改良された複合信号復号方法
【課題】複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法を提供する。
【解決手段】複合カラーテレビジョン信号の第1の周波数成分を複合カラーテレビジョン信号のそれぞれの第2の周波数成分と比較することによって、複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法であって、第2の成分はカラーサブキャリアからの第1の周波数成分の周波数差に等しくて相対するカラーサブキャリアからの周波数差を有し、前記比較は、復調されたベースバンドクロミナンス信号を処理することによって行われることを特徴とする。
【解決手段】複合カラーテレビジョン信号の第1の周波数成分を複合カラーテレビジョン信号のそれぞれの第2の周波数成分と比較することによって、複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法であって、第2の成分はカラーサブキャリアからの第1の周波数成分の周波数差に等しくて相対するカラーサブキャリアからの周波数差を有し、前記比較は、復調されたベースバンドクロミナンス信号を処理することによって行われることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合カラーテレビジョン信号のカラー成分への復号に関する。
【背景技術】
【0002】
NTSCおよびPALといった複合カラーテレビジョンシステムは、信号の輝度とクロミナンスの成分が同じスペクトルを占有し、なおクロストーク(漏話)の許容可能レベルで分離され得るように設計される。表示のために複合信号を使用することは常に、この信号が3原色成分(赤、緑、青)に分離(復号)されることを必要とし、他の多くの処理操作は、少なくとも輝度からのクロミナンスの分離を必要とし、しばしばクロミナンスの復号を更に必要とする。
【0003】
特定のアプリケーションに関する復号方法の選択は、クロミナンスと輝度との間のクロストークの許容可能レベルと、分離処理の結果としての所望のクロミナンスと輝度のひずみの程度とに依存する。画像が大きなスクリーンに表示される場合、またはフィルムから引き出された画像との比較に耐えなくてはならない場合には、クロストークとひずみが無視できるほどの最高レベルのクロミナンス・輝度分離が必要である。
【0004】
高品質の複合信号復号器は、実輝度によって複製されそうもない高い空間周波数の可動対角キャリア上にクロミナンスが変調されるということを利用する。幾つかのラインとフィールドとからの寄与を使用することによって、信号スペクトルの異なる部分を輝度とクロミナンスとに割り当てるので典型的な映像上でほとんどクロストークのない分離を達成する櫛型フィルタを作製することができる。しかしながら重要な素材のクロストークまたはひずみを避けるように、映像素材のタイプに依存してフィルタの周波数特性を「適応させる」ことがしばしば必要になる。
【0005】
特許文献1は、信号を周波数領域に変換するために高速フーリエ変換(FFT)を使用し、それからサブキャリア周波数に関するスペクトルの対称性を調査することによってこれを行う新規な方法を提示している。クロミナンス成分は振幅変調されているので、ベースバンドクロミナンスの各フーリエ成分は、結果としてサブキャリア周波数の周りに対称に配置された1対の等振幅側波帯になる。各周波数成分を相対するクロミナンス側波帯に対応する対応成分と比較することによって、特定の成分が輝度またはクロミナンスを表すかどうかを決定することが可能である。
【0006】
この引用された特許は、この手法をNTSCに適用する方法を説明しておらず、また信号がサブキャリア周波数の倍数でサンプリングされるアプリケーションに限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1175102号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、従来技術の適用可能性を広げる多数の改良点が存在すること、特にこれがNTSCの復号に応用可能であることと、符号化された信号に存在し得るある幾つかのひずみが修正され得ることと、この処理が任意のサンプリング速度で復調クロミナンス信号に対して実行し得ることとを認めている。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、改良された方法で、複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分を分離する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複合カラーテレビジョン信号の第1の周波数成分をこの信号の第2の周波数成分と比較することによってこの複合カラーテレビジョン信号のクロミナンスと輝度とを分離する方法であって、この第2の成分は第1の周波数成分のカラーサブキャリアからの周波数差に等しくて相対するカラーサブキャリアからの周波数差を持っており、この比較は第1の周波数成分の周波数に依存して異なることを特徴とする方法の一態様にある。
【0011】
適切には、この比較は前記第1の周波数成分の水平空間周波数に依存して異なる。
有利には、この比較は前記第1の周波数成分の垂直空間周波数に依存して異なる。
更に、この比較は前記第1の周波数成分の時間周波数に依存して異なり得る。
【0012】
更なる実施形態において、この比較は複合信号の水平、垂直、または時間の差に依存して異なり得る。
有利には、この時間差はクロミナンス復調器の出力から導出され得る。
【0013】
更なる態様において、本発明は、複合カラーテレビジョン信号の第1の周波数成分をこの信号の第2の周波数成分と比較することによってこの複合カラーテレビジョン信号のクロミナンスと輝度とを分離する方法であって、前記第2の成分は前記カラーサブキャリアからの第1の周波数成分の周波数差に等しくて相対するカラーサブキャリアからの周波数差を持っており、前記比較は復調されたベースバンドクロミナンス信号の周波数成分間で行われることを特徴とする方法からなる。
【0014】
なお更なる態様において、本発明は、複合カラーテレビジョン信号のひずみを修正する方法であって、上側クロミナンス側波帯が識別され、その振幅がそれを対応する下側クロミナンス側波帯の振幅に等しくすることによって修正されることを特徴とする方法からなる。
有利には、前記対応する下側波帯はその水平空間周波数と垂直空間周波数と時間周波数との座標に関して識別される。
【0015】
なお更なる態様において、本発明は、入力信号を周波数成分に分解するステップと、クロミナンスと輝度の大きさを各周波数における成分に割り当てるステップとを含む、複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法であって、ある特定の成分のクロミナンスへの割当ては対応する空間周波数における複合信号の輝度情報の測定値に依存して片寄らされることを特徴とする方法からなる。
【0016】
好適には、前記入力信号は複合テレビジョン信号であるが、前記入力信号はテレビジョン信号の復調されたクロミナンス信号でもあり得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記のように構成したので、高品質に複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術のPAL復号器を示す図である。
【図2】PAL信号の垂直/時間スペクトルを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による復号器を示す図である。
【図4】ルックアップテーブル関数示す図である。
【図5】NTSC信号の垂直/時間スペクトルを示す図である。
【図6】本発明の他の一態様による複合信号復号器を示す図である。
【図7】本発明の更に他の一態様による複合信号復号器を示す図である。
【図8】輝度処理ルックアップテーブルを示す図である。
【図9】クロミナンス処理ルックアップテーブルを示す図である。
【図10】高周波数損失を修正するためのルックアップテーブルを示す図である。
【図11】本発明の他の一実施形態による複合信号復号器を示す図である。
【図12】本発明の変形例を示す図である。
【図13】代替変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の例は、下記の図面を参照しながら説明される。
