説明

改変された触媒担体

摩滅耐性および/または脱集合耐性を示す改変触媒担体が提供される。担体スラリーを一ケイ酸の溶液で処理することを含む、改変触媒担体を作製するためのプロセスが提供される。Fischer−Tropsch合成における改変触媒単位対を含む触媒を使用するためのプロセスが提供される。1つの実施形態において、触媒組成物であって、以下:担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiが上に堆積された担体材料であって、ここで、Si原子が酸素原子を介して担体材料に結合されている、担体、を含む、触媒組成物が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、摩滅耐性、および/または脱集合耐性、および/または再生可能性を示す改変された触媒担体に関する。本発明は、さらに、改変された触媒担体を作製するためのプロセスに関する。本発明は、さらに、Fischer−Tropsch合成における、摩滅耐性触媒、および/または脱集合耐性、および/または再生可能な担体を含むFischer−Tropsch触媒の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
(本発明の背景)
Fischer−Tropsch反応器において使用される支持された触媒(例えば、スラリー気泡カラム反応器および連続撹拌タンク反応器(「CSTR」)を含む)は、有意な衝突および摩滅力を引き起こす撹拌に供される。このような衝突および力は、経時的に触媒および/または触媒担体の摩滅を引き起こし得る、損傷機構を生じ得る。触媒および/または触媒担体の摩滅は、増加した触媒の要件に起因して操作費用を上昇させる。さらに、摩滅は、濾過によって除去されなければならない微粉を生じる。濾過プロセスは、微粉の除去に加えて活性触媒の喪失を生じ得、これにおって操作費用をさらに上昇させ得る。
【0003】
固定床反応器において使用される触媒担体はまた、バッチ式または連続式の再生プロセスの間に移動および衝突に供され得る。結果として、いくらかの摩滅が固定床反応器で生じ得る。さらに、触媒担体(例えば、成形押し出し物)は、しばしば、触媒作製(例えば、担体上へのコバルト堆積)の間の認識可能な摩滅を示す。このような場合において、反応器の詰まりを妨げるために使用する前に、摩滅微粉は、触媒生成物から除去されなければならない。
【0004】
触媒摩滅を減少させるための試みは、非水性プロセスを含む。このようなプロセスは、使用されるシリケート化剤が水と迅速に反応する(これは、シリケートの、触媒担体の表面上または表面近くのヒドロキシル基またはオキサイド基との所望される反応を置換する)ので、非水性溶媒の使用を必要とする。
【0005】
なお別の公知のプロセスは、支持される触媒の調製の間に代表的に遭遇する酸性水溶液中の担体の溶解度を抑制する目的で、テトラエトキシシリケートのエタノール(すなわち、非水性)溶液を使用して、触媒担体上にシリコンを堆積させる。
【0006】
しかし、非水性溶媒の使用は、可燃性溶媒の商業的処理のための非常に特殊な装置および溶媒自体の費用を必要とする。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明のいくつかの実施形態は、担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiが上に堆積された担体材料を含む触媒組成物を提供し、ここで、Si原子が酸素原子を介して担体材料に結合されている。
【0008】
本発明の他の実施形態は、担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiが上に堆積された担体材料を含む触媒組成物を提供し、ここで、ケイ素のうち約10wt%未満がポリマー形態である。
【0009】
本発明のなお他の実施形態は、触媒担体を処理する方法を提供し、この方法は、以下:担体材料を、一ケイ酸を含む摩滅抑制組成物と接触させて、それによって、処理された触媒担体を提供する工程を包含する。
【0010】
本発明のなお他の実施形態は、Fisher−Tropschプロセスでの使用に適した触媒組成物を提供し、これは、以下のものの混合物または反応生成物を含む:担体材料と一ケイ酸を含む摩滅抑制組成物とを接触させることによって調製される摩滅耐性担体;コバルトと、Ca、Sc、Ba、La、Hf、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された第1改変剤とを含む触媒前駆体組成物;ならびにRu、Rh、Pd、Re、Ir、Pt、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された少なくとも1つの活性化剤。
【0011】
本発明のなお他の実施形態は、以下を含むFisher−Tropsch生成物を提供する:パラフィン蝋;および約20nm未満の直径を有する約50ppm未満のγアルミナ粒子:ここで、γアルミナ粒子の濃度は、一次濾過の後に決定される。
【0012】
本発明の第1の実施形態は、以下を含む触媒組成物を提供する:担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiが上に堆積された担体材料を含む触媒組成物を提供し、ここで、Si原子が酸素原子を介して担体材料に結合されている。いくつかのこのような実施形態において、ケイ素は、約0.55 Si/nmと約5.0 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている。あるいは、いくつかのこのような実施形態において、ケイ素は、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている。いくつかの実施形態において、担体材料は、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族元素の耐火性(refractory)酸化物、IV族元素の耐火性酸化物、V族元素の耐火性酸化物、VI族元素の耐火性酸化物、およびVIII族元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、担体材料は、予め形成される。好ましい実施形態において、担体材料は、集合したγアルミナである。なお他の実施形態において、担体材料は、アルミナ結合チタニアである。本発明のいくつかの実施形態において、触媒は再生されている。触媒組成物のいくつかの実施形態は、約12wt%と約30wt%との間のCo;約0.5wt%と約2wt%との間のCa、Sc、Ba、La、およびHfからなる群より選択される第1の添加剤;ならびに約0.03wt%と約0.3wt%との間の、Ru、Rh、Pd、Re、Ir、およびPtからなる群より選択される第2の添加剤をさらに含み得る。好ましい実施形態において、触媒組成物は、約12wt%と約30%との間のCo;約0.5wt%と約2wt%との間のLa;および約0.03wt%と約0.3wt%との間の、Ruをさらに含む。
【0013】
本発明の別の実施形態は、担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSi/nmが上に堆積された担体材料を含む触媒組成物を提供し、ここで、ケイ素のうちの約10wt%未満がポリマー形態である。本発明のいくつかの実施形態において、ケイ素は、約0.55 Si/nmと約5.0 Si/nmとの間の濃度で、担体材料上に堆積される。本発明の代替の実施形態において、ケイ素は、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で、担体材料上に堆積される。本発明のいくつかの実施形態において、担体材料は、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族元素の耐火性酸化物、IV族元素の耐火性酸化物、V族元素の耐火性酸化物、VI族元素の耐火性酸化物、およびVIII族元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の好ましい実施形態において、担体材料は、集合したγアルミナである。本発明のいくつかの実施形態において、担体材料は、アルミナ結合チタニアである。本発明の特定の実施形態において、ケイ素のうちの約5wt%未満がポリマー形態で存在する。好ましい実施形態において、ケイ素のうちの約2.5wt%未満がポリマー形態で存在する。本発明のいくつかの実施形態において、触媒は、再生されている。好ましい実施形態において、担体材料が予め形成されている。本発明のなお他の好ましい実施形態において、触媒組成物は、約12wt%と約30%との間のCo;約0.5wt%と約2wt%との間のCa、Sc、Ba、La、およびHfからなる群より選択される第1の添加剤;ならびに約0.03wt%と約0.3wt%との間の、Ru、Rh、Pd、Re、Ir、およびPtからなる群より選択される第2の添加剤をさらに含む。本発明の最も好ましい実施形態において、触媒組成物は、約12wt%と約30%との間のCo;約0.5wt%と約2wt%との間のLa;および約0.03wt%と約0.3wt%との間の、Ruをさらに含む。
【0014】
本発明の別の実施形態は、触媒担体を処理する方法を提供し、この方法は、以下:担体材料を、一ケイ酸を含む摩滅抑制組成物と接触させて、それによって、処理された触媒担体を提供する工程を包含する。いくつかの実施形態において、処理された触媒担体は、約0.1 Si原子/nmと約10.60 Si原子/nmとの間の表面濃度を有する。1つの好ましい実施形態において、摩滅抑制組成物は、約0.02重量%と約5.4重量%の間のSiを含む。別の好ましい実施形態において、摩滅抑制組成物は、約0.2重量%と約5.4重量%の間のSiを含む。なお他の実施形態において、摩滅抑制組成物は、酸性条件下でシリケートを水と接触させることによって調製される。好ましい実施形態において、シリケートは、一ケイ酸を含む。なお他の実施形態において、一ケイ酸は、酸性条件下で、テトラエトキシシランと水とを接触させることによって調製される。本発明の方法のいくつかの実施形態において、シリケートは、オルトケイ酸ナトリウムまたはメタケイ酸ナトリウムであり、約0℃〜約5℃の範囲の温度においてpHは、約1.5〜約3.5の範囲である。本発明の方法のなお他の実施形態において、摩滅抑制組成物は、約0℃〜約95℃の範囲の温度で触媒担体に添加される。本発明の方法の特定の好ましい実施形態において、温度は、約0℃〜約10℃の範囲である。本発明の方法のいくつかの実施形態において、摩滅抑制組成物は、ポリケイ酸種を含む、ここで、一ケイ酸の濃度は、三ケイ酸およびより高次のケイ酸のポリマーの濃度より高い。本発明の方法のなお他の実施形態において、一ケイ酸は、摩滅抑制組成物中の優勢なケイ酸種である。本発明の方法のいくつかの実施形態において、担体材料は、予め形成されている。
【0015】
