説明

改良した特性を有するブレンド

本発明は、特別な共沈物(co-precipitate)を用いて改良した、熱可塑性ブレンド、それらの製造方法およびそれらから製造した成形部品に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特別な共沈物(co-precipitate)を用いて変性した、熱可塑性ブレンド、それらの製造方法およびそれらから製造した成形体に関する。
【0002】
ポリカーボネートとABSポリマーの熱可塑性成形組成物は、長く知られている。従ってDE-A 1170141は、ポリカーボネートおよびポリブタジエン上へのアクリロニトリルおよび芳香族ビニル炭化水素のモノマー混合物のグラフトポリマーからなる、容易に処理可能な成形組成物について開示している。
【0003】
DE-A 1810993は、α−メチルスチレンに基づいたABSグラフトポリマーまたはコポリマーとの混合物におけるポリカーボネートの改良した耐熱変形性を強調する。
【0004】
DE-A 2259565およびDE-A 2329548は、両明細書とも、ABS成分の構成として特定の粒径を有するグラフトポリマーを用いるPC/ABS成形組成物の改良した接合強度(joint line strength)を開示する。
【0005】
DE-A 2 818 679は、ABSポリマーが、異なるグラフト度を有する2つのグラフト混合ポリマーを含有するならば、PC/ABS混合物が特に高い低温度靭性(toughness)を有することについて開示する。
【0006】
不純物または粗い粒子を除去するためのポリマーラテックスのろ過は、先行文献から知られている。従って、例えばHouben Weyl XIV/1、Makromolekulare Stoffe 1、348〜356頁(Georg Thieme Verlag、Stuttgart、1961年)およびDE-A-4126483およびUS-A-4747959はゴムラテックスのろ過について開示している。機械的特性の関連(Connections)は、この先行技術から知られていない。
【0007】
粒径0.20〜0.35μmを有する熱可塑性成形組成物はEP-A-0704488で知られている。
【0008】
本発明の目的は、耐応力亀裂(ESC特性)の否定的な影響なしで、非常に良好な表面品質(「斑点」(speckling)として知られている、特に非常に少ない数の欠陥)、良好な流れ特性(flow behaviour)および非常に良好な靭性からなる、最適化した特性の組合せを有する、耐衝撃性を変性したブレンド組成物を提供することである。
【0009】
組成物はまた、難燃剤を用いて難燃性を与え得る。耐衝撃性を改良し、かつ難燃性を備えた組成物は、特に好適には薄壁(thin-wall)用途、例えばノート(Notebooks)が挙げられる。
【0010】
共沈によって得られた、少なくとも1つのグラフトポリマーと少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマーとの特有の混合物を含有する、耐衝撃性変性されたポリカーボネート組成物が望ましい特性を有することが解った。
【0011】
従って本発明は、
A)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリオキシメチレンの群から少なくとも1つが選択される熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂の混合物、および
B)エマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つのグラフトポリマーB.1およびエマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマーB.2との共沈によって得られる混合物、および
C)溶液−、塊状−、または懸濁重合によって製造される、少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマー
を含有する組成物を提供する。
【0012】
A)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリオキシメチレンの群から少なくとも1つが選択される熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂の混合物10〜99、好ましくは20〜98.5、特に30〜98重量部、
B)エマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つのグラフトポリマーB.1およびエマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマーB.2との共沈によって得られる混合物0.5〜90、好ましくは1.5〜80、特に2〜70重量部、
C)溶液−、塊状−、または懸濁重合によって製造される、少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマー1〜50、好ましくは1〜45、特に1〜40重量部、
D)難燃剤0〜20、好ましくは0〜18、特に0〜16重量部、
E)フッ素化ポリオレフィン0〜5重量部
を含有する組成物が好ましい。
【0013】
本発明により使用され得るこれらの組成および他の成分を、以下に例示して説明する。
【0014】
成分A
本発明の成分Aにより好適な芳香族ポリカーボネートおよび芳香族ポリエステルカーボネートは文献公知であり、文献公知の製造方法によって製造してもよい(芳香族ポリカーボネートの製造については、例えば(Schnell、「ポリカーボネートの化学と物理(Chemistry and Physics of Polycarbonates)」、Interscience Publishers、1964年)およびDE-AS 1495626、DE-A 2232877、DE-A 2703376、DE-A 2714544、DE-A 3000610、DE-A 3832396であり、芳香族ポリエステルカーボネートの製造については、例えばDE-A 3077934参照)。
【0015】
芳香族ポリカーボネートは、例えばジフェノールと炭酸ハライド、好ましくはホスゲン、および/または芳香族ジカルボン酸ジハライド、好ましくはベンゼンジカルボン酸ジハライドとを、界面プロセスによって、要すれば連鎖停止剤、例えばモノフェノールを用い、および要すれば三官能またはより高い官能性分岐剤、例えばトリフェノールまたはテトラフェノールを用いて溶融加工または反応することよって製造される。
【0016】
芳香族ポリカーボネートおよび/または芳香族ポリエステルカーボネートの製造のためのジフェノールは、好ましくは式(I):
【0017】
【化1】

[式中、Aは単結合、C〜Cアルキレン、C〜C−アルキリデン、C〜C−シクロアルキリデン、−O−、−SO−、−CO−、−S−、−SO−、C〜C12−アリーレンであり、それらはその他の芳香環、要すればヘテロ原子含有芳香環が縮合してもよく、
または式(II)または(III)で表される基:
【0018】
【化2】

Bはいずれの場合も、C〜C12−アルキル、好ましくはメチル、ハロゲン、好ましくは塩素および/または臭素であり、
Xいずれの場合も互いに独立して0、1または2であり、
pは1または0であり、および
およびRは、Xと独立に選択され、互いに独立して、水素またはC〜C−アルキル、好ましくは水素、メチルまたはエチルを示し、
は炭素を示し、および
mは4〜7の整数、好ましくは4または5であるが、少なくとも1つのX原子上で、RおよびRはともにアルキルである。]
を有する化合物である。
【0019】
好ましいジフェノ−ルはヒドロキノン、レゾルシノ−ル、ジヒドロキシジフェノ−ル、ビス−(ヒドロキシフェニル)−C1−C−アルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−C−C−シクロアルカン、ビス−(ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホキシド、ビス−(ヒドロキシフェニル)−ケトン、ビス−(ヒドロキシフェニル)−スルホンおよびα,α−ビス−(ヒドロキシフェニル)−ジイソプロピルベンゼン、並びにそれらの核−臭素化および/または核−塩素化した誘導体である。