最初に、従来技術の欠点を説明するために、既知の復号器が説明される。図1を参照すると、そのカラーサブキャリア周波数の4倍(4fSC)でサンプリングされた複合PAL信号(1)は、3次元の空間的にオーバーラップしたブロックに分割され(2)、各ブロックにウィンドウ関数(3)が適用され、各ブロックの3次元FFTが取られる(4)。
【0020】
3次元ブロックは、多数の連続するフィールドから取られた空間的時間的に隣接するピクセル、例えばトータルで2048ピクセルを与える、8個の連続フィールド上の16本の垂直方向に隣接するライン上の16個の水平方向に隣接するピクセルのブロックを意味する。
【0021】
FFTの結果は、水平空間周波数と垂直空間周波数と時間周波数とに関してピクセルのブロックを定義する2048個の周波数成分の1セット(上記の例の場合)になるであろう。各成分は、振幅値と位相値の両方を持っている。これらの成分は、クロミナンスを表す成分だけが逆FFT(10)に入力されるように、輝度によってこれらを除去するように処理されるであろう。
【0022】
ブロック(5)は、各成分の大きさを決定する。除算器(6)は、各成分を単位振幅に正規化するように、各成分をその大きさで除算する。
コンパレータ(8)は、各成分の大きさを一つの他成分の大きさと比較する。この他成分は、カラーサブキャリア周波数からのその3次元周波数差がカラーサブキャリアからのその成分自身の周波数差に等しくて相対する成分であるように(ブロック(7)によって)選択される。
【0023】
この点は図2に示されており、この図は対応する周波数成分の選択が垂直周波数次元と時間周波数次元とにおいてどのように行われるかを示している。信号は(ライン構造によって)垂直方向に、また(フィールド構造によって)時間方向にサンプリングされているので、スペクトルは図示のように垂直方向、時間方向に繰り返されている。この図は、カラーサブキャリアのスペクトル位置(fSC)と処理すべき周波数成分(x)とを示している。等しくて相対する周波数差を有する成分の位置は(w)で示されている。完全のためにこの図は、(位相が交互になる)Vキャリア(V)の位置も示している。
【0024】
図2は、垂直次元と時間次元だけを示しており、スペクトルの水平次元は大きさ比較のために選択される周波数成分(w)を決定する際にアナログ的な仕方で処理されなくてはならないことが留意されなくてはならない。
【0025】
図1に戻ると、ブロック(8)は、二つの比較された成分のうちの小さいほうの大きさを乗算器(9)に出力する。前に説明したように乗算器への第2の入力は、処理される成分の位相を有する単位大きさの成分である。したがって乗算器の出力は、元の位相を持つが関連「サブキャリア反射」成分がより小さい振幅を持つ場合には減少した振幅を有する修正された周波数成分である。
【0026】
各ブロック内の2048個すべての周波数成分はこのように処理されて逆FFT(10)に入力され、この逆FFT(10)の出力は減衰した輝度周波数を有するピクセルのフィルタリングされた1ブロックである。
【0027】
この処理の結果は、ブロック(11)においてウィンドウ処理された2048個のクロミナンスピクセルの3次元ブロックである。このウィンドウは、ウィンドウ(3)とのその組合せが隙間なく隣接する応答を与えるように、すなわち出力ブロックが結合される(12)ときブロック内の位置に振幅依存性が存在しないように選択される。一例は、各ウィンドウに関して、結合のために高いコサイン応答を与える同じコサイン(余弦)曲線関数を使用することである。
【0028】
ブロック(12)の出力は、分離された輝度出力(14)を与えるためにブロック(13)内で複合入力から(適当な処理遅延許容値をもって)減算され得る、またベースバンドU、V色差出力(16)を与えるために復調され(15)得る変調されたクロミナンス信号である。
【0029】
図2の点検は、スペクトルの反復構造のために対称な両側波帯クロミナンスを本質的に模倣する幾つかの周波数が存在することを示す。これらの一つは、位相が交互になるV軸キャリアであって、これは真のクロミナンス成分であるから幸運である。もう一つは、位置(a)における可動対角パターンであり、これは反対方向に3分の1の速度で移動することを除いて真のサブキャリアと同じである。更なる一例は、(b)に示されており、反対方向に3分の1の速度で移動することを除いてV軸キャリアと同じである。これら両パターンは、従来技術にしたがって復号されるとき、粗いクロスカラー(画像のゆがみ)を生じさせるであろう。
【0030】
従来技術の手法の更なる欠点は、両色差信号が同じ(または極めて近い)周波数を有する側波帯を生じさせるときに明らかになる。この場合その成分の大きさは、二つのベースバンド色差成分の相対位相に依存し、予期される対称性は結果的に得られない可能性がある。これは、U、Vキャリアが異なる空間時間周波数を持つので、PALでは可能性がより小さい。しかしながらNTSCでは、二つの色差信号が同じキャリア周波数上に変調されるので、この状況はよく、色つきパターンまたはテクスチャの符号化の結果から得られる可能性がある。
【0031】
今度は図3を参照しながら本発明の一実施形態が説明されるであろう。これは、図1の最小関数(8)がルックアップテーブル(参照表)(308)によって置き換えられていることを除いて図1と同じ構造を有する復号器を示す。
【0032】
このテーブルは、処理される周波数成分の大きさとサブキャリアに関して対称に配置された対応する成分の大きさとに関する入力と、ある場合には三つの周波数次元すべてを含む、処理される成分の周波数を定義する周波数決定ブロック(318)からの第3の入力とを有する。
【0033】
周波数入力は、ある幾つかの周波数が異なって処理されることを可能にし、特に水平クロミナンスバンド内の異なる周波数は、それらの3次元周波数成分のすべてまたはいずれかに依存して異なって処理され得る。ルックアップテーブルは、処理される成分の異なる周波数または周波数範囲に対応する、異なる「ページ」を持つことができる。例えば図2の周波数(a)、(b)は、クロスカラーと、激しく減衰しているそれらの大きさとの源と見なすことができる。
【0034】
周波数依存動作を可能とするばかりでなくルックアップテーブルは、二つの成分の振幅の任意関数が逆FFT(310)に渡される成分の大きさを決定するために使用されることを可能にする。
【0035】
適当な関数の例は、図4に示されている。この図は、処理される周波数と、同等の「サブキャリア反射」周波数成分との種々の大きさに関するテーブル出力の図を示す。
【0036】
これら二つの成分が実質的に等しい振幅を有する場合に出力は処理される成分の振幅に対応することが知られ得る。しかしながら振幅が大きく異なる場合には、テーブル出力はゼロである。これら二つの領域間で出力は、これら二つの値の間を滑らかに変化する。
【0037】
周波数を含む関数の使用は、NTSC信号の復号を実行可能にする。これは、従来技術では不可能と考えられる。この場合、FFTのためのピクセルの適当なブロックは、水平方向16ライン×垂直方向4フィールド×16ピクセルである。
【0038】
図5は、NTSCクロミナンスの垂直/時間構造を示す。図2に示したと同じ仕方で周波数(x)は、(x)が真のクロミナンスによる場合には周波数(w)と同時に発生するであろう。しかしながらカラーサブキャリアに関して本質的に対称である(スペクトル反復のせいで)周波数は、PALの場合より遥かに厄介である。
【0039】
周波数(o)を考えてみる。これは、垂直/時間平面の原点に在り、細かい垂直ストライプの静止パターンに対応する。これは、サブキャリアに関して対称に繰り返し、したがって従来技術の素朴なアプリケーションの場合には、細かいクロスカラーの有力な源になるであろう。
【0040】
周波数(d)は、(カラーサブキャリアの2倍垂直周波数を有する)静止対角パターンに対応し、またクロスカラーの源にもなるであろう。大抵の映像源はこの周波数を避けるために予めフィルタリングされるであろうが(この周波数が激しくエイリアシングされるであろうから)、静止した細部がクロスカラーを与えることは望ましくない。
【0041】
したがって減衰させられるべき図5の位置(o)、(d)に近い周波数成分を用意することによってNTSCを復号するために図3の復号器を使用することができる。これは、これらの周波数において無視し得る出力を与えるようにルックアップテーブルをプログラミングすることによって行われる。テーブル内容を生成する適当な方法は、元の符号化されていないRGBまたはYUV成分が利用可能である素材を復号することによって、また復号された出力内の誤りを最小にするようにテーブルを最適化することによってテーブルを「調整する」ことである。
【0042】
二つのベースバンドクロミナンス成分から結果的に得られる同じ側波帯周波数のNTSCにおけるより大きな可能性は、周波数に関するルックアップテーブル応答の変化がPAL復号器の場合より大きいであろうことを意味する。