本発明のなお他の実施形態は、Fischer−Tropschプロセスにおける使用に適切な触媒組成物を提供し、これは、以下の混合物または反応生成物を含む:担体材料と一ケイ酸を含む摩滅抑制組成物とを接触させることによって調製される摩滅耐性担体;コバルトと、Ca、Sc、Ba、La、Hf、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された第1改変剤とを含む触媒前駆体組成物;ならびにRu、Rh、Pd、Re、Ir、Pt、およびこれらの組み合わせからなる群より選択された少なくとも1つの活性化剤。請求項36に記載の触媒組成物であって、ここで、この組成物は、代表的なFisher−Tropsch反応条件下で、約20nm未満の直径を有する粒子を実質的に含まない。本発明のFisher−Tropschプロセスにおける使用に適切な触媒組成物のいくつかの実施形態において、担体材料は、集合されたγアルミナを含む。Fisher−Tropschプロセスにおける使用に適切な触媒組成物のなお他の実施形態において、担体材料は、予め形成されている。
【0016】
本発明のなお別の局面は、以下を含むFisher−Tropsch生成物を提供する:パラフィン蝋;および約20nm未満の直径を有する約50ppm未満のγアルミナ粒子:ここで、γアルミナ粒子の濃度は、一次濾過後に決定される。本発明のFisher−Tropsch生成物の特定の実施形態において、Fisher−Tropsch生成物は、再生されたFisher−Tropsch触媒を使用して作製される。
【0017】
本発明のなお別の局面において、触媒摩滅の発生およびひどさ(severity)を減少させるための方法が提供され、ここで、この方法は、以下の工程を包含する:担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiを触媒担体表面上に堆積させる工程であって、ここで、Si原子が酸素原子を介して担体材料に結合される工程。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素は、約0.55 Si/nmと約5.0/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積される。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素は、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積される。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族元素の耐火性酸化物、IV族元素の耐火性酸化物、V族元素の耐火性酸化物、VI族元素の耐火性酸化物、およびVIII族元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法の好ましい実施形態において、担体材料は、集合したγアルミナである。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、アルミナ結合チタニアである。
【0018】
本発明のなお他の局面は、触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiを触媒担体表面上に堆積させる工程であって、ここで、約10wt%未満のケイ素がポリマー形態である工程。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素は、約0.55 Si/nmと約5.0/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積される。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素は、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積される。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族元素の耐火性酸化物、IV族元素の耐火性酸化物、V族元素の耐火性酸化物、VI族元素の耐火性酸化物、およびVIII族元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法の好ましい実施形態において、担体材料は、集合したγアルミナである。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、アルミナ結合チタニアである。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、ケイ素のうちの約5wt%未満が、ポリマー形態で存在する。本発明の触媒摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法の好ましい実施形態において、ケイ素のうちの約2.5wt%未満が、ポリマー形態である。
【0019】
本発明の別の局面は、触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiを触媒担体表面上に堆積させる工程であって、ここで、Si原子が酸素原子を介して担体材料に結合される工程。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素は、約0.55 Si/nmと約5.0/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積される。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素は、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積される。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族元素の耐火性酸化物、IV族元素の耐火性酸化物、V族元素の耐火性酸化物、VI族元素の耐火性酸化物、およびVIII族元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、集合したγアルミナである。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、アルミナ結合チタニアである。
【0020】
本発明のなお他の局面は、触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法を提供し、この方法は、以下の工程を包含する:担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiを触媒担体表面上に堆積させる工程であって、ここで、ケイ素のうちの約10wt%未満がポリマー形態である工程。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素は、約0.55 Si/nmと約5.0/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積される。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素は、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積される。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族元素の耐火性酸化物、IV族元素の耐火性酸化物、V族元素の耐火性酸化物、VI族元素の耐火性酸化物、およびVIII族元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法の好ましい実施形態において、担体材料は、集合したγアルミナである。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、担体材料は、アルミナ結合チタニアである。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素のうちの約5wt%未満が、ポリマー形態で存在する。本発明の触媒担体材料の脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法のなお他の実施形態において、ケイ素のうちの約2.5wt%未満が、ポリマー形態である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(本発明の実施形態の説明)
用語「担体」は、アクセス可能なヒドロキシル基および/またはオキサイド基を有し、そして貫通可能な孔を有する、任意の予め形成された無機担体材料を意味する。担体は、本明細書中で使用される場合、任意の形状を有し得る。孔は、一般的に、最も大きな軸を横切って約5nmより大きな開口を有する。
【0022】
用語「予め形成された」は、ケイ素化合物での処理およびVIII族金属のような活性金属の含浸の前に、例えば、抽出、洗浄、乾燥、および粒子サイズの設定(setting)を含む形成をなされた触媒担体を意味する。用語「予め形成された」に含まれる触媒担体としては、例えば、噴霧乾燥された担体、押し出しされた担体、およびペレット化された担体が挙げられる。
【0023】
用語「Fisher−Tropsch生成物」とは、FT合成プロセスによって合成ガスから形成され、プロセス条件において液体として合成反応器中に残る炭化水素の集合組成物を意味する。
【0024】
用語「一次濾過」は、Fisher−Tropsch生成物がFT反応器を通過し、約5μmより大きい粒子を除去したときの、Fisher−Tropsch生成物の濾過を意味する。
【0025】
用語「パラフィン蝋」は、室温および室圧において半固体〜固体である未分枝−CH−鎖から主になる炭化水素を意味する。
【0026】
用語「酸素原子を介して担体材料に直接的に結合される」は、1つ以上の酸素原子に対する1つ以上の単結合を介する結合を意味し、各酸素原子は、担体材料の金属に単結合で結合している。
【0027】
本発明のプロセスのいくつかの実施形態において、一ケイ酸(「MSA」)は、米国特許第2,588,389号の教示に従って調製される。本発明の好ましい実施形態において、MSAは、MSAの重合を最小にする条件下でなされる。このような条件は、当該分野において公知であり、このような条件の例は、上記で引用した参考文献において考察されている。本発明のいくつかの実施形態において、MSAは、約1.5と約3.5との間のpH、約0℃と約5℃との間の温度で、前駆体から形成される。いくつかの実施形態において、MSAは、約25℃までの温度で前駆体から形成される。好ましい実施形態において、MSAは、約0℃と約8℃との間の温度で前駆体から形成される;最も好ましい実施形態において、MSAは、約0℃と約5℃との間の温度で前駆体から形成される。前駆体は、シリケート(オルトケイ酸ナトリウムおよびメタケイ酸ナトリウムのような、ケイ酸ナトリウムを含む)の任意の水溶液であり得る。MSA溶液は、一般的に、溶液全体に対して、約0.1重量%〜約1.0重量%のSiを含む。MSAの形成に続いて、MSA溶液は、好ましくは、実行可能なできるだけ短い時間内で、担体と接触する。MSAは、非常に反応性であり、それら自身との反応、あるいは他の酸化表面(例えば、代表的な触媒担体の表面)との反応によって、ポリマーを容易に形成する。MSAおよび触媒担体の接触は、バッチ式混合によって、または担体材料の水性懸濁液へのMSA溶液の計量添加によって、生じ得る。バッチ式混合が使用される場合、担体溶液は、一般的に、MSAと担体粒子との間の接触を最大化するために、MSAの添加の間に激しく攪拌される。計量添加が使用される場合、MSAは、溶液全体に対して比較的低い濃度の未処理のMSAを維持することによって、自己重合を最小化し、かつMSAと担体との間の反応を支持する速度で添加される。それにもかかわらず、MSAといくらかの触媒担体(例えば、アルミナ)との間の反応は、MSA自己重合よりも速いものであり得る。このような場合において、MSAのバッチ式添加が使用され、混合物中においてより高い濃度のMSAが存在する場合でさえ、ケイ素のほぼ単層が担体粒子上に容易に堆積され得る。MSAおよび担体混合物は、MSAと担体粒子の表面との間の接触を促進するために、混合の間および/または混合の後に、攪拌(好ましくは、激しく攪拌)され得る。本発明の好ましい実施形態において、担体材料の水性懸濁液を形成するために使用される水の量が最小化され、激しい攪拌を可能にするのに必要な量のみが使用される。このような水の量は、使用される担体のタイプ、サイズおよび形状に従って、変化する。一般的に、MSA溶液は、引き続く処理の前に約1分間〜2時間以上の間、担体と接触され得る。MSA溶液は、約0℃と約95℃との間の範囲の温度で担体と接触され得る。