【0020】
特に好ましいジフェノールは、4,4’−ジヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン、1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホンおよびそれらのジ−およびテトラ−臭素化または塩素化誘導体、例えば2,2−ビス−(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパン、2,2−ビス−(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンまたは2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンである。2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパン(ビスフェノールA)が特に好ましい。
【0021】
ジフェノールは単独でまたは所望の混合物中で使用され得る。ジフェノールは文献公知であり、公知の方法で製造してもよい。
【0022】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートの製造に好適な連鎖停止剤は、例えばフェノール、p−クロロフェノール、p−t−ブチルフェノールまたは2,4,6−トリブロモフェノールであるが、長鎖アルキルフェノール、例えばDE-A 2842005による4−(1,3−テトラメチルブチル)−フェノールまたはアルキル置換基に炭素原子の総量8〜20個を有するモノアルキルフェノールまたはジアルキルフェノール、例えば3,5−ジ−t−ブチルフェノール、p−イソオクチルフェノール、p−t−オクチルフェノール、p−ドデシルフェノールおよび2−(3,5−ジメチルヘプチル)−フェノールおよび4−(3,5−ジメチルヘプチル)−フェノールである。通常使用される連鎖停止剤の総量は、0.5〜10モル%(いずれの場合もジフェノールの総モル量に対して)である。
【0023】
熱可塑性、芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートは(M、例えば超遠心分離法または光散乱法で測定して)重量平均分子量10000〜200000好ましくは15000〜80000である。
【0024】
熱可塑性芳香族ポリカーボネートは公知の方法、および好ましくは使用したジフェノールの総重量に基づいて、三官能またはそれ以上の化合物(例えば、3またはそれ以上のフェノール基を有する化合物)を0.05〜2.0モル%の量で導入することによって分岐する。
【0025】
ホモポリカーボネートおよびコポリカーボネートはいずれも好適である。本発明の成分Aによるコポリカーボネートの製造のために、使用され得るジフェノールの総量に基づいて1〜25重量%、好ましくは2.5〜25重量%のヒドロキシアリーロキシ末端を有するポリジオルガノシロキサンもまた使用され得る。これらの化合物はUS-A 3419634で知られており、および文献公知の方法によって製造され得る。ポリジオルガノシロキサン含有コポリカーボネートの製造はDE-A 3334782で開示されている。
【0026】
好ましいポリカーボネートは、ビスフェノールAのホモポリカーボネートに加えて、ジフェノールの総モル量に対して15モル%以下を含有するビスフェノールAのコポリカーボネート、好ましいまたは特に好ましい上記以外のジフェノール、特に2,2−ビス−(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)−プロパンが挙げられる。
【0027】
芳香族ポリエステルカーボネートの製造のための芳香族ジカルボン酸ジハライドは、好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸およびナフタレン−2,6−ジカルボン酸のジ酸二塩化物である。
【0028】
イソフタル酸とテレフタル酸のジ酸二塩化物の比が1:20および20:1の混合物は特に好ましい。
【0029】
ポリエステルカーボネートの製造の際、炭酸ハライド、好ましくはホスゲンを、二官能性酸の誘導体としても使用される。
【0030】
上記のモノフェノールに加えて、芳香族ポリエステルカーボネートの製造のための連鎖停止剤として、上記のモノフェノールのクロロカルボン酸エステルおよび芳香族モノカルボン酸の酸クロリド(要すればC〜C22アルキル基またはハロゲン原子、並びに脂肪族C〜C22モノカルボン酸クロリドで置換されてもよい)が挙げられる。
【0031】
連鎖停止剤の量はいずれの場合も0.1〜10モル%で、フェノール連鎖停止剤の場合はジフェノール1モルあたりの量に対し、かつモノカルボン酸クロリド連鎖停止剤の場合はジカルボン酸ジクロリド1モルあたりの量に基づく。
【0032】
芳香族ポリエステルカーボネートはまた、結合した芳香族ヒドロキシカルボン酸を含有してもよい。
【0033】
芳香族ポリエステルカーボネートは公知の方法で直鎖状および分岐状であり得る(DE-A 2940024およびDE-A 3007934参照)。
【0034】
分岐剤の例としては、三官能性またはそれより高い官能性カルボン酸クロリド、例えばトリメシン酸トリクロリド、シアヌル酸トリクロリド、3,3'−、4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸テトラクロリド、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸テトラクロリドまたはピロメリット酸テトラクロリドが使用され、0.01〜1.0モル%の量(使用したジカルボン酸ジクロリドに基づく)で使用され、また三官能性またはそれより高い官能性フェノール、例えばフロログルシノール、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン−2,4,4−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゼン、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタン、トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−フェニルメタン、2,2−ビス[4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキシル]−プロパン、2,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニルイソプロピル)フェノール、テトラ−(4−ヒドロキシフェニル)−メタン、2,6−ビス−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)プロパン、テトラ−(4−[4−ヒドロキシフェニルイソプロピル]フェノキシ)−メタン、1,4−ビス[4,4'−ジヒドロキシトリフェニル)メチル]−ベンゼンを、0.01〜1.0モル%(使用ジフェノールに基づく)の量で使用する。フェノール性分岐剤はジフェノールを包含することができ、酸クロリド分岐剤は、酸ジクロリドとともに導入してもよい。
【0035】
熱可塑性芳香族ポリエステルカーボネートにおける、カーボネート構造単位の割合は任意に変化する。カーボネート基の割合は好ましくは、エステル基およびカーボネート基の総量に対して100モル%以下、特に80モル%以下、特に好ましくは50モル%以下である。芳香族ポリステルカーボネートのエステル成分およびカーボネート成分は両方とも、縮合重合物中でブロック型またはランダムに配置された方法の形状で存在し得る。
【0036】
