説明

改善された状態報告のための方法とデバイス

【課題】ACKとNACKを、応答としてそれらが送信されるデータセグメントに関して識別できるようにする。
【解決手段】トラフィックはデータユニットの形で送信され、各データユニットには識別子が付与され、データユニットはセグメントに分割する。受信側のトランシーバは、データユニットが正しく受信されたか、部分的に受信されたか、または、受信されなかったかについての状態情報を、送信側のトランシーバ、即ち、データを送信したトランシーバにデータフレームまたはデータユニットの形で送信する。データユニットが部分的に受信された、または受信されなかった場合には、その状態情報は、データユニットが受信されなかったか、または、部分的に受信されたかについての情報を含む。そして、1つ以上のデータユニットが部分的に受信された場合には、これらのデータユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セルラ通信システムの中で使用するための方法を開示する。このセルラ通信システムにおいては、第1のトランシーバと第2のトランシーバとの間でトラフィックを交換することができる。トラフィックは、データユニットの形で送信され、それぞれのデータユニットには識別子が付与され、いくつかのセグメントに分割することができる。受信トランシーバは、送信されたデータに関する状態情報を、送信トランシーバ、即ち、データを送信したトランシーバに、データフレームまたはデータユニットの形で送信することができる。
【背景技術】
【0002】
セルラ通信システムに対する3GPP LTEプロジェクト(第3世代パートナーシッププロジェクト 長期エボルーション)では、RLC(無線リンク制御)プロトコルが使用され、セルの中のユーザとセルの制御ノードとの間の通信を行う。この制御ノードは、所謂、eNodeB“発展型NodeB”と呼ばれる。
【0003】
RLCではトラフィックは所謂PDU(プロトコルデータユニット)として送信され、PDUは、与えられるシーケンス番号を付与されることによって識別される。受信パーティは、送信パーティからのPDUに応答して、所謂、ACKとNACKの内少なくともいずれかで、所謂RLC状態PDUを送信パーティに送信する。即ち、データが正しく受信されたことの確認応答(ACK)、或は、データが正しく受信されなかった、即ち、部分的に受信されたか或は全く受信されなかったことを示す情報(NACK)が送信される。RLC状態PDUにおけるACKおよびNACKは、問題となっているPDUを識別するために、PDUシーケンス番号として送信される。
【0004】
LTEシステムでは、RLC PDUはセグメントに分割することができ、その結果、シーケンス番号はPDUに固有なものであるから、同一のシーケンス番号を持つ2つ以上のPDUセグメントが生まれる。また、PDUをセグメントに分割する処理は、再セグメンテーションと呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
LTEでの再セグメンテーションのために、ACKまたはNACKが送信されたデータを識別するためには、シーケンス番号では十分ではないであろう。
【0006】
上記の説明から明らかになったように、3G LTEシステムにおいて、受信パーティから送信パーティに送信されるACKとNACKを、応答としてそれらが送信されるデータセグメントに関して識別できることにより解決する必要がある。
【0007】
さらに、問題となっている解決策によって扱われるべき別の必要は、可変の数のNACKを送信することが可能であるべきであるという点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この必要は本発明により扱われ、本発明では次の方法を開示する。即ち、セルラ通信システムにおいて使用する方法であって、そのシステムでは、第1のトランシーバと第2のトランシーバとの間でトラフィックが交換される。そのシステムのトラフィックは、データユニットの形で送信され、それぞれのデータユニットには識別子が付与される。データユニットは複数のセグメントに分割され、受信側のトランシーバは、送信側トランシーバ、即ち、データを送信したトランシーバに、データユニットを正しく受信したか、部分的に受信したか、または受信しなかったかについての状態情報をデータフレームまたはデータユニットの形で送信することができる。
【0009】
本発明の方法に従えば、1つ以上のデータユニットが部分的に受信された、または正しく受信されなかった場合には、その送信側のトランシーバに送信される状態情報は、データユニットは受信されなかったか、または部分的に受信されたかについての情報を含む。また、データユニットが部分的に受信された場合には、データユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報を含む。
【0010】
従って、本発明によって、受信側のトランシーバが、送信側のトランシーバに対して、データユニットの受信されなかった部分を明確に識別することが可能になる。その結果、送信側のトランシーバはそれらの部分を再送信することが可能になる。
【0011】
また、本発明により、受信されなかったデータの量の識別がある程度可能になる。これは、本発明によって扱われるべきもう1つの必要である。
【0012】
本発明の一実施例では、データユニットが受信されなかったか、または部分的に受信されたかについての情報は、前記データフレームまたはデータユニットの中のフラグとして含まれる。
【0013】
別の実施例では、データユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報は、受信されなかったデータの最初の部分と最後の部分を示す情報として、データフレームまたはデータユニットの中に含まれる。
【0014】
本発明をさらに別の側面から見ると、送信側のトランシーバからのデータフレームまたはデータユニットがセグメントに分割されていて、1つ以上の最後のセグメントが受信側のトランシーバに達していなかった場合、このことが受信側のトランシーバによって示される。
【0015】
本発明のさらなる実施例では、データユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報は、データユニットの識別子を指示する情報、また、前記データユニットの中の受信されなかったデータの始まりと受信されなかったデータの量についての情報として、データフレームまたはデータユニットの中に含まれる。
【0016】
本発明の種々の側面と利点については、下記に示す詳細な説明においてより詳細に説明する。
【0017】
本発明はまた、本発明のシステムにおいて使用するトランシーバを開示する。
【0018】
以下、本発明を添付図面を参照してより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明が適用されるシステムを示す図である。