今度は、復調されたクロミナンス信号について処理が実行される本発明のもう一つの態様の例が説明されるであろう。
【0043】
本発明のこの態様による復号器は、図6に示されている。任意の都合の良い周波数(例えば直交ライン固定サンプリング周波数)でサンプリングされ得る複合ディジタル入力(601)は、同相で直角位相のベースバンドクロミナンス成分を出力する単純なクロミナンス復調器(617)に入力される。PALの場合にはV軸復調器は交互のライン上で反転されるべきではない。これらの復調された成分の帯域幅は、クロミナンス帯域のすべてが含まれることを保証するために十分に広くされる。これらの復調された成分がクロスカラーを含むであろうことは無論である。
【0044】
復調を実行するために、ビデオサンプル速度におけるサンプルの点からカラーサブキャリアを表すことと、復調するサブキャリアの位相をビデオ入力の基準バーストに固定することとが必要である。「比率計数」を含む既知の手法が使用できる。
【0045】
復調された成分は、復調のために使用された同じキャリアを使用して再変調され(619)、輝度だけを含む信号を与えるために複合入力から減算される(620)。
これら二つの復調された成分は、図1、3と同じ仕方でオーバーラップしたブロックに分割され(602)、ウィンドウ処理される(603)。各ブロックは、これら二つの成分を複素変数の実数部と虚数部として取り扱う複素3次元FFT(604)に加えられる。結果として得られる周波数成分は、対称成分を識別して逆FFT(610)に渡すようにブロック(605)、(606)、(607)、(608)、(609)によって前述と同じ仕方で処理される。
【0046】
信号は復調されているので、カラーサブキャリアに対応する水平周波数はゼロになるであろうし、したがって水平周波数の対称性の決定は、位相情報の使用を必要とする。これは、FFT(604)が信号を複素変数として処理するので可能である。垂直・時間処理は、上述の処理と類似であり得る。
【0047】
逆FFT(610)の実数出力と虚数出力はウィンドウ処理され(611)、これらのブロックは二つの、クロスカラーのない色差信号(616)を与えるために結合される(612)。PALの場合、V軸成分は復調段階でこれが行われなかったので交互のライン上で反転されなくてはならない。
【0048】
この「クリーンな(清浄な)」クロミナンスは、ベースバンドクロスカラーを与えるために未処理の復調されたクロミナンスから減算される(613)(処理遅延のための当然の余裕を見込んで)。これは、真の輝度を与えるために復調に使用された同じキャリア上に再変調される(621)。この輝度は、減算器(620)の出力に(正しい位相と適当なタイミングで)加算される(622)。この結果は、クロスルミナンスのない完全帯域幅輝度出力(614)である。
【0049】
図6の復号器構造は、PALまたはNTSCのために使用でき、単に本質的な差異は、復調と再変調のための適当なサブキャリアの生成と、クロミナンスと輝度を分離するためのルックアップテーブルと、PALのためのV成分の交番ライン位相反転である。
【0050】
これまで説明した復号器は、「相補的」であって、すなわち入力周波数はまったく失われず、それらは輝度チャネルまたはクロミナンスチャネルどちらかで処理され、クロミナンスと輝度の周波数応答の和は、単一である。これは、復号処理の理論的可逆性を保証している。
【0051】
もし可逆性が要件でなければ、クロミナンス応答と輝度応答とを互いに独立に最適化することが有利であり得る。図7は、この可能性を与える復号器を示す。
図7を参照すると、図3の復号器とのある類似性があることが見られるであろう(対応する機能ブロックの参照数字は最初の桁が異なるだけである)。差異は、ルックアップテーブル(708)が一方の出力は輝度応答を制御し、他方はクロミナンス応答を制御する二つの出力を持つことである。除算器706からの単位振幅周波数成分を輝度信号とクロミナンス信号とに変換する二つの別々の処理チェーン(709C〜712C、および709Y〜712Y)が存在する。
【0052】
ルックアップテーブル708は、一方のテーブルは乗算器(709Y)のために輝度振幅制御信号を生成し、他方のテーブルは乗算器(709C)のためにクロミナンス振幅制御信号を生成する、共通の入力を有する二つの別々のテーブルと見なすことができる。これらの乗算器は、それぞれの逆FFT段階(710Y)、(710C)に入力される周波数成分の大きさを制御する。
【0053】
図8は、輝度振幅制御信号がサブキャリア周波数に近いテーブル「ページ」のためのテーブル入力にどのように依存しているかの一例を示す。処理される周波数成分の振幅が対応する「反射された」成分の振幅に類似している場合には、テーブルからの出力はゼロである。二つの周波数成分がかなり異なる振幅を有する場合には、テーブル出力は処理される周波数成分の振幅に対応する。これらの条件の間でテーブル出力は、これら二つの状態の間を滑らかに変化する。この応答は、図4に示す応答の「相補分」である。
【0054】
図9は、テーブルの類似領域に関するクロミナンス振幅制御信号を示す。クロミナンステーブルは輝度チャネルの必要によって束縛されないので、クロミナンスのひずみを修正する応答は実現可能である。周波数成分とその反射とが大きさにおいてほぼ等しい場合には、出力はこれら二つの振幅の平均に等しく、さもなければ応答は図4に示したものに類似している。この平均化は、復号器に先立つ伝送チェーンにおけるフィルタによって上側クロミナンス側波帯の望ましくない減衰の結果から生じるU/Vクロストークを除去することができる。
【0055】
U/Vクロストークは除去されるが、クロミナンス解像度は低下する。図10は、失われたクロミナンス解像度を回復するもう一つのクロミナンスルックアップテーブル関数を示す。ここで、テーブルに入力される周波数は、処理される周波数成分が上側または下側クロミナンス側波帯であるかどうか(すなわち空間周波数に対応する信号周波数が変調されていないサブキャリア周波数の信号周波数より高いか低いかどうか)を決定するために使用される。処理される周波数が上側波帯に対応し、その振幅が、対応する下側波帯の振幅よりわずかに小さい場合には、テーブル出力はそれぞれの下側波帯の振幅に対応する。下側クロミナンス側波帯が処理されている可能性があることをテーブルに入力された周波数が示す場合は、図4に示すような応答が使用される。こうしてU/Vクロストークと同様に高い周波数のクロミナンス損失も修正される。
【0056】
テーブルを生成する適当な方法は、ある範囲の側波帯損失を受けた複合素材を使用して上述のようにテーブルを「調整する」ことである。
図9、10のクロミナンス処理方法は、修正されたクロミナンスが入力クロミナンスを打ち消さず、またその結果クロスルミナンスが生じるので、図3または6の復号器には適当でない。しかしながら図6の復号器は、図11に示すような別の輝度経路を含むように修正され得る。図6に対応する図11のこれらの要素は、(6*)が(11*)に置き換えられた、同様な参照数字を与えられている。ルックアップテーブル(1108)は、図7の復号器と同じ仕方でクロミナンス応答と輝度応答とを制御するために別々の出力を持っている。
【0057】
異なる周波数がルックアップテーブルの異なるページをアドレス指定できることが説明された。周波数の代わりに、または周波数と同様に他のパラメータが使用できる。使用されるページを決定するために、垂直信号差、水平信号差、または時間信号差が使用可能である。変換は3次元未満の周波数次元を使用する可能性があり、例えば時間次元は省略され、復号される画像内の動きを識別するために信号差が頼りにされる可能性がある。
【0058】
更なる改良は、高い振幅クロミナンスを含み得ない複合信号スペクトルの低周波部分を分析して、復調されたクロミナンスの空間周波数と一致する空間周波数成分が存在するかどうかに注目することによって可能である。もし対応する成分が見出されれば、復調されたクロミナンスが真のクロミナンスである可能性はより高くなる。もし相関がなければ、復調された信号はクロスカラーである可能性がより高くなる。したがってクロミナンスへの特定の周波数成分の割当は、片寄らされる可能性がある。
【0059】
図12は、このような処理がどのように実行され得るかの一例を示す。この図は、改良された性能を得るために図6に示す処理と組み合わされ得る更なる処理を示す。図12を参照すると、低周波入力(1201)はオーバーラップするブロック(1202)に分離されてウィンドウ処理され(1203)、FFTプロセッサ(1204)に入力される。
【0060】