熱可塑性、芳香族ポリカーボネートおよびポリエステルカーボネートは単独でまたは所望の混合物で使用され得る。
【0037】
本発明により好適なポリアミド(成分Aによる)は、知られており、文献公知の方法により製造され得る。
【0038】
本発明により好適なポリアミド、ホモポリアミド、コポリアミドおよびそれらのポリアミドの混合物が知られている。それらは部分的に結晶質(crystalline)および/またはアモルファスポリアミドであり得る。ポリアミド−6、ポリアミド−6,6、これら成分の混合物および対応するコポリマーが部分的に結晶質のポリアミドとして好適である。その酸性分が全体的または部分的にテレフタル酸および/またはイソフタル酸およびスベリン酸およびセバシン酸および/またはアゼライン酸および/またはアジピン酸および/またはシクロヘキサンジカルボン酸からなり、そのジアミン成分が、全体的または部分的にm−および/またはp−キシリレンジアミンおよび/またはヘキサメチレンジアミンおよび/または2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンおよび/またはイソホロンジアミンからなり、その組成が原則的に知られている部分結晶質のポリアミドも部分結晶質ポリアミドとして可能である。
【0039】
要すれば上記の開始成分の1つ以上と併用して、環中に炭素原子7〜12個を有するラクタムから全体的または部分的に製造されるポリアミドを言及してよい。
【0040】
特に好ましい、部分的に結晶質のポリアミドは、ポリアミド−6およびポリアミド6,6およびそれらの混合物である。既知の製品は、アモルファスポリアミドとして使用され得る。それらは、ジアミン、例えばエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、m−および/またはp−キシリレンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)−メタン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)−プロパン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタン、3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルアミン、2,5−および/または2,6−ビス−(アミノメチル)−ノルボランおよび/または1,4−ジアミノメチルシクロヘキサンとジカルボン酸、例えばシュウ酸、アジピン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸、ヘプタデカンジカルボン酸、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルアジピン酸、イソフタル酸およびテレフタル酸との重縮合によって得られる。
【0041】
数種のモノマーの重縮合によって得られるコポリマーも好適であり、さらにアミノカルボン酸、例えばε−アミノカプロン酸、ω−アミノウンデカン酸またはω−アミノラウリン酸またはそれらのラクタムの添加によって得られるコポリマーも好適である。
【0042】
特に好適なアモルファスポリアミドは、イソフタル酸、ヘキサメチレンジアミンおよび他のジアミン、例えば4,4−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−および/または2,6−ビス(アミノメチル)−ノルボネン;またはイソフタル酸、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンおよびε−カプロラクタム;またはイソフタル酸、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシルメタンおよびラウリンラクタム;またはテレフタル酸および2,2,4−および/または2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミンの異性体混合物から調製されたポリアミドである。
【0043】
純粋な4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンの代わりに、要すれば商業的なグレードのジアミノジフェニルメタンの水素化によって得られるより多く縮合したジアミンによる
4,4’−ジアミノ異性体70〜99モル%
2,4’−ジアミノ異性体1〜30モル%
2,2’−ジアミノ異性体0〜2モル%
で構成される位置異性体ジアミノジシクロヘキシルメタンの混合物を使用することも可能である。イソフタル酸は30%以下まで、テレフタル酸と置き換えられ得る。
【0044】
ポリアミドは好ましくは相対粘度(25℃でm−クレゾール溶液1重量%で測定した)2.0〜5.0、特に好ましくは2.5〜4.0を有する。
【0045】
成分Aは、ポリアミドを単独または互いに所望の混合物で含んでよい。
【0046】
好適なポリアルキレンテレフタレートは、芳香族ジカルボン酸またはそれらの誘導体、例えばジメチルエステルまたは無水物と脂肪族、脂環式または芳香脂肪族ジオールとの反応生成物、およびそれら反応生成物の混合物である。
【0047】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、ジカルボン酸成分、テレフタル酸基に基づいて、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90重量%、およびジオール成分、エチレングリコール−および/またはブタンジオール−1,4に対して、少なくとも80重量%、好ましくは少なくとも90モル%である。
【0048】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、テレフタル酸基に加えて、炭素原子8〜14個を有する他の芳香族または脂環式ジカルボン酸または炭素原子4〜12個を有する脂肪族ジカルボン酸の基(例えばフタル酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、スクシン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、シクロヘキサンジ酢酸の基)20モル%以下、好ましくは10モル%以下を含有し得る。
【0049】
好ましいポリアルキレンテレフタレートは、エチレングリコール基または1,4−ブタンジオール基に加えて、炭素原子3〜12個を有する他の脂肪族ジオールまたは炭素原子6〜21の炭素原子を有する脂環式ジオール(例えば1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール−1,5、ヘキサンジオール−1,6、シクロヘキサンジメタノール−1,4、3−エチルペンタンジオール−2,4、2−メチルペンタンジオール−2,4、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3、2−エチルヘキサンジオール−1,3、2,2−ジエチルプロパンジオール−1,3、ヘキサンジオール−2,5、1,4−ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)−ベンゼン、2,2−ビス−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン、2,4−ジヒドロキシ−1,1,3,3−テトラメチル−シクロブタン、2,2−ビス−(4−β−ヒドロキシエトキシ−フェニル)−プロパンおよび2,2−ビス−(4−ヒドロキシプロポキシフェニル)−プロパン(DE-A 2407674、2407776、2715932)の基)20モル%以下、好ましくは10モル%以下を含有してもよい。
【0050】
ポリアルキレンテレフタレートは比較的少量の三価または四価のアルコール、または三塩基または四塩基のカルボン酸を導入することによって分岐され得る(例えばDE-A 1900270およびUS-PS 3692744)。好ましい分岐剤の例は、トリメシン酸、トリメリット酸、トリメチロール−エタンおよびトリメチロールプロパン、およびペンタエリスリトールである。