【図2】、
【図3】、
【図4】、
【図5】、
【図6】本発明の種々の実施例を示す図である。
【図7】本発明の方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明のトランシーバのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は本発明が適用されるシステム100を示す。上述のように、本発明は主として、3GPP LTEの種類のシステムを意図している。3GPP LTEシステムは、しばしばLTEシステムとしても言及される第3世代パートナーシッププロジェクト 長期エボルーションシステムのことであるが、3GPPでは公式には、発展型UTRANまたはE−UTRANとして知られる。これらの名称は以下の説明では、交換可能なものとして使用されている。
【0021】
図1に示すように、LTEシステム100は、複数のセルと呼ばれるものを備え、その内の1つは図1では130で示されている。LTEシステムにおけるそれぞれのセルは、時には一般的にはUE(ユーザ機器)と呼ばれる多数のユーザを収容することができる。図1では、1つのUEは参照番号120で象徴的に示されている。
【0022】
図1の100で示されるシステムのようなLTEシステムはまた、それぞれのセルに対して、“eNodeB”(発展型NodeB)と呼ばれるノードを備える。セルのeNodeBの機能の1つは、セルの中で、ユーザへの、またはユーザからのトラフィックを制御することである。図1では、セル130に対するeNodeBとしてeNodeB110が示されている。
【0023】
eNodeBからUEへのトラフィックは、ダウンリンクトラフィック、または単にDLトラフィックと呼ばれ、UEからeNodeBへのトラフィックは、アップリンクトラフィック、または単にULトラフィックとして知られている。
【0024】
LTEシステムでは、セルの中のeNodeBとUEとの間の通信のために、RLCプロトコル(無線リンクプロトコル)が使用される。
【0025】
LTEシステムにおけるRLCに従えば、2つのトランシーバ(即ち、UEとUEのeNodeB)の間のトラフィックはPDU(プロトコルデータユニット)で送信される。RLCに従えば、各PDUにはシーケンス番号と呼ばれる識別子が割り当てられる。これにより、送信パーティと受信パーティはともにPDUを識別することができる。
【0026】
下記の説明では、データPDUはeNodeBによって、即ち、DLにおいて送信され、状態PDUはUEによって、即ち、ULにおいて送信されると仮定している。しかしながら、これは単に本発明に対する読者の理解を容易にすることを意図する例示であって、本発明は他の方向、即ち、ULにおけるデータPDU、およびDLにおける状態PDUにも等しくかつ十分に適用可能であることを指摘しておくべきである。ここでは、E−UTRANのRLCは、eNodeBによって構成設定される異なるモード、即ち、確認応答モード(AM)、非確認応答モード(UM)、および、トランスペアレントモード(TM)で動作できるということができる。状態PDUは現在のところAMの中でのみ使用される。
【0027】
eNodeB110が、データを含むPDU、即ち、所謂、データPDUをUE120に送信する場合には、UEは、所謂、状態PDU、即ち、eNodeBから送信されたデータPDUのデータ受信状態をeNodeBに示すPDUで返答することができる。
【0028】
eNodeBへの状態PDUにおいて、UEによって正しく受信されたデータユニットは、所謂、ACKメッセージまたはインジケータによりUEによって確認応答される。また、誤って受信された、即ち、部分的にのみ受信された、または全然受信されなかったデータユニットは、所謂、否定ACK即ちNACKによってUEによって指示される。データを発信したeNodeBが送信データに対する応答としてNACKを受信した場合には、eNodeBは、この情報が、通常は、ACKが受信されるまで再送信されなければならないことを知るであろう。DLデータトラフィックの場合には、このように、UEは、eNodeBからのデータPDUに応答して、ACKとNACKの内少なくともいずれかの状態を持つ状態PDUをeNodeBに送信するであろう。
【0029】
ACKは、どこまでのシーケンス番号までがPDUが正しく受信されたかについての情報を提供する。このことは、受信に成功したPDUの最大番号、或は、受信されなかったPDUの最初の番号を提供することにより行われる。
【0030】
E−UTRAN RLCでは、データPDUは再びセグメントに分割することができる。即ち、以前に生成したRLC PDUのペイロードは、再送信の時にセグメントに分割して、別々に送信することができる。
【0031】
LTEでは、RLC PDUセグメントは、元々のRLC PDUのシーケンス番号とともに、元々のRLC PDUの中でセグメントの始まりを示す、所謂、セグメンテーションオフセット(SO)によって識別されるべきであることが意図されている。ACKまたはNACKは、元々のRLC PDUのシーケンス番号の形式で送信される。しかし、再セグメンテーションが行われている可能性があるので、UEからのACKまたはNACKが参照するセグメントが、eNodeBでは、シーケンス番号によってでは一意的に識別することができない。さらに、セグメンテーションが何度も“発生”している、即ち、複数回の再セグメンテーションが行われている可能性があり、eNodeBはACK/NACKが言及しているのがどの発生であるのかを知らないという事実のために、SOによってでさえも一意的に識別することはできない。
【0032】
本発明が扱おうとしているのはこの課題、即ち、ACK/NACKが言及するRLC PDUの識別である。状態PDUに関してはいくつかの異なる場合が認識される。即ち、
a. ただ1つのACKがありNACKがない状態PDUの場合と、
b. 1つのACKと1つ以上のNACKがある状態PDUの場合で、
さらに次の2つの場合である
i. NACKの1つ以上が“セグメントのNACK”である場合と、
ii. NACKの全てがセグメントのNACKでない場合と
である。
【0033】
上記の“a”の場合を扱うために、本発明では、図2において参照番号200で示される状態PDUを提案する。図2に示すように、状態PDU200は、D/Cフィールド210を備える。D/Cフィールド210は、PDU200がデータPDUであるか制御PDUであるかを示す。理解されるであろうが、状態PDUは制御PDUである。
【0034】
さらに、状態PDU200はACKフィールド220を含む。そのACKは、ACKが参照するRLC PDUのシーケンス番号SNの形で提供される。また、状態PDU200はインジケータを備える。このインジケータは、例えば、図2において“E−ビット”230として示されているフラグまたはビットであり、状態PDU200においてNACKの有無を示すのに使用される。
【0035】