入力(1201)は、適当なローパスフィルタリング(低域濾波処理)後の復号器入力、またはより好都合には図6の減算器(620)の出力であり得る。その意図は、高振幅クロミナンス成分を含まないほどサブキャリア周波数から離れた、スペクトルの部分だけを処理することである。
【0061】
ブロック構造は、結果が追加情報をルックアップテーブル(608)に与えるために使用されるので、輝度/クロミナンス分離処理で使用されたものと同じであるべきであり、またこの処理は、これと並行して行われるべきである。
【0062】
FFT処理(1204)の出力は、ピクセルの現在ブロックのスペクトルを記述する1セットの周波数係数である。係数セレクタ(1205)は、制御アドレス(1206)に依存してこれらの係数のうちの一つを選択する。この制御アドレスは、図6のブロック(618)から出力された周波数値である。出力(1207)は、ルックアップテーブル(608)の動作を修正するために使用される。
【0063】
ブロック(1205)によって選択されるために必要とされる周波数は実際には、ルックアップテーブル(608)がベースバンドクロミナンスを処理しているのでこのテーブル内で処理される成分の周波数と同じである。したがってセレクタ(1205)の出力は、ルックアップテーブル内で現在分析されつつあるクロミナンスと同じ空間周波数を有する輝度が存在するかどうかの測定値である。したがってブロック(1205)からの出力(1207)の大きさは、その決定を真のクロミナンスの方へ片寄らせるためにルックアップテーブル内で使用され得る。これは、ブロック(1205)の出力の大きさを「ソフト」閾値であり得る適当な閾値と比較することによって達成され得る。
【0064】
更に正確な方法は、セレクタ(1205)の出力における低周波数輝度係数の大きさをルックアップテーブルによって処理される係数の大きさと比較することである。輝度係数の大きさ((1205)の出力における)がブロック(605)から出力される係数(輝度またはクロミナンスとして識別される)の大きさより著しくは小さくはないとき、テーブル(608)は乗算器(609)の利得を増加させることによって関連周波数をクロミナンスに割り当てることの方に片寄らされる。
【0065】
図3の復号器は、低周波数輝度情報を利用するように修正することもできる。これは、図3のブロック(305)、(307)、(308)、(318)の修正版を示す図13に示されている。
【0066】
図13を参照すると、復号されるべき信号から導出された1セットの周波数係数(1301)は、各それぞれの係数のどれほど多くが復号器のクロミナンスチャネルと輝度チャネルとに割り当てられるかを決定する、対応する1セットの利得制御信号(1302)を決定するために処理される。
【0067】
この決定は、ブロック(1305)からの処理される係数の大きさと、ブロック(1307)からの、サブキャリア周波数の周りに反射された対応する周波数における係数の大きさと、ブロック(1318)からの処理される係数の周波数と、ブロック(1330)からの(サブキャリアを用いて)復調された処理される係数に対応する周波数における係数の大きさと、に基づいてルックアップテーブル(1308)によって行われる。
【0068】
ブロック(1330)は、処理される係数の周波数とサブキャリア周波数との間の(3次元的)周波数差を決定し、それからこの差分周波数における係数の大きさをルックアップテーブル(1308)に渡す。
【0069】
例えば190c/apw、125c/aph、−16Hzの(水平/垂直/時間)周波数による係数がNTSC復号器で処理されつつあるものと仮定する。サブキャリア周波数は、188c/apw、120c/aph、−15Hzに対応し、したがって差分周波数は2c/apw、5c/aph、−1Hzであり、またこれは、その係数が処理される係数の復号を助けるために使用される周波数である。
【0070】
テーブル(1308)は、ブロック(1330)からの出力がブロック(1305)からの信号より著しくは小さくないときにその出力を大きくするように整えられる。この状況では、処理される係数は真のクロミナンスである可能性がより高くなる。代替としてテーブルは、ブロック(1330)の出力の絶対値が適当な閾値を超えるときにクロミナンスに有利に働くように整えられる。
【0071】
本発明の例がここに説明されたことと、当業者が説明された概念の範囲内に入る他の方法で本発明を実施できることとは、認められなくてはならない。
【符号の説明】
【0072】
303 ウインドウ関数
304 3次元FET
306 除算器
308 ルックアップテーブル
309 乗算器
310 3次元逆FET
318 周波数決定ブロック
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合カラーテレビジョン信号のカラー成分への復号に関する。
【背景技術】
【0002】
NTSCおよびPALといった複合カラーテレビジョンシステムは、信号の輝度とクロミナンスの成分が同じスペクトルを占有し、なおクロストーク(漏話)の許容可能レベルで分離され得るように設計される。表示のために複合信号を使用することは常に、この信号が3原色成分(赤、緑、青)に分離(復号)されることを必要とし、他の多くの処理操作は、少なくとも輝度からのクロミナンスの分離を必要とし、しばしばクロミナンスの復号を更に必要とする。
【0003】
特定のアプリケーションに関する復号方法の選択は、クロミナンスと輝度との間のクロストークの許容可能レベルと、分離処理の結果としての所望のクロミナンスと輝度のひずみの程度とに依存する。画像が大きなスクリーンに表示される場合、またはフィルムから引き出された画像との比較に耐えなくてはならない場合には、クロストークとひずみが無視できるほどの最高レベルのクロミナンス・輝度分離が必要である。
【0004】
高品質の複合信号復号器は、実輝度によって複製されそうもない高い空間周波数の可動対角キャリア上にクロミナンスが変調されるということを利用する。幾つかのラインとフィールドとからの寄与を使用することによって、信号スペクトルの異なる部分を輝度とクロミナンスとに割り当てるので典型的な映像上でほとんどクロストークのない分離を達成する櫛型フィルタを作製することができる。しかしながら重要な素材のクロストークまたはひずみを避けるように、映像素材のタイプに依存してフィルタの周波数特性を「適応させる」ことがしばしば必要になる。
【0005】
特許文献1は、信号を周波数領域に変換するために高速フーリエ変換(FFT)を使用し、それからサブキャリア周波数に関するスペクトルの対称性を調査することによってこれを行う新規な方法を提示している。クロミナンス成分は振幅変調されているので、ベースバンドクロミナンスの各フーリエ成分は、結果としてサブキャリア周波数の周りに対称に配置された1対の等振幅側波帯になる。各周波数成分を相対するクロミナンス側波帯に対応する対応成分と比較することによって、特定の成分が輝度またはクロミナンスを表すかどうかを決定することが可能である。
【0006】
この引用された特許は、この手法をNTSCに適用する方法を説明しておらず、また信号がサブキャリア周波数の倍数でサンプリングされるアプリケーションに限定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1175102号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明者は、従来技術の適用可能性を広げる多数の改良点が存在すること、特にこれがNTSCの復号に応用可能であることと、符号化された信号に存在し得るある幾つかのひずみが修正され得ることと、この処理が任意のサンプリング速度で復調クロミナンス信号に対して実行し得ることとを認めている。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、改良された方法で、複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分を分離する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、複合カラーテレビジョン信号の第1の周波数成分をこの信号の第2の周波数成分と比較することによってこの複合カラーテレビジョン信号のクロミナンスと輝度とを分離する方法であって、この第2の成分は第1の周波数成分のカラーサブキャリアからの周波数差に等しくて相対するカラーサブキャリアからの周波数差を持っており、この比較は第1の周波数成分の周波数に依存して異なることを特徴とする方法の一態様にある。
【0011】
適切には、この比較は前記第1の周波数成分の水平空間周波数に依存して異なる。