【0028】
より高い温度が使用される場合、MSA試薬は、MSAと担体材料との間のより速い反応速度に起因して、より高い速度で担体スラリーに添加され得る。さらに、5℃より低い温度においてさえ、MSA試薬は、いくらかの自己重合を示す。ある程度のMSA自己重合が伴う場合でさえ、MSA試薬/担体スラリー混合物中の活性剤は、主に、ケイ酸のモノマー形態であるようである。MSAの低いポリマーの比較的迅速な加水分解(すなわち、解重合)が、低い未反応MSA濃度で観察されている。MSA添加の終わりにおいてさえ、未反応のシリケートの濃度が混合物中において約500ppmに上昇する場合、活性モノマーが優勢である。
【0029】
担体上へのMSAの結合に続いて、この混合物は、冷却され得、過剰の溶液がデカンテーションされ得、そして処理された担体が水で洗浄されて、過剰の酸が除去される。デカンテーション−洗浄のサイクルは、繰り返され得る。最終のデカンテーションに続いて、残りの濃密なスラリーが、乾燥および焼成(calcining)の前に濾過され得る。次いで、スラリーは、乾燥され、その後、約400℃〜約800℃の範囲の温度、好ましくは、約600℃で焼成される。
【0030】
使用されるフィルター孔サイズは、一般的に、担体のサイズおよび形状に依存する。実際、濃密なスラリーは、濾過する必要が無く、むしろ、濃密なスラリーを脱水するために任意の多くの公知の技術のいずれかに供され得る。例えば、濃密なスラリーは、遠心分離され得る。代表的に、処理された担体材料は、約100℃〜約200℃の間の温度で、好ましくは、約150℃で、材料が流動性になるまで乾燥される。商業的な操作において、脱水されたスラリーは、乾燥され、連続的に焼成され得、焼成ゾーンの前面部分が、温度傾斜および流速の調整によって乾燥器として作用することが理解される。多くの適用において、担体は、少なくとも約1時間、焼成温度で維持される。
【0031】
用語「担体」および「担体材料」は、本明細書中において交換可能に使用される。本発明において有用な担体は、アクセス可能なヒドロキシル基またはオキシド基を有し、そしてFisher−Tropsch合成における使用のために必要な貫通可能な孔を有する、任意の形状(例えば、実質的に球形または押し出し物を含む)を有する任意の予め形成された無機粒子を含む。適切な担体材料の例としては、例えば、アルミナ(γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、およびρアルミナ)、アナターゼチタニアおよびルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、またはIII族元素、IV族元素、V族元素、VI族元素、およびVIII族元素から選択される他の耐火性酸化物が挙げられる。本発明に従う処理の前に、担体は、約0.025mm〜約0.2mmの範囲の直径または相当直径(equivalent diamete)を有し得る。担体材料に結合したSiの量は、約0.77 Si/nm〜約10.6 Si/nmの間の範囲であり得る。
【0032】
以前に記載されるように、一ケイ酸(Si(OH))は、温度、圧力およびシリケートの濃度に依存する重合の程度で、自己重合をし得る。結果として、ケイ酸の実用溶液の調製は、ケイ酸モノマーだけではなく、より高次のポリマー形態も含み得る。本発明の目的で最も有効な溶液は、最も低い濃度のより高次のポリマー形態から構成される。本発明の目的のために調製される溶液の品質(すなわち、より少ないポリマー形態、より多いモノマー形態、より高い溶液の品質)は、当該分野で公知のように、水性モリブデン酸ケイ素種の形成に基づく比色決定を使用して特徴付けられ得る。
【0033】
MSA重合の程度は、当該分野で公知の分光技術を使用してモニターされ得る。1つの公知の分光方法は、SiOの低分子量ポリマーの解重合および黄色を有するケイモリブデン酸の形成に頼る。Si(OH)とモリブデン酸との反応は、非常に迅速である。Si(OH)の形成速度は、シリケートポリマーの長さ反比例する。従って、重合の程度が低くなれば低くなるほど、溶液がその最終の色強度に達するのがより速くなる。
【0034】
色の変化が410nmに設定された分光光度計を使用してモニターされたこの分光測定技術を使用して、いくつかの試験がなされた。MSAモノマーは、2分間未満でその最終の色に達した。MSA立方八量体(cubic octomer)は、その最終色に達するのに10分間よりも長い時間を必要とし、最初の2分間以内にその最終色の50%未満を示す。なお高次のポリマーは、それらの最終色強度を示すのにさらにより長い時間を必要とし、2分間以下でそれらの色の対応してより少ない割合を示す。本発明のいくつかの実施形態において、試験溶液は、2分以内にそれらの最終色の約80%に達し、6〜10分間以内にそれらの最終色に達した。最終色の>90%が5分間以内に発する場合に、溶液が使用に適しているとみなした。本発明の好ましい実施形態において、試験溶液は、2分間以内にそれらの色の>90%を生成したこのことは、開始時に非常に高いモノマー含有量を示す。
【0035】
処理された担体は、触媒(例えば、Fisher−Tropsch触媒)の調製のために使用され得る。多くの触媒調製法のいずれか(例えば、VIII金属の含浸)は、当該分野で公知であり、処理された担体とともに利用され得る。
【0036】
本発明の摩滅耐性触媒担体を組み込むFisher−Tropsch触媒は、触媒活性量の触媒金属(通常、約1wt%と100wt%との間、好ましくは、2wt%と60wt%との間、最も好ましくは、約10wt%と約30wt%との間)を含む。促進剤および/または活性化剤が、触媒組成物に含まれ得、Fisher−Tropsch触媒におてい有用な促進剤および活性化剤は、当該分野において周知である。促進剤としては、例えば、ルテニウム、レニウム、白金、ハフニウム、セリウム、およびジルコニウムが挙げられる。促進剤および/または活性化剤は、通常、一次触媒金属の量よりも少ない量で存在する。
【0037】
1つの代表的な触媒調製方法は、初期の湿気による含浸を利用する。例えば、硝酸コバルト塩は、チタニア担体、シリカ担体、またはアルミナ担体上へと初期の湿気によって含浸され得、必要に応じて、促進剤の含浸が続く。次いで、触媒は、金属塩をその対応する酸化物に変換するために、約250℃〜約500℃で焼成され得る。次いで、この酸化物は、この酸化物を元素形態または触媒形態の金属に実質的に還元するのに十分な時間の間、約300℃〜約500℃で、水素または水素含有ガスでの処理によって還元され得る。他の周知の触媒調製法は、米国特許第4,673,993号;同第4,717,702号;同第4,477,595号;同第4,663,305号;同第4,822,824号;同第5,036,032号;同第5,140,050号;同第5,252,613号;および同第5,292,705号に開示される方法である。
【0038】
本明細書中に記載されるように処理された担体は、未処理の担体よりも改善された摩滅耐性を示す。担体の相対摩滅耐性を計測するための1つの方法は、担体粒子が互いに高い頻度および十分なエネルギーで衝突して、担体粒子の粉砕を引き起こす可能性がある条件を作り出すための超音波プローブの使用に基づく。このような試験方法は、米国特許第6,262,132号において考察されている。図1は、担体上でのこのような超音波試験(このような担体の第1の処理されたサンプルおよび未処理のサンプルの両方)の結果を示す。図1の曲線は、超音波試験の前後のこれらのサンプルについての粒子サイズの関数としての累積体積%を示す。詳細には、菱形のデータ点で示される曲線は、超音波処理の前の未処理担体の粒子サイズ蓄積分布を示す;三角形のデータ点で示される曲線は、超音波処理前の第1の処理された担体の粒子サイズ蓄積分布を示す;四角形のデータ点で示される曲線は、超音波処理に続く未処理の担体の粒子サイズ蓄積分布を示す;「X」データ点で示される曲線は、超音波処理後の第1の処理された担体の粒子サイズ蓄積分布を示す。図1から見られ得るように、未処理の担体は、処理された担体によって示されるよりも小さな超音波処理後の粒子サイズへと、有意に大きく移動することを示す。同じ傾向は、図2で見られ、超音波試験後の未処理の担体は、超音波試験に続く第2の処理された担体よりも小さな粒子サイズへと、有意に大きく移動することを示す。図1および図2に示される実施例において使用される担体材料は、同じ材料であるが、このような材料の別のサンプルである。未処理のサンプルは、図1および2の両方で同じである。図1および2の両方を参照して、超音波試験後の未処理の担体は、直径20ミクロン未満の粒子の集団を示す。超音波試験後の処理された担体はまた20ミクロン未満の直径(または有効直径)を有する粒子を示すものの、処理された担体中の20ミクロン未満の集団は、未処理の担体で見られる量の約2分の1である。さらに、より小さな粒子サイズへの全体的な移動はまた、未処理の担体よりも、処理された担体において小さい。
【0039】
上で考察された超音波試験は、未処理の担体サンプルで完了され、超音波試験の前後のこのようなサンプルの蓄積容積% 対 粒子サイズが図3に示される。次いで、蓄積容積% 対 粒子サイズは、6ヶ月後に超音波試験に供される未処理サンプルについて再測定された。粒子サイズ蓄積分布は、より初期の試験において測定された分布と実質的に同一のままであり、それによって、超音波試験が、優れた再現性で非常に厳密であることを示す。
【0040】
摩滅する触媒粒子に加えて、Fisher−Tropsch生成物である蝋がまた、摩滅生成物よりも有意により小さなサイズの粒子を含み得ることが観察された。公知の方法に従う、これらの粒子のNMR分析は、これらの固体がγアルミナ結晶から実質的に構成されることを示す。公知の方法を使用して、これらの粒子のTEM分析は、任意の結晶軸に沿って約20nm未満のサイズを有する。このようなγアルミナ結晶は、触媒粒子からの脱集合フラグメントであることが考えられる。脱集合γアルミナフラグメントが摩滅生成物よりも有意に小さいサイズであるので、脱集合γアルミナは、摩滅生成物から分離され得る。脱集合γアルミナ生成物の組成は、元の触媒の組成とは異なる。触媒が代表的に約20wt%の元素のコバルト、および70wt%のAlという組成を有するものの、脱集合γアルミナ生成物は、コバルトが減っており、代表的には、約3wt%〜約4wt%の元素状Coおよび約95wt%のAlを含む。