状態PDUにNACKが存在しない場合には、即ち、図2に示される場合には、所謂、“パディング”または“ダミービット”を使用して、状態PDU200の内容の適正な配列(アラインメント)を達成することができる。このような配列の1例は、所謂、“オクテット配列”であり、状態PDUがデータオクテットに分割される場合に使用されるアライメントである。パディングは図2では240として示されている。
【0036】
さて、上記の“b−i”で識別される場合、即ち、1つ以上のNACKがセグメントに分割されたデータユニットを参照する場合、言い換えると、NACKは、データユニットが部分的に受信されたことを示す場合に移り、本発明によって使用される概念を導入する。この概念は、ここでは、“セグメントオフセットペア”または“SOペア”と呼ぶ。これはデータペアで、その1つはNACKが参照するPDUの受信されなかった最初のデータオクテットを示すのに用いられ、その一方はNACKが参照するPDUの受信されなかった最後のデータオクテットを示すのに用いられる。ここで付け加えるべきは、LTE RLCではオクテットが使用されるので、本発明を例示するためにオクテットが用いられているが、データが他のサイズで送信される場合にも、当然のことながら本発明は使用できるという点である。
【0037】
上記の“b−i”の場合を扱うことができる状態PDUフォーマット300の1つの例を図3に示す。図2の状態PDUフォーマット200と同様に、状態PDUフォーマット300は、PDU300がデータPDUであるか制御PDUであるかを示すフィールドとACKフィールドとを備える。そのACKは、ACKが参照するRLC PDUのシーケンス番号SNの形で提供される。
【0038】
状態PDU300はインジケータを備える。このインジケータは、例えば、図3の“E−ビット”で示されるフラグまたはビットであり、状態PDU300におけるNACKの有無を示すために使用される。
【0039】
図3のように、1つ以上のNACKが含まれる場合には、それぞれのNACKの後には“E”ビットまたはフラグと“F”ビットまたはフラグが続く。ここで、Eビット/フラグは別のNACKが存在するか否かを示し、Fビット/フラグは特定のNACKに対してSOペアが含まれているか否かを示す。言い換えれば、Fビット/フラグは、NACKが参照するデータユニットはセグメントに分割されているか否かを示すためのものであると言うことができる。これはSOペアが使用される唯一の場合だからである。
【0040】
また、本発明は、1つの同じのPDUの中で(例えば)2つの部分が欠落しているが、1つの同じNACK SNが2回発生することがある場合でも、異なるSOペアであるので、それらが連続してはいない場合を扱うことができるという点も指摘することができる。
【0041】
図2の実施例と同様に、図3の状態PDU300のACKとNACKは、ACKまたはNACKが参照するRLC PDUのシーケンス番号SNの形式で提供される。このために、ACK/NACKはACK_SNまたはNACK_SNとして示されている。
【0042】
図3における状態PDUの最後のNACKの後には、“F”フラグ/ビットが設定されたNACKに対するSOペアが含まれる。従って、SO11とSO12で示されるSOペアは、NACK1_SNに“属し”、SO21とSO22で示されるSOペアは、NACK2_SNに“属する”。また、図3に示すように、オクテット配列を得るために、または他の同様の目的のために、図3の状態PDU300で“パッディング”PADが用いられても良い。
【0043】
SOペアの中に含まれる情報についての検討に戻ると、SOペアの中の最初のSOは、PDUの中の欠落した最初のデータオクテットを示し、ペアの中の最後のSOは、PDUの中の欠落した最後のデータオクテットを示す。
【0044】
なお、受信されたPDU、即ち、ACK/NACKが参照するPDUのデータが、オクテット以外のグループに構成されている場合においても、本発明は、当然のことながら、そのようなシステムに適用可能である。従って、SOペアは、上述したのと同様な方法で、NACKが参照するPDUにおけるデータの最初と最後を示すであろう。
【0045】
本発明の状態PDUは、例えば、D/Cフィールドの後に、例えば、STATUS PDU以外のRLC制御PDUが用いられる場合には、状態PDUの特性を示すフィールドによって拡張可能であることを付記しておくことができる。このフィールドは、図3に示される例に含まれ、“PDUタイプ”として示されている。同じ原理、即ち、PDUタイプは、図2に示す形態にも適用することができる。
【0046】
引き続き本発明の状態PDUについて言及すると、以下の点も指摘されなければならない。つまり、図2と図3に示される状態PDUのデータフィールドの順序は、適切な実施例における単なる例であって、本発明の状態PDUのデータフィールドは、例えば、オクテット配列を達成するため等の本発明の機能に影響を与えることなく、状態PDUの他の場所に移動することも可能である。1つの例として、ACKだけがあってNACKがない場合には、即ち、図2に示す実施例では、状態PDU200は、D/Cフィールドで始まり、それに続いてEビット、さらに続いてパディング、そして最後に、そのシーケンス番号を持つACKとすることも可能であろう。
【0047】
さて、上記のb−iiで示される場合、即ち、部分的に受信されたデータユニットの場合と反対に1つ以上のNACKが受信されなかったデータPDUを参照する場合に移る。この場合には、以下に示すように処理される。即ち、これらのNACKに対応するFフラグは、これらのNACKに対する状態PDUにSOペアは含まれていないことを示す。
【0048】
本発明によって扱われる特別な場合とは、RLC PDUの最後のPDUセグメントがUEによって受信されなかった場合である(このときも、DLにおけるデータPDUの場合を仮定する)。シーケンス番号10を持つRLC PDUが、3つのRLC PDUのセグメントに分割され、それらPDUセグメントはそれぞれ、オクテット1−10、11−25、26−40を含むという例を仮定する。
【0049】
さて、UEはRLC PDU10の最初の2つのセグメント、即ち、オクテット1−10とオクテット11−25とを受信し、また、それに続くRLC PDU、即ち、RLC PDU11も完全に受信したが、そのUEは、RLC PDU10の最後のセグメント、即ち、オクテット26−40は受信しなかったという場合を考える。
【0050】
この場合、UEはRLCセグメントが失われたことを知るが、その長さは知らない。それで、UEは、状態PDUにおける対応するSOペアの第2のセグメンテーションオフセット値を設定することができない。本発明が提案するこれに対する解決策は、SOの特別な値にNACKと認識されたセグメントの最後がわからないことを示させることである。従って、eNodeBがRLC PDU10に対するNACKを受信したときには、第1のSOは“26”に設定されていて、それに対応する第2のSOにはその特別な値が設定され、RLC PDU10についての26以降の全てのデータオクテットが再送信される必要があることをeNodeBに伝える。