有利には、この比較は前記第1の周波数成分の垂直空間周波数に依存して異なる。
更に、この比較は前記第1の周波数成分の時間周波数に依存して異なり得る。
【0012】
更なる実施形態において、この比較は複合信号の水平、垂直、または時間の差に依存して異なり得る。
有利には、この時間差はクロミナンス復調器の出力から導出され得る。
【0013】
更なる態様において、本発明は、複合カラーテレビジョン信号の第1の周波数成分をこの信号の第2の周波数成分と比較することによってこの複合カラーテレビジョン信号のクロミナンスと輝度とを分離する方法であって、前記第2の成分は前記カラーサブキャリアからの第1の周波数成分の周波数差に等しくて相対するカラーサブキャリアからの周波数差を持っており、前記比較は復調されたベースバンドクロミナンス信号の周波数成分間で行われることを特徴とする方法からなる。
【0014】
なお更なる態様において、本発明は、複合カラーテレビジョン信号のひずみを修正する方法であって、上側クロミナンス側波帯が識別され、その振幅がそれを対応する下側クロミナンス側波帯の振幅に等しくすることによって修正されることを特徴とする方法からなる。
有利には、前記対応する下側波帯はその水平空間周波数と垂直空間周波数と時間周波数との座標に関して識別される。
【0015】
なお更なる態様において、本発明は、入力信号を周波数成分に分解するステップと、クロミナンスと輝度の大きさを各周波数における成分に割り当てるステップとを含む、複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法であって、ある特定の成分のクロミナンスへの割当ては対応する空間周波数における複合信号の輝度情報の測定値に依存して片寄らされることを特徴とする方法からなる。
【0016】
好適には、前記入力信号は複合テレビジョン信号であるが、前記入力信号はテレビジョン信号の復調されたクロミナンス信号でもあり得る。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記のように構成したので、高品質に複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離することを可能にした。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】従来技術のPAL復号器を示す図である。
【図2】PAL信号の垂直/時間スペクトルを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による復号器を示す図である。
【図4】ルックアップテーブル関数示す図である。
【図5】NTSC信号の垂直/時間スペクトルを示す図である。
【図6】本発明の他の一態様による複合信号復号器を示す図である。
【図7】本発明の更に他の一態様による複合信号復号器を示す図である。
【図8】輝度処理ルックアップテーブルを示す図である。
【図9】クロミナンス処理ルックアップテーブルを示す図である。
【図10】高周波数損失を修正するためのルックアップテーブルを示す図である。
【図11】本発明の他の一実施形態による複合信号復号器を示す図である。
【図12】本発明の変形例を示す図である。
【図13】代替変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の例は、下記の図面を参照しながら説明される。
最初に、従来技術の欠点を説明するために、既知の復号器が説明される。図1を参照すると、そのカラーサブキャリア周波数の4倍(4fSC)でサンプリングされた複合PAL信号(1)は、3次元の空間的にオーバーラップしたブロックに分割され(2)、各ブロックにウィンドウ関数(3)が適用され、各ブロックの3次元FFTが取られる(4)。
【0020】
3次元ブロックは、多数の連続するフィールドから取られた空間的時間的に隣接するピクセル、例えばトータルで2048ピクセルを与える、8個の連続フィールド上の16本の垂直方向に隣接するライン上の16個の水平方向に隣接するピクセルのブロックを意味する。
【0021】
FFTの結果は、水平空間周波数と垂直空間周波数と時間周波数とに関してピクセルのブロックを定義する2048個の周波数成分の1セット(上記の例の場合)になるであろう。各成分は、振幅値と位相値の両方を持っている。これらの成分は、クロミナンスを表す成分だけが逆FFT(10)に入力されるように、輝度によってこれらを除去するように処理されるであろう。
【0022】
ブロック(5)は、各成分の大きさを決定する。除算器(6)は、各成分を単位振幅に正規化するように、各成分をその大きさで除算する。
コンパレータ(8)は、各成分の大きさを一つの他成分の大きさと比較する。この他成分は、カラーサブキャリア周波数からのその3次元周波数差がカラーサブキャリアからのその成分自身の周波数差に等しくて相対する成分であるように(ブロック(7)によって)選択される。
【0023】
この点は図2に示されており、この図は対応する周波数成分の選択が垂直周波数次元と時間周波数次元とにおいてどのように行われるかを示している。信号は(ライン構造によって)垂直方向に、また(フィールド構造によって)時間方向にサンプリングされているので、スペクトルは図示のように垂直方向、時間方向に繰り返されている。この図は、カラーサブキャリアのスペクトル位置(fSC)と処理すべき周波数成分(x)とを示している。等しくて相対する周波数差を有する成分の位置は(w)で示されている。完全のためにこの図は、(位相が交互になる)Vキャリア(V)の位置も示している。
【0024】
図2は、垂直次元と時間次元だけを示しており、スペクトルの水平次元は大きさ比較のために選択される周波数成分(w)を決定する際にアナログ的な仕方で処理されなくてはならないことが留意されなくてはならない。
【0025】
図1に戻ると、ブロック(8)は、二つの比較された成分のうちの小さいほうの大きさを乗算器(9)に出力する。前に説明したように乗算器への第2の入力は、処理される成分の位相を有する単位大きさの成分である。したがって乗算器の出力は、元の位相を持つが関連「サブキャリア反射」成分がより小さい振幅を持つ場合には減少した振幅を有する修正された周波数成分である。
【0026】
各ブロック内の2048個すべての周波数成分はこのように処理されて逆FFT(10)に入力され、この逆FFT(10)の出力は減衰した輝度周波数を有するピクセルのフィルタリングされた1ブロックである。
【0027】
この処理の結果は、ブロック(11)においてウィンドウ処理された2048個のクロミナンスピクセルの3次元ブロックである。このウィンドウは、ウィンドウ(3)とのその組合せが隙間なく隣接する応答を与えるように、すなわち出力ブロックが結合される(12)ときブロック内の位置に振幅依存性が存在しないように選択される。一例は、各ウィンドウに関して、結合のために高いコサイン応答を与える同じコサイン(余弦)曲線関数を使用することである。
【0028】
ブロック(12)の出力は、分離された輝度出力(14)を与えるためにブロック(13)内で複合入力から(適当な処理遅延許容値をもって)減算され得る、またベースバンドU、V色差出力(16)を与えるために復調され(15)得る変調されたクロミナンス信号である。
【0029】
図2の点検は、スペクトルの反復構造のために対称な両側波帯クロミナンスを本質的に模倣する幾つかの周波数が存在することを示す。これらの一つは、位相が交互になるV軸キャリアであって、これは真のクロミナンス成分であるから幸運である。もう一つは、位置(a)における可動対角パターンであり、これは反対方向に3分の1の速度で移動することを除いて真のサブキャリアと同じである。更なる一例は、(b)に示されており、反対方向に3分の1の速度で移動することを除いてV軸キャリアと同じである。これら両パターンは、従来技術にしたがって復号されるとき、粗いクロスカラー(画像のゆがみ)を生じさせるであろう。
【0030】
従来技術の手法の更なる欠点は、両色差信号が同じ(または極めて近い)周波数を有する側波帯を生じさせるときに明らかになる。この場合その成分の大きさは、二つのベースバンド色差成分の相対位相に依存し、予期される対称性は結果的に得られない可能性がある。これは、U、Vキャリアが異なる空間時間周波数を持つので、PALでは可能性がより小さい。しかしながらNTSCでは、二つの色差信号が同じキャリア周波数上に変調されるので、この状況はよく、色つきパターンまたはテクスチャの符号化の結果から得られる可能性がある。
【0031】
今度は図3を参照しながら本発明の一実施形態が説明されるであろう。これは、図1の最小関数(8)がルックアップテーブル(参照表)(308)によって置き換えられていることを除いて図1と同じ構造を有する復号器を示す。