【実施例】
【0041】
(実施例1−触媒サンプル1の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、94.9gのTEOSを4Lの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを取り出し、色変化の速度を試験した。完全な色の90%を越える色が、5分以内に発色した。別々に攪拌された加熱容器において、2Lの脱塩水中に懸濁された640gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーを加熱した。このスラリーを、MSA試薬の添加全体を通して50℃±5℃に維持し、これを、35ml/分の速度で添加した。MSA添加の完了に続いて、ケイ素の>95%がアルミナと反応するまで、スラリーを攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持されたオーブンで一晩乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0042】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruという名目組成を有するように調製した。200gの上記Si改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.5gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過(impregnation pass)のために使用した。6.25gのLa(NO・6HOを20gの脱塩水中に溶解し、上記Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に適用したときに、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器(impregnator)中でタンブリングし(tumble)、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させる。この粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。187gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.8gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過後のように乾燥および焼成する。
【0043】
(実施例2−触媒サンプル2の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、73.6gのTEOSを667mLの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOをこの水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを取り出し、色変化の速度を試験した。完全な色の90%を越える色が、5分以内に生じた。別々に攪拌された加熱容器において、333mLの脱塩水中に懸濁された100gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーを加熱した。スラリーを、MSA試薬の添加全体を通して50℃±5℃に維持し、これを、5ml/分の速度で添加した。MSA添加の完了に続いて、ケイ素の>95%がアルミナと反応するまで、スラリーを攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みになるまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持された静止マッフル炉において6時間乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0044】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。93.8gの上記Si改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。87.6gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。4.08gのLa(NO・6HOを10gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加したときに、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択する。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させる。この粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。87.5gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの0.97gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過後のように乾燥および焼成する。
【0045】
(実施例3−触媒サンプル3の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、94.9gのTEOSを4Lの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを除去し、色変化の速度を試験した。完全な色の90%を越える色が、5分以内に生じた。2Lの脱塩水中に懸濁された640gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーをMSAに添加した。この混合物を50℃±5℃に加熱した。この混合物を、ケイ素の>95%がアルミナと反応するまで攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持されたオーブンにおいて一晩乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0046】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。200gの上記Si改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.5gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。6.25gのLa(NO・6HOを20gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加したとき、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させる。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。187gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.8gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過後のように乾燥および焼成する。
【0047】
(実施例4−触媒サンプル4の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、38gのTEOSを1.62Lの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを除去し、色変化の速度を試験した。90%を越える完全な色は、5分以内に生じた。このMSA溶液を冷却し続け、約60時間維持した。768mlの脱塩水中に懸濁された640gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーをMSAに添加した。この混合物を50℃±5℃に加熱した。この混合物を、ケイ素の>95%がアルミナと反応するまで攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持されたオーブンにおいて一晩乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0048】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。200gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.5gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。6.25gのLa(NO・6HOを20gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。194gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.82gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0049】
(実施例5−触媒サンプル5の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、38gのTEOSを1.62Lの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを除去し、色変化の速度を試験した。90%を越える完全な色は、5分以内に生じた。768mlの脱塩水中に懸濁された640gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーをMSAに添加した。この混合物を50℃±5℃に加熱した。この混合物を、>95%のケイ素がアルミナと反応するまで攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持されたオーブンにおいて一晩乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0050】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。200gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.5gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。6.25gのLa(NO・6HOを20gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。192gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.82gの13.5%Ru溶液を添加する。この第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0051】