【0051】
いくつかの場合には、所望する効果を得るためにSOペアが常に必要な訳ではない。以下で示すように、“F”フィールドにおける2ビットを使用することにより、受信されなかったデータの完全な識別を達成することができる。
【0052】
このことは図4の例で示される。図4には、Fフィールドにおける2ビットの4つ全ての組み合わせ、即ち、00、01、10、および、11が示されている。これらの組み合わせのそれぞれの意味はまた、図4に示されており、以下の通りである。
【0053】
Fフィールド 意味
00 NACKはRLC PDU全てを参照。それでSOは必要でない
01 NACKはRLC PDUの最初の部分を参照。受信されなかった
最後のデータグループ、例えば、オクテット等を示すために、
1つのSOが必要
10 NACKはRLC PDUの最後の部分を参照。受信されなかった
最初のデータグループ、例えば、オクテット等を示すために、
1つのSOが必要
11 NACKはRLC PDUの中間の部分を参照。受信されなかった
最初と最後のデータグループ、例えばオクテット等を示すために、
2つのSOが必要。
【0054】
なお、図4に示した場合では、以前に示した実施例と同様に、状態RLC PDUを他のRLC制御PDUと分離するために“タイプフィールド”が必要になる場合がある。
【0055】
本発明の別の実施例では、部分的に受信されたDL RLCデータPDUは、上記で示した方法、即ち、SOペアとはわずかに異なる方法でUL状態RLC PDUで、UEによってeNodeBに示される。問題となっている実施例、即ち、図5に示される状態RLC PDU500では、UEからのUL状態RLC PDUは、510として示されるNACKフィールドと520として示されるシーケンス番号フィールドSNとを備える。シーケンス番号フィールドSNは、NACKが参照するDL RLCデータPDUのシーケンス番号を示す。当然のことながら、実施例500では、以前の実施例で示されたように、SNは、NACKに一緒に含まれてもよい。
【0056】
以前の実施例と同様に、実施例500はまた、図5において530として示された“E”フィールドの使用を含む。しかしながら、Eフィールド、即ち、ビットまたはフラグの意義は、以前の実施例とはわずかに異なる。即ち、図5の実施例500では、Eフィールドは、NACK510がRLCデータPDU全体を参照するのか、またはRLCデータPDU中のデータを参照するのかを意味するのに使用される。例えば、もし、Eフィールドがゼロ、即ち、E=0であれば、これはNACK510は、SN520によって識別されるRLCデータPDU全体を参照することを意味するとできる。
【0057】
反対に、もしE=0がPDU全体を意味するのであれば、E=1は、NACK510がSN520によって識別されたPDU内のデータに言及することを意味する。この場合には、eNodeBが当該データを識別することができるようにするために、情報が状態PDU500に含められる。実施例500におけるデータに関するこの情報は、図5において540として示されるセグメントオフセット値SOを備える。SO540は、受信されなかったDLデータのバイトオフセットまたは最初を示す。しかしながら、以前の実施例とは反対に、実施例500は、受信されなかったデータの全体を示すために、SOペアを使用しない。その代わり、実施例500では長さフィールド(LF)550を利用する。この値は、SO値540から始まる、受信されなかったデータの始まりから受信されなかったデータの最後のバイトまでを示す。
【0058】
本発明のこの実施例、即ち、図5に示されたものにおいて理解されるように、データの元々の送信者からの効率のよい再送信を達成するためには、再送信されるべきバイトの正確な数が送信者に示される必要がある。LTEのRLC PDUはきわめて大きく(例えば、32767バイト)できるので、RLC PDUセグメントの指示に必要なフィールド(即ち、SOとLF)は、同様にかなり大きい必要があるであろう。しかしながら、同様に理解されるように、多くの場合にはSOフィールドとLFフィールドとの理論的な最大サイズを利用する必要はないであろう。従って、もし、これらのフィールドのサイズが静的であるとしたならば、データスペースを浪費する結果になるであろう。
【0059】
本発明の一実施例において、本発明者は、この問題、即ち、SOフィールドとLFフィールドとに対するデータスペースの非効率な使用という問題に関して、それを軽減することを提案する。次に、この実施例について説明する。
【0060】
本発明のこの面についての基本的な原理とは、RLC状態PDUのSOとLFのフィールドサイズは、現在のRLC状態PDUの必要に応じて適応的に設定されるという点にある。明らかに、SOとLFに対して、例えば、RSOに対しては6ビット、RSLに対しては4ビットというような、2つの異なるサイズを使用することが可能である。しかし、以後の記述では、これらのサイズは同一であると仮定する。
【0061】
本発明のこの面において提案するように、もし、SOとLFに対して動的に可変な長さフィールドが使用されるなら、eNodeB(DLにデータがあり、ULに状態メッセージがある場合に)は、状態メッセージを読むことができるために、この長さフィールドのサイズを知らなければならない。
【0062】
このことを達成する第1の方法は、RLC状態PDUメッセージヘッダに、SOフィールドとLFフィールドのサイズを示す付加的なフィールドを設けることである。例えば、それは、現在のメッセージの全ての長さフィールドは6ビットであることを示すフィールドがあってもよいであろう。このサイズは、RLC PDU状態メッセージによって異なったものにできる。
【0063】
もし、SOとLFとが、異なったサイズ値が与えられるとすれば、これら2つの長さフィールドが必要であるか、それらの間に所定の関係をもって使用される。この所定の関係は、例えば、SOはLFと比較して、常にxビットだけ長い/短い等である。しかし、SOとLFとは通常、同じオーダであるので、この最適化は必要でないかもしれない。
【0064】
本発明の別の側面からすれば、SOフィールドとLFフィールドとのサイズの明確な指示は、RLC PDU状態メッセージの再構成によって不必要になる。本発明のこの面においては、“長さフィールド”SOとLFを、RLC PDU状態メッセージの最後に移動することを提案する。次に、このことを図6を参照して説明する。
【0065】
図6に示す実施例では、含まれる全てのPDUに対する状態情報が最初に提供される。即ち、これらは、SN(セグメント番号)、RF(再セグメンテーションフラグ)、および、拡張ビット“E”である。このようにして、完全なPDUを含むことも可能である。この場合には、個々のセグメント情報は送信される必要はない。再セグメンテーションが行われたPDUに対しては、RFを使用して、セグメントの位置と長さの情報が次に続くことを示し、SOとLFがメッセージフレームに添付される。