【0032】
このテーブルは、処理される周波数成分の大きさとサブキャリアに関して対称に配置された対応する成分の大きさとに関する入力と、ある場合には三つの周波数次元すべてを含む、処理される成分の周波数を定義する周波数決定ブロック(318)からの第3の入力とを有する。
【0033】
周波数入力は、ある幾つかの周波数が異なって処理されることを可能にし、特に水平クロミナンスバンド内の異なる周波数は、それらの3次元周波数成分のすべてまたはいずれかに依存して異なって処理され得る。ルックアップテーブルは、処理される成分の異なる周波数または周波数範囲に対応する、異なる「ページ」を持つことができる。例えば図2の周波数(a)、(b)は、クロスカラーと、激しく減衰しているそれらの大きさとの源と見なすことができる。
【0034】
周波数依存動作を可能とするばかりでなくルックアップテーブルは、二つの成分の振幅の任意関数が逆FFT(310)に渡される成分の大きさを決定するために使用されることを可能にする。
【0035】
適当な関数の例は、図4に示されている。この図は、処理される周波数と、同等の「サブキャリア反射」周波数成分との種々の大きさに関するテーブル出力の図を示す。
【0036】
これら二つの成分が実質的に等しい振幅を有する場合に出力は処理される成分の振幅に対応することが知られ得る。しかしながら振幅が大きく異なる場合には、テーブル出力はゼロである。これら二つの領域間で出力は、これら二つの値の間を滑らかに変化する。
【0037】
周波数を含む関数の使用は、NTSC信号の復号を実行可能にする。これは、従来技術では不可能と考えられる。この場合、FFTのためのピクセルの適当なブロックは、水平方向16ライン×垂直方向4フィールド×16ピクセルである。
【0038】
図5は、NTSCクロミナンスの垂直/時間構造を示す。図2に示したと同じ仕方で周波数(x)は、(x)が真のクロミナンスによる場合には周波数(w)と同時に発生するであろう。しかしながらカラーサブキャリアに関して本質的に対称である(スペクトル反復のせいで)周波数は、PALの場合より遥かに厄介である。
【0039】
周波数(o)を考えてみる。これは、垂直/時間平面の原点に在り、細かい垂直ストライプの静止パターンに対応する。これは、サブキャリアに関して対称に繰り返し、したがって従来技術の素朴なアプリケーションの場合には、細かいクロスカラーの有力な源になるであろう。
【0040】
周波数(d)は、(カラーサブキャリアの2倍垂直周波数を有する)静止対角パターンに対応し、またクロスカラーの源にもなるであろう。大抵の映像源はこの周波数を避けるために予めフィルタリングされるであろうが(この周波数が激しくエイリアシングされるであろうから)、静止した細部がクロスカラーを与えることは望ましくない。
【0041】
したがって減衰させられるべき図5の位置(o)、(d)に近い周波数成分を用意することによってNTSCを復号するために図3の復号器を使用することができる。これは、これらの周波数において無視し得る出力を与えるようにルックアップテーブルをプログラミングすることによって行われる。テーブル内容を生成する適当な方法は、元の符号化されていないRGBまたはYUV成分が利用可能である素材を復号することによって、また復号された出力内の誤りを最小にするようにテーブルを最適化することによってテーブルを「調整する」ことである。
【0042】
二つのベースバンドクロミナンス成分から結果的に得られる同じ側波帯周波数のNTSCにおけるより大きな可能性は、周波数に関するルックアップテーブル応答の変化がPAL復号器の場合より大きいであろうことを意味する。
今度は、復調されたクロミナンス信号について処理が実行される本発明のもう一つの態様の例が説明されるであろう。
【0043】
本発明のこの態様による復号器は、図6に示されている。任意の都合の良い周波数(例えば直交ライン固定サンプリング周波数)でサンプリングされ得る複合ディジタル入力(601)は、同相で直角位相のベースバンドクロミナンス成分を出力する単純なクロミナンス復調器(617)に入力される。PALの場合にはV軸復調器は交互のライン上で反転されるべきではない。これらの復調された成分の帯域幅は、クロミナンス帯域のすべてが含まれることを保証するために十分に広くされる。これらの復調された成分がクロスカラーを含むであろうことは無論である。
【0044】
復調を実行するために、ビデオサンプル速度におけるサンプルの点からカラーサブキャリアを表すことと、復調するサブキャリアの位相をビデオ入力の基準バーストに固定することとが必要である。「比率計数」を含む既知の手法が使用できる。
【0045】
復調された成分は、復調のために使用された同じキャリアを使用して再変調され(619)、輝度だけを含む信号を与えるために複合入力から減算される(620)。
これら二つの復調された成分は、図1、3と同じ仕方でオーバーラップしたブロックに分割され(602)、ウィンドウ処理される(603)。各ブロックは、これら二つの成分を複素変数の実数部と虚数部として取り扱う複素3次元FFT(604)に加えられる。結果として得られる周波数成分は、対称成分を識別して逆FFT(610)に渡すようにブロック(605)、(606)、(607)、(608)、(609)によって前述と同じ仕方で処理される。
【0046】
信号は復調されているので、カラーサブキャリアに対応する水平周波数はゼロになるであろうし、したがって水平周波数の対称性の決定は、位相情報の使用を必要とする。これは、FFT(604)が信号を複素変数として処理するので可能である。垂直・時間処理は、上述の処理と類似であり得る。
【0047】
逆FFT(610)の実数出力と虚数出力はウィンドウ処理され(611)、これらのブロックは二つの、クロスカラーのない色差信号(616)を与えるために結合される(612)。PALの場合、V軸成分は復調段階でこれが行われなかったので交互のライン上で反転されなくてはならない。
【0048】
この「クリーンな(清浄な)」クロミナンスは、ベースバンドクロスカラーを与えるために未処理の復調されたクロミナンスから減算される(613)(処理遅延のための当然の余裕を見込んで)。これは、真の輝度を与えるために復調に使用された同じキャリア上に再変調される(621)。この輝度は、減算器(620)の出力に(正しい位相と適当なタイミングで)加算される(622)。この結果は、クロスルミナンスのない完全帯域幅輝度出力(614)である。
【0049】
図6の復号器構造は、PALまたはNTSCのために使用でき、単に本質的な差異は、復調と再変調のための適当なサブキャリアの生成と、クロミナンスと輝度を分離するためのルックアップテーブルと、PALのためのV成分の交番ライン位相反転である。
【0050】
これまで説明した復号器は、「相補的」であって、すなわち入力周波数はまったく失われず、それらは輝度チャネルまたはクロミナンスチャネルどちらかで処理され、クロミナンスと輝度の周波数応答の和は、単一である。これは、復号処理の理論的可逆性を保証している。
【0051】
もし可逆性が要件でなければ、クロミナンス応答と輝度応答とを互いに独立に最適化することが有利であり得る。図7は、この可能性を与える復号器を示す。
図7を参照すると、図3の復号器とのある類似性があることが見られるであろう(対応する機能ブロックの参照数字は最初の桁が異なるだけである)。差異は、ルックアップテーブル(708)が一方の出力は輝度応答を制御し、他方はクロミナンス応答を制御する二つの出力を持つことである。除算器706からの単位振幅周波数成分を輝度信号とクロミナンス信号とに変換する二つの別々の処理チェーン(709C〜712C、および709Y〜712Y)が存在する。
【0052】
ルックアップテーブル708は、一方のテーブルは乗算器(709Y)のために輝度振幅制御信号を生成し、他方のテーブルは乗算器(709C)のためにクロミナンス振幅制御信号を生成する、共通の入力を有する二つの別々のテーブルと見なすことができる。これらの乗算器は、それぞれの逆FFT段階(710Y)、(710C)に入力される周波数成分の大きさを制御する。
【0053】
図8は、輝度振幅制御信号がサブキャリア周波数に近いテーブル「ページ」のためのテーブル入力にどのように依存しているかの一例を示す。処理される周波数成分の振幅が対応する「反射された」成分の振幅に類似している場合には、テーブルからの出力はゼロである。二つの周波数成分がかなり異なる振幅を有する場合には、テーブル出力は処理される周波数成分の振幅に対応する。これらの条件の間でテーブル出力は、これら二つの状態の間を滑らかに変化する。この応答は、図4に示す応答の「相補分」である。
【0054】