【0051】
テレフタル酸およびその反応性誘導体(例えばそのジアルキルエステル)およびエチレングリコールおよび/またはブタンジオール−1,4から唯一調製されたポリアルキレンテレフタレートおよびそのようなポリアルキレンテレフタレートの混合物は特に好ましい。
【0052】
ポリアルキレンテレフタレートの混合物は、一般的にポリエチレンテレフタレート1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%およびポリブチレンテレフタレートの50〜99重量%、好ましくは70〜99重量%を含有する。
【0053】
好ましく使用されるポリアルキレンテレフタレートは、フェノール/o−ジクロロベンゼン(1:1重量部)中25℃で、Ubbelohde製粘度計を用いて測定した極限粘度0.4〜1.5dl/g、好ましくは0.5〜1.2dl/gを有する。
【0054】
ポリアルキレンテレフタレートは公知の方法で調製されうる(例えば、「Kunststoff-Handbuch」、第VIII巻、695頁以下参照、Carl-Hanser-Verlag、Munich 1973年)。
【0055】
ポリオキシメチレンもまた同様に、成分A)として好適である。
【0056】
成分B
成分Bは
ii)ガラス転移温度<10℃、好ましくは<0℃、特に好ましくは<−20℃を有する、1以上のグラフトベース95〜5重量%、好ましくは80〜20重量%、特に好ましくは75〜40重量%上で
i)少なくとも1つのビニルモノマー5〜95重量%、好ましくは20〜80重量%、特に好ましくは25〜50重量%
のエマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つのグラフトポリマーB.1とエマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマーB.2との共沈によって得られ、かつモノマーi)とで構成された混合物を含有する。
【0057】
グラフトベースii)は一般的に平均粒径(d50値)0.05〜5μm、好ましくは0.10〜0.5μm、特に好ましくは0.20〜0.40μmを有する。
【0058】
モノマーi)は好ましくは
i1)ビニル芳香族化合物および/または核−置換ビニル芳香族化合物(例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン)および/または(メタ)アクリル酸(C−C)−アルキルエステル(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート)50〜99重量部および
i2)ビニルシアニド(不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル)および/または(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステル(例えばメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート)および/または不飽和カルボン酸の誘導体(例えば無水物およびイミド)、例えばマレイン酸無水物およびN−フェニルマレイミド1〜50重量部
の混合物である。
【0059】
好ましいモノマーi1)は、スチレン、α−メチルスチレンおよびメチルメタクリレートの少なくとも1つのモノマーから選択され、好ましいモノマーi2)は、アクリロニトリル、無水マレイン酸およびメチルメタクリレートの少なくとも1つのモノマーから選択される。
【0060】
特に好ましいモノマーはi1)スチレンおよびi2)アクリロニトリルである。
【0061】
グラフトポリマーB.1のために好適なグラフトベースii)は、例えばジエンゴム、EP(D)Mゴム、すなわちエチレン/プロピレンおよび要すればジエンモノマーに基づいて、アクリレート−、ポリウレタン−、シリコーン−、クロロプレン−およびエチレン/ビニルアセテートゴムである。
【0062】
好ましいグラフトベースii)はジエンゴムである。本発明によるジエンゴムはジエンゴム(例えばブタジエン、イソプレン等に基づいて)またはジエンゴムの混合物またはジエンゴムのコポリマーまたはそれらと別のコポリマー性モノマー(例えばi1)およびi2)による)との混合物、好ましくはスチレン30重量%以下を含有するブタジエン−スチレンコポリマーであるが、成分ii)のガラス転移温度は<10℃、好ましくは<0℃、特に好ましくは<−20℃である。
【0063】
純粋なポリブタジエンゴムは特に好ましい。
【0064】
ポリマーB.1のii)による好適なアクリレートゴムは、好ましくはアクリル酸アルキルエステルと、要すればii)に対して40重量%以下の他の重合可能なエチレン性不飽和モノマーとのポリマーである。好ましい重合可能なアクリル酸エステルはC−C−アルキルエステル、例えばメチル−、エチル−、ブチル−、n−オクチル−および2−エチルヘキシルエステル、ハロゲンアルキルエステル、好ましくはハロゲン−C−C−アルキルエステル、例えばクロロエチルアクリレート、並びにそれらモノマーの混合物を包含する。
【0065】
架橋のために、1以上の重合可能な二重結合を含有しているモノマーがコポリマー化され得る。好ましい架橋性モノマーの例は、炭素原子3〜8個を有する不飽和モノカルボン酸および炭素原子3〜12個を含有する不飽和一価アルコール、またはOH基2〜4個および炭素原子2〜20個の飽和ポリオールとのエステル、例えばエチレングリコールジメタクリレート、アリルメタクリレート;多価不飽和複素環式化合物、例えばシアヌル酸トリビニルおよびシアヌル酸トリアリル;多官能性ビニル化合物、例えばジ−およびトリビニルベンゼン;さらにリン酸トリアリルおよびフタル酸ジアリルである。
【0066】
好ましい架橋性モノマーは、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、フタル酸ジアリルおよび少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する複素環式化合物である。
【0067】
特に好ましい架橋性モノマーは環状モノマーであるシアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリルベンゼンである。架橋性モノマーの量はグラフトベースii)に対して0.02〜5重量%で、特に0.05〜2重量%である。
【0068】
少なくとも3つのエチレン性不飽和基を有する環状架橋性モノマーに関して、その量をグラフトベースii)の1重量%以下の量に制限することが有利である。
【0069】
アクリル酸エステルに加えて、グラフトベースii)の製造に要すれば用いられ得る、好ましい「他の」重合可能な、エチレン性不飽和モノマーは、例えばアクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリルアミド、ビニル−C−C−アルキルエーテル、メチルメタクリレート、およびブタジエンである。グラフトベースii)として好ましいアクリレートゴムは、少なくとも60重量%のゲル含量を有しているエマルジョンポリマーである。
【0070】
さらに好適なii)によるグラフトベースは、グラフト活性サイト(graft-active sites)を有するシリコーンゴムであり、DE-OS 3704657、DE-OS 3704655、DE-OS 3631540およびDE-OS 3631539で開示されている。
【0071】
グラフトベースii)のゲル含量は、好適な溶媒中で25℃で決定した(M. Hoffmann、H. Kroemer、R. Kuhn、Polymeranalytik I and II、Georg Thieme-Verlag、Stuttgart 1977年)。
【0072】