【0066】
従って、図6の実施例では、状態メッセージの“動的”可変部分、即ち、SOとLFは最後の拡張ビットEの後、即ち、これが最後のEビットであることを示す、例えば、“0”のような値を持つ最初のEビットの後に生ずる。この実施例では全体のメッセージサイズは、例えば、MACヘッダまたはRLCヘッダから知る必要があるので、受信機はSOフィールドとLFフィールドに対して何ビットが残されているかを知っている。受信機はまた、いくつのSOペアとLFペアが最後の拡張ビットに続くのかも知っている。従って受信機はSOフィールドとLFフィールドのサイズを算出することができる。
【0067】
RLC状態PDUをバイト配列すべきことが要求される場合には、残っているビットの数も指示されたセグメントフィールドの数で除算されるので、さらなるステップを実行しなければならない。その結果得られた整数は長さとして使用されるが、残ったビットは使用されない。1つの例として、残っている長さが51ビットであり、バイト配列(8ビット)を使用するならば、51/8=6mod3(商6余り3)という計算結果を得る。従って、この例では、状態PDUの最後にある3ビットは使用されないであろう。
【0068】
上記の例では、LFが使用されてRLC PDUセグメントの終わりを決定する。しかしながら、SOの場合と同様に、絶対オフセットを使用することも可能であり、これは本発明の範囲に入るであろう。このような場合には、そのオフセットは、RLC PDUセグメントの最後のバイトの元々の位置を指し示すであろう。
【0069】
状態メッセージの内容は、データがACKと認識されたか、またはNACKと認識されたかを記述することができるであろう。また、1つ以上の付加的なビットを持つACKとNACKの混合したものを含むことができ、これにより、適切なACK/NACKインジケータを提供することができるであろう。
【0070】
図6に記述された状態メッセージは単なる例示であると見るべきであって、PDUがデータまたは状態を含むか否かを示すタイプフラグ等の付加的フィールド、付加的長さフィールド等も、あるアプリケーションでは必要になる可能性がある。これらも本発明の範囲の中に入るであろう。
【0071】
特に、標準または実施形により、例えば、ANCKおよびACKのような状態の複数のタイプの報告が許される場合には、明確な状態情報を状態レポートに付加することもできる。
【0072】
もし、LTEシステムが、一タイプ、例えば、NACKのみの状態報告を交換するように構成されているとすれば、状態の明確な指示もまた必要になるかもしれない。あるいは、状態報告送信エンティティが、PDU送信エンティティから、あるタイプ(例えば、NACKのみ)の状態報告に対する要求を受信して、受信したセグメントの内の受信されなかったサブセットだけに対する状態報告を生成するということもある。
【0073】
本発明のさらなる側面からみると、RLC PDU状態メッセージを、別個のPDUとして、または別のPDUに付加して送信することを考えることもできる。
【0074】
図7は、本発明の方法700の概略フローチャートを示す。オプションや代替的なステップは破線で示されている。
【0075】
上記の説明で示唆したように、本発明の方法は図1のシステム100等のセルラ通信システム、即ち、トラフィックがUE120とeNodeB110のような第1のトランシーバと第2のトランシーバとの間で交換されるシステムで使用することを意図している。
【0076】
システム100におけるトラフィックはデータユニットの形で送信され、これらのデータユニットのそれぞれには識別子が付与される。データユニットはセグメントに分割することができ、受信側のトランシーバは、データユニットが正しく受信されたか、部分的に受信されたか、または、受信されなかったかについての状態情報を、データフレームまたはデータユニットの形で送信側のトランシーバに送信することができる。この場合、送信側のトランシーバとは、データを送信したトランシーバである。
【0077】
本発明の方法700に従えば、ステップ705で示すように、1つ以上のデータユニットが部分的に受信された、または、受信されなかった場合には、送信側のトランシーバに送信される状態情報は、ステップ710に示すように、1つ以上のデータユニットが受信されなかったかまたは部分的に受信されたかについての情報を含む。そして、もしそうであれば、ステップ715に示すように、1つ以上のデータユニットが部分的に受信された場合には、これらのデータユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報を含む。
【0078】
本発明の一実施例では、ステップ720に示すように、データユニットが部分的に受信されたか、或は受信されなかったかについての情報は、前記データフレームまたはデータユニットの中のフラグとして含まれる。
【0079】
ステップ725に示すように、本発明のさらなる実施例においては、データユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報は、受信されなかったデータユニットの最初と最後の部分を示す情報として、前記データフレームまたはデータユニットの中に含まれる。
【0080】
ステップ730は次のことを示している。即ち、本発明の1つの側面からすると、もし、送信側のトランシーバからのデータフレームまたはデータユニットが、セグメントに分割されているか、または再セグメンテーションが行われていて、受信側のトランシーバには最後のセグメントが達していなかったとすれば、このことは、受信側のトランシーバによって送信側のトランシーバに対して、受信したセグメントの内の受信されなかった最後の部分についての情報についての特別な所定の値によって、適切に示すことができる。
【0081】
ステップ735は次のことを示す。本発明の1つの実施例では、もし、送信側のトランシーバからのデータフレームまたはデータユニットがセグメントに分割されていて、最後のセグメントが受信側のトランシーバに達していなかったとすれば、このことは受信側のトランシーバによって送信側のトランシーバに示すことができる。
【0082】
この説明の前の部分で示唆したように、また、ステップ740で示されているように、本発明の方法700は、図1に示されたシステム100等のLTE(長期エボルーション)システムにふさわしく適用することができる。
【0083】
本発明の方法700をLTEシステムに適用する場合には、データPDUはDLで送信され、それに対応した状態PDUはULで送信されるであろう。これはステップ750に示されており、この場合、上記“送信側のトランシーバ”は、LTEセルのeNodeBであり、“受信側のトランシーバ”は、LTEセルのユーザ機器(UE)である。
【0084】
