の吸収層は、シリコン、無定形シリコン、有機オリゴマー、又はポリマー(有機太陽電池)、二層、又は相互貫入層、又は無機、及び有機物質(ハイブリッド有機/無機太陽電池)、液体、又はゲルに基づく電解質中の色素増感チタニアのナノ粒子(集光性増大のため膜を増感するために、電荷移動色素の単層により被覆されている数nmのサイズの酸化チタン粒子を含む、光学的に透明な膜を用いるグレッツェル(Graetzel)セル)、銅−インジウム−ガリウム−セレン(CIGS太陽電池)、CdSe、CdTe、Cu(In、Ga)(S、Se)、Cu(In、Ga、Al)(S、Se、Te)、他の吸収剤材料、IB−IIB−IVA−VIA吸収剤太陽電池、他の薄膜太陽電池、及び/又は上記の組み合わせなどの活性物質が、限定はされないが、バルク物質、ミクロ粒子、ナノ粒子、又は量子ドットなどを含む、任意の数種類の形態で存在する吸収層であってよい。前記CIGS電池は、真空、又は非真空プロセスにより形成され得る。このプロセスは、1段階、2段階、又は多段階のCIGS処理技術であってよい。更に、他の可能な吸収層は、無定形シリコン(ドープの有無に関わらない)、微細孔が有機半導体物質で充填された、無機多孔性半導体テンプレートを有するナノ構造層(例えば参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開US2005−0121068 A1号を参照のこと)、ポリマー/混合セル構造、有機色素、及び/又はC60分子類、及び/又は他の小分子、微細結晶シリコンセル構造、ランダムに配置されたナノロッド、及び/又は有機マトリックスに分散された無機物質のテトラポッド、量子ドットに基づくセル、又は上記の組み合わせに基づくことができる。これらのタイプのセルの多くが、柔軟な基板上に形成され得る。
【0091】
更に、本明細書では、濃度、量、および他の数的データは範囲の形式で示すことができる。当然ながら、かかる範囲の形式は、単に便宜と簡潔さのために用いられ、その数値は単に範囲の限界の明示的な列挙を含むのみではなく、更に全ての個別の数値、又は前記範囲に包含される部分的範囲を含み、あたかも各数値が明示的に列挙されているかのように、柔軟に解釈されるべきであることが理解されるべきである。例えば「約1nmから約200nmのサイズ範囲」という表現は、単に約1nmと約200nmという限界のみが明示的に示されるとのみ解釈されるべきではなく、更に個別のサイズである、2nm、3nm、4nmなど、及び部分範囲である10nmから50nm、20nmから100nm、などなども含まれると解釈すべきである。
【0092】
本明細書で議論し、又は引用した刊行物は、もっぱら本願の出願日前の開示のために与えられたものである。本願発明が、先の発明により、そのような刊行物よりも前に予期できたものではないことを認めるものとして解釈されるべきではない。更に、与えられた刊行物の日付は、各々に確認される必要がある実際の公表日とは異なっている場合がある。刊行物が引用されているものに関連する構造、及び/方法について開示、及び記載するために、本明細書で言及した刊行物はすべて参照により本明細書に包含される。例えば、2008年9月2日に出願された米国特許出願第12/203,117号明細書は、参照により、全ての目的において、その全体が本明細書に組み込まれる。
【0093】
上記のものは本発明の好ましい実施形態を十分に説明するものであるが、様々な代替物、改良物、及び等価物を使用することが可能である。従って、本発明の範囲は上記の説明に関して決定されるべきではなく、添付の特許請求の範囲と、その等価物の十分な範囲を加えて決定されるべきである。好むと好まざるとに関わらず、いかなる特徴も他のいかなる特徴とも組み合わせることができる。特許請求の範囲において、不定冠詞「1つの(AまたはAn)」は、別途明示的に指定されていない限り、該不定冠詞に続くものについて1以上の量を意味する。特許請求の範囲は、「〜のための手段」という語句を使用してある請求項において明示的に制限が与えられていない限り、手段+機能の制限を含んでいると解釈されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶液、及び基板を用いる蒸着システム
【請求項2】
請求項1に記載の溶液蒸着装置であって:
少なくとも1つの加熱室;
基板上に溶液を保持する、少なくとも1つの組み立て品;及び
基板の少なくとも1つの端部を湾曲させ、多量の溶液を基板上に収容できる区域を画成するために基板を湾曲させるための装置を含む、請求項1に記載の蒸着システム。
【請求項3】
前記組み立て品が基板の少なくとも2つの端部を湾曲させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記基板上の溶液を保持するための組み立て品が、少なくとも約0.5μm〜10mmの深さを許容する、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記基板上の溶液を収納するための組み立て品が、少なくとも約1mm〜約5mmの深さを許容する、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
前記湾曲させるための組み立て品が、基板の互いに対向する端部を湾曲させる、請求項2に記載のシステム。
【請求項7】