平均粒径d50は、それより上と下にそれぞれ50重量%の粒子が存在する粒径である。それは超遠心分離器測定を用いて決定され得る(W.Scholtan、H.Lange、Kolloid-ZおよびZ. Polymere 250(1972年)、782-796頁)。
【0073】
特に好ましいポリマーB.1は、例えばABSポリマー(好ましくはエマルジョン重合によって製造されたもの)、例えばDE-A 2035390、(US-A 3644574)またはDE-A 2248242(=GB-PS 1409275)またはUllmann、Enzyklopaedie der Technischen Chemie、19巻(1980年)、280頁以下に記載されたものである。グラフトベースii)は、一般的に少なくとも30重量%、好ましくは少なくとも40重量%ゲル(トルエン中で測定)である。
【0074】
本発明により用いられるグラフトコポリマーB.1は、レドックス開始(redox initiation)によって製造される。
【0075】
本発明により好適なレドックス開始システムは、一般的に有機酸化剤および還元剤からなり、重金属イオンが反応中間体中に付加的に存在してもよく、その手順は好ましくは重金属イオンなしで行われる。
【0076】
本発明による好適な有機酸化剤は、例えば、および好ましくはジ−t−ブチルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド、ジシクロヘキシルペルカーボネート、t−ブチルヒドロペルオキシド、p−メタンヒドロペルオキシドまたはそれらの混合物が挙げられ、クメンヒドロペルオキシドおよびt−ブチルヒドロペルオキシドが特に好ましい。Hも同様に使用され得る。
【0077】
本発明によって使用され得る還元剤は好ましくは、還元作用(reducing action)を有し、好ましくはスクシン酸の塩、亜硫酸の塩、亜ジチオン酸ナトリウム、ナトリウムスルフィド、次亜硫酸ナトリウム、硫化水素ナトリウム、アスコルビン酸およびそれらの塩類、Rongalit(登録商標)C(ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレート)、モノ−およびジ−ヒドロキシアセトン、糖(例えばグルコースまたはデキストロース)の群から選択される水溶性化合物である。原則として、例えば、鉄(II)塩、例えば鉄(II)スルフェート、錫(II)例えば錫(II)クロリド、チタン(III)塩、例えばチタン(III)スルフェートである;しかしながら、そのような金属塩類は好ましくは使用されない。
【0078】
特に好ましい還元剤はテキストロース、アスコルビン酸(塩)またはナトリウムホルムアルデヒドスルホネート(Rongalit(登録商標)C)である。
【0079】
しかしながら、本発明により使用されるグラフトコポリマーB.1は、過硫酸塩開始(persulfate initiation)によって製造される。
【0080】
本発明により好適な過硫酸塩化合物は、アンモニウムペルオキソジスルフェート、カリウムペルオキソジスルフェート、ナトリウムペルオキソジスルフェートまたはそれらの混合物である。
【0081】
i)に記載しているビニルモノマー類を一般的に使用してビニル(コ)ポリマー成分B.2を製造する。
【0082】
ここで、モノマーi)はまた好ましくは
i1)ビニル芳香族化合物および/または核−置換ビニル芳香族化合物(例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン)および/または(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステル(例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート)50〜99重量部および
i2)ビニルシアニド(不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリル)および/または(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステル(例えばメチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート)および/または不飽和カルボン酸(例えばマレイン酸無水物およびN−フェニルマレイミド)の誘導体(例えば無水物およびイミド)1〜50重量部
の混合物である。
【0083】
好ましいモノマーi1)は、スチレン、α−メチルスチレンおよびメチルメタクリレートの少なくとも1つのモノマーから選択され、好ましいモノマーi2)は、アクリロニトリル、無水マレイン酸およびメチルメタクリレートの少なくとも1つのモノマーから選択される。
【0084】
特に好ましいモノマーはi1)スチレンおよびi2)アクリロニトリルである。
【0085】
ビニル(コ)ポリマー成分B.2はエマルジョン重合によって製造される。このために使用される方法は先行技術である。
【0086】
グラフトポリマーB.1およびビニル(コ)ポリマーB.2は所望の混合比で共沈され得る。B.1:B.2の重量比は、好ましくは95:5〜5:95、特に好ましくは90:10〜25:75および最も特に好ましくは85:15〜50:50である。
【0087】
共沈したグラフトポリマー/ビニル(コ)ポリマー生成物の製造
本発明により使用される共沈生成物は、ラテックス形態における少なくとも1つのグラフトポリマーB.1とラテックス形態における少なくとも1つのビニル(コ)ポリマーB.2とを混合し、ラテックスを均一にし、得られたグラフトポリマー/ビニル(コ)ポリマー混合生成物を既知の方法でワークアップすることによって製造される。
【0088】
好適なワークアップ法の例は、例えば、電解質水溶液(aqueous electrolyte solution)例えば塩の溶液(例えば、マグネシウムスルフェート、塩化カルシウム、塩化ナトリウム)、酸の溶液(例えば、硫酸、酢酸)またはそれらの混合物、の作用による混合生成物の沈殿、冷却(氷結凝固(freeze coagulation))の作用による沈殿、または噴霧乾燥(spray drying)によるラテックスから共沈生成物の直接抽出である。
【0089】
グラフトポリマー/ビニル(コ)ポリマー混合物を沈殿させる際、洗浄段階(好ましくは水を使用する)および乾燥段階(例えば、流動ベッドドライヤー(fluidised bed drier)または空気ドライヤー(pneumatic drier)において)が、一般的に追加される。
【0090】
沈殿の後の好ましいワークアップ法は、混練(kneader)リアクター中で熱可塑性樹脂溶融物を混合したモイスト(moist)グラフトポリマー混合物を混合することであり、EP-A 867463に開示されている。ワークアップ法の詳細はまた、EP-A 867463に開示されている。ワークアップ法によって得られたグラフトポリマー/ビニル(コ)ポリマー混合物と熱可塑性樹脂C(特にスチレン/アクリロニトリルコポリマー)との混合物は、本発明による成形組成物を調製するために使用される。
【0091】
成分C
成分Cによる好適な熱可塑性樹脂は、ビニル(コ)ポリマーである。それらは、樹脂性、熱可塑性およびラバーフリー(rubber-free)である。それらは、ビニル芳香族化合物、ビニルシアニド(不飽和ニトリル)、(メタ)アクリル酸(C−C)−アルキルエステル、不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸の誘導体(例えば、無水物およびイミド)の群からの少なくとも1つのモノマーのポリマーである。特に好適なものは;
C.1 ビニル芳香族化合物および/または核−置換ビニル芳香族化合物(例えばスチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン)および/または(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステル(例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート)50〜99重量部、好ましくは60〜80重量部、および