図9は、テーブルの類似領域に関するクロミナンス振幅制御信号を示す。クロミナンステーブルは輝度チャネルの必要によって束縛されないので、クロミナンスのひずみを修正する応答は実現可能である。周波数成分とその反射とが大きさにおいてほぼ等しい場合には、出力はこれら二つの振幅の平均に等しく、さもなければ応答は図4に示したものに類似している。この平均化は、復号器に先立つ伝送チェーンにおけるフィルタによって上側クロミナンス側波帯の望ましくない減衰の結果から生じるU/Vクロストークを除去することができる。
【0055】
U/Vクロストークは除去されるが、クロミナンス解像度は低下する。図10は、失われたクロミナンス解像度を回復するもう一つのクロミナンスルックアップテーブル関数を示す。ここで、テーブルに入力される周波数は、処理される周波数成分が上側または下側クロミナンス側波帯であるかどうか(すなわち空間周波数に対応する信号周波数が変調されていないサブキャリア周波数の信号周波数より高いか低いかどうか)を決定するために使用される。処理される周波数が上側波帯に対応し、その振幅が、対応する下側波帯の振幅よりわずかに小さい場合には、テーブル出力はそれぞれの下側波帯の振幅に対応する。下側クロミナンス側波帯が処理されている可能性があることをテーブルに入力された周波数が示す場合は、図4に示すような応答が使用される。こうしてU/Vクロストークと同様に高い周波数のクロミナンス損失も修正される。
【0056】
テーブルを生成する適当な方法は、ある範囲の側波帯損失を受けた複合素材を使用して上述のようにテーブルを「調整する」ことである。
図9、10のクロミナンス処理方法は、修正されたクロミナンスが入力クロミナンスを打ち消さず、またその結果クロスルミナンスが生じるので、図3または6の復号器には適当でない。しかしながら図6の復号器は、図11に示すような別の輝度経路を含むように修正され得る。図6に対応する図11のこれらの要素は、(6*)が(11*)に置き換えられた、同様な参照数字を与えられている。ルックアップテーブル(1108)は、図7の復号器と同じ仕方でクロミナンス応答と輝度応答とを制御するために別々の出力を持っている。
【0057】
異なる周波数がルックアップテーブルの異なるページをアドレス指定できることが説明された。周波数の代わりに、または周波数と同様に他のパラメータが使用できる。使用されるページを決定するために、垂直信号差、水平信号差、または時間信号差が使用可能である。変換は3次元未満の周波数次元を使用する可能性があり、例えば時間次元は省略され、復号される画像内の動きを識別するために信号差が頼りにされる可能性がある。
【0058】
更なる改良は、高い振幅クロミナンスを含み得ない複合信号スペクトルの低周波部分を分析して、復調されたクロミナンスの空間周波数と一致する空間周波数成分が存在するかどうかに注目することによって可能である。もし対応する成分が見出されれば、復調されたクロミナンスが真のクロミナンスである可能性はより高くなる。もし相関がなければ、復調された信号はクロスカラーである可能性がより高くなる。したがってクロミナンスへの特定の周波数成分の割当は、片寄らされる可能性がある。
【0059】
図12は、このような処理がどのように実行され得るかの一例を示す。この図は、改良された性能を得るために図6に示す処理と組み合わされ得る更なる処理を示す。図12を参照すると、低周波入力(1201)はオーバーラップするブロック(1202)に分離されてウィンドウ処理され(1203)、FFTプロセッサ(1204)に入力される。
【0060】
入力(1201)は、適当なローパスフィルタリング(低域濾波処理)後の復号器入力、またはより好都合には図6の減算器(620)の出力であり得る。その意図は、高振幅クロミナンス成分を含まないほどサブキャリア周波数から離れた、スペクトルの部分だけを処理することである。
【0061】
ブロック構造は、結果が追加情報をルックアップテーブル(608)に与えるために使用されるので、輝度/クロミナンス分離処理で使用されたものと同じであるべきであり、またこの処理は、これと並行して行われるべきである。
【0062】
FFT処理(1204)の出力は、ピクセルの現在ブロックのスペクトルを記述する1セットの周波数係数である。係数セレクタ(1205)は、制御アドレス(1206)に依存してこれらの係数のうちの一つを選択する。この制御アドレスは、図6のブロック(618)から出力された周波数値である。出力(1207)は、ルックアップテーブル(608)の動作を修正するために使用される。
【0063】
ブロック(1205)によって選択されるために必要とされる周波数は実際には、ルックアップテーブル(608)がベースバンドクロミナンスを処理しているのでこのテーブル内で処理される成分の周波数と同じである。したがってセレクタ(1205)の出力は、ルックアップテーブル内で現在分析されつつあるクロミナンスと同じ空間周波数を有する輝度が存在するかどうかの測定値である。したがってブロック(1205)からの出力(1207)の大きさは、その決定を真のクロミナンスの方へ片寄らせるためにルックアップテーブル内で使用され得る。これは、ブロック(1205)の出力の大きさを「ソフト」閾値であり得る適当な閾値と比較することによって達成され得る。
【0064】
更に正確な方法は、セレクタ(1205)の出力における低周波数輝度係数の大きさをルックアップテーブルによって処理される係数の大きさと比較することである。輝度係数の大きさ((1205)の出力における)がブロック(605)から出力される係数(輝度またはクロミナンスとして識別される)の大きさより著しくは小さくはないとき、テーブル(608)は乗算器(609)の利得を増加させることによって関連周波数をクロミナンスに割り当てることの方に片寄らされる。
【0065】
図3の復号器は、低周波数輝度情報を利用するように修正することもできる。これは、図3のブロック(305)、(307)、(308)、(318)の修正版を示す図13に示されている。
【0066】
図13を参照すると、復号されるべき信号から導出された1セットの周波数係数(1301)は、各それぞれの係数のどれほど多くが復号器のクロミナンスチャネルと輝度チャネルとに割り当てられるかを決定する、対応する1セットの利得制御信号(1302)を決定するために処理される。
【0067】
この決定は、ブロック(1305)からの処理される係数の大きさと、ブロック(1307)からの、サブキャリア周波数の周りに反射された対応する周波数における係数の大きさと、ブロック(1318)からの処理される係数の周波数と、ブロック(1330)からの(サブキャリアを用いて)復調された処理される係数に対応する周波数における係数の大きさと、に基づいてルックアップテーブル(1308)によって行われる。
【0068】
ブロック(1330)は、処理される係数の周波数とサブキャリア周波数との間の(3次元的)周波数差を決定し、それからこの差分周波数における係数の大きさをルックアップテーブル(1308)に渡す。
【0069】
例えば190c/apw、125c/aph、−16Hzの(水平/垂直/時間)周波数による係数がNTSC復号器で処理されつつあるものと仮定する。サブキャリア周波数は、188c/apw、120c/aph、−15Hzに対応し、したがって差分周波数は2c/apw、5c/aph、−1Hzであり、またこれは、その係数が処理される係数の復号を助けるために使用される周波数である。
【0070】
テーブル(1308)は、ブロック(1330)からの出力がブロック(1305)からの信号より著しくは小さくないときにその出力を大きくするように整えられる。この状況では、処理される係数は真のクロミナンスである可能性がより高くなる。代替としてテーブルは、ブロック(1330)の出力の絶対値が適当な閾値を超えるときにクロミナンスに有利に働くように整えられる。
【0071】
本発明の例がここに説明されたことと、当業者が説明された概念の範囲内に入る他の方法で本発明を実施できることとは、認められなくてはならない。
【符号の説明】
【0072】
303 ウインドウ関数
304 3次元FET
306 除算器
308 ルックアップテーブル
309 乗算器
310 3次元逆FET
318 周波数決定ブロック
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複合カラーテレビジョン信号の第1の周波数成分を複合カラーテレビジョン信号のそれぞれの第2の周波数成分と比較することによって、前記複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法であって、