(実施例6−触媒サンプル6の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、94.9gのTEOSを4Lの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、室温〜22℃に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを除去し、色変化の速度を試験した。90%を越える完全な色は、5分以内に生じた。640gのアルミナをMSAに添加した。この混合物を50℃±5℃に加熱した。この混合物を、>95%のケイ素がアルミナと反応するまで攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持されたオーブンにおいて一晩乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0052】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。200gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.5gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。6.25gのLa(NO・6HOを20gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。187gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.8gの13.5%Ru溶液を添加する。この第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0053】
(実施例7−触媒サンプル7の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、89.3gのTEOSを2Lの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを除去し、色変化の速度を試験した。90%を越える完全な色は、5分以内に生じた。別の攪拌加熱容器に、1Lの脱塩水中に懸濁された300gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーを加熱した。このスラリーをMSA試薬の添加(これは、15ml/分の速度で添加された)の間中、50℃±5℃に保持した。MSA添加の完了後、このスラリーを、>95%のケイ素をアルミナと反応するまで攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持された静止マッフル炉において6時間乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0054】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。200gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.5gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。6.25gのLa(NO・6HOを20gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。185gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.78gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0055】
(実施例8−触媒サンプル8の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、68gのTEOSを2Lの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを除去し、色変化の速度を試験した。90%を越える完全な色は、5分以内に生じた。別の攪拌された加熱容器に、1Lの脱塩水中に懸濁された300gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーを加熱した。このスラリーをMSA試薬の添加(これは、15ml/分の速度で添加された)の間中、50℃±5℃に加熱した。MSA添加の完了後、このスラリーを、>95%のケイ素をアルミナと反応するまで攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持された静止マッフル炉において6時間乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0056】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。200gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.5gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。6.25gのLa(NO・6HOを20gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。188gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.78gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0057】
(実施例9−触媒サンプル9の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、27.8gのTEOSを1.33Lの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを除去し、色変化の速度を試験した。90%を越える完全な色は、5分以内に生じた。このMSA溶液を冷却し続け、約60時間維持した。別の攪拌された加熱容器に、667mlの脱塩水中に懸濁された200gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーを加熱した。このスラリーをエージングしたMSA試薬の添加(これは、15ml/分の速度で添加された)の間中、50℃±5℃に加熱した。この混合物を、>95%のケイ素がアルミナと反応するまで攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持された静止マッフル炉において6時間乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0058】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。160gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。138gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。5.00gのLa(NO・6HOを15gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。151gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.44gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0059】
(実施例10−触媒サンプル10の調製)
MSA試薬溶液を、激しく攪拌しながら、29.8gのTEOSを267mlの酸性化脱塩水に迅速に添加して調製した。十分なHNOを水に添加して、pHを2.2と2.5との間にし、3℃と8℃との間に維持した。TEOS添加の15分後に、アリコートを除去し、色変化の速度を試験した。90%を越える完全な色は、5分以内に生じた。別の攪拌された加熱容器に、667mlの脱塩水中に懸濁された200gのアルミナを含むアルミナ担体のスラリーを加熱した。このスラリーをMSA試薬の添加(これは、15ml/分の速度で添加された)の間中、50℃±5℃に加熱した。MSA添加の完了後、このスラリーを、>95%のケイ素がアルミナと反応するまで攪拌し、50℃±5℃に維持した。一旦反応が完了すると、攪拌を停止し、この固体を沈降させ、透明な母液を容器からデカンテーションした。残りの濃密なスラリーを減圧濾過して、溶液の残りを除去した。濾過した固体を、1.5cm未満の厚みまで乾燥トレイ上に広げ、140℃に保持された静止マッフル炉において6時間乾燥させた。次いで、この乾燥粉末を、4時間、600℃で皿において焼成した。
【0060】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。200gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.5gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。6.25gのLa(NO・6HOを20gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。184gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.78gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0061】
実施例1〜10で作製された触媒を、以下の方法に従って摩滅耐性について試験した。触媒を、水素ガスを使用して活性化し、そして20ccの活性化触媒を0.5L CSTR中に入れ、410°F、300psi、GHSV 8000/hrおよび1000rpmの攪拌機速度の合成条件にした。合成操作の50時間後、条件を420°F、400psi、GHSV 8000/hrおよび2000rpmの攪拌機速度に調節する。この条件を150時間維持する。CSTR摩滅試験の完了の際に、反応器を窒素パージに切換え、約250°Fに冷却する。約24時間これらの条件下で維持し、この時間の間、触媒全体およびより大きな摩滅フラグメントを反応器の底に沈降させるが、微細な摩滅フラグメントは、蝋中に懸濁されたままである。次いで、固体になるまで蝋を冷却し、単一のプラグとして反応器から除去する。沈降した画分の触媒含有蝋を、オーバーヘッド蝋から分離し得、これは、沈降しないより小さな摩滅生成触媒フラグメントを含む。一旦分離すると、オーバーヘッド蝋画分を粉砕し、均一にし、この後、代表的なサンプルを得る。この代表的な画分をパイレックス(登録商標)ビーカー中に入れ、約280°Fと約320°Fとの間に維持されたオーブン中に入れ、融解させる。減圧受容器を備えるパイレックス(登録商標)濾過システムをまたオーブン温度に加熱する。蝋を最初に、5μmフィルターを通して濾過し、次いで、収集された液体を0.45μmフィルターを通して濾過し、収集された液体を最後のときに0.1μmフィルターを通して濾過する。各段階の濾過において、少量のきれいなイソパール(isopar)溶媒を使用して、容器の底から材料の全てを掃除する。濾過の最後に、濾液残渣固体内容物を、灰化(ashing)によって決定する。濾過された固体を、超音波浴中の溶媒を使用して、濾紙から分離する。固体含有溶媒を固体を濃縮するために遠心分離し、これを最終的に収集し、乾燥し、そして秤量する。これらの塊を反応器中に入れられた触媒の元の塊に対して参照され、結果を図4に含まれる表に示す。