前記湾曲させるための組み立て品が、平面状の基板を、2つの端部に沿った湾曲を持つ基板に遷移させ、基板が湾曲していない時には、基板の永続的な変形が防止されるように、十分な距離にわたり遷移が起きるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記湾曲させるための組み立て品が、平面状の基板を、その基板の2つの端部に沿って、少なくとも4インチの距離にわたる湾曲を持つ基板に遷移させるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記湾曲させるための組み立て品が、平面状の基板を、その基板の2つの端部に沿って、少なくとも6インチの距離にわたる湾曲を持つ基板に遷移させるように構成される、請求項6に記載のシステム。
【請求項10】
前記湾曲させるための組み立て品が、湾曲の上部から溶液がこぼれることがないように、多量の溶液を収容するのに十分な高さを持つ湾曲を形成する、請求項6に記載のシステム。
【請求項11】
前記溶液を保持するための組み立て品が、基板の少なくとも2つの端部を直線化して、基板を実質的に平面状の形状に戻すための、直線化する器具を更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
前記湾曲させるための組み立て品がウエブ・ガイドを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
前記湾曲させるための組み立て品が成形されたウエブ・ガイドを含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項14】
前記溶液蒸着用の組み立て品が、基板上に溶液を蒸着させるためのスプレー蒸着システムを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項15】
前記溶液蒸着用の組み立て品が、基板上に溶液を蒸着させるための超音波スプレー蒸着システムを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項16】
前記基板が柔軟な材料を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項17】
前記基板が金属箔を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項18】
前記溶液が、第IB−IIIA−VIA族の吸収層のための接合パートナーを生成する前駆体を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項19】
前記溶液が、第IIB−VIA族の接合パートナー形成のための前駆体を含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項20】
前記溶液が、以下の群から選ばれる接合パートナーを形成する前駆体を含む、請求項2に記載のシステム:硫化カドミウム(CdS)、硫化亜鉛(ZnS)、水酸化亜鉛、セレン化亜鉛(ZnSe)。
【請求項21】
前記溶液が、以下の1つ以上の水溶液から得られるIIB族イオン種を含む、請求項2に記載のシステム:第IIB族の種の、硫酸塩、酢酸塩、臭化物、フッ化物、塩化物、ヨウ化物、水酸化物、硝酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、タングステン酸塩、又は水和物。
【請求項22】
前記溶液が、以下の1つ以上の水溶液から得られる第VIA族イオン種水溶液を含む、請求項2に記載のシステム:第VIA族の種の、酸化物、ハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩、又は尿酸塩。
【請求項23】
前記溶液が、約9〜約14のpHを有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項24】
前記溶液が、約11〜約12のpHを有する、請求項2に記載のシステム。
【請求項25】
前記の溶液を保持するための組み立て品が、少なくとも部分的に加熱室に収納される、請求項2に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図12C】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23A】
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【図23B】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【公表番号】特表2011−518942(P2011−518942A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530165(P2010−530165)
【出願日】平成20年10月17日(2008.10.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/080391
【国際公開番号】WO2009/075944
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(510109660)
【氏名又は名称原語表記】ROUSSILLON,Yann
【出願人】(510109671)
【氏名又は名称原語表記】UTTHACHOO,Piyaphant
【出願人】(510109682)
【氏名又は名称原語表記】GREEN,Geoff T.
【出願人】(510109693)
【氏名又は名称原語表記】SHELTON,Addison
【出願人】(510109707)
【氏名又は名称原語表記】SCHOLZ,Jeremy H.
【Fターム(参考)】