前記第2の成分はカラーサブキャリアからの前記第1の周波数成分の周波数差に等しくて相対するカラーサブキャリアからの周波数差を有し、前記比較は復調されたベースバンドクロミナンス信号を処理することによって行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
それぞれの比較は、前記第1の周波数成分の周波数に依存して異なることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較は、前記第1の周波数成分の水平空間周波数に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較は、前記第1の周波数成分の垂直空間周波数に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記比較は、前記第1の周波数成分の時間周波数に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記比較は、前記複合テレビジョン信号の水平、垂直、または時間の差に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記比較は、前記複合テレビジョン信号のクロミナンス復調出力から導出された水平、垂直、又は時間の差に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記比較は、前記複合信号の第3の周波数成分の大きさに依存して異なり、また前記第3の周波数成分は前記第1の周波数成分に等しい周波数を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の周波数成分は、前記複合信号の低周波数輝度成分であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記分離は、前記第3の周波数成分が閾値より大きい大きさを持つときにクロミナンスに有利に働くことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記分離は、前記第3の周波数成分が、前記第1の信号成分の大きさより実質的に小さくない大きさを持つときに、クロミナンスに有利に働くことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の複合NTSC信号を復号する方法。
【請求項13】
入力信号を周波数成分に分解するステップと、クロミナンスと輝度の大きさを各周波数における成分に割り当てるステップとを含む複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法であって、
ある特定の成分のクロミナンスへの割当ては対応する空間周波数における複合信号の輝度情報の測定値に依存して偏倚させることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記入力信号が、複合テレビジョン信号であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記入力信号が、復調されたクロミナンス信号であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記信号は、ライン周波数の整数倍でサンプリングされることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のテレビジョン信号を処理する方法。
【請求項1】
複合カラーテレビジョン信号の第1の周波数成分を複合カラーテレビジョン信号のそれぞれの第2の周波数成分と比較することによって、前記複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法であって、
前記第2の成分はカラーサブキャリアからの前記第1の周波数成分の周波数差に等しくて相対するカラーサブキャリアからの周波数差を有し、前記比較は復調されたベースバンドクロミナンス信号を処理することによって行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
それぞれの比較は、前記第1の周波数成分の周波数に依存して異なることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記比較は、前記第1の周波数成分の水平空間周波数に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較は、前記第1の周波数成分の垂直空間周波数に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記比較は、前記第1の周波数成分の時間周波数に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記比較は、前記複合テレビジョン信号の水平、垂直、または時間の差に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記比較は、前記複合テレビジョン信号のクロミナンス復調出力から導出された水平、垂直、又は時間の差に依存して異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項8】
前記比較は、前記複合信号の第3の周波数成分の大きさに依存して異なり、また前記第3の周波数成分は前記第1の周波数成分に等しい周波数を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第3の周波数成分は、前記複合信号の低周波数輝度成分であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記分離は、前記第3の周波数成分が閾値より大きい大きさを持つときにクロミナンスに有利に働くことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記分離は、前記第3の周波数成分が、前記第1の信号成分の大きさより実質的に小さくない大きさを持つときに、クロミナンスに有利に働くことを特徴とする請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の複合NTSC信号を復号する方法。
【請求項13】
入力信号を周波数成分に分解するステップと、クロミナンスと輝度の大きさを各周波数における成分に割り当てるステップとを含む複合カラーテレビジョン信号のクロミナンス成分と輝度成分とを分離する方法であって、
ある特定の成分のクロミナンスへの割当ては対応する空間周波数における複合信号の輝度情報の測定値に依存して偏倚させることを特徴とする方法。
【請求項14】
前記入力信号が、複合テレビジョン信号であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記入力信号が、復調されたクロミナンス信号であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記信号は、ライン周波数の整数倍でサンプリングされることを特徴とする請求項13〜15のいずれか一項に記載のテレビジョン信号を処理する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−290900(P2009−290900A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−205462(P2009−205462)
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【分割の表示】特願2004−561690(P2004−561690)の分割
【原出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【出願人】(504281880)スネル リミテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】SNELL LIMITED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月7日(2009.9.7)
【分割の表示】特願2004−561690(P2004−561690)の分割
【原出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【出願人】(504281880)スネル リミテッド (10)
【氏名又は名称原語表記】SNELL LIMITED
【Fターム(参考)】
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