本発明は、逆の場合にも、等しく十分に適用することができ、この場合、データPDUはULで送信され、それに対応した状態PDUはDLで送信されるであろう。これはステップ745に示されている。この場合には、上記“送信側のトランシーバ”は、LTEセルのUEであり、“受信側のトランシーバ”は、LTEセルのeNodeBである。
【0085】
図3で示されている状態PDU300に関し、受信側のトランシーバから送信側のトランシーバへの情報は、以下に示すものの内の1つ以上を備える可能性があるメッセージとして送信することができることが指摘される。即ち、
・例えば、データまたは制御メッセージようなメッセージの特性についての情報(D/C)と、
・例えば、制御メッセージの場合には、状態メッセージのような前記特性の中のメッセージのタイプに関する情報(PDU タイプ)と、
・一定のシーケンス番号の形でのデータユニットまたはデータフレームを正しく受信したことを確認するデータ(ACK)と、
・第1の拡張インジケータ(E)と、
・データユニットまたはデータフレームの一定のシーケンス番号(SN)の形での、受信されなかった、或は、部分的に受信され前記たデータユニットまたはデータフレームに関するデータ(NACK)と、
・第2の拡張インジケータ(F)と、
・受信されなかったデータの最初(SO11,SO21)と最後(SO12,SO22)についての情報と
である。
【0086】
図3に示される代表的な状態PDUにおいて、第1の拡張インジケータEは、第1の拡張インジケータと第2の拡張インジケータ、即ち、EとFと、部分的に受信された或は受信されかったデータユニットまたはデータフレームに関して、そのデータユニットまたはデータフレームの識別子SNの形で表されるデータNACKとの別のものを備えるセットの有無を示す。また、第2の拡張インジケータFは、受信されかったデータの始まりSO11,SO21と終わりSO12,SO22についての情報の有無を示す。
【0087】
本発明はまた本発明が適用されるシステムにおいて使用するトランシーバを開示する。先の記述から明らかになったように、本発明は、データPDUがDLで送信され、対応する状態PDUがULで送信される場合、または逆に、データPDUがULで送信され、対応する状態PDUがDLで送信される場合のいずれにも適用することができる。前者の場合では、データ送信トランシーバ(E−UTRANへ適用した場合)はeNodeBであり、受信トランシーバ、即ち、状態PDUを送信するトランシーバはUEである。後者の場合には、データ送信トランシーバはUEであり、受信トランシーバ、即ち、状態PDUを送信するトランシーバはeNodeBである。従って、本発明のトランシーバは、E−UTRANのeNodeBまたはE−UTRANのUEのいずれでもよい。
【0088】
図8は本発明の一般的なトランシーバ800のブロック図を示す。このトランシーバは図8に示されたE−UTRANのeNodeBまたはE−UTRANのUEとして使用される。図8に示されるように、トランシーバ800は、ブロック810で示されるアンテナを備え、また、受信部820と送信部830とを備えるであろう。さらに、トランシーバ800はまた、マイクロプロセッサ等の制御手段840とともに、メモリ850を備える。さらに、もし、トランシーバ800がeNodeBとして使用されるのであれば、トランシーバ800はまた、UEとは別の、システムの他の構成要素に対するインタフェース860も備える。トランシーバ800がUEである場合にはこのインタフェースは存在しなくてよいので、インタフェース860は破線で示されている。
【0089】
トランシーバ800は、アンテナ810、受信部820、および、送信部830を使用して、そのシステムで、トラフィックを第2のトランシーバに送信し、また、第2のトランシーバからトラフィックを受信することができる。そして、トランシーバ800は、制御手段840をメモリ850とともに使用して、前記トラフィックをデータユニットの形で送信することができる。
【0090】
また、制御手段840とメモリ850とが使用されて、データユニットのそれぞれに、例えば、シーケンス番号等の識別子を付与することができる。また、同一の手段、即ち、ブロック840と850を使用して、データユニットをセグメントに分割することができる。
【0091】
本発明によるトランシーバ800はまた、制御手段840、メモリ850、送信機830、および、アンテナ810を使用して、正しく受信されたデータユニット、部分的に受信されたデータユニット、または、受信されなかったデータユニットについての情報を、データフレームまたはデータユニットで、第2のトランシーバ、即ち、データを送信したトランシーバに送信する。
【0092】
さらに、トランシーバ800は、制御手段840とメモリ850とを使用して、1つ以上のデータユニットが受信されなかったか、または部分的に受信された場合には、データユニットが受信されなかったか、または部分的に受信されたかについての情報を状態情報の中に含め、また、1つ以上のデータユニットが部分的に受信された場合には、それらのデータユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報を含めることができる。
【0093】
一実施例においては、トランシーバ800は、手段840と850を使用して、データユニットが部分的に受信されたかまたは受信されなかったかについての情報を、前記データフレームまたはデータユニットの中のフラグとして含めることができる。
【0094】
さらに、更なる実施例では、ブロック840と850がトランシーバにより使用されて、前記データフレームまたはデータユニットの中でデータユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報を、受信されなかったデータユニットの最初と最後の部分を示す情報として含めることができる。
【0095】
本発明の別の側面からすると、制御手段840、メモリ850、送信機830、及び、アンテナ810がトランシーバ800により使用されて、もし、送信側のトランシーバからのデータフレームまたはデータユニットがセグメントに分割されていて、最後のセグメントがトランシーバ800に達しなかったのであれば、そのことを送信側のトランシーバに示すことができる。
【0096】
欠落したセグメントに関する指示は、欠落したセグメントの最後の部分についての情報に対する特別な所定の値を使用することにより、適切に実行される。
【0097】
一実施例においては、制御手段840とメモリ850がトランシーバ800により使用されて、前記データフレームまたはデータユニットで部分的に受信されたデータユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報を、データユニットの識別子を示す情報として、またさらに、前記データユニットの受信されなかったデータの始まりと受信されなかったデータの量について情報として含めることもできる。
【0098】