C.2 ビニルシアニド(不飽和ニトリル)、例えばアクリロニトリルおよびメタクリロニトリルおよび/または(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステル(例えば、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート)および/または不飽和カルボン酸(例えばマレイン酸)および/または不飽和カルボン酸の誘導体(例えば、無水物およびイミド(具体的には無水マレイン酸およびN−フェニルマレイミド))1〜50重量部、好ましくは20〜40重量部、
の(コ)ポリマーが特に好ましい。
【0092】
スチレンおよびアクリロニトリルのコポリマーが特に好ましい。
【0093】
共沈生成物Bは、ビニル(コ)ポリマーCのマトリックス中、好ましくはスチレン/アクリロニトリルコポリマーマトリックス中で、分散形態であることが最も好ましい。ここで、B:Cの重量比は90:10〜10:90、好ましくは80:20〜30:70および特に好ましくは70:30〜40:60である。
【0094】
原則的に、熱可塑性樹脂成分A)、B.1とB.2の共沈により得られたグラフトポリマー/ビニル(コ)ポリマー混合物、およびビニル(コ)ポリマー成分C)、要すれば添加剤を互いに、常套の配合装置で1つの配合段階(compounding step)で混合し、その混合物を常套の方法で他の成分と混合することが可能である。さらに成分BとCを残りの成分および添加剤と混合して、その混合物を別にさらに加工することもまた可能である。
【0095】
本発明の好ましい態様において、スチレン/アクリロニトリルコポリマーは成分B.2としても成分Cとしても使用される。特に好ましい態様において、スチレン/アクリロニトリルコポリマーのアクリロニトリル含量は1〜15重量%、好ましくは2〜10重量%および特に2.5〜7.5重量%で異なり、成分Cは好ましくは成分B.2より高いアクリロニトリル含量を有する。
【0096】
成分D
組成物は好適な添加剤の添加により難燃性が付与され得る。難燃剤の例は、ハロゲン化合物、例えば塩素および臭素に基づいて、リン含有化合物およびシリコン化合物、特にシリコーン化合物を包含する。
【0097】
難燃剤は好ましくは1〜18重量部、特に好ましくは2〜16重量部の量で使用される。
【0098】
組成物は好ましくはモノマー状およびオリゴマー状ホスフィットおよびホスホネート、ホスホネートアミンおよびホスファゼンの群からのリン含有難燃剤を包含し、それらの群から1または数種から選択される複数の成分の混合物もまた難燃剤として使用される。ここに特記していない他のリン化合物もまた、単独または他の難燃剤との所望の組合せで使用され得る。
【0099】
好ましいモノマー状およびオリゴマー状ホスフィットまたはホスフェートは、一般式(IV):
【0100】
【化3】

[式中、R、R、RおよびRはいずれの場合も互いに独立して、要すればハロゲン化されたC〜C−アルキル、C〜C−シクロアルキル、C〜C20−アリールまたはC〜C12−アラルキルを示し、いずれも要すればアルキル、好ましくはC〜C−アルキル、および/またはハロゲン、好ましくは塩素、臭素によって要すれば置換されてもよく、
nは互いに独立して0または1を示し、
qは0〜30、および
Xは炭素原子6〜30個を有する単核または多核の芳香族基、または炭素原子2〜30個を有する直鎖状または分岐状脂肪族基であって、それらはOH置換されてもよく、かつ8個以下のエーテル結合を含んでもよい。]
のリン化合物である。
【0101】
、R、RおよびRは互いに独立して、好ましくはC−C−アルキル、フェニル、ナフチルまたはフェニル−C−Cアルキルを示す。芳香族基R、R、RおよびRはハロゲンおよび/またはアルキル基、好ましくは塩素、臭素および/またはC−Cアルキルで置換されてもよい。特に好ましいアリール基はクレシル、フェニル、キシレニル、プロピルフェニルまたはブチルフェニルおよび対応する臭素化および塩素化誘導体である。
式(IV)中のXは好ましくは炭素原子6〜30個を有する単核または多核の芳香族基を示す。これは好ましくは式(I)のジフェノールから誘導される。
式(IV)中のnは、互いに独立して0または1であってよく;nは好ましくは1に等しい。
q は0〜30、好ましくは0.3〜20特に好ましくは0.5〜10、特に好ましくは0.5〜6、最も特に好ましくは0.6〜2である。
X は特に好ましくは、
【0102】
【化4】

またはそれらの塩素化または臭素化誘導体である。Xは特にレゾルシノール、ヒドロキノン、ビスフェノールAまたはジフェニルフェノールから誘導される。XはビスフェノールAから誘導されるのが特に好ましい。
【0103】
種々のホスフェートの混合物はまた、本発明による成分Dとして使用される。
【0104】
式(IV)のリン化合物は、特にトリブチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレシルホスフェート、ジフェニルクレシルホスフェート、ジフェニルオクチルホスフェート、ジフェニル−2−エチルクレシルホスフェート、トリ−(イソプロピルフェニル)−ホスフェート、レゾルシノール架橋(bridged)ジホスフェートおよびビスフェノールA架橋化ジホスフェートである。
【0105】
成分Dによるリン化合物は、例えばEP-A 0363608、EP-A 0640655で知られており、または公知の方法(例えば、Ullmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie、第18巻、301頁以下参照、1979年;Houben-Weyl、Methoden der organischen Chemie、第12/1巻、43頁;Beilstein 第6巻、177頁)と同様の方法で調製され得る。
【0106】
qの平均値は、好適な方法(ガスクロマトグラフィー(GC)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC))を用いてリン混合物の組成(分子量分布)を決定し、これらからqの平均値を計算することによって算出する。
【0107】
ホスホネートアミンおよびホスファゼン、例えば、WO 00/00541およびWO 01/18105で開示されているものはまた、難燃剤としても使用され得る。
【0108】
難燃剤は、単独または各々の所望の混合、若しくは他の難燃剤と混合で使用され得る。
【0109】
成分E
成分Dに対応する難燃剤は、いわゆるアンチ−ドリップ剤(anti-drip agents)とともにしばしば結合中で用いてもよく、その物質は燃焼の際に燃焼液滴を形成するのを軽減する。例示として、フッ素化ポリオレフィン、シリコーン、並びにアラミド繊維からなる物質の分類からの化合物がここで挙げられる。それらは本発明による組成物中で用いられ得る。フッ素化ポリオレフィンがアンチドリップ剤として好ましく用いられる。
【0110】
フッ素化ポリオレフィンはよく知られており、例えばEP-A 0640655にに開示されている。それらはデュポン社(Dupont)から商標名テフロン(登録商標)30N(Teflon 30N)として販売されている。
【0111】
フッ素化ポリオレフィンは、純粋な状態で、およびグラフトポリマーのエマルジョン(例えば、成分B.1)または好ましくはスチレン/アクリロニトリルに基づいたコポリマー(例えば、成分B.2)のエマルジョンとともにフッ素化ポリオレフィンのエマルジョンの凝集した混合物の状態で使用され得る。フッ素化ポリオレフィンはグラフトポリマーのエマルジョンまたはコポリマーのエマルジョンとともにエマルジョンの形態で混合し、次いで凝集する。
【0112】
フッ素化ポリオレフィンはまた、グラフトポリマー(成分B.1)または好ましくはスチレン/アクリロニトリルに基づいたコポリマーとのプレコンパウンド(pre-compound)の形態で使用され得る。フッ素化ポリオレフィンはグラフトポリマーまたはコポリマーの粉末または顆粒とともに粉末の形態で混合され、かつ常套の装置、例えばインターナルニーダー、押出機または二軸押出機で200〜330℃の温度で溶融コンパウンド化される。