【0062】
(実施例11−MSAとアルミナとの反応)
667mlの脱塩水を、HNOを用いてpH=2.0に酸性化し、氷浴を用いて8℃未満に冷却した。74.63gのTEOSを、激しく攪拌しながら酸性化水に添加した。色の変化の速度を15分間の混合後試験し、5分以内に最大色の>90%を示した。別の容器において、333mlの脱塩水を、100gのSasol Chemical SCCa−30/140アルミナと組合せ、オーバーヘッド混合機で混合しながら、50℃に加熱した。ケイ酸試薬を、135分間にわたって蠕動ポンプを使用してアルミナスラリーに添加した。3時間の攪拌後、未反応のケイ酸の量が、最初の充填の35%であることを見出した。ケイ酸の幾分大きなポリマーの解重合を可能にするために、この測定において注意しなければならない。このより高い程度の重合を、より高い濃度の未反応ケイ酸、高温、および飽和調製において最適な溶解度の点からのpHの移動によってもたらす。得られた沈降物は、焼成アルミナ上で約5.7%に自己制限性(self−limiting)であった。
【0063】
(比較例1−MSAとシリカとの反応)
667mlの脱塩水を、HNOを用いてpH=2.0に酸性化し、氷浴を用いて8℃未満に冷却した。13.9gのTEOSを、激しく攪拌しながら酸性化水に添加した。色の変化の速度を15分間の混合後試験し、5分以内に最大色の>90%を示した。別の容器において、333mlの脱塩水を、100gのシリカゲル(Davisil Grade 64b Type 150a、Davision Catalystsから入手可能)と組合せ、オーバーヘッド混合機で混合しながら、50℃に加熱した。スラリー中に形成されるケイ酸のバックグラウンド試験を、モリブテン酸色変化試験を使用して行った。ケイ酸試薬を、60分間にわたって蠕動ポンプを使用してシリカスラリーに添加した。1時間の混合後、未反応のシリカの最初の試験を行った。この試験から水スラリー中のシリカからのバックグラウンド色変化が、この時点において全色変化の5%未満に寄与したことが決定された。残りの未反応ケイ酸の量を、1時間毎に合計3時間で決定し、この時点において、75%のケイ酸が溶液中で未反応のままであった。この得られた沈降物は、焼成アルミナ上で0.5%未満まで自己制限性であった。
【0064】
(比較例2−MSAとチタニアとの反応)
667mlの脱塩水を、HNOを用いてpH=2.0に酸性化し、氷浴を用いて8℃未満に冷却した。13.9gのTEOSを、激しく攪拌しながら酸性化水に添加した。色の変化の速度を15分間の混合後試験し、5分以内に最大色の>90%を示した。別の容器において、333mlの脱塩水を、100gのチタニア(Titania Type P−25、Degussa AGから入手可能)と組合せ、オーバーヘッド混合機で混合しながら、50℃に加熱した。ケイ酸試薬を、60分間にわたって蠕動ポンプを使用してチタニアスラリーに添加した。1時間の混合後、未反応のシリカの最初の試験を混合の1時間後に行い、57%のケイ酸が未反応のまま残ることを示した。3時間の混合後、未反応のケイ酸の量は、元の充填の36%であることを見出した。この得られた沈降物は、焼成アルミナ上で1%以下でわずかに自己制限性であった。
【0065】
(比較例3および実施例11A−脱集合γアルミナ)
触媒の試験工場バッチ、実施例11Aを、3.0 Si/nmを含むように改変されたSasol Chemical SCCa−30/140アルミナ上で調製した。触媒の試験工場バッチ、比較例3を、未改変のSasol Chemical SCCa−30/140アルミナ上で調製した。実施例11Aを、36インチ気泡カラム反応器において専用の(proprietary)Fisher−Tropsch合成において実行した。比較例3を使用した3つの実行を、専用のFischer−Tropsch合成を使用して、42インチ、36インチ、および6インチのスラリー気泡カラムにおいて各々1つ行った。蝋サンプルを濾過した生成物出口において得、そして45日の蒸気で比較時間において脱集合アルミナについて分析した。結果を以下の表1に与える。脱集合γアルミナ粒子を、連続的な濾過方法を使用して、他のFischer−Tropsch触媒摩滅固体から分離した。蝋サンプルを、パイレックス(登録商標)ビーカーに入れ、約280°Fと約320°Fとの間に維持されたオーブン中に入れ、融解させる。減圧受容器を備えるパイレックス(登録商標)濾過システムをまたオーブン温度に加熱する。融解した蝋を、連続的に、5μm、0.45μm、および0.1μmのパスフィルターを使用して、一連の連続的な濾過に供する。最初の濾過を、0.02μmの通過サイズを有するAnodisc酸化アルミニウムフィルター膜を使用して行った。濾過の各段階において、少量のきれいなイソパール溶媒を使用して、容器の底から材料の全てを掃除する。次いで、最終の濾液ASTM−486に従って灰化し、脱集合粒子含有量を決定した。
【0066】
【表1】

(実施例12−アルミナビーズ内のSiの分布)
名称SCCa−30/140で販売されるSasol Chemicalから得られるアルミナ担体は、直径が25μmと100μmとの間の回転楕円体粒子からなる噴霧乾燥材料である。一ケイ酸試薬での処理後の担体粒子内または担体粒子上のSiのプロフィールを決定するために、改変担体のサンプルを、顕微鏡スライドに載せたポリマーマトリックス内に埋め込み、粒子全体の露出された断面をあらわにするように研磨した。次いで、研磨したスライドをSEMを用いて調べ、いくつかのビーズの直径に沿って断片をエネルギー分散X線分析を使用して分析した。異なる直径の多くのビーズにわたって測定した場合、Si/Alシグナル比が、この技術の予想される変動とおよそ一致して、約10%で変動することが見出された。数個のビーズについて数個の点の平均に基づいて、約15%のわずかに高いSi/Al比が、ビーズの極限の外部縁部で観測された。これらの観察から、本発明者らは、一ケイ酸とアルミナ表面との間の反応の速度が、ビーズ内の全ての点への試薬の拡散を可能にするのに十分な遅さであることを結論付けた。
【0067】
(実施例13−重合化ケイ酸試薬中の表面Si濃縮)
触媒粒子を形成するために任意のさらなる処理の前、実施例4および5の方法によって作製された担体を、X線光電子分光法(XPS)を使用して分析した。実施例4および5の担体のそれぞれは、焼成担体上の0.8%Siを与えるように改変された。実施例5の改変担体を、MSA試薬の調製の際にすぐに調製したが、実施例4の改変担体を作製するために使用されるMSAは、アルミナ担体と反応させる前に、約60時間、最初にエージング(aged)させた。実施例4の改変担体を調製するために使用されたエージングされた溶液の色の変化の速度は、シリカが非常に高い程度まで重合したことを示した。XPSは、非常に表面感受性であり、約5nmの深さの層で表面についての情報を提供する。触媒ビーズを、ビーズの真の外部表面のみに分析を制限するために、補充調製無しに調べた。Si/Alシグナル比は、実施例5の改変担体におけるよりも、実施例4の改変し自体において60%高いことが見出され、これは、重合したケイ酸が、アルミナと反応する前に担体粒子全体を貫通することができなかったことを示す。図4の表に見られ得るように、実施例4の改変担体は、摩滅緩和(mitigating attrition)において、実施例5の改変担体よりも、有効でなかった。
【0068】
(実施例14−再生を伴う保持摩滅耐性)
200gのSasol Puralox SCCa−30/140アルミナを、スチームジャケット付き含浸容器に入れた。37.04gのTEOSを75ccエタノールに添加した。TEOS/EtOH混合物を、含浸容器中に滴下して加えた。この混合物を室温で1時間混合した。スチーム乾燥を開始し、3時間続けた。アルミナ混合物を冷却し、次いで、セラミック焼成皿に移した。アルミナ床の深さは、<1.5cmであった。アルミナを静止マッフル炉中に入れ、約30分かけて140℃に上昇させた。アルミナを、2時間140℃に維持した。次いで、この乾燥粉末を、600℃に上昇させ、4時間焼成した。この担体材料は、2.5Si/nmを含んだ。
【0069】
触媒を、焼成形態において20%Co、1%La、および0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。100gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。70.8gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。3.13gのLa(NO・6HOを10gの脱塩水中に溶解し、Co溶液と組み合わせた。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。106.7gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの0.9gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0070】
この実施例において上記されるように、TEOS/EtOHで処理された担体上で調製された触媒の最初の80ccの充填は、代表的なFT合成条件下で1リットルCSTRで行い、55%以上の変換を維持するために、温度およびGHSVを調節した。2000時間の最初の作業時間の後に、米国特許第6,812,179号に記載される手順に従って再生した。再生された充電物を、再び、2000時間作業させ、再び再生した。2000時間の第3の作業時間に続いて、触媒を回収し、脱蝋し、そして粒子サイズ分布を測定した。初期充填触媒は、>99%の直径20μmより大きい粒子を有する分布を有した。6000作業時間および2回の再生の後に、回収された触媒は、検出可能な微粉を示さず、依然として、>99%の20μmより大きい粒子を有した。
【0071】
3.0 Si/nmを堆積するように、MSAで処理された担体上に調製された触媒の最初の80ccの充填を、代表的なFT合成条件下で1リットルのCSTRで行い、55%以上の変換を維持するために、温度およびGHSVを調節した。2000時間の最初の作業時間の後に、米国特許第6,812,179号に記載される手順に従って再生した。再生された充電物を、再び、2000時間作業させ、再び再生した。1800時間の第3の作業時間に続いて、触媒を回収し、脱蝋し、そして粒子サイズ分布を測定した。初期充填触媒は、>99%の直径20μmより大きい粒子を有する分布を有した。5800作業時間および2回の再生の後に、回収された触媒は、検出可能な微粉を示さず、依然として、>99%の20μmより大きい粒子を有した。
【0072】
(実施例15−触媒サンプル15の調製(TEOS/EtOH法))
350gのSasol SCCa−30/140アルミナを、スチームジャケット付き含浸容器に入れた。25.9gのTEOSを168ccエタノールに添加した。TEOS/EtOH混合物を、含浸容器中に滴下して加えた。この混合物を室温で1時間混合した。スチーム乾燥を開始し、3時間続けた。アルミナ混合物を冷却し、次いで、セラミック焼成皿に移した。アルミナ床の深さは、<1.5cmであった。アルミナを静止マッフル炉中に入れ、約30分かけて140℃に上昇させた。アルミナを、2時間140℃に維持した。次いで、この乾燥粉末を、600℃に上昇させ、4時間焼成した。