さらに、アンテナ810、送信機830、制御手段840、および、メモリ850が本発明によるトランシーバにより使用され、状態情報を、図3の300で示されるようなメッセージとして送信側のトランシーバに送信することができる。その情報は以下に示すもの内の1つ以上を含むことができる。即ち、
・例えば、データまたは制御メッセージのようなメッセージの特性についての情報(D/C)と、
・例えば、制御メッセージの場合には、状態メッセージのような前記特性の中のメッセージのタイプについての情報と、
・一定のシーケンス番号の形式でのデータユニットまたはデータフレームを正しく受信したことを確認するデータ(ACK)と、
・第1の拡張インジケータ(E)と、
・一定のシーケンス番号の形式での受信されなかったまたは部分的に受信されたデータユニット或はデータフレームに関するデータ(NACK)と、
・第2の拡張インジケータ(F)と、
・受信されなかったデータの最初(SO11,SO21)と最後(SO12,SO22)についての情報と
である。
【0099】
適切にも、第1の拡張インジケータ(E)は、前記第1の拡張インジケータ(E)と、前記第2の拡張インジケータ(F)と、部分的に受信されたか或は受信されなかったユニットまたはフレームに関し前記データユニットまたはデータフレームの識別子(SN)の形で表されるデータ(NACK)との別のものを備えるセットの有無を示す。また、前記第2の拡張インジケータ(F)は、受信されなかったデータの最初(SO11,SO21)と最後(SO12,SO22)についての情報の有無を示す。
【0100】
本発明は上述した実施例と図面に示したの例に限定されるものではなく、添付の請求の範囲の中で自由に変形することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のトランシーバ(110,120)と第2のトランシーバ(110,120)との間でデータユニットの形で送信されるトラフィックが交換されるセルラ通信システム(100)において使用する方法(700)であって、
各データユニットには識別子が付与され、該データユニットは複数のセグメントに分割され、
前記システムにおいて、受信側のトランシーバ(110,120)は、送信側のトランシーバ、即ち、データを送信したトランシーバに、データユニットを正しく受信したか、部分的に受信したか、または受信しなかったかについての状態情報をデータフレームまたはデータユニット(200,300)の形で送信するものであり、
1つ以上のデータユニットが受信されなかったか、または部分的に受信された場合(705)には、前記送信側のトランシーバに送信される前記状態情報は、前記データユニットが受信されなかったか、または部分的に受信されたかについての情報(710)を含み、1つ以上のデータユニットが部分的に受信された場合には、該データユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報(715)を含むことを特徴とする方法(700)。
【請求項2】
前記データユニットが受信されなかったか、または部分的に受信されたかについての情報は前記データフレーム或はデータユニットのフラグとして含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法(700,720)。
【請求項3】
前記データユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報は、前記受信されなかったデータユニットの最初と最後の部分を示す情報として、前記データフレーム或はデータユニットに含まれることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法(700,725)。
【請求項4】
前記送信側のトランシーバからのデータフレームまたはデータユニットがセグメントに分割されていて、最後のセグメントが前記受信側のトランシーバに達していなかった場合には、前記受信側のトランシーバ(110,120)によって前記送信側のトランシーバ(110,120)に対し、それを示唆することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法(700,730)。
【請求項5】
欠落したセグメントについての前記示唆は、前記欠落したセグメントの最後の部分についての情報についての特別な前もって定義された値により実行されることを特徴とする請求項3又は4に記載の方法(700,730)。
【請求項6】
前記部分的に受信されたデータユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報は、前記データユニットの識別子を示す情報、また、前記データユニットの中の受信されなかったデータの最初の部分に関する情報と受信されなかったデータの量についての情報として、前記データフレームまたはデータユニットに含まれることを特徴とする請求項1に記載の方法(700,735)。
【請求項7】
E−UTRANシステム(100)に適用されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法(700,740)。
【請求項8】
前記データユニットは、前記セグメントがRLC PDUセグメントであるように、RLC PDUであることを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記送信側のトランシーバはE−UTRANセル(130)のeNodeB(110)であり、前記受信側のトランシーバは前記E−UTRANセル(130)のユーザ機器UE(120)であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記送信側のトランシーバはE−UTRANセル(130)のUEであり、前記受信側のトランシーバは前記E−UTRANセル(130)のeNodeBであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記受信側のトランシーバ(110,120)から前記送信側のトランシーバ(110,120)への前記状態情報は、
・例えば、データまたは制御メッセージのようなメッセージの特性についての情報(D/C)と、
・例えば、制御メッセージの場合には、状態メッセージのような前記特性の中のメッセージのタイプについての情報と、
・一定のシーケンス番号の形式でのデータユニットまたはデータフレームを正しく受信したことを確認するデータ(ACK)と、
・第1の拡張インジケータ(E)と、
・一定のシーケンス番号の形式での受信されなかったまたは部分的に受信されたデータユニット或はデータフレームに関するデータ(NACK)と、
・第2の拡張インジケータ(F)と、
・受信されなかったデータの最初(SO11,SO21)と最後(SO12,SO22)についての情報
の1つ以上を含む可能性があるメッセージ(300)として送信されることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法(700)。