【0113】
フッ素化ポリオレフィンはまた、フッ素化ポリオレフィンの水性分散体の存在下において少なくとも1つのモノエチレン性不飽和モノマーをエマルジョン重合することによって製造されるマスターバッチの形態で使用され得る。好ましいモノマー成分はスチレン、アクリロニトリルおよびそれらの混合物である。ポリマーは、酸性沈殿およびその後の乾燥の後、さらさらの粉末の形態で用いられる。
【0114】
凝集、プレコンパウンドまたはマスターバッチは、通常固体含量5〜95重量%、好ましくは7〜60重量%を有するフッ素化ポリオレフィン含有である。
【0115】
アンチドリップ剤は、本発明による組成物中で、0.01〜3重量部、特に好ましくは0.05〜2重量部および最も好ましくは0.1〜0.8重量部の量で存在し得る。
【0116】
成分F(別の添加剤)
本発明による組成物はまた、少なくとも1つの常套の添加剤、例えば潤滑剤および離型剤、例えばペンタエリスリトールテトラステアレート、成核剤、帯電防止剤、安定剤、フィラーおよび強化剤、並びに着色剤および顔料を含有し得る。
【0117】
この明細書中の重量部におけるすべての重量部は標準のものであり、組成物中の成分A)〜F)の重量部の重量の合計は100としたものである。
【0118】
本発明による組成物は、公知の方法で各成分を混合し、常套の設備、例えばインターナルニーダー、押出機および二軸押出機で200℃〜300℃の温度で溶融コンパウンドおよび溶融押出することによって得られる。
【0119】
個々の成分は、公知の方法で、連続的または同時のどちらかで、およそ20℃(室温)若しくはより高い温度のどちらかで混合され得る。
【0120】
本発明による成形組成物は、種々の成形物の製造に使用され得る。成形物は射出成形、押出成形およびブロー成形法によって製造され得る。さらなる成形方法は、予備製造(previously)されたシートまたはフィルムからディープ−ドロー(deep-drawing)、およびIMDプロセスによる成形部品の製造である。
【0121】
そのような成形品の例としてはフィルム、プロファイル(profiles)、種々のケーシング(casing)部品、例えば家庭用電気製品、例えばジュース押出機、コーヒーマシン、フードミキサー;事務用品、例えばモニター、プリンター、コピー機;外部および内部の自動車部品;デスク、チューブ、電気的な設備配管、窓、ドアおよび建設部門(内部部品および外部用途)のための他のプロファイル、並びに電気および電子機器部品、例えばスイッチ、プラグ、およびプラグソケットが挙げられる。
【0122】
特に本発明による組成物は、例えば以下に示す成形品を製造するのにも使用されうる:
列車、船舶、エアクラフト、バスおよびその他の車両のための内部部品、自動車部門における外部車体部品、小さな変圧器を含む電気機器のためのケーシング、情報処理および情報通信のための設備のための容器、医療機器のケーシングおよびライニング、マッサージ機器およびそのためのケーシング、子供用玩具、シート状の壁成分(wall elements)、安全装置のためのケーシング、熱的に絶縁である輸送用コンテナ、小動物の捕獲および飼育のための装置、洗面所および浴室の備品のための成形品、換気扇のためのカバー用格子、庭および物置小屋のための成形部品、ガーデニング用品、およびガーデニング道具のためのケーシング。
【0123】
以下の実施例は本発明を説明するのに役立つ。
【0124】
したがって本発明はまた、組成物の製造方法および成形部品の製造におけるそれらの使用、および成形部品自体に関する。
【0125】
実施例
以下の実施例において、別に示さない限り、部は常に重量部であり、かつ%は常に重量%である。
【0126】
使用した成分:
成分A1
25℃および濃度0.5g/100mlでのメチレンクロリドで測定した相対溶液粘度1.28を有するビスフェノールAに基づいた直鎖状ポリカーボネート。
【0127】
成分B1.1(比較材料)
粒子状架橋化ポリブタジエンゴムラテックス(平均粒径d50=345nm)60重量部の存在下で重量比73:27のスチレン/アクリロニトリル40重量部のラジカルエマルジョン重合(t−ブチルヒドロペルオキシドおよびナトリウムアスコルベートからなるレドックス開始システムを用いる)、マグネシウムスルフェート/酢酸混合物1:1の作用条件下での沈殿によるワークアップ、水での洗浄および70℃での乾燥によって製造されたグラフトポリマー。
【0128】
成分B2.1(比較材料)
固有粘度0.59dl/g(20℃でジメチルホルムアミド中で測定)を有するラジカルエマルジョン重合(開始剤としてカリウムペルオキソジスルフェートの使用)によって製造された、スチレン/アクリロニトリルコポリマー(重量比スチレン:アクリロニトリル=73:27)。
【0129】
成分B2.2(比較材料)
固有粘度0.58dl/g(20℃でジメチルホルムアミド中で測定)を有するラジカルエマルジョン重合(開始剤としてカリウムペルオキソジスルフェートの使用)によって製造された、スチレン/アクリロニトリルコポリマー(重量比スチレン:アクリロニトリル=76:24)。
【0130】
共沈成分B1.1/B2.1=80:20(本発明による)
ラテックス形態におけるグラフトポリマーB1.1(固形物に基づいて)80重量部およびラテックス形態におけるスチレン/アクリロニトリルコポリマーB2.1(固形物に基づいて)20重量部を均一に混合し、ラテックス混合物を次いでマグネシウムスルフェート/酢酸混合物1:1の作用条件下で沈殿させた。水で洗浄後、70℃で乾燥した。
【0131】
共沈成分B1.1/B2.1=90:10(本発明による)
ラテックス形態におけるグラフトポリマーB1.1(固形物に基づいて)90重量部およびラテックス形態におけるスチレン/アクリロニトリルコポリマーB2.2(固形物に基づいて)10重量部を均一に混合し、ラテックス混合物を次いでマグネシウムスルフェート/酢酸混合物1:1の作用条件下で沈殿させた。水で洗浄後、70℃で乾燥した。
【0132】
共沈成分B1.1/B2.2=80:20(本発明による)
ラテックス形態におけるグラフトポリマーB1.1(固形物に基づいて)80重量部およびラテックス形態におけるスチレン/アクリロニトリルコポリマーB2.2(固形物に基づいて)20重量部を均一に混合し、グラフトポリマーラテックス混合物を次いでマグネシウムスルフェート/酢酸混合物1:1の作用条件下で沈殿させた。水で洗浄後、70℃で乾燥した。
【0133】
成分C1
ラジカル溶液重合によって製造された、(スチレン/アクリロニトリルの重量比72:28および固有粘度(limiting viscosity)0.55dl/g(20℃でジメチルホルムアミド中で測定した)を有するスチレン/アクリロニトリルコポリマー。
【0134】
成分F1
ペンタエリスリトールテトラステアレート
【0135】
成分F2
ホスフィット安定剤。
【0136】
成形組成物の製造および試験
使用する成分は、ZSK 25二軸押出機において常套の加工助剤と共に混合される。成形体はArburg 270E射出成形機上で260℃で製造される。
【0137】
ノッチ衝撃耐性は、ISO 180/1A(ユニット:kJ/m2)に従って室温(akRT)または−20℃(ak-20℃)で測定される。
【0138】
熱可塑性流動特性MVR(melt volume flow rate)はISO 1133(ユニット:cm3/10分)に従って測定した。
【0139】
表面は75×50×2mmの射出成形シートで視覚的に評価し、表面は顕微鏡の助けをかりて検査される。表面品質は、図1および図2より、明確に解る。図1は評価++を示し、図2は評価−−を示す。
【0140】
以下の分類が使用される:
++ 非常に良好な表面品質、最小数の小さな欠陥、大きな欠陥なし。
+ 良好な表面品質、少数の小さな欠陥。
0 平均数の大きな欠陥、すなわち許容できる表面品質、少数の小さな欠陥および少数の大きな欠陥。