【0073】
触媒を、焼成形態において20%Coおよび0.1%Ruの名目組成を有するように調製した。200gのSi改変触媒担体を、スチームジャケット付き回転含浸容器に入れた。Co(NO・6HOおよび脱塩水から調製される飽和溶液を、先に調製した。172.45gのこの飽和Co溶液を、最初の含浸通過のために使用した。回転容器中の担体に添加する場合に、初期の湿潤粉末を生成するように、溶液の量を選択した。含浸粉末を、周囲温度で1時間、含浸器中でタンブリングし、次いで、3時間にわたって蒸気乾燥させた。粉末を室温に冷却し、秤量し、そして粉末の深さが≦2cmになるように、浅い焼成皿に移す。皿を電気加熱オーブンに置き、これを周囲温度から120℃に上昇させ、2時間120℃に維持し、2時間にわたって350℃に上昇させ、さらに2時間、350℃に維持する。周囲温度に冷却後、焼成粉末を再び、含浸容器に移す。176.67gの飽和コバルト溶液の第2のチャージに、Ru(NO)(NOの1.75gの13.5%Ru溶液を添加する。第2の含浸溶液を再び、タンブリングしている含浸器中の基材に適用し、最初の通過に従うように乾燥および焼成した。
【0074】
(実施例16−XPSを介するアルミナ表面上のSiの分散)
ケイ酸が重合する傾向があるので、アルミナ表面上のSiの濃度が増加するにつれて、より高次のオリゴマーが形成し始める可能性のついての問題が生じる。X線光電子分光法(XPS)は、この問題に取り組むため異に使用され得る。XPSによって観察されるシグナルが、励起X線ビームに曝露される最も外側の表面に由来する(通常、3〜5nmの深さ)ので、形態におけるこのような変化を検出するのに十分適している。単位層構造が2つの層構造に変換する場合でさえ、第2の層のシグナルは、第1の層に由来するシグナルと比較して減弱される。結果として、表面被覆率(surface coverage)の関数としての観察されたSi/Al比の比は、これらの層化構造が島であり、連続した表面でない場合でさえ、層化構造形態として検出される減少するSi/Alに向かう偏差を示す。
【0075】
XPSが非常に表面感受性であるので、担体の内部表面が、分析に利用可能であることが必要である。これは、焼成担体の機械的粉砕、続く、20μm開口ふるいを通してふるいにかけることによって達成された。この寸法より小さく粉砕された粒子は、比較的高い割合の内部表面を露出しなければならない。
【0076】
図5は、0.3Si/nm〜6.2Si/nmの範囲の名目Si充填を有するサンプルについて観察されたSi/Al比の変化を示す。高度の直線性は、明らかに、最も低い0.3 Si/nmで形成されたSiOの実体の形態が、最も高い濃度の6.2 Si/nmで形成された形態と同じであることを示す。これらの観察は、堆積されたSiOが、Al表面上の単一層の個々の実体としてもっとも結合しそうであることを示す。
【0077】
(実施例17−均一堆積についてのきめの証拠(textural evidence))
窒素吸着を使用して、アルミナ表面上へのSi装填の関数としての表面積、孔容積、および平均孔直径の変化をモニターし得る。ポリマーの実体が形成し始める場合、孔の遮断が生じ得、増加した装填を有する孔容積の不連続な変化を生じる。以下の表は、数個の異なる名目Si装填で得られたきめのデータを示す。3つ全てのきめのパラメーターは、アルミナ表面上へのSiOの連続堆積と一致して、連続挙動(特に、平均孔直径)を示す。
【0078】
【表2】

本発明が制限された数の実施例を用いて記載されているものの、これらの特定の実施形態は、本明細書中においてそれ以外で記載および特許請求される発明の範囲を制限することは意図されない。記載される実施形態からの改変および変更が存在する。当業者は、半導体材料形成プロセスのためのパラメーターが、例えば、温度、圧力、気流速度などで変化し得ることを認識する。従って、一組のプロセス条件下での選択基準を満たさない材料は、それにもかかわらず、別のセットのプロセス条件下での発明の実施形態において使用され得る。さらなる要素の組み込みは、そうでなければ可能でない有利な特性を生じ得る。また、プロセスが1つ以上の工程を含むように記載されているものの、これらの工程が、他に示されない限り、任意の順序の配列で実行され得ることが理解されるべきである。これらの工程は、組み合わされ得るかまたは分離され得る。最後に、本明細書中に開示される任意の数は、用語「約」または「およそ」が数を記載する際に使用されているか否かにかかわらず、近似を意味するように解釈されるべきである。添付の特許請求の範囲は、このような変更および改変を、本発明の範囲内として網羅することを意味する。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】図1は、未処理の担体、超音波処理前の第1処理担体および超音波処理後の第1処理担体についての、粒子サイズによる累積体積%のグラフである。
【図2】図2は、未処理の担体、超音波処理前の第2処理担体および超音波処理後の第2処理担体についての、粒子サイズによる累積体積%のグラフである。
【図3】図3は、超音波処理前の未処理担体および超音波処理後の未処理担体についての、粒子サイズによる累積体積%のグラフである。
【図4】図4は、実施例1〜10において考察される触媒の特性を示すチャートである。
【図5】図5は、Si XPS強度 対 Al XPS強度の比を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒組成物であって、以下:
担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiが上に堆積された担体材料であって、ここで、Si原子が酸素原子を介して担体材料に結合されている、担体、
を含む、触媒組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の触媒組成物であって、前記ケイ素が、約0.55 Si/nmと約5.0 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、触媒組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の触媒組成物であって、前記ケイ素が、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、触媒組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族、IV族、V族、VI族、およびVIII族の元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、触媒組成物。
【請求項5】
請求項4に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、集合したγアルミナである、触媒組成物。
【請求項6】
請求項4に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、アルミナ結合チタニアである、触媒組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の触媒組成物であって、前記触媒が、再生されている、触媒組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、予め形成されている、触媒組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の触媒組成物であって、さらに以下:
約12wt%と約30%との間のCo;
約0.5wt%と約2wt%との間のCa、Sc、Ba、La、およびHfからなる群より選択される第1の添加剤;
約0.03wt%と約0.3wt%との間の、Ru、Rh、Pd、Re、Ir、およびPtからなる群より選択される第2の添加剤、
を含む、触媒組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の触媒組成物であって、さらに以下:
約12wt%と約30%との間のCo;
約0.5wt%と約2wt%との間のLa;および
約0.03wt%と約0.3wt%との間のRu、
を含む、触媒組成物。
【請求項11】
触媒組成物であって、以下:
担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiが上に堆積された担体材料であって、ここで、約10wt%未満のケイ素がポリマー形態である、担体、
を含む、触媒組成物。
【請求項12】
請求項11に記載の触媒組成物であって、前記ケイ素が、約0.55 Si/nmと約5.0 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、触媒組成物。
【請求項13】
請求項11に記載の触媒組成物であって、前記ケイ素が、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、触媒組成物。
【請求項14】
請求項11に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族、IV族、V族、VI族、およびVIII族の元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、触媒組成物。
【請求項15】
請求項14に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、集合したγアルミナである、触媒組成物。
【請求項16】
請求項14に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、アルミナ結合チタニアである、触媒組成物。
【請求項17】
請求項10に記載の触媒組成物であって、約5wt%未満のケイ素がポリマー形態である、触媒組成物。
【請求項18】
請求項10に記載の触媒組成物であって、約2.5wt%未満のケイ素がポリマー形態である、触媒組成物。
【請求項19】
請求項10に記載の触媒組成物であって、前記触媒が、再生されている、触媒組成物。
【請求項20】
請求項10に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、予め形成されている、触媒組成物。
【請求項21】
請求項10に記載の触媒組成物であって、さらに以下:
約12wt%と約30%との間のCo;
約0.5wt%と約2wt%との間のCa、Sc、Ba、La、およびHfからなる群より選択される第1の添加剤;
約0.03wt%と約0.3wt%との間の、Ru、Rh、Pd、Re、Ir、およびPtからなる群より選択される第2の添加剤、
を含む、触媒組成物。
【請求項22】
請求項10に記載の触媒組成物であって、さらに以下:
約12wt%と約30%との間のCo;
約0.5wt%と約2wt%との間のLa;および
約0.03wt%と約0.3wt%との間のRu、
を含む、触媒組成物。
【請求項23】
触媒担体を処理する方法であって、以下:担体材料を、一ケイ酸を含む摩滅抑制組成物と接触させて、それによって処理された触媒担体を提供する工程を包含する、方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法であって、前記処理された触媒担体が、約0.1 Si原子/nmと約10.60 Si原子/nmの間の表面濃度を有する、方法。