【請求項12】
前記第1の拡張インジケータ(E)は、前記第1の拡張インジケータ(E)と前記第2の拡張インジケータ(F)と前記データユニット或はデータフレームの識別子(SN)の形式での部分的に受信されたか或は受信されなかったユニット或はフレームに関するデータ(NACK)との別のものを含むセットの有無を示し、
前記第2の拡張識別子(F)は、前記受信されなかったデータの最初(SO11,SO21)と最後(SO12,SO22)についての情報の有無を示すことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項13】
第2のトランシーバ(110,120)に対してトラフィックを送信し、前記第2のトランシーバからトラフィックを受信する手段(810,820,830)を備えたセルラ通信システム(100)において使用されるトランシーバ(800)であって、
前記トランシーバ(800)は前記トラフィックをデータユニットで送信する手段(840,850)と、前記データユニットの各々に識別子を付与する手段(840,850)と、前記データユニットを複数のセグメントに分割する手段(840,850)とを備え、前記トランシーバ(800)はさらに、前記第2のトランシーバ、即ち、データを送信したトランシーバに、データユニットを正しく受信したか、部分的に受信したか、または受信しなかったかについての状態情報をデータフレームまたはデータユニット(200,300)の形で送信する手段(840,850,830,810)を備え、
前記トランシーバ(800)は、
1つ以上のデータユニットが受信されなかったか、または部分的に受信された場合には、前記状態情報に、前記データユニットが受信されなかったか、または部分的に受信されたかについての情報を含ませ、1つ以上のデータユニットが部分的に受信された場合には、該データユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報を含ませる手段(840,850)をさらに備えることを特徴とするトランシーバ(800)。
【請求項14】
前記データユニットが受信されなかったか、または部分的に受信されたかについての情報を前記データフレーム或はデータユニットのフラグとして含ませる手段(840,850)を備えることを特徴とする請求項13に記載のトランシーバ(800)。
【請求項15】
前記データユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報は、前記受信されなかったデータユニットの最初と最後の部分を示す情報として、前記データフレーム或はデータユニットに含ませる手段(840,850)を備えることを特徴とする請求項13又は14に記載のトランシーバ(800)。
【請求項16】
前記送信側のトランシーバからのデータフレームまたはデータユニットがセグメントに分割されていて、最後のセグメントが前記受信側のトランシーバに達していなかった場合には、前記送信側のトランシーバ(110,120)に対し、それを示唆する手段(840,850,830,810)を備えることを特徴とする請求項13乃至15のいずれか1項に記載のトランシーバ(800)。
【請求項17】
欠落したセグメントについての前記示唆は、前記欠落したセグメントの最後の部分についての情報についての特別な前もって定義された値を用いることにより実行されることを特徴とする請求項15又は16に記載のトランシーバ(800)。
【請求項18】
前記部分的に受信されたデータユニットのどの部分が受信されなかったかについての情報を、前記データユニットの識別子を示す情報、また、前記データユニットの中の受信されなかったデータの最初の部分に関する情報と受信されなかったデータの量についての情報として、前記データフレームまたはデータユニットに含ませる手段(840,850)を備えることを特徴とする請求項13に記載のトランシーバ(800)。
【請求項19】
前記トランシーバはE−UTRANシステム(100)におけるトランシーバであることを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1項に記載のトランシーバ(800)。
【請求項20】
前記データユニットは、前記セグメントがRLC PDUセグメントであるように、RLC PDUであることを特徴とする請求項19に記載のトランシーバ。
【請求項21】
E−UTRANセル(130)のeNodeB(110)であることを特徴とする請求項19又は20に記載のトランシーバ(800)。
【請求項22】
E−UTRANセル(130)のユーザ機器UE(120)であることを特徴とする請求項19又は20に記載のトランシーバ(800)。
【請求項23】
送信側のトランシーバ(110,120)へ状態情報をメッセージ(300)として送信する手段(810,830,840,850)が備えられ、
前記メッセージは、
・例えば、データまたは制御メッセージのような前記メッセージの特性についての情報(D/C)と、
・例えば、制御メッセージの場合には、状態メッセージのような前記特性の中のメッセージのタイプについての情報と、
・一定のシーケンス番号の形式でのデータユニットまたはデータフレームを正しく受信したことを確認するデータ(ACK)と、
・第1の拡張インジケータ(E)と、
・一定のシーケンス番号の形式での受信されなかったまたは部分的に受信されたデータユニット或はデータフレームに関するデータ(NACK)と、
・第2の拡張インジケータ(F)と、
・受信されなかったデータの最初(SO11,SO21)と最後(SO12,SO22)についての情報
の1つ以上を含む可能性があることを特徴とする請求項13乃至22のいずれか1項に記載のトランシーバ(800)。
【請求項24】
前記第1の拡張インジケータ(E)は、前記第1の拡張インジケータ(E)と前記第2の拡張インジケータ(F)と前記データユニット或はデータフレームの識別子(SN)の形式での部分的に受信されたか或は受信されなかったユニット或はフレームに関するデータ(NACK)との別のものを含むセットの有無を示し、
前記第2の拡張インジケータ(F)は、前記受信されなかったデータの最初(SO11,SO21)と最後(SO12,SO22)についての情報の有無を示すことを特徴とする請求項23に記載のトランシーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−235510(P2012−235510A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−159052(P2012−159052)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2009−548198(P2009−548198)の分割
【原出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】