− 悪い表面品質、多くの小さな欠陥、非常に多くの大きな欠陥。
−− 非常に悪い表面品質、非常に多くの小さなおよび大きな欠陥。
【0141】
本発明の範囲内の欠陥は、平らでなめらかな表面からの逸脱、例えばギザギザ(indentation)(穴)または隆起領域、バンプ、凸凹表面である。
【0142】
表1から分かるように、本発明による成形物は他の特性(例えば強さと熱可塑性流動性)を維持しつつ、著しく改良された表面品質を生産する。
【0143】
表1
成形組成物の組成および特性
【0144】
【表1】

【図1】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリオキシメチレンの群から少なくとも1つが選択される熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂の混合物、
B)エマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つのグラフトポリマーB.1およびエマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマーB.2との共沈(co-precipitation)によって得られる混合物、および
C)溶液−、塊状(mass)−、または懸濁重合によって製造される、少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマー
を含有する組成物。
【請求項2】
A)ポリカーボネート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、ポリアルキレンテレフタレートおよびポリオキシメチレンの群から少なくとも1つが選択される、熱可塑性樹脂または熱可塑性樹脂の混合物10〜99重量部、
B)エマルジョン重合によって製造された、少なくとも1つのグラフトポリマーB1および少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマーB.2との共沈によって製造される混合物0.5〜90重量部、
C)溶液−、塊状−、懸濁重合によって製造される、少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマー1〜50重量部、
D)難燃剤0〜20重量部、
E)フッ素化ポリオレフィン0〜5重量部
を含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
成分Bが、
ii)ガラス転移温度<10℃を有する1以上のグラフトベース95〜5重量%上で
i)少なくとも1つのビニルモノマー5〜95重量%
のエマルジョン重合によって製造される、少なくとも1つのグラフトポリマーB.1およびエマルジョン重合によって製造され、かつモノマーi)で構成された少なくとも1つの熱可塑性ビニル(コ)ポリマーB.2との共沈によって得られた混合物である、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
モノマーi)が、
i1)ビニル芳香族、核−置換ビニル芳香族および(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステルからなる群から選択される、少なくとも1つのモノマー50〜99重量部および
i2)ビニルシアニド、(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステルおよび不飽和カルボン酸の誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つのモノマー1〜50重量部
の混合物である、請求項3記載の組成物。
【請求項5】
モノマーi1)がスチレン、α−メチルスチレンおよびメチルメタクリレートの少なくとも1つから選択され、i2)がアクリロニトリル、無水マレイン酸およびメチルメタクリレートの少なくとも1つのモノマーから選択される、請求項4記載の組成物。
【請求項6】
モノマーi1)がスチレンであり、かつi2)がアクリロニトリルである、請求項4記載の組成物。
【請求項7】
グラフトベースii)がジエンゴム、EP(D)Mゴム、アクリレート−、ポリウレタン−、シリコーン−、クロロプレン−およびエチレン/ビニルアセテートゴムからなる群の少なくとも1つから選択される、請求項3記載の組成物。
【請求項8】
グラフトベースii)がジエンゴムから選択される、請求項3記載の組成物。
【請求項9】
グラフトポリマーB.1とビニル(コ)ポリマーB.2が重量比90:10〜25:75で含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項10】
グラフトポリマーB.1とビニル(コ)ポリマーB.2が重量比85:15〜50:50で含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項11】
ビニル(コ)ポリマーC)が、
i1)ビニル芳香族、核−置換ビニル芳香族、(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステルからなる群から選択される、少なくとも1つのモノマー50〜99重量部および
i2)ビニルシアニド、(メタ)アクリル酸−(C−C)−アルキルエステル、不飽和カルボン酸の誘導体からなる群から選択される、少なくとも1つのモノマー1〜50重量部
のモノマーで構成される、請求項1記載の組成物。
【請求項12】
成分B)と成分C)が重量比80:20〜30:70で含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項13】
グラフトポリマーB.1中のグラフトベースii)の含量(B.1に対して)75〜40重量%である、請求項1記載の組成物。
【請求項14】
一般式(IV):
【化1】

[式中、R、R、RおよびRは互いに独立して要すればハロゲン化されたC〜C−アルキル、いずれの場合も要すればアルキルおよび/またはハロゲンによって置換されたC〜C−シクロアルキル、C〜C20−アリールまたはC〜C12−アラルキルを示し、
nは互いに独立して0または1を示し、
qは0〜30を意味し、かつ
Xは炭素原子6〜30個を有する単核または多核芳香族基、または炭素原子2〜30個を有する直鎖状または分岐状脂肪族基を示し、これらはOH−置換されてもよく、8個以下のエーテル結合を含有してもよい。]
で表されるリン化合物を含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項15】
qは0〜10の値を示し、
Xは
【化2】

を示し、nは1を示す
である、請求項14記載の組成物。
【請求項16】
ビニル(コ)ポリマーB.2およびC)のアクリロニトリル含量が、1〜15重量%で異なっている、請求項1記載の組成物。
【請求項17】
成分Aがポリカーボネートおよびポリアミドから選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項18】
潤滑剤および離型剤、成核剤、静電防止剤、安定剤、フィラーおよび強化剤、染料および顔料からなる群からの少なくとも1つが選択される添加剤を含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項19】
成形部品の製造のための、請求項1記載の組成物の使用。
【請求項20】
請求項1記載の組成物から得られ得る、成形部品。

【公表番号】特表2006−508218(P2006−508218A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−556146(P2004−556146)
【出願日】平成15年11月17日(2003.11.17)
【国際出願番号】PCT/EP2003/012806
【国際公開番号】WO2004/050720
【国際公開日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】