【請求項25】
請求項23に記載の方法であって、前記摩滅抑制組成物が、約0.02重量%と約5.4重量%の間のSiを含む、方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法であって、前記摩滅抑制組成物が、約0.2重量%と約5.4重量%の間のSiを含む、方法。
【請求項27】
請求項23に記載の方法であって、前記滅抑制組成物が、シリケートと水を酸性条件下で接触させることによって調製される、方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法であって、前記シリケートが、一ケイ酸を含む、方法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法であって、前記一ケイ酸が、テトラエトキシシランと水を酸性条件下で接触させることによって調製される、方法。
【請求項30】
請求項27に記載の方法であって、前記シリケートが、オルトケイ酸ナトリウムまたはメタケイ酸ナトリウムであり、pHが、約0℃〜約5℃の範囲の温度で約1.5〜約3.5の範囲である、方法。
【請求項31】
請求項27に記載の方法であって、前記摩滅抑制組成物が、約0℃〜約95℃の範囲の温度で触媒担体に添加される、方法。
【請求項32】
請求項27に記載の方法であって、前記温度が、約0℃〜約10℃の範囲である、方法。
【請求項33】
請求項27に記載の方法であって、前記摩滅抑制組成物が、多ケイ酸種を含み、ここで、一ケイ酸濃度が、三ケイ酸およびケイ酸のより高次のポリマーの濃度よりも、大きい、方法。
【請求項34】
請求項28に記載の方法であって、前記一ケイ酸が、摩滅抑制組成物中の主要なケイ酸種である、方法。
【請求項35】
請求項23に記載の方法であって、前記担体材料が予め形成されている、方法。
【請求項36】
Fischer−Tropschプロセスにおける使用に適した触媒組成物であって、以下のものの混合物または反応生成物を含有する、触媒組成物:
担体材料を、一ケイ酸を含む摩滅抑制組成物と接触させることによって調製される、摩滅耐性担体;
コバルト;
Ca、Sc、Ba、La、Hf、およびこれらの組合せからなる群より選択される改変剤;ならびに
Ru、Rh、Pd、Re、Ir、Pt、およびこれらの組合せからなる群より選択される、少なくとも一種の活性化剤。
【請求項37】
請求項36に記載の触媒組成物であって、該組成物が、代表的なFischer−Tropsch反応条件下で、約20μm未満の直径を有する粒子を実質的に含まない、触媒組成物。
【請求項38】
請求項36に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、III族、IV族、V族、VI族、およびVIII族の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、触媒組成物。
【請求項39】
請求項36に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が、集合したγアルミナを含む、触媒組成物。
【請求項40】
請求項36に記載の触媒組成物であって、前記第1の遷移金属がコバルトであり、そして前記第2の遷移金属がルテニウムである、触媒組成物。
【請求項41】
請求項36に記載の触媒組成物であって、前記担体材料が予め形成されている、触媒組成物。
【請求項42】
Fischer−Tropsch生成物であって、以下:
パラフィン蝋;および
約50ppm未満の約20nm未満の直径を有するγアルミナ粒子であって、ここで、γアルミナ粒子の濃度は、一次濾過に続いて決定されている、γアルミナ粒子、
を含む、Fischer−Tropsch生成物。
【請求項43】
請求項42に記載のFischer−Tropsch生成物であって、該Fischer−Tropsch生成物が、再生されたFischer−Tropsch触媒を使用して作製されている、Fischer−Tropsch生成物。
【請求項44】
触媒の摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法であって、該方法が、以下の工程:
触媒担体表面上に、担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiを堆積する工程であって、ここで、該Si原子が、酸素原子を介して該担体表面に結合されている、工程、
を包含する、方法。
【請求項45】
請求項44に記載の方法であって、前記ケイ素が、約0.55 Si/nmと約5.0 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、方法。
【請求項46】
請求項44に記載の方法であって、前記ケイ素が、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、方法。
【請求項47】
請求項44に記載の方法であって、前記担体材料が、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族、IV族、V族、VI族、およびVIII族の元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法であって、前記担体材料が、集合したγアルミナである、方法。
【請求項49】
請求項47に記載の方法であって、前記担体材料が、アルミナ結合チタニアである、方法。
【請求項50】
触媒の摩滅の発生およびひどさを減少させるための方法であって、該方法が、以下の工程:
触媒担体表面上に、担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiを堆積する工程であって、ここで、約10wt%未満のケイ素がポリマー形態である、工程、
を包含する、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法であって、前記ケイ素が、約0.55 Si/nmと約5.0 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、方法。
【請求項52】
請求項50に記載の方法であって、前記ケイ素が、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、方法。
【請求項53】
請求項50に記載の方法であって、前記担体材料が、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族、IV族、V族、VI族、およびVIII族の元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項54】
請求項53に記載の方法であって、前記担体材料が、集合したγアルミナである、方法。
【請求項55】
請求項53に記載の方法であって、前記担体材料が、アルミナ結合チタニアである、方法。
【請求項56】
請求項50に記載の方法であって、約5wt%未満のケイ素が、ポリマー形態で存在する、方法。
【請求項57】
請求項50に記載の方法であって、約2.5wt%未満のケイ素が、ポリマー形態で存在する、方法。
【請求項58】
触媒担体材料脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法であって、該方法が、以下の工程:
触媒担体表面上に、担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiを堆積する工程であって、ここで、該Si原子が、酸素原子を介して該担体表面に結合されている、工程、
を包含する、方法。
【請求項59】
請求項58に記載の方法であって、前記ケイ素が、約0.55 Si/nmと約5.0 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、方法。
【請求項60】
請求項58に記載の方法であって、前記ケイ素が、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、方法。
【請求項61】
請求項58に記載の方法であって、前記担体材料が、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族、IV族、V族、VI族、およびVIII族の元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項62】
請求項61に記載の方法であって、前記担体材料が、集合したγアルミナである、方法。
【請求項63】
請求項61に記載の方法であって、前記担体材料が、アルミナ結合チタニアである、方法。
【請求項64】
触媒担体材料脱集合の発生およびひどさを減少させるための方法であって、該方法が、以下の工程:
触媒担体表面上に、担体表面積1nm当たり約0.1個〜約10.6個のSiを堆積する工程であって、ここで、10wt%未満のケイ素がポリマー形態である、工程、
を包含する、方法。
【請求項65】
請求項64に記載の方法であって、前記ケイ素が、約0.55 Si/nmと約5.0 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、方法。
【請求項66】
請求項64に記載の方法であって、前記ケイ素が、約0.7 Si/nmと約3.5 Si/nmとの間の濃度で担体材料上に堆積されている、方法。
【請求項67】
請求項64に記載の方法であって、前記担体材料が、γアルミナ、ηアルミナ、θアルミナ、δアルミナ、ρアルミナ、アナターゼチタニア、ルチルチタニア、マグネシア、ジルコニア、III族、IV族、V族、VI族、およびVIII族の元素の耐火性酸化物ならびにこれらの混合物からなる群から選択される、方法。
【請求項68】
請求項67に記載の方法であって、前記担体材料が、集合したγアルミナである、方法。
【請求項69】
請求項67に記載の方法であって、前記担体材料が、アルミナ結合チタニアである、方法。
【請求項70】
請求項64に記載の方法であって、約5wt%未満のケイ素が、ポリマー形態で存在する、方法。
【請求項71】
請求項64に記載の方法であって、約2.5wt%未満のケイ素が、ポリマー形態で存在する、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2007−516826(P2007−516826A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−544098(P2006−544098)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【国際出願番号】PCT/US2004/041820
【国際公開番号】WO2005/058493
【国際公開日】平成17年6月30日(2005.6.30)
【出願人】(503387905)シントロレウム コーポレイション (2)
【氏名又は名称原語表記】SYNTROLEUM CORPORATION
【住所又は居所原語表記】4322 S.49th west Avenue,Tulsa Oklahoma 74107,United States of America
【Fターム(